(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138319
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】強化されたユーザインターフェースを有する較正器
(51)【国際特許分類】
G01R 13/00 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
G01R13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022211589
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】17/698,977
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
【住所又は居所原語表記】6920 Seaway Boulevard, Everett, Washington 98203 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】フェランテ, ジョセフ ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】ブロンソン, ジェニファー シー.
(72)【発明者】
【氏名】バートレイ, デイヴィッド ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ガビリア, ウィリアム ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ブリッツ, ウィリアム ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホスター, チェスター ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ドルチャーク, アレキサンダー ジェイ. ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, ケビン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ゾフィ, スティーブン ジェイ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】強化されたユーザインターフェース(UI)を有する較正器が提供される。
【解決手段】較正器は、較正器の出力端子を経由して電気信号を出力する。較正器は、較正器のディスプレイ上に、電気信号の電気量に関連付けられたグラフィカル表示を提示する。較正器又はそのコントローラは、グラフィカル表示の色を、出力端子に関連付けられた光インジケータによって発せられる色と同期させる。較正器は、グラフィカル表示とともに、選択可能であり、電気信号に関連付けられた信号特性を表す信号特性GUI要素を提示する。信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、較正器は、信号特性のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を表示し、かつ較正器は、ユーザ入力に従って電気信号を修正する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリブレータであって
電気信号を出力するように構成されている出力端子と、
出力端子に関連して位置付けられ、光を発するように構成されている光インジケータと、
前記電気信号の特性に関連付けられたグラフィカル表示を提示するように構成されているディスプレイと、
前記グラフィカル表示の色を前記光インジケータによって発せられる色と同期させるように構成されているコントローラと、を備える、キャリブレータ。
【請求項2】
前記コントローラが、前記グラフィカル表示を提示するために前記ディスプレイによって使用される前記色と同じ色を前記光インジケータに発させることによって、前記グラフィカル表示の前記色を前記光インジケータによって発せられる前記色と同期させるように構成されている、請求項1に記載のキャリブレータ。
【請求項3】
前記光インジケータが、
前記グラフィカル表示の前記色と同期された前記色および第2の色を含む複数の色のうちの1つを発し、
前記電気信号があるタイプの電気信号から異なるタイプの電気信号に変化することに応答して、前記第2の色を発するように動的に変化するように構成されている、請求項1又は2に記載のキャリブレータ。
【請求項4】
前記電気信号の特性が、前記電気信号の電気量であり、前記コントローラが、前記ディスプレイに
前記特性に関連付けられた前記グラフィカル表示とともに、選択可能であり、前記電気信号に関連付けられた信号特性を表す信号特性GUI要素を提示させ、
前記信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、前記信号特性のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を提示させるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャリブレータ。
【請求項5】
前記コントローラが、
前記編集可能なGUI要素を介して、前記信号特性の前記ユーザ修正を受信し、
前記信号特性の前記ユーザ修正に従って、前記出力端子を経由して出力される前記電気信号を修正するように構成されている、請求項4に記載のキャリブレータ。
【請求項6】
前記信号特性GUI要素が、位相角をグラフィカルに表し、
前記コントローラが、前記信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、前記電気信号の前記位相角のユーザ修正を可能にする前記編集可能なGUI要素を表示するように構成されている、請求項4に記載のキャリブレータ。
【請求項7】
前記ディスプレイが、第1の領域を含み
前記コントローラが、
前記第1の領域のユーザ選択を受信することに応答して、前記ディスプレイに、ユーザ入力に応答する前記ディスプレイの1つ以上の第2の領域を示させ、前記1つ以上の第2の領域が、1つ以上のGUI要素を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のキャリブレータ。
【請求項8】
前記出力端子を含む複数の端子と、
前記光インジケータを含み、前記複数の端子のそれぞれに対応して配置された複数の光インジケータと、を備え
前記コントローラが、
前記キャリブレータの前記複数の端子と装置の端子との間で行われるそれぞれの接続を表し、表示されたグラフィカル表示と同期される前記キャリブレータの前記複数の光インジケータによって発せられるそれぞれの色を示す接続図の表示を、ユーザが指令するのを可能にするGUI要素を前記ディスプレイに提示させ、
前記GUI要素のユーザ選択を受信し、
前記GUI要素の前記ユーザ選択に応答して、前記接続図を前記ディスプレイ上に提示させるように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のキャリブレータ。
【請求項9】
前記コントローラが、
前記ディスプレイに、前記特性に関連付けられた前記グラフィカル表示とともに、ユーザによって選択可能であり、前記電気信号の第1の信号タイプを示す第1のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素を提示させ、
前記第1のGUI要素のユーザ選択に応答して、前記ディスプレイに複数のGUI要素を表示させ、
前記第1の信号タイプとは異なる第2の信号タイプを示す、前記複数のGUI要素のうちの第2のGUI要素のユーザ選択を受信し、
前記第2のGUI要素の前記ユーザ選択を受信することに応答して、
前記電気信号の信号タイプを前記第1の信号タイプから前記第2の信号タイプに変更し、
前記出力端子に、前記第2の信号タイプを有する前記電気信号を出力させるように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のキャリブレータ。
【請求項10】
コンピュータ実装方法であって、
電気試験装置のディスプレイによって、電気信号の特性に関連付けられたグラフィカル表示を提示することと、
前記グラフィカル表示の色を、前記電気信号を出力するように構成されている前記電気試験装置の出力端子に関連付けられた光インジケータによって発せられる色と同期させることと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記光インジケータによって、前記グラフィカル表示の前記色と同期した前記色および第2の色を含む複数の色のうちの1つを発することと、
前記電気信号があるタイプの電気信号から異なるタイプの電気信号に変化することに応答して、前記第2の色を発するように前記光インジケータを動的に変化させることと、を含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記電気信号の前記特性が、前記電気信号の電気量であり、前記コンピュータ実装方法が、
前記特性に関連付けられた前記グラフィカル表示とともに、選択可能であり、前記電気信号に関連付けられた信号特性を表す信号特性GUI要素を提示することと、
前記信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、前記信号特性のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を提示することと、を含む、請求項10または11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記編集可能なGUI要素を介して、前記信号特性の前記ユーザ修正を受信することと、
前記信号特性の前記ユーザ修正に従って、前記出力端子を経由して出力される前記電気信号を修正することと、を含む、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記信号特性GUI要素が、位相角をグラフィカルに表し、
前記コンピュータ実装方法が、
前記信号特性GUI要素の前記ユーザ選択に応答して、前記電気信号の前記位相角のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を表示することを含む、請求項13に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記ディスプレイの第1の領域のユーザ選択を受信することと、
前記第1の領域の前記ユーザ選択を受信することに応答して、ユーザ入力に応答する前記ディスプレイの1つ以上の第2の領域を示すことであって、前記1つ以上の第2の領域が、1つ以上のGUI要素を含む、示すことと、を含む、請求項10から14のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記電気試験装置の端子と装置の端子との間で行われるそれぞれの接続を表し、表示されたグラフィカル表示と同期される前記電気試験装置のそれぞれの端子に関連して位置付けられた光インジケータによって発せされるそれぞれの色を示す接続図の表示を、ユーザが指令することを可能にするGUI要素を前記ディスプレイによって提示することと、
前記GUI要素のユーザ選択を受信することと、
前記GUI要素の前記ユーザ選択を受信したことに応答して、前記接続図を前記ディスプレイ上に提示することと、を含む、請求項10から15のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
キャリブレータであって
コントローラと、
前記コントローラによって実行されたときに、前記コントローラに、
前記較正器の端子によって出力される電気信号の特性に関連するグラフィカル表示を提示するようにディスプレイに命令し、
前記グラフィカル表示の色を、前記端子に関連して位置付けられた光インジケータによって発せられる色と同期させる実行可能命令が記憶されたメモリと、を備える、キャリブレータ。
【請求項18】
前記電気信号の前記特性が、前記電気信号の電気量であり、前記実行可能命令が、前記コントローラに、
前記特性の前記グラフィカル表示とともに、選択可能であり、前記電気信号に関連付けられた信号特性を表す信号特性GUI要素を提示するように指令させ、
信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、信号特性のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を提示するようにディスプレイに指令させ、
前記編集可能なGUI要素を介して、前記信号特性の前記ユーザ修正を受信させ、
前記信号特性の前記ユーザ修正に従って、前記端子を経由して出力される前記電気信号を修正させる、請求項17に記載のキャリブレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電気試験装置を対象とし、特に、強化されたユーザインターフェース(user interface、UI)を有する較正器を対象とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
電気較正器を含む試験機器は、多くの場合、複数の端子を含む。試験機器は、端子を経由して様々なタイプの信号を受信及び出力する。ユーザがコネクタを結合し得る複数の端子が利用可能であることに起因して、ユーザが、経由して信号を引き出すか又は入力するための端子を誤認する可能性が依然として存在する。更に、試験機器の機能が拡張されるにつれて、試験機器の機能を構成するための対応するメニュー構造も拡張され、試験機器の動作がより複雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
経由して較正器が電気量を出力する、それぞれの端子光インジケータを有する出力端子を装備した較正器が提供される。較正器は、ディスプレイ上に電気量の表示を示し、光インジケータによって発せられる色を表示の色と同期させる。
【0004】
較正器は、ユーザが電気量の信号特性を直接修正することを可能にする信号特性グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)要素とともに電気量の表示を示す。修正された信号特性を受信したことに応答して、較正器は電気量を調整する。
【0005】
較正器は、ユーザに提示される任意の表示画面上に、編集可能なGUI要素を一意に識別する識別情報を表示してもよい。識別情報は、例えば、ディスプレイのタッチスクリーン特徴を通じて、ユーザによって編集可能であるGUI要素をユーザに指し示してもよい。較正器は、編集可能なGUI要素を含まないディスプレイの領域のユーザ選択に応答して、編集可能なGUI要素の識別情報を表示してもよい。したがって、ユーザは、表示されたGUI要素と対話することによって、GUI要素によって表される値、量、又は特徴を修正してもよい。
【0006】
較正器は、較正器を別の装置に接続する際にユーザを助けるために、接続図を表示してもよい。接続図は、較正器、装置、及び較正器を装置に結合するコネクタの図表示を含み、較正器の表示はまた、較正器を装置に接続する際に使用される較正器の端子に関連付けられた光の色の表示を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の実施形態による較正器のブロック図を示す。
【
図4】較正器による編集可能なGUI要素の表示を示す。
【
図5】較正器による信号タイプ選択メニューの表示を示す。
【
図6】較正器による編集可能なGUI要素の識別の表示を示す。
【
図8】較正器を操作するための方法のフロー図を示す。
【
図9】較正器を操作するための方法のフロー図を示す。
【
図10】較正器を操作するための方法のフロー図を示す。
【
図11】較正器を操作するための方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
較正器が複数の端子を有するという事実に起因して、ユーザは、経由して信号が出力される端子とは異なる端子にプローブ又は装置を結合することがある。例えば出力端子に近接したそれぞれの光インジケータを有する出力端子を装備した較正器が提供される。較正器は、出力端子を経由して電気量を出力する。較正器は、出力端子に関連付けられた光インジケータによって発せられる色の表示とともに、ディスプレイ上に電気量の表示を示す。較正器は、光インジケータによって発せられる色を表示の色と同期させる。
【0009】
較正器を操作するユーザは、表示の色及び光インジケータによって発せられる色を使用して、例えば、適切な端子をコネクタに接続するために、経由して電気量が出力される端子を識別する。したがって、ユーザが適切な端子を識別する可能性が高まる。更に、ユーザが、経由して電気量が出力される端子とは異なる誤った端子をタップする可能性が低減される。
【0010】
較正器の広範囲の機能によって、較正器は、ユーザによって設定可能な複数のパラメータを有する。本明細書では、信号特性グラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素とともに電気量の表示を示す較正器が提供される。信号特性GUI要素は、ユーザが電気量の信号特性を直接修正することを可能にする。ユーザは、GUI要素を選択してもよい。ユーザがGUI要素を選択したことに応答して、較正器は、編集可能なGUI要素を表示し、ユーザが(例えば、信号特性を打ち込むか、又は他の方法で修正することによって)電気量の所望の信号特性を入力することを可能にする。修正された信号特性を受信したことに応答して、較正器は電気量を調整する。較正器は、受信したユーザの修正に従って電気量の信号特性を設定する。
【0011】
電気較正器のディスプレイから直接編集可能なフィールドへのアクセスを可能にすることにより、ユーザは、複雑なメニュー構造をナビゲートする必要なく、電気量特性を迅速に調整することができる。
【0012】
本明細書に記載の較正器は、ユーザ対話によって直接設定可能な電気量の複数の特性とともに、端子を経由して出力される電気量の表示を示す。ユーザ体験を改善し、ユーザによって直接設定可能又は編集可能である表示された情報の識別情報をユーザに知らせるための技法が提供される。較正器は、ユーザに提示される任意の表示画面上に、編集可能なGUI要素を一意に識別する識別情報を表示してもよい。識別情報は、例えば、ディスプレイのタッチスクリーン特徴を通じて、ユーザによって編集可能であるGUI要素をユーザに指し示してもよい。識別情報は、編集可能なGUI要素の境界を表す輪郭であってもよく、それによって、(例えば、タッチスクリーンディスプレイに触れることによる)輪郭内の表示領域のユーザ選択により、ユーザは、GUI要素によって表される値、量、又は特徴を修正することができる。較正器は、編集可能なGUI要素を含まないディスプレイの領域のユーザ選択に応答して、編集可能なGUI要素の識別情報を表示してもよい。例えば、ユーザが、情報が表示されていないディスプレイの領域を選択した場合、較正器は、実際にユーザ入力に応答し、ディスプレイから直接編集可能なGUI要素(及び要素を対象とするディスプレイの領域)にユーザを向かせるように識別情報を表示することによって応答してもよい。したがって、ユーザは、表示されたGUI要素と対話することによって、GUI要素によって表される値、量、又は特徴を修正してもよい。識別情報は、較正器の使いやすさを向上させ、それによって、ユーザは、どの表示されたGUI要素がユーザによって修正可能であるかを指摘する情報を受け取り、ユーザが較正器機能をより完全に利用する可能性を高める。
【0013】
較正器自体が較正中に較正されてもよく、較正中、較正器は、別の装置及び/又はコネクタケーブルに結合される。較正器は、ユーザが較正器を他の装置に接続するのを助けるために接続図を表示してもよい。較正器は、較正器のディスプレイからのGUI要素のユーザ選択に応答して接続図を表示してもよい。接続図は、較正器、他の装置、及び較正器を他の装置に結合するコネクタの図表示を含み、較正を実行する際にユーザを助けユーザに情報を与える。較正器の表示はまた、較正器を他の装置に接続する際に使用される較正器の端子に関連付けられた光の色の表示を含む。
【0014】
接続図は、有利には、較正器(又はそのフロントパネル)上の端子の相対位置、及びそれぞれの端子に関連付けられた光インジケータによって発せられる光の色の両方を使用して、コネクタの電気リード線に結合する端子の識別情報をユーザに知らせることによって、較正器を使いやすくする。
【0015】
本明細書に示される例によって説明し図示するように、本開示は、較正器の端子の使用法を導き、出力電気信号の特性を修正するとともに、ユーザが複数の複雑なメニュー構造をナビゲートすることを必要とせずに較正器の機能を直接修正することを可能にし、また現在の較正器構成において使用するのが適切な較正器の端子を視覚的に示すことによって較正器のユーザ操作を簡略化する、強化されたユーザインターフェース(UI)を有する較正器を提供する。例えば、構成された較正器は、較正器の出力端子を経由して電気信号を出力する。較正器は、較正器のディスプレイ上に、電気信号の電気量に関連付けられたグラフィカル表示を提示する。較正器又はそのコントローラは、グラフィカル表示の色を、出力端子に関連付けられた較正器上の光インジケータによって発せられる色と同期させる。
【0016】
図1は、本開示の実施形態による較正器100を示すフロー図を示す。較正器100は、コントローラ102、メモリ104、フロントエンド106、複数の端子108a~i、複数の光インジケータ110a~g、ディスプレイ112、及び入力装置114を含む。コントローラ102は、メモリ104、フロントエンド106、複数の光インジケータ110a~g、ディスプレイ112、及び入力装置114に動作可能に結合される。フロントエンド106は、複数の端子108a~iに結合される。
【0017】
較正器100は、電気精密ソース機器等の任意の電気試験装置であってもよい。較正器100は、交流(alternating current、AC)及び直流(direct current、DC)の電流、電圧、又は電力信号を出力してもよい。信号は、特定の電気量(例えば、電圧、電流、又は周波数)を有する。較正器100は、複数の端子108a~iのうちの1つ以上の端子を経由して信号を出力する。較正器100はまた、複数の端子108a~iのうちの2つの端子間の抵抗値、インダクタンス値、及びキャパシタンス値を提供し得る。較正器100は更に、抵抗温度検出器(resistance temperature detector、RTD)及びその端子間の熱電対をシミュレートしてもよい。較正器100は、実験室又は開発環境で使用されて、正確な電気量を提示し供給し、かつ/又は電気量を有する出力電気信号を提供することができる。
【0018】
コントローラ102は、較正器100を本明細書で説明するように動作させる命令(コンピュータ実行可能命令)を実行するように構成された任意のタイプの装置であってもよい。例えば、コントローラ102は、プロセッサ又はマイクロコントローラであってもよく、算術論理演算装置(arithmetic and logic unit、ALU)を含む中央処理装置(central processing unit、CPU)、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、又は他のタイプの処理ユニットを含んでもよい。
【0019】
コントローラ102は、本明細書で説明するように、入力装置114及び/又はタッチスクリーンディスプレイであってもよいディスプレイ112を使用して、較正器100の動作を設定するためのユーザ入力を受信する。コントローラ102は、ユーザに情報を表示するようにディスプレイ112に指令し、複数の端子108a~iのうちの1つ以上を経由して出力するための電気量を生成するようにフロントエンド106に指令する。コントローラ102はまた、特定の色を有する光を発するように複数の光インジケータ110a~gに指令する。
【0020】
メモリ104は、任意のタイプの非一時的コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。メモリ104は、特に、読取り専用メモリ(read-only memory、ROM)又はランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)であってもよい。更に、メモリ104は、静的又は動的であってもよい。メモリ104は、実行のためにコントローラ102によって取り出され得るか又はアクセスされ得るコンピュータ実行可能命令を記憶する。コンピュータ実行可能命令は、コントローラ102によって実行されると、コントローラ102(及びしたがって較正器100)を本明細書で説明するように動作させる。
【0021】
フロントエンド106は、電気量を生成し、かつ複数の端子108a~iのうちの1つ以上の端子を経由して電気量を出力するように構成された回路を含む。回路は、とりわけ、増幅器、フィルタ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、及びアナログ構成要素(抵抗器、キャパシタ、インダクタ、及びトランジスタなど)を含んでもよい。フロントエンド106は、複数のチャネルを含んでもよく、それによって、各チャネルは、ある範囲内の電気量を生成又は提示するように構成されてもよい。例えば、第1のチャネルは、第1の範囲内の電圧を有するDC信号を生成するように構成されてもよく、第2のチャネルは、第2の範囲内の電圧を有するDC信号を生成するように構成されてもよい。フロントエンド106は、出力信号の範囲に応じて、第1のチャネル又は第2のチャネルを端子に選択的に結合してもよい。
【0022】
ディスプレイ112は、ユーザにデータを出力するように構成された任意のタイプの視覚出力装置であってもよい。ディスプレイ112は、較正器100によって出力された電気量の表示と、電気量に関連付けられたインジケータを含む情報とを表示するように構成された画面であってもよい。ディスプレイ112はカラーディスプレイであってもよい。加えて、ディスプレイは、較正器100の動作を構成するためのユーザ入力を受信するように動作可能なタッチスクリーンディスプレイであってもよい。
【0023】
複数の光インジケータ110a~gのうちの光インジケータは、光を発するように構成された任意の光源又は装置であってもよい。例えば、光インジケータは、特に、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)又は有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)であってもよい。光インジケータは、複数の色を発するように構成されてもよい。コントローラ102は、特定の色を発し、色を切り替えるように光インジケータに指令してもよい。各光インジケータは、複数の端子108a~iのそれぞれの端子に関連付けられる。光インジケータは、それぞれの端子に近接する位置であってもよい。例えば、光インジケータは、形状が円形であってもよく、本明細書で説明するように端子を取り囲み得るか、又は光インジケータは、端子に隣接し得る。
【0024】
入力装置114は、ユーザ入力を受信するように構成された任意のタイプの装置であり得る。入力装置114は、特に、キーパッド、ボタン、又はスクロールホイールであってもよい。ユーザは、入力装置114を使用して、較正器100及びその機能を構成することができる。較正器100は、外部装置と通信するように構成された1つ以上の有線又は無線通信インターフェースを含むことができる。例えば、1つ以上の有線又は無線通信インターフェースは、モデム又はトランシーバであってもよい。1つ以上の有線又は無線通信インターフェースは、外部装置と通信してもよく、データを外部装置に送信してもよい。
【0025】
図2は、較正器100のフロントパネル116の一例を示す。フロントパネル116は、複数の端子108a~iと、複数の光インジケータ110a~gと、ディスプレイ112と、入力装置114とを含む。複数の端子108a~iのうちの端子108a~gの第1のセットは、複数の光インジケータ110a~gにそれぞれ関連付けられ、複数の端子108a~iのうちの端子108h~iの第2のセットは、光インジケータに関連付けられない。
図2は、それぞれの端子を囲む光インジケータを示しているが、光インジケータは、他の場合には端子の近くにあってもよい。例えば、光インジケータは、端子に隣接して位置付けられ得るか、又はフロントパネル116は、図において光インジケータを端子に結合するトレースを含み得る。
【0026】
ディスプレイ112は、複数の端子108a~iのうちの端子によって出力される電気量の表示118を提示する。電気量の表示118は、電気量の数値を、その数値に関連付けられた単位とともに含むテキストとして示される。
図2に示すように、電気量の表示118は、端子が10ボルト(volt、V)の電圧を有する信号を出力することをユーザに伝える。較正器100(コントローラ102)は、電気量の表示に関連付けられた色を、信号を出力している端子に関連付けられた光インジケータによって発せられる色と同期させてもよい。したがって、ディスプレイ112は、電気量の表示118とともに、電気量が出力される1つ以上の端子に関連付けられた色に対応するか、又は同期されるか、又は一致する色を有する表示120(
図2に輪郭として示される)を視覚的に提示する。例えば、信号が複数の端子108a~iの第1及び第2の端子108a、108bを経由して出力される場合、較正器100は、輪郭を青色で表示する。較正器100はまた、第1及び第2の端子108a、108bに対応する第1及び第2の光インジケータ110a、110bに青色光を発するように指令する。したがって、較正器100は、表示120並びに第1及び第2の光インジケータ110a、110bを使用して、較正器100を操作するユーザ、例えば作業員又は検査技師に、表示された電気量を、経由して取り出すか又は引き出すための端子を伝える。
【0027】
代替的又は追加的に、ディスプレイ112は、電気量自体(例えば、10V)を、第1及び第2の光インジケータ110a、110bによって発せられる色に同期した色で表示してもよい。代替的又は追加的に、ディスプレイ112は、電気量に近接し、第1及び第2の光インジケータ110a、110bと色が同期した色付きの円又はドットを表示してもよい。
【0028】
図3は、較正器100のディスプレイ112の別の例を示す。ディスプレイ112は、較正器100によって出力される第1の電気量の第1の表示118aと、較正器100によって出力される第2の電気量の第2の表示118bとを示す。第1の電気量は、115Vの二乗平均平方根(root mean square、RMS)を有するAC電圧であるように示されており、第2の電気量は、10アンペア(ampere、A)のRMSを有するAC電流であるように示されている。電気量の表示118a、118bは、特定の光色のそれぞれの表示120a、120bとともに示される。この例では、各表示120a、120bは、端子の一般的な形状(例えば、円形)の輪郭に接続された表示された電気量の輪郭として示されている。円形は、代替的に、正方形又は他の形状であってもよい。形状のタイプは、較正器100によって実行される機能に依存してもよい。例えば、較正器100が温度機能を実行する場合、形状は正方形であってもよい。
【0029】
第1の電気量に関連付けられた第1の表示120aは、第1の色(
図2において左斜めハッチングによって示される)を有する。較正器100は、第1の色を、第1の端子108aに関連付けられた第1の光インジケータ110aによって発せられる色と同期させる。較正器100は、色を同じにすることによって色を同期させてもよい。較正器100は、第1の光インジケータ110aが発する色と同じ色で第1の表示120aをディスプレイ112に表示させてもよい。例えば、較正器100は、第1の光インジケータ110aが発する色を、ディスプレイ112によって表示される第1の色に一致するように変化させてもよい。したがって、較正器100を操作するユーザは、第1の光インジケータ110aに関連付けられた第1の端子108aにおいて第1の電気量が引き出されたことを知らされる。
【0030】
同様に、第2の電気量に関連付けられた第2の表示120bは、第2の色(
図2において右ハッチングによって示される)を有する。較正器100は、第2の色を、経由して第2の電気量が出力されている第2の端子108bに関連付けられた第2の光インジケータ110bによって発せられる色と同期させる。較正器100を操作するユーザは、第2の光インジケータ110bに関連付けられた第2の端子108bにおいて第2の電気量が引き出されることを知らされる。
【0031】
本明細書で説明するように、光インジケータ110は、複数の色を発するように構成されてもよく、任意の時点で、ディスプレイ112上に示される表示に従って色のうちの1つを表示してもよい。例えば、較正器100によって出力される電気量がDC又はAC電圧又は電流であるとき、第2の光インジケータ110bは、緑色である第1の色を発してもよい。逆に、較正器100によって出力される電気量がDC又はAC電力であるとき、第2の光インジケータ110bは、青色である第2の色を発してもよい。較正器100は、それに応じて第2の表示120bの色を同期させる。
【0032】
一実施形態において、較正器100は、電気量の表示118a、118bを特定の色で示すことによって、端子色の表示120a、120bを提供してもよい。例えば、較正器100は、経由して電圧及び電流が出力される端子を示すために、
図3の電圧レベル及び電流レベルを色分けしてもよい。較正器100は、テキストを特定の色で表示することによって、電圧レベル及び電流レベルを色分けしてもよい。この例を続けると、較正器100は、電圧レベルを緑色で表示し(例えば、115Vのテキストを緑色で表示し)、電流レベルを青色で表示して(例えば、10Aのテキストを青色で表示して)、電圧が緑色光を発する対応する光インジケータを有する端子によって出力され、電流が青色光を発する対応する光インジケータを有する端子によって出力されることを示してもよい。
【0033】
較正器100は、第1及び第2の電気量にそれぞれ関連付けられた第1及び第2の信号特性グラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素122a、122bを表示する。較正器100はまた、第1及び第2の電気量にそれぞれ関連付けられた第1及び第2の信号タイプGUI要素124a、124bを表示する。本明細書では、信号特性GUI要素122a、122b及び信号タイプGUI要素124a、124bのユーザ選択に対する較正器100の応答について説明する。加えて、較正器100は、出力GUI要素126を表示する。出力GUI要素126は、経由して電気量が出力されるそれぞれの端子に結合される電気構成要素をユーザに視覚的に示す。
図3に示されるように、出力GUI要素126は、抵抗が第2の端子108bに結合されるであることをユーザに示す。
【0034】
信号特性GUI要素122a、122bは、それぞれ第1及び第2の電気量の信号特性を設定又は変更するためにユーザに提供される。信号特性GUI要素122a、122bは、それぞれ、較正器100によって出力されるAC電圧及びAC電流の位相角を視覚的に示し、位相角のユーザ調整を可能にする。第1及び第2の信号タイプGUI要素124a、124bは、それぞれ第1及び第2の電気量の信号タイプを設定又は変更するためにユーザに提供される。信号特性GUI要素122a、122bは、正弦波を視覚的に示し、較正器100によって出力されるAC電圧及びAC電流が両方とも正弦波信号であることをユーザに示す。信号タイプGUI要素124a、124bは、ユーザが、特に、特定のデューティサイクルを有する正弦波、方形波、三角波、又は三角波、スパイク信号、切頂正弦波、又は切頂三角波の中から信号タイプを変更することを可能にする。
【0035】
2つの電気量について
図3を参照して説明するが、較正器100は、任意の数の電気量の表示を出力して示してもよいことに留意されたい。加えて、較正器100は、任意の数の電気量に対して、本明細書に記載される色同期を実行してもよい。
【0036】
図4は、較正器100による編集可能なGUI要素128の表示を示す。較正器100は、第1の信号特性GUI要素122aのユーザ選択に応答して、編集可能なGUI要素128を提示する。編集可能なGUI要素128は、ユーザがAC電圧の位相角を調整することを可能にする。ユーザは、編集可能なGUI要素128に位相角を入力し、それによって、第1の電気量を生成する際に較正器100によって使用される位相角を設定してもよい。較正器100は、第1の電気量の位相を調整することによって応答する。ユーザは、例えば較正器100の入力装置114を使用して位相角をキー入力することによって、編集可能なGUI要素128に位相角を入力してもよい。較正器100は、編集可能なGUI要素128を、第1の電気量の第1の信号特性GUI要素122aとともに表示する。第1の信号特性GUI要素122aの表示は、編集可能なGUI要素128への入力が第1の信号特性GUI要素122aに関連付けられた信号特性を調整することをユーザに示す。
【0037】
加えて、較正器100は、第1の電気量の端子光色の表示120aを示す。表示120aは、位相角変化を受けている第1の電気量を出力している端子をユーザに知らせる。
【0038】
図5は、較正器100による信号タイプ選択メニュー130の表示を示す。較正器100は、第1の信号タイプGUI要素124aのユーザ選択に応答して、ディスプレイ112上に信号タイプ選択メニュー130を提示してもよい。信号タイプ選択メニュー130は、各々がそれぞれのタイプの波形を表す複数の選択可能な信号タイプGUI要素132a~dを含む。複数の選択可能な信号タイプGUI要素132a~dは、選択可能な正弦波GUI要素132a、選択可能な方形波GUI要素132b、選択可能な三角波GUI要素132a、及び選択可能な切頂波GUI要素132aを含む。
【0039】
ユーザは、ディスプレイがタッチスクリーンディスプレイである場合にディスプレイ112を使用して信号タイプ選択メニュー130から信号タイプを選択し得るか、又は入力装置114を使用して信号タイプ選択メニュー130から信号タイプを選択し得る。較正器100は、信号タイプ選択メニュー130からのユーザ選択を受け取ったことに応答して、ユーザの選択ごとに第1の電気量の信号タイプ(又は波形)を変更する。例えば、較正器100は、信号タイプ選択メニュー130からの選択可能な三角波GUI要素132aのユーザ選択に応答して、第1の電気量を、
図3に示すような115VのRMS及び正弦波形を有するAC電圧から、115VのRMS及び三角波形を有するAC電圧に変更してもよい。
図5に示すように、較正器100は、メニュー130が提示されたときに、正弦波に対応する要素132aを事前に選択する。この事前選択は、第1の電気量の現在の信号タイプを示す。
【0040】
図5を参照して説明した信号タイプは波形タイプに関連するが、較正器100は、同一又は同様の機能を使用して、ユーザが任意の他の信号特性又は特徴を設定又は修正することを可能にしてもよい。
【0041】
図6は、較正器100による編集可能なGUI要素の識別情報134の表示を示す。較正器100は、識別情報134を表示して、例えば、ディスプレイのタッチスクリーン特徴を通じて直接、ユーザによって編集され得るGUI要素にユーザを向けさせる。識別情報134は、編集可能なGUI要素の境界を表す輪郭として
図6に示されている。(例えば、タッチスクリーンディスプレイに触れることによる)輪郭内の表示領域のユーザ選択によって、ユーザは、GUI要素によって表される値、量、又は特徴を修正することができる。輪郭を表示することに加えて、又はその代替として、較正器100は、特に、要素に下線を引くこと、要素を特定の色で表示すること、又は要素に隣接若しくは近接してインジケータを表示することによって、識別情報134を表示してもよい。要素に隣接又は近接して表示されるインジケータは、緑色等の特定の色を有してもよい。
【0042】
図6に示すように、識別情報134は、電圧レベル、周波数、及びオフセット、並びに電圧レベル、周波数、及びオフセットの信頼区間がディスプレイ112から直接変更可能であることをユーザに示す。更に、識別情報134は、AC電圧の信号位相及び波形形状、並びに基準抵抗及び基準抵抗の特性がディスプレイ112から直接変更可能であることを示す。ユーザは、フィールドを選択し、対応する設定を入力することによって、識別されたフィールドのいずれかを直接修正することができる。ユーザが設定を入力すると、較正器100は、設定に従って電気量を調整する。このようにして、較正器100は、ユーザが複数の複雑なメニュー構造をナビゲートすることを必要とせずに較正器の機能の直接的な修正を可能にすることによって較正器100のユーザ操作を簡略化し、また現在の較正器構成で使用する較正器の適切な端子を視覚的に示す、強化されたユーザインターフェース(UI)を提供する。
【0043】
較正器100は、編集可能な要素を含まないディスプレイ112の第1の領域136のユーザ選択に応答して、編集可能な要素の識別情報134を表示する。例えば、ユーザが、情報が表示されていないディスプレイ112の領域を選択した場合、較正器100は、ユーザ入力に実際に応答し、ディスプレイ112から直接編集可能であるGUI要素(及び要素を対象とするディスプレイ112の第2の領域)にユーザを向けさせるために識別情報134を表示することによって応答する。したがって、ユーザは、表示された要素と対話することによって量又は特徴を修正してもよい。
【0044】
図7は、較正器100による接続
図138の表示を示す。較正器100は、ユーザが接続
図138の表示を指令することを可能にするGUI要素(図示せず)の、ディスプレイ112からのユーザ選択に応答して、接続
図138を表示してもよい。接続
図138は、較正器100の表示140、装置の表示142、及び較正器100を装置に結合するコネクタの表示144を含む。表示140、142、144は、それぞれ較正器100、装置、及びコネクタを図示している。表示140、142、144は、較正器100及び装置のそれぞれの端子、並びにコネクタの電気リード線の表示を含む。接続
図138は、コネクタと、較正器100及び装置の両方との間で行われる接続を示す。接続
図138は、較正器100上で較正を実行する際にユーザ(例えば、技術者又は検査作業員)を助け、較正を実行するために使用される接続をユーザに知らせ得る。代替的に、装置は、被試験装置(device under test、DUT)又は較正器100によって出力された電気量を受信する装置であってもよく、接続
図138は、較正器100を装置に接続する際にユーザを助けてもよい。
【0045】
較正器100の表示140は、較正器の端子の相対位置を示す。較正器100の表示140はまた、コネクタが結合される較正器100の端子に関連する光の色の表示146a~cを含む。接続
図138の提示と同時に、較正器100は、本明細書で説明するように、接続
図138に示される色を有する光を光インジケータに発させる。したがって、接続
図138は、端子の相対位置、及び端子に関連付けられた光インジケータによって発せられる光の色の両方を使用して、コネクタに結合する端子の識別情報をユーザに知らせる。
【0046】
図8は、較正器100を操作するための方法800のフロー図を示す。本明細書で説明するように、較正器100は、任意の電気試験装置であってもよい。方法800は、802において、較正器100の出力端子によって電気信号を出力することを含む。電気信号は、任意のAC又はDC信号であってもよい。例えば、電気信号は、電圧、電流、又は電力信号であってもよい。出力端子は、光インジケータと関連付けられ、それによって、光インジケータは、較正器100のフロントパネル上の出力端子に近接して位置付けられてもよい。
【0047】
804において、較正器100のディスプレイは、電気信号の電気量に関連するグラフィカル表示を提示する。グラフィカル表示は、電気量を囲む輪郭であってもよい。追加的に又は代替的に、グラフィカル表示は、電気量の下線又は他のグラフィカル表示であってもよい。電気量を提示することは、(例えば、テキスト形式の)電気量の数値並びに電気量の単位を提示することを含んでもよい。
【0048】
806において、較正器100のコントローラは、グラフィカル表示の色を光インジケータによって発せられる色と同期させる。色を同期させることは、光インジケータによって発せられる光と同じ色を有するグラフィカル表示をディスプレイに表示させることを含んでもよい。
【0049】
図9は、較正器100を操作するための方法900のフロー図を示す。この方法において、較正器100は、902において、電気量に関連付けられたグラフィカル表示とともに、信号特性GUI要素を提示する。信号特性GUI要素は、選択可能であり、電気信号に関連付けられた信号特性を表してもよい。信号特性は位相であってもよく、信号特性GUI要素は位相角を視覚的に示し、較正器100によって出力されるAC電圧又はAC電流の位相角のユーザ調整を可能にしてもよい。
【0050】
ユーザは、信号特性GUI要素を選択してもよい。較正器100は、904において、信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、信号特性のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を提示する。906において、較正器100は、編集可能なGUI要素を介して信号特性のユーザ修正を受信する。908において、較正器100は、信号特性のユーザ修正に従って、出力端子を経由して出力される電気信号を修正する。較正器100は、電気信号の位相を、編集可能なGUI要素においてユーザによって入力された位相に設定することができる。
【0051】
図10は、較正器100を操作するための方法1000のフロー図を示す。較正器100は、1002において、ディスプレイの第1の領域のユーザ選択を受信する。ディスプレイの第1の領域は、情報(例えば、電気量又はパラメータ)をユーザに提示するために使用されなくてもよく、第1の領域の選択は、ユーザが電気量を設定し得る編集可能な要素又はフィールドの直接提示を生じさせなくてもよい。例えば、第1の領域は、ディスプレイ上の空白スペースであってもよい。
【0052】
較正器100は、1004において、第1の領域のユーザ選択を受信することに応答して、ユーザ入力に応答するディスプレイの1つ以上の第2の領域を示す。本明細書で説明するように、1つ以上の第2のエリアを示すことは、特に、1つ以上の第2のエリアに境界を適用すること、又はディスプレイの他のエリアとは異なる輝度(より明るいか又はより暗い)で1つ以上の第2のエリアを表示することを含んでもよい。
【0053】
図11は、較正器100を操作するための方法1100のフロー図を示す。較正器100は、1102において、較正器の端子と、特に電圧計であり得る装置の端子との間で行われるそれぞれの接続を表す接続図の表示をユーザが指令することを可能にするGUI要素を提示する。接続図は、較正器100を装置に結合する方法に関する情報をユーザに提供してもよい。
【0054】
1104において、較正器100は、GUI要素のユーザ選択を受信する。較正器100は、1106において、GUI要素のユーザ選択を受信したことに応答して、表示されたグラフィカル表示と同期される較正器のそれぞれの端子に関連して位置付けられた光インジケータによって発せられるそれぞれの色を示す接続図を提示する。本明細書で説明するように、接続図は、接続図が表示されるときに光インジケータによって発せられる色を示す。ユーザは、接続図の色と光インジケータによって発せられる色との間の対応に基づいて、接続図上に示される端子を識別することができる。
【0055】
前述の開示に鑑みて、電気試験装置及び較正器の様々な例は、以下の特徴、すなわち、電気信号を出力するように構成された出力端子、出力端子に関連して位置付けられ、光を発するように構成された光インジケータ、電気信号の電気量に関連付けられたグラフィカル表示を提示するように構成されたディスプレイ、及びグラフィカル表示の色を光インジケータによって発せられる色と同期させるように構成されたコントローラのうちのいずれか1つ又は組み合わせを含んでもよい。
【0056】
較正器及び試験装置は、コントローラが、グラフィカル表示を提示するためにディスプレイによって使用される色と同じ色を光インジケータに発させることによって、グラフィカル表示の色を光インジケータによって発せられる色と同期させるように構成されることなど、別の特徴を含んでもよい。
【0057】
較正器及び試験装置は、光インジケータが、グラフィカル表示の色と同期された色及び第2の色を含む複数の色のうちの1つを発し、電気信号が1つのタイプの電気信号から異なるタイプの電気信号に変化したことに応答して第2の色を発するように動的に変化するように構成されることなど、別の特徴を含んでもよい。
【0058】
較正器及び試験装置は、コントローラが、ディスプレイに、電気量に関連付けられたグラフィカル表示とともに、選択可能であり、電気信号に関連付けられた信号特性を表す信号特性GUI要素を提示させ、信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、信号特性のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を提示させるように構成されることなど、別の特徴を含んでもよい。
【0059】
較正器及び試験装置は、コントローラが、編集可能なGUI要素を介して、信号特性のユーザ修正を受信し、かつ信号特性のユーザ修正に従って、出力端子を経由して電気信号出力を修正するように構成されているなど、別の特徴を含んでもよい。
【0060】
較正器及び試験装置は、信号特性GUI要素が、位相角を視覚的に表すこと、及びコントローラが、信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、電気信号の位相角のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を表示するように構成されることなど、別の特徴を含んでもよい。
【0061】
較正器及び試験装置は、ディスプレイが、第1の領域を含むこと、及びコントローラが、第1の領域のユーザ選択を受信したことに応答して、ディスプレイに、ユーザ入力に応答するディスプレイの1つ以上の第2の領域を示させるように構成されることなど、別の特徴を含んでもよい。
【0062】
較正器及び試験装置は、1つ以上の第2の領域が、1つ以上のGUI要素を含むこと、及びコントローラが、1つ以上のGUI要素のそれぞれの境界を用いて1つ以上のGUI要素の輪郭を描くことによって、ディスプレイに1つ以上のGUI要素を表示させるように構成されることなど、別の特徴を含んでもよい。
【0063】
較正器及び試験装置は、複数の端子が出力端子を含むこと、及び複数の光インジケータが、上記光インジケータを含み、それぞれ複数の端子に関連して位置付けられることなど、別の特徴を含んでもよい。
【0064】
較正器及び試験装置は、コントローラが、較正器の複数の端子と装置の端子との間で行われるそれぞれの接続を表し、表示されたグラフィカル表示と同期される較正器の複数の光インジケータによって発せられるそれぞれの色を示す接続図の表示を、ユーザが指令するのを可能にするGUI要素をディスプレイに提示させ、GUI要素のユーザ選択を受信し、GUI要素のユーザ選択に応答して、接続図をディスプレイ上に提示させるように構成されることなど、別の特徴を含んでもよい。
【0065】
前述の開示を考慮して、電気試験装置によって実行される方法の様々な例は、以下の特徴、すなわち、電気試験装置の出力端子によって電気信号を出力することであって、電気試験装置が、出力端子に関連して位置付けられた光インジケータを有する、出力すること、電気試験装置のディスプレイによって、電気信号の電気量に関連付けられたグラフィカル表示を提示すること、及び電気試験装置のディスプレイのグラフィカル表示の色を、出力端子に関連付けられた光インジケータによって発せられた色と同期させることのうちのいずれか1つ又は組み合わせを含んでもよい。
【0066】
方法及び試験装置は、グラフィカル表示の色と同期された色及び第2の色を含む複数の色のうちの1つを光インジケータによって発すること、及び電気信号が1つのタイプの電気信号から異なるタイプの電気信号に変化したことに応答して第2の色を発するように光インジケータを動的に変更することなど、別の特徴を含んでもよい。
【0067】
方法及び試験装置は、電気量に関連付けられたグラフィカル表示とともに、選択可能であり、電気信号に関連付けられた信号特性を表す信号特性GUI要素を提示すること、及び信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、信号特性のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を提示することなど、別の特徴を含んでもよい。
【0068】
方法及び試験装置は、編集可能なGUI要素を介して、信号特性のユーザ修正を受信すること、及び信号特性のユーザ修正に従って、出力端子を経由して電気信号出力を修正することなど、別の特徴を含んでもよい。
【0069】
方法及び試験装置は、位相角を視覚的に表す信号特性GUI要素など、別の特徴を含んでもよい。
【0070】
方法及び試験装置は、信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、電気信号の位相角のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を表示することなど、別の特徴を含んでもよい。
【0071】
方法及び試験装置は、ディスプレイの第1の領域のユーザ選択を受信することと、第1の領域のユーザ選択を受信したことに応答して、ユーザ入力に応答するディスプレイの1つ以上の第2の領域を表示することなど、別の特徴を含んでもよい。
【0072】
方法及び試験装置は、1つ以上のGUI要素を含む1つ以上の第2の領域など、別の特徴を含んでもよい。
【0073】
方法及び試験装置は、1つ以上のGUI要素のそれぞれの境界を用いて1つ以上のGUI要素の輪郭を描くことによって、ディスプレイ上に1つ以上のGUI要素を表示することなど、別の特徴を含んでもよい。
【0074】
本方法及び試験装置は、電気試験装置の端子と装置の端子との間で行われるそれぞれの接続を表し、表示されたグラフィカル表示と同期される電気試験装置のそれぞれの端子に関連して位置付けられた光インジケータによって発せされるそれぞれの色を示す接続図の表示を、ユーザが指令することを可能にするGUI要素をディスプレイによって提示すること、GUI要素のユーザ選択を受信すること、及びGUI要素のユーザ選択を受信したことに応答して、接続図をディスプレイ上に提示することなど、別の特徴を含んでもよい。
【0075】
前述の開示を考慮して、較正器の様々な例は、以下の特徴、すなわち、コントローラ、及びコントローラによって実行されたときに、コントローラに、較正器の端子によって出力される電気信号の電気量に関連付けられたグラフィカル表示を提示するようにディスプレイに指令させ、グラフィカル表示の色を、端子に関連して位置付けられた光インジケータによって発せられる色と同期させる実行可能命令を記憶したメモリのうちのいずれか1つ又は組み合わせを含んでもよい。
【0076】
較正器は、実行可能命令が、コントローラに、電気量のグラフィカル表示とともに、選択可能であり、電気信号に関連付けられた信号特性を表す信号特性GUI要素を提示するようにディスプレイに指令させ、信号特性GUI要素のユーザ選択に応答して、信号特性のユーザ修正を可能にする編集可能なGUI要素を提示するようにディスプレイに指令させ、編集可能なGUI要素を介して、信号特性のユーザ修正を受信させ、かつ信号特性のユーザ修正に従って、端子を経由して電気信号出力を修正させることなど、別の特徴を含んでもよい。
【0077】
上記で説明した様々な実施形態を組み合わせ、更なる実施形態を提供することができる。
【0078】
上記の発明を実施するための形態を考慮して、これら及び他の変更を実施形態に行うことができる。一般的に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲に開示される具体的な実施形態に限定するものと解釈すべきではないが、このような特許請求の範囲によって権利が与えられる全均等物の範囲に沿った全ての可能な実施形態を含むと解釈すべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって制限されるものではない。
【外国語明細書】