IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エレコム株式会社の特許一覧

特開2023-13839携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置
<>
  • 特開-携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置 図1
  • 特開-携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置 図2
  • 特開-携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置 図3
  • 特開-携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置 図4
  • 特開-携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置 図5
  • 特開-携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置 図6
  • 特開-携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置 図7
  • 特開-携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013839
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/247 20210101AFI20230119BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20230119BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230119BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20230119BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20230119BHJP
【FI】
H01M50/247
H05K5/02 L
H02J7/00 301Z
H01M50/202 101
H01M50/50 101
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118276
(22)【出願日】2021-07-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】393010318
【氏名又は名称】エレコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】安井 章
(72)【発明者】
【氏名】岡田 義紀
(72)【発明者】
【氏名】山目 悠貴
【テーマコード(参考)】
4E360
5G503
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
4E360AA03
4E360AB02
4E360AB12
4E360AB33
4E360AB34
4E360AB42
4E360BA02
4E360BB22
4E360BC08
4E360BD03
4E360BD05
4E360EA12
4E360EA18
4E360ED02
4E360ED03
4E360FA12
4E360GA29
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC08
4E360GC14
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5G503FA03
5H040AA07
5H040AA32
5H040AS12
5H040AY05
5H040CC13
5H040CC28
5H040CC33
5H040CC38
5H040DD07
5H040DD28
5H040DD29
5H040NN03
5H043AA17
5H043BA11
5H043CA03
5H043FA05
5H043FA06
5H043FA37
5H043JA01F
5H043JA28F
5H043LA21F
(57)【要約】
【課題】水の浸入を防止できる携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置を提供する。
【解決手段】電池を収納する収納空間を有する本体ケース2を備え、本体ケース2の一端部には、電池の出力端子となる電池側端子9が設けられ、電池の電力を受けて作動する電気機器の電気機器側接続部34であって、電池側端子9に電気的に接続可能な機器側端子27が設けられた電気機器側接続部34と接続可能な電池側接続部11を備え、電池側接続部11は、電池側接続部11と電気機器側接続部34との接続状態の抜け止めを構成するための電池側抜け止め部10Nと、電池側接続部11と電気機器側接続部34との接続状態の止水を構成するための電池側止水部20と、を備えている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を収納する収納空間を有する本体ケースを備え、
前記本体ケースの一端部には、前記電池の出力端子となる電池側端子が設けられ、前記電池の電力を受けて作動する電気機器の電気機器側接続部であって、前記電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子が設けられた電気機器側接続部と接続可能な電池側接続部を備え、
前記電池側接続部は、該電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電池側抜け止め部と、該電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の止水を構成するための電池側止水部と、を備えていることを特徴とする携帯型電池装置。
【請求項2】
携帯型電池装置に接続可能に構成され、携帯型電池装置が有する電池の電力を受けて作動する電気機器を備え、
前記電気機器の一端部には、前記携帯型電池装置の電池側接続部に設けられた前記電池の出力端子となる電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子を有する電気機器側接続部であって、前記電池側接続部と接続可能な電気機器側接続部を備え、
前記電気機器側接続部は、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電気機器側抜け止め部と、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の止水を構成するための電気機器側止水部と、を備えていることを特徴とする接続電気機器。
【請求項3】
電池を収納する収納空間を有する本体ケースを備え、
前記本体ケースの一端部には、前記電池の出力端子となる電池側端子が設けられ、前記電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子が設けられた電気機器側接続部と接続可能な電池側接続部を備え、
前記電池側接続部は、該電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電池側抜け止め部と、該電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の止水を構成するための電池側止水部と、を備えている携帯型電池装置と、
携帯型電池装置に接続されて前記電池の電力を受けて作動する電気機器を備え、
前記電気機器の一端部には、前記電気機器側接続部を備え、
前記電気機器側接続部は、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電気機器側抜け止め部と、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の止水を構成するための電気機器側止水部と、を備えている接続電気機器と、
を備えていることを特徴とする携帯電気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電池装置及びそれに接続可能な接続電気機器並びに携帯型電池装置とそれに接続可能な接続電気機器とを備える携帯電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記携帯型電池装置は、二次電池を収納する本体ケースの長手方向一端面において表出され、電気機器に電力を供給するための給電端子と、本体ケースの前記給電端子を設けた面を閉塞すべく本体ケースの一端部に嵌合する本体カバーと、を備えている。そして、前記給電端子に接続されるコネクタ及びコネクタに給電された電力により点灯するLEDを備えたキャップ部を、前記本体カバーに差し込むことによって、懐中電灯として使用することができるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-205371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、本体カバーにキャップ部を単に差し込むだけで、本体カバーとキャップ部とを連結しているため、キャップ部が本体カバーから抜けてしまうことがある。特に、屋外で使用している間にキャップ部が本体カバーから抜けてしまうと、本体カバーから本体ケースの内部にまで水(雨水)が浸入してしまい、携帯型電池装置が使用できなくなることがあり、改善の余地があった。
【0005】
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、水の浸入を防止できる携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯型電池装置は、前述の課題解決のために、電池を収納する収納空間を有する本体ケースを備え、前記本体ケースの一端部には、前記電池の出力端子となる電池側端子が設けられ、前記電池の電力を受けて作動する電気機器の電気機器側接続部であって、前記電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子が設けられた電気機器側接続部と接続可能な電池側接続部を備え、前記電池側接続部は、該電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電池側抜け止め部と、該電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の止水を構成するための電池側止水部と、を備えていることを特徴としている。
【0007】
かかる構成によれば、電池側接続部が電池側抜け止め部を備えているので、電池側接続部と電気機器側接続部とが抜けてしまうことを防止できる。また、電池側接続部が電池側止水部を備えているので、電池側接続部と電気機器側接続部との間から水が浸入することを防止できる。
【0008】
また、本発明の接続電気機器は、携帯型電池装置に接続可能に構成され、携帯型電池装置が有する電池の電力を受けて作動する電気機器を備え、前記電気機器の一端部には、前記携帯型電池装置の電池側接続部に設けられた前記電池の出力端子となる電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子を有する電気機器側接続部であって、前記電池側接続部と接続可能な電気機器側接続部を備え、前記電気機器側接続部は、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電気機器側抜け止め部と、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の止水を構成するための電気機器側止水部と、を備えていることを特徴としている。
【0009】
かかる構成によれば、電気機器側接続部が電気機器側抜け止め部を備えているので、電気機器側接続部と電池側接続部とが抜けてしまうことを防止できる。また、電気機器側接続部が電気機器側止水部を備えているので、電気機器側接続部と電池側接続部との間から水が浸入することを防止できる。
【0010】
また、本発明の携帯電気装置は、電池を収納する収納空間を有する本体ケースを備え、前記本体ケースの一端部には、前記電池の出力端子となる電池側端子が設けられ、前記電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子が設けられた電気機器側接続部と接続可能な電池側接続部を備え、前記電池側接続部は、該電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電池側抜け止め部と、該電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の止水を構成するための電池側止水部と、を備えている携帯型電池装置と、携帯型電池装置に接続されて前記電池の電力を受けて作動する電気機器を備え、前記電気機器の一端部には、前記電気機器側接続部を備え、前記電気機器側接続部は、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電気機器側抜け止め部と、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の止水を構成するための電気機器側止水部と、を備えている接続電気機器と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
かかる構成によれば、携帯型電池装置の電池側接続部が電池側抜け止め部を備えているので、電池側接続部と電気機器側接続部とが抜けてしまうことを防止できる。また、電池側接続部が電池側止水部を備えているので、電池側接続部と電気機器側接続部との間から水が浸入することを防止できる。接続電気機器の電気機器側接続部が電気機器側抜け止め部を備えているので、電気機器側接続部と電池側接続部とが抜けてしまうことを防止できる。また、電気機器側接続部が電気機器側止水部を備えているので、電気機器側接続部と電池側接続部との間から水が浸入することを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電池側接続部が電池側抜け止め部及び電池側止水部を備え、電気機器側接続部が電気機器側抜け止め部及び電気機器側止水部を備えることによって、抜け止めしつつ水の浸入を防止できる携帯型電池装置及び接続電気機器並びに携帯電気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】携帯型電池装置を斜め上方から見た斜視図である。
図2】携帯型電池装置の縦断面図である。
図3】携帯型電池装置の分解斜視図である。
図4】携帯電気装置を斜め上方から見た斜視図である。
図5】携帯電気装置の縦断面図である。
図6図5の携帯電気装置の要部の縦断面図である。
図7】携帯電気装置の分解斜視図である。
図8】接続電気機器を携帯型電池装置に取り付ける直前の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の携帯型電池装置について図1図3に基づいて説明する。この携帯型電池装置は、電気機器が接続されて該電気機器を使用する際に必要となる電力を供給するための直流電源として用いられ、主に屋外で使用される場合が多いが、室内で使用しても構わない。
【0015】
携帯型電池装置1は、図1及び図2に示すように、本体ケース2と、本体ケース2の開口2A(図2参照)を覆う着脱自在なキャップ部3と、を備えている。キャップ部3は、本体ケース2に一端が取り付けられた連結部材4の他端に回転可能に連結されており、本体ケース2からキャップ部3を取り外した時にキャップ部3が紛失することを防止することができるようにしている。前記開口2Aは、後述する第1のUSB端子8及び第2のUSB端子9を挿通支持するために開口した2つの開口2a,2b(図3参照)から構成されている。
【0016】
本体ケース2は、合成樹脂製(木製又は金属製等でもよい)で軸方向に長い有底円筒状に構成され、内部に二次電池5を収納する収納空間2K(図2参照)が形成されている。二次電池5は、図3にも示すように、シリコン樹脂製(エラストマー樹脂や合成ゴム等の弾力性を有する材料で構成される)で多数の孔6Aが形成されたカバー部材6により覆われており、二次電池5へ加わる衝撃力を緩和することにより、二次電池5の破損を防止できる。二次電池5を覆ったカバー部材6の外側が、径方向で分割される2つの保護ケース7,7で更に覆われている。
【0017】
また、図3に示すように、本体ケース2の長手方向(軸方向)一端部には、電池側接続部11を備え、電池側接続部11は、本体ケース2に形成されるフランジ10Fの上面から上方に突出した横側壁部10である。横側壁部10の内部には、二次電池5を充電するための電力を入力するだけでなく、接続電気機器21(図5参照)に二次電池5の電力を出力するための入出力端子である第1のUSB端子8と、接続電気機器21(図5参照)に二次電池5の電力を出力するための出力端子である第2のUSB端子9と、を備えている。前記第1のUSB端子8と第2のUSB端子9とが、電池側端子である。電池側接続部11は、後述する電気機器側接続部34の機器側端子であるUSBコネクタ27(図6参照)と接続可能に構成されている。二次電池5を充電する外部電源としては、ハンディタイプのバッテリや折り畳み式のソーラーパネル等の各種のものを用いることができる。
【0018】
また、本体ケース2は、図1及び図2に示すように、それの長手方向(軸方向)において2つのケース部12,13から構成され、円弧状の底部12Aを有する第1ケース部12と、この第1ケース部12の開口部12B(図3参照)に嵌合して固定される第2ケース部13と、を備えている。第1ケース部12と第2ケース部13との接続部に、該接続部をシールするための円環状で弾性を有するシール材14を備えている。第2ケース部13の第1ケース部12から離間する側の端部に前記横側壁部10が形成されている。前記底部12Aの中心に、ねじ孔12N(図2参照)が形成されており、図示していない例えば三脚の中心部に備えるネジ軸にねじ孔12Nを螺合させることにより、携帯型電池装置1を三脚で起立した状態に姿勢保持することができるようにしてもよい。
【0019】
第2ケース部13には、図1に示すように、二次電池5と前記2つのUSB端子8,9とを電気的に接続する接続状態とし、長押しすることにより電気的に接続しない非接続状態に切り換えるためのスイッチ15と、電源ランプ16と、複数(図では5個)のインジケータ17と、を備えている。したがって、接続電気機器21のUSBコネクタを2つのUSB端子8,9のいずれかに電気的に接続するだけで、二次電池5の充電を開始する、又は接続電気機器21を作動させる(例えば後述の発光ダイオード30を点灯させる)ように構成している。前記接続後において、スイッチ15を所定時間以上長押しすることにより、開始した充電を停止する、又は点灯させた発光ダイオード30を消灯させるようにしている。この時、後述するロータリスイッチ32をON状態にしておく必要がある。また、複数のインジケータ17は、二次電池5の残容量を表示するものであり、点灯される個数が多いほど残容量が多いことになる。
【0020】
キャップ部3は、合成樹脂製(木製や金属製等でもよい)で構成され、図2及び図3に示すように、円形で板状の天部18と、天部18の外周縁から下方に延びる円筒状のスカート部19と、を備えている。天部18の上面に、連結部材4の他端が貫通して係止される係止部18A(図2参照)が突出形成されている。係止部18Aは、連結部材4の他端に形成の孔4Aが貫通する上方に延びる円柱状の軸部18aと、軸部18aの上端に径方向に延びて連結部材4が抜けてしまうことを阻止する軸部18aよりも大径に構成された大径部18bと、を備えている。スカート部19の内面に、後述するネジ部19Nが形成されている。連結部材4の一端には、第2ケース部13に貫通して連結部材4の一端を第2ケース部13に取り付けるための孔4Bが形成されている。
【0021】
横側壁部10の外面には、図2に示すように、キャップ部3のスカート部19に形成の雄型(又は雌型)のネジ部19Nが螺合可能な雌型(又は雄型)の螺合部10Nを備え、キャップ部3のネジ部19Nを横側壁部10の螺合部10Nに螺合した状態において、キャップ部3と横側壁部10との間を止水する止水構造を備えている。
【0022】
止水構造は、断面形状円形で円環状の弾性を有するシール材20から構成され、横側壁部10の外面に形成の環状の溝部10Mに係止されている。したがって、キャップ部3を回転させてキャップ部3のネジ部19Nを横側壁部10の螺合部10N(後述する電池側抜け止め部)に螺合することによって、キャップ部3を横側壁部10から抜けないように横側壁部10に固定できるとともに、キャップ部3と横側壁部10との間をシール材20で確実に止水することができる。
【0023】
次に、本体ケース2に取り外し自在に装着される接続電気機器21について説明する。
【0024】
接続電気機器21は、図8に示すように、電力を受けて作動する電気機器23と、電気機器23の一端部(図8では下端部)に備え、前記電池側接続部11が備える電池側端子である第2のUSB端子9と電気的に接続可能な機器側端子としてのUSBコネクタ27が下方へ突出した状態で備える電気機器側接続部34と、を備えている。この実施形態では、電池側接続部11と電気機器側接続部34とを接続するための円筒状の中継部材22を備えている。尚、携帯型電池装置1と、接続電気機器21と、中継部材22とで、携帯電気装置33(図5参照)を構成している。電気機器側接続部34は、後述する本体部24の下端から下方に突出し、かつ、一回り小さな径を有する側壁部から構成されている。この電気機器側接続部34から下方にUSBコネクタ(機器側端子)27が突出している。また、電気機器側接続部34の横側面に対向して配置される電気機器側抜け止め部としての後述の係止部28と、を備えている。
【0025】
中継部材22は、合成樹脂製(木製や金属製等でもよい)であり、図5及び図6に示すように、本体ケース2の横側壁部10の外面に形成された螺合部(電池側抜け止め部)10Nに螺合(係合)するネジ部(中継用電池側抜け止め部)22Nが内面に形成されるとともに、電気機器23に備える係止部(電気機器側抜け止め部)28が係止する被係止部(中継用電気機器側抜け止め部)22Aが外面に形成されている。被係止部22Aは、中継部材22の上部側の外面に形成された環状の凹部であり、凹部は、下部に上部側ほど径方向内側に位置して後述の係止部28を案内する傾斜面22aと、傾斜面22aの上端から上方へ真っ直ぐ延びる平坦面22bと、平坦面22bの上端から径方向外側に真っ直ぐ延びる水平面22cと、を備えている。
【0026】
電気機器23は、中継部材22を介して本体ケース2の上端に装着される円筒状の本体部24と、本体部24の上端部に止水(シール)された状態で接続され、本体部24の直径よりも大きな直径を有する機器部25と、本体部24の下端から下方に延びるとともに電池側接続部11に接続される電気機器側接続部34と、を備えている。
【0027】
また、中継部材22と本体ケース2との間及び中継部材22と電気機器23との間をそれぞれ止水する止水構造を備えている。具体的には、図5及び図6に示すように、電気機器23の電気機器側接続部34の上端部に形成の環状の溝24Mに断面円形状で環状の弾性を有するシール材(第1シール材)26を備えるとともに、横側壁部10に形成の環状の溝部10Mに断面円形状で環状の弾性を有する前記シール材(第2シール材)20を備えている。したがって、第1シール材26が中継部材22と電気機器23の電気機器側接続部34との間に圧接されることで両者間をシールし、第2シール材20が中継部材22と電池側接続部11との間に圧接されることで両者間をシールする。
【0028】
第1シール材26は、電池側接続部11と電気機器側接続部34との接続状態の止水を構成するための電気機器側接続部34に備える電気機器側止水部である。この第1シール材(電気機器側止水部)26に係合(当接)して止水を構成する中継用電気機器側止水部が中継部材22の内側面22e(図6参照)における上部側の面である。また、第2シール材20は、電気機器側接続部34と電池側接続部11との接続状態の止水を構成するための電池側接続部11に備える電池側止水部である。この第2シール材(電池側止水部)20に係合(当接)して止水を構成する中継用電池側止水部が中継部材22の内側面22eにおける下部側の面である。
【0029】
電気機器側接続部34は、図8に示すように、本体部24の下端から下方に突出した状態で固定され、前記第2のUSB端子9に挿入して電気的に接続可能な機器側端子であるUSBコネクタ27を備えている。また、電気機器側接続部34の下端の外縁の周方向3箇所には、本体ケース2の横側壁部10(電池側接続部11)の上端の周方向3箇所に径方向内側に凹むように形成された平面視略台形状の凹部2Bに入り込んで係止する底面視略台形状の突起24Tを備えている。したがって、横側壁部10(電池側接続部11)の凹部2Bに本体部24の突起24Tが係止することによって、接続電気機器21の回転が阻止されるとともに、接続電気機器21を横側壁部10(電池側接続部11の上端に安定良く載置(装着)することができる。電気機器側接続部34の突起24T(図では3個であるが、1個又は2個あるいは4個以上の任意の数でもよい)と、突起24Tが係止する横側壁部10(電池側接続部11)の凹部2Bとで、電池側端子9と機器側端子27との接続方向回りの回転を阻止する回転阻止機構を構成している。
【0030】
図4図8に示すように、電気機器23の本体部24の外面の周方向1箇所に、径方向外側に突出するように門型の枠部24Aが形成され、その枠部24Aに下端部の水平軸心X回りで回動可能に係止部28が取り付けられている。この係止部28は、電気機器23を本体ケース2に装着した状態において中継部材22の被係止部22Aに係止することによって、携帯型電池装置1の電池側接続部11から接続電気機器21の電気機器側接続部34が抜けてしまうことが中継部材22を介して防止される。これにより、電気機器23が本体ケース2から抜け落ちて破損してしまうことを防止できる。
【0031】
係止部28は、合成樹脂製(木製又は金属製等でもよい)であり、図4図8に示すように、縦長状に構成され、上側部28Aと下側部28Bとを備えている。上側部28Aは、前記枠部24A内に入り込む縦長の長方形状に構成されている。下側部28Bは、上側部28Aよりも径方向内側に位置するように内側に折れ曲がる折れ曲がり部28Cを介して下方に真っ直ぐ延びるように形成され、下端部の内面に径方向内側に突出する爪部29が形成されている。
【0032】
爪部29は、図6に示すように、下部に上方に向かうほど径方向内側に位置する傾斜面29Aと、傾斜面29aの上端から上方へ真っ直ぐ延びる垂直面29bと、垂直面29bの上端から径方向外側に延びる水平面29cと、を備えている。この水平面29cが被係止部22Aの水平面22cに当接することにより電気機器23が本体ケース2から外れる方向(上方)への移動が防止される。また、上側部28Aの径方向内側面に、本体部24の外面に当接して上側部28Aを本体部24から離間する側へ移動付勢する付勢部としての舌片28aが一体形成されている。
【0033】
舌片28aは、上側部28Aの径方向内側面の上下方向略中央部から上方に向かうほど径方向内側に位置するように緩やかに湾曲した形状に構成され、図5において係止部28を水平軸心X(図5参照)回りで反時計回りに揺動付勢している。この揺動付勢力により、中継部材22の被係止部22Aに係止部28の爪部29を係止した状態を維持できるようにしている。前記係止を解除する場合には、係止部28の上部を径方向内側に押し込むことによって、爪部29が水平軸心X回りで径方向外側に揺動して係止が解除される。
【0034】
機器部25には、図5に示すように、複数の発光ダイオード30が固定された基板31を備え、この基板31とUSBコネクタ27とが配線(図示せず)により接続されている。したがって、USBコネクタ27を第2のUSB端子9に接続して接続電気機器21を携帯型電池装置1に中継部材22を介して装着することによって、前記接続電気機器21に備えるロータリスイッチ32(図4参照)がONになっていれば、複数の発光ダイオード30が点灯して、携帯電気装置の一例である照明として利用することができるように構成されている。発光ダイオード30を消灯させる場合には、ロータリスイッチ32(図4参照)を回転させてOFFにする、又はスイッチ15を長押しすることになる。この実施形態では、携帯型電池装置1に接続電気機器21を装着して照明(携帯電気装置)を構成しているが、フラッシュやファン等を取り付けてフラッシュ装置や扇風機等の携帯電気装置を構成してもよい。
【0035】
図4に示す携帯電気装置33を構成する場合には、図8の状態から、まず、中継部材22を本体ケース2の上端部の横側壁部10の螺合部10Nに螺合することによって、第2シール材20で中継部材22の内側と横側壁部10の外側との間をシールすることができる。続いて、電気機器23のUSBコネクタ27を携帯型電池装置1の第2のUSB端子9に接続する。この時、接続電気機器21の電気機器側接続部34が中継部材22の内側に入り込んで第1シール材26で電気機器側接続部34の外側と中継部材22の内側との間をシールすることができる。これと同時に、接続電気機器21の係止部28が中継部材22の被係止部22Aに係止する側に押し付けられることによって、接続電気機器21が携帯型電池装置1から外れることが中継部材22を介して防止されるとともに、第1シール材26及び第2シール材20により止水される。
【0036】
したがって、電池側接続部11と電気機器側接続部34とが中継部材22を介して接続されると、電池側抜け止め部10Nに中継用電池側抜け止め部22Nが係合し、電池側接続部11と中継部材22とが抜けてしまうことを防止できる。また、電気機器側抜け止め部28が中継用電気機器側抜け止め部22Aに係合することによって、接続電気機器21が携帯型電池装置1から抜けてしまうことを中継部材22により防止できる。つまり、電池側接続部11と電気機器側接続部34とが抜けてしまうことを中継部材22により防止できる。また、電気機器側止水部26が中継用電池側止水部(中継部材22の内側面22eの上部側の面)に係合(当接)することによって、電池側接続部11と中継部材22との間から水が浸入することを防止できる。また、電池側止水部20が中継用電気機器側止水部(中継部材22の内側面22eの下部側の面)に係合(当接)することによって、電気機器側接続部34と中継部材22との間から水が浸入することを防止できる。つまり、電池側接続部11と電気機器側接続部34との間から水が浸入することを中継部材22により防止できる。この実施形態では、止水部によって水の浸入は勿論のこと、ゴミや塵の侵入を防ぐこともできる。
【0037】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0038】
前記実施形態では、電気機器23に備えるUSBコネクタ27を電気機器23に対して固定した状態にしたが、USBコネクタ27を伸縮自在な配線等により接続してUSBコネクタ27が自由に移動できるように構成してもよい。このように構成すれば、USBコネクタ27を本体ケース2の第2のUSB端子9に接続した状態で電気機器23を回転させても、USBコネクタ27が回転することがなく、第2のUSB端子9の破損を防止できる。したがって、中継部材22を省略し、電気機器23を本体ケース2に装着した状態で電気機器23と本体ケース2とを止水及び抜け止めするための止水構造及び抜け止め構造を備えさせて実施することになる。
【0039】
また、前記実施形態では、電気機器23にロータリスイッチ32を設けたが、押しボタン式のスイッチであってもよい。また、電気機器23のロータリスイッチ32を省略して、本体ケース2側のスイッチのON/OFFで電気機器23を作動及び非作動に切り換えるようにしてもよい。
【0040】
また、前記実施形態では、1個の二次電池5を設けた携帯型電池装置を構成したが、2個以上の任意の個数の二次電池を備えた携帯型電池装置であってもよい。この場合、2個以上の二次電池を収納する本体ケース2の形状や大きさが変更になる。
【0041】
また、前記実施形態では、二次電池を充電するための電力を受けるための入力端子(受電端子)を設けたが、入力端子を省略してもよい。この場合、充電できない電池を本体ケースに対して着脱可能に構成し、残量が無くなった又は少なくなった電池を本体ケースから取り出して新しい電池を本体ケースに取り付けることになる。
【符号の説明】
【0042】
1…携帯型電池装置、2…本体ケース、2A…開口、2B…凹部、2K…収納空間、2a,2b…開口、3…キャップ部、4…連結部材、4A,4B…孔、5…二次電池、6…カバー部材、6A…孔、7…保護ケース、8…第1のUSB端子、9…第2のUSB端子(電池側端子)、10…横側壁部、10F…フランジ、10M…溝部、10N…螺合部(電池側抜け止め部)、11…電池側接続部、12…第1ケース部、13…第2ケース部、12A…底部、12B…開口部、12N…ねじ穴、14…シール材、15…スイッチ、16…電源ランプ、17…インジケータ、18…天部、18A…係止部、18a…軸部、18b…大径部、19…スカート部、19N…ネジ部、20…シール材(第2シール材、電池側止水部)、21…接続電気機器、22…中継部材、22e…内側面、22A…被係止部(中継用電気機器側抜け止め部)、22N…ネジ部(中継用電池側抜け止め部)、22a…傾斜面、22b…平坦面、22c…水平面、23…電気機器、24…本体部、24A…枠部、24M…溝、24T…突起、25…機器部、26…シール材(第1シール材、電気機器側止水部)、27…USBコネクタ(機器側端子)、28…係止部(電気機器側抜け止め部)、28A…上側部、28B…下側部、28C…折れ曲がり部、28a…舌片、29…爪部、29A…傾斜面、29a…傾斜面、29b…垂直面、29c…水平面、30…発光ダイオード、31…基板、32…ロータリスイッチ、33…携帯電気装置、34…電気機器側接続部、X…水平軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-11-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を収納する収納空間を有する本体ケースを備え、
前記本体ケースの一端部には、前記電池の出力端子となる電池側端子が設けられ、前記電池の電力を受けて作動する電気機器の電気機器側接続部であって、前記電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子が設けられた電気機器側接続部と接続可能な電池側接続部を備え、
前記電池側接続部は、外面と上端とを備える横側壁部を備え、
前記横側壁部の外面に、前記電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電池側抜け止め部と、前記電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の止水を構成するための電池側止水部と、を備え
前記横側壁部の上端に、前記機器側端子が上方から接続される前記電池側端子を備えていることを特徴とする携帯型電池装置。
【請求項2】
前記電池側接続部と前記電気機器側接続部とが、中継部材を介して接続され、前記電池側接続部を前記中継部材に内嵌することで前記電池側抜け止め部による抜け止めと前記電池側止水部による止水とが構成されることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電池装置。
【請求項3】
携帯型電池装置に接続可能に構成され、携帯型電池装置が有する電池の電力を受けて作動する電気機器を備え、
前記電気機器の一端部には、前記携帯型電池装置の電池側接続部に設けられた前記電池の出力端子となる電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子を有する電気機器側接続部であって、中継部材を介して前記電池側接続部と接続可能な電気機器側接続部を備え、
前記電気機器側接続部は、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電気機器側抜け止め部と、前記電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の止水を構成するための電気機器側止水部と、を備え
前記中継部材に前記電気機器側接続部を内嵌することで、前記電気機器側抜け止め部による抜け止めと、前記電気機器側止水部による止水とが構成されることを特徴とする接続電気機器。
【請求項4】
電池を収納する収納空間を有する本体ケースを備え、
前記本体ケースの一端部には、前記電池の出力端子となる電池側端子が設けられ、前記電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子が設けられた電気機器側接続部と接続可能な電池側接続部を備え、
前記電池側接続部は、外面と上端とを備える横側壁部を備え、
前記横側壁部の外面に、前記電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電池側抜け止め部と、前記電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の止水を構成するための電池側止水部と、を備え
前記横側壁部の上端に、前記機器側端子が上方から接続される前記電池側端子を備えている携帯型電池装置と、
携帯型電池装置に接続されて前記電池の電力を受けて作動する電気機器を備え、
前記電気機器の一端部には、前記電気機器側接続部を備え、
前記電気機器側接続部は、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電気機器側抜け止め部と、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の止水を構成するための電気機器側止水部と、を備えている接続電気機器と、
を備えていることを特徴とする携帯電気装置。
【請求項5】
前記電池側接続部と前記電気機器側接続部とを接続する中継部材を備え、前記電池側接続部を前記中継部材に内嵌することで、前記電池側抜け止め部による抜け止めと、前記電池側止水部による止水とが構成されることを特徴とする請求項4に記載の携帯電気装置。
【請求項6】
電池を収納する収納空間を有する本体ケースを備え、
前記本体ケースの一端部には、前記電池の出力端子となる電池側端子が設けられ、前記電池側端子に電気的に接続可能な機器側端子が設けられた電気機器側接続部と接続可能な電池側接続部を備え、
前記電池側接続部は、該電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電池側抜け止め部と、前記電池側接続部と前記電気機器側接続部との接続状態の止水を構成するための電池側止水部と、を備えている携帯型電池装置と、
携帯型電池装置に接続されて前記電池の電力を受けて作動する電気機器を備え、
前記電気機器の一端部には、前記電気機器側接続部を備え、
前記電気機器側接続部は、該電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の抜け止めを構成するための電気機器側抜け止め部と、前記電気機器側接続部と前記電池側接続部との接続状態の止水を構成するための電気機器側止水部と、を備えている接続電気機器と、
前記携帯型電池装置の電池側接続部と前記接続電気機器の電気機器側接続部とを接続するための中継部材と、を備えていることを特徴とする携帯電気装置。
【請求項7】
前記電池側接続部は、前記中継部材に内嵌することで前記電池側抜け止め部による抜け止めと前記電池側止水部による止水とを形成し、前記電気機器側接続部は、前記中継部材に内嵌することで電気機器側抜け止め部による抜け止めと前記電気機器側止水部による止水とを形成することを特徴とする請求項6に記載の携帯電気装置。