(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138385
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】電荷制御剤を含むトナー
(51)【国際特許分類】
G03G 9/097 20060101AFI20230922BHJP
G03G 9/08 20060101ALI20230922BHJP
G03G 9/093 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
G03G9/097 344
G03G9/08 381
G03G9/097 374
G03G9/097 375
G03G9/093
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032521
(22)【出願日】2023-03-03
(31)【優先権主張番号】17/697,783
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】コンコン、チー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン、エー.、フランク
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス、ケイ.、プリエベ
(72)【発明者】
【氏名】チーミン、チョン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、エフ.、ゾナ
【テーマコード(参考)】
2H500
【Fターム(参考)】
2H500AA07
2H500AA08
2H500AA09
2H500BA11
2H500BA17
2H500BA25
2H500CA37
2H500CB04
2H500CB05
2H500CB12
2H500EA46D
2H500EA60A
2H500EA62C
(57)【要約】 (修正有)
【課題】全ての極限環境での印刷性能を確実に良好なものとする。
【解決手段】少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に配置される、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種から形成される錯体を含む電荷制御剤と、を含む、乳化凝集トナー。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化凝集トナーであって、
少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、
を含むトナー粒子と、前記トナー粒子の表面に配置される電荷制御剤と、を含み、
金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種から形成される錯体を含む電荷制御剤と、を含む、乳化凝集トナー。
【請求項2】
前記トナー粒子がコアシェル構造を含み、
前記電荷制御剤が、前記トナー粒子シェルの表面に配置される、請求項1に記載の乳化凝集トナー。
【請求項3】
前記電荷制御剤錯体の前記金属イオン供与体が、二価カルシウムイオン供与体、二価マグネシウムイオン供与体、二価バリウムイオン供与体、二価亜鉛イオン供与体、三価アルミニウムイオン供与体、三価鉄イオン供与体、四価チタンイオン供与体、四価ジルコニウムイオン供与体及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項1に記載の乳化凝集トナー。
【請求項4】
前記電荷制御剤錯体の前記金属イオン供与体が、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項1に記載の乳化凝集トナー。
【請求項5】
前記配位子が、ヒドロキシピラノン、チオピラノン、ピラノンカルボン酸、ヒドロキシフラノン、チオフラノン、フラノンカルボン酸及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項1に記載の乳化凝集トナー。
【請求項6】
前記配位子が、デヒドロ酢酸、フミン酸及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項1に記載の乳化凝集トナー。
【請求項7】
前記トナーがTiO2を含まない、請求項1に記載の乳化凝集トナー。
【請求項8】
前記トナー粒子シェルの表面に配置される表面調整剤を更に含み、前記表面調整剤が、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項2に記載の乳化凝集トナー。
【請求項9】
現像剤であって、
乳化凝集トナー粒子と、トナー担体と、を含み、
前記乳化凝集トナー粒子が、少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、トナー粒子の表面に配置される電荷制御剤と、を含み、
前記電荷制御剤が、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種から形成される錯体を含み、
任意選択的に、前記トナー粒子が、前記トナー粒子シェルの表面に配置される表面調整剤を更に含み、前記表面調整剤が、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、現像剤。
【請求項10】
前記トナー粒子がコアシェル構造を含み、
前記電荷制御剤が、前記トナー粒子シェルの表面に配置される、請求項9に記載の現像剤。
【請求項11】
前記電荷制御剤錯体の前記金属イオン供与体が、二価カルシウムイオン供与体、二価マグネシウムイオン供与体、二価バリウムイオン供与体、二価亜鉛イオン供与体、三価アルミニウムイオン供与体、三価鉄イオン供与体、四価チタンイオン供与体、四価ジルコニウムイオン供与体及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択され、
前記配位子が、ヒドロキシピラノン、チオピラノン、ピラノンカルボン酸、ヒドロキシフラノン、チオフラノン、フラノンカルボン酸及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項9に記載の現像剤。
【請求項12】
前記電荷制御剤錯体の前記金属イオン供与体が、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択され、
前記配位子が、デヒドロ酢酸、フミン酸及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項9に記載の現像剤。
【請求項13】
前記トナー粒子がTiO2を含まない、請求項9に記載の現像剤。
【請求項14】
乳化凝集トナープロセスであって、
少なくとも1種の樹脂のラテックスを得ることと、
任意選択的に任意の着色剤の水分散液を得ることと、
任意選択的に任意のワックスの水分散液を得ることと、
前記少なくとも1種の樹脂のラテックス、前記任意の着色剤の水分散液及び前記任意のワックスの水分散液の混合物を形成することと、
前記混合物を第1の温度に加熱することと、
前記第1の温度を維持して、凝集トナー粒子を形成することと、
シェル樹脂のラテックスを添加して前記凝集粒子一面にシェルを形成することと、
任意選択的に、キレート剤の溶液を添加することと、
更なる凝集を停止し、前記第1の温度よりも高い第2の温度まで温度を上昇させて、前記凝集粒子を合体させることと、
乳化凝集トナー粒子を冷却し、任意選択的に洗浄し、任意選択的に乾燥させ、これを回収することと、
金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種を前記乳化凝集トナー粒子に添加することで前記乳化凝集トナー粒子の表面上へと電荷制御剤を沈殿させることであって、金属イオン供与体及びフミン酸配位子を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せが前記電荷制御剤を形成し、前記内部電荷制御剤を含有する乳化凝集トナー粒子を形成することと、
任意選択的に、前記トナー粒子シェルの表面に、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される表面調整剤を配置することと、を含む、乳化凝集トナープロセス。
【請求項15】
前記乳化凝集トナー粒子とトナー担体とを組み合わせて現像剤を形成することを更に含む、請求項14に記載の乳化凝集トナープロセス。
【請求項16】
前記内部電荷制御剤錯体の前記金属イオン供与体が、二価カルシウムイオン供与体、二価マグネシウムイオン供与体、二価バリウムイオン供与体、二価亜鉛イオン供与体、三価アルミニウムイオン供与体、三価鉄イオン供与体、四価チタンイオン供与体、四価ジルコニウムイオン供与体及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項14に記載の乳化凝集トナープロセス。
【請求項17】
前記内部電荷制御剤錯体の前記金属イオン供与体が、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項14に記載の乳化凝集トナープロセス。
【請求項18】
前記配位子が、デヒドロ酢酸、フミン酸及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される、請求項14に記載の乳化凝集トナープロセス。
【請求項19】
前記トナー粒子がTiO2を含まない、請求項14に記載の乳化凝集トナープロセス。
【請求項20】
乾燥した乳化凝集トナー粒子を水中に分散させ、前記乳化凝集トナー粒子のスラリーを形成することと、
前記分散された乳化凝集トナー粒子の表面上へと前記電荷制御剤を沈殿させることと、を更に含む、請求項14に記載の乳化凝集トナープロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本明細書と同時出願され、内容全体が本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願番号第17/697800号(「Toner Comprising Charge Control Agent」と題する代理人案件番号20210496US01)は、少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に配置される、フェニルシロキサンを含む電荷制御剤であって、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種から形成される錯体と、を含む電荷制御剤と、を含む乳化凝集トナーについて記載している。
【0002】
本明細書と同時出願され、内容全体が本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願番号第17/697809号(「Toner Comprising Reactive Charge Control Agent」と題する代理人番号20210498US01)は、少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に配置される、少なくとも3個の炭素原子を有するアミン化合物、少なくとも3個の炭素原子を含むアンモニウム化合物、少なくとも3個の炭素原子を有するホスホニウム化合物、少なくとも3個の炭素原子を有するホウ素化合物及びそれらの組合せからなる群から選択されるメンバーを含む少なくとも1種の正電荷化合物を含む、反応性電荷制御剤と、アミノ、エポキシ、カルボキシル、ヒドロキシル、シラノール、シアン化物、無水物、アルデヒド、ケトン、ビニル及びそれらの組合せからなる群から選択されるメンバーを含む少なくとも1種の反応性アンカー化合物と、を含み、電荷制御剤が任意選択的に芳香族カルボン酸、シラノール、フェノール、ピラノン、フラノン及びそれらの組合せからなる群から選択されるメンバーを含む負電荷化合物を更に含む、乳化凝集トナーについて記載している。
【背景技術】
【0003】
少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に配置される、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種から形成される錯体を含む電荷制御剤と、を含む乳化凝集トナーが本明細書に開示される。
【0004】
乳化凝集トナー粒子と、トナー担体と、を含む現像剤も更に開示され、乳化凝集トナー粒子が、少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、トナー粒子の表面に配置される、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種から形成される錯体を含む電荷制御剤と、を含み、任意選択的にトナー粒子は、トナー粒子シェルの表面に配置される、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される表面調整剤を更に含む。
【0005】
少なくとも1種の樹脂のラテックスを得ることと、任意選択的に任意の着色剤の水分散液を得ることと、任意選択的に任意のワックスの水分散液を得ることと、少なくとも1種の樹脂のラテックス、任意の着色剤の水分散液及び任意のワックスの水分散液の混合物を形成することと、混合物を第1の温度に加熱することと、第1の温度を維持して、凝集トナー粒子を形成することと、シェル樹脂のラテックスを添加して凝集粒子一面にシェルを形成することと、任意選択的に、キレート剤の溶液を添加することと、更なる凝集を停止し、第1の温度よりも高い第2の温度まで温度を上昇させて、凝集粒子を合体させることと、乳化凝集トナー粒子を冷却し、任意選択的に洗浄し、任意選択的に乾燥させ、これを回収することと、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種を乳化凝集トナー粒子に添加することで、乳化凝集トナー粒子の表面上へと電荷制御剤を沈殿させることであって、金属イオン供与体及びフミン酸配位子を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せは電荷制御剤を形成し、内部電荷制御剤を含有する乳化凝集トナー粒子を形成することと、任意選択的に、トナー粒子シェルの表面に、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される表面調整剤を配置することと、を含む乳化凝集トナープロセスが更に開示される。
【0006】
化学的に製造されたトナー粒子の出現により、印刷品質及び転写効率を長年にわたって大幅に向上させることが可能となったが、これらの粒子の配合に関与する化学的性質によって、製造プロセス中に、顧客業績を不十分なものにする可能性がある大きな相互作用が生じる。特に、乳化凝集(EA)プロセスに使用される化学的性質及び原料は、帯電速度と平均電荷の両方の環境安定性が損なわれる可能性がある粒子を作り出す。低湿条件では、典型的なポリエステル及び/又はスチレンアクリレート粒子は非常に高く帯電し、現像剤中で新規トナーを古くなったトナーと組み合わせるときには、帯電分布を安定かつ均一にするために担体と長い時間混練する必要がある。対照的に、これらの粒子の平均電荷ピークは高湿条件では非常に低くなる可能性がある。これにより、全ての極限環境での印刷性能を確実に良好なものとする上で課題が発生する。従来の粒子プロセス(押出/粉砕)を行っていた時代には、内部電荷制御剤(charge control agent、CCA)を樹脂の溶融混合物に導入し、最終的なトナーの環境安定性を向上させていた。EAプロセスでは、粒子プロセスへの悪影響なく同様の電荷制御剤を粒子に導入することは困難であることが示されている。粒子配合物の懸濁重合法によって、このプロセスへの溶媒の使用によって内部CCAを粒子中に容易に導入することができる。EA粒子の環境不安定性を除去するための一方法は、トナー配合物中に外部添加剤として二酸化チタン(TiO2)を使用することである。この添加剤は、高湿帯電性能に深刻な影響を与えることなく、低湿条件では平均電荷を低下させて帯電速度を向上させる(混合する)傾向があり、これによって環境安定性は更に良好なものとなる。ただし、TiO2は人間に対して潜在的な健康上のリスクがあると考えられているため、トナー配合物中に使用され得るTiO2の量を1重量%未満などに調節するなど、TiO2に関しては近年中の規制が実施又は予想されている。加えて、電荷制御剤の大部分は、分子芳香族ヒドロキシカルボン酸配位子とカルシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄、クロム原子、ホウ素、ジルコニウム及びチタンから選択される金属イオンとの錯体である。これらの電荷制御剤の製造及び適用によって、分子芳香族ヒドロキシカルボン酸配位子の毒性が高いことから環境上及び健康上の懸念が生じる。危険性が低い代替配位子を使用し、より持続可能な電荷制御剤を開発することが非常に望ましい。
【0007】
現在入手可能なトナーは、それらの意図される目的に好適である。ただし、向上したトナーが依然として必要とされている。更には、全ての極限環境で安定した帯電性能も提供しながらも、TiO2の量を減らした状態で調製され得る、又はTiO2を全く含み得ない、向上したトナー(いくつかの実施形態では、乳化凝集トナー)が依然として必要とされている。
【0008】
上記の米国特許及び特許出願公開のそれぞれの適切な構成要素及びプロセスの態様は、いくつかの実施形態において本開示のために選択され得る。更に、本出願全体を通して、様々な刊行物、特許、及び公開された特許出願は、特定の引用によって参照される。本出願において参照される刊行物、特許、及び公開された特許出願の開示は、本発明が関係する最新技術をより完全に説明するために、参照により本開示に組み込まれる。
【発明の概要】
【0009】
少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に配置される、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種から形成される錯体を含む電荷制御剤と、を含む乳化凝集トナーが本明細書に開示される。
【0010】
乳化凝集トナー粒子と、トナー担体と、を含む現像剤も更に記載され、乳化凝集トナー粒子は、少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、トナー粒子の表面に配置される、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種から形成される錯体を含む電荷制御剤と、を含み、任意選択的にトナー粒子は、トナー粒子シェルの表面に配置される、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される表面調整剤を更に含む。
【0011】
少なくとも1種の樹脂のラテックスを得ることと、任意選択的に任意の着色剤の水分散液を得ることと、任意選択的に任意のワックスの水分散液を得ることと、少なくとも1種の樹脂のラテックス、任意の着色剤の水分散液及び任意のワックスの水分散液の混合物を形成することと、混合物を第1の温度に加熱することと、第1の温度を維持して、凝集トナー粒子を形成することと、シェル樹脂のラテックスを添加して凝集粒子一面にシェルを形成することと、任意選択的に、キレート剤の溶液を添加することと、更なる凝集を停止し、第1の温度よりも高い第2の温度まで温度を上昇させて、凝集粒子を合体させることと、乳化凝集トナー粒子を冷却し、任意選択的に洗浄し、任意選択的に乾燥させ、これを回収することと、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種を乳化凝集トナー粒子に添加することで、乳化凝集トナー粒子の表面上へと電荷制御剤を沈殿させることであって、金属イオン供与体及びフミン酸配位子を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せは電荷制御剤を形成し、内部電荷制御剤を含有する乳化凝集トナー粒子を形成することと、任意選択的に、トナー粒子シェルの表面に、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される表面調整剤を配置することと、を含む乳化凝集トナープロセスが更に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】低湿(Jゾーン)の比較粒子に関するデータを示すチャージスペクトログラフである。
【
図2】高湿(Aゾーン)の比較粒子に関するデータを示すチャージスペクトログラフである。
【
図3】本実施形態に従った、低湿(Jゾーン)のZn
2+/デヒドロ酢酸電荷制御剤を有する粒子に関するデータを示すチャージスペクトログラフである。
【
図4】本実施形態に従った、高湿(Aゾーン)のZn
2+/デヒドロ酢酸電荷制御剤を有する粒子に関するデータを示すチャージスペクトログラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
乳化凝集(EA)製造プロセスにてトナー粒子の表面へと電荷制御剤(CCA)分子を沈殿させることによりCCAを導入する方法が記載される。いくつかの実施形態では、乳化凝集トナープロセスは、ラテックスを形成することと、凝集させて凝集粒子を形成することと、凝集粒子を合着させることと、冷却させることと、任意選択的に洗浄することと、任意選択的に乾燥させて乳化凝集トナー粒子を調製することと、を含む。本明細書のいくつかの実施形態では、電荷制御剤は冷却工程後に乳化凝集トナー粒子の表面上へと沈殿する。いくつかの実施形態では、電荷制御剤は冷却工程と洗浄工程の間で乳化凝集トナー粒子の表面上へと沈殿する。他の実施形態では、電荷制御は、乾燥工程後に乳化凝集トナー粒子の表面上へと沈殿する。いくつかの実施形態では、本明細書の電荷制御剤は内部電荷制御剤である。本明細書で使用される場合、内部電荷制御剤はトナープロセスの湿式工程中に導入される電荷制御剤を意味する。これは、トナーの乾燥後にトナーに添加される外部添加剤とは対照的である。
【0014】
例えばデヒドロ酢酸又はフミン酸といったCCA配位子は、フェノール置換基及びカルボン酸置換基が共に結合されている芳香族の核のモチーフを含有する。Al3+イオンのZn2+イオンなどの金属イオンが添加され、いくつかの実施形態では冷却後ではあるが洗浄及び乾燥前、又は乾燥後にトナー粒子の表面上へと沈殿し得るデヒドロ酢酸錯体又はフミン酸錯体が形成される。好ましい実施形態では、沈殿プロセスは、冷却し、洗浄し、乾燥した後に、追加の再分散プロセスによって生じる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書のプロセスは、凝集、合着によって乳化凝集トナー粒子を形成し、冷却し、洗浄し、乾燥させて乾燥した乳化凝集トナー粒子を得ることと、水中に再懸濁させるなど乾燥した乳化凝集トナー粒子を再懸濁させ、乳化凝集トナー粒子のスラリーを形成することと、再懸濁させた乳化凝集トナー粒子の表面上へと電荷制御剤を沈殿させることと、を含む。このプロセスによって、電荷制御剤をEAプロセスに導入することが可能となり、帯電速度(混合速度)を向上させ、広範な湿度全体で環境安定性を向上させるという形態で電荷性能を向上させる。
【0015】
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に配置される、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子から形成される錯体を含む電荷制御剤と、を含む乳化凝集トナーが記載される。
【0016】
更なる実施形態では、乳化凝集トナー粒子と、トナー担体と、を含む現像剤が記載され、乳化凝集トナー粒子は、少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に配置される、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子から形成される錯体を含む電荷制御剤と、を含む。
【0017】
更なる実施形態では、乳化凝集トナープロセスは、少なくとも1種の樹脂のラテックスを得ることと、任意選択的に任意の着色剤の水分散液を得ることと、任意選択的に任意のワックスの水分散液を得ることと、少なくとも1種の樹脂のラテックス、任意の着色剤の水分散液及び任意のワックスの水分散液の混合物を形成することと、混合物を第1の温度に加熱することと、第1の温度を維持して、凝集トナー粒子を形成することと、シェル樹脂のラテックスを添加して凝集粒子一面にシェルを形成することと、任意選択的に、キレート剤の溶液を添加することと、更なる凝集を停止し、第1の温度よりも高い第2の温度まで温度を上昇させて、凝集粒子を合着させ、合着したトナー粒子を形成することと、冷却し、任意選択的に洗浄し、任意選択的に乾燥させ、乳化凝集トナー粒子を形成することと、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種を乳化凝集トナー粒子に添加することで、乳化凝集トナー粒子の表面上へと電荷制御剤を沈殿させることであって、金属イオン供与体及びフミン酸配位子、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せは電荷制御剤を形成し、これによって電荷制御剤を含有する乳化凝集トナー粒子を形成することと、任意選択的に、トナー粒子シェルの表面に、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される表面調整剤を配置することと、を含む。
【0018】
本願は、電荷制御剤を含有する乳化凝集トナーを提供する。いくつかの実施形態では、電荷制御剤は内部電荷制御剤であると見なされる。「内部電荷制御剤」といった用語は、乳化凝集トナープロセスの湿式工程中に導入される電荷制御剤を記載することを意味している。内部電荷制御剤は、酸又はイオン供与体から形成される錯体を含む。酸及びイオン供与体は、いくつかの実施形態では合着後に、このプロセスの湿式工程中にトナー粒子の表面上へと沈殿される錯体を共に形成する。いくつかの実施形態では、本明細書のプロセスは、乾燥工程後、又は冷却工程と洗浄工程との間に、乳化凝集トナープロセス中の粒子の表面上へと電荷制御剤分子を沈殿させることを含む。好ましい実施形態では、電荷制御剤の沈殿は、追加の再分散プロセスによって、乳化凝集トナー粒子を冷却し、洗浄し、乾燥させた後に実施される。
【0019】
いくつかの実施形態では、トナー粒子はコア-シェル構造を含み、電荷制御剤はトナー粒子シェルの表面に配置される。
【0020】
電荷制御剤は、金属イオン供与体及び配位子から形成される錯体を含む。任意の好適な、又は所望の金属イオン供与体が選択され得る。いくつかの実施形態では、電荷制御剤錯体の金属イオン供与体は、二価カルシウムイオン供与体、二価マグネシウムイオン供与体、二価バリウムイオン供与体、二価亜鉛イオン供与体、三価アルミニウムイオン供与体、三価鉄イオン供与体、四価チタンイオン供与体、四価ジルコニウムイオン供与体及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される。特定の実施形態では、電荷制御剤錯体の金属イオン供与体は、二価亜鉛イオン供与体、三価アルミニウムイオン供与体、四価チタンイオン供与体、四価ジルコニウムイオン供与体及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される。
【0021】
いくつかの実施形態では、電荷制御剤錯体の金属イオン供与体は、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される。特定の実施形態では、電荷制御剤錯体の金属イオン供与体は、硝酸亜鉛六水和物、硝酸アルミニウム九水和物及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される。
【0022】
いくつかの実施形態では、電荷制御剤は、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種から形成される錯体を含む。
【0023】
任意の好適な、又は所望の配位子が選択され得る。いくつかの実施形態では、配位子は、ポリ芳香族酸(いくつかの実施形態ではフミン酸)、ピラノン、フラノン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される。
【0024】
特定の実施形態では、配位子は、デヒドロ酢酸、フミン酸及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される。
【0025】
いくつかの実施形態では、配位子は、共役構造を有するピラノン及び/又はフラノンを含み、電子は分子内で容易に非局在化される。
【0026】
ピロンの例としては、ヒドロキシピロン、ヒドロキシ(チオ)ピロン、マルトール、tert-ブチルマルトール、クマリン酸、四酢酸ラクトン及びケリドン酸が挙げられる。
【0027】
フラノンの例としては、5-ヒドロキシ-2(5H)-フラノン、5-エチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-3(2H)-フラノン、2-メチル-3-フランチオール及びテトロン酸が挙げられる。
【0028】
特定の実施形態では、配位子は、ヒドロキシピラノン、チオピラノン、ピラノンカルボン酸、ヒドロキシフラノン、チオフラノン、フラノンカルボン酸及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される。
【0029】
本開示のトナーを形成する際に、任意のトナー樹脂を利用することができる。そのような樹脂は、次に、任意の好適な1種のモノマー又は2種以上のモノマーで任意の好適な重合方法によって作製されてもよい。いくつかの実施形態では、樹脂は乳化重合によって調製される。いくつかの実施形態では、樹脂は、乳化重合以外の方法によって調製され得る。更なる実施形態では、樹脂は、縮合重合によって調製され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、乳化凝集トナーはコア-シェル構造を有するトナー粒子を含む。トナー粒子のコア及びシェルは、本明細書に記載の樹脂を含む任意の好適な、又は所望の樹脂を含み得る。特定の実施形態では、粒子のコアは少なくとも1種の非晶質ポリエステル、少なくとも1種の結晶性ポリエステル、任意の着色剤及び任意のワックスを含み、粒子のシェルは少なくとも1種の非晶質ポリエステルを含む。
【0031】
本開示のトナー組成物は、いくつかの実施形態では、非晶質樹脂を含む。非晶質樹脂は、直鎖状又は分枝状であってもよい。いくつかの実施形態では、非晶質樹脂は、少なくとも1種の低分子量非晶質ポリエステル樹脂を含み得る。多数の供給源から入手可能な低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、例えば、約30℃~約120℃、いくつかの実施形態では約75℃~約115℃、いくつかの実施形態では約100℃~約110℃、又はいくつかの実施形態では約104℃~約108℃の様々な融点を有し得る。本明細書で使用される場合、低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定されるとき、例えば、約1,000~約10,000、いくつかの実施形態では、約2,000~約8,000、いくつかの実施形態では、約3,000~約7,000、及びいくつかの実施形態では、約4,000~約6,000の、数平均分子量(Mn)を有する。樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン標準を使用するGPCによって決定されるとき、50,000以下、例えば、実施形態では、約2,000~約50,000、いくつかの実施形態では、約3,000~約40,000、いくつかの実施形態では、約10,000~約30,000、及びいくつかの実施形態では、約18,000~約21,000である。低分子量非晶質樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2~約6、いくつかの実施形態では約3~約4である。低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、約8~約20mg KOH/g、いくつかの実施形態では、約9~約16mg KOH/g、及びいくつかの実施形態では、約10~約14mg KOH/gの酸価を有し得る。
【0032】
利用され得る直鎖状非晶質ポリエステル樹脂の例としては、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(ブチルオキシレート化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールAコエトキシル化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(1,2-プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールAコエトキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(1,2-プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(ブチレン化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールAコエトキシル化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(1,2-プロピレンイタコネート)、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0033】
いくつかの実施形態では、好適な非晶質樹脂としては、アルコキシル化ビスフェノールAフマレート/テレフタレート系ポリエステル及びコポリエステル樹脂を挙げることができる。いくつかの実施形態では、好適な非晶質ポリエステル樹脂は、以下の式(I)を有するコポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコフマレート)-コポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコテレフタレート)樹脂であってよく、
【化1】
式中、Rは水素又はメチル基であってもよく、m及びnはコポリマーのランダム単位を表し、mは約2~10であってよく、nは約2~10であってもよい。そのような樹脂及びその製造プロセスの例には、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,063,827号に開示されているものが含まれる。
【0034】
ラテックス樹脂として利用され得る直鎖状プロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂の例は、Resana S/A Industrias Quimicas(Sao Paulo Brazil)から商品名SPARII(商標)で入手可能である。他の好適な直鎖状樹脂としては、各々が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,533,614号、同第4,957,774号、及び同第4,533,614号に開示されているものが挙げられ、これらは、テレフタル酸、ドデシルコハク酸、トリメリト酸、フマル酸、及び、例えば、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物及びビスフェノールAプロピレンオキシド付加物など、アルキルオキシル化ビスフェノールAを含む直鎖状ポリエステル樹脂であり得る。利用され得る、市販されている他のプロポキシル化ビスフェノールAテレフタレート樹脂としては、Kao Corporation,Japanから市販されるGTU-FC115などが挙げられる。
【0035】
いくつかの実施形態では、低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、飽和又は不飽和非晶質ポリエステル樹脂であってもよい。本開示のプロセス及び粒子に選択される飽和及び不飽和非晶質ポリエステル樹脂の例示的な例として、ポリエチレン-テレフタレート、ポリプロピレン-テレフタレート、ポリブチレン-テレフタレート、ポリペンチレン-テレフタレート、ポリヘキサレン-テレフタレート、ポリヘプタデン-テレフタレート、ポリオクタレン-テレフタレート、ポリエチレン-イソフタレート、ポリプロピレン-イソフタレート、ポリブチレン-イソフタレート、ポリペンチレン-イソフタレート、ポリヘキサレン-イソフタレート、ポリヘプタデン-イソフタレート、ポリオクタレン-イソフタレート、ポリエチレン-セバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレン-セバケート、ポリエチレン-アジパート、ポリプロピレン-アジパート、ポリブチレン-アジパート、ポリペンチレン-アジパート、ポリヘキサレン-アジパート、ポリヘプタデン-アジパート、ポリオクタレン-アジパート、ポリエチレン-グルタラート、ポリプロピレン-グルタラート、ポリブチレン-グルタラート、ポリペンチレン-グルタラート、ポリヘキサレン-グルタラート、ポリヘプタデン-グルタラート、ポリオクタレン-グルタラート、ポリエチレン-ピメラート、ポリプロピレン-ピメラート、ポリブチレン-ピメラート、ポリペンチレン-ピメラート、ポリヘキサレン-ピメラート、ポリヘプタデン-ピメラート、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-サクシネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-アジパート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-グルタラート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-テレフタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-イソフタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-ドデセニルサクシネート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-フマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-サクシネート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-アジパート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-グルタラート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-テレフタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-イソフタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-ドデセニルサクシネート)、SPAR(Dixie Chemicals)、BECKOSOL(登録商標)(Reichhold Inc.)、ARAKOTE(Ciba-Geigy Corporation)、HETRON(商標)(Ashland Chemical)、PARAPLEX(登録商標)(Rohm&Haas)、POLYLITE(登録商標)(Reichhold Inc.)、PLASTHALL(登録商標)(Rohm&Haas)、CELANEX(登録商標)(Celanese Corporation)、RYNITE(登録商標)(DuPont(商標))、STYPOL(登録商標)(Polynt Composites,Inc.)、及びこれらの組合せなどの、任意の様々な非晶質ポリエステルが挙げられる。樹脂はまた、カルボキシル化、スルホン化など、特に所望であれば、例えばナトリウムスルホン化のように官能化されてもよい。
【0036】
低分子量直鎖状非晶質ポリエステル樹脂は、一般に、有機ジオール、二酸又はジエステルと、重縮合触媒との重縮合によって調製される。低分子量非晶質樹脂は、一般に、トナー又は固体の約60~約90重量%、いくつかの実施形態では約50~約65重量%など、様々な好適な量でトナー組成物中に存在する。
【0037】
低分子量樹脂の調製のために選択される有機ジオールの例としては、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールなどの約2~約36個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、ソジオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、リチオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ソジオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、リチオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、これらの混合物などが挙げられる。脂肪族ジオールは、例えば、樹脂の約45~約50モル%の量で選択され、アルカリスルホ-脂肪族ジオールは、樹脂の約1~約10モル%の量で選択することができる。
【0038】
低分子量非晶質ポリエステルの調製に選択される二酸又はジエステルの例としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、無水ドデセニルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジメチルフタレート、無水フタル酸、ジエチルフタレート、ジメチルサクシネート、ジメチルフマレート、ジメチルマレエート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジパート、ジメチルドデシルサクシネート、ジメチルドデセニルサクシネート、及びこれらの混合物などの、ジカルボン酸又はジエステルが挙げられる。有機二酸又はジエステルは、例えば、樹脂の約45~約52モル%の量で選択される。
【0039】
低分子量非晶質ポリエステル樹脂又は結晶性樹脂(以下に記載)のいずれかの好適な重縮合触媒の例としては、テトラアルキルチタネート、ジブチルスズオキシドなどのジアルキルスズオキシド、ジブチルスズジラウレートなどのテトラアルキルスズ、ブチルスズオキシドヒドロキシドなどのジアルキルスズオキシドヒドロキシド、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、又はこれらの混合物が挙げられ、この触媒は、ポリエステル樹脂を生成するために使用される出発材料である二酸又はジエステルに基づいて、例えば、約0.01モル%~約5モル%の量で利用され得る。
【0040】
低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、分枝状樹脂であってもよい。本明細書で使用される場合、用語「分枝状」又は「分枝」は、分枝状樹脂及び/又は架橋樹脂を含む。これらの分枝状樹脂を形成する際に使用するための分岐剤としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレン-カルボキシルプロパン、テトラ(メチレン-カルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、その酸無水物、その1~約6個の炭素原子の低級アルキルエステルなどの多価ポリ酸、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトラロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、スクロース、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタトリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン、これらの混合物などが挙げられる。選択される分岐剤の量は、例えば、樹脂の約0.1~約5モル%である。
【0041】
得られる不飽和ポリエステルは、2つの最前部、すなわち、(i)ポリエステル鎖に沿った不飽和部位(二重結合)、及び(ii)カルボキシル基、ヒドロキシ基などの官能基、酸塩基反応に適した基において、反応性(例えば、架橋性)である。いくつかの実施形態では、不飽和ポリエステル樹脂は、二酸及び/又は無水物並びにジオールを使用して、溶融重縮合又は他の重合プロセスによって調製される。
【0042】
いくつかの実施形態では、低分子量非晶質ポリエステル樹脂又は低分子量非晶質樹脂の組合せは、約30℃~約80℃、いくつかの実施形態では、約35℃~約70℃のガラス転移温度を有し得る。更なる実施形態では、組み合わせた非晶質樹脂は、約130℃で約10~約1,000,000Pa*S、いくつかの実施形態では、約50~約100,000Pa*Sの融解粘度を有し得る。
【0043】
本開示のトナー粒子中の低分子量非晶質ポリエステル樹脂の量は、任意のコア、任意のシェル、又はその両方において、25~約50重量%、いくつかの実施形態では、約30~約45重量%、及びいくつかの実施形態では、約35~約43重量%のトナー粒子(すなわち、外部添加剤及び水を除くトナー粒子)の量で存在してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、トナー組成物は、少なくとも1種の結晶性樹脂を含む。本明細書で使用される場合、「結晶性」は、3次元秩序を有するポリエステルを指す。本明細書で使用される場合、「半結晶性樹脂」は、例えば、約10~約90%、いくつかの実施形態では、約12~約70%の結晶率を有する樹脂を指す。更に、以下で使用するとき、「結晶性ポリエステル樹脂」及び「結晶性樹脂」は、特に指定しない限り、結晶性樹脂及び半結晶性樹脂の両方を包含する。
【0045】
いくつかの実施形態では、結晶性ポリエステル樹脂は、飽和結晶性ポリエステル樹脂又は不飽和結晶性ポリエステル樹脂である。
【0046】
多くの供給源から入手可能な結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、約30℃~約120℃、いくつかの実施形態では、約50℃~約90℃の様々な融点を有し得る。結晶性樹脂は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定されるとき、例えば、約1,000~約50,000、いくつかの実施形態では、約2,000~約25,000、いくつかの実施形態では、約3,000~約15,000、及びいくつかの実施形態では、約6,000~約12,000の数平均分子量(Mn)を有し得る。樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン標準を使用するGPCによって決定されるとき、50,000以下、例えば、約2,000~約50,000、いくつかの実施形態では、約3,000~約40,000、いくつかの実施形態では、約10,000~約30,000、及びいくつかの実施形態では、約21,000~約24,000である。結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2~約6、いくつかの実施形態では約3~約4である。結晶性ポリエステル樹脂は、約2~約20mg KOH/g、いくつかの実施形態では、約5~約15mg KOH/g、及びいくつかの実施形態では、約8~約13mg KOH/gの酸価を有し得る。
【0047】
結晶性ポリエステル樹脂の例示的な例としては、ポリ(エチレン-アジパート)、ポリ(プロピレン-アジパート)、ポリ(ブチレン-アジパート)、ポリ(ペンチレン-アジパート)、ポリ(ヘキシレン-アジパート)、ポリ(オクチレン-アジパート)、ポリ(エチレン-サクシネート)、ポリ(プロピレン-サクシネート)、ポリ(ブチレン-サクシネート)、ポリ(ペンチレン-サクシネート)、ポリ(ヘキシレン-サクシネート)、ポリ(オクチレン-サクシネート)、ポリ(エチレン-セバケート)、ポリ(プロピレン-セバケート)、ポリ(ブチレン-セバケート)、ポリ(ペンチレン-セバケート)、ポリ(ヘキシレン-セバケート)、ポリ(オクチレン-セバケート)、ポリ(ノニレン-セバケート)、ポリ(デシレン-セバケート)、ポリ(ウンデシレン-セバケート)、ポリ(ドデシレン-セバケート)、ポリ(エチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(プロピレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ブチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ペンチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ヘキシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(オクチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ノニレン-ドデカンジオエート)、ポリ(デシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ウンデシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ドデシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(エチレン-フマレート)、ポリ(プロピレン-フマレート)、ポリ(ブチレン-フマレート)、ポリ(ペンチレン-フマレート)、ポリ(ヘキシレン-フマレート)、ポリ(オクチレン-フマレート)、ポリ(ノニレン-フマレート)、ポリ(デシレン-フマレート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジパート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(エチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(プロピレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ブチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(オクチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジパート)、及びこれらの組合せなどの任意の様々な結晶性ポリエステルを挙げることができる。
【0048】
結晶性樹脂は、重縮合触媒の存在下で、好適な有機ジオールと好適な有機二酸とを反応させることによる重縮合プロセスによって調製することができる。一般に、化学量論的等モル比の有機ジオールと有機二酸が利用されるが、場合によっては、有機ジオールの沸点は約180℃~約230℃であり、過剰量のジオールを使用し、重縮合プロセス中に除去することができる。利用される触媒の量は様々であり、例えば、樹脂の約0.01~約1モル%の量で選択することができる。更に、有機二酸の代わりに有機ジエステルを選択することができ、その結果アルコール副生成物が産生される。更なる実施形態では、結晶性ポリエステル樹脂は、ポリ(ドデカン二酸-コ-ノナンジオール)である。
【0049】
結晶性ポリエステル樹脂の調製のために選択される有機ジオールの例としては、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールなどの約2~約36個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、ソジオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、リチオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ソジオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、リチオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、これらの混合物などが挙げられる。脂肪族ジオールは、例えば、樹脂の約45~約50モル%の量で選択され、アルカリスルホ-脂肪族ジオールは、樹脂の約1~約10モル%の量で選択することができる。
【0050】
結晶性ポリエステル樹脂の調製に選択される有機二酸又はジエステルの例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸及びメサコン酸、これらのジエステル又はその無水物;並びにアルカリスルホ-有機二酸、例えば、ジメチル-5-スルホ-イソフタレート、ジアルキル-5-スルホ-イソフタレート-4-スルホ-1,8-ナフタル酸無水物、4-スルホ-フタル酸、ジメチル-4-スルホ-フタレート、ジアルキル-4-スルホ-フタレート、4-スルホフェニル-3,5-ジカルボメトキシベンゼン、6-スルホ-2-ナフチル-3,5-ジカルボメトキシベンゼン、スルホ-テレフタル酸、ジメチル-スルホ-テレフタレート、5-スルホ-イソフタル酸、ジアルキル-スルホ-テレフタレート、スルホ-p-ヒドロキシ安息香酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホネートのナトリウム、リチウム若しくはカリウム塩、又はこれらの混合物が挙げられる。有機二酸は、例えば、樹脂の約40~約50モル%の量で選択され、アルカリスルホ脂肪族二酸は、樹脂の約1~約10モル%の量で選択することができる。
【0051】
好適な結晶性ポリエステル樹脂としては、米国特許第7,329,476号並びに米国特許出願公開第2006/0216626号、同2008/0107990号、同2008/0236446号及び同2009/0047593号に開示されるものを含み、そのそれぞれが、内容全体が本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する。いくつかの実施形態では、好適な結晶性樹脂は、エチレングリコール又はノナンジオールからなる樹脂、及び以下の式(II)を有するドデカン二酸とフマル酸コモノマーとの混合物を含んでもよく、
【化2】
式中、bは約5~約2000であり、dは約5~約2000である。
【0052】
半結晶性ポリエステル樹脂が本明細書で使用される場合、半結晶性樹脂としては、ポリ(3-メチル-1-ブテン)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(エチレン-p-カルボキシフェノキシ-ブチレート)、ポリ(エチレン-酢酸ビニル)、ポリ(ドコシルアクリレート)、ポリ(ドデシルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(ベヘニルポリエトキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンアジパート)、ポリ(デカメチレンアジパート)、ポリ(デカメチレンアゼラート(azelaate))、ポリ(ヘキサメチレンオキサレート)、ポリ(デカメチレンオキサレート)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブタジエンオキシド)、ポリ(デカメチレンオキシド)、ポリ(デカメチレンスルフィド)、ポリ(デカメチレンジスルフィド)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンセバケート)、ポリ(エチレンスベラート)、ポリ(デカメチレンサクシネート、ポリ(エイコサメチレンマロネート)、ポリ(エチレン-p-カルボキシフェノキシ-ウンデカノエート)、ポリ(エチレンジチオンエソフタレート)、ポリ(メチルエチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン-p-カルボキシフェノキシ-バレレート)、ポリ(ヘキサメチレン-4,4,-オキシジベンゾエート)、ポリ(10-ヒドロキシカプリン酸)、ポリ(イソフタルアルデヒド)、ポリ(オクタメチレンドデカンジオエート)、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジプロピルシロキサン)、ポリ(テトラメチレンフェニレンジアセテート)、ポリ(テトラメチレントリチオジカルボキシレート)、ポリ(トリメチレンドデカンジオエート)、ポリ(m-キシレン)、ポリ(p-キシリレンピメラミド)、及びこれらの組合せが挙げられ得る。
【0053】
本開示のトナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の量は、コア、シェル、又はその両方において、1~約15重量%、いくつかの実施形態では、約5~約10重量%、及びいくつかの実施形態では、約6~約8重量%のトナー粒子(すなわち、外部添加剤及び水を除くトナー粒子)の量で存在してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、本開示のトナーはまた、少なくとも1種の高分子量分枝状又は架橋非晶質ポリエステル樹脂を含んでもよい。この高分子量樹脂としては、いくつかの実施形態では、例えば、分枝状非晶質樹脂若しくは非晶質ポリエステル、架橋非晶質樹脂若しくは非晶質ポリエステル、又はこれらの混合物、又は架橋を受けた非架橋非晶質ポリエステル樹脂を挙げることができる。本開示によれば、高分子量非晶質ポリエステル樹脂の約1重量%~約100重量%は、分枝状であっても、又は架橋されてもよく、いくつかの実施形態では、高分子量非晶質ポリエステル樹脂の約2重量%~約50重量%は分枝状であっても、又は架橋されていてもよい。
【0055】
本明細書で使用される場合、高分子量非晶質ポリエステル樹脂は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定されるとき、例えば、約1,000~約10,000、いくつかの実施形態では、約2,000~約9,000、いくつかの実施形態では、約3,000~約8,000、及びいくつかの実施形態では、約6,000~約7,000の、数平均分子量(Mn)を有してよい。樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン標準を使用するGPCによって決定されるとき、55,000超、例えば、約55,000~約150,000、いくつかの実施形態では、約60,000~約100,000、いくつかの実施形態では、約63,000~約94,000、及びいくつかの実施形態では、約68,000~約85,000である。多分散指数(PD)は、GPCによって標準ポリスチレン標準樹脂に対して測定されるとき、例えば、約4超、いくつかの実施形態では約4~約20、いくつかの実施形態では約5~約10、及びいくつかの実施形態では約6~約8など、約4を超える。PD指数は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、約8~約20mg KOH/g、いくつかの実施形態では、約9~約16mg KOH/g、及びいくつかの実施形態では、約11~約15mg KOH/gの酸価を有し得る。多数の供給源から入手可能な高分子量非晶質ポリエステル樹脂は、例えば、約30℃~約140℃、いくつかの実施形態では約75℃~約130℃、いくつかの実施形態では約100℃~約125℃、及びいくつかの実施形態では約115℃~約121℃の様々な融点を有し得る。
【0056】
多数の供給源から入手可能な高分子量非晶質樹脂は、示差走査熱量計(DSC)によって測定されるとき、例えば、約40℃~約80℃、いくつかの実施形態では、約50℃~約70℃、及びいくつかの実施形態では、約54℃~約68℃の様々なガラス転移開始温度(Tg)を有し得る。いくつかの実施形態では、直鎖状及び分枝状非晶質ポリエステル樹脂は、飽和又は不飽和樹脂であってもよい。
【0057】
高分子量非晶質ポリエステル樹脂は、直鎖状ポリエステル樹脂を分岐又は架橋することによって調製することができる。三官能性又は多官能性モノマーなどの分岐剤を利用することができ、これらの薬剤は、通常、ポリエステルの分子量及び多分散性を増加させる。好適な分岐剤としては、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジグリセロール、トリメリト酸、無水トリメリト酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、これらの組合せなどが挙げられる。これらの分岐剤は、樹脂を作製するために使用される出発材料である二酸又はジエステルに基づいて、約0.1モル%~約20モル%の有効量で利用することができる。
【0058】
高分子量ポリエステル樹脂を形成する際に利用され得る多塩基性カルボン酸を有する変性ポリエステル樹脂を含有する組成物としては、米国特許第3,681,106号に開示されているもの、並びに各々の開示が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,863,825号、同第4,863,824号、同第4,845,006号、同第5,143,809号、同第5,057,596号、同第4,988,794号、同第4,981,939号、同第4,980,448号、同第4,933,252号、同第4,931,370号、同第4,917,983号、及び同第4,973,539号に例示される多価酸又はアルコール由来の分枝状又は架橋ポリエステルが挙げられる。
【0059】
いくつかの実施形態では、架橋ポリエステル樹脂は、フリーラジカル条件下で反応できる不飽和部位を含有する、直鎖状非晶質ポリエステル樹脂から作製され得る。そのような樹脂の例としては、各々の開示が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,227,460号、同第5,376,494号、同第5,480,756号、同第5,500,324号、同第5,601,960号、同第5,629,121号、同第5,650,484号、同第5,750,909号、同第6,326,119号、同第6,358,657号、同第6,359,105号、及び同第6,593,053号に開示されたものが挙げられる。いくつかの実施形態では、好適な不飽和ポリエステル系樹脂は、例えば、無水マレイン酸、テレフタル酸、トリメリト酸、フマル酸など、及びこれらの組合せなどの二酸及び/又は無水物、並びに、例えば、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールA-プロピレンオキシド付加物など、及びこれらの組合せなどのジオールから調製することができる。いくつかの実施形態では、好適なポリエステルは、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコ-フマル酸)である。
【0060】
いくつかの実施形態では、架橋分枝状ポリエステルは、高分子量非晶質ポリエステル樹脂として利用され得る。このようなポリエステル樹脂は、2つ以上のヒドロキシル基又はそのエステルを有する少なくとも1種のポリオールと、少なくとも1種の脂肪族又は芳香族多官能性酸又はそのエステル又は少なくとも3つの官能基を有するこれらの混合物と、任意選択的に、少なくとも1種の長鎖脂肪族カルボン酸若しくはそのエステル、又は芳香族モノカルボン酸若しくはそのエステル、又はこれらの混合物と、を含む、少なくとも2種のプレゲル組成物から形成されてもよい。2つの成分を反応させて、別々の容器内で実質的に完了させ、第1の反応器において、カルボキシル末端基を有するプレゲルを含む第1の組成物、及び第2の反応器において、ヒドロキシル末端基を有するプレゲルを含む第2の組成物を生成してもよい。次いで、2つの組成物を混合して、架橋分枝状ポリエステル高分子量樹脂を作製してもよい。そのようなポリエステル及びそれらの合成方法の例としては、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,592,913号に開示されているものが挙げられる。
【0061】
好適なポリオールは、約2~約100個の炭素原子を含有し、少なくとも2つ以上のヒドロキシル基、又はこれらのエステルを有し得る。ポリオールとしては、グリセロール、ペンタエリスリトール、ポリグリコール、ポリグリセロールなど、又はこれらの混合物を含んでもよい。ポリオールはグリセロールを含んでもよい。グリセロールの好適なエステルとしては、グリセロールパルミテート、グリセロールセバケート、グリセロールアジパート、トリアセチントリプロピオニンなどが挙げられる。ポリオールは、反応混合物の約20重量%~約30重量%、いくつかの実施形態では、反応混合物の約22重量%~約26重量%の量で存在してもよい。
【0062】
少なくとも2つの官能基を有する脂肪族多官能性酸としては、約2~約100個の炭素原子、いくつかの実施形態では、約4~約20個の炭素原子を含有する、飽和及び不飽和酸、又はこれらのエステルを挙げてよい。他の脂肪族多官能性酸としては、マロン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など、又はこれらの混合物が挙げられる。利用され得る他の脂肪族多官能性酸としては、C3~C6環状構造及びその位置異性体を含有するジカルボン酸が挙げられ、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、又はシクロプロパンジカルボン酸が挙げられる。
【0063】
利用され得る少なくとも2つの官能基を有する芳香族多官能性酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリト酸、ピロメリット酸、及びナフタレン1,4-、2,3-、及び2,6-ジカルボン酸が挙げられる。
【0064】
脂肪族多官能性酸又は芳香族多官能性酸は、反応混合物の約40重量%~約65重量%、いくつかの実施形態では、反応混合物の約44重量%~約60重量%の量で存在してもよい。
【0065】
長鎖脂肪族カルボン酸又は芳香族モノカルボン酸としては、約12~約26個の炭素原子を含有するもの、いくつかの実施形態では、約14~約18個の炭素原子を含有するもの、又はこれらのエステルを挙げることができる。長鎖脂肪族カルボン酸は、飽和又は不飽和であってもよい。好適な飽和長鎖脂肪族カルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、セロチン酸など、又はこれらの組合せを挙げることができる。好適な不飽和長鎖脂肪族カルボン酸としては、ドデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸など、又はこれらの組合せを挙げることができる。芳香族モノカルボン酸としては、安息香酸、ナフトエ酸、及び置換ナフトエ酸を挙げることができる。好適な置換ナフトエ酸としては、1-メチル-2ナフトエ酸及び/又は2-イソプロピル-1-ナフトエ酸などの、約1~約6個の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状アルキル基で置換されたナフトエ酸を挙げることができる。長鎖脂肪族カルボン酸又は芳香族モノカルボン酸は、反応混合物の約0重量%~約70重量%、いくつかの実施形態では、反応混合物の約15重量%~約30重量%の量で存在してもよい。
【0066】
所望であれば、追加のポリオール、イオン種、オリゴマー、又はこれらの誘導体を使用してもよい。これらの追加のグリコール又はポリオールは、反応混合物の約0重量%~約50重量%の量で存在してもよい。追加のポリオール又はその誘導体としては、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、トリアセチン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、セルロースエーテル、酢酸セルロース、スクロース酢酸イソブチルなどのセルロースエステルなどを挙げることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、高分子量非晶質ポリエステル樹脂の架橋分枝状ポリエステルは、ジメチルテレフタレート、1,3-ブタンジオール、1,2-プロパンジオール、及びペンタエリスリトールの反応から生じるものを含んでもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、高分子量樹脂、例えば分枝状ポリエステルは、本開示のトナー粒子の表面上に存在してもよい。トナー粒子の表面上の高分子量樹脂はまた、本来粒子状であってもよく、約100ナノメートル~約300ナノメートル、いくつかの実施形態では約110ナノメートル~約150ナノメートルの直径を有する高分子量樹脂粒子であってもよい。
【0069】
本開示のトナー粒子中の高分子量非晶質ポリエステル樹脂の量は、任意のコア、任意のシェル、又はその両方において、トナーの約25重量%~約50重量%、いくつかの実施形態では、約30重量%~約45重量%、他の実施形態では、あるいはトナー(すなわち、外部添加剤及び水を除くトナー粒子)の約40重量%~約43重量%であってよい。
【0070】
結晶性樹脂対低分子量非晶質樹脂対高分子量非晶質ポリエステル樹脂の比は、約1:1:98~約98:1:1~約1:98:1、いくつかの実施形態では約1:5:5~約1:9:9、いくつかの実施形態では約1:6:6~約1:8:8の範囲であり得る。
【0071】
本明細書のトナー(いくつかの実施形態では、本明細書のトナーのコア)は、スチレン-アクリレートコポリマーの1種又はその組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、樹脂は、スチレン、アクリレート、メタクリレート、ブタジエン、イソプレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0072】
トナー樹脂に使用されてもよい例示的なポリマーとしては、スチレンアクリレート、スチレンブタジエン、スチレンメタクリレート、より具体的には、ポリ(スチレン-アルキルアクリレート)、ポリ(スチレン-1,3-ジエン)、ポリ(スチレン-アルキルメタクリレート)、ポリ(スチレン-アルキルアクリレート-アクリル酸)、ポリ(スチレン-1,3-ジエン-アクリル酸)、ポリ(スチレン-アルキルメタクリレート-アクリル酸)、ポリ(アルキルメタクリレート-アルキルアクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート-アリールアクリレート)、ポリ(アリールメタクリレート-アルキルアクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート-アクリル酸)、ポリ(スチレン-アルキルアクリレート-アクリロニトリル-アクリル酸)、ポリ(スチレン-1,3-ジエン-アクリロニトリル-アクリル酸)、ポリ(アルキルアクリレート-アクリロニトリル-アクリル酸)、ポリ(スチレン-ブタジエン)、ポリ(メチルスチレン-ブタジエン)、ポリ(メチルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(エチルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(プロピルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(ブチルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(メチルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(エチルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(プロピルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(ブチルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(スチレン-イソプレン)、ポリ(メチルスチレン-イソプレン)、ポリ(メチルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(エチルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(プロピルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(ブチルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(メチルアクリレート-イソプレン)、ポリ(エチルアクリレート-イソプレン)、ポリ(プロピルアクリレート-イソプレン)、ポリ(ブチルアクリレート-イソプレン)、ポリ(スチレン-プロピルアクリレート)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン-ブタジエン-アクリル酸)、ポリ(スチレン-ブタジエン-メタクリル酸)、ポリ(スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル-アクリル酸)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート-アクリル酸)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート-メタクリル酸)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート-アクリロニトリル)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート-アクリロニトリル-アクリル酸)、ポリ(スチレン-ブタジエン)、ポリ(スチレン-イソプレン)、ポリ(スチレン-ブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート-アクリル酸)、ポリ(スチレン-ブチルメタクリレート-アクリル酸)、ポリ(ブチルメタクリレート-ブチルアクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート-アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル-ブチルアクリレート-アクリル酸)及びそれらの組合せが挙げられる。ポリマーは、ブロック、ランダム、又は交互コポリマーであってもよい。
【0073】
特定の実施形態では、樹脂は、ポリ(スチレン-ブタジエン)、ポリ(メチルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(エチルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(プロピルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(ブチルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(メチルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(エチルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(プロピルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(ブチルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(スチレン-イソプレン)、ポリ(メチルスチレン-イソプレン)、ポリ(メチルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(エチルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(プロピルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(ブチルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(メチルアクリレート-イソプレン)、ポリ(エチルアクリレート-イソプレン)、ポリ(プロピルアクリレート-イソプレン)、ポリ(ブチルアクリレート-イソプレン)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン-ブタジエン)、ポリ(スチレン-イソプレン)、ポリ(スチレン-ブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート-アクリル酸)、ポリ(スチレン-ブタジエン-アクリル酸)、ポリ(スチレン-イソプレン-アクリル酸)、ポリ(スチレン-ブチルメタクリレート-アクリル酸)、ポリ(ブチルメタクリレート-ブチルアクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート-アクリル酸)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート-アクリロニトリル-アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル-ブチルアクリレート-アクリル酸)、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0074】
いくつかの実施形態では、樹脂、ワックス及びトナー組成物を形成するために利用される他の添加剤が含まれてもよく、界面活性剤を含む分散液の形態で提供されてもよい。更には、トナー粒子は、樹脂及びトナーの他の成分を1つ以上の界面活性剤中に配置し、エマルションを形成し、トナー粒子を凝集、合着させ、本発明の電荷制御剤はプロセスの湿式工程中に電荷制御剤を有するトナー表面上へと沈殿させ、これによって電荷制御剤を有するトナーが配置され、続いて任意選択的に洗浄、乾燥して回収される乳化凝集法で形成されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書のトナー粒子は、乳化凝集トナー粒子を含む。
【0075】
1つ、2つ、又はそれ以上の界面活性剤を利用してもよい。界面活性剤は、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤から選択され得る。アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤は、用語「イオン性界面活性剤」に包含される。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、トナー組成物の約0.01重量%~約5重量%、例えば、トナー組成物の約0.75重量%~約4重量%、いくつかの実施形態では、トナー組成物の約1重量%~約3重量%の量で存在するように利用されてもよい。
【0076】
非イオン性界面活性剤の例には、IGEPAL(登録商標)CA-210、IGEPAL(登録商標)CA-520、IGEPAL(登録商標)CA-720、IGEPAL(登録商標)CO-890、IGEPAL(登録商標)CO-720、IGEPAL(登録商標)CO-290、IGEPAL(登録商標)CA-210、ANTAROX(登録商標)890及びANTAROX(登録商標)897としてRhone-Poulenc Inc.から入手可能な、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノールが挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の例は、主にアルキルフェノールエトキシレートからなるRhone-Poulenc Inc.から入手可能なANTAROX(登録商標)897である。好適な非イオン性界面活性剤の他の例としては、SYNPERONIC PE/F、いくつかの実施形態では、SYNPERONIC PE/F 108として市販されているものを含む、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックコポリマーが挙げられる。
【0077】
使用できるアニオン性界面活性剤として、硫酸塩及びスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレン硫酸ナトリウム、ジアルキルベンゼンアルキル硫酸塩及びスルホン酸塩、例えば、Aldrichから入手可能なアビエチン酸、並びに、NEOGEN(登録商標)ブランドのアニオン性界面活性剤が挙げられる。好適なアニオン性界面活性剤の例は、Daiichi Kogyo Seiyaku co.Ltd.から入手可能なNEOGEN(登録商標)R、NEOGEN(登録商標)RK、及びNEOGEN(登録商標)SC、又は主に分枝状ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムで構成されている、Tayca Corporation(日本)からのTAYCA POWER BN2060である。他の好適なアニオン性界面活性剤としては、いくつかの実施形態では、The Dow Chemical Companyから入手可能なジスルホン酸アルキルジフェニルオキシドである、DOWFAX(商標)2A1が挙げられる。これらの界面活性剤の組合せを使用してもよい。これらの界面活性剤と前述のアニオン性界面活性剤のいずれかとの組合せを、いくつかの実施形態で利用してもよい。
【0078】
カチオン性界面活性剤の例としては、通常、正電荷を持つものとして、アルキルベンジルジメチル塩化アンモニウム、ジアルキルベンゼンアルキル塩化アンモニウム、ラウリルトリメチル塩化アンモニウム、アルキルベンジルメチル塩化アンモニウム、アルキルベンジルジメチル臭化アンモニウム、塩化ベンザルコニウム、セチル臭化ピリジニウム、C12、C15、C17トリメチル臭化アンモニウム、四級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、ドデシルベンジルトリエチル塩化アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。特定例として、Alkaril Chemical Companyから入手可能なMIRAPOL(登録商標)及びALKAQUAT(登録商標)、Kao Chemicalsから入手可能なSANISOL(登録商標)(塩化ベンザルコニウム)、などが挙げられる。好適なカチオン性界面活性剤の例は、主にベンジルジメチルアルコニウムクロリドからなる、Kao Corp.から入手可能なSANISOL(登録商標)B-50である。これらの界面活性剤及び他の界面活性剤の混合物を、いくつかの実施形態で利用してもよい。
【0079】
上記のようにして生成されたラテックス粒子を着色剤に添加して、トナーを生成することができる。いくつかの実施形態では、着色剤は分散体であってもよい。着色剤分散体は、例えば、約50~約500ナノメートルの体積平均直径、いくつかの実施形態では約100~約400ナノメートルの体積平均直径のサイズを有するサブミクロン着色剤粒子を含んでもよい。着色剤粒子は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組合せを含有する水性水相中に懸濁されてもよい。好適な界面活性剤としては、上記の界面活性剤のうち任意のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、界面活性剤はイオン性であってもよく、着色剤の約0.1~約25重量%、いくつかの実施形態では着色剤の約1~約15重量%の量で分散体中に存在してもよい。
【0080】
本開示によるトナーの形成に有用な着色剤としては、顔料、染料、顔料と染料との混合物、顔料の混合物、染料の混合物などが挙げられる。着色剤は、例えば、カーボンブラック、シアン、イエロー、マゼンタ、レッド、オレンジ、ブラウン、グリーン、ブルー、バイオレット、又はこれらの混合物であってもよい。
【0081】
着色剤が顔料であるいくつかの実施形態では、顔料は、例えば、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン又はRHODAMINE B(商標)型、レッド、グリーン、オレンジ、ブラウン、バイオレット、イエロー、蛍光着色剤などであってもよい。
【0082】
例示的な着色剤としては、REGAL 330(登録商標)マグネタイトのようなカーボンブラック、MO8029(商標)、M08060(商標)を含む、Mobayマグネタイト、Columbianマグネタイト、MAPICO BLACKS(商標)及び表面処理されたマグネタイト、CB4799(商標)、CB5300(商標)、CB5600(商標)、MCX6369(商標)を含むPfizerマグネタイト、BAYFERROX8600(商標)、8610(商標)を含むBayerマグネタイト、NP-604(商標)、NP-608(商標)を含むNorthern Pigmentsマグネタイト、Paul Uhlich and Company, Inc.から入手可能なTMB-100(商標)、又はTMB-104(商標)、HELIOGEN BLUE L6900(商標)、D6840(商標)、D7080(商標)、D7020(商標)、PYLAM OIL BLUE(商標)、PYLAM OIL YELLOW(商標)、PIGMENT BLUE 1(商標)を含むMagnoxマグネタイト、Dominion Color Corporation,Ltd.,Toronto,Ontarioから入手可能なPIGMENT VIOLET 1(商標)、PIGMENT RED 48(商標)、LEMON CHROME YELLOW DCC 1026(商標)、E.D.TOLUIDINE RED(商標)及びBON RED C(商標)、Hoechstから入手可能なNOVAPERM YELLOW FGL(商標)、HOSTAPERM PINK E(商標)、並びに、E.I.DuPont de Nemours and Companyから入手可能なCINQUASIA MAGENTA(商標)が挙げられる。他の着色剤としては、カラーインデックスでCI 60710として識別される2,9-ジメチル置換キナクリドン及びアントラキノン染料、CI Dispersed Red15、カラーインデックスでCI 26050として識別されるジアゾ染料、CI Solvent Red19、銅テトラ(オクタデシルスルホンアミド)フタロシアニン、カラーインデックスでCI 74160として記載されるx-銅フタロシアニン顔料、CI Pigment Blue、カラーインデックスでCI 69810として識別されるAnthrathrene Blue、Special Blue X-2137、ジアリーライドイエロー3,3-ジクロロベンジデンアセトアセトアニリド、カラーインデックスでCI 12700として識別されるモノアゾ顔料、CI Solvent Yellow16、カラーインデックスでForon Yellow SE/GLNとして識別されるニトロフェニルアミンスルホンアミド、CI Dispersed Yellow33、2,5-ジメトキシ-4-スルホンアニリド フェニルアゾ-4’-クロロ-2,5-ジメトキシアセトアセトアニリド、Yellow180、及びPermanent Yellow FGLが挙げられる。利用され得る色域のための高純度を有する有機溶媒可溶性染料としては、Neopen Yellow 075、Neopen Yellow 159、Neopen Orange 252、Neopen Red 336、Neopen Red 335、Neopen Red 366、Neopen Blue 808、Neopen Black X53、Neopen Black X55が挙げられ、染料は、様々な好適な量、例えば、トナーの約0.5~約20重量%、いくつかの実施形態ではトナーの約5~約18重量%で選択される。
【0083】
いくつかの実施形態では、着色剤の例としては、カラーインデックス番号74160のPigment Blue 15:3、カラーインデックス番号45160:3のMagenta Pigment Red 81:3、及びカラーインデックス番号21105のYellow17、並びに食品染料、イエロー、ブルー、グリーン、レッド、マゼンタ染料などの既知の染料が挙げられる。
【0084】
他の実施形態では、マゼンタ顔料、Pigment Red 122(2,9-ジメチルキナクリドン)、Pigment Red 185、Pigment Red 192、Pigment Red 202、Pigment Red 206、Pigment Red 235、Pigment Red 269、これらの組合せなどを、着色剤として利用してもよい。
【0085】
特定の実施形態では、着色剤は黒色顔料、シアン顔料又はそれらの組合せを含む。
【0086】
任意選択的に分散体中の得られるラテックス、及び着色剤分散体を撹拌し、約35℃~約70℃、いくつかの実施形態では、約40℃~約65℃の温度まで加熱すると、体積平均直径が約2マイクロメートル~約10マイクロメートル、いくつかの実施形態では、体積平均直径が約5マイクロメートル~約8マイクロメートルのトナー凝集体をもたらし得る。
【0087】
任意選択的に、ワックスはまた、樹脂と組み合わせて、トナー粒子を形成してもよい。含まれる場合、ワックスは、例えば、トナー粒子の約1重量%~約25重量%、いくつかの実施形態ではトナー粒子の約5重量%~約20重量%の量で存在してもよい。
【0088】
選択され得るワックスとしては、例えば、約500~約20,000、いくつかの実施形態では約1,000~約10,000の重量平均分子量を有するワックスが挙げられる。使用され得るワックスとしては、例えば、Allied Chemical and Petrolite Corporationから市販されているようなポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテンワックスなどのポリオレフィン、例えば、Baker Petrolite製のPOLYWAX(商標)ポリエチレンワックス、Michaelman,Inc.及びDaniels Products Companyから入手可能なワックスエマルション、Eastman Chemical Products,Inc.から市販されているEPOLENE N-15(商標)、並びにSanyo Kasei K.K.から入手可能なVISCOL 550-P(商標)、低重量平均分子量ポリプロピレン、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ウルシワックス、及びホホバオイルなどの植物系ワックス、蜜蝋などの動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレジン、パラフィンワックス、微結晶ワックス、及びFischer-Tropschワックスなどの鉱物系ワックス及び石油系ワックス、ステアリルステアレート及びベヘニルベヘネートなどの高級脂肪酸及び高級アルコールから得られるエステルワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、グリセリドモノステアレート、グリセリドジステアレート、及びペンタエリスリトールテトラベヘネートなどの高級脂肪酸及び一価又は多価低級アルコールから得られるエステルワックス、ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジグリセリルジステアレート、及びトリグリセリルテトラステアレートなどの高級脂肪酸及び多価アルコールマルチマーから得られるエステルワックス、ソルビタンモノステアレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステルワックス、並びにコレステリルステアレートなどのコレステロール高級脂肪酸エステルワックスが挙げられる。使用され得る官能化ワックスの例としては、例えば、アミン、アミド、例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なAQUA SUPERSLIP 6550(商標)、SUPERSLIP 6530(商標)、フッ素化ワックス、例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なPOLYFLUO 190(商標)、POLYFLUO 200(商標)、POLYSILK 19(商標)、POLYSILK 14(商標)、混合フッ素化アミドワックス(例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なMICROSPERSION 19(商標))、イミド、エステル、第四級アミン、カルボン酸、又はアクリルポリマーエマルション(例えば、全てSC Johnson Waxから入手可能なJONCRYL 74(商標)、89(商標)、130(商標)、537(商標)、及び538(商標))、並びにAllied Chemical、及びPetrolite Corporation、及びSC Johnson waxから入手可能な塩素化ポリプロピレン及びポリエチレンが挙げられる。前述のワックスの混合物及び組合せもまた、いくつかの実施形態で使用されてもよい。ワックスは、例えば、定着機ロール剥離剤として含まれてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、トナー組成物は、任意選択的なワックス、及び任意の他の所望の又は必要な添加剤の混合物と、任意選択的に上記の界面活性剤中で上記の樹脂を含むエマルションとを凝集させることと、次いで凝集混合物を合着させることと、を含むプロセスなどの、乳化凝集プロセスによって調製され得る。混合物は、任意のワックス又は他の材料(任意選択的に界面活性剤を含む分散体(複数可)中にあり得る)をエマルション(樹脂を含有する2種以上のエマルションの混合物であり得る)に添加することによって調製されてもよい。得られた混合物のpHは、例えば、酢酸、硝酸などの酸によって調整することができる。いくつかの実施形態では、混合物のpHは、約2~約4.5に調整され得る。加えて、いくつかの実施形態では、混合物は均質化されてもよい。混合物が均質化される場合、均質化は、約4,000~約6,000回転毎分で混合することによって達成されてもよい。均質化は、例えば、IKA ULTRA TURRAX(登録商標)T50プローブホモジナイザーを含む、任意の好適な手段によって達成してもよい。
【0090】
上記混合物の調製に続いて、凝集剤を混合物に添加してもよい。任意の好適な凝集剤を利用して、トナーを形成してもよい。好適な凝集剤としては、例えば、二価カチオン又は多価カチオン材料の水溶液が挙げられる。凝集剤は、例えば、ポリ塩化アルミニウム(polyaluminum chloride、PAC)などのポリアルミニウムハロゲン化物、又は対応する臭化物、フッ化物、若しくはヨウ化物、ポリアルミニウムスルホシリケート(polyaluminum sulfosilicate、PASS)などのポリケイ酸アルミニウム、及び塩化アルミニウム、亜硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、オキシ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、臭化マグネシウム、塩化銅、硫酸銅、を含む水溶性金属塩、及びこれらの組合せであってよい。いくつかの実施形態では、凝集剤は、樹脂のガラス転移温度(Tg)未満の温度で混合物に添加されてもよい。
【0091】
凝集剤は、混合物中の樹脂の約0.1重量%~約8重量%、いくつかの実施形態では約0.2%~約5重量%、他の実施形態では約0.5%~約5重量%の量のトナーを形成するために利用される混合物に添加されてもよい。これは、凝集のために十分な量の薬剤を提供する。
【0092】
粒子の凝集及び合着を制御するために、いくつかの実施形態では、凝集剤は、経時的に混合物中に計量して投入され得る。例えば、薬剤は、約5~約240分、いくつかの実施形態では約30~約200分にわたって混合物中に計量して投入されてもよい。薬剤の添加は、混合物を、いくつかの実施形態では約50rpm~約1,000rpm、他の実施形態では約100rpm~約500rpmの撹拌条件下で、かつ、いくつかの実施形態では約30℃~約90℃、いくつかの実施形態では約35℃~約70℃の上記樹脂のガラス転移温度未満の温度で維持している間に、実施し得る。
【0093】
その粒子を、所定の所望の粒径が得られるまで凝集してもよい。所定の所望の径とは、形成前に決定される際に得られる所望の粒径を指し、粒径は、そのような粒径に達するまで成長プロセス中に監視される。試料は、成長プロセス中に採取され、平均粒径について、例えば、Coulter Counterで分析してもよい。したがって、凝集は、高温を維持すること、又は温度を、例えば、温度を約40℃~約100℃へとゆっくり上昇させ、この温度で約0.5時間~約6時間、いくつかの実施形態では約1~約5時間の時間にわたって混合物を保持し、撹拌を続けつつ、凝集粒子を提供することによって進行してもよい。所定の所望の粒径に達すると、成長プロセスは停止される。いくつかの実施形態では、所定の所望の粒径は、上記のトナー粒径範囲内である。
【0094】
凝集剤の添加後の粒子の成長及び成形は、任意の好適な条件下で達成され得る。例えば、成長及び成形は、凝集が合体とは別に生じる条件下で行われてもよい。別の凝集段階及び合着段階について、凝集プロセスは、高温、例えば、上記樹脂のガラス転移温度未満であり得る約40℃~約90℃、いくつかの実施形態では約45℃~約80℃において、剪断条件下で行われてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、凝集後であるが合着前に、シェルを凝集粒子に適用してもよい。
【0096】
シェルを形成するために利用され得る樹脂としては、コアで使用するための上記の非晶質樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。このような非晶質樹脂は、低分子量樹脂、高分子量樹脂、又はこれらの組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、本開示によるシェルを形成するために使用され得る非晶質樹脂として、上記式Iの非晶質ポリエステルを挙げることができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、シェルを形成するために使用される非晶質樹脂は、架橋されてもよい。例えば、架橋は、非晶質樹脂を、本明細書では時にいくつかの実施形態において反応開始剤と称される架橋剤と組み合わせることによって達成され得る。好適な架橋剤の例としては、例えば、コア内にゲルを形成するのに好適な、上記の有機過酸化物及びアゾ化合物などのフリーラジカル又は熱反応開始剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機過酸化物の例として、ジアシルペルオキシド、例えば、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、及びベンゾイルペルオキシドなど、ケトンペルオキシド、例えば、シクロヘキサノンペルオキシド、及びメチルエチルケトンなど、アルキルペルオキシエステル、例えば、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、2,5-ジメチル2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、t-アミルペルオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシアセテート、t-アミルペルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、t-アミルペルオキシベンゾエート、コ-t-ブチルo-イソプロピルモノペルオキシカルボネート、2,5-ジメチル2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、コ-t-ブチルo-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカルボネート、及びコ-t-アミルo-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカルボネートなど、アルキルペルオキシド、例えば、ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルペルオキシド、α-α-ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジ-t-ブチルペルオキシド、及び2,5-ジメチル2,5ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3など、アルキルヒドロペルオキシド、例えば、2,5-ジヒドロペルオキシ2,5-ジメチルヘキサン、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、及びt-アミルヒドロペルオキシドなど、並びに、アルキルペルオキシケタール、例えば、n-ブチル4,4-ジ(t-ブチルペルオキシ)バレレート、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-アミルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2-ジ(t-ブチルペルオキシ)ブタン、エチル3,3-ジ(t-ブチルペルオキシ)ブチレート及びエチル3,3-ジ(t-アミルペルオキシ)ブチレート、並びにこれらの組合せが挙げられる。好適なアゾ化合物の例として、2,2,’-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)、アゾビス-イソブチロニトリル、2,2,-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2,-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シアノシクロヘキサン)、他の類似の既知の化合物、及びこれらの組合せが挙げられる。
【0098】
架橋剤及び非晶質樹脂は、架橋ポリエステルゲルを形成するのに十分な時間及び十分な温度で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、架橋剤及び非晶質樹脂を、約25℃~約99℃、いくつかの実施形態では、約30℃~約95℃の温度まで、約1分~約10時間、いくつかの実施形態では約5分~約5時間の時間にわたって加熱して、シェルとして使用するのに好適な架橋ポリエステル樹脂又はポリエステルゲルを形成してもよい。
【0099】
使用される場合、架橋剤は、樹脂の約0.001%重量%~約5重量%、いくつかの実施形態では樹脂の約0.01%重量%~約1重量%の量で存在してもよい。CCAの量は、架橋剤又は反応開始剤の存在下で減らすことができる。
【0100】
単一のポリエステル樹脂をシェルとして利用してもよく、又は上記のように、いくつかの実施形態では、第1のポリエステル樹脂を他の樹脂と組み合わせてシェルを形成してもよい。複数の樹脂は、任意の好適な量で利用されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の非晶質ポリエステル樹脂、例えば上記式Iの低分子量非晶質樹脂は、全シェル樹脂の約20重量%~約100重量%、いくつかの実施形態では全シェル樹脂の約30重量%~約90重量%の量で存在してもよい。したがって、いくつかの実施形態では第2の樹脂は、いくつかの実施形態では高分子量非晶質樹脂は、シェル樹脂の約0重量%~約80重量%、いくつかの実施形態ではシェル樹脂の約10重量%~約70重量%の量でシェル樹脂中に存在してもよい。
【0101】
所望の粒子径への凝集及び任意のシェルの適用に続いて、粒子は次に所望の最終形状へと合着されてもよく、その合着は、例えば、約45℃~約100℃、いくつかの実施形態では約55℃~約99℃の温度に混合物を加熱(この温度は、トナー粒子を形成するために利用される樹脂のガラス転移温度以上であってもよい)することで、及び/又は例えば、約100rpm~約400rpm、いくつかの実施形態では約200rpm~約300rpmへと撹拌を低減することによって達成される。融着された粒子は、所望の形状が達成されるまで、SYSMEX FPIA 3000アナライザなどを用いて形状係数又は真円度について測定され得る。
【0102】
合着は、約0.01~約9時間、いくつかの実施形態では約0.1~約4時間の時間にわたって達成されてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、凝集及び/又は合着後、トナー凝集体を更に合着するため、混合物のpHを、約3.5~約6、実施形態では約3.7~約5.5まで、例えば酸で、低下させることができる。好適な酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、クエン酸、及び/又は酢酸が挙げられる。添加される酸の量は、混合物の約0.1~約30重量%、いくつかの実施形態では混合物の約1~約20重量%であってもよい。
【0104】
本明細書のプロセスは、本明細書に記載の電荷制御剤を配置することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書の乳化凝集トナープロセスは、少なくとも1種の樹脂のラテックスを得ることと、任意選択的に任意の着色剤の水分散液を得ることと、任意選択的に任意のワックスの水分散液を得ることと、少なくとも1種の樹脂のラテックス、任意の着色剤の水分散液及び任意のワックスの水分散液の混合物を形成することと、混合物を第1の温度に加熱することと、第1の温度を維持して、凝集トナー粒子を形成することと、シェル樹脂のラテックスを添加して凝集粒子一面にシェルを形成することと、任意選択的に、キレート剤の溶液を添加することと、更なる凝集を停止し、第1の温度よりも高い第2の温度まで温度を上昇させて、凝集粒子を合着させ、合着したトナー粒子を形成することと、冷却し、任意選択的に洗浄し、任意選択的に乾燥させ、乳化凝集トナー粒子を形成することと、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子のうちの少なくとも1種を乳化凝集トナー粒子に添加することで、乳化凝集トナー粒子の表面上へと電荷制御剤を沈殿させることであって、金属イオン供与体及びフミン酸を含むポリ芳香族酸、ピラノン系配位子、フラノン系配位子又はそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される配位子は電荷制御剤を形成し、これによって電荷制御剤を含有する乳化凝集トナー粒子を形成することと、任意選択的に、トナー粒子シェルの表面に、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される表面調整剤を配置することと、を含む。
【0105】
混合物を冷却し、洗浄し、乾燥させてもよい。冷却は、約20℃~約40℃、いくつかの実施形態では約22℃~約30℃の温度で、約1時間~約8時間、実施形態では約1.5時間~約5時間にわたるものであってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、スラリーは少なくとも1つの熱交換器を通過して合着後のスラリー温度を急冷してもよい。合着後、混合物を、約40℃未満の温度などの樹脂のガラス転移温度未満に急冷してもよい。冷却は、所望に応じて急速であっても遅くてもよい。好適な冷却法は、少なくとも1つの熱交換器周りのジャケットに冷水を導入して急冷することを含んでもよい。
【0107】
次に、トナースラリーを洗浄することができる。洗浄は、約7~約12のpH、いくつかの実施形態では約9~約11のpHで実施してもよい。洗浄は、約30℃~約70℃、いくつかの実施形態では、約40℃~約67℃の温度であってよい。洗浄は、脱イオン水中にトナー粒子を含む濾過ケークを濾過及び再スラリー化することを含んでもよい。濾過ケークは、脱イオン水によって1回以上洗浄してもよく、又はスラリーのpHを酸で調整して約4のpHで1回の脱イオン水洗浄、続いて任意選択的に1回以上の脱イオン水洗浄によって洗浄してもよい。
【0108】
乾燥は、約35℃~約75℃、いくつかの実施形態では、約45℃~約60℃の温度で実施されてよい。乾燥は、粒子の水分レベルが設定ターゲットである約1重量%、いくつかの実施形態では約0.7重量%未満を下回るまで継続してもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書の電荷制御剤は冷却、洗浄及び乾燥工程後に乳化凝集トナー粒子上へと沈殿する。一実施形態では、電荷制御剤は冷却後に乳化凝集トナー粒子の表面上へと沈殿する。特定の実施形態では、電荷制御剤は乾燥工程後に乳化凝集トナー粒子の表面上へと沈殿する。好ましい実施形態では、調製され、水中に分散されるなど乾燥した乳化凝集トナー粒子が再分散されてトナーのスラリーを形成し、電荷制御剤はトナーのスラリー中でトナー粒子の表面上へと沈殿する。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書の乳化凝集トナープロセスは、水中に乾燥した乳化凝集トナー粒子を分散させて乳化凝集トナー粒子のスラリーを形成することと、分散した乳化凝集トナー粒子の表面上へと電荷制御剤を沈殿させることと、を更に含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、プロセスは、乳化凝集トナー粒子とトナー担体とを組み合わせて現像剤を形成することを更に含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書のトナー粒子は、所望の場合又は必要な場合には、本明細書に記載の内部電荷制御剤に加え、任意の添加剤を含んでもよい。例えば、トナーは、例えば、トナーの約0.1~約10重量%、いくつかの実施形態ではトナーの約1~約3重量%の量で正又は負の電荷制御剤を含んでもよい。好適な電荷制御剤の例としては、アルキルピリジニウムハロゲン化物を含む第四級アンモニウム化合物、二硫酸塩、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,298,672号に開示されるものを含む、アルキルピリジニウム化合物、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,338,390号に開示されるものを含む、有機硫酸塩及びスルホン酸塩組成物、セチルピリジニウムテトラフルオロホウ酸塩、ジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、BONTRON E84(商標)又はE88(商標)(Orient Chemical Industries,Ltd.)などのアルミニウム塩、及びこれらの組合せなどが挙げられるが、これらに限定されない。このような電荷制御剤は、上記シェル樹脂と同時に適用されても、シェル樹脂の適用後に適用されてもよい。
【0112】
特定の実施形態では、本明細書の乳化凝集トナーは、トナー粒子シェルの表面に配置される、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、ポリジメチルシロキサン処理シリカ、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、二酸化チタン、ポリジメチルシロキサン処理二酸化チタン及びそれらの組合せからなる群のメンバーから選択される表面調整剤を更に含む。
【0113】
これらの外部添加剤の各々は、トナーの約0重量%~約3重量%、いくつかの実施形態では、トナーの約0.25重量%~約2.5重量%の量で存在し得るが、添加剤の量は、これらの範囲外とすることができる。いくつかの実施形態では、トナーは、例えば、約0重量%~約3重量%のチタニア、約0重量%~約3重量%のシリカ、及び約0重量%~約3重量%のステアリン酸亜鉛を含み得る。
【0114】
特定の実施形態では、トナーはTiO2外部添加剤を含まない、すなわち含有しない。
【0115】
いくつかの実施形態では、本開示のトナーは、超低溶融(ULM)トナーとして利用されてもよい。いくつかの実施形態では、コア及び/又はシェルを有する乾燥トナー粒子は、外部表面調整剤を除いて、1つ以上の以下の特性を有し得る。
【0116】
(1)体積平均直径(「体積平均粒径」とも称する)が、約3~約25マイクロメートル(μm)、いくつかの実施形態では、約4~約15μm、他の実施形態では、約5~約12μm。
【0117】
(2)数平均幾何粒度分布(Number Average Geometric Size Distribution、GSDn)及び体積平均粒度分布(Volume Average Geometric Size Distribution、GSDv):いくつかの実施形態では、上記(1)に記載のトナー粒子は、約1.15~約1.38、他の実施形態では約1.31未満といった、低い数比GSDを有する狭い粒径分布を有し得る。本開示のトナー粒子はまた、体積による上部GSDが、約1.20~約3.20、他の実施形態では約1.26~約3.11の範囲となるような大きさを有し得る。体積平均粒径であるD50V、GSDv、及びGSDnは、製造業者の指示に従って操作されるBeckman Coulter Multisizer 3などの測定器具によって測定することができる。代表的なサンプリングを次のように実施してよい:少量(約1グラム)のトナーサンプルを得て、25マイクロメートルの篩を通して濾過した後、等張液に入れて約10%の濃度を得て、その後、そのサンプルをBeckman Coulter Multisizer 3で測定する。
【0118】
(3)約0.92~約0.99、他の実施形態では約0.94~約0.975の真円度。粒子の真円度の測定に使用される器具は、製造業者の指示に従い、SYSMEXによって製造されたFPIA-3000であってよい。
【0119】
トナー粒子の特性は、任意の好適な技術及び装置によって決定することができ、上記の器具及び技術に限定されない。
【0120】
このように形成されたトナー粒子は、現像剤組成物に配合され得る。トナー粒子を担体粒子と混合して、2成分現像剤組成物を得ることができる。現像剤中のトナー濃度は、現像剤の総重量の約1重量%~約25重量%、いくつかの実施形態では、現像剤の総重量の約2重量%~約15重量%であってよい。
【0121】
トナーと混合するために利用され得る担体粒子の例には、トナー粒子の極性とは反対の極性の電荷を摩擦電気的に得ることができる粒子が含まれる。好適な担体粒子の例示的な例には、顆粒状ジルコン、粒状ケイ素、ガラス、鋼、ニッケル、フェライト、鉄フェライト、二酸化ケイ素などが含まれる。他の担体としては、米国特許第3,847,604号、同第4,937,166号、及び同第4,935,326号に開示されているものが挙げられる。
【0122】
選択される担体粒子は、コーティングと共に、又はコーティングなしで使用されてもよい。いくつかの実施形態では、担体粒子は、その上にコーティングを有するコアを含み得、このコアは、摩擦電気系において接近していない、ポリマーの混合物から形成され得る。コーティングには、フルオロポリマー、例えばポリフッ化ビニリデン系樹脂、スチレンのターポリマー、メチルメタクリレート、及び/又は、シラン、例えばトリエトキシシラン、テトラフルオロエチレン、他の既知のコーティングなどが含まれ得る。例えば、例えばKYNAR 301F(商標)として入手可能なポリフッ化ビニリデン及び/又は例えばSokenから入手可能なような、約300,000~約350,000の重量平均分子量を有するポリメチルメタクリレートを含有するコーティングが使用され得る。いくつかの実施形態では、ポリフッ化ビニリデン及びポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)は、約30対約70重量%~約70対約30重量%、実施形態では、約40対約60重量%~約60対約40重量%の割合で混合され得る。コーティングは、例えば、担体の約0.1~約5重量%、いくつかの実施形態では、担体の約0.5~約2重量%のコーティング重量を有し得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、得られるコポリマーが好適な粒径を保持する限り、PMMAは、任意選択的に、任意の所望のコモノマーと共重合されてもよい。好適なコモノマーとしては、モノアルキル、又はジアルキルアミン、例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジイソプロピルアミノエチルメタクリレート、又はt-ブチルアミノエチルメタクリレートなどを挙げることができる。担体粒子は、機械的衝撃及び/又は静電引力によって担体コアに付着するまで、コーティングされた担体粒子の重量に基づいて、約0.05~約10重量%、いくつかの実施形態では、約0.01~約3重量%の量のポリマーと担体コアを混合することにより調製することができる。
【0124】
様々な効果的で好適な手段、例えば、カスケードロールミキシング、タンブリング、製粉、振とう、静電粉体雲スプレー、流動層、静電ディスク処理、静電カーテン、それらの組合せなどを使用してポリマーを担体コア粒子の表面に塗布し得る。担体コア粒子とポリマーとの混合物は、次いで、ポリマーが溶融し、担体コア粒子に融着することを可能にするために加熱され得る。次いで、コーティングされた担体粒子を冷却し、その後、所望の粒径に分類し得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、好適な担体は、約0.5重量%~約10重量%、いくつかの実施形態では約0.7重量%~約5重量%の、例えばメチルアクリレート及びカーボンブラックなどを含む導電性ポリマー混合物を、米国特許第5,236,629号及び同第5,330,874号に記載されたプロセスを使用してコーティングされた、例えば、径約25~約100μm、いくつかの実施形態では径約50~約75μmの鋼コアを含んでもよい。
【0126】
担体粒子は、様々な好適な組合せで、トナー粒子と混合することができる。濃度は、トナー組成物の約1重量%~約20重量%であってよい。しかしながら、異なるトナー及び担体百分率を使用して、所望の特性を有する現像剤組成物を得ることができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、本明細書の現像剤は、乳化凝集トナー粒子と、トナー担体と、を含み、乳化凝集トナー粒子は、少なくとも1種の樹脂と、任意の着色剤と、任意のワックスと、を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に配置される、金属イオン供与体及び本明細書に記載の配位子から形成される錯体を含む電荷制御剤と、を含む。
【0128】
トナーは、静電写真的又は電子写真プロセスに利用することができる。いくつかの実施形態では、任意の既知の種類の現像システムが、例えば、磁気ブラシ現像、ジャンピング単一構成現像、ハイブリッドスカベンジレス現像(HSD)などを含む、現像装置において使用され得る。これらの及び類似の開発システムは、当業者の意図の範囲内である。
【0129】
撮像プロセスには、例えば、帯電構成要素、撮像構成要素、光導電性構成要素、現像構成要素、転写構成要素、及び定着構成要素を含む電子写真式装置で画像を調製することが含まれる。いくつかの実施形態では、現像構成要素は、担体を本明細書に記載のトナー組成物と混合することによって調製される現像剤を含んでもよい。電子写真式装置は、高速プリンタ、白黒高速プリンタ、カラープリンタなどを含んでもよい。
【0130】
上述の方法のいずれか1つのような好適な現像方法を介して画像がトナー/現像剤で形成されると、画像は、次いで、紙などの画像受容媒体に転送され得る。いくつかの実施形態では、トナーを、フューザーロール部材を利用する現像装置での現像に使用してよい。フューザーロール部材は、当業者の意図の範囲内にある接触融合装置であり、ロールからの熱及び圧力を使用して、トナーを画像受容媒体に融合させることができる。いくつかの実施形態では、フューザー部材は、画像受容基材上への溶融後又は溶融中に、トナーの定着温度を超える温度、例えば、約70℃~約160℃、いくつかの実施形態では、約80℃~約150℃、他の実施形態では、約90℃~約140℃の温度まで加熱されてよい。
【0131】
トナー樹脂が架橋性であるいくつかの実施形態では、このような架橋は、任意の好適な方法で達成され得る。例えば、トナー樹脂は、トナーの定着中に、トナー樹脂が定着温度で架橋可能な基材に架橋されてもよい。架橋はまた、トナー樹脂が例えば溶融後の操作で架橋される温度に定着画像を加熱することで達成されてもよい。いくつかの実施形態では、架橋は、約160℃以下、いくつかの実施形態では、約70℃~約160℃、他の実施形態では、約80℃~約140℃の温度で達成されてもよい。
【実施例0132】
以下の実施例は、本開示の様々な種類を更に定義するために提示される。これらの実施例は、例示のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。また、別途記載のない限り、割合及び百分率は重量による。
【0133】
ポリエステル粒子プロセス。凝集/合着法を使用し、乳化凝集トナー粒子を合成した。コアポリエステルラテックス、顔料、ワックス、硝酸及び凝集剤を均質化し、続いて約46℃の温度で混合させながら反応容器で凝集させた。約5.3マイクロメートルの目標粒子径(D50v)で、シェルポリエステルラテックスと硝酸の混合物を添加し、ラテックスが既に存在するトナー凝集体に完全に付着するまで十分な期間にわたりバッチを保持した。続いて、凝集反応を停止するために水酸化ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸(ethylene diamine tetraacetic acid、EDTA)を使用し、pHを約7.8に上昇させた。続いて、材料を0.972の目的とする真円度の粒子に合着させるために、バッチ温度を85℃に上昇させた。最後に、トナー粒子を40℃未満に急冷させるために、バッチを熱交換器に通した。続いて、得られたスラリーを洗浄して乾燥させ、トナー母粒子を得た。
【表1】
【0134】
約86,000の平均分子量(Mw)、約5,600の数平均分子量(Mn)、約56℃のガラス転移開始温度(Tg開始)、約70nm(ナノメートル)の粒子径及び固体である組成物ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールA-テレフタレート)、ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールA-ドデセニルサクシネート)、ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールAフマレート)の約35%を有する、エマルション中の非晶質ポリエステル樹脂から高MW(分子量)非晶質ポリエステルを調製した。
【0135】
約19,400のMw、約5,000のMn、約60℃の開始Tg、約170~230nmの粒子径及び固体である組成物ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールA-テレフタレート)、ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールA-ドデセニルサクシネート)、ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールAフマレート)の約35%を有する、エマルション中の非晶質ポリエステル樹脂から低MW(分子量)非晶質ポリエステルを調製した。
【0136】
結晶性ポリエステルは、ドデカン二酸及び1,9-ノナンジオールから作製されたポリエステルを含む結晶性ポリエステル樹脂である。
【0137】
カーボンブラックは、酸化されておらず、低構造のファーネス法による黒色顔料である。
【0138】
シアン顔料はC.I.ピグメントブルー15:3である。
【0139】
フィッシャー・トロプシュワックスは、融点が約92℃の蒸留合成ポリメチレンワックスである。
【0140】
EDTAは、エチレンジアミン四酢酸である。
【0141】
全ての実施例についての母粒子の形成手順を上に記載する。本明細書に記載のFuji-millブレンド手順及びチャージスペクトログラフ分析手順を使用し、全ての実施例を調製した。以下の実施例は同じ手順を使用するが、酸配位子及び金属イオン供与体の種類/量で区分される。
【0142】
トナーの配合及びブレンド。750ミリリットルのベンチブレンダ(FujiMill)を使用し、9分間、9600rpm(回転毎分)で、70~75gの黒色粒子とヒュームドSiO2、コロイダルSiO2、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム及び感光体を潤滑するためのワックスを含む添加剤パッケージとトナー試料とをブレンドした。ブレンド容器が過熱状態となって粗粒子を作り出すのを防止するため、ブレンダを3分間運転し、その後3分間停止した(3回)。
【0143】
実施例1
Zn2+/デヒドロ酢酸電荷制御剤を沈殿させた粒子合成。代表的な合成では、水360グラム(少量のエタノール約20グラムを追加)を使用して上記のポリエステル粒子80グラムをスラリー化し、合着中の粒子に近づけた。トナー粒子のスラリーを撹拌させながら、水30グラムに溶解させた酸配位子(すなわちデヒドロ酢酸ナトリウム)0.76グラムをゆっくりと添加した。分散液を1時間撹拌し続け、水20グラムに溶解させた金属イオン源(すなわち硝酸亜鉛六水和物)0.59グラムを滴下した。0.3M HNO3を使用して得られた分散液のpH値を6.5に調整し、1時間撹拌し続けた。その後、分散液を濾過してpH6.5の水300グラムで洗浄し、凍結乾燥させてZn2+/デヒドロ酢酸電荷制御剤を沈殿させたトナー粒子を得た。上に記載の方法でFuji-Millを使用し、処理した粒子をブレンドした。5秒、10秒、15秒及び30秒の混合時間でのAゾーンのピークq/d及びJゾーンのピークq/dについて得られたトナーを評価し、結果を表3及び表4に示す。
【0144】
実施例2~8
実施例2~8を、表2に従い、酸配位子及び金属イオン供与体化合物及び使用量を除いては実施例1の方法で調製した。
【0145】
5秒、10秒、15秒及び30秒の混合時間でのAゾーンのピークq/d及びJゾーンのピークq/dについて実施例を評価し、結果を表3及び表4に示す。
【0146】
比較実施例9
内部電荷制御剤を一切含有しない比較実施例9は、ヒュームドSiO
2、コロイダルSiO
2、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム及び感光体を潤滑するためのワックスを含む添加剤パッケージを有するが、内部電荷制御剤を一切含まない、上に記載の母粒子を含む。上に記載の方法でFuji-Millを使用し、未処理の粒子をブレンドした。5秒、10秒、15秒及び30秒の混合時間でのAゾーンのピークq/d及びJゾーンのピークq/dについて得られたトナーを評価し、結果を表3及び表4に示す。
【表2】
【表3】
【表4】
【0147】
評価結果。5%のトナー濃度でフェライトキャリアを使用し、各実施例を混合帯電分布に供した。この手順では、全部で100部の現像剤あたり5部のトナーを含む100部あたり5部(pph)のトナー濃度を使用し、サンプル現像剤を作製した。80°F及び80%の相対湿度(RH)、並びに70°F及び10%のRHの両方の条件に慣らした後、96rpmで10分間Turbulaミキサーを運転してサンプルを混合した。バーベッタボックスを使用して摩擦を測定し、この10分符号でチャージスペクトログラフ(CSG)スミアを作製した。この同じ現像剤に新規トナー試料2.5pphを添加し(総TC=7.5pph)、同じ混合設定を使用して5秒、10秒、15秒及び30秒混合した。各混合時間にて、4つの混合時間のそれぞれでの混合性能はどのようであったかを理解するため、CSGスミアを作製した。続いて、各CSGスミアをq/dに対してプロットした粒子数のチャートに変換する(直径あたりの電荷、単位fc/マイクロメートル)。現像剤の混合速度を測定するため、表3及び表4の測定基準をこのデータから計算した。
【0148】
表3及び表4に示すように、CSGの98番目のパーセンタイルと2番目のパーセンタイルとの差としてピーク幅を定義し、テール及び外れ値を除外する。-0.10fc/マイクロメートルより大きいCSGの%として低電荷%を定義するが、これは適切に現像することが難しいと予想されるトナー粒子を表している。ピークq/dは、テールで生じたものを除いてCSGの極大値である。この測定基準は、トナーの摩擦帯電能力の大きさを記載する。ピークA/Jは、Jゾーンのピークq/dに対するAゾーンのピークq/dの比であり、様々な環境条件で一貫して帯電するトナーの能力を表す。
【0149】
5秒のピーク幅を減少し、A/J比を1近くに増加させ、低電荷%を最小化させることが望ましい。全ての実施例は、少なくとも1つの領域における利点を示す。
【0150】
CCA沈殿が一切なく、又はTiO
2添加剤を含まないラボスケールの粒子についてのCSGチャートを
図1及び
図2に示す。
図1は、比較実施例9の粒子について、21℃で10%のRHの低湿(Jゾーン)でのCSGを示す。
図2は、比較実施例9の粒子について、28℃で85%のRHの高湿(Aゾーン)でのCSGを示す。
図1及び
図2の実線は、5pphのトナー濃度(初期スペクトログラフ)で10分間混合した後の分布である。
図1及び
図2の破線は、5秒、10秒、15秒及び30秒の追加の混合時間で測定した、追加の新規トナー2.5pphを現像剤サンプルに添加した後の混合分布を示す。
図1の5秒の混合時間での混合は、約-0.5fc/μm(マイクロメートルあたりのフェムトクーロン)の短ピークを有する二重ピークを示す。この後の混合時間は更に均一であるが、分布幅は混合時間が増加するのに伴って狭くなり続ける。こうした問題は、ブレンド中に外部添加剤としてTiO
2を添加することで通常は解決する。30秒の混合分布のピークQ/d(fC/μmでのトナー電荷)は、特に低湿(Jゾーン)と高湿(Aゾーン)を比較する場合には、見るべき重要かつ重大なパラメータでもある。この場合、A/J比は約0.77である(Aゾーンでの30秒ピークQ/dをJゾーンでの30秒ピークQ/dで割ったもの)。最終的に、発明者らは全ての湿度条件(Aゾーン/Jゾーン=1.0)と、二重ピークを含まない初期荷電分布と同じ幅であり、全ての混合時間で等しいピークQ/dを有する4つ全ての混合時間についての帯電分布幅について同じである30秒ピークを検索している。
【0151】
図3及び
図4は、本実施形態の手順を使用して沈殿された、Zn2+イオン及びデヒドロ酢酸を含むCCA分子を含有する実施例1についてのCSGチャートである。
図3は、実施例1の粒子について、21℃で10%のRHの低湿(Jゾーン)でのCSGを示す。
図4は、実施例1の粒子について、28℃で85%のRHの高湿(Aゾーン)でのCSGを示す。
【0152】
実施例1のCCAデータは、低電荷%とA/J比の両方がCCA分子を一切含有しない対照の比較実施例9よりも向上していることを示す。実施例1のA/J比は約0.9であり、これは対照の比較実施例9よりも大幅に向上している。両方の極限環境では、低電荷%のトナーの量は最小限である。結果は、Zn2+イオン及びデヒドロ酢酸を含有するCCA分子の沈殿によって、乳化凝集粒子プロセス中に合着させた後に沈殿した場合の混合速度及びA/J比に対し、大幅に有益な影響が生じることを示す。
【0153】
デヒドロ酢酸亜鉛CCA分子の負荷が低い場合(実施例1)には、混合速度とA/J比の両方は、CCA分子を一切含有しない対照の比較実施例9よりも向上する(二重ピークなし)。ピークQ/dは、10秒の混合時間までは安定である。実施例1の30秒A/J比は約0.9であり、これは対照の比較実施例9よりも大幅に向上している。両方の極限環境では、不適切な徴候及び低電荷%のトナーの量は最小限である。結果は、Zn2+イオン及びデヒドロ酢酸を含有するCCA分子の沈殿によって、乳化凝集粒子プロセス中に合着させた後に沈殿した場合の混合速度及びA/J比に対し、大きく有益な影響が生じることを示す。
【0154】
実施例2、実施例3及び実施例4の低相対湿度チャージスペクトログラフのデータで確認できるように、ピークQ/dは、フミン酸亜鉛CCA分子の量が増加するのに伴って減少する。負荷量が最大の場合(実施例4)には、分布は不安定になり、特に高湿では許容できない量の低電荷及び不適切な徴候のトナーを有する。CCA分子の負荷量が低い場合(実施例2)には、ピーク幅が減少し、低電荷%の量が比較的低く示されるように、混合速度はCCA分子を一切含有しない対照の比較実施例9よりもはるかに向上している。これは、Zn2+イオン及びフミン錯体を含有するCCA分子の沈殿によって、乳化凝集粒子プロセス中に合着させた後に沈殿した場合の電荷性能(帯電速度及びA/J比)に対し、有益な影響が生じることを示す。
【0155】
様々な上記で開示された及び他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に望ましく組み合わされ得ることが理解されるであろう。また、様々な現在予期されない、又は先行例のない代替、修正、変形、又は改善が、その後、当業者によって行われ得、これらもまた、以下の「特許請求の範囲」によって包含されることが意図されている。特許請求の範囲に具体的に列挙されない限り、特許請求の範囲の工程又は構成要素は、本明細書又は任意の他の特許請求の範囲から、いかなる特定の順序、数、位置、サイズ、形状、角度、色、又は材料に関して、暗示又は意味されるべきではない。