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特開2023-138366獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138366
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023027066
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2022577789の分割
【原出願日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】515158272
【氏名又は名称】株式会社PECO
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 純
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】
【課題】動物の輸送中の時間を有効活用することができるようにする。
【解決手段】獣医療支援システムであって、動物患者に対して行われた検査結果又は処置内容に対応付けて、検査結果又は処置内容に起因する動物患者の状態に関する情報を記憶する情報記憶部と、動物患者に対して獣医療機関で行われた検査結果又は処置内容を取得する取得部と、取得した検査結果又は処置内容に対応する情報を、動物患者及び動物患者の飼主を獣医療機関から輸送する移動体の中に配置される表示装置に表示させる情報表示部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物患者に対して行われた検査結果又は処置内容に対応付けて、前記検査結果又は前記処置内容に起因する前記動物患者の状態に関する情報を記憶する情報記憶部と、
前記動物患者に対して獣医療機関で行われた前記検査結果又は前記処置内容を取得する取得部と、
取得した前記検査結果又は前記処置内容に対応する前記情報を、前記動物患者及び前記動物患者の飼主を前記獣医療機関から輸送する移動体の中に配置される表示装置に表示させる情報表示部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の獣医療支援システムであって、
前記情報は、前記動物患者に生じうる副作用についての説明を含むこと、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の獣医療支援システムであって、
前記情報記憶部は、前記検査結果又は前記処置内容に対応付けて、前記動物患者の生活上のアドバイスを記憶し、
前記情報表示部は、取得した前記検査結果又は前記処置内容に対応する前記情報及び前記アドバイスを前記表示装置に表示させること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項4】
動物患者に対して行われた検査結果又は処置内容に対応付けて、前記検査結果又は前記処置内容に起因する前記動物患者の状態に関する情報を記憶するステップと、
前記動物患者に対して獣医療機関で行われた前記検査結果又は前記処置内容を取得するステップと、
取得した前記検査結果又は前記処置内容に対応する前記情報を、前記動物患者及び前記動物患者の飼主を前記獣医療機関から輸送する移動体の中に配置される表示装置に表示させるステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
【請求項5】
動物患者に対して行われた検査結果又は処置内容に対応付けて、前記検査結果又は前記処置内容に起因する前記動物患者の状態に関する情報を記憶するステップと、
前記動物患者に対して獣医療機関で行われた前記検査又は処置を取得するステップと、
取得した前記検査結果又は前記処置内容に対応する前記情報を、前記動物患者及び前記動物患者の飼主を前記獣医療機関から輸送する移動体の中に配置される表示装置に表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には動物の緊急搬送を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-342461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飼主に対する説明は獣医療機関に到着した後に行う必要がある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、動物の輸送中の時間を有効活用することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、獣医療支援システムであって、動物患者に対して行われた検査結果又は処置内容に対応付けて、前記検査結果又は前記処置内容に起因する前記動物患者の状態に関する情報を記憶する情報記憶部と、前記動物患者に対して獣医療機関で行われた前記検査結果又は前記処置内容を取得する取得部と、取得した前記検査結果又は前記処置内容に対応する前記情報を、前記動物患者及び前記動物患者の飼主を前記獣医療機関から輸送する移動体の中に配置される表示装置に表示させる情報表示部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、動物の輸送中の時間を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。
図2】管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ20の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
動物患者に対して行われた検査結果又は処置内容に対応付けて、前記検査結果又は前記処置内容に起因する前記動物患者の状態に関する情報を記憶する情報記憶部と、
前記動物患者に対して獣医療機関で行われた前記検査結果又は前記処置内容を取得する取得部と、
取得した前記検査結果又は前記処置内容に対応する前記情報を、前記動物患者及び前記動物患者の飼主を前記獣医療機関から輸送する移動体の中に配置される表示装置に表示させる情報表示部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
[項目2]
項目1に記載の獣医療支援システムであって、
前記情報は、前記動物患者に生じうる副作用についての説明を含むこと、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目3]
項目1に記載の獣医療支援システムであって、
前記情報記憶部は、前記検査結果又は前記処置内容に対応付けて、前記動物患者の生活上のアドバイスを記憶し、
前記情報表示部は、取得した前記検査結果又は前記処置内容に対応する前記情報及び前記アドバイスを前記表示装置に表示させること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目4]
動物患者に対して行われた検査結果又は処置内容に対応付けて、前記検査結果又は前記処置内容に起因する前記動物患者の状態に関する情報を記憶するステップと、
前記動物患者に対して獣医療機関で行われた前記検査結果又は前記処置内容を取得するステップと、
取得した前記検査結果又は前記処置内容に対応する前記情報を、前記動物患者及び前記動物患者の飼主を前記獣医療機関から輸送する移動体の中に配置される表示装置に表示させるステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
[項目5]
動物患者に対して行われた検査結果又は処置内容に対応付けて、前記検査結果又は前記処置内容に起因する前記動物患者の状態に関する情報を記憶するステップと、
前記動物患者に対して獣医療機関で行われた前記検査又は処置を取得するステップと、
取得した前記検査結果又は前記処置内容に対応する前記情報を、前記動物患者及び前記動物患者の飼主を前記獣医療機関から輸送する移動体の中に配置される表示装置に表示させるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る獣医療支援システムについて説明する。図1は、獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の獣医療支援システムは、管理サーバ20を含んで構成される。管理サーバ20は、ユーザ端末10、獣医療機関端末30及び移動体3の中に配置される移動体端末31のそれぞれと通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0012】
本実施形態の獣医療支援システムは、自宅と獣医療機関との間で動物患者1(及び飼主2)を輸送する輸送手段(移動体3)の予約(移動体3を特定の期間中、動物患者1のために利用可能に設定することをいう。)を行う。移動体3は例えば自動車である。移動体3の中には液晶ディスプレイなどの表示装置32が配置される。移動体端末31は表示装置32と接続されており、移動体端末31から表示装置32に表示する内容を制御することができる。管理サーバ20は、移動体端末31に対して、表示装置32に表示する内容を送信することにより、表示装置32に表示する内容を制御することができる。
【0013】
本実施形態の獣医療支援システムでは、移動体3により動物患者1を獣医療機関から自宅に輸送している間に、動物患者1の検査結果又は処置内容に応じて、今後生じるであろう動物患者1の状態についての説明や、日常生活での注意点などのアドバイスを、移動体3内の表示装置32に表示するようにしている。
【0014】
ユーザ端末10は、飼主2が操作するコンピュータであり、例えばスマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザ端末10はカメラ機能を備えることができる。飼主2はユーザ端末10を操作して管理サーバ20に対して動物患者1を移動体3により獣医療機関まで輸送する依頼(以下、輸送依頼という。)を送信することができる。
【0015】
獣医療機関端末30は、獣医療機関の従業者が操作するコンピュータであり、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。獣医療機関の従事者は、例えば、獣医師4、看護師5、スタッフ6などを含む。獣医療機関端末30は管理サーバ20からのメッセージを受信して従事者に対して出力することができる。
【0016】
移動体端末31は、移動体3の乗務員が操作するコンピュータであり、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。なお、獣医療機関の従事者が所持する獣医療機関端末30を移動体端末31として使用するようにしてもよい。
【0017】
管理サーバ20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。管理サーバ20は、ユーザ端末10からの輸送依頼に応じて移動体3の輸送を予約し、移動体3の中にコンテンツを表示させるようにすることができる。
【0018】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置20の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ20の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0019】
図3は、管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ20は、カルテ情報記憶部231と、輸送予約情報記憶部232と、説明情報記憶部233と、輸送受付部211と、輸送予約部212と、カルテ情報取得部213と、説明表示部214と、を備える。
【0020】
<カルテ情報記憶部231>
カルテ情報記憶部231は、獣医療機関に通院する動物のカルテ情報を管理する。なお、獣医療機関に一度でも通院した動物についてはカルテ情報が作成される。カルテ情報に含まれる項目には、例えば、患者動物1を特定する動物IDと、受診日(日付)とに対応付けて、身体所見、病歴、検査情報、診断情報、処置情報、処方情報、メモ、画像情報などが含まれ得る。カルテ情報記憶部231は、管理サーバ20とは別のカルテ情報管理システムに管理するようにして、当該カルテ情報管理システムにアクセスするようにすることもできる。
【0021】
身体所見とは、動物病院等において獣医師等が調べることができ、客観的な数値で表せる身体情報である。例えば「体重」「体温」「心拍」「呼吸数」等である。
【0022】
病歴とは、獣医師等が聴取した主観的な情報である。病歴は、例えば「喉が赤い」というように飼い主だけでは実際に確認するのが困難な項目も含まれている。また、問診情報では「血尿が出ている」という情報が取得されたとしても、獣医師等によって診察したところ「肛門から出血している」という現病歴が聴取されることもある。
【0023】
検査情報には、少なくとも当該動物患者1が過去に受けた検査の内容(結果)を含んでいる。検査情報には、過去の通院、入院又は手術において受けたことのある検査や、検診において受けたことのある検査などを含めることができる。その際に、検査に対する反応(嫌がったかどうか等、検査自体の受容性・許容性に関する情報)を関連付けて記憶することとしてもよい。
【0024】
診断情報には、少なくとも当該動物患者1について過去に獣医師4により判断された内容(診断)の履歴が含まれうる。診断情報には、過去に罹患した具体的な疾患名や怪我等の情報を含めることができる。診断情報には、過去の通院、入院又は手術において疑われた診断に関する情報を含めてもよい。
【0025】
処置情報には、当該動物患者1が過去に受けた処置(投薬を含む。)に関する情報を含んでいる。処置情報には、処置または投薬に対する反応(嫌がったかどうか、体調に影響を来たしたか等、処置又は投薬自体の受容性・許容性に関する情報)を関連付けて記憶することとしてもよい。処置の内容としては、例えば、肛門腺処置、爪切処置、足裏処置、耳処置、毛抜き、眼科処置、歯科処置、エリザベスカラー・腹帯など、鍼灸処置、留置、便出し、抜糸、消毒、酸素処置、催吐処置、緊急蘇生処置、水抜き、強制給餌、洗浄、圧排、マッサージ、マイクロチップ、トリミング、カテーテル、リハビリ、手術、麻酔、入院、注射、輸血、点滴、検査、放射線治療、各種ドック、介護、衛生処置、シャンプー、しつけ、サプリメント、おやつ、避妊、去勢、ノミダニ駆除、狂犬病薬、ワクチン、フード、内用薬、点耳薬、点鼻薬、点眼薬、外用薬(軟膏・クリーム)、外用薬(消毒薬・スプレー)、外用薬、フィラリア予防などが例示できるがこの限りではない。
【0026】
処方情報は、当該動物患者1が過去に処方された薬剤等を含む。処方情報には、自宅にて処方された薬剤を服用できたか否か、嫌がったかどうか、体調に影響を来たしたか等、処置又は投薬自体の受容性・許容性に関する情報をユーザの携帯端末を介して取得して追加するようにしてもよい。
【0027】
メモは、診察、入院又は手術の担当医、担当看護師、担当事務などにより入力されたテキストデータである。
【0028】
画像情報は、動物患者1の様子を撮影した画像である。画像情報は、静止画像であっても動画像であってもよい。
【0029】
<輸送予約情報記憶部232>
輸送予約情報記憶部232は、移動体3の予約に関する情報(以下、輸送予約情報という。)を記憶する。輸送予約情報には、移動体3を示す移動体ID、医療機関の場所を特定するための情報(医療機関)、患者動物1の住所を特定するための情報(自宅)、来院フラグ、乗車日時、移動体3に同乗する従事者を示す乗務員IDを含めることができる。医療機関の場所を特定するための情報は、医療機関の住所としてもよいし、管理サーバ20が医療機関ごとの住所が管理される医療機関データベースを備える場合には、医療機関を示す医療機関IDとしてもよい。患者動物1の住所を特定するための情報は、動物患者1の住所(飼主2の住所)としてもよいし、管理サーバ20が患者動物1の住所が管理される動物データベースを備える場合には、動物患者1を示す患者IDとしてもよいし、管理サーバ20が患者動物1の飼主2が管理される動物データベースと飼主2の住所が管理される飼主データベースとを備える場合には、動物患者1を示す患者ID又は飼主2を示す飼主IDとしてもよい。来院フラグは、動物患者1を自宅から獣医療機関に輸送するか否かを示す情報である。乗車日時は、動物患者1をピックアップする予定の日時である。乗務員IDは、獣医師4、看護師5、スタッフ6を示す情報であり、複数の乗務員が移動体3に同乗する場合には、複数の乗務員IDを設定してもよい。
【0030】
<説明情報記憶部233>
説明情報記憶部233は、動物患者1に対して行われた検査結果又は処置内容(手術、処置、投薬などを含む。)に対応付けて、検査結果又は処置内容に起因する動物患者の状態に関する情報(以下、説明情報という。)を記憶する。説明情報には、検査結果や処置内容に応じて、発熱する、元気がないなど、動物患者1がなるであろう状態についての説明と、今後の日常生活において注意するべき注意事項とを含む。
【0031】
説明情報記憶部233は、検査説明情報記憶部234と、処置説明情報記憶部235と、を備える。
【0032】
検査説明情報記憶部234は、検査に関する説明情報(検査説明情報)を記憶する。検査説明情報には、動物種、検査種別及び検査結果に対応付けて、当該動物種の動物患者1について、当該検査種別の検査が行われ、当該検査結果であった場合に推測される、動物患者1がどのような状態になり得るかの説明と、当該検査結果であった当該動物種別の動物患者1が注意するべき注意事項とが含まれうる。検査結果は、検査結果の値の範囲など検査結果に対する条件であってもよい。
【0033】
処置説明情報記憶部235は。処置に関する説明情報(処置説明情報)を記憶する。処置説明情報には、動物種、処置種別及び処置内容に対応付けて、当該動物種の動物患者1について、当該処置種別の当該処置内容が行われた場合に、副作用や発熱、元気がない状態など、動物患者1がどのような状態になり得るかの説明と、当該処置内容の処置が行われた当該動物種別の動物患者1が注意するべき注意事項とが含まれうる。処置内容は、具体的な処置の名前とすることができる。また、処置種別だけを設定して処置内容を設定しなくてもよく、その場合には、当該処置種別の処置が行われた場合の説明及び注意事項が設定される。
【0034】
<機能部>
輸送受付部211は、動物患者1の獣医療機関への輸送の依頼を受け付ける。本実施形態では、獣医療機関からの帰宅時の輸送依頼を想定している。輸送受付部211は、動物患者1の輸送の依頼(以下、輸送依頼という。)を受け付ける。輸送受付部211は、ユーザ端末10から輸送依頼を受信する。輸送受付部211は、獣医療機関の従事者から輸送依頼の入力を受け付けるようにしてもよい。輸送依頼には、動物患者1を示す動物ID及び獣医療機関を示す医療機関IDが設定されうる。輸送依頼に動物IDが設定されていない場合には、輸送依頼受信部211は、ユーザ端末10に対して動物IDを問い合わせるようにすることができる。輸送依頼には、受診希望日時(又は希望する期間)が設定されていてもよい。
【0035】
輸送予約部212は、輸送依頼に応じて動物患者1を輸送する移動体3を予約する。移動体3の予約とは、移動体3を特定の動物患者1を特定の日時に輸送可能な状態に確保することをいう。輸送予約部212は、輸送予約情報を作成して輸送予約情報記憶部232に登録することができる。予約部212は、すぐに移動体3を使用する場合にも、現在日時を設定した予約をすることができる。
【0036】
カルテ情報取得部213は、動物患者1に対して獣医療機関で行われた検査結果及び/又は処置内容を取得する。カルテ情報取得部213は、輸送依頼に設定されている動物IDに対応するカルテ情報をカルテ情報記憶部231から読み出す。
【0037】
情報表示部214は、輸送する動物患者1に係る検査結果及び/又は処置内容に対応する説明情報(検査説明情報及び/又は処置説明情報)を、動物患者1及び飼主2を獣医療機関から自宅に輸送する移動体3の中に配置される表示装置32に表示させる。情報表示部214は、移動体端末31に対して説明情報を送信し、移動体端末31が表示装置32に説明情報を表示することができる。また、例えば、説明情報に重要度を設定しておき、情報表示部214は、重要度の順に説明情報を表示するようにしてもよい。
【0038】
<動作>
図4は、管理サーバ20の動作を説明する図である。
【0039】
管理サーバ20は、輸送依頼を受信して(S301)、移動体3を予約する(S302)。管理サーバ20は、輸送依頼に設定されている動物IDに対応するカルテ情報を取得する(S303)。
【0040】
管理サーバ20は、カルテ情報に含まれる検査結果と動物患者1の動物種とに対応する検査説明情報を検査説明情報記憶部234から読み出し(S304)、カルテ情報に含まれる処置内容と動物患者1の動物種とに対応する処置説明情報を処置説明情報記憶部235から読み出し(S305)、読み出した検査説明情報及び処置説明情報を移動体端末31に送信して、移動体3内の表示装置32に表示させる(S306)。なお、管理サーバ20は、移動体3が獣医療機関を出発した後、動物患者1の自宅に到着するまでの間に、説明情報を表示装置32に表示させるようにする。
【0041】
以上のようにして、本実施形態の獣医療支援システムによれば、医療機関で行われた検査や処置に関する説明、検査結果や処置内容に応じて発現しうる動物患者1の状態、検査結果や処置内容に応じて日常生活において注意すべき事項などが、帰宅途中の移動体3内で確認することができるので、飼主2に安心感を与えることができる。また、飼主2からの注目を集めることが期待できる車内の表示装置32に説明情報を表示することで、確実に情報伝達を行うことができる。
【0042】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0043】
10 ユーザ端末
20 管理サーバ
30 獣医療機関端末
31 移動体端末
32 表示装置
図1
図2
図3
図4