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特開2023-138388ネットワークに接続されていないマルチテナント多機能デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138388
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】ネットワークに接続されていないマルチテナント多機能デバイス
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20230922BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230922BHJP
   H04L 67/306 20220101ALI20230922BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20230922BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20230922BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20230922BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B41J29/38 401
H04N1/00 127B
H04N1/00 E
H04L67/306
H04L67/00
B41J29/38 203
G06F21/31
G06Q50/16 300
G06F3/12 302
G06F3/12 338
G06F3/12 336
G06F3/12 392
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033441
(22)【出願日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】17/655,334
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー、エル.、ディオグアルディ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ、エイチ.、ラング
(72)【発明者】
【氏名】ファディ、ジー.、ロウハナ
(72)【発明者】
【氏名】スコット、ヴァン、スクーター
(72)【発明者】
【氏名】ポール、エフ.、ブラウン、2世
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061CG02
2C061CG15
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN08
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ01
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC15
5C062AC16
5C062AC35
5C062AC38
5C062AE01
5C062AE16
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF14
5C062BB03
5L049CC29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ネットワークに接続されていない多機能デバイス(MFD)、及びネットワークに接続されていないMFD上でジョブ要求を実行するための方法を提供する。
【解決手段】例えば、ネットワークに接続されていないMDFは、モバイルエンドポイントデバイスとの通信セッションを確立するための通信インターフェースと、認証情報を格納するためのメモリと、プロセッサと、を含む。プロセッサは、モバイルエンドポイントデバイスから接続要求を受信し、モバイルエンドポイントデバイスとの接続を確立し、メモリに格納された認証情報と一致する、モバイルエンドポイントデバイスから受信した認証情報を介して、モバイルエンドポイントデバイスを認証し、利用可能な機能をモバイルエンドポイントデバイスに提供し、利用可能な機能のうち1つの機能を実行するための要求をモバイルエンドポイントデバイスから受信し、その機能を実行する、ためのものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されていない多機能デバイス(MFD)であって、
モバイルエンドポイントデバイスとのローカル通信セッションを確立するための通信インターフェースと、
認証情報を格納するためのメモリと、
プロセッサであって、
前記モバイルエンドポイントデバイスから接続要求を受信し、
前記ローカル通信セッションを介して前記モバイルエンドポイントデバイスとの接続を確立し、
前記メモリに格納された前記認証情報と一致する、前記モバイルエンドポイントデバイスから受信した認証情報を介して、前記モバイルエンドポイントデバイスを認証し、
利用可能な機能を前記モバイルエンドポイントデバイスに提供し、
前記利用可能な機能のうち1つの機能を実行するための要求を前記モバイルエンドポイントデバイスから受信し、
前記機能を実行する、ためのプロセッサと、
を備える、ネットワークに接続されていない多機能デバイス(MFD)。
【請求項2】
前記通信インターフェースが、近距離無線通信インターフェース、Bluetooth無線、又はWiFiダイレクト接続を含む、請求項1に記載のネットワークに接続されていないMFD。
【請求項3】
前記通信インターフェースが、近距離無線通信インターフェース、Bluetooth無線、又はWiFiダイレクト接続、のうちの2つ以上の組み合わせを含む、請求項1に記載のネットワークに接続されていないMFD。
【請求項4】
前記認証情報が、ユーザ名及びパスワードを含む、請求項1に記載のネットワークに接続されていないMFD。
【請求項5】
前記認証情報が、前記MFDが位置するマルチテナントビルのテナントに関連付けられたキーを含む、請求項1に記載のネットワークに接続されていないMFD。
【請求項6】
前記プロセッサが更に、
前記機能が実行された後に前記モバイルエンドポイントデバイスとの前記接続を切断し、
第2のモバイルエンドポイントデバイスから第2の接続要求を受信し、
第2のローカル通信セッションを介して前記第2のモバイルエンドポイントデバイスとの第2の接続を確立し、
前記メモリに格納された前記認証情報と一致する、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスから受信した認証情報を介して、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスを認証し、
前記第2のモバイルエンドポイントに関する利用可能な機能を前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに提供し、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに関する前記利用可能な機能が、以前に接続された前記モバイルエンドポイントデバイスに関する前記利用可能な機能とは異なり、
前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに関する前記利用可能な機能のうち1つの機能を実行するための要求を前記第2のモバイルエンドポイントデバイスから受信し、
前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに関する前記利用可能な機能のうち前記機能を実行する、
ためのものである、請求項1に記載のネットワークに接続されていないMFD。
【請求項7】
前記プロセッサが更に、
異なるユーザの使用状況を追跡し、
前記異なるユーザの使用状況レポートを生成する、
ためのものである、請求項1に記載のネットワークに接続されていないMFD。
【請求項8】
前記プロセッサが更に、
前記モバイルエンドポイントデバイスとの前記接続が確立されている間、前記MFD上のローカルユーザインターフェースをロックする、
ためのものである、請求項1に記載のネットワークに接続されていないMFD。
【請求項9】
前記利用可能な機能が、前記モバイルエンドポイントデバイスのユーザによって作成されたジョブ機能及びワークフローを含む、請求項1に記載のネットワークに接続されていないMFD。
【請求項10】
方法であって、
ネットワークに接続されていない多機能デバイス(MFD)のプロセスを介して、モバイルエンドポイントデバイスから接続要求を受信することと、
前記プロセッサを介して、前記モバイルエンドポイントデバイスとの接続を確立することと、
前記プロセッサを介して、前記ネットワークに接続されていないMFDのメモリに格納された認証情報と一致する、前記モバイルエンドポイントデバイスから受信した認証情報を介して、前記モバイルエンドポイントデバイスを認証することと、
前記プロセッサを介して、利用可能な機能を前記モバイルエンドポイントデバイスに提供することと、
前記プロセッサを介して、前記利用可能な機能のうち1つ機能を実行するための要求を前記モバイルエンドポイントデバイスから受信することと、
前記プロセッサを介して、前記機能を実行することと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記接続が、近距離無線通信セッションBluetooth無線、又はWiFiダイレクト接続を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記接続が、近距離無線通信インターフェース、Bluetooth無線、又はWiFiダイレクト接続、のうちの2つ以上の組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記認証情報が、ユーザ名及びパスワードを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記認証情報が、前記MFDが位置するマルチテナントビルのテナントに関連付けられたキーを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記プロセッサを介して、前記モバイルデバイスが前記MFDの通信インターフェースの範囲外にあることを検出することと、
前記プロセッサを介して、前記モバイルエンドポイントデバイスとの前記接続を切断することと、
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記プロセッサを介して、第2のモバイルエンドポイントデバイスから第2の接続要求を受信することと、
前記プロセッサを介して、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスとの第2の接続を確立することと、
前記プロセッサを介して、前記メモリに格納された認証情報と一致する、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスから受信した認証情報を介して、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスを認証することと、
前記プロセッサを介して、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに関する利用可能な機能を前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに提供することであって、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに関する前記利用可能な機能が、以前に接続された前記モバイルエンドポイントデバイスに関する前記利用可能な機能とは異なる、提供することと、
前記プロセッサを介して、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに関する前記利用可能な機能のうち1つの機能を実行するための要求を前記第2のモバイルエンドポイントデバイスから受信することと、
前記プロセッサを介して、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに関する前記利用可能な機能のうち前記機能を実行することと、
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセッサを介して、異なるユーザの使用状況を追跡することと、
前記プロセッサを介して、前記異なるユーザの使用状況レポートを生成することと、
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサを介して、前記モバイルエンドポイントデバイスとの前記接続が確立されている間、前記MFD上のローカルユーザインターフェースをロックすること
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記利用可能な機能が、前記モバイルエンドポイントデバイスのユーザによって作成されたジョブ機能及びワークフローを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
ネットワークに接続されていない多機能デバイス(MFD)であって、
モバイルエンドポイントデバイスとのローカル通信セッションを確立するための通信インターフェースと、
前記MFDが位置するマルチテナントオフィスビルの複数の異なるテナントに関連付けられた認証情報を格納するためのメモリと、
プロセッサであって、
前記複数の異なるテナントのうちの第1のテナントに関連付けられた第1のモバイルエンドポイントデバイスから接続要求を受信し、
前記第1のモバイルエンドポイントデバイスとの第1の接続を確立し、
前記メモリに格納された前記第1のテナントに関連付けられた認証情報と一致する、前記第1のモバイルエンドポイントデバイスから受信した第1の認証情報を介して、前記第1のモバイルエンドポイントデバイスを認証し、
前記第1のテナントに関連付けられた利用可能な機能を前記第1のモバイルエンドポイントデバイスに提供し、
前記第1のテナントに関連付けられた前記利用可能な機能のうち第1の機能を実行するための第1の要求を前記第1のモバイルエンドポイントデバイスから受信し、
前記第1の機能を実行し、
前記第1の接続を切断し、
前記複数の異なるテナントのうちの第2のテナントに関連付けられた第2のモバイルエンドポイントデバイスから第2の接続要求を受信し、
前記第2のモバイルエンドポイントデバイスとの第2の接続を確立し、
前記メモリに格納された前記第2のテナントに関連付けられた認証情報と一致する、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスから受信した第2の認証情報を介して、前記第2のモバイルエンドポイントデバイスを認証し、
前記第2のテナントに関連付けられた利用可能な機能を前記第2のモバイルエンドポイントデバイスに提供し、前記第1のテナントに関連付けられた前記利用可能な機能が、前記第2のテナントに関連付けられた前記利用可能な機能とは異なり、
前記第2のテナントに関連付けられた前記利用可能な機能のうち第2の機能を実行するための要求を前記第2のモバイルエンドポイントデバイスから受信し、前記第2の機能を実行する、
ためのプロセッサと、
を備える、ネットワークに接続されていない多機能デバイス(MFD)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、多機能デバイスに関し、より具体的には、ネットワークに接続されていないマルチテナント多機能デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多機能デバイス(Multi-function devices、MFD)は、種々の異なる機能を実施することができるデバイスである。MFDは、文書を印刷、スキャン、コピー、ファックス、電子メール送信などすることができる。MFDは、異なる色、異なる用紙サイズ、印刷品質の変更、印刷する画像及び/又はテキストのサイズの変更、ステープル留め、照合、異なる電子メールアドレスの提供、スキャンしたドキュメントをどのネットワークストレージサービスに送信するかの選択など、様々なジョブ要求を実施するための種々の異なるオプションを提供することができる。
【0003】
MFDの購入及び維持には、比較的費用がかかり得る。したがって、場合によっては、MFDは異なるユーザによって共有され得る。他の例では、会社又はユーザは、MFDを購入して維持するのではなく、従量課金制のMFDを提供する店舗に行く場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に例示される態様によれば、ネットワークに接続されていない多機能デバイス(MFD)、及びネットワークに接続されていないMFD上でジョブ要求を実行するための方法が提供される。実施形態の1つの開示された特徴は、モバイルエンドポイントデバイスとの通信セッションを確立するための通信インターフェースと、認証情報を格納するためのメモリと、プロセッサと、を備えるネットワークに接続されていないMFDである。プロセッサは、モバイルエンドポイントデバイスから接続要求を受信し、モバイルエンドポイントデバイスとの接続を確立し、メモリに格納された認証情報と一致する、モバイルエンドポイントデバイスから受信した認証情報を介して、モバイルエンドポイントデバイスを認証し、利用可能な機能をモバイルエンドポイントデバイスに提供し、利用可能な機能のうち1つの機能を実行するための要求をモバイルエンドポイントデバイスから受信し、その機能を実行する、ためのものである。
【0005】
開示された別の特徴は、ネットワークに接続されていないMFD上でジョブ要求を実行する方法である。ネットワークに接続されていないMFDのプロセッサによって実行される方法は、モバイルエンドポイントデバイスから接続要求を受信することと、モバイルエンドポイントデバイスとの接続を確立することと、ネットワークに接続されていないMFDのメモリに格納された認証情報と一致する、モバイルエンドポイントデバイスから受信した認証情報を介して、モバイルエンドポイントデバイスを認証することと、モバイルエンドポイントデバイスの利用可能な機能を提供することと、利用可能な機能のうち1つの機能を実行するための要求をモバイルエンドポイントデバイスから受信することと、その機能を実行することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の教示は、以下の添付図面と併せて以下の発明を実施するための形態を考慮することによって容易に理解することができる。
【0007】
図1】本開示のネットワークに接続されていないMFDを有する例示的なマルチテナント環境のブロック図を例示している。
図2】本開示の例示的なMFDのブロック図を例示している。
図3】マルチテナント環境におけるテナントのモバイルデバイスと本開示のネットワークに接続されていないMFDとの間の例示的な対話を例示している。
図4】本開示のネットワークに接続されていないMFD上でジョブ要求を実行する方法のフローチャートを例示している。
図5】本明細書で説明される機能を実行する際の使用に好適な例示的なコンピュータのハイレベルブロック図を例示している。
【0008】
理解を容易にするために、可能な限り、同一の参照番号は、図面に共通している同一の要素を示すために使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、ネットワークに接続されていないマルチテナントMFD及びネットワークに接続されていないMFD上でジョブ要求を実行する方を広く開示する。上で考察したように、MFDは、購入及び維持に費用がかかり得る複雑なデバイスである。場合によっては、すべての会社又は小規模事業者がMFDを購入して自身のMFDをオンプレミスで維持することを望まない場合がある。
【0010】
一部の環境には、複数のテナントが含まれ得る。例えば、オフィスビルは、異なる企業によって共有され得る。したがって、ビル内の複数の企業又はテナント間でMFDのコストを共有することが有益であり得る。例えば、ビルの管理者又は所有者がMFDを買い、MFDのコストをオフィスビル内の各企業に使用状況に基づいて分担させ得る。
【0011】
ただし、企業によっては、プライバシ又はセキュリティ上の懸念から、共有MFDを使用したくない場合がある。例えば、ほとんどの共有MFDは、認証及び追跡を提供するためにネットワークに接続されている。ただし、パブリックネットワークに接続されているMFDは、ハッキングに対して無防備である可能性がある。
【0012】
本開示は、マルチテナント環境又はビルで使用することができるネットワークに接続されていないMFDを提供する。MFDはパブリックネットワークに接続されていないため、セキュリティ上の懸念を緩和することができる。本開示では、ユーザがビル内にいて、かつMFDを使用するためにMFDの近くに非常に接近している必要があるため追加のセキュリティも提供することができる。
【0013】
一実施形態では、各企業又はテナントは、モバイルデバイスを使用してネットワークに接続されていないMFDにアクセスすることができる。例えば、モバイルデバイスは、ネットワークに接続されていないMFDに関連付けられたアプリケーションを含むことができる。アプリケーションは、モバイルデバイスがネットワークに接続されていないMFDに接続し、ネットワークに接続されていないMFDに格納されている認証情報と一致する可能性がある認証情報を提供でき得る。
【0014】
各企業又はテナントに関連付けられた使用状況の権利は、モバイルデバイスとMFDとの間で交換される情報によって制御することができる。モバイルデバイスは、利用可能なジョブ機能をユーザに提供し得る。各企業又はテナントは、ネットワークに接続されていないMFD上で利用可能な異なる利用可能な機能を有し得る。
【0015】
一実施形態では、各企業又はテナントの使用状況は、ネットワークに接続されていないMFDによってローカルに追跡することができ、又は使用状況は、モバイルデバイス上のアプリケーションを介してネットワーク内のアプリケーションサーバにモバイルデバイスによって送信することができる。したがって、ネットワークに接続されていないMFDの使用状況を各企業又はテナントごとに把握し、コストを適切に分担させることができる。
【0016】
したがって、本開示は、ネットワークに接続されたMFDに関連する潜在的なネットワークセキュリティを緩和する。加えて、本開示のネットワークに接続されていないMFDは、コストを追跡し、各企業又はユーザに分担させることができる。加えて、ネットワークに接続されていないMFDは、ネットワークに接続されていないMFDと通信するモバイルデバイス上のアプリケーションを介して、各企業又はユーザがどの機能を利用可能であるかを制御することができる。最後に、ネットワークに接続されていないMFDは、イーサネットポート又は無線アクセスポイントの近くに位置する必要がないため、ネットワークに接続されていないMFDは、位置することができる場所に関してより柔軟性を有し得る。
【0017】
図1は、本開示のマルチテナント環境100を例示している。一実施形態では、本開示のマルチテナント環境100は、ビル102を含み得る。ビル102は、オフィスビル、集合住宅、又は複数のテナント、ユーザ、会社などがネットワークに接続されていない多機能デバイス(MFD)104を共有し得る任意の他の場所であり得る。
【0018】
一実施形態では、ビル102は、オフィス管理者が所有するオフィスビルであり得る。ビル102は、複数の異なる会社106、108、及び110を含み得る。各会社106、108、及び110は、それぞれのモバイルデバイス112、114、及び116を有する1人以上の従業員又はユーザを有し得る。
【0019】
オフィス管理者は、ネットワークに接続されていないMFD104を購入して、会社106、108、及び110の従業員がネットワークに接続されていないMFD104を共有できるようにし得る。以下で更に詳細に考察するように、ネットワークに接続されていないMFD104は、各会社106、108、及び110の従業員による使用状況を追跡して、オフィス管理者が各会社106、108、及び110に比例したそれぞれのネットワークに接続されていないMFD104の使用のためにコストを割り当て得る。
【0020】
一実施形態では、ネットワークに接続されていないMFD104は、マルチテナント環境100での動作中に任意のネットワークから切断され得る。例えば、ネットワークに接続されていないMFD104は、インターネット、ローカルWi-Fiネットワーク、イーサネット接続などに接続されていない。別の言い方をすれば、ネットワークに接続されていないMFD104は、任意のネットワーク接続インターフェース(例えば、有線又は無線)から自由であり得るか、又はマルチテナント環境100内の従業員又はユーザのモバイルデバイス112、114、又は116によって動作中又はアクセスされている間、一時的にネットワーク通信を無効にし得る。
【0021】
一実施形態では、ネットワークに接続されていないMFD104は、単機能デバイス(Single function device、SFD)でもあり得る。例えば、SFDは、専用の印刷、専用のコピー、専用のスキャンなどの単一の機能を実施し得る。ネットワークに接続されていないMFD104は、複数の異なる機能を実施し得る。例えば、ネットワークに接続されていないMFD104は、印刷ジョブ、コピージョブ、スキャンジョブなどを実行し得る。
【0022】
一実施形態では、ネットワークに接続されていないMFD104は、ディスプレイ120を含み得る。ディスプレイ120は、通常、ユーザがジョブ及びジョブに関連するパラメータを選択できるように、ユーザインターフェースを提示するために使用され得る。ただし、以下で更に詳細に考察するように、本開示は、異なる会社106、108、及び110の従業員のモバイルエンドポイントデバイス112、114、及び116を介して、ネットワークに接続されていないMFD104の使用状況を認可し、追跡し得る。したがって、モバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116のうちの1つがネットワークに接続されていないMFD104に接続されているとき、ネットワークに接続されていないMFD104は、ディスプレイ120上のユーザインターフェースをロックして、ユーザがモバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116を介してジョブ要求を送るように強制し得る。
【0023】
モバイルエンドポイントデバイス112、114、及び116は、MFD104とのローカル通信セッションを確立できる任意のタイプのモバイルエンドポイントデバイスであり得る。例えば、モバイルエンドポイントデバイス112、114、及び116は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータなどを含み得る。ローカル通信セッションは、近距離通信(Near field communication、NFC)、Bluetooth、WiFiダイレクトなど、又はそれらの任意の組み合わせを介し得る。
【0024】
例えば、NFC又はBluetooth無線は、モバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116がMFD104の近くにあることを検出し得る。それに応答して、MFD104は、MFD104の近くのモバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116へのWiFiダイレクト接続のためのショートライブ接続の詳細(例えば、ワンタイムパスワード)を送信し得る。その後、WiFiダイレクト接続をオンにすることができる。モバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116がもはやMFD104の近くにないことをNFC又はBluetooth無線が検出すると、WiFiダイレクト続をオフにすることができる。
【0025】
ネットワークに接続されていないMFD104は、どのネットワークにも接続されていないことに留意されたい。例えば、ネットワークに接続されていないMFD104は、有線イーサネット接続に接続されておらず、無線ネットワーク又はアクセスポイントにも接続されていない。したがって、以下で更に詳しく考察するように、ネットワークに接続されていないMFD104と対話する唯一の方法は、ローカルにディスプレイ120に示されたユーザインターフェースを介して、又はモバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116とのローカル通信セッションを介してである。
【0026】
更に、ネットワークに接続されていないMFD104は、どのネットワークにも接続されていないため、ネットワークに接続されていないMFD104は、マルチテナント環境102のどこにでも位置し得る。例えば、ネットワークに接続されていないMFD104は、イーサネットポート又はアクセスポイントの近くに位置させる必要はない。ネットワークに接続されていないMFD104は、マルチテナント環境102内の会社106、108、及び110のすべてから等距離にあるどこかに位置し得る。
【0027】
3つの会社106、108、及び110が図1に例示されているが、任意の数の会社がビル102内に位置し得ることに留意されたい。単一のモバイルエンドポイントデバイスを持つ1人の従業員が図1に例示されているが、各会社106、108、及び110は、それぞれ独自のモバイルエンドポイントデバイスを持つ多くの従業員を有し得ることに留意されたい。
【0028】
図2は、図1のネットワークに接続されていないMFD104の一例のブロック図を例示している。一実施形態では、ネットワークに接続されていないMFD104は、プロセッサ202、メモリ204、通信インターフェース210、及びユーザインターフェース212を含み得る。プロセッサ202は、メモリ204、通信インターフェース210、及びユーザインターフェース212に通信可能に結合され得る。プロセッサ202は、通信インターフェース210及び/又はユーザインターフェース212を介して動作を制御し、及び/又はデータを送信/受信し得る。
【0029】
一実施形態では、通信インターフェース210は、ネットワークに接続されていないMFD104と、図1のモバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116のうちの1つとの間のローカル通信セッションを確立するためのものであり得る。通信インターフェース210は、無線ローカル通信インターフェースであり得る。例えば、通信インターフェース210は、NFCインターフェース又はBluetoothインターフェースであり得る。したがって、通信インターフェース210は、モバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116のうちの1つが通信インターフェース210の近くにあるとき(例えば、通信インターフェース210の距離閾値内又は近傍内)、モバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116のうちの1つとのローカル通信セッションを確立し得る。例えば、通信インターフェース208は、通信インターフェース210の範囲内(例えば、1フィート未満、5フィート未満、10フィート未満など)に位置するモバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116のうちの1つとのローカル通信セッションを確立し得る。
【0030】
一実施形態では、ユーザインターフェース212は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)であってもよい。ユーザインターフェース212は、タッチスクリーンインターフェースであり得、又はキーボード、マウス、トラックパッドなどを介して入力を受信するGUIであり得る。ユーザインターフェース212は、ディスプレイ120を介してユーザに提示され得る。
【0031】
一実施形態では、メモリ204は、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。例えば、メモリ204は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリなどであり得る。メモリ204は、命令214を格納し得る。
【0032】
一実施形態では、命令214は、ネットワークに接続されていないMFD104上のモバイルエンドポイントデバイス112、114、又は116から受信したジョブ要求を実行するために、本明細書で記載されている機能を実施するためにプロセッサ202によって実行され得る。命令214は、プロセッサ202に、図4に例示している方法400の動作を実施させ得、以下で更に詳細に考察する。一実施形態では、メモリ204は、認可情報206及び使用状況追跡208も格納し得る。
【0033】
一実施形態では、認可情報206は、それぞれのエンドポイントデバイス112、114、及び116から受信した認可情報を介してユーザを認証又は認可することができる情報を含み得る。認可情報206は、ユーザ及びパスワード若しくはキーを含み得る。キーは、対称キー、非対称キー、又はその他のタイプのキーにすることができる。認可情報206の例は、ユーザ名及びパスワードとして記載されているが、任意のタイプの認可情報206を使用できることに留意されたい。
【0034】
認可情報206は、個々のユーザごと、又は会社106、108、及び110のうちの1つのすべてのユーザに関するものであり得る。例えば、それぞれのユーザ名及びパスワード若しくはキーは、各会社106、108、及び110に割り当てられ得る。次に、各会社106、108、又は110は、会社106、108、又は110内の各従業員にそれぞれのユーザ名及びパスワード若しくはキーを配布し得る。
【0035】
一実施形態では、従業員のモバイルデバイス112、114、及び116にインストールされたアプリケーションを介して、ユーザ名及びパスワード若しくはキーを配布し得る。以下で考察するように、各モバイルデバイス112、114、及び116は、ユーザを認可し(例えば、ネットワークに接続されていないMFD104のロックを解除して対話を可能にし、ユーザの資格情報を認証する)、ユーザがモバイルデバイス112、114、及び116にインストールされたアプリケーションを介して、ユーザがネットワークに接続されていないMFD104と対話することを可能にするために使用され得る。
【0036】
一実施形態では、認可情報206は、ネットワークに接続されていないMFD104上で各ユーザ又は会社がどの特徴にアクセスできるかを定義もし得る。例えば、会社106は、印刷サービスのみに加入し得る。会社108は、スキャン及びコピーサービスに加入し得る。会社110は、ネットワークに接続されていないMFD104で利用可能なすべての特徴に加入し得る。
【0037】
使用状況追跡208は、各会社106、108、及び110による使用状況情報をローカルに格納し得る。例えば、モバイルエンドポイントデバイス112、114、及び116がネットワークに接続されていないMFD104に接続してジョブ機能を実行するたびに、ネットワークに接続されていないMFD104は、使用状況(例えば、実行されたジョブ機能及び関連付けられたパラメータ(例えば、カラー又は白黒、コピー数、使用された用紙など))を追跡することができる。使用状況追跡208は、ビル102のオフィス管理者に提供することができるレポートを生成し得る。オフィス管理者は、レポート内の使用状況情報を使用して、ネットワークに接続されていないMFD104のそれぞれの使用状況について各会社106、108、及び110に請求し得る。
【0038】
一実施形態では、使用状況情報を遠隔で追跡し得る。モバイルエンドポイントデバイス106、108、及び110は、図3に例示され、以下で考察されるように、使用状況情報を遠隔サーバに送信するために使用され得る。
【0039】
ネットワークに接続されていないMFD104は、説明を簡単にするために簡略化されており、示されていない追加の構成要素を含み得ることに留意されたい。例えば、ネットワークに接続されていないMFD104は、デジタルフロントエンド、プラテンガラス、光学スキャナ、プリントヘッド(例えば、インクジェット又はレーザ)、電源、用紙トレイ、様々な仕上げモジュールなどを含み得る
【0040】
図3は、図1のネットワークに接続されていないMFD104と、図1の企業106の従業員のモバイルエンドポイントデバイス112との間の例示的な対話を例示している。一実施形態では、モバイルエンドポイントデバイス112を有する会社106の従業員は、ネットワークに接続されていないMFD104上の文書をスキャンしたい場合がある。モバイルエンドポイントデバイス112は、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)310、プロセッサ302、及びメモリ304を含み得る。メモリ304は、印刷アプリケーション306、及びキー若しくは他の認可情報308を格納し得る。キー308は、従業員がモバイルデバイス112に印刷アプリケーション306をダウンロードしてインストールするときに、会社106によって提供され得る。
【0041】
一実施形態では、従業員は、モバイルエンドポイントデバイス112を通信インターフェース210の範囲内に持ってき得る。一実施形態では、モバイルエンドポイントデバイス112が検出されると、モバイルエンドポイントデバイス112の検出により、ネットワークに接続されていないMFD104上のユーザインターフェースが自動的にロック解除され、ユーザがネットワークに接続されていないMFD104と対話して認証のための資格を提供することが可能になる。一実施形態では、ネットワークに接続されていないMFD104は、ネットワークに接続されていないMFD104によって検出されるモバイルエンドポイントデバイス112を従業員が配置できるリーダ又はスキャナを有し得る。ネットワークに接続されていないMFD104が、モバイルエンドポイントデバイス112が通信インターフェース210の範囲内にあることを検出すると、ネットワークに接続されていないMFD104は、モバイルエンドポイントデバイス112とのローカル通信セッションを確立し得る。
【0042】
次に、ネットワークに接続されていないMFD104は、モバイルエンドポイントデバイス112からキー又は認可情報308を要求し得る。次いで、ネットワークに接続されていないMFD104は、キー308を、ネットワークに接続されていないMFD104のメモリ204内の認可情報206に格納されたキーと比較することができる。キー308が認可情報206で発見された場合、ネットワークに接続されていないMFD104は、モバイルエンドポイントデバイス112を認可し得る。
【0043】
一実施形態では、ローカル通信セッションが確立され、モバイルエンドポイントデバイス112が認証された後、ネットワークに接続されていないMFD104は、ユーザインターフェース212をロックし得る。例えば、ユーザインターフェース212は、単にメッセージを表示し、すべてのインターフェースボタンを隠し得る。したがって、従業員は、モバイルエンドポイントデバイス112のGUI310に提示されたオプションの選択に制限される場合があり、ネットワークに接続されていないMFD104上のユーザインターフェース212を使用することによって、加入の制限を回避することはできない。
【0044】
一実施形態では、モバイルエンドポイントデバイス112が認証された後、印刷アプリケーション306は、モバイルエンドポイントデバイス112のディスプレイ上でGUI310をし得る。GUI310は、従業員が選択することができるアイコン312、314、316、及び318のリストを提示し得る。アイコン312、314、316、及び318は、会社106のサービスの加入に基づいて従業員がアクセスできる特徴を表し得る。例えば、アイコン312は印刷機能であり得、アイコン314はスキャン機能であり得る。
【0045】
GUI310はまた、アイコン316及び318によって示されるワークフローを含み得る。各ワークフローは、従業員又は会社によって事前にプログラムされた特定の機能の一連のステップ及び/又はパラメータであり得る。例えば、ある従業員がしばしば、50部の文書をカラーで印刷し、1部の文書を白黒でスキャンし得る。アイコン316によって表されるワークフロー#1(WF#1)は、これらのジョブ機能及びパラメータのすべてを選択するためのショートカットを表し得る。例えば、従業員がアイコン316を選択し得るだけで、ワークフローのすべてのステップとパラメータが自動的に実行される。例えば、ネットワークに接続されていないMFD104は、コピー用にカラーを選択し、文書の50個のコピーを生成し、次にスキャン用に白黒を選択し、文書の単一のコピーをスキャンする。したがって、複数のジョブ及び各ジョブのパラメータは、アイコン316の単一の選択によって実行され得る。
【0046】
GUI310の特定のスクリーンショットが図3に例示されているが、GUI310は、従業員に異なる画面を提示し得ることに留意されたい。例えば、アイコン312又は314が選択された後、GUI310は、選択可能なパラメータを有する追加の画面を提示し得る。例えば、印刷ジョブを実行するためにアイコン312が選択された後、GUI310は、従業員が色、コピー部数、用紙の種類、様々な仕上げオプションなどを選択できるようにする画面を提示することができる。
【0047】
従業員は、所望のジョブ又はワークフローを実施するために、所望のアイコン312、314、316、及び318を選択し得る。一実施形態では、ネットワークに接続されていないMFD104は、上に記載されたように、使用状況追跡208においてローカルに使用状況を追跡し得る。一実施形態では、インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)ネットワーク300に位置するアプリケーションサーバ(application server、AS)352によって、使用状況を遠隔で追跡することができる。例えば、印刷アプリケーション306を介して使用状況を追跡することができる。所望のジョブが選択され実行されると、印刷アプリケーション306は、モバイルエンドポイントデバイス112のネットワーク接続機能を介して、使用状況情報をAS352に送信し得る。次いで、使用状況情報は、AS352に通信可能に結合されたデータベース(database、DB)354に格納することができる。
【0048】
一実施形態では、AS352及びDB354は、ネットワークストレージサービスプロバイダであり得る。従業員は、ネットワークに接続されていないMFD104上の文書をスキャンし得、文書のスキャンから生成された電子ファイルをモバイルエンドポイントデバイス112に送信することができる。電子ファイルは、モバイルエンドポイントデバイス112にローカルに保存することができるか、又は、印刷アプリケーション306は、従業員のアカウントを使用して、ネットワークストレージサービスプロバイダのAS352又はDB354に保存するために、電子ファイルを送信し得る。
【0049】
一実施形態では、印刷される文書は、ネットワークストレージプロバイダのAS352及び/又はDB354からアクセスし得る。例えば、印刷アプリケーション306は、従業員のユーザアカウントにアクセスし、従業員のネットワークストレージサービスプロバイダアカウントに格納されたファイルを表す画面を提示することができる。次に、ユーザは、印刷するファイルを選択し、次に、アイコン312を選択して、ネットワークに接続されていないMFD104上で選択したファイルを印刷し得る。
【0050】
様々なアイコン312、314、316、及び318が図3に例示されているが、他のアイコンもGUI310上に示され得ることに留意されたい。加えて、ユーザによって異なる数のアイコンを有し得る。例えば、会社110の従業員のモバイルエンドポイントデバイス116は、モバイルエンドポイントデバイス116のGUI上に異なるアイコンを有し得る。例えば、会社110は、ネットワークに接続されていないMFD104のスキャン特徴を使用することにのみ加入することができる。したがって、モバイルエンドポイントデバイス116がネットワークに接続されていないMFD104に接続されているとき、モバイルエンドポイントデアイス116のGUIは、アイコン314のみを示し得る。加えて、モバイルエンドポイントデバイス116は、モバイルエンドポイントデバイス112では利用できない、会社110によって使用される3つの異なるワークフローアイコンを有し得る。
【0051】
換言すれば、印刷アプリケーション306は、各従業員及び/又は会社106、108、又は110の各モバイルエンドポイントデバイスで利用可能なアイコンを、加入サービスに基づいてカスタマイズし得る。したがって、各従業員又は各会社は、他の従業員又は他の会社とは異なる使用可能な機能又はワークフローを表す異なる使用可能なアイコンを有し得る。
【0052】
例示すると、会社106の従業員は、モバイルエンドポイントデバイス112をネットワークに接続されていないMFD104から切断し得る。例えば、従業員は、印刷アプリケーション306で切断するオプションを選択し得るか、又はモバイルエンドポイントデバイス112が通信インターフェース210の範囲外に移動され得、ネットワークに接続されていないMFD104がローカル接続を切断し得る。会社108の従業員は、後でモバイルエンドポイントデバイス114をネットワークに接続されていないMFD104の近くに持ってき得る。上に記載しているように、ネットワークに接続されていないMFD104は、モバイルエンドポイントデバイス114とのローカル接続を確立し、モバイルエンドポイントデバイス114を認証し得る。
【0053】
モバイルエンドポイントデバイス114上の印刷アプリケーション306は、モバイルエンドポイントデバイス112のGUI310上に示されたアイコン312、314、316、及び318とは異なるアイコンを有するGUI310を示すために実行され得る。例えば、モバイルエンドポイントデバイス114のGUI310は、アイコン312及び316のみを有し得、又はモバイルエンドポイントデバイス112のGUI310に示されなかった異なるワークフローの追加のアイコンを有し得る。
【0054】
一実施形態では、ネットワークに接続されていないMFD104は、どのネットワークにも接続されていないと記載されているが、「ネットワークに接続されていない」ことは選択可能なオプションであり得ることに留意されたい。例えば、ネットワークに接続されていないMFD104は、ネットワークに接続し得るが、マルチテナント環境100で動作中にネットワークから切断され得る。ビルの管理者は、時には、診断情報のアップロード、ソフトウェアの更新のダウンロードなどのために、ネットワークへの接続を(例えば、有線又は無線通信インターフェースを介して)選択し得る。しかしながら、ネットワークに接続されていないMFD104が、会社106、108、及び110の従業員による使用のために配備されているとき、ネットワーク接続を無効にすることができる。結果として、ネットワークに接続されていないMFD104は、ジョブが実行されているときにネットワークがネットワークに接続されていないMFD104に接続されないので、会社106、108、及び110に安全なユーザ体験を提供し得る。したがって、情報は、ネットワークに接続されていないMFD104から遠隔でハッキング又は盗まれる可能性がない。
【0055】
図4は、本開示のネットワークに接続されていないMFD上でジョブ要求を実行する方法400のフローチャートを例示している。一実施形態では、方法400は、装置104によって、又は図5に例示され、以下で考察される装置500などの装置によって実施され得る。
【0056】
一実施形態では、方法400は、ブロック402で開始する。ブロック404で、方法400は、モバイルエンドポイントデバイスから接続要求を受信する。例えば、要求は、マルチテナントのビルにあるネットワークに接続されていないMFDによって受信され得る。ネットワークに接続されていないMFDは、単一のエンティティ(例えば、マルチテナントビルの所有者又はマルチテナントビルの管理会社)によって所有され得るが、マルチテナントビル内の様々なテナント又は会社によって共有され得る。
【0057】
一実施形態では、マルチテナントビル内の会社の従業員は、それぞれのモバイルエンドポイントデバイスでネットワークに接続されていないMFDにアクセス又は使用し得る。従業員は、自分のモバイルエンドポイントデバイスがネットワークに接続されていないMFDの通信インターフェースの範囲内にあるように、ネットワークに接続されていないMFDに近づき得る。通信インターフェースは、NFC又はBluetoothを使用してローカル通信セッションを確立することができる場合がある。
【0058】
一実施形態では、従業員のモバイルエンドポイントデバイスに、ネットワークに接続されていないMFDに関連付けられた印刷アプリケーションをロードし得る。従業員は、印刷アプリケーションを起動し、ネットワークに接続されていないMFDの通信インターフェースの範囲内にモバイルエンドポイントデバイスを持ち込み得る。範囲内にあるとき、モバイルエンドポイントデバイスは、ネットワークに接続されていないMFDに要求を送って、接続を確立し得る。
【0059】
ブロック406で、方法400は、モバイルエンドポイントデバイスとの接続を確立する。例えば、ネットワークに接続されていないMFDは、NFC接続又はBluetooth接続などのローカル接続を確立し得る。換言すれば、モバイルエンドポイントデバイスがネットワークに接続されていないMFDの通信インターフェースの範囲外に移動された場合、接続が終了又は切断される可能性がある。
【0060】
ブロック408で、方法400は、ネットワークに接続されていないMFDのメモリに格納された認証情報と一致する、モバイルエンドポイントデバイスから受信した認証情報を介して、モバイルエンドポイントデバイスを認証する。一実施形態では、ローカル通信セッション又は接続が確立された後に、従業員のモバイルエンドポイントデバイスを認証し得る。
【0061】
例えば、各従業員は、ユーザ名及びパスワードを確立するか、一意のキーを受信し得る。一実施形態では、マルチテナントビル内の各会社は、それぞれのユーザ名及びパスワード又はそれぞれのキーを受信することができ、各会社は、それぞれのユーザ名及びパスワード又はそれぞれのキーをその従業員に配布することができる。一実施形態では、モバイルエンドポイントデバイスへの印刷アプリケーションのインストールプロセスの一部として、キーをモバイルエンドポイントデバイスに格納し得る。
【0062】
上に記載されているように、ブロック406で接続が確立された後、ネットワークに接続されていないMFDは、モバイルエンドポイントデバイスから認可情報を要求することができる。モバイルエンドポイントデバイスは、認可情報(例えば、ユーザ名及びパスワード、キー、又は任意の他の種類の認可情報)を提供することができる。ネットワークに接続されていないMFDは、モバイルエンドポイントデバイスから受信した認可情報を、ネットワークに接続されていないMFDのメモリに格納された認可情報と比較し得る。ネットワークに接続されていないMFDのメモリに格納された認可情報は、認可情報が会社ごとに作成されるとき、及び又は各会社に割り当てられるときに、メモリに格納され得る。一致が発見された場合、モバイルエンドポイントデバイスは、認証され得る。
【0063】
ブロック410で、方法400は、利用可能な機能をモバイルエンドポイントデバイスに提供する。例えば、ネットワークに接続されていないMFDのメモリに格納された各認可情報は、会社又は従業員の認可された特徴のリストも含み得る。情報は、モバイルエンドポイントデバイスに送信され得る。次に、モバイルエンドポイントデバイス上の印刷アプリケーションは、印刷アプリケーションのGUIを構成して、会社又は従業員に公認された機能を実行するための選択可能なオプションを含み得る。一実施形態では、GUIは、上に記載されているように、ユーザ又は会社によって保存されたワークフローも含み得る。
【0064】
一実施形態では、ネットワークに接続されていないMFDは、ネットワークに接続されていないMFDのディスプレイ上のローカルユーザインターフェースをロックし得る。例えば、ネットワークに接続されていないMFDのディスプレイは、モバイルエンドポイントデバイスがネットワークに接続されていないMFDに接続されている間、選択可能なアイコンのすべてを単純に削除し、ユーザにメッセージを表示し得る。その結果、ユーザは、モバイルエンドポイントデバイス上の印刷アプリケーションのGUIを介してジョブ及びジョブのパラメータを選択することに制限され得る。これにより、ネットワークに接続されていないMFDが各会社又は従業員による使用状況を追跡することができ得る。上に記載したように、追跡された使用状況は、ネットワークに接続されていないMFDの所有者がそれぞれの使用状況に基づいて各会社にコストを分担させるために使用し得るレポートに要約することができる。
【0065】
ブロック412で、方法400は、利用可能な機能のうち1つの機能を実行するための要求をモバイルエンドポイントデバイスから受信する。例えば、ユーザは、モバイルエンドポイントデバイス上の印刷アプリケーションのGUIから、所望のパラメータ又はワークフローを含むジョブを選択し得る。選択は、ネットワークに接続されていないMFDに送信され得る。
【0066】
一実施形態では、印刷アプリケーションは、モバイルエンドポイントデバイスのネットワーク接続を介してクラウドストレージサービスプロバイダのアカウントにアクセスし得る。ユーザは、クラウドストレージサービスプロバイダからファイルを取得し、そのファイルをネットワークに接続されていないMFDに提供して上記機能(例えば、選択した電子ファイルの印刷)を実行し得る。
【0067】
ブロック414で、方法400は機能を実行する。例えば、ネットワークに接続されていないMFDは、印刷ジョブ、スキャンジョブ、コピージョブなどの機能を実行し得る。一実施形態では、スキャンジョブによって生成された電子ファイルは、ローカル通信セッションを介して、格納のためにモバイルエンドポイントデバイスに送信され得る。次に、モバイルエンドポイントデバイスは、電子ファイルをモバイルエンドポイントデバイスにローカルに保存し得、又はクラウドストレージサービスプロバイダに関連付けられたアカウントに格納するために電子ファイルを送信し得る。
【0068】
上で考察されているように、異なる会社の異なる従業員の印刷アプリケーションの各GUIは異なり得る。例えば、機能がブロック414で実行された後、従業員は接続を切断し、ネットワークに接続されていないMFDを離れ得る。後で、別の従業員が第2のモバイルエンドポイントデバイスを持ってネットワークに接続されていないMFDに到着し得る。第2の従業員は、以前の従業員の会社とは異なるマルチテナントビルの第2の会社で働き得る。
【0069】
上に記載したように、ネットワークに接続されていないMFDは、第2のモバイルエンドポイントデバイスから第2の接続要求を受信し、第2のモバイルエンドポイントデバイスとの第2の接続を確立し、認証され得る。
【0070】
第2の従業員は、異なる認可された機能又はワークフローを有し得る。ネットワークに接続されていないMFDは、認可された機能及び/又はワークフローを第2のモバイルエンドポイントデバイスに提供又は送信し得る。その結果、第2のモバイルエンドポイントデバイスの印刷アプリケーションのGUIで利用可能な選択又はアイコンは、以前のモバイルエンドポイントデバイスの印刷アプリケーションのGUIで利用可能だった選択又はアイコンとは異なる場合がある。したがって、ネットワークに接続されていないMFDは、たとえネットワークに接続されていないMFDがネットワーク又は遠隔認証サーバに接続されていなくても、異なる加入者/会社/従業員の様々な機能又は特徴へのアクセス及びサブスクリプションを引き続き制御し得る。
【0071】
第2の従業員は次に、GUIから利用可能な機能又はワークフローを選択し得る。選択は、ネットワークに接続されていないMFDに送信され得る。次いで、ネットワークに接続されていないMFDは、選択された機能又はワークフローを実行し得る。プロセスは、ネットワークに接続されていないMFDにアクセスするマルチテナントビル内の異なる会社の異なる従業員ごとに繰り返し得る。ブロック416において、方法400は、終了する。
【0072】
図5は、本明細書で説明された機能の実施専用であるコンピュータのハイレベルブロック図を描写する。図5に描写されているように、コンピュータ500は、1つ以上のハードウェアプロセッサ要素502(例えば、中央処理装置(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、若しくはマルチコアプロセッサ)、メモリ504、例えばランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)及び/若しくは読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)、ネットワークに接続されていないMFDでジョブ要求を実行するためのモジュール505、並びに様々な入力/出力デバイス506(例えば、テープドライブ、フロッピードライブ、ハードディスクドライブ若しくはコンパクトディスクドライブ、受信機、送信機、スピーカ、ディスプレイ、音声合成装置、出力ポート、入力ポート、及びユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウス、マイクなど)を含むが、限定されない記憶デバイス)を備える。プロセッサ要素は1つしか示されていないが、コンピュータには複数のプロセッサ要素が採用され得ることに留意されたい。
【0073】
本開示が、例えば、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)を含むプログラマブルロジックアレイ(programmable logic array、PLA)、若しくはハードウェアデバイス上に展開されたステートマシン、コンピュータ、又は任意の他のハードウェア等価物、例えば、上で考察された方法に付属し、上で開示した方法のステップ、機能、及び/又は動作を実施するようにハードウェアプロセッサを構成するのに使用され得るコンピュータ可読命令を使用して、ソフトウェアにおいてかつ/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装され得ることに留意されたい。一実施形態では、ネットワークに接続されていないMFD上でジョブ要求を実行するための本モジュール又はプロセス505の命令及びデータ(例えば、コンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアプログラム)をメモリ504にロードし、ハードウェアプロセッサ要素502によって実行して上で考察したステップ、機能、又は動作をロードすることができる。また、ハードウェアプロセッサが命令を実行して「動作」を実施する場合、これは、ハードウェアプロセッサが直接動作を実施する、かつ/又は別のハードウェアデバイス若しくは構成要素(例えば、コプロセッサなど)を、動作を実施するように促進する、指示する、又はそれと協働することを含み得る。
【0074】
上記の方法に関係するコンピュータ可読命令又はソフトウェア命令を実行するプロセッサは、プログラムされたプロセッサ又は専門プロセッサとして認識され得る。そのため、本開示のネットワークに接続されていないMFD(関連するデータ構造を含む)上でジョブ要求を実行するための本モジュール505は、有形若しくは物理的(広義には非一時的)コンピュータ可読記憶デバイス又は媒体、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、RAMメモリ、磁気若しくは光学ドライブ、デバイス若しくはディスケットなどに格納することができる。より具体的には、コンピュータ可読記憶デバイスは、プロセッサ、又はコンピュータ若しくはアプリケーションサーバなどのコンピューティングデバイスによってアクセスされるデータ及び/又は命令などの情報を格納する能力を提供する任意の物理的デバイスを備え得る。
【0075】
上記で開示されたものの変形、並びに他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることは、理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5