(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138479
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】軸発電機システム
(51)【国際特許分類】
B63J 3/02 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
B63J3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023042560
(22)【出願日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】PA 2022 70114
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】519441006
【氏名又は名称】マン・エナジー・ソリューションズ、フィリアル・エフ・マン・エナジー・ソリューションズ・エスイー、ティスクランド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】セーレン・エネマルク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関と共に使用するための軸発電機システムが開示される。
【解決手段】本軸発電機システムは、軸発電機と、AC電流を第1の周波数から第2の周波数に変換するための第1の電気回路と、電力消費量を示す第1の信号を受信するように構成された軸発電機制御システムと、を備える。本軸発電機制御システムは、軸発電機に動作可能に接続されており、第1の信号に基づいて軸発電機の発電量を制御するように構成されている。本軸発電機制御システムは、電力消費量が少なくとも2秒の第1の期間以内に発電量とは異なるようになることを可能にするように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンシャフトと、少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、エンジン燃料制御システムと、燃料供給システムと、掃気システムとを備える2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関と共に使用するための軸発電機システムであって、前記シリンダはシリンダ壁を有し、前記シリンダカバーは、前記シリンダの上部に配置され、かつ排気弁を有し、前記ピストンは、前記シリンダ内に、下死点と上死点との間で中心軸に沿って移動可能に配置されており、前記掃気システムは、前記シリンダの底部に配置された掃気入口を有し、前記燃料供給システムは、前記エンジン燃料制御システムによって提供される制御信号に基づいて、前記ピストンと前記シリンダカバーとの間に画定された主燃焼室内に燃料を噴射するように構成されており、ここにおいて、前記軸発電機システムは、
前記エンジンシャフトのRPMに依存する第1の周波数を有するAC電流を発生させるように構成された軸発電機と、前記AC電流を前記第1の周波数から第2の周波数に変換するための第1の電気回路と、電力消費量を示す第1の信号を受信するように構成された軸発電機制御システムと、
を備え、
前記軸発電機制御システムは、前記軸発電機に動作可能に接続されており、前記第1の信号に基づいて前記軸発電機の発電量を制御するように構成されており、
前記軸発電機制御システムは、前記電力消費量が少なくとも2秒の第1の期間以内に前記発電量とは異なるようになることを可能にするように構成されている、軸発電機システム。
【請求項2】
前記第1の電気回路は、AC-DC整流器と、DCグリッドと、DC-AC変換器とを備え、前記AC-DC整流器は、前記軸発電機から前記第1の周波数のAC電流を受け取り、前記受け取ったAC電流をDC電流に変換し、前記変換されたDC電流を前記DCグリッドに供給するように構成されており、前記DC-AC変換器は、前記変換されたDC電流を前記DCグリッドから受け取り、前記変換されたDC電流を前記第2の周波数を有するAC電流に変換し、前記第2の周波数を有する前記AC電流をACグリッドに供給するように構成されている、請求項1に記載の軸発電機システム。
【請求項3】
前記軸発電機システムは、前記電力消費量が前記軸発電機の前記発電量を上回るときに電気エネルギーを送達するように構成された追加の電力源を備える、請求項1又は2に記載の軸発電機システム。
【請求項4】
前記追加の電力源は、前記軸発電機から電力を受け取ることなく、少なくとも0.25kWh、0.5kWh、又は1kWhを送達することが可能である、請求項3に記載の軸発電機システム。
【請求項5】
前記追加の電力源は、前記DCグリッドに接続されており、電気エネルギーを受け取り、及び/又は電気エネルギーを前記DCグリッドに送達するように構成されている、請求項3に従属するときの請求項4に記載の軸発電機システム。
【請求項6】
前記軸発電機制御システムは、前記2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関の前記エンジン燃料制御システムに動作可能に接続可能であり、前記エンジン燃料制御システムから情報を受信し、及び/又は前記エンジン燃料制御システムに情報を送るように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の軸発電機システム。
【請求項7】
前記軸発電機制御システムは、電力需要に関する情報を前記エンジン燃料制御システムに提供するように構成されている、請求項6に記載の軸発電機システム。
【請求項8】
前記軸発電機制御システムは、エンジン速度に関する情報を受信するように構成されており、前記軸発電機制御システムは、前記エンジン速度に関する前記受信した情報に基づいて前記軸発電機の前記発電量を制御するように更に構成されている、請求項6又は7に記載の軸発電機システム。
【請求項9】
前記エンジン速度に関する前記情報は、前記軸発電機制御システムが公称エンジン速度と実際のエンジン速度との間の差を決定することを可能にし、前記軸発電機制御システムは、前記実際のエンジン速度が前記公称エンジン速度を下回る場合には前記発電量を減少させ、前記実際のエンジン速度が前記公称エンジン速度を上回る場合には前記発電量を増加させるように前記軸発電機を制御するように構成されている、請求項8に記載の軸発電機システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の軸発電機システムと、2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関とを備える、船舶を推進させ、電気エネルギーを発生させるための推進・発電機複合システムであって、前記2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関は、エンジンシャフトと、少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、エンジン燃料制御システムと、燃料供給システムと、掃気システムとを備え、前記シリンダはシリンダ壁を有し、前記シリンダカバーは、前記シリンダの上部に配置され、かつ排気弁を有し、前記ピストンは、前記シリンダ内に、下死点と上死点との間で中心軸に沿って移動可能に配置されており、前記掃気システムは、前記シリンダの底部に配置された掃気入口を有し、前記燃料供給システムは、前記エンジン燃料制御システムによって提供される制御信号に基づいて、前記ピストンと前記シリンダカバーとの間に画定された主燃焼室内に燃料を噴射するように構成され、前記軸発電機は、前記2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関の前記エンジンシャフトに接続されている、推進・発電機複合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関と共に使用するための軸発電機システム、並びに船舶を推進するための推進・発電機複合システム(combined propulsion and generator system)に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶の推進のために使用される2ストローク内燃機関には、長年、軸発電機が装備されている。軸発電機は、種々の搭載設備、例えば、スラスタ、ポンプ、ガス再液化プラント、リーファーコンテナ、及び全般的なホテルロードへの電気を起こすために使用される。
【0003】
従来、軸発電機は、船舶のACグリッドに直接結合されており、主機関の速度とACグリッドの周波数が密接に結び付いている。この結び付きは、エンジン速度とグリッド周波数の両方を安定化させるのに役立つ。
【0004】
軸発電機は、多くの場合、増速機を介してエンジンに接続され、ACグリッドの周波数がエンジンのrpmとは異なるようにすることができた。
【0005】
しかしながら、増速機は高価な場合があり、またACグリッドの安定した周波数を提供するために、エンジンの利用可能なrpmが、増速機のギア比に依存する少数の離散値に制限されていた。
【0006】
上記課題に対抗するために、軸発電機は、AC-DC及びDC-ACの周波数変換機器を介して消費設備(consumers)に接続された。
【0007】
これにより、主機関速度とグリッドの周波数は切り離される。これは、軸発電機がグリッドの周波数に影響を及ぼすことなく広範囲のエンジン速度で動作することができるので、より汎用性のある解決手段である。
【0008】
しかしながら、エンジン速度とグリッドの周波数を切り離すことによって、システムの本来の安定化が失われる。
【0009】
そのため、エンジンが不安定になることを防止するために、そのような軸発電機の特定のエンジン速度での最大電力出力が制限される。
【0010】
したがって、軸発電機システムの改善を提供するのに依然として課題がある。
【発明の概要】
【0011】
第1の態様によれば、本発明は、エンジンシャフトと、少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、エンジン燃料制御システムと、燃料供給システムと、掃気システムとを備える2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関と共に使用するための軸発電機システムに関するものであり、シリンダはシリンダ壁を有し、シリンダカバーは、シリンダの上部に配置され、かつ排気弁を有し、ピストンは、シリンダ内に、下死点と上死点との間で中心軸に沿って移動可能に配置されており、掃気システムは、シリンダの底部に配置された掃気入口を有し、燃料供給システムは、エンジン燃料制御システムによって提供される制御信号に基づいて、ピストンとシリンダカバーとの間に画定された主燃焼室内に燃料を噴射するように構成されており、軸発電機システムは、
シャフトのRPMに依存する第1の周波数を有するAC電流を発生させるように構成された軸発電機と、AC電流を第1の周波数から第2の周波数に変換するための第1の電気回路と、電力消費量を示す第1の信号を受信するように構成された軸発電機制御システムと、
を備え、軸発電機制御システムは、軸発電機に動作可能に接続されており、第1の信号に基づいて軸発電機の発電量を制御するように構成されており、
軸発電機制御システムは、電力消費量が少なくとも2秒の第1の期間以内に発電量とは異なるようになることを可能にするように構成されている。
【0012】
その結果として、軸発電機制御システムに意図的な緩慢さを導入することによって、一定の電力生産制約から生じる不安定化効果を大幅に低減することができる。これにより、2ストロークエンジンを許容できないレベルまで不安定化させることなく、軸発電機がより多くの電力を発生させることが可能になり得る。
【0013】
内燃機関は、好ましくは、1シリンダ当たり少なくとも400kWの出力を有する船舶又は定置発電装置を推進するための、大型低速ターボチャージャ付きのユニフロー掃気の2ストローククロスヘッド型内燃機関である。内燃機関は、内燃機関によって発生される排気ガスによって駆動され、かつ掃気を圧縮するように構成されたターボチャージャを備えてよい。
【0014】
内燃機関は、好ましくは、複数のシリンダ、例えば、4個~14個のシリンダを備える。内燃機関は更に、複数のシリンダのシリンダごとに、シリンダカバー、排気弁、ピストン、燃料弁、及び掃気入口を備えてよい。
【0015】
内燃機関は、単一燃料機関又は複式燃料機関など、任意のタイプの2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関であってよい。燃料供給システムは、液体燃料及び/又は燃料ガスをシリンダ内に噴射するように構成されてよい。液体燃料は、重油又は船舶用ディーゼル油などの任意のタイプの液体燃料であってよい。燃料ガスは、液化天然ガス(LNG)、メタン、アンモニア、エタン、及び液化石油ガス(LPG)などの任意のタイプの燃料ガスであってよい。エンジンは、ディーゼルサイクルモード及び/又はオットーサイクルモードを有してよい。一例として、エンジンが複式燃料エンジンである場合、エンジンは、燃料ガスで動くときのオットーサイクルモードと、代替燃料、例えば、重油又は船舶用ディーゼル油で動くときのディーゼルサイクルモードとを有してよい。
【0016】
軸発電機制御システムは、処理ユニットを備えてよい。処理ユニットは、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラユニット(MCU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はこれらの任意の組合せなど、任意の処理ユニットであってよい。処理ユニットは、1つ又は複数の物理プロセッサを備えてもよいし、及び/又は複数の個々の処理ユニットが組み合わさっていてもよい。第1の期間は、少なくとも5秒又は10秒の長さを有してよく、すなわち、軸発電機制御システムは、電力消費量が、少なくとも5秒又は少なくとも10秒の期間以内に発電量とは異なるようになることを可能にするように構成されてよい。
【0017】
第1の信号は、センサを用いて測定された信号であってよい。センサは、第1の電気回路内に配置されていてもよいし、第1の電気回路に接続されたACグリッド内に配置されていてもよい。センサは、第1の電気回路又はACグリッドの電圧を測定するように構成されてよい。センサは、電圧が降下し始めた場合には発電量が低すぎることのインジケーションであってよく、これに対応して、電圧が上昇し始めた場合には発電量が高すぎることのインジケーションであってよい。
【0018】
軸発電機制御システムは、発電機のトルクを変更することによって、発生されている電力の量を変更するように構成されてよい。一例として、軸発電機制御システムは、電力の必要が増加した場合には発電機のトルクを徐々に増加させ、電力の必要が減少した場合には発電機のトルクを徐々に減少させるように発電機を制御するように構成されてよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、軸発電機システムは、電力消費量と発電量との間の差が、第1の期間以内に、定格の軸発電機電力の少なくとも10%になることを可能にするように構成される。
【0020】
定格の軸発電機電力とは、軸発電機が発生させることが可能な最大電力である。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の電気回路は、AC-DC整流器と、DCグリッドと、DC-AC変換器とを備え、AC-DC整流器は、軸発電機から第1の周波数のAC電流を受け取り、受け取ったAC電流をDC電流に変換し、変換されたDC電流をDCグリッドに供給するように構成されており、DC-AC変換器は、変換されたDC電流をDCグリッドから受け取り、変換されたDC電流を第2の周波数を有するAC電流に変換し、第2の周波数を有するAC電流をACグリッドに供給するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、軸発電機システムは、電力消費量が軸発電機の発電量を上回るときに電気エネルギーを送達するように構成された追加の電力源を備える。
【0023】
その結果として、追加の電力源を設けることによって、軸発電機からの電力の生産量が電力消費量を下回るときでも、搭載設備が必要とする十分な電力を送達することができる。
【0024】
追加の電力源は、電気エネルギーの受け取り及び送達を行うように構成された化学電池、スーパーキャパシタ、又はフライホイールエネルギー貯蔵システムなどの電気エネルギー貯蔵装置であってよい。代替的/追加的に、追加の電力源は、内燃機関及び発電機を備える発電セットであってもよい。内燃機関は、好ましくは、発生電力量の迅速な制御を可能にする中速又は高速4ストロークエンジンである。発電セットは更に、発電セットが軸発電機によって発生された過剰な電力を吸収することも可能にするフライホイールに接続されてよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、追加の電力源はまた、軸発電機の発電量が電力消費量を上回るときに電気エネルギーを受け取るように構成される。
【0026】
追加の電力源は、軸発電機制御システムによって直接制御されてよい。代替的に、追加の電力源は、追加の電力源を制御する、例えば、電気エネルギーの受け取り又は電気エネルギーの送達のいずれかを行うように追加の電力源を制御するように構成された専用制御システムを備えてもよい。専用制御システムは、軸発電機制御システムに通信可能に結合され、軸発電機制御システムから制御信号を受信するように構成されてよく、例えば、軸発電機制御システムは、電気エネルギーの受け取り又は電気エネルギーの送達のいずれかを行うように追加の電力源を制御するように専用制御システムにシグナリングする制御信号を専用制御システムに送ってよい。
【0027】
代替的/追加的に、専用制御システムは、軸発電機の発電量と電力消費量との間の差を独立して推定し、電気エネルギーの受け取り又は電気エネルギーの送達のいずれかを行うように追加の電力源を制御するように構成されてよい。専用制御システムは、第1の信号に対応する信号を受信することによって差を推定してよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、追加の電力源は、少なくとも100kW、少なくとも250kW、又は少なくとも500kWの効果で電力を送達及び/又は受け取ることが可能である。
【0029】
いくつかの実施形態では、追加の電力源は、軸発電機から電力を受け取ることなく、少なくとも0.25kWh、0.5kWh、又は1kWhを送達することが可能である。
【0030】
いくつかの実施形態では、追加の電力源は、軸発電機システムに電力を送達することなく、少なくとも0.25kWh、0.5kWh、又は1kWhを受け取ることが可能である。
【0031】
いくつかの実施形態では、追加の電力源は、軸発電機から電力を受け取ることなく、少なくとも100kW、少なくとも250kW、又は少なくとも500kWの最低出力で、少なくとも0.25kWh、0.5kWh、又は1kWhを送達することが可能である。
【0032】
いくつかの実施形態では、軸発電機制御システムは、追加の電力源の状態を示す信号を受信し、信号に基づいて軸発電機を制御するように構成されており、例えば、軸発電機制御システムは、追加の電力源の状態を示す第2の信号を受信し、第2の信号に基づいて軸発電機を制御するように構成されてよい。
【0033】
その結果として、追加の電力源が枯渇せず、いつでも利用可能であることを確保することができる。
【0034】
第2の信号は、追加の電力源が電力をシステムに供給する能力を示してよい。追加的/代替的に、第2の信号は、追加の電力源がシステムから電力を吸収する能力を示してよい。一例として、追加の電力源が電気エネルギー貯蔵装置である場合、第2の信号は、電気エネルギー貯蔵装置のエネルギーレベルを示してよく、例えば、電気エネルギー貯蔵装置が化学電池である場合、エネルギーレベルは、電圧センサを使用して電池の電圧を測定することによって推定されてよい。軸発電機制御システムは、電気エネルギー貯蔵装置のエネルギーレベルを周期的に推定し、周期的な推定値に基づいて軸発電機の発電量を制御するように構成されてよい。一例として、電気エネルギー貯蔵装置のエネルギーレベルが所望の目標を下回る場合、軸発電機制御システムは、消費されている量よりも多い電力を発生させるように軸発電機を制御するように構成されてよく、それによって電気エネルギー貯蔵装置のエネルギーレベルを所望のレベルに回復することができる。これに対応して、電気エネルギー貯蔵装置のエネルギーレベルが所望の目標を上回る場合、軸発電機制御システムは、使用されている量よりも少ない電力を発生させるように軸発電機を制御するように構成されてよく、それによって電気エネルギー貯蔵装置の過剰な電気エネルギーを使用することができる。
【0035】
別の例として、追加の電力源が発電セットである場合、第2の信号は、発電セットのエンジンの動力出力を示してよい。発電セットのエンジンがほぼ定格出力(最大出力)で動作している場合、軸発電機制御システムは、発生されている電力の量を増加させるように軸発電機を制御してよい。発電セットがフライホイールを備える場合、第2の信号はフライホイールの速度を示してよい。フライホイールの速度がその最大速度に近い場合、軸発電機制御システムは、消費されている量よりも少ない電気エネルギーを発生させるように軸発電機を制御してよく、それによってフライホイールの運動エネルギーを電気エネルギーへと変換することができ、フライホイールの速度が減少する。
【0036】
いくつかの実施形態では、追加の電気エネルギー源は、DCグリッドに接続されており、電気エネルギーを受け取り、及び/又は電気エネルギーをDCグリッドに送達するように構成される。
【0037】
その結果として、ACグリッドの周波数と位相を一致させる必要がないので、電気エネルギーを受け取り、システムに送達するのが容易になる。
【0038】
いくつかの実施形態では、DC-AC変換器は、消費されている電力の量が、軸発電機によって発生されている電力の量よりも高い及び/又は低いときに第2の周波数を修正するように構成される。
【0039】
DC-AC変換器は、消費されている電力の量が、軸発電機によって発生されている電力の量よりも高い場合に第2の周波数を減少させるように構成されてよい。これに対応して、DC-AC変換器は、消費されている電力の量が、軸発電機によって発生されている電力の量よりも低い場合に第2の周波数を増加させるように構成されてよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、軸発電機制御システムは、2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関のエンジン燃料制御システムに動作可能に接続可能であり、エンジン燃料制御システムから情報を受信し、及び/又はエンジン燃料制御システムに情報を送るように構成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、軸発電機制御システムは、電力需要に関する情報をエンジン燃料制御システムに提供するように構成される。
【0042】
その結果として、エンジン燃料制御システムは、電力の消費量の変化に対してより速く反応することができてよく、それによって、エンジンの速度をより安定した状態に保つことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、軸発電機制御システムは、電力消費量の変化の検出に応答して、エンジン燃料制御システムに制御信号を送るように構成され、制御信号は、エンジン燃料制御システムが公称エンジン速度と実際のエンジン速度との間の差を検出する前に、シリンダに供給される燃料の量を変更するようにエンジン燃料制御システムに命令する。
【0044】
一例として、軸発電機制御システムが電力消費量の増加を検出した場合、軸発電機制御システムは、実際のエンジン速度の減少を検出する前に、シリンダに供給される燃料の量を増加させるようにエンジン燃料制御システムに命令する制御信号をエンジン燃料制御システムに送ってよい。これに対応して、軸発電機制御システムが電力消費量の減少を検出した場合、軸発電機制御システムは、実際のエンジン速度の増加を検出する前に、シリンダに供給される燃料の量を減少させるようにエンジン燃料制御システムに命令する制御信号をエンジン燃料制御システムに送ってよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、軸発電機制御システムは、エンジン速度に関する情報を受信するように構成され、軸発電機制御システムは、エンジン速度に関する受信した情報に基づいて軸発電機の発電量を制御するように更に構成されている。
【0046】
いくつかの実施形態では、エンジン速度に関する情報は、軸発電機制御システムが公称エンジン速度と実際のエンジン速度との間の差を決定することを可能にし、軸発電機制御システムは、実際のエンジン速度が公称エンジン速度を下回る場合には発電量を減少させ、実際のエンジン速度が公称エンジン速度を上回る場合には発電量を増加させるように軸発電機を制御するように構成されている。
【0047】
その結果として、軸発電機システムは直接2ストロークエンジンの速度を安定化させるために使用されてよい。
【0048】
公称エンジン速度は、エンジンのオペレータによって選択される所望のエンジン速度である。発電量の増加により、使用されている量よりも多い電力が生産される結果になった場合、過剰な電力は、上述のように、追加の電力源に移され、及び/又は熱へと変換するために1つ又は複数のダム抵抗器(dumb resistors)に移されてよい。これに対応して、発電量の減少により、使用されている量よりも少ない電力が生産される結果になった場合、追加の電力源を使用して追加の電気エネルギーを送達してよい。
【0049】
第2の態様によれば、本発明は、第1の態様に関連して開示された軸発電機システムと、2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関とを備える、船舶を推進し、電気エネルギーを発生させるための推進・発電機複合システムに関するものであり、2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関は、エンジンシャフトと、少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、エンジン燃料制御システムと、燃料供給システムと、掃気システムとを備え、シリンダはシリンダ壁を有し、シリンダカバーは、シリンダの上部に配置され、かつ排気弁を有し、ピストンは、シリンダ内に、下死点と上死点との間で中心軸に沿って移動可能に配置されており、掃気システムは、シリンダの底部に配置された掃気入口を有し、燃料供給システムは、エンジン燃料制御システムによって提供される制御信号に基づいて、ピストンとシリンダカバーとの間に画定された主燃焼室内に燃料を噴射するように構成され、軸発電機は、2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関のシャフトに接続されている。
【0050】
いくつかの実施形態では、軸発電機制御システムは、2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関のエンジン燃料制御システムに動作可能に接続可能であり、エンジン燃料制御システムから情報を受信し、又はエンジン燃料制御システムに情報を送るように構成されており、軸発電機制御システムは、電力需要に関する情報をエンジン燃料制御システムに提供するように構成され、エンジン燃料制御システムは、電力需要に関する情報に基づいて主燃焼室内に噴射される燃料の量を制御するように更に構成される。
【0051】
その結果として、エンジン燃料制御システムは、より速く電力需要の変化に適応することができ、エンジン速度のより安定した制御を可能にする。
【0052】
本発明の異なる態様は、軸発電機システム及び推進・発電機複合システムとして含む異なる方法で実現することができ、各々は、上述の態様の少なくとも1つに関連して説明される利益及び利点のうちの1つ又は複数をもたらし、各々は、上述された及び/又は従属請求項において開示される態様の少なくとも1つに関連して説明される好ましい実施形態に対応する1つ又は複数の好ましい実施形態を有する。更に、本明細書に記載の態様の1つに関連して説明した実施形態を他の態様にも等しく適用できることが理解されよう。
【0053】
本発明の上記及び/又は追加の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して、本発明の実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明によって更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、2ストロークエンジンと、電気エネルギーを発生させるための発電機システムとを概略的に示す。
【
図2】船舶を推進し、電気エネルギーを発生させるための推進・発電機複合システムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下の説明では、本発明をどのようにして実施することができるかを例示として示す添付の図を参照する。
【0056】
図1は、概略的に、本発明の一実施形態に係る、2ストロークエンジン100と、電気エネルギーを発生させるための発電機システム190とを概略的に示す。エンジン100は、2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関100である。エンジン100は、掃気システム111、排気ガスレシーバ108、燃料供給システム、エンジンシャフト151、及びターボチャージャ109を備える。エンジンは、複数のシリンダ101を有する(断面図では単一のシリンダのみ示されている)。各シリンダ101は、シリンダ壁115を有し、シリンダ101の底部に配置された掃気入口102を備える。エンジンは更に、シリンダごとに、シリンダカバー112及びピストン103を備える。シリンダカバー112は、シリンダ101の上部に配置されており、排気弁104を有する。ピストン103は、シリンダ内に、下死点と上死点との間で中心軸113に沿って移動可能に配置されている。燃料供給システムは、任意選択的に、圧縮ストローク中にシリンダ101内に燃料ガスを噴射するように構成された1つ又は複数の燃料ガス弁105(概略的にのみ図示する)を備えてよく、圧縮ストロークは、燃料ガスが掃気と混合することを可能にするとともに、掃気と燃料ガスの混合気を着火前に圧縮することを可能にする。燃料ガス弁105は、シリンダカバー112と掃気入口102との間のシリンダ壁内に少なくとも部分的に配置されてよい。エンジンは更に、任意選択的に、自己着火パイロット燃料を噴射するように構成されたパイロット噴射器などの外部着火ユニット114を備えてよい。パイロット噴射器は、自己着火パイロット燃料を、燃焼室内に、予燃焼室セット内に、又はシリンダカバー112内に配置された予燃焼室内に直接噴射するように構成されてよい。予燃焼室セットは、内側予燃焼室及び外側予燃焼室を備えてよく、外側予燃焼室は、第1の開口部を通して主燃焼室150に開口しているとともに内側予燃焼室に流体接続されており、ここにおいて、内側予燃焼室にはパイロット噴射器が設けられている。掃気入口102は、掃気システムに流体接続されている。ピストン103は、その最低位置(下死点)に示されている。ピストン103は、クランクシャフト(図示せず)に接続されたピストン棒を有する。燃料ガス弁105は、圧縮ストローク中にシリンダ内に燃料ガスを噴射するように構成されており、圧縮ストロークは、燃料ガスが掃気と混合することを可能にするとともに掃気と燃料ガスの混合気を着火前に圧縮することを可能にする。掃気システム111は、掃気レシーバ110及び空気冷却器106を備える。燃料ガス弁105の代わりに、又はそれに加えて、燃料供給システムは、任意選択的に、例えば、高圧ガス又は自己着火液体燃料のいずれかの燃料を、高圧下での圧縮ストロークの最後に噴射するように構成された、シリンダカバー112内に配置された1つ又は複数の燃料噴射器116を備えてもよい。燃料供給システムが、自己着火液体燃料を噴射するように構成された1つ又は複数の燃料噴射器116のみを備える場合、外部着火ユニット114は不要である。エンジン100は、燃料ガスで動くときのオットーサイクルモードと、代替燃料、例えば、重油又は船舶用ディーゼル油で動くときのディーゼルサイクルモードとを有する複式燃料エンジンであってよい。しかしながら、エンジン100は、ディーゼルサイクルモードのみを有する単一燃料であってもよい。エンジン100は更に、エンジン燃料制御システム160を備える。燃料供給システムは、エンジン燃料制御システム160によって提供される制御信号に基づいて、ピストン103とシリンダカバー112との間に画定された主燃焼室内に燃料を噴射し、それによってエンジン100の速度及び発生出力を制御するように構成される。エンジン燃料制御システム160は、公称エンジン速度161を受け取ってよい。公称エンジン速度は、典型的には、エンジンのオペレータによって設定される。エンジン燃料制御システム160は、例えばエンジンシャフト151の速度を測定するセンサから、実際のエンジン速度を示すセンサ信号を受信してよい。エンジン燃料制御システム160は、実際のエンジン速度が公称エンジン速度161を下回る場合には、燃焼室内に噴射される燃料の量を増加させ、実際のエンジン速度が公称エンジン速度161を上回る場合には、主燃焼室内に噴射される燃料の量を減少させるように燃料供給システムを制御するように構成されてよい。軸発電機システム190は、シャフト151の毎分回転数(RPM)に依存する第1の周波数を有するAC電流を発生させるように構成された軸発電機170と、AC電流を第1の周波数から第2の周波数に変換するための第1の電気回路172と、電力消費量を示す第1の信号182を受信するように構成された軸発電機制御システム171とを備える。軸発電機制御システム171は、軸発電機170に動作可能に接続されており、第1の信号182に基づいて軸発電機170の発電量を制御するように構成される。第1の電気回路172は、電力をACグリッド173に供給するように構成されており、ACグリッド173において電力が、搭載設備、例えば、スラスタ、ポンプ、ガス再液化プラント、リーファーコンテナ、及び全般的なホテルロードにとって利用可能にされる。軸発電機制御システム171は、電力消費量が少なくとも2秒の期間以内に発電量とは異なるようになることを可能にするように構成される。その結果として、軸発電機制御システムに意図的な緩慢さを導入することによって、電力消費量の変化から生じる不安定化効果を大幅に低減することができる。これにより、2ストロークエンジンを許容できないレベルまで不安定化させることなく、軸発電機がより多くの電力を発生させることが可能になり得る。第1の信号182は、第1の電気回路172から、例えば第1の電気回路172に接続して配置されたセンサから生じると図示されている。しかしながら、第1の信号182は、システムの他の部分、例えばACグリッド173から生じてもよい。
【0057】
図2は、船舶を推進し、電気エネルギーを発生させるための推進・発電機複合システム199の概略図を示す。システム199は、軸発電機システム190と、2ストロークユニフロー掃気式クロスヘッド型内燃機関100とを備える。エンジン100は、エンジンシャフトと、少なくとも1つのシリンダと、シリンダカバーと、ピストンと、エンジン燃料制御システム160と、燃料供給システムと、掃気システムとを備え、シリンダはシリンダ壁を有し、シリンダカバーは、シリンダの上部に配置され、かつ排気弁を有し、ピストンは、シリンダ内に、下死点と上死点との間で中心軸に沿って移動可能に配置されており、掃気システムは、シリンダの底部に配置された掃気入口を有する。燃料供給システムは、エンジン燃料制御システム160によって提供される制御信号に基づいて、ピストンとシリンダカバーとの間に画定された主燃焼室内に燃料を噴射するように構成される。軸発電機システム190は、シャフトのRPMに依存する第1の周波数を有するAC電流を発生させるように構成された軸発電機170と、AC電流を第1の周波数から第2の周波数に変換するための第1の電気回路172と、電力消費量を示す第1の信号182を受信するように構成された軸発電機制御システム171とを備える。軸発電機170は、エンジンシャフト151に接続されている。更にエンジンシャフトは、プロペラ(図示せず)に接続されている。エンジンシャフトは、クラッチ(図示せず)を介してプロペラに接続されていてよい。軸発電機制御システム171は、軸発電機170に動作可能に接続されており、例えば、軸発電機170に制御信号185を提供することによって、第1の信号182に基づいて軸発電機170の発電量を制御するように構成される。軸発電機制御システム171は、電力消費量が少なくとも2秒の期間以内に発電量とは異なるようになることを可能にするように構成される。第1の電気回路172は、AC-DC整流器174と、DCグリッド175と、DC-AC変換器176とを備える。AC-DC整流器174は、軸発電機170から第1の周波数のAC電流を受け取り、受け取ったAC電流をDC電流に変換し、変換されたDC電流をDCグリッド175に供給するように構成される。DC-AC変換器176は、変換されたDC電流をDCグリッド175から受け取り、DC電流を第2の周波数を有するAC電流に変換し、第2の周波数を有するAC電流をACグリッド173に供給するように構成されており、ACグリッド173においてAC電流がAC消費設備178にとって利用可能にされる。第1の信号は、電力消費量を感知するセンサ180によって記録されてよい。一例として、センサ180は、DCグリッド175の電圧を測定する電圧センサであってよく、電圧が降下し始めた場合には発電量が低すぎることのインジケーションであってよく、これに対応して、電圧が上昇し始めた場合には発電量が高すぎることのインジケーションであってよい。軸発電機システム190は、電力消費量が軸発電機170の発電量を上回るときにエネルギーを送達するように構成された追加の電力源177を備える。追加の電力源177は、DCグリッド175に接続されている。追加の電力源177は、電気エネルギーの受け取り及び送達を行うように構成された化学電池、スーパーキャパシタ、又はフライホイールエネルギー貯蔵システムなどの電気エネルギー貯蔵装置であってよい。代替的/追加的に、追加の電力源177は、追加の内燃機関及び発電機を備える発電セットであってもよい。追加の内燃機関は、好ましくは、発生電力量の迅速な制御を可能にする中速又は高速4ストロークエンジンである。発電セットは更に、発電セットが軸発電機170によって発生された過剰な電力を吸収することも可能にするフライホイールに接続されてよく、すなわち、発電セットの発電機は、フライホイールを加速する電気モータとしても機能してよい。追加の電力源177は、発電量が電力消費量を上回るときに電気エネルギーを受け取るように構成されてよい。軸発電機制御システム171は、追加の電力源177の状態を示す第2の信号183を受信し、第2の信号183に基づいて軸発電機を制御するように構成される。第2の信号183は、追加の電力源177が電力をシステムに供給する能力を示してよい。追加的/代替的に、第2の信号183は、追加の電力源177がシステムから電力を吸収する能力を示してよい。一例として、追加の電力源177が電気エネルギー貯蔵装置である場合、第2の信号183は、電気エネルギー貯蔵装置のエネルギーレベルを示してよく、例えば、電気エネルギー貯蔵装置が化学電池である場合、エネルギーレベルは、電圧センサ181を使用して電池の電圧を測定することによって推定されてよい。軸発電機制御システム171は、第2の信号183に基づいて軸発電機170を制御するように構成されてよく、それにより、追加の電力源177は、軸発電機170から電力を受け取ることなく、いつでも所定の電力量を送達する、例えば、少なくとも0.25kWh、0.5kWh、又は1kWhを送達することが可能である。追加的/代替的に、軸発電機制御システム171は、第2の信号183に基づいて軸発電機170を制御するように構成されてよく、それにより、追加の電力源177は、DCグリッド175に電力を送達することなく、いつでも所定の電力量を受け取る、例えば、少なくとも0.25kWh、0.5kWh、又は1kWhを受け取ることが可能である。軸発電機制御システム171は、エンジン燃料制御システム160に動作可能に接続されており、エンジン燃料制御システム160から情報を受信し、及び/又はエンジン燃料制御システム160に情報を送るように構成される。その結果として、エンジン燃料制御システムは、電力の消費量の変化に対してより速く反応することができ、それによって、エンジンの速度をより安定した状態に保つことができる。軸発電機制御システムは、電力需要に関する情報をエンジン燃料制御システム160に提供するように構成されてよい。軸発電機制御システム171は、エンジン速度に関する情報を受信するように構成されてよい。軸発電機制御システム171は、エンジン速度に関する受信した情報に基づいて、軸発電機170の発電量を制御するように構成されてよい。エンジン速度に関する情報により、軸発電機制御システム171が公称エンジン速度と実際のエンジン速度との間の差を決定することが可能になり得る。軸発電機制御システムは、実際のエンジン速度が公称エンジン速度を下回る場合には発電量を減少させ、実際のエンジン速度が公称エンジン速度を上回る場合には発電量を増加させるように軸発電機170を制御するように構成されてよい。その結果として、軸発電機システムは直接2ストロークエンジンの速度を安定化させるために使用されてよい。
【0058】
いくつかの実施形態について詳細に説明及び図示したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に規定される主題の範囲内で他の方法で具現化することもできる。特に、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよいし、構造的及び機能的改変を行ってもよいことを理解されたい。
【0059】
いくつかの手段を列挙するデバイス請求項では、これらの手段のいくつかを、ハードウェアの同一のアイテムによって具現化することができる。特定の措置が相互に異なる従属請求項に記載されているか、又は異なる実施形態において説明されているということだけでは、これらの措置の組合せを有利に使用できないことを示すことにはならない。
【0060】
「備える/備えている」という用語は、本明細書で使用されるとき、記載された特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を指定すると捉えられるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことを強調しておかなければならない。
【外国語明細書】