(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138525
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】低粒子ガスエンクロージャシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B05C 15/00 20060101AFI20230922BHJP
H10K 71/13 20230101ALI20230922BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20230922BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
B05C15/00
H10K71/13
H10K59/10
B05C5/00 101
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023115599
(22)【出願日】2023-07-14
(62)【分割の表示】P 2021189072の分割
【原出願日】2014-05-12
(31)【優先権主張番号】61/833,398
(32)【優先日】2013-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/911,934
(32)【優先日】2013-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/925,578
(32)【優先日】2014-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/205,340
(32)【優先日】2014-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/983,417
(32)【優先日】2014-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【弁理士】
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン マウック
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ソウ-カン コー
(72)【発明者】
【氏名】エリアフ ブロンスキー
(72)【発明者】
【氏名】シャンドン アルダーソン
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ ステパノフ
(57)【要約】
【課題】好適な低粒子ガスエンクロージャシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】本教示は、基板の近位に低粒子ゾーンを提供し得る粒子制御システムを備える種々の構成要素を有し得るガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に関する。粒子制御システムの種々の構成要素はガス循環および濾過システム、基板に対してプリントヘッドアセンブリを移動させるための低粒子生成運動システム、サービス束筐体排出システム、プリントヘッドアセンブリ排出システムを含み得る。水蒸気、酸素等の種々の反応性大気ガスを含む種々の反応種の各種の実質的に低いレベルを維持することに加え、粒子制御システムを有するガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について基板上粒子仕様を容易に満たし得る。従って、本教示のシステムおよび方法による不活性低粒子ガス環境での種々の基板の処理は実質的により低い製造欠陥を有し得る。
【選択図】
図26
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
内部を画定するガスエンクロージャであって、前記ガスエンクロージャは、前記内部において制御されたガス環境を維持するように構成されている、ガスエンクロージャと、
前記ガスエンクロージャの前記内部に配置された印刷システムと、
前記ガスエンクロージャの前記内部に配置された基板支持装置と、
前記ガスエンクロージャに動作可能に結合されたガス循環システムと、を備え、前記ガス循環システムは、
前記印刷システムの上方から前記ガスエンクロージャの前記内部で前記基板支持装置に向かって下降する経路に沿ってガスを流すように配置されたガス移動デバイスと、
前記ガスエンクロージャの前記内部に配置され、前記ガス移動デバイスと流体連通している複数の配管アセンブリであって、前記配管アセンブリのそれぞれは、少なくとも1つのライザに流体連通している入口ダクトを備え、前記ガスエンクロージャの前記内部で前記基板支持装置の近傍から前記内部の周辺に沿ってガスを再循環させ、前記ガス移動デバイスに戻す、複数の配管アセンブリを備える、システム。
【請求項2】
前記ガス移動デバイスの下流に微粒子フィルタ装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ガスエンクロージャの前記内部に精製ガスを供給するために、前記ガスエンクロージャと流体連通するガス精製システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ガス循環システムと熱連通する熱調節システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱調節システムは、熱交換器および流体冷却装置のうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ガス循環システムは、前記エンクロージャー内にガスの層流を提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ガス移動デバイスは、ファンである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記印刷システムは、
前記基板支持装置を横断して延在しているブリッジと、
前記ブリッジに対して移動可能に載置されているキャリッジアセンブリであって、前記
キャリッジアセンブリは、X軸方向に前記ブリッジに沿って移動可能である、キャリッジ
アセンブリと、
前記キャリッジアセンブリと前記ブリッジとの間にベアリング表面を提供する複数の空
気ベアリングと、
前記キャリッジアセンブリに結合されているプリントヘッドと、
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記キャリッジアセンブリに結合されたZ軸移動プレートをさらに備え、前記プリントヘッドは、前記Z軸移動プレートに搭載されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記キャリッジアセンブリを前記ブリッジに沿って移動させるように、前記キャリッジア
センブリに動作可能に結合されているブラシレスリニアモータをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記基板支持装置をY軸方向に移動させるように構成されているY軸運動システムをさ
らに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記印刷システムのプリントヘッドアセンブリを囲む排出筐体と、
前記排出筐体と流体連通するフィルタと、
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記プリントヘッドアセンブリのサービス束をルーティングするサービス束ダクトを通して前記排出筐体からガスを移動させるように位置決めされた別のガス移動デバイスを、さらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記印刷システムは、インクジェット印刷アセンブリを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記印刷システムは、前記基板支持装置によって支持されている前記基板の表面上に有機材
料を堆積するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
システムであって、
内部を画定するガスエンクロージャであって、前記ガスエンクロージャは、前記内部において制御されたガス環境を維持するように構成されている、ガスエンクロージャと、
前記ガスエンクロージャの前記内部に配置された印刷システムと、
前記ガスエンクロージャの前記内部に配置された基板支持装置と、
前記ガスエンクロージャに動作可能に結合されたガス循環システムと、を備え、前記ガス循環システムは、
前記印刷システムの上方から前記ガスエンクロージャの前記内部で前記基板支持装置に向かって下降する経路に沿ってガスを流すように配置されたガス移動デバイスと、
前記ガスエンクロージャの前記内部に配置され、前記ガス移動デバイスと流体連通している複数の配管アセンブリであって、前記配管アセンブリのそれぞれは、前記ガスエンクロージャの前記内部の周辺に配置され、少なくとも1つのライザに流体連通している入口ダクトを備え、前記ガスエンクロージャの前記内部で前記基板支持装置の近傍から前記周辺に沿ってガスを再循環させ、前記ガス移動デバイスに戻す、複数の配管アセンブリを備える、システム。
【請求項17】
前記ガス移動ユニットのカバーをさらに備え、前記カバーは、不活性ガスをガス精製システムに循環させるガス入口およびガス出口を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記配管アセンブリのそれぞれは、前記ガスエンクロージャの内壁に取り付けられている、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの前記配管アセンブリは、前記配管アセンブリの内部にサービス束を収容する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記入口ダクトのそれぞれは、底面に沿って複数の開口を有する、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2013年6月10日に出願米国仮出願第61/833,398号の利益を主張する。本出願は、2013年12月4日に出願米国仮出願第61/911,934号の利益を主張する。本出願は、2014年1月9日に出願米国仮出願第61/925,578号の利益を主張する。本出願は、2014年4月23日に出願米国仮出願第61/983,417号の利益を主張する。本出願は、2014年3月11日に出願された米国出願第14/205,340号の一部継続である。2014年3月11日に出願された米国出願第14/205,340号は、2013年3月13日に出願された米国出願第13/802,304号(2013年8月15日にUS2013/0206058として公開された)の一部継続である。米国出願第13/802,304号は、2012年12月19日に出願された米国出願第13/720,830号(2013年9月26日にUS2013/0252533として公開された)の一部継続である。米国出願第13/720,830号は、2011年12月22日に出願された米国仮出願第61/579,233号の利益を主張する。2012年12月19日に出願された米国出願第13/720,830号は、2010年1月5日に出願された米国出願第12/652,040号(2013年2月26日にUS8,383,202として登録された)の一部継続である。米国出願第12/652,040号は、2008年6月13日に出願された米国出願第12/139,391号(2008年12月18日にUS2008/0311307として公開された)の一部継続である。米国出願第12/652,040号はまた、2009年1月5日に出願された米国仮出願第61/142,575号の利益を主張する。ここで列挙された全ての相互参照の出願は、それらの全体として参照することによって援用される。
【背景技術】
【0002】
(分野)
本教示は、種々の基板サイズおよび基板材料上のOLEDパネルの加工のための不活性で実質的に低粒子の環境を有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に関する。
【0003】
(概要)
有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ技術の可能性への関心が、高度に飽和した色を有し、高コントラスト、極薄、高速応答性、およびエネルギー効率的である、ディスプレイパネルの実証を含む、OLEDディスプレイ技術属性によって推進されてきた。加えて、可撓性ポリマー材料を含む、種々の基板材料を、OLEDディスプレイ技術の加工で使用することができる。小型画面用途、主に、携帯電話のためのディスプレイの実証が、技術の可能性を強調する働きをしてきたが、高収率で一連の基板形式にわたって大量生産を拡大することにおいて課題が残っている。
【0004】
形式の拡大に関して、Gen 5.5基板は、約130cm×150cmの寸法を有し、約8枚の26インチフラットパネルディスプレイを生じることができる。比較すると、より大型の形式の基板は、Gen 7.5およびGen 8.5母ガラス基板サイズを使用することを含む。Gen 7.5母ガラスは、約195cm×225cmの寸法を有し、基板につき8枚の42インチまたは6枚の47インチフラットパネルディスプレイに切断することができる。Gen 8.5で使用される母ガラスは、約220cm×250cmであり、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルディスプレイに切断することができる。より大型の形式へのOLEDディスプレイ製造の拡大において残る課題の1つの指標としては、Gen 5.5基板より大きい基板上の高収率でのOLEDディスプレイの大量生産は、実質的に困難であることが判明している。
【0005】
原則として、OLEDデバイスは、OLED印刷システムを使用して、基板上で種々の有機薄膜、ならびに他の材料を印刷することによって製造されてもよい。そのような有機材料は、酸化および他の化学プロセスによる損傷を受けやすくあり得る。種々の基板サイズのために拡大することができ、不活性の実質的に低粒子の印刷環境内で行うことができる様式で、OLED印刷システムを収納することは、種々の技術的課題を提示し得る。例えば、Gen 7.5およびGen 8.5基板の印刷等の高スループット大判基板印刷のための製造ツールは、実質的に大型設備を必要とする。したがって、水蒸気および酸素等の反応性大気種、ならびに有機溶媒蒸気を除去するためにガス精製を必要とする、不活性雰囲気下で大型設備を維持すること、ならびに実質的に低粒子の印刷環境を維持することは、有意な課題を提示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、高収率で一連の基板形式にわたってOLEDディスプレイ技術の大量生産を拡大することにおいて課題が残っている。したがって、種々の実施形態について、不活性で実質的に低粒子の環境にOLED印刷システムを収納することができ、種々の基板サイズおよび基板材料上でのOLEDパネルの加工を提供するように容易に拡大することができる、本教示のガスエンクロージャシステムの必要性が存在する。加えて、本教示の種々のガスエンクロージャシステムは、処理中の外部からOLED印刷システムへの即時アクセス、および最小限の休止時間を伴う保守のための内部への即時アクセスを提供することができる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ガスエンクロージャシステムであって、
ガスを含有する内部を画定するガスエンクロージャアセンブリと、
前記ガスエンクロージャアセンブリ内に収納された業務用印刷システムであって、前記業務用印刷システムは、
少なくとも1つのプリントヘッドを備えるプリントヘッドアセンブリと、
基板支持装置と、
サービス束を収納するためのサービス束筐体であって、前記サービス束は、前記印刷システムに動作可能に接続されている、サービス束筐体と
を備える、業務用印刷システムと、
前記基板支持装置から離して前記サービス束筐体の近位のガスを排出するためのサービス束筐体排出システムと
を備える、ガスエンクロージャシステム。
(項目2)
前記ガスエンクロージャアセンブリはさらに、
前記印刷システムを収納するための印刷システムエンクロージャと、
補助エンクロージャであって、前記補助エンクロージャは、前記印刷システムから密閉可能に隔離されるように構成されている、補助エンクロージャと
を備える、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目3)
前記ガスは、不活性ガスである、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目4)
前記不活性ガスは、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの組み合わせから選択される、項目3に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目5)
前記ガスは、清浄乾燥空気(CDA)である、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目6)
ガス精製システムをさらに備える、項目1に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目7)
前記ガス精製システムは、前記ガスを反応種のそれぞれの100ppm未満で維持する、項目6に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目8)
前記反応種は、水蒸気および酸素から選択される、項目7に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目9)
ガスエンクロージャシステムであって、
ガスを含有する内部を画定するガスエンクロージャアセンブリと、
前記ガスエンクロージャアセンブリ内に収納された業務用印刷システムであって、前記業務用印刷システムは、
少なくとも1つのプリントヘッドを備えるプリントヘッドアセンブリと、
基板支持装置と、
前記基板支持装置上で支持される基板に対する前記プリントヘッドアセンブリの精密位置付けのための運動システムと、
サービス束を収納するためのサービス束筐体であって、前記サービス束は、前記印刷システムに動作可能に接続されている、サービス束筐体と
を備える、業務用印刷システムと、
前記基板から離して前記サービス束筐体の近位のガスを排出するためのサービス束筐体排出システムと
を備え、
サイズが2μmを上回るまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境は、前記ガスエンクロージャシステム内で維持される、ガスエンクロージャシステム。
(項目10)
前記平均基板上粒子分布は、サイズが0.3μmを上回るまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、項目9に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目11)
前記サービス束筐体排出システムは、ガス循環および濾過システムと流体連通している、項目1または項目9に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目12)
前記基板支持装置から離して前記プリントヘッドアセンブリの近位のガスを排出するためのプリントヘッドアセンブリ排出システムをさらに備える、項目1または項目9に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目13)
前記プリントヘッドアセンブリ排出システムは、ガス循環および濾過システムと流体連通している、項目12に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目14)
前記運動システムは、分割軸運動システムである、項目1または項目9に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目15)
前記分割軸運動システムは、空気ベアリング運動システムを備える、項目14に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目16)
前記基板支持装置は、浮動式テーブルを備える、項目1または項目9に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目17)
印刷システムを通して基板を移動させるための運動システムは、空気ベアリング運動システムである、項目1または項目9に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目18)
前記基板支持装置は、約3.5世代から約10世代まで及ぶサイズの基板を支持することができる、項目1または項目9に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目19)
前記ガスは、不活性ガスである、項目18に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目20)
ガス精製システムをさらに備える、項目19に記載のガスエンクロージャシステム。
(項目21)
前記ガス精製システムは、前記ガスを反応種のそれぞれの100ppm未満で維持する、項目20に記載のガスエンクロージャシステム。
【0007】
本開示の特徴および利点のより良好な理解が、本教示を限定ではなく例証することを目的としている、添付図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの右前斜視図である。
【
図1B】
図1は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの右前斜視図である。
【
図2】
図2は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの分解図を描写する。
【
図3】
図3は、本教示の種々の実施形態による、種々のパネルフレーム区分および区分パネルを描写する、フレーム部材アセンブリの分解正面斜視図である。
【
図4A】
図4A、4B、および4Cは、接合部を形成するためのガスケットシールの種々の実施形態の上面概略図である。
【
図4B】
図4A、4B、および4Cは、接合部を形成するためのガスケットシールの種々の実施形態の上面概略図である。
【
図4C】
図4A、4B、および4Cは、接合部を形成するためのガスケットシールの種々の実施形態の上面概略図である。
【
図5A】
図5Aおよび5Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、フレーム部材の密閉を描写する種々の斜視図である。
【
図5B】
図5Aおよび5Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、フレーム部材の密閉を描写する種々の斜視図である。
【
図6A】
図6Aおよび6Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、容易に可撤性である点検窓を受容するための区分パネルの密閉に関する種々の図である。
【
図6B】
図6Aおよび6Bは、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、容易に可撤性である点検窓を受容するための区分パネルの密閉に関する種々の図である。
【
図7A】
図7Aおよび7Bは、本教示の種々の実施形態による、嵌め込みパネルまたは窓パネルを受容するための区分パネルの密閉に関する拡大斜視断面図である。
【
図7B】
図7Aおよび7Bは、本教示の種々の実施形態による、嵌め込みパネルまたは窓パネルを受容するための区分パネルの密閉に関する拡大斜視断面図である。
【0009】
【
図8】
図8は、本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための照明システムを含む、天井の図である。
【
図9】
図9は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの正面斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、本教示の種々の実施形態による、
図9で描写されるようなガスエンクロージャアセンブリおよび関連印刷の種々の実施形態の分解図を描写する。
【
図11】
図11は、本教示の種々の実施形態による、浮動式テーブルの斜視図を描写する。
【0010】
【
図12】
図12は、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略図である。
【
図13】
図13は、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよび関連システム構成要素の種々の実施形態の概略図である。
【
図14】
図14は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
【
図15】
図15は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
【
図16】
図16は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの内部に設置された配管を描写する、ガスエンクロージャアセンブリの透視正面斜視図である。
【
図17】
図17は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの内部に設置された配管を描写する、ガスエンクロージャアセンブリの透視上面斜視図である。
【
図18】
図18は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリの内部に設置された配管を描写する、ガスエンクロージャアセンブリの透視底面斜視図である。
【
図19A】
図19Aは、本教示の種々の実施形態による、サービス束を示す概略図である。
図19Bは、本教示による、配管の種々の実施形態を通して送給されるサービス束を通過するガスを描写する。
【
図19B】
図19Aは、本教示の種々の実施形態による、サービス束を示す概略図である。
図19Bは、本教示による、配管の種々の実施形態を通して送給されるサービス束を通過するガスを描写する。
【
図20】
図20は、サービス束のデッドスペースに閉塞された反応種(A)が、それを通して束が送られたダクトを通過する不活性ガス(B)からどのようにして活発にパージされるかを示す、概略図である。
【
図21A】
図21Aは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態による、配管を通して送られたケーブルおよび管類の透視斜視図である。
【
図21B】
図21Bは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態による、開口部を覆う閉鎖のためのカバーの詳細を示す、
図21Aに示される開口部の拡大図である。
【
図22】
図22は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリを通したガス循環の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略側面断面図である。
【
図23】
図23は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリを通したガス循環の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略側面断面図である。
【
図24】
図24は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリを通したガス循環の実施形態を描写する、ガスエンクロージャの概略正面断面図である。
【
図25】
図25は、本教示の種々の実施形態による、システム構成要素を伴うガスエンクロージャアセンブリの断面概略図である。
【
図26】
図26は、低粒子X軸運動システムおよびサービス束筐体排出システムを含むことができる、本教示の粒子制御システムの種々の実施形態を描写する、印刷システムの斜視図である。
【
図27A】
図27Aおよび27Bは、本教示の種々の実施形態による、低粒子X軸運動システムの断面図である。
【
図27B】
図27Aおよび27Bは、本教示の種々の実施形態による、低粒子X軸運動システムの断面図である。
【
図28A】
図28Aおよび28Bは、本教示の種々の実施形態による、印刷システムのためのサービス束筐体排出システムの種々の斜視図である。
【
図28B】
図28Aおよび28Bは、本教示の種々の実施形態による、印刷システムのためのサービス束筐体排出システムの種々の斜視図である。
【
図29A】
図29Aは、本教示の種々の実施形態による、サービス束筐体排出システムの概略図である。
【
図29B】
図29B、
図29C、および29Dは、本教示の種々の実施形態による、サービス束筐体を通気することの種々の実施形態の概略図である。
【
図29C】
図29B、
図29C、および29Dは、本教示の種々の実施形態による、サービス束筐体を通気することの種々の実施形態の概略図である。
【
図29D】
図29B、
図29C、および29Dは、本教示の種々の実施形態による、サービス束筐体を通気することの種々の実施形態の概略図である。
【
図30A】
図30Aおよび30Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ内のプリントヘッドアセンブリの周囲でのガス循環および粒子収集の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
【
図30B】
図30Aおよび30Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ内のプリントヘッドアセンブリの周囲でのガス循環および粒子収集の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
【
図31A】
図31Aおよび31Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ内のプリントヘッドアセンブリの周囲でのガス循環および粒子収集の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
【
図31B】
図31Aおよび31Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ内のプリントヘッドアセンブリの周囲でのガス循環および粒子収集の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
【
図32A】
図32Aおよび32Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ内のプリントヘッドアセンブリの周囲でのガス循環および粒子収集の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
【
図32B】
図32Aおよび32Bは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ内のプリントヘッドアセンブリの周囲でのガス循環および粒子収集の実施形態を描写する、ガスエンクロージャシステムの概略図である。
【
図33】
図33は、本教示による、可搬性浮遊粒子計数デバイスの実施形態である。
【
図34】
図34は、電磁放射線の散乱に基づく、種々の可搬性浮遊粒子計数デバイスの動作の原則の概略図である。
【
図35】
図35は、可搬性浮遊粒子計数デバイスが本教示の種々の印刷システムの中に位置することができる、種々の領域を描写する概略図である。
【
図36】
図36は、本教示の種々の実施形態による、基板支持装置の近位に位置する可搬性浮遊粒子計数デバイスの等角斜視図である。
【
図37A】
図37Aおよび37Bは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態における粒子数の長期試験結果を描写する、グラフである。
【
図37B】
図37Aおよび37Bは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態における粒子数の長期試験結果を描写する、グラフである。
【
図38】
図38は、ガスエンクロージャシステム窓の開放前および後の粒子数の回収試験結果を描写する、グラフである。
【
図39】
図39は、電磁放射線の散乱に基づく、基板上粒子検出のための種々の粒子検出デバイスの動作の原則の概略図である。
【
図40】
図40は、本教示の種々の実施形態による、印刷領域の近位の試験基板の配置の等角斜視図である。
【
図41】
図41は、本教示の種々の実施形態による、カメラを装備した印刷システム内の印刷領域の近位の基板の配置の等角斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本教示は、OLED印刷システムを収納することができる、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を開示する。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、実質的に低粒子である不活性ガス環境を必要とするプロセスのためにそのような環境を持続することができる、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を形成するように、粒子制御システム、ガス循環および濾過システム、ガス精製システム、および同等物を提供する、種々の構成要素と密閉可能に構築および統合することができる。
【0012】
原則として、大判基板サイズを含む種々の基板サイズの印刷を可能にすることができる製造ツールは、そのようなOLED製造ツールを収納するための実質的に大型の設備を必要とし得る。したがって、不活性雰囲気下で大型設備全体を維持することは、大量の不活性ガスの連続精製等の技術的課題を提示する。本教示によると、不活性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない、任意のガスであってもよい。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。加えて、水蒸気および酸素等の種々の反応性大気ガス、ならびに種々の印刷プロセスから生成される有機溶媒蒸気の汚染を防止するように本質的に密封される大型設備を提供することは、技術的課題を提起する。本教示によると、OLED印刷設備は、水蒸気および酸素等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、あるいは0.1ppmまたはそれより低く維持するであろう。
【0013】
不活性環境を必要とする大型設備の連続維持は、なおも付加的な課題を提起する。例えば、製造設備は、例えば、限定されないが、印刷システムを操作するために必要とされる、光学、電気、機械、および流体接続を提供するように、種々のシステムおよびアセンブリから動作可能に接続することができる、種々のサービス束の大幅な長さを必要とし得る。本教示によると、サービス束は、非限定的実施例として、光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができる。本教示による、サービス束の種々の実施形態は、サービス束の中で種々のケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物をともに束ねることによって作成される相当な数の隙間の結果として、有意な全死容積を有し得る。サービス束の中の相当な数の隙間に起因する、全死容積は、その中に閉塞された有意量の反応性ガス種の保持をもたらし得る。そのような有意量の閉塞反応性ガス種は、酸素および水蒸気等の反応性大気成分、ならびに有機蒸気のレベルに関する仕様にガスエンクロージャを効果的に至らせるための課題を提示し得る。また、印刷システムの操作で使用される、そのようなサービス束は、粒子状物質の継続的供給源であり得る。
【0014】
その点に関して、OLED製造設備において実質的に不活性で低粒子の環境を提供して維持することは、例えば、開放型高流動層流濾過フードの下の大気条件で行うことができるプロセスのために提示されない、付加的な課題を提供する。したがって、本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、不活性で実質的に低粒子の環境での種々のサイズおよび材料のOED基板のOLED印刷に提示される課題に対処する。
【0015】
実質的に低粒子の環境を維持することに関して、ガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、クラス1~クラス5によって特定されるようなInternational Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999, “Cleanrooms and associated controlled environments-Part 1: Classification of air cleanliness”の規格を満たす、浮遊粒子状物質のための低粒子不活性ガス環境を提供するように設計することができる。しかしながら、そのようなプロセス中に基板の近位で生成される粒子は、ガス循環および濾過システムを通過させることができる前に、基板表面上に蓄積し得るため、浮遊粒子状物質を制御することだけでは、例えば、限定されないが、印刷プロセス中に基板の近位に低粒子環境を提供するためには十分ではない。
【0016】
したがって、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガス循環および濾過システムに加えて、印刷ステップでの処理中に基板の近位に低粒子ゾーンを提供することができる構成要素を含むことができる、粒子制御システムを有することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための粒子制御システムは、ガス循環および濾過システムと、基板に対してプリントヘッドアセンブリを移動させるための低粒子生成X軸線形ベアリングシステムと、サービス束筐体排出システムと、プリントヘッドアセンブリ排出システムとを含むことができる。その点に関して、浮遊粒子状物質のための実質的に低粒子の仕様を維持するための循環および濾過システムに加えて、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、基板上に堆積させられる粒子状物質のための実質的に低粒子の仕様を維持するために付加的な構成要素を含むことができる、粒子制御システムを有することができる。
【0017】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態は、基板上堆積率仕様を超えない、目的とする特定のサイズ範囲の粒子の平均基板上分布を提供する、実質的に低粒子の環境を維持することができる。基板上堆積率仕様は、約0.1μmおよびそれより大きい~10μmおよびそれより大きい目的とする粒径範囲のそれぞれのために設定することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、基板上粒子堆積率仕様は、大型粒径範囲のそれぞれについて、1分につき基板の1平方メートルあたりに堆積させられる粒子の数の限度として表すことができる。
【0018】
基板上粒子堆積率仕様の種々の実施形態は、標的粒径範囲のそれぞれについて、1分につき基板の1平方メートルあたりに堆積させられる粒子の数の限度から、1分につき基板あたりに堆積させられる粒子の数の限度に容易に変換することができる。そのような変換は、例えば、特定の世代サイズの基板、およびその基板世代の対応する面積の基板間の既知の関係を通して、容易に行うことができる。例えば、以下の表1は、いくつかの既知の世代サイズの基板のアスペクト比および面積を要約する。製造業者によっては、アスペクト比、したがって、サイズのわずかな変動が見られ得ることを理解されたい。しかしながら、そのような変動にもかかわらず、特定の世代サイズの基板の変換係数、および平方メートル単位の面積を、種々の世代サイズの基板のうちのいずれかで得ることができる。
【表1】
【0019】
加えて、1分につき基板の1平方メートルあたりに堆積させられる粒子の数の限度として表される、基板上粒子堆積率仕様は、種々の単位時間表現のうちのいずれかに容易に変換することができる。分数に正規化される基板上粒子堆積率仕様は、既知の時間の関係を通して、例えば、限定されないが、秒、時間、日等の時間の任意の他の表現に容易に変換できることが容易に理解されるであろう。加えて、処理に特異的に関する時間の単位を使用することができる。例えば、印刷サイクルを時間の単位と関連付けることができる。本教示による、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、印刷サイクルは、基板が印刷のためにガスエンクロージャシステムの中へ移動させられ、次いで、印刷が完了した後にガスエンクロージャシステムから除去される、期間であり得る。本教示による、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、印刷サイクルは、プリントヘッドアセンブリに対する基板の整合の開始から、基板上への最後に放出されたインクの液滴の送達までの期間であり得る。処理の技術分野では、全平均サイクル時間またはTACTは、特定のプロセスサイクルのための時間の単位の表現であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態によると、印刷サイクルのためのTACTは、約30秒であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、印刷サイクルのためのTACTは、約60秒であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、印刷サイクルのためのTACTは、約90秒であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、印刷サイクルのためのTACTは、約120秒であり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、印刷サイクルのためのTACTは、約300秒であり得る。
【0020】
システム内の浮遊粒子状物質および粒子堆積に関して、相当な数の変数が、例えば、任意の特定の製造システムについて、基板等の表面上の粒子降下率の値の近似値を適切に計算し得る、一般モデルを開発することに影響を及ぼし得る。粒子のサイズ、特定のサイズの粒子の分布、基板の表面積、およびシステム内の基板の暴露の時間等の変数は、種々の製造システムに応じて変動し得る。例えば、粒子のサイズ、および特定のサイズの粒子の分布は、種々の製造システム内の粒子生成構成要素の供給源および場所によって、実質的に影響され得る。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に基づく計算は、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの粒子状物質の基板上堆積が、0.1μmおよびそれより大きいサイズ範囲内の粒子について、約100万より多くから約1000万より多くの粒子であり得ることを示唆する。そのような計算は、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの粒子状物質の基板上堆積が、約2μmおよびそれより大きいサイズ範囲内の粒子について、約1000より多くから約10,000より多くの粒子であり得ることを示唆する。
【0021】
本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが10μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが2μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、サイズが0.3μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。
【0022】
本明細書で以前に議論されたように、Gen 5.5基板より大きい基板上の高収率でのOLEDディスプレイの大量生産は、実質的に困難であることが判明している。種々のOLEDデバイスの生産で使用することができる基板サイズに関するより明確な観点のために、何世代もの母ガラス基板サイズが、1990年初期頃からOLED印刷以外によって加工されたフラットパネルディスプレイのために進化してきた。Gen 1と指定される、第1世代の母ガラス基板は、約30cm×40cmであり、したがって、15インチパネルを生産することができた。1990年代中期頃に、フラットパネルディスプレイを生産するための既存の技術は、約60cm×72cmの寸法を有する、Gen 3.5の母ガラス基板サイズに進化した。比較すると、Gen 5.5基板は、約130cm×150cmの寸法を有する。
【0023】
世代が進歩するにつれて、Gen 7.5およびGen 8.5の母ガラスサイズは、OLED印刷加工プロセス以外のために生産されている。Gen 7.5の母ガラスサイズは、約195cm×225cmの寸法を有し、基板につき8枚の42インチまたは6枚の47インチフラットパネルに切断することができる。Gen 8.5で使用される母ガラスは、約220×250cmであり、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルに切断することができる。OLED製造が、実用的には、G 3.5およびそれよりも小さいものに限定されるのと同時に、より本物の色、より高いコントラスト、薄さ、可撓性、透明性、およびエネルギー効率等の品質のためのOLEDフラットパネルディスプレイの有望性が実現されてきた。現在、OLED印刷は、この制限を打破し、Gen 3.5およびそれよりも小さいものの母ガラスサイズだけでなく、Gen 5.5、Gen 7.5、およびGen 8.5等の最大母ガラスサイズでOLEDパネル製造を可能にする、最適な製造技術であると考えられる。種々の基板材料、例えば、種々のガラス基板材料、ならびに種々のポリマー基板材料を含むが、それらに限定されない、OLEDパネルディスプレイ技術の特徴のうちの1つを使用することができる。その点に関して、ガラス系基板の使用から生じる用語に由来して記載されるサイズは、OLED印刷で使用するために好適な任意の材料の基板に適用することができる。
【0024】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の不活性で実質的に低粒子の環境内で、多種多様のインク調合物を印刷できることが考慮される。OLEDディスプレイの製造中に、電圧が印加されたときに特定のピーク波長の光を発することができる、OLEDフィルムスタックを含むように、OLEDピクセルを形成することができる。アノードとカソードとの間のOLEDフィルムスタック構造は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、放出層(EL)、電子輸送層(ETL)、および電子注入層(EIL)を含むことができる。OLEDフィルムスタック構造のいくつかの実施形態では、ETL/EIL層を形成するように、電子輸送層(ETL)を電子注入層(EIL)と組み合わせることができる。本教示によると、インクジェット印刷を使用して、OLEDフィルムスタックの種々のカラーピクセルELフィルム用のELのための種々のインク調合物を印刷することができる。加えて、例えば、限定されないが、HIL、HTL、EML、およびETL/EIL層は、インクジェット印刷を使用して印刷することができる、インク調合物を有することができる。
【0025】
さらに、インクジェット印刷を使用して、有機カプセル化層をOLEDパネル上に印刷できることが考慮される。インクジェット印刷がいくつかの利点を提供することができるため、インクジェット印刷を使用して、有機カプセル化層を印刷できることが考慮される。第1に、そのようなインクジェットベースの加工を大気圧で行うことができるため、一連の真空処理動作を排除することができる。加えて、インクジェット印刷プロセス中に、活性領域にわたる、かつその近位のOLED基板の部分を覆って、活性領域の外側縁を含む、活性領域を効果的にカプセル化するように、有機カプセル化層を限局することができる。インクジェット印刷を使用する標的パターン形成は、材料の無駄を排除すること、ならびに有機層のパターン形成を達成するために典型的に必要とされる付加的な処理を排除することをもたらす。カプセル化インクは、例えば、アクリレート、メタクリレート、ウレタン、または他の材料を含むが、それらによって限定されないポリマー、ならびに熱処理(例えば、焼付)、紫外線照射、およびそれらの組み合わせを使用して硬化させることができる、それらの共重合体および混合物を含むことができる。
【0026】
OLED印刷に関して、本教示によると、実質的に低いレベルの反応種、例えば、限定されないが、酸素および水蒸気等の大気成分、ならびにOLEDインクで使用される種々の有機溶媒蒸気を維持することは、必要寿命仕様を満たすOLEDフラットパネルディスプレイを提供することに相関することが分かっている。OLEDパネル技術が満たすことが困難である、全てのパネル技術に対する製品仕様である、寿命仕様が、ディスプレイ製品の寿命に直接相関するため、これは、OLEDパネル技術にとって特に重要である。必要寿命仕様を満たすパネルを提供するために、水蒸気、酸素、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種のそれぞれのレベルは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を用いて、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、または0.1ppmまたはそれより低く維持することができる。
【0027】
水蒸気、酸素、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種のそれぞれのレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、または0.1ppmまたはそれより低く維持することができる、設備内でOLEDパネルを印刷する必要性を、表2で要約される情報を精査することで例証することができる。表2で要約されるデータは、大型ピクセルのスピンコーティングされたデバイス形式で加工された、赤、緑、および青のそれぞれに対する有機薄膜組成物を含む、試験クーポンのそれぞれの検査から生じたものである。そのような試験クーポンは、種々の製剤およびプロセスの高速評価の目的で、実質的により製造および検査しやすい。試験クーポン検査は、印刷されたパネルの寿命検査と混同されるべきではないが、寿命への種々の製剤およびプロセスの影響を示すことができる。以下の表に示される結果は、同様に加工されるが、窒素環境の代わりに空気中で加工される試験クーポンと比較して、反応種が1ppm未満であった、窒素環境内で加工された試験クーポンに対してスピンコーティング環境のみが変化した、試験クーポンの加工におけるプロセスステップの変動を表す。
【0028】
特に赤および青の場合に、異なる処理環境下で加工された試験クーポンの表2内のデータの調査を通して、反応種への有機薄膜組成物の暴露を効果的に低減させる環境内の印刷は、種々のELの安定性、したがって、寿命にかなりの影響を及ぼし得ることが明白である。
【表2】
【0029】
加えて、OLED印刷のための実質的に低粒子の環境を維持することは、非常に小さい粒子でさえもOLEDパネル上の可視欠陥につながり得るため、特に重要である。その点に関して、本教示のシステムおよび方法は、水蒸気、酸素、ならびに有機溶媒蒸気等の反応種のそれぞれの低いレベルを維持すること、加えて、高品質OLEDパネル製造のための十分に低粒子の環境を維持することを提供する。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガス循環および濾過システムに加えて、印刷ステップでの処理中に基板の近位に低粒子ゾーンを提供するように構成要素を含むことができる、粒子制御システムを有することができる。
【0030】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷プロセス中に粒子が基板上に蓄積することを防止するように、基板の近位の種々の粒子生成構成要素を含有して排出することができる、基板の近位に低粒子ゾーンを提供する粒子制御システムを有することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、粒子制御システムは、ガスエンクロージャシステム内、および基板の近位の両方で、クラス1~クラス5によって特定されるようなInternational Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999の規格を満たす、浮遊粒子状物質レベルを維持するためのガス循環および濾過システムを含むことができる。粒子制御システムの種々の実施形態は、そのような粒子含有構成要素をガス循環および濾過システムの中へ排出することができるように、含有されている粒子生成構成要素と流体連通しているガス循環および濾過システムを含むことができる。粒子制御システムの種々の実施形態については、含有されている粒子生成構成要素をデッドスペースの中へ排出することができ、そのような粒子状物質をガスエンクロージャシステム内の再循環のためにアクセス不可能にする。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、種々の構成要素が本質的に低粒子生成であり得、それによって、印刷プロセス中に粒子が基板上に蓄積することを防止する、粒子制御システムを有することができる。本教示の粒子制御システムの種々の構成要素は、基板の近位に低粒子ゾーンを提供するために、粒子生成構成要素の含有および排出、ならびに本質的に低粒子生成である構成要素の選択を利用することができる。
【0031】
本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、封入システム、例えば、封入OLED印刷システム内で実質的に低粒子の環境を維持することは、開放型高流動層流濾過フードの下等の大気条件で行うことができるプロセスのための粒子低減によって提示されない、付加的な課題を提供する。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、例えば、限定されないが、1)粒子状物質が集合することができる基板の近位の領域の排除を通して、2)本教示の粒子制御システムの種々の実施形態内で、束ねられたケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができる、サービス束等の粒子生成構成要素、ならびに例えば、摩擦ベアリングを使用するファンまたは線形運動システム等の構成要素を利用する、種々の装置、アセンブリ、およびシステムを含有および排出することによって、および3)限定されないが、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気圧動作型ロボット、および同等物等の種々の本質的に低粒子生成の空気圧動作型構成要素を使用することによって、実質的に低粒子の環境を提供することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、実質的に低粒子の環境は、印刷中に基板の近位に低粒子ゾーンを提供するための構成要素を含む、粒子制御システムを含むことができる。
【0032】
後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、基板の近位に低粒子ゾーンを提供するための基板の近位の粒子生成の直接制御は、粒子生成要素の含有によって、低粒子生成構成要素の使用によって、ならびに粒子生成の含有および粒子生成構成要素の使用の組み合わせによって、実装することができる。したがって、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、基板、サービス束筐体排出システム、およびプリントヘッドアセンブリ排出システムに対してプリントヘッドアセンブリを移動させるための低粒子生成X軸線形ベアリングシステムと流体連通しているガス循環および濾過システムを含むことができる、粒子制御システムを有することができる。サービス束筐体排出システムおよびプリントヘッドアセンブリ排出システムの種々の実施形態については、そのようなシステムに含有される粒子をガス循環および濾過システムの中へ排出することができる。サービス束筐体排出システムおよびプリントヘッドアセンブリ排出システムの種々の実施形態では、そのようなシステムに含有される粒子をデッドスペースの中へ排出することができ、それによって、デッドスペースの中へ排出されるそのような粒子状物質をガスエンクロージャシステム内の循環のためにアクセス不可能にする。
【0033】
加えて、システム検証ならびに継続中のシステム監視を浮遊および基板上粒子監視の両方のために行うことができる。浮遊粒子状物質の判定は、例えば、可搬性粒子計数デバイスを使用して、品質チェックとして印刷プロセスの前にガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、浮遊粒子状物質の判定は、基板が印刷されている間に原位置で継続中の品質チェックとして行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、浮遊粒子状物質の判定は、基板が印刷される前に、加えて、基板が印刷されている間に原位置で、品質チェックとして行うことができる。基板上の粒子状物質の基板上分布の判定は、例えば、試験基板を使用して、基板がシステム検証のために印刷される前に、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、例えば、粒子状物質の基板上分布の判定は、X軸キャリッジアセンブリ上に載置されるカメラアセンブリを使用して、基板が印刷されている間に原位置で継続中の品質チェックとして行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、粒子状物質の基板上分布の判定は、基板が印刷される前に、加えて、基板が印刷されている間に原位置で、システム検証のために行うことができる。
【0034】
ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、約0.1μmまたはそれより大きい~約10μmまたはそれより大きい粒子のための基板上粒子仕様を提供する、実質的に低粒子の環境を維持することができる、粒子制御システムを有することができる。基板上粒子仕様の種々の実施形態は、標的粒径範囲のそれぞれについて、1分につき基板の1平方メートルあたりの平均基板上粒子分布から、1分につき基板あたりの平均基板上粒子分布に容易に変換することができる。本明細書で以前に議論されたように、そのような変換は、例えば、特定の世代サイズの基板、およびその基板世代の対応する面積の基板間の既知の関係を通して、容易に行うことができる。加えて、1分につき基板の1平方メートルあたりの平均基板上粒子分布は、種々の単位時間表現のうちのいずれかに容易に変換することができる。例えば、標準時間単位、例えば、秒、分、および日の間の変換に加えて、処理に特異的に関する時間の単位を使用することができる。例えば、本明細書で以前に議論されたように、印刷サイクルを時間の単位と関連付けることができる。
【0035】
本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが10μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが2μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、サイズが0.3μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。
【0036】
加えて、ガスエンクロージャシステムは、例えば、最小限化された不活性ガス体積を提供しながら、OLED印刷システムのための最適化された作業空間を提供するように容易に拡大することができ、加えて、最小限の休止時間を伴う保守のための内部へのアクセスを提供しながら、処理中に外部からOLED印刷システムへの即時のアクセスを提供する、ガスエンクロージャアセンブリアセンブリを含むが、それに限定されない、属性を有するであろうと考慮される。その点に関して、不活性環境を必要とする種々の空気感受性プロセスのための有用性を有する、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、ともに密閉することができる複数の壁フレームおよび天井フレーム部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の壁フレームおよび天井フレーム部材は、再利用可能な締結具、例えば、ボルトおよびねじ山付き穴を使用して、ともに締結することができる。本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、各フレーム部材が複数のパネルフレーム区分を備える、複数のフレーム部材は、ガスエンクロージャフレームアセンブリを画定するように構築することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、印刷システムエンクロージャ等のガスエンクロージャシステムの作業容積から密閉可能に隔離することができる、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として構築される補助エンクロージャを含むことができる。例えば、印刷システムエンクロージャからの補助エンクロージャのそのような物理的隔離は、種々の手順、例えば、限定されないが、プリントヘッドアセンブリ上の種々の保守手順が、印刷プロセスの中断をほとんどまたは全く伴わずに行われることを可能にすることができ、それによって、ガスエンクロージャシステムの休止時間を最小限化または排除する。
【0037】
本教示のガスエンクロージャアセンブリは、システムの周囲のエンクロージャの容積を最小限化することができる様式で、OLED印刷システム等の印刷システムに適応するように設計することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの内部容積を最小限化し、同時に、種々のOLED印刷システムの種々の設置面積に適応するように作業空間を最適化する様式で、構築することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態による、OLED印刷システムは、例えば、花崗岩基部、OLED印刷デバイスを支持することができる可動ブリッジ、基板浮動式テーブル等の加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態から延設する1つまたはそれを上回るデバイスおよび装置、空気ベアリング、トラック、レール、OLEDインク供給サブシステムおよびインクジェットプリントヘッドを含む、基板上にOLED膜形成材料を堆積させるためのインクジェットプリンタシステム、1つまたはそれを上回るロボット、および同等物を備えることができる。OLED印刷システムを備えることができる、種々の構成要素を考慮すると、OLED印刷システムの種々の実施形態は、種々の設置面積および形状因子を有することができる。そのように構築されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、加えて、処理中に外部からガスエンクロージャアセンブリの内部への即時のアクセスを提供し、休止時間を最小限化しながら、保守のために内部に即時にアクセスする。その点に関して、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、種々のOLED印刷システムの種々の設置面積に関して輪郭形成することができる。種々の実施形態によると、いったん輪郭フレーム部材がガスエンクロージャフレームアセンブリを形成するように構築されると、種々の種類のパネルが、ガスエンクロージャアセンブリの設置を完了するように、フレーム部材を備える複数のパネル区分の中に密閉可能に設置されてもよい。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、例えば、複数の壁フレーム部材および少なくとも1つの天井フレーム部材を含むが、それらに限定されない、複数のフレーム部材、ならびにパネルフレーム区分の中に設置するための複数のパネルが、1つの場所または複数の場所で加工され、次いで、別の場所で構築されてもよい。また、本教示のガスエンクロージャアセンブリを構築するために使用される構成要素の輸送可能な性質を考慮すると、構築および破壊のサイクルを通して、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を繰り返し設置および除去することができる。
【0038】
ガスエンクロージャが密封されていることを確実にするために、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、フレーム密閉を提供するように各フレーム部材を接合することを提供する。内部は、十分に密閉することができ、例えば、ガスケットまたは他のシールを含む、種々のフレーム部材間の緊密嵌合交点によって、密封することができる。いったん完全に構築されると、密閉ガスエンクロージャアセンブリは、内部と、複数の内角縁とを備えることができ、少なくとも1つの内角縁は、隣接フレーム部材との各フレーム部材の交点に提供される。フレーム部材のうちの1つまたはそれを上回るもの、例えば、フレーム部材の少なくとも半分は、その1つまたはそれを上回るそれぞれの縁に沿って固定される、1つまたはそれを上回る圧縮可能なガスケットを備えることができる。1つまたはそれを上回る圧縮可能なガスケットは、いったん複数のフレーム部材がともに接合され、気密パネルが設置されると、密封ガスエンクロージャアセンブリを作成するように構成することができる。複数の圧縮可能なガスケットによって密閉されるフレーム部材の内部縁を有する、密閉ガスエンクロージャアセンブリを形成することができる。各フレーム部材について、例えば、限定されないが、内壁フレーム表面、最上壁フレーム表面、垂直側壁フレーム表面、底壁フレーム表面、およびそれらの組み合わせに、1つまたはそれを上回る圧縮可能なガスケットを提供することができる。
【0039】
ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、各フレーム部材は、各パネル用の気密パネルを提供するように各区分内に密閉可能に設置することができる、種々のパネル種類のうちのいずれかを受容するようにフレームに入れ、加工される、複数の区分を備えることができる。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、各区分フレームは、選択された締結具を用いて、各区分フレームの中に設置された各パネルが、各パネル用、したがって、完全に構築されたガスエンクロージャ用の気密シールを提供できることを確実にする、区分フレームガスケットを有することができる。種々の実施形態では、ガスエンクロージャアセンブリは、壁パネルのそれぞれの中に窓パネルまたは点検窓のうちの1つまたはそれを上回るものを有することができ、各窓パネルまたは点検窓は、少なくとも1つのグローブポートを有することができる。ガスエンクロージャアセンブリの組立中に、グローブが内部の中へ延在することができるように、各グローブポートは、グローブを取り付けさせることができる。種々の実施形態によると、各グローブポートは、グローブを載置するためのハードウェアを有することができ、そのようなハードウェアは、グローブポートを通した漏出または分子拡散を最小限化するように気密シールを提供する、各グローブポートの周囲のガスケットシールを利用する。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、ハードウェアはさらに、グローブポートのキャップ取り付けおよび取り外しの容易性をエンドユーザに提供するために設計されている。
【0040】
本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、複数のフレーム部材およびパネル区分から形成されるガスエンクロージャアセンブリ、ならびにガス循環、濾過、および精製構成要素を含むことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、配管が組立プロセス中に設置されてもよい。本教示の種々の実施形態によると、配管は、複数のフレーム部材から構築されている、ガスエンクロージャフレームアセンブリ内に設置することができる。種々の実施形態では、配管は、ガスエンクロージャフレームアセンブリを形成するように接合される前に、複数のフレーム部材上に設置することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための配管は、1つまたはそれを上回る配管入口から配管の中へ引き込まれる実質的に全てのガスが、ガスエンクロージャシステムの内部の粒子状物質を除去するためのガス濾過ループの種々の実施形態を通して移動させられるように、構成することができる。加えて、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の配管は、ガスエンクロージャアセンブリの内部にあるガス濾過ループから、ガスエンクロージャアセンブリの外部にあるガス精製ループの入口および出口を分離するように構成することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、ガス循環および濾過システムは、例えば、限定されないが、粒子制御システムの構成要素と流体連通することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態については、ガス循環および濾過システムは、サービス束筐体排出システムと流体連通することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態については、ガス循環および濾過システムは、プリントヘッドアセンブリ排出システムと流体連通することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、ガス循環および濾過システムと流体連通している粒子制御システムの種々の構成要素は、印刷システムの中に位置付けられた基板の近位に低粒子ゾーンを提供することができる。
【0041】
例えば、ガスエンクロージャシステムは、ガスエンクロージャアセンブリの内部にガス循環および濾過システムを有することができる。そのような内部濾過システムは、内部内に複数のファンフィルタユニットを有することができ、内部内でガスの層流を提供するように構成することができる。層流は、内部の最上部から内部の底部までの方向に、または任意の他の方向にあり得る。循環システムによって生成されるガス流は、層流である必要はないが、内部で徹底的かつ完全なガスの回転率を確保するために、ガスの層流を使用することができる。ガスの層流はまた、乱流を最小限化するためにも使用することもでき、そのような乱流は、環境内の粒子をそのような乱流の領域中で集合させ、濾過システムが環境からこれらの粒子を除去することを妨げ得るため、望ましくない。さらに、内部で所望の温度を維持するために、例えば、ファンまたは別のガス循環デバイスとともに動作し、それに隣接し、またはそれと併せて使用される、複数の熱交換器を利用する熱調節システムを提供することができる。ガス精製ループは、エンクロージャの外部の少なくとも1つのガス精製構成要素を通して、ガスエンクロージャアセンブリの内部内からガスを循環させるように構成することができる。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの外部のガス精製ループと併せた、ガスエンクロージャアセンブリの内部の循環および濾過システムは、ガスエンクロージャシステムの全体を通して実質的に低いレベルの反応種を有する、実質的に低粒子の不活性ガスの連続循環を提供することができる。
【0042】
ガス循環、濾過、および精製構成要素を提供することに加えて、配管は、その中に少なくとも1本のサービス束を収容するように定寸および成形することができる。本教示によると、サービス束は、例えば、光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤ、ならびに種々の流体含有管類、および同等物を含むことができるが、それらに限定されない。本教示のサービス束の種々の実施形態は、サービス束の種々の構成要素の間に形成される隙間によって作成される、かなりの死容積を有し得る。種々の光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤ、および流体含有管類を束ねることにおいて作成され得る、大幅な死容積は、水、水蒸気、酸素、および同等物等の大幅な量の反応性大気種を空隙に閉じ込めさせ得る。そのような大幅な量の閉塞反応性大気種は、精製システムによって急速に除去することが困難であり得る。加えて、そのようなサービス束は、識別された粒子状物質源である。いくつかの実施形態では、ケーブル、電線およびワイヤ束、ならびに流体含有管類のうちのいずれかの組み合わせを、実質的に配管内に配置することができ、それぞれ、ガスエンクロージャシステムの内部に収納される、光学システム、電気システム、機械システム、および冷却システムのうちの少なくとも1つと動作可能に関連付けることができる。本質的に全ての循環させられた不活性ガスが配管を通して引かれるように、ガス循環、濾過、および精製構成要素を構成することができるため、そのように束ねられた構成要素を実質的に配管内に含有させることによって、そのような束から生じる粒子状物質、ならびに様々に束ねられた材料の死容積に閉じ込められた大気成分の両方を効果的に除去することができる。
【0043】
本教示による、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、複数のフレーム部材およびパネル区分から形成されるガスエンクロージャアセンブリ、ならびに粒子制御システム、ガス循環、濾過、および精製構成要素、加えて、加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態を含むことができる。そのような加圧不活性ガス再循環システムは、実質的に本明細書でさらに詳細に議論されるように、種々の空気圧駆動型デバイスおよび装置のためのOLED印刷システムの動作で利用することができる。
【0044】
本教示によると、ガスエンクロージャシステムにおける加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態を提供するために、いくつかの工学課題に対処した。第1に、加圧不活性ガス再循環システムを伴わないガスエンクロージャシステムの典型的な動作下で、任意の漏出がガスエンクロージャシステムの中で発生した場合に、外部ガスまたは空気が内部に進入することに対して保護するために、ガスエンクロージャシステムを外部圧力に対してわずかに正の内部圧力に維持することができる。例えば、典型的な動作下で、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、ガスエンクロージャシステムの内部は、例えば、少なくとも2mbargのエンクロージャシステムの外部の周囲大気に対する圧力で、例えば、少なくとも4mbargの圧力で、少なくとも6mbargの圧力で、少なくとも8mbargの圧力で、またはより高い圧力に維持することができる。ガスエンクロージャシステム内で加圧不活性ガス再循環システムを維持することは、同時に、加圧ガスをガスエンクロージャシステムに連続的に導入しながら、ガスエンクロージャシステムのわずかな正の内部圧力を維持することに関して、動的かつ継続的に平衡を保つ作用を提示するため、困難であり得る。さらに、種々のデバイスおよび装置の可変要求が、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムの不規則な圧力プロファイルを作成し得る。そのような条件下で外部環境に対してわずかな陽圧で保持されたガスエンクロージャシステムの動的圧力平衡を維持することは、継続的なOLED印刷プロセスの完全性を提供することができる。
【0045】
ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、本教示による加圧不活性ガス再循環システムは、圧縮機、アキュムレータ、および送風機、ならびにそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを利用することができる、加圧不活性ガスループの種々の実施形態を含むことができる。加圧不活性ガスループの種々の実施形態を含む、加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態は、安定した規定値で本教示のガスエンクロージャシステムの中で不活性ガスの内部圧力を提供することができる、特別に設計された圧力制御バイパスループを有することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、加圧不活性ガス再循環システムは、加圧不活性ガスループのアキュムレータ内の不活性ガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、圧力制御バイパスループを介して加圧不活性ガスを再循環させるように構成することができる。閾値圧力は、例えば、約25psig~約200psigの間の範囲内、またはより具体的には、約75psig~約125psigの間の範囲内、またはより具体的には、約90psig~約95psigの間の範囲内であり得る。その点に関して、特別に設計された圧力制御バイパスループの種々の実施形態とともに加圧不活性ガス再循環システムを有する、本教示のガスエンクロージャシステムは、気密ガスエンクロージャの中で加圧不活性ガス再循環システムを有することの平衡を維持することができる。
【0046】
本教示によると、種々のデバイスおよび装置を内部に配置することができ、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ等の種々の加圧ガス源を利用することができる、種々の加圧不活性ガスループを有する加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態と流体連通することができる。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施形態について、種々の空気圧動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができるとともに、維持するのにあまり手がかからない。ガスエンクロージャシステムの内部に配置し、種々の加圧不活性ガスループと流体連通することができる、例示的なデバイスおよび装置は、例えば、空気圧ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができるが、それらに限定されない。基板浮動式テーブル、ならびに空気ベアリングを、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に従ってOLED印刷システムを操作する種々の側面に使用することができる。例えば、空気ベアリング技術を利用する基板浮動式テーブルは、プリントヘッドチャンバの中の定位置に基板を輸送するため、ならびにOLED印刷プロセス中に基板を支持するために使用することができる。
【0047】
図1Aは、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ100の右正面斜視図である。ガスエンクロージャアセンブリ100は、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を提供するように、種々の構成要素と統合することができる。本教示のガスエンクロージャシステムは、ガスエンクロージャアセンブリの内部で不活性環境を維持するための1つまたはそれを上回るガス、ならびに実質的に低粒子の環境を維持するための構成要素を含有することができる。非限定的実施例として、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガス循環および濾過システム、ならびに再循環させられた不活性ガスから反応種を除去するための精製構成要素を含むことができる、粒子制御システムを有することができ、かつ加圧不活性ガス再循環システムの種々の実施形態を有することができる。したがって、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、不活性で実質的に低粒子のガス雰囲気を内部で維持することにおいて有用であり得る。
【0048】
例えば、
図1Bは、ガスエンクロージャシステム500の種々の実施形態の左正面斜視図である。
図1Bは、ガスエンクロージャアセンブリ100の種々の実施形態を含むことができる、ガスエンクロージャシステム500を描写する。ガスエンクロージャシステム500は、入口ゲート1112を有することができる、ロードロック入口チャンバ1110を有することができる。
図1Bのガスエンクロージャシステム500は、水蒸気および酸素等の反応性大気種、ならびにOLED印刷プロセスに起因する有機溶媒蒸気の実質的に低いレベルを有する、不活性ガスの一定供給をガスエンクロージャアセンブリ100に提供するためのガス精製システム3130を含むことができる。本教示によると、不活性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない、任意のガスであってもよい。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
図1Bの精製システム3130等の本教示による、ガス精製システムの種々の実施形態は、水蒸気および酸素等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、あるいは0.1ppmまたはそれより低く維持することができる。
【0049】
図1Bのガスエンクロージャシステム500はまた、システム制御機能のためのコントローラシステム1130を有することもできる。例えば、システムコントローラ1130は、1つまたはそれを上回るメモリ回路(図示せず)と通信している、1つまたはそれを上回るプロセッサ回路(図示せず)を含むことができる。システムコントローラ1130はまた、ロードロック入口チャンバ1110、出口チャンバ(図示せず)、および最終的にガスエンクロージャシステム500に収納することができるOLED印刷システムの印刷ノズルと通信することもできる。このようにして、システムコントローラ1130は、ガスエンクロージャシステム500の中への基板の進入を可能にするように、例えば、ロードロック入口チャンバ1110内のゲート1112の開口部を調整することができる。システムコントローラ1130は、OLED印刷システムの印刷ノズルへのインク分注を制御すること等の種々のシステム機能を制御することができる。
図1Bのガスエンクロージャシステム500は、業務用印刷システムを使用した、OLEDスタックを作成するために有用な種々のインクの印刷等の空気感受性プロセスを包含して保護するように構成される。OLEDインクに反応する大気ガスの実施例は、水蒸気および酸素、ならびに例えば、種々のOLEDインクのための担体として使用される有機溶媒からの種々の有機蒸気を含む。本明細書で以前に議論されたように、ガスエンクロージャアセンブリ100は、密閉雰囲気を維持し、構成要素または印刷システムが効果的に動作することを可能にするように構成することができる一方で、ガスエンクロージャシステム500は、不活性環境を維持するために必要な全ての構成要素を提供することができる。加えて、ガスエンクロージャ500は、非限定的実施例として、ガス循環および濾過システム、基板に対してプリントヘッドアセンブリを移動させるための低粒子生成X軸線形ベアリングシステム、サービス束筐体排出システム、およびプリントヘッドアセンブリ排出システム等の構成要素を含むことができる、基板の近位に低粒子ゾーンを提供する粒子制御システムを有することができる。
【0050】
図1Aで描写されるように、ガスエンクロージャアセンブリ100の種々の実施形態は、前または第1の壁パネル210’、左または第2の壁パネル(図示せず)、右または第3の壁パネル230’、後または第4の壁パネル(図示せず)、および天井パネル250’を含む、構成要素部品を備えることができ、そのガスエンクロージャアセンブリは、基部(図示せず)上で静置するパン204に取り付けることができる。本明細書において後にさらに詳細に議論されるように、
図1Aのガスエンクロージャアセンブリ100の種々の実施形態は、前または第1の壁フレーム210、左または第2の壁フレーム(図示せず)、右または第3の壁フレーム230、後または第4の壁パネル(図示せず)、および天井フレーム250から構築することができる。天井フレーム250の種々の実施形態は、ファンフィルタユニットカバー103、ならびに第1の天井フレームダクト105、および第1の天井フレームダクト107を含むことができる。本教示の実施形態によると、種々の種類の区分パネルが、フレーム部材を備える複数のパネル区分のうちのいずれかの中に設置されてもよい。
図1のガスエンクロージャ100の種々の実施形態では、フレームの構築中に板金パネル区分109をフレーム部材の中へ溶接することができる。ガスエンクロージャアセンブリ100の種々の実施形態について、ガスエンクロージャアセンブリの構築および破壊のサイクルを通して、繰り返し設置および除去することができる、区分パネルの種類は、壁パネル210’に対して示されるような嵌め込みパネル110、ならびに壁パネル230’に対して示されるような窓パネル120および容易に可撤性の点検窓130を含むことができる。
【0051】
容易に可撤性の点検窓130は、エンクロージャ100の内部への即時のアクセスを提供することができるが、修理および定期点検の目的でガスエンクロージャシステムの内部へのアクセスを提供するために、可撤性である任意のパネルを使用することができる。点検または修理のためのそのようなアクセスは、使用中にガスエンクロージャアセンブリの外部からガスエンクロージャアセンブリの内部へのエンドユーザグローブのアクセスを提供することができる、窓パネル120および容易に可撤性の点検窓130等のパネルによって提供されるアクセスと区別される。例えば、パネル230について
図1Aで示されるように、グローブポート140に取り付けられるグローブ142等のグローブのうちのいずれかは、ガスエンクロージャシステムの使用中に内部へのエンドユーザアクセスを提供することができる。
【0052】
図2は、
図1Aで描写されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の分解図を描写する。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、
図1Aに示されるように、基部202上で静置するパン204に取り付けることができる、前壁パネル210’の外側斜視図、左壁パネル220’の外側斜視図、右壁パネル230’の内部斜視図、後壁パネル240’の内部斜視図、および天井パネル250’の上面斜視図を含む、複数の壁パネルを有することができる。OLED印刷システムは、パン204の上に載置することができ、その印刷プロセスは、大気条件に敏感であることが知られている。本教示によると、ガスエンクロージャアセンブリは、フレーム部材、例えば、壁パネル210’の壁フレーム210、壁パネル220’の壁フレーム220、壁パネル230’の壁フレーム230、壁パネル240’の壁フレーム240、および天井パネル250’の天井フレーム250から構築することができ、次いで、その中に複数の区分パネルを設置することができる。その点に関して、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の構築および破壊のサイクルを通して、繰り返し設置および除去することができる、区分パネルの設計を効率化することが望ましくあり得る。また、ガスエンクロージャアセンブリで必要とされる不活性ガスの量を最小限化するために、OLED印刷システムの種々の実施形態の設置面積に適応するように、ガスエンクロージャアセンブリ100の輪郭形成を行うことができるとともに、ガスエンクロージャアセンブリの使用中ならびに保守中の両方で、即時のアクセスをエンドユーザに提供する。
【0053】
例示として前壁パネル210’および左壁パネル220’を使用して、フレーム部材の種々の実施形態は、フレーム部材構築中にフレーム部材の中へ溶接される板金パネル区分109を有することができる。嵌め込みパネル110、窓パネル120、および容易に可撤性の点検窓130は、壁フレーム部材のそれぞれの中に設置することができ、
図2のガスエンクロージャアセンブリ100の構築および分解のサイクルを通して、繰り返し設置および除去することができる。図に示すように、壁パネル210’および壁パネル220’の実施例では、壁パネルは、容易に可撤性の点検窓130の近位に窓パネル120を有することができる。同様に、例示的後壁パネル240’で描写されるように、壁パネルは、2つの隣接するグローブポート140を有する、窓パネル125等の窓パネルを有することができる。本教示による壁フレーム部材の種々の実施形態について、および
図1Aのガスエンクロージャアセンブリ100について見られるように、グローブのそのような配列は、ガスエンクロージャの外部からエンクロージャシステム内の構成要素部品への容易なアクセスを提供する。したがって、ガスエンクロージャの種々の実施形態は、エンドユーザが左のグローブおよび右のグローブを内部の中へ拡張し、内部内のガス雰囲気の組成を乱すことなく、内部の中で1つまたはそれを上回るアイテムを操作することができるように、2つまたはそれを上回るグローブポートを提供することができる。例えば、窓パネル120および点検窓130のうちのいずれかは、ガスエンクロージャアセンブリの外部からガスエンクロージャアセンブリの内部の調整可能な構成要素への容易なアクセスを促進するように位置付けることができる。窓パネル120および点検窓130等の窓パネルの種々の実施形態によると、グローブポートグローブを通したエンドユーザアクセスが指示されないとき、そのような窓は、グローブポートおよびグローブポートアセンブリを含まなくてもよい。
【0054】
図2で描写されるような壁および天井パネルの種々の実施形態は、複数の嵌め込みパネル110を有することができる。
図2に見られ得るように、嵌め込みパネルは、種々の形状およびアスペクト比を有することができる。嵌め込みパネルに加えて、天井パネル250’は、ファンフィルタユニットカバー103、ならびに天井フレーム250に載置され、ボルトで締められ、ねじで締められ、固定され、または別様に固着される第1の天井フレームダクト105および第2の天井フレームダクト107を有することができる。本明細書において後にさらに詳細に議論されるように、天井パネル250’のダクト107と流体連通している配管は、ガスエンクロージャアセンブリの内部内に設置することができる。本教示によると、そのような配管は、ガスエンクロージャアセンブリの内部のガス循環システムの一部であり得るとともに、ガスエンクロージャアセンブリの外部の少なくとも1つのガス精製構成要素を通した循環のために、ガスエンクロージャアセンブリから退出する流動を分離することを提供する。
【0055】
図3は、パネルの完全な補完を含むように壁フレーム220を構築することができる、フレーム部材アセンブリ200の分解正面斜視図である。示される設計に限定されないが、本教示によるフレーム部材アセンブリの種々の実施形態の例示として、壁フレーム220を使用するフレーム部材アセンブリ200を使用することができる。フレーム部材アセンブリの種々の実施形態は、本教示によると、種々のフレーム部材と、種々のフレーム部材の種々のフレームパネル区分の中に設置される区分パネルとから成ることができる。
【0056】
本教示の種々のフレーム部材アセンブリの種々の実施形態によれば、フレーム部材アセンブリ200は、壁フレーム220等のフレーム部材から成ることができる。
図1Aのガスエンクロージャアセンブリ100等のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、そのようなガスエンクロージャアセンブリに収納される機器を利用し得るプロセスは、不活性環境を提供する密封エンクロージャだけでなく、粒子状物質を実質的に含まない環境も必要とし得る。その点に関して、本教示によるフレーム部材は、フレームの種々の実施形態の構築のための様々に寸法決定された金属管材料を利用してもよい。そのような金属管材料は、分解して粒子状物質を産生しないであろう高い完全性の材料を含むが、それに限定されない、所望の材料属性に対処するとともに、高い強度、その上、最適な重量を有する、フレーム部材を生産し、種々のフレーム部材およびパネル区分を備えるガスエンクロージャアセンブリの1つの部位から別の部位への即時の輸送、構築、および破壊を提供する。本教示に従って、教示による種々のフレーム部材を作成するために、これらの要件を満たす任意の材料を利用できる。
【0057】
例えば、フレーム部材アセンブリ200等の本教示によるフレーム部材の種々の実施形態は、押出金属管類から構築することができる。フレーム部材の種々の実施形態によると、アルミニウム、鋼鉄、および種々の金属複合材料が、フレーム部材を構築するために利用されてもよい。種々の実施形態では、本教示のフレーム部材の種々の実施形態を構築するために、例えば、限定されないが、幅2インチ×高さ2インチ、幅4インチ×高さ2インチ、および幅4インチ×高さ4インチの寸法を有し、1/8インチ~1/4インチの壁厚を有する、金属管類を使用することができる。加えて、分解して粒子状物質を産生しないであろう高い完全性の材料を含むが、それに限定されない、材料属性を有するとともに、高い強度、その上、最適な重量を有する、フレーム部材を生産し、1つの部位から別の部位への即時の輸送、構築、および破壊を提供する、種々の管または他の形態の種々の補強繊維ポリマー複合材料が利用可能である。
【0058】
様々に寸法決定された金属管材料からの種々のフレーム部材の構築に関して、フレーム溶接部の種々の実施形態を作成する溶接を行うことができると考慮される。加えて、様々に寸法決定された建築材料からの種々のフレーム部材の構築は、適切な工業用接着剤を使用して行うことができる。フレーム部材を通して漏出経路を本質的に作成しないであろう様式で、種々のフレーム部材の構築が行われるべきであると考慮される。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のフレーム部材を通して漏出経路を本質的に作成しない任意のアプローチを使用して、種々のフレーム部材の構築を行うことができる。さらに、
図2の壁フレーム220等の本教示によるフレーム部材の種々の実施形態は、塗装または被覆されてもよい。表面で形成される材料が粒子状物質を作成し得る、例えば、酸化しやすい、金属管類材料から作製されるフレーム部材の種々の実施形態について、粒子状物質の形成を防止する、塗装または被覆、または陽極酸化等の他の表面処理を行うことができる。
【0059】
図3のフレーム部材アセンブリ200等のフレーム部材アセンブリは、壁フレーム220等のフレーム部材を有することができる。壁フレーム220は、その上で最上壁フレームスペーサ板227を締結することができる、最上部226、ならびにその上で底壁フレームスペーサ板229を締結することができる、底部228を有することができる。本明細書において後にさらに詳細に議論されるように、フレーム部材の表面上に載置されるスペーサ板は、フレーム部材区分の中に載置されるパネルのガスケット密閉と併せて、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の密封を提供する、ガスケット密閉システムの一部である。
図3のフレーム部材アセンブリ200の壁フレーム220等のフレーム部材は、いくつかのパネルフレーム区分を有することができ、各区分は、限定されないが、嵌め込みパネル110、窓パネル120、および容易に可撤性の点検窓130等の種々の種類のパネルを受容するように加工することができる。種々の種類のパネル区分を、フレーム部材の構築で形成することができる。パネル区分の種類は、例えば、嵌め込みパネル110を受容するための嵌め込みパネル区分10、窓パネル120を受容するための窓パネル区分20、および容易に可撤性の点検窓130を受容するための点検窓パネル区分30を含むことができるが、それらに限定されない。
【0060】
各種類のパネル区分は、パネルを受容するパネル区分フレームを有することができ、密封ガスエンクロージャアセンブリを構築するために、本教示に従って各パネルを各パネル区分の中へ密閉可能に締結できるようにもたらすことができる。例えば、本教示によるフレームアセンブリを描写する
図3では、嵌め込みパネル区分10は、フレーム12を有することが示され、窓パネル区分20は、フレーム22を有することが示され、点検窓パネル区分30は、フレーム32を有することが示されている。本教示の壁フレームアセンブリの種々の実施形態について、種々のパネル区分フレームは、密封を提供するように連続溶接ビードでパネル区分の中へ溶接される板金材料であり得る。壁フレームアセンブリの種々の実施形態について、種々のパネル区分フレームは、適切な工業用接着剤を使用してパネル区分の中に載置することができる、補強繊維ポリマー複合材料から選択される建築材料を含む、種々のシート材料から作製することができる。密閉に関する後続の教示でさらに詳細に議論されるように、各パネル区分フレームは、各パネル区分の中に設置および締結された各パネルのために気密シールを形成できることを確実にするように、その上に配置された圧縮可能なガスケットを有することができる。パネル区分フレームに加えて、各フレーム部材区分は、パネルを位置付けること、ならびにパネル区分の中でパネルをしっかりと締結することに関係するハードウェアを有することができる。
【0061】
嵌め込みパネル110および窓パネル120用のパネルフレーム122の種々の実施形態は、限定されないが、アルミニウム、アルミニウムおよびステンレス鋼の種々の合金等の板金材料から構築することができる。パネル材料のための属性は、フレーム部材の種々の実施形態を構成する構造材料のための属性と同一であり得る。その点に関して、種々のパネル部材のための属性を有する材料は、分解して粒子状物質を産生しないであろう高い完全性の材料を含むが、それに限定されないとともに、1つの部位から別の部位への即時の輸送、構築、および破壊を提供するために、高い強度、その上、最適な重量を有するパネルを生産する。例えば、ハニカムコアシート材料の種々の実施形態は、嵌め込みパネル110および窓パネル120用のパネルフレーム122の構築のためのパネル材料として使用するための必要属性を有することができる。ハニカムコアシート材料は、種々の材料、両方とも金属、ならびに金属複合材料およびポリマー、ならびにポリマー複合ハニカムコアシート材料で作製することができる。金属材料から加工されたときの可撤性パネルの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリが構築されたときに構造全体が接地されていることを確実にするように、パネルに含まれる接地接続を有することができる。
【0062】
本教示のガスエンクロージャアセンブリを構築するために使用される構成要素の輸送可能な性質を考慮すると、ガスエンクロージャアセンブリの内部へのアクセスを提供するように、本教示の区分パネルの種々の実施形態のうちのいずれかを、ガスエンクロージャシステムの使用中に繰り返し設置および除去することができる。
【0063】
例えば、容易に可撤性の点検窓パネル130を受容するためのパネル区分30は、一式の4つのスペーサを有することができ、そのうちの1つは、窓ガイドスペーサ34として示される。加えて、容易に可撤性の点検窓パネル130を受容するために構築されるパネル区分30は、容易に可撤性の点検窓130のそれぞれのための点検窓フレーム132上に載置された一式の4つの逆作用トグルクランプ136を使用して、点検窓パネル区分30の中へ点検窓130を締め付けるために使用することができる、一式の4つの締め付けクリート36を有することができる。さらに、点検窓130の除去および設置しやすさをエンドユーザに提供するように、窓ハンドル138のそれぞれの2つを、容易に可撤性の点検窓フレーム132上に載置することができる。可撤性の点検窓ハンドルの数、種類、および配置は、変化させることができる。加えて、容易に可撤性の点検窓パネル130を受容するための点検窓パネル区分30は、各点検窓パネル区分30の中に選択的に設置される、少なくとも2つの窓クランプ35を有することができる。点検窓パネル区分30のそれぞれの最上部および底部の中にあるものとして描写されるが、少なくとも2つの窓クランプは、パネル区分フレーム32の中で点検窓130を固着するように作用する任意の様式で設置することができる。点検窓130が除去および再設置されることを可能にするために、窓クランプ35を除去および設置するようにツールを使用することができる。
【0064】
点検窓130の逆作用トグルクランプ136、ならびに締め付けクリート36、窓ガイドスペーサ34、および窓クランプ35を含む、パネル区分30上に設置されるハードウェアは、任意の好適な材料、ならびに材料の組み合わせで構築することができる。例えば、1つまたはそれを上回るそのような要素は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つのセラミック、少なくとも1つのプラスチック、およびそれらの組み合わせを含むことがで
きる。可撤性点検窓ハンドル138は、任意の好適な材料、ならびに材料の組み合わせで構築することができる。例えば、1つまたはそれを上回るそのような要素は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つのセラミック、少なくとも1つのプラスチック、少なくとも1つのゴム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。窓パネル120の窓124、または点検窓130の窓134等のエンクロージャ窓は、任意の好適な材料、ならびに材料の組み合わせを含むことができる。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、エンクロージャ窓は、透明および半透明材料を含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態では、エンクロージャ窓は、例えば、限定されないが、ガラスおよび石英等のシリカ系材料、ならびに、例えば、限定されないが、種々の部類のポリカーボネート、アクリル、およびビニル等の種々の種類のポリマー系材料を含むことができる。本教示のシステムおよび方法に従って、種々の複合材料およびそれらの組み合わせの透明および半透明な性質は、例示的な窓材料にとって所望の属性である。
【0065】
図8A-9Bについて以下の教示で議論されるように、気密区分パネルフレームシールと併せた壁および天井フレーム部材シールはともに、不活性環境を必要とする空気感受性プロセスのための密封ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を提供する。実質的に低い濃度の反応種、ならびに実質的に低粒子の環境を提供することに寄与する、ガスエンクロージャシステムの構成要素は、密封ガスエンクロージャアセンブリ、ならびに配管を含む高度に効果的なガス循環および粒子濾過システムを含むことができるが、それらに限定されない。ガスエンクロージャアセンブリ用の効果的な密封を提供することは、特に、3つのフレーム部材が3側面接合部を形成するようにともに合わせるときに困難であり得る。したがって、3側面接合部密閉は、構築および破壊のサイクルを通して組み立て、分解することができる、ガスエンクロージャアセンブリ用の容易に設置可能な密封を提供することに関して、特に困難な課題を提示する。
【0066】
その点に関して、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、接合部の効果的なガスケット密閉を通した、完全に構築されたガスエンクロージャシステムの密封を提供するとともに、耐荷重建築構成要素の周囲に効果的なガスケット密閉を提供する。従来の接合部密閉と異なって、本教示による接合部密閉は、1)3つのフレーム部材が接合される、最上および底部終端フレーム接合連接において、直交配向したガスケット長からの隣接ガスケット区画の均一な平行整合を含み、それによって、角度継ぎ目整合および密閉を回避し、2)接合部の幅全体を横断して隣接長を形成することを提供し、それによって、3側面接合連接における密閉接触面積を増加させ、3)全ての垂直および水平、ならびに最上および底部3側面接合ガスケットシールにわたって、均一な圧縮力を提供するスペーサ板を伴って設計される。加えて、ガスケット材料の選択は、後に議論されるであろう、密封を提供することの有効性に影響を及ぼし得る。
【0067】
図4A-4Cは、本教示による3側面接合シールとの従来の3側面接合シールの比較を描写する、上面概略図である。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、例えば、限定されないが、ガスエンクロージャアセンブリを形成するように接合することができ、密封を必要とする複数の垂直、水平、および3側面接合部を作成する、少なくとも4つの壁フレーム部材、天井フレーム部材、およびパンがあり得る。
図4Aでは、X-Y面内でガスケットIIに対して直交配向される、第1のガスケットIから形成された従来の3側面ガスケットシールの上面概略図がある。
図4Aに示されるように、X-Y面内の直交配向から形成される継ぎ目は、ガスケットの幅の寸法によって画定される2つの区画の間の接触長W1を有する。加えて、垂直方向でガスケットIおよびガスケットIIの両方に対して直交配向されるガスケットである、ガスケットIIIの末端部分は、斜線によって示されるように、ガスケットIおよびガスケットIIに隣接することができる。
図4Bでは、第2のガスケット長IIに対して直角であり、両方の長さの45°面を接合する継ぎ目を有する、第1のガスケット長Iから形成された従来の3側面接合ガスケットシールの上面概略図があり、継ぎ目は、ガスケット材料の幅より大きい2つの区画の間に接触長W2を有する。
図4Aの構成と同様に、垂直方向でガスケットIおよびガスケットIIの両方に対して直角である、ガスケットIIIの端部分は、斜線によって示されるように、ガスケットIおよびガスケットIIに隣接することができる。ガスケット幅が
図4Aおよび
図4Bで同一であると仮定すると、
図4Bの接触長W2は、
図4Aの接触長W1より大きい。
【0068】
図4Cは、本教示による3側面接合ガスケットシールの上面概略図である。第1のガスケット長Iは、ガスケット長Iの方向に対して直角に形成されるガスケット区画I’を有することができ、ガスケット区画I’は、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の壁フレーム部材を形成するために使用される幅4インチ×高さ2インチまたは幅4インチ×高さ4インチの金属管等の、ほぼ接合されている構造構成要素の幅の寸法であり得る、長さを有する。ガスケットIIは、X-Y面内でガスケットIに対して直角であり、ほぼ接合されている構造構成要素の幅である、ガスケット区画I’との重複長を有する、ガスケット区画II’を有する。ガスケット区画I’およびII’の幅は、選択される圧縮可能なガスケット材料の幅である。ガスケットIIIは、垂直方向でガスケットIおよびガスケットIIの両方に対して直交配向される。ガスケット区画III’は、ガスケットIIIの端部分である。ガスケット区画III’は、ガスケットIIIの垂直長に対するガスケット区画III’の直交配向から形成される。ガスケット区画III’は、ガスケット区画I’およびII’とほぼ同一の長さ、および選択される圧縮可能なガスケット材料の厚さである幅を有するように形成することができる。その点に関して、
図4Cに示される3つの整合区画の接触長W3は、それぞれ、接触長W1およびW2を有する、
図4Aまたは
図4Bのいずれか一方に示される従来の3角接合シールよりも大きい。
【0069】
その点に関して、本教示による3側面接合ガスケット密閉は、
図4Aまたは
図4Bの場合に示されるように、そうでなければ直交整合ガスケットであろうものから、終端接合連接においてガスケット区画の均一な平行整合を作成する。3側面接合ガスケット密閉区画のそのような均一な平行整合は、壁フレーム部材から形成される接合部の最上および底部の角において密封3側面接合シールを促進するように、区画にわたって均一な横密閉力を印加することを提供する。加えて、各3側面接合シール用の均一に整合されたガスケット区画の各区画は、ほぼ接合されている構造構成要素の幅であるように選択され、均一に整合された区画の最大接触長を提供する。また、本教示による接合密閉は、建築接合部の全ての垂直、水平、および3側面ガスケットシールにわたって均一な圧縮力を提供する、スペーサ板を伴って設計される。
図6Aまたは
図6Bの実施例について挙げられる、従来の3側面シールに選択されるガスケット材料の幅は、少なくとも接合されている構造構成要素の幅であり得ることが主張され得る。
【0070】
図5Aの分解斜視図は、ガスケットが非圧縮状態で描写されるように、全てのフレーム部材が接合される前の本教示による密閉アセンブリ300を描写する。
図5Aでは、壁フレーム310、壁フレーム350、ならびに天井フレーム370等の複数の壁フレーム部材を、ガスエンクロージャアセンブリの種々の構成要素からのガスエンクロージャの構築の第1のステップで密閉可能に接合することができる。本教示によるフレーム部材密閉は、いったん完全に構築されたガスエンクロージャアセンブリが密封されるようにもたらすとともに、ガスエンクロージャアセンブリの構築および破壊のサイクルを通して実装することができる密封を提供することの大部分である。
図5A-5Bについて以下の教示で挙げられる実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの一部分の密閉のためのものであるが、そのような教示が、本教示のガスエンクロージャアセンブリのうちのいずれかの全体に適用される。
【0071】
図5Aで描写される第1の壁フレーム310は、その上にスペーサ板312が載置される内側311と、垂直側面314と、その上にスペーサ板316が載置される頂面315とを有することができる。第1の壁フレーム310は、スペーサ板312から形成される空間の中に配置され、それに接着される第1のガスケット320を有することができる。第1のガスケット320がスペーサ板312から形成される空間の中に配置され、それに接着された後に残る、間隙302は、
図5Aに示されるように、第1のガスケット320の垂直長に及ぶことができる。
図5Aで描写されるように、柔軟ガスケット320は、スペーサ板312から形成される空間の中に配置し、それに接着することができ、垂直ガスケット長321、曲線ガスケット長323、および内部フレーム部材311上で垂直ガスケット長321に対する面内で90°に形成され、壁フレーム310の垂直側面314で終端する、ガスケット長325を有することができる。
図5Aでは、第1の壁フレーム310は、その上にスペーサ板316が載置される頂面315を有することができ、それによって、その上に第2のガスケット340が配置され、壁フレーム310の内縁317の近位に接着される、表面315上の空間を形成する。第2のガスケット340がスペーサ板316から形成される空間の中に配置され、それに接着された後に残る、間隙304は、
図5Aに示されるように、第2のガスケット340の水平長に及ぶことができる。さらに、斜線によって示されるように、ガスケット340の長さ345は、ガスケット320の長さ325と均一に平行であり、隣接して整合させられる。
【0072】
図5Aで描写される第2の壁フレーム350は、外部フレーム側面353、垂直側面354、およびその上にスペーサ板356が載置される頂面355を有することができる。第2の壁フレーム350は、スペーサ板356から形成される第1のガスケット空間の中に配置され、それに接着される第1のガスケット360を有することができる。第1のガスケット360がスペーサ板356から形成される空間の中に配置され、それに接着された後に残る、間隙306は、
図5Aに示されるように、第1のガスケット360の水平長に及ぶことができる。
図5Aで描写されるように、柔軟ガスケット360は、垂直長361、曲線長363、および頂面355上の面内で90°に形成され、外部フレーム部材353で終端する、長さ365を有することができる。
【0073】
図5Aの分解斜視図で示されるように、壁フレーム310の内部フレーム部材311は、ガスエンクロージャフレームアセンブリの1つの建築接合部を形成するように、壁フレーム350の垂直側面354に接合することができる。そのように形成される建築接合部の密閉に関して、
図5Aで描写される本教示による壁フレーム部材の終端接合連接におけるガスケット密閉の種々の実施形態では、ガスケット320の長さ325、ガスケット360の長さ365、およびガスケット340の長さ345は、全て隣接して均一に整合させられる。加えて、本明細書において後にさらに詳細に議論されるように、本教示のスペーサ板の種々の実施形態は、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態を密封するために使用される圧縮可能なガスケット材料の約20%~約40%の間の偏向の均一な圧縮を提供することができる。
【0074】
図5Bは、ガスケットが圧縮状態で描写されるように、全てのフレーム部材が接合された後の本教示による密閉アセンブリ300を描写する。
図5Bは、透視図で示される、第1の壁フレーム310、第2の壁フレーム350、および天井フレーム370の間の最上終端接合連接で形成される、3側面接合部の角シールの詳細を示す斜視図である。
図5Bに示されるように、スペーサ板によって画定されるガスケット空間は、透視図で示される、壁フレーム310、壁フレーム350、および天井フレーム370を接合すると、垂直、水平、および3側面ガスケットシールを形成するための圧縮可能なガスケット材料の約20%~約40%の間の偏向の均一な圧縮が、壁フレーム部材の接合部で密閉される全ての表面におけるガスケット密閉が密封を提供できることを確実にするような幅であると判定することができる。加えて、ガスケット間隙302、304、および306(図示せず
)は、圧縮可能なガスケット材料の約20%~約40%の間の偏向の最適圧縮時に、各ガスケットが
図5Bのガスケット340およびガスケット360について示されるようなガスケット間隙を充填することができるように寸法決定される。したがって、各ガスケットが配置されて接着される、空間を画定することによって、均一な圧縮を提供することに加えて、間隙を提供するように設計されているスペーサ板の種々の実施形態はまた、漏出経路を形成し得る様式で、しわを作る、または隆起する、あるいは別様に圧縮状態で不規則的に形成することなく、各圧縮されたガスケットがスペーサ板によって画定される空間内で一致できることも確実にする。
【0075】
本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、パネル区分フレームのそれぞれの上に配置された圧縮可能なガスケット材料を使用して、種々の種類の区分パネルを密閉することができる。フレーム部材ガスケット密閉と併せて、種々の区分パネルとパネル区分フレームとの間にシールを形成するために使用される圧縮可能なガスケットの場所および材料は、ガス漏出をほとんどまたは全く伴わずに密封ガスエンクロージャアセンブリを提供することができる。加えて、
図3の嵌め込みパネル110、窓パネル120、および容易に可撤性の点検窓130等の全ての種類のパネルのための密閉設計は、例えば、保守のためのガスエンクロージャアセンブリの内部へのアクセスに関して必要とされ得る、そのようなパネルの繰り返しの除去および設置後に、耐久性のあるパネル密閉を提供することができる。
【0076】
例えば、
図6Aは、点検窓パネル区分30および容易に可撤性の点検窓130を描写する分解図である。本明細書において以前に議論されたように、点検窓パネル区分30は、容易に可撤性の点検窓130を受容するために加工することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、可撤性点検パネル区分30等のパネル区分は、パネル区分フレーム32、ならびにパネル区分フレーム32上に配置される圧縮可能なガスケット38を有することができる。種々の実施形態では、可撤性点検窓パネル区分30の中に容易に可撤性の点検窓130を締結することに関係するハードウェアは、設置および再設置の容易性をエンドユーザに提供し、同時に、ガスエンクロージャアセンブリの内部への直接アクセスを必要とするエンドユーザによる必要に応じて、容易に可撤性の点検窓130がパネル区分30の中に設置および再設置されるときに、気密シールが維持されることを確実にすることができる。容易に可撤性の点検窓130は、例えば、限定されないが、本教示のフレーム部材のうちのいずれかを構築するために説明されるような金属管材料から構築することができる、剛性窓フレーム132を含むことができる。点検窓130は、点検窓130の即時の除去および再設置をエンドユーザに提供するために、迅速作用締結ハードウェア、例えば、限定されないが、逆作用トグルクランプ136を利用することができる。
【0077】
図6Aの可撤性点検窓パネル区分30の正面図に示されるように、容易に可撤性の点検窓130は、窓フレーム132上に固着される一式の4つのトグルクランプ136を有することができる。点検窓130は、ガスケット38に対する適正な圧縮力を確保するための規定距離でパネル区分フレーム30の中に位置付けることができる。
図6Bに示されるように、一式の4つの窓ガイドスペーサ34を使用して、パネル区分30の中に点検窓130を位置付けるために、それをパネル区分30の各角に設置することができる。容易に可撤性の点検窓130の逆作用トグルクランプ136を受容するように、一式の締め付けクリート36のそれぞれを提供することができる。設置および除去のサイクルを通した点検窓130の密封のための種々の実施形態によると、圧縮可能なガスケット38に関して一式の窓ガイドスペーサ34によって提供される点検窓130の規定位置と併せた、点検窓フレーム132の機械的強度の組み合わせは、例えば、限定されないが、それぞれの締め付けクリート36の中に締結された逆作用トグルクランプ136を使用して、いったん点検窓130が定位置で固着されると、点検窓フレーム132が、一式の窓ガイドスペーサ34によって設定されるような規定圧縮により、パネル区分フレーム32にわたって均等な圧力を提供できることを確実にすることができる。一式の窓ガイドスペーサ34は、ガスケット38上の窓130の圧縮力が、圧縮可能なガスケット38を約20%~約40%の間に偏向させるように位置付けられる。その点に関して、点検窓130の構築、ならびにパネル区分30の加工は、パネル区分30の中の点検窓130の気密シールを提供する。本明細書において以前に議論されたように、点検窓130がパネル区分30の中に締結され、点検窓130が除去される必要があるときに除去された後に、窓クランプ35をパネル区分30の中に設置することができる。
【0078】
逆作用トグルクランプ136は、任意の好適な手段、ならびに手段の組み合わせを使用して、容易に可撤性の点検窓フレーム132に固着することができる。使用することができる好適な固着手段の実施例は、少なくとも1つの接着剤、例えば、限定されないが、エポキシまたはセメント、少なくとも1つのボルト、少なくとも1つのねじ、少なくとも1つの他の締結具、少なくとも1つのスロット、少なくとも1つの進路、少なくとも1つの溶接、およびそれらの組み合わせを含むことができる。逆作用トグルクランプ136は、可撤性点検窓フレーム132に直接的に、またはアダプタ板を通して間接的に接続することができる。逆作用トグルクランプ136、締め付けクリート36、窓ガイドスペーサ34、および窓クランプ35は、任意の好適な材料、ならびに材料の組み合わせで構築することができる。例えば、1つまたはそれを上回るそのような要素は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つのセラミック、少なくとも1つのプラスチック、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0079】
容易に可撤性の点検窓を密閉することに加えて、気密密閉もまた、嵌め込みパネルおよび窓パネルのために提供することができる。パネル区分の中に繰り返し設置および除去することができる、他の種類の区分パネルは、例えば、
図3に示されるような嵌め込みパネル110および窓パネル120を含むが、それらに限定されない。
図3に見られ得るように、窓パネル120のパネルフレーム122は、嵌め込みパネル110と同様に構築される。そのようなものとして、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、嵌め込みパネルおよび窓パネルを受容するためのパネル区分の加工は、同一であり得る。その点に関して、嵌め込みパネルおよび窓パネルの密閉は、同一の原理を使用して実装することができる。
【0080】
図7Aおよび
図7Bを参照して、本教示の種々の実施形態によると、
図1のガスエンクロージャアセンブリ100等のガスエンクロージャのパネルのうちのいずれかは、それぞれの嵌め込みパネル110を受容するように構成されるフレーム12を有することができる、1つまたはそれを上回る嵌め込みパネル区分10を含むことができる。
図7Aは、
図7Bに示される拡大部分を示す斜視図である。
図7Aでは、嵌め込みパネル110は、嵌め込みフレーム12に関して位置付けられて描写されている。
図7Bに見られ得るように、嵌め込みパネル110は、フレーム12に添着され、フレーム12は、例えば、金属で構築することができる。いくつかの実施形態では、金属は、アルミニウム、鋼鉄、銅、ステンレス鋼、クロム、合金、およびそれらの組み合わせ、ならびに同等物を含むことができる。複数の止まりねじ穴14を嵌め込みパネル区分フレーム12の中に作製することができる。パネル区分フレーム12は、圧縮可能なガスケット18を配置することができる、嵌め込みパネル110とフレーム12との間にガスケット16を備えるよう構築される。止まりねじ穴14は、M5品種であり得る。ねじ15は、嵌め込みパネル110とフレーム12との間にガスケット16を備える、止まりねじ穴14によって受容することができる。いったんガスケット16に対して定位置に締結されると、嵌め込みパネル110は、嵌め込みパネル区分10内に気密シールを形成する。本明細書において以前に議論されたように、そのようなパネル密閉は、
図3に示されるような嵌め込みパネル110および窓パネル120を含むが、それらに限定されない、種々の区分パネルのために実装することができる。
【0081】
本教示による圧縮可能なガスケットの種々の実施形態によると、フレーム部材密閉およびパネル密閉のための圧縮可能なガスケット材料は、種々の圧縮可能なポリマー材料、例えば、限定されないが、膨張ゴム材料または膨張ポリマー材料とも当技術分野で称される、閉鎖セルポリマー材料の部類の中のいずれかから選択することができる。手短に言えば、閉鎖セルポリマーは、ガスが離散セルの中に封入される様式で調製され、各離散セルは、ポリマー材料によって封入される。フレームおよびパネル構成要素の気密密閉で使用するために望ましい、圧縮可能な閉鎖セルポリマーガスケット材料の性質は、それらが、広範囲の化学種にわたる化学攻撃に対して頑健であり、優れた防湿性質を保有し、幅広い温度範囲にわたって弾性であり、永久圧縮歪みに耐性があることを含むが、それに限定されない。一般に、開放セル構造のポリマー材料と比較して、閉鎖セルポリマー材料は、より高い寸法安定性、より低い吸湿係数、およびより高い強度を有する。閉鎖セルポリマー材料を作製することができる、種々の種類のポリマー材料は、例えば、シリコーン、ネオプレン、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPT)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)を使用して作製されたポリマーおよび複合材料、ビニルニトリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ならびにそれらの種々の共重合体および混合物を含むが、それらに限定されない。
【0082】
閉鎖セルポリマーの望ましい材料性質は、バルク材料を含むセルが使用中に無傷のままである場合のみ維持される。その点に関して、閉鎖セルポリマーのために設定された材料仕様を超える、例えば、規定の温度または圧縮範囲内で使用するための仕様を超える様式で、そのような材料を使用することにより、ガスケットシールの劣化を引き起こし得る。フレームパネル区分の中でフレーム部材および区分パネルを密閉するために使用される閉鎖セルポリマーガスケットの種々の実施形態では、そのような材料の圧縮は、約50%~約70%の間の偏向を超えるべきではなく、最適な性能のために、約20%~約40%の間の偏向であり得る。
【0083】
閉鎖セルの圧縮可能なガスケット材料に加えて、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの実施形態を構築する際に使用するための所望の属性を有する、圧縮可能なガスケット材料の部類の別の実施例は、中空押出された圧縮可能なガスケット材料の部類を含む。材料の部類としての中空押出ガスケット材料は、それらが、広範囲の化学種にわたる化学攻撃に対して頑健であり、優れた防湿性質を保有し、幅広い温度範囲にわたって弾性であり、永久圧縮歪みに耐性があることを含むが、それに限定されない、望ましい属性を有する。そのような中空押出された圧縮可能なガスケット材料は、例えば、限定されないが、U字形セル、D字形セル、正方形のセル、長方形のセル、ならびに種々のカスタム形状因子の中空押出ガスケット材料のうちのいずれか等の多種多様の形状因子で供給することができる。種々の中空押出ガスケット材料は、閉鎖セルの圧縮可能なガスケット加工に使用される、ポリマー材料から加工することができる。例えば、限定されないが、中空押出ガスケットの種々の実施形態は、シリコーン、ネオプレン、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPT)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)を使用して作製されたポリマーおよび複合材料、ビニルニトリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ならびにそれらの種々の共重合体および混合物から加工することができる。そのような中空セルガスケット材料の圧縮は、所望の属性を維持するために、約50%偏向を超えるべきではない。閉鎖セルの圧縮可能なガスケット材料の部類および中空押出された圧縮可能なガスケット材料の部類が実施例として挙げられているが、本教示によって規定されるように、種々の壁および天井フレーム部材等の構造構成要素を密閉するため、ならびにパネル区分フレームの中で種々のパネルを密閉するために、所望の属性を有する任意の圧縮可能なガスケット材料を使用できる。
【0084】
図8は、例えば、
図1Aのガスエンクロージャアセンブリ100の天井パネル250’等の本教示の天井パネルの種々の実施形態の底面図である。ガスエンクロージャの組立のための本教示の種々の実施形態によると、照明を、
図1Aのガスエンクロージャアセンブリ100の天井パネル250’等の天井パネルの内部頂面上に設置することができる。
図8で描写されるように、内部251を有する天井フレーム250は、種々のフレーム部材の内部上に設置された照明を有することができる。例えば、天井フレーム250は、共通して2本の天井フレーム梁42および44を有する、2つの天井フレーム区分40を有することができる。各天井フレーム区分40は、天井フレーム250の内部に向かって位置付けられる第1の側面41と、天井フレーム250の外部に向かって位置付けられる第2の側面43とを有することができる。ガスエンクロージャ用の照明を提供することの本教示による種々の実施形態について、複数対の照明要素46を設置することができる。各一対の照明要素46は、第1の側面41の近位の第1の照明要素45と、天井フレーム区分40の第2の側面43の近位の第2の照明要素47とを含むことができる。
図8に示される照明要素の数、位置付け、およびグループ化は、例示的である。照明要素の数およびグループ化は、任意の所望または好適な様式で変化させることができる。種々の実施形態では、照明要素を平坦に載置することができる一方で、他の実施形態では、種々の位置および角度まで移動させることができるように、それを載置することができる。照明要素の配置は、最上パネル天井433に限定されないが、加えて、または代替として、任意の他の内面、外面、および
図1Aに示されるガスエンクロージャアセンブリ100の表面の組み合わせの上に位置することができる。
【0085】
種々の照明要素は、任意の数、種類、または組み合わせの光、例えば、ハロゲン灯、白色灯、白熱灯、アーク灯、または発光ダイオードあるいはデバイス(LED)を備えることができる。例えば、各照明要素は、1個のLED~約100個のLED、約10個のLED~約50個のLED、または100個以上のLEDを備えることができる。LEDまたは他の照明デバイスは、色スペクトル内、色スペクトル外、またはそれらの組み合わせで任意の色または色の組み合わせを発することができる。OLED材料のインクジェット印刷に使用されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、いくつかの材料がいくつかの光の波長に敏感であるため、ガスエンクロージャアセンブリの中に設置される照明デバイスの光の波長は、処理中に材料の劣化を回避するように特異的に選択することができる。例えば、4X冷白色LEDを、4X黄色LEDまたはそれらの任意の組み合わせとして使用することができる。4X冷白色LEDの実施例は、IDEC Corporation(Sunnyvale, California)から入手可能なLF1B-D4S-2THWW4である。使用することができる4X黄色LEDの実施例は、同様にIDEC Corporationから入手可能なLF1B-D4S-2SHY6である。LEDまたは他の照明要素を、天井フレーム250の内部251上またはガスエンクロージャアセンブリの別の表面上の任意の位置から位置付けるか、または吊るすことができる。照明要素は、LEDに限定されない。任意の好適な照明要素または照明要素の組み合わせを使用することができる。
図9は、IDEC LED光スペクトルのグラフであり、ピーク強度が100%であるときの強度に対応するX軸、ナノメートル単位の波長に対応するY軸を示す。LF1B黄色型、黄色蛍光灯、LF1B白色型LED、LF1B冷白色型LED、およびLF1B赤色型LEDのスペクトルが示されている。他の光スペクトルおよび光スペクトルの組み合わせを、本教示の種々の実施形態に従って使用することができる。
【0086】
ある様式で構築されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態が、ガスエンクロージャアセンブリの内部容積を最小限化し、同時に、種々のOLED印刷システムの種々の設置面積に適応するように作業空間を最適化することを想起されたい。そのように構築されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、加えて、休止時間を最小限化しながら、保守のために内部に即時にアクセスするために、処理中に外部からガスエンクロージャアセンブリの内部への即時のアクセスを提供する。その点に関して、本教示による、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、種々のOLED印刷システムの種々の設置面積に関して輪郭形成することができる。
【0087】
本教示のシステムおよび方法によると、フレーム部材構造、パネル構造、フレームおよびパネル密閉、ならびに
図1Aのガスエンクロージャ100等のガスエンクロージャの構造を、種々のサイズおよび設計のガスエンクロージャに適用することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの輪郭を提供するように構築される種々のフレーム部材を有することができる。本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、不活性ガス体積を最小限化するように作業空間を最適化し、また、処理中に外部からOLED印刷システムへの即時アクセスも可能にしながら、OLED印刷システムを収容することができる。その点に関して、本教示の種々のガスエンクロージャアセンブリは、輪郭形成された局所構造および体積が異なり得る。非限定的実施例として、本教示による、輪郭形成されたガスエンクロージャの種々の実施形態は、Gen 3.5~Gen 10の基板サイズを印刷することが可能な印刷システムの種々の実施形態を収納するために、約6m3~約95m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。さらなる非限定的実施例として、本教示による、輪郭形成されたガスエンクロージャの種々の実施形態は、例えば、Gen 5.5~Gen 8.5基板サイズを印刷することが可能な印刷システムの種々の実施形態を収納するために、約15m3~約30m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。輪郭形成されたガスエンクロージャのそのような実施形態は、幅、長さ、および高さの非輪郭形成寸法を有する、非輪郭形成エンクロージャと比較して、体積が約30%~約70%節約され得る。
【0088】
図9のガスエンクロージャアセンブリ1000は、
図1Aの例示的ガスエンクロージャアセンブリ100のための本教示で記載される全ての特徴を有することができる。例えば、限定されないが、ガスエンクロージャアセンブリ1000は、構築および脱構築のサイクルを通して密封エンクロージャを提供する、本教示による密閉を利用することができる。ガスエンクロージャアセンブリ1000に基づくガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、水蒸気および酸素等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、あるいは0.1ppmまたはそれより低く維持することができる、ガス精製システムを有することができる。
【0089】
加えて、後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、例えば、限定されないが、
図1Aのガスエンクロージャアセンブリ100および
図9のガスエンクロージャアセンブリ1000に基づく、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、乱流を最小限化することができる層流環境を提供することができ、かつクラス1~クラス5によって特定されるようなInternational Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999の規格を満たす、浮遊粒子状物質レベルを維持することによって、実質的に低粒子の環境を作成することができる、循環および濾過システムを有することができる。浮遊粒子状物質の判定は、例えば、可搬性粒子計数デバイスを使用して、システム検証のために印刷プロセスの前にガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、浮遊粒子状物質の判定は、基板が印刷されている間に原位置で継続中の品質チェックとして行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、浮遊粒子状物質の判定は、基板が印刷される前に、加えて、基板が印刷されている間に原位置で、システム検証のために行うことができる。
【0090】
加えて、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、実質的に低粒子の環境は、実質的に低粒子の基板表面を提供することができる。本教示のガスエン
クロージャシステムの種々の実施形態に基づくモデリングは、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの基板上堆積が、0.1μmおよびそれより大きいサイズ範囲内の粒子について、約100万より多くから約1000万より多くの粒子であり得ることを示唆する。そのような計算は、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの基板上堆積が、約2μmおよびそれより大きいサイズ範囲内の粒子について、約1000より多くから約10,000より多くの粒子であり得ることを示唆する。基板上の粒子状物質の基板上分布の判定は、例えば、試験基板を使用して、基板がシステム検証のために印刷される前に、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、粒子状物質の基板上分布の判定は、基板が印刷されている間に原位置で継続中の品質チェックとして行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、粒子状物質の基板上分布の判定は、基板が印刷される前に、加えて、基板が印刷されている間に原位置で、システム検証のために行うことができる。
【0091】
ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、約0.1μmまたはより大きい~約10μmまたはより大きい粒子のための基板上粒子仕様を提供する、実質的に低粒子の環境を維持することができる、粒子制御システムを有することができる。基板上粒子仕様の種々の実施形態は、標的粒径範囲のそれぞれについて、1分につき基板の1平方メートルあたりの平均基板上粒子分布から、1分につき基板あたりの平均基板上粒子分布に容易に変換することができる。本明細書で以前に議論されたように、そのような変換は、例えば、特定の世代サイズの基板、およびその基板世代の対応する面積の基板間の既知の関係を通して、容易に行うことができる。加えて、1分につき基板の1平方メートルあたりの平均基板上粒子分布は、種々の単位時間表現のうちのいずれかに容易に変換することができる。例えば、標準時間単位、例えば、秒、分、日の間の変換に加えて、処理に特異的に関する時間の単位を使用することができる。例えば、本明細書で以前に議論されたように、印刷サイクルを時間の単位と関連付けることができる。
【0092】
本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが10μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが2μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、サイズが0.3μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.1μmより
大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。
【0093】
図9は、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態による、ガスエンクロージャアセンブリ1000の斜視図を描写する。ガスエンクロージャアセンブリ1000は、前パネルアセンブリ1200’と、中央パネルアセンブリ1300’と、後パネルアセンブリ1400’とを含むことができる。前パネルアセンブリ1200’は、前天井パネルアセンブリ1260’と、基板を受容するための開口部1242を有することができる前壁パネルアセンブリ1240’と、前基礎パネルアセンブリ1220’とを含むことができる。後パネルアセンブリ1400’は、後天井パネルアセンブリ1460’と、後壁パネルアセンブリ1440’と、後基礎パネルアセンブリ1420’とを含むことができる。中央パネルアセンブリ1300’は、第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340’、中央壁および天井パネルアセンブリ1360’、および第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380’、ならびに中央基礎パネルアセンブリ1320’を含むことができる。
【0094】
加えて、中央パネルアセンブリ1300’は、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’、ならびに第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ(図示せず)を含むことができる。本明細書において以前に議論されるように、ガスエンクロージャアセンブリの一部として構築される補助エンクロージャの種々の実施形態を、ガスエンクロージャシステムの作業容積から密閉可能に隔離することができる。例えば、印刷システムエンクロージャからの、補助エンクロージャのそのような物理的隔離は、印刷プロセスの中断をほとんどまたは全く伴わずに、種々の手順、例えば、限定されないが、プリントヘッドアセンブリ上の種々の保守手順が行われることを可能にし、それによって、ガスエンクロージャシステムの休止時間を最小限化または排除することができる。
【0095】
図10Aで描写されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1000は、完全に構築されたときに、OLED印刷システム2000を載置することができる、隣接基部またはパンを形成する、前基礎パネルアセンブリ1220’と、中央基礎パネルアセンブリ1320’と、後基礎パネルアセンブリ1420’とを含むことができる。
図1Aのガスエンクロージャアセンブリ100について説明されるように同様に、ガスエンクロージャアセンブリ1000の前パネルアセンブリ1200’、中央パネルアセンブリ1300’、および後パネルアセンブリ1400’を備える、種々のフレーム部材およびパネルは、OLED印刷システム2000の周囲に接合され、印刷システムエンクロージャを形成することができる。したがって、ガスエンクロージャアセンブリ1000等の完全に構築されたガスエンクロージャアセンブリは、種々の環境制御システムと統合されたとき、OLED印刷システム2000の種々の実施形態を含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を形成することができる。以前に説明されたような本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、ガスエンクロージャアセンブリによって画定される内部容積の環境制御は、例えば、特定の波長のライトの数および配置による、照明の制御、粒子制御システムの種々の実施形態を使用する粒子状物質の制御、ガス精製システムの種々の実施形態を使用する反応性ガス種の制御、および熱制御システムの種々の実施形態を使用するガスエンクロージャアセンブリの温度制御を含むことができる。
【0096】
図10Bの拡大図に示される、
図10AのOLED印刷システム2000等のOLEDインクジェット印刷システムは、基板上の特定の場所の上へのインク液滴の確実な配置を可能にする、いくつかのデバイスおよび装置から成ることができる。これらのデバイスおよび装置は、プリントヘッドアセンブリ、インク送達システム、プリントヘッドアセンブリと基板との間の相対運動を提供する運動システム、基板支持装置、基板載荷および除荷システム、およびプリントヘッド管理システムを含むことができるが、それらに限定されない。
【0097】
プリントヘッドアセンブリは、制御された割合、速度、およびサイズでインクの液滴を放出することが可能な少なくとも1つのオリフィスを伴う、少なくとも1つのインクジェットヘッドを含むことができる。インクジェットヘッドは、インクをインクジェットヘッドに提供する、インク供給システムによって送給される。
図10Bの拡大図で示されるように、OLEDインクジェット印刷システム2000は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置によって支持することができる、基板2050等の基板を有することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、基板支持装置は、基板浮動式テーブルであり得る。後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、
図10Bの基板浮動式テーブル2200は、基板2050を支持するために使用することができ、Y軸運動システムと併せて、基板2050の無摩擦運搬を提供する基板運搬システムの一部であり得る。本教示のY軸運動システムは、基板を保持するためのグリッパシステム(図示せず)を含むことができる、第1のY軸トラック2351および第2のY軸トラック2352を含むことができる。Y軸運動は、線形空気ベアリングまたは線形機械システムのいずれかによって提供することができる。
図10Aおよび
図10Bに示されるOLEDインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200は、印刷プロセス中の
図9のガスエンクロージャアセンブリ1000を通した基板2050の移動を画定することができる。
【0098】
印刷は、プリントヘッドアセンブリと基板との間の相対運動を必要とする。これは、運動システム、典型的には、ガントリまたは分割軸XYZシステムを用いて達成される。プリントヘッドアセンブリが、静止基板(ガントリ型)にわたって移動することができるか、または分割軸構成の場合に、プリントヘッドおよび基板の両方が移動することができるかのいずれかである。別の実施形態では、プリントヘッドアセンブリは、実質的に静止し得、例えば、XおよびY軸では、基板は、プリントヘッドに対してXおよびY軸に移動することができ、Z軸運動が、基板支持装置によって、またはプリントヘッドアセンブリと関連付けられるZ軸運動システムによってのいずれかで提供される。プリントヘッドが基板に対して移動すると、インクの液滴が、基板上の所望の場所で堆積させられるように正しい時間に放出される。基板載荷および除荷システムを使用して、基板を挿入し、プリンタから除去することができる。プリンタ構成に応じて、これは、機械コンベヤ、運搬アセンブリを伴う基板浮動式テーブル、またはエンドエフェクタを伴う基板移送ロボットを用いて達成することができる。プリントヘッド管理システムは、ノズル発射をチェックすること、ならびにプリントヘッド内の全てのノズルからの液滴体積、速度、および軌道の測定等の測定タスク、ならびに過剰なインクをインクジェットノズル表面から拭き取ること、または吸い取ること、インク供給部からプリントヘッドを通して廃棄物ボウルの中へインクを排出することによってプリントヘッドを下準備して浄化すること、およびプリントヘッドの交換等の保守タスクを可能にする、いくつかのサブシステムから成ることができる。OLED印刷システムを備えることができる、種々の構成要素を考慮すると、OLED印刷システムの種々の実施形態は、種々の設置面積および形状因子を有することができる。
【0099】
図10Bに関して、印刷システム基部2100は、ブリッジ2130が載置される、第1のライザ(可視的ではない)と、第2のライザ2122とを含むことができる。OLED印刷システム2000の種々の実施形態については、ブリッジ2130は、ブリッジ2130を横断して、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502の移動を制御することができる、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX軸キャリッジアセンブリ2302を支持することができる。印刷システム2000の種々の実施形態については、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX軸キャリッジアセンブリ2302は、本質的に低粒子生成である、線形空気ベアリング運動システムを利用することができる。本教示の印刷システムの種々の実施形態によると、X軸キャリッジは、その上に載置されたZ軸移動プレートを有することができる。
図10Bでは、第1のX軸キャリッジアセンブリ2301が、第1のZ軸移動プレート2310を伴って描写される一方で、第2のX軸キャリッジアセンブリ2302は、第2のZ軸移動プレート2312を伴って描写される。
図10Bは、2つのキャリッジアセンブリおよび2つのプリントヘッドアセンブリを描写するが、OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態については、単一のキャリッジアセンブリおよび単一のプリントヘッドアセンブリがあり得る。例えば、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のいずれかをX、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置することができる一方で、基板2050の特徴を点検するためのカメラシステムを第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置することができる。OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態は、単一のプリントヘッドアセンブリを有することができ、例えば、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のいずれかをX、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置することができる一方で、基板2050上に印刷されるカプセル化層を硬化させるための紫外線ランプを第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置することができる。OLEDインクジェット印刷システム2000の種々の実施形態については、単一のプリントヘッドアセンブリ、例えば、X、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置される第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502のいずれかがあり得る一方で、基板2050上に印刷されるカプセル化層を硬化させるための熱源を第2のキャリッジアセンブリ上に載置することができる。
【0100】
図10Bでは、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301は、基板浮動式テーブル2200上で支持されて示される基板2050を覆って、第1のZ軸移動プレート2310上に載置することができる第1のプリントヘッドアセンブリ2501を位置付けるために使用することができる。第2のZ軸移動プレート2312を伴う第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302は、同様に、基板2050に対する第2のプリントヘッドアセンブリ2502のX-Z軸移動を制御するために構成することができる。
図10Bの第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502等の各プリントヘッドアセンブリは、複数のプリントヘッド2505を描写する、第1のプリントヘッドアセンブリ2501に対する部分図で描写されるように、少なくとも1つのプリントヘッドデバイスの中に載置された複数のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッドデバイスは、例えば、限定されないが、少なくとも1つのプリントヘッドへの流体および電子接続を含むことができ、各プリントヘッドは、制御された割合、速度、およびサイズでインクを放出することが可能な複数のノズルまたはオリフィスを有する。印刷システム2000の種々の実施形態について、プリントヘッドアセンブリは、約1個~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができ、各プリントヘッドデバイスは、各プリントヘッドデバイスの中に約1個~約30個のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド、例えば、工業用インクジェットヘッドは、約0.1pL~約200pLの液滴体積を放出することができる、約16個~約2048個のノズルを有することができる。
【0101】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、非常に多くのプリントヘッドデバイスおよびプリントヘッドを考慮すると、第1のプリントヘッド管理システム2701および第2のプリントヘッド管理システム2702は、印刷プロセスの中断をほとんどまたは全く伴わずに、種々の測定および保守タスクを行うために印刷プロセス中に印刷システムエンクロージャから隔離することができる、補助エンクロージャに収納することができる。
図10Bで見ることができるように、第1のプリントヘッド管理システム装置2707、2709、および2711によって行うことができる種々の測定および保守手順の即時実施のために、第1のプリントヘッド管理システム2701に対して位置付けられた、第1のプリントヘッドアセンブリ2501を見ることができる。装置2707、2709、および2011は、種々のプリントヘッド管理機能を果たすための種々のサブシステムまたはモジュールのうちのいずれかであり得る。例えば、装置2707、2709、および2011は、液滴測定モジュール、プリントヘッド交換モジュール、パージボウルモジュール、およびブロッタモジュールのうちのいずれかであり得る。
【0102】
図10Cは、本教示のガスエンクロージャアセンブリおよびシステムの種々の実施形態による、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’内に収納された第1のプリントヘッド管理システム2701の拡大図を描写する。
図10Cで描写されるように、補助パネルアセンブリ1330’は、第1のプリントヘッド管理システム2701の詳細をさらに明確に見せる切断図のように示されている。
図10Cの第1のプリントヘッド管理システム2701、装置2707、2709、および2011等の本教示によるプリントヘッド管理システムの種々の実施形態は、種々の機能を果たすための種々のサブシステムまたはモジュールであり得る。例えば、装置2707、2709、および2011は、液滴測定モジュール、プリントヘッドパージボウルモジュール、およびブロッタモジュールであり得る。
図10Cで描写されるように、プリントヘッド交換モジュール2713は、少なくとも1つのプリントヘッドデバイス2505をドッキングするための場所を提供することができる。第1のプリントヘッド管理システム2701の種々の実施形態では、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’は、ガスエンクロージャアセンブリ1000(
図19参照)が維持される同一の環境に維持することができる。第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’は、種々のプリントヘッド管理手順と関連付けられるタスクを実行するために位置付けられるハンドラ2530を有することができる。例えば、各サブシステムは、元来、消耗品であり、吸い取り紙、インク、および廃棄物貯留部の交換等の交換を必要とする、種々の部品を有することができる。種々の消耗部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、即時挿入のために包装することができる。非限定的実施例として、使用のために容易に吸い取りモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で、吸い取り紙を包装することができる。別の非限定的実施例として、インクを、交換可能貯留部、ならびに印刷システムで使用するためのカートリッジ形式に包装することができる。廃棄物貯留部の種々の実施形態は、使用のために容易にパージボウルモジュールに挿入することができる、カートリッジ形式で包装することができる。加えて、継続的使用を受ける印刷システムの種々の構成要素の部品は、周期的交換を必要とし得る。印刷プロセス中に、プリントヘッドアセンブリの便宜的な管理、例えば、限定されないが、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの交換が望ましくあり得る。プリントヘッド交換モジュールは、使用のために容易にプリントヘッドアセンブリに挿入することができる、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の部品を有することができる。ノズル発射のチェック、ならびに全てのノズルからの液滴体積、速度、および軌道の光学検出に基づく測定に使用される、液滴測定システムは、使用後に周期的交換を必要とし得る、供給源および検出器を有することができる。種々の消耗性の高使用量部品を、例えば、ハンドラを使用する完全自動モードで、即時挿入のために包装することができる。ハンドラ2530は、アーム2534に載置されたエンドエフェクタ2536を有することができる。エンドエフェクタ構成の種々の実施形態、例えば、ブレード型エンドエフェクタ、クランプ型エンドエフェクタ、およびグリッパ型エンドエフェクタを使用することができる。エンドエフェクタの種々の実施形態は、エンドエフェクタの部分を作動させるか、またはプリントヘッドデバイスあるいはプリントヘッドデバイスからのプリントヘッドを別様に保持するかのいずれかのために、機械的把持および締付、ならびに空気圧または真空支援アセンブリを含むことができる。
【0103】
プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッドの配置に関して、
図10Cのプリントヘッド管理システム2701のプリントヘッド交換モジュール2713は、少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスのためのドッキングステーション、ならびにプリントヘッドのための貯蔵容器を含むことができる。各プリントヘッドアセンブリ(
図10B参照)が、約1個~約60個のプリントヘッドデバイスを含むことができるため、かつ各プリントヘッドデバイスが、約1個~約30個のプリントヘッドを有することができるため、次いで、本教示の印刷システムの種々の実施形態は、約1個~約1800個のプリントヘッドを有することができる。プリントヘッド交換モジュール2713の種々の実施形態では、プリントヘッドデバイスがドッキングされている間に、プリントヘッドデバイスに載置された各プリントヘッドを、印刷システムで使用されていない間に動作可能な状態で維持することができる。例えば、ドッキングステーションの中に配置されたとき、各プリントヘッドデバイス上の各プリントヘッドは、インク供給部および電気接続に接続することができる。ノズルが下準備されたままであり、詰まらないことを確実にするために、ドッキングされている間に各プリントヘッドの各ノズルへの周期的発射パルスを印加することができるように、電力を各プリントヘッドデバイス上の各プリントヘッドに提供することができる。
図10Cのハンドラ2530は、プリントヘッドアセンブリ2500の近位に位置付けることができる。プリントヘッドアセンブリ2500は、
図10Cで描写されるように、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’を覆ってドッキングすることができる。プリントヘッドを交換するための手順中に、ハンドラ2530は、プリントヘッドアセンブリ2500から、プリントヘッド、または少なくとも1つのプリントヘッドを有するプリントヘッドデバイスのいずれかである、標的部品を除去することができる。ハンドラ2530は、プリントヘッド交換モジュール2713から、プリントヘッドデバイスまたはプリントヘッド等の交換用部品を回収し、交換プロセスを完了することができる。除去された部品は、回収のためにプリントヘッド交換モジュール2713の中に配置することができる。
【0104】
第1の作業容積、例えば、印刷システムエンクロージャから閉鎖するとともに、密閉可能に隔離することができる、補助エンクロージャを有する、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に関して、再度、
図10Aを参照する。
図10Bで描写されるように、OLED印刷システム2000の上に4つのアイソレータ、すなわち、OLED印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200を支持する、第1のアイソレータセット2110(第2は対向側に示されていない)、および第2のアイソレータセット2112(第2は対向側に示されていない)があり得る。
図10Aのガスエンクロージャアセンブリ1000については、第1のアイソレータセット2110および第2のアイソレータセット2112は、中央基礎パネルアセンブリ1320’の第1のアイソレータ壁パネル1325’および第2のアイソレータ壁パネル1327’等のそれぞれのアイソレータ壁パネルのそれぞれの中に載置することができる。
図10Aのガスエンクロージャアセンブリ1000については、中央基礎アセンブリ1320’は、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’、ならびに第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’を含むことができる。ガスエンクロージャアセンブリ1000の
図10Aは、第1の後壁パネルアセンブリ1338’を含むことができる、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’を描写する。同様に、第2の後壁パネルアセンブリ1378’を含むことができる、第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’も描写されている。第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’の第1の後壁パネルアセンブリ1338’は、第2の後壁パネルアセンブリ1378’について示されるように同様に構築することができる。第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’の第2の後壁パネルアセンブリ1378’は、第2の後壁フレームアセンブリ1378に密閉可能に載置された第2のシール支持パネル1375を有する、第2の後壁フレームアセンブリ1378から
構築することができる。第2のシール支持パネル1375は、基部2100の第2の端部(図示せず)の近位にある、第2の通路1365を有することができる。第2のシール1367を、第2の通路1365の周囲で第2のシール支持パネル1375の上に載置することができる。第1のシールを、同様に、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’のための第1の通路の周囲に位置付けて載置することができる。補助パネルアセンブリ1330’および補助パネルアセンブリ1370’内の各通路は、
図10Bの第1および第2の保守システムプラットフォーム2703および2704等の各保守システムプラットフォームを、通路に通過させることに適応することができる。後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、補助パネルアセンブリ1330’および補助パネルアセンブリ1370’を密閉可能に隔離するために、
図10Aの第2の通路1365等の通路は、密閉可能でなければならない。印刷システム基部に添着された保守プラットフォームの周囲で
図10Aの第2の通路1365等の通路を密閉するために、膨張式シール、ベローズシール、およびリップシール等の種々のシールを使用できることが考慮される。
【0105】
第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’は、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341’の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342、および第2の床パネルアセンブリ1381’の第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を含むことができる。第1の床パネルアセンブリ1341’は、中央パネルアセンブリ1300’の第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340’の一部として
図10Aで描写されている。第1の床パネルアセンブリ1341’は、第1の中央エンクロージャパネルアセンブリ1340’および第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’の両方と共通するパネルアセンブリである。第2の床パネルアセンブリ1381’は、中央パネルアセンブリ1300’の第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380’の一部として
図10Aで描写されている。第2の床パネルアセンブリ1381’は、第2の中央エンクロージャパネルアセンブリ1380’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’の両方と共通するパネルアセンブリである。
【0106】
本明細書で以前に議論されたように、第1のプリントヘッドアセンブリ2501は、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503に収納することができ、第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504に収納することができる。本教示のシステムおよび方法によると、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504は、印刷プロセス中に印刷のために種々のプリントヘッドアセンブリを位置付けることができるように、周縁(図示せず)を有することができる開口部を底部に有することができる。加えて、筐体を形成する第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504の部分は、フレームアセンブリ部材およびパネルが密封エンクロージャを提供することが可能であるように、種々のパネルアセンブリについて以前に説明されたように構築することができる。
【0107】
種々のフレーム部材の密封について以前に説明されたような圧縮性ガスケットを、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382のそれぞれの周囲に、または代替として、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504の周縁の周囲に、添着することができる。
【0108】
図10Aで描写されるように、第1のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット
1345および第2のプリントヘッドアセンブリドッキングガスケット1385は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382の周囲に添着することができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順中に、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、それぞれ、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302によって、それぞれ、第1の床パネルアセンブリ1341’の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342、および第2の床パネルアセンブリ1381’の第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆って位置付けることができる。その点に関して、種々のプリントヘッド測定および保守手順について、第1のプリントヘッドアセンブリ2501および第2のプリントヘッドアセンブリ2502は、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆うこと、または密閉することなく、第1の床パネルアセンブリ1341’の第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342、および第2の床パネルアセンブリ1381’の第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を覆って位置付けることができる。第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2301および第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2302は、それぞれ、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504を、それぞれ、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’とドッキングすることができる。種々のプリントヘッド測定および保守手順では、そのようなドッキングは、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を密閉する必要なく、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を効果的に閉鎖してもよい。種々のプリントヘッド測定および保守手順について、ドッキングは、プリントヘッドアセンブリエンクロージャおよびプリントヘッド管理システムパネルアセンブリのそれぞれの間のガスケットシールの形成を含むことができる。
図10Aの第2の通路1365および相補的な第1の通路等の通路を密閉可能に閉鎖することと併せて、第1のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2503および第2のプリントヘッドアセンブリエンクロージャ2504が、第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を密閉可能に閉鎖するように、第1のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1330’および第2のプリントヘッド管理システム補助パネルアセンブリ1370’とドッキングされるとき、そのように形成された複合構造は密封される。
【0109】
加えて、本教示によると、
図10Aの第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382等の通路を密閉可能に閉鎖するために、構造的閉鎖を使用することによって、補助エンクロージャを、印刷システムエンクロージャ等の別の内部エンクロージャ容積、ならびにガスエンクロージャアセンブリの外部から隔離することができる。本教示によると、構造的閉鎖は、開口部または通路のための種々の密閉可能カバーを含むことができ、そのような開口部または通路は、エンクロージャパネル開口部または通路の非限定的実施例を含む。本教示のシステムおよび方法によると、ゲートが、空気圧、油圧、電気、または手動作動を使用して、任意の開口部または通路を可逆的に覆うか、または可逆的に密閉可能に閉鎖するために使用することができる、任意の構造的閉鎖であり得る。したがって、ゲートを使用して、
図10Aの第1のプリントヘッドアセンブリ開口部1342および第2のプリントヘッドアセンブリ開口部1382を可逆的に覆うか、または可逆的に密閉可能に閉鎖することができる。
【0110】
図10BのOLED印刷システム2000の拡大図では、印刷システムの種々の実施形態は、基板浮動式テーブル基部2220によって支持される、基板浮動式テーブル2200を含むことができる。基板浮動式テーブル基部2220は、印刷システム基部2100
上に載置することができる。OLED印刷システムの基板浮動式テーブル2200は、基板2050を支持するとともに、OLED基板の印刷中にガスエンクロージャアセンブリ1000を通して基板2050を移動させることができる移動を画定することができる。本教示のY軸運動システムは、基板を保持するためのグリッパシステム(図示せず)を含むことができる、第1のY軸トラック2351および第2のY軸トラック2352を含むことができる。Y軸運動は、線形空気ベアリングまたは線形機械システムのいずれかによって提供することができる。その点に関して、運動システム、すなわち、
図10Bで描写されるように、Y軸運動システムと併せて、基板浮動式テーブル2200は、印刷システムを通して基板2050の無摩擦運搬を提供することができる。
【0111】
図11は、無摩擦支持のための本教示の種々の実施形態による浮動式テーブル、および運搬システムと併せた、
図10Bの基板2050等の荷重の安定した運搬を描写する。浮動式テーブルの種々の実施形態は、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のうちのいずれかで使用することができる。以前に議論されたように、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、約61cm×72cmの寸法を有する、Gen 3.5より小さい基板からの一連のサイズのOLEDフラットパネルディスプレイ基板、ならびに一連のより大きい世代サイズを処理することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、約130cm×150cmの寸法を有するGen 5.5の基板サイズ、ならびに約195cm×225cmの寸法を有するGen 7.5基板を処理することができ、基板につき8枚の42インチまたは6枚の47インチフラットパネル、およびそれより大きいパネルに切断できることが考慮される。Gen 8.5基板は、約220cm×250cmであり、基板につき6枚の55インチまたは8枚の46インチフラットパネルに切断することができる。しかしながら、約285cm×305cmの寸法を有する、現在入手可能なGen 10基板が、基板サイズの最終世代であると考えられないように、基板世代サイズが進歩し続ける。加えて、ガラス系基板の使用から生じる用語に由来して記載されるサイズは、OLED印刷で使用するために好適な任意の材料の基板に適用することができる。OLEDインクジェット印刷システムの種々の実施形態について、種々の基板材料、例えば、限定されないが、種々のガラス基板材料、ならびに種々のポリマー基板材料を基板2050に使用することができる。したがって、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態で、印刷中に安定した運搬を必要とする、種々の基板サイズおよび材料がある。
【0112】
図11で描写されるように、本教示の種々の実施形態による基板浮動式テーブル2200は、複数の浮動式テーブルゾーンを支持するための浮動式テーブル基部2220を有することができる。基板浮動式テーブル2200は、複数のポートを通して圧力および真空の両方を印加することができる、ゾーン2210を有することができる。圧力および真空制御の両方を有する、そのようなゾーンは、ゾーン2210と基板(図示せず)との間に流体ばねを効果的に提供することができる。圧力および真空制御の両方を有するゾーン2210は、双方向剛性を伴う流体ばねである。荷重と浮動式テーブル表面との間に存在する間隙は、飛高と称される。複数の圧力および真空ポートを使用して、双方向剛性を有する流体ばねが作成される、
図11の基板浮動式テーブル2200のゾーン2210等のゾーンは、基板等の荷重のための制御可能な飛高を提供することができる。
【0113】
ゾーン2210の近位には、それぞれ、第1および第2の遷移ゾーン2211および2212があり、次いで、第1および第2の遷移ゾーン2211および2212の近位には、それぞれ、圧力単独ゾーン2213および2214がある。遷移ゾーンでは、真空ノズルへの圧力比が、ゾーン2210からゾーン2213および2214への段階的遷移を提供するように、圧力単独ゾーンに向かって徐々に増加する。例えば、
図11で描写されるような基板浮動式テーブルの種々の実施形態について、圧力単独ゾーン2213、2214は、レール構造から成るものとして描写されている。基板浮動式テーブルの種々の実施形態について、
図11の圧力単独ゾーン2213、2214等の圧力単独ゾーンは、
図11の圧力・真空ゾーン2210について描写されるもの等の連続プレートから成ることができる。
【0114】
図11で描写されるような浮動式テーブルの種々の実施形態について、許容差内で、3つのゾーンが本質的に1つの平面内に位置し、長さが変動し得るように、圧力・真空ゾーン、遷移ゾーン、および圧力単独ゾーンの間に本質的に一様な高さがあり得る。例えば、限定されないが、縮尺および割合の感覚を提供するために、本教示の浮動式テーブルの種々の実施形態について、遷移ゾーンが約400mmであり得る一方で、圧力単独ゾーンは、約2.5mであり得、圧力・真空ゾーンは、約800mmであり得る。
図11では、圧力単独ゾーン2213および2214は、双方向剛性を有する流体ばねを提供せず、したがって、ゾーン2210が提供することができる制御を提供しない。したがって、荷重が圧力単独ゾーン内で浮動式テーブルと衝突しないように、十分な高さを可能にするために、荷重の飛高は、典型的には、圧力・真空ゾーンにわたる基板の飛高よりも、圧力単独ゾーンにわたって大きくあり得る。例えば、限定されないが、ゾーン2213および2214等の圧力単独ゾーンの上方に約150μ~約300μ、次いで、ゾーン2210等の圧力・真空ゾーンの上方に約30μ~約50μの飛高を有するように、OLEDパネル基板を処理することが望ましくあり得る。
【0115】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、制御されたガスエンクロージャ環境を維持するためのガス循環および濾過システムに加えて、種々のデバイス、装置、およびシステムを利用することができる。例えば、ガスエンクロージャの内部でガスの徹底的かつ完全な転換を提供するためのガス循環および濾過システムに加えて、ガスエンクロージャの内部で所望の温度を維持するように、複数の熱交換器を利用する熱調節システムを提供することができる。例えば、ファンまたは別のガス循環デバイスとともに動作する、それに隣接する、またはそれと併せて使用される、複数の熱交換器を提供することができる。ガス精製ループは、ガスエンクロージャアセンブリの内部からエンクロージャの外部の少なくとも1つのガス精製構成要素を通してガスを循環させるように構成することができる。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの外部のガス精製ループと併せた、ガスエンクロージャアセンブリの内部の循環および濾過システムは、ガスエンクロージャシステムの全体を通して実質的に低いレベルの反応種を有する、実質的に低粒子状物質の不活性ガスの連続循環を提供することができる。本教示によると、不活性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない、任意のガスであってもよい。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ガス精製システムを有するガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、望ましくない構成要素、例えば、有機溶媒およびその蒸気、ならびに水、水蒸気、酸素、および同等物の非常に低いレベルを維持するように構成することができる。ガスエンクロージャシステムのそのような実施形態は、水蒸気および酸素等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、あるいは0.1ppmまたはそれより低く維持することができる。
【0116】
図12は、ガスエンクロージャシステム501を示す、概略図である。本教示による、ガスエンクロージャシステム501の種々の実施形態は、印刷システムを収納するためのガスエンクロージャアセンブリ1101と、ガスエンクロージャアセンブリ1101と流体連通しているガス精製ループ3130と、少なくとも1つの熱調節システム3140とを備えることができる。加えて、ガスエンクロージャシステム501の種々の実施形態は、OLED印刷システム用の基板浮動式テーブル等の種々のデバイスを操作するための不活性ガスを供給することができる、加圧不活性ガス再循環システム3000を有することができる。加圧不活性ガス再循環システム3000の種々の実施形態は、後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、加圧不活性ガス再循環システム3000の種々の実施形態の供給源として、圧縮機、送風機、および2つの組み合わせを利用することができる。加えて、ガスエンクロージャシステム501は、ガスエンクロージャシステム501の内部に循環および濾過システムを有することができる(図示せず)。
【0117】
図12で描写されるように、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、配管の設計は、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のために連続的に濾過され、内部で循環させられる不活性ガスから、ガス精製ループ3130を通して循環させられる不活性ガスを分離することができる。ガス精製ループ3130は、ガスエンクロージャアセンブリ1101から、溶媒除去構成要素3132へ、次いで、ガス精製システム3134への出口ライン3131を含む。次いで、溶媒ならびに酸素および水蒸気等の他の反応性ガス種が精製された不活性ガスが、入口ライン3133を通してガスエンクロージャアセンブリ1101に戻される。ガス精製ループ3130はまた、適切なダクトおよび接続、ならびにセンサ、例えば、酸素、水蒸気、および溶媒蒸気センサを含んでもよい。ファン、送風機、またはモータ、および同等物等のガス循環ユニットは、別々に提供するか、または例えば、ガス精製ループ3130を通してガスを循環させるように、ガス精製システム3134に組み込むことができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態によると、溶媒除去システム3132およびガス精製システム3134は、
図12に示される概略図で別個のユニットとして示されているが、溶媒除去システム3132およびガス精製システム3134は、単一の精製ユニットとしてともに収納することができる。
【0118】
図12のガス精製ループ3130は、ガスエンクロージャアセンブリ1101から循環させられる不活性ガスが、出口ライン3131を介して溶媒除去システム3132を通過するように、ガス精製システム3134の上流に配置された溶媒除去システム3132を有することができる。種々の実施形態によると、溶媒除去システム3132は、
図12の溶媒除去システム3132を通過する不活性ガスから溶媒蒸気を吸着することに基づく、溶媒閉じ込めシステムであってもよい。例えば、限定されないが、活性炭、分子篩、および同等物等の1つまたは複数の吸着剤層が、多種多様の有機溶媒蒸気を効果的に除去してもよい。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、溶媒除去システム3132内の溶媒蒸気を除去するために、冷却トラップ技術が採用されてもよい。本明細書で以前に議論されたように、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、
図12のガスエンクロージャシステム501等のガスエンクロージャシステムを通って連続的に循環する不活性ガスからのそのような種の効果的な除去を監視するために、酸素、水蒸気、および溶媒蒸気センサ等のセンサが使用されてもよい。溶媒除去システムの種々の実施形態は、1つまたは複数の吸着剤層を再生または交換することができるように、活性炭、分子篩、および同等物等の吸着剤が容量に達したときを示すことができる。分子篩の再生は、分子篩を加熱すること、分子篩をフォーミングガスと接触させること、それらの組み合わせ、および同等物を伴うことができる。酸素、水蒸気、および溶媒を含む、種々の種を閉じ込めるように構成される分子篩は、加熱し、水素を含むフォーミングガス、例えば、約96%窒素および4%水素を含むフォーミングガスに暴露することによって、再生することができ、該割合は、体積または重量による。活性炭の物理的再生は、不活性環境下で、類似加熱手順を使用して行うことができる。
【0119】
任意の好適なガス精製システムを、
図12のガス精製ループ3130のガス精製システム3134に使用することができる。例えば、MBRAUN Inc.(Statham, New Hampshire)またはInnovative Technology(Amesbury, Massachusetts)から入手可能なガス精製システムが、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に組み込むために有用であり得る。ガスエンクロージャシステム501内の1つまたはそれを上回る不活性ガスを精製するため、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ内のガス雰囲気全体を精製するために、ガス精製システム3134を使用することができる。前述のように、ガス精製ループ3130を通してガスを循環させるために、ガス精製システム3134は、ファン、送風機、またはモータ、ならびに同等物等のガス循環ユニットを有することができる。その点に関して、ガス精製システムを通して不活性ガスを移動させるための体積流量を定義することができる、エンクロージャの容積に応じて、ガス精製システムを選択することができる。最大約4m3の容積を伴うガスエンクロージャアセンブリを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、約84m3/時間で移動することができるガス精製システムを使用することができる。最大約10m3の容積を伴うガスエンクロージャアセンブリを有する、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、約155m3/時間で移動することができるガス精製システムを使用することができる。約52~114m3の容積を有するガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態について、1つよりも多くのガス精製システムが使用されてもよい。
【0120】
任意の好適なガスフィルタまたは精製デバイスを本教示のガス精製システム3134に含むことができる。いくつかの実施形態では、ガス精製システムは、デバイスのうち1つを保守のためにラインから外すことができ、中断することなくシステム動作を継続するために他方のデバイスを使用することができるように、2つの並列精製デバイスを備えることができる。いくつかの実施形態では、例えば、ガス精製システムは、1つまたはそれを上回る分子篩を備えることができる。いくつかの実施形態では、ガス精製システムは、分子篩のうちの1つが不純物で飽和するか、またはそうでなければ十分効率的に動作していないと見なされるとき、飽和した、または非効率的な分子篩を再生しながら、システムが他方の分子篩に切り替わることができるように、少なくとも第1の分子篩および第2の分子篩を備えることができる。各分子篩の動作効率を判定するため、異なる分子篩の動作を切り替えるため、1つまたはそれを上回る分子篩を再生するため、またはそれらの組み合わせのために、制御ユニットを提供することができる。本明細書で以前に議論されたように、分子篩は、再生および再使用されてもよい。
【0121】
図12の熱調節システム3140は、冷却剤をガスエンクロージャアセンブリの中へ循環させるための流体出口ライン3141と、冷却剤を冷却装置に戻すための流体入口ライン3143とを有する、少なくとも1つの冷却装置3142を含むことができる。ガスエンクロージャシステム501内のガス雰囲気を冷却するために、少なくとも1つの流体冷却装置3142を提供することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、流体冷却装置3142は、冷却された流体をエンクロージャ内の熱交換器に送達し、そこで不活性ガスが、エンクロージャの内部の濾過システムに渡される。少なくとも1つの流体冷却装置もまた、ガスエンクロージャシステム501内に封入される装置から発生する熱を冷却するように、ガスエンクロージャシステム501に提供することができる。例えば、限定されないが、少なくとも1つの流体冷却装置もまた、OLED印刷システムから発生する熱を冷却するように、ガスエンクロージャシステム501に提供することができる。熱調節システム3140は、熱交換またはペルチェデバイスを備えることができ、種々の冷却能力を有することができる。例えば、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、冷却装置は、約2kW~約20kWの冷却能力を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、1つまたはそれを上回る流体を冷却することができる、複数の流体冷却装置を有することができる。いくつかの実施形態では、流体冷却装置は、冷却剤としていくつかの流体、例えば、限定されないが、熱交換流体として水、不凍剤、冷媒、およびそれらの組み合わせを利用することができる。関連導管およびシステム構成要素を接続する際に、適切な漏出しない係止接続を使用することができる。
【0122】
以前に議論されたように、本教示は、第1の容積を画定する印刷システムエンクロージャと、第2の容積を画定する補助エンクロージャとを含むことができる、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態を開示する。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として密閉可能に構築することができる、補助エンクロージャを有することができる。本教示のシステムおよび方法によると、補助エンクロージャは、印刷システムエンクロージャから密閉可能に隔離することができ、印刷システムエンクロージャを外部環境に暴露することなく、ガスエンクロージャアセンブリの外部の環境に対して開放することができる。例えば、限定されないが、種々のプリントヘッド管理手順を行うための補助エンクロージャのそのような物理的隔離は、空気および水蒸気ならびに種々の有機蒸気等の汚染、ならびに粒子状物質汚染への印刷システムエンクロージャの暴露を排除または最小限化するように行うことができる。プリントヘッドアセンブリ上の測定および保守手順を含むことができる、種々のプリントヘッド管理手順は、印刷プロセスの中断をほとんどまたは全く伴わずに行うことができ、それによって、ガスエンクロージャシステムの休止時間を最小限化または排除する。
【0123】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約1%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約2%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約5%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約10%未満またはそれと等しいものであり得る。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、補助エンクロージャは、ガスエンクロージャシステムのエンクロージャ容積の約20%未満またはそれと等しいものであり得る。例えば、保守手順を行うために、反応性ガスを含有する周囲環境への補助エンクロージャの開放が指示された場合、ガスエンクロージャの作業容積から補助エンクロージャを隔離することが、ガスエンクロージャの容積全体の汚染を防止することができる。さらに、補助エンクロージャの比較的小さい容積を考慮すると、ガスエンクロージャの印刷システムエンクロージャ部分と比較して、補助エンクロージャの回復時間は、印刷システムエンクロージャ全体の回復時間より有意に少ない時間を要し得る。
【0124】
第1の容積を画定する印刷システムエンクロージャと、第2の容積を画定する補助エンクロージャとを有する、ガスエンクロージャシステムについては、印刷プロセスの中断をほとんどまたは全く伴わずに、不活性で実質的に低粒子の環境を必要とするプロセスのためにそのような環境を持続することができるガスエンクロージャシステムを形成するように、両方の容積をガス循環、濾過、および精製構成要素と容易に統合することができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷システムエンクロージャは、印刷プロセスに影響を及ぼし得る前に、精製システムが汚染を除去することができるように十分に低い、汚染のレベルに導入されてもよい。補助エンクロージャの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの全容積より実質的に小さい容積であり得、外部環境への暴露後に不活性の低粒子環境を急速に回復させることができ、それによって、印刷プロセスの中断をほとんどまたは全く提供しない補助エンクロージャシステムを形成するように、ガス循環、濾過、および精製構成要素と容易に統合することができる。
【0125】
本教示のシステムおよび方法によると、ガスエンクロージャアセンブリの区分として構築される印刷システムエンクロージャおよび補助エンクロージャの種々の実施形態は、別々に帰納するフレーム部材アセンブリ区分を提供する様式で構築することができる。非限定的実施例として、ガスエンクロージャシステム500および501について開示される
全ての要素を有することに加えて、
図13のガスエンクロージャシステム502は、第1の容積を画定する、ガスエンクロージャアセンブリ1101の第1のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S1と、第2の容積を画定する、ガスエンクロージャアセンブリ1101の第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2とを有することができる。全ての弁V1、V2、V3、およびV4が開放された場合には、ガス精製ループ3130は、本質的に
図12のガスエンクロージャアセンブリおよびシステム1101について以前に説明されたように動作する。V3およびV4の閉鎖により、第1のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S1のみがガス精製ループ3130と流体連通している。この弁状態は、例えば、限定されないが、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2が密閉可能に閉鎖され、それによって、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2が雰囲気に対して開放されることを要求する種々の測定および保守手順中に、第1のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S1から隔離されるときに、使用されてもよい。V1およびV2の閉鎖により、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2のみがガス精製ループ3130と流体連通している。この弁状態は、例えば、限定されないが、区分が雰囲気に対して開放された後に、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2の回復中に使用されてもよい。
図12に関係付けられる本教示について以前に議論されたように、ガス精製ループ3130のための要件が、ガスエンクロージャアセンブリ1101の全容積に関して特定される。したがって、ガスエンクロージャ1101の全容積より容積が有意に小さいことが
図13のガスエンクロージャシステム502について描写される、第2のガスエンクロージャアセンブリ区分1101-S2等のガスエンクロージャアセンブリ区分の回復にガス精製システムのリソースを専念させることによって、回復時間を実質的に短縮することができる。
【0126】
加えて、補助エンクロージャの種々の実施形態は、照明、ガス循環および濾過、ガス精製、および温度自動調節構成要素等の専用の一式の環境調節システム構成要素と容易に統合することができる。その点に関して、ガスエンクロージャアセンブリの一部として密閉可能に隔離することができる、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムを収納するガスエンクロージャアセンブリによって画定される第1の容積と一様であるように設定される、制御された環境を有することができる。さらに、ガスエンクロージャアセンブリの一部として密閉可能に隔離することができる、補助エンクロージャを含む、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、印刷システムを収納するガスエンクロージャアセンブリによって画定される第1の容積の制御された環境とは異なるように設定される、制御された環境を有することができる。
【0127】
本教示のガスエンクロージャシステムの実施形態で利用されるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの内部容積を最小限化し、同時に、OLED印刷システム設計の種々の設置面積に適応するために作業容積を最適化する、輪郭形成様式で構築できることを想起されたい。例えば、本教示による輪郭ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、例えば、Gen 3.5~Gen 10の基板サイズを覆う、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態のための約6m3~約95m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。本教示による輪郭ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、例えば、Gen 5.5~Gen 8.5基板サイズのOLED印刷に有用であり得る、例えば、限定されないが、約15m3~約30m3のガスエンクロージャ容積を有することができる。補助エンクロージャの種々の実施形態は、ガスエンクロージャアセンブリの一区分として構築し、不活性で実質的に低粒子の環境を必要とするプロセスのためにそのような環境を持続することができるガスエンクロージャシステムを形成するように、ガス循環および濾過、ならびに精製構成要素と容易に統合することができる。
【0128】
図12および
図13に示されるように、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態
は、加圧不活性ガス再循環システム3000を含むことができる。加圧不活性ガス再循環ループの種々の実施形態は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせを利用することができる。
【0129】
例えば、
図14および
図15に示されるように、ガスエンクロージャシステム503およびガスエンクロージャシステム504の種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステム503およびガスエンクロージャシステム504の動作の種々の側面で使用するために不活性ガス源3201および清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合して制御するための外部ガスループ3200を有することができる。ガスエンクロージャシステム503およびガスエンクロージャシステム504はまた、以前に説明されたように、内部粒子濾過およびガス循環システムの種々の実施形態、ならびに外部ガス精製システムの種々の実施形態も含むことができる。ガスエンクロージャシステムのそのような実施形態は、不活性ガスから種々の反応種を精製するためのガス精製システムを含むことができる。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。本教示によるガス精製システムの種々の実施形態は、水蒸気および酸素等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、あるいは0.1ppmまたはそれより低く維持することができる。不活性ガス源3201およびCDA源3203を統合して制御するための外部ループ3200に加えて、ガスエンクロージャアセンブリ503およびガスエンクロージャシステム504は、ガスエンクロージャシステム503およびガスエンクロージャシステム504の内部に配置することができる種々のデバイスおよび装置を操作するための不活性ガスを供給することができる、圧縮機ループ3250を有することができる。
【0130】
図14の圧縮機ループ3250は、流体連通するように構成される、圧縮機3262と、第1のアキュムレータ3264と、第2のアキュムレータ3268とを含むことができる。圧縮機3262は、ガスエンクロージャアセンブリ1101から引き出される不活性ガスを所望の圧力に圧縮するように構成することができる。圧縮機ループ3250の入口側は、弁3256および逆止弁3258を有するライン3254を通して、ガスエンクロージャアセンブリ出口3252を介してガスエンクロージャアセンブリ1101と流体連通することができる。圧縮機ループ3250は、外部ガスループ3200を介して、圧縮機ループ3250の出口側でガスエンクロージャアセンブリ1101と流体連通することができる。アキュムレータ3264は、圧縮機3262と、外部ガスループ3200との圧縮機ループ3250の接合部との間に配置することができ、5psigまたはそれより高い圧力を生成するように構成することができる。第2のアキュムレータ3268は、約60Hzでの圧縮機ピストン循環による減退変動を提供するために、圧縮機ループ3250の中にあり得る。圧縮機ループ3250の種々の実施形態について、第1のアキュムレータ3264が、約80ガロン~約160ガロンの間の容量を有することができる一方で、第2のアキュムレータは、約30ガロン~約60の間の容量を有することができる。ガスエンクロージャシステム503の種々の実施形態によると、圧縮機3262は、ゼロ進入圧縮機であり得る。種々の種類のゼロ進入圧縮機は、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の中へ大気ガスを漏出させることなく動作することができる。ゼロ進入圧縮機の種々の実施形態は、例えば、圧縮不活性ガスを必要とする種々のデバイスおよび装置の使用を利用して、OLED印刷プロセス中に連続的に実行することができる。
【0131】
アキュムレータ3264は、圧縮機3262から圧縮不活性ガスを受容して蓄積するように構成することができる。アキュムレータ3264は、ガスエンクロージャアセンブリ1101の中で必要に応じて圧縮不活性ガスを供給することができる。例えば、アキュムレータ3264は、限定されないが、空気圧ロボット、基板浮動式テーブル、空気ベアリング、空気ブッシング、圧縮ガスツール、空気圧アクチュエータ、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等のガスエンクロージャアセンブリ1101の種々の構成要素のための圧力を維持するように、ガスを提供することができる。ガスエンクロージャシステム503について
図14に示されるように、ガスエンクロージャアセンブリ1101は、その中に封入されたOLED印刷システム2000を有することができる。
図14で概略的に描写されるように、インクジェット印刷システム2000は、花崗岩ステージであり得る、印刷システム基部2100によって支持することができる。印刷システム基部2100は、チャック、例えば、限定されないが、真空チャック、圧力ポートを有する基板浮動式チャック、ならびに真空および圧力ポートを有する基板浮動式チャック等の基板支持装置を支持することができる。本教示の種々の実施形態では、基板支持装置は、
図14で描写される基板浮動式テーブル2200等の基板浮動式テーブルであり得る。基板浮動式テーブル2200は、基板の無摩擦支持に使用することができる。低粒子生成浮動式テーブルに加えて、基板の無摩擦Y軸運搬のために、印刷システム2000は、空気ブッシングを利用するY軸運動システムを有することができる。加えて、印刷システム2000は、低粒子生成X軸空気ベアリングアセンブリによって提供される運動制御とともに、少なくとも1つのX、Z軸キャリッジアセンブリを有することができる。例えば、種々の粒子生成線形機械ベアリングシステムの代わりに、X軸空気ベアリングアセンブリ等の低粒子生成運動システムの種々の構成要素を使用することができる。本教示のガスエンクロージャおよびシステムの種々の実施形態について、種々の空気動作型デバイスおよび装置の使用は、低粒子生成性能を提供することができるとともに、維持するのにあまり手がかからない。圧縮機ループ3250は、加圧不活性ガスをガスエンクロージャシステム503の種々のデバイスおよび装置に連続的に供給するように構成することができる。加圧不活性ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用するインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200はまた、弁3274が開放位置にあるときに、ライン3272を通してガスエンクロージャアセンブリ1101と流体連通している、真空システム3270も利用する。
【0132】
本教示による加圧不活性ガス再循環システムは、使用中に加圧ガスの可変要求を補うように作用し、それによって、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための動的平衡を提供する、圧縮機ループ3250について
図14に示されるような圧力制御バイパスループ3260を有することができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、バイパスループが、エンクロージャ1101内の圧力を乱すこと、または変化させることなく、アキュムレータ3264内で一定の圧力を維持することができる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260が使用されない限り閉鎖される、バイパスループの入口側の第1のバイパス入口弁3261を有することができる。バイパスループ3260はまた、第2の弁3263が閉鎖されるときに使用することができる、背圧調節器3266を有することもできる。バイパスループ3260は、バイパスループ3260の出口側に配置された第2のアキュムレータ3268を有することができる。ゼロ進入圧縮機を利用する圧縮機ループ3250の実施形態について、バイパスループ3260は、ガスエンクロージャシステムの使用中に経時的に発生し得る、圧力のわずかな偏差を補償することができる。バイパスループ3260は、バイパス入口弁3261が開放位置にあるときに、バイパスループ3260の入口側で圧縮機ループ3250と流体連通することができる。バイパス入口弁3261が開放されたとき、圧縮機ループ3250からの不活性ガスが、ガスエンクロージャアセンブリ1101の内部内で要求されていない場合、バイパスループ3260を通して分流される不活性ガスを圧縮機に再循環させることができる。圧縮機ループ3250は、アキュムレータ3264内の不活性ガスの圧力が事前設定された閾値圧力を超えるときに、バイパスループ3260を通して不活性ガスが分流するように構成される。アキュムレータ3264の事前設定された閾値圧力は、少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約25psig~約200psigの間、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約50psig~約150psigの間、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約75psig~約125psigの間、または少なくとも約1立方フィート/分(cfm)の流速で約90psig~約95psigの間であり得る。
【0133】
圧縮機ループ3250の種々の実施形態は、可変速度圧縮機、あるいはオンまたはオフ状態のいずれか一方であるように制御することができる圧縮機等のゼロ進入圧縮機以外の種々の圧縮機を利用することができる。以前に議論されたように、ゼロ進入圧縮機は、いかなる大気反応種がガスエンクロージャシステムに導入できないことを確実にする。したがって、大気反応種がガスエンクロージャシステムに導入されることを防止する、任意の圧縮機構成を圧縮機ループ3250に利用することができる。種々の実施形態によると、ガスエンクロージャシステム503の圧縮機3262は、例えば、限定されないが、密封筐体の中に収納することができる。筐体内部は、不活性ガス源、例えば、ガスエンクロージャアセンブリ1101のための不活性ガス雰囲気を形成する同一の不活性ガスと流体連通して構成することができる。圧縮機ループ3250の種々の実施形態について、圧縮機3262は、一定の圧力を維持するように、一定の速度で制御することができる。ゼロ進入圧縮機を利用しない圧縮機ループ3250の他の実施形態では、圧縮機3262は、最大閾値圧力に達したときにオフにし、最小閾値圧力に達したときにオンにすることができる。
【0134】
ガスエンクロージャシステム504の
図15では、真空送風機3290を利用する送風機ループ3280が、ガスエンクロージャアセンブリ1101に収納されるインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200の動作のために示されている。圧縮機ループ3250について以前に議論されたように、送風機ループ3280は、加圧不活性ガスを印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200に連続的に供給するように構成することができる。
【0135】
加圧不活性ガス再循環システムを利用することができるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、圧縮機、送風機、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ等の種々の加圧ガス源を利用する、種々のループを有することができる。ガスエンクロージャシステム504の
図15では、圧縮機ループ3250は、高消費マニホールド3225、ならびに低消費マニホールド3215のための不活性ガスの供給に使用することができる、外部ガスループ3200と流体連通することができる。ガスエンクロージャシステム504について
図15に示されるような本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、限定されないが、基板浮動式テーブル、空気圧ロボット、空気ベアリング、空気ブッシング、および圧縮ガスツール、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等の種々のデバイスおよび装置に不活性ガスを供給するために、高消費マニホールド3225を使用することができる。本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、低消費3215は、限定されないが、アイソレータ、および空気圧アクチュエータ、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るもの等の種々の装置およびデバイスに不活性ガスを供給するために使用することができる。
【0136】
図15のガスエンクロージャシステム504の種々の実施形態について、加圧不活性ガスを基板浮動式テーブル2200の種々の実施形態に供給するために送風機ループ3280を利用することができる一方で、例えば、限定されないが、空気圧ロボット、空気ベアリング、空気ブッシング、および圧縮ガスツール、ならびにそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものに加圧不活性ガスを供給するために、外部ガスループ3200と流体連通している圧縮機ループ3250を利用することができる。加圧不活性ガスの供給に加えて、空気ベアリング技術を利用する、OLEDインクジェット印刷システム2000の基板浮動式テーブル2200はまた、弁3294が開放位置にあるときに、ライ
ン3292を通してガスエンクロージャアセンブリ1101と連通している送風機真空3290も利用する。送風機ループ3280の筐体3282は、不活性ガスの加圧源を基板浮動式テーブル2200に供給するための第1の送風機3284、およびガスエンクロージャアセンブリ1101内の不活性ガス環境に収納される基板浮動式テーブル2200のための真空源の役割を果たす、第2の送風機3290を維持することができる。基板浮動式テーブルの種々の実施形態のための加圧不活性ガスまたは真空源のいずれか一方として使用するために送風機を好適にすることができる属性は、例えば、それらが高い信頼性を有する、それらを維持するのにあまり手がかからなくする、可変速度制御を有する、広範囲の流量を有する、約100m3/時間~約2,500m3/時間の間の流速を提供することが可能な種々の実施形態を含むが、それらに限定されない。送風機ループ3280の種々の実施形態は、加えて、圧縮機ループ3280の入口端部に第1の隔離弁3283、ならびに送風機ループ3280の出口端部に逆止弁3285および第2の隔離弁3287を有することができる。送風機ループ3280の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、ゲート、バタフライ、針、またはボール弁であり得る、調整可能な弁3286、ならびに規定温度で送風機ループ3280から基板浮動式テーブル2200への不活性ガスを維持するための熱交換器3288を有することができる。
【0137】
図15は、
図14のガスエンクロージャシステム503および
図15のガスエンクロージャシステム504の動作の種々の側面で使用するために、不活性ガス源3201および清浄乾燥空気(CDA)源3203を統合して制御するための
図14でも示されるような外部ガスループ3200を描写する。
図14および
図15の外部ガスループ3200は、少なくとも4つの機械弁を含むことができる。これらの弁は、第1の機械弁3202と、第2の機械弁3204と、第3の機械弁3206と、第4の機械弁3208とを備える。これらの種々の弁は、不活性ガスおよび清浄乾燥空気(CDA)等の空気源の両方の制御を可能にする、種々の流動ラインの中の位置に位置する。本教示によると、不活性ガスは、定義された一式の条件下で化学反応を受けない、任意のガスであってもよい。不活性ガスのいくつかの一般的に使用されている非限定的実施例は、窒素、希ガスのうちのいずれか、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。内蔵不活性ガス源3201から、内蔵不活性ガスライン3210が延在する。内蔵不活性ガスライン3210は、低消費マニホールド3215と流体連通している、低消費マニホールドライン3212として直線的に延在し続ける。交差線の第1の区分3214は、内蔵不活性ガスライン3210、低消費マニホールドライン3212、および交差線の第1の区分3214の交点に位置する、第1の流動接合点3216から延在する。交差線の第1の区分3214は、第2の流動接合点3218まで延在する。圧縮機不活性ガスライン3220は、圧縮機ループ3250のアキュムレータ3264から延在し、第2の流動接合点3218で終端する。CDAライン3222は、CDA源3203から延在し、高消費マニホールド3225と流体連通している高消費マニホールドライン3224として継続する。第3の流動接合点3226は、交差線の第2の区分3228、清浄乾燥空気ライン3222、および高消費マニホールドライン3224の交点に位置付けられる。交差線の第2の区分3228は、第2の流動接合点3218から第3の流動接合点3226まで延在する。高消費マニホールド3225を用いて、高消費である種々の構成要素を保守中にCDAに供給することができる。弁3204、3208、および3230を使用して圧縮機を隔離することにより、酸素および水蒸気等の反応種が、圧縮機およびアキュムレータ内の不活性ガスを汚染することを防止することができる。
【0138】
ガスエンクロージャアセンブリの不活性ガスの連続循環および濾過の種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態内で実質的に低粒子の環境を維持することを提供することができる、粒子制御システムの一部である。ガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、クラス1~クラス5によって特定されるようなInternational Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999, “Cleanrooms and associated controlled environments-Part 1: Classification of air cleanliness”の規格を満たす、浮遊粒子状物質のための低粒子環境を提供するように設計することができる。加えて、粒子制御システムの種々の構成要素は、基板の近位に低粒子ゾーンを維持するために、粒子状物質をガス循環および濾過システムの中へ排出することができる。浮遊粒子状物質の判定は、例えば、可搬性粒子計数デバイスを使用して、システム検証のために印刷プロセスの前にガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、浮遊粒子状物質の判定は、基板が印刷されている間に原位置で継続中の品質チェックとして行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、浮遊粒子状物質の判定は、基板が印刷される前に、加えて、基板が印刷されている間に原位置で、システム検証のために行うことができる。
【0139】
ガス循環および濾過システムの種々の実施形態が、
図16-
図18で描写されている。本教示のガス循環および濾過システムの種々の実施形態によると、壁フレームおよび天井フレーム部材の接合によって形成される内部に配管を設置することができる。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態については、構築プロセス中に配管が設置されてもよい。本教示の種々の実施形態によると、配管は、複数のフレーム部材から構築されている、ガスエンクロージャフレームアセンブリ内に設置されてもよい。種々の実施形態では、配管は、ガスエンクロージャフレームアセンブリを形成するように接合される前に、複数のフレーム部材上に設置することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための配管は、1つまたはそれを上回る配管入口から配管の中へ引き込まれる実質的に全てのガスが、ガスエンクロージャアセンブリの内部の粒子状物質を除去するためのガス濾過ループの種々の実施形態を通して移動させられるように、構成することができる。加えて、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の配管は、ガスエンクロージャアセンブリの内部にある粒子状物質を除去するためのガス濾過ループから、ガスエンクロージャアセンブリの外部にあるガス精製ループの入口および出口を分離するように構成することができる。本教示による配管の種々の実施形態は、金属シート、例えば、限定されないが、約80ミルの厚さを有するアルミニウムシートから加工することができる。
【0140】
図16は、ガスエンクロージャアセンブリ100の配管アセンブリ1501およびファンフィルタユニットアセンブリ1502を含むことができる、循環および濾過システム1500の右正面透視斜視図を描写する。エンクロージャ配管アセンブリ1501は、前壁パネル配管アセンブリ1510を有することができる。示されるように、前壁パネル配管アセンブリ1510は、前壁パネル入口ダクト1512と、両方とも前壁パネル入口ダクト1512と流体連通している、第1の前壁パネルライザ1514および第2の前壁パネルライザ1516とを有することができる。第1の前壁パネルライザ1514は、ファンフィルタユニット103の天井ダクト1505と密閉可能に係合される、出口1515を有して示されている。同様に、第2の前壁パネルライザ1516は、ファンフィルタユニット103の天井ダクト1507と密閉可能に係合される、出口1517を有して示されている。その点に関して、前壁パネル配管アセンブリ1510は、底部からガスエンクロージャシステム内で不活性ガスを循環させること、各前壁パネルライザ1514および1516を通して前壁パネル入口ダクト1512を利用すること、および例えば、ファンフィルタユニットアセンブリ1502のファンフィルタユニット1552によって空気を濾過することができるように、それぞれ、出口1505および1507を通して空気を送達することを提供する。近位ファンフィルタユニット1552は、熱調節システムの一部として、ガスエンクロージャアセンブリ100を通って循環する不活性ガスを所望の温度で維持することができる、熱交換器1562である。
【0141】
右壁パネル配管アセンブリ1530は、右壁パネルの第1のライザ1534および右壁
パネルの第2のライザ1536を通して右壁パネルの上ダクト1538と流体連通している、右壁パネル入口ダクト1532を有することができる。右壁パネルの上ダクト1538は、第1のダクト入口端部1535と、第2のダクト出口端部1537とを有することができ、その第2のダクト出口端部1537は、後壁配管アセンブリ1540の後壁パネルの上ダクト1546と流体連通している。左壁パネル配管アセンブリ1520は、右壁パネルアセンブリ1530について説明されるものと同一の構成要素を有することができ、そのうち、第1の左壁パネルライザ1524および第1の左壁パネルライザ1524を通して左壁パネルの上ダクト(図示せず)と流体連通している、左壁パネル入口ダクト1522が、
図16で見える。後壁パネル配管アセンブリ1540は、左壁パネルアセンブリ1520および右壁パネルアセンブリ1530と流体連通している、後壁パネル入口ダクト1542を有することができる。加えて、後壁パネル配管アセンブリ1540は、後壁パネルの第1の入口1541および後壁パネルの第2の入口1543を有することができる、後壁パネルの底ダクト1544を有することができる。後壁パネルの底ダクト1544は、第1のバルクヘッド1547および第2のバルクヘッド1549を介して、後壁パネルの上ダクト1546と流体連通することができ、そのバルクヘッド構造は、例えば、限定されないが、ガスエンクロージャアセンブリ100の外部から内部の中へサービスを送給するために使用することができる。本教示によると、サービス束は、例えば、限定されないが、光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができる。製造設備が、印刷システムを操作するために必要とされる光学、電気、機械、および流体接続を提供するように、種々のシステムおよびアセンブリから動作可能に接続することができる、種々のサービス束の大幅な長さを必要とし得ることを想起されたい。ダクト開口部1533は、バルクヘッド1549を介して後壁パネルの上ダクト1546を通過させることができる、少なくとも1本のサービス束を後壁パネルの上ダクト1546の外へ移動させることを提供する。バルクヘッド1547およびバルクヘッド1549は、以前に説明されたように、可撤性の嵌め込みパネルを使用して、外部で密封することができる。後壁パネルの上ダクトは、その角が
図16に示されている、通気孔545を通して、例えば、限定されないが、ファンフィルタユニット1554と流体連通している。その点に関して、左壁パネル配管アセンブリ1520、右壁パネル配管アセンブリ1530、および後壁パネル配管アセンブリ1540は、以前に説明されたように、種々のライザ、ダクト、バルクヘッド通路、および同等物を通して、通気孔1545と流体連通している、それぞれ、壁パネル入口ダクト1522、1532、および1542、ならびに後パネルの下ダクト1544を利用して、底部からガスエンクロージャアセンブリ内で不活性ガスを循環させることを提供する。したがって、例えば、循環および濾過システム1500のファンフィルタユニットアセンブリ1502のファンフィルタユニット1554によって、空気を濾過することができる。近位ファンフィルタユニット1554は、熱調節システムの一部として、ガスエンクロージャアセンブリ100を通って循環する不活性ガスを所望の温度で維持することができる、熱交換器1564である。後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、処理中の印刷システムの中の基板の物理的位置に従って、循環および濾過システム1500のファンフィルタユニット1552および1554を含む、ファンフィルタユニットアセンブリ1502等のファンフィルタユニットアセンブリのためのファンフィルタユニットの数、サイズ、および形状を選択することができる。基板の物理的移動に関して選択される、ファンフィルタユニットアセンブリのためのファンフィルタユニットの数、サイズ、および形状は、基板製造プロセス中に基板の近位に低粒子ゾーンを提供することができる、低粒子ガスエンクロージャシステムの要素であり得る。
【0142】
図16では、開口部1533を通したケーブル送給が示されている。後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、本教示のガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、配管を通してサービス束を運ぶことを提供する。そのようなサービス束の周囲で形成される漏出経路を排除するために、適合材料を使用するサービス束の中で異なるサイズのケーブル、ワイヤ、および管類を密閉するための種々のアプローチを使用することができる。また、
図16では、エンクロージャ配管アセンブリ1501について、ファンフィルタユニット103の一部として示される導管Iおよび導管IIも示されている。導管Iが、外部ガス精製システムへの不活性ガスの出口を提供する一方で、導管IIは、ガスエンクロージャアセンブリ100の内部の循環および濾過ループへの精製された不活性ガスの帰還を提供する。
【0143】
図17では、エンクロージャ配管アセンブリ1501の上面透視斜視図が示されている。左壁パネル配管アセンブリ1520および右壁パネル配管アセンブリ1530の対称性を見ることができる。右壁パネル配管アセンブリ1530について、右壁パネル入口ダクト1532は、右壁パネルの第1のライザ1534および右壁パネルの第2のライザ1536を通して右壁パネルの上ダクト1538と流体連通している。右壁パネルの上ダクト1538は、第1のダクト入口端部1535と、第2のダクト出口端部1537とを有することができ、その第2のダクト出口端部1537は、後壁配管アセンブリ1540の後壁パネルの上ダクト1546と流体連通している。同様に、左壁パネル配管アセンブリ1520は、左壁パネルの第1のライザ1524および左壁パネルの第2のライザ1526を通して左壁パネルの上ダクト1528と流体連通している、左壁パネル入口ダクト1522を有することができる。左壁パネルの上ダクト1528は、第1のダクト入口端部1525と、第2のダクト出口端部1527とを有することができ、その第2のダクト出口端部1527は、後壁配管アセンブリ1540の後壁パネルの上ダクト1546と流体連通している。加えて、後壁パネル配管アセンブリは、左壁パネルアセンブリ1520および右壁パネルアセンブリ1530と流体連通している、後壁パネル入口ダクト1542を有することができる。加えて、後壁パネル配管アセンブリ1540は、後壁パネルの第1の入口1541および後壁パネルの第2の入口1543を有することができる、後壁パネルの底ダクト1544を有することができる。後壁パネルの底ダクト1544は、第1のバルクヘッド1547および第2のバルクヘッド1549を介して、後壁パネルの上ダクト1546と流体連通することができる。
図16および
図17に示されるような配管アセンブリ1501は、前壁パネル入口ダクト1512から、それぞれ、前壁パネル出口1515および1517を介して天井パネルダクト1505および1507へ不活性ガスを循環させる、前壁パネル配管アセンブリ1510から、ならびに、それぞれ、入口ダクト1522、1532、および1542から通気孔1545へ空気を循環させる、左壁パネルアセンブリ1520、右壁パネルアセンブリ1530、および後壁パネル配管アセンブリ1540から、不活性ガスの効果的な循環を提供することができる。いったん不活性ガスが、天井パネルダクト1505および1507、ならびに通気孔1545を介して、エンクロージャ100のファンフィルタユニット103の下のエンクロージャ領域の中へ排出されると、そのように排出された不活性ガスは、ファンフィルタユニットアセンブリ1502のファンフィルタユニット1552および1554を通して濾過することができる。加えて、循環した不活性ガスは、熱調節システムの一部である熱交換器1562および1564によって、所望の温度で維持することができる。
【0144】
図18は、エンクロージャ配管アセンブリ1501の底部透視図である。入口配管アセンブリ1509は、相互に流体連通している、前壁パネル入口ダクト1512と、左壁パネル入口ダクト1522と、右壁パネル入口ダクト1532と、後壁パネル入口ダクト1542とを含む。本明細書で以前に議論されたように、導管Iが、外部ガス精製システムへの不活性ガスの出口を提供する一方で、導管IIは、ガスエンクロージャアセンブリ100の内部の循環および濾過ループへの精製された不活性ガスの帰還を提供する。
【0145】
入口配管アセンブリ1509に含まれる各入口ダクトについて、各ダクトの底部を横断して均等に分配された明白な開口部があり、そのセットは、前壁パネル入口ダクト1512の開口部1511、左壁パネル入口ダクト1522の開口部1521、右壁パネル入口ダクト1532の開口部1531、および右壁パネル入口ダクト1542の開口部1541として、本教示の目的で特異的に強調表示される。各入口ダクトの底部を横断して目に見えるような、そのような開口部は、連続循環および濾過のためにエンクロージャ100内で不活性ガスの効果的な取り込みを提供する。ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態の不活性ガスの連続循環および濾過は、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態内で実質的に低粒子環境を維持することを提供することができる、粒子制御システムの一部である。ガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、クラス1~クラス5によって特定されるようなInternational Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999の規格を満たす、浮遊粒子状物質レベルを維持するのための低粒子環境を提供するように設計することができる。加えて、ともに束ねられるケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができるサービス束は、粒子状物質源の役割を果たすことができる。したがって、配管を通して送給されたサービス束を有することにより、配管内に識別された粒子源を含有し、循環および濾過システムを通して粒子状物質を排出することができる。
【0146】
ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、約0.1μmまたはそれより大きい~約10μmまたはそれより大きい粒子のための基板上粒子仕様を提供する、実質的に低粒子の環境を維持することができる、粒子制御システムを有することができる。基板上粒子仕様の種々の実施形態は、標的粒径範囲のそれぞれについて、1分につき基板の1平方メートルあたりの平均基板上粒子分布から、1分につき基板あたりの平均基板上粒子分布に容易に変換することができる。本明細書で以前に議論されたように、そのような変換は、例えば、特定の世代サイズの基板、およびその基板世代の対応する面積の基板間の既知の関係を通して、容易に行うことができる。加えて、1分につき基板の1平方メートルあたりの平均基板上粒子分布は、種々の単位時間表現のうちのいずれかに容易に変換することができる。例えば、標準時間単位、例えば、秒、分、日の間の変換に加えて、処理に特異的に関する時間の単位を使用することができる。例えば、本明細書で以前に議論されたように、印刷サイクルを時間の単位と関連付けることができる。
【0147】
本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが10μmを上回るまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが5μmを上回るまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが2μmを上回るまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが1μmを上回るまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.5μmを上回るまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、サイズが0.3μmを上回るまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.1μmを上回るまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。
【0148】
製造設備は、例えば、印刷システムを操作するために必要とされる、光学、電気、機械、および流体接続を提供するように、種々の装置およびシステムから動作可能に接続することができる、種々のサービス束の大幅な長さを必要とし得る。本教示によると、サービス束は、例えば、限定されないが、光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができる。本教示による、サービス束の種々の実施形態は、サービス束の中で種々のケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物をともに束ねることによって作成される相当な数の隙間の結果として、有意な全死容積を有し得る。サービス束の中の相当な数の隙間に起因する、全死容積は、その中に閉塞された有意量の反応性ガス種の保持をもたらし得る。そのような大幅な反応性大気ガス源は、例えば、保守後に、ガスエンクロージャアセンブリの回復時間を有意に増加させ得る。
【0149】
したがって、粒子制御システムの構成要素を提供することに加えて、配管を通してサービス束を送給することにより、反応種に関するガスエンクロージャアセンブリの回復時間を短縮することができ、それによって、空気感受性プロセスを行うための仕様内にガスエンクロージャアセンブリをより急速に戻す。OLEDデバイスを印刷するために有用な本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、水蒸気および酸素等の種々の反応性大気ガス、ならびに有機溶媒蒸気を含む、種々の反応種の各種のレベルを、100ppmまたはそれより低く、例えば、10ppmまたはそれより低く、1.0ppmまたはそれより低く、あるいは0.1ppmまたはそれより低く維持することができる。
【0150】
配管を通して送給されたケーブル敷設が、種々の光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤおよび流体管類、ならびに同等物を束ねることの結果として作成される、サービス束の中の隙間によって作成される死容積から、閉塞反応性大気ガスをパージするために要する時間の減少をどのようにしてもたらすことができるかを理解するために、
図19A、19B、および20を参照する。
図19Aは、例えば、種々のインク、溶媒、および同等物を
図13Aの印刷システム1050等の印刷システムに送達するためのものであり得る、管類A等の管類を含むことができる束であり得る、サービス束Iの拡大図を描写する。
図19Aのサービス束1は、加えて、導線B等の電気配線、または同軸あるいは光学ケーブルであり得るケーブルC等のケーブル敷設を含むことができる。サービス束に含まれるそのような管類、ワイヤ、およびケーブルは、OLED印刷システムを備える種々のデバイスおよび装置に接続されるように、外部から内部へ送ることができる。
図19Aの斜線領域で見られるように、サービス束の中の隙間が、感知できる死容積Dを作成し得る。
図19Bの概略斜視図では、サービス束IがダクトIIを通して送給されたとき、不活性ガスIIIは、連続的に管を通過することができる。
図20の拡大断面図は、束ねられた管類、ワイヤ、およびケーブルを連続的に通過する不活性ガスが、サービス束に形成された死容積からの閉塞反応種の除去速度をどれだけ効果的に増加させることができるかを描写する。種Aによって占有される集合領域によって
図20で示される、死容積から外への反応種Aの拡散速度は、不活性ガス種Bによって占有される集合領域によって
図20で示される、死容積の外側の反応種の濃度に反比例する。つまり、反応種の濃度が死容積のちょうど外側の容積中で高い場合には、拡散速度が減少させられる。そのような領域中の反応種濃度が、不活性ガスの流量によって、次いで、質量作用によって、死容積のちょうど外側の容積から連続的に減少させられる場合、反応種が死容積から拡散する速度が増加させられる。加えて、同一の原則によって、不活性ガスは、閉塞反応種がこれらの空間から外へ効果的に除去されると死容積の中へ拡散することができる。
【0151】
図21Aは、帰還ダクト1605を通したガスエンクロージャアセンブリ101の中への透視図を伴う、ガスエンクロージャアセンブリ101の種々の実施形態の後隅の斜視図である。ガスエンクロージャアセンブリ101の種々の実施形態については、後壁パネル1640は、例えば、電気バルクヘッドへのアクセスを提供するように構成される、嵌め込みパネル1610を有することができる。サービス束は、第1のサービス束ダクト入口636の中へ送られたサービス束を明らかにするように可撤性嵌め込みパネルが除去されている、右壁パネル1630の中に示されるダクト1632等のケーブルルーティングダクトの中へバクルクヘッドを通して送給することができる。そこから、サービス束は、ガスエンクロージャアセンブリ101の内部の中へ送給することができ、ガスエンクロージャアセンブリ101の内部の中の帰還ダクト1605を通した透視図に示されている。サービス束ルーティングのためのガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態は、さらに別のサービス束について、第1のサービス束ダクト入口1634および第2のサービス束ダクト入口1636を描写する、
図21Aに示されるような1つより多くのサービス束入口を有することができる。
図21Bは、ケーブル、ワイヤ、および管類束のための第1のサービス束ダクト入口1634の拡大図を描写する。第1のサービス束ダクト入口1634は、摺動カバー1633とシールを形成するように設計される、開口部1631を有することができる。種々の実施形態では、開口部1631は、サービス束の中のケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物の種々の直径に適応することができる、ケーブル入口シールのためのRoxtec Companyによって提供されるもの等の可撓性密閉モジュールに適応することができる。代替として、摺動カバー1633の最上部1635および開口部1631の上部分1637は、適合材料が、第1のサービス束ダクト入口1634等の入口を通して送給されるサービス束の中のケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物の種々のサイズの直径の周囲にシールを形成することができるように、各表面上に配置される適合材料を有してもよい。
【0152】
図22および23で描写されるように、1つまたはそれを上回るファンフィルタユニットは、ガスエンクロージャアセンブリの内部を通して実質的に層流のガス流を提供するように構成することができる。本教示のガスエンクロージャアセンブリのための循環および濾過システムの種々の実施形態によると、1つまたはそれを上回るファンユニットは、ガスエンクロージャアセンブリの第1の内面に隣接して配置され、1つまたはそれを上回る配管入口は、ガスエンクロージャアセンブリの第2の反対側の内面に隣接して配置される。例えば、
図16-18に示されるように、ガスエンクロージャアセンブリは、内部天井および底内部周辺を備えることができ、1つまたはそれを上回るファンユニットは、内部天井に隣接して配置することができ、1つまたはそれを上回る配管入口は、配管システムの一部である底内部周辺に隣接して配置される複数の入口開口部を備えることができる。
【0153】
図22は、本教示の種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステム505の長さに沿って得られた断面図である。
図22のガスエンクロージャシステム505は、OLEDインクジェット印刷システム2001を収納することができるガスエンクロージャアセンブリ1100、ならびに循環および濾過システム1500、ガス精製システム3130(
図12および
図13)、および熱調節システム3140を含むことができる。循環および濾過システム1500は、配管アセンブリ1501と、ファンフィルタユニットアセンブリ1502とを含むことができる。熱調節システム3140は、冷却装置出口ライン3141および冷却装置入口ライン3143と流体連通している、流体冷却装置3142を含むことができる。冷却された流体は、流体冷却装置3142から退出し、冷却装置出口ライン3141を通って流動し、
図22に示されるように、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態について、複数のファンフィルタユニットのそれぞれの近位に位置することができる、熱交換器に送達することができる。流体は、一定の所望の温度で維持されるように、ファンフィルタユニットの近位の熱交換器から、冷却装置入口ライン3143を通して冷却装置3142に戻すことができる。本明細書で以前に議論されたように、冷却装置出口ライン3141および冷却装置入口ライン3143は、第1の熱交換器1562、第2の熱交換器1564、および第3の熱交換器1566を含む、複数の熱交換器と流体連通している。
図22に示されるようなガスエンクロージャシステム505の種々の実施形態によると、第1の熱交換器1562、第2の熱交換器1564、および第3の熱交換器1566は、それぞれ、循環および濾過システム1500のファンフィルタユニットアセンブリ1502の第1のファンフィルタユニット1552、第2のファンフィルタユニット1554、および第3のファンフィルタユニット1556と熱連通している。
【0154】
図22では、多くの矢印は、循環および濾過システム1500の中の空気流がガスエンクロージャアセンブリ1100内で低粒子の濾過された空気を提供することを描写する。
図22では、配管アセンブリ1501は、
図22の簡略化概略図で描写されるように、第1の配管導管1573と、第2の配管導管1574とを含むことができる。第1の配管導管1573は、第1の配管入口1571を通してガスを受容することができ、第1の配管出口1575を通って退出することができる。同様に、第2の配管導管1574は、第2の配管出口1576を通って退出するガスを、第2の配管入口1572を通して受容することができる。加えて、
図22に示されるように、配管アセンブリ1501は、ガス精製出口ライン3131およびガス精製入口ライン3133を介してガス精製システム3130と流体連通することができる、空間1580を効果的に画定することによって、ファンフィルタユニットアセンブリ1502を通して内部で再循環させられる不活性ガスを分離する。
図16-18について説明されるような配管システムの種々の実施形態を含む、そのような循環システムは、実質的に層流の流動を提供し、乱流を最小限化し、エンクロージャの内部の中のガス雰囲気の粒子状物質の循環、転換、および濾過を助長し、ガスエンクロージャアセンブリの外部のガス精製システムを通して循環を提供する。
【0155】
図23は、本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態による、ガスエンクロージャシステム506の長さに沿って得られた断面図である。
図22のガスエンクロージャシステム505のように、
図23のガスエンクロージャシステム506は、OLEDインクジェット印刷システム2001を収納することができるガスエンクロージャアセンブリ1100、ならびに循環および濾過システム1500、ガス精製システム3130(
図15)、および熱調節システム3140を含むことができる。循環および濾過システム1500は、配管アセンブリ1501と、ファンフィルタユニットアセンブリ1502とを含むことができる。ガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態については、冷却装置出口ライン3141および冷却装置入口ライン3143と流体連通している流体冷却装置3142を含む、熱調節システム3140は、
図23で描写されるように、複数の熱交換器、例えば、第1の熱交換器1562および第2の熱交換器1564と流体連通することができる。
図22に示されるようなガスエンクロージャシステム506の種々の実施形態によると、第1の熱交換器1562および第2の熱交換器1564等の種々の熱交換器は、配管アセンブリ1501の第1の配管出口1575および第2の配管出口1576等のダクト出口の近位に位置付けられることによって、循環不活性ガスと熱連通することができる。その点に関して、配管アセンブリ1501の第1の配管入口1571および第2の配管入口1572等のダクト入口等のダクト入口から濾過のために戻されている不活性ガスは、例えば、それぞれ、
図23のファンフィルタユニットアセンブリ1502の第1のファンフィルタユニット1552、第2のファンフィルタユニット1554、および第3のファンフィルタユニット1556を通して循環させられることに先立って、熱的に調節することができる。
【0156】
図22および23のエンクロージャを通した不活性ガス循環の方向を示す矢印から見ることができるように、ファンフィルタユニットは、エンクロージャの最上部から底部に向かって下向きに、実質的に層流の流動を提供するように構成することができる。例えば、Flanders Corporation(Washington, North C
arolina)またはEnvirco Corporation(Sanford, North Carolina)から入手可能なファンフィルタユニットが、本教示によるガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態に組み込むために有用であり得る。ファンフィルタユニットの種々の実施形態は、各ユニットを通して、約350立方フィート/分(CFM)~約700CFMの不活性ガスを交換することができる。
図22および23に示されるように、ファンフィルタユニットが直列ではなく並列配列にあるため、複数のファンフィルタユニットを備えるシステムで交換することができる不活性ガスの量は、使用されるユニットの数に比例する。
【0157】
エンクロージャの底部付近で、ガス流が、配管アセンブリ1501の第1の配管入口1571および第2の配管入口1572として
図22および23で概略的に示される、複数の配管入口に向かって指向される。
図16-18について本明細書で以前に議論されたように、実質的にエンクロージャの底部にダクト入口を位置付け、上ファンフィルタユニットから下向きのガス流を引き起こすことにより、エンクロージャ内でガス雰囲気の良好な転換を促進し、エンクロージャと関連して使用されるガス精製システムを通したガス雰囲気全体の徹底的な転換および移動を助長する。配管アセンブリ1501がガス精製ループ3130を通した循環のために不活性ガス流を分離する、循環および濾過システム1500を使用して、配管を通してガス雰囲気を循環させ、エンクロージャの中でガス雰囲気の層流および徹底的な転換を助長することによって、水および酸素、ならびに溶媒のそれぞれ等の反応種のそれぞれのレベルを、ガスエンクロージャアセンブリの種々の実施形態で、100ppmまたはそれより低く、例えば、1ppmまたはそれより低く、例えば、0.1ppmまたはそれより低く維持することができる。
【0158】
図24は、
図22のガスエンクロージャシステム505の正面概略図であり得る、ガスエンクロージャシステム507の正面概略図である。
図24では、ガスエンクロージャシステム507内に封入されて描写される、印刷システム2001のさらなる詳細を見ることができる。粒子制御システムを有する、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、基板支持装置2200によって支持することができる、
図24の基板2050等の基板の近位に低粒子ゾーンを提供することができる。印刷システムの種々の実施形態のための印刷システム2001の基板支持装置2200は、チャックまたは浮動式テーブルであり得る。本明細書で以前に議論されたように、本教示による、ガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、
図24の配管アセンブリ1501等の配管アセンブリ、ならびにファンフィルタユニット1552が
図24の正面概略図で示される、ファンフィルタユニットアセンブリ1502等の複数のファンフィルタユニットを有することができるファンフィルタユニットアセンブリを含むことができる。矢印によって示されるガス流は、基板2050の近位の濾過されたガスの層流を描写する。層流環境は、乱流を最小限化することができ、クラス1~クラス5によって特定されるようなInternational Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999の規格を満たす、浮遊粒子状物質レベルを維持することができる実質的に低粒子の環境を作成することができることを想起されたい。
【0159】
後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、効果的なガス循環および濾過システムが、粒子制御システムの一部であり得る。しかしながら、本教示の種々の粒子制御システムはまた、印刷プロセス中に基板の近位の粒子生成を防ぐこともできる。ガスエンクロージャシステム507のガスエンクロージャアセンブリ1100について
図24で描写されるように、基板2050は、粒子を生成することができる印刷システム2001の種々の構成要素の近位にあり得る。例えば、X、Zキャリッジアセンブリ2300は、粒子を生成することができる線形ベアリングシステム等の構成要素を含むことができる。サービス束筐体2410は、種々の装置およびシステムから、印刷システムを含むガスエンクロージャシステムまで動作可能に接続される、粒子生成サービス束を含有することができる。サービス束の種々の実施形態は、ガスエンクロージャシステムの内部に配置される種々のアセンブリおよびシステムのための光学、電気、機械、および流体機能を提供するために、束ねられた光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができる。
【0160】
本教示のガスエンクロージャシステムは、粒子制御システムを提供する、種々の構成要素を有することができる。粒子制御システムの種々の実施形態は、そのような粒子含有構成要素をガス循環および濾過システムの中へ排出することができるように、含有されている粒子生成構成要素と流体連通しているガス循環および濾過システムを含むことができる。粒子制御システムの種々の実施形態については、含有されている粒子生成構成要素をデッドスペースの中へ排出することができ、そのような粒子状物質をガスエンクロージャシステム内の再循環のためにアクセス不可能にする。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、種々の構成要素が本質的に低粒子生成であり得、それによって、印刷プロセス中に粒子が基板上に蓄積することを防止する、粒子制御システムを有することができる。本教示の粒子制御システムの種々の構成要素は、基板の近位に低粒子ゾーンを提供するために、粒子生成構成要素の含有および排出、ならびに本質的に低粒子生成である構成要素の選択を利用することができる。
【0161】
OLED印刷システムに使用されるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、処理中に印刷システムの中の基板の物理的位置に従って、ファンフィルタユニットの数を選択することができる。したがって、ファンフィルタユニットの数は、ガスエンクロージャシステムを通した基板の移動に従って異なり得る。例えば、
図25は、
図9で描写されるものに類似するガスエンクロージャシステムである、ガスエンクロージャシステム508の長さに沿って得られる断面図である。ガスエンクロージャシステム508は、ガスエンクロージャアセンブリ基部1320上で支持されるOLEDインクジェット印刷システム2001を収納する、ガスエンクロージャアセンブリ1100を含むことができる。OLED印刷システムの基板浮動式テーブル2200は、基板の処理中にガスエンクロージャシステム508を通して基板を移動させることができる、移動を画定する。したがって、ガスエンクロージャシステム508のファンフィルタユニットアセンブリ1502は、処理中のインクジェット印刷システム2001を通した基板の物理的移動に対応する、1551-1555として示される適切な数のファンフィルタユニットを有する。加えて、
図25の概略断面図は、OLED印刷プロセス中に必要とされる不活性ガスの体積を効果的に減少させ、同時に、例えば、種々のグローブポートに設置されたグローブを使用して、処理中に遠隔で、または保守動作の場合に種々の可撤性パネルによって直接的のいずれかで、ガスエンクロージャアセンブリ1100の内部への即時アクセスを提供することができる、ガスエンクロージャの種々の実施形態の輪郭形成を描写する。
【0162】
図26は、本教示の印刷システムの種々の実施形態による、印刷システム2002を描写する。印刷システム2002は、
図10Bの印刷システム2000について以前に説明されたような特徴の多くを有することができる。印刷システム2002は、印刷システム基部2101によって支持することができる。ブリッジ2130を載置することができる、第1のライザ2120および第2のライザ2122は、印刷システム基部2101に対して直角であり得、その上に載置することができる。インクジェット印刷システム2002の種々の実施形態については、ブリッジ2130は、サービス束キャリアラン2401を通して、基板支持装置2250に対してX軸方向に移動することができる、少なくとも1つのX軸キャリッジアセンブリ2300を支持することができる。後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、印刷システム2002の種々の実施形態については、X軸キャリッジアセンブリ2300は、本質的に低粒子生成である線形空気ベアリング運動システムを利用することができる。本教示の印刷システムの種々の実施形態によると、X軸キャリッジは、その上に搭載されたZ軸移動プレートを有することができる。
図26では、X軸キャリッジアセンブリ2300が、第1のZ軸移動プレート2315を伴って描写されている。印刷システム2002の種々の実施形態では、第2のX軸キャリッジアセンブリは、同様にその上に搭載されたZ軸移動プレートを有することができる、ブリッジ2130上に搭載することができる。その点に関して、
図10Bの印刷システム2000と同様に、OLEDインクジェット印刷システム2002の種々の実施形態について、それぞれ、プリントヘッドアセンブリ、例えば、
図26のプリントヘッドアセンブリ2500、ならびに第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ(図示せず)上に搭載された第2のプリントヘッドアセンブリとともに、2つのキャリッジアセンブリがあり得る。印刷システム2002の種々の実施形態では、
図26のプリントヘッドアセンブリ2500等の第1のプリントヘッドアセンブリを、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載することができる一方で、基板2050の特徴を点検するためのカメラシステムを第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ(図示せず)上に搭載することができる。
図26の印刷システム2002の種々の実施形態では、
図26のプリントヘッドアセンブリ2500等のプリントヘッドアセンブリをX、Z軸キャリッジアセンブリ上に搭載することができる一方で、基板2050上に印刷されるカプセル化層を硬化させるための紫外線ランプまたは熱源のいずれかを第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ(図示せず)上に搭載することができる。
【0163】
印刷システム2002の種々の実施形態によると、基板支持装置2250は、基板をX、Y面に含有することができ、安定したZ軸飛高を固定するために浮動式テーブルを使用することができる、
図10Bの印刷システム2000の浮動式テーブル2200に類似する浮動式テーブルであり得る。印刷システム2002の種々の実施形態では、基板支持装置2250は、チャックであり得る。印刷システム2002の種々の実施形態では、チャックは、基板を載置するための頂面2252を有することができる。印刷システム2002の種々の実施形態では、頂面2252は、交換可能であり得る最上プレートを支持することができ、異なる基板サイズおよび種類の間で容易な交換可能性を可能にする。印刷システム2002の種々の実施形態では、最上プレートは、異なるサイズおよび種類の複数の基板に適応することができる。基板支持装置としてチャックを利用することができる印刷システム2002の種々の実施形態では、当技術分野で公知である真空、磁気、または機械手段を使用して、基板を印刷プロセス中にチャック上でしっかりと保持することができる。精密XYZ運動システムは、Y軸運動アセンブリ2355、ならびにX、Zキャリッジアセンブリ2300を含むことができる、プリントヘッドアセンブリ2500に対して、基板支持装置2250上に載置された基板を位置付けるための種々の構成要素を有することができる。基板支持装置2250は、Y軸運動アセンブリ2355上に載置することができ、例えば、限定されないが、機械ベアリングまたは空気ベアリングのいずれかを利用する線形ベアリングシステムを使用して、レールシステム2360上で移動させることができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、空気ベアリング運動システムは、基板支持装置2250上に配置された基板のY軸方向への無摩擦運搬の促進に役立つ。Y軸運動システム2355はまた、随意に、再度、線形空気ベアリング運動システムまたは線形機械ベアリング運動システムによって提供される、二重レール運動を使用することもできる。本教示によると、例えば、限定されないが、3軸ガントリシステムの種々の実施形態等の他の精密XYZ運動システムを使用することができる。例えば、3軸ガントリシステムの種々の実施形態は、ガントリをY軸方向へ精密に移動させることができる、精密X、Z軸移動のためのガントリブリッジ上に載置されたX、Zキャリッジアセンブリを有することができる。
【0164】
ガスエンクロージャシステム内で低粒子環境を維持するためのガス循環および濾過システムに加えて、
図10Bの印刷システム2000および
図26の印刷システム2002等の印刷システムの種々の実施形態は、印刷プロセス中に基板の近位の粒子生成を防ぐ、ガスエンクロージャシステムに組み込まれた付加的な構成要素を有することができる。例えば、
図10Bの印刷システム2000および
図26の印刷システム2002は、線形空気
ベアリングシステム2320を使用して、X、Zキャリッジアセンブリ2300をブリッジ2130上に載置して位置付けることができる、本質的に低粒子生成のX軸運動システムを有することができる。加えて、
図10Bの印刷システム2000および
図26の印刷システム2002は、サービス束から生成される粒子を含有して排出するためのサービス束筐体排出システム2400を有することができる。
【0165】
本教示によると、サービス束は、非限定的実施例として、光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができる。本教示のサービス束の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、印刷システムと関連付けられる種々のデバイスおよび装置の動作で必要とされる、光学、電気、機械、および流体接続を提供するように、ガスエンクロージャシステム内の種々のシステムおよび装置に動作可能に接続することができる。種々のサービス束のサイズおよび複雑性を考慮すると、種々の運動システムは、多くの場合、運動システムとともに移動させられると、サービス束を管理するためにサービス束キャリアを必要とする。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、サービス束は、ケーブル敷設、ワイヤおよび管類、ならびに同等物の束を規則的な間隔でともに縛るための可撓性のひもであり得る。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、サービス束キャリアは、サービス束のケーブル敷設、ワイヤおよび管類、ならびに同等物の束を覆うことができる、シースまたはジャケットであり得る。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サービス束キャリアは、サービス束のケーブル敷設、ワイヤおよび管類、ならびに同等物の束をともに成形することができる。種々の実施形態では、サービス束キャリアは、ケーブル敷設、ワイヤおよび管類、ならびに同等物の束を支持して担持することができる、分節または可撓性チェーンであり得る。
【0166】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態によると、サービス束キャリアを使用して管理されるサービス束を含むことができる、サービス束筐体は、サービス束筐体内のサービス束およびサービス束キャリアから生成される粒子状物質を含有することができる。加えて、後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、サービス束キャリアの移動は、サービス束筐体内で移動するにつれてピストンのような様式で空気体積を圧縮することができ、サービス束キャリアと関連付けられる粒子生成構成要素から形成される粒子状物質が、例えば、キャリアランによって形成される開口部を通って脱出することを可能にすることができる、内部サービス束筐体とサービス束筐体の外部の周辺環境との間で陽圧差を生成する。基板のちょうど近位にあるそのような粒子状物質は、循環および濾過システムの中へ通過させられる前に、基板表面を汚染する大幅な可能性を有する。したがって、サービス束筐体排出システムは、実質的に低粒子の印刷環境を確保するために、サービス束筐体を含有して排出することができる、ガスエンクロージャシステムの粒子制御システムの種々の実施形態の構成要素であり得る。
【0167】
図26に示され、鎖線によって示されるように、サービス束筐体排出システム2400の種々の実施形態については、サービス束筐体2410およびサービス束筐体排出プレナム2420は、一体アセンブリであり得る。そのような実施形態については、サービス束筐体排出システム2400は、サービス束筐体排出プレナムの第1のダクト2422およびサービス束筐体排出プレナムの第2のダクト2424を通してガス循環および濾過システムの中へ、サービス束筐体2410の中で生成される粒子を排出するために、サービス束筐体の入口部分と出口部分との間の陽圧差を維持できることを確実にすることができる。代替として、種々の実施形態については、サービス束筐体排出システム2400は、サービス束筐体2410に載置し、それと流体連通することができる、サービス束筐体排出プレナム2420を含むことができる。サービス束筐体2410は、束ねられた光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができる、サービス束によって生成される粒子を含有することができる。本教示のサービス束の種々の実施形態は、ガスエンクロージャの内部に配置される種々のアセンブリおよびシステムのための光学、電気、機械、および流体機能のうちの少なくとも1つを、印刷システムを含むことができるガスエンクロージャシステムに提供することができる。印刷システム2002の種々の実施形態については、サービス束筐体排出システム2400は、サービス束筐体2410に含有された粒子をサービス束筐体排出プレナム2420の中へ排出するために、サービス束筐体の入口部分と出口部分との間の陽圧差を維持できることを確実にすることができる。サービス束筐体排出プレナム2420は、サービス束筐体排出プレナムの第1のダクト2422およびサービス束筐体排出プレナムの第2のダクト2424を通して、ガス循環および濾過システムと流体連通することができる。代替として、サービス束筐体排出プレナムの第1のダクト2422およびサービス束筐体排出プレナムの第2のダクト2424は、サービス束筐体によって含有された粒子を、サービス束筐体排出プレナムを通して排出し、標的デッドスペースの中へつながる可撓性排出管を介して指向することができるように、可撓性排出ホースを装着することができる。
【0168】
さらに、サービス束筐体排出システムの入口部分と出口部分との間で陽圧差を維持することに加えて、サービス束筐体排出システムの種々の実施形態については、比較的中立または負の圧力差を、サービス束筐体排出システムの内部と周辺環境との間でさらに維持することができる。サービス束筐体排出システムの内部と周辺環境との間で維持することができる、そのような比較的中立または負の圧力差は、亀裂、継目、および同等物を通したサービス束筐体排出システムからの粒子の漏出を防止することができる。基板のちょうど近位にある亀裂、継目、および同等物を通した粒子の漏出は、循環および濾過システムの中へ通過させられる前に、基板表面を汚染する大幅な可能性を有する。
【0169】
図27Aは、本教示の種々の実施形態による、低粒子生成X軸運動システム2320の側面断面図を描写する。
図27Aでは、低粒子生成X軸運動システム2320は、
図27Aに示されるように、サービス束筐体2410を有することができる、サービス束筐体排出システム2400、およびサービス束筐体排出プレナムの第1のダクト2422と流体連通しているサービス束筐体排出プレナム2420との関係で描写されている。印刷システム2002は、基板支持装置2250を載置することができる、基部2101を含むことができる。X、Zキャリッジアセンブリ2300は、ブリッジ2130に載置することができる。
図27Aで提示される断面図で見ることができるように、X軸運動システム2320は、本質的に低粒子生成である、線形空気ベアリング運動システムであり得る。X軸運動システム2320は、複数の空気ベアリングパック2330と、ブラシレスリニアモータ2340とを含むことができる。サービス束キャリア2430は、X、Zキャリッジアセンブリ2300に載置することができ、かつサービス束筐体2410に収納することができる。
図27Aで描写されるように、サービス束筐体排出プレナム2420は、サービス束筐体2410と流体連通するとともに、サービス束筐体排出プレナムの第1のダクト2422等の配管を通してガス循環および濾過システムと流体連通することができる。その点に関して、サービス束筐体2410は、サービス束の種々の実施形態から生成される粒子を排出することができる。本教示によるサービス束は、例えば、限定されないが、サービス束キャリア2430の種々の実施形態を使用して管理することができる、光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができる束であり得る。本教示のサービス束の種々の実施形態は、例えば、限定されないが、印刷システムを操作するために必要とされる、種々の光学、電気、機械、および流体接続を提供するように、印刷システムに動作可能に接続することができる。本教示のガスエンクロージャの種々の実施形態については、サービス束キャリア2430等のサービス束キャリアは、サービス束筐体の底部側2404によって支持することができる。本教示のガスエンクロージャの種々の実施形態については、サービス束キャリア2430等のサービス束キャリアは、トレイまたは棚によって支持することができる。
【0170】
図27Bは、印刷システム2002の低粒子生成X軸運動システム2320をさらに詳細に描写する、
図27Aの拡大図である。複数の空気ベアリングパック2330をX、Z軸キャリッジアセンブリ2300の内面に載置することができる。その点に関して、低粒子生成X軸運動システム2320の種々の実施形態は、ブリッジ2130にわたってX、Z軸キャリッジアセンブリ2300の無摩擦移動を提供することができる。
図27Aでは、第1のパック2332および第2のパック2334は、ブリッジ2130の第1の側面2132の近位に示されている。
図27Bの第3のパック2336が、ブリッジ2130の頂面2133の近位にあり得る一方で、第4のパック2338は、ブリッジ2130の第2の側面2134の近位にあり得る。ブラシレスリニアモータは、ブリッジ2130上に載置することができるX、Z軸キャリッジアセンブリ磁石トラック2342と、X、Z軸キャリッジアセンブリ2300に載置することができるリニアモータ巻線2344とを含むことができる。リニアモータ2340を位置付けるために、エンコーダ読取ヘッド2346をリニアモータ巻線2344と関連付けることができる。ブラシレスリニアモータ2340の種々の実施形態では、エンコーダ読取ヘッド2346は、光学エンコーダであり得る。後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、無摩擦空気ベアリングパック上で利用する低粒子X軸運動システム2320の種々の実施形態は、
図33および
図34について示され、説明されるように、圧縮機ループの種々の実施形態と統合することができる。最終的に、
図27Bに示されるように、サービス束筐体排出システム2400は、サービス束キャリア2430を収納することができる、サービス束筐体2410を含むことができる。サービス束筐体排出システム2400は、サービス束キャリア2430等のサービス束キャリアを使用して管理することができる、サービス束から生成することができる、サービス束筐体2410からの排出粒子を含有して排出することができる。
【0171】
図28Aは、ブリッジ2130の上に載置されたサービス束筐体排出システム2400を有して示される、印刷システム2003の正面斜視図である。印刷システム2003の種々の実施形態は、
図10Bの印刷システム2000および
図26の印刷システム2002について以前に説明されたような多くの特徴を有することができる。例えば、印刷システム2003は、印刷システム基部2101によって支持することができる。ブリッジ2130を載置することができる、第1のライザ2120および第2のライザ2122は、印刷システム基部2101に対して直角であり得、その上に載置することができる。インクジェット印刷システム2003の種々の実施形態について、ブリッジ2130は、サービス束キャリアラン2401を通して基板支持装置2250に対してX軸方向へ移動することができる、少なくとも1つのX軸キャリッジアセンブリ2300を支持することができる。本教示の印刷システムの種々の実施形態によると、X軸キャリッジ2300は、その上に載置されたZ軸移動プレート2310を有することができる。その点に関して、キャリッジアセンブリ2300の種々の実施形態は、基板支持装置2250に対するプリントヘッドアセンブリ2500の精密X、Z位置付けを提供することができる。印刷システム2003の種々の実施形態では、第2のX軸キャリッジアセンブリは、第2のX軸キャリッジがその上に載置されたZ軸移動プレートを有することができる、ブリッジ2130上に載置することができる。2つのX軸キャリッジアセンブリを有する、印刷システム2003の実施形態については、プリントヘッドアセンブリを各X、Z軸キャリッジ上に載置することができるか、または
図10Bの印刷システム2000および
図26の2002について説明されるように、例えば、カメラ、紫外線ランプ、および熱源として、種々の他のデバイスを2つのX、Z軸キャリッジアセンブリ上に載置することができるかのいずれかである。印刷システム2003の種々の実施形態によると、基板を支持するための基板支持装置2250は、
図10Bの印刷システム2000の浮動式テーブル2200に類似する浮動式テーブルであり得るか、または
図26の印刷システム2002について以前に説明されたようなチャックであり得る。
図28Aの印刷システム2003は、空気ベアリング線形スライダアセンブリを使用して、X、Zキャリッジアセンブリ2300をブリッジ2130上に載置して位置付けることができる、本質的に低粒子生成のX軸運動シス
テムを有することができる。本教示の種々の印刷システムについては、空気ベアリング線形スライダアセンブリは、ブリッジ2130の全体を包み込むことができ、ブリッジ2130上でX、Zキャリッジアセンブリ2300の無摩擦移動を可能にし、X、Zキャリッジアセンブリ2300の移動の精度を保つことができる3点載置も提供するとともに、スキューに抵抗する。
【0172】
プリントヘッドアセンブリに対する基板の精密移動に関して、
図28Aの印刷システム2003の種々の実施形態は、X、Zキャリッジアセンブリ2300に加えて、Y軸運動アセンブリ2355を含むことができる、精密XYZ運動システムを有することができる。基板支持装置2250は、Y軸運動アセンブリ2355上に載置することができ、例えば、限定されないが、機械ベアリングまたは空気ベアリングのいずれかを利用する線形ベアリングシステムを使用して、レールシステム2360上で移動させることができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、空気ベアリング運動システムは、基板支持装置2250上に配置された基板のY軸方向への無摩擦運搬の促進に役立つ。Y軸運動システム2355はまた、随意に、再度、線形空気ベアリング運動システムまたは線形機械ベアリング運動システムによって提供される、二重レール運動を使用することもできる。本教示によると、例えば、限定されないが、3軸ガントリシステムの種々の実施形態等の他の精密XYZ運動システムを使用することができる。例えば、3軸ガントリシステムの種々の実施形態は、ガントリをY軸方向へ精密に移動させることができる、精密X、Z軸移動のためのガントリブリッジ上に載置されたX、Zキャリッジアセンブリを有することができる。
【0173】
図28Aで描写されるように、印刷システム2003の種々の実施形態については、サービス束筐体排出システム2400は、ブリッジ2130を覆って載置することができる。サービス束筐体排出システム2400は、サービス束筐体2410に載置し、それと流体連通することができる、サービス束筐体排出プレナム2420を含むことができる。サービス束筐体2410は、束ねられた光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤ、および管類を含むことができる、サービス束によって生成される粒子を含有することができる。本教示のサービス束の種々の実施形態は、内部に配置される種々のアセンブリおよびシステムのための光学、電気、機械、および流体機能のうちの少なくとも1つを、印刷システムを含むことができるガスエンクロージャシステムに提供することができる。印刷システム2003の種々の実施形態については、サービス束筐体排出システム2400は、サービス束筐体排出プレナム2420の中へ、サービス束筐体2410の中で含有される粒子を排出するために、サービス束筐体排出システムの入口部分と出口部分との間の陽圧差を維持できることを確実にすることができる。サービス束筐体排出プレナム2420は、サービス束筐体排出プレナムの第1のダクト2422およびサービス束筐体排出プレナムの第2のダクト2424を通して、ガス循環および濾過システムと流体連通することができる。代替として、サービス束筐体排出プレナムの第1のダクト2422およびサービス束筐体排出プレナムの第2のダクト2424は、サービス束筐体によって含有された粒子を、サービス束筐体排出プレナムを通して排出し、標的デッドスペースの中へつながる可撓性排出管を介して指向することができるように、可撓性排出ホースを装着することができる。
【0174】
さらに、サービス束筐体排出システムの種々の実施形態については、サービス束筐体排出システムの入口部分と出口部分との間で陽圧差を維持することに加えて、比較的中立または負の圧力差を、サービス束筐体排出システムの内部と周辺環境との間でさらに維持することができる。サービス束筐体排出システムの内部と周辺環境との間で維持することができる、そのような比較的中立または負の圧力差は、亀裂、継目、および同等物を通したサービス束筐体排出システムからの粒子の漏出を防止することができる。基板のちょうど近位にある亀裂、継目、および同等物を通した粒子の漏出は、循環および濾過システムの中へ通過させられる前に、基板表面を汚染する大幅な可能性を有する。
【0175】
図28Bは、印刷システム2003の拡大部分切断正面斜視図を描写する。
図28Bでは、X、Zキャリッジアセンブリ2300は、ブリッジ2130の上にX、Zキャリッジアセンブリ2300キャリッジを位置付けるために、空気ベアリング線形スライダアセンブリを利用することができる。X、Zキャリッジアセンブリ2300の移動は、サービス束キャリアラン2401によって画定される距離にわたってX軸方向へ移動する。サービス束キャリアラン2401は、サービス束筐体2410に収納され、例えば、限定されないが、プリントヘッドアセンブリ2500に接続することができる、サービス束の中へ束ねられる、光学ケーブル、電気ケーブル、ワイヤおよび管類の移動を可能にする、開口部である。種々のサービス束のサイズおよび複雑性を考慮すると、種々の運動システムは、多くの場合、運動システムとともに移動させられると、サービス束を管理するためにサービス束キャリアを必要とする。その点に関して、サービス束キャリア2430は、
図28Bのサービス束筐体2410に収納されて示されている。印刷中に、キャリッジアセンブリが、その下方に位置付けられた基板に対してX軸方向にプリントヘッドアセンブリを正確に位置付けるように移動すると、ケーブル、ワイヤおよび管類、ならびに同等物を含むことができる、サービス束の移動、ならびにサービス束キャリア自体の移動が、サービス束筐体の下方に位置付けられた基板のちょうど近位に粒子状物質を生成し得る。また、サービス束キャリアの移動は、サービス束筐体内で移動するにつれてピストンのような様式で空気体積を圧縮することができ、サービス束キャリアと関連付けられる粒子生成構成要素から形成される粒子状物質が、例えば、キャリアラン2401を通って脱出することを可能にすることができる、陽圧を生成する。基板のちょうど近位にあるそのような粒子状物質は、循環および濾過システムの中へ通過させられる前に、基板表面を汚染する大幅な可能性を有する。したがって、サービス束筐体排出システムは、実質的に低粒子の印刷環境を確保することができる、ガスエンクロージャシステムの粒子制御システムの種々の実施形態の構成要素であり得る。
【0176】
図28Bでは、サービス束筐体頂面2402は、スロット付き頂面を形成する、一式のスロット2414を有して示されている。
図28Bのサービス束筐体排出システム2400の種々の実施形態については、サービス束キャリアと関連付けられる粒子生成構成要素から形成される粒子状物質が、循環および濾過システムの中へ通過させられることを確実にするためのそのようなシステムの2つの要件があり、すなわち、1)サービス束筐体排出システムを通した排出流は、サービス束筐体の中で移動するにつれて、サービス束キャリアのガス圧縮側上の体積変化より大きくなるべきであり、2)サービス束筐体容積を効果的に一掃する一定の排出流の均等な分布が存在するべきである。本教示のサービス束筐体排出システムの種々の実施形態は、これら2つの要件が満たされることを確実にする。
【0177】
例えば、
図29Aで描写されるように、サービス束筐体排出システムの種々の実施形態は、サービス束キャリア2430を収納するために使用することができる、サービス束筐体2410を含むことができる。
図29Aでは、サービス束キャリア2430は、分節可撓性チェーン型のサービス束キャリアとして描写され、使用することができる種々の他の種類のサービス束キャリアは、同様に挙動することができ、それによって、本教示のサービス束筐体排出システムの種々の実施形態の使用を必要とする。サービス束キャリアラン2401は、サービス束キャリアの移動によって生成される陽圧の結果として、サービス束キャリアと関連付けられる粒子生成構成要素から形成される粒子状物質が、例えば、サービス束筐体から脱出することを可能にすることができる、開口部である。サービス束筐体排出システム2420は、サービス束筐体排出プレナムの第1のダクト2422およびサービス束筐体排出プレナムの第2のダクト2424を通してガス循環および濾過システムの中へ、サービス束キャリアと関連付けられる粒子生成構成要素を排出できることを確実にすることにできる、陽圧で維持することができる。
図29Aで示されるようなサービス束筐体頂面2402に形成された一式のサービス束筐体スロット2412は、サービス束筐体2410の容積を効果的に一掃する一定の排出流の均等な分布を確保することができる。
【0178】
サービス束筐体スロット2412は、サービス束筐体の最上側2402にわたって形成されて
図29Aに示されるが、
図29Bで描写されるように、一式のスロットがサービス束筐体の種々の表面上に位置できることを理解することができる。
図29Bで描写されるように、一式のスロットは、サービス束筐体の底部側2404(セットI)、サービス束筐体の第1の側面2406(セットII)、ならびにサービス束筐体の第2の側面2408(セットIII)の上に位置することができる。また、
図29Cで描写されるように、スロットは、サービス束筐体容積を効果的に一掃するように一定の排出流の均等な分布を助長するための一種の開口部であり得るが、種々の形状、アスペクト比、および場所を有する開口部を使用することができる。
図29Cに示されるように、サービス束筐体容積を効果的に一掃するように一定の排出流の均等な分布を助長するために、サービス束筐体の最上側2402に形成されるものとして描写される、第1のサービス束筐体の開口部2411および第2のサービス束筐体の開口部2413等の実質的に円形の開口部を使用することができる。
図29Cで描写されるように、実質的に円形の開口部の代替的な配置は、サービス束筐体の端部上であり得る。
図29Cでは、サービス束筐体容積を効果的に一掃するように一定の排出流の均等な分布を助長するために、それぞれ、サービス束筐体の第1の端部2415およびサービス束筐体の第2の端部2417に形成されるものとして描写される、第1のサービス束筐体の開口部2411および第2のサービス束筐体の開口部2413を使用することができる。加えて、サービス束筐体の種々の実施形態は、第1のサービス束キャリア2401と、第2のサービス束キャリアラン2407とを有してもよい。サービス束筐体頂面2402は、それぞれ、第1のサービス束キャリア2401および第2のサービス束キャリアラン2407の近位に、第1の一式のスロット2412および第2の一式のスロット2414を有することができ、サービス束筐体容積を効果的に一掃するように一定の排出流の均等な分布を助長するために使用することができる。最終的に、
図27Bに示されるように、サービス束筐体排出システムが単一の部品である筐体を含むとき、効果的な排出ガス流を考慮することによって、一定の排出流の一様な分布を助長することができる。
【0179】
図30A/30B-
図32A/32Bで描写されるような本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、エンクロージャの中のガス雰囲気の層流および徹底的な転換を助長することができ、それによって、浮遊粒子状物質のための実質的に低粒子の環境を維持できることを確実にするガス循環および濾過システムに関して、
図22、
図23、および
図24に関して本明細書で以前に議論されたような特徴を有することができる。本明細書で以前に議論されたように、低粒子状物質浮遊仕様を維持するための循環および濾過システムは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のための粒子状物質制御システムの一部である。本教示の粒子制御システムはまた、空気ベアリングを利用するとともに、サービス束筐体排出システムを利用する、低粒子生成X軸運動システムを含むこともできる。空気ベアリングを利用する低粒子生成X軸運動システムの種々の実施形態は、実質的に、粒子状物質の生成を排除することができる。さらに、印刷プロセス中に基板のちょうど近位で生成される粒子状物質を含有し、次いで、除去のために循環および濾過システムの中へ通過させることができることを確実にするために、サービス束筐体排出システムの種々の実施形態を利用することができる。加えて、
図30A/30B-
図32A/32Bで描写されるように、印刷プロセス中に基板の近位に位置付けることができる、種々のデバイス、装置、サービス束、および同等物によって形成される粒子状物質を制御するために、本教示の粒子制御システム種々の実施形態は、プリントヘッドアセンブリ排出システムを有することができる。
【0180】
図30A/30Bが、ガスエンクロージャシステム509を描写する一方で、
図31A
/31Bは、ガスエンクロージャシステム510を描写し、
図32A/32Bは、ガスエンクロージャシステム511を描写し、その全ては、示されるように、
図22および
図23について以前に説明されたような特徴を有することができる。ガスエンクロージャシステム509-511は、循環および濾過システム1500、ガス精製システム3130、および熱調節システム3140を有することができる。循環および濾過システム1500は、配管アセンブリ1501と、ファンフィルタユニットアセンブリ1502とを含むことができる。配管アセンブリ1501は、効果的にガス精製システム3130と流体連通している導管である、空間1580を効果的に画定することによって、ファンフィルタユニットアセンブリ1502を通して内部から、ガス精製システム3130まで外部に再循環させられる、不活性ガスを分離することができる。空間1580は、ガス精製出口ライン3131およびガス精製入口ライン3133を通して、ガス精製システム3130(
図12および
図13)と流体連通することができる。
図16-18について説明されるような配管システムの種々の実施形態を含む、そのような循環システムは、実質的に層流の流動を提供し、乱流を最小限化し、エンクロージャの内部の中のガス雰囲気の粒子状物質の循環、転換、および濾過を助長し、ガスエンクロージャアセンブリの外部のガス精製システムを通して循環を提供する。
【0181】
加えて、それぞれ、
図30A/30B-
図32A/32Bで描写されるガスエンクロージャシステム509-511は、印刷システム2003と関連付けられる種々のアセンブリによって形成される粒子状物質を含有して排出するために利用することができる、プリントヘッドアセンブリ排出システム2600を有することができる。ガスエンクロージャシステム509、510、および511の種々の実施形態については、プリントヘッドアセンブリ排出システム2600は、例えば、限定されないが、それぞれ、
図30A/30B、
図31A/31B、および
図32A/32Bで描写されるように、その上にプリントヘッドアセンブリ2500を添着することができる、キャリッジアセンブリ2300を収納することができる。そのような移動プレートは、本明細書で以前に議論されたように、OLED印刷システムの動作中に粒子を生成することができる、摩擦ベアリングを利用することができる。加えて、本明細書で以前に議論されたように、カプセル化層を硬化させるための紫外線ランプアセンブリまたは熱源アセンブリ等の装置を載置するために、キャリッジアセンブリを使用することができる。紫外線ランプまたは熱源のいずれかは、ファンを使用する冷却を必要とし得る。
【0182】
したがって、ガスエンクロージャシステム509、510、および511のプリントヘッドアセンブリ排出システム2600は、印刷プロセス中に基板の近位に位置付けることができる種々のデバイス、装置、サービス束、および同等物によって形成される、粒子状物質を包含して排出するために使用される、粒子状物質制御システムの一部であり得る。ガスエンクロージャシステム509、510、および511のプリントヘッドアセンブリ排出システム2600等のプリントヘッドアセンブリ排出システムの種々の実施形態は、プリントヘッドアセンブリの種々の構成要素によって生成される粒子をガス循環および濾過システムの中へ排出するために、プリントヘッドアセンブリ排出筐体の入口部分と出口部分との間で陽圧差を維持できることを確実にすることができる。プリントヘッドアセンブリ排出システムの種々の実施形態については、プリントヘッドアセンブリの種々の構成要素によって生成される粒子をデッドスペースの中へ排出するために、プリントヘッドアセンブリ排出筐体の入口部分と出口部分との間で陽圧差を維持することができる。後に本明細書でさらに詳細に議論されるように、限定されないが、プリントヘッドアセンブリ排出筐体と循環および濾過システムとの間に流体連通を提供すること等のファンならびに他のシステム構成要素の使用によって、プリントヘッドアセンブリの種々の構成要素によって生成される粒子を排出するための陽圧差を生成することができる。
【0183】
プリントヘッドアセンブリ排出システムの種々の実施形態については、プリントヘッド
排出アセンブリの入口部分と出口部分との間で陽圧差を維持することに加えて、比較的中立または負の圧力差を、プリントヘッド排出アセンブリの内部と周辺環境との間でさらに維持することができる。プリントヘッド排出アセンブリの内部と周辺環境との間で維持することができる、そのような比較的中立または負の圧力差は、亀裂、継目、および同等物を通したプリントヘッド排出アセンブリからの粒子の漏出を防止することができる。基板のちょうど近位にある亀裂、継目、および同等物を通した粒子の漏出は、循環および濾過システムの中へ通過させられる前に、基板表面を汚染する大幅な可能性を有する。
【0184】
図30Aおよび
図30Bで描写されるように、サービス束筐体2410は、印刷システム2003のブリッジ2130の上で支持することができる。
図10Bの印刷システム2000を参照して本明細書で以前に議論されたように、キャリッジアセンブリ2300は、その上にプリントヘッドアセンブリ2500を添着することができるZ軸移動プレートを含む、X-Z軸移動を制御するための構成要素を有することができる。プリントヘッドアセンブリ排出システム筐体2610は、サービス束筐体2410、例えば、限定されないが、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第1の導管2612と流体連通することができる。サービス束筐体2410は、例えば、限定されないが、第2の配管導管1574と流体連通することができる、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第2の導管2614を通して、配管アセンブリ1501と流体連通することができる。移動プレート等の粒子を生成する危険がある構成要素を含有することができる、
図30Aおよび
図30Bのプリントヘッドアセンブリ排出システム2600は、プリントヘッドアセンブリ排出システム2600を通してサービス束筐体2410の中へガス移動を助長するために、ファン2620等の少なくとも1つのファンを有することができる。その点に関して、プリントヘッドアセンブリ排出システム2600およびサービス束筐体2410に含有される空気の全体は、
図30Aで描写されるように、循環および濾過システム1500によって効果的に濾過することができる。
【0185】
本教示によると、基板支持装置上に載置された基板から離れてデッドスペースの中で集合する粒子状物質は、ガスエンクロージャシステム内で再循環させることができない。その点に関して、
図31A/31Bおよび
図32A/32Bで描写されるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、配管システムの中へ、ならびにデッドスペースの中へ粒子状物質を指向することを利用することができる。定期的なガスエンクロージャシステム保守中に、そのような粒子状物質をデッドスペースから除去することができる。
【0186】
その点に関して、
図31Aおよび
図31Bのガスエンクロージャシステム510等のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、サービス束筐体2410は、循環および濾過システム1500と流体連通することができる。
図31Bで描写されるように、プリントヘッドアセンブリ排出システム筐体2610は、サービス束筐体2410、例えば、限定されないが、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第1の導管2612と流体連通することができる。サービス束筐体2410は、配管アセンブリ1501の第2の配管入口1572の近位に出口端を有することができる、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第2の導管2614と流体連通することができる。その点に関して、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第2の導管2614は、第2の配管導管1574を介して、配管アセンブリと流体連通することができる。プリントヘッドアセンブリ排出システムの第1の導管2612は、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第1の導管2612を通してガス移動を助長するために、ファン2620等のファンを有することができる。加えて、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第2の導管2614は、
図31Aで描写されるように、プリントヘッドアセンブリ排出システム2600およびサービス束筐体2410によって含有される粒子を循環および濾過システム1500によって効果的に濾過することができるように、プリントヘッドアセンブリ排出システム2614を通してガス移動を助長するために、ファン2622を有することができる。
図31Aおよび
図31Bのガスエンクロージャシステム510等のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、第2の配管入口1572に流入させられない任意の粒子状物質は、デッドスペース1590に向かった軌道を有するであろう。
【0187】
図32Aおよび
図32Bのガスエンクロージャシステム511について描写されるように、サービス束筐体2410は、循環および濾過システム1500と流体連通することができる。
図32Bで描写されるように、プリントヘッドアセンブリ排出システム筐体2610は、サービス束筐体2410、例えば、限定されないが、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第1の導管2612を通してガス移動を助長するために、ファン2620等のファンを有することができる、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第1の導管2612と流体連通することができる。サービス束筐体2410は、フィルタヘッド2616を有することができる、プリントヘッドアセンブリ排出システム第2の導管2614と流体連通することができる。フィルタヘッド2616は、プリントヘッドアセンブリ排出システム2600からサービス束筐体2410の中へ発散する粒子状物質を濾過し、フィルタヘッド2616から流動する低粒子ガス流をガスエンクロージャシステム511の中へ直接指向することができる。その点に関して、プリントヘッドアセンブリ排出システムの第2の導管2614は、低粒子ガスをガスエンクロージャシステム511の中へ排出することができ、これは、次いで、
図32Aで描写されるように、ガスエンクロージャシステム511の循環および濾過システム1500を通して循環させることができる。
【0188】
図12のガスエンクロージャシステム501および
図13のガスエンクロージャおよびガスエンクロージャシステム502等の本教示の種々のガスエンクロージャシステムは、種々のガスエンクロージャ、例えば、限定されないが、
図1Aのガスエンクロージャ100および
図9のガスエンクロージャ1000を利用することができる。さらに、
図1Aのガスエンクロージャ100および
図9のガスエンクロージャ1000等の種々のガスエンクロージャは、
図10Bの印刷システム2000、
図26の印刷システム2002、および
図28Aの
図2003等の種々の印刷システムを収納することができる。本教示のガスエンクロージャシステムおよび方法については、ガスエンクロージャの制御された環境を監視することが、ガスエンクロージャの制御された環境を維持することの重要な側面である。
【0189】
監視することができる制御された環境の1つのパラメータは、粒子状物質の制御の有効性である。システム検証、ならびに継続中の原位置システム監視を、浮遊および基板上粒子監視の両方に行うことができる。
【0190】
浮遊粒子状物質の判定は、例えば、可搬性粒子計数デバイスを使用して、システム検証のために印刷プロセスの前にガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、浮遊粒子状物質の判定は、基板が印刷されている間に原位置で継続中の品質チェックとして行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、浮遊粒子状物質の判定は、基板が印刷される前に、加えて、基板が印刷されている間に原位置で、システム検証のために行うことができる。
【0191】
図33は、浮遊粒子状物質を測定するためのデバイスを描写する。本教示によると、
図33の粒子カウンタ800の種々の実施形態は、手持ち式または別様に可搬性であり得る。
図33で描写されるように、粒子カウンタ800は、電源ボタン810、ならびに監視されている粒径、そのサイズの粒子状物質の現在の数等の種々のパラメータのリアルタイム視覚監視のためのディスプレイ812を有することができる。本教示の可搬性粒子カウンタは、分析中にいくつかの粒径範囲を監視するための複数のチャネルを有することができる。非限定的実施例として、粒子カウンタ800のディスプレイ812は、3つの明確に異なる粒径範囲を監視して描写されている。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、約≧0.3μmのサイズ範囲内の粒子の急増が、例えば、ガスエンクロージャシステムの濾過システムの誤動作の初期指標であり得るため、その範囲内のサイズの粒子を監視することは、システム品質を監視するために有用であり得る。本教示による粒子カウンタの種々の実施形態は、粒子カウンタから、非限定的実施例として、粒子カウンタからのデータの継続中の収集および記憶を提供することができる、コンピュータまでのケーブルまたは無線接続(図示せず)を有することができる。粒子カウンタ800は、空気サンプルを粒子カウンタ800に引き込むための入口ノズル814を有することができる。浮遊粒子状物質を測定するための粒子カウンタの種々の実施形態は、サンプル流速、および粒子、具体的には、小粒子の空気力学に関係付けられるカウント誤差を低減させることができる、
図33のサンプリングプローブ816等の等運動性サンプリングプローブを有することができる。流量中の粒子状物質に関して正確である結果を得るために、サンプリングシステムを通るサンプル流は、サンプリング点入口での速度が、その点でのガス流の速度と同一であるようなものとなるべきである。等運動性サンプリングプローブは、サンプリングプローブコネクタ817を使用して、入口ノズル814に取り付けることができる、入口プローブ815を有することができる。サンプリングプローブ816の種々の実施形態については、サンプリングプローブコネクタ817は、可撓性管類の一区分であり得る。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態でのサンプリングについては、サンプリングプローブ816の入口プローブ815は、空気流の中へ直接対面することができる。
【0192】
種々の商業用粒子カウンタは、光遮断、直接撮像、および光散乱を含むことができる、種々の測定原則に基づくことができるが、粒子からの光散乱に基づく測定は、粒径を含む、目的とする情報を生じるために適している。原則として、光散乱を使用して、約1nmまでの粒径を判定することができる。
【0193】
図34は、光散乱に基づく粒子カウンタ検出器830の概略図である。光散乱に基づく粒子カウンタ検出器は、光源820等の既知の波長の既知の波長範囲の電磁放射線源を有することができる。粒子カウンタ検出器830の種々の実施形態については、光源820は、既知の波長の光を発するレーザ源であり得る。粒子カウンタの種々の実施形態について、特に、独占的ではないが手持ち式かつ可搬性の粒子計数デバイスについて、光源820は、約600nm~約850nmの既知の波長の光を発する、発光ダイオード(LED)であり得る。放射光源光821は、上面断面図として
図34で描写される、流路824の検出領域822で集束させることができる。検出領域822中の任意の粒子は、光を散乱させ、前方散乱光823、または光路825について描写されるような放射光源光821の方向に対して直角を含む、いくつかの角度方向で散乱させられる光を生成することができる。検出領域822中の粒子によって直角に散乱させられる光は、集束レンズ826を使用して集束させることができ、例えば、フォトダイオード技術に基づく、種々の種類の測光検出器であり得る、検出器828によって検出される前に、少なくとも1つの光学フィルタ、例えば、空間または光学帯域通過フィルタ、あるいはそれらの組み合わせを使用して、フィルタにかけることができる。各サイズ範囲が定義された濃度を有する、種々のサイズ範囲内の粒子の定義された分布の粒子状物質を有する、エアロゾル等の較正規格を使用して、粒子カウンタの種々の実施形態を較正することができる。
【0194】
例えば、光散乱に基づく種々の商業用粒子カウンタは、約≧0.3μm~約≧10μmの範囲内の浮遊粒径を検出し、概して、立方フィートまたは立方メートルとして、空気の体積あたりの特定サイズの粒子の数を報告することができる。種々の商業用粒子カウンタは、特定サイズの最大約100万~約300万個の粒子を数えることができる。その点に関して、種々の商業用較正規格は、約≧0.3μm~約≧10μmの粒子被覆の分布、例えば、粒子の各集団が最大約100万~約300万個の粒子の検出限界であり得る、定義
された濃度を有する、その範囲を覆う種の2峰性または3峰性分布を有することができる。本明細書で以前に議論されたように、浮遊粒子状物質を判定するための種々の粒子カウンタは、いくつかの粒径範囲を監視するための複数のチャネルを有することができる。1つの光源および1つの検出器とともに示されるが、浮遊粒子状物質を判定するための粒子カウンタの種々の実施形態は、1つより多くの光源、および種々の角度で散乱させられる光を監視するための種々の位置における複数の検出器を有することができる。そのような浮遊粒子カウンタは、約≧0.1μm~約≧10.0μmの浮遊粒子状物質の広い動的粒径範囲にわたって監視および報告することができる。
【0195】
図35は、粒子カウンタアイコン800A-800Dを使用した概略表現であり、粒子計数デバイスの種々の実施形態が、基板の近位にある印刷システムの低粒子ゾーンに対して位置することができる場所を伝えるように意図されている。
図35のガスエンクロージャシステム512は、限定されないが、ガスエンクロージャアセンブリ1100と、熱交換器1562より近位にあるファンフィルタユニット1552によって示されるような循環および濾過システムと統合することができる熱調節システム3140とを含む、ガスエンクロージャシステム500-511について本明細書で以前に説明されたような構成要素を有することができる。
図35のガスエンクロージャシステム512は、ガス精製システム(図示せず)への出口ライン3131および入口ライン3133を有するとともに、印刷システム2004を収納することができる。印刷システム2004は、その上に基板支持装置2200を載置することができる、基部2101を有することができる。印刷システム2004は、加えて、その上に載置された第1キャリッジアセンブリ2300Aおよび第2のキャリッジアセンブリ2300Bを有することができる、ブリッジ2130を有することができる。印刷システム2004はまた、サービスケーブル(図示せず)を収納するためのサービスケーブル筐体2410を有することもできる。
【0196】
図35に関して、少なくとも1つの粒子カウンタは、例えば、ファンフィルタユニット1552の層流で描写される、粒子カウンタアイコン800Aによって示されるように、サービス束筐体2410の上に位置付けるか、または載置することができる。ファンフィルタユニットからのガスの層流中にそのように位置付けられる粒子カウンタは、ガスエンクロージャシステムの濾過システムの有効性を監視することを可能にすることができる。加えて、印刷システム2004のブリッジ2130は、プリントヘッドアセンブリ2500を載置することができる、第1のX、Z軸キャリッジアセンブリ2300Aを支持することができる。第2のX、Z軸キャリッジアセンブリ2300Bは、粒子カウンタアイコン800Bによって示されるように、その上に載置された少なくとも1つの粒子カウンタを有することができる。キャリッジアセンブリ等の種々の印刷デバイスおよび装置の近位の位置での監視は、サービス束等の種々の粒子生成源を監視するために有用であり得る。粒子カウンタアイコン800Cによって描写されるように載置された粒子カウンタは、手順開発およびガスエンクロージャシステム検証実行のために有用であり得る。粒子カウンタアイコン800Dによって描写されるように載置された粒子カウンタは、手順開発およびガスエンクロージャシステム検証実行、ならびに印刷プロセス中の浮遊粒子状物質の原位置監視のために有用であり得る。
【0197】
本教示の種々のシステムおよび方法によると、印刷中に基板が位置することができる隣接領域中の定義された条件下で粒子を測定するように、粒子計数デバイスを基板支持装置上に載置または配置することができる。例えば、
図35で描写されるように、粒子カウンタアイコン800Cの位置によって示されるように、粒子カウンタを基板支持装置2200の上に配置または載置することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、基板支持装置の上に配置または載置された粒子カウンタを使用する粒子状物質の監視は、種々の種類の手順開発またはガスエンクロージャシステム検証実行研究のために行うことができる。別の非限定的実施例として、粒子カウンタアイコン800Dの位置に
よって示されるように、粒子カウンタを基板支持装置2200の側面上に載置することができる。サンプリングプローブ816を有する
図33の粒子カウンタ800等の可撓性コネクタを有するサンプリングプローブとともに粒子カウンタを使用することによって、基板支持装置の側面に載置された粒子カウンタは、ちょうど基板の高さに配置されたサンプリングプローブを有することができる。
【0198】
粒子カウンタアイコン800Dによって示されるように基板支持装置の側面上に載置された粒子カウンタは、手順開発およびガスエンクロージャシステム検証実行、ならびに印刷プロセス中の浮遊粒子状物質の原位置監視のために有用であり得る。例えば、
図36では、
図26および
図28Aについて以前に説明されたような印刷システム2003は、プリントヘッドアセンブリ2500のZ軸位置付けのためのZ軸移動プレート2310も含むことができる、ブリッジ2130上に載置されたX軸キャリッジアセンブリ2300を有することができる。その点に関して、キャリッジアセンブリ2300の種々の実施形態は、基板2050に対するプリントヘッドアセンブリ2500の精密X、Z位置付けを提供することができる。印刷システム2003の種々の実施形態については、X軸キャリッジアセンブリ2300は、本質的に低粒子生成である線形空気ベアリング運動システムを利用することができる。
図36の印刷システム2003は、サービス束を収納するためのサービス束筐体2410を含むことができる、サービス束から生成される粒子を含有して排出するためのサービス束筐体排出システム2400を有することができる。本教示によると、サービス束は、ガスエンクロージャシステム内の種々のデバイスおよび装置、例えば、限定されないが、印刷システムと関連付けられる種々のデバイスおよび装置を操作するために必要とされる、種々の光学、電気、機械、および流体接続を提供するように、印刷システムに動作可能に接続することができる。
図36の印刷システム2003は、Y軸位置付けシステム2355を使用してY軸方向へ精密に位置付けることができる、基板2050を支持するための基板支持装置2250を有することができる。基板支持装置2250およびY軸位置付けシステム2355の両方は、印刷システム基部2101によって支持される。
【0199】
図36の印刷システム2003については、精密XYZ運動システムは、Y軸運動アセンブリ2355ならびにX軸キャリッジアセンブリ2300を含むことができる、プリントヘッドアセンブリ2500に対して基板支持装置2250上に載置される基板を位置付けるための種々の構成要素を有することができる。基板支持装置2250は、Y軸運動アセンブリ2355上に載置することができ、例えば、限定されないが、機械ベアリングまたは空気ベアリングのいずれかを利用する線形ベアリングシステムを使用して、レールシステム2360上で移動させることができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、空気ベアリング運動システムは、基板支持装置2250上に配置された基板のY軸方向への無摩擦運搬の促進に役立つ。Y軸運動システム2355はまた、随意に、再度、線形空気ベアリング運動システムまたは線形機械ベアリング運動システムによって提供される、二重レール運動を使用することもできる。本教示によると、例えば、限定されないが、3軸ガントリシステムの種々の実施形態等の他の精密XYZ運動システムを使用することができる。例えば、3軸ガントリシステムの種々の実施形態は、ガントリをY軸方向へ精密に移動させることができる、精密X、Z軸移動のためのガントリブリッジ上に載置されたX、Zキャリッジアセンブリを有することができる。
【0200】
本教示の種々のシステムおよび方法によると、
図36の印刷システム2003は、等運動性サンプルプローブ816が基板2050とほぼ同じ高さにあるように、基板支持装置2250の側面に載置された粒子カウンタ800を有することができる。
図36は、基板支持装置の正面上の粒子カウンタ800を描写するが、基板の近位の浮遊粒子状物質を効果的に監視するように、基板支持装置の種々の場所に1つまたはそれを上回る粒子カウンタを載置することが可能である。加えて、システムおよび方法の種々の実施形態について
、
図35で説明されるように、付加的な粒子カウンタを他の場所に載置または配置することができる。
【0201】
本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に含有されるガス循環および濾過システムの種々の実施形態によると、浮遊粒子の連続測定をガスエンクロージャシステムで行うことができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、そのような測定は、完全自動モードで行い、例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を通してエンドユーザに連続的に報告することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、浮遊粒子状物質の測定は、
図35で描写されるように、目的とする標的場所で行うことができる。ガスエンクロージャの中に位置する粒子カウンタのそれぞれからの出力は、例えば、GUIを通して、エンドユーザに報告することができる。例えば、目的とする標的領域は、
図36で描写されるように、チャックまたは浮動式テーブル等の基板支持装置を覆って基板のちょうど近位にある浮遊粒子状物質であり得る。
【0202】
その点に関して、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の連続監視は、約≧2μmのサイズの粒子を印刷サイクルにわたってそのサイズ範囲の約1個未満の粒子で維持できることを確認している。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、約≧2μmのサイズの粒子を、少なくとも約24時間の期間にわたってそのサイズ範囲の約1個未満の粒子で維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、約≧0.3μmのサイズの粒子を、印刷サイクルにわたってそのサイズ範囲の約3個未満の粒子で維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、約≧0.3μmのサイズの粒子を、少なくとも約24時間の期間にわたってそのサイズ範囲の約3個未満の粒子で維持することができる。本教示によると、少なくとも約24時間の期間の持続時間にわたって本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態で異なる場所から得られる粒子状物質の測定値は、≧2μmの0.001個の粒子および≧0.5μmの0.02個の粒子という平均として報告されている。
【0203】
例えば、
図37Aおよび
図37Bは、本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態で行われる長期測定の結果を描写する。
図37Aでは、異なる日に行われた2つの試験が描写されている。そのような試験は、不活性窒素環境で維持された
図12および
図13に示されるもの等のガスエンクロージャシステムにおいて行われた。測定は、
図36で描写されるように、チャックまたは浮動式テーブル等の基板支持装置の近位で行われた。試験期間中に、ガスエンクロージャシステムは、印刷、保守、およびアイドルを含む順序のために連続使用中であった。試験1では、リアルタイム測定の持続時間は、約16時間であった。その際、約≧2μmのサイズの合計2個の粒子、すなわち、約5時間での1個、および試験期間終了近くの1個が測定された。約10時間の持続時間を有した試験2については、このサイズ範囲の粒子が測定されなかった。
図37Bでは、8時間以上の期間にわたってさらに別の日にシステムで行われた試験3の測定が、約≧0.5μmのサイズの粒子について描写されている。この試験期間中に、
図1Aの窓130等のガスエンクロージャアセンブリ窓が、約2時間(参照番号I.)、約6.5時間(参照番号II.)、および約7時間(参照番号III.)で周期的に開放された。周囲環境への一過性のガスエンクロージャシステム暴露のこれらの期間中に、粒子状物質の測定値は、急上昇し、次いで、そのサイズ範囲内の約≦1個の粒子の基礎値まで急速に再確立されることを観察することができる。
【0204】
本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、ガスエンクロージャシステムで測定される浮遊粒子状物質は、約≧0.3μmの粒子については約3個の粒子/ft3未満、約≧0.5μmの粒子については約1個の粒子/ft3未満、および約≧1.0
μmの粒子については約0個の粒子/ft3未満であり得る。その点に関して、ガス循環および濾過システムの種々の実施形態は、クラス1~クラス5によって特定されるようなInternational Standards Organization Standard (ISO) 14644-1:1999, “Cleanrooms and associated controlled environments-Part 1: Classification of air cleanliness”の規格を満たす、浮遊粒子状物質のための低粒子不活性ガス環境を提供するように設計することができ、クラス1によって設定される規格を満たすか、または超えさえしてもよい。
【0205】
図37Bについて提示されるデータで実証されるような本教示の循環および濾過システムの種々の実施形態による、そのような急速なシステム回復が、加えて、
図38のグラフで描写されている。
図38では、約≧2μmのサイズの粒子が、チャックまたは浮動式テーブル等の基板支持装置の近位で監視された。
図38のグラフで見ることができるように、そのサイズ範囲内の約≦1個の粒子の基準レベルに戻る回復が、3分未満に起こった。
【0206】
基板上の粒子状物質の基板上分布の判定は、例えば、試験基板を使用して、基板がシステム検証のために印刷される前に、ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、粒子状物質の基板上分布の判定は、基板が印刷されている間に原位置で継続中の品質チェックとして行うことができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、粒子状物質の基板上分布の判定は、基板が印刷される前に、加えて、基板が印刷されている間に原位置で、システム検証のために行うことができる。
【0207】
図39は、浮遊粒子状物質のための検出システムに関して
図34の粒子カウンタ検出器830について以前に説明されたものと本質的に同一の構成要素を有することができる、光散乱に基づく基板上検出方式を描写する。
【0208】
図39では、光散乱に基づく基板上粒子カウンタ検出システム860は、光源850等の既知の波長の既知の波長範囲の電磁放射線源を有することができる。基板上粒子カウンタ検出システム860の種々の実施形態については、光源850は、約600nm~約850nmの既知の波長の光を発する、レーザ源であり得る。放射光源光851は、基板854上の粒子852と相互作用することがレイトレーシングによって描写される。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態については、基板は、シリコンウエハ等の試験基板であり得る。半導体業界から進化した基板上粒子判定の歴史を考慮すると、シリコンウエハ上の粒子判定は、広く受け入れられている試験方法である。さらに、シリコンウエハは、光散乱に基づく基板上検出システムのために好ましい反射表面を有すること等の属性を有することができる。加えて、シリコンウエハは、接地することができるように、実質的に伝導性の材料である。電気的中性である基板表面を有することは、基板上粒子堆積の不偏サンプリングを得るために重要である。粒子状物質が電荷を担持することは珍しくないため、それによって、荷電粒子と荷電表面との間の相互作用が誘引性または反発性であるかどうかに応じて、荷電表面が誤陽性または誤陰性結果を示し得る。
【0209】
シリコンウエハ試験基板等の反射表面を有する基板に関して、反射光線853によって示されるように、放射光源光851を反射することができ、これはまた、散乱光855によって描写されるように、散乱光を生成するように基板表面854上の粒子852と相互作用することもできる。
図34の粒子カウンタ検出器830等の光散乱に基づく浮遊粒子検出の場合について本明細書で以前に議論されたように、光は、光路I内に入る散乱光855について描写されるように、放射光源光851の方向に対して直角を含む、いくつかの角度配向で散乱させることができる。集束レンズ856は、フィルタ857等の少なくとも1つの光学フィルタに向かって光路IIによって描写されるように、粒子852によ
って放射光源光851の方向に対して直角に散乱させられる光を集束させることができる。光学フィルタ857は、例えば、空間または光学帯域通過フィルタであり得、またはそれらの組み合わせを提供するように付加的なフィルタを追加することができる。最終的に、放射光源光851の方向に対して直角に散乱させられる光は、例えば、フォトダイオード技術に基づく、種々の種類の測光検出器であり得る、検出器858によって検出することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態によると、
図39の基板上粒子カウンタ検出システム860等の基板上粒子カウンタ検出システムを使用して、ある粒径の粒子の数、ならびに表面上で検出される全粒子の場所を含む、報告をエンドユーザに提供することができる。
【0210】
基板上粒子判定のため、例えば、限定されないが、システム検証のための試験プロトコルに関して、各試験ウエハについて判定された粒子のサイズおよび場所の報告とともに、分析され、次いで、密閉されたシリコン試験ウエハを得ることができる。試験ウエハは、個別に密閉されたものとして、またはカセットの中で得ることができる。本教示の種々のシステムおよび方法によると、ウィットネスウエハのカセットをカセット筐体内に密閉することができ、次いで、密閉ポリマーパウチ等の可撤性密閉材料を用いて、カセット筐体を密閉することができる。ガスエンクロージャシステム検証用の基板上粒子判定のための種々の試験プロトコルについては、ウィットネスウエハのカセットは、エンドユーザによって、またはロボットでのいずれかで、ガスエンクロージャシステムの中へ配置することができる。例えば、カセットは、エンドユーザによって、またはロボットでのいずれかで、本明細書で以前に説明されたように補助エンクロージャの中に配置することができ、補助エンクロージャは、ガス環境が反応性ガスに関する仕様内にさせられるまで回復プロセスを通して配置することができる。カセットは、エンドユーザによって、またはロボットでのいずれかで、印刷システムエンクロージャの中へ移送することができる。いったん密閉されたカセットがガスエンクロージャシステム内に入ると、ウィットネスウエハのカセットを密閉解除することができ、ウエハに容易にアクセスするように、カセット筐体を開放することができる。
【0211】
図40を参照すると、試験ウエハ854を有して描写される印刷システム2003は、
図26の印刷システム2002について以前に説明された要素の全て、ならびに
図28Aおよび
図36の印刷システム2003を有することができる。例えば、限定されないが、
図40では、印刷システム2003は、
図26、
図28A、および
図36について以前に描写されたように、プリントヘッドアセンブリ2500のZ軸位置付けのためのZ軸移動プレート2310も含むことができる、ブリッジ2130上に載置されたX軸キャリッジアセンブリ2300を有することができる。その点に関して、キャリッジアセンブリ2300の種々の実施形態は、基板支持体2250上に位置付けられる基板に対するプリントヘッドアセンブリ2500の精密X、Z位置付けを提供することができる。印刷システム2003の種々の実施形態については、X軸キャリッジアセンブリ2300は、本質的に低粒子生成である線形空気ベアリング運動システムを利用することができる。
図40の印刷システム2003は、サービス束を収納するためのサービス束筐体2410を含むことができる、サービス束から生成される粒子を含有して排出するためのサービス束筐体排出システム2400を有することができる。
図40の印刷システム2003は、Y軸位置付けシステム2355を使用してY軸方向へ精密に位置付けることができる、基板を支持するための基板支持装置2250を有することができる。基板支持装置2250およびY軸位置付けシステム2355の両方は、印刷システム基部2101によって支持される。基板支持装置2250は、Y軸運動アセンブリ2355上に載置することができ、例えば、限定されないが、機械ベアリングまたは空気ベアリングのいずれかを利用する線形ベアリングシステムを使用して、レールシステム2360上で移動させることができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、空気ベアリング運動システムは、基板支持装置2250上に配置された基板のY軸方向への無摩擦運搬の促進に役立つ。Y軸運動システム2355はまた、随意に、再度、線形空気ベアリング運動システムまたは線形機械ベアリング運動システムによって提供される、二重レール運動を使用することもできる。
【0212】
図40の試験ウエハ854は、印刷システム2003の基板支持装置2250上に配置することができる。基板支持装置2250は、印刷プロセス中に基板を位置付けることができる場所をシミュレートすることができる種々の位置で、ブリッジ2130の近位に位置付けることができる。試験ウエハは、縁排除ゾーンが、ウエハ縁で汚染を導入し得る、取扱が行われるゾーンであるため、粒子判定が試験後に行われない、縁排除ゾーンを有することができる。ガスエンクロージャシステム検証用の基板上粒子判定のための種々の試験プロトコルによると、縁排除ゾーンは、ウエハの周囲で幅が約1cm~約2cmであり、ウエハ縁から測定することができる。ガスエンクロージャシステム検証用の基板上粒子判定のための種々の試験プロトコルについては、印刷システムを収納するガスエンクロージャシステムの状態を査定するように、一連の基板上粒子判定を行うことができる。第1に、ちょうど縁排除ゾーンで試験基板を取り扱うことによって、統計数の試験ウエハを取り出し、次いで、カセットの中へ戻して配置することができる、背景試験を行うことができる。次の静止試験では、ちょうど縁排除ゾーンで試験基板を取り扱うことによって、統計数の試験ウエハの統計数を取り出し、次いで、ガスエンクロージャシステム内のいかなる装置またはデバイスのいかなる作動も伴わずに、印刷プロセスの持続時間等の設定された持続時間にわたって、ツール環境に暴露させることができる。その点に関して、試験ウエハの静止セットの中の試験ウエハは、静的印刷環境内にある。次いで、静止試験のための一式の試験ウエハをカセット筐体の中へ戻して移動させることができる。印刷試験では、ちょうど縁排除ゾーンで試験基板を取り扱うことによって、統計数の試験ウエハの統計数を取り出し、次いで、いかなるインク放出の作動も伴わないが、ガスエンクロージャシステム内の装置またはデバイスの完全作動を伴って、印刷プロセスの持続時間にわたって、ツール環境に暴露させることができる。例えば、キャリッジアセンブリ2300上に載置されたプリントヘッドアセンブリ2500は、
図40で描写される印刷システム2003の基板支持装置上に載置された試験ウエハ854に対して移動し、真の印刷サイクルをシミュレートすることができる。その点に関して、試験ウエハの印刷セットの中の試験ウエハは、静的刷環境内にある。次いで、印刷試験のための一式の試験ウエハをカセット筐体の中へ戻して移動させることができる。
【0213】
いったん背景試験、静止試験、および印刷試験を含む試験プロトコルが完了すると、カセット筐体を再密閉することができ、カセットを試験のために印刷システムエンクロージャから除去することができる。例えば、一連の試験ウエハを伴う密閉されたカセットを補助エンクロージャの中に配置することができる。印刷システムエンクロージャが本明細書で以前に説明されたように補助エンクロージャから密閉可能に隔離されるとき、補助エンクロージャを周辺環境に対して開放することができ、試験ウエハを伴う密閉されたカセットを分析のために取り出して送信することができる。本教示の基板上粒子判定試験プロトコルの種々の実施形態のための全てのプロセスステップは、エンドユーザによって、またはロボットでのいずれかで、あるいはそれらの組み合わせで行うことができる。最終的に、補助エンクロージャを閉鎖し、ガス環境が反応性ガスに関する仕様内にさせられるまで回復プロセスを通して配置することができる。
【0214】
本教示の種々の撮像システムおよび方法は、原位置基板上粒子状物質判定のために、ならびにシステム検証手順を行うために利用することができる。
図41を参照すると、印刷システム2004は、
図26の印刷システム2002、ならびに
図28A、
図36、および
図40の印刷システム2003について以前に説明された要素の全てを有することができる。例えば、限定されないが、
図41の印刷システム2004は、サービス束から生成される粒子を含有して排出するためのサービス束筐体排出システム2400を有すること
ができる。印刷システム2004のサービス束筐体排出システム2400は、サービス束を収納することができる、サービス束筐体2410を含むことができる。本教示によると、サービス束は、ガスエンクロージャシステム内の種々のデバイスおよび装置、例えば、限定されないが、印刷システムと関連付けられる種々のデバイスおよび装置を操作するために必要とされる、種々の光学、電気、機械、および流体接続を提供するように、印刷システムに動作可能に接続することができる。
図41の印刷システム2004は、Y軸位置付けシステム2355を使用してY軸方向へ精密に位置付けることができる、基板2050を支持するための基板支持装置2250を有することができる。基板支持装置2250およびY軸位置付けシステム2355の両方は、印刷システム基部2101によって支持される。基板支持装置2250は、Y軸運動アセンブリ2355上に載置することができ、例えば、限定されないが、機械ベアリングまたは空気ベアリングのいずれかを利用する線形ベアリングシステムを使用して、レールシステム2360上で移動させることができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、空気ベアリング運動システムは、基板支持装置2250上に配置された基板のY軸方向への無摩擦運搬の促進に役立つ。Y軸運動システム2355はまた、随意に、再度、線形空気ベアリング運動システムまたは線形機械ベアリング運動システムによって提供される、二重レール運動を使用することもできる。
【0215】
種々のキャリッジアセンブリを支持する運動システムに関して、
図41の印刷システム2004は、その上に載置されたプリントヘッドアセンブリ2500を有して描写される第1のX軸キャリッジアセンブリ2300Aと、その上に載置されたカメラアセンブリ2550を有して描写される第2のX軸キャリッジアセンブリ2300Bとを有することができる。基板支持装置2250の上にある基板2050は、例えば、印刷プロセス中にブリッジ2130の近位の種々の位置に位置することができる。基板支持装置2250は、印刷システム基部2101上に載置することができる。
図41では、印刷システム2004は、ブリッジ2130上に載置された第1のX軸キャリッジアセンブリ2300Aおよび第2のX軸キャリッジアセンブリ2300Bを有することができる。第1のX軸キャリッジアセンブリ2300Aはまた、プリントヘッドアセンブリ2500のZ軸位置付けのための第1のZ軸移動プレート2310Aを含むこともできる一方で、第2のX軸キャリッジアセンブリ2300Bは、カメラアセンブリ2550のZ軸位置付けのための第2のZ軸移動プレート2310Bを有することができる。その点に関して、キャリッジアセンブリ2300Aおよび2300Bの種々の実施形態は、それぞれ、プリントヘッドアセンブリ2500およびカメラアセンブリ2550のための基板支持体2250の上に位置付けられた基板に対する精密X、Z位置付けを提供することができる。印刷システム2004の種々の実施形態については、第1のX軸キャリッジアセンブリ2300Aおよび第2のX軸キャリッジアセンブリ2300Bは、本質的に低粒子生成である、線形空気ベアリング運動システムを利用することができる。
【0216】
図41のカメラアセンブリ2550は、高速高解像度カメラであり得る。カメラアセンブリ2550は、カメラ2552と、カメラマウントアセンブリ2554と、レンズアセンブリ2556とを含むことができる。カメラアセンブリ2550は、カメラマウントアセンブリ2556を介して、Z軸移動プレート2310B上の運動システム2300Bに載置することができる。カメラ2552は、非限定的実施例として、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)素子、またはN型金属酸化膜半導体(NMOS)素子等の光学画像を電気信号に変換する任意の画像センサデバイスであり得る。種々の画像センサデバイスは、面走査カメラ用のセンサのアレイ、または線走査カメラ用の一列のセンサとして構成することができる。カメラアセンブリ2550は、例えば、結果を記憶、処理、および提供するためのコンピュータを含むことができる、画像処理システムに接続することができる。
図41の印刷システム2004について本明細書で以前に議論されたように、Z軸移動プレート2310Bは、基板2050に対してカメラアセンブリ2550のZ軸位置を制御可能に調整することができる。例えば、印刷およびデータ収集等の種々のプロセス中に、X軸運動システム2300BおよびY軸運動システム2355を使用して、基板2050をカメラアセンブリ2550に対して制御可能に位置付けることができる。
【0217】
したがって、
図41の分割軸運動システムは、任意の所望の焦点および/または高さで基板2050の任意の部分についての画像データを捕捉するために、3次元で相互に対するカメラアセンブリ2550および基板2050の精密な位置付けを提供することができる。また、基板に対するカメラの精密XYZ運動を、面走査または線走査プロセスのいずれかのために行うことができる。本明細書で以前に議論されたように、例えば、基板に対するプリントヘッドアセンブリおよび/またはカメラアセンブリの間の精密移動を3次元で提供するために、ガントリ運動システム等の他の運動システムも使用することができる。加えて、X軸運動システムの上、または基板の近位の基板支持装置の上のいずれかで、およびそれらの組み合わせで、照明を種々の位置に載置することができる。その点に関して、種々の明視野および暗視野分析、ならびにそれらの組み合わせを行うことに従って、照明を位置付けることができる。運動システムの種々の実施形態は、基板2050の表面の一連の1つまたはそれを上回る画像を捕捉するように、連続または段階的運動、あるいはそれらの組み合わせを使用して、基板2050に対してカメラアセンブリ2550を位置付けることができる。各画像は、1つまたはそれを上回るピクセルウェルと関連付けられる領域、関連電子回路構成要素、ならびにOLED基板の経路およびコネクタを包含することができる。画像処理を使用することによって、粒子の画像を得ることができ、粒子のサイズおよび特定のサイズの粒子の数を判定することができる。本教示のシステムおよび方法の種々の実施形態では、約190mmの作業高とともに約8192ピクセルを有し、約34kHzで走査することが可能な線走査カメラを使用することができる。加えて、1つより多くのカメラを印刷システム基板カメラアセンブリの種々の実施形態のためのX軸キャリッジアセンブリ上に載置することができ、各カメラは、視野および解像度に関する異なる仕様を有することができる。例えば、1つのカメラが、原位置粒子点検のための線走査カメラであり得る一方で、第2のカメラは、ガスエンクロージャシステム内の基板の規則的なナビゲーションのためのものであり得る。規則的なナビゲーションのために有用であるそのようなカメラは、約0.9の倍率を用いた約5.4mm×4mmから約0.45倍の倍率を用いた約10.6mm×8mmの範囲内の視野を有する、面走査カメラであり得る。なおも他の実施形態では、1つのカメラが、原位置粒子点検のための線走査カメラであり得る一方で、第2のカメラは、例えば、基板整合のために、ガスエンクロージャシステム内の基板の精密なナビゲーションのためのものであり得る。精密なナビゲーションのために有用であるそのようなカメラは、約7.2倍の倍率を用いた約0.7mm×0.5mmの視野を有する、面走査カメラであり得る。
【0218】
OLED基板の原位置点検に関して、全平均サイクル時間(TACT)に有意な影響を及ぼすことなく、パネルを点検するために、
図41で描写される印刷システム2004のカメラアセンブリ2550等の印刷システム基板カメラアセンブリの種々の実施形態を使用することができる。例えば、Gen 8.5基板を70秒未満で基板上粒子状物質について走査することができる。OLED基板の原位置点検に加えて、印刷プロセスのためのガスエンクロージャシステムを使用することに先立って、ガスエンクロージャシステムのための十分に低粒子の環境を検証することができるかどうかを判定するように、試験基板を使用することによって、システム検証試験のために印刷システム基板カメラアセンブリを使用することができる。
【0219】
システム内の浮遊粒子状物質および粒子堆積に関して、相当な数の変数が、例えば、任意の特定の製造システムについて、基板等の表面上の粒子降下率の値の近似値を適切に計算し得る、一般モデルを開発することに影響を及ぼし得る。粒子のサイズ、特定のサイズ
の粒子の分布、基板の表面積、およびシステム内の基板の暴露の時間等の変数は、種々の製造システムに応じて変動し得る。例えば、粒子のサイズ、および特定のサイズの粒子の分布は、種々の製造システム内の粒子生成構成要素の供給源および場所によって、実質的に影響され得る。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態に基づく計算は、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの基板上堆積が、0.1μmおよびそれより大きいサイズ範囲内の粒子について、約100万より多くから約1000万より多くの粒子であり得ることを示唆する。そのような計算は、本教示の種々の粒子制御システムがないと、基板の1平方メートルにつき印刷サイクルあたりの基板上堆積が、約2μmおよびそれより大きいサイズ範囲内の粒子について、約1000より多くから約10,000より多くの粒子であり得ることを示唆する。
【0220】
本教示の基板上粒子判定試験プロトコルの種々の実施形態について説明されるような試験プロトコルを使用して、本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが10μmより大きいまたはそれと等しい以上の粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率仕様を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが2μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態では、サイズが1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約100未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.5μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示のガスエンクロージャシステムの種々の実施形態については、サイズが0.3μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。本教示の低粒子ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、サイズが0.1μmより大きいまたはそれと等しい粒子について、1分につき基板の1平方メートルあたり約1000未満またはそれと等しい粒子の基板上堆積率を満たす、平均基板上粒子分布を提供する、低粒子環境を維持することができる。
【0221】
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個別出版物、特許、または特許出願が、参照することにより組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0222】
本開示の実施形態が、本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。ここで、多数の変化例、変更、および置換が、本開示から逸脱することなく当業者に想起されるであろう。本明細書で説明される本開示の実施形態の種々の代替案が、本開示を実践する際に採用されてもよいことを理解されたい。例えば、化学、生物工学、高度技術、および医薬分野等の大きく異なる技術分野が、本教示から利益を享受し得る。OLED印刷は、本教示によるガスエンクロージャシステムの種々の実施形態の有用性を例示するために使用される。OLED印刷システムを収納し得るガスエンクロージャシステムの種々の実施形態は、限定されないが、構築および脱構築のサイクルを通した密封エンクロージャを密閉して提供すること、エンクロージャ容積の最小限化、および処理中ならびに保守中の外部から内部への即時アクセス等の特徴を提供することができる。ガスエンクロージャシステムの種々の実施形態のそのような特徴は、限定されないが、処理中に低レベルの反応種を維持することの容易性を提供する構造的完全性、ならびに保守サイクル中の休止時間を最小限化する急速エンクロージャ容積転換等の機能性に影響を及ぼし得る。したがって、OLEDパネル印刷のための有用性を提供する、種々の特徴および仕様もまた、利益を種々の技術分野に提供し得る。以下の請求項は、本開示の範囲を定義し、これらの請求項およびそれらの同等物の範囲内の方法および構造は、それによって対象とされることが意図される。
【外国語明細書】