(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138756
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、端末装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/24 20120101AFI20230922BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20230922BHJP
G06Q 30/0226 20230101ALI20230922BHJP
【FI】
G06Q20/24
G06Q20/06
G06Q30/0226
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130248
(22)【出願日】2023-08-09
(62)【分割の表示】P 2019042889の分割
【原出願日】2019-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】509286983
【氏名又は名称】株式会社ロイヤリティマーケティング
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】水田 篤志
(57)【要約】
【課題】 非現金決済処理およびポイント処理を併用する店舗の手数料負担を軽減し、非現金決済処理またはポイント処理の利用促進を図る。
【解決手段】 商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出する情報処理装置にあって、上記併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、上記商取引ごとの決済に関する決済情報と上記併用の有無を表す付加情報とを含む取引データを上記店舗の端末から取得する取引データ取得部と、上記付加情報により表される併用の有無に応じて上記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と上記決済情報とに基づいて店舗に課す手数料を算出する手数料算出部と、算出された手数料を表す情報を出力する出力部とを具備するようにした。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出する情報処理装置であって、
前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、
前記商取引ごとの、当該商取引の決済に関する決済情報と、当該商取引について前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データを、前記店舗の端末から取得する取引データ取得部と、
前記取得された取引データに含まれる付加情報により表される併用の有無に応じて前記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と前記取得された取引データに含まれる前記決済情報とに基づいて前記店舗に課す手数料を算出する手数料算出部と、
前記算出された手数料を表す情報を出力する出力部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
商取引に係るクレジット決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す、前記クレジット決済処理に係る手数料を算出する情報処理装置であって、
前記クレジット決済処理および前記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、
前記商取引ごとの、当該商取引に係るクレジット決済処理の対象となる取引価額を表す価額情報と、当該商取引について前記クレジット決済処理および前記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データを、前記店舗の端末から取得する取引データ取得部と、
前記取得された取引データに含まれる付加情報により表される併用の有無に応じて前記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と前記取得された取引データに含まれる前記価額情報とに基づいて、前記クレジット決済処理に係る手数料を算出する手数料算出部と、
前記算出された手数料を表す情報を出力する出力部と
を具備する情報処理装置。
【請求項3】
前記料率情報記憶媒体は、前記クレジット決済処理および前記ポイント処理を併用しない場合に対応して設定された第1の手数料率と、前記クレジット決済処理および前記ポイント処理を併用する場合に対応して、前記第1の手数料率より低い値に設定された第2の手数料率とを記憶し、
前記手数料算出部は、前記料率情報記憶媒体から読み出された当該手数料率を、前記価額情報により表される取引価額に乗じることによって、前記店舗に課す手数料を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
商取引に係るクレジット決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す、前記ポイント処理に係る手数料を算出する情報処理装置であって、
前記クレジット決済処理および前記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、
前記商取引ごとの、当該商取引に係る取引価額を表す価額情報と、当該商取引に関連するポイントの付与に関する情報を含むポイント処理情報と、当該商取引について前記クレジット決済処理および前記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データを、前記店舗の端末から取得する取引データ取得部と、
前記取得された取引データに含まれる付加情報により表される併用の有無に応じて前記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と前記取得された取引データに含まれる前記価額情報および前記ポイント処理情報のうちの少なくとも一方とに基づいて、前記ポイント処理に係る手数料を算出する手数料算出部と、
前記算出された手数料を表す情報を出力する出力部と
を具備する、情報処理装置。
【請求項5】
前記料率情報記憶媒体は、前記クレジット決済処理および前記ポイント処理を併用しない場合に対応して設定された第1の手数料率と、前記クレジット決済処理および前記ポイント処理を併用する場合に対応して、前記第1の手数料率より低い値に設定された第2の手数料率とを記憶し、
前記手数料算出部は、前記料率情報記憶媒体から読み出された当該手数料率を、前記価額情報により表される取引価額、または前記ポイント処理情報に基づいて算出されるポイント付与数に乗じることによって、前記ポイント処理に係る手数料を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を、前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を用いて算出する情報処理装置とともに用いられる、前記店舗に設置される端末装置であって、
前記商取引ごとに、当該商取引の決済に関する決済情報を取得する決済情報取得部と、
前記商取引ごとに、当該商取引について前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無を判定する併用判定部と、
前記商取引ごとに、前記決済情報と、前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む決済データを生成する決済データ生成部と、
前記生成された決済データを出力する出力部と
を具備する、端末装置。
【請求項7】
商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出する、前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する記憶媒体を備える情報処理装置によって実行される、情報処理方法であって、
前記商取引ごとの、当該商取引の決済に関する決済情報と、当該商取引について前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データを、前記店舗の端末から取得する過程と、
前記取得された取引データに含まれる付加情報により表される併用の有無に応じて前記記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と前記取得された取引データに含まれる前記決済情報とに基づいて前記店舗に課す手数料を算出する過程と、
前記算出された手数料を表す情報を出力する過程と
を具備する情報処理方法。
【請求項8】
商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を、前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を用いて算出する情報処理装置とともに用いられる、前記店舗に設置される端末装置が実行する情報処理方法であって、
前記商取引ごとに、当該商取引の決済に関する決済情報を取得する過程と
前記商取引ごとに、当該商取引について前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無を判定する過程と、
前記商取引ごとに、前記決済情報と、前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む決済データを生成する過程と、
前記生成された決済データを出力する過程と
を具備する、情報処理方法。
【請求項9】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置が具備する各部による処理をプロセッサに実行させるプログラム。
【請求項10】
請求項6に記載の端末装置が具備する各部による処理をプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の一態様は、商取引に係る情報処理システムで使用される情報処理装置、端末装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品やサービスに対する代金の支払いの際に、クレジットカードや電子マネーなどの非現金決済方式が広く使用されている。また、店舗を利用する顧客に対して特典としてのポイントを付与するポイントサービスも普及している。
【0003】
非現金決済は、消費者にとって、現金を持ち歩く必要がない、支出の管理が容易になる、利用額に応じた還元を受けられるなどのメリットがある。ポイントサービスもまた、消費者にとって、貯めたポイントを代金の一部として使用できる、貯めたポイント数に応じたプレゼントやサービスを受けられるなどのメリットがある。
【0004】
店舗にとっても、非現金決済またはポイントサービスの利用は、他店との差別化や、非現金決済またはポイントサービスを利用したい顧客の誘引効果、優良顧客への還元による顧客離れの防止など、多くのメリットがある。
【0005】
ここで、加盟店は、非現金決済の利用にあたり、決済システムを提供する事業者に対して加盟店手数料を支払う必要がある。一般的には、決済ごとに、決済に係る取引価額に対してあらかじめ設定された手数料率を乗じることによって手数料が算出され、加盟店に課されることになる。
【0006】
同様に、加盟店は、ポイントサービスの利用にあたり、ポイントサービスを提供する事業者に対して加盟店手数料を支払う必要がある。一般的には、決済ごとの取引価額またはポイント付与数に対してあらかじめ設定された手数料率を乗じることによって手数料が算出され、加盟店に課されることになる。
【0007】
非現金決済システムを提供する事業者、またはポイントサービスのためのポイント付与システムを提供する事業者は、このような加盟店手数料を収入源のひとつとしており、自身の提供するシステムを導入する店舗の増加を望んでいる。
【0008】
しかし、非現金決済システムの利用に対する日本の加盟店手数料率は、概して、諸外国に比べて高い傾向にあり、費用の面から、こうした非現金決済方式の導入に踏み切れない店舗が多いのが現状である。
【0009】
このような状況下、すでに非現金決済方式を導入している店舗が集客を目的としてさらにポイントサービスを導入すれば、さらなる手数料負担が発生することとなる。
【0010】
一方、クレジットカード取引において、加盟店ごとに定められた手数料率ではなく、クレジットカード会員のカード利用状況に応じて会員別の手数料を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、特許文献1の技術では、いったんクレジットカード決済方式を導入した後には、加盟店が手数料率の低減を期待して良質の顧客の獲得に努めるという効果があるものの、決済システムの導入を検討している段階では、手数料率の低減効果を予想するのが困難であり、依然として導入に踏み切りにくいという課題がある。また、ポイントサービスの併用により手数料の負担が増大するという課題も解決されていない。
【0013】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、商取引において非現金決済処理およびポイント処理を併用することによる店舗側の手数料負担を軽減し、非現金決済処理またはポイント処理の利用促進を図るための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するためにこの発明の第1の態様は、商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出する情報処理装置にあって、上記非現金決済処理および上記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、上記商取引ごとの、当該商取引の決済に関する決済情報と、当該商取引について上記非現金決済処理および上記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データを上記店舗の端末から取得する取引データ取得部と、上記取得された取引データに含まれる付加情報により表される併用の有無に応じて上記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と上記取得された取引データに含まれる上記決済情報とに基づいて上記店舗に課す手数料を算出する手数料算出部と、上記算出された手数料を表す情報を出力する出力部とを具備するようにしたものである。
【0015】
この発明の第2の態様は、商取引に係るクレジット決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す、上記クレジット決済処理に係る手数料を算出する情報処理装置にあって、上記クレジット決済処理および上記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、上記商取引ごとの、当該商取引に係るクレジット決済処理の対象となる取引価額を表す価額情報と、当該商取引について上記クレジット決済処理および上記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データを上記店舗の端末から取得する取引データ取得部と、上記取得された取引データに含まれる付加情報により表される併用の有無に応じて上記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と上記取得された取引データに含まれる上記価額情報とに基づいて、上記クレジット決済処理に係る手数料を算出する手数料算出部と、上記算出された手数料を表す情報を出力する出力部とを具備するようにしたものである。
【0016】
この発明の第3の態様は、上記料率情報記憶媒体が、上記クレジット決済処理および上記ポイント処理を併用しない場合に対応して設定された第1の手数料率と、上記クレジット決済処理および上記ポイント処理を併用する場合に対応して、上記第1の手数料率より低い値に設定された第2の手数料率とを記憶し、上記手数料算出部が、上記料率情報記憶媒体から読み出された当該手数料率を、上記価額情報により表される取引価額に乗じることによって、上記店舗に課す手数料を算出するようにしたものである。
【0017】
この発明の第4の態様は、商取引に係るクレジット決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す、上記ポイント処理に係る手数料を算出する情報処理装置にあって、上記クレジット決済処理および上記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を記憶する料率情報記憶媒体と、上記商取引ごとの、当該商取引に係る取引価額を表す価額情報と、当該商取引に関連するポイントの付与に関する情報を含むポイント処理情報と、当該商取引について上記クレジット決済処理および上記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データを上記店舗の端末から取得する取引データ取得部と、上記取得された取引データに含まれる付加情報により表される併用の有無に応じて上記料率情報記憶媒体から対応する手数料率を読み出し、当該手数料率と上記取得された取引データに含まれる上記価額情報および上記ポイント処理情報のうちの少なくとも一方とに基づいて、上記ポイント処理に係る手数料を算出する手数料算出部と、上記算出された手数料を表す情報を出力する出力部とを具備するようにしたものである。
【0018】
この発明の第5の態様は、上記料率情報記憶媒体が、上記クレジット決済処理および上記ポイント処理を併用しない場合に対応して設定された第1の手数料率と、上記クレジット決済処理および上記ポイント処理を併用する場合に対応して、上記第1の手数料率より低い値に設定された第2の手数料率とを記憶し、上記手数料算出部が、上記料率情報記憶媒体から読み出された当該手数料率を、上記価額情報により表される取引価額、または上記ポイント処理情報に基づいて算出されるポイント付与数に乗じることによって、上記ポイント処理に係る手数料を算出するようにしたものである。
【0019】
この発明の第6の態様は、商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を、上記非現金決済処理および上記ポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を用いて算出する情報処理装置とともに用いられる、上記店舗に設置される端末装置にあって、上記商取引ごとに、当該商取引の決済に関する決済情報を取得する決済情報取得部と、上記商取引ごとに、当該商取引について上記非現金決済処理および上記ポイント処理の併用の有無を判定する併用判定部と、上記商取引ごとに、上記決済情報と、上記非現金決済処理および上記ポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む決済データを生成する決済データ生成部と、上記生成された決済データを出力する出力部とを具備するようにしたものである。
【発明の効果】
【0020】
この発明の第1の態様によれば、商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出する情報処理装置において、商取引ごとの、当該商取引の決済に関する決済情報と、非現金決済処理およびポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データが店舗端末から取得され、取引データに含まれる決済情報と、非現金決済処理およびポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された手数料率とに基づいて、上記手数料が算出される。このように、非現金決済処理およびポイント処理が併用されたか否かを表す付加情報に応じて異なる手数料率を設定しておくことにより、非現金決済処理およびポイント処理を併用することによる店舗の手数料負担を適切かつ容易に軽減することができ、非現金決済処理およびポイント処理の利用促進を図ることができる。
【0021】
この発明の第2の態様によれば、クレジット決済処理に係る手数料を算出する情報処理装置において、商取引ごとの、当該商取引に係るクレジット決済処理の対象となる取引価額を表す情報と、商取引についてクレジット決済処理およびポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データが店舗端末から取得され、取引データに含まれる取引価額を表す情報と、クレジット決済処理およびポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された手数料率とに基づいて、上記クレジット決済処理に係る手数料が算出される。このように、クレジット決済処理に係る手数料を算出するための手数料率として、クレジット決済処理とポイント処理が併用されたか否かを表す付加情報に応じて異なる手数料率を設定しておくことにより、非現金決済処理およびポイント処理を併用することによる店舗の手数料負担を適切かつ容易に軽減することができ、非現金決済処理およびポイント処理の利用促進を図ることができる。
【0022】
この発明の第3の態様によれば、店舗に課すクレジット決済処理に係る手数料の算出にあたり、クレジット決済処理およびポイント処理が併用された商取引については、クレジット決済処理およびポイント処理が併用されない商取引に対して設定された第1の手数料率よりも低い値に設定された第2の手数料率が適用される。またこの手数料率を取引価額に乗じることによって、手数料が算出される。したがって、クレジット決済処理とともにポイント処理が併用されたときに店舗に重複して課される手数料の負担を軽減することができる。また、取引価額に手数料率を乗じることによって手数料が算出されるので、手数料率の低減による手数料の減額効果が把握しやすく、店舗に対してクレジット決済処理およびポイント処理の利用を促すことが可能になる。
【0023】
この発明の第4の態様によれば、ポイント処理に係る手数料を算出する情報処理装置において、商取引ごとの、当該商取引に係る取引価額を表す価額情報と、ポイントの付与に関するポイント処理情報と、商取引についてクレジット決済処理およびポイント処理の併用の有無を表す付加情報とを含む取引データが店舗端末から取得され、価額情報およびポイント処理情報のうちの少なくとも一方と、クレジット決済処理およびポイント処理の併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された手数料率とに基づいて、ポイント処理に係る手数料が算出される。このように、ポイント処理に係る手数料を算出するための手数料率として、クレジット決済処理とポイント処理が併用されたか否かを表す付加情報に応じて異なる手数料率を設定しておくことにより、非現金決済処理およびポイント処理を併用することによる店舗の手数料負担を適切かつ容易に軽減することができ、非現金決済処理およびポイント処理の利用促進を図ることができる。
【0024】
この発明の第5の態様によれば、店舗に課すポイント処理に係る手数料の算出にあたり、クレジット決済処理およびポイント処理が併用された商取引については、クレジット決済処理およびポイント処理が併用されない商取引に対して設定された第1の手数料率よりも低い値に設定された第2の手数料率が適用される。またこの手数料率を取引価額またはポイント付与数に乗じることによって、手数料が算出される。したがって、クレジット決済処理とともにポイント処理が併用されたときに店舗に重複して課される手数料の負担を軽減することができる。また、取引価額またはポイント付与数に手数料率を乗じることによって手数料が算出されるので、手数料率の低減による手数料の減額効果が把握しやすく、店舗に対してクレジット決済処理およびポイント処理の利用を促すことが可能になる。
【0025】
この発明の第6の態様によれば、商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を、併用の有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を用いて算出する情報処理装置とともに用いられる、店舗に設置される端末装置において、上記商取引ごとに、決済に関する決済情報が取得され、非現金決済処理およびポイント処理の併用の有無が判定され、併用の有無を表す付加情報と決済情報とを含む決済データが生成され出力される。これにより、複雑な設定変更を要することなく、比較的簡潔な構成により、店舗に設置される端末装置から出力される決済データを用いて、情報処理装置における手数料算出処理を実施することができる。
【0026】
すなわちこの発明の各態様によれば、商取引において非現金決済処理およびポイント処理を併用することによる店舗側の手数料負担を軽減することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、この発明の一実施形態に係る端末装置および情報処理装置を含むシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、この発明の一実施形態に係る端末装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図3】
図3は、この発明の一実施形態に係る端末装置のソフトウェア構成を例示するブロック図である。
【
図4】
図4は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図5】
図5は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置のソフトウェア構成を例示するブロック図である。
【
図6】
図6は、
図3に示した端末装置による処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図5に示した情報処理装置による処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【
図8A】
図8Aは、付加情報に応じた手数料率を指定する手数料率テーブルの第1の例を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、付加情報に応じた手数料率を指定する手数料率テーブルの第2の例を示す図である。
【
図8C】
図8Cは、付加情報に応じた手数料率を指定する手数料率テーブルの第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
[実施例1]
(1-1)構成
(1-1-1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る端末装置および情報処理装置を含むシステムの全体構成の一例を示す図である。
【0029】
このシステムは、商取引に係る非現金決済システムおよびポイント付与システムを利用する加盟店STの店舗端末STTと、非現金決済システムを提供する決済システム提供事業者PAの決済事業者サーバPASVと、ポイント付与システムを提供するポイント事業者SPのポイントサーバSPSVが、ネットワークNWを介して接続されたものである。
【0030】
ネットワークNWは、例えば中継網と、この中継網に対しアクセスするための複数のアクセス網とから構成される。中継網としては例えばインターネットプロトコルを利用した公衆網や閉域網が用いられる。アクセス網としては例えばLAN(Local Area Network)、無線LAN、携帯電話網、有線電話網、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Cable Television)網が用いられる。
【0031】
決済システム提供事業者PAには、クレジットカード会社や電子マネー事業者など、非現金決済システムを提供するあらゆる事業者が含まれる。決済システム提供事業者PAは、決済事業者サーバPASVと、取引データベースPADとを備えている。
【0032】
決済事業者サーバPASVは、決済システム提供事業者PAが運用するサーバコンピュータまたはパーソナルコンピュータにより構成される。決済事業者サーバPASVは、非現金決済システムの提供を実現するため、店舗端末STTから送信された決済データを受け取り、店舗STおよび顧客CSとの間での精算処理を遂行する。第1の実施例に係る決済事業者サーバPASVは、この発明の一実施形態に係る情報処理装置1を含むことができる。情報処理装置1については、さらに詳細に後述する。
【0033】
取引データベースPADは、各店舗端末STTから送信された決済データと各店舗STとを紐づける取引データベースと、各店舗STに関する種々の情報を記憶した加盟店データベースと、顧客としての各会員の識別番号、個人情報、カード番号、決済の利用明細、支払い実績等を記憶した会員データベースとを備えている。
【0034】
ポイント事業者SPは、例えば、来店や代金の支払いなどの店舗の利用に応じて、店舗独自のまたは複数の店舗間で共通のポイントを発行し顧客に付与する、ポイントサービス(ポイント付与システム)を運営する事業者である。ポイント事業者SPは、ポイントサーバSPSVと、ポイントデータベースSPDとを備えている。
【0035】
ポイントサーバSPSVは、ポイント事業者SPが運用するサーバコンピュータまたはパーソナルコンピュータにより構成される。ポイントサーバSPSVは、ポイント付与システムの提供を実現するため、店舗端末STTから送信されたポイント処理データを受け取り、店舗STおよび顧客CSとの間でのポイント精算処理を遂行する。
【0036】
ポイントデータベースSPDは、各店舗端末STTから送信されたポイント処理データと各店舗STとを紐づける取引データベースと、各店舗STに関する種々の情報を記憶した加盟店データベースと、顧客としての各ポイント会員の識別番号、個人情報、ポイントの履歴情報等を記憶した会員データベースとを備えている。
【0037】
店舗端末STTは、店舗STに設置されたPOS(Point of Sale:販売時点情報管理)端末、POS端末と連携して動作する通信端末、またはPOS端末に代わって使用される携帯情報端末である。店舗端末STTは、この発明の一実施形態に係る端末装置100を含むことができる。端末装置100については、さらに詳細に後述する。
【0038】
なお、店舗端末STTは、店舗ST内の複数のPOS端末を管理する装置であってもよい。また、店舗STは、実店舗に限定されず、オンラインショップなどの無店舗形態であってもよい。店舗STがオンラインショップの場合、店舗端末STTは、POS端末と同様の機能を有する販売管理アプリケーションとして実施されることができる。
【0039】
決済システム提供事業者PAの決済事業者サーバPASVおよびポイント事業者SPのポイントサーバSPSVには、それぞれ実際には多数の加盟店の多数の端末が接続されることになるが、
図1では便宜上1つの店舗STの1つの店舗端末STTのみを示している。同様に、
図1では便宜上1人の顧客CSだけを示しているが実際には多数の顧客CSが存在し得る。また、実際には、決済システム提供事業者PAは、加盟店STと直接やり取りせずに決済代行業者を介して精算処理を行うことが多いが、ここでは簡潔のため決済代行業者等の中間業者は省略して説明する。以下、
図1の決済システム提供事業者PAをクレジットカード会社PAとして処理の概要を説明する。
【0040】
図1に示したシステムにおいて、顧客CSが店舗STで商品またはサービスに対する代金の支払いにクレジットカード払いを選択したとする。店舗端末STTは、例えば、店舗STの店員が店舗端末STTに付属のコードリーダを操作して商品に貼付された商品識別用のバーコードを読み取ることにより、または店員が店舗端末STTに付属のキーボードを介して商品等情報を入力することにより、取引に係る情報を取得する。商品等情報には、商品またはサービスの種別、名称、単価、個数等が含まれる。さらに、店舗端末STTは、例えば、顧客CSが提示したクレジットカードのICチップまたは磁気ストライプを店舗STの店員がカードリーダによって読み取ることにより、代金の支払いに使用されるクレジットカードの情報を取得する(矢印S1)。
【0041】
店舗端末STTは、取得した商品等情報およびクレジットカード情報に基づいて、売上管理や在庫管理のための処理を行うほか、精算のためにクレジットカード会社PAの決済事業者サーバPASVに送信するための決済データを生成する。例えば、店舗端末STTは、決済(取引)ごとに、シリアルナンバーなど決済を識別する情報と、決済が行われた日時、取引価額、クレジットカード情報(カード番号、有効期限、セキュリティコードなど)、および支払い方法(一括払い/分割払い/リボ払い)等の決済情報とを含む決済データを生成して蓄積し、一定期間ごとまたは一定量ごとに、蓄積した決済データを集約し、精算のためにクレジットカード会社PAの決済事業者サーバPASVに送信する(矢印S2)。
【0042】
決済事業者サーバPASVは、店舗端末STTから送信された決済データを受け取ると、店舗STの識別情報を付与して取引データとして取引データベースPADに蓄積しつつ、以下のように、クレジットカード情報に紐づけられた顧客CSに対する請求と、加盟店としての店舗STに対する支払いの準備を行う。
【0043】
まず、顧客CSに対しては、決済事業者サーバPASVは、会員データベースを参照し、顧客CSそれぞれの契約内容や支払い方法にしたがって請求を行う(矢印S3)。これに対し、顧客CSは、振込や銀行口座からの引落などによりクレジットカード会社PAに対して請求額の支払いを行う(矢印S4)。なお、点線で示したS3とS4の工程は、この実施形態に係る情報処理装置1の処理に必須ではない。
【0044】
一方、店舗STに対しては、決済事業者サーバPASVは、矢印S3およびS4の工程と並行して、またはその完了後の適当なタイミングで、加盟店データベースに基づき、店舗STに対し、決済データに基づく請求金額を支払う処理を行う(矢印S5)。このとき、非現金決済システムの加盟店に対して課すべき手数料を上記請求金額から引いた金額が、店舗STに対して支払われることになる。
【0045】
同様に、
図1に示したシステムにおいて、顧客CSが上記商品の購入時に、さらにポイントサービスの利用の意思表示をし、ポイントカードを提示したとする。店舗端末STTは、例えば、店舗STの店員が店舗端末STTに付属のカードリーダやスキャナ等を操作してポイントカードのICチップや磁気ストライプ、QRコード(登録商標)等を読み取ることにより、ポイントカード情報を取得する(矢印S1)。
【0046】
店舗端末STTは、取得したポイントカード情報と上記で取得した商品等情報とを関連付けたポイント処理情報を含むポイント処理データを生成し、ポイント事業者SPのポイントサーバSPSVに送信する(矢印S6)。ポイント処理データは、例えば、決済ごとの、シリアルナンバーなど決済を識別する情報と、決済が行われた日時、対象顧客を識別する情報(会員ID、ポイントカード番号など)、ポイントの種類などのポイント処理情報と、取引に係る商品の名称や種別、取引価額などの商品等情報とを含む。
【0047】
ポイントサーバSPSVは、店舗端末STTから送信されたポイント処理データを受け取ると、店舗STの識別情報を付与して取引データとしてポイントデータベースSPDに蓄積しつつ、以下のように、ポイント会員としての顧客CSおよび加盟店としての店舗STに対する処理を行う。
【0048】
ポイントサーバSPSVはまず、ポイント処理データをもとに、あらかじめ定められた条件に基づき顧客CSに付与すべきポイント付与数を算出する。次いで、ポイントサーバSPSVは、会員データベースから当該顧客CSのポイント残高を読み出して、算出したポイント付与数とそのポイント種別、加算後のポイント残高等を含むポイント付与データを生成し、店舗端末STTに送信する(矢印S7)。ポイント付与データを受信した店舗端末STTは、受信したポイント付与データをもとに出力データを生成して、顧客CSに渡すレシートに印字して出力し、またはディスプレイ上に表示して顧客CSに提示する。ポイントサーバSPSVはまた、算出したポイント付与数および加算後のポイント残高を、会員データベースまたは取引データに紐づけてポイントデータベースSPDに記憶させる。
【0049】
ポイントサーバSPSVはまた、一定期間ごとまたは一定量ごとにポイントデータベースSPDに蓄積したポイント処理データを読み出し、取引価額またはポイント付与数に応じて店舗STに対して課すべきポイント手数料を算出する。算出されたポイント手数料は、店舗STに対し、例えば固定の月額利用料等と併せて請求される。
【0050】
一実施形態では、単一の商取引(決済)において非現金決済とポイントサービスとが併用されたときには、店舗端末STTにより、精算のために決済事業者サーバPASVに対して送信される決済データに対して付加情報が付加される。決済データを受信した決済事業者サーバPASVは、加盟店手数料の算出にあたり、決済ごとに上記付加情報の有無を判定し、付加情報の有無に応じて異なる手数料率を適用することによって、手数料を算出する。ここで「手数料率」とは、手数料を算出する際に適用される値を言い、例えば、金額に対するパーセンテージ(%)またはポイントに対する換算額(円/ポイント)で表される。
【0051】
なお、決済システム提供事業者PAが電子マネー事業者(事前決済(プリペイド)式/事後決済(ポストペイ)式)やデビットカード(即時決済式)である場合にも、処理の概要は
図1に示したのと同様のフローで説明することができる。
【0052】
なお、矢印S2に関して、店舗端末STTは、決済ごとにリアルタイムで決済データを決済事業者サーバPASVに送信するようにしてもよいし、決済データを蓄積して、定期的に、例えば1週間分ごとまたは1か月分ごとなど、まとめて決済事業者サーバPASVに送信するようにしてもよい。同様に、矢印S5に関して、決済事業者サーバPASVは、店舗端末STTから決済データを受け取るたびに決済ごとに手数料を算出し、決済ごとに店舗端末STTに手数料を課すようにしてもよいし、店舗端末STTから例えば1週間分の決済データを受け取るたびにその1週間分ごとに手数料を算出するようにしてもよいし、または店舗端末STTから1週間分ずつ決済データを受け取って蓄積し、月単位で手数料を算出するようにしてもよい。
【0053】
また同様に、矢印S6に関して、店舗端末STTは、決済ごとにリアルタイムでポイント処理データをポイント事業者サーバSPSVに送信するようにしてもよいし、ポイント処理データを蓄積して、定期的に、例えば1週間分ごとまたは1か月分ごとなど、まとめてポイント事業者サーバSPSVに送信するようにしてもよい。同様に、矢印S7に関して、ポイント事業者サーバSPSVは、店舗端末STTからポイント処理データを受け取るたびに決済ごとに手数料を算出し、決済ごとに店舗端末STTに手数料を課すようにしてもよいし、店舗端末STTから例えば1週間分のポイント処理データを受け取るたびにその1週間分ごとに手数料を算出するようにしてもよいし、または店舗端末STTから1週間分ずつポイント処理データを受け取って蓄積し、月単位で手数料を算出するようにしてもよい。
【0054】
さらに、矢印S2と矢印S6は、別々のタイミングで実施されてもよいし同時に実施されてもよい。同様に、矢印S5と矢印S7も、別々のタイミングで実施されてもよいし同時に実施されてもよい。
【0055】
(1-1-2)端末装置
(i)ハードウェア構成
図2は、この発明の一実施形態に係る端末装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。端末装置100は、各店舗STに設置される店舗端末STTの一部として使用される。なお、端末装置100は、店舗端末STTと連携して機能する別個の装置として実施されてもよい。
【0056】
端末装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサ120Aを有する。そして、このハードウェアプロセッサ120Aに対し、プログラムメモリ120B、データメモリ130、通信インタフェース111および入出力インタフェース112を、バス150を介して接続したものとなっている。
【0057】
入出力インタフェース112には、端末装置100に付設される入力デバイス102および表示デバイス103が接続される。入出力インタフェース12は、キーボードやタッチパネル、マウス等の入力デバイス102を通じてオペレータが入力した操作データを取り込むとともに、端末装置100が生成した表示データを液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示デバイス103へ出力して表示させる処理を行う。入力デバイス102には、店舗端末STTに接続されたカードリーダやコードリーダ、スキャナ等も含めることができる。入力デバイス102および表示デバイス103は端末装置100に内蔵されたデバイスを使用してもよく、またネットワークNWを介して通信可能な他の情報端末の入力デバイスおよび表示デバイスを使用してもよい。
【0058】
通信インタフェース111は、例えば1つ以上の有線または無線の通信インタフェースを含んでおり、外部機器との間で情報の送受信を可能にする。有線インタフェースとしては、例えば有線LANが使用され、また無線インタフェースとしては、例えば無線LANやBluetooth(登録商標)などの小電力無線データ通信規格を採用したインタフェースが使用される。
【0059】
通信インタフェース111は、決済事業者サーバPASVおよびポイントサーバSPSVとの間で、ネットワークNWにより規定される通信プロトコルにしたがいデータ伝送を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等が使用されるが、これに限るものではない。
【0060】
プログラムメモリ120Bは、記憶媒体として、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムが格納されている。
【0061】
データメモリ130は、記憶媒体として、例えば、HDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、手数料の算出を含む種々の情報処理を行う過程で取得および作成された各種データを記憶するために用いられる。
【0062】
(ii)ソフトウェア構成
図3は、この発明の一実施形態に係る端末装置100のソフトウェア構成を、
図2に示したハードウェア構成と関連付けて示したブロック図である。
【0063】
データメモリ130の記憶領域には、決済情報記憶部131が設けられている。
【0064】
決済情報記憶部131は、取得した決済情報を記憶するために使用される。ただし、決済情報記憶部131は必須の構成ではなく、例えば、USBメモリなどの外付け記憶媒体や、クラウドに配置されたデータベースサーバ等の記憶装置に設けられたものであってもよい。
【0065】
制御ユニット120は、上記ハードウェアプロセッサ120Aと、上記プログラムメモリ120Bとから構成され、ソフトウェアによる処理機能部として、決済情報取得部121と、決済データ生成部122と、併用判定部123と、出力制御部124とを備えている。これらの機能部は、いずれもプログラムメモリ120Bに格納されたプログラムを、上記ハードウェアプロセッサ120Aに実行させることにより実現される。制御ユニット120は、また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)などの集積回路を含む、他の多様な形式で実現されてもよい。
【0066】
決済情報取得部121は、店舗端末STTから、または入力デバイス102としてのコードリーダやバーコードスキャナ等を通じて、取引ごとに、決済が行われた日時、取引価額、クレジットカード情報、支払い方法など、決済に係る決済情報を取得し、決済情報記憶部131に格納する処理を行う。
【0067】
決済データ生成部122は、決済情報記憶部131に格納された決済情報を読み出し、クレジットカード会社PAの事業者サーバPASVに精算のために送信すべき決済データを生成する処理を行う。
【0068】
併用判定部123は、取引ごとに、クレジットカードとポイントサービスの併用がされたか否かを判定し、その判定結果に基づく付加情報を決済データ生成部122によって生成された決済データに付加して、出力制御部124に渡す処理を行う。
【0069】
出力制御部124は、受け取った決済データをもとに出力データを生成し、通信インタフェース111または入出力インタフェース112を介して出力する処理を行う。
【0070】
(1-1-3)情報処理装置
(i)ハードウェア構成
図4は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、決済事業者サーバPASVの一部として使用される。あるいは、情報処理装置1は、決済事業者サーバPASVと連携して機能する別個の装置として実施されてもよい。
【0071】
情報処理装置1は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサ20Aを有する。そして、このハードウェアプロセッサ20Aに対し、プログラムメモリ20B、データメモリ30、通信インタフェース11および入出力インタフェース12を、バス50を介して接続したものとなっている。
【0072】
入出力インタフェース12には、情報処理装置1に付設される入力デバイス2および表示デバイス3が接続される。入出力インタフェース12は、キーボードやタッチパネル、マウス等の入力デバイス2を通じてオペレータが入力した操作データを取り込むとともに、情報処理装置1が生成した表示データを液晶または有機EL等を用いた表示デバイス3へ出力して表示させる処理を行う。なお、入力デバイス2および表示デバイス3は装置1に内蔵されたデバイスを使用してもよく、またネットワークNWを介して通信可能な他の情報端末の入力デバイスおよび表示デバイスを使用してもよい。
【0073】
通信インタフェース11は、例えば1つ以上の有線または無線の通信インタフェースを含んでおり、外部機器との間で情報の送受信を可能にする。有線インタフェースとしては、例えば有線LANが使用され、また無線インタフェースとしては、例えば無線LANやBluetoothなどの小電力無線データ通信規格を採用したインタフェースが使用される。
【0074】
通信インタフェース11は、店舗端末STTとの間で、ネットワークNWにより規定される通信プロトコルにしたがいデータ伝送を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP等が使用されるが、これに限るものではない。
【0075】
プログラムメモリ20Bは、記憶媒体として、例えば、HDDやSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムが格納されている。
【0076】
データメモリ30は、記憶媒体として、例えば、HDDまたはSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用したもので、手数料の算出を含む種々の情報処理を行う過程で取得および作成された各種データを記憶するために用いられる。
【0077】
(ii)ソフトウェア構成
図5は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置1のソフトウェア構成を、
図4に示したハードウェア構成と関連付けて示したブロック図である。
データメモリ30の記憶領域には、取引データ記憶部31と、料率情報記憶部32と、手数料記憶部33とが設けられている。
【0078】
取引データ記憶部31は、取得した取引データ(または決済データ)を記憶するために使用される。
【0079】
料率情報記憶部32は、手数料の算出に用いられる手数料率情報を手数料率テーブルの形式で記憶するために使用される。
【0080】
手数料記憶部33は、算出された手数料を記憶するために用いられる。
【0081】
ただし、上記記憶部31~33は必須の構成ではなく、例えば、上述の取引データベースPADをはじめ、USBメモリなどの外付け記憶媒体や、クラウドに配置されたデータベースサーバ等の記憶装置に設けられたものであってもよい。
【0082】
制御ユニット20は、上記ハードウェアプロセッサ20Aと、上記プログラムメモリ20Bとから構成され、ソフトウェアによる処理機能部として、取引データ取得部21と、付加情報抽出部22と、料率情報取得部23と、手数料算出部24と、出力制御部25とを備えている。これらの機能部は、いずれもプログラムメモリ20Bに格納されたプログラムを、上記ハードウェアプロセッサ20Aに実行させることにより実現される。制御ユニット20は、また、ASICやFPGAなどの集積回路を含む、他の多様な形式で実現されてもよい。
【0083】
取引データ取得部21は、取引データベースPADにアクセスして、手数料算出処理の対象とすべき取引データ(または決済データ)を取得し、取引データ記憶部31に格納する処理を行う。
【0084】
付加情報抽出部22は、取引データ記憶部31に格納された取引データから、決済(取引)ごとに、取引価額を表す価額情報を抽出するとともに、それに関連付けられた付加情報の有無を判定する処理を行う。付加情報抽出部22はまた、付加情報が存在する場合には付加情報を抽出して、付加情報が存在しない場合にはその旨を示す情報を、料率情報取得部23に渡す処理を行う。付加情報抽出部22はまた、抽出した価額情報を手数料算出部24に渡す処理を行う。
【0085】
料率情報取得部23は、付加情報抽出部22から受け取った情報をもとに、料率情報記憶部32に格納された手数料率テーブルから対応する手数料率を読み出し、手数料算出部24に渡す処理を行う。
【0086】
手数料算出部24は、料率情報取得部23から受け取った手数料率と、付加情報抽出部22から受け取った価額情報とをもとに手数料を算出し、算出した手数料を手数料記憶部33に格納する処理を行う。
【0087】
出力制御部25は、手数料記憶部33に格納された情報を読み出し、出力データを生成して、通信インタフェース11または入出力インタフェース12を介して出力する処理を行う。
【0088】
(1-2)動作
次に、以上のように構成された端末装置100および情報処理装置1による情報処理動作を説明する。
【0089】
(1-2-1)端末装置
はじめに、店舗STに設置された店舗端末STTの一部として機能する端末装置100の処理動作について説明する。
図6は、そのような端末装置100の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0090】
一実施形態では、端末装置100は、ステップS101により、事業者サーバPASVに送信すべき決済データの生成・出力処理を開始するトリガの有無を監視している。この状態で、例えばオペレータが入力デバイス102を介して決済データの生成・出力を指示する要求を入力し、この要求を開始トリガとして受け取ると、端末装置100は以下のように当該処理を実行する。
【0091】
まずステップS102において、端末装置100は、制御ユニット120の制御の下、決済情報取得部121により、店舗端末STTが取得した決済情報を、入出力インタフェース112または通信インタフェース111を介して受け取り、決済情報記憶部131に格納する。あるいは、端末装置100は、入力デバイス102としてのカードリーダやスキャナから直接決済情報を取得するようにしてもよい。決済情報は、単一の商取引に係る決済に関する情報であり、当該決済が行われた日時情報と、当該決済に係る取引価額情報と、クレジットカード決済がされた場合にはクレジットカード情報(クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコード、支払方法など)と、ポイントサービスが利用された場合にはそのポイントサービスに関する情報(ポイントカード番号、会員番号、ポイント種別など)とを含む。
【0092】
次いでステップS103において、端末装置100は、制御ユニット120の制御の下、決済データ生成部122により、決済情報記憶部131に記憶された決済情報を読み出して、事業者サーバPASVに送信すべき決済データを生成する。決済データは、あらかじめクレジットカード会社PAにより指定されたデータフォーマットに従って生成される。
【0093】
ステップS104において、端末装置100は、制御ユニット120の制御の下、併用判定部123により、あらかじめ設定された併用条件に合致するか否か、すなわち、クレジットカード決済とともにポイントサービスが利用されたか否かを判定する。一実施形態では、併用判定部123は、単一の商取引に係る決済情報中に、特定のクレジットカード会社PAに関連する特定のクレジットカード情報と、特定のポイント事業者SPに関連する特定のポイントカード情報との両方が含まれることに応じて、併用条件に合致すると判定する。併用条件に合致すると判定された場合、ステップS105に移行し、合致しないと判定された場合、ステップS106に移行する。
【0094】
ステップS105において、端末装置100は、制御ユニット120の制御の下、併用判定部123により、決済データ生成部122により生成された決済データに対し、併用条件を満たすことを示す付加情報を付加する。付加情報は、任意の方法で付加することができる。例えば、決済データ用のデータフォーマットに空き領域が存在する場合、この空き領域に特定の値(Value)を設定し、この値を端末装置100と決済事業者サーバPASVとで共有することによって、併用条件を満たすことを示す付加情報として使用することができる。
【0095】
次いでステップS106において、端末装置100は、制御ユニット120の制御の下、出力制御部124により、付加情報が付加された、または付加されていない、決済データを出力する。
【0096】
なお、上記ステップS101~S106の処理は、任意のタイミングで任意のデータ単位に対して実施されてよい。例えば、ステップS101で説明した、決済データの生成・出力処理の開始は、オペレータからの指示に応じたものである必要はなく、端末装置100の内部タイマにより一定期間ごとにトリガを発生させ、そのトリガに応じて定期的に処理を開始するようにしてもよいし、店舗端末STTからデータを受け取るたびに実施するようにしてもよい。あるいは、店舗端末STTが、図示しない記憶部に未処理の決済情報を蓄積し、当該記憶部を監視して、未処理の決済情報が一定量蓄積されるたびに、端末装置100に対して決済データの生成・出力処理理を開始するよう指示するようにしてもよい。
【0097】
(1-2-2)情報処理装置
次に、決済事業者サーバPASVの一部として機能する情報処理装置1の処理動作について説明する。
図7は、そのような情報処理装置1の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0098】
一実施形態では、情報処理装置1は、ステップS201により、手数料の算出処理を開始するトリガの有無を監視している。この状態で、例えばオペレータが入力デバイス2を介して、手数料の算出を指示する要求を入力し、この要求を開始トリガとして受け取ると、情報処理装置1は以下のように手数料の算出処理を実行する。
【0099】
まずステップS202において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、取引データ取得部21により、取引データベースPADから必要な取引データを読み出し、取引データ記憶部31に格納する。取引データ取得部21は、例えば、取引データベースPADにアクセスし、オペレータにより指定された店舗STの識別情報および指定された期間に対応する取引データを抽出する。取引データに含まれる各レコードは、単位商取引に係る単位決済に対応し、当該商取引に係る日時情報と取引価額情報とを少なくとも含む。なお、取引データ取得部21は、ネットワークNWを介して店舗端末STTから決済データを取得することによって、この決済データを手数料の算出に使用するための取引データとしてもよい。この場合、取引データ取得部21は、取得した決済データに店舗STの識別情報を付与して取引データ記憶部31に格納する。
【0100】
次いでステップS203において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、付加情報抽出部22により、取引データ記憶部31に格納されたレコードを読み出し、決済を識別する情報や店舗STを識別する情報とともに取引価額情報を抽出し、手数料算出部24に渡す。
【0101】
ステップS204において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、付加情報抽出部22により、ステップS203で取引データ記憶部31から読み出したレコードについて、付加情報の有無を判定する。付加情報がないと判定された場合、ステップS206に移行する。
【0102】
一方、ステップS204において付加情報があると判定された場合、情報処理装置1は、ステップS205に移行し、付加情報抽出部22により、当該付加情報を抽出して料率情報取得部23に渡す。一実施形態では、付加情報は、クレジットカード会社PAと店舗STとの間であらかじめ指定されたデータフォーマットの空き領域に設定された値(Value)として識別される。付加情報抽出部22は、付加情報としてこの値を抽出し、この値を料率情報取得部23に渡す。
【0103】
ステップS206において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、料率情報取得部23により、店舗STの識別情報と、付加情報の有無(または付加情報として抽出された値)とに基づいて、料率情報記憶部32に格納された手数料率テーブルから対応する手数料率を表す料率情報を取得する。手数料率テーブルは、店舗STごとに個別に設定されたデータテーブルであっても、店舗種別ごとに共通して設定されたデータテーブルであってもよい。または、料率情報取得部23は、クレジットカード会社PAが管理する他のデータベースから料率情報を取得するようにしてもよい。あるいは、料率情報取得部23は、図示しない他の事業者が一括管理する、複数のクレジットカード会社PA間で共有される手数料率テーブルを格納したデータベースにアクセスすることによって、料率情報を取得するようにしてもよい。
【0104】
手数料率は、付加情報に応じて異なる値となるように設定される。一実施形態では、付加情報がある場合、すなわち、クレジットカード決済とともにポイントサービスが利用された場合には、付加情報がない場合よりも手数料率が低くなるように設定される。
【0105】
図8Aは、料率情報記憶部32が記憶する手数料率テーブルの一例を示す。この手数料率テーブルは、特定の加盟店(ID=B00XX01)について設定されたもので、付加情報の有無が「Y(付加情報有り)」または「N(付加情報無し)」に区分され、それぞれの場合に適用すべき手数料率が示されている。
図8Aの例では、付加情報が「Y」の場合、クレジットカード決済とともにポイントサービスが利用されたので、加盟店の負担を軽減すべく、クレジットカード手数料の算出に適用される手数料率が2.8%に設定されている。一方、付加情報が「N」の場合、クレジットカード決済は行われたが、ポイントサービスは利用されなかったので、基準手数料率である3.5%がそのまま適用されることになる。
【0106】
図8Bは、料率情報記憶部32が記憶する手数料率テーブルの他の例を示す。この手数料率テーブルは、特定の加盟店(ID=B00XX05)について設定されたもので、付加情報が「条件1」「条件2」「N/A(非該当)」に区分され、それぞれの場合に適用すべき手数料率が示されている。例えば、「条件1」は、クレジットカード決済とともにポイントサービスが利用され、取引価額に応じた所定の付与率でポイントが付与された場合として設定され、「条件2」は、クレジットカード決済とともにポイントサービスが利用されたが、取引価額とは無関係のボーナスポイントが付与された場合として設定され、「N/A」は、クレジットカード決済とともにポイントサービスが併用されなかった場合として設定される。このような条件分けは、端末装置100が決済データを生成する際に、「条件1」に該当する場合と「条件2」に該当する場合とで異なる「値」を空き領域に設定し、この値をクレジットカード会社PAとの間で共有することによって容易に実施可能である。この方法によれば、複数の条件を設定することによる、さらに細やかな条件付けが可能となる。
【0107】
上記のような手数料率テーブルをあらかじめ設定することにより、加盟店にとっては、クレジットカード決済とともにポイントサービスが利用された取引について、少なくともクレジットカード会社PAから請求される手数料額が減額されることになる。したがって、上記のような手数料率テーブルを提示することで、クレジットカード決済システムの加盟店に対してさらにポイントサービスの導入を促すインセンティブを与えることができる。また
図8Bに示したように、店舗ごとにその営業形態に応じた細やかな条件設定をして提示することにより、さらに店舗STにポイントサービスの導入を促すことができる。
【0108】
次いで、ステップS207において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、手数料算出部24により、ステップS203で抽出した価額情報と、ステップS206で取得した料率情報とに基づき、加盟店手数料を算出する。
【0109】
一例では、手数料算出部24は、決済ごとに、価額情報から得られる取引価額に対して手数料率を乗じることによって、加盟店手数料を算出する。例えば、取引価額が10,000円で、取得した手数料率が3.0%であれば、10,000円×0.03=300円と算出される。
【0110】
手数料算出部24は、算出した手数料を取引データに関連付けて手数料記憶部33に格納する。算出された手数料は、取引データの各レコードに(すなわち決済ごとに)関連付けて記憶されてもよいし、店舗STごとに取引データとは別個のデータテーブルとして格納されるようにしてもよい。
【0111】
ステップS208において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、出力制御部25により、手数料記憶部33から読み出した情報をもとに、出力データを作成し、通信インタフェース11または入出力インタフェース12を介して出力することができる。例えば、出力制御部25は、算出した手数料の情報を含む店舗STごとの取引データを一定期間ごとに読み出し、店舗STからの請求額の合計から手数料の合計を差し引いた金額を、店舗STに対する支払額として提示する出力データを生成する。そして、この出力データを、ネットワークNWを介して店舗STに対して送信するとともに、表示デバイス3に出力してオペレータに提示することができる。提示を受けたオペレータは、店舗STに対する支払処理を行ったり、または送金明細との照合を行ったりするなど、任意の処理を実行することができる。
【0112】
なお、上記ステップS201~S208の処理は、任意のタイミングで任意のデータ単位に対して実施されてよい。例えば、ステップS201で説明した、手数料の算出処理の開始は、オペレータからの指示に応じたものである必要はなく、情報処理装置1の内部タイマにより一定期間ごとにトリガを発生させ、そのトリガに応じて定期的に処理を開始するようにしてもよいし、店舗端末STTからデータを受け取るたびに実施するようにしてもよい。あるいは、決済事業者サーバPASVが、取引データベースPADに蓄積されたデータを監視し、手数料を算出していないデータが一定量蓄積されるたびに、情報処理装置1に対して手数料算出処理を開始するよう指示するようにしてもよい。
【0113】
[実施例2]
上記実施例1では、情報処理装置1がクレジットカード会社PAの決済事業者サーバPASVの一部として実施されるものとして説明した。しかし、情報処理装置1は、ポイント事業者SPのポイントサーバSPSVの一部として実施されてもよい。このような実施例2に係る情報処理装置1について、実施例1との相違点を中心に説明する。
【0114】
(2-1)構成
実施例2に係る情報処理装置1は、ポイントサーバSPSVの一部として使用される。あるいは、情報処理装置1は、ポイントサーバSPSVと連携して機能し得る別個の装置として実施されてもよい。
【0115】
(i)ハードウェア構成
実施例2に係る情報処理装置1は、実施例1で説明したのと同じハードウェア構成を採用可能である。
【0116】
(ii)ソフトウェア構成
実施例2に係る情報処理装置1は、
図5を参照して実施例1に関して説明したのと同様のソフトウェア構成を採用可能である。実施例1とは相違する各機能部の具体的な機能について、以下で説明する。
【0117】
取引データ取得部21は、ポイントデータベースSPDにアクセスして、手数料算出処理の対象とすべき取引データを取得し、取引データ記憶部31に格納する処理を行う。
【0118】
付加情報抽出部22は、取引データ記憶部31に格納された取引データから、決済(取引)ごとに、取引価額を表す価額情報または関連付けられたポイント付与数を抽出するとともに、それに関連付けられた付加情報の有無を判定する処理を行う。付加情報抽出部22はまた、付加情報が存在する場合には付加情報を抽出して、付加情報が存在しない場合にはその旨を示す情報を、料率情報取得部23に渡す処理を行う。付加情報抽出部22はまた、抽出した価額情報またはポイント付与数を手数料算出部24に渡す処理を行う。
【0119】
料率情報取得部23は、付加情報抽出部22から受け取った情報をもとに、料率情報記憶部32に格納された手数料率テーブルから対応する手数料率を読み出し、手数料算出部24に渡す処理を行う。
【0120】
手数料算出部24は、料率情報取得部23から受け取った手数料率と、付加情報抽出部22から受け取った価額情報とをもとに手数料を算出し、算出した手数料を手数料記憶部33に格納する処理を行う。
【0121】
出力制御部25は、手数料記憶部33に格納された情報を読み出し、出力データを生成して、通信インタフェース11または入出力インタフェース12を介して出力する処理を行う。
【0122】
(2-2)動作
次に、以上のように構成された情報処理装置1による情報処理動作を、実施例1と同様に
図7を参照して説明する。
なお、実施例2の情報処理装置1と併せて用いられる端末装置100は、実施例1で説明した端末装置100と概ね同様の動作を行う。ただし、端末装置100がポイント事業者SPに送信するポイント処理データは、あらかじめポイント事業者SPにより指定されたデータフォーマットに従って生成される。そして、実施例1と同様に、端末装置100の併用判定部123によって単一の商取引に係る決済情報中に特定のポイントカード情報と特定のクレジットカード情報との両方が含まれると判定された場合に、決済データ生成部122によりポイント処理データの空き領域に特定の値が設定される。
【0123】
実施例1と同様に、情報処理装置1は、ステップS201により、手数料の算出処理を開始するトリガの有無を監視している。この状態で、例えばオペレータが入力デバイス2を介して、手数料の算出を指示する要求を入力し、この要求を開始トリガとして受け取ると、情報処理装置1は以下のように手数料の算出処理を実行する。
【0124】
まずステップS202において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、取引データ取得部21により、ポイントデータベースSPDから必要な取引データを読み出し、取引データ記憶部31に格納する。取引データ取得部21は、例えば、ポイントデータベースSPDにアクセスし、オペレータにより指定された店舗STの識別情報および指定された期間に対応する取引データを抽出する。取引データに含まれる各レコードは、単位商取引に係る単位決済に対応し、当該商取引に係る日時情報、取引価額情報、ポイント会員を識別する情報、およびポイント付与数等を含む。なお、取引データ取得部21は、ネットワークNWを介して店舗端末STTから決済データを取得することによって、この決済データを手数料の算出に使用するための取引データとしてもよい。この場合、取引データ取得部21は、取得した決済データに店舗STの識別情報を付与して取引データ記憶部31に格納する。
【0125】
次いでステップS203において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、付加情報抽出部22により、取引データ記憶部31に格納されたレコードを読み出し、決済を識別する情報や店舗STを識別する情報とともにポイント付与数または取引価額情報を抽出し、手数料算出部24に渡す。
【0126】
ステップS204において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、付加情報抽出部22により、ステップS203で取引データ記憶部31から読み出したレコードについて、付加情報の有無を判定する。付加情報がないと判定された場合、ステップS206に移行する。
【0127】
一方、ステップS204において付加情報があると判定された場合、情報処理装置1は、ステップS205に移行し、付加情報抽出部22により、当該付加情報を抽出して料率情報取得部23に渡す。一実施形態では、付加情報は、ポイント事業者SPと店舗STとの間であらかじめ指定されたデータフォーマットの空き領域に設定された値として識別される。付加情報抽出部22は、付加情報としてこの値を抽出し、この値を料率情報取得部23に渡す。
【0128】
ステップS206において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、料率情報取得部23により、店舗STの識別情報と、付加情報の有無(または付加情報として抽出された値)とに基づいて、料率情報記憶部32に格納された手数料率テーブルから対応する手数料率を表す料率情報を取得する。手数料率テーブルは、店舗STごとに個別に設定されたデータテーブルであっても、店舗種別ごとに共通して設定されたデータテーブルであってもよい。または、料率情報取得部23は、ポイント事業者SPが管理する他のデータベースから料率情報を取得するようにしてもよい。あるいは、料率情報取得部23は、図示しない他の事業者が一括管理する、複数のポイント事業者SP間で共有される手数料率テーブルを格納したデータベースにアクセスすることによって、料率情報を取得するようにしてもよい。
【0129】
手数料率は、付加情報の有無に応じて異なる値となるように設定される。一実施形態では、付加情報がある場合、すなわち、ポイントサービスの利用とともにクレジットカード決済が行われた場合には、付加情報がない場合よりも手数料率が低減されるように設定される。
【0130】
例えば、
図8Aに示したように、ポイントサービスの利用とともにクレジットカードが併用された場合(Y(付加情報有り))には、併用されなかった場合(N(付加情報無し))よりも低い手数料率が、ポイントサービス手数料の算出に適用される。
【0131】
また
図8Bに示したように複数の条件を設定する場合、例えば、「条件1」は、ポイントカードの提示とともに分割払いでクレジットカード決済が利用された場合として設定し、「条件2」は、ポイントカードの提示とともに一括払いでクレジットカード決済が利用された場合として設定し、「N/A」は、ポイントカードの提示はされたがクレジットカード決済が利用されなかった(現金で支払いがなされた)場合として設定することが可能である。このような条件付けは、端末装置100がポイント処理データを生成する際に、「条件1」に該当する場合と「条件2」に該当する場合とで異なる「値」を空き領域に設定し、この値をポイント事業者SPとの間で共有することによって容易に実施可能である。この方法によれば、複数の条件を設定することによる、さらに細やかな条件付けが可能となる。
【0132】
図8Cは、情報処理装置1の料率情報記憶部32が記憶する手数料率テーブルの他の例を示す。この手数料率テーブルは、加盟店グループ(ID=B001X01~B001X99)について共通のテーブルとして設定されたもので、
図8Aと同様に付加情報が「Y」または「N」に区分され、それぞれの場合に適用すべき手数料率が1ポイント(PT)当たりの金額として示されている。
図8Cでは、「Y」の場合、すなわちポイントサービスとクレジットカード決済とが併用された場合、ポイント付与数に対して、1.5円/PTの手数料率が適用され、「N」の場合、すなわちポイントサービスとクレジットカード決済とが併用されなかった場合、2.2円/PTの手数料率が適用される。
【0133】
上記のような手数料率テーブルをあらかじめ設定することにより、加盟店にとっては、ポイントサービスがクレジットカード決済とともに利用された取引について、少なくともポイント事業者SPから請求される手数料額が減額されることになる。したがって、上記のような手数料率テーブルを提示することで、ポイントサービスの加盟店に対してさらにクレジットカード決済システムの導入を促すインセンティブを与えることができる。また
図8Bに示したように、店舗ごとにその営業形態に応じた細やかな条件設定をして提示することにより、さらに店舗STにクレジットカード決済システムの導入を促すことができる。
【0134】
次いで、ステップS207において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、手数料算出部24により、ステップS203で抽出したポイント付与数または価額情報と、ステップS206で取得した料率情報とに基づき加盟店手数料を算出する。
【0135】
一例では、手数料算出部24は、決済ごとに、価額情報から得られる取引価額に対して手数料率を乗じることによって、加盟店手数料を算出する。例えば、取引価額が10,000円で、取得した手数料率が3.0%であれば、10,000円×0.03=300円と算出される。あるいは、手数料算出部24は、決済ごとに、ポイント付与数に対して手数料率を乗じることによって、加盟店手数料を算出する。例えば、ポイント付与数が10ポイントで、取得した手数料率が1.5円/PTであれば、10PT×1.5円/PT=15円と算出される。
【0136】
手数料算出部24は、算出した手数料を取引データに関連付けて手数料記憶部33に格納する。算出された手数料は、取引データの各レコードに(すなわち決済ごとに)関連付けて記憶されてもよいし、店舗STごとに取引データとは別個のデータテーブルとして格納されるようにしてもよい。
【0137】
ステップS208において、情報処理装置1は、制御ユニット20の制御の下、出力制御部25により、手数料記憶部33から読み出した情報をもとに、出力データを作成し、通信インタフェース11または入出力インタフェース12を介して出力することができる。一例では、出力制御部25は、算出した手数料の情報を含む店舗STごとの取引データを一定期間ごとに読み出し、店舗STに対する固定利用料などとともに、店舗STに対する請求額として提示する出力データを生成する。そして、この出力データを、ネットワークNWを介して店舗STに対して送信するとともに、表示デバイス3に出力してオペレータに提示することができる。
【0138】
なお、実施例1で説明したのと同様に、上記ステップS201~S208の処理は、任意のタイミングで任意のデータ単位に対して実施されてよい。例えば、ステップS201で説明した、手数料の算出処理の開始は、オペレータからの指示に応じたものである必要はなく、情報処理装置1の内部タイマにより一定期間ごとにトリガを発生させ、そのトリガに応じて定期的に処理を開始するようにしてもよいし、店舗端末STTからデータを受け取るたびに実施するようにしてもよい。あるいは、ポイントサーバSPSVが、ポイントデータベースSPDに蓄積されたデータを監視し、手数料を算出していないデータが一定量蓄積されるたびに、情報処理装置1に対して手数料算出処理を開始するよう指示するようにしてもよい。
【0139】
(効果)
以上詳述したように、この発明の一実施形態では、商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗STに課す手数料を算出する情報処理装置1が、商取引ごとの、決済情報と、非現金決済処理およびポイント処理が併用されたか否かを表す付加情報とを参照し、付加情報に応じて異なる値となるようにあらかじめ設定された手数料率に基づいて手数料を算出するようにしている。
【0140】
これにより、商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗STは、非現金決済処理およびポイント処理が併用されたときには、それぞれの単独での利用に対して課される手数料を単に合計した額とは異なる手数料を課されることになる。したがって、すでに非現金決済処理およびポイント処理のうちのいずれか一方を導入していて、他方についてさらなる導入を検討している店舗ST、またはいずれも未導入であって両方の処理システムの導入を検討している店舗STに対し、手数料の負担を軽減することによる導入のインセンティブを与えることができる。
【0141】
例えば、すでにポイントサービスを利用していたものの、重複して手数料が課されることを負担に感じてクレジットカード決済の導入をためらっていた店舗に対し、ポイントサービスとクレジットカード決済が併用された取引については手数料率が軽減されるという設定を提示すれば、当該店舗が導入に踏み切る可能性がある。または、ポイントサービスもクレジットカード決済も利用していなかった店舗が同時に両方のシステム導入を検討しているときにも、上記のような手数料率テーブルを提示することによって、導入の後押しになることが期待される。
【0142】
上記実施形態では、複雑なシステム変更を要することなく、手数料率テーブルの設定を変更することにより、または各店舗から送信される決済データの空き領域に特定の値を設定するなどの簡易な操作により、容易に加盟店の手数料負担の軽減を図ることができる。
【0143】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記
図1~
図7に関して説明した各処理は、店舗端末STT、決済事業者サーバPASV、ポイントサーバSPSVまたは情報処理装置1それぞれにおいて、新たにデータを取得するたびに逐次処理(連続処理もしくはリアルタイム処理)されてもよいし、取得したデータを蓄積して一定量または一定時間ごとにバッチ処理されてもよい。
【0144】
また、決済システム提供事業者PAとポイント事業者SPとは同一の事業者であってもよい。同様に、決済事業者サーバPASVとポイントサーバSPSVとは、一体化された単一の装置であってもよい。あるいは、決済事業者サーバPASVとポイントサーバSPSVとがネットワークNWを介して情報交換可能であり、互いに決済データを照合することによって併用条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。決済事業者サーバPASVとポイントサーバSPSVが単一の装置である場合、
図1に示した矢印S2と矢印S6は、単一のデータフローとして実施され得る。同様に、矢印S5と矢印S7も単一のデータフローであってもよい。この場合、非現金決済に係る加盟店手数料とポイントサービスに係る加盟店手数料のいずれか一方が、併用条件に応じて減額されるようにしてもよいし、両方の加盟店手数料が減額されるようにしてもよい。例えば、情報処理装置1の料率情報取得部23が、料率情報記憶部32に格納された複数の手数料率テーブルを読み出して、手数料算出部24が複数の加盟店手数料を同時に、もしくは並列に、または順次に算出するように構成することができる。すなわち、実施例1に関して説明した情報処理装置1の処理と、実施例2に関して説明した情報処理装置1の処理は、単一の情報処理装置1によって同時にもしくは並列にまたは順次に実施されることができる。
【0145】
店舗端末STTまたは端末装置100による取引に係る情報の取得は、上記で示した例に限定されない。店舗端末STTまたは端末装置100に付属のコードリーダ、電子タグリーダ、スキャナ等を利用して、JANコード、QRコード、電子タグ等を読み取ることによって取得するようにしてもよいし、カメラを用いた画像認識により文字情報を取得するようにしてもよい。あるいは、端末を操作する店員が、タッチパネルやボタンを操作して情報を入力し、入力された情報を取得するようにしてもよい。
【0146】
以上で説明した「併用」は、代金の支払い時に顧客からクレジットカードとポイントサービスの同時使用の意思表示がされた場合だけに限定されるものではない。時間差がある場合、例えば、同一店舗において同日に同じ顧客CSに紐づけられたクレジットカードの利用とポイントサービスの利用とがあった場合も、「併用」とみなすように設定してもよい。
【0147】
また、上記実施形態では、端末装置100の併用判定部123が決済情報に含まれる情報をもとに併用条件を満たすか否かを判定するものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、店舗端末STTにおける代金の支払い時に、クレジットカード決済と同時にポイントカードが提示されたときに店舗端末STTのオペレータがPOS端末に設けられた所定のボタンを押すことによって、決済データに対して併用条件が満たされたことを表すフラグが設定されるように構成することも可能である。
【0148】
また、上記実施形態では、併用条件を満たすと判定されたときに端末装置100の併用判定部123によって付加情報が付加されるものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、端末装置100は、併用条件を満たさない場合にのみ付加情報を付加するように構成されてもよいし、併用条件を満たす場合と満たさない場合とでそれぞれ異なる付加情報を付加するように構成されてもよい。
【0149】
また、情報処理装置1は、手数料率テーブルをデータメモリ30の料率情報記憶部32から読み出すものとして説明したが、手数料率テーブルは、外部のデータベースをはじめ、任意の記憶媒体に格納されたものであってもよい。
【0150】
さらに、決済データごとの決済方法に応じて手数料率が異なるようにしてもよい。例えば、一括払いかリボ払いかなどに応じて手数料率が異なるように設定してもよいし、金券とクレジットカードの併用や、他の会員カードの提示の有無など、多様な決済方法に応じて併用条件の区分を細やかに設定することにより、多様な手数料率を設定するようにしてもよい。同様に、ポイントの種類に応じて手数料率が異なるようにしてもよい。例えば、取引価額に応じて付与されるポイントか、取引価額に関わらずに付与されるポイント(来店ポイント、雨の日ポイント、誕生月ポイントなど)か、キャンペーンポイント(使用期間が制限された期間限定ポイント、使用店舗が制限された店舗限定ポイント)に応じて併用条件の区分を設定するようにしてもよい。
【0151】
一般に、店舗STからクレジットカード会社PAに請求のために送られる決済データには、詳細な商品等情報は含まれていない。しかし、詳細な商品等情報が含まれる決済データに係る決済については、手数料率をさらに低減するようにしてもよい。これにより、クレジットカード会社PAは、いわゆるPOSデータを付加的に得ることができ、マーケティングに活用することができる。
【0152】
また、情報処理装置1は、単位決済ごとに手数料率を取得して手数料を算出するものとして説明したが、これに限るものでもない。例えば、同一の併用条件を有する複数の決済をまとめてグループ化し、グループごとに手数料率を取得し手数料を算出するように構成することも可能である。
【0153】
また、非現金決済は、クレジットカードおよび電子マネーだけに限定されるものではない。上記実施形態は、デビットカードやQRコード決済、ハウス電子マネーなど、加盟店舗に対して利用手数料が発生する決済システム全般に適用可能である。
【0154】
同様に、ポイントサービスまたはポイント付与システムは、上記のようなポイントサーバSPSVを介してポイントが付与されるシステムだけに限定されない。上記実施形態は、類似のシステムを採用するあらゆる情報処理システムに適用可能である。例えば、上記実施形態は、POS端末やユーザ端末で処理が完了する(または完了するように外観上見える)、ポイントサーバSPSVを介さない即時のポイントキャッシュバックや現金キャッシュバックシステムであっても、当該情報処理システムの利用に対して加盟店手数料が発生するシステムであれば、十分に適用可能である。
【0155】
なお、ポイントサービスの利用に係るポイントカードは、有形のカードに限定されない。例えば、顧客CSが自身の所持する携帯端末のディスプレイ上に表示させたQRコードを店舗端末STTのコードリーダで読み取らせることによって、ポイントカード情報を取得することができる。あるいは、ポイントカード情報は、店舗端末STTにのみ登録されたものであってもよい。例えば、顧客CSが氏名や生年月日とともにポイント会員であることを口頭で述べたことをもって、ポイントサービス利用の意思表示とみなし、店舗STの店員による店舗端末STTへの入力により決済データにフラグを付与させるようにしてもよい。あるいは、オンラインショッピングの場合など、顧客が「ポイントを貯める」チェックボックスにチェックしたことをポイントサービス利用の意思表示とみなして、クレジットカードとポイントサービスが併用されたと判定するようにしてもよい。
【0156】
また、ポイントサービスの利用には、商品やサービスの購入代金に対してポイントを発生させるものだけに限定されない。代金にかかわらず来店に応じてポイントが付与される取引も、上記実施形態の適用範囲に含めることができ、または代金の一部としてポイントを消費することや、ポイントと景品または金券との交換等もポイントサービスの利用に含めてもよい。
【0157】
なお、端末装置100が備える各機能部121~124および情報処理装置1が備える各機能部21~25を、クラウドサーバやエッジサーバ等に分散配置し、これらの装置が互いに連携することにより処理を行うようにしてもよい。さらに、手数料率テーブルの設定は、クレジットカード会社PAと店舗STとの協議により任意に設定してもよいし、決済データを分析して最適解を求めるプログラム等を活用してもよい。
【0158】
その他、手数料率テーブルの構成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
【0159】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0160】
1…情報処理装置、2…入力デバイス、3…表示デバイス、11…通信インタフェース、12…入出力インタフェース、20…制御ユニット、20A…ハードウェアプロセッサ、20B…プログラムメモリ、21…取引データ取得部、22…付加情報抽出部、23…料率情報取得部、24…手数料算出部、25…出力制御部、30…データメモリ、31…取引データ記憶部、32…料率情報記憶部、33…手数料記憶部、50…バス、100…端末装置、102…入力デバイス、103…表示デバイス、111…通信インタフェース、112…入出力インタフェース、120…制御ユニット、120A…ハードウェアプロセッサ、120B…プログラムメモリ、121…決済情報取得部、122…決済データ生成部、123…併用判定部、124…出力制御部、130…データメモリ、131…決済情報記憶部、150…バス、CS…顧客、ST…店舗、STT…店舗端末、NW…ネットワーク、PA…決済システム提供事業者、PASV…決済事業者サーバ、PAD…取引データベース、SP…ポイント事業者、SPSV…ポイントサーバ、SPD…ポイントデータベース。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出するためのプログラムであって、
前記商取引ごとの、当該商取引の決済に関する決済情報と、当該商取引について非現金決済とともにポイントサービスが利用されたことの有無に対応付けてあらかじめ設定された手数料率に基づいて、前記店舗に課す手数料を算出することと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項2】
商取引に係るクレジット決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す、前記クレジット決済処理に係る手数料を算出するためのプログラムであって、
前記商取引ごとの、当該商取引に係るクレジット決済処理の対象となる取引価額を表す価額情報と、当該商取引についてクレジット決済とともにポイントサービスが利用されたことの有無に対応付けてあらかじめ設定された手数料率に基づいて、前記クレジット決済処理に係る手数料を算出することと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項3】
前記手数料率は、前記クレジット決済および前記ポイントサービスを併用しない場合に対応して設定された第1の手数料率と、前記クレジット決済および前記ポイントサービスを併用する場合に対応して、前記第1の手数料率より低い値に設定された第2の手数料率とを含み、
前記店舗に課す手数料は、当該手数料率を、前記価額情報により表される取引価額に乗じることによって算出される、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
商取引に係るクレジット決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す、前記ポイント処理に係る手数料を算出するためのプログラムであって、
前記商取引ごとの、当該商取引に係る取引価額を表す価額情報と、当該商取引に関連するポイントの付与に関する情報を含むポイント処理情報のうちの少なくとも一方と、当該商取引についてクレジット決済とともにポイントサービスが利用されたことの有無に対応付けてあらかじめ設定された手数料率に基づいて、前記ポイント処理に係る手数料を算出する手数料算出することと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項5】
前記手数料率は、前記クレジット決済および前記ポイントサービスを併用しない場合に対応して設定された第1の手数料率と、前記クレジット決済および前記ポイントサービスを併用する場合に対応して、前記第1の手数料率より低い値に設定された第2の手数料率とを含み、
前記ポイント処理に係る手数料は、当該手数料率を、前記価額情報により表される取引価額、または前記ポイント処理情報に基づいて算出されるポイント付与数に乗じることによって手数料を算出される、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出するための決済データを生成するプログラムであって、
前記商取引ごとに、当該商取引の決済に関する決済情報を取得することと、
前記商取引ごとに、当該商取引について前記非現金決済処理および前記ポイント処理の併用の有無を判定することと、
前記商取引ごとに、前記決済情報と、非現金決済とともにポイントサービスが利用されたことの有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率と、を用いて前記店舗に課す手数料を算出するための付加情報とを含む決済データを生成することと、
前記生成された決済データを出力することと
を端末装置のコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項7】
商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出するための、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記商取引ごとの、当該商取引の決済に関する決済情報と、当該商取引について非現金決済とともにポイントサービスが利用されたことの有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率を用いて、前記店舗に課す手数料を算出するための付加情報とを含む取引データを、前記店舗の端末から取得する過程と、
前記取得された取引データに含まれる付加情報に対応する手数料率と前記取得された取引データに含まれる前記決済情報とに基づいて前記店舗に課す手数料を算出する過程と、
前記算出された手数料を表す情報を出力する過程と
を具備する情報処理方法。
【請求項8】
商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出するための決済データを出力する、端末装置が実行する情報処理方法であって、
前記商取引ごとに、当該商取引の決済に関する決済情報を取得する過程と
前記商取引ごとに、当該商取引について非現金決済とともにポイントサービスが利用されたことの有無を判定する過程と、
前記商取引ごとに、前記決済情報と、前記非現金決済とともに前記ポイントサービスが利用されたことの有無に対応付けてあらかじめ設定された異なる手数料率と、を用いて前記店舗に課す手数料を算出するための付加情報とを含む決済データを生成する過程と、
前記生成された決済データを出力する過程と
を具備する、情報処理方法。
【請求項9】
商取引に係るクレジット決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出する情報処理装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、を備え、
前記メモリは、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプログラムを記録する、情報処理装置。
【請求項10】
商取引に係る非現金決済処理およびポイント処理を併用可能な店舗に課す手数料を算出するための決済データを生成する端末装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、を備え、
前記メモリは、請求項6に記載のプログラムを記録する、端末装置。