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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138576
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230922BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALN20230922BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06Q50/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121854
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2019050160の分割
【原出願日】2019-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】514274753
【氏名又は名称】山口 松之進
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】山口 松之進
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB53
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】地元で採れた生産物を使用する使用者と、その使用者に地元産の生産物を提供する生産者との関係を円滑化させて、地元の価値を見出すことができる新たな仕組みを提供すること。
【解決手段】予測受付部101は、生産者Pからの出荷予測情報を受け付ける。予約受付部103は、レストランRからの事前予約を受け付ける。確定受付部105は、生産者Pからの出荷確定情報を受け付ける。確定提示部106は、出荷確定情報をレストランRに提示する。注文受付部107は、レストランRからの注文を受け付ける。注文提示部108は、生産者Pに注文が受け付けられた旨を提示する。ルート生成部109は、生産物の集荷及び配送に必要となる地図情報を生成する。これにより、上記課題を解決する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の生産者の夫々により生産され、出荷できることが確定した1以上の生産物の夫々の内容を示す情報を、出荷確定情報として受け付ける確定受付手段と、
受け付けられた1以上の前記出荷確定情報を、前記生産物を使用し得る1以上の使用者に提示する確定提示手段と、
前記1以上の使用者のうち少なくとも一部から、生産物を購入する旨の提示があった場合に、これを注文として受け付ける注文受付手段と、
前記提示をした前記生産者に対し、前記注文が受け付けられた旨を提示する注文提示手段と、
受け付けられた前記注文に基づいて、当該注文の対象を少なくとも含む、出荷できることが確定した前記生産物の集荷及び配送のルートを生成するルート生成手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記1以上の生産者の夫々により生産され、出荷することができると予測される1以上の前記生産物の夫々の内容を示す情報を、出荷予測情報として受け付ける予測受付手段と、
前記1以上の使用者から、前記生産物の購入の予約をしたい旨の提示があった場合に、これを事前予約として受け付ける予約受付手段と、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出荷確定情報に含まれる前記生産物の数量よりも、前記事前予約の内容に含まれる当該生産物の数量の方が少ない場合に、
前記注文受付手段は、当該生産物の前記配送が開始されるタイミングの所定時間前まで前記注文を受け付ける、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出荷予測情報を前記1以上の使用者に提示する予測提示手段をさらに備える、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記1以上の生産者に対し、前記事前予約が受け付けられた旨を提示する予約提示手段をさらに備える、
請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種情報をマッチングさせるシステム(特許文献1参照)は存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-129983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術を含む従来の技術では、生鮮食品のように、取引の直前になるまで取引の内容が確定されない商品を効率良くマッチングさせることはできない。このため、地元で採れた生産物を使用する使用者と、その使用者に対し地元産の生産物を提供する生産者との関係の円滑化を図ることができない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、地元で採れた生産物を使用する使用者と、その使用者に対し地元産の生産物を提供する生産者との関係を円滑化させて、地元の価値を見出すことができる新たな仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
1以上の生産者の夫々により生産され、出荷できることが確定した1以上の生産物の夫々の内容を示す情報を、出荷確定情報として受け付ける確定受付手段と、
受け付けられた1以上の前記出荷確定情報を、前記生産物を使用し得る1以上の使用者に提示する確定提示手段と、
前記1以上の使用者のうち少なくとも一部から、生産物を購入する旨の提示があった場合に、これを注文として受け付ける注文受付手段と、
前記提示をした前記生産者に対し、前記注文が受け付けられた旨を提示する注文提示手段と、
受け付けられた前記注文に基づいて、当該注文の対象を少なくとも含む、出荷できることが確定した前記生産物の集荷及び配送のルートを生成するルート生成手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、地元で採れた生産物を使用する使用者と、その使用者に対し地元産の生産物を提供する生産者との関係を円滑化させて、地元の価値を見出すことができる新たな仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の情報処理装置を適用したサービスの概要の例を示す図である。
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む情報処理システムの構成の概要を示す図である。
図3図2のサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図4のサーバが実行する確定前処理、及び確定後処理の流れを説明するフローチャートである。
図6図4の生産者端末に表示される、出荷確定情報の入力画面の具体例を示す図である。
図7図4のレストラン端末に表示される、注文の内容を入力する画面の具体例を示す図である。
図8図4の配送端末に表示される、野菜の集荷及び配送に必要となる集荷配送ルート、及びこの集荷配送ルートが反映された地図の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
[サービス内容]
本発明の情報処理装置を適用したサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の流れについて説明する。
図1は、本サービスの概要を示すイメージ図である。
【0011】
本サービスは、サービス提供者Mが提供する所定地域(地元)に密着したサービスであり、例えば地元で採れた野菜を使用した料理を提供するレストランRに対し、その生産者Pの顔が見える安全で新鮮な野菜を効率良く供給することを目的としたサービスである。
昨今のビジネスでは、生産者よりも卸売業者、卸売業者よりも小売業者といったように、より消費者に近いところでビジネスを行う者が立場的に強くなっている。このため、ものづくりの根本を担う生産者の価値が総じて評価されていない。その結果、商品の品質を追求するよりも、例えばITを駆使した上手な売り方を追求した方がよく売れるという状況が生み出されている。これは、消費者が、商品を選択して購入する際に、テレビやインターネットに氾濫する不確かな商品評価に対し必要以上に信頼を寄せているからである。
しかしながら、商品を購入する者は、1人1人個性を有しているため、ものの見方も千差万別である。このため、ものの価値は、評価する者によって異なるのが通常であり、全ての者が同じ評価をすることは本来ありえない。即ち、夫々の者が「自分はこれが好き」という自分自身の考えに自信を持つとともに、夫々の者の意見に互い耳を傾けることができる社会が本来あるべき社会である。
そのためには、都会中心のみのビジネスではなく、例えば農業を中心とした地方の産業に目を向けて、地元の価値を見出すことができる新たな仕組みを設けることが重要である。地元で採れた野菜を使用した料理を提供するレストランと、そのレストランに対し地元産の野菜を提供する生産者との関係を円滑化させる仕組みは、地元の価値を見出すことができる新たな仕組みの一例である。
このような状況の下、本サービスが提供されることにより、地元のレストランを訪れた人々に対し、地元で採れた新鮮な野菜を使用した美味しい料理を提供することができる。その結果、地産地消を実現させることができるとともに、料理の提供を受けた人々の地元意識を醸成させることができる。
【0012】
本サービスの提供を受けるユーザとしては、生産者Pと、配送業者Lと、使用者(図1の例ではレストランR)とが含まれる。
生産者Pは、販売対象のもの(ここでは野菜)の生産を行う者であり、農家、農業法人等が含まれる。
ここで、「野菜の生産」とは、野菜を栽培し、収穫するまでの一連の行為をいう。生産された野菜は出荷される。
配送業者Lは、生産者Pにより生産された野菜をレストランRに配送する者である。
レストランRは、配送業者Lにより配送された野菜を使用した料理を提供する者である。なお、レストランRは、生産者Pにより生産されたものを使用する使用者の一例である。即ち、本サービスの提供を受ける者は、レストランRに限定されず、生産者Pにより生産されたもの(野菜に限らない)を使用する使用者も含まれる。
ただし、以下、説明の便宜上、断りのない限り、本サービスのユーザは、野菜を生産する生産者Pと、その野菜を配送する配送業者Lと、その野菜を使用した料理を提供するレストランRとであるものとする。
【0013】
本サービスは、出荷される野菜の種類、量、及び出荷のタイミングが、生産者Pによって確定される前と後との2段階にわたって提供されるサービスである。以下、出荷される野菜の種類、量、及び出荷のタイミングが、生産者Pによって確定されることを「出荷内容が確定する」、又は「出荷内容確定」と表現する。
即ち、野菜は、出荷する日の早朝に収穫してそのまま出荷することが多いため、天候や温度といったその日の状況が生育に影響を与える。その結果、出荷可能な野菜の種類、量、出荷のタイミングについては、その日の朝になってみなければ確定できないことが多い。
そこで、本サービスは、出荷内容確定前と、出荷内容確定後との2段階に分けて提供される。
ただし、出荷内容確定前のサービスは、本サービスにとって必須ではなく、適宜省略されてもよい。
【0014】
(出荷内容確定前)
出荷内容が確定する前は、ステップSS1において、レストランRは、サービス提供者Mに対し、料理に使用する野菜の具体的内容と、野菜を使用するタイミングとを含む、料理に使用しようと予定している野菜に関する情報を提供する。具体的には例えば、レストランRは、顧客からの予約に基づいて、「明後日のディナータイムで使用する、新鮮なトマト25個の購入の予約を行いたい」といった情報をサービス提供者Mに提示する。
【0015】
ステップSS2において、サービス提供者Mは、レストランRにより提示された情報を、事前予約として受け付ける。ただし、事前予約は、レストランRの顧客からの予約等を根拠とする予定に過ぎず、レストランRからの注文を確約するものではない。つまり、事前予約は、顧客からの予約のキャンセル等により変動する可能性の高い情報に基づいたものとなるため、例えば事前予約時がなされた野菜の価格を割高に設定することもできる。
ステップSS3において、サービス提供者Mは、取得した事前予約の内容を生産者Pに提供する。
【0016】
ステップSS4において、生産者Pは、サービス提供者Mに対し、出荷可能と予測される野菜の種類と、量と、出荷のタイミングとを含む、生産した野菜に関する予測情報を提供する。具体的には例えば、生産者Pは、「トマトを100個、明後日の朝8:00頃出荷可能と予測できる」といった情報をサービス提供者Mに提供する。
【0017】
ステップSS5において、サービス提供者Mは、生産者Pから提供された情報を、出荷予測情報として取得する。ただし、出荷予測情報は、野菜の生育状況を見た生産者Pの主観的な予測に過ぎず、生産者Pからの出荷を確約するものではない。つまり、出荷予測情報は、天候の変化等により変動する可能性の高い不確定情報となる。
ここで、サービス提供者Mは、出荷予測情報を取得するタイミングを固定してもよい。例えば、毎日午後8:00の時点における出荷予測情報を一斉に取得するようにしてもよい。
ステップSS6において、サービス提供者Mは、取得した出荷予定情報をレストランRに提供する。
ここで、サービス提供者Mは、出荷予測情報を提示するタイミングを固定してもよい。例えば、毎日午後8:30の時点で出荷予測情報を一斉に公開するようにしてもよい。
【0018】
なお、ステップSS1乃至SS3と、ステップSS4乃至SS6とは順番が逆であってもよい。つまり、レストランRは、出荷予測情報が提供される前に、自らの発案に基づいて料理の内容を決めることもできるし、提供された出荷予測情報を参考にしながら料理の内容を決めることもできる。また、生産者Pは、出荷可能と予測される野菜の種類、量、及び出荷のタイミングを決める際に、提供された事前予約の内容を参考にすることもできるし、自らの判断に基づいて、出荷可能と予測される野菜の種類、量、及び出荷のタイミングを決めることもできる。
【0019】
このように、出荷内容が確定する前は、レストランR及び生産者Pの夫々から、生産者P及びレストランRの夫々に対し、未確定ではあるが予測可能な情報が提供される。これにより、生産者Pは、提供された事前予約の内容に基づいて、今後の収穫予定を立案することができる。また、レストランRは、提供された出荷予測情報に基づいて、メニューを立案することができるようになる。
【0020】
(出荷内容確定後)
出荷内容が確定した後は、ステップSS7において、生産者Pは、サービス提供者Mに対し、出荷可能な野菜の品種、品質(例えば大きさや出来具合)、数量、価格、撮像画像、出荷可能なタイミング等を含む、生産した野菜に関する情報を提供する。具体的には例えば、生産者Pは、「トマト(大)を100個○○円で本日の朝8:00頃出荷できる」といった文字情報と、撮像画像とをサービス提供者Mに提供する。
ここで、サービス提供者Mは、出荷確定情報を取得するタイミングを固定してもよい。例えば、毎日午前7:00の時点における出荷確定情報を一斉に取得するようにしてもよい。
【0021】
ステップSS8において、サービス提供者Mは、生産者Pから提供された情報を、出荷確定情報として取得する。
ステップSS9において、サービス提供者Mは、取得した出荷確定情報をレストランRに提供する。
ここで、出荷確定情報がレストランRに提供されるタイミングは、サービス提供者Mにより任意に決定される。サービス提供者Mは、出荷確定情報を提示するタイミングを固定してもよい。例えば、毎日午前7:30の時点で出荷確定情報を一斉に公開するようにしてもよい。
【0022】
ステップSS10において、レストランR1乃至Rm(mは1以上の任意の整数値)の夫々は、提供された出荷確定情報を見ながら所望の野菜を注文する。具体的には例えば、レストランRは、「トマト25個を注文する。納期は本日の午後4:00とする」といった情報をサービス提供者Mに提示する。
【0023】
ステップSS11において、サービス提供者Mは、レストランRにより提示された情報を、注文として受け付ける。ここで、同じ商品について複数の注文があった場合には、注文のタイミングが一番早かったレストランRがその商品を購入できることとなる。
ステップSS12において、サービス提供者Mは、取得した注文の内容を生産者Pに提示する。ここで、生産者Pが受注可能であれば、その旨をサービス提供者Mを介してレストランRに提示する。これにより、レストランRと生産者Pとの間の売買契約を成立させることができる。
ステップSS13において、サービス提供者Mは、売買契約が成立した注文に基づいて、対象となる野菜の集荷及び配送に必要となる集荷配送ルート、及びこの集荷配送ルートが反映された地図を生成する。
【0024】
ステップSS14において、配送業者Lは、生成された地図に反映された集荷配送ルートに従って、生産者P1乃至Pn(nは1以上の任意の整数値)を訪問しながら野菜の集荷を行う。また、配送業者Lは、レストランR1乃至Rmに対する野菜の配送を行う。
なお、配送業者Lが生産者Pから集荷する野菜は、ステップSS13で売買契約が成立したものに限定されない。売買契約の対象となっていない野菜を集荷配送してもよい。
これにより、売買契約の対象となっている野菜をレストランR1乃至Rmに配送するとともに、売買契約の対象となっていない野菜をレストランR1乃至Rmに直接販売することもできる。その結果、レストランR1のシェフは、売買契約の対象となっていない野菜を直接品定めして購入することもできる。
【0025】
また、配送業者Lによる配送に、専門家(図示せず)を同行させて、野菜の特性に関する情報をレストランRに提供するサービスを行ってもよい。
また、集荷配送ルートの前半に位置するレストランRと、後半に位置するレストランRとの間では、直接購入できる野菜の種類や鮮度等に差が生じてしまうため、集荷配送ルートを定期的に変更してもよい。
【0026】
本サービスが提供されることにより、以下のような効果を期待することもできる。
即ち、出荷確定情報に基づいて立案された料理の具体的内容は、レストランRの広告に用いることもできるし、レストランRが所在する地元の地域おこしに活用することもできる。レストランRの広告を見た地元の人々が、レストランRに足を運べば、地元で採れた新鮮な野菜を使用した美味しい料理を堪能することができる。その結果、地産地消を実現させることができるとともに、料理を堪能した地元の人々における地元意識を醸成させることもできる。
【0027】
また、生産者Pの立場からすれば、レストランRという直接的な販売先が増えるので、安心して作付けを行うことができる。その結果、地元産の野菜の生産量を増やすことができる。
さらに、生産量が多いために供給過多となり売れ残ってしまった野菜については、サービス提供者Mが買い取ったうえで加工・消費することもできる。具体的には例えば、サービス提供者Mが、売れ残ってしまった野菜について、生産者希望価格の50乃至70%、あるいは地元の農業協同組合の買取価格で買い取るようにしてもよい。そして、サービス提供者Mが買い取った野菜は、例えばサービス提供者Mの店舗等の社員食堂等で加工・消費するようにしてもよい。また、地元のスーパーマーケットや八百屋等の店内に「直売コーナー」を設け、売れ残ってしまった野菜をそこで販売してもよい。ここで、従来であれば、直売コーナーで販売される野菜は、生産者Pが自ら運んでいたが、この配送業務を配送業者Lが行うことにより、生産者Pの負担を減らすことができる。その結果、生産者Pにおける、本サービスへの安心感を構築することができる。
【0028】
また、レストランRを利用する地元の人々の立場からすれば、以下のような効果を期待することもできる。
即ち、生産者Pが主導的に提供する出荷予測情報や出荷確定情報に基づいて受発注が行われることになるため、流通の中心は、季節の旬の野菜となる。その結果、レストランRを利用する地元の人々は、レストランRで旬の野菜を中心に食べることになる。このため、食べたいものを食べたいときに食べれるだけ食べるのではなく、その年々の本当の旬を肌で感じることができる野菜を使用した、文化的で健康的な食事をとることができるようになる。
【0029】
[システム構成]
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1を含む情報処理システムの構成の概要を示す図である。
【0030】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、生産者端末2-1乃至2-nと、レストラン端末3-1乃至3-mと、配送端末4とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
サーバ1は、本サービスを提供するサービス提供者Mが管理する情報処理装置である。サーバ1は、生産者端末2-1乃至2-n、及びレストラン端末3-1乃至3-mの各動作を管理すべく、各種処理を実行する。
生産者端末2-1乃至2-nの夫々は、生産者P1乃至Pnの夫々が操作する情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
レストラン端末3-1乃至3-mの夫々は、レストランR1乃至Rmの夫々が操作する情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
なお、以下、生産者P1乃至Pn、生産者端末2-1乃至2-n、レストランR1乃至Rm、及びレストラン端末3-1乃至3-mの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「生産者P」、「生産者端末2」、「レストランR」、及び「レストラン端末3」の夫々と呼ぶ。
配送端末4は、配送業者Lが操作する情報処理装置であり、サーバ1により生成された、集荷配送ルート、及びこの集荷配送ルートが反映された地図を表示する。配送業者Lは、この地図にある集荷配送ルートに従って、集荷配送を行う。
【0031】
[ハードウェア構成]
次に、本サービスを提供するために各種処理を実行するサーバ1のハードウェア構成について説明する。
図3は、図2のサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0032】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0033】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0034】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0035】
出力部16は各種液晶ディスプレイ等で構成され、各種情報を出力する。
入力部17は、各種ハードウェア鉛等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図1の生産者端末2-1乃至2-n、レストラン端末3-1乃至3-m、及び配送端末4)との間で行う通信を制御する。
【0036】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。またリムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0037】
[機能的構成]
次に、サーバ1の機能について、図4を参照して説明する。
図4は、図3のサーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0038】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、確定前処理が実行される場合には、予測受付部101と、予測提示部102と、予約受付部103と、予約提示部104とが機能する。確定後処理が実行される場合には、確定受付部105と、確定提示部106と、注文受付部107と、注文提示部108と、ルート生成部109とが機能する。
記憶部18の一領域には、ユーザDB401と、生産物DB402とが設けられている。
【0039】
確定前処理とは、出荷内容が確定する前に、サーバ1により実行される処理であり、レストランRからの事前予約と、生産者Pからの出荷予測情報とを受け付ける処理、及びこれに関連する処理のことをいう。
【0040】
確定後処理とは、出荷内容が確定した後に、サーバ1により実行される処理であり、レストランRからの注文情報と、生産者Pからの出荷確定情報とを受け付ける処理、及びこれに関連する処理のことをいう。
【0041】
(CPU)
予測受付部101は、1以上の生産者の夫々により生産され、出荷することができると予測される1以上の生産物の夫々の内容を示す情報を、出荷予測情報として受け付ける。
具体的には、予測受付部101は、生産者P1乃至Pnの夫々により生産され、出荷することができると予測される1以上の野菜の夫々の内容を示す情報を、出荷予測情報として受け付ける。受け付けられた出荷予測情報は、生産物DB402に記憶されて管理される。
【0042】
予測提示部102は、受け付けられた1以上の出荷予測情報を、生産物を使用する1以上の使用者に提示する。
具体的には、予測提示部102は、受け付けられた1以上の出荷予測情報を、レストランR1乃至Rmに提示する。これにより、レストランR1乃至Rmは、料理の内容を考える際の参考情報の1つとして、出荷予測情報を活用することができる。
【0043】
予約受付部103は、生産物を使用する1以上の使用者から、生産物の購入の予約をしたい旨の提示があった場合に、これを事前予約として受け付ける。
具体的には、予約受付部103は、レストランR1乃至Rmから、野菜の購入の予約をしたい旨の提示があった場合に、これを事前予約として受け付ける。
【0044】
予約提示部104は、1以上の生産者に対し、事前予約が受け付けられた旨を提示する。
具体的には、予約提示部104は、生産者P1乃至Pnに対し、レストランR1乃至Rmからの事前予約が受け付けられた旨を提示する。
【0045】
確定受付部105は、1以上の生産者の夫々により生産され、出荷できることが確定した1以上の生産物の夫々の内容を示す情報を、出荷確定情報として受け付ける。受け付けられた出荷確定情報は、生産物DB402に記憶されて管理される。
具体的には、確定受付部105は、生産者P1乃至Pnの夫々により生産され、出荷できることが確定した1以上の野菜の夫々の内容を示す情報を、出荷確定情報として受け付ける。
【0046】
確定提示部106は、受け付けられた1以上の出荷確定情報を、生産物を使用する1以上の使用者に提示する。
具体的には、確定提示部106は、受け付けられた1以上の出荷確定情報を、レストランR1乃至Rmに提示する。これにより、レストランR1乃至Rmは、料理の内容を決定する際の根拠情報の1つとして、出荷確定情報を活用することができる。
【0047】
注文受付部107は、生産物を使用する1以上の使用者から、生産物を購入する旨の提示があった場合に、これを注文として受け付ける。
具体的には、予約受付部103は、レストランR1乃至Rmから、野菜の購入の予約をしたい旨の提示があった場合に、これを事前予約として受け付ける。
【0048】
注文提示部108は、1以上の生産者に対し、注文が受け付けられた旨を提示する。
具体的には、注文提示部108は、生産者P1乃至Pnに対し、レストランR1乃至Rmからの注文が受け付けられた旨を提示する。
【0049】
ルート生成部109は、売買契約が成立した注文に基づいて、売買契約の対象となる生産物の集荷及び配送に必要となる地図情報を生成する。
具体的には、ルート生成部109は、売買契約が成立した注文に基づいて、売買契約の対象となる野菜の集荷及び配送に必要となる集荷配送ルート、及びこの集荷配送ルートが反映された地図を生成する。
【0050】
(記憶部)
ユーザDB401には、本サービスにユーザ登録されたユーザ(生産者P、レストランR、及び配送業者L)に関する情報(以下、「ユーザ情報」と呼ぶ)が記憶され管理されている。ユーザ情報には、本サービスにユーザ登録されたユーザを一意に識別する情報(ID等)、名前、会社名、住所、連絡先等の情報が含まれる。
【0051】
生産物DB402には、本サービスにおいて商品として取引される生産物に関する情報が記憶され管理されている。生産物情報には、生産者Pから提示された、出荷予測情報、出荷確定情報等が記憶され管理されている。
【0052】
[フローチャート]
【0053】
次に、図5を参照して、図4の機能的構成を有するサーバ1が実行する各種処理について説明する。
図5は、図4のサーバ1が実行する確定前処理、及び確定後処理の流れを説明するフローチャートである。
【0054】
図5(A)は、確定前処理の流れを説明するフローチャートである。
図5(A)に示すように、サーバ1では、次のような一連の処理が実行される。
ステップS1において、予測受付部101は、1以上の生産者の夫々により生産され、出荷することができると予測される1以上の生産物の夫々の内容を示す情報を、出荷予測情報として受け付ける。具体的には、予測受付部101は、生産者P1乃至Pnの夫々により生産され、出荷することができると予測される1以上の野菜の夫々の内容を示す情報を、出荷予測情報として受け付ける。
ステップS2において、予測提示部102は、受け付けられた1以上の出荷予測情報を、生産物を使用する1以上の使用者に提示する。具体的には、予測提示部102は、受け付けられた1以上の出荷予測情報を、レストランR1乃至Rmに提示する。
ステップS3において、予約受付部103は、生産物を使用する1以上の使用者から、生産物の購入の予約をしたい旨の提示があった場合に、これを事前予約として受け付ける。具体的には、予約受付部103は、レストランR1乃至Rmから、野菜の購入の予約をしたい旨の提示があった場合に、これを事前予約として受け付ける。
ステップS4において予約提示部104は、1以上の生産者に対し、事前予約が受け付けられた旨を提示する。具体的には、予約提示部104は、生産者P1乃至Pnに対し、レストランR1乃至Rmからの事前予約が受け付けられた旨を提示する。これにより、登録前処理は終了する。
【0055】
図5(B)は、確定後処理の流れを説明するフローチャートである。
図5(B)に示すように、サーバ1では、次のような一連の処理が実行される。
ステップS11において、確定受付部105は、1以上の生産者の夫々により生産され、出荷できることが確定した1以上の生産物の夫々の内容を示す情報を、出荷確定情報として受け付ける。具体的には、確定受付部105は、生産者P1乃至Pnの夫々により生産され、出荷できることが確定した1以上の野菜の夫々の内容を示す情報を、出荷確定情報として受け付ける。
ステップS12において、確定提示部106は、受け付けられた1以上の出荷確定情報を、生産物を使用する1以上の使用者に提示する。具体的には、確定提示部106は、受け付けられた1以上の出荷確定情報を、レストランR1乃至Rmに提示する。
ステップS13において、注文受付部107は、生産物を使用する1以上の使用者から、生産物を購入する旨の提示があった場合に、これを注文として受け付ける。具体的には、予約受付部103は、レストランR1乃至Rmから、野菜の購入の予約をしたい旨の提示があった場合に、これを事前予約として受け付ける。
ステップS14において、注文提示部108は、1以上の生産者に対し、注文が受け付けられた旨を提示する。具体的には、注文提示部108は、生産者P1乃至Pnに対し、レストランR1乃至Rmからの注文が受け付けられた旨を提示する。
ステップS15において、ルート生成部109は、売買契約が成立した注文に基づいて、売買契約の対象となる生産物の集荷及び配送に必要となる地図情報を生成する。具体的には、ルート生成部109は、売買契約が成立した注文に基づいて、売買契約の対象となる野菜の集荷及び配送に必要となる集荷配送ルート、及びこの集荷配送ルートが反映された地図を生成する。これにより、確定後処理は終了する。
【0056】
[具体例]
次に、図6乃至図8を参照して、生産者端末2、レストラン端末3、及び配送端末4の夫々に表示されるGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の具体例について説明する。
図6は、生産者端末2に表示される、出荷確定情報の入力画面の具体例を示す図である。
【0057】
図6に示すように、出荷確定情報の入力画面には、生産した野菜に関する情報として、出荷可能な野菜の品種、品質(例えば大きさや出来具合)、数量、価格、及び出荷可能な日時の夫々を入力するための入力欄H1と、生産した野菜の撮像画像を登録するためのボタンB1が設けられている。
生産者Pは、入力欄H1に所定事項を入力するとともに、ボタンB1を押下することで、予め撮像しておいた野菜の撮像画像に基づく情報を登録する。
これにより、出荷確定情報がサーバ1に送信されるので、生産者Pは、サービス提供者Mに出荷確定情報を容易に提示することができる。
なお、図6のGUIは、出荷確定後における、出荷確定情報の入力画面の具体例を示す図であるが、出荷確定前における、出荷予測情報を入力する画面についても、野菜の撮像画像を登録するボタンB1を除き、図6のGUIと同様又は略同様の構成とすることができる。
【0058】
図7は、レストラン端末3に表示される、注文の内容を入力する画面の具体例を示す図である。
【0059】
図7に示すように、注文の内容を入力する画面には、注文する野菜に関する情報として、購入したい野菜の品種、品質(例えば大きさや出来具合)、数量、価格、及び納期の夫々を入力するための入力欄H2が設けられている。
レストランRは、入力欄H2に所定事項を入力する。これにより、注文の内容がサーバ1に送信されるので、レストランRは、サービス提供者Mに対し、生産物を購入する旨を容易に提示することができる。
なお、図7のGUIは、出荷確定後における、注文の内容を入力する画面の具体例を示す図であるが、出荷確定前における、事前予約の内容を入力する画面についても、図7のGUIと同様又は略同様の構成とすることができる。
【0060】
図8は、配送端末4に表示される、野菜の集荷及び配送に必要となる集荷配送ルート、及びこの集荷配送ルートが反映された地図の具体例を示す図である。
【0061】
図8に示すように、配送端末4には、配送業者Lが野菜を集荷して配送するまでの一連のルートが表示される。これにより、配送業者Lは、配送端末4に表示された集荷配送ルートに沿って集荷及び配送することで落ち度なく業務を遂行することができる。特に、上述したように、集荷配送ルートは定期的に変更されるため、配送業者Lが集荷及び配送の順番を間違うおそれがある。このため、配送業者Lは、配送端末4に表示された集荷配送ルートに忠実に集荷及び配送することで順番を間違えることなく業務を遂行することができる。
【0062】
具体的には、図8の例では、配送業者Lは、生産者P1乃至P5の順番で集荷し、その後、レストランR1乃至R3の順番で配送する。これにより、配送業者Lは、配送端末4に表示された集荷配送ルートに忠実に集荷及び配送することで順番を間違えることなく業務を遂行することができる。
【0063】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0064】
例えば、上述の実施形態では、生産物を「野菜」としているが、これは例示にすぎない。地元で生産された生産物であり、商品として提供可能なものであればよい。例えば、水産物や畜産物であってもよい。つまり、上述の実施形態では、野菜を生産することについて、野菜を栽培し、収穫するまでの一連の行為と定義づけているが、水産物を生産すること、及び畜産物を生産することについては、以下のように定義することができる。即ち、水産物を生産することについては、水産物を育て、又は捕獲して、商品としての形態に加工するまでの一連の行為と定義することができる。また、畜産物を生産することについては、畜産物を育て、又は捕獲して、商品としての形態に加工するまでの一連の行為と定義することができる。
【0065】
また例えば、上述の実施形態では、同じ商品について、複数のレストランRからの注文があった場合には、注文のタイミングが一番早かったレストランRがその商品を購入できることとされているが、これは例示にすぎない。注文の内容に含まれる各種要素に基づいて、その商品を購入できるレストランRを決めてもよい。例えば、生産者Pからの出荷確定情報に含まれる価格を「目安となる価格」という取り扱いにして、一番高い金額で注文したレストランRが購入できるようにしてもよい(即ち、入札方式)。この場合、生産者Pは、生産物を高く売ることができる。
【0066】
また例えば、図6乃至図8に示すGUIは例示にすぎず、他の画面構成としてもよい。
【0067】
また例えば、図6に示す出荷確定情報の入力項目は例示すぎず、図6に示す入力項目に限定されない。例えば、生産者Pは、手間や時間的コストの見地から、袋等で生産物(野菜)を梱包せずに、表面に土がついた状態で出荷する場合がある。この場合、梱包してからの出荷なのか、又は梱包せずに土がついた状態での出荷なのかを入力する項目を、出荷確定情報の入力項目に設けてもよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、生産者Pが野菜を出荷する際の具体的態様について特に限定していないが、例えば野菜の梱包に使用する袋にQRコード(登録商標)を付してもよい。このQRコード(登録商標)には、生産者Pに関する情報や、野菜(出荷商品)に関する情報を関連付けることができる。これにより、野菜の購入者であるレストランRは、レストラン端末3を用いてQRコード(登録商標)を読み取ることにより、容易に有益な情報を得ることができる。
具体的には、生産者Pに関する情報には、生産者Pのプロフィール、生産者Pによる野菜の説明、生産者Pのこだわり等を含めることができる。また、野菜(出荷商品)に関する情報には、専門家によるワンポイントアドバイスとして、例えばおすすめの調理方法等の情報を含めることができる。
なお、生産者Pに関する情報や、野菜(出荷商品)に関する情報は、レストラン端末3を用いてQRコード(登録商標)を読み取ることにより直接的に取得できるようにしてもよいし、これらの情報にアクセス可能なURLを取得できるようにしてもよい。
【0069】
また例えば、ルート生成部109により生成される集荷配送ルートは、予め設定された優先順位に基づいて生成されてもよい。優先順位の設定基準は特に限定されず、生産者Pの利益を重視した優先順位、レストランRの利益を重視した優先順位、配送業者Lの利益を重視した優先順位等、任意に設定することができる。
ここで、生産者Pが野菜を販売した際の利幅は、野菜の販売先が、(1)レストランR、(2)スーパーマーケットや八百屋等の小売業者、(3)サービス提供者Mの順で次第に小さくなっていく。即ち、生産者Pは、レストランRに販売すると最も利幅が大きく、スーパーマーケット等の小売業者に販売すると中間マージンが引かれるため、レストランRに販売するよりも利幅は小さくなる。そして、サービス提供者Mに販売するときは、ほとんど売れ残りの状態となるため最も利幅が小さくなる。このため、例えば生産者Pの利益を重視した優先順位に基づいた場合には、上記(1)乃至(3)の順番の集荷配送ルートが生成される。
即ち、まず第1優先として、注文が受け付けられたレストランRをまわり、第2優先として、地元のスーパーマーケットや八百屋等の小売店舗をまわる。具体的には、ルート生成部109は、地元のスーパーマーケットや八百屋からの注文があったものと擬制して、地元のスーパーマーケットや八百屋等の小売店舗の夫々が経由地点に含まれるように集荷配送ルートを生成する。
【0070】
また、上述の実施形態では、生産者Pの野菜の販売先は、レストランR、スーパーマーケット等の小売店舗、及びサービス提供者Mとされており、一般消費者が含まれていない。しかしながら、これは例示にすぎず、生産者Pは一般消費者に直接販売してもよい。具体的には例えば、人通りが多い団地内の路地を集荷配送ルートに入れてもよい。これにより、路地を通行する一般消費者に対し、積極的に野菜を売り込むことができる。一般消費者への販売は、レストランRへの販売よりもさらに利幅が大きくなるため、生産者Pが得られる利益の増加を図ることができる。
【0071】
また、図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0072】
また、図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図4の例に限定されない。
【0073】
また、機能ブロックの存在場所も、図4に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0074】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0075】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0076】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0077】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0078】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えばサーバ1)は、
1以上の生産者(例えば図1の生産者P)の夫々により生産され、出荷できることが確定した1以上の生産物(例えば野菜)の夫々の内容を示す情報を、出荷確定情報として受け付ける確定受付手段(例えば図4の確定受付部105)と、
受け付けられた1以上の前記出荷確定情報を、前記生産物を使用し得る1以上の使用者(例えば図1のレストランR)に提示する確定提示手段(例えば図4の確定提示部106)と、
前記1以上の使用者のうち少なくとも一部から、生産物を購入する旨の提示があった場合に、これを注文として受け付ける注文受付手段(例えば図4の注文受付部107)と、
前記提示をした前記生産者に対し、前記注文が受け付けられた旨を提示する注文提示手段(例えば図4の注文提示部108)と、
受け付けられた前記注文に基づいて、当該注文の対象を少なくとも含む、出荷できることが確定した前記生産物の集荷及び配送のルート(例えば図8の集荷配送ルート)を生成するルート生成手段(例えば図4のルート生成部109)と、
を備える
これにより、地元で採れた生産物を使用する使用者と、その使用者に対し地元産の生産物を提供する生産者との関係を円滑化させて、地元の価値を見出すことができる新たな仕組みを提供することができる。
【0079】
さらに、1以上の生産者(例えば図1の生産者P)の夫々により生産され、出荷することができると予測される1以上の生産物(例えば野菜)の夫々の内容を示す情報を、出荷予測情報として受け付ける予測受付手段(例えば図4の予測受付部101)と、
前記生産物を使用する1以上の使用者(例えば図1のレストランR)から、前記生産物の購入の予約をしたい旨の提示があった場合に、これを事前予約として受け付ける予約受付手段(例えば図4の予約受付部103)と、
を備えることができる。
これにより、地元で採れた生産物を使用する使用者は、前日等に事前に予約することができるので、使用計画を容易に立てることが可能になる。また、この予約は、売買契約を成立させるものではなく、次の日の朝悪天候により生産物を集荷できないときはキャンセルさせることができるので、生産者にとっても安心して出荷計画を容易に立てることができる。
【0080】
また、前記出荷確定情報に含まれる前記生産物の数量よりも、前記事前予約の内容に含まれる当該生産物の数量の方が少ない場合に、
前記注文受付手段は、当該生産物の前記配送が開始されるタイミングの所定時間前(例えば集荷配送が開始される30分前)まで前記注文を受け付けることができる。
これにより、レストランRにおける急な予約の変更に対応することができる。
【0081】
また、前記出荷予測情報を前記1以上の使用者に提示する予測提示手段(例えば図4の予測提示部102)をさらに備えることができる。
これにより、レストランRは、料理の内容を考える際に、出荷予測情報を参考にすることができる。
【0082】
また、前記1以上の生産者に対し、前記事前予約が受け付けられた旨を提示する予約提示手段(例えば図4の予約提示部104)をさらに備えることができる。
これにより、生産者Pは、事前予約の内容を考慮して出荷内容を確定することができる。
【符号の説明】
【0083】
1:サーバ、2、2-1、2-n:生産者端末、3、3-1、3-m:レストラン端末、4:配送端末、11:CPU、12:ROM、13:RAM、14:バス、15:入出力インターフェース、16:出力部、17:入力部、18:記憶部、19:通信部、20:ドライブ、30:リムーバブルメディア、101:予測受付部、102:予測提示部、103:予約受付部、104:予約提示部、105:確定受付部、106:確定提示部、107:注文受付部、108:注文提示部、109:ルート生成部、401:ユーザDB、402:生産物DB、H1:入力欄、B1:ボタン、SS1乃至SS14:本サービスにおける各ステップ、S1乃至S4:サーバの処理における各ステップ、P,P1,Pn:生産者、M:サービス提供者、N:ネットワーク、R,R1,Rn:レストラン、L:配送業者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8