IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社PECOの特許一覧

特開2023-138243獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム
<>
  • 特開-獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム 図1
  • 特開-獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム 図2
  • 特開-獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム 図3
  • 特開-獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138243
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20230922BHJP
【FI】
G16H40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130947
(22)【出願日】2022-08-19
(62)【分割の表示】P 2022540805の分割
【原出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】515158272
【氏名又は名称】株式会社PECO
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 純
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】効率的に動物患者を取り扱うことができるようにする。
【解決手段】獣医療支援システムであって、獣医療機関に来院する動物患者の飼主に対して伝達するべき説明情報を記憶する記憶部と、動物患者の獣医療機関への輸送の依頼を受け付ける輸送受付部と、依頼に応じて動物患者を輸送する移動体を出発させるように指示する予約部と、移動体による動物患者の輸送中に、移動体の中に配置される表示装置に説明情報を表示する説明表示部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
獣医療機関に来院する動物患者の飼主に対して伝達するべき説明情報を記憶する記憶部と、
前記動物患者の前記獣医療機関への輸送の依頼を受け付ける輸送受付部と、
前記依頼に応じて前記動物患者を輸送する移動体を出発させるように指示する予約部と、
前記移動体による前記動物患者の輸送中に、前記移動体の中に配置される表示装置に前記説明情報を表示する説明表示部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の獣医療支援システムであって、
前記記憶部は、動物種に対応付けて前記説明情報を記憶し、
前記説明表示部は、前記動物患者の前記動物種に対応する前記説明情報を前記記憶部から読み出して前記表示装置に表示すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
前記記憶部は、来院事由に対応付けて前記説明情報を記憶し、
前記動物患者の前記来院事由を取得する来院事由取得部をさらに備え、
前記説明表示部は、取得した前記来院事由に対応する前記説明情報を前記記憶部から読み出して前記表示装置に表示すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の獣医療支援システムであって、
前記飼主に前記動物患者に関する質問を送信し、前記質問に対する回答を受け付ける問診部をさらに備え、
前記来院事由取得部は、前記回答に基づいて前記来院事由を推定すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
前記記憶部は、病気、怪我又は治療に対応付けて前記説明情報を記憶し、
前記飼主に前記動物患者に関する質問を送信し、前記質問に対する回答を受け付ける問診部と、
前記回答に基づいて前記動物患者について可能性のある前記病気、怪我又は治療を推定する推定部と、
を備え、
前記説明表示部は、推定した前記病気、怪我又は治療に対応する前記説明情報を前記記憶部から読み出して前記表示装置に表示すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項6】
獣医療機関に来院する動物患者の飼主に対して伝達するべき説明情報を記憶部に記憶するステップと、
前記動物患者の前記獣医療機関への輸送の依頼を受け付けるステップと、
前記依頼に応じて前記動物患者を輸送する移動体を出発させるように指示するステップと、
前記移動体による前記動物患者の輸送中に、前記移動体の中に配置される表示装置に前記説明情報を表示するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
【請求項7】
獣医療機関に来院する動物患者の飼主に対して伝達するべき説明情報を記憶部に記憶するステップと、
前記動物患者の前記獣医療機関への輸送の依頼を受け付けるステップと、
前記依頼に応じて前記動物患者を輸送する移動体を出発させるように指示するステップと、
前記移動体による前記動物患者の輸送中に、前記移動体の中に配置される表示装置に前記説明情報を表示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には動物の緊急搬送を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-342461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飼主に対する説明は獣医療機関に到着した後に行う必要がある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、効率的に動物患者を取り扱うことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、獣医療支援システムであって、獣医療機関に来院する動物患者の飼主に対して伝達するべき説明情報を記憶する記憶部と、前記動物患者の前記獣医療機関への輸送の依頼を受け付ける輸送受付部と、前記依頼に応じて前記動物患者を輸送する移動体を出発させるように指示する予約部と、前記移動体による前記動物患者の輸送中に、前記移動体の中に配置される表示装置に前記説明情報を表示する説明表示部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、効率的に動物患者を取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ20の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
獣医療機関に来院する動物患者の飼主に対して伝達するべき説明情報を記憶する記憶部と、
前記動物患者の前記獣医療機関への輸送の依頼を受け付ける輸送受付部と、
前記依頼に応じて前記動物患者を輸送する移動体を出発させるように指示する予約部と、
前記移動体による前記動物患者の輸送中に、前記移動体の中に配置される表示装置に前記説明情報を表示する説明表示部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
[項目2]
項目1に記載の獣医療支援システムであって、
前記記憶部は、動物種に対応付けて前記説明情報を記憶し、
前記説明表示部は、前記動物患者の前記動物種に対応する前記説明情報を前記記憶部から読み出して前記表示装置に表示すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
前記記憶部は、来院事由に対応付けて前記説明情報を記憶し、
前記動物患者の前記来院事由を取得する来院事由取得部をさらに備え、
前記説明表示部は、取得した前記来院事由に対応する前記説明情報を前記記憶部から読み出して前記表示装置に表示すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目4]
項目3に記載の獣医療支援システムであって、
前記飼主に前記動物患者に関する質問を送信し、前記質問に対する回答を受け付ける問診部をさらに備え、
前記来院事由取得部は、前記回答に基づいて前記来院事由を推定すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目5]
項目1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
前記記憶部は、病気、怪我又は治療に対応付けて前記説明情報を記憶し、
前記飼主に前記動物患者に関する質問を送信し、前記質問に対する回答を受け付ける問診部と、
前記回答に基づいて前記動物患者について可能性のある前記病気、怪我又は治療を推定する推定部と、
を備え、
前記説明表示部は、推定した前記病気、怪我又は治療に対応する前記説明情報を前記記憶部から読み出して前記表示装置に表示すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目6]
獣医療機関に来院する動物患者の飼主に対して伝達するべき説明情報を記憶部に記憶するステップと、
前記動物患者の前記獣医療機関への輸送の依頼を受け付けるステップと、
前記依頼に応じて前記動物患者を輸送する移動体を出発させるように指示するステップと、
前記移動体による前記動物患者の輸送中に、前記移動体の中に配置される表示装置に前記説明情報を表示するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
[項目7]
獣医療機関に来院する動物患者の飼主に対して伝達するべき説明情報を記憶部に記憶するステップと、
前記動物患者の前記獣医療機関への輸送の依頼を受け付けるステップと、
前記依頼に応じて前記動物患者を輸送する移動体を出発させるように指示するステップと、
前記移動体による前記動物患者の輸送中に、前記移動体の中に配置される表示装置に前記説明情報を表示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る獣医療支援システムについて説明する。図1は、獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の獣医療支援システムは、管理サーバ20を含んで構成される。管理サーバ20は、ユーザ端末10、獣医療機関端末30及び移動体3の中に配置される移動体端末31のそれぞれと通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
本実施形態の獣医療支援システムは、自宅から獣医療時間に動物患者1(及び飼主2)を輸送する輸送手段(移動体3)の予約(移動体3を特定の期間中、動物患者1のために利用可能に設定することをいう。)を行う。移動体3は例えば自動車である。移動体3の中には液晶ディスプレイなどの表示装置32が配置される。移動体端末31は表示装置32と接続されており、移動体端末31から表示装置32に表示する内容を制御することができる。管理サーバ20は、移動体端末31に対して、表示装置32に表示する内容を送信することにより、表示装置32に表示する内容を制御することができる。
【0013】
本実施形態の獣医療支援システムでは、移動体3により動物患者1を獣医療機関に輸送している間に、表示装置32に、動物患者1の来院にあたり必要な説明情報を表示するようにしている。
【0014】
ユーザ端末10は、飼主2が操作するコンピュータであり、例えばスマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザ端末10はカメラ機能を備えることができる。飼主2はユーザ端末10を操作して管理サーバ20に対して動物患者1を移動体3により獣医療機関まで輸送する依頼(以下、輸送依頼という。)を送信することができる。また、飼主2は、ユーザ端末10を操作して問診に対する回答を行うことができる。
【0015】
獣医療機関端末30は、獣医療機関の従業者が操作するコンピュータであり、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。獣医療機関の従事者は、例えば、獣医師4、看護師5、スタッフ6などを含む。獣医療機関端末30は管理サーバ20からのメッセージを受信して従事者に対して出力することができる。
【0016】
移動体端末31は、移動体3の乗務員が操作するコンピュータであり、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。なお、獣医療機関の従事者が所持する獣医療機関端末30を移動体端末31として使用するようにしてもよい。
【0017】
管理サーバ20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。管理サーバ20は、ユーザ端末10からの輸送依頼に応じて、問診を行い、問診結果を獣医療機関端末30に送信することもできる。
【0018】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置20の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ20の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0019】
図3は、管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ20は、説明情報記憶部231と、輸送予約情報記憶部232と、質問記憶部233と、回答記憶部234と、輸送受付部211と、輸送予約部212と、問診部213と、来院事由取得部214と、推定部215と、説明表示部216と、を備える。
【0020】
説明情報記憶部231は、獣医療機関に来院する動物患者の飼主に対して伝達するべき説明を含む情報(以下、説明情報という。)を記憶する。説明情報には、動物種、来院事由、ならびに、主訴、病気、怪我又は治療に対応付けて説明が含まれうる。なお、動物種には品種を含めるようにしてもよい。来院事由は、動物患者1を獣医療機関に連れてくる理由である。来院事由には、例えば、「病気」、「怪我」、「治療」、「健康診断」、「予防接種」などがあり得る。来院事由は、主訴などの問診への回答に応じて推定することもできる。主訴とは、飼主2が申し立てる動物患者1の状態である。病気、怪我又は治療は、具体的な内容であり、病気及び怪我は例えば病名や疾患名とすることができ、治療は、検査内容、処置内容、手術内容、接種内容、処方内容などを含むことができる。説明には、具体的な、病気、怪我、治療、健康診断、予防接種等についての説明が含まれる。説明には、例えば、来院後、診断や処置を受けるまでの間に行うべき手続、診断や処置の流れ、終了後に飼主2に対してどのような情報がどのように伝達されるかなどの事務的な説明が含まれうる。また、説明には、例えば、この病気や怪我がどのようなものであるのか、どのような治療が必要となりうるのか、どのような薬が処方されうるのか、この病気や怪我の回復後にどのような後遺症が出得るのかなど、病気や怪我などに応じた説明も含まれうる。また、説明には、ワクチン等の予防接種、健康診断の実施予定なども含まれうる。なお、動物種、来院事由、及び、主訴、病気、怪我又は治療の少なくともいずれかが設定されていない説明情報が登録されていてもよい。
【0021】
輸送予約情報記憶部232は、移動体3の予約に関する情報(以下、輸送予約情報という。)を記憶する。輸送予約情報には、移動体3を示す移動体ID、医療機関の場所を特定するための情報(医療機関)、患者動物1の住所を特定するための情報(自宅)、来院フラグ、乗車日時、移動体3に同乗する従事者を示す乗務員IDを含めることができる。医療機関の場所を特定するための情報は、医療機関の住所としてもよいし、管理サーバ20が医療機関ごとの住所が管理される医療機関データベースを備える場合には、医療機関を示す医療機関IDとしてもよい。患者動物1の住所を特定するための情報は、動物患者1の住所(飼主2の住所)としてもよいし、管理サーバ20が患者動物1の住所が管理される動物データベースを備える場合には、動物患者1を示す患者IDとしてもよいし、管理サーバ20が患者動物1の飼主2が管理される動物データベースと飼主2の住所が管理される飼主データベースとを備える場合には、動物患者1を示す患者ID又は飼主2を示す飼主IDとしてもよい。来院フラグは、動物患者1を自宅から獣医療機関に輸送するか否かを示す情報である。乗車日時は、動物患者1をピックアップする予定の日時である。乗務員IDは、獣医師4、看護師5、スタッフ6を示す情報であり、複数の乗務員が移動体3に同乗する場合には、複数の乗務員IDを設定してもよい。
【0022】
質問記憶部233は、動物患者1の健康状態についての質問に係る情報(以下、質問情報という。)を記憶する。質問情報には、質問を特定する質問IDと、当該質問が該当する動物種とに対応付けて、質問内容を含めることができる。質問内容には、フリーテキストでの回答を予定する質問、2択または3択以上の選択肢から1つ以上を選択する回答を予定する質問、所定の範囲内での値(実数または整数)の回答を予定する質問などを含めることができる。質問は、例えば、テキストデータとすることができ、画像や音声を含めるようにすることもできる。本実施形態では、質問には、特定の部位を撮影した画像により回答するべき質問が含まれるものとする。
【0023】
回答履歴記憶部234は、問診に係る質問に対する飼主2からの回答の履歴を記憶する。回答履歴記憶部234が記憶する回答履歴には、動物ID及び問診の日時に対応付けて、質問を示す質問IDと、当該質問に対する回答とが含まれる。
【0024】
輸送受付部211は、動物患者1の獣医療機関への輸送の依頼を受け付ける。輸送受付部211は、動物患者1の輸送の依頼(以下、輸送依頼という。)を受け付ける。輸送受付部211は、ユーザ端末10から輸送依頼を受信する。輸送依頼には、動物患者についての主訴が含まれる。本実施形態では、主訴の選択肢を管理サーバ2がユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10において選択肢の中から主訴が選択されることを想定する。輸送依頼には、主訴以外にも、飼主2を示す飼主ID、動物患者1を示す動物ID及び獣医療機関を示す医療機関IDが設定されうる。輸送依頼に飼主IDが設定されていない場合には、輸送依頼受信部211は、動物IDに対応する飼主IDを動物情報記憶部232から読み出すことができる。輸送依頼に動物IDが設定されていない場合には、輸送依頼受信部211は、ユーザ端末10に対して動物IDを問い合わせるようにすることができる。輸送依頼には、受診希望日時(又は希望する期間)が設定されていてもよい。
【0025】
輸送予約部212は、輸送依頼に応じて動物患者1を輸送する移動体3を予約する。移動体3の予約とは、移動体3を特定の動物患者1を特定の日時に輸送可能な状態に確保することをいう。輸送予約部213は、輸送予約情報を作成して輸送予約情報記憶部232に登録することができる。予約部213は、すぐに移動体3を使用する場合にも、現在日時を設定した予約をすることができる。
【0026】
問診部213は、動物患者1に係る問診を行う。問診部213は、動物患者1の飼主2に対して質問を送信し、質問に対する回答を受信することができる。問診部213は、例えば、質問記憶部233に記憶されている質問をユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10から質問に対する回答を受信することができる。問診部213は、例えば、1つの質問を送信し、当該質問に対する回答を受信して、回答に応じて次の質問を決定するようにしてもよいし、複数の質問を一度に送信して、複数の質問に対する回答を受信するようにしてもよい。問診部213は、受信した回答を、飼主2を示す飼主ID、動物患者1を示す動物ID、獣医療機関を示す医療機関ID及び日時に対応付けて回答履歴記憶部234に登録することができる。
【0027】
来院事由取得部214は、動物患者1の来院事由を取得する。来院事由取得部214は、問診とは別に来院事由の入力を受け付けるようにしてもよいし、問診における飼主2からの回答に基づいて来院事由を推定するようにしてもよい。
【0028】
推定部215は、問診での質問に対する飼主2からの回答に基づいて動物患者1について可能性のある病気、怪我又は治療を推定する。推定部215による推定結果は、1つであっても複数であってもよい。推定部215は、例えば、所与のルールに基づいて推定を行うようにすることができる。ルールは、例えば決定木などとしてもよいし、回答を特徴量として病気、怪我又は治療を教師データとした機械学習により作成された予測モデルであってもよい。
【0029】
説明表示部216は、移動体3による動物患者1の輸送中に、移動体3の中に配置される表示装置32に説明情報を表示する。説明表示部216は、動物患者1の動物種に対応する説明情報を説明情報記憶部231から読み出して表示装置32に表示することができる。説明表示部216は、動物患者1の来院事由に対応する説明情報を説明情報記憶部231から読み出して表示装置32に表示することもできる。説明表示部216は、推定部215により推定された病気、怪我又は治療に対応する説明情報を説明情報記憶部231から読み出して表示装置32に表示することもできる。また、説明表示部216は、例えば、動物患者1の住所から獣医療機関までの距離や、動物患者1の住所から獣医療機関までの移動にかかると予測される時間に応じた数の説明情報を表示装置32に表示することができる。この場合に、説明情報に重要度を設定しておき、重要度の順に当該数の説明情報を表示するようにしてもよい。
【0030】
<動作>
図4は、管理サーバ20の動作を説明する図である。
【0031】
管理サーバ20は、ユーザ端末10から輸送依頼を受信すると(S301)、移動体3を予約するとともに(S302)、質問をユーザ端末10に送信して回答をユーザ端末10から受信する問診を行う(S303)。管理サーバ20は、来院事由を取得する(S304)。来院事由は、問診の回答(例えば主訴)から抽出するようにしてもよいし、問診の回答に基づいて推定するようにしてもよいし、来院事由の入力を問診とは別途受け付けるようにしてもよい。
【0032】
管理サーバ20は、来院事由、主訴、病気、怪我、治療が設定されていない説明情報を説明情報記憶部231から読み出し(S305)、動物種及び来院事由に対応する説明情報を説明情報記憶部231から読み出し(S306)、問診における回答に基づいて、動物患者1の病気、怪我、治療を推定して(S307)、推定結果に対応する説明情報を説明情報記憶部231から読み出す(S308)。管理サーバ20は、S308、S307、S305で読み出した説明情報を移動体端末31に送信して、移動体3内の表示装置32に表示させる(S309)。なお、管理サーバ20は、移動体3が動物患者1を乗せてから獣医療機関(来院時、帰宅時には自宅)に到着するまでの間に、説明情報を表示装置32に表示させるようにすることができる。
【0033】
以上のようにして、本実施形態の獣医療支援システムによれば、従来は獣医療機関に到着後にされていた説明を移動中の移動体3の中で受けることができるので、獣医療機関到着後には動物患者1に対する治療や検査、予防接種などを効率的に行うことができる。
【0034】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0035】
10 ユーザ端末
20 管理サーバ
30 獣医療機関端末
31 移動体端末
32 表示装置
図1
図2
図3
図4