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特開2023-138423データ収集装置及びセンサの姿勢を決定するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138423
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】データ収集装置及びセンサの姿勢を決定するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20230922BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20230922BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20230922BHJP
【FI】
G01C21/28
G08G1/00 A
G01S17/89
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038156
(22)【出願日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】202210266621.9
(32)【優先日】2022-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】計平元
(72)【発明者】
【氏名】呉君
(72)【発明者】
【氏名】何小康
(72)【発明者】
【氏名】王亜甲
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5J084
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA11
2F129BB02
2F129BB15
2F129BB33
2F129BB45
2F129GG17
2F129GG18
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF05
5H181FF07
5H181FF10
5J084AA04
5J084AB16
5J084AC02
5J084AC04
5J084BA03
5J084CA65
5J084EA19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本開示は、データ収集装置及びセンサの姿勢を決定するための方法に関する。
【解決手段】本願にて提供されるデータ収集装置は、取付部材110と、取付部材110に固定されるセンサ120と、を含み、センサ120は地面に対して所定の姿勢で配向され、交通機関が地面上を移動するときに走査周波数でデータ収集装置100の周囲環境を走査して点群データフレーム系列を取得するように構成され、姿勢により、センサ120の有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部材と、
前記取付部材に固定されるセンサと、を含む交通機関に取り付けられたデータ収集装置であって、
前記センサは前記交通機関が地面上を移動するときに走査周波数で前記データ収集装置の周囲環境を走査して点群データフレーム系列を取得するように構成され、
前記センサが地面に対して所定の姿勢で配向されることで、前記センサの有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった前記点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものである、交通機関に取り付けられたデータ収集装置。
【請求項2】
前記姿勢は前記交通機関の所定の最大速度、並びに前記センサの有効視野角及び走査周波数に基づいて決定されるものである、請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項3】
前記姿勢は前記センサの取付高さ及び前記センサの取付傾斜角を含む、請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項4】
前記交通機関は車両であり、前記取付高さは前記センサの地面に対する高さであり、前記取付傾斜角は前記センサの鉛直方向に対する角度である、請求項3に記載のデータ収集装置。
【請求項5】
前記センサは回転レーザレーダであり、前記有効視野角は前記回転レーザレーダの中央高密度領域に対応する、請求項1~4のいずれか一項に記載のデータ収集装置。
【請求項6】
前記センサは第1のセンサであり、前記データ収集装置はさらに、
前記交通機関の前方の点群データを取得するように構成される第2のセンサと、
前記第2のセンサによって取得された点群データに基づいて前記交通機関の地理的位置を決定するように構成される処理ユニットと、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のデータ収集装置。
【請求項7】
前記第2のセンサによって取得された点群データに基づいて前記交通機関の地理的位置を決定することは、
第1のタイミングにおける前記交通機関の第1の地理的位置を決定するステップと、
前記第1のタイミングで前記第2のセンサによって取得された交通機関の前方の第1の点群データを決定するステップと、
第2のタイミングで前記第1のセンサによって取得された前記交通機関の周囲の第2の点群データを決定するステップと、
前記第1の点群データと前記第2の点群データとを位置合わせすることにより、前記第1の地理的位置に基づいて前記第2のタイミングにおける前記交通機関の第2の地理的位置を決定するステップと、を含む、請求項6に記載のデータ収集装置。
【請求項8】
第1のタイミングにおける前記交通機関の第1の地理的位置を決定するステップは、
測位センサが前記第1のタイミングで取得した地理的位置に基づいて前記第1の地理的位置を決定することを含む、請求項7に記載のデータ収集装置。
【請求項9】
交通機関に取り付けられたセンサの姿勢を決定するための方法において、前記センサが前記交通機関に取り付けられた取付部材に固定され、
前記センサの有効視野角及び走査周波数を決定するステップと、
前記交通機関の所定の最大速度、並びに前記センサの有効視野角及び走査周波数に基づいて、前記姿勢を決定するステップと、を含む方法であって、
前記センサは前記交通機関が地面上を移動するときに走査周波数で前記データ収集装置の周囲環境を走査して点群データフレーム系列を取得するように構成され、
前記センサが地面に対して前記姿勢で配向されることで、前記センサの有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった前記点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものである、交通機関に取り付けられたセンサの姿勢を決定するための方法。
【請求項10】
前記姿勢は前記センサの取付高さ及び前記センサの取付傾斜角を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記交通機関は車両であり、前記取付高さは前記センサの地面に対する高さであり、前記取付傾斜角は前記センサの鉛直方向に対する角度である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記センサは回転レーザレーダであり、前記有効視野角は前記回転レーザレーダの中央高密度領域に対応する、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
筐体と、
前記筐体に固定され、傾斜表面を有するスタンドと、
前記筐体内に取り付けられた長距離レーザレーダと、
前記傾斜表面に取り付けられた回転レーザレーダと、を含むデータ収集装置であって、
前記傾斜表面の傾斜度により、前記データ収集装置が移動するときに、回転レーザレーダの有効視野角のカバー範囲がわたった回転レーザレーダにより収集された点群データフレーム系列における隣接するフレームが連続しているものである、データ収集装置。
【請求項14】
前記筐体の前記側板に取り付けられた第1の画像収集機器と、
前記側板に対向する他方の側板に取り付けられた第2の画像収集機器と、をさらに含み、
前記側板は前記第2の画像収集機器の下方に位置する開口を含み、前記長距離レーザレーダは前記開口に近接して取り付けられる、請求項13に記載のデータ収集装置。
【請求項15】
車両と、車両に取り付けられた、請求項1~4及び請求項13~14のいずれか一項に記載のデータ収集装置と、を含む、車両システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はスマート交通の分野に関し、特にデータ収集技術に関し、具体的にはデータ収集装置及びセンサの姿勢を決定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境情報の収集には、様々なセンサ(イメージセンサ、測位センサなど)が取り付けられたデータ収集装置を用いることができる。データ収集装置が交通機関に取り付けられるときに、データ収集装置により交通機関の移動経路の周囲の環境情報を収集することで、対応する地図情報を生成することができる。
【0003】
この部分で説明される方法は、必ずしも以前に想定又は採用された方法ではない。別段の指示がない限り、この部分で説明される方法は、この部分に含まれているだけで先行技術として考えられると仮定すべきではない。同様に、別段の指示がない限り、この部分で言及される問題は、いかなる先行技術において公知のものとして考えられるべきではない。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様によれば、取付部材と、前記取付部材に固定されるセンサと、を含む交通機関に取り付けられたデータ収集装置であって、前記センサは前記交通機関が地面上を移動するときに走査周波数で前記データ収集装置の周囲環境を走査して点群データフレーム系列を取得するように構成され、前記センサが地面に対して所定の姿勢で配向されることで、前記センサの有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった前記点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものである、通機関に取り付けられたデータ収集装置が提供される。
【0005】
本開示の別の態様によれば、交通機関に取り付けられたセンサの姿勢を決定するための方法において、前記センサが前記交通機関に取り付けられた取付部材に固定され、前記センサの有効視野角及び走査周波数を決定するステップと、前記交通機関の所定の最大速度、並びに前記センサの有効視野角及び走査周波数に基づいて、前記姿勢を決定するステップと、を含む方法であって、前記センサは前記交通機関が地面上を移動するときに走査周波数で前記データ収集装置の周囲環境を走査して点群データフレーム系列を取得するように構成され、前記センサが地面に対して前記姿勢で配向されることで、前記センサの有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった前記点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものである、交通機関に取り付けられたセンサの姿勢を決定するための方法が提供される。
【0006】
本開示の別の態様によれば、筐体と、前記筐体に固定され、傾斜表面を有するスタンドと、前記筐体内に取り付けられた長距離レーザレーダと、前記傾斜表面に取り付けられた回転レーザレーダと、を含むデータ収集装置であって、前記傾斜表面の傾斜度により、前記データ収集装置が移動するときに、回転レーザレーダの有効視野角のカバー範囲がわたった回転レーザレーダにより収集された点群データフレーム系列における隣接するフレームが連続しているものである、データ収集装置が提供される。
【0007】
本開示の別の態様によれば、車両と、車両に取り付けられた、本開示に記載されるようなデータ収集装置と、を含む車両システムが提供される。
【0008】
本開示の1つ又は複数の実施例によれば、センサの所定の姿勢を配置することで、センサの有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものであり、データ収集装置が交通機関と共に移動するときに、センサが交通機関の周囲の環境情報を完全に収集でき、データ収集における欠落又はエラーの発生を回避することを可能にする。
【0009】
この部分に記載されている内容は、本開示の実施例の肝心な、又は重要な特徴を特定することを意図しておらず、本開示の範囲を限定するものでもないことを理解すべきである。本開示の他の特徴は、以下の明細書を通じて容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は実施例を例示的に示し、明細書の一部として構成されるものであり、明細書の文字記載と共に実施例の例示的な実施形態を説明するために用いられる。示される実施例は、例示するためのものに過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。全ての図面において、同一の符号は、必ずしも同一ではないが類似の要素を指す。
【0011】
図1】例示的な実施例によるデータ収集装置のブロック図を示す。
図2】本開示の実施例による交通機関に取り付けられたセンサの姿勢を決定するための方法の例示的なフローチャートを示す。
図3】本開示の実施例による交通機関に取り付けられたセンサの動作原理の概略図を示す。
図4】本開示の実施例によるデータ収集装置の構造の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示の例示的な実施例について説明し、理解を容易にするためにその中には本開示の実施例の様々な詳細事項が含まれており、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができることを理解すべきである。同様に、わかりやすく且つ簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能及び構造についての説明は省略する。
【0013】
本開示において、特に断らない限り、「第1」、「第2」などの用語を用いて各種の要素を説明することは、これらの要素の位置関係、時系列関係又は重要性関係を定義することを意図するものではなく、このような用語は単に1つの要素を他の要素と区別するために用いられるものである。いくつかの例において、第1の要素及び第2の要素は、その要素の同じ例を指してもよく、何らかの場合に、文脈の記載に基づいて異なる例を指してもよい。
【0014】
本開示における様々な前記例の説明において使用される用語は、特定の例を説明するという目的のためだけのものであり、限定することを意図するものではない。文脈から明らかに示さない限り、特に要素の数を限定しなければ、その要素は1つでも複数でもよい。さらに、本開示で使用される用語の「及び/又は」は、列挙された項目のうちいずれか1つ及び全ての可能な組み合わせを包含する。
【0015】
交通機関に取り付けられた従来のデータ収集装置には様々なセンサの組み合わせを用いて実現されるものが多いが、データ収集装置のセンサは取付の集積度が高くなく、生産における一致性を保証することが難いとともに、取り付けにくい。また、データ収集装置はレーザレーダ(LIDAR)によって環境情報を収集することができる。レーザレーダが取り付けられた交通機関が車両の場合は、LIDARを水平に取り付けると、路面、又は街灯、道路標識など位置が高いマーカーを収集しにくくなる。位置が高い街灯、道路標識などのマーカーの情報収集を同時に考慮するためにLIDARを傾斜して取り付けると、車速が速いときにLIDARにより収集された地面点群が不均一になり、又は高所の道路標識の収集が不完全になる。
【0016】
上記課題を解決するために、本開示は新たなデータ収集装置を提供する。以下、本開示の原理について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は例示的な実施例によるデータ収集装置のブロック図を示す。
【0018】
図1に示すように、データ収集装置100は取付部材110と、取付部材110に固定されたセンサ120と、を含む。データ収集装置100が交通機関(例えば乗用車、トラック、飛行機など)に取り付けられるときに、センサ120は地面に対して所定の姿勢で配向され、また、センサ120は、交通機関が地面上を移動するときに、走査周波数でデータ収集装置100の周囲環境を走査して点群データフレーム系列を取得するように構成される。センサ120の姿勢により、センサ120の有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものである。
【0019】
前述したように、LIDARを傾斜して取り付けた場合に、交通機関の速度が速すぎると、LIDARにより収集された環境情報のデータが不完全になる。本開示にて提供される方法により、センサを所定の姿勢に構成することで、交通機関の移動中に周囲環境の連続的な情報を常に取得できるようにすることができる。
【0020】
いくつかの実施例では、センサ120の所定の姿勢はセンサの取付高さ及びセンサの取付傾斜角の少なくとも一方を含んでもよい。ここで、交通機関が車両の場合に、上記取付高さは地面に対するセンサ120の高さであってもよい。上記取付傾斜角は鉛直方向に対するセンサの角度であってもよい。例えば、センサが交通機関に取り付けられた取付部材に固定されたときに、上記高さは取付部材110の交通機関における第1の取付高さと、センサ120の取付部材110における第2の取付高さとの和であってもよい。ここで、第1の取付高さと第2の取付高さは一定であってもよく、可変的であってもよい。上記取付傾斜角はセンサ110の取付平面の延在方向と鉛直方向とのなす角であってもよい。
【0021】
いくつかの実施例では、センサ120の所定の姿勢は交通機関の所定の最大速度、並びにセンサ120の有効視野角及び走査周波数に基づいて決定されてもよい。ここで、交通機関が所定の最大速度で走行しているときに、センサの姿勢により、センサの有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものである。このように、交通機関が所定の最大速度より遅い速度で走行しているときに、走行速度がより遅いため、センサによって収集された周囲環境のデータの重複度がより高く、それにより周囲環境情報を完全に収集できない結果をもたらすことがない。交通機関の所定の最大速度、並びにセンサ120の有効視野角及び走査周波数に基づいて所定の姿勢を決定する具体的なプロセスについては、図2を参照して後述するので、ここでは説明を省略する。
【0022】
センサ120はレーザレーダ(例えば回転レーザレーダ)であってもよく、その水平視野角は360度であってもよく、垂直視野角は20度超、120度未満の任意の値、又は30度超、90度未満の任意の値であってもよく、例えば、その垂直視野角は40度であってもよい。
【0023】
レーザレーダは、垂直視野角の範囲において、放射したビームの視野の中央領域における解像度が比較的高いため、レーザレーダの当該高解像度の部分は中央高密度領域と呼ばれてもよく、それ相応に、レーザレーダが視野のエッジ領域において放射したビームの解像度が比較的低いため、レーザレーダの当該低解像度の部分は低密度領域と呼ばれてもよい。低密度領域におけるビームの解像度が比較的低く、それに対応する点群データの情報が少ないため、いくつかの例では、レーザレーダの有効視野角は低密度領域を含まず中央高密度領域のみを含むと考えられる。この場合に、センサ120の有効視野角はレーザレーダの中央高密度領域を意味してもよい。
【0024】
いくつかの実施例では、レーザレーダの中央高密度領域と低密度領域を所定の解像度で区別してもよい。垂直視野角の範囲において、解像度が当該所定の解像度より大きい領域又は視野は中央高密度領域であり、その他の部分は低密度領域であり、当該所定の解像度は、例えば所定の度数(例えば、1度)又は最大解像度の所定の分数(例えば、最大解像度の半分)であってもよい。いくつかの実施例では、センサ120は第1のセンサであってもよい。この場合に、データ収集装置100はより多くの他のセンサをさらに含んでもよい。ここで、他のセンサはセンサ120と同じタイプのセンサであってもよいし、センサ120と異なるタイプのセンサであってもよい。
【0025】
いくつかの実現形態では、データ収集装置100は第2のセンサ及び第3のセンサをさらに含んでもよい。ここで、第2のセンサはイメージセンサであってもよく、交通機関の周囲の環境画像を収集するように構成されてもよく、第3のセンサは測位センサであってもよく、交通機関の地理的位置を取得するように構成されてもよい。ここでは、イメージセンサ及び測位センサの具体的な形態が限定されない。例えば、イメージセンサは電荷結合素子(CCD)イメージセンサ、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)センサなどであってもよい。測位センサは全地球測位システム(GPS)センサ、全地球航法衛星システム(GNSS)センサなどであってよい。
【0026】
いくつかの実現形態では、データ収集装置100は第4のセンサをさらに含んでもよい。第4のセンサは交通機関の前方の点群データを取得するように構成されてもよい。第4のセンサは、例えばフォワード長距離レーザレーダのようなレーザレーダであってもよい。第4のセンサの最大検知距離は第1のセンサの最大検知距離より大きくてもよい。第4のセンサの水平視野角及び垂直視野角はそれぞれ第1のセンサの水平視野角及び垂直視野角より小さい。第4のセンサの水平視野角は10度超、30度未満の任意の値、又は10度超、20度未満の任意の値であってもよく、垂直視野角は10度超、30度未満の任意の値、又は10度超、20度未満の任意の値であってもよい。
【0027】
データ収集装置100は、第4のセンサによって取得された点群データに基づいて交通機関の地理的位置を決定するように構成されてもよい処理ユニットをさらに含んでもよい。いくつかの例では、処理ユニットはデータ収集装置100と集積されたローカル処理ユニットであってもよい。別の例では、処理ユニットはデータ収集装置100に対する遠隔処理ユニットであってもよい。データ収集装置100は、第4のセンサによって取得された点群データを処理ユニットに送信し、処理ユニットから対応する処理結果を受信するためのデータ通信部材をさらに含んでもよい。
【0028】
ここで、第4のセンサによって取得された点群データに基づいて交通機関の地理的位置を決定することは、第1のタイミングにおける交通機関の第1の地理的位置を決定するステップと、第1のタイミングで前記第4のセンサによって取得された交通機関の前方の第1の点群データを決定するステップと、第2のタイミングで第1のセンサによって取得された交通機関の周囲の第2の点群データを決定するステップと、第1の点群データと第2の点群データとを位置合わせすることにより、第1の地理的位置に基づいて第2のタイミングにおける前記交通機関の第2の地理的位置を決定するステップと、によって実現されてもよい。
【0029】
ここで、第1のタイミングでデータ収集装置における測位センサ(例えば前記第3のセンサ)によって取得された地理的位置により交通機関の第1の地理的位置を決定してもよい。交通機関が広い地域に位置するときに、測位センサは良好な測位信号を受信することができ、それにより第1の地理的位置をより正確に決定することができる。
【0030】
しかしながら、交通機関が測位信号の比較的弱い場所(例えば、トンネル)まで走行すると、測位センサによって取得された測位信号により交通機関の地理的位置を決定し続けることは困難となる可能性がある場合がある。したがって、本開示にて提供される方法では、交通機関の前方の環境情報を表す点群データを取得するための第4のセンサを設けることにより、交通機関の測位を支援することができる。
【0031】
前述したように、第1のタイミングにおける測位信号が良好な場合に、測位信号により交通機関の正確な第1の地理的位置を決定することができる。また、第1のタイミングでは、第4のセンサにより交通機関の前方の第1の点群データを取得することで、第1の地理的位置の前方の所定距離以内に位置する環境情報を取得することができる。次に、交通機関は前方に走行し続け、走行中に第1のセンサにより交通機関の周囲の点群データを絶えず取得する。第1のセンサによって取得された点群データと、第1のタイミングで第4のセンサによって取得された第1の点群データとの位置合わせを用いることができる。第2のタイミングで第1のセンサによって取得された第2の点群データと第1のタイミングで第4のセンサによって取得された第1の点群データとの位置合わせが成功すると、交通機関は第2のタイミングで、第1のタイミングで第4のセンサによって取得された点群に関連し、且つ第1の地理的位置から第1の距離を離れた第2の地理的位置まで到達すると考えられる。第4のセンサによって取得された第1の点群データにより、第2の地理的位置における環境オブジェクト(例えば道路標識など)の第1の地理的位置に対する方位及び距離を決定することができる。これにより、第1の地理的位置及び第1の距離に基づいて第2のタイミングにおける交通機関の第2の地理的位置を決定することができる。このような方式により、第2のタイミングでデータ収集装置が良好な測位信号を取得できなくても、第2の地理的位置を比較的正確に決定することができる。
【0032】
図2は本開示の実施例による交通機関に取り付けられたセンサの姿勢を決定するための方法の例示的なフローチャートを示す。
【0033】
図2に示すように、ステップS202において、センサの有効視野角及び走査周波数を決定する。ここで、センサは回転レーザレーダであってもよい。センサの有効視野角は回転レーザレーダの中央高密度領域であってもよい。レーザレーダは所定の走査周波数で交通機関の周囲の環境情報の点群データを収集することができる。
【0034】
ステップS204において、交通機関の所定の最大速度、並びにセンサの有効視野角及び走査周波数に基づいてセンサの姿勢を決定する。
【0035】
ここで、センサは地面に対して確定した姿勢で配向され、交通機関が地面上を移動するときに走査周波数でデータ収集装置の周囲環境を走査して点群データフレーム系列を取得するように構成され、当該姿勢により、センサの有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものである。
【0036】
図3は本開示の実施例による交通機関に取り付けられたセンサの動作原理の概略図を示す。
【0037】
図3に示すように、センサ310(例えば回転レーザレーダ)は交通機関(例えば車両)に取り付けられ、ここで、交通機関が移動する地面に対するセンサ310の取付高さはhとし、線320及び線330はセンサ310の有効視野角の領域を画定する。ここで、線320と鉛直方向とのなす角はθ1であり、線330と鉛直方向とのなす角はθ2である。また、センサ310の有効視野角はセンサ310の軸線350に対して上下対称であると仮定する。図3に示すように、センサの有効視野角の地面での投影距離はLとする。幾何学的関係に基づいて以下を得る。
L=h×(tanθ1-tanθ2) (1)
【0038】
時間tが経ると、センサ310は交通機関の前進につれて図3に示す点線の箇所まで移動する。センサの有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものであるように、時間tが点群データフレーム系列における隣接するフレーム間の時間的収集間隔Δtに等しい場合に、交通機関の前進距離はL以下とすべきである。センサの走査周波数に基づいてΔtを決定することができる。したがって、交通機関が走行する最大速度は以下のように決定することができる。
max=L/△t= (h×(tanθ1-tanθ2))/△t (2)
【0039】
ここで、センサの取付傾斜角はセンサの鉛直方向に対する角度、すなわち、センサの有効視野角の中心方向の鉛直方向に対する角度であってもよい。したがって、センサの取付傾斜角は以下のように決定することができる。
α=(θ1+θ2)/2 (3)
【0040】
これにより、交通機関の最大速度が所定の最大速度Vmaxの場合に、式(2)、(3)に基づいて、センサの取付高さと取付傾斜角との関係を決定することができる。さらに、センサの取付高さ及び取付傾斜角のうちの一方のパラメータが決定された場合に、他方のパラメータの具体的な数値を決定することができる。例えば、センサの取付高さが車両の屋根の場合を例にとると、センサの取付高さが調整できない場合に、車両の屋根と地面との高さの差が一定であるため、センサが車両の屋根に取り付けられたときの地面との間の取付高さHを決定することができる。さらに、車両が走行すると見通す区間の制限速度情報に基づいて車両の所定の最大速度Vmaxを決定することができる。取付高さH、車両の所定の最大速度、並びにセンサの有効視野角及び走査周波数が分かっている場合に、センサの適切な取付傾斜角αを決定することができる。また例えば、上述した方法と同様に、センサの取付部材によって提供可能な取付傾斜角αが分かっている場合にも、センサの適切な取付高さHを決定することができる。このような方式により、車両は、センサによって収集された周囲環境情報のデータの欠落を引き起こすことなく、所定の最大速度で走行することができる。
【0041】
センサが取付高さH、取付傾斜角αの姿勢で車両に取り付けられたときに、上記式(2)、(3)に基づいて車両の最大走行速度を決定することができる。さらに、車両の現在の走行速度が式(2)、(3)に基づいて決定された最大走行速度より速いことが検出されたときに、ユーザに提示情報を送信することで、車両が周囲環境情報を完全に収集できる最大走行速度より速い走行速度で長時間走行して、当該区間の有効な環境情報を取得できないことを回避することができる。
【0042】
例えば、式(2)に基づいて、センサが取付高さH、取付傾斜角αの姿勢で車両に取り付けられることが決定されたときに、センサによって収集された周囲情報の完全性を保証できる車両の最大走行速度Vは下式により決定される。
=H×(tan(α+β)-tan(α-β))/△t (4)
【0043】
ここで、Hはセンサの取付高さであり、αはセンサの取付傾斜角であり、βはセンサの有効視野角の半分であり、すなわちβ=(θ1-θ2)/2、Δtはセンサの走査周波数に基づいて決定される点群データフレーム系列における隣接するフレーム間の時間的収集間隔である。
【0044】
式(4)の計算結果により、車両の周囲の連続した環境情報を取得できるような最大車両走行速度をユーザに通知し、車両の走行速度をV以下の範囲に制御することをユーザに提示するように、ユーザに提示情報を送信することができる。いくつかの実施例では、データ収集装置は車両の走行速度を取得するために車両と通信してもよく、データ収集装置が、車両の走行速度がVより速いと判断した場合に、データ収集装置は車両の走行速度をV以下の範囲内に制御することをユーザに提示するように車両に情報を送信する。或いは、データ収集装置は、車両の走行速度がVより大きい場合に、車両の自動運転システム又は補助運転システムが車両の走行速度をV以下の範囲に制御するように、車両の自動運転システム又は補助運転システムに情報を送信する。
【0045】
別の例では、センサの取付高さ及び取付傾斜角のうちの少なくとも一方を変更するために、変形可能な機械的構造をセンサに提供してもよい。例えば、車両の走行速度が周囲環境情報を完全に収集できる最大走行速度より速いことが検出された場合に、上記機械的構造を動作させることにより、センサの取付高さ及び取付傾斜角のうちの少なくとも一方を変更して、センサの変更後の姿勢で車両の現在の走行速度において完全な環境情報を収集でき、すなわち変更後の姿勢でセンサの有効視野角の地面上のカバー範囲がわたった点群データフレーム系列における時間的に隣接するフレームが連続しているものであるようにしてもよい。
【0046】
図4は本開示の実施例によるデータ収集装置の構造の概略図を示す。図1において説明した交通機関に取り付けられたデータ収集装置100を、図4に示すデータ収集装置400により実現することができる。
【0047】
図4に示すように、データ収集装置400は取付部材500を含み、当該取付部材は、データ収集装置(又はデータ収集装置が取り付けられた車両)の周囲環境情報を検知するようにセンサを取り付けるための機械的構造を含んでもよい。例えば、取付部材に取り付けられたセンサは慣性測定ユニット(IMU)、GNSS受信機(例えば、全地球測位システム(GPS)受信機)、電波検知・測距装置(RADAR、レーダと略称)、レーザ検知・測距システム(LIDAR、レーザレーダと略称)、音響センサ、超音波センサ、及び画像収集機器(例えばカメラ)を含んでもよい。これらのセンサは、1つ又は複数のセンサの位置、方向、又はその両方を更新するために、個別に駆動されても、集合的に駆動されてもよい。
【0048】
IMUは、慣性加速に基づいてデータ収集装置(又はデータ収集装置が取り付けられた車両)の位置変化及び方向変化を検知するために、センサの組み合わせ(例えば、加速器及びジャイロ)を含んでもよい。GNSS受信機はデータ収集装置(又はデータ収集装置が取付けられた車両)の地理的位置を推定するための任意のセンサとすることができる。なお、GNSS受信機はGPS受信機、北斗衛星航法システム受信機又はガリレオ衛星航法システム受信機を含んでもよい。レーダユニットは、電波信号を用いて、データ収集装置(又はデータ収集装置が取付けられた車両)を取り巻く環境におけるオブジェクトを検知することができる。いくつかの実施例では、レーダユニットは、オブジェクトを検知することに加えて、データ収集装置(又はデータ収集装置が取付けられた車両)に接近する物体の速度及び進行方向を検知するために用いられてもよい。LIDARは光を用いて、データ収集装置(又はデータ収集装置が取付けられた車両)を取り巻く環境における物体を検知する任意のセンサとすることができる。一実施例では、LIDARはレーザ光源、レーザスキャナー、及び検知器を含んでもよい。データ収集装置は、データ収集装置(又はデータ収集装置が取り付けられた車両)を取り巻く環境の複数の画像を捕捉するための画像収集機器を含んでもよい。
【0049】
取付部材500は第1の筐体600及び第2の筐体700を含んでもよい。第2の筐体700にスタンド450が固定されてもよく、ここで、スタンド450は傾斜表面を有してもよい。スタンド450の傾斜表面に回転レーザレーダ(例えば図4に示すLIDAR520)が取り付けられてもよく、第2の筐体内に長距離レーザレーダ(例えば図4に示すLIDAR550)が取り付けられてもよい。ここで、スタンド450の傾斜表面の傾斜度により、データ収集装置400が移動するときに、回転レーザレーダの有効視野角のカバー範囲がわたった回転レーザレーダにより収集された点群データフレーム系列における隣接するフレームが連続しているものである。図4に示すデータ収集装置400により前述したデータ収集装置100を実現するときは、スタンド450の傾斜した取付表面453の傾斜度に基づいて、LIDAR520の取付傾斜角αを決定することができる。いくつかの実施例では、スタンド450は、LIDAR520の取付高さ及び取付傾斜角のうちの少なくとも一方を変更するために、変形可能な機械的構造を含む。
【0050】
スタンド430には、例えば、GNSSなどのアンテナ510が取り付けられる。ケーブル(図示せず)はトップカバー410上の開口を通し抜けて、アンテナ510と取付部材500における関連機器(例えば、GNSS受信機)とを接続することができる。
【0051】
スタンド450は少なくとも一部が第2の筐体700の側板462に固定され、少なくとも一部が第2の筐体700のトップカバー410に固定されてもよい。このような設計はデータ収集装置の小型化に役立つ。スタンド450には、例えば、LIDAR520のようなセンサを取り付けることができる。LIDAR520により前述したセンサ120又はセンサ310を実現することができる。スタンド450は傾斜した取付表面453を有してもよく、LIDAR520はスタンド450の取付表面453に取り付けられてもよい。いくつかの実施例では、取付表面453の傾斜度及びスタンド430の高さを設定することで、取付表面453に取り付けられたLIDARから放射された光をスタンド430及びスタンド430に取り付けられたアンテナ510に到達しないようにすることができ、このように、スタンド430及びスタンド430に取り付けられたアンテナ510によるLIDAR520に対する干渉が回避される。ケーブル(図示せず)はトップカバー410上の開口を通し抜けて、LIDAR520と取付部材500における関連機器(例えば制御機器362)とを接続することができる。
【0052】
第2の筐体700の内部にセンサを取り付けてもよい。例えば、第2の筐体700の内部に画像収集機器及びLIDARなどを取り付けてもよい。図4に示すように、画像収集機器を含む画像収集モジュール530は側板462に固定され、当該画像収集機器の一部(例えば、レンズ部材)は側板462及びスタンド450の開口を通し抜け、LIDAR520の下方に位置する。画像収集機器を含む画像収集モジュール540は側板464に取り付けられ、当該画像収集機器の一部(例えば、レンズ部材)は側板464の開口を通し抜ける。画像収集機器をこのように配置することで、データ収集装置400の小型化に有利となる。
【0053】
なお、図4において、画像収集モジュール530がスタンド450及び第2の筐体700に遮蔽されているため、破線で示されており、同様に、図4において、画像収集モジュール540の第2の筐体700に遮蔽されている一部も破線で示されている。
【0054】
さらには、2つの画像収集モジュールのみが図4において示されているが、当業者であれば、より多くの、又はより少ない画像収集モジュールがあってもよく、例えば側板462に2つ、3つ又はより多くの画像収集モジュールを取り付けてもよく、同様に、側板464にも2つ、3つ又はより多くの画像収集モジュールを取り付けてもよいことを理解できるであろう。他の実施例では、第2の筐体における他の側板(例えば側板462や側板464に垂直な側板)に1つ又は複数の画像収集モジュールを取り付けてもよい。他の実施例では、第1の筐体に1つ又は複数の画像収集モジュールを取り付けてもよい。
【0055】
LIDAR550を側板464に取り付け、又は固定してもよい。図4において、LIDAR550が第2の筐体700に遮蔽されているため、破線で示されている。LIDAR550の放射口が第2の筐体700の開口に位置合わせされ、画像収集モジュール540の下方に位置する。なお、第2の筐体の開口はLIDAR550の放射口の形状に応じて異なる形状を有してもよく、例えば正方形、長方形、円形又は楕円形が挙げられる。
【0056】
LIDAR550は、第2の筐体700に固定された取付板に取り付けられてもよい。いくつかの実施例では、LIDAR550はガスケットを介して取付板に固定されてもよく、取付板は、車両が振動する時におけるLIDAR550の脱落を防止するように、環状バッフルを有してもよい。バッフルの片側は開口を有してもよく、LIDAR550が取付板に取り付けられるときに、バッフルの開口はLIDAR550の放射口に位置合わせされる。
【0057】
本願のいくつかの実施例によれば、LIDAR550の視野角(FOV)がLIDAR520の視野角より小さい。例えば、LIDAR520は360度の水平視野角を有してもよく(LIDAR520が水平に配置されたとき)、LIDAR520の垂直視野角は60度未満、45度未満、又は30度未満であってもよい。LIDAR520は、スタンド450の傾斜した取付表面453に取り付けられたときに、取付表面453に平行な平面において360度の視野角を有する。LIDAR550の水平視野角及び垂直視野角がいずれも30度未満又は20度未満であってもよい。
【0058】
なお、図4に2つのLIDARのみが示されているが、当業者であれば、より多くの、又はより少ないLIDARがあってもよく、これらのLIDARは同一又は異なる視野角を有してもよく、第2の筐体の異なる側板に取り付けられ、又は第1の筐体に取り付けられてもよいことを理解できるであろう。
【0059】
データ収集装置400は第1の筐体600に取り付けられた通信機器361、放熱機器367、制御機器362、測位機器をさらに含む。これらの機器のうち、いくつかは第1の筐体600の底板又は側板に取り付けられてもよく、他のものは取付板315に取り付けられてもよい。例えば、図4に示すように、通信機器361は1つの取付板に取り付けられ、制御機器362は別の取付板に取り付けられ、測位機器は第1の筐体600の底板に取り付けられ、放熱機器367は第1の筐体600の1つの側板に取り付けられ、通風口に近づく。放熱機器367は例えばファンであってもよい。測位機器は例えばCNSS受信機364及びIMU363を含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の筐体600にヒューズ365がさらに取り付けられる。第1の筐体600の側板の開口に電源インタフェース359、データ伝送インタフェース357及びスイッチ358などの部材がさらに取り付けられてもよく、図4には破線円でこれらの部材の配置が示されている。電源インタフェース359はデータ収集装置400の各機器に電力を供給するように外部電源に接続するために用いられ、データ伝送インタフェース357はデータ収集装置400の関連機器に他の装置や機器との有線通信を提供することができ、スイッチ358はデータ収集装置400を開状態又は閉状態にあるように制御するために用いられ、表示機能を有してもよく、例えば、異なる色を表示することで開状態又は閉状態を示す。
【0060】
通信機器361はデータ収集装置400の1つ又は複数の機器に相互通信手段を提供し、又はデータ収集装置400に周囲の他の装置との通信手段を提供することができる。例示的な一実施例では、通信機器361は直接、又は通信ネットワークを介して1つ又は複数の機器や装置と通信してもよい。通信機器361は例えば無線通信機器であってもよい。例えば、通信機器は、3Gセルラ通信(例えば、CDMA、EVDO、GSM/GPRS)又は4Gセルラ通信(例えば、WiMAX又はLTEe)を用いてもよく、5Gセルラ通信を用いてもよい。任意選択的に、通信機器は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と通信することができる(例えば、WIFI(登録商標)を用いる)。いくつかの実施例では、通信機器361は、例えば、赤外線、ブルートゥース(登録商標)、又はZIGBEEを用いて、1つ又は複数の機器又は周囲の他の装置と直接通信することができる。様々な車載通信システムのような他の無線プロトコルも本開示の範囲内にある。例えば、通信機器は、車両及び/又は路側局と公開又は秘密のデータ通信を行うことが可能な、1つ又は複数の専用狭域通信(DSRC)装置、V2V装置又はV2X装置を含んでもよい。いくつかの実施例では、通信機器は車両(すなわちデータ収集装置が取り付けられた車両)と通信して、車両の走行速度を取得してもよい。
【0061】
制御機器362はデータ収集装置400の機能の一部又は全部を制御することができる。いくつかの実施例では、制御機器362は、例えばGNSS受信機のデータ、レーダデータ、LIDARデータ、画像収集機器データ、及び他のデータのような、センサからのデータを組み合わせて、データ収集装置400(又はデータ収集装置が取り付けられた車両)の周囲の環境情報を分析し、地図データを生成するために用いられる。
【0062】
データ収集装置400により生成された地図データは、
例えば、路面状況、車線区画線の色、車線区画線のタイプ、及び車線の勾配、曲率などの属性データである道路データと、
例えば、交通標識、交通信号機、車線の最高限度、下水口、障害物、ガードレール、道路縁のタイプ、路辺地標などの情報である道路周辺固定対象情報と、
道路渋滞状況、工事状況、交通事故、交通規制状況、天候状況などである動的交通情報と、
例えば、道路周辺の建物、植生などである道路周辺オブジェクト情報と、を含んでもよい。
【0063】
制御機器362は不揮発性コンピュータ可読媒体及び少なくとも1つのプロセッサ(それは少なくとも1つのマイクロプロセッサを含んでもよい)を含んでもよく、プロセッサは不揮発性コンピュータ可読媒体(例えば、データ記憶装置又はメモリ)に記憶された処理命令(すなわち、機械実行可能な命令)を実行する。プロセッサは上述した処理ユニットを実現することができる。制御機器362は、データ収集装置400の各機器を分散して制御する複数の制御機器であってもよい。いくつかの実施例では、メモリは、プロセッサに実行されてデータ収集装置400の様々な機能を実現する処理命令(例えば、プログラムロジック)を含んでもよい。制御機器362及びセンサのデータは通信機器361又はデータ伝送インタフェース357を介して、他の装置や機器に伝送することができる。
【0064】
メモリは、データ送信のための命令、データ受信のための命令、インタラクションのための命令、又はセンサを制御するための命令を含む他の命令を含んでもよい。
【0065】
メモリは、処理命令を記憶することに加えて、例えば画像処理パラメータ、道路地図などのような複数種の情報又はデータを記憶することができる。これらの情報は、制御機器362によるデータ収集装置400(又はデータ収集装置が取り付けられた車両)の周囲の環境情報への分析のために使用されてもよい。
【0066】
本願のデータ収集装置400によれば、センサ、アンテナ、制御機器及び通信機器などを取付部材500に集積することで、従来技術においてこれらの機器を車両の異なる位置に分散させる場合に比べて、機器間の配線を簡素化することができ、それにより複雑な配線による故障が低減される。また、各センサが取付部材500に固定されるため、データ収集装置400を1つの車両から別の車両に移動させるときに、センサ及びアンテナなどの相対方位又は角度を再調整する必要がなく、手間を大幅に省くことができる。
【0067】
図面を参照しながら本開示の実施例又は例について説明したが、上記方法、システム及び機器は例示的な実施例又は例に過ぎず、本発明の範囲はこれらの実施例又は例に限定されず、登録された特許請求の範囲及びその同等範囲のみによって限定される。実施例又は例における様々な要素は省略されてもよく、又はそれらの同等要素によって置き換えられてもよい。また、各ステップは、本開示において説明した順序とは異なる順序に従って実行されてもよい。さらに、実施例又は例における様々な要素を様々な方法により組み合わせてもよい。重要なことに、技術が進歩するにつれて、本明細書に記載される要素は、本開示の後に現れる同等の要素によって置き換えることができる。
図1
図2
図3
図4