(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138473
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】ブラインド
(51)【国際特許分類】
E06B 9/382 20060101AFI20230922BHJP
E06B 9/384 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
E06B9/382
E06B9/384
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042217
(22)【出願日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】111202817
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】202220642916.7
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522143575
【氏名又は名称】億豊総合工業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】韋水東
(72)【発明者】
【氏名】羅雷
(72)【発明者】
【氏名】陳琳
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ルーバー配列位置の不揃いによる光漏れ、コードによって不慮の事故を起こしやすい問題を解決するブラインドを提供する。
【解決手段】第1経線431及び第2経線432の一端がヘッドビームの転向機構に接続される複数の支持部材は、複数のルーバーがそれぞれ寄り掛かるよう第1経線と第2経線の間に設けられる。複数の制限部材は、隣り合う第1制限部材8a及び第2制限部材8bを備え、第1制限部材は、一端が第2経線に設けられ且つ第1ルーバー貫通部82a及び第1連結リング81a’を備え、第1ルーバー貫通部は、第1制限部材の両端間に位置し且つ第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通り、第1連結リングは、第1ルーバー貫通部が第1ルーバーの第1通孔を突き通って形成され、第2制限部材は、第1ルーバーの第1通孔が第1制限部材又は第2制限部材によって貫設される状態を保持するように第1連結リングを突き通る。
【選択図】
図32
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過量の異なる第1状態と第2状態の間で切り替え可能であるブラインドであって、
前記ブラインドは、ヘッドビーム、前記ヘッドビームの下方に位置するボトムビーム、前記ヘッドビームに設けられる転向機構、前記該転向機構に接続されるラダーコード及び複数のルーバーを備え、
前記ラダーコードは、第1経線、第2経線、複数の支持部材及び複数の制限部材を備え、
前記第1経線は、等距離で隔てられた複数の第1位置を有し、前記第1位置同士の間隔が所定距離であり、
前記第2経線及び前記第1経線は、間隔を隔てて略平行に設けられ、前記第2経線は、複数の第2位置及び複数の第3位置を有し、前記ブラインドが前記第1状態にあるとき、前記複数の第2位置の水平高さは、それぞれ前記複数の第1位置の水平高さに対応し、各第3位置は、それぞれ各第2位置に対応して近接し、
前記複数の支持部材は、前記第1経線と前記第2経線の間に設けられ、各支持部材の一端が前記第1経線の各第1位置にそれぞれ対応して接続され、各支持部材の他端が前記第2経線の各第2位置にそれぞれ対応して接続され、
前記複数の制限部材は、それぞれ第1端及び該第1端に相対する第2端を有し、各制限部材の第1端が前記第2経線の各第3位置にそれぞれ対応してに設けられ、前記複数の制限部材は、隣り合う第1制限部材及び第2制限部材を備え、
前記複数のルーバーは、前記ヘッドビームと前記ボトムビームの間に設けられ、かつ前記複数の支持部材にそれぞれ寄り掛かって設けられ、
前記第1経線の第1端及び前記第2経線の第1端は、それぞれ前記ヘッドビーム内の前記転向機構に接続され、前記ラダーコードが前記ヘッドビームの下方に吊持されるようにし、前記第1経線の第2端及び前記第2経線の第2端は、それぞれ前記ボトムビームに接続され、前記転向機構は、前記第1経線及び前記第2経線に接続され、前記複数の支持部材が前記第1経線と前記第2経線の上下位置ずれに伴って角度を変えるように、前記第1経線及び前記第2経線を駆動して反対方向に移動させ、同時に前記複数のルーバーを駆動して角度を変えることにより、前記ブラインドが、前記複数のルーバーが水平状態を呈する前記第1状態から、前記複数のルーバーが傾斜状態を呈し且つ各ルーバーの片方の辺縁と隣り合うルーバーの他方の辺縁との距離が最小となる前記第2状態に切り替えるようにし、
そのうち、前記複数の支持部材は、隣り合う第1支持部材及び第2支持部材を備え、前記複数のルーバーは、隣り合う第1ルーバー及び第2ルーバーを備え、前記第1ルーバー及び前記第2ルーバーは、前記第1支持部材及び前記第2支持部材にそれぞれ寄り掛かって設けられ、前記第1ルーバーは、前記第2経線に隣接する第1通孔を有し、
前記第1制限部材は、第1ルーバー貫通部及び第1連結リングを更に備え、前記第1ルーバー貫通部は、前記第1端と前記第2端の間に位置し且つ前記第1ルーバーの第1通孔を突き通り、前記第1制限部材の第2端は、前記第1連結リングに位置し、前記第2制限部材は、前記第1連結リングを突き通ることを特徴とする、ブラインド。
【請求項2】
前記第1制限部材は、前記第1ルーバーの第1通孔を突き通り、前記第1制限部材が前記第1通孔を突き通るときの前記第1制限部材の前記第1通孔内にある部分が前記第1ルーバー貫通部となり、前記第1通孔から突き出されて前記第1通孔外にある部分が前記第1連結リングとなり、
前記第2制限部材は、前記第1ルーバーの第1通孔が前記第1制限部材及び前記第2制限部材のうち何れかによって貫設されている状態を保持するよう、前記第1連結リングを突き通る、請求項1に記載のブラインド。
【請求項3】
前記第2ルーバーは、前記第2経線に隣接する第2通孔を有し、前記第2制限部材は、前記第2制限部材の第1端と第2端の間に位置する第2ルーバー貫通部を備え、
前記第2制限部材は、前記第2ルーバー貫通部が前記第2ルーバーの第2通孔に貫設され、第1制限部材が前記第1ルーバーの第1通孔に貫設されている状態に保持されるよう、順に前記第1連結リング及び前記第2ルーバーの第2通孔を突き通る、請求項2に記載のブラインド。
【請求項4】
前記複数の第3位置同士の間隔は、前記所定距離である、請求項2に記載のブラインド。
【請求項5】
前記複数の制限部材は、ラスト制限部材及び固定用制限部材を更に備え、前記複数のルーバーは、前記複数のルーバーのうち前記ボトムビームに最も近接し且つ前記第2経線に隣接するラスト通孔を有するラストルーバーを更に備え、
前記第1ルーバーは、前記第2ルーバーより前記ヘッドビームに近接し、前記第2経線において、前記ラスト制限部材に接続する第3位置は、前記固定用制限部材に接続する第3位置より前記ヘッドビームに近接し、
前記ラスト制限部材は、ラストルーバー貫通部及びラスト連結リングを更に備え、前記ラストルーバー貫通部は、前記ラスト制限部材の第1端と第2端の間に位置し、
前記ラスト制限部材は、前記ラストルーバーのラスト通孔を突き通り、前記ラスト制限部材が前記ラスト通孔を突き通るときの前記ラスト通孔内にある部分が前記ラストルーバー貫通部となり、前記ラスト通孔から突き抜かれて前記ラスト通孔外にある部分が前記ラスト連結リングとなり、
前記固定用制限部材は、前記ラスト制限部材が前記ラストルーバーのラスト通孔に貫設されている状態に保持されるよう、前記ラスト連結リングを突き通り、かつ前記固定用制限部材の第2端が前記ボトムビームに固定される、請求項2に記載のブラインド。
【請求項6】
前記複数の制限部材は、ラスト制限部材及び固定用制限部材を更に備え、前記複数のルーバーは、前記複数のルーバーのうち前記ヘッドビームに最も近接し且つ前記第2経線に隣接するラスト通孔を有するラストルーバーを更に備え、
前記第1ルーバーは、前記第2ルーバーより前記ボトムビームに近接し、前記第2経線において、前記ラスト制限部材に接続する第3位置は、前記固定用制限部材に接続する第3位置より前記ボトムビームに近接し、
前記ラスト制限部材は、ラストルーバー貫通部及びラスト連結リングを更に備え、前記ラストルーバー貫通部は、前記ラスト制限部材の第1端と第2端の間に位置し、
前記ラスト制限部材は、前記ラストルーバーのラスト通孔を突き通り、前記ラスト制限部材が前記ラスト通孔を突き通るときの前記ラスト通孔内にある部分が前記ラストルーバー貫通部となり、前記ラスト通孔から突き抜かれて前記ラスト通孔外にある部分が前記ラスト連結リングとなり、
前記ラスト制限部材が前記ラストルーバーのラスト通孔に貫設されている状態に保持されるよう、前記固定用制限部材が前記ラスト連結リングを突き通り、かつ前記固定用制限部材の第2端が前記第2経線に固定される、請求項2に記載のブラインド。
【請求項7】
さらに、昇降機構、昇降コード及び複数の位置決めリングを備え、
前記複数の位置決めリングは、それぞれ間隔を隔てて前記第1経線及び前記第2経線のうち少なくとも何れかに接続され、
前記昇降機構は、前記ヘッドビーム及び前記ボトムビームのうち一方に設けられ、前記昇降コードの第1端が前記昇降機構に接続され、かつ前記昇降機構は、前記ヘッドビームと前記ボトムビームの間の距離変化に応じて前記昇降コードを放出又は巻き上げ、
前記昇降コードの第2端が前記ヘッドビーム及び前記ボトムビームのうち他方に伸び出し、前記昇降コードは、前記複数の位置決めリングのうち少なくとも1つの位置決めリングを突き通る、請求項5~6の何れか1項に記載のブラインド。
【請求項8】
各制限部材は、環状を呈し且つ周長が前記所定距離の2倍より大きく、各位置決めリングの周長は、各制限部材の周長より短い、請求項7に記載のブラインド。
【請求項9】
前記複数の制限部材及び前記複数の位置決めリングは、前記第2経線と一体に成形される、請求項7に記載のブラインド。
【請求項10】
前記第2経線は、前記複数の第3位置と入り交じって配置される複数の第4位置を更を有し、前記第1制限部材は、前記第1端から前記第2端に伸び出す第1本体部を更に備え、
前記第1ルーバー貫通部は、前記第2経線における前記複数の第4位置のうち何れかに設けられる接続端を有し、かつ前記第1本体部より短く、前記第1制限部材の第1端と第2端の間に位置し、
前記第2経線において、前記第1ルーバー貫通部を設ける第4位置は、前記第1制限部材を設ける第3位置に比べて前記第1支持部材を設ける第2位置に近接し、
前記第1ルーバー貫通部が前記第1通孔を突き通って第1制限リングを形成し、かつ前記第1本体部が前記第1制限リングを突き通ることにより、前記第1通孔が前記第1ルーバー貫通部及び前記第1本体部のうち何れかによって貫設されている状態を保持する、請求項1に記載のブラインド。
【請求項11】
前記第1連結リングは、前記第1本体部が前記第1制限リングを突き通って形成される、請求項10に記載のブラインド。
【請求項12】
前記複数の第3位置同士の間隔は、前記所定距離である、請求項10に記載のブラインド。
【請求項13】
前記複数の第4位置同士の間隔は、前記所定距離である、請求項10に記載のブラインド。
【請求項14】
前記第2ルーバーは、前記第2経線に隣接する第2通孔を有し、前記第2制限部材は、第2本体部、第2ルーバー貫通部及び第2連結リングを更に備え、
前記第2本体部は、前記第2制限部材の第1端から前記第2制限部材の第2端に伸び出し、前記第2ルーバー貫通部は、一端が前記第2経線における前記複数の第4位置のうち何れかに設けられ、前記第2ルーバーの第2通孔を突き通って第2制限リングを形成し、かつ前記第2ルーバー貫通部は、第2本体部より短く、前記第2制限部材の第1端と第2端の間に位置し、
前記第2連結リングは、前記第2本体部が順に前記第1連結リング及び前記第2制限リングを突き通って形成され、前記第2制限部材の第2端は、前記第2連結リングに位置する、請求項10に記載のブラインド。
【請求項15】
前記第1ルーバーは、前記第2ルーバーより前記ヘッドビームに近接して設けられ、
前記第2経線において、前記第1ルーバー貫通部を設ける第4位置は、前記第1支持部材を設ける第2位置より前記ヘッドビームに近接し、前記第1制限部材を設ける第3位置は、前記第1ルーバー貫通部を設ける第4位置より前記ヘッドビームに近接し、前記第2ルーバー貫通部を設ける第4位置は、前記第2支持部材を設ける第2位置より前記ヘッドビームに近接し、前記第2制限部材を設ける第3位置は、前記第2ルーバー貫通部を設ける第4位置よりる前記ヘッドビームに近接して設けられる、請求項14に記載のブラインド。
【請求項16】
前記第1ルーバーは、前記第2ルーバーより前記ヘッドビームに近接して設けられ、
前記第2経線において、前記第1制限部材を設ける第3位置は、前記第1支持部材を設ける第2位置より前記ヘッドビームに近接し、前記第1支持部材を設ける第2位置は、前記第1制限部材のルーバー貫通部を設ける第4位置より前記ヘッドビームに近接し、前記第2制限部材を設ける第3位置は、前記第2支持部材を設ける第2位置より前記ヘッドビームに近接し、前記第2支持部材を設ける第2位置は、前記第2ルーバー貫通部を設ける第4位置より前記ヘッドビームに近接して設けられる、請求項14に記載のブラインド。
【請求項17】
前記第1ルーバーは、前記第2ルーバーより前記ボトムビームに近接して設けられ、
前記第2経線において、前記第1制限部材を設ける第3位置は、前記第1支持部材を設ける第2位置より前記ボトムビームに近接し、前記第1支持部材を設ける第2位置は、前記第1ルーバー貫通部を設ける第4位置より前記ボトムビームに近接し、前記第2制限部材を設ける第3位置は、前記第2支持部材を設ける第2位置より前記ボトムビームに近接し、前記第2支持部材を設ける第2位置は、前記第2ルーバー貫通部を設ける第4位置より前記ボトムビームに近接して設けられる、請求項14に記載のブラインド。
【請求項18】
前記第1ルーバーは、前記第2ルーバーより前記ボトムビームに近接して設けられ、
前記第2経線において、前記第1ルーバー貫通部を設ける第4位置は、前記第1支持部材を設ける第2位置より前記ボトムビームに近接し、前記第1制限部材を設ける第3位置は、前記第1ルーバー貫通部を設ける第4位置より前記ボトムビームに近接し、前記第2ルーバー貫通部を設ける第4位置は、前記第2支持部材を設ける第2位置より前記ボトムビームに近接し、前記第2制限部材を設ける第3位置は、前記第2ルーバー貫通部を設ける第4位置より前記ボトムビームに近接して設けられる、請求項14に記載のブラインド。
【請求項19】
さらに、昇降機構、昇降コード及び複数の位置決めリングを備え、
前記複数の位置決めリングは、それぞれ間隔を隔てて前記第1経線及び前記第2経線のうち少なくとも何れかに接続され、
前記昇降機構は、前記ヘッドビーム及び前記ボトムビームのうち一方に設けられ、前記昇降コードの一端が前記昇降機構に接続され、かつ前記昇降機構は、前記ヘッドビームと前記ボトムビームの間の距離変化に応じて前記昇降コードを放出又は巻き上げ、
前記昇降コードの他端が前記ヘッドビーム及び前記ボトムビームのうち他方に伸び出し、前記昇降コードは、前記複数の位置決めリングのうち少なくとも1つの位置決めリングを突き通る、請求項15~18の何れか1項に記載のブラインド。
【請求項20】
各制限部材は、本体部を備え、前記本体部は、環状を呈し且つ周長が前記所定距離の2倍より大きく、各制限部材のルーバー貫通部は、環状を呈し且つ周長が各制限部材の本体部の周長より短く、かつ各位置決めリングの周長は、各制限部材のルーバー貫通部の周長より短い、請求項19に記載のブラインド。
【請求項21】
前記複数の制限部材の前記複数の本体部、前記複数の制限部材の前記複数のルーバー貫通部及び前記複数の位置決めリングは、前記第2経線と一体に成形される、請求項19に記載のブラインド。
【請求項22】
前記複数の支持部材は、さらに、前記複数の支持部材のうち前記ヘッドビームに最も近接する頂部支持部材及び2つの調整部を備え、前記複数のルーバーは、頂部ルーバーを更に備え、
前記頂部ルーバーは、前記2つの調整部の間に設けられ、かつ前記第1経線及び前記第2経線のうち少なくとも1つの経線に対応して少なくとも1つの切欠けを有する、請求項1に記載のブラインド。
【請求項23】
さらに、前記ボトムビームに係止されるアンカー部材を備え、
前記第1経線及び前記第2経線は、前記アンカー部材を介して前記ボトムビームに接続される、請求項1に記載のブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドに関し、特にルーバーが引き出されることを防止することができ、ルーバーが確実に閉合し且つ安全性を有するブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
日常よく見かけるブラインドは、その多くがヘッドビーム、ボトムビーム及び複数のルーバーを有する。ヘッドビームは、窓枠又は壁に固定され、ルーバー及びボトムビームを吊持するために用いられる。ブラインドは、ラダーコード及び転向機構を更に備え、ラダーコードは、前部経線及び後部経線を有し、かつ複数の緯線が間隔を隔てて前部経線と後部経線の間に設けられて、ラダーコード全体が梯子格子状を呈する。転向機構は、ヘッドビームに設けられ、上記ラダーコードの前部経線及び後部経線の上端は、転向機構に接続されて、ラダーコードがヘッドビームの下方に吊持されるようにする。複数のルーバーは、各梯子格子にそれぞれ対応して貫設され、かつ緯線によって支持される。転向機構は、前部経線を巻上げ又は放出し、同時に後部経線を逆方向に放出又は巻き上げ可能に構成され、ルーバーを斜めに傾けてルーバー同士の隙間から入射する光の明暗を調整する。
【0003】
ところが、ルーバーがラダーコードの各梯子格子に貫設され、各梯子格子は、ルーバーを支持する機能を果たすだけで、ルーバーの位置変化を制限することができず、ルーバーが梯子格子から簡単に引き出される場合がある。加えて、ラダーコードは、殆どが軟質のコードで構成され、かつ緯線がルーバーの短軸方向の幅よりやや大きく形成されるのが一般であるため、ルーバーが斜めに傾き、特にルーバーがほぼ垂直の閉合状態を呈するとき、ルーバーのぶら下げる側が下へ滑って行く現象が頻発し、このとき各ルーバーの滑り距離が一致しないことから、各ルーバーの対応する梯子格子における相対位置がそれぞれ異なる。これにより、見掛け上の感触が悪くなり、ルーバー同士の隙間からの光漏れが目立ち、遮光又はプライバシー保護の効果に影響を与える。なお、ブラインドのコードが幼児によって遊びで引っ張られると、幼児の首に締付けられて不慮の事故をきたすこともある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のブラインドが遮光状態下でルーバー配列位置の不揃いによる光漏れの問題が目立ち、並びにコードによって不慮の事故を起こしやすいといった問題を解決しうるブラインドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るブラインドは、光透過量の異なる第1状態と第2状態の間で切り替え可能であり、かつヘッドビーム、ボトムビーム、転向機構、ラダーコード及び複数のルーバーを備え、前記ボトムビームは、前記ヘッドビームの下方に位置し、前記転向機構は、前記ヘッドビームに設けられ、前記ラダーコードは、前記転向機構に接続され且つ第1経線、第2経線、複数の支持部材及び複数の制限部材を備える。前記第1経線は、等距離で隔てられた複数の第1位置を有し、前記第1位置同士の間隔が所定距離であり、前記第2経線と前記第1経線は、間隔を隔てて略平行に設置され、前記第2経線は、複数の第2位置及び複数の第3位置を有し、前記ブラインドが前記第1状態にあるとき、前記複数の第2位置の水平高さは、それぞれ前記複数の第1位置の水平高さに対応し、かつ各第3位置はそれぞれ各第2位置に対応して近接する。
【0006】
前記第1経線の第1端及び前記第2経線の第1端は、前記ラダーコードが前記ヘッドビームの下方に吊持されるように、それぞれ前記ヘッドビーム内の前記転向機構に接続される。前記第1経線の第2端及び前記第2経線の第2端は、それぞれ前記ボトムビームに接続される。前記転向機構は、前記第1経線及び前記第2経線に接続され、前記複数の支持部材が前記第1経線と前記第2経線の上下位置ずれに伴って角度を変えるように、前記第1経線及び前記第2経線を駆動して反対方向に移動させ、同時に前記複数のルーバーを駆動して角度を変えることにより、前記ブラインドが、前記複数のルーバーが水平状態を呈する前記第1状態から、前記複数のルーバーが傾斜状態を呈し且つ各ルーバーの片方の辺縁と隣り合うルーバーの他方の辺縁との距離が最小となる前記第2状態に切り替えるようにする。
【0007】
前記複数の支持部材は、前記第1経線と前記第2経線の間に設けられる。各支持部材の一端は、前記第1経線の各第1位置にそれぞれ対応して接続され、各支持部材の他端は、前記第2経線の各第2位置にそれぞれ対応して接続される。前記複数のルーバーは、前記ヘッドビームと前記ボトムビームの間に設けられ、かつ前記複数の支持部材にそれぞれ寄り掛かって設けられる。前記複数の支持部材は、隣り合う第1支持部材及び第2支持部材を備え、前記複数のルーバーは、隣り合う第1ルーバー及び第2ルーバーを備え、かつ前記第1ルーバー及び前記第2ルーバーは、前記第1支持部材及び前記第2支持部材にそれぞれ寄り掛かって設けられ、前記第1ルーバーは、前記第2経線に隣接する第1通孔を有する。
【0008】
前記複数の制限部材は、それぞれ第1端及び前記第1端に相対する第2端を有し、各制限部材の第1端は、前記第2経線の各第3位置にそれぞれ対応して設けられる。前記複数の制限部材は、隣り合う第1制限部材及び第2制限部材を備え、そのうち前記第1制限部材は、第1ルーバー貫通部及び第1連結リングを更に備え、前記第1ルーバー貫通部は、前記第1端と前記第2端の間に位置し且つ前記第1ルーバーの第1通孔を突き通る。前記第1制限部材の第2端は、前記第1連結リングに位置し、前記第2制限部材は、前記第1連結リングを突き通る。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、前記第1制限部材が前記第1ルーバーの第1通孔を突き通るときの前記第1制限部材の前記第1通孔内にある部分を前記第1ルーバー貫通部とし、前記第1通孔から突き出されて前記第1通孔外にある部分を前記第1連結リングとする。前記第2制限部材は、前記第1ルーバーの第1通孔が前記第1制限部材及び前記第2制限部材のうち何れかによって貫設されている状態を保持するよう、前記第1連結リングを突き通る。好ましくは、前記第2ルーバーは、前記第2経線に隣接する第2通孔を有し、前記第2制限部材は、前記第2制限部材の第1端と第2端の間に位置する第2ルーバー貫通部を備える。前記第2制限部材は、順に前記第1連結リング及び前記第2ルーバーの第2通孔を突き通り、このとき前記第2制限部材の第2通孔内にある部分が第2ルーバー貫通部に相当する。前記第2ルーバー貫通部が前記第2ルーバーの第2通孔に貫設されるため、前記第1制限部材は、前記第1ルーバーの第1通孔に貫設されている状態に保持される。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、前記第2経線は、複数の第4位置を更に有し、前記複数の第4位置と前記複数の第3位置が入り交じって配置される。前記第1制限部材は、前記第1端から前記第2端に伸び出す第1本体部を更に備える。前記第1ルーバー貫通部は、前記第2経線の複数の第4位置のうち何れかに設けられる接続端を有し、かつ前記第1本体部より短く、前記第1制限部材の第1端と第2端の間に位置する。前記第2経線において、前記第1ルーバー貫通部を設ける第4位置は、前記第1制限部材を設ける第3位置に比べて前記第1支持部材を設ける第2位置に近接する。前記第1ルーバー貫通部は、前記第1通孔を突き通って第1制限リングを形成し、前記第1本体部は、前記第1通孔が前記第1ルーバー貫通部及び前記第1本体部のうち何れかによって貫設されるよう、前記第1制限リングを突き通る。好ましくは、前記第1連結リングは、前記第1本体部が前記第1制限リングを突き通って形成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に関わるブラインドが全開状態となり、かつブラインド本体が光透過状態を呈するときの立体図である。
【
図3】
図1に示すブラインドのラダーコードのルーバーと組み立てる前の本来の構造を示す図である。
【
図5】
図4に示すブラインドがヘッドビーム及び転向モジュールを取外したときの局部拡大図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るブラインドの左下側局部を拡大して示す立体図である。
【
図7】
図6に示すアンカー部材とボトムビームが分離したときの分解図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係るブラインドが全開状態となり、かつブラインド本体が閉合状態を呈するときの立体図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係るブラインド全開状態となり、かつブラインド本体が光透過状態を呈するときの立体図である。
【
図12】
図11に示すブラインドを別の角度から観察するときの立体図である。
【
図14】
図11に示すブラインドのラダーコードの、ルーバーと組立てる前の本来の構造を示す図である。
【
図16】
図15に示すブラインドがヘッドビーム及び転向モジュールを取外したときの局部拡大図である。
【
図17】本発明の第2実施形態に係るブラインドの左下側局部を拡大して示す立体図である。
【
図18】
図17に示すアンカー部材とボトムビームが分離したときの分解図である。
【
図19】本発明の第2実施形態に係るブラインドが全閉状態を呈するときの立体図である。
【
図20】本発明の第2実施形態に係るブラインドが全開状態となり、かつブラインド本体が閉合状態を呈するときの立体図である。
【
図23】本発明の第3実施形態に係るブラインドが全開状態となり、かつブラインド本体が光透過状態を呈するときの局部を示す立体透視図である。
【
図24】
図23に示すブラインドがヘッドビーム及びボトムビームを取外したときの立体図である。
【
図26】本発明の第3実施形態に係るブラインドのブラインド本体が完全閉合状態を呈するときの局部を示す立体透視図である。
【
図28】本発明の第4実施形態に係るブラインドが全開状態となり、かつブラインド本体が光透過状態を呈するときの立体図である。
【
図30】
図28に示すブラインドのラダーコードの、ルーバーと組立てる前の本来の構造を示す図である。
【
図31】
図28に示すブラインドが操作バトンを取外したときの左側面図である。
【
図32】
図31に示すブラインドがヘッドビーム及び転向モジュールを取外したときの局部拡大図である。
【
図33】
図28に示すブラインドの左下側局部を拡大して示す立体図である。
【
図34】
図28に示すブラインドが全開状態となり、かつブラインド本体が閉合状態を呈するときの立体図である。
【
図37】本発明の第5実施形態に係るブラインドが全開状態となり、かつブラインド本体が光透過状態を呈するときの立体図である。
【
図38】
図37に示すブラインドを別の角度から観察したときの立体図である。
【
図40】
図37に示すブラインドのラダーコードの、ルーバーと組立てる前の本来の構造を示す図である。
【
図41】
図37に示すブラインドが操作バトンを取外したときの左側面図である。
【
図42】
図41に示すブラインドがヘッドビーム及び転向モジュールを取外したときの局部拡大図である。
【
図43】本発明の別の実施形態に係るラダーコードを
図37に示すブラインドに適用したときの局部の左側面図であり、前記ラダーコードの本来の構造は、制限部材を別の方式で直列接続する以外、
図40に示すラダーコードの場合と同様である。
【
図44】
図43に示すブラインドのルーバー閉合状態における局部の左側面図である。
【
図45】本発明のもう1つの実施形態に係るラダーコードの、ルーバーと組立てる前の本来の構造を示す図である。
【
図46】
図45に示すラダーコードがルーバーを突き通る構造概略を示す図である。
【
図47】
図46に示すラダーコードがルーバー閉合時においてルーバーを突き通る構造概略を示す図である。
【
図48】本発明のもう1つの実施形態に係るラダーコードを
図37に示すブラインドに適用したときの局部の左側面図であり、前記ラダーコードの本来の構造は、制限部材を別の方式で直列接続する以外、
図45に示すラダーコードの場合と同様である。
【
図49】
図48に示すラダーコードがルーバー閉合時においてルーバーを突き通る構造概略を示す図である。
【
図50】本発明のもう1つの実施形態に係るラダーコードの、ルーバーと組立てる前の本来の構造を示す図である。
【
図51】
図50に示すラダーコードがルーバーを突き通る構造概略を示す図である。
【
図52】
図51に示すラダーコードがルーバー閉合時においてルーバーを突き通る構造概略を示す図である。
【
図53】本発明のもう1つの実施形態に係るラダーコードを
図37に示すブラインドに適用したときの局部の左側面図であり、前記ラダーコードの本来の構造は、制限部材を別の方式で直列接続する以外、
図50に示すラダーコードの場合と同様である。
【
図54】
図53に示すラダーコードがルーバー閉合時においてルーバーを突き通る構造概略を示す図である。
【
図55】本発明のもう1つの実施形態に係るラダーコードの、ルーバーと組立てる前の本来の構造を示す図である。
【
図56】
図55に示すラダーコードがルーバーを突き通る構造概略を示す図である。
【
図57】
図56に示すラダーコードがルーバー閉合時においてルーバーを突き通る構造概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るブラインドは、光透過量の異なる第1状態と第2状態の間で切り替え可能である。
図1、
図2及び
図4は、それぞれ本発明の第1実施形態に係るブラインド100が第1状態にあるときの立体図、局部透視図及び左側面図である。
図1、
図2及び
図4に示すように、ブラインド100は、ヘッドビーム1、ボトムビーム2、転向機構3、2つのラダーコード40、および複数のルーバー5で構成されるブラインド本体50を備える。ヘッドビーム1は、窓枠又は壁に固定され、ブラインド本体50及びボトムビーム2を吊持するために用いられる。ブラインド本体50において、前記複数のルーバー5は、隣り合う第1ルーバー5a及び一第2ルーバー5bを備える。本実施形態において、第1ルーバー5aは、第2ルーバー5bよりヘッドビーム1に近接し、前記複数のルーバー5は、前記複数のルーバー5のうちボトムビーム2に最も近接するラストルーバー5cを更に備える。ヘッドビーム1は、転向機構3を収容するためのキャビティを有し、転向機構3は、軸棒31、第1回転ドラム32、第2回転ドラム33及び転向モジュール34を備える。
図1及び
図2に示すように、第1回転ドラム32及び第2回転ドラム33は、それぞれヘッドビーム1内において対向する2つの側面に近接する位置に設けられ、転向モジュール34は、第1回転ドラム32とヘッドビーム1の側面の間に設けられる。軸棒31は、転向モジュール34、第1回転ドラム32及び第2回転ドラム33を突き通り、軸棒31に伴って転向モジュール34が第1回転ドラム32と第2回転ドラム33を駆動して同期回転させることができるようにする。ラダーコード40は、ラダーコード40の上端をそれぞれ第1回転ドラム32及び第2回転ドラム33に対応して接続することにより、ヘッドビーム1の下方に吊持される。
【0013】
また、
図1~
図7を参照して、以下に本実施形態に係るラダーコード40の構造及び配置形態を更に詳述する。本実施形態に係るブラインド100は、2つのラダーコード40を有するが、本発明ではラダーコードの数について特に制限がなく、ルーバー5の横方向長さに応じて適宜調整することができる。ラダーコードの数を少なくとも2つにすることにより、ブラインドのルーバー同士が平行状態を容易に保持できるようするのが一般であるが、例えば、ルーバー5の横方向の長さが短い場合、ラダーコードを1つだけ設けても支障なく本発明を実施することができる。前記2つのラダーコード40は、同じ構造を有し、
図1の左側に示すラダーコード40を例とした場合、
図1、
図3~
図5に示すように、ラダーコード40は、第1経線41、第2経線42、複数の支持部材43及び複数の制限部材6を有する。第1経線41の上端及び第2経線42の上端は、第1回転ドラム32に接続され、かつ第1経線41と第2経線42は略平行に形成され(例えば、第1経線41と第2経線42がヘッドビーム1及び/又はボトムビーム2の近傍で非平行状態になる可能性がある)、第1経線41がブラインド本体50の前部側を通り抜け、第2経線42がブラインド本体50の後部側を通り抜け、複数の支持部材43は、間隔を隔てて第1経線41と第2経線42の間に設けられる。第1経線41に複数の第1位置P1が設けられ、第2経線42に複数の第2位置P2及び複数の第3位置P3が設けられ、各第3位置P3は、それぞれ各第2位置P2に対応して隣接する。
【0014】
本実施形態において、第1経線41の各第1位置P1同士は、所定距離Dを隔てて設けられ、第2経線42の各第2位置P2同士及び各第3位置P3同士も同様に前記所定距離Dを隔てて設けられる。本実施形態において、前記複数の第3位置P3と前記複数の第2位置P2が入り交じって配置され、かつ数からして前記複数の第3位置P3が前記複数の第2位置P2に比べて1個多くなっているため、第2経線42のヘッドビーム1に最も近接する第2位置P2とヘッドビーム1の間、並びに第2経線42のボトムビーム2に最も近接する第2位置P2とボトムビーム2の間にそれぞれ1つの第3位置P3が設けられる。各支持部材43は、第1経線41と第2経線42の間に設けられ、より具体的には、各支持部材43の一端が第1経線41の各第1位置P1に対応して接続され、他端が第2経線42の各第2位置P2に対応して接続される。前記複数の支持部材43は、隣り合う第1支持部材43a及び第2支持部材43bを備え、前記第1ルーバー5a及び第2ルーバー5bは、それぞれ第1支持部材43a及び第2支持部材43bに寄り掛かって設けられる。
図5に示すように、ブラインド100が第1状態にあるとき、前記複数の第2位置P2がそれぞれ前記複数の第1位置P1と同じ高さを有するため、各支持部材43が水平状態を呈し、それに寄り掛かるルーバー5も同様に水平状態を呈する。
【0015】
図5~
図7に示すように、本実施形態において、前記複数のルーバー5における各ルーバーは、前記第2経線42に隣接する側に通孔51を有し、前記第1ルーバー5a、第2ルーバー5b及びラストルーバー5cは、それぞれ前記第2経線42に隣接する側に第1通孔51a、第2通孔51b及びラスト通孔51cを有する。
図5に示すように、本実施形態に係る各制限部材6は、環状を呈し、1つのコードを概ね2つ折りにし、そして両端を共に第2経線42の各第3位置P3に対応して接続することにより形成される。各制限部材6は、第1端E1及び前記第1端E1に相対する第2端E2を備え、前記第1端E1は、それぞれ第2経線42の各第3位置P3に対応して設けられ、前記複数の制限部材6が順に縦方向に沿って第2経線42に配置されるようにする。前記複数の制限部材6は、隣り合う第1制限部材6a及び第2制限部材6bを備え、本実施形態において、第2経線42において第1制限部材6aを設ける第3位置P3が第2制限部材6bを設ける第3位置P3よりヘッドビーム1に近接し、第1制限部材6aを設ける第3位置P3は、第1支持部材43aが対応して接続される第2位置P2に対応して隣接し且つ該第2位置P2の上方に位置し、第2制限部材6bを設ける第3位置P3は、第2支持部材43bが対応して接続される第2位置P2に対応して隣接し且つ該第2位置P2の上方に位置して設けられる。
【0016】
本発明に係るブラインドによれば、ラダーコードの制限部材において、前記第1制限部材6aは、第1ルーバー貫通部61a及び第1連結リング61a’を備える。前記第1ルーバー貫通部61aは、第1制限部材6aの第1端E1と第2端E2の間に設けられ且つ第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通り、前記第1制限部材6aの第2端E2は、第1連結リング61a’に位置して設けられる。本実施形態において、より具体的には、前記第1制限部材6aは、第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通り、本発明では第1制限部材6aが第1通孔51aを突き通るときの第1通孔51a内にある部分を第1ルーバー貫通部61aとし、第1制限部材6aが第1通孔51aから突き抜かれて第1通孔51a外にある部分を第1連結リング61a’とする。前記第2制限部材6bが第1連結リング61a’を突き通り、このとき第1ルーバー5aの第1通孔51aは、第1制限部材6aによって貫設される状態、若しくは第1制限部材6aが逆向きに引き出され、第1通孔51aが第2制限部材6bによって貫設される状態のうち何れかの状態となる。
【0017】
本実施形態において、第2制限部材6bは、第2ルーバー貫通部61b及び第2連結リング61b’を備え、そのうち前記第2ルーバー貫通部61bは、前記第2制限部材6bの第1端E1と第2端E2の間に位置して設けられる。より具体的には、前記第2制限部材6bの第2端E2は、順に第1制限部材6aの第1連結リング61a’及び第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通り、本発明では第2制限部材6bが第2通孔51bを突き通るときの第2通孔51b内にある部分を第2ルーバー貫通部61bとし、第2通孔51bから突き抜かれて第2通孔51b外にある部分を第2連結リング61b’とする。前記第2制限部材6bの第2ルーバー貫通部61bが前記第2ルーバー5bの第2通孔51bに貫設されることにより、前記第1制限部材6aが第1ルーバー5aの第1通孔51aに貫設されやすくなる。前記第2連結リング61b’は、次の制限部材6が突き通るために用いられる。このように、前記複数の制限部材6において、隣り合う制限部材同士が第1制限部材6aと第2制限部材6bの連係仕組みと同様の仕組みで相互に套設されるため、全てのルーバー5の通孔51が、少なくとも1つの制限部材6によって貫通されると共に、各制限部材6の近傍に制限される。このとき、対応する制限部材6が通孔51から該制限部材6の進入方向とは逆向きに引き出されると、これに対応する制限部材6と相互に套設されている別の制限部材6も同時に通孔51から引き出され、ルーバー5の通孔51の位置に対して持続的に制限効果を奏するため、各ルーバー5は、ラダーコード40から引き出されることなく、横向きに大幅に移動する虞れもない。
【0018】
図6及び
図7に示すように、本実施形態において、前記複数の制限部材6は、ラスト制限部材6c及び固定用制限部材6dを更に備え、配置形態からして前記複数の縦方向に配置された制限部材6の配列のうち後部から数えて第2位及び第1位の制限部材に相当する。第2経線42において、ラスト制限部材6c及び固定用制限部材6dを設ける第3位置P3は、それぞれ前記複数の第3位置P3のうちボトムビーム2に2番目で近接し、並びにボトムビーム2に最も近接する。前記ラスト制限部材6cは、ラストルーバー貫通部61c及びラスト連結リング61c’を備え、そのうち前記ラストルーバー貫通部61cは、前記ラスト制限部材6cの第1端E1と第2端E2の間に位置して設けられる。前記ラスト制限部材6cが前記ラストルーバー5cのラスト通孔51cを突き通り、本発明では前記ラスト制限部材6cが前記ラスト通孔51cを突き通るときの該ラスト通孔51c内にある部分をラストルーバー貫通部61cとし、ラスト通孔51cから突き抜かれてラスト通孔51c外にある部分をラスト連結リング61c’とする。前記固定用制限部材6dの第1端E1は、前記複数の第3位置P3のうちボトムビーム2に最も近接する第3位置P3に固定され、前記固定用制限部材6dの第2端(図示せず)は、前記ラスト連結リング61c’を突き通ってから前記ボトムビーム2の底部に向かって伸び出し、そして第1経線41及び第2経線42の下端と共に前記ボトムビーム2の底面に設けられている位置決め孔21に挿し込まれ、さらに、アンカー部材101を利用して位置決め孔21に堅固に係止されることにより、固定用制限部材6dの第2端(図示せず)、第1経線41及び第2経線42の下端をボトムビーム2に固定して接続する。
【0019】
本発明のもう1つの実施形態において、前記ラダーコードは、前の実施形態に比して複数の制限部材6が逆向きに下から上へと順次套設される以外、組み立て前の状態で
図3に示すような前の実施形態と同様の本来の構造を有する。前記複数の制限部材6の配列が反転されているため、前の実施形態と異なる制限部材6が第1制限部材、第2制限部材、ラスト制限部材及び固定用制限部材となり、前の実施形態と異なる支持部材が第1支持部材与第2支持部材となり、前の実施形態と異なるルーバーが第1ルーバー、第2ルーバー及びラストルーバーとなる。第2経線42において、第1制限部材を設ける第3位置P3は、第2制限部材を設ける第3位置P3よりボトムビームに近接し、前記第1制限部材を設ける第3位置P3は、前記第1支持部材が対応して接続される第2位置P2に対応して隣接し且つ該第2位置P2の下方に位置し、前記第2制限部材を設ける第3位置P3は、前記第2支持部材が対応して接続される第2位置P2に対応して隣接し且つ該第2位置P2の下方に位置して設けられる。第1制限部材は、下から上へと前記第1支持部材に寄り掛かる第1ルーバーの第1通孔を突き通り、このとき第1制限部材の第1通孔内にある部分を第1ルーバー貫通部とし、第1制限部材の第1通孔から突き抜かれて第1通孔外にある部分を前記第1連結リングとする。第2制限部材は、順に前記第1連結リング及び前記第2支持部材に寄り掛かる第2ルーバーの第2通孔を突き通り、このとき第2制限部材の第2通孔内にある部分を第2ルーバー貫通部とし、第2制限部材の第2通孔から突き抜かれた部分を第2連結リングとして次の制限部材6が突き通るために用いられ、このような構成が繰り返される。以上で説明した2つの実施形態から、本発明において前記複数の制限部材6が縦方向に沿って順に第2経線42に配置され、各制限部材6が次の制限部材6に套設され、配列方向として上から下へ又は下から上へと何れも可能であることが察知できる。
【0020】
なお、本実施形態において、第2経線42においてラスト制限部材及び固定用制限部材を設ける第3位置P3は、それぞれ前記複数の第3位置P3のうちヘッドビーム1に2番目で近接し、並びにヘッドビーム1に最も近接する第3位置P3である。また、前記ラストルーバーは、前記複数のルーバー5のうちヘッドビーム1に最も近接するルーバーである。前記ラスト制限部材が前記ラストルーバーのラスト通孔を突き通り、このとき前記ラスト制限部材の前記ラスト通孔内にある部分をラストルーバー貫通部とし、前記ラスト制限部材の前記ラスト通孔から突き抜かれた部分をラスト連結リングとする。前記固定用制限部材の第2端は、前記ラスト連結リングを突き通ってから前記第2経線42に固定され、前記ラスト制限部材がラストルーバーのラスト通孔に貫設されるように保持する。このように、本実施形態においても前記複数のルーバー5のうち各ルーバー5の通孔51が少なくとも1つの制限部材6によって貫通されている状態を確保することができ、よって、前記複数のルーバー5は、ラダーコードから引き出されることなく、横方向に大幅に移動する虞もない。
【0021】
引き続き
図6及び
図7を参照されたい。本発明の第1実施形態では、各ラダーコード40がボトムビーム2の底面に設けられる1つの位置決め孔21に対応する構成になっているが、本発明ではこれらに制限されず、設計需要に応じて位置決め孔21をボトムビーム2の別の面に設置してもよく、若しくはラダーコード40の異なる構成材にそれぞれ対応して複数の位置決め孔を設置してもよく、固定用制限部材、第1経線及び第2経線の下端をボトムビーム2に固定して接続することで固定用制限部材が弛んで抜けることを防止し、又はボトムビーム2とラダーコード40が分離しないように防止することができれば、例えば第1経線、第2経線及び固定用制限部材をそれぞれ異なる位置決め孔に対応して設置してもよい。このような配置形態であれば、前記複数のルーバー5がそれぞれ前記複数の制限部材6に制限され、横方向に大幅に移動する虞がない。
【0022】
本発明の第1実施形態において、前記ラダーコード40の第1経線41、第2経線42、前記複数の支持部材43及び前記複数の制限部材6は、製織プロセスで一体に成形される。本発明の別の実施形態において、前記複数の支持部材43及び前記複数の制限部材6は、独立して形成されるリングであってもよく、かつそれぞれ第1経線41及び第2経線42に結合され、例えば機織り、粘結などの方法を利用して前記複数の支持部材43及び前記複数の制限部材6を第1経線41及び第2経線42に固定することにより、第1経線41及び第2経線42に対して相対移動しないようにする。
【0023】
本発明の第1実施形態において、各制限部材6は、環状を呈し、より具体的には、各制限部材6は、1つのコード線分を2つ折りにして形成されたリングであるが、本発明ではこれらに制限されることなく、完全な紐製リングで各制限部材6を構成し、紐製リングにおいて任意の一箇所を前記第1端E1として第2経線42に接続することができる。各制限部材6のコード線分の全長としては、その前の制限部材6で形成された連結リング61’を突き通り、並びに自体をルーバー5の通孔51に最も近接させる観点から、必要とされる長さが少なくとも所定距離Dの2倍より大きい。そして、本実施形態に係る第2経線42は、ブラインド本体50の後部側を通り抜ける構成になっているが、本発明ではこれらについて特に制限がなく、第2経線42及び第1経線41両者の位置を交互に置き換えても構わない。または、前記複数のルーバー5の第1経線41及び第2経線42に隣接する箇所にそれぞれ通孔を設けることにより、ルーバーの通孔に対応して第1経線41及び第2経線42の両方ともに制限部材を設けることも可能である。
【0024】
図1~
図5に示すように、ブラインド100が前記複数のルーバー5が水平状態を呈する第1状態にあり、同時にブラインド100が縦方向に沿って完全に展開した状態にあるとき、ボトムビーム2は、その到達可能な範囲においてヘッドビーム1から最も離れた位置にある。このとき、ヘッドビーム1とボトムビーム2の間にある第1経線41及び第2経線42は、相互に略平行となり且つそれぞれ垂直に伸び出す。または、ブラインド100が第1状態にあるため、
図4及び
図5に示すように、第2経線42における第2位置P2の高さがそれぞれ第1経線41における第1位置P1の高さと同じ高さとなり、よって、前記複数の支持部材43が互いに平行し且つ間隔を隔てる形で縦方向に沿って配置され、同時に前記複数の支持部材43にそれぞれ寄り掛かる前記複数のルーバー5も互いに平行し且つ間隔を隔てる形で縦方向に沿って配置されるようになり、ブラインド100は、光透過量を大きくして光透過状態となる。
【0025】
図2及び
図8~
図10を参照されたい。本実施形態において、転向モジュール34は、ユーザが転向モジュール34を操縦できるように、ヘッドビーム1から露出する操作バトン341を更に備える。ユーザがブラインド100の光透過量を調整しようとするとき、操作バトン341を回すことで転向モジュール34を駆動して軸棒31を回転させ、軸棒31の回転に伴って第1回転ドラム32及び第2回転ドラム33も同期して同一方向に回転し、それに追従して第1回転ドラム32及び第2回転ドラム33に接続されるラダーコード40の状態が変化する。
図8~
図10に示すように、
図2の左側に示すラダーコード40を例とした場合、ユーザが操作バトン341を回すことで軸棒31を駆動して時計回りに回転させると、第1回転ドラム32が一部の第1経線41を放出すると共に一部の第2経線42を巻き上げることでヘッドビーム1とボトムビーム2の間における第1経線41の長さが長くなり、一方で第2経線42の長さが短くなり、第1経線41と第2経線42の間における前記複数の支持部材43は、ユーザがブラインド100に面する角度からして前低め後ろ高めの形で斜めに傾き、そして複数の支持部材43に設けられた前記複数のルーバー5を駆動して斜めに傾くようにする。
【0026】
図10は、局部側面図であり、
図10に示すように、第1制限部材6aの第1連結リング61a’は、第1ルーバー5aの底部に当接して設けられる。第2制限部材6bが第1連結リング61a’を突き通った後、第1ルーバー5aの底面に沿って第2ルーバー5bに向かって伸び出し、そして第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通る。第2通孔51bから突き抜かれた第2制限部材6bの区域は、所謂第2ルーバー貫通部61bであり、第2ルーバー5bの底面に沿って伸び出す第2制限部材6bの他の区域と異なって湾曲状態を呈し、第2ルーバー5bが下へ滑って行かないように第2ルーバー5bに対して位置決め効果を果たす。このように、前記複数のルーバー5全てがそれぞれ対応する制限部材6の湾曲状のルーバー貫通部61によって貫通されて位置決められるため、前記複数のルーバー5が
図9に示すような状態となり、すなわち前記複数のルーバー5同士の重なり範囲がほぼ同じく、ルーバー5同士の間に隙間が存在しない閉合状態となり、効果的に光りを遮断してプライバシーを保護することができ、このときブラインド100が遮光状態となる。転向機構3を利用して光透過量の異なる第1状態と第2状態(例えば、前記光透過状態と前記遮光状態)の間でブラインド本体50の光透過量を調整する作動機構や配置形態については、当分野の常套手段であるため、ここで重複説明を省略する。
【0027】
図11~
図15は、それぞれ第1状態にある本発明の第2実施形態に係るブラインド110を異なる角度で観察するときの立体図、局部透視図、左側面図及びラダーコードの概略構造を示す図である。
図11~
図15に参照されるように、前記ブラインド110は、ヘッドビーム1、ボトムビーム2、転向機構3、2つのラダーコード410及び複数のルーバー5で構成されるブラインド本体50を備える。ブラインド110は、上述の第1実施形態に比べ、昇降機構70及び数で前記2つのラダーコード410に対応する2組の昇降コードを更に備え、各組の昇降コードがそれぞれ各ラダーコード410に隣接し、かつブラインド110の前後側に位置する第1昇降コード112及び第2昇降コード112aを備え、第1昇降コード112及び第2昇降コード112aがそれぞれ対応するラダーコード40の第1経線41及び第2経線42に隣接する点に相違がある。前記複数組の昇降コードは、前記複数のルーバー5を上部に畳み込み又は下へ展開するために用いられる。
【0028】
図11~
図14に示すように、ヘッドビーム1のキャビティにおいて、昇降機構70が第1回転ドラム32と第2回転ドラム33の間に設けられる。昇降機構70は、駆動輪72、蓄勢バネ輪74、バネ76及び2つの巻線輪77,78を備える。バネ76の一端は駆動輪72に接続され、他端は蓄勢バネ輪74に巻回され、駆動輪72の回転方向に応じて蓄勢バネ輪74から放出されて駆動輪72に巻回され、又は駆動輪72から放出されて蓄勢バネ輪74に巻回される。
図13に示すように、本実施形態において、巻線輪77が駆動輪72及び第1回転ドラム32に近接し、もう1つの巻線輪78が駆動輪72から離れて第2回転ドラム33に近接して設けられ、かつ駆動輪72と前記2つの巻線輪77,78は、歯車の噛み合いによって連動可能に構成される。本実施形態において、
図13の左側に示す昇降コード組における第1昇降コード112及び第2昇降コード112aは、両者の上端が巻線輪77に巻回して接続され、右側に示す昇降コード組における第1昇降コード112及び第2昇降コード112aは、両者の上端が巻線輪78に巻回して接続される。前記2つの巻線輪77,78がバネ76及び駆動輪72に駆動されて同期して回転すると、それに追従して2組の昇降コードにおける第1昇降コード112及び第2昇降コード112aが前記2つの巻線輪77,78のうち対応する何れかに巻き上げられる。前記2つの巻線輪77,78が、下へ移動するボトムビーム2に駆動される第1昇降コード112及び第2昇降コード112aに駆動されて同期して逆回転すると、それに追従して2組の昇降コードにおける第1昇降コード112及び第2昇降コード112aが前記2つの巻線輪77,78のうち対応する何れかから放出される。
【0029】
次に、
図11~
図18を参照されたい。本実施形態に係るブラインド110は、同じ構造を有する2つのラダーコード410を備え、
図11の左側に示すラダーコード410を例とした場合、
図11~
図16に示すように、ラダーコード410は、第1経線411、第2経線412、複数の支持部材413、複数の制限部材60、複数の第1位置決めリング114及び複数の第2位置決めリング114aを有する。前記複数の第1位置決めリング114及び前記複数の第2位置決めリング114aは、それぞれ間隔を隔てて第1経線411及び第2経線412に設けられる。それ以外、前記ラダーコード410及び前記複数の制限部材60が第1実施形態のラダーコード40及び制限部材6と同じ構造を有するため、重複説明を省略する。本実施形態において、前記複数の第1位置決めリング114はそれぞれ前記複数の第1位置P1に隣接し、前記複数の第2位置決めリング114aはそれぞれ前記複数の第2位置P2に隣接するが、本発明ではこれらについて特に制限がなく、前記複数の第1位置決めリング114及び前記複数の第2位置決めリング114aの数や設置位置については何れも適宜調整可能である。
【0030】
図11~
図13に示すように、第1昇降コード112は、巻線輪77から外へ伸び出してヘッドビーム1から突き抜かれ、そしてブラインド本体50の前部側を通り抜け、第2昇降コード112aは、巻線輪78から外へ伸び出してヘッドビーム1から突き抜かれ、そしてブラインド本体50の後部側を通り抜ける。そして、
図17及び
図18に示すように、第1昇降コード112及び第2昇降コード112aの下端は、ボトムビーム2の位置決め孔21に挿し込まれる。第1昇降コード112のヘッドビーム1とボトムビーム2の間におけるコード線分は、第1経線411に隣接し、かつ順に第1経線411に設けられる前記複数の第1位置決めリング114を通り抜ける。第2昇降コード112aのヘッドビーム1とボトムビーム2の間におけるコード線分は、第2経線412に隣接し、かつ順に第2経線412に設けられる前記複数の第2位置決めリング114aを通り抜ける。最後に、アンカー部材111を利用して位置決め孔21に堅固に係止されることにより、固定用制限部材60d、第1経線411、第2経線412、第1昇降コード112及び第2昇降コード112aをボトムビーム2に固定して接続する。
【0031】
本実施形態において、各ラダーコード410は、ボトムビーム2の底面に設けられる1つの位置決め孔21に対応して設けられるが、本発明ではこれらについて特に制限がなく、設計需要に合わせて位置決め孔21をボトムビーム2の別の面に設けてもよく、又はラダーコード410の異なる構成材に対応して複数の位置決め孔をそれぞれ設けてもよく、例えば固定用制限部材60d、第1経線411、第2経線412、第1昇降コード112及び第2昇降コード112aをボトムビーム2に確実に固定して接続させ、固定用制限部材60dが弛んで抜けることを防止し、又はボトムビーム2とラダーコード410、第1昇降コード112と第2昇降コード112aが分離しないよう防止することができれば、第1昇降コード、第2昇降コード、第1経線、第2経線及び固定用制限部材をそれぞれ異なる位置決め孔に対応して設けることも可能である。
【0032】
なお、本実施形態において、ラダーコード410の第1経線411、第2経線412、支持部材413、制限部材60、複数の第1位置決めリング114及び複数の第2位置決めリング114aは、製織プロセスにおいて一体に成形される。本発明のもう1つの実施形態において、支持部材413、制限部材60、複数の第1位置決めリング114及び複数の第2位置決めリング114aは、それぞれ独立して第1経線411及び第2経線412に結合されてもよく、例えば機織り、粘結などの方法を利用して支持部材413、制限部材60、複数の第1位置決めリング114及び複数の第2位置決めリング114aを第1経線411及び第2経線412に固定することにより、第1経線411及び第2経線412に対して相対移動しないようにすることができる。
【0033】
なお、本実施形態に係る各制限部材60は、1つのコード線分を2つ折りにして形成されたリングであるが、本発明ではこれらに制限されることなく、完全な紐製リングで各制限部材60を構成し、紐製リングにおいて任意の一箇所を第2経線412に接続することができる。各制限部材60を構成するコード線分全長としては、各制限部材60がその前の制限部材60で形成された連結リング601’、及び自体の下方にあるルーバー5の通孔51を突き通るために必要とされる長さを考慮した上で適宜設定することができる。例えば、各制限部材60の周長を少なくとも所定距離Dの2倍より大きくする必要がある。本実施形態において、各第1位置決めリング114は、各第1位置P1に隣接する位置にそれぞれ対応して設けられ、各第2位置決めリング114aは、各第2位置P2に隣接する位置にそれぞれ対応して設けられる。そのため、第1位置決めリング114同士の距離及び第2位置決めリング114a同士の距離が概ね上述の所定距離Dになっているが、本発明ではこれらについて特に制限がなく、必ずしも等距離で配置する必要もなく、設計需要に合わせて適宜設定することができる。本実施形態において、第1位置決めリング114及び第2位置決めリング114aがそれぞれ第1昇降コード112及び第2昇降コード112aのみが通過できるように設けられるため、第1位置決めリング114の周長及び第2位置決めリング114aの周長が何れも制限部材60の周長より短くなっているが、本発明ではこれらに特に制限されない。第1位置決めリング114及び第2位置決めリング114aのサイズとしては、その孔径が第1昇降コード112及び第2昇降コード112aのコード径より大きく、第1昇降コード112及び第2昇降コード112aが通過可能であり、並びにリング内において上下自由に移動することができれば、本発明において特に制限がなく、設計需要に合わせて適宜設定することができる。
【0034】
以上で述べたように、ルーバー5はそれぞれ制限部材60によって制限され、横方向に大幅に移動することができないため、ブラインド本体50の両側に高低差が生じる虞がない。第1昇降コード112が前記複数の第1位置決めリング114によって制限されるため、水平方向において第1経線411から離れることなく、かつ第1昇降コード112を水平方向に引っ張ると、第1位置決めリング114と第1昇降コード112の間で発生する摩擦力の影響で第1昇降コード112が簡単に引き出される虞がない。同様に、第2昇降コード112aが前記複数の第2位置決めリング114aによって制限されるため、水平方向において第2経線412から離れることなく、かつ第2昇降コード112aを水平方向に引っ張ると、第2位置決めリング114aと第2昇降コード112aの間で生成する摩擦力の影響で第2昇降コード112aが簡単に引き出される虞がない。このように、第1昇降コード112及び第2昇降コード112a全体がそれぞれ第1経線411及び第2経線412に近接し、見掛け上一体化になっているため、ブラインド110は簡潔な外観を呈する。同時に、このような構成によって第1昇降コード112及び第2昇降コード112aが水平方向に簡単に引き出され、そしてリングを形成することに起因する危害を回避することができるため、使用時の安全性を確保することができる。
【0035】
図11~
図16に示すように、ブラインド110が前記複数のルーバー5が水平状態を呈する第1状態にあり、同時にブラインド110が縦方向に沿って完全に展開した状態にあるとき、ボトムビーム2は、その到達可能な範囲においてヘッドビーム1から最も離れた位置にある。このとき、ヘッドビーム1とボトムビーム2の間にある第1経線411及び第2経線412は、それぞれ垂直に伸び出し且つ相互に略平行になる。同時に、昇降機構70のバネ76は、その殆どが駆動輪72に巻回されてエネルギーを蓄積し、巻線輪77,78も殆どの第1昇降コード112及び第2昇降コード112aを放出した状態になる。
【0036】
さらに、
図11及び
図19に参照されるように、ユーザが
図11に示すブラインド110のブラインド本体50の遮光範囲を変えようとした場合、ボトムビーム2を上へ押し続け、ボトムビーム2とヘッドビーム1の距離を縮小することができる。このとき、ボトムビーム2とヘッドビーム1の間に位置する第1昇降コード112及び第2昇降コード112aが弛み、昇降機構70のバネ76が駆動輪72から徐々に放出されて蓄勢バネ輪74に巻回され、同時にエネルギーを釈放して駆動輪72及び巻線輪77,78を駆動して回転させ、このとき第1回転ドラム32に巻き付いた第1昇降コード112の上端及び第2昇降コード112aの上端が巻線輪77に徐々に巻き上げられ、第2回転ドラム33に巻き付いた第1昇降コード112の上端及び第2昇降コード112aの上端が徐々に巻線輪78に巻き上げられる。ボトムビーム2がその到達可能な範囲においてヘッドビーム1に最も近接する位置に移動したとき、つまり、
図19に示す状態が全閉状態となる。ユーザは、ボトムビーム2を移動することで全開状態と全閉状態の間でブラインド本体50の遮光範囲を調節することができる。
【0037】
ボトムビーム2がヘッドビーム1に対して相対移動を行い、昇降機構70がボトムビーム2とヘッドビーム1の距離変化に応じて第1昇降コード112及び第2昇降コード112aを巻き上げ又は放出する際の作動機構、並びにボトムビーム2を移動させずにボトムビーム2を操作完了位置に据え付けるなど、かかる技術事項は何れも当分野の常套手段であり、ここで重複説明を省略する。第1昇降コード112及び第2昇降コード112aの数については、各自それぞれ2つに限定する必要もなく、ブラインド110の幅に応じて適宜決めることができる。本発明によれば、第1昇降コード112及び第2昇降コード112aをそれぞれ1つだけ設けることにより、ブラインド110のボトムビーム2を水平に保持し、任意に傾く不具合を回避することができる。
【0038】
さらに、
図20~
図22を参照する。ユーザは、操作バトン341を用いて転向モジュール34を駆動することで、ブラインド110の光透過量を調整することができ、かかる構成要素や作動機構については第1実施形態の場合と同じであるため、重複説明を省略する。
図22は局部側面図であり、同図に示すように、第2制限部材60bが第1連結リング601a’から突き抜かれた後、その第2ルーバー貫通部601bが第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通るまで第1ルーバー5aの底面に沿って第2ルーバー5bに向かって伸び出す。第2制限部材60bの第2通孔51bから突き抜かれた区域が所謂第2ルーバー貫通部601bであり、第2ルーバー5bに沿って伸びだす第2制限部材60bの他の区域に比べて湾曲状態を呈し、第2ルーバー5bに対して位置決め作用を発揮して第2ルーバー5bが下へ移動しないようにする。このように、対応する制限部材60のルーバー貫通部601が湾曲して突き抜かれることにより、各ルーバー5それぞれの位置が決められ、各ルーバー5は、
図20に示すような互いに重ない合う範囲がほぼ同じである状態を呈し、ルーバー5同士の間に隙間のない閉合状態となり、効果的に光り遮断してプライバシー保護効果を奏する。
【0039】
本実施形態において、バネ箱を昇降機構70とした場合を例示したが、本発明ではこれらに特に制限されない。当分野では、例えば手動や電動などの様々な昇降機構が使われ、これらによってもボトムビーム2を駆動してその位置を変えることができ、実際需要に合わせて適宜使用することができる。本実施形態において、昇降機構70がヘッドビーム1のキャビティに収容され、第1回転ドラム32と第2回転ドラム33の間に設けられるが、本発明ではこれらに特に制限されない。ブラインドの幅に応じて回転ドラムの数を増やしてもよく、ヘッドビーム1のキャビティのサイズ及び回転ドラムの位置に応じて昇降機構をヘッドビーム1のキャビティ内において別の位置に設けることも可能である。なお、ボトムビーム2内に昇降機構を設けても構わない。
【0040】
図23~
図27は、本発明の第3実施形態に係るブラインド120を示す。
図23~
図27に示すように、前記ブラインド120は、ヘッドビーム1、ボトムビーム2、転向機構3、2つのラダーコード420、複数のルーバー5で構成されるブラインド本体50、昇降機構70a及び2組の昇降コードを備え、そのうち各組の昇降コードは、第1昇降コード122及び第2昇降コード122aを備える。本実施形態のブラインド120と第2実施形態のブラインド110は、第2実施形態に係るブラインド110の昇降機構70がヘッドビーム1内に設けられ、本実施形態に係るブラインド120の昇降機構70aがボトムビーム2内に設けられる点に相違がある。それ以外、ブラインド120のラダーコード420及びその制限部材の構造が何れも第2実施形態のラダーコード410及びその制限部材60の場合と同じであるため、ここで重複説明を省略する。
【0041】
前記ブラインド120のボトムビーム2にキャビティが形成され、その中に昇降機構70aが収容され、昇降機構70aは、昇降機構70の場合と同様に駆動輪72a、蓄勢バネ輪74a、バネ76a及び2つの巻線輪77a,78aを備える。バネ76aの一端は駆動輪72aに接続され、他端は蓄勢バネ輪74aに巻回され、かつ駆動輪72aの回転方向に応じて駆動輪72aに巻回され、又は駆動輪72aから放出されて蓄勢バネ輪74aに巻回される。前記2つの巻線輪77a,78aのうち巻線輪77aは駆動輪72aに近接し、巻線輪78aは駆動輪72aから離れて設けられる。駆動輪72aと巻線輪77a,78aは、歯車の噛み合いによって連動可能に構成される。
【0042】
本実施形態において、
図23の左側に示す第1昇降コード122の下端及び第2昇降コード122aの下端は、それぞれ巻線輪78aに接続され、
図23の右側に示す第1昇降コード122の下端及び第2昇降コード122aの下端は、それぞれ右側の巻線輪77aに接続される。ユーザは、ボトムビーム2を移動することで全開状態と全閉状態の間でブラインド本体50の遮光範囲を調節することができる。ボトムビーム2とヘッドビーム1との距離が縮小すると、バネ76aはエネルギーを釈放して駆動輪72aを駆動して回転させ、それに追従して巻線輪77a,78aが回転して対応する第1昇降コード122及び第2昇降コード122aをそれぞれ巻き上げる。ボトムビーム2とヘッドビーム1との距離が増加すると、巻線輪77a,78aは、引っ張られた第1昇降コード122及び第2昇降コード122aに駆動され、同時に駆動輪72aを駆動して回転させることでバネ76aを巻き上げてエネルギーを蓄積する。
【0043】
昇降機構70aの巻線輪77a,78aから伸びだす第1昇降コード122及び第2昇降コード122aは、ボトムビーム2から突き抜かれてブラインド本体50の前部側及び後部側をそれぞれ通り抜け、そしてヘッドビーム1に挿し込まれて第1回転ドラム32a及び第2回転ドラム33aに接続される。
図23の左側に示すラダーコード420、第1昇降コード122、第2昇降コード122a及び第1回転ドラム32aを例とした場合、ブラインド120が第1状態にあり且つルーバー5が
図23~
図25に示すような水平状態を呈するとき、第1経線421及び第1昇降コード122は、下から上へと順次第1回転ドラム32aの前部、頂部及び後部に接触しながら通り抜け、その外周面に沿って一部の第1回転ドラム32aに巻き付け且つその上端部を第1回転ドラム32aの底部に固定する。一方、第2経線422及び第2昇降コード122aは、下から上へと順次第1回転ドラム32aの後部、頂部及び前部に接触しながら通り抜け、その外周面に沿って一部の第1回転ドラム32aに巻き付け且つその上端部を第1回転ドラム32aの底部に固定する。このとき、第1経線421、第2経線422、第1昇降コード122及び第2昇降コード122aの上端部は、第1回転ドラム32aにおいてルーバーに最も近接する箇所に位置する。
【0044】
ユーザがルーバーの光透過量を調整しようとするとき、操作バトン341を用いて軸棒31を駆動して回転させることができ、例えば
図26に示すように、軸棒31を図面の左側から右側に向かって観察して時計回りに回すと、それに追従して第1回転ドラム32aが同一方向に回転し、このとき第1経線421、第2経線422、第1昇降コード122及び第2昇降コード122aの上端部が第1回転ドラム32aに接続する位置は、第1回転ドラム32aに伴って同一方向に回転する。第1回転ドラム32aが回転する際、第1経線421及び第1昇降コード122の第1回転ドラム32aの前部側にある部分が第1回転ドラム32aの外周面から徐々に放出され、つまり、第1経線421及び第1昇降コード122の第1回転ドラム32aの外周面に巻き付いた部分が短くなり、ヘッドビーム1とボトムビーム2の間にある部分の長さが長くなる。これに対し、第1回転ドラム32aが回転する際、第2経線422及び第2昇降コード122aの第1回転ドラム32aの後部側にある部分が徐々に第1回転ドラム32aの外周面に巻き付き、つまり、第1経線421及び第1昇降コード122の第1回転ドラム32aの外周面に巻き付いた部分が増え、ヘッドビーム1とボトムビーム2の間にある部分の長さが短くなる。このように、ヘッドビーム1とボトムビーム2の間における第1経線421及び第2経線422の長さが相対的に変化するにつれ、第1経線421と第2経線422の間にある支持部材423は、ユーザがブラインド120に面する角度からして前低め後ろ高めの形で斜めに傾き、そして支持部材423に設けられたルーバー5を駆動して斜めに傾けることにより、ブラインド本体50の光透過量を調整することができる。
【0045】
図28~
図33は、本発明の第4実施形態に係るブラインド130を示す。
図28~
図33に示すように、前記ブラインド130は、ヘッドビーム1、ボトムビーム2、転向機構3、2つのラダーコード430及び複数のルーバー5で構成されるブラインド本体50を備え、各ラダーコード430は、第1経線431、第2経線432、複数の支持部材433及び複数の制限部材8を備える。本実施形態のブラインド130と上記実施形態のブラインドは、主に前記複数の制限部材8と前記複数の制限部材6、60又は65が構造において異なる点に相違がある。
【0046】
本実施形態において、各ラダーコード430の第1経線431に複数の第1位置P1が設けられ、各第1位置P1の間が所定距離Dで隔てられ、第2経線432に複数の第2位置P2、複数の第3位置P3及び複数の第4位置P4が設けられる。そのうち、前記複数の第3位置P3は、それぞれ前記複数の第2位置P2に対応して隣接し、前記複数の第4位置P4は、前記複数の第3位置P3と入り交じって配置される。本実施形態において、各第2位置P2の間、各第3位置P3の間及び各第4位置P4の間は、上記と同様に所定距離Dで隔てられる。各支持部材433は、第1経線431と第2経線432の間に設けられ、より具体的には、各支持部材433の一端が第1経線431の各第1位置P1に対応して接続され、他端が第2経線432の各第2位置P2対応して接続される。前記複数の支持部材432は、隣り合う第1支持部材433a及び第2支持部材433bに加え、頂部支持部材433cを更に備える。前記頂部支持部材433cは、前記複数の支持部材433のうちヘッドビーム1に最も近接する支持部材であり、2つの調整部4331c,4332cを備える。前記複数のルーバー5は、隣り合う第1ルーバー5a及び第2ルーバー5bを備え、第1ルーバー5a及び第2ルーバー5bは、第1支持部材433a及び第2支持部材433bにそれぞれ寄り掛かって設けられる。本実施形態において、前記複数のルーバー5は、ラストルーバー5c及び頂部ルーバー5dを更に備え、前記頂部ルーバー5dは、前記頂部支持部材433cの2つの調整部4331c,4332cの間に設けられる。また、前記頂部ルーバー5dの第1経線431及び第2経線432に対応する箇所にそれぞれ切欠け51dが設けられ、通り過ぎの第1経線431及び第2経線432が対応する切欠け51dに陥るようにする(
図29を参照)。
【0047】
図32及び
図33に示すように、本実施形態において、頂部ルーバー5dを除き、前記複数のルーバー5に何れも1つの通孔51が設けられる。例えば、第1ルーバー5aの第2経線432に近接する側に第1通孔51aが設けられ、第2ルーバー5bの第2経線432に近接する側に第2通孔51bが設けられ、ラストルーバー5cの第2経線432に近接する側にラスト通孔51c設けられる。各制限部材8は、第1端E1及び前記第1端E1に相対する第2端E2を備え、各制限部材8の第1端E1は、それぞれ前記第2経線432の各第3位置P3に対応して設けられ、前記複数の制限部材8が縦方向に沿って順に前記第2経線432に配置されるようにする。前記複数の制限部材8は、隣り合う第1制限部材8a及び第2制限部材8bを備え、第1制限部材8aは、第1本体部81a及び第1ルーバー貫通部82aを備える。そのうち、第1本体部81aは、第1制限部材8aの第1端E1から第2端E2(
図32に示さず)に伸び出し、第1ルーバー貫通部82aは、第2経線432の対応する第4位置P4に設けられる接続端CEを有し、かつ第1ルーバー5の第1通孔51aを突き通って第1制限リング82a’を形成する。前記第1本体部81aは、前記第1制限リング82a’から突き抜かれ、かつ前記第1制限リング82a’を突き通り、第2制限部材8bが挿し込まれる第1連結リング81a’を形成する。第1制限部材8aの第2端E2は、前記第1連結リング81a’に位置して設けられる。前記第1本体部81aが前記第1制限リング82a’ に挿し込まれるため、前記第1ルーバー5aが外力の作用下で移動するとき、前記第1ルーバー5aの第1通孔51aは、前記第1ルーバー貫通部82a及び前記第1本体部81aのうち何れかによって貫設されている状態を保持し、前記第1ルーバー5aが移動しないよう制限する。
【0048】
前記第2制限部材8bは、前記第1制限部材8aと同じ構造を有し、第2本体部81b及び第2ルーバー貫通部82bを備え、第2ルーバー貫通部82bは、前記第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通って第2制限リング82b’を形成する。第2本体部81bは、順に前記第1連結リング81a’及び前記第2制限リング82b’を突き通り、かつ前記第2制限部材8bの下方に位置する次の制限部材8が突き抜かれるよう、第2制限リング82b’を突き通って第2連結リング81b’を形成する。このように、前記複数の制限部材8において、隣り合う制限部材8同士が第1制限部材8aと第2制限部材8bの連携仕組みと同様の仕組みで相互に套設されるため、全てのルーバー5の通孔51が対応する制限部材8のルーバー貫通部82によって貫通され、各制限部材8の近傍に制限される。それ故、対応する制限部材8のルーバー貫通部82が通孔51から引き出されると、前記ルーバー貫通部82で形成された制限リング82’内に位置する本体部81も同時に通孔51から引き出され、ルーバー5の通孔51の位置が変動しないよう持続的に制限効果を奏する。
【0049】
図32に示すように、本実施形態において、前記第1ルーバー5aは、前記第2ルーバー5bより前記ヘッドビーム1に近接するルーバーである。前記第2経線432において、前記第1ルーバー貫通部82aを設ける第4位置P4は、前記第1支持部材433aを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第1制限部材8aを設ける第3位置P3は、前記第1ルーバー貫通部82aを設ける第4位置P4より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第2ルーバー貫通部82bを設ける第4位置P4は、前記第2支持部材433bを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第2制限部材8bを設ける第3位置P3は、前記第2ルーバー貫通部82bを設ける第4位置P4より前記ヘッドビーム1に近接して設けられる。
【0050】
図33に示すように、本実施形態において、前記ラストルーバー5cは、前記複数のルーバー5のうちボトムビーム2に最も近接するルーバーである。前記複数の制限部材8は、さらにラスト制限部材8c及び固定用制限部材8dを備える。第2経線432において、ラスト制限部材8c及び固定用制限部材8dを設ける第3位置P3は、それぞれ前記複数の第3位置P3のうち2番目でボトムビーム2に近接する第3位置P3及びボトムビーム2に最も近接する第3位置P3である。前記ラスト制限部材8cは、さらにラスト本体部81c、ラストルーバー貫通部82c及びラスト連結リング81c’を備え、前記ラスト本体部81cは、前記ラスト制限部材8cの第1端E1から第2端E2へ伸び出し、前記ラストルーバー貫通部82cは、前記第2経線432の複数の第4位置P4のうちボトムビーム2に最も近接する第4位置P4に設ける接続端CEを有し、かつ前記ラストルーバー5cのラスト通孔51cを突き通ってラスト制限リング82c’を形成する。前記ラスト本体部81cは、順にその前の制限部材8の連結リング81’(図面に示さず)及びラスト制限リング82c’を突き通り、前記ラスト制限リング82c’を突き通って前記ラスト連結リング81c’を形成する。固定用制限部材8dの第1端は、第2経線432の前記複数の第3位置P3のうちボトムビーム2に最も近接する第3位置P3に設けられ(
図30を参照)、固定用制限部材8dの第2端は、前記ラスト連結リング81c’を突き通って前記ボトムビーム2の底部へ伸び出し、そして第1経線431及び第2経線432の下端と共にアンカー部材131によってボトムビーム2に堅固に結合される。
【0051】
本実施形態において、前記アンカー部材131は、第1係止ブロック1311及び第2係止ブロック1312を備え、第1係止ブロック1311は、第1係止溝1313を有し、第2係止ブロック1312は、第2係止溝1314を有する。アンカー部材131は、通路を備え、第1経線431の第2端は、アンカー部材131に挿し込まれてから第1係止ブロック1311側から露出し、そして第1係止ブロック1311を一周してから第1係止溝1313に嵌入して堅固に係止され、第2経線432の第2端は、アンカー部材131に挿し込まれてから第2係止ブロック1312側から露出し、そして第2係止ブロック1312を一周してから第2係止溝1314に嵌入して堅固に係止される。固定用制限部材8dは、アンカー部材131に伸び出した後に直ちに第2係止ブロック1312に套設される。そのため、第1経線431の下端、第2経線432の下端及び固定用制限部材8dがボトムビーム2と分離できなくなる。ここで敢えて説明するが、
図29に示すように、図の右側に示すラダーコード430の下端は、ボトムビーム2に右側に位置するアンカー部材132に接続される。アンカー部材132とアンカー部材131は、構造上において対称性を示し、右側にあるラダーコード430の第1経線431、第2経線432及び固定用制限部材8dは、左側にあるラダーコード430がアンカー部材131に接続されている方式と同様の方式でアンカー部材132に接続される。
【0052】
本発明のもう1つの実施形態において、第1経線431の下端、第2経線432の下端及び固定用制限部材8dが別の方式でボトムビーム2に接続されてもよく、例えばボトムビーム2に穴隙を設け、穴隙から突き抜かれた第1経線431の第2端、第2経線432の第2端及び固定用制限部材8dを結び付けて固定しても同じ効果が得られる。または、第1経線431及び第2経線432のみをボトムビーム2に固定し、一方で固定用制限部材8dの第2端を第2経線432に固定することで固定用制限部材8dを制限する効果を奏することができ、よって、ラストルーバー5cのラスト通孔51cが前記ラスト本体部81c及び前記ラストルーバー貫通部82cのうち何れかによって貫設されている状態を保持する。
【0053】
本実施形態において、前記ラダーコード430の第1経線431、第2経線432、支持部材433、各制限部材8の本体部81及び各制限部材8のルーバー貫通部82は、第2位置P2、第3位置P3及び第4位置P4が互いに重ならないように、製織プロセスにおいて一体に成形される。本発明のもう1つの実施形態において、各支持部材433、各制限部材8の本体部81及び各制限部材8のルーバー貫通部82がそれぞれ独立して形成されたリングであってもよく、かつそれぞれ機織り、粘結などの方法を利用して第1経線431及び第2経線432に結合される。各支持部材は、第2経線の一端、各制限部材の本体部の第1端及び各制限部材のルーバー貫通部の接続端に接続され、かつ第2経線において同じ位置に設けられてもよく、すなわち各第2位置P2、第3位置P3及び第4位置P4が互いに重なっても構わないが、この場合、前記ルーバー貫通部は、長さを前記本体部の長さより短くすることにより、ルーバーを突き通ってルーバーが横方向に大幅に移動しないように制限する。
【0054】
なお、本実施形態において、各制限部材8のルーバー貫通部82は、1つのコード線分を2つ折りにして形成されたリングであるが、本発明ではこれらに制限されることなく、完全な紐製リングで各ルーバー貫通部82を構成してもよく、かつ紐製リングにおいて任意の一箇所を第2経線432に接続することができる。本実施形態において、各本体部81は、1つのコード線分を2つ折りにして形成されたリングであるが、本発明ではこれらに制限されることなく、完全な紐製リングで各本体部81を構成してもよく、かつ紐製リングにおいて任意の一箇所を第2経線432に接続することができる。なお、本実施形態において、各ルーバー貫通部82の周長としては、ルーバー貫通部82がルーバー5の通孔51を突き通って形成された制限リング82’を、対応する本体部81が突き通るために必要とされる最小限の長さを考慮した上で、支持部材433が傾斜角を変えたとき、支持部材433の傾斜に追従してルーバー5が支障なく自由に角度を変えることができれば、状況に合わせて適宜設定することができる。一方、対応する制限リング82’及び連結リング81’(図面に示さず)が自由に通り抜け、かつ支持部材433同士(すなわち、ルーバー5同士)の間隔に影響を与えない観点から、各本体部81を2倍の所定距離Dよりやや大きくする必要があるため、各ルーバー貫通部82の周長は、各本体部81の周長に比べて特に短くなる。そして、本実施形態に係る第2経線432は、ブラインド本体50の後部側を通り抜ける構成になっているが、本発明ではこれらについて特に制限がなく、第2経線432及び第1経線431両者の位置を互いに置き換えても構わない。若しくは、各ルーバー5の第1経線431及び第2経線432に隣接する箇所にそれぞれ通孔を設けることにより、ルーバーの通孔に対応して第1経線431及び第2経線432の両方ともに制限部材8を設けてもよい。
【0055】
以上で述べたように、各ルーバー5が対応する制限部材8のルーバー貫通部82によって制限されるため、意図的に1つの制限部材8のルーバー貫通部82を引っ張って対応するルーバー5の通孔51から抜けようとしても、該ルーバー貫通部82で形成される制限リング82’に貫設されている対応する本体部81が通孔51に入り込むことになる。このように、各前記複数のルーバー5の通孔51が常に対応する制限部材8の本体部81及びルーバー貫通部82のうち何れかによって貫通される状態を保持し、さらに、前記複数の制限部材8が相互に套設されているため、前記複数のルーバー5がラダーコード430から引き出される虞がない。なお、各ルーバー貫通部82の周長が短く、横方向において変形や傾きを許容する十分な余裕がないため、前記複数のルーバー5が横方向に大幅に移動する虞がない。
【0056】
本実施形態において、前記2つのラダーコード430の上端は、それぞれヘッドビーム1内の第1回転ドラム32及び第2回転ドラム33に接続される。第1回転ドラム32及び第2回転ドラム33の直径及びヘッドビーム1の底面における各ラダーコード430の第1経線431及び第2経線432が突き抜かれる位置とルーバー5の短手方向の長さが一致しないため、各ラダーコード430の第1経線431及び第2経線432が前記頂部ルーバー5dを突き通って上向きに第1回転ドラム32及び第2回転ドラム33のうち何れかの回転ドラムまで伸び出したとき裏側へ傾く角度が生じ、頂部ルーバー5dが他のルーバー5に比べて各ラダーコード430の第1経線431及び第2経線432による大きな圧力を受けることになる。そこで、前記複数の切欠け51dを設けることにより、各ラダーコード430の第1経線431及び第2経線432が裏側へ傾く角度を鈍化させ、頂部ルーバー5dに対する圧力の影響を低減することができる。同時に、切欠け51dに嵌入される前記複数の第1経線431及び第2経線432も頂部ルーバー5dに対して制限作用を果たし、横向きに簡単に移動しないようにすることができる。さらに、前記頂部支持部材433cの前記2つの調整部4331c,4332cによっても前記頂部ルーバー5dが他の支持部材433の傾きに同期して傾くようにすることができる。このように、前記頂部ルーバー5dは、制限部材8による制限効果がなくても独自で他のルーバー5とは異なる別の角度に反転する虞がない。
【0057】
図29及び
図34~
図36は、本実施形態に係るブラインド130を示す。ブラインド130は、操作バトン341を利用して転向機構3を操作することで光透過量の異なる第1状態と第2状態の間でブラインド本体50の光透過量を調節することができ、ブラインド130の操作方法や作動機構については、第1実施形態のブラインド100の場合と同じであるため重複説明を省略する。ブラインド130の特徴として、例えば
図35~
図36に示すように、閉合状態において頂部ルーバー5dが前記2つの調整部4331c,4332cの間に挟まれ、第1通孔51aから突き抜かれた第1制限部材8aが第1ルーバー5aを吊持し、第1本体部81aが頂部ルーバー5dの底面と第2経線432の間の隙間から抜き出して下へ湾曲し、そして第1ルーバー貫通部82aが第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通って形成された第1制限リング82a’を突き通り、第1ルーバー5aの底面と第2経線432の隙間において第1連結リング81a’を形成することが挙げられ、このような構成が繰り返される。各ルーバー貫通部82の周長が短く、ルーバー5がほぼ垂直な状態を呈するとき、各ルーバー貫通部82が各ルーバー5をそれぞれ吊持し、各ルーバー5に対して位置決め効果を果たすことにより、各ルーバー5が下へ滑り又は横向きに移動することから免れ、さらに、隣り合うルーバー5同士の重なり範囲をほぼ同じくし、かつ左右を揃うことができるようにする。なお、前記複数の制限部材8の本体部81が前記複数のルーバー5の裏面に隠され、かつほぼストレートに伸ばされるため、他の構成材と差障りが生じて前記複数のルーバー5の閉合に影響を与える虞がない。
【0058】
図37~
図42は、それぞれ第1状態にある本発明の第5実施形態に係るブラインド140を異なる角度で観察するときの立体図、局部透視図、左側面図及びラダーコードの概略構造を示す図である。
図37~
図42に示すように、前記ブラインド140は、ヘッドビーム1、ボトムビーム2、転向機構3、2つのラダーコード440、複数のルーバー5で構成されるブラインド本体50、昇降機構70b及び数で前記2つのラダーコード440に対応する2組の昇降コードを備える。各ラダーコード440は、第1経線441、第2経線442、複数の支持部材443及び複数の制限部材80を備え、前記複数の制限部材80については、第4実施形態の制限部材8と同じ構造を有するため重複説明を省略する。第4実施形態の場合に比べ、前記ブラインド140は、主に前記昇降機構70b及び前記2組の昇降コードを有し、各組の昇降コードがそれぞれ各ラダーコード440に隣接し、かつそれぞれ前記ブラインド140の前後部に位置する第1昇降コード143及び第2昇降コード143aを備え、第1昇降コード143及び第2昇降コード143aが対応するラダーコード440の第1経線441及び第2経線442にそれぞれ隣接する点に相違がある。前記複数組の昇降コードは、前記複数のルーバー5を上部に畳み込み又は下へ展開するために用いられる。
【0059】
図37~
図39に参照されるように、前記昇降機構70bは、駆動輪72b、蓄勢バネ輪74b、バネ76b及び2つの巻線輪77b,78bを備え、前記昇降機構70bの設置態様及び作動機構については第3実施形態の昇降機構70aの場合とほぼ同じであるため、ここで重複説明を省略する。
図37の左側に示す昇降コード組の第1昇降コード143及び第2昇降コード143aは、両者の下端が巻線輪78bに巻き付いて接続され、右側に示す昇降コード組の第1昇降コード143及び第2昇降コード143aは、両者の下端が巻線輪77bに巻き付いて接続される。前記2つの巻線輪77b,78bが同時に回転し始まると、前記2組の昇降コードのうち第1昇降コード143及び第2昇降コード143aがそれぞれ前記2つの巻線輪77b,78bに巻き上げられ、若しくはそれぞれ前記2つの巻線輪77b,78bから放出される。
【0060】
図43及び
図44は、本発明の第5実施形態に係るラダーコードのもう1つの実施形態を示す。
図43及び
図44に示すように、本実施形態のラダーコード450は、本来の構造からして
図40に示すラダーコード440に似ているが、ラダーコード440における複数の制限部材80の本体部81が上から下へと直列接続されることに対し、本実施形態のラダーコード450における制限部材の本体部が下から上へと直列接続される点に相違がある。つまり、ラダーコード440とラダーコード450は、本来の構造が類似するが、その付属する制限部材の本体部同士を直列接続するときの向きが正反対であるため、第1制限部材、第2制限部材、ラスト制限部材、固定用制限部材が異なる制限部材によって構成される。例えば、
図40~
図42に示すラダーコード440は、そのラスト制限部材80c及び固定用制限部材80dがそれぞれ第2経線442において2番目でボトムビーム2に近接する第3位置P3及びボトムビーム2に最も近接する第3位置P3に設けられ、本実施形態のラダーコード450は、ラスト制限部材及び固定用制限部材がそれぞれ第2経線442において2番目でヘッドビーム1に近接する第3位置P3及びヘッドビーム1に最も近接する第3位置P3に設けられる。
【0061】
前記ラダーコード450は、第1経線451、第2経線452、複数の支持部材及び複数の制限部材を備え、そのうち前記複数の制限部材は、隣り合う第1制限部材85a及び第2制限部材85bを備え、第2制限部材85bが第1制限部材85aの上方に設けられる。第1制限部材85aは、第1本体部851a及び第1ルーバー貫通部852aを備え、第1本体部851aの一端が、すなわち第1制限部材85aの第1端E1が第2経線452において対応する第3位置P3に設けられ、第1ルーバー貫通部852aの接続端CEが第2経線452において対応する第4位置P4に設けられる。第1ルーバー貫通部852aは、上から下へと第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通って第1制限リング852a’を形成し、第1本体部851aは、下から上へと前記第1制限リング852a’を突き通って第1連結リング851a’を形成する。第2制限部材85bは、第2本体部851b及び第2ルーバー貫通部852bを備え、第2本体部851bの一端が、すなわち第2制限部材85bの第1端E1が第2経線452において対応する第3位置P3に設けられ、第2ルーバー貫通部852bの接続端CEが第2経線452において対応する第4位置P4に設けられる。第2ルーバー貫通部852bは、上から下へと第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通って第2制限リング852b’を形成し、第2本体部851bは、下から上へと第2制限リング852b’を突き通って第2連結リング851b’を形成する。ここで、前記第2制限部材85bを同様にラスト制限部材とし、第2連結リング851b’をラスト連結リングとする。また、次の部制限材を固定用制限部材85dとし、該固定用制限部材85dは、ルーバー貫通部がなく本体部のみを備え、該本体部が前記ラストリングに挿し込まれてから第2経線452に固定される。
【0062】
引き続き
図43~
図44を参照されたい。本実施形態において、前記第1ルーバー5aは、前記第2ルーバー5bよりボトムビーム2に近接して設けられる。前記第2経線452において、前記第1ルーバー貫通部852aを設ける第4位置P4は、前記第1支持部材453aを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第1制限部材85aの第1本体部851aを設ける第3位置P3は、前記第1ルーバー貫通部852aを設ける第4位置P4より前記ボトムビーム2に近接し、前記第2ルーバー貫通部852bを設ける第4位置P4は、前記第2支持部材453bを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第2制限部材85bの第2本体部851bを設ける第3位置P3は、前記第2ルーバー貫通部852bを設ける第4位置P4より前記ボトムビーム2に近接して設けられる。
【0063】
図45~
図47は、本発明の第5実施形態に係るラダーコードのもう1つの実施形態を示す。
図45~
図47に示すように、前記ラダーコード460は、第1経線461、第2経線462、支持部材463及び複数の制限部材86を備え、前記複数の制限部材86は、隣り合う第1制限部材86a及び第2制限部材86bを備える。第1制限部材86aは、第1本体部861a及び第1ルーバー貫通部862aを備え、第1本体部861aの一端が、すなわち第1制限部材86aの第1端E1が第2経線462において対応する第3位置P3に設けられ、第1ルーバー貫通部862aの接続端CEが第2経線462において対応する第4位置P4に設けられる。第1ルーバー貫通部862aは、下から上へと第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通って第1制限リング862a’を形成し、第1本体部861aは、上から下へと前記第1制限リング862a’を突き通って第1連結リング861a’を形成する。第2制限部材86bは、第2本体部861b及び第2ルーバー貫通部862bを備え、第2本体部861bの一端が、すなわち第2制限部材86bの第1端E1が第2経線462において対応する第3位置P3に設けられ、第2ルーバー貫通部862bの接続端CEが第2経線462において対応する第4位置P4に設けられる。第2ルーバー貫通部862bは、下から上へと第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通って第2制限リング862b’を形成し、第2本体部861bは、上から下へと前記第2制限リング862b’を突き通り、次の制限部材86の本体部861が挿し込まれる第2連結リング861b’を形成し、このような構成が繰り返される。
【0064】
引き続き
図45~
図47を参照されたい。本実施形態において、前記第1ルーバー5aは、前記第2ルーバー5bより前記ヘッドビーム1に近接して設けられる。前記第2経線462において、前記第1制限部材86aの第1本体部861aを設ける第3位置P3は、前記第1支持部材463aを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第1支持部材463aを設ける第2位置P2は、前記第1ルーバー貫通部862aを設ける第4位置P4より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第2制限部材86bの第2本体部861bを設ける第3位置P3は、前記第2支持部材463bを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第2支持部材463bを設ける第2位置P2は、前記第2ルーバー貫通部862bを設ける第4位置P4より前記ヘッドビーム1に近接して設けられる。
【0065】
図48~
図49は、本発明の第5実施形態に係るラダーコードのもう1つの実施形態を示す。
図48~
図49に示すように、本発明の第5実施形態に係るラダーコーは、本来の構造からして
図45に示すラダーコード460に似ているが、ラダーコード460における複数の制限部材の本体部が上から下へと直列接続されることに対し、本実施形態のラダーコード470に所属する制限部材の本体部が下から上へと直列接続される点に相違がある。つまり、ラダーコード460とラダーコード470は、本来の構造が類似するが、その付属する制限部材の本体部同士を直列接続するときの向きが正反対であるため、第1制限部材、第2制限部材、ラスト制限部材、固定用制限部材が異なる制限部材によって構成される。
【0066】
前記ラダーコード470は、第1経線471、第2経線472、支持部材及び複数の制限部材を備え、前記複数の制限部材は、隣り合う第1制限部材87a及び第2制限部材87bを備え、第1制限部材87aが第2制限部材87bの下方に設けられる。第1制限部材87aは、第1本体部871a及び第1ルーバー貫通部872aを備え、第1本体部871aの一端が第2経線472において対応する第3位置に設けられ(
図48に示さず)、第1ルーバー貫通部872aの接続端CEが第2経線472において対応する第4位置P4に設けられる。第1ルーバー貫通部872aは、下から上へと第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通って第1制限リング872a’を形成し、第1本体部871aは、下から上へと前記第1制限リング872a’を突き通って第1連結リング871a’を形成する。第2制限部材87bは、第2本体部871b及び第2ルーバー貫通部872bを備え、第2本体部871bの一端が第2経線472において対応する第3位置P3に設けられ、第2ルーバー貫通部872bの接続端CEが第2経線472において対応する第4位置P4に設けられる。第2ルーバー貫通部872bは、下から上へと第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通って第2制限リング872b’を形成し、第2本体部871bは、下から上へと前記第2制限リング872b’を突き通り、次の制限部材87の本体部871が挿し込まれる第2連結リング871b’を形成し、このような構成が繰り返される。各制限部材は、下から上へと順に套設され、
図49に示すように、第1本体部871aが順次前の制限部材の連結リング871’を突き通り、そして第1ルーバー貫通部872aで形成される第1制限リング872a’を突き通る。
【0067】
引き続き
図48~
図49を参照されたい。本実施形態において、前記第1ルーバー5aは、前記第2ルーバー5bより前記ボトムビーム2に近接して設けられる。前記第2経線472において、前記第1ルーバー貫通部872aを設ける第4位置P4は、前記第1支持部材473aを設ける第2位置P2より前記ボトムビーム2に近接すし、前記第1制限部材87aの第1本体部871aを設ける第3位置P3(
図48に示さず)は、前記第1ルーバー貫通部872aを設ける第4位置P4より前記ボトムビーム2に近接し、前記第2ルーバー貫通部872bを設ける第4位置P4は、前記第2支持部材473bを設ける第2位置P2より前記ボトムビーム2に近接し、前記第2制限部材87bの第2本体部871bを設ける第3位置P3は、前記第2ルーバー貫通部872bを設ける第4位置P4より前記ボトムビーム2に近接して設けられる。
【0068】
前記ラダーコードの実施形態において、各制限部材の本体部及びルーバー貫通部は、何れも第2経線から第1経線へ伸びだす。すなわち、各制限部材において本体部及びルーバー貫通部の1つの固定端がそれぞれ第2経線に設けられ、もう1つの自由端が第1経線と第2経線の間に位置して設けられる。本発明の一部の実施形態において、各制限部材の本体部及びルーバー貫通部の自由端を異なる方向に沿って伸び出すよう設置することも可能である。
【0069】
図50~
図52は、本発明の第5実施形態に係るラダーコードのもう1つの実施形態を示す。
図50~
図52に示すように、前記ラダーコード480は、第1経線481、第2経線482、支持部材483及び複数の制限部材88を備え、前記複数の制限部材88は、縦方向に沿って第2経線482に配置され且つ隣り合う第1制限部材88a及び第2制限部材88bを備え、第1制限部材88aが第2制限部材88bの上方に配置される。第1制限部材88aは、第1本体部881a及び第1ルーバー貫通部882aを備え、第1本体部881aの一端が、すなわち第1制限部材88aの一端E1が第2経線482において対応する第3位置P3に設けられ、第1ルーバー貫通部882aの接続端CEが第2経線482において対応する第4位置P4に設けられる。第1本体部881a及び第1ルーバー貫通部882aは、第2経線482の異なる側に設けられ、かつそれぞれ異なる方向に伸び出して前記第2経線482から離れる。第1ルーバー貫通部882aは、上から下へと第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通って第1制限リング882a’を形成し、第1本体部881aは、上から下へと前記第1制限リング882a’を突き通って第1連結リング881a’を形成する。第2制限部材88bは、第2本体部881b及び第2ルーバー貫通部882bを備え、第2本体部881bの一端が、すなわち第2制限部材88bの第1端E1が第2経線482において対応する第3位置P3に設けられ、第2ルーバー貫通部882bの接続端CEが第2経線482において対応する第4位置P4に設けられる。第2本体部881b及び第2ルーバー貫通部882bは、第2経線482の異なる側に設けられ、かつそれぞれ異なる方向に伸び出して前記第2経線482から離れる。第2ルーバー貫通部882bは、上から下へと第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通って第2制限リング882b’を形成し、第2本体部881bは、上から下へと前記第2制限リング882b’を突き通り、次の制限部材88の本体部881が挿し込まれる第2連結リング881b’を形成し、このような構成が繰り返される。
【0070】
引き続き
図50~
図52を参照されたい。本実施形態において、前記第1ルーバー5aは、前記第2ルーバー5bより前記ヘッドビーム1に近接して設けられる。前記第2経線482において、前記第1ルーバー貫通部882aを設ける第4位置P4は、前記第1支持部材483aを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第1制限部材88aの第1本体部881aを設ける第3位置P3も前記第1ルーバー貫通部882aを設ける第4位置P4より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第2ルーバー貫通部882bを設ける第4位置P4は、前記第2支持部材483bを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第2制限部材88bの第2本体部881bを設ける第3位置P3も前記第2ルーバー貫通部882bを設ける第4位置P4より前記ヘッドビーム1に近接して設けられる。ここで敢えて説明するが、本実施形態に係る複数の制限部材88の本体部881は、以上で述べた全ての実施形態に比べ、上から下へと制限リング882’を突き通る状態において第1経線481と第2経線482の間ではなく、第2経線482の外側に位置する点に相違がある。
【0071】
図53及び
図54は、本発明の第5実施形態に係るラダーコードのもう1つの実施形態をしめす。
図53及び
図54に示すように、本実施形態のダーコード490は、本来の構造からして
図50に示すラダーコード480に類似するが、ラダーコード480における複数の制限部材の本体部が上から下へと直列接続されることに対し、本実施形態に係る複数の制限部材の本体部が下から上へと直列接続される点に相違がある。つまり、ラダーコード480及びラダーコード490は、類似した本来の構造を有するが、その付属する制限部材の本体部同士を直列接続するときの向きが正反対であるため、第1制限部材、第2制限部材、ラスト制限部材、固定用制限部材が異なる制限部材によって構成される。
【0072】
前記ラダーコード490は、第1経線491、第2経線492、支持部材493及び複数の制限部材89を備え、前記複数の制限部材89は、縦方向に沿って第2経線492に配置され且つ隣り合う第1制限部材89a及び第2制限部材89bを備え、第1制限部材89aが第2制限部材89bの下方に配置される。第1制限部材89aは、第1本体部891a及び第1ルーバー貫通部892aを備え、第1本体部891aの一端が第2経線492において対応する第3位置(
図53に示さず)に設けられ、第1ルーバー貫通部892aの接続端CEが第2経線492において対応する第4位置P4に設けられる。第1本体部891a及び第1ルーバー貫通部892aは、第2経線492の異なる側に設けられ、かつ異なる方向に伸び出して前記第2経線492から離れる。第1ルーバー貫通部892aは、上から下へと第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通って第1制限リング892a’を形成し、第1本体部891aは、下から上へと前記第1制限リング892a’を突き通って第1連結リング891a’を形成する。第2制限部材89bは、第2本体部891b及び第2ルーバー貫通部892bを備え、第2本体部891bの一端が第2経線492において対応する第3位置P3に設けられ、第2ルーバー貫通部892bの接続端CEが第2経線492において対応する第4位置P4に設けられる。第2本体部891b及び第2ルーバー貫通部892bは、第2経線492の異なる側に設けられ、かつ異なる方向に伸び出して前記第2経線492から離れる。第2ルーバー貫通部892bは、上から下へと第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通って第2制限リング892b’を形成し、第2本体部891bは、下から上へと前記第2制限リング892b’を突き通り、次の制限部材89の本体部が挿し込まれる第2連結リング891b’を形成し、このような構成が繰り返される。
【0073】
図53及び
図54を参照されたい。本実施形態において、前記第1ルーバー5aは、前記第2ルーバー5bより前記ボトムビーム2に近接して設けられる。前記第2経線492において、前記第1制限部材89aの第1本体部891aを設ける第3位置P3(
図53に示さず)は、前記第1支持部材493aを設ける第2位置P2より前記ボトムビーム2に近接し、前記第1支持部材493aを設ける第2位置P2は、前記第1ルーバー貫通部892aを設ける第4位置P4より前記ボトムビーム2に近接し、前記第2制限部材89bの第2本体部891bを設ける第3位置P3は、前記第2支持部材493bを設ける第2位置P2より前記ボトムビーム2に近接し、前記第2支持部材493bを設ける第2位置P2は、前記第2ルーバー貫通部892bを設ける第4位置P4より前記ボトムビーム2に近接して設けられる。ここで敢えて説明するが、本実施形態において、第1本体部891a及び第2本体部891bは、それぞれ下から上へと第1制限リング892a’及び第2制限リング892b’を突き通る状態において第1経線491と第2経線492の間ではなく、第2経線492の外側に位置する。
【0074】
図55~
図57は、本発明の第5実施形態に係るラダーコードのもう1つの実施形態を示す。
図55~
図57に示すように、本実施形態のラダーコード400は、第1経線401、第2経線402、支持部材403及び複数の制限部材9を備え、前記複数の制限部材9は、縦方向に沿って前記第2経線402に配置され且つ隣り合う第1制限部材9a及び第2制限部材9bを備え、第1制限部材9aが第2制限部材9bの上方に配置される。前記第1制限部材9aは、第1本体部91a及び第1ルーバー貫通部92aを備え、第1本体部91aの一端が第2経線402において対応する第3位置P3に設けられ、第1ルーバー貫通部92aの接続端CEが第2経線402において対応する第4位置P4に設けられる。第1本体部91a及び第1ルーバー貫通部92aは、第2経線402において異なる側に設けられ、かつ異なる方向に伸び出して前記第2経線402から離れる。第1ルーバー貫通部92aは、下から上へと第1ルーバー5aの第1通孔51aを突き通って第1制限リング92a’を形成し、第1本体部91aは、上から下へと前記第1制限リング92a’を突き通って第1連結リング91a’を形成する。前記第2制限部材9bは、第2本体部91b及び第2ルーバー貫通部92bを備え、第2本体部91bの一端が第2経線402において対応する第3位置P3に設けられ、第2ルーバー貫通部92bの接続端CEが第2経線402において対応する第4位置P4に設けられる。第2本体部91b及び第2ルーバー貫通部92bは、第2経線402において異なる側に設けられ、かつ異なる方向に伸び出して前記第2経線402から離れる。第2ルーバー貫通部92bは、下から上へと第2ルーバー5bの第2通孔51bを突き通って第2制限リング92b’を形成し、第2本体部91bは、上から下へと前記第2制限リング92b’を突き通り、次の制限部材9の本体部91が挿し込まれる第2連結リング91b’を形成し、このような構成が繰り返される。
【0075】
引き続き
図55~
図57を参照されたい。本実施形態において、前記第1ルーバー5aは、前記第2ルーバー5bより前記ヘッドビーム1に近接して設けられる。前記第2経線402において、前記第1制限部材9aの第1本体部91aを設ける第3位置P3は、前記第1支持部材403aを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第1支持部材403aを設ける第2位置P2は、前記第1ルーバー貫通部92aを設ける第4位置P4より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第2制限部材9bの第2本体部91bを設ける第3位置P3は、前記第2支持部材403bを設ける第2位置P2より前記ヘッドビーム1に近接し、前記第2支持部材403bを設ける第2位置P2は、前記第2ルーバー貫通部92bを設ける第4位置P4より前記ヘッドビーム1に近接して設けられる。ここで敢えて説明するが、本実施形態において、第1本体部91a及び第2本体部91bは、それぞれ上から下へと第1制限リング92a’及び第2制限リング92b’を突き通る状態において第1経線401と第2経線402の間ではなく、第2経線402の外側に位置する。
【0076】
以上で述べたように、本発明の第5実施形態に係るラダーコードの各実施形態については、各制限部材の本体部が間隔を隔てて第2経線に設けられ、かつ第2経線において第1経線に近接する側又は第1経線から離れる側に選択可能に設けられ、そして第1経線に近接する方向又は第1経線から離れる方向に伸び出すことが察知できる。各制限部材のルーバー貫通部も間隔を隔てて第2経線に設けられ、各制限部材においてルーバー貫通部が本体部より対応する支持部材に近接し、かつ対応する支持部材の上方又は下方に選択可能に設けられることにより、上から下へと又は下から上へと対応する支持部材に寄り掛かるルーバーの通孔を突き通って制限リングを形成する。各制限部材の本体部は、第1経線と第2経線の間において上向き又は下向きにして対応するルーバー貫通部で形成される制限リングを突き通り、若しくは第2経線の外側に沿って上向き又は下向きにして対応するルーバー貫通部で形成される制限リングを突き通ることにより、次の制限部材の本体部が挿し込まれる連結リングを形成する。各制限部材の本体部が対応するルーバー貫通部で形成される制限リングを突き通るに先立って、まず前の制限部材の本体部で形成される連結リング(第1位にある制限部材を除く)を突き通ることにより、前の制限部材の本体部に対して制限効果を奏する。このように、各ルーバーの通孔は、常に対応する制限部材の本体部及び対応する制限部材のルーバー貫通部のうち何れかによって貫通されている状態を保持する。また、各制限部材の本体部は、ルーバーが引き出されることから免れるよう、ルーバー貫通部と協力してルーバーを第1経線と第2経線の間に据え付ける。同時に、ルーバー貫通部の周長が短く、ルーバーが横方向に大幅に移動することができず、かつルーバーが傾いて閉合状態を呈するときにルーバーの下滑り具合を制限することにより、ルーバー同士の閉合状態を良好にし、光漏れを無くしてユーザのプライバシーを保護することができる。
【0077】
上記の実施形態は、本発明の幾つかの実施形態を例示したに過ぎず、本発明の宗旨から逸脱しない限り以上の実施形態に対して適宜変更、変化を加えることができ、これらの変更、変化も本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1 ヘッドビーム
2 ボトムビーム
21 位置決め孔
3 転向機構
40 ラダーコード
5 ルーバー
50 ブラインド本体
31 軸棒
34 転向モジュール
41 第1経線
42 第2経線
43 支持部材
51 通孔
6 制限部材
6d 固定用制限部材
61c ラストルーバー貫通部
61c’ ラスト連結リング