(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138216
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】光触媒光源
(51)【国際特許分類】
F21V 3/04 20180101AFI20230925BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230925BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230925BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20230925BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20230925BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20230925BHJP
B01J 35/02 20060101ALI20230925BHJP
B01J 23/50 20060101ALI20230925BHJP
【FI】
F21V3/04 600
F21S2/00 230
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V33/00 470
A61L9/00 C
A61L9/20
B01J35/02 J
B01J23/50 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022063668
(22)【出願日】2022-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】505036098
【氏名又は名称】インテックス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】八木 穣
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
4C180
4G169
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K014AA01
3K014RB03
4C180AA02
4C180AA07
4C180CC03
4C180DD03
4C180HH15
4C180HH19
4C180LL04
4G169AA03
4G169BA48A
4G169BC32B
4G169CA01
4G169CA11
4G169DA06
4G169HA05
4G169HB10
4G169HC15
4G169HE03
4G169HE07
4G169HF03
4G169HF05
(57)【要約】
【課題】従来のLED蛍光灯においては紫外線を通すことができなかった。また、通したとしても特に紫外線波長域365nmから420nmではないため、効率の良い光触媒機能としては存在しなかった。
【解決手段】本発明が提案する光源装置は、主光源に白色LED素子を単数または複数個組み合わせて実装した発光部に、前記主光源に紫外線LED素子に光触媒を励起することを目的とした紫外線LED素子を単数または複数個組み合わせた発光部をもちさらに紫外線波長を365nmから420nmを用いることで光触媒としての効果を得られるよう波長域を持たせ、これらの発光素子に紫外線を通すカバーを覆いにかけ、そのカバー上に光触媒機能を有する触媒を塗布または散布することで光触媒機能を効率よく機能をもつことを特徴とした光源装置であり、また一般照明としても使える事を目的とした照明装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主光源に単数または複数個ならべられた白色LED素子を持つ発光素子と、光触媒を励起させることを目的とした紫外線LEDを単数または複数個かつ紫外線波長は365nmから420nm波長のいずれかまたは複数波長を特徴としたプリント基板上に配置し、さらに紫外線を通すカバーを覆いその上に光触媒を塗布したことを特徴とする光源装置
【請求項2】
前述光源部の光源軸部に任意に角度調整を行えることができることを特徴とする請求項1に記載の高演色性光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光源装置に関し、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)素子を光源を使用し特に白色発光ダイオードを主要発光光源とし、紫外線を発光する紫外線発光ダイオードの波長成分をもつ単数または複数の固有発光色を発光する発光ダイオードを配しかつ紫外線を通す乳半色のカバーに光触媒作用を持たせることを目的とした光源装置で、光触媒機能と明るさを調整する機能に回転角度を調整できる機能とを併せ持つことを特徴とした光源装置。
【背景技術】
【0002】
現在、光触媒機能をもつランプは従来型の紫外線を発光することができるガラス管を用いたランプかまたは従来の蛍光管タイプの光源でしたなかった。
【0003】
これは、紫外線波長が360nmから420nmの波長域になると通常のガラス管(ソーダーライムガラス管)では、光を通すことができないので、石英ガラスを用いるなど、紫外線波長を通す材料を用いる方法を使用している。
【0004】
また、これらのガラス管を使用した場合、落下時の破損の問題が生じ、使用用途が限定的にするかあるいのは、破損防止用にフィルムを巻くなど工夫する必要があった。
【0005】
さらに従来の蛍光管を使用する場合、蛍光管を発光しやすくするため、水銀イオンを注入させるなど、環境汚染の問題が発生するなど、難点があった。
【0006】
従来のLEDランプでは、使用する樹脂にポリカーボネート材を使用するが、一般的なポリカーボネート材は紫外線による劣化を防ぐため耐光材を含有させ、紫外線劣化防止を行うため紫外線を通さない材料となり、光触媒などの用途には不向きであった。
【0007】
また、紫外線を用いないで可視光のみで、光触媒機能を有している光触媒光源もあるが、機能として十分の効果がえられない問題があった。
【0008】
また従来光触媒技術に関しては、例えば下記特許文献1をあげることができる。
【0009】
LED利用が着目され、高寿命、省エネ、かつ、光触媒機能をもち、紫外線を通す光源装置はこれまで存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
LED光源で光触媒ランプを製造する場合、一番の課題は紫外線を通すカバーが必要だが、実際には、耐久性の問題で現実的には、存在しなかった。あるいは、存在したとしても、短波長側の紫外線波長特に365nm~420nmを通す材料はなかった。特に光触媒の効率効果を考えた場合にどうしても短波域の波長は必要不可欠の課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明が提案する光源装置は、主光源に白色LED素子を単数または複数個組み合わせて実装した発光部に、前記主光源の白色発光部に光触媒を励起させる目的で紫外線発光素子を単数または複数個組み合わせた発光部をもち、これら白色ランプと同様の効果を生むランプを提供しながら、かつ光触媒機能を有する光源を持ち、かつ必要に応じて紫外線部におのおの電流を制御する制御部を有する事で、光触媒機能の制御も自在に管理できることを特徴とした光源装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明による光源装置を用いれば効率のよい明るい発光色の白色LEDを主要光源にすることで非常に発光効率の高い光源が確保され、かつ紫外線LEDによる光触媒機能を同時に点灯することで光触媒による消臭、除菌、空気清浄などの効果も期待できる光源となる。このことにより、通常の明かりを灯す光源を用いながら、全く他の機材を用いることなく効果的に光触媒による効果で空気の清浄がなされる画期的な効果が得られ、資源の有効利用面でも大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明による光源装置の構成を示すブロック図で、光源白色部、紫外線部、電源部、紫外線を通すカバー部により構成されている。
【
図2】一般的な白色LED素子と紫外線を有する波長分光波形図である。
【
図3】
図1の紫外線を通すカバーに光触媒の機能を有する光触媒をカバーの上から塗布した模式図である。
【
図4】紫外線LEDより発せられた、紫外線が紫外線を通すカバーの上に塗布された光触媒によりイオン化された、模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、実施例の図面を参照にして詳細に説明する。
【実施例0016】
図1は、本発明による光源装置の実施例の構成を説明するブロック図である。
図1においてLSは光源部であり、主光源の白色LED素子LEDWと紫外線LED素子LEDUから構成され、光源部の電力を駆動する電源部からなり光源部を覆う紫外線を通すカバーが上から覆う構造である。紫外線部LEDUには個別に制御できる制御部CONを有している。また白色LED素子、LEDWは高演色光源のLEDか汎用タイプのLEDでも良い。紫外線LED素子LEDUは発光波長360nmから420nmを特徴とした、紫外線波長が良い。
【0017】
図1において、CONは制御部でLEDUの部分の制御を行う機能を有し、必要に応じ出力を制御する機能することが可能な機能を有している。LEDWは一般照明に用いている光源である。電源部PSは外部AC電源より供給をうけ白色LED素子LEDWと紫外線LED素子LEDUを駆動させる。
【0018】
図2は、主光源の白色LED素子から発光される分光波形特性である。この図のAの部分に紫外線波長365nmから420nmを含むLEDU、Bの部分に白色LEDWからなる分光波形図である。
【0019】
図3は、例として一般的な直管タイプの図で紫外線を通すカバーに光触媒を塗布した模式図である。
【0020】
図4は
図3によって構成された紫外線を通すカバー上に光触媒を塗布した光触媒が紫外線により銀イオンが飛び出す模式図である。
【0021】
実験の結果、紫外線量は距離の2乗に反比例して効果があることから、紫外線を通すカバーに直接塗布または、散布するなどを行えば、十分効果があることが分かった。
【0022】
また、当該紫外線量によれば、米国の安全係数に対し、1000uW/cm2に対しても十分低い値が計測され、20uW/cm2以下となり、十分実用レベルであることが判明した。
本発明の光源装置によれば、一般的なランプの置き換えで通常の明かりを確保しつつ、高い消臭、除菌効果を確保することができ光触媒による安全性の担保も確保でき、かつ経時劣化もすくないなどの特徴を有しております。これらのことから、今後既存の敷設設備にも利用が可能となり、人の集まる環境、飲食店、食品関連、など用途拡大が期待できます。