(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138836
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】ゲーム管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20230922BHJP
【FI】
G06Q50/34
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131437
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2019025004の分割
【原出願日】2019-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2018031469
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
(57)【要約】
【課題】 プレイヤのベット額に応じたポイントを確実に付与するゲーム管理システムを提供する。
【解決手段】 カジノ施設で行われるカジノゲームを管理するゲーム管理システム100は、遊技用代用貨幣9を用いてゲームを行うための遊技テーブル4と、ベットされた遊技用代用貨幣9を撮影して画像を得るカメラ2と、画像における遊技用代用貨幣9の位置、種類及び枚数に基づいて遊技テーブル4のプレイヤポジション毎のベット額を特定する制御装置50と、遊技テーブル4の各プレイヤポジションにおいてゲームに参加しているプレイヤを特定するリーダライタ装置5と、リーダライタ装置5により特定した各プレイヤのメンバIDと、リーダライタ装置5により特定した各プレイヤポジションのベット額とを関連付けて記録装置62上で記憶するポイント処理部612とを備え、ポイント処理部612は、リーダライタ装置5により特定した各プレイヤのベット額に応じたポイントをプレイヤに付与する機能を備えた構成を有している。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カジノ施設で行われるカジノゲームを管理するゲーム管理システムであって、
遊技用代用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、
ベットされた遊技用代用貨幣の位置、種類及び枚数に基づいて前記遊技テーブルのプレイヤポジション毎のベット額を特定する情報処理装置と、
前記遊技テーブルの各プレイヤポジションにおいてゲームに参加しているプレイヤを特定するプレイヤ特定手段と、
前記プレイヤ特定手段により特定した各プレイヤのメンバIDと、前記情報処理装置により特定した各プレイヤポジションのベット額とを関連付けてデータベース上で記憶するポイント処理手段と、を備え、
前記ポイント処理手段は、前記プレイヤ特定手段により特定した各プレイヤのベット額に応じたポイントを前記プレイヤに付与する機能を備えたゲーム管理システム。
【請求項2】
ゲームの結果を判定可能なゲーム結果判定装置をさらに備え、
前記ポイント処理手段は、前記各プレイヤのベット額の情報及びゲーム結果判定装置が判定したゲーム結果の情報に基づき、前記各プレイヤの勝敗と収支を把握可能な構成である、請求項1に記載のゲーム管理システム。
【請求項3】
前記遊技用代用貨幣を収容する遊技用代用貨幣トレイをさらに備え、
前記情報処理装置は、前記遊技用代用貨幣トレイ内の遊技用代用貨幣の総額を判定可能であり、遊技用代用貨幣の清算前後における前記遊技用代用貨幣トレイの増減総額と前記各プレイヤの収支の総額とを比較する構成である、請求項2に記載のゲーム管理システム。
【請求項4】
前記ポイント処理手段は、前記遊技用代用貨幣の清算前後における前記遊技用代用貨幣トレイの増減総額と前記各プレイヤの収支の総額との比較結果が一致している場合に、前記プレイヤにポイントを付与する構成である、請求項3に記載のゲーム管理システム。
【請求項5】
前記プレイヤ特定手段は、顔認証システムである、請求項1に記載のゲーム管理システム。
【請求項6】
プレイヤ特定手段は、プレイヤが所持し、前記メンバIDが記憶された記憶媒体から前記メンバIDを読み取る読取装置である、請求項1に記載のゲーム管理システム。
【請求項7】
前記ポイント処理手段は、前記各プレイヤが前記遊技テーブルにおいてゲームに参加した開始時間及び終了時間を把握し、前記開始時間及び終了時間を前記データベース上で記憶する機能を備えた、請求項1~6のいずれかに記載のゲーム管理システム。
【請求項8】
前記ポイント処理装置は、前記各プレイヤのベット額をゲーム毎に算出する機能を備えた、請求項1に記載のゲーム管理システム。
【請求項9】
月単位あるいは年単位で累積したベット額を基に、特典を提供する特典処理手段をさらに備えた、請求項1に記載のゲーム管理システム。
【請求項10】
連続した日単位で累積したベット額を基に、特典を提供する特典処理手段をさらに備えた、請求項1に記載のゲーム管理システム。
【請求項11】
カジノ施設においてゲームに参加するプレイヤを特定するプレイヤ特定手段と、
前記プレイヤがゲームにおいてベットした遊技用代用貨幣を撮影して画像を得るカメラと、
前記画像に基づいて前記プレイヤのゲームにおけるベット額を特定する情報処理装置と、
前記情報処理装置にて特定された前記ベット額に応じて、前記プレイヤのポイントを記録する記録手段と、
を備えたゲーム管理システム。
【請求項12】
前記記録手段は、前記プレイヤが所持する記憶媒体である、請求項11に記載のゲーム管理システム。
【請求項13】
前記記録手段は、複数のプレイヤについて前記プレイヤごとの前記ポイントを記録したデータベースである、請求項11に記載のゲーム管理システム。
【請求項14】
前記記録手段に記録されたポイントに応じて前記プレイヤに特典を付与する特典付与装置をさらに備えた、請求項11~13のいずれかに記載のゲーム管理システム。
【請求項15】
前記ポイント処理手段は、複数の遊技テーブルを管理し、所定の時間又は期間における前記プレイヤ毎のベット総額又はプレイヤのネット利益又はゲーム主催者側のネット利益を把握し、前記ベット総額又は前記プレイヤのネット利益又は前記ゲーム主催者側のネット利益に基づいて、所定の条件で前記プレイヤにポイント又はステイタスを付与し、これを出力可能である、請求項1~14のいずれかに記載のゲーム管理システム。
【請求項16】
前記所定の時間又は期間は、一日単位もしくは連続した複数日間又は一か月単位である、請求項15に記載のゲーム管理システム。
【請求項17】
前記ポイント処理手段は、前記所定の時間又は期間において集中的にポイントが付与されると、更に追加して前記ポイント又はステイタスを付与する、請求項15に記載のゲーム管理システム。
【請求項18】
前記ポイント処理手段は、前記ポイント又はステイタスに基づいて、VIPルームへの入室権を付与する、請求項15に記載のゲーム管理システム。
【請求項19】
前記ポイント又はステイタスは、換金不能な遊技用代用貨幣に交換可能である、請求項15に記載のゲーム管理システム。
【請求項20】
前記ポイント又はステイタスは、ホテルもしくは所定の施設の利用料金の支払いに使用可能である、請求項15に記載のゲーム管理システム。
【請求項21】
前記ポイント処理手段は、前記プレイヤ毎のベット総額を当該プレイヤの与信情報として出力する、請求項1~14のいずれかに記載のゲーム管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カジノ施設で行われるカジノゲームを管理するゲーム管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カジノ施設では、カジノ運営者(ゲーム主催者)の収益増加を目的とした顧客の囲い込み策の一環として、客がゲームに参加するとポイントを付与するというポイントサービスが実施されている。このポイントサービスでは、客はポイントを貯めると特典を受けることができる。
【0003】
具体的には、客はまずカジノ施設に対してメンバ登録をしてメンバIDを付与される。メンバIDは、客が所持するメンバカードに記憶される。カジノ運営者は、客がテーブルに着いたとき及びテーブルから離れるときに客のメンバカードを読み取ることで、当該客がテーブルに座っている時間を把握して、時間に応じたポイントを付与する。付与したポイントは、客のメンバIDと関連付けてカジノ施設の記録装置に記録される。カジノ運営者は、記録装置に記録されたポイントを消費して客に特典を付与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のポイントサービスでは、客がテーブルに座っている時間に応じてポイントを付与しているが、客はテーブルに座っていても、必ずしもすべてのゲームに参加する(ベットする)わけではなく、他の客が参加しているゲームを見ながら、たまに自らもゲームに参加するということがあり得る。そのため、実際にはほとんどゲームに参加せず、カジノ運営者の売上に貢献していない客に対してもポイントが付与されてしまい、カジノ運営者の損失を生んでいる。
【0005】
また、客が実際にベットした額に応じてポイントを付与するということも考えられる。しかしながら、この場合には、ディーラやピットマネージャが、客がベットするたびに手動でベット額を入力する必要がある。したがって、入力ミスや入力忘れが起こりやすい。客からベット額に対して正当なポイントが付与されていないというクレームを受けた場合には、それを検証することができないため、カジノ運営者は客の主張に従ってポイントを付与せざるを得ない。客のなかには悪意を持ってそのようなクレームをする者もあり、そうすると、カジノ運営者の損失は甚大になる。
【0006】
そこで、本発明は、プレイヤのベット額に応じたポイントを確実に付与するゲーム管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、カジノ施設で行われるカジノゲームを管理するゲーム管理システムであって、遊技用代用貨幣を用いてゲームを行うための遊技テーブルと、ベットされた遊技用代用貨幣の位置、種類及び枚数に基づいて前記遊技テーブルのプレイヤポジション毎のベット額を特定する情報処理装置と、前記遊技テーブルの各プレイヤポジションにおいてゲームに参加しているプレイヤを特定するプレイヤ特定手段と、前記プレイヤ特定手段により特定した各プレイヤのメンバIDと、前記情報処理装置により特定した各プレイヤポジションのベット額とを関連付けてデータベース上で記憶するポイント処理手段とを備え、前記ポイント処理手段は、前記プレイヤ特定手段により特定した各プレイヤのベット額に応じたポイントを前記プレイヤに付与する機能を備えた構成を有している。
【0008】
この構成により、プレイヤのベット額に応じたポイントを確実に付与することができる。なお、情報処理装置は、ベットされた遊戯用代用貨幣を撮影して得られた画像に基づいて遊技用代用貨幣の位置、種類及び枚数を把握してよく、あるいはその他の手段によって遊技用代用貨幣の位置、種類及び枚数を把握してもよい。
【0009】
上記のゲーム管理システムは、ゲームの結果を判定可能なゲーム結果判定装置をさらに備えていてよく、前記ポイント処理手段は前記各プレイヤのベット額の情報及びゲーム結果判定装置が判定したゲーム結果の情報に基づき、前記各プレイヤの勝敗と収支を把握可能な構成であってよい。
【0010】
上記のゲーム管理システムは、前記遊技用代用貨幣を収容する遊技用代用貨幣トレイをさらに備えていてよく、前記情報処理装置は前記遊技用代用貨幣トレイ内の遊技用代用貨幣の総額を判定可能であり、遊技用代用貨幣の清算前後における前記遊技用代用貨幣トレイの増減総額と前記各プレイヤの収支の総額とを比較する構成であってよい。
【0011】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記ポイント処理手段は、前記遊技用代用貨幣の清算前後における前記遊技用代用貨幣トレイの増減総額と前記各プレイヤの収支の総額との比較結果が一致している場合に、前記プレイヤにポイントを付与する構成であってよい。
【0012】
この構成により、清算によって遊技用代用貨幣の払い出しや回収が正確に行われたことを確認してポイントを付与することができる。
【0013】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記プレイヤ特定手段は、顔認証システムであってよい。
【0014】
この構成により、プレイヤ特定のためにプレイヤがメンバカードの提示等の特別な行為を行う必要がなく、各プレイヤポジションにいるプレイヤ(メンバ)を容易に特定することができる。
【0015】
上記のゲーム管理システムにおいて、プレイヤ特定手段は、プレイヤが所持し、前記メンバIDが記憶された記憶媒体から前記メンバIDを読み取る読取装置であってよい。
【0016】
この構成により、プレイヤを確実に特定することができる。
【0017】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記ポイント処理手段は、前記各プレイヤが前記遊技テーブルにおいてゲームに参加した開始時間及び終了時間を把握し、前記開始時間及び終了時間を前記データベース上で記憶する機能を備えていてよい。
【0018】
この構成により、実際のベット額だけでなく、ゲームに参加していた時間を把握することができる。
【0019】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記ポイント処理手段は、前記各プレイヤのベット額をゲーム毎に算出する機能を備えていてよい。
【0020】
この構成により、ゲームごとに各プレイヤのベット額を把握できる。
【0021】
上記のゲーム管理システムは、さらに、月単位あるいは年単位で累積したベット額を基に、特典を提供する特典処理手段を備えていてよい。
【0022】
この構成により、月間又は年間で累積したポイントに応じて特典を付与できる。
【0023】
上記のゲーム管理システムは、さらに、連続した日単位で累積したベット額を基に、特典を提供する機能を備えていてよい。
【0024】
この構成により、連続した日(例えば、3日)単位で累積したポイントに応じて特典を付与できる。
【0025】
本発明の一態様のゲーム管理システムは、カジノ施設においてゲームに参加するプレイヤを特定するプレイヤ特定手段と、前記プレイヤがゲームにおいてベットした遊技用代用貨幣を撮影して画像を得るカメラと、前記画像に基づいて前記プレイヤのゲームにおけるベット額を特定する情報処理装置と、前記情報処理装置にて特定された前記ベット額に応じて、前記プレイヤのポイントを記録する記録手段とを備えた構成を有している。
【0026】
この構成によっても、プレイヤのベット額に応じたポイントを確実に付与することができる。
【0027】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記記録手段は、前記プレイヤが所持する記憶媒体であってよい。
【0028】
この構成により、プレイヤは記録媒体を用いて、ポイントを消費して特典を要求することができる。
【0029】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記記録手段は、複数のプレイヤについて前記プレイヤごとの前記ポイントを記録したデータベースであってよい。
【0030】
この構成により、プレイヤがポイントを貯めたりポイントを消費して特典を要求したりするために、記録媒体を持つ必要がなくなる。また、そのような記録媒体の偽造の問題もなくなる。
【0031】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記記録手段に記録されたポイントに応じて前記プレイヤに特典を付与する特典付与装置をさらに備えていてよい。
【0032】
この構成により、プレイヤは保有しているポイントに応じた得点を享受できる。
【0033】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記ポイント処理手段は、複数の遊技テーブルを管理し、所定の時間又は期間における前記プレイヤ毎のベット総額又はプレイヤのネット利益又はゲーム主催者側のネット利益を把握し、前記ベット総額又は前記プレイヤのネット利益又は前記ゲーム主催者側のネット利益に基づいて、所定の条件で前記プレイヤにポイント又はステイタスを付与し、これを出力可能な構成であってよい。
【0034】
この構成により、複数の遊技テーブルにおけるプレイヤのベット総額の累積又はプレイヤのネット利益又はゲーム主催者側のネット利益が把握されて、それに応じてポイントやステイタスが付与される。
【0035】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記所定の時間又は期間は、一日単位もしくは連続した複数日間又は一か月単位であってよい。
【0036】
この構成により、例えば、一日のベット総額に応じてプレイヤにポイント又はステイタスが付与される。
【0037】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記ポイント処理手段は、前記所定の時間又は期間において集中的にポイントが付与されると、更に追加して前記ポイント又はステイタスを付与してよい。
【0038】
この構成により、短期間に集中してポイントを貯めることにインセンティブを与えることができる。
【0039】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記ポイント処理手段は、前記ポイント又はステイタスに基づいて、VIPルームへの入室権を付与してよい。
【0040】
この構成により、VIPルームへの入室権というインセンティブを付与できる。なお、ポイント処理手段は、ポイント又はステイタスが所定の基準値に達している場合にVIPルームへの入室権を付与してよい。
【0041】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記ポイント又はステイタスは、換金不能な遊技用代用貨幣に交換可能であってよい。
【0042】
この構成により、換金不能な遊技用代用貨幣への交換というインセンティブを与えることができる。なお、ポイント又はステイタスと換金不能な遊技用代用貨幣とは、所定の交換率に従って交換されてよい。
【0043】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記ポイント又はステイタスは、ホテルもしくは所定の施設の利用料金の支払いに使用可能であってよい。
【0044】
この構成により、ホテルや所定のシステムの利用というインセンティブを与えることができる。
【0045】
上記のゲーム管理システムにおいて、前記ポイント処理手段は、前記プレイヤ毎のベット総額を当該プレイヤの与信情報として出力してよい。
【0046】
この構成により、ベット総額の大きさに応じた与信情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態の遊技テーブルの平面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態の遊技用代用貨幣トレイの平面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態の遊技用代用貨幣の管理システムの構成図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態の変形例の遊技用代用貨幣トレイの平面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態の変形例の遊技用代用貨幣トレイの平面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態の遊技用代用貨幣トレイの平面図である。
【
図7】
図7は、第2の実施の形態のゲーム管理システムの構成を示す図である。
【
図8】
図8は、第2の実施の形態のリーダライタ装置及びメンバカードを示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施の形態のメンバカードに記憶される情報を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施の形態の記録装置に記録される各メンバの情報を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施の形態の記録装置に記憶された特典と消費ポイント数と付与条件との関係を示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施の形態のプレイヤ特定手段の変形例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2の実施の形態のプレイヤ特定手段のさらなる変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(第1の実施の形態)
ゲームが終了すると、ディーラは、ゲーム結果及び各プレイヤのベット内容(ベット対象及びベット額)に従って、プレイヤがベットした遊技用代用貨幣の回収及びプレイヤへの遊技用代用貨幣の払出しを行う。この回収及び払出し(以下、回収及び払出を総称して「清算」ともいう。)が正確に行われたか否かは、清算が行われたその時に行い、プレイヤ及びディーラが明確に確認できることが望ましい。
【0049】
そこで、本実施の形態では、ゲーム終了後の遊技用代用貨幣の清算時に清算の正確性を表示するためのシステムを提供する。
【0050】
図1は、本実施の形態の遊技テーブルの平面図である。
図2は、本実施の形態の遊技用代用貨幣トレイの平面図である。
図3は、遊技用代用貨幣トレイを含む遊技用代用貨幣の管理システムの全体の構成を示す図である。
【0051】
遊技テーブル4は、バカラ用のテーブルであって、7人のプレイヤのそれぞれのベットエリア44が設けられている。各プレイヤのベットエリア44には、プレイヤ(PLAYER)441、バンカ(BANKER)442、タイ(TIE)443、プレイヤペア(P)444、及びバンカペア(B)445の各エリアが含まれる。各プレイヤは、ベットする対象に対応する位置にベットする額の遊技用代用貨幣を置くことで、ベットを行う。遊技テーブル4には、さらに、ドローしたプレイヤカードを置くプレイヤカードエリア45、及びドローしたバンカカードを置くバンカカードエリア46が設けられている。
【0052】
遊技用テーブル4のディーラポジションの前には、ディーラがその遊技用代用貨幣を収容するための遊技用代用貨幣トレイ17が設けられる。遊技用代用貨幣トレイ17は、少なくともその一部が遊技テーブル4に埋め込まれている。
【0053】
遊技用代用貨幣120は、表面及び側面のそれぞれからその種類(価値)を特定可能な表記、模様ないし色を有している。また、遊技用代用貨幣120には、少なくもその種類を特定可能な情報を記憶したRFIDが内蔵されている。
【0054】
カメラ2は、遊技テーブル4の上方に設けられて、ベットエリア44を撮影する。本実施の形態の遊技用テーブル4には、7つのプレイヤポジション(
図1の「1」、「2」、「3」、「5」、「6」、「7」、「8」)が設けられており、7名のプレイヤがゲームに参加できる。カメラ2は、すべてのプレイヤポジションのベットエリア44を撮影する。なお、1つのカメラ2によってすべてのプレイヤポジションのベットエリア44を撮影しなくてもよく、複数のカメラ2によって分担してすべてのベットエリア44を撮影するようにしてもよい。
【0055】
情報処理装置としての制御装置50は、カメラ2で撮影された画像に基づいて、ベットエリアに置かれた遊技用代用貨幣の位置(プレイヤポジション及びベット対象)、種類、枚数を特定する。このカメラ2と制御装置50とからなる装置は、遊技用テーブル4上の遊技用代用貨幣の位置、種類、枚数を測定する測定装置ないしベット判定装置として機能する。
【0056】
カード配布装置3は、遊技テーブル4においてゲームの勝敗結果を判定して、結果表示ランプにて表示する。また、カード配布装置3は、判定したゲームの勝敗結果を制御装置50に送る。制御装置50は、遊技テーブル4上の遊技用代用貨幣の位置と種類と枚数とを把握するとともに、勝敗判定装置としてのカード配布装置3から得た勝敗結果を用いて遊技テーブル4におけるカジノ側の収支計算を行う機能を備える。
【0057】
制御装置50は、カメラ2の画像に基づいて判定したベット内容及びカード配布装置3から得た勝敗結果の情報を基にして、当該ゲームにおいてカジノ側が回収すべき遊技テーブル4上の遊技用代用貨幣の額及びカジノ側が払い出すべき遊技用代用貨幣の額を計算により把握し、それぞれを、回収によって実際に遊技用代用貨幣トレイ17において増加した遊技用代用貨幣の額及び払出しによって実際に遊技用代用貨幣トレイ17において減少した遊技用代用貨幣の額と比較する。
【0058】
また、制御装置50は、所定の時間間隔で遊技用代用貨幣トレイ17に収容された遊技用代用貨幣120のRFIDを読み取って、変化が生じたときに読み取った情報を記憶する。制御装置50は、この記憶された情報に基づいて、過去の時点の遊技用代用貨幣の種類及び枚数と、現時点での遊技用代用貨幣の種類及び枚数とを比較し、遊技用代用貨幣トレイ17における遊技代用貨幣120の増減額を計算する。
【0059】
図2に示すように、遊技用代用貨幣トレイ17は、収容部170と表示ランプ173~176を備えている。収容部170は、複数のカラムからなり、各カラムは遊技用代用貨幣を厚さ方向に積み上げて収容可能な構成を有する。
図3に示すように、収容部170の下方にはアンテナ177が配置されている。
【0060】
表示ランプ173は、回収した額と払い出した額の収支が正しいか否かを表示する。表示ランプ174は、回収した額の総額が正しいか否か、及び払い出した額の総額が正しいか否かをそれぞれ表示する。表示ランプ175は、ペアにベットされていた遊技用代用貨幣に対する回収額又は払出額が正しいか否かを表示する。
【0061】
表示ランプ176は、7つのプレイヤポジションに対応して、合計7個の表示ランプを有する。表示ランプ177は、回収段階では、遊技用代用貨幣を回収すべきプレイヤ(ゲームに負けたプレイヤ)に対応する表示ランプが点灯し、払出段階では、遊技用代用貨幣を払い出すべきプレイヤ(ゲームに勝ったプレイヤ)に対応する表示ランプが点灯する。なお、
図3では、表示ランプ173~176の代表として表示ランプ173のみを図示し、他の表示ランプ174~176の図示は省略してある。
【0062】
制御装置50は、上記の比較の結果(一致又は不一致)を表示するために表示ランプ173~176の点灯及び消灯を制御する。本実施の形態の遊技用代用貨幣の管理システムは、表示ランプ173~176を用いて、遊技用代用貨幣の清算が正しく行われたかをリアルタイムで把握する。本実施の形態の遊技用代用貨幣の管理システムは、回収した遊技用代用貨幣に不正な遊技用代用貨幣が含まれていないかについてもリアルタイムで把握する。
【0063】
制御装置50は、まず、遊技テーブル4においてゲームに参加しているプレイヤを特定し、参加しているプレイヤと遊技テーブル4のプレイヤポジション番号(「1」、「2」、「3」、「5」、「6」、「7」、「8」)とを結びつける。制御装置50は、具体的には、顔認証システムや、メンバーズカードを使用して各プレイヤポジションのプレイヤを特定することができる。
【0064】
ゲームが終了すると、制御装置50は、ゲーム結果に基づいてディーラが回収すべき遊技用代用貨幣(カジノ側の勝ちチップ)をプレイヤごとに把握して、回収すべきプレイヤポジションに対応する表示ランプ176を点灯させる。これにより、ディーラは、どのプレイヤポジションの遊技用代用貨幣を回収すべきかを把握することができる。
【0065】
ゲームが終了すると、ディーラは、まず、負けプレイヤのベットエリアから回収すべき遊技用代用貨幣をすべて回収し(回収段階)、その後に、勝ちプレイヤに対して払出しを行う(払出段階)。回収段階では、ディーラは、表示ランプ176に従って遊技テーブル4のベットエリアから回収した遊技用代用貨幣を遊技用代用貨幣トレイ17の収容部170に収容する。具体的には、ディーラは、プレイヤポジションの番号順に、回収した遊技用代用貨幣を回収部である右の2つのカラムのいずれかに収容する。
【0066】
制御装置50は、ディーラがベットエリア41から遊技用代用貨幣を回収して収容部170の回収部に収容するごとに、カメラ2からの画像に基づいて、ベットエリア44から遊技用代用貨幣が回収されたこと、及びその額を判定し、アンテナ177で受信した電波に基づいて、回収部に収容された遊技用代用貨幣の額(増加額)を判定する。なお、本実施の形態では、収容部170として14本あるカラムの内の右の2本を回収部としているが、回収した遊技用代用貨幣を収容する回収部は、例えば、示す横向きの回収遊技用代用貨幣トレイ171であってもよいし、他のカラムとは離れて設けられた回収遊技用代用貨幣トレイ171であってもよい。
【0067】
ここで、制御装置50は、プレイヤごとに、RFIDを利用して、回収前後の収容部170の遊技用代用貨幣の総額の差を求めることで増加額を求める。このように、収容部170に保持されている遊技用代用貨幣のRFIDからその種類(価値)の情報を読み出して、収容部170に保持されている遊技用代用貨幣の額を判定する制御装置50は、ディーラチップ判定装置に相当する。
【0068】
制御装置50は、さらに、カメラ2からの画像に基づいて判定された実際の回収額(画像回収額)と、アンテナ177で受信した電波に基づいて判定した回収部における遊技用代用貨幣の増加額(RFID回収額)と、ゲーム結果と当該負けプレイヤのベット内容に基づいて算出した回収額(計算回収額)とが一致するか否かを判断する。
【0069】
制御装置50は、画像回収額とRFID回収額と計算回収額とがすべて一致する場合には、対応する表示ランプ176を消灯する。ディーラは、表示ランプ176の消灯を確認することにより、そのプレイヤからの遊技用代用貨幣の回収が正確に完了したことを確認できる。
【0070】
一方、画像回収額とRFID回収額と計算回収額とが一致しない場合には、表示ランプ176が点灯したままとされるので、ディーラは、該当するプレイヤの回収が正確に完了していないか、あるいは回収した遊技用代用貨幣に不正な遊技用代用貨幣があったことを知ることができる。
【0071】
すべての負けプレイヤについて上記のような遊技用代用貨幣の回収が完了すると、すべての表示ランプ176が消えることになる。この時点で、制御装置50は、再度RFIDによって回収部への増加総額を判定し、その増加総額とゲーム結果と負けプレイヤ全員のベット内容に基づいて算出した計算回収総額とを比較して、一致していれば表示ランプ174を点灯させる。
【0072】
ここで、制御装置50は、ゲーム終了後で回収段階の開始前にRFIDによって求めた収容部170の遊技用代用貨幣の総額と、回収完了後にRFIDによって求めた収容部170の遊技用代用貨幣の総額との差を求めることで、RFID回収総額を求める。ディーラは、表示ランプ174が点灯したのを確認して、遊技用代用貨幣の回収が正確に完了したことを把握できる。
【0073】
なお、上記では、制御装置50は、カメラ2からの画像に基づいて判定された画像回収額と、アンテナ177で受信した電波に基づいて判定したRFID回収額と、ゲーム結果と当該負けプレイヤのベット内容に基づいて算出した計算回収額とがすべて一致するか否かを判断したが、これに代えて、制御装置50は、画像回収額と計算回収額とが一致するか否かのみを判断してよく、あるいは、RFID回収額と計算回収額とが一致するか否かのみを判断してよい。
【0074】
また、上記では、制御装置50は、すべての負けプレイヤについて回収が完了したと判定した場合に、再度RFIDによって増加総額を判定して、計算回収総額と一致している場合に表示ランプ174を点灯させた。これに代えて、以下のようにしてもよい。すなわち、制御装置50は、上述のように、遊技用代用貨幣トレイ17における遊技用代用貨幣120に変化があるごと読み取ったRFIDの情報を記憶するが、これと同時に、遊技用代用貨幣トレイ17における遊技用代用貨幣120に変化があるごとに増加総額を判定して計算回収総額と一致するかを判断し、一致すると判断した時点で表示ランプ174を点灯するようにしてよい。
【0075】
次に、ディーラは、勝ちプレイヤに対して払出しを行う(払出段階)。制御装置50は、すべての負けプレイヤの回収が完了すると、遊技用代用貨幣を払い出すべきプレイヤに対応する表示ランプ176を点灯させる。ディーラは、表示ランプ176を確認することで、払出しをすべきプレイヤを確認できる。払出段階では、ディーラは、収容部170から払出額の遊技用代用貨幣を取り出して、取り出した遊技用代用貨幣を該当するプレイヤのベットエリアに置くことにより、払出しを行う。
【0076】
制御装置50は、ディーラが収容部170から遊技用代用貨幣を取り出して遊技テーブル4に置くたびに、カメラ2からの画像に基づいて、ベットエリアに遊技用代用貨幣が払い出されたこと、及びその額を判定し、アンテナ177で受信した電波に基づいて、収容部170から取り出された遊技用代用貨幣の額(減少額)を判定する。ここで、制御装置50は、プレイヤごとに、RFIDを利用して、払出前後の収容部170の遊技用代用貨幣の総額の差を求めることで、減少額を求める。
【0077】
制御装置50は、さらに、カメラ2からの画像に基づいて判定された実際の払出額(画像払出額)と、アンテナ177で受信した電波に基づいて判定した収容部170における遊技用代用貨幣の減少額(RFID払出額)と、ゲーム結果とベット内容に基づいて算出した当該勝ちプレイヤの払出額(計算払出額)とが一致するか否かを判断する。
【0078】
制御装置50は、画像払出額とRFID払出額と計算払出額とがすべて一致する場合には、対応する表示ランプ176を消灯する。ディーラは、表示ランプ176の消灯を確認することにより、そのプレイヤへの遊技用代用貨幣の払出しが正確に完了したことを確認できる。
【0079】
一方、画像払出額とRFID払出額と計算払出額とが一致しない場合には、表示ランプ176が点灯したままとされるので、ディーラは、該当するプレイヤへの払出しが完了していないことを知ることができる。
【0080】
すべての勝ちプレイヤについて遊技用代用貨幣の払出しが完了すると、すべての表示ランプ176が消えることになる。この時点で、制御装置50は、再度RFIDによって収容部170における減少総額を判定し、その減少総額とゲーム結果とベット内容に基づいて算出した計算払出総額とを比較して、一致していれば表示ランプ174を点灯させる。
【0081】
ここで、制御装置50は、回収完了後で払出段階の開始前にRFIDによって求めた収容部170の遊技用代用貨幣の総額と、払出完了後にRFIDによって求めた収容部170の遊技用代用貨幣の総額との差を求めることで、RFID払出総額を求める。ディーラは、表示ランプ174が点灯したのを確認して、遊技用代用貨幣の払出しが正確に完了したことを把握できる。
【0082】
なお、上記では、制御装置50は、カメラ2からの画像に基づいて判定された画像払出額と、アンテナ177で受信した電波に基づいて判定したRFID払出額と、ゲーム結果と当該勝ちプレイヤのベット内容に基づいて算出した計算払出額とがすべて一致するか否かを判断したが、これに代えて、制御装置50は、画像払出額と計算払出額とが一致するか否かのみを判断してよく、あるいは、RFID払出額と計算払出額とが一致するか否かのみを判断してよい。
【0083】
また、上記では、制御装置50は、すべての勝ちプレイヤについて払出しが完了したと判定した場合に、再度RFIDによって減少総額を判定して、計算払出総額と一致している場合に表示ランプ174を点灯させた。これに代えて、以下のようにしてもよい。すなわち、制御装置50は、上述のように、遊技用代用貨幣トレイ17における遊技用代用貨幣120に変化があるごと読み取ったRFIDの情報を記憶するが、これと同時に、遊技用代用貨幣トレイ17における遊技用代用貨幣120に変化があるごとに減少総額を判定して計算払出総額と一致するかを判断し、一致すると判断した時点で表示ランプ174を点灯するようにしてよい。
【0084】
上記のようにして、遊技用代用貨幣の清算(回収及び払出し)が完了すると、制御装置50は、清算による収容部170の遊技用代用貨幣の増減総額が正しいか否かを判断する。具体的には、制御装置50は、ゲーム終了後で清算開始前にRFIDによって求めた収容部170の遊技用代用貨幣の総額と、清算終了後にRFIDによって求めた収容部170の遊技用代用貨幣の総額との差を求めることで清算による増減総額(RIFD増減総額)を求める。
【0085】
一方で、制御装置50は、ゲーム結果とベット内容に基づいて、当該ゲームの清算によるディーラの増減総額を計算する(計算増減総額)。計算増減額は、計算回収額から計算払出総額を引くことで求めることができる。制御装置50は、RFID増減総額と計算増減総額とを比較して、一致する場合には表示ランプ171を点灯させる。ディーラは、表示ランプ171が点灯したことを確認して、当該ゲームにおける遊技用代用貨幣の清算が正確に完了したことを確認でき、次にゲームを始めることができる。
【0086】
次に、表示ランプ175について説明する。表示ランプ175は、ペアランプとして機能する。バカラゲームにおいて、プレイヤは、「プレイヤ」、「バンカ」、「タイ」に加えて、「ペア」にベットすることもできる。「ペア」は、最初に配られた2枚のカードのランクが一致していることに賭けるものである。具体的には、「ペア」には、2枚のプレイヤカードについてランクの一致を賭ける「プレイヤペア」と、2枚のバンカカードについてランクの一致を賭ける「バンカペア」とがある。
【0087】
いずれかのプレイヤがペアに賭けていて、2枚のランクが一致した(ペアが成立した)場合、ゲーム結果(「プレイヤ」、「バンカ」、又は「タイ」)とは無関係に、ペアに賭けていたプレイヤに、ベット額の所定の倍率(例えば、11倍)の払出しが行われる。ペアが成立しなかった場合には、ペアにベットされていた遊技用代用貨幣はすべて回収される。最初の4枚(プレイヤ2枚、バンカ2枚)をドローした時点で、ペアが成立しない場合、その時点でペアに賭けられた遊技用代用貨幣は回収される。
【0088】
ペアにベットされている場合には、制御装置50は、4枚ドローした時点で、計算回収総額(ペアが成立しなかった場合)又は計算払出総額(ペアが成立した場合)を算出し、ペアの清算前後にRFIDを利用して求めた収容部170の遊技用代用貨幣の増減総額と比較する。なお、制御装置50は、カメラ2の画像に基づいて、ペアにベットされているか否か、及びその額を認識できる。
【0089】
制御装置50は、計算回収総額又は計算払出総額と収容部170の遊技用代用貨幣の増減総額とが一致する場合には、表示ランプ175を点灯する。ディーラは、表示ランプ175の点灯を確認することで、ペアの清算が正確に完了したことを確認できる。
【0090】
なお、上記に代えて、制御装置50は、ペアにベットされている場合に、表示ランプ175を点灯してもよい。表示ランプ175を点灯するタイミングは、ベットが締め切られたときでも、4枚のカードがドローされたときでもよい。この場合には、ディーラは、表示ランプ175が点灯していることを確認することで、ペアの清算を行う必要があることを認識できる。
【0091】
また、制御装置50は、この場合には、計算回収総額又は計算払出総額と収容部170の遊技用代用貨幣の増減総額とが一致する場合に、表示ランプ175を消灯する。ディーラは、表示ランプ175の消灯を確認することで、ペアの清算が正確に完了したことを確認できる。
【0092】
なお、バカラでは配られたカードのランクによって4枚のドロー(2枚のプレイヤカード及び2枚のバンカカード)でゲームが終了する場合と、5枚目又はその後の6枚目をドローする場合がある。4枚のドローでゲーム終了になる場合は、ペアの清算が終わり次第、上記で説明した通常の清算に移る。5枚目以降を引く場合は、4枚目をドローした後にペアの清算を行い、ペアの清算が完了したら、5枚目(あるいはその後の6枚目)をドローし、ゲームが終了したら、上記で説明した通常の清算を行う。
【0093】
なお、上記の実施の形態では、回収段階では遊技用代用貨幣を回収すべき負けプレイヤの表示ランプ176を点灯させ、回収が完了したプレイヤから順に表示ランプ176を消灯していき、払出段階でも遊技用代用貨幣を払い出すべき勝ちプレイヤの表示ランプ176を点灯させ、払出しが完了したプレイヤから順に表示ランプ176を消灯していったが、これに代えて、ゲーム終了時点で、勝ちプレイヤと負けプレイヤとで色を分けてすべての表示ランプ176を点灯させてもよい。
【0094】
例えば、負けプレイヤに対応する表示ランプ176を赤色、勝ちプレイヤに対応する表示ランプ176を緑色で点灯させてよい。この場合には、すべての赤色の表示ランプ176が消灯したことを確認することで、すべての負けプレイヤからの回収が正確に完了したことを確認でき、すべての緑色の表示ランプ176が消灯したことを確認することで、すべての勝ちプレイヤへの払出しが正確に完了したしたことを確認できる。
【0095】
図4は、変形例の遊技用代用貨幣トレイの平面図である。
図4の遊技用代用貨幣トレイ17において、
図2の遊技用代用貨幣トレイ17と同様の構成については同じ番号を用いてその説明を適宜省略する。本変形例の遊技用代用貨幣トレイ17では、ベット対象毎の表示ランプ1761~1765(具体的には、「プレイヤ」を示す表示ランプ1761、「バンカ」を示す表示ランプ1762、「タイ」を示す表示ランプ1763、「プレイヤペア」を示す表示ランプ1764、「バンカペア」を示す表示ランプ1745)、及び清算が正確に完了したことを示す表示ランプ178が、それぞれプレイヤポジションごとに設けられる。
【0096】
表示ランプ1761~1765は、それぞれプレイヤのベット対象(遊技用代用貨幣を置いた位置)に対応して点灯し、清算が完了すると消灯する。表示ランプ178は、各プレイヤについて、清算が正確に完了すると点灯する。
【0097】
本変形例の遊技用代用貨幣17は、さらに、ベット対象(「プレイヤ」、「バンカ」、「タイ」、「プレイヤペア」、「バンカペア」)ごとにその清算が正確に完了したことを示す表示ランプ1741~1745を備えている。ゲームの勝敗結果に応じて、「プレイヤ」、「バンカ」、「タイ」のいずれか1つが払出しとなり、残りが回収となる。また、プレイヤペアが成立した場合には、「プレイヤペア」は払出しとなり、プレイヤペアが成立しなかった場合には「プレイヤペア」は回収となる。同様に、バンカペアが成立した場合には、「バンカペア」は払出しとなり、バンカペアが成立しなかった場合には「バンカペア」は回収となる。表示ランプ1741~1745は、「プレイヤ」、「バンカ」、「タイ」、「プレイヤペア」、「バンカペア」ごとに、その清算(回収又は払出し)が正確に完了したときに点灯する。
【0098】
図5は、他の変形例の遊技用代用貨幣トレイ17の平面図である。
図5の例のように、遊技用代用貨幣トレイ17には、回収した額と払い出した額の収支が正しいか否かを表示する表示ランプ173のみを設けてもよい。
【0099】
図6は、さらに他の変形例の遊技用代用貨幣17の平面図である。
図6に示すように、遊技用代用貨幣トレイ17には、回収した額と払い出した額の収支が正しいか否かを表示する表示ランプ173、及び回収した額の総額が正しいか否か、及び払い出した額の総額が正しいか否かをそれぞれ表示する表示ランプ174のみを設けてもよい。
【0100】
なお、上記の実施の形態及びその変形例では、制御装置50は、遊技用代用貨幣に内蔵されるRFID及び遊技用代用貨幣トレイ17の下に内蔵されるアンテナ177を用いて、RFIDを無線で読み取ることで遊技用代用貨幣トレイ17に収容されている遊技用代用貨幣の額を判定したが、これに代えて、遊技用代用貨幣トレイ17に収容されている遊技用代用貨幣を撮影するカメラを設けて、このカメラの画像に対して画像認識を行うことで遊技用代用貨幣トレイ17に収容されている遊技用代用貨幣の額を判定してよい。この場合には、遊技用代用貨幣はRFIDを内蔵していなくてもよい。
【0101】
また、上記の実施の形態では、表示ランプ173を含む複数の表示ランプが物理的に実体のあるランプとして構成される例を説明したが、これらのランプが液晶パネル等の表示装置において画像として構成されてもよい。
【0102】
また、上記の実施の形態では、遊技用代用貨幣トレイ17に収容された遊技用代用貨幣120の種類及び枚数の情報を、遊技用代用貨幣120に内蔵されたRFIDを読み取ることで判定した。これに代えて、又はこれに加えて、遊技用代用貨幣トレイ17に収容された遊技用代用貨幣120を撮影するカメラを設けて、制御装置50における画像認識によって、遊技用代用貨幣トレイ17に収容された遊技用代用貨幣120の種類及び枚数の情報を判定してもよい。この場合に、遊技用代用貨幣トレイ17を撮影するカメラは、上記のカメラ2で兼用してもよいし、専用のカメラを設けてもよい。
【0103】
また、RFIDの読取りに加えてカメラの画像に対して画像認識を行う場合には、RFIDの読取りによって得られた遊技用代用貨幣120の枚数を、画像認識によって判定された遊技用代用貨幣の枚数とを比較することで、遊技用代用貨幣120の検証を行ってもよい。仮に、遊技用代用貨幣トレイ17に、RFIDが破損しており、あるいはRFIDを有していない遊技用代用貨幣(不正な遊技用代用貨幣)が収容されている場合には、画像認識によって判定された枚数がRFIDの読取によって判定された枚数より多くなる。よって、このような不一致が生じる場合には、制御装置50は表示ランプを点灯させ、ディーラは表示ランプを通じて遊技用代用貨幣トレイ17に不正な遊技用代用貨幣が含まれていることを把握できる。
【0104】
特に、RFIDの読取りと画像認識とを所定の時間間隔で行い、情報が更新されるたびに上記の比較を行うことで、枚数の不一致が生じた場合には、その不一致が直近に遊技用代用貨幣トレイ17に追加された遊技用代用貨幣120によるものであることが分かるため、不正な遊技用代用貨幣を有していたプレイヤを特定することも可能となる。
【0105】
また、制御装置50は、ディーラが遊技用代用貨幣を遊技テーブルから回収した結果として相応の遊技用代用貨幣が遊技テーブル上に存在しないことを検証してよい。この場合に、制御装置50は、具体的には、カメラ2からの画像に基づいてどのベット対象にどの種類の遊技用代用貨幣が何枚ベットされているかを判定し、さらに、カード配布装置3におけるゲーム結果に基づいてゲームルールに従って回収すべき額(計算回収額)を判定し、カメラ2からの画像に基づいて、計算回収額に相当する遊技用代用貨幣120が遊技テーブル4上に存在しなくなったことを検証する。
【0106】
さらに、制御装置50は、上記のカメラ2からの画像に基づいて遊技テーブル4上から存在しなくなった遊技用代用貨幣の額(画像回収額)と遊技用代用貨幣トレイ17に追加された遊技用代用貨幣の額とを比較して、回収が正確に行われたかを検証してよい。この場合に、制御装置50は、比較の結果、両者が一致しない場合には、表示ランプを点灯させる。
【0107】
また、制御装置50は、ディーラが遊技用代用貨幣を遊技テーブルに払い出した結果として相応の遊技用代用貨幣が遊技テーブル上に存在することを検証してよい。この場合に、制御装置50は、具体的には、カメラ2からの画像に基づいてどのベット対象にどの種類の遊技用代用貨幣が何枚ベットされているかを判定し、さらに、カード配布装置3におけるゲーム結果に基づいてゲームルールに従って払出すべき額(計算払出額)を判定し、カメラ2からの画像に基づいて、計算払出額に相当する遊技用代用貨幣120が遊技テーブル4上に追加されたことを検証する。
【0108】
さらに、制御装置50は、上記のカメラ2からの画像に基づいて遊技テーブル4上に追加された遊技用代用貨幣の額(画像払出額)と遊技用代用貨幣トレイ17から取り出された遊技用代用貨幣の額とを比較して、払出しが正確に行われたかを検証してよい。この場合に、制御装置50は、比較の結果、両者が一致しない場合には、表示ランプを点灯させる。
【0109】
上記のとおり、ディーラは、基本的には、プレイヤポジションの番号順に負けプレイヤがベットした遊技用代用貨幣120を回収する。制御装置50は、ディーラがこのルール(プレイヤポジションの番号順)のとおりに順番にチップを取ったかを判定しさらに、順番に回収したチップの額が正しいかどうかも判定する。この場合には、制御装置50は、個々のプレイヤポジション及び全体の他に、どこまで回収したか(何番のプレイヤポジションの遊技用代用貨幣まで回収したか)を判定し、それに合わせて各段階で、遊技テーブル4から回収された遊技用代用貨幣120が確かに遊技用代用貨幣トレイ17に追加されたか否かを判定する。制御装置50は、例えば、3か所分の遊技用代用貨幣120を回収したときに、3か所分の遊技用代用貨幣120が確かに遊技用代用貨幣トレイ17に収容されたか否かを判定する。
【0110】
以上のように、本実施の形態及びその変形例によれば、遊技用代用貨幣トレイ17におけるゲーム終了後の遊技用代用貨幣の増減が、正確であること及び/又は不正確であることを示すための表示ランプ173等が設けられるので、清算の際に、清算が正確に行われたか否かをリアルタイムで確認できる。
【0111】
以上、第1の実施の形態を説明したが、上述の実施の形態は、本発明の範囲内で当業者により変形可能なことはもちろんであり、適用されるゲームでの必要に応じて、本実施の形態の装置が適当に変形されてよい。
【0112】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、ポイントサービスを実施するためのゲーム管理システムを説明する。
図7は、本実施の形態のゲーム管理システムの構成を示す図である。ゲーム管理システム100は、カジノ施設に設置され、カジノ施設で行われるカジノゲームを管理する。カジノ施設には、遊技用代用貨幣9を用いてゲームを行うための複数の遊技テーブル4が設置されている。
【0113】
遊技テーブル4、及び遊技テーブル4に設置されたカメラ2、カード配布装置3、遊技用代用貨幣トレイ17、及び制御装置50の構成は、いずれも第1の実施の形態と同じである。すなわち、制御装置50は、第1の実施の形態と同様にして、カメラ2で撮影された画像に基づいて、ベットエリアに置かれた遊技用代用貨幣の位置(プレイヤポジション及びベット対象)、種類、枚数を特定し、各プレイヤポジションについて、特定した遊技用代用貨幣の種類と枚数からベット額を算出する。
【0114】
また、制御装置50は、遊技テーブル4上の遊技用代用貨幣9の位置と種類と枚数とを把握するとともに、勝敗判定装置としてのカード配布装置3から勝敗結果を受けて、この勝敗結果と、算出した各プレイヤポジションのベット額とに基づいて、各プレイヤポジションの払出額及び回収額を算出する。
【0115】
本実施の形態の遊技テーブル4には、ディーラポジションにさらにリーダライタ装置5が設けられている。リーダライタ装置5は、制御装置50に接続されている。各遊技テーブル4の制御装置50は、管理制御装置60に有線又は無線で通信可能に接続されている。すなわち、管理制御装置60は、複数の遊技テーブル4の制御装置50に接続されている。
【0116】
図8は、リーダライタ装置5及びメンバカード1を示す図である。メンバカード1は、プラスチック製のカードであり、その内部には、RFタグ11が内蔵されている。RFタグ11には、後述するメンバ登録によってプレイヤ(メンバ)に付与されたメンバID及び当該プレイヤが保有しているポイント(保有ポイント)等が記憶されている。RFタグ11には、アンテナが備えられており、リーダライタ装置5によって非接触で情報の書込み及び読出しが可能である。
【0117】
リーダライタ装置5は、無線部51と、着席ボタン52と、離席ボタン53と、ポジション指定ボタン54とを備えている。無線部51は、メンバカード1に内蔵されたRFタグ11に対してRFID方式で情報の書込み及び読出しを行う。ポジション指定ボタン54は、遊技テーブル4の7つのポジションにそれぞれ対応するボタン「1」「2」「3」「5」「6」「7」「8」と、指定をキャンセルするボタン「C」とを含む。
【0118】
図9は、メンバカード1に記憶される情報を示す図である。メンバカード1には、メンバID、保有ポイント、直近の収支、直近3日の獲得ポイント、直近1ヶ月の獲得ポイント、及び直近1年の獲得ポイントが記録されている。直近の収支としては、前回の着席から離席までの間に払い出された額(プラス)と回収された額(マイナス)の合計の値が記録される。
【0119】
ディーラDは、プレイヤが遊技テーブル4のプレイヤポジションに着くと、当該プレイヤからメンバカード1を預かって、メンバカード1をリーダライタ装置5に読み取らせる。具体的には、ディーラDは、該当するプレイヤポジションのポジション指定ボタン54を押下して、着席ボタン52を押下し、無線部51にメンバカード1をかざしてメンバカード1に記録された情報を読み取らせる。これによって、リーダライタ装置5は、各プレイヤポジションにいるプレイヤをメンバIDで特定することができ、リーダライタ装置5はプレイヤ特定手段として機能する。
【0120】
リーダライタ装置5は、無線部51で読み取った情報と、着席ボタン52の押下に応じた着席信号と、そのメンバIDに対応するプレイヤが着席したプレイヤポジションの情報を制御装置50に出力(送信)する。制御装置50は、リーダライタ装置5から受けた情報を記録するとともに、着席信号を受けた時刻を開始時間として記録する。開始時間は日時の形式で記録される。また、制御装置50は、開始時間の情報とリーダライタ装置5から受けたメンバIDを管理制御装置60に送信する。
【0121】
制御装置50では、リーダライタ装置5から受けたメンバIDとプレイヤポジションの情報を基に、どのプレイヤポジションでどのメンバIDのプレイヤがプレイをしているかを把握する。プレイヤが複数回のゲームをプレイしている間は、制御装置50は、各メンバIDについて、ベット額、払出額、回収額を求めて記録していく。
【0122】
ディーラDは、プレイヤが遊技テーブル4から離れる際には、当該プレイヤから預かったメンバカード1をリーダライタ装置5に読み取らせる。この場合には、ディーラDは、離席ボタン53を押下して、無線部51にメンバカード1をかざしてメンバカード1からメンバIDを読み取らせる。
【0123】
リーダライタ装置5は、メンバIDと離席信号を制御装置50に出力(送信)する。制御装置50は、リーダライタ装置5から受けたメンバIDと離席信号を受けると、離席信号を受けた時刻を終了時間として記録する。終了時間は、日時の形式で記録される。また、制御装置50は、そのメンバIDについての開始時間から終了時間までの累積のベット額及び累積の収支を求める。さらに、制御装置50は、開始時間から終了時間までの累積のベット額に基づいて獲得ポイントを算出する。
【0124】
制御装置50は、着席時にメンバカード1から読み出した保有ポイントに算出した獲得ポイントを加算して保有ポイントを更新する。また、算出した獲得ポイントに基づいて、直近3日の獲得ポイント、直近1ヶ月の獲得ポイント、直近1年の獲得ポイントをすべて更新する。制御装置50は、更新された保有ポイント、直近3日の獲得ポイント、直近1ヶ月の獲得ポイント、直近1年の獲得ポイント、開始時間から終了時間までの累積の収支をリーダライタ装置5に出力する。リーダライタ装置5は、これらの情報でメンバカード1の情報を書き換える。なお、開始時間から終了時間までの累積の収支は、直近の収支として記録される。
【0125】
制御装置50及びリーダライタ装置5の上記の機能により、メンバカード1には、実際のベット額に応じたポイントを付与することが可能となり、また、プレイヤは、保有ポイントをメンバカード1に記憶しておくことができる。
【0126】
管理制御装置60は、演算装置61と、記憶装置62とを備えている。演算装置61では、コンピュータが所定のプログラムを実施することによって以下の機能が実現する。すなわち、演算装置61は、メンバ管理部611、ポイント処理部612、特典処理部613を備えている。
【0127】
記録装置62は、メンバの情報を記録したデータベースとして用いられる。
図10は、記録装置62に記録される各メンバの情報を示す図である。記録装置62は、メンバごとに、メンバカード1に記録される情報、即ち、メンバID、保有ポイント、直近の収支、直近3日の獲得ポイント、直近1ヶ月の獲得ポイント、直近1年の獲得ポイントがすべて記録される。記録装置62には、さらに、メンバ情報(国籍、氏名、パスポート番号、登録日等)、及びプレイ実績が記録される。プレイ実績としては、開始時間、終了時間、着席から離席までの累積のベット額、着席から離席までの収支が、着席して離席するごとに追記されていく。
【0128】
メンバ管理部611は、図示しない入力装置又は通信可能に接続された他の装置からメンバ登録に必要なメンバ情報(国籍、氏名、パスポート番号、登録日等)を受け付けてメンバ登録を行う。このとき、メンバ管理部611は、メンバを識別可能なメンバIDを付与する。メンバIDは、メンバカード1に書き込まれるとともに、メンバ情報とともに記録装置62に記憶される。
【0129】
上述のように、プレイヤが遊技テーブル4から離席する際に、制御装置50は、リーダライタ装置5に対して、更新された保有ポイント、直近3日の獲得ポイント、直近1ヶ月の獲得ポイント、直近1年の獲得ポイント、開始時間から終了時間までの累積の収支を出力するが、これらの情報を管理制御装置60にも出力する。制御装置50は、さらに、プレイ実績を管理制御装置60に送信する。
【0130】
ポイント処理部612は、制御装置50から送信されてきた情報に従って、記録装置62に記録された該当するメンバIDの情報を更新する。なお、プレイ実績については、過去のプレイ実績を書き換えることなく書き加えられる。これにより、記録装置62には、各メンバのプレイ実績の履歴が記録されることになる。
【0131】
以上の構成により、メンバカード1にはベット額に応じた保有ポイントが記録されるとともに、データベースとしての記録装置62にもメンバごとにそのベット額に応じたポイントが記録される。
【0132】
保有ポイントは特典と引き換えることが可能である。特典処理部613は、保有ポイントを特典と引き換える処理を行う。記憶装置62には、保有ポイントに応じて付与可能な特典が記録されている。
【0133】
図11は、記録装置62に記憶された特典と消費ポイント数と付与条件との関係を示す図である。付与条件は、例えば、直近の収支が所定額(プラス)以上、又は直近の収支が所定額(マイナス)以下、直近3日の獲得ポイントが所定値以上、直近1ヶ月の獲得ポイントが所定値以上、直近1年の獲得ポイントが所定値以上等である。直近の収支は、前回の着席から離席までの間のみでなく、一週間や一か月等の一定期間における、メンバの勝ち金額―負け金額であってよく、メンバのネット利益と呼んでよい。
【0134】
例えば、直近の収支が所定額以上であるメンバには翌日以降もカジノ施設に滞在してゲームに参加してもらうために、長期滞在を促すためのホテルのサービス(例えば、現在宿泊しているホテルのチェックアウト日を延期する、部屋をアップグレードする)等、直ちに利用可能な特典を付与することが有効である。よって、例えば、現在滞在しているホテルのチェックアウト日の延期、部屋のアップグレードという特典には、直近の収支が所定額以上であるという付与条件を付ける。
【0135】
一方、メンバの直近の収支が所定額以下である場合には、所定期間経過後に使用できる時限チップやカジノ施設で利用できるクーポンを特典として付与することが有効である。よって、例えば、所定期間経過後に使用できる時限チップやカジノ施設で利用できるクーポンという特典には、直近の収支が所定額以下であるという付与条件を付ける。もちろん、特典の中には付与条件が設定されておらず、ポイントを消費するだけで得られるものが含まれていてもよい。
【0136】
ゲーム主催者側の総利益から損失額を引いた値がプラスであればゲーム主催者は利益を得ることになり、マイナスであればゲーム主催者に損失が生じる。このゲーム主催者側の総利益から損失額を引いた値をゲーム主催者側のネット利益といい、メンバに付与する特典に係るゲーム主催者側のコストは全体でこのネット利益に応じて決定されることが望ましい。
【0137】
ユーザは、保有ポイントを特典と引き換える際には、メンバカード1を用いる。このために、特典付与装置70が用いられる。特典付与装置70は、保有ポイントを消費して特典を付与する場所で用いられる装置であり、管理制御装置60と通信可能に接続されている。特典付与装置70と管理制御装置60との間の通信ネットワークにはインターネットが介在していてもよい。
【0138】
特典付与装置70には、リーダライタ装置71が接続されている。リーダライタ装置71は、メンバカード1からメンバID、保有ポイント等のすべての情報を読み出して、特典付与装置70に出力する。特典付与装置70は、メンバが所望する特典を受け付ける。特典付与装置70は、特典の要求をメンバカード1の情報及び特典付与装置70を特定する情報とともに管理制御装置60に送信する。
【0139】
特典処理部613は、この情報に基づいて、記録装置62を参照して、要求された特典について、該当するメンバIDの保有ポイントがその得点に対応する消費ポイント数に足りているか否か、付与条件が設定されている場合にはそれを満たすか否かを判断する。
【0140】
特典処理部613は、保有ポイントが足りており、付与条件が満たされている場合には、特典に対応するポイント数を保有ポイントから減算することで保有ポイントを更新する。また、特典付与装置70に対して特典付与の許可を与えるとともに、記録装置62に、そのときの特典付与装置70と特典付与によって消費したポイント数を記録する。
【0141】
ポイント処理部612は、特典の付与によって更新された保有ポイントで記録装置62の保有ポイントを書き換えるとともに、更新された保有ポイントを特典付与装置70に送信する。特典付与装置70は、更新された保有ポイントをリーダライタ装置71に出力し、リーダライタ装置71は、メンバカード1に記憶された保有ポイントを書き換える。
【0142】
特典付与装置70は、カジノ施設、関連するホテル、所定の施設に設置されてよい。特典付与装置70がカジノ施設に設置される場合には、ポイントサービスはVIPルームへの入室権、又は換金不能な遊技用代用貨幣であってよい。この場合に、特典処理部613は、所定数のポイントと引き換えにVIPルームへの入室権を付与してもよく、保有ポイントが所定値以上である場合に、ポイント数に応じた額の換金不能な遊技用代用貨幣を付与してよい。特典付与装置70がホテルに設置される場合には、ポイントサービスはホテルサービスであってよい。この場合に、特典処理部613には、ホテルサービスごとに消費ポイントが定義されており、サービスに応じてポイントが消費されてよい。
【0143】
以上のように、本実施の形態によれば、各メンバについて、ゲームにおける実際のベット額を自動的に取得して、それをポイントに反映させることができるので、プレイヤのベット額に応じたポイントを確実に付与することが可能になる。
【0144】
以下、第2の実施の形態の種々の変形例を説明する。
(変形例1)
上記の第2の実施の形態では、メンバカード1と管理制御装置60の記憶装置62のいずれにもメンバの保有ポイント等の情報を記録し、メンバがゲームに参加し、又はポイントを消費するごとにメンバカード1に記録された保有ポイント等の情報及び記憶装置62に記録された保有ポイント等の情報をいずれも更新したが、保有ポイント等の情報はメンバカード1及び記録装置62のいずれかのみに記録されていてもよい。記録装置62に保有ポイント等の情報が記録される場合には、メンバカード1にはメンバIDのみを記録してよく、この場合には、上記のように着席及び離席の際にメンバカード1を読み取ることで、プレイヤを特定するためにメンバカード1を用いてもよい。
【0145】
(変形例2)
上記の第2の実施の形態及びその変形例1では、メンバカードで各プレイヤポジションに着席したプレイヤを特定したが、プレイヤの特定の仕方はこれに限られない。
図12は、プレイヤ特定手段の変形例を示す図である。
図12に示すように、本変形例のゲーム管理システムでは、ベットエリアを撮影するためのカメラ2の他に、プレイヤポジションに位置しているプレイヤの顔を撮影するためのカメラ21が設けられている。
【0146】
カメラ21は、プレイヤポジションにいるプレイヤの顔を撮影して顔画像を生成して制御装置50に出力する。制御装置50は、この顔画像を管理制御装置60に送信する。管理制御装置60の演算部61は、プレイヤ特定部614を備えている。プレイヤ特定部614は、顔画像に対して画像分析を行うことで、プレイヤを特定する。このために、メンバ登録部611は、メンバ登録の際にメンバIDと関連付けてメンバの顔画像を取得して記録装置62に記録しておく。
【0147】
プレイヤ特定部614の画像分析には、主成分分析を用いたもの、ディープラーニングを用いたもの、隠れマルコフモデルを用いたもの等、既存の任意の顔認証技術を用いることができ、動画を用いたものや3次元情報を用いたものであってもよい。このカメラ21とプレイヤ特定部614とでプレイヤ特定手段としての顔認証システムが構成される。
【0148】
(変形例3)
図13は、プレイヤ特定手段のさらなる変形例を示す図である。本変形例では、プレイヤを特定する手段として、各プレイヤポジションに指紋リーダ装置22が設けられている。図示は省略するが各指紋リーダ装置22は、制御装置50に接続されている。指紋リーダ装置22としては、既存の任意の指紋リーダ装置を用いることができる。
【0149】
プレイヤは着席時及び離席時に指紋リーダ装置22に指紋を読み取らせる。指紋リーダ装置22は、指紋を読み取ると、読み取った指紋の情報を制御装置50に出力する。制御装置50は、指紋の情報を管理制御装置60に送信する。本変形例のプレイヤ特定部614は、指紋認証技術によってプレイヤを特定する。このために、プレイヤはメンバ登録をする際に、自らの指紋を読み取って、その情報を記録装置62に記録しておく。本変形例では、指紋リーダ装置22とプレイヤ特定部614とでプレイヤ特定手段としての指紋認証システムが構成される。
【0150】
(その他の変形例)
本発明のプレイヤ特定手段は、上記のような顔認証や指紋認証以外にも、指静脈認証、虹彩認証、声紋認証等の他の生体認証を行うことでプレイヤを特定してもよい。
【0151】
また、上記のリーダライタ装置5において、着席ボタン52、離席ボタン53、及びポジション指定ボタン54は、タッチパネルで実現してもよい。
【0152】
また、上記の実施の形態では、制御装置50は、画像分析によって認識されたベット額とカード配布装置3からの勝敗結果に基づいて、払出額及び回収額を求めたが、遊技テーブル4上で実際に払い出され、あるいは回収する遊技用代用貨幣の種類、枚数を画像ないし映像を分析することで認識して、払出額及び回収額を求めてもよい。
【0153】
さらに、上記の実施の形態において、遊技テーブル4ごとに設けられた制御装置50の一部又はすべての機能が管理制御装置60に備えられていてよく、管理制御装置60の演算装置61の一部又はすべての機能が遊技テーブル4ごとに設けられた制御装置50に備えられていてもよい。
【0154】
上記の実施の形態において、メンバ登録部611は、メンバ情報としてメンバのクラスの情報を記録してよく、ポイント処理部613は、保有ポイント数に応じてメンバのステイタスを変更してもよい。また、記録装置62には、特典の情報(
図11参照)として、ステイタスを記録してもよい。これにより、ハイステイタスのメンバをVIPルームに招聘する等の特典を設定できる。
【0155】
また、保有ポイントが一定額になったらボーナスポイントを付与してもよい。あるいは、所定期間(例えば、一日、数日、1ヶ月)内に取得したポイントが所定値以上になったらボーナスポイントを付与してもよい。すなわち、所定の期間内に集中的にポイントを取得したメンバにボーナスポイントを付与してよい。
【0156】
また、上記の実施の形態では、プレイヤが離席したタイミングで、着席してから離席するまでの累積のベット額及び累積の収支を制御装置50から管理制御装置60及びリーダライタ装置5に送信して、それぞれ記録装置62及びメンバカード1に書き込んだが、これに代えて、着席してから離席するまでの各ゲームのベット額及び収支(払出額又は回収額)を記録装置62及びメンバカード1に書き込むようにしてよい。また、ゲームが終わるごとに、当該ゲームのベット額及び収支(払出額又は回収額)を制御装置50から管理制御装置60及びリーダライタ装置5に送信して、それぞれ記録装置62及びメンバカード1に書き込むようにしてもよい。
【0157】
また、記録装置62に記録された各メンバの累積のベット額、収支は、与信情報として利用することができる。例えば、累積ベット額が大きいメンバは資金力がある、累積ベット額と比べて収支が大きくマイナスになっているメンバはリスクが高い、といった判断を行うことができる。
【0158】
また、演算装置61は、所定の時間(例えば、毎1時間)又は期間(例えば、毎日、毎月)におけるゲーム主催者側(カジノ側)のネット利益(即ち、累積の利益)を記録装置62に記録し、必要に応じて記録装置62から読み出してよい。このネット利益の情報は、カジノの経営判断に利用することができる。
【0159】
また、制御装置50は、遊技用代用貨幣9の清算前後における遊技用代用貨幣トレイ17の増減総額と各プレイヤの収支の総額との比較結果が一致している場合に、プレイヤにポイントを付与する構成であってよい。この構成により、清算によって遊技用代用貨幣9の払い出しや回収が正確に行われたことを確認してポイントを付与することができる。
【符号の説明】
【0160】
100 ゲーム管理装置
1 メンバカード
2 カメラ
21 カメラ
22 指紋リーダ装置
3 カード配布装置
4 遊技テーブル
5 リーダライタ装置
50 制御装置
60 管理制御装置
61 演算装置
611 メンバ登録部
612 ポイント処理部
613 特典処理部
614 プレイヤ特定部
62 記録装置
70 特典付与装置
71 リーダライタ装置