(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013880
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】光固化3Dプリンタの光学機器、プリンタ及び3D印刷方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/129 20170101AFI20230119BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20230119BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230119BHJP
B29C 64/277 20170101ALI20230119BHJP
B29C 64/286 20170101ALI20230119BHJP
【FI】
B29C64/129
B33Y30/00
B33Y10/00
B29C64/277
B29C64/286
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128849
(22)【出願日】2021-08-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】202110793753.2
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521346623
【氏名又は名称】深▲せん▼市鵬基光電有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】劉建文
(72)【発明者】
【氏名】劉鵬基
(72)【発明者】
【氏名】劉一之
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL14
4F213WL43
4F213WL76
4F213WL83
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光源に対する制御要求を簡略化し、光の均一性を高め、製品の固化効果を高める光固化3Dプリンタ及び3Dプリンタの光学機器を提供する。
【解決手段】光固型3Dプリンタの光学機器は、複数個の発光源30と、グリッド板と、レンズ50と、LCD透過液晶パネル60とを含み、複数個の発光源は、同時に散乱光を発射するように構成され、グリッド板は発光源の上方に位置しており、一の発光源の直上方に対応する位置に一の鉛直的な光チャンネル41がそれぞれ備えられており、発光源は光チャンネルの中心に位置されており、レンズは導光部材の上方に位置しており、レンズにおける一の光チャンネルの直上方に対応する位置に一の集光レンズユニット51がそれぞれ形成され、LCD透過液晶パネルはレンズの上方に位置しており、LCD透過液晶パネルは画素アレイを有し、電圧を調節することにより各画素点の光透過度を制御できるように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の発光源と、グリッド板と、レンズと、およびLCD透過液晶パネルとを含み、
前記複数個の発光源は、均一に配置され、同時に散乱光を発射するように構成されており
、
前記グリッド板は発光源の上方に位置しており、前記グリッド板における一の発光源の直
上方に対応する位置に一の鉛直的な光チャンネルがそれぞれ備えられており、発光源は光
チャンネルの中心に位置されており、光チャンネルは鉛直的かつ光反射を限定する不透光
側壁により囲み込み形成されてなるものであり、
前記レンズは導光部材の上方に位置しており、レンズにおける一の光チャンネルの直上方
に対応する位置に一の集光レンズユニットがそれぞれ形成されており、
前記LCD透過液晶パネルはレンズの上方に位置しており、LCD透過液晶パネルは画素
アレイを有し、電圧を調節することにより各画素点の光透過度を制御できるように構成さ
れており、
前記発光源から発出する散乱光のうちの少なく一部が光チャンネルの中に入り、光チャン
ネルに入る散乱光のうちの一部が出射し、そして集光レンズユニットに入射し、集光レン
ズユニットによってアライメントされ、LCD透過液晶パネルに向かって射すように構成
され、複数個の発光源からの光は、それぞれアライメントされ、LCD透過液晶パネルを
完全に覆うように構成されている、
ことを特徴とする光固型3Dプリンタの光学機器。
【請求項2】
レンズ50の上面は複数個の凸面とし、各凸面の位置はそれぞれ一の集光レンズユニット
51に対応し、レンズ50はグリッド板40によってグリッド板40の上面に支持され貼
合されている、ことを特徴とする請求項1に記載の光固型3Dプリンタの光学機器。
【請求項3】
グリッド板40と発光源30とが一定の距離をもって間隔する、ことを特徴とする請求項
1に記載の光固型3Dプリンタの光学機器。
【請求項4】
発光源はライト板上に設置されており、ライト板の下方に放熱板が設置されている、こと
を特徴とする請求項1に記載の光固型3Dプリンタの光学機器。
【請求項5】
グリッド板40と放熱板10とが固定されている、LCD透過液晶パネル60はフレーム
70によって固定され、フレーム70はホルダー71によって放熱板10に固定されてい
る、ことを特徴とする請求項1に記載の光固型3Dプリンタの光学機器。
【請求項6】
LCD透過液晶パネル60はノーマリーブラック・IPSスクリーンとする、ことを特徴
とする請求項1に記載の光固型3Dプリンタの光学機器。
【請求項7】
LCD透過液晶パネル60は走査線61および信号線62を含み、走査線61は横方向に
延伸するとともに縦方向に間隔的に設置され、信号線62は縦方向に延伸するとともに横
方向に間隔的に設置され、隣り合う両走査線61および隣り合う両信号線62の間におい
て正方形エリア63を画成し、正方形エリア63内に透明電極64が備えられ、透明電極
64の外廓は正方形を呈するとともに、透明電極64は連続的に形成され、透明電極64
の対応するエリアは最小画素点であり、透明電極64は両走査線61のうちの一つに電気
接続され、及び両信号線62のうちの一つに電気接続される、ことを特徴とする請求項1
に記載の光固型3Dプリンタの光学機器。
【請求項8】
LCD透過液晶パネル60はモノクロスクリーンである、ことを特徴とする請求項7に記
載の光固型3Dプリンタの光学機器。
【請求項9】
光固型3Dプリンタであって、請求項1~8のいずれか一項に記載の光固型3Dプリンタ
の光学機器を用いる、光固型3Dプリンタ。
【請求項10】
光固型3Dプリンタによる3D印刷方法であって、
S100: 同時に散乱光を発光させるように複数個の発光源30を制御して、それぞれ
相応の集光レンズユニット51によってアライメントさせるステップと、
S200: 要印刷製品の形状に応じて、電圧を調整してLCD透過液晶パネル60の各
画素点の光透過率を制御することにより、要印刷製品の形状にあわせる光透過パタンを得
るステップと、を含み、
アライメントされた光を透光パタンから出射させる、
光固型3Dプリンタによる3D印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D印刷技術の分野に関し、特に、3Dプリンタの光硬化、プリンタ及び発光
表示の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3Dプリント技術は、3Dモデルによって層ごとに印刷され、3D実物が得られる。既存
の3D印刷技術はLOM技術と光硬化技術があり、光硬化技術の応用が比較的広い。光硬
化技術は、光照射下で樹脂を重合して固化するものであり、光照射していない部分は固化
しない。既存の光固化3Dプリンタには、LEDディスプレイを採用した露光パターンが
あります。LEDディスプレイは発光ダイオードからなるディスプレイであるため、LE
Dディスプレイを駆動する発光二級管の発光状況が対応する露出パターンを得ることがで
き、この露出方式はLEDランプの明るさや露出補償などのパラメータをうまくコントロ
ールしなければなりません。既存の光固化3Dプリンタは、LCD液晶ディスプレイを採
用するものもありますが、光の均一性が比較的に悪く、製品の固化効果が悪いという結果
になります。
【発明の概要】
【0003】
このため、光固化3Dプリンタ、光機・光造形機、プリンタ及び発光表示の方法を提供し
、光源に対する制御要求を簡略化し、光の均一性を高め、製品の固化効果を高める必要が
ある。
【0004】
光固型3Dプリンタは、複数個の発光源と、グリッド板と、レンズと、およびLCD透過
液晶パネルとを含み、
前記複数個の発光源は、均一に配置され、同時に散乱光を発射するように構成されており
、
前記グリッド板は発光源の上方に位置しており、前記グリッド板における一の発光源の直
上方に対応する位置に一の鉛直的な光チャンネルがそれぞれ備えられており、発光源は光
チャンネルの中心に位置されており、光チャンネルは鉛直的かつ光反射を限定する不透光
側壁により囲み込み形成されてなるものであり、
前記レンズは導光部材の上方に位置しており、レンズにおける一の光チャンネルの直上方
に対応する位置に一の集光レンズユニットがそれぞれ形成されており、
前記LCD透過液晶パネルはレンズの上方に位置しており、LCD透過液晶パネルは画素
アレイを有し、電圧を調節することにより各画素点の光透過度を制御できるように構成さ
れており、
前記発光源から発出する散乱光のうちの少なく一部が光チャンネルの中に入り、光チャン
ネルに入る散乱光のうちの一部が出射し、そして集光レンズユニットに入射し、集光レン
ズユニットによってアライメントされ、LCD透過液晶パネルに向かって射すように構成
され、複数個の発光源からの光は、それぞれアライメントされ、LCD透過液晶パネルを
完全に覆うように構成されている。
【0005】
好ましくは、レンズ50の上面は複数個の凸面とし、各凸面の位置はそれぞれ一の集光レ
ンズユニット51に対応し、レンズ50はグリッド板40によってグリッド板40の上面
に支持され貼合されている。
好ましくは、グリッド板40と発光源30とが一定の距離をもって間隔する。
【0006】
好ましくは、発光源はライト板上に設置されており、ライト板の下方に放熱板が設置され
ている。
【0007】
好ましくは、グリッド板40と放熱板10とが固定されている、LCD透過液晶パネル6
0はフレーム70によって固定され、フレーム70はホルダー71によって放熱板10に
固定されている。
【0008】
好ましくは、LCD透過液晶パネル60はノーマリーブラック・IPSスクリーンとする
。
【0009】
好ましくは、LCD透過液晶パネル60は走査線61および信号線62を含み、走査線6
1は横方向に延伸するとともに縦方向に間隔的に設置され、信号線62は縦方向に延伸す
るとともに横方向に間隔的に設置され、隣り合う両走査線61および隣り合う両信号線6
2の間において正方形エリア63を画成し、正方形エリア63内に透明電極64が備えら
れ、透明電極64の外廓は正方形を呈するとともに、透明電極64は連続的に形成され、
透明電極64の対応するエリアは最小画素点であり、透明電極64は両走査線61のうち
の一つに電気接続され、及び両信号線62のうちの一つに電気接続される。
【0010】
好ましくは、LCD透過液晶パネル60はモノクロスクリーンである。
【0011】
本発明に係る光固型3Dプリンタは、上記光固型3Dプリンタの光学機器を用いる。
【0012】
本発明に係る光固型3Dプリンタによる3D印刷方法は、
S100: 同時に散乱光を発光させるように複数個の発光源30を制御して、それぞれ
相応の集光レンズユニット51によってアライメントさせるステップと、
S200: 要印刷製品の形状に応じて、電圧を調整してLCD透過液晶パネル60の各
画素点の光透過率を制御することにより、要印刷製品の形状にあわせる光透過パタンを得
るステップと、を含み、
アライメントされた光を透光パタンから出射させる。
【0013】
本発明は、以下の有益な効果を有する。LCD透過液晶パネルによって、LCD透過液晶
パネルの画素アレイの光透過を制御することができるので、要印刷製品の形状にあわせる
光透過パタンを得られる。発光源からの散乱光のうちの少なくとも一部は光チャンネルの
中に入り込むが、大角度散乱の光は光チャンネルの中に入らずグリッド板により吸収され
、捨てられるとする。光チャンネルに入った散乱光のうちの比較的大角度の部分は光チャ
ンネルの側壁により吸収され、予定の角度範囲内における光は光チャンネルの中から出射
し、そして集光レンズユニットに入射し、集光レンズユニットにより該光がアライメント
されてから、LCD透過液晶パネルへ射す。LCD透過液晶パネルへ当たった光は鉛直方
向に対して均一的である。アライメントした光は光透過パタンから出射し、液体感光樹脂
に照射すると固化して、薄層パタンを得るようになり、続いて積み立てば3D実物を得ら
れる。アライメントされた光は均一度が高くて、光固化の効果がよくなり、最終に得られ
た3D実物は一層リアル感を得られる。また固化の過程では、発光源は持続的に発光して
もよく、複雑なコントロールがいらず、単にLCD透過液晶パネルの光透過を制御すれば
よい。光電業界、PCB業界、包装印刷、ラベル印刷、花紙業界、プリント業界、家庭用ガ
ラス、電子ガラス業界などに応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明の具体的な実施形態に係るゲートボードの構成図である。
【
図4】従来技術で使用されているLCD液晶カラーディスプレイの構成図である。
【
図5】従来技術で使用されているLCD液晶カラーディスプレイの効果図である。
【
図6】本発明に係るLCD液晶光透過スクリーンの具体的な実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態における図面に関連して、本発明の実施形態における技術的な態
様を明確にし、完全に説明するが、説明した実施形態は、全ての実施形態ではなく、本発
明の一部の実施形態にすぎないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者
は、創造的労働をしていないという前提の下で獲得した他の実施形態のすべては、本発明
の保護範囲に属する。図面は参照と説明用だけを提供するものであって、本発明を限定す
るものではないことが理解できる。図面に表示される接続関係は、単に明瞭な説明を容易
にするためであり、接続方式を限定するものではない。
【0016】
説明が必要なのは、1つのコンポーネントが「接続」のもう1つのコンポーネントと見な
されるとき、それは直接に他のコンポーネントに接続されてもよく、または同時に中央の
コンポーネントが存在してもよいことである。別段の定義がない限り、本明細書で使用さ
れるすべての技術および科学用語は、本発明の技術分野に属する技術者が一般的に理解す
る意味と同じである。また、明確な規定と限定がない限り、用語「設置」、「接続」、「
連結」は広義的な理解をしなければならない。例えば、固定接続であってもよく、取り外
し可能な接続であってもよく、または一体的に接続してもよい。機械的接続であっても良
いし、電気的接続であっても良いし、2つの素子内部の接続であっても良い。上記の用語
の本発明における具体的な意味は、当業者にとって具体的に理解され得る。本明細書で使
用される用語は、具体的な実施形態を説明する目的だけであり、本発明を限定することを
意味するものではない。
【0017】
なお、本発明の説明では、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「縦」、「
水平」、「内」、「外」などが示す方位または位置関係は、図面に基づく方位または位置
関係であり、本発明の説明および簡略化説明を容易にするためだけに、説明が必要である
。指示または暗示ではなく、特定の方位を有する装置または要素が特定の方位で構成され
、動作される必要があるので、本発明に対する限定とは理解できない。さらに、用語「第
1」、「第2」、「第3」は説明の目的だけに用いられ、相対的な重要性を示すかまたは
示唆すると理解してはならない。
【0018】
図1は、光固型3Dプリンタである。光固型3Dプリンタは、下より順次に、放熱板10
と、ライト板20と、複数個の発光源30と、グリッド板40と、レンズ50と、および
、LCD透過液晶パネル60とを含む。
【0019】
複数個の発光源30は、ライト板20上に均一に配置される。発光源30は、アレイ状に
配置され、かつ横間隔と縦間隔が等しいとされてもよい。各発光源30からの発光した光
は、大範囲となる散乱光である。発光源30は発光角度がほぼ180°となるようにライ
ト板20上に設置される。本発明において、複数個の発光源30は同時に散乱光を発射す
る。発光源30は樹脂を固化するために用いられる特定の波長をもつ光線を発出する。
放熱板10は発光源30の放熱効果を上げるためのものである。グリッド板40と発光源
30とが一定の距離をもって間隔するとともに、グリッド板40と放熱板10とが固定さ
れている。レンズ50の下面は平面とし、レンズ50の上面は複数個の凸面とする。各凸
面の位置はそれぞれ一の集光レンズユニット51に対応する。レンズ50はグリッド板4
0によってグリッド板40の上面に支持され貼合されている。LCD透過液晶パネル60
はフレーム70によって固定される。フレーム70はホルダー71によって放熱板10に
固定されている。LCD透過液晶パネル60は画素アレイを有する。
【0020】
LCD透過液晶パネル60はノーマリーブラック・IPS(InPlaneSwitch
ing)スクリーンとする。ノーマリーブラックのLCD透過液晶パネル60は電気の未
投入場合では光が透過できぬ、即ち光源が照らすとブラック色を呈し光が透過しないもの
である。また機械故障や停止では樹脂が固化しなく、固化過程では残物や昆布千切が発生
しないものである。硬質のLCD透過液晶パネル60は、外力がかかっている状態で液晶
が変化しなく、LCD透過液晶パネル60は白くなったり光が漏れたりすることを避け得
、残物が生じることを防止する。
【0021】
LCD透過液晶パネル60の原理は、2枚の導電ガラス基板の間に位置する液晶は、上下
のガラス基板の両電極によって液晶分子に歪み変形を発生させることで、LCD画素アレ
イの透過率を変化させる。ここで、LCD透過液晶パネル60は、単に光透過の「窓口」
であるが、そのものが発光しない。
【0022】
図2に示すように、グリッド板40は不透明の吸光材料製としてもよい。グリッド板40
は、発光源30と同様に均一に配布される複数個の鉛直的な光チャンネル41を備えてい
る。横縦に設置される複数個の鉛直板によって均一に配布される光チャンネル41を構成
している。光チャンネル41は鉛直的な側壁42により囲み込んで形成される。光は側壁
42上に当たると、反射が制限され、強いては吸収される。それぞれ一の鉛直的な光チャ
ンネル41は一の発光源30の直上方位置に対応するとともに、発光源30は光チャンネ
ル41の中心に位置する。
【0023】
レンズ50における一の光チャンネル41の直上方に対応する位置に一の集光レンズユニ
ット51がそれぞれ形成されており、集光レンズユニット51の位置は光チャンネル41
の位置に対応する。
【0024】
発光源30からの光はほぼ180°であり、そのまま集光レンズユニット51によって集
光されたら、ほとんどの光が所望の角度範囲内にアライメントされ得ず、集光後の光線は
依然として角度が比較的に大きく、このようにしてLCD透過液晶パネル60に照射した
ら、光線の不均一が発生する恐れがある。本発明においては、発光源30から発光した第
1の予定角度範囲内における散乱光は光チャンネル41に入るが、予定角度範囲外におけ
る散乱光はグリッド板40に遮蔽されるとなっている。さらに、光チャンネル41に入っ
た散乱光において、第2の予定角度における光が出射し、第1の予定角度と第2の予定角
度の間における光が側壁42により吸収されるとなっている。
図2に示すように、第1の
予定角度はtheta1=2arctanL1/d1とし、ただし、L1は光チャンネル41
の下端面の内側辺とその中心線との垂直距離であり、d1は光チャンネル41の下端面と
発光源30との距離である。第2の予定角度はtheta1=2arctanL1/d2とし
、ただし、L2は光チャンネル41の上端面の内側辺とその中心線との垂直距離であり、
d2は光チャンネル41の上端面と発光源30との距離である。
【0025】
光チャンネル41から出射した光が集光レンズユニット51に入射し、集光レンズユニッ
ト51によってアライメントされてから、LCD透過液晶パネル60に射す。光線のアラ
イメント角度は0~20°とし、好ましくは7°とする。LCD透過液晶パネル60と光
チャンネル41の上端面との距離を調整することにより、複数個の発光源30の光はそれ
ぞれアライメントされ、かつ完全にLCD透過液晶パネル60を覆うようになり、LCD
透過液晶パネル60の各画素点は光に照射され得る。
【0026】
LCD透過液晶パネル60の画素アレイの光透過を制御することができるので、要印刷製
品の形状にあわせる光透過パタンを得られる。アライメントした光は光透過パタン601
から出射し、液体感光樹脂に照射すると固化して、薄層パタン101を得るようになり、
続いて積み立てば3D実物を得られる。LCD透過液晶パネル60へ当たった光は鉛直方
向に対して均一的である。LCD透過液晶パネル60上の光透過パタン601の大きさが
固化した薄層パタン101の大きさとほぼ一致するので、光固化の効果がよくなり、最終
に得られた3D実物は一層リアル感を得られる。固化の過程では、発光源30は持続的に
発光してもよく、複雑なコントロールがいらず、単にLCD透過液晶パネル60の光透過
を制御すればよい。
【0027】
従来の光固型3Dプリンタでは、LCD液晶カラーディスプレイを用いて選択的に光を透
過させるものがある。従来のLCD液晶カラーディスプレイの構成は
図4に示すように、
フロント偏光板301と、フロントガラス基板302と、RGB層303と、フロント電
極304と、液晶層305と、リア電極306と、リアガラス基板307と、リア偏光板
308と、および発光板309とを含む。フロント電極およびリア電極はストリップ状と
する。R色層3031、G色層3032、およびB色層3033はそれぞれ3本の電極を
完全に覆って画素点400(
図2の点線枠に示す)を構成する。このように繰り返して、
画素アレイが形成され得る。その結果としては、
図2において示されている。各画素点は
3本のストリップ状のサブユニットを含む。前後に対応する2本の電極は単独に電圧制御
を実施することにより、画素点の液晶を回転させることが完了する。液晶の回転過程は一
定の時間がかかるが、R、G、Bのそれぞれ覆う3本の電極は完全に同期回転することが
不可能である。したがって、薄層の形状が変化し、それと伴ってLCD液晶カラーディス
プレイの露光パタンが変化してしまうと、製品のエッジ部の粗さに繋がることがあり、繊
細になり得ない。また、隣り合う2本のストリップ状のサブユニット間の隙間を光が通過
できず、単一の画素点の透光率が比較的に低くて、固化では、大量の狭いストリップ状物
が生じる。
【0028】
図6に示すように、LCD透過液晶パネル60は走査線61および信号線62を含む。走
査線61は横方向に延伸するとともに縦方向に間隔的に設置される。信号線62は縦方向
に延伸するとともに横方向に間隔的に設置される。隣り合う両走査線61および隣り合う
両信号線62の間において正方形エリア63を画成する。正方形エリア63内に透明電極
64が備えられている。透明電極64の外廓は正方形を呈するとともに、透明電極64は
連続的に形成されている。透明電極64の対応するエリアは最小画素点である。透明電極
64は両走査線61のうちの一つに電気接続されること、及び両信号線62のうちの一つ
に電気接続されることとする。具体的に、透明電極64はトランジスターのドレイン電極
に接続され、走査線61はトランジスターのグリッド電極に接続され、信号線62はトラ
ンジスターのソース電極に接続される。透明電極64は、その右側の信号線62に接続さ
れること、およびその上側の走査線61に接続されることとしてもよく、このようにして
、アレイ配列となっている。もちろんトランジスターは透明電極64の左上、右下或いは
左下の角のいずれに設置されてもよい。
【0029】
正方形の最小画素点の透過率が高くて、405ナノメートル波長の透過率が高くて、コン
トラスト比は500と達する。露光パタンの変化過程では、すべての正方形の画素点の液
晶がいっしょに回転するので、製品のエッジ部がさらに繊細である。本発明の精度は30
*30μmとなっている。
【0030】
LCD透過液晶パネル60はモノクロスクリーンであり、すなわちRGB層を除去したも
のとし、LCD透過液晶パネル60の光透過効果がさらに適切である。
【0031】
光固型3Dプリンタによる3D印刷方法は、以下のステップ、すなわち
S100: 同時に散乱光を発光させるように複数個の発光源30を制御して、それぞれ
相応の集光レンズユニット51によってアライメントさせることと、および
S200: 要印刷製品の形状に応じて、電圧を調整してLCD透過液晶パネル60の各
画素点の光透過率を制御することにより、要印刷製品の形状にあわせる光透過パタンを得
られることと、
を含む。
【0032】
アライメントされた光を透光パタンから出射させる。理解すべきのは、上記ステップS1
00およびS200は、同時に実行してもよく、順序が互いに変わってもよい。
【0033】
本発明の技術方案は、光電業界、PCB業界、包装印刷、ラベル印刷、花紙業界、プリント
業界、家庭用ガラス、電子ガラス業界などに適用でき、各業界及びお客様のニーズに応じ
て、対応するプロセスを開発することができる。
【0034】
本出願の明細書および請求項において、用語は、「含む/包含」および「備える/有する
」およびその変形は、記載された特徴、数値、ステップまたは構成要素の存在を特定する
ために使用されるが、1つ以上の他の特徴、数値、ステップ、構成要素、またはそれらの
組み合わせの存在を排除または追加するものではない。
【0035】
本発明のいくつかの特徴は、明確に説明するために、それぞれ異なる実施形態で説明され
ているが、これらの特徴は、単一の実施形態に関連して説明されてもよい。対照的に、本
発明のいくつかの特徴は、簡略化のために単一の実施形態だけで説明されているが、これ
らの特徴は、異なる実施形態に単独または任意の適切な組み合わせで記載されてもよい。
【0036】
以上述べたのは本発明のより良い実施形態にすぎず、本発明を限定するものではなく、本
発明の精神及び原則の内に行ったいかなる修正、均等な置換および改善等は、本発明の保
護範囲内に含まれるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の発光源と、グリッド板と、レンズと、およびLCD透過液晶パネルとを含み、
前記複数個の発光源は、均一に配置され、同時に散乱光を発射するように構成されており
、
前記グリッド板は発光源の上方に位置しており、前記グリッド板における一の発光源の直
上方に対応する位置に一の鉛直的な光チャンネルがそれぞれ備えられており、発光源は光
チャンネルの中心に位置されており、光チャンネルは鉛直的かつ光反射を限定する不透光
側壁により囲み込み形成されてなるものであり、
前記レンズは導光部材の上方に位置しており、レンズにおける一の光チャンネルの直上方
に対応する位置に一の集光レンズユニットがそれぞれ形成されており、
前記LCD透過液晶パネルはレンズの上方に位置しており、LCD透過液晶パネルは画素
アレイを有し、電圧を調節することにより各画素点の光透過度を制御できるように構成さ
れており、
前記発光源から発出する散乱光のうちの少なくとも一部が光チャンネルの中に入り、光チ
ャンネルに入る散乱光のうちの一部が出射し、そして集光レンズユニットに入射し、集光
レンズユニットによってアライメントされ、LCD透過液晶パネルに向かって射すように
構成され、複数個の発光源からの光は、それぞれアライメントされ、LCD透過液晶パネ
ルを完全に覆うように構成されており、
LCD透過液晶パネルは走査線および信号線を含み、走査線は横方向に延伸するとともに
縦方向に間隔的に設置され、信号線は縦方向に延伸するとともに横方向に間隔的に設置さ
れ、隣り合う両走査線および隣り合う両信号線の間において正方形エリアを画成し、正方
形エリア内に透明電極が備えられ、透明電極の外廓は正方形を呈するとともに、透明電極
は連続的に形成され、透明電極の対応するエリアは最小画素点であり、透明電極は両走査
線のうちの一つに電気接続され、及び両信号線のうちの一つに電気接続され、
LCD透過液晶パネルはモノクロスクリーンである、
ことを特徴とする光固化3Dプリンタの光学機器。