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特開2023-138218眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138218
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/407 20060101AFI20230922BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20230922BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20230922BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230922BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230922BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20230922BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230922BHJP
   A61K 47/69 20170101ALI20230922BHJP
【FI】
A61K31/407
A61P27/06
A61K9/19
A61K47/18
A61K47/10
A61K47/04
A61K47/02
A61K47/69
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022064303
(22)【出願日】2022-04-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】202210263184.5
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522143025
【氏名又は名称】浙江長典薬物技術開発有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 啓宏
(72)【発明者】
【氏名】沈 娜
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA29
4C076BB24
4C076CC10
4C076CC47
4C076DD26
4C076DD30
4C076DD38
4C076DD51
4C076EE39
4C076EE59
4C076FF33
4C076FF67
4C076GG06
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB03
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA44
4C086MA58
4C086NA03
4C086NA07
4C086ZA33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】再溶解時間を改善できるとともに、tert-ブタノールおよび不純物の含有量を低減できる眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末、ならびにその製造方法を提供する。
【解決手段】6-(2-グルコシルアミノ)-6-デオキシ-β-シクロデキストリンを主分子としてマイトマイシンC包接化合物を製造する眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末が開示される。また、組成に従って凍結乾燥前溶液を調製し、凍結乾燥前溶液を用いて凍結乾燥プロセスによりマイトマイシン凍結乾燥粉末を製造することを含む前記凍結乾燥粉末の製造方法がさらに開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6-(2-グルコシルアミノ)-6-デオキシ-β-シクロデキストリンを主分子としてマイトマイシンC包接化合物を製造する、眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末。
【請求項2】
製造方法は凍結乾燥法であり、凍結乾燥前溶液の溶媒はtert-ブタノール及び注射用水である、請求項1に記載の凍結乾燥粉末。
【請求項3】
前記凍結乾燥前溶液はL-セリンをさらに含む、請求項1又は2に記載の凍結乾燥粉末。
【請求項4】
前記凍結乾燥前溶液のpH値は8-9である、請求項1又は2に記載の凍結乾燥粉末。
【請求項5】
前記凍結乾燥前溶液の組成は
である、請求項1又は2に記載の凍結乾燥粉末。
【請求項6】
前記凍結乾燥前溶液の組成は、
である、請求項5に記載の凍結乾燥粉末。
【請求項7】
前記凍結乾燥前溶液の組成は、
である、請求項6に記載の凍結乾燥粉末。
【請求項8】
前記凍結乾燥前溶液の製造方法は、
マイトマイシンをtert-ブタノールに溶解することで溶液1を得るステップ(1)と、
6-(2-グルコシルアミノ)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、L-セリン、及びリン酸二水素カリウムをtert-ブタノールの体積の2-3倍の注射用水に加え、撹拌して溶解することで溶液2を得るステップ(2)と、
溶液1を溶液2に加え、均一に混合し、注射用水を用いて所定体積まで添加し、次に、0.1M水酸化カリウム水溶液でpH値を調整するステップ(3)と、
0.22μmポリカーボネートミクロポーラス濾過膜により除菌濾過し、凍結乾燥前溶液をバイアル瓶に充填するステップ(4)と、
を含む、請求項5から7のいずれか1項に記載の凍結乾燥粉末。
【請求項9】
前記凍結乾燥前溶液の凍結乾燥プロセスは、以下の通りであり、
-50℃で6h予備凍結し、次に、真空ポンプを起動し、真空度を30mbarに設定し、-20℃まで昇温し、4h真空乾燥し、さらに-50℃まで降温し、6h真空乾燥し、その後25℃まで昇温し、4h二次乾燥した後、真空ポンプを停止させ、マイトマイシン凍結乾燥粉末を得る、請求項1又は2に記載の凍結乾燥粉末。
【請求項10】
組成に従って凍結乾燥前溶液を調製し、凍結乾燥前溶液を用いて凍結乾燥プロセスによりマイトマイシン凍結乾燥粉末を製造することを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の凍結乾燥粉末の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の技術分野に属し、特に、眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイトマイシンCは、Streptomyces caespitosus発酵物の濾液から分離された広域スペクトルの抗腫瘍抗生物質であって、代謝拮抗剤であり、DNA分子の二重らせん構造と架橋を形成し、DNAの構造と機能を破壊し、増殖期のDNAの複製を阻害する。緑内障濾過手術後の線維症による手術の失敗は一般的である。マイトマイシン系代謝拮抗剤は、線維増殖症に対して強力な抑制作用を有する。マイトマイシンCは、線維芽細胞のDNA、RNA及びタンパク質合成を選択的に阻害し、それによって線維芽細胞の分化と複製を低減させ、瘢痕化を阻害する。研究によると、緑内障濾過手術におけるマイトマイシンCの適切な適用は、抗緑内障手術の成功率を向上させ、優れた眼圧降下を達成できるだけでなく、術後濾過小疱の線維化を大幅に制御することもできる。
【0003】
マイトマイシンCは、顕著な代謝拮抗作用を有するため、抗緑内障手術後の眼圧低下を維持するという臨床効果を有する。しかし、マイトマイシンC等の代謝拮抗剤は特異的ではないため、線維芽細胞を選択的に阻害することはないが、眼のすべての組織細胞に毒性を有する。強い毒性作用はより多くの術後合併症を引き起こすため、その適用が限られている。そこで、如何にしてマイトマイシンCの安定性を改善しながらマイトマイシンCによる毒副作用を減少できるかが、臨床研究の重要な課題となっている。
【0004】
中国特許出願公開CN105744957Aには、安定性が向上するとともに速やかに再溶解して溶液を形成可能な凍結乾燥マイトマイシンCの医薬組成物を製造するための方法が開示されている。凍結乾燥マイトマイシンCの溶液は少なくとも1種類の有機溶媒を含み、好ましくはtert-ブタノールと水の混合物は少なくとも15wt%のtert-ブタノールを包含している。しかし、この凍結製品には依然としてtert-ブタノール溶媒の残留が多いという問題が存在する。
【0005】
中国特許出願公開CN113197870Aには、配合原料がマイトマイシン2-4質量部、マンニトール5-6質量部、tert-ブタノール500-700質量部及びプロピレングリコール10-30質量部を含み、1000質量部となるまで水を添加する注射用マイトマイシン凍結乾燥製剤が開示されている。製品に溶媒残留の問題がなく、安定性は良好であるが、この凍結乾燥製剤には再溶解時間が長く、不純物の含有量が高いという欠陥が存在する。
【0006】
中国特許出願公開CN112870170Aには、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン又はその誘導体を用いてマイトマイシンCを包接することでマイトマイシンCの水溶性を改善し、浸透圧調整剤を加え、溶液を凍結乾燥することで眼科用製剤の安定性を向上させるマイトマイシンC眼科用製剤の製造方法が開示されているが、安定性に関する具体的な数値が記載されていない。
【0007】
そのため、従来の方法に基づいて、再溶解時間を改善できるとともに、tert-ブタノール及び不純物の含有量を低減できる眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末及びその製造方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服するために、再溶解時間を改善できるとともに、tert-ブタノール及び不純物の含有量を低減できる眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末及びその製造方法を提供することである。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば、6-(2-グルコシルアミノ)-6-デオキシ-β-シクロデキストリンを主分子としてマイトマイシンC包接化合物を製造する眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末が提供される。
【0010】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、製造方法は凍結乾燥法であり、凍結乾燥前溶液の溶媒はtert-ブタノール及び注射用水である。
【0011】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液はL-セリンをさらに含む。
【0012】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液のpH値は8-9である。
【0013】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液の組成は以下の通りである。
【0014】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液の組成は以下の通りである。
【0015】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液の組成は以下の通りである。
【0016】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液の製造方法は、
マイトマイシンをtert-ブタノールに溶解することで溶液1を得るステップ(1)と、
6-(2-グルコシルアミノ)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、L-セリン、及びリン酸二水素カリウムをtert-ブタノールの体積の2-3倍の注射用水に加え、撹拌して溶解することで溶液2を得るステップ(2)と、
溶液1を溶液2に加え、均一に混合し、注射用水を用いて所定体積まで添加し、次に、0.1M水酸化カリウム水溶液でpH値を調整するステップ(3)と、
0.22μmポリカーボネートミクロポーラス濾過膜により除菌濾過し、凍結乾燥前溶液をバイアル瓶に充填するステップ(4)と、
を含む。
【0017】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液の凍結乾燥プロセスは、以下の通りであり、
-50℃で6h予備凍結し、次に、真空ポンプを起動し、真空度を30mbarに設定し、-20℃まで昇温し、4h真空乾燥し、さらに-50℃まで降温し、6h真空乾燥し、その後25℃まで昇温し、4h二次乾燥した後、真空ポンプを停止させ、マイトマイシン凍結乾燥粉末を得る。
【0018】
さらに、本発明によれば、組成に従って凍結乾燥前溶液を調製し、凍結乾燥前溶液を用いて凍結乾燥プロセスによりマイトマイシン凍結乾燥粉末を製造することを含む前記凍結乾燥粉末の製造方法が提供される。
【0019】
いかなる理論にも限定されることを望まないが、本発明の凍結乾燥前溶液の組成及びその製造方法は、再溶解時間を改善できるとともに、tert-ブタノール及び不純物の含有量を低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の具体的な実施形態は、本発明の思想及び原理を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。また、本発明の内容に基づいて当業者が本発明の技術的解決策に対して様々な変更、置換、削除、修正又は調整を行うことができ、これらの同等の技術的解決策も本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【0021】
実施例1
6-(2-グルコシルアミノ)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン(山東浜州智源生物科技有限公司から購入)を主分子としてマイトマイシンC包接化合物を製造した。凍結乾燥前溶液の組成を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
凍結乾燥前溶液の調製
(1)15mgマイトマイシンを1.2mLtert-ブタノールに溶解することで溶液1を得た。
(2)360mgの6-(2-グルコシルアミノ)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、18mgのL-セリン及び36mgリン酸二水素カリウムを3mL注射用水に入れ、撹拌して溶解することで溶液2を得た。
(3)溶液1を溶液2に加え、均一に混合し、注射用水を用いて6mLまで添加し、次に、0.1M水酸化カリウム水溶液でpH値=8.5に調整した。
(4)0.22μmポリカーボネートミクロポーラス濾過膜により除菌濾過し、凍結乾燥前溶液をバイアル瓶に充填した。
【0024】
実施例2:凍結乾燥プロセス
実施例1のバイアル瓶を凍結乾燥機に入れ、-50℃で6h予備凍結し、次に、真空ポンプを起動し、真空度を30mbarに設定し、-20℃まで昇温し、4h真空乾燥し、-50℃まで降温し、6h真空乾燥し、25℃まで昇温し、4h二次乾燥した。真空ポンプを停止させ、マイトマイシン凍結乾燥粉末を得た。
【0025】
比較例1
ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを主分子としてマイトマイシンC包接化合物を製造した。凍結乾燥前溶液の組成を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
凍結乾燥前溶液の調製
6-(2-グルコシルアミノ)-6-デオキシ-β-シクロデキストリンの代わりにヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを使用する以外、実施例1と同様であった。
【0028】
比較例2
比較例1のバイアル瓶を凍結乾燥機に入れ、-50℃で6h予備凍結し、次に、真空ポンプを起動し、真空度を30mbarに設定し、-20℃まで昇温し、4h真空乾燥し、-50℃まで降温し、6h真空乾燥し、25℃まで昇温し、4h二次乾燥した。真空ポンプを停止させ、マイトマイシン凍結乾燥粉末を得た。
【0029】
比較例3
実施例1のバイアル瓶を凍結乾燥機に入れ、-50℃で6h予備凍結し、次に、真空ポンプを起動し、真空度を30mbarに設定し、-20℃まで昇温し、10h真空乾燥し、25℃まで昇温し、4h二次乾燥した。真空ポンプを停止させ、マイトマイシン凍結乾燥粉末を得た。
【0030】
本発明の実施例及び比較例のマイトマイシン凍結乾燥粉末の比較を表3に示す。
【0031】
【表3】
*再溶解時間は、等張食塩溶液を用いて1mg/mLに再溶解するまでの時間を指す。
【0032】
以上の説明は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明には様々な変更及び変化が含まれ得ることを当業者は理解できる。本発明の思想及び原則の範囲内で行われる修正、同等置換、改良などはいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6-(2-グルコサミン)-6-デオキシ-β-シクロデキストリンを主分子としてマイトマイシンC包接化合物を製造する、眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末の製造方法であって、
凍結乾燥前溶液を調製し、凍結乾燥前溶液を用いて凍結乾燥プロセスによりマイトマイシン凍結乾燥粉末を製造することを含み、
前記凍結乾燥プロセスは、
-50℃で6h予備凍結し、次に、真空ポンプを起動し、真空度を30mbarに設定し、-20℃まで昇温し、4h真空乾燥し、さらに-50℃まで降温し、6h真空乾燥し、その後25℃まで昇温し、4h二次乾燥した後、真空ポンプを停止させ、マイトマイシン凍結乾燥粉末を得ることを含む眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末の製造方法
【請求項2】
前記凍結乾燥前溶液の溶媒はtert-ブタノール及び注射用水である、請求項1に記載の凍結乾燥粉末の製造方法
【請求項3】
前記凍結乾燥前溶液はL-セリンをさらに含む、請求項1又は2に記載の凍結乾燥粉末の製造方法
【請求項4】
前記凍結乾燥前溶液のpH値は8-9である、請求項1又は2に記載の凍結乾燥粉末の製造方法
【請求項5】
前記凍結乾燥前溶液の組成は
である、請求項1又は2に記載の凍結乾燥粉末の製造方法
【請求項6】
前記凍結乾燥前溶液の組成は、
である、請求項5に記載の凍結乾燥粉末の製造方法
【請求項7】
前記凍結乾燥前溶液の組成は、
である、請求項6に記載の凍結乾燥粉末の製造方法
【請求項8】
前記凍結乾燥前溶液の製造方法は、
マイトマイシンをtert-ブタノールに溶解することで溶液1を得るステップ(1)と、
6-(2-グルコサミン)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、L-セリン、及びリン酸二水素カリウムをtert-ブタノールの体積の2-3倍の注射用水に加え、撹拌して溶解することで溶液2を得るステップ(2)と、
溶液1を溶液2に加え、均一に混合し、注射用水を用いて所定体積まで添加し、次に、0.1M水酸化カリウム水溶液でpH値を調整するステップ(3)と、
0.22μmポリカーボネートミクロポーラス濾過膜により除菌濾過し、凍結乾燥前溶液をバイアル瓶に充填するステップ(4)と、
を含む、請求項5記載の凍結乾燥粉末の製造方法
【請求項9】
前記凍結乾燥前溶液の製造方法は、
マイトマイシンをtert-ブタノールに溶解することで溶液1を得るステップ(1)と、
6-(2-グルコサミン)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、L-セリン、及びリン酸二水素カリウムをtert-ブタノールの体積の2-3倍の注射用水に加え、撹拌して溶解することで溶液2を得るステップ(2)と、
溶液1を溶液2に加え、均一に混合し、注射用水を用いて所定体積まで添加し、次に、0.1M水酸化カリウム水溶液でpH値を調整するステップ(3)と、
0.22μmポリカーボネートミクロポーラス濾過膜により除菌濾過し、凍結乾燥前溶液をバイアル瓶に充填するステップ(4)と、
を含む、請求項6に記載の凍結乾燥粉末の製造方法。
【請求項10】
前記凍結乾燥前溶液の製造方法は、
マイトマイシンをtert-ブタノールに溶解することで溶液1を得るステップ(1)と、
6-(2-グルコサミン)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、L-セリン、及びリン酸二水素カリウムをtert-ブタノールの体積の2-3倍の注射用水に加え、撹拌して溶解することで溶液2を得るステップ(2)と、
溶液1を溶液2に加え、均一に混合し、注射用水を用いて所定体積まで添加し、次に、0.1M水酸化カリウム水溶液でpH値を調整するステップ(3)と、
0.22μmポリカーボネートミクロポーラス濾過膜により除菌濾過し、凍結乾燥前溶液をバイアル瓶に充填するステップ(4)と、
を含む、請求項7に記載の凍結乾燥粉末の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば、6-(2-グルコサミン)-6-デオキシ-β-シクロデキストリンを主分子としてマイトマイシンC包接化合物を製造する眼科用マイトマイシン凍結乾燥粉末が提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液の組成は以下の通りである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液の組成は以下の通りである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液の組成は以下の通りである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明に記載の凍結乾燥粉末において、前記凍結乾燥前溶液の製造方法は、
マイトマイシンをtert-ブタノールに溶解することで溶液1を得るステップ(1)と、
6-(2-グルコサミン)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、L-セリン、及びリン酸二水素カリウムをtert-ブタノールの体積の2-3倍の注射用水に加え、撹拌して溶解することで溶液2を得るステップ(2)と、
溶液1を溶液2に加え、均一に混合し、注射用水を用いて所定体積まで添加し、次に、0.1M水酸化カリウム水溶液でpH値を調整するステップ(3)と、
0.22μmポリカーボネートミクロポーラス濾過膜により除菌濾過し、凍結乾燥前溶液をバイアル瓶に充填するステップ(4)と、
を含む。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
実施例1
6-(2-グルコサミン)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン(山東浜州智源生物科技有限公司から購入)を主分子としてマイトマイシンC包接化合物を製造した。凍結乾燥前溶液の組成を表1に示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
凍結乾燥前溶液の調製
(1)15mgマイトマイシンを1.2mLtert-ブタノールに溶解することで溶液1を得た。
(2)360mgの6-(2-グルコサミン)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、18mgのL-セリン及び36mgリン酸二水素カリウムを3mL注射用水に入れ、撹拌して溶解することで溶液2を得た。
(3)溶液1を溶液2に加え、均一に混合し、注射用水を用いて6mLまで添加し、次に、0.1M水酸化カリウム水溶液でpH値=8.5に調整した。
(4)0.22μmポリカーボネートミクロポーラス濾過膜により除菌濾過し、凍結乾燥前溶液をバイアル瓶に充填した。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
凍結乾燥前溶液の調製
6-(2-グルコサミン)-6-デオキシ-β-シクロデキストリンの代わりにヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを使用する以外、実施例1と同様であった。