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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138675
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】多角的な視野方向を有する内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20230922BHJP
【FI】
A61B1/018 514
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129195
(22)【出願日】2023-08-08
(62)【分割の表示】P 2022114823の分割
【原出願日】2018-01-29
(31)【優先権主張番号】62/453,186
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】キャラブリーズ、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】バルバート、ルイス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ガフニー、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ウッド、マーク ディ.
(57)【要約】
【課題】多角的な動作方向を提供するために、多角的な視野方向を有するとともに、調整可能な昇降具(例えば、チューブ状部材)を有する医療装置を提供する。
【解決手段】医療装置は遠位端を有するシャフトを備える。該シャフトは、第1の方向に向く第1の開口と、第1の開口とは異なる第2の方向に向く第2の開口とを含む。医療装置はシャフト内に昇降具を備える。昇降具は、非作動姿勢において、医療器具が第1の開口を介し、第1の方向に沿ってシャフトから外側に移動することができるように構成されているとともに、昇降具は、作動姿勢において、医療器具が第2の開口を介し、第2の方向に沿って作動し、シャフトから外側に延びるように構成される。シャフトは、作動姿勢において昇降具を固定し、もって、遠位端において医療器具の少なくとも一部が係合するシャフトにより作動姿勢に医療器具を維持するように構成される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
該医療装置は遠位端を有するシャフトを備え、該シャフトは、
第1の方向に向く第1の開口と、
前記第1の開口とは異なる第2の方向に向く第2の開口と
を含み、
該医療装置は前記シャフト内に配置された昇降具を備え、
前記昇降具は、非作動姿勢において、医療器具が前記第1の開口を介して前記第1の方向に沿って前記シャフトから外側に移動することができるように構成されているとともに、前記昇降具は、作動姿勢において、前記医療器具を作動することができるようにかつ前記医療器具が前記第2の開口を介して前記第2の方向に沿って前記シャフトから外側に延びることができるように構成されており、
前記昇降具は、前記作動姿勢において固定され、もって、前記遠位端において前記医療器具の少なくとも一部が係合する前記シャフトに応答して前記作動姿勢に前記医療器具を維持する、医療装置。
【請求項2】
前記シャフトは前記遠位端に第3の開口を含み、該第3の開口は、前記第1の方向と前記第2の方向とに向く、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記第3の開口は、前記医療器具の少なくとも一部を受け入れる大きさ及び形状に形成される、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記シャフトは、前記医療器具の少なくとも一部が前記第3の開口に受け入れられたことに応答して、前記遠位端に前記昇降具を固定するように構成される、請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記第3の開口は前記遠位端において前記シャフトの壁にある凹みである、請求項2に記載の医療装置。
【請求項6】
前記凹みは前記医療器具の少なくとも一部と圧嵌留めを形成し、もって、前記シャフトに対して前記昇降具をロックするように構成される、請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
前記第3の開口は、前記医療器具の少なくとも一部が前記第3の開口内に受け入れられている場合には、前記昇降具が前記作動姿勢から前記非作動姿勢に移動することを規制するように構成される、請求項2に記載の医療装置。
【請求項8】
前記シャフトは、前記第2の開口を少なくとも部分的に画成する前記遠位端に第1の壁と第2の壁とを含み、
前記第1の壁と前記第2の壁は互いに向かって整合しており、前記第3の開口は、前記第1の壁と前記第2の壁との間に位置する、請求項2に記載の医療装置。
【請求項9】
前記第1の壁と前記第2の壁は、前記昇降具が前記非作動姿勢から作動姿勢に動いて前記医療器具を作動させる際に前記医療器具を前記第3の開口に向かって案内するように構成される、請求項8に記載の医療装置。
【請求項10】
前記第3の開口は、前記第1の開口及び前記第2の開口に対し前記シャフトの近位に沿って位置する、請求項3に記載の医療装置。
【請求項11】
前記医療器具は、前記昇降具が前記非作動姿勢にある場合には、前記昇降具を越えて移動するように構成される、請求項1に記載の医療装置。
【請求項12】
前記シャフトは、
前記第1の開口に近接し、かつ、前記第1の方向に向く第1のセンサと、
前記第2の開口に近接し、かつ、前記第2の方向に向く第2のセンサと
を含み、
前記医療器具は、前記昇降具が前記非作動姿勢の場合には、少なくとも部分的に前記第1のセンサに映り、かつ、前記第2のセンサには映らないとともに、前記昇降具が前記作動姿勢の場合には、少なくとも部分的に前記第2のセンサに映り、かつ、前記第1のセンサには映らない、請求項1に記載の医療装置。
【請求項13】
前記第1のセンサは撮像素子を含み、前記昇降具が非作動姿勢の場合には前記医療器具を撮像するように前記第1のセンサが構成される、請求項12に記載の医療装置。
【請求項14】
前記第2のセンサは撮像素子を含み、前記昇降具が作動姿勢の場合には前記医療器具を撮像するように前記第2のセンサが構成される、請求項12に記載の医療装置。
【請求項15】
医療装置であって、
該医療装置はシャフトを備え、該シャフトは第1の面と前記第1の面とは異なる第2の面によって画成される遠位端を有し、前記第1の面は第1の開口を含み、かつ、前記第2の面は前記第1の開口に対して異なる方向を向く第2の開口を含み、
該医療装置は昇降具を備え、該昇降具は前記シャフト内に位置するとともに前記第1の面と前記第2の面に対して相対的に移動可能であり、前記昇降具は、前記昇降具に受け入れられた医療器具を非作動位置から作動位置に動かす際に、非作動姿勢と作動姿勢との間で動くように構成され、
前記非作動姿勢の場合には、前記昇降具は、前記第1の開口を介して前記シャフトから外側に前記医療器具を移動可能に構成されるとともに、前記作動姿勢の場合には、前記昇降具は、前記医療器具を作動することができるように、かつ、前記医療器具が前記第2の開口を介して前記シャフトから外側に延びることができるように構成され、
前記医療器具は、前記昇降具が前記非作動姿勢から前記作動姿勢に動いた際に、前記第2の面の遠位方向に向いた部分に圧嵌留めされ、もって前記遠位端に前記医療器具を固定するとともに当該昇降具を前記作動姿勢に維持する、医療装置。
【請求項16】
前記シャフトは、当該シャフトの第1の壁に位置する第1のセンサを含み、前記第1の壁は前記第1の面を画成し、
前記シャフトは、当該シャフトの、前記第1の壁とは異なる第2の壁に位置する第2のセンサを含み、前記第2の壁は、前記第1の面及び前記第2の面とは異なる第3の面を画成し、
前記昇降具は、前記非作動姿勢にある場合には、前記医療器具が少なくとも部分的に前記第1のセンサに映り、かつ、前記第2のセンサには映らないように前記医療器具を位置決めするように構成されるとともに、前記作動姿勢の場合には、前記医療器具が少なくとも部分的に前記第2のセンサに映り、かつ、前記第1のセンサには映らないように前記医療器具を位置決めするように構成される、請求項15に記載の医療装置。
【請求項17】
前記第2の面の前記遠位方向に向いた部分は第3の開口を含み、該第3の開口は前記第2の開口に近接して配置され、前記第3の開口は前記作動姿勢に動いた前記昇降具に応答して前記遠位端に前記医療器具を固定するように構成される、請求項15に記載の医療装置。
【請求項18】
前記第3の開口は、前記医療器具が前記第3の開口内に受け入れられている場合には、前記作動姿勢から前記非作動姿勢への前記昇降具の移動を規制するように構成される、請求項17に記載の医療装置。
【請求項19】
前記昇降具は、前記非作動姿勢及び前記作動姿勢において前記医療器具をスライドさせて受け入れるように構成される、請求項17に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、多角的な動作方向を提供するために、多角的な視野方向を有するとともに、調整可能な昇降具を有する内視鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内視鏡的逆行性胆道膵管造影法(ERC:Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography)は、膵胆道疾患のある患者を診断及び治療するために用いられる処置である。ERCPは、通常、昇降機構を有する側視型内視鏡を用いて遂行される。側視鏡及び昇降機構を配することによって、医師は、十二指腸乳頭にカニューレを挿入するとともに、診断的及び治療的ERCP処置用の器具で標的部位にたどることが可能となる。
【0003】
解剖学的構造が変化している患者には、前方視型内視鏡が用いられることも時にはあるが、そのような内視鏡は、昇降具又は側視イメージセンサの機能がないので、昇降具及び側視イメージセンサを有する側視型内視鏡を使用する場合と比較して、医師の診断能力及び治療能力は制限される場合がある。また、現在市販されている前方視鏡は、側視鏡よりも長尺である場合があり、異なるカニュレーション方法及び異なる器具を用いることが必要となる場合がある。解剖学的構造が変化している特定の患者には、市販の前方視型内視鏡でうまくいくことがあるが、それらを使用することで、側視鏡を用いてERCPを実施する場合と比較して、医師による処置の変更及び追加的な労力が必要となることがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の例は、特に、多角的な動作方向を提供するために、多角的な視野方向を有するとともに、調整可能な昇降具(例えば、チューブ状部材)を有する内視鏡に関するものである。本明細書で開示する例のそれぞれは、他の開示される例のいずれかに関連して記載される特徴の1つ以上を含み得る。
【0005】
一例において、内視鏡は、長手軸と、遠位方向に向いた第1のイメージセンサと、横方向に向いた第2のイメージセンサと、を有するシャフトを備え得る。内視鏡は、さらに、ルーメンを有するチューブ状部材であって、そのルーメンは、遠位端開口を有するとともに、ルーメンの中心を通る長手軸を規定する、チューブ状部材を備え得る。チューブ状部材は、第1の姿勢と第2の姿勢との間で移行可能であり得る。チューブ状部材の第1の姿勢では、ルーメンの長手軸は、シャフトの長手軸に平行であり得る。チューブ状部材の第2の姿勢では、ルーメンの長手軸は、シャフトの壁の横開口を通って延び得る。
【0006】
本明細書で記載する内視鏡の例はいずれも、以下の特徴の1つ以上をさらに含み得る。第1のイメージセンサは、シャフトの遠位方向に向いた壁に配置され得るとともに、第2のイメージセンサは、シャフトの横方向に向いた壁に配置され得る。第1の姿勢では、遠位端開口は、シャフトの遠位方向に向いた壁に平行であり得る。遠位方向に向いた壁は、シャフトの最遠位端に配置され得る。第1のイメージセンサは、遠位方向に向いた壁に対して相対的に調整可能であり得るとともに、第2のイメージセンサは、横方向に向いた壁に対して相対的に調整可能であり得る。シャフトの横方向に向いた壁は、平らであり得るとともに、遠位方向に向いた壁と横方向に向いた壁とは、互いに直角であり得る。遠位方向と横方向とは、互いに約90°であり得る。内視鏡は、さらに、チューブ状部材内に配置された医療装置を含み得る。第1の姿勢では、医療装置は、チューブ状部材の遠位端開口から延出し得るとともに、第1のイメージセンサは、当該医療装置を撮像するように構成され得る。第2の姿勢では、医療装置は、チューブ状部材の遠位端開口から延出し得るとともに、前記第2のイメージセンサは、当該医療装置を撮像するように構成され得る。チューブ状部材は、さらに第3の姿勢に移行可能であるとともに、第3の姿勢では、医療装置は、シャフトの壁に対してロックされ得る。内視鏡は、さらに、第1のイメージセンサに関連付けられた第1の光源と、第2のイメージセンサに関連付けられた第2の光源と、を含み得る。内視鏡は、さらに、複数の光源を備え得る。シャフトの壁は、医療装置を受容するとともにシャフトの壁に対して固定するように構成された、遠位方向に開いた凹みを含んでよい。チューブ状部材の第1の姿勢では、ルーメンの長手軸は、シャフトの壁の遠位開口を通って延び得る。チューブ状部材の運動の領域は、少なくとも80°であり得る。又は、チューブ状部材は、シャフトに対して相対的に軸方向に並進し得る。
【0007】
他の例において、内視鏡は、第1のイメージセンサと、第2のイメージセンサと、チューブ状部材を含み得るものであり、該第1のイメージセンサは、シャフトの遠位方向に向いた壁に配置され、該第2のイメージセンサは、シャフトの横方向に向いた壁に配置され、該チューブ状部材は、ルーメンを有し、該ルーメンは、遠位端開口を有するとともに、ルーメンの中心を通る長手軸を規定する。チューブ状部材は、第1の姿勢と第2の姿勢との間で移行可能であり得る。チューブ状部材の第1の姿勢では、遠位端開口は、シャフトの遠位方向に向いた壁に平行であり得る。チューブ状部材の第2の姿勢では、ルーメンの長手軸は、シャフトの横開口を通って延び得る。
【0008】
本明細書で記載する内視鏡の例はいずれも、以下の特徴の1つ以上をさらに含み得る。第1のイメージセンサは、第1の方向に向くことができ、第2のイメージセンサは、第2の方向に向くことができ、第1の方向と第2の方向とは、互いに約90°とすることができる。内視鏡は、さらに、第1のイメージセンサに関連付けられた第1の光源と、第2のイメージセンサに関連付けられた第2の光源と、を含み得る。シャフトの横方向に向いた壁は、平らであり得、かつ、遠位方向に向いた壁と横方向に向いた壁とは、互いに直角であり得る。チューブ状部材は、さらに第3の姿勢に移行可能であり得るものであり、該第3の姿勢では、ルーメン内に配置された医療装置が、シャフトに対してロックされ得る。チューブ状部材は、遠位方向に向いた壁及び横方向に向いた壁に対して並進し得る。すなわち、チューブ状部材の第1の姿勢では、ルーメンの長手軸は、シャフトの長手軸に平行であり得る。
【0009】
さらなる他の例において、内視鏡を用いて患者を撮像する方法は、患者の第1の部分を撮像するために、遠位方向に向いた第1のイメージセンサを用いることと、ルーメンを有するチューブ状部材であって、そのルーメンは、遠位端開口を有するとともに、ルーメンの中心を通る長手軸を規定する、チューブ状部材を、第1の姿勢から第2の姿勢に移行させることと、患者の第2の部分を撮像するために、横方向に向いた第2のイメージセンサを用いることと、を含み得る。チューブ状部材の第1の姿勢では、ルーメンの長手軸は、内視鏡のシャフトの長手軸に平行であり得る一方、チューブ状部材の第2の姿勢では、ルーメンの長手軸は、シャフトの横開口を通って延び得る。
【0010】
本明細書で記載する方法はいずれも、以下の特徴又はステップの1つ以上をさらに含み得る。本方法は、さらに、チューブ状部材のルーメン内に医療装置を配置することを含み得る。本方法は、さらに、チューブ状部材を第2の姿勢から第3の姿勢に移行させることを含み得るものであり、チューブ状部材を第2の姿勢から第3の姿勢に移行させることで、医療装置はシャフトに対してロックされる。第1の姿勢では、ルーメンの遠位端開口は、シャフトの遠位端壁に平行であり得る。すなわち、患者の第2の部分を撮像するために第2のイメージセンサを用いるステップは、チューブ状部材が第2の姿勢にあるときに実行され得る。
【0011】
なお、上記の概要説明及び以下の詳細説明は、いずれも例示的かつ説明的なものにすぎず、請求項に記載の発明を限定するものではないことは、理解されるであろう。本明細書で使用される場合の、「備える/である」、「備えている/である」という表現、又はそれらの他の何らかの変化形は、非排他的包含を包括するものであり、よって、列挙された要素を備えるプロセス、方法、物品、もしくは装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素、又はそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含み得る。「例示的」という表現は、「理想的」というよりも「例」という意味で用いられる。
【0012】
本明細書に組み込まれてその一部をなす添付の図面は、本発明の例を示すとともに、本説明と併せて、本発明の原理を説明するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一例による、チューブ状部材が前出口作業チャネルを形成するように直線姿勢にある、内視鏡の遠位端の斜視図。
図2】一例による、チューブ状部材が横出口作業チャネルを形成するように屈曲姿勢にある、図1の内視鏡の遠位端の斜視図。
図3】一例による、チューブ状部材内の医療装置がロック位置にある、図1の内視鏡の遠位端の斜視図。
図4】一例による、図1の内視鏡の遠位端面図。
図5】一例による、図2の内視鏡のチップの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、多角的な視野方向を有する内視鏡に関する。多角的な方向の撮像を実現するために、内視鏡は、2つ以上のイメージセンサを有し得る。さらに、内視鏡は、当該内視鏡が前出口作業チャネルと横出口作業チャネルの両方を有することを可能とする、調整可能な遠位部を具備する昇降具(例えば、チューブ状部材)を有し得る。
【0015】
図1を参照して、内視鏡2は、遠位チップ4を有する細長い可撓性のチューブ状シャフトを含み得る。遠位チップ4は、チューブ状シャフトの近位部に対して左右、及び上下に屈曲し得る。内視鏡2は、さらに、ルーメン8を画成する昇降具、すなわちチューブ状部材6と、前方向ビュー系12と、横方向ビュー系14と、を含み得る。内視鏡2のチューブ状シャフト(又は遠位チップ4)は、遠位チップ4の中心を通って近位-遠位方向に延びる長手軸Aを規定し得る。他の例において、長手軸Aは、遠位チップ4を通って近位-遠位方向に延び得るものの、偏心し得る。前方向ビュー系12は、イメージセンサ16と、光源18と、レンズウォッシュ20と、を含み得る。同様に、横方向ビュー系14は、イメージセンサ22と、光源24と、レンズウォッシュ26と、を含み得る。内視鏡2は、患者の解剖学的構造を視覚的に検査するために使用される任意の装置であり得るものであり、任意の適切な処置に使用されるものであり得る。例えば、内視鏡2は、患者の胃腸系、血管系、呼吸器系、又は泌尿器系を検査するために使用されるものであり得る。
【0016】
チューブ状部材6は、内視鏡2の近位端から内視鏡2の遠位端まで延びる細長チューブを含み得る。チューブ状部材6は、ポリマ、ウレタン、フッ素-ポリマブレンド、又は金属(例えば、ステンレス鋼)のような、任意の適切な生体適合性材料を含んでよい。チューブ状部材6は、チューブ状部材6の近位部(図示せず)に対して相対的に屈曲可能である図示の遠位部28を含み得る。チューブ状部材6の近位部と遠位部28との間の所望の領域における屈曲を容易とするために、チューブ状部材6は、コイルチューブ部、容易に屈曲可能な弱化領域を形成するレーザカットパターン、ヒンジ、或いは2つの部分を互いに屈曲可能にする他の任意の適切な機構、を含み得る。
【0017】
チューブ状部材6は、ルーメン8を有し得るか、又は画成し得る。一例において、ルーメン8は、円形断面を有し得る。他の例において、ルーメン8の断面は、楕円形、多角形、不規則形状、又は他の任意の適切な形状であり得る。ルーメン8は、遠位部28の遠位端に、遠位端開口30を含み得る。ルーメン8(又はチューブ状部材6の遠位部28)は、遠位部28の中心を通って(例えば、チューブ状部材6の屈曲可能領域に隣接した)近位端から遠位端開口30まで延びる長手軸Bを規定し得る。他の例において、長手軸Bは、遠位部28を通って近位-遠位方向に延び得るものの、偏心し得る。開口30は、ガイドワイヤ又はその他の治療装置もしくは診断装置のような医療装置32のための出口を提供し得る。医療装置32をルーメン8内に配置するには、図1に示すように、医療装置32の遠位端を、チューブ状部材6の近位端に挿入し、ルーメン8を通して、遠位端開口30から延出させ得る。
【0018】
チューブ状部材6の遠位部28は、図1に示す第1の姿勢と、図2に示す第2の姿勢との間で移行可能であり得る。図3は、第3の姿勢にあるチューブ状部材を示している。なお、遠位部28は、さらに、第1の姿勢と第3の姿勢との間、及び第2の姿勢と第3の姿勢との間で移行可能であることが理解されるべきである。図1の第1の姿勢では、遠位端開口30は、遠位チップ4の遠位端壁34に平行であり得る。さらに、ルーメン8の長手軸Bは、内視鏡2のチューブ状シャフト(又は遠位チップ4)の長手軸Aに平行であり得る。従って、第1の姿勢では、チューブ状部材6は、前出口を有する内視鏡2の作業チャネル(ルーメン8)を画成し得る。前出口は、遠位端壁34の近傍にあり得るか、又は遠位端壁34と同じ平面内にあり得る。チューブ状部材6が第1の姿勢にあるときには、チューブ状部材6から延出する医療装置32のような器具を可視化するために、前方向ビュー系12を使用し得る。
【0019】
チューブ状部材6が図2に示す第2の姿勢にあるときには、遠位端開口30は、遠位チップ4の遠位端壁34との間に角度を成し得る。同様に、チューブ状部材6の遠位部28の長手軸Bは、内視鏡2のチューブ状シャフト(又は遠位チップ4)の長手軸Aとの間に角度Θを成し得る。このように、第2の姿勢では、チューブ状部材6は、横出口又は横方向出口を有する内視鏡2の作業チャネル(ルーメン8)を画成し得る。チューブ状部材6が第2の姿勢にあるときには、チューブ状部材6から延出する医療装置32のような器具を可視化するために、横方向ビュー系14を使用し得る。
【0020】
図3は、ロック姿勢と呼称されることがある第3の姿勢にあるチューブ状部材6を示している。第3の姿勢では、チューブ状部材6に対する医療装置32の動きは、抑制又は阻止され得る。一例において、第3の姿勢は、(遠位端開口30から延出している医療装置32と共に)チューブ状部材6の遠位部28が内視鏡2の遠位チップ4の長手軸に対して最大限に屈曲された位置にあるときの、チューブ状部材6の位置であり得る。すなわち、第3の姿勢では、角度Θは、チューブ状部材6が第1の姿勢又は第2の姿勢にあるときの角度Θよりも大きい角度であり得る。遠位チップ4は、医療装置32を受容するとともにチューブ状シャフトの遠位チップ4に対して固定するようにサイズ設定されたノッチ、すなわち凹み36を含み得る。凹み36は遠位方向に開き得る。チューブ状部材6が第3の姿勢に移行すると、医療装置32は、遠位部28の壁と凹み36との間で挟圧され得るとともに、凹み36を介して遠位チップ4と圧嵌留めを形成し得る。チューブ状部材6の第3の姿勢では、さらに後述するように、ルーメン8内で医療装置32に沿ってカテーテル又は他の医療装置が進められるときに、医療装置32が固定保持され得る。しかしながら、装置32に被さった医療具を進行させることは、第1の姿勢、第2の姿勢、又は第3の姿勢のいずれかにあるときにも行われ得る。
【0021】
図3図4図5を参照して、内視鏡2のチューブ状シャフトの遠位チップ4の壁は、チューブ状部材6の遠位端開口30から延出する器具が内視鏡2の外にたどるようにするための横開口38と、(遠位端壁34の)遠位開口40とを含み得る。開口38と開口40とは、遠位チップ4において遠位方向と横方向の両方に向いた単一の開口を形成するようにつながっている。横開口38は、遠位端壁34から近位方向に広がり得る。遠位端壁34から、横開口38の第1の側面37と第2の側面39は互いに平行に、横開口38の(近位-遠位方向の)長さの一部にわたって延び得る。そこから近位方向に、2つの側面37、39は、互いに近づいて凹み36に向かうように移行し得る。凹み36は、横開口38の一部であり得るとともに、第1の側面37と第2の側面39との間にわたる遠位チップ4の壁の湾曲部によって近位側に画成され得る。
【0022】
遠位開口40は、内視鏡2のチューブ状シャフトの遠位チップ4に貫通して長手方向に延びるルーメン44の遠位端であり得る。図4を参照して、遠位開口40は、遠位チップ4の上縁から延び得るものであり、遠位チップ4の上縁から横開口38につながって連続している。この横開口38から、遠位開口40は、対向する遠位チップ4の壁に向かって(図4を見たときに紙面の下側に向かって)延び得る。遠位開口40は、(図4でみて)その底縁において、遠位開口40の周囲の遠位端壁34の壁がU字形をなすように湾曲し得る。遠位開口40のU字形状によって、チューブ状部材6の遠位部28は、図1及び4に示す完全に直線状の第1の姿勢に延びることが可能となり得る。一例において、遠位開口40の底における曲率は、チューブ状部材6の外面の曲率に一致し得る。
【0023】
チューブ状部材6を第1の姿勢から第2の姿勢又は第3の姿勢に移行させるときに、医療装置32は、遠位開口40及び横開口38を経由して内視鏡2の外へ連続する通り道を有し得る。例えば、図1に示す第1の姿勢では、医療装置32は、遠位開口40を通して内視鏡2の外にたどり得る。チューブ状部材6が図2に示す第2の姿勢に近づくと、医療装置32は、ルーメン8から内視鏡2の外に延出するように、横開口38を通過し得る。従って、遠位開口40及び横開口38は、ルーメン8の遠位端開口30から延びる器具が内視鏡2の外にたどることができるように、経路を提供する。言い換えると、チューブ状部材6が第1の姿勢にあるときに、チューブ状部材6の長手軸Bは、遠位開口40を通って延び得る。一方、チューブ状部材6の第2の姿勢では、長手軸Bは、横開口38を通って延び得る。チューブ状部材6の第3の姿勢では、長手軸Bが(例えば、図3に示すように)ルーメン8の中心を通っている場合には、長手軸Bは、遠位チップ4の壁を通り抜けて延び得る。一方、長手軸Bが偏心している場合には、チューブ状部材6が第3の姿勢にあるときに、長手軸Bは、やはり横開口38を通って延び得る。
【0024】
チューブ状部材6は、その運動の領域にわたって(例えば、第1の姿勢、第2の姿勢、及び第3の姿勢の間で)、当技術分野で周知の何らかの機構によって動かされ得る。一例において、ワイヤ(図示せず)を、遠位部28の外側に(例えば、チューブ状部材6の周囲のリングによって、接着剤によって、半田付けなどによって)固定し得るものであり、それをチューブ状部材6の近位端に向かって近位方向に渡し得る。使用者は、遠位部28を第1の姿勢から第2の姿勢又は第3の姿勢に向かって移行させるために、ワイヤを近位方向に引き得る。すなわち、ワイヤの近位方向の動きによって、内視鏡2の遠位チップ4に対して遠位部28の屈曲を増加させ得る(例えば、角度Θを増加させ得る)。便宜上、角度Θを増加させる遠位部28の屈曲の動きを、本明細書では、遠位部28の「近位方向の」動きと呼ぶ。逆に、使用者は、遠位部28を第2の姿勢又は第3の姿勢から第1の姿勢に向かって移行させるために、ワイヤ又は他の機構を遠位方向に押し得る。すなわち、ワイヤの遠位方向の動きによって、内視鏡2の遠位チップ4に対して遠位部28の屈曲を減少させることができ(例えば、角度Θを減少させることができ)、そして長手軸Bが長手軸Aに平行となる位置に向かって移行させることができる。便宜上、角度Θを減少させる遠位部28のこの直線化の動きを、本明細書では、遠位部28の「遠位方向の」動きと呼ぶ。
【0025】
一例において、チューブ状部材6の遠位部28は、約85°の運動の領域を有し得る。本明細書で使用する場合の「約」とは、±5%を含むことを意味する。この例によれば、運動の領域は、第1の姿勢と第2の姿勢との間の(例えば、図1図2との間の)角度Θ、又は第1の姿勢と第3の姿勢との間の(例えば、図1図3との間の)角度Θとして、定義され得る。運動の領域が、第1の姿勢と第2の姿勢との間の角度Θである場合には、運動の領域は、医療装置32が遠位部28の遠位端開口30から突出しつつ自由に動くことが可能な遠位部28の位置をいずれも含み得る。運動の領域が、第1の姿勢と第3の姿勢との間の角度Θである場合には、運動の領域は、医療装置32が自由に動くことができるかロックされるかに拘らず、医療装置32が遠位部28の遠位端開口から突出することが可能な遠位部28の位置をいずれも含み得る。
【0026】
他の例において、遠位部28は、約70°、約75°、約80°、又は約90°の運動の領域を有し得る。さらなる他の例において、遠位部28の運動の領域は、少なくとも80°、少なくとも85°、少なくとも90°、少なくとも95°、95°未満、90°未満、85°未満、又は80°未満であり得る。図示しているものよりも運動の領域を増加させるために、遠位部28及びそのルーメン内の医療装置32を近位方向にさらに屈曲可能とするべく、遠位チップ4の横開口38を近位方向に延ばし得る。代替的に、遠位部28が所望の運動の領域を十分に有し得るように、チューブ状部材6は、チューブ状シャフトのルーメン44内で遠位方向に並進、すなわちスライドし得る。運動の領域を減少させるために、遠位部28とルーメン内の医療装置32とをあまり近位方向に屈曲させないようにするべく、遠位チップ4の横開口38を短くし得る(例えば、凹み36を遠位方向に移動させ得る)。代替的に、遠位部28の運動の領域を十分に減少させるために、チューブ状部材6は、チューブ状シャフトのルーメン44内で近位方向に並進、すなわちスライドし得る。
【0027】
図4は、前方向ビュー系12を示す、内視鏡2の遠位端面図を示しており、図5は、横方向ビュー系14を示す、遠位チップ4の上面図を示している。イメージセンサ16、22は、光を検出して、画像の遠隔観察を可能とするために情報を伝達する、CMOSセンサ又はCCDセンサのような任意のセンサであり得る。光源18、24は、関連付けられたイメージセンサ16、22の近傍領域に照射するための任意の種類の光を発し得る。レンズウォッシュ20、26は、対応するイメージセンサ16、22及び/又は光源18、24を洗浄するために使用される水、生理食塩水、又は他の流体のための出口を提供し得る。レンズウォッシュ20は、流体をレンズウォッシュ20から出すための出口ノズル20aを含み得る。同様に、レンズウォッシュ26は、流体をレンズウォッシュ26から出すための出口ノズル26aを含み得る。
【0028】
図4の遠位端面図を参照して、前方向ビュー系12の構成要素は、遠位チップ4/チューブ状シャフト/内視鏡2の遠位端壁34に配置され得る。遠位端壁34は、長手軸Aと直角であり得る。イメージセンサ16は、遠位開口40の左側のほうに配置され得る。光源18は、(図4でみて)イメージセンサ16の下方に配置され得るものであり、イメージセンサ16の近傍領域に照射するように配置されることによって、イメージセンサ16に関連付けられ得る。レンズウォッシュ20は、(図4でみて)イメージセンサ16の上方に配置され得るものであり、イメージセンサ16及び/又は光源18を洗浄するために流体を放出するように構成され得る。しかしながら、イメージセンサ16、光源18、及びレンズウォッシュ20は、互いに他の任意の順序又は構成で配置され得る。例えば、これらの構成要素の2つ以上を互いに隣接させて(図4でみて横並びに)配置し得る。代替的に、イメージセンサ16、光源18、及びレンズウォッシュ20のうちの1つ以上を、遠位開口40の反対側に(例えば、横方向ビュー系14により近い、図4でみて遠位開口40の右側の遠位端壁34の部分に)配置し得る。別の例において、イメージセンサ16、光源18、及びレンズウォッシュ20のうちの1つ以上を、内視鏡2の最遠位端ではない内視鏡2のチューブ状シャフトの遠位方向に向いた壁に(例えば、遠位壁46(図1を参照)又は遠位方向に向いた他の壁に)配置し得る。
【0029】
図5の上面図を参照して、イメージセンサ22は、遠位端壁34の近傍(かつ近位側)に配置され得るものであり、光源24は、イメージセンサ22の近位側に配置され得る。イメージセンサ22及び光源24は、遠位チップ4/チューブ状シャフト/内視鏡2の横壁42に配置され得る。光源24は、イメージセンサ22の近傍領域に照射するように配置されることによって、イメージセンサ22に関連付けられ得る。横壁42は、横方向に向いた任意の壁であり得るものであり、湾曲していても平らであってもよい。図1~3を参照して、一例において、横壁42は、遠位端壁34から近位方向に広がる平らな壁であり得る。他の例において、横壁42は、遠位チップ4の湾曲した外面であり得る。再び図5を参照して、レンズウォッシュ26は、遠位壁46上で光源24の近位側に配置され得るものである。レンズウォッシュ26は、出口を含み得るもものであり、該出口を経由して、イメージセンサ22及び/又は光源24を洗浄するために横壁42に沿って放出され得る生理食塩水又は他の流体が通る。イメージセンサ22、光源24、及びレンズウォッシュ26は、互いに他の任意の順序又は構成で配置され得る。代替的に、これらの構成要素のうちの1つ以上を、横開口38の反対側に(例えば、図5でみて横開口38の左側に)配置し得る。
【0030】
遠位端壁34上のイメージセンサ16は、遠位方向に向き得る。従って、チューブ状部材28が第1の姿勢にあるとき、及び第2の姿勢に向かって近位方向に移行しつつあるときには、遠位端開口30から延出する医療装置32及び他のいずれかの器具を観察するために、イメージセンサ16を使用し得る。一方、横壁42にあるイメージセンサ22は、横方向に向き得る。従って、チューブ状部材28が第2の姿勢に近づきつつあるとき、又は第2の姿勢もしくは第3の姿勢にあるときには、遠位端開口30から延出する医療装置32及び他のいずれかの器具を観察するために、イメージセンサ22を使用し得る。
【0031】
一例において、遠位端壁34(又は、イメージセンサ16を含む、遠位方向に向いた他のいずれかの壁)と、横壁42(又は、イメージセンサ22を含む、横方向に向いた他のいずれかの壁)とは、互いに直角であり得る。これらの2つの壁の間の、本明細書で記載される角度は、イメージセンサ16、22の視野方向の間の角度に相当し得る。他の例において、遠位端壁34と横壁42(及び、対応するイメージセンサ16、22の視野方向)とは、90°からずれ得るが、互いに約90°に配置され得る。他の例において、2つの壁は、互いに約85°、約80°、又は約75°に配置され得る。さらなる他の例において、2つの壁は、互いに少なくとも90°又は90°未満に配置され得る。
【0032】
一例において、イメージセンサ16、22の視野方向を、その対応する壁に対して調整することが可能である。例えば、イメージセンサ16の視野方向は、そのデフォルト位置に対して、遠位端壁34の範囲内で1つ以上の軸に沿って揺動させるように調整し得るものであり、そのデフォルト位置は、遠位端壁34と同じ方向に向いた位置である。同様に、イメージセンサ22の視野方向は、そのデフォルト位置に対して、横壁42の範囲内で1つ以上の軸に沿って揺動させるように調整し得るものであり、そのデフォルト位置は、横壁42と同じ方向に向いた位置である。
【0033】
内視鏡2を使用する例示的な処置では、処置の第1の過程において、遠位チップ4を、患者の口、食道、胃、及び十二指腸に挿通させ得る。処置の第1の過程では、使用者が患者の解剖学的構造を経由してナビゲートすることを支援するために、前方向ビュー系12を用いることができる。十二指腸へのナビゲートのときには、医療装置32(例えば、ガイドワイヤ)又は他の器具が遠位チップ4の遠位端壁34を越えて遠位方向に動くことを可能とするために、チューブ状部材6は第1の姿勢になることができる。例えば、遠位チップ4を胃から十二指腸にナビゲートするのを支援するために、ガイドワイヤを胃から幽門に挿通させることができる。
【0034】
十二指腸乳頭付近で、十二指腸乳頭の位置を確認するのを支援するために、使用者は、横方向ビュー系14を用い得る。横方向ビュー系14からの案内を用いて、医療装置32(例えば、ガイドワイヤ)を、十二指腸乳頭を経由して患者の膵管に挿入し得る。医療装置32を十二指腸乳頭に挿入するのを支援するために、医療装置32が内視鏡2の横方向側から延出することを可能とするべく、チューブ状部材6は、第2の姿勢に移行され得る。遠位チップ4の横方向側から、医療装置32が遠位端開口30から延出しているときに、内視鏡2及びその遠位チップ4は、十二指腸内で略直線姿勢のまま維持され得る。医療装置32が膵管に挿入されたら、医療装置32をチューブ状シャフトの遠位チップ4に対してロックするために、チューブ状部材6を第3の姿勢に移行させ得る。一例において、処置のいずれかの部分において、両方のビュー系12、14を同時に用い得る。
【0035】
次に、カニューレ(図示せず)を、医療装置32に被せてチューブ状部材6のルーメン8に挿通させ得る。カニューレが遠位チップ4に達したら、医療装置32をロック解除するために、チューブ状部材6を近位方向に第2の姿勢まで(又は第2の姿勢を通り越して第1の姿勢に向けて)移行させ得る。次に、膵管へのカニュレーションのために、カニューレを、医療装置32に沿って、遠位端開口30から延出させて膵管内へと通し得る。膵管に造影剤を注入し得るものであり、そして、胆管、胆嚢、及び膵管を検査するために、X線透視画像を取得し得る。必要に応じて、膵臓又は胆管の症状を治療するために、他の器具を、チューブ状部材6及び/又はカニューレを通して膵管に挿入し得る。
【0036】
(付記)
好ましい実施形態として、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下記載する。
[項目1]
医療装置であって、
該医療装置は遠位端を有するシャフトを備え、該シャフトは、
第1の方向に向く第1の開口と、
前記第1の開口とは異なる第2の方向に向く第2の開口と
を含み、
該医療装置は前記シャフト内に配置された昇降具を備え、
前記昇降具は、非作動姿勢において、医療器具が前記第1の開口を介して前記第1の方向に沿って前記シャフトから外側に移動することができるように構成されているとともに、前記昇降具は、作動姿勢において、前記医療器具を作動することができるようにかつ前記医療器具が前記第2の開口を介して前記第2の方向に沿って前記シャフトから外側に延びることができるように構成されており、
前記昇降具は、前記作動姿勢において固定され、もって、前記遠位端において前記医療器具の少なくとも一部が係合する前記シャフトに応答して前記作動姿勢に前記医療器具を維持する、医療装置。
[項目2]
前記シャフトは前記遠位端に第3の開口を含み、該第3の開口は、前記第1の方向と前記第2の方向とに向く、項目1に記載の医療装置。
[項目3]
前記第3の開口は、前記医療器具の少なくとも一部を受け入れる大きさ及び形状に形成される、項目2に記載の医療装置。
[項目4]
前記シャフトは、前記医療器具の少なくとも一部が前記第3の開口に受け入れられたことに応答して、前記遠位端に前記昇降具を固定するように構成される、項目3に記載の医療装置。
[項目5]
前記第3の開口は前記遠位端において前記シャフトの壁にある凹みである、項目2に記載の医療装置。
[項目6]
前記凹みは前記医療器具の少なくとも一部と圧嵌留めを形成し、もって、前記シャフトに対して前記昇降具をロックするように構成される、項目5に記載の医療装置。
[項目7]
前記第3の開口は、前記医療器具の少なくとも一部が前記第3の開口内に受け入れられている場合には、前記昇降具が前記作動姿勢から前記非作動姿勢に移動することを規制するように構成される、項目2に記載の医療装置。
[項目8]
前記シャフトは、前記第2の開口を少なくとも部分的に画成する前記遠位端に第1の壁と第2の壁とを含み、
前記第1の壁と前記第2の壁は互いに向かって整合しており、前記第3の開口は、前記第1の壁と前記第2の壁との間に位置する、項目2に記載の医療装置。
[項目9]
前記第1の壁と前記第2の壁は、前記昇降具が前記非作動姿勢から作動姿勢に動いて前記医療器具を作動させる際に前記医療器具を前記第3の開口に向かって案内するように構成される、項目8に記載の医療装置。
[項目10]
前記第3の開口は、前記第1の開口及び前記第2の開口に対し前記シャフトの近位に沿って位置する、項目3に記載の医療装置。
[項目11]
前記医療器具は、前記昇降具が前記非作動姿勢にある場合には、前記昇降具を越えて移動するように構成される、項目1に記載の医療装置。
[項目12]
前記シャフトは、
前記第1の開口に近接し、かつ、前記第1の方向に向く第1のセンサと、
前記第2の開口に近接し、かつ、前記第2の方向に向く第2のセンサと
を含み、
前記医療器具は、前記昇降具が前記非作動姿勢の場合には、少なくとも部分的に前記第1のセンサに映り、かつ、前記第2のセンサには映らないとともに、前記昇降具が前記作動姿勢の場合には、少なくとも部分的に前記第2のセンサに映り、かつ、前記第1のセンサには映らない、項目1に記載の医療装置。
[項目13]
前記第1のセンサは撮像素子を含み、前記昇降具が非作動姿勢の場合には前記医療器具を撮像するように前記第1のセンサが構成される、項目12に記載の医療装置。
[項目14]
前記第2のセンサは撮像素子を含み、前記昇降具が作動姿勢の場合には前記医療器具を撮像するように前記第2のセンサが構成される、項目12に記載の医療装置。
[項目15]
医療装置であって、
該医療装置はシャフトを備え、該シャフトは第1の面と前記第1の面とは異なる第2の面によって画成される遠位端を有し、前記第1の面は第1の開口を含み、かつ、前記第2の面は前記第1の開口に対して異なる方向を向く第2の開口を含み、
該医療装置は昇降具を備え、該昇降具は前記シャフト内に位置するとともに前記第1の面と前記第2の面に対して相対的に移動可能であり、前記昇降具は、前記昇降具に受け入れられた医療器具を非作動位置から作動位置に動かす際に、非作動姿勢と作動姿勢との間で動くように構成され、
前記非作動姿勢の場合には、前記昇降具は、前記第1の開口を介して前記シャフトから外側に前記医療器具を移動可能に構成されるとともに、前記作動姿勢の場合には、前記昇降具は、前記医療器具を作動することができるように、かつ、前記医療器具が前記第2の開口を介して前記シャフトから外側に延びることができるように構成され、
前記医療器具は、前記昇降具が前記非作動姿勢から前記作動姿勢に動いた際に、前記第2の面の遠位方向に向いた部分に圧嵌留めされ、もって前記遠位端に前記医療器具を固定するとともに当該昇降具を前記作動姿勢に維持する、医療装置。
[項目16]
前記シャフトは、当該シャフトの第1の壁に位置する第1のセンサを含み、前記第1の壁は前記第1の面を画成し、
前記シャフトは、当該シャフトの、前記第1の壁とは異なる第2の壁に位置する第2のセンサを含み、前記第2の壁は、前記第1の面及び前記第2の面とは異なる第3の面を画成し、
前記昇降具は、前記非作動姿勢にある場合には、前記医療器具が少なくとも部分的に前記第1のセンサに映り、かつ、前記第2のセンサには映らないように前記医療器具を位置決めするように構成されるとともに、前記作動姿勢の場合には、前記医療器具が少なくとも部分的に前記第2のセンサに映り、かつ、前記第1のセンサには映らないように前記医療器具を位置決めするように構成される、項目15に記載の医療装置。
[項目17]
前記第2の面の前記遠位方向に向いた部分は第3の開口を含み、該第3の開口は前記第2の開口に近接して配置され、前記第3の開口は前記作動姿勢に動いた前記昇降具に応答して前記遠位端に前記医療器具を固定するように構成される、項目15に記載の医療装置。
[項目18]
前記第3の開口は、前記医療器具が前記第3の開口内に受け入れられている場合には、前記作動姿勢から前記非作動姿勢への前記昇降具の移動を規制するように構成される、項目17に記載の医療装置。
[項目19]
前記昇降具は、前記非作動姿勢及び前記作動姿勢において前記医療器具をスライドさせて受け入れるように構成される、項目17に記載の医療装置。
本明細書では、本発明の原理について、具体的な応用の実例を参照して説明しているが、本発明は、それらの実例に限定されないことは理解されるべきである。本明細書で提示される教示を得た当業者であれば、いずれも本明細書に記載の例の範囲内にある、さらなる変形、応用、及び均等物による置換を認知できるであろう。よって、本発明は、上記の説明によって限定されるものとみなされるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
該医療装置は遠位端を有するシャフトを備え、該シャフトは、
第1の方向に向く第1の開口と、
前記第1の開口とは異なる第2の方向に向く第2の開口と
を含み、
該医療装置は前記シャフト内に配置された昇降具を備え、前記昇降具は、前記シャフトを通って延びる医療器具を受けるように構成され、
前記昇降具は、非作動姿勢において、移動することが可能であり、かつ、前記昇降具に受けられた前記医療器具が前記第1の開口を介して前記第1の方向に沿って前記シャフトから外側に移動することができるように構成されているとともに、前記昇降具は、作動姿勢において、ロックされ、かつ、前記昇降具に受けられた前記医療器具を作動することができるようにかつ前記医療器具が前記第2の開口を介して前記第2の方向に沿って前記シャフトから外側に延びることができるように構成されており、
前記シャフトは、前記昇降具が前記シャフトに対して相対的に前記非作動姿勢に戻ることを規制されるように、前記作動姿勢に当該昇降具をロックするように構成され、もって、前記遠位端において前記医療器具の少なくとも一部が係合する前記シャフトに応答して作動状態前記昇降具に受けられた前記医療器具を維持する、医療装置。
【請求項2】
前記シャフトは前記遠位端に第3の開口を含み、該第3の開口は、前記第1の方向と前記第2の方向とに向く、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記第3の開口は、前記医療器具の少なくとも一部を受け入れる大きさ及び形状に形成される、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記シャフトは、前記医療器具の少なくとも一部が前記第3の開口に受け入れられたことに応答して、前記遠位端に前記昇降具を固定するように構成される、請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記第3の開口は前記遠位端において前記シャフトの壁にある凹みである、請求項2に記載の医療装置。
【請求項6】
前記凹みは前記医療器具の少なくとも一部と圧嵌留めを形成し、もって、前記シャフトに対して前記昇降具をロックするように構成される、請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
前記第3の開口は、前記医療器具の少なくとも一部が前記第3の開口内に受け入れられている場合には、前記昇降具が前記作動姿勢から前記非作動姿勢に移動することを規制するように構成される、請求項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記シャフトは、前記第2の開口を少なくとも部分的に画成する前記遠位端に第1の壁と第2の壁と、前記第1の開口を少なくとも部分的に画成する第3の壁とを含み、
前記第1の壁と前記第2の壁は互いに向かって角度を有しており、前記第3の開口は、前記第1の壁と前記第2の壁との間に位置し、
前記第3の壁は、前記シャフトの遠位方向に向いた、平らな壁を画成する、請求項2に記載の医療装置。
【請求項9】
前記第1の壁と前記第2の壁は、前記昇降具が前記非作動姿勢から作動姿勢に動いて前記医療器具を作動させる際に前記医療器具を前記第3の開口に向かって案内するように構成される、請求項8に記載の医療装置。
【請求項10】
前記第3の開口は、前記第1の開口及び前記第2の開口に対し前記シャフトの近位に沿って位置する、請求項3に記載の医療装置。
【請求項11】
前記医療器具は、前記昇降具が前記非作動姿勢にある場合には、前記昇降具を越えて移動するように構成される、請求項1に記載の医療装置。
【請求項12】
前記シャフトは第1のセンサを含み、前記第1のセンサが前記医療装置に対する第1の平面を可視化するように構成されるべく、前記第1のセンサは前記第1の開口に近接し、かつ、前記第1の方向に向
前記シャフトは第2のセンサを含み、前記第2のセンサが前記医療装置に対する、前記第1の平面とは異なる第2の平面を可視化するように構成されるべく、前記第2のセンサは前記第2の開口に近接し、かつ、前記第2の方向に向き、
前記医療装置は前記第1の平面と前記第2の平面とを選択的に可視化するように構成され
前記医療器具は、前記昇降具が前記非作動姿勢の場合には、少なくとも部分的に前記第1のセンサに映り、かつ、前記第2のセンサには映らないとともに、前記昇降具が前記作動姿勢の場合には、少なくとも部分的に前記第2のセンサに映り、かつ、前記第1のセンサには映らない、請求項1に記載の医療装置。
【請求項13】
前記第1のセンサは撮像素子を含み、前記昇降具が非作動姿勢の場合には前記医療器具を撮像するように前記第1のセンサが構成される、請求項12に記載の医療装置。
【請求項14】
前記第2のセンサは撮像素子を含み、前記昇降具が作動姿勢の場合には前記医療器具を撮像するように前記第2のセンサが構成される、請求項12に記載の医療装置。
【請求項15】
医療装置であって、
該医療装置はシャフトを備え、該シャフトは第1の面と前記第1の面とは異なる第2の面によって画成される遠位端を有し、前記第1の面は第1の開口を含み、かつ、前記第2の面は前記第1の開口に対して異なる方向を向く第2の開口を含み、
該医療装置は昇降具を備え、該昇降具は前記シャフト内に位置するとともに前記第1の面と前記第2の面に対して相対的に移動可能であり、前記昇降具は、前記シャフトを通って延びる医療器具を受けるように構成され、かつ、前記昇降具は、前記昇降具に受け入れられた前記医療器具を非作動位置から作動位置に動かすために、非作動姿勢と作動姿勢との間で動くように構成され、
前記非作動姿勢の場合には、前記昇降具は、移動することが可能であり、かつ、前記第1の開口を介して前記シャフトから外側に、前記昇降具に受け入れられた前記医療器具を移動可能に構成されるとともに、前記作動姿勢の場合には、前記昇降具は、ロックされ、かつ、前記昇降具に受けられた前記医療器具を作動することができるように、かつ、前記医療器具が前記第2の開口を介して前記シャフトから外側に延びることができるように構成され、
前記昇降具は、前記昇降具が前記非作動姿勢から前記作動姿勢に動いた際に、前記第2の面に対して前記昇降具に受け入れられた前記医療器具を押圧するように構成され前記第2の面は、前記医療器具の少なくとも一部と係合するように構成され、もって、前記シャフトが前記シャフトに対する相対的な前記昇降具の動きを抑制するように前記遠位端に前記医療器具を固定するとともに当該昇降具を前記作動姿勢にロックし、もって、前記昇降具が前記非作動姿勢に戻ることを規制する、医療装置。
【請求項16】
前記シャフトは、当該シャフトの第1の壁に位置する第1のセンサを含み、前記第1の壁は前記第1の面を画成し、前記第1のセンサは、前記医療装置に対する第1の平面を可視化するように構成され、
前記シャフトは、当該シャフトの、前記第1の壁とは異なる第2の壁に位置する第2のセンサを含み、前記第2の壁は前記第2の面を画成し前記第2のセンサは、前記医療装置に対する、前記第1の平面とは異なる第2の平面を可視化するように構成され、
前記医療装置は、前記第1の平面と前記第2の平面とを選択的に可視化するために前記第1のセンサと前記第2のセンサとを切り替えるように構成され、
前記昇降具は、前記非作動姿勢にある場合には、前記医療器具が少なくとも部分的に前記第1のセンサに映り、かつ、前記第2のセンサには映らないように前記医療器具を位置決めするように構成されるとともに、前記作動姿勢の場合には、前記医療器具が少なくとも部分的に前記第2のセンサに映り、かつ、前記第1のセンサには映らないように前記医療器具を位置決めするように構成される、請求項15に記載の医療装置。
【請求項17】
前記第2の面は第3の開口を含み、該第3の開口は前記第2の開口に近接して配置され、前記第3の開口は前記作動姿勢に動いた前記昇降具に応答して前記遠位端に前記医療器具を固定するように構成される、請求項15に記載の医療装置。
【請求項18】
前記第3の開口は、前記医療器具が前記第3の開口内に受け入れられている場合には、前記作動姿勢から前記非作動姿勢への前記昇降具の移動を規制するように構成される、請求項17に記載の医療装置。
【請求項19】
前記昇降具は、前記非作動姿勢及び前記作動姿勢において前記医療器具をスライドさせて受け入れるように構成される、請求項17に記載の医療装置。
【請求項20】
医療装置を用いた方法であって、
患者に通して標的部位に向かってシャフトを動かすことと、
前記シャフトの、第1の開口と前記第1の開口とは異なる第2の方向に向く第2の開口とを含む遠位端を前記標的部位に位置決めすることと、
前記シャフト内の前記遠位端に配置された昇降具であって、非作動姿勢においては前記シャフトに対し相対的に移動可能である前記昇降具が前記非作動姿勢において、医療器具が、非作動状態に維持され、かつ、第1の方向に移動可能にされつつ、前記昇降具に受け入れられるように、前記第1の開口を通して前記医療器具を動かすことと、
前記昇降具の前記シャフトに対する相対的な移動と前記非作動姿勢への移動とが抑制されるように前記非作動状態においては前記シャフトに対して固定される前記昇降具が、前記第2の開口から少なくとも部分的に外側に延びて、前記昇降具に受けられた前記医療器具が前記シャフトに係合し、もって、前記昇降具が作動姿勢にロックされるように、前記非作動姿勢から前記作動姿勢に、前記遠位端に対して相対的に前記昇降具を動かすことと、
前記昇降具に受けられた前記医療器具が作動状態に維持されるとともに前記第1の方向とは異なる第2の方向に移動することができるように、前記昇降具が前記作動姿勢にあるときに前記第2の開口を通して前記医療器具を動かすことと
を備える、医療装置を用いた方法。