(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138859
(43)【公開日】2023-10-02
(54)【発明の名称】薬学的に活性なピラゾロ-トリアジン誘導体および/またはピラゾロ-ピリミジン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20230922BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230922BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20230922BHJP
A61P 37/00 20060101ALI20230922BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230922BHJP
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A61P 35/04 20060101ALI20230922BHJP
A61P 31/18 20060101ALI20230922BHJP
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A61P 33/04 20060101ALI20230922BHJP
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A61P 17/00 20060101ALI20230922BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230922BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20230922BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230922BHJP
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A61P 3/10 20060101ALI20230922BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20230922BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230922BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20230922BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20230922BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230922BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230922BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230922BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20230922BHJP
A61P 21/04 20060101ALI20230922BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20230922BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20230922BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20230922BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20230922BHJP
A61P 27/16 20060101ALI20230922BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20230922BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20230922BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20230922BHJP
A61K 31/5355 20060101ALI20230922BHJP
【FI】
C07D487/04 141
C07D487/04 CSP
A61P43/00 111
A61P31/00
A61P37/00
A61P37/06
A61P29/00
A61P35/00
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A61P3/02
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A61P7/00
A61P31/10
A61P17/00 101
A61P1/16
A61P31/20
A61P31/14
A61P11/06
A61P3/10
A61P29/00 101
A61P11/02
A61P11/00
A61P19/10
A61P17/00
A61P37/08
A61P19/02
A61P25/00
A61P13/12
A61P17/14
A61P21/04
A61P17/06
A61P5/14
A61P27/02
A61P7/06
A61P27/16
A61P17/02
A61K31/53
A61K31/55
A61K31/5355
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023131905
(22)【出願日】2023-08-14
(62)【分割の表示】P 2020555188の分割
【原出願日】2019-04-11
(31)【優先権主張番号】62/656,041
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516031255
【氏名又は名称】キュリエント カンパニー, リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】513050132
【氏名又は名称】リード ディスカバリー センター ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ナム キヤン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェスン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン イジン
(72)【発明者】
【氏名】ユ ドンフン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ムヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク ドンシク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン アイクホフ
(72)【発明者】
【氏名】グンター ツィシンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ コッホ
(57)【要約】
【課題】ピラゾロ[1,5-a][1,3,5]トリアジン誘導体およびピラゾロ[1,5-a]ピリミジン誘導体ならびに/またはその薬学的に許容され得る塩、これらの誘導体の、特に細胞増殖性疾患、炎症性疾患、免疫学的疾患、心血管疾患、および感染性疾患の予防および/または処置のための、薬学的に活性な剤としての使用を提供すること。
【解決手段】さらに、本発明は、ピラゾロ[1,5-a][1,3,5]トリアジン誘導体およびピラゾロ[1,5-a]ピリミジン誘導体ならびに/またはその薬学的に許容され得る塩のうちの少なくとも1つを含む薬学的組成物に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピラゾロ[1,5-a][1,3,5]トリアジン誘導体およびピラゾロ[1,5-a]ピリミジン誘導体ならびに/またはその薬学的に許容され得る塩、これらの誘導体の、特に細胞増殖性疾患、炎症性疾患、免疫学的疾患、心血管疾患、および感染性疾患の予防および/または処置のための、薬学的に活性な剤としての使用に関する。さらに、本発明は、ピラゾロ[1,5-a][1,3,5]トリアジン誘導体およびピラゾロ[1,5-a]ピリミジン誘導体ならびに/またはその薬学的に許容され得る塩のうちの少なくとも1つを含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)ファミリーメンバーは、細胞周期の進行を誘発するので、特にがんの魅力的な治療標的と考えられている。転写およびRNAプロセシングなどの他の過程を調節するCDKファミリーメンバーは、あまり注目されてこなかったが、異なる病理学的過程に関与することが実験的に証明されつつある。細胞周期の調節と共に、CDK/サイクリン複合体は、RNAポリメラーゼII(Pol II)転写装置の保存された構成要素としても同定されている(Bregman et al.,2000,Front Biosci.5:244-257)。現在、20種の哺乳動物CDKが公知である。CDK7~13が転写に関与している一方で、CDK1、2、4、および6のみが細胞周期との関連が実証可能である。CDK7は、哺乳動物CDKのうちでは珍しく、キナーゼ活性を合併し、細胞周期の進行および転写の両方を制御する(Desai et al.,1995,Mol.Cell Biol.15,345-350)。
【0003】
哺乳動物細胞から精製される基本転写因子TFIIHは、10のサブユニットからなり、そのうちの7つ(p62、p52、p44、p34、XPD、XPB、およびTTDA)は、コア複合体を形成する。3つのサブユニット(サイクリンH、MAT1、およびCDK7)はCDK活性化キナーゼ(CAK)を形成し、これは、複合体のXPD(ATP依存性ヘリカーゼ)サブユニットを介してTFIIHのコアに連結される。転写開始過程中、TFIIHのヘリカーゼ活性によりコアプロモーターDNAが開裂する一方で、CDK7は、Pol IIのC末端ドメイン(CTD)のセリン5および7(Akhtar et al.,2009,Mol.Cell 34,387-393)ならびに開始から伸長への移行を調節する他の転写因子をリン酸化する(Larochelle et al.,2012,Nat.Strut.Mol.Biol.19,1108-1115)。したがって、CDK7は、転写過程に必須の因子であり、CDK7は、がん治療、特に転写依存性のがんの標的であることが示唆される。
【0004】
CDK7は、長きにわたり、細胞の代謝および生存能において重要な役割を有すると主張されてきた。転写CDKインヒビターは、多数の短命の抗アポトーシスタンパク質(骨髄性細胞白血病-1(Mcl-1)、B細胞リンパ腫エクストラロング(Bcl-xL)およびXIAP(X連鎖IAP)、D-サイクリン、c-Myc、Mdm-2(p53を安定化する)、p21waf1タンパク質(その転写は、核性因子-κB(NF-kB)および低酸素症誘導性VEGFによって媒介される)などの抗アポトーシスタンパク質)を下方制御する(Shapiro GI.2006,J Clin Oncol;24(11):1770-83)。転写非選択性サイクリン依存性キナーゼインヒビターであるフラボピリドールは、Mcl-1の転写抑制および下方制御によって多発性骨髄腫細胞のアポトーシスを誘導する。これらの所見は、CDK7が悪性疾患および細胞周期関連疾患の処置を目的にする薬物の有益な標的であり得るという以前の仮説を支持していた(Lolli G and Johnson LN.2005.Cell Cycle 4:572-577)。
【0005】
CDK7の機能は基本転写の制御因子であり、CDK7は、調節領域の変異ならびに転写因子、補因子、クロマチン制御因子、および非コードRNAの変異に関連する多数の疾患および症候群の処置のための治療標的である。これらの変異は、特に、がん、自己免疫、神経学的障害、発達症候群、糖尿病、心血管疾患、および肥満に寄与し得る。いくつかの転写因子は、RNAポリメラーゼIIの休止の開放および延長を調節し、その発現または機能が変化したときに、浸潤性腫瘍細胞(c-Myc)またはいくつかの自己免疫形態(AIRE)を産生することができる(Tong Ihn Lee and Richard A.Young,Cell,2013,152:1237-1251)。したがって、ヒトCDK7キナーゼ活性を阻害すると、基本転写過程の阻害による癌遺伝子に関連するいずれかの転写因子の阻害によって、細胞周期の進行および転写制御の機能を介した抗増殖活性が得られる可能性が高い。CDK7ががん細胞内の他のハウスキーピング遺伝子よりも発がん性転写因子の指数関数的発現をより劇的に制御することが示されていることがより重要である。したがって、CDK7を阻害すると、一定の癌遺伝子およびハウスキーピング遺伝子の転写に様々に影響を及ぼすことができ、したがって、治療窓(therapeutic window)を確実にすることができる。このため、CDK7による適切な基本転写阻害による転写制御および薬理学的阻害を、増殖性障害(がんが含まれる)を処置するために適用することができる。転写の一般的な制御因子としてのCDK7は、炎症、ウイルス複製(HIV、EBVなど)、がん、および心臓肥大のような疾患の処置のための治療標的である。
【0006】
HIV-1遺伝子発現は、HIV-1の長い縦列反復の転写伸長を誘導するウイルストランス活性化タンパク質(Tat)によって制御される。この誘導には、RNAポリメラーゼIIのC末端ドメイン反復の過剰リン酸化が必要である。前述の過剰リン酸化を達成するために、Tatは、プロモーター複合体、特にTFIIH関連CDK7の基本転写因子に関連するCTDキナーゼを刺激する(Nekhai et al.;Biochem
J.(2002)364,649-657)。米国特許第615968号の発明者はまた、TatがCDK7に結合すること、およびこの相互作用でCAKがCTDをリン酸化する能力が増大することを記載している。米国特許第615968号の著者らは、さらに、Tatによる転写活性化がCDK7のキナーゼ活性に依存することを開示している。さらに、Young Kyeung Kimらは、TFIIHの動員および活性化が、HIVの潜伏期からの出現の律速段階であると結論付けている(Young Kyeung Kim,EMBO(2006)25,3596-3604)。
【0007】
CDK7およびCDK9ならびにキナーゼ複合体の他の構成要素(MAT-1/サイクリンH)のレベルは、ヒトサイトメガロウイルス感染の際に上方制御される。さらに、CDK7およびCDK9のキナーゼ活性が増加する(Tamrakar et al.,Journal of Virology,2005,79;15477-15493)。
多数の抗ウイルス薬は、ウイルスタンパク質を標的にする。これらの抗ウイルス薬には、ウイルスがしばしばこれらの薬物に対する耐性を生じるという欠点がある。CDK7のようなウイルスの過程に不可欠な細胞タンパク質を標的にする抗ウイルス薬は、この欠点を回避することができる。これらの薬物は、いくつかの無関係のウイルスの処置においてさらに有効である場合があり、その効果は、従来の抗ウイルス剤を上回るはずである。CDK活性化キナーゼおよび転写制御の二重の機能を有するCDK7のインヒビターは、いくつかのウイルスの処置において非常に有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Bregman et al.,2000,Front Biosci.5:244-257
【非特許文献2】Desai et al.,1995,Mol.Cell Biol.15,345-350
【非特許文献3】Akhtar et al.,2009,Mol.Cell 34,387-393
【非特許文献4】Larochelle et al.,2012,Nat.Strut.Mol.Biol.19,1108-1115
【非特許文献5】Shapiro GI.2006,J Clin Oncol;24(11):1770-83
【非特許文献6】Lolli G and Johnson LN.2005.Cell Cycle 4:572-577
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの目的は、特に、細胞増殖性疾患、炎症性疾患、免疫学的疾患、心血管疾患、および感染性疾患の予防および/または処置のための薬学的に活性な剤として使用することができる化合物および/またはその薬学的に許容され得る塩、ならびにこれらの化合物および/またはその薬学的に許容され得る塩のうちの少なくとも1つを薬学的に活性な成分として含む組成物を提供することである。
本発明の1つの態様は、一般式I
【化1】
によって定義されるピラゾロ-トリアジンまたはピラゾロ-ピリミジン化合物、もしくは前記化合物の鏡像異性体、立体異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ラセミ体、またはその薬学的に許容され得る塩に関し、式中、
Xは、各存在において独立して、CHおよびNから選択され;
Qは、存在しないか、または独立して、各存在において、-NH-、-NH(CH
2)-、-NH(CH
2)
2-、-NH(C=O)-、-NHSO
2-、-O-、-O(CH
2)-、-(C=O)-、-(C=O)NH-、および-(C=O)(CH
2)-からなる群から選択され;
Yは、各存在において独立して、C3~C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびC1~C6アルキルからなる群から選択され、ここで、C1~C6アルキルは、-OR
5、-N(R
5)R
5、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのうちの1つまたは2つで置換されており、
C3~C8シクロアルキルは、R
3、R
4、および-(C=O)R
5のうちの1つまたは2つで置換され得、
ヘテロシクリルは、R
3、R
4、および-(C=O)R
5のうちの1つまたは2つで置換され得、
アリールまたはヘテロアリールは、R
3、C1~C6アルキル、-OR
5、-N(R
5)R
5、-(C=O)R
5、ハロゲン、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのうちの1つまたは2つで置換され得、
R
1は、各存在において、水素およびメチルからなる群から独立して選択され;
R
2は、各存在において、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、-CN、-(C=O)CH
3、およびC1~C3ハロアルキル[これらのいずれも必要に応じて置換される]からなる群から独立して選択され;
R
3は、存在しないか、または独立して、各存在において、水素、-OR
5、ハロゲン、-N(R
5)R
5、-NH(C=O)R
5、-(C=O)NH
2、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
4は、独立して、各存在において、水素、ハロゲン、-OR
5、-N(R
5)R
5、(=O)、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
5は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C3ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル;ハロゲン、-OR
11、-N(R
11)R
11、C1~C6アルキル、および-OH、-NH
2で置換されたC1~C6アルキルのうちの1つまたは2つで置換されたヘテロアリール;ハロゲン、-OR
11、-N(R
11)R
11、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルのうちの1つまたは2つで置換されたヘテロシクリルからなる群から独立して選択され;
Zは、以下のA群:
【化2】
[式中、n=1、2、または3であり;m=1、または2である]
の任意の構造であり;
R
6およびR
7は、各存在において、水素、-NH(C=O)R
14、-NHR
14、-OR
14、および以下のB群の任意の構造からなる群から独立して選択され、
但し、Zが
【化3】
である場合、R
6およびR
7のうちの1つはHではなく;
【化4】
ここで、oは、各存在において独立して、1、2、および3から選択され;
Wは、以下のC群:
【化5】
の任意の構造であり、
Lは、存在しないか、各存在において、-O-および-NH-からなる群から独立して選択され;
ここで、nは、各存在において独立して、1、2、および3から選択され;
R
8、R
9、およびR
10は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-OR
5、-CN、および-OH、-OR
5、または-NHR
5で置換されたC1~C6アルキルからなる群から独立して選択され;
R
11は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
R
12は、各存在において、水素および上記定義のWから独立して選択され;
ここで、R
11がWである場合、R
12は水素であり;
R
13は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、-CN、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
13がWである場合、R
12は水素であり;
R
14は、D群:
【化6】
の任意の構造であり;
R
15は、各存在において、水素および上記定義のWから独立して選択され;
R
16は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、-CN、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
16がWである場合、R
12は水素であり;
R
17は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、およびC1~C3ハロアルキルからなる群から独立して選択され;
R
18は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、および-CNからなる群から独立して選択され;
R
19は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
19がWである場合、R
15は水素であり;
R
20およびR
21は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-OR
5、ヘテロシクリル、および-CNからなる群から独立して選択され;
R
22は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、-N(R
5)
2、-NR
19R
20、-NR
19CH
2(CO)NH
2、ヘテロシクリル、-OR
5、および-CNからなる群から独立して選択される。
【0011】
本発明は、上記の化合物の前記化合物の鏡像異性体、立体異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ラセミ体、およびその薬学的に許容され得る塩にも関する。
【0012】
上記の一般式Iまたは式Iaの化合物の1つの実施形態では、化合物は、一般式Ia
【化7】
を有し、
式中、
Xは、各存在において独立して、CHおよびNから選択され;
Y
1は、独立して、各存在において、CH、C(OH)およびNから選択され;
Y
2は、独立して、各存在において、CH、C(OH)およびNから選択され;
Qは、存在しないか、または各存在において、独立して、-NH-、-NH(CH
2)-、-NH(C=O)-、-NHSO
2-、-O-、-O(CH
2)-、-(C=O)-および-(C=O)(CH
2)-からなる群から選択され;
R
1は、各存在において、水素およびメチルからなる群から独立して選択され;
R
2は、各存在において、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、-CN、-(C=O)CH
3、およびC1~C3ハロアルキル[これらのいずれも必要に応じて置換される]からなる群から独立して選択され;
R
3は、各存在において、独立して、水素、-OH、ハロゲン、-N(R
5)
2、-NH(C=O)R
5、-(C=O)NH
2、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
4は、各存在において、存在しないか、または独立して、水素、ハロゲン、-OH、-OR
5、-NH
2、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
5は、各存在において、水素、C1~C6アルキルおよびC1~C3ハロアルキルからなる群から独立して選択され;
Zは、以下のA群:
【化8】
[式中、n=1、2、または3であり;m=1、または2である]
の任意の構造であり;
R
6およびR
7は、各存在において、水素、-NH(C=O)R
14、-NHR
14、-OR
14、および以下のB群の任意の構造からなる群から独立して選択され、
但し、Zが
【化9】
である場合、R
6およびR
7のうちの1つはHではなく;
【化10】
ここで、oは、1、2または3であり;
Wは、以下のC群:
【化11】
の任意の構造であり、
Lは、存在しないか、各存在において、-O-および-NH-からなる群から独立して選択され;
R
8、R
9、およびR
10は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-OR
5、-CN、および-OH、-OR
5、または-NHR
5で置換されたC1~C6アルキルからなる群から独立して選択され;
R
11は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
R
12は、各存在において、水素および上記定義のWから独立して選択され;
ここで、R
11がWである場合、R
12は水素であり;
R
13は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、-CN、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
13がWである場合、R
12は水素であり;
R
14は、D群:
【化12】
の任意の構造であり;
R
15は、各存在において、水素および上記定義のWから独立して選択され;
R
16は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、-CN、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
16がWである場合、R
12は水素であり;
R
17は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、およびC1~C3ハロアルキルからなる群から独立して選択され;
R
18は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、および-CNからなる群から独立して選択され;
R
19は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
19がWである場合、R
15は水素であり;
R
20およびR
21は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-OR
5、複素環、および-CNからなる群から独立して選択され;
R
22は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、-N(R
5)
2、-NR
19R
20、複素環、-OR
5、および-CNからなる群から独立して選択される。
【0013】
上記の一般式Iまたは式Iaの化合物の1つの実施形態では、Z、R6、R7、R11、R12、R13、R15、R16、およびR19のうちの少なくとも1つは、一般式Iについて上記定義のWであるか、一般式Iについて上記定義のWを含む構造である。
【0014】
上記の一般式Iまたは式Iaの化合物の1つの実施形態では、Z、R6、R7、R11、R12、R13、R15、R16、およびR19のうちの正確に1つは、一般式Iについて上記定義のWであるか、一般式Iについて上記定義のWを含む構造である。
【0015】
1つの実施形態では、Z、R6、R7、R11、R12、R13、R15、R16、およびR19のうちの少なくとも1つは、上記定義のWであるか、一般式Iaについて上記定義のWを含む構造である。
【0016】
1つの実施形態では、Z、R6、R7、R11、R12、R13、R15、R16、およびR19のうちの正確に1つは、上記定義のWであるか、一般式Iaについて上記定義のWを含む構造である。
【0017】
上記一般式Iの化合物の1つの実施形態では、
R
1は水素であり、化合物は、一般式II
【化13】
を有し、式中、X、Y、Z、R
2、およびQは、一般式Iについて上記定義の通りである。
【0018】
上記一般式Iの化合物の1つの実施形態では、化合物は、一般式III
【化14】
を有し、式中、X、Z、R
2、およびQは、一般式Iの上記定義の通りであり、
Y
aは、存在しないか、または独立して、各存在において、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル;C1~C6アルキル、-OR
5、-N(R
5)R
5、およびハロゲンのうちの1つまたは2つで置換されたアリール;C1~C6アルキル、-OR
5、-N(R
5)R
5、およびハロゲンのうちの1つまたは2つで置換されたヘテロアリール;R
23およびR
24のうちの1つまたは2つで置換されたヘテロシクリルからなる群から選択され;
R
23は、存在しないか、または独立して、各存在において、水素、-OR
5、ハロゲン、-N(R
5)R
5、-NH(C=O)R
5、-(C=O)NH
2、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
24は、独立して、各存在において、水素、ハロゲン、-OR
5、-N(R
5)R
5、(=O)、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
ここで、R
5は請求項1に定義の通りであり;
L
1は、存在しないか、または独立して、各存在において、-NH-、-NH(CH
2)-、-NH(C=O)-、-NHSO
2-、-O-、-O(CH
2)-、-(C=O)-、-(C=O)NH-、および-(C=O)(CH
2)-からなる群から選択され;
Y
1は、各存在において独立して、CH、C(OH)、およびNから選択され;
Y
2は、各存在において独立して、CH、C(OH)、O、およびNから選択され;
qは、各存在において独立して、0、1、および2から選択され;
rは、各存在において独立して、0、1、2、および3から選択される。
【0019】
上記一般式Iまたは一般式Iaの化合物の1つの実施形態では、ZはZ
1であり、Z
1は、以下のE群:
【化15】
の任意の構造であり;
式中、mは、各存在において独立して、1および2から選択され;
nは、一般式Iの上記定義の通りであり;
R
8、R
9、R
12、およびR
13は、一般式Iの上記定義の通りであり;
R
6は、一般式Iの上記定義のB群の任意の構造である。
【0020】
上記一般式Iaの化合物の1つの実施形態では、
ZはZ
1であり、Z
1は、以下のE群:
【化16】
の任意の構造であり、式中、n=1、2、または3であり;m=1または2であり;
R
8、R
9、R
12、およびR
13は、上記定義の通りであり;
R
6は、上記定義のB群の任意の構造である。
【0021】
上記の一般式Iまたは一般式Iaの化合物の1つの実施形態では、
Zは、
【化17】
であり、
pは、各存在において独立して、0、1、2、および3から選択され;
X
1は、各存在において独立して、CR
8およびNから選択され;
R
6は、一般式Iについて上記定義のB群の任意の構造であり;
R
8は、一般式Iについて上記定義の通りである。
【0022】
上記一般式Iaの化合物の1つの実施形態では、
Zは、
【化18】
であり、
pは、0、1、2、または3であり、
X
1は、各存在において独立して、CR
8およびNから選択され;
R
6は、上記定義のB群の任意の構造であり;
R
8は、上記定義の通りである。
【0023】
上記の一般式Iまたは一般式Iaの化合物の1つの実施形態では、
Zは
【化19】
であるか、またはZは
【化20】
であり、
式中、R
6~R
8は、一般式Iについて上記定義の通りである。
【0024】
上記一般式Iaの化合物の1つの実施形態では、
Zは
【化21】
であるか、またはZは
【化22】
であり、
式中、R
6~R
8は、上記定義の通りである。
【0025】
上記一般式Iの化合物の1つの実施形態では、
Zは、
【化23】
であり、式中、R
6およびR
10は、一般式Iについて上記定義の通りである。
【0026】
上記一般式Iの化合物の1つの実施形態では、化合物は、一般式IV
【化24】
を有し、
式中、X、X
1、R
6、R
8、およびQは、一般式Iの上記定義の通りであり、
X
1は、上記定義の通りであり;
ここで、Y
bは、以下のF群:
【化25】
の任意の構造であり;
R
26およびR
27は、存在しないか、または独立して、各存在において、水素、-OR
5、ハロゲン、-N(R
5)R
5、-NH(C=O)R
5、-(C=O)NH
2、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
ここで、R
5は、一般式Iの上記定義の通りである。
【0027】
上記一般式Iの化合物の1つの実施形態では、
R2はC1~C6アルキルである。
【0028】
上記一般式Iaの化合物の1つの実施形態では、
R2はC1~C6アルキルである。
【0029】
上記一般式Iまたは上記一般式Iaの化合物の1つの実施形態では、
R
6およびR
7は、各存在において、-NH(C=O)R
14、-NHR
14、-OR
14、以下のB’群:
【化26】
の任意の構造から独立して選択され、
ここで、R
14は、
【化27】
からなる群から選択され、ここで、R
5、R
8、R
12、R
16、R
17、R
18、およびWは、上記定義の通りである。
【0030】
上記一般式Iまたは上記一般式Iaの化合物の1つの実施形態では、
Wは、
【化28】
からなる群から選択され、
R
20~R
22およびLは、上記定義の通りである。
上記の一般式Iaまたは上記の一般式IIIの化合物の1つの実施形態では、
Y
1はNであり、Y
2はCHであり、R
3は-N(R
5)
2であり、R
5は、上記定義の通りである。
【0031】
1つの実施形態では、本発明はまた、本明細書中に定義の本発明に従う化合物の薬学的に許容され得る塩に関する。
【0032】
1つの実施形態では、本発明に従う化合物は、以下の表7にさらに列挙した構造1~88から選択される化合物である。
【0033】
1つのさらなる態様では、本発明はまた、活性成分としての本明細書中で定義の本発明に従う化合物を、少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリア、賦形剤、および/または希釈剤と共に含む薬学的組成物に関する。
【0034】
1つの態様では、本発明はまた、医薬品または薬学的に活性な剤としての使用のための本明細書中で定義の本発明に従う化合物に関し、ここで、前述の医薬品または薬学的に活性な剤は、好ましくは、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)に対する阻害活性を有する。
【0035】
1つの態様では、本発明はまた、1種または数種のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)、特に、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の異所の活性および/または過剰発現によるアポトーシスの阻害、異常な転写活性、および/または細胞周期停止に関連する疾患であって、前記疾患が、増殖性疾患、日和見疾患が含まれる感染性疾患、免疫学的疾患、自己免疫疾患、および炎症性疾患から選択される、疾患を予防および/または処置する方法における使用のための、本明細書の定義の通りの本発明に従う化合物にも関する。
【0036】
1つの実施形態では、1種または数種のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)、特に、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の異所の活性および/または過剰発現によるアポトーシスの阻害、異常な転写活性、および/または細胞周期停止に関連する疾患は、CDK7の機能障害および/または機能亢進に関連し、伴い、起因し、そして/または誘導される疾患である。1つの実施形態では、1種または数種のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)、特に、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の異所の活性および/または過剰発現によるアポトーシスの阻害、異常な転写活性、および/または細胞周期停止に関連する疾患は、増殖性疾患である。1つの実施形態では、前述の増殖性疾患はがんである。
【0037】
1つの実施形態では、前記がんは、腺癌、脈絡膜黒色腫、急性白血病、聴神経鞘腫、膨大部癌、肛門癌、星状細胞腫、基底細胞癌、膵臓がん、デスモイド腫瘍、膀胱がん、気管支癌、エストロゲン依存性および非依存性の乳がん、バーキットリンパ腫、体がん、原発不明癌腫(CUP症候群)、結腸直腸がん、小腸がん、小腸腫瘍、卵巣がん、子宮内膜癌、上衣腫、上皮がん型、ユーイング腫瘍、消化管腫瘍、胃のがん(gastric cancer)、胆嚢がん、胆嚢癌、子宮がん、子宮頸がん、頸部、膠芽細胞腫、婦人科腫瘍、耳鼻咽頭科腫瘍、血液学的腫瘍、毛様細胞白血病、尿道がん、皮膚がん、皮膚精巣がん、脳腫瘍(神経膠腫)、脳転移、睾丸がん、下垂体腫瘍、カルチノイド、カポジ肉腫、喉頭がん、胚細胞腫瘍、骨がん、結腸直腸癌、頭頸部腫瘍(耳、鼻、および咽頭領域の腫瘍)、結腸癌、頭蓋咽頭腫、口腔がん(oral cancer)(口腔内および唇上のがん)、中枢神経系のがん、肝臓がん、肝転移、白血病、眼瞼腫瘍、肺がん、リンパ腫、胃がん(stomach cancer)、悪性黒色腫、悪性新形成、消化管の悪性腫瘍、乳癌、直腸がん、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、ホジキン/非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、鼻腔がん、神経鞘腫、神経芽細胞腫、腎臓がん、腎細胞癌、乏突起膠腫、食道癌、溶骨性癌および骨形成性癌、骨肉腫、卵巣癌、膵癌、陰茎がん、プラズマ細胞腫、前立腺がん、咽頭がん、直腸癌、網膜芽細胞腫、膣がん、甲状腺癌、食道がん、T細胞リンパ腫、胸腺腫、管癌、眼腫瘍、尿道がん、泌尿器腫瘍、尿路上皮癌、外陰がん、疣贅出現、軟部組織腫瘍、軟部組織肉腫、腎芽腫、子宮頸癌、舌がん、浸潤性腺管癌腫、浸潤性小葉癌、腺管上皮内癌、上皮内小葉癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、気管支腺腫、胸膜肺芽腫、中皮腫、脳幹部神経膠腫、視床下部神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、神経外胚葉性腫瘍、松果体部腫瘍、子宮の肉腫、唾液腺がん、肛門腺腺癌、肥満細胞腫瘍、骨盤腫瘍、尿管腫瘍、遺伝性乳頭状腎がん、散発性乳頭状腎がん、眼内黒色腫、肝細胞癌、胆管癌、混合型肝細胞胆管癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がん、非黒色腫皮膚がん、下咽頭がん、上咽頭がん、中咽頭がん、口腔のがん(oral cavity cancer)、扁平上皮がん、口腔黒色腫、AIDS関連リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、中枢神経系のリンパ腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、横紋筋肉腫、悪性組織球増殖症、線維芽細胞性肉腫、血管肉腫、血管周囲細胞腫、平滑筋肉腫(LMS)、イヌ乳房癌腫、およびネコ乳房癌腫から選択される。
【0038】
1つの実施形態では、前記日和見疾患が含まれる感染性疾患は、AIDS、アデノウイルス感染、多包虫症(AHD)、アメーバ症、広東住血線虫症、アニサキス症、炭疽、バベシア症、バランチジウム症、バイリスアスカリス感染、ビルハルツ(住血吸虫症)、ブラストシスチスホミニス(Blastocystis hominis)感染、ライムボレリア症、ボツリヌス中毒、ブレーナード下痢、ブルセラ症、ウシ海綿状脳症(BSE)、カンジダ症、毛頭虫症、慢性疲労症候群(CFS)、シャーガス病、水疱、クラミジアニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)感染、コレラ、慢性疲労症候群、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、肝吸虫症、皮膚幼虫移行症(CLM)、コクシジオイデス症、結膜炎、コクサッキーウイルスA16(CoxA16)、クリプトコッカス疾患、クリプトスポリジウム症、ウエストナイル熱、サイクロスポラ症、神経嚢虫症、サイトメガロウイルス感染、デング熱、瓜実条虫(Dipylidium caninum)感染、エボラ出血熱(EHF)、多包性エキノコックス症(AE)、脳炎、大腸アメーバ(Entamoeba coli)感染、エントアメーバ・ディスパー(Entamoeba dispar)感染、ハルトマンアメーバ(Entamoeba hartmanni)感染、エントアメーバポレッキ(Entamoeba polecki)感染、蟯虫感染、エンテロウイルス感染(ポリオ/非ポリオ)、エプスタイン・バーウイルス感染、大腸菌感染、食物媒介感染、口蹄疫、真菌性皮膚炎、真菌感染、胃腸炎、A群レンサ球菌疾患、B群レンサ球菌疾患、ハンセン病(癩病)、ハンタウイルス肺症候群、アタマジラミ外寄生(シラミ寄生症)、ヘリコバクターピロリ感染、血液疾患、ヘンドラウイルス感染、肝炎(HCV、HBV)、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、HIV感染、ヒトエールリヒア症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染、インフルエンザ、イソスポーラ症、ラッサ熱、リーシュマニア症、内蔵リーシュマニア症(VL)、マラリア、マールブルグ出血熱、麻疹、髄膜炎、マイコバクテリウム・アビウム複合体(MAC)感染、ネグレリア感染、院内感染、非病原性腸アメーバ感染、オンコセルカ症、オピストルキス症、パピローマウイルス感染、パルボウイルス感染、ペスト、ニューモシスチス肺炎(PCP)、ポリオーマウイルス感染、Q熱、狂犬病、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染、リウマチ熱、リフトバレー熱、ロタウイルス感染、回虫感染、サルモネラ症、疥癬、細菌性赤痢、帯状ヘルペス、眠り病、天然痘、レンサ球菌感染、条虫感染、破傷風、中毒性ショック症候群、結核、十二指腸、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)感染、ビブリオ敗血、ウイルス性出血熱、疣贅、水系感染性疾患、水痘帯状疱疹ウイルス感染、百日咳、および黄熱病から選択される。
【0039】
1つの実施形態では、前記免疫学的疾患および/または自己免疫疾患は、喘息、糖尿病、リウマチ性疾患、AIDS、移植した臓器および組織の拒絶、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、潰瘍性大腸炎、副鼻腔炎、エリテマトーデス、反復性感染、アトピー性皮膚炎/湿疹および職業性アレルギー、食物アレルギー、薬物アレルギー、重症アナフィラキシー反応、アナフィラキシー、アレルギー疾患の発現、原発性免疫不全、抗体欠損状態、細胞媒介免疫不全、重症複合型免疫不全、ディジョージ症候群、高IgE症候群(HIES)、ヴィスコット・オールドリッチ症候群(WAS)、毛細管拡張性失調症、免疫介在性のがん、白血球欠損、自己免疫疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、免疫介在性または1型の真性糖尿病、免疫介在性糸球体腎炎、強皮症、悪性貧血、脱毛症、天疱瘡、尋常性天疱瘡、重症筋無力症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、自己免疫性甲状腺疾患、橋本病、皮膚筋炎、グッドパスチャー症候群(GPS)、重症筋無力症(MG)、交感性眼炎、水晶体起因性ブドウ膜炎(Phakogene Uveitis)、慢性侵襲性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性溶血性貧血、およびヴェルホーフ病から選択される。
【0040】
1つの実施形態では、前記炎症性疾患は、細菌、ウイルス、プリオン、寄生虫、真菌に起因し、誘導され、開始され、そして/または増強され、そして/または刺激因子、外傷性因子、代謝性因子、アレルギー性因子、自己免疫因子、または特発性因子に原因する。
【0041】
1つの実施形態では、前記炎症性疾患は、中枢神経系(CNS)の炎症性疾患、炎症性リウマチ性疾患、血管の炎症性疾患、中耳の炎症性疾患、炎症性腸疾患、皮膚の炎症性疾患、炎症性ブドウ膜炎、および喉頭の炎症性疾患を含むか、これらからなる群から選択される。
【0042】
1つの実施形態では、前記炎症性疾患は、中枢神経系(CNS)の炎症性疾患、炎症性リウマチ性疾患、血管の炎症性疾患、中耳の炎症性疾患、炎症性腸疾患、皮膚の炎症性疾患、炎症性ブドウ膜炎、喉頭の炎症性疾患から選択され、好ましくは、前記炎症性疾患が、膿瘍形成、アカントアメーバ感染、尋常性ざ瘡、放線菌症、急性炎症性皮膚疾患、急性成人喉頭感染、急性多発性斑状色素上皮症、急性(熱)傷、急性網膜壊死、急性化膿性中耳炎、藻類ウイルス障害(algal disorder)、アレルギー性接触皮膚炎、アミロイド症血管浮腫、強直性脊椎炎、アスペルギルス症、アトピー性皮膚炎、偽性狂犬病、脈管炎内の自己抗体、細菌性障害、細菌性喉頭炎、細菌性髄膜炎、ベーチェット病(BD)、バードショット脈絡膜症、ギルクリスト病、ボルナ病、ブルセラ症、水疱性鼓膜炎、滑液包炎、カンジダ症、イヌジステンパー脳脊髄炎、幼若動物のイヌジステンパー脳脊髄炎、イヌ出血熱、イヌヘルペスウイルス脳脊髄炎、コレステリン腫、慢性肉芽腫性疾患(CGD)、慢性炎症性皮膚疾患、慢性再発性脳脊髄炎、慢性化膿性中耳炎、眼瘢痕性類天疱瘡(OCP)、よく見られる上気道感染、肉芽腫、クローン病、クリプトコッカス疾患、皮膚筋炎、ジフテリア、円板状エリテマトーデス(DLE)、薬物性脈管炎、薬物反応または過敏反応、エンセファリトゾーン症、好酸球性髄膜脳炎、多形性紅斑(EM)、ネコ白血病ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ伝染性腹膜炎、ネコ灰白脳炎、ネコ海綿状脳症、線維筋痛、フックス虹彩異色性ブドウ膜炎、胃食道(喉頭咽頭)逆流性疾患、巨細胞動脈炎、鼻疽、緑内障毛様体炎発症、淋菌性肉芽性鼓膜炎(gonorrhea
granular myringitis)、肉芽腫性髄膜脳炎(GME)、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、特発性疾患、特発性炎症性障害、免疫障害および特発性障害、免疫不全宿主の感染、イヌ伝染性肝炎、吸入喉頭炎、間質性腎炎、刺激性接触皮膚炎、若年性関節リウマチ、川崎病、ラクロスウイルス脳炎、喉頭膿瘍、喉頭気管気管支炎、リーシュマニア症、水晶体原性ブドウ膜炎、癩病、レプトスピラ症、白血病、扁平苔癬、狼瘡、リンパ腫、髄膜炎、グレイハウンドの髄膜脳炎、種々の髄膜炎/髄膜脳炎、顕微鏡的多発血管炎、多病巣性脈絡膜炎、成熟動物における多病巣性ジステンパー脳脊髄炎、多発性硬化症、筋緊張性発声障害(MTD)、真菌症(真菌性疾患)、CNSの真菌症、壊死性脳炎、ネオスポラ症、老犬脳炎、オンコセルカ症、寄生虫脳脊髄炎、寄生虫感染、毛様体扁平部炎、パルボウイルス脳炎、小児喉頭炎、汚染および吸入剤のアレルギー、多発性筋炎、ワクチン後イヌジステンパー脳炎、プリオンタンパク質誘発性疾患、プロトテコーシス、原生動物脳炎-脳脊髄炎、乾癬、乾癬性関節炎、パグ脳炎、放射線傷害、放射線喉頭炎、放射線壊死、再発性多発性軟骨炎、ライター症候群、網膜色素変性、網膜芽細胞腫、関節リウマチ、リケッチア障害、ロッキー山紅斑熱、サケ中毒性疾患(SPD)、肉胞子虫症、サルコイドーシス、住血吸虫症、強皮症、鼻硬化症、地図状脈絡膜炎、シェーカードッグ病、シェーグレン症候群、痙性クループ、スピロヘータ(梅毒)病、海綿状皮膚炎、スポロトリクム症、ステロイド反応性髄膜炎-動脈炎、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS、多形紅斑重症型)、喉頭蓋炎、交感性眼炎、シンガムス症、梅毒、サルコイドーシスにおける全身性血管炎、高安動脈炎、腱炎(tendinitis)(腱炎(tendonitis))、閉塞性血栓脈管炎(バーガー病)、イヌにおけるダニ媒介性脳炎、中毒性表皮壊死症(TEN)、トキソカラ症、トキソプラズマ症、外傷、外傷性喉頭炎、旋毛虫症、トリパノソーマ症、結核、野兎病、潰瘍性大腸炎、蕁麻疹(じんま疹)、脈管炎、脈管炎と悪性疾患の合併症、脈管炎と関節リウマチの合併症、特発性炎症性筋疾患における脈管炎、中枢神経系の脈管炎、細菌、真菌、および寄生虫の感染に続発する脈管炎、ウイルス性障害、ウイルス性喉頭炎、白斑、声帯乱用、声帯出血、フォークト・小柳・原田症候群(VKH)、ウェゲナー肉芽腫症、およびホイップル病を含む群から選択される。
【0043】
本発明はまた、1種または数種のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)、特に、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の異所の活性および/または過剰発現によるアポトーシスの阻害、異常な転写活性、および/または細胞周期停止に関連する疾患であって、前記疾患が、増殖性疾患、日和見疾患が含まれる感染性疾患、免疫学的疾患、自己免疫疾患、および炎症性疾患から選択される、疾患を処置および/または予防する方法にも関し、前記処置および/または予防する方法は、必要とする患者に、本明細書の定義の通りの本発明に従う化合物を投与する工程を含む。
【0044】
1つの実施形態では、必要とする患者は、哺乳動物である。1つの実施形態では、必要とする患者は、ヒトである。別の実施形態では、必要とする患者は、非ヒト動物である。
【0045】
1つの実施形態では、前述の方法で予防または処置される疾患は、本明細書中に定義の通りである。
【0046】
本発明はまた、1種または数種のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)、特に、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の異所の活性および/または過剰発現によるアポトーシスの阻害、異常な転写活性、および/または細胞周期停止に関連する疾患であって、前記疾患が、本明細書の定義の通りの増殖性疾患、日和見疾患が含まれる感染性疾患、免疫学的疾患、自己免疫疾患、および炎症性疾患から選択される、疾患を予防および/または処置のための医薬の製造における、本明細書の定義の通りの本発明に従う化合物の使用にも関しする。
【0047】
本発明のさらに有利な特徴、態様、および詳細は、付随の特許請求の範囲、説明、実施例、および図面から明らかである。
【0048】
本発明の化合物は、CDK7トレオニン/セリンキナーゼおよび/またはその複合体(CDK7/MAT1/CycH)の効率の高いインヒビターである。本発明の化合物は、薬学的に活性な剤としての使用に適切である。本発明の化合物は、CDK7およびその複合体、特にその機能亢進または機能障害に関連し、伴い、起因し、そして/または誘導される障害の処置に適切である。したがって、本発明の化合物は、CDK7に関連する疾患または障害およびCDK7複合体誘導性障害の処置に適切である。
【0049】
本発明の化合物はまた、CDK7およびその複合体、特にその機能亢進または機能障害に関連し、伴い、起因し、そして/または誘導される障害の処置のための医薬または薬学的組成物の製造で有用である。本発明の化合物は、CDK7およびその複合体に誘導される障害の処置および/または予防のための医薬または薬学的組成物の製造でさらに使用される。
【0050】
本発明者らは、特に本発明に従う化合物が上記定義のW群を含む本発明の実施形態において、これらの化合物がサイクリン依存性キナーゼ(複数可)、特にCDK7内のシステイン残基の-SH-基に共有結合することができるため、化合物とキナーゼとの間に共有結合および付加体を形成することができ、それにより、キナーゼ(複数可)を阻害することができることを見出した。これは、特にZ、R6、R7、R11、R12、R13、R15、R16、およびR19のうちの少なくとも1つが上記定義のWであるか、上記定義のWを含む構造である実施形態に関する。
【0051】
さらに、本発明は、Z、R6、R7、R11、R12、R13、R15、R16、およびR19のうちの正確に1つが上記定義のWであるか、上記定義のWを含む構造である実施形態に関する。これは、全ての上記定義のW構造が、キナーゼ内のスルフヒドリル基と反応して化合物とキナーゼとの間で付加体を形成する二重結合または三重結合を含むからである。本発明による化合物の共有結合を介して、キナーゼが阻害される。用語「正確に1つ」は、この文脈で使用される場合、上記定義のWまたはWを含む構造である列挙の群/残基がたった1つ(それだけに過ぎない)であることを意味する。
【0052】
用語「必要に応じて置換される」は、本明細書中で使用する場合、ある基内に存在しかつ該基内のメンバー原子に結合している1つの水素原子またはいくつかのかかる水素原子を、適切な基(例えば、ハロゲン(フッ素が含まれる)、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、メチルヒドロキシル、COOMe、C(O)H、COOH、OMe、またはOCF3など)に置き換えてよいことを示すことが意図されている。
用語「アルキル」は、指定範囲内のある数の炭素原子を有する一価で直鎖、分枝鎖、または環状鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルをいう。したがって、例えば、「C1~C6アルキル」は、ヘキシルアルキル異性体およびペンチルアルキル異性体、ならびにn-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、およびt-ブチル、n-プロピルおよびイソプロピル、環状のプロピル、エチル、およびメチルのいずれかをいう。
【0053】
用語「アルケニル」は、1つの炭素-炭素二重結合を含み、且つ指定範囲内のある数の炭素原子を有する一価で直鎖または分枝鎖の脂肪族炭化水素ラジカルをいう。したがって、例えば、「C2~C6アルケニル」は、ヘキセニル異性体およびペンテニル異性体、ならびに1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、イソブテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、およびエテニル(またはビニル)の全てをいう。
【0054】
用語「シクロアルキル」は、別段の定義がない限り、単独でまたは任意の他の用語を組み合わせて、3~8個の炭素原子を有する、必要に応じて置換されているか非置換の環状炭化水素などの基をいう。したがって、例えば、「C3~C8シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルをいう。
【0055】
用語「ハロアルキル」は、少なくとも1つのハロゲンで置換された本明細書中で定義のアルキル基をいう。本発明において有用な直鎖または分枝鎖の「ハロアルキル」基の例には、1つまたは複数のハロゲンで独立して置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、およびt-ブチルが含まれるが、これらに限定されない。用語「ハロアルキル」は、-CHF2、-CF3、-CH2-CH2-F、および-CH2-CF3などの置換基が含まれると解釈されるべきである。
【0056】
用語「ヘテロアルキル」は、1つまたは複数の炭素原子がO、N、またはSなどのヘテロ原子で置き換えられたアルキル基をいう。例えば、親分子に結合しているアルキル基の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置き換えられた場合、生じるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルコキシ基(例えば、-OCH3など)、アミン(例えば、-NHCH3、-N(CH3)2など)、またはチオアルキル基(例えば、-SCH3など)である。親分子に結合していないアルキル基の非末端炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置き換えられた場合、生じるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルキルエーテル(例えば、-CH2CH2-O-CH3など)、アルキルアミン(例えば、-CH2NHCH3、-CH2N(CH3)2など)、またはチオアルキルエーテル(例えば、-CH2-S-CH3)である。
【0057】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素をいう。
【0058】
用語「フェニル」は、本明細書中で使用する場合、必要に応じて置換されているか非置換のフェニル基を示すことが意図されている。
【0059】
用語「ベンジル」は、本明細書中で使用する場合、必要に応じて置換されているか非置換のベンジル基を示すことが意図されている。
【0060】
用語「ヘテロアリール」は、(i)必要に応じて置換される5員および6員の芳香族複素環、および(ii)少なくとも1つの環が芳香族である、必要に応じて置換される9員および10員の二環式縮合環系をいい、ここで、芳香族複素環または二環式縮合環系は、N、O、およびSから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を含み、各Nは必要に応じて酸化物の形態であり、芳香族でない環内の各Sは必要に応じてS(O)またはS(O)2である。適切な5員および6員の芳香族複素環には、例えば、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、およびチアジアゾリルが含まれる。適切な9員および10員の複素二環式の縮合環系には、例えば、ベンゾフラニル、インドリル、インダゾリル、ナフチリジニル、イソベンゾフラニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、および2,3-ジヒドロベンゾ-1,4-ジオキシニルが含まれる。
【0061】
用語「ヘテロシクリル」は、(i)少なくとも1つの炭素原子および1~4個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換される4~8員の飽和および不飽和であるが、非芳香族の単環、(ii)1~6個のヘテロ原子を含む必要に応じて置換される二環系、および(iii)必要に応じて置換される三環系をいい、ここで、(ii)または(iii)中の各環は、他の環(単数または複数)との縮合や架橋と無関係であり、各環は飽和または不飽和であるが、非芳香族であり、(i)、(ii)、および(iii)中の各ヘテロ原子は、N、O、およびSから独立して選択され、各Nは必要に応じて酸化物の形態であり、各Sは、必要に応じてS(O)またはS(O)2に酸化されている。適切な4~8員の飽和ヘテロシクリルには、例えば、アゼチジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チアジナニル、チアゼパニル、アゼパニル、ジアゼパニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ジオキサニル、およびアザシクロオクチルが含まれる。適切な不飽和複素環には、単結合が二重結合で置き換えられた上記文章中に列挙した飽和複素環に対応する不飽和複素環が含まれる。本発明における使用に適切な特定の環および環系は、本段落および前述の段落中に列挙したものに制限されないと理解される。これらの環および環系は、代表にすぎない。
【0062】
薬学的に許容され得る塩
薬学的に許容され得る付加塩の例には、非毒性の無機酸付加塩および有機酸付加塩(酢酸由来の酢酸塩、アコニット酸由来のアコニット酸塩、アスコルビン酸由来のアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸由来のベンゼンスルホン酸塩、安息香酸由来の安息香酸塩、桂皮酸由来の桂皮酸塩、クエン酸由来のクエン酸塩、エンボン酸由来のエンボン酸塩、エナント酸由来のエナント酸塩、ギ酸由来のギ酸塩、フマル酸由来のフマル酸塩、グルタミン酸由来のグルタミン酸塩、グリコール酸由来のグリコール酸塩、塩酸由来の塩酸塩、臭化水素酸由来の臭化水素酸塩、乳酸由来の乳酸塩、マレイン酸由来のマレイン酸塩、マロン酸由来のマロン酸塩、マンデル酸由来のマンデル酸塩、メタンスルホン酸由来のメタンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸由来のナフタレン-2-スルホン酸塩、硝酸由来の硝酸塩、過塩素酸由来の過塩素酸塩、リン酸由来のリン酸塩、フタル酸由来のフタル酸塩、サリチル酸由来のサリチル酸塩、ソルビン酸由来のソルビン酸塩、ステアリン酸由来のステアリン酸塩、コハク酸由来のコハク酸塩、硫酸由来の硫酸塩、酒石酸由来の酒石酸塩、およびp-トルエンスルホン酸由来のトルエン-p-スルホン酸塩など)が含まれるが、これらに限定されない。かかる塩を、当該分野で周知であり且つ説明されている手順によって形成することができる。
【0063】
薬学的に許容され得ると見なされないかもしれないシュウ酸などの他の酸が、本発明の化合物およびその薬学的に許容され得る酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製において有用であり得る。
【0064】
別の実施形態では、本発明の化合物は、本発明に従う、それらのそれぞれの遊離塩基形態で使用される。
【0065】
本発明の化合物の金属塩には、アルカリ金属塩(カルボキシ基を含む本発明の化合物のナトリウム塩など)が含まれる。
【0066】
本発明の化合物を、非溶媒和形態で、または薬学的に許容され得る溶媒(水およびエタノールなど)との溶媒和形態で得ることができる。溶媒和形態には、水和形態(一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、および四水和物など)も含まれ得る。一般に、溶媒和形態は、本発明の目的上、非溶媒和形態と等価であると見なされる。
【0067】
本発明のさらなる態様を、以下のスキーム、実施例、表、および手順の説明によって例証および例示しているが、これらは例証のみを目的として記載するものであり、本発明を制限するものではない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【0068】
表
ここに、表について言及する。
【0069】
表1は、選択した本発明の化合物についてのCDK1、CDK2、CDK5、およびCDK7の酵素アッセイにおける活性データを示す。阻害を、IC50として以下の記号解説と共に表示する:A=100nM未満のIC50;B=100nM超であるが、1,000nM未満のIC50;C=1,000nM超のIC50。表1は、選択した本発明の化合物についてのCDK1/CDK7、CDK2/CDK7、およびCDK5/CDK7の選択性データも示す。選択性を、CDK1/CDK7*、CDK2/CDK7**、およびCDK5/CDK7***として以下の記号解説と共に表示する:A=500倍超;B=500倍未満であるが、50倍超;C=50倍未満。
【0070】
表2は、選択した本発明の化合物についてのH460細胞生存度アッセイの活性データを示す。阻害を、IC50として以下の記号解説と共に表示する:A=1uM未満のIC50;B=1uM超であるが、10uM未満のIC50;C=10uM超のIC50。
【0071】
表3は、選択した本発明の化合物についてのMV4-11細胞生存度アッセイの活性データを示す。阻害を、IC50として以下の記号解説と共に表示する:A=1uM未満のIC50;B=1uM超であるが、10uM未満のIC50;C=10uM超のIC50。
【0072】
表4は、選択した本発明の化合物についてのA2780生存度アッセイの活性データを示す。阻害を、IC50として以下の記号解説と共に表示する:A=1uM未満のIC50;B=1uM超であるが、10uM未満のIC50;C=10uM超のIC50。
【0073】
表5は、選択した本発明の化合物についてのOVCAR-3生存度アッセイの活性データを示す。阻害を、IC50として以下の記号解説と共に表示する:A=1uM未満のIC50;B=1uM超であるが、10uM未満のIC50;C=10uM超のIC50。
【0074】
表6は、化合物1~88を、それらの構造および対応する特徴に関してまとめている。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
一般式I
【化66】
を有する化合物、もしくは前記化合物の鏡像異性体、立体異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ラセミ体、またはその薬学的に許容され得る塩であって、式中、
Xは、各存在において独立して、CHおよびNから選択され;
Qは、存在しないか、または独立して、各存在において、-NH-、-NH(CH
2)-、-NH(CH
2)
2-、-NH(C=O)-、-NHSO
2-、-O-、-O(CH
2)-、-(C=O)-、-(C=O)NH-、および-(C=O)(CH
2)-からなる群から選択され;
Yは、各存在において独立して、C3~C8シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、およびC1~C6アルキルからなる群から選択され、ここで、C1~C6アルキルは、-OR
5、-N(R
5)R
5、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのうちの1つまたは2つで置換されており、
C3~C8シクロアルキルは、R
3、R
4、および-(C=O)R
5のうちの1つまたは2つで置換され得、
ヘテロシクリルは、R
3、R
4、および-(C=O)R
5のうちの1つまたは2つで置換され得、
アリールまたはヘテロアリールは、R
3、C1~C6アルキル、-OR
5、-N(R
5)R
5、-(C=O)R
5、ハロゲン、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのうちの1つまたは2つで置換され得、
R
1は、各存在において、水素およびメチルからなる群から独立して選択され;
R
2は、各存在において、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、-CN、-(C=O)CH
3、およびC1~C3ハロアルキル[これらのいずれも必要に応じて置換される]からなる群から独立して選択され;
R
3は、存在しないか、または独立して、各存在において、水素、-OR
5、ハロゲン、-N(R
5)R
5、-NH(C=O)R
5、-(C=O)NH
2、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
4は、独立して、各存在において、水素、ハロゲン、-OR
5、-N(R
5)R
5、(=O)、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
5は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C3ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル;ハロゲン、-OR
11、-N(R
11)R
11、C1~C6アルキル、および-OH、-NH
2で置換されたC1~C6アルキルのうちの1つまたは2つで置換されたヘテロアリール;ハロゲン、-OR
11、-N(R
11)R
11、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルのうちの1つまたは2つで置換されたヘテロシクリルからなる群から独立して選択され;
Zは、以下のA群:
【化67】
[式中、n=1、2、または3であり;m=1、または2である]
の任意の構造であり;
R
6およびR
7は、各存在において、水素、-NH(C=O)R
14、-NHR
14、-OR
14、および以下のB群の任意の構造からなる群から独立して選択され、
但し、Zが
【化68】
である場合、R
6およびR
7のうちの1つはHではなく;
【化69】
ここで、oは、各存在において独立して、1、2、および3から選択され;
Wは、以下のC群:
【化70】
の任意の構造であり、
Lは、存在しないか、各存在において、-O-および-NH-からなる群から独立して選択され;
ここで、nは、各存在において独立して、1、2、および3から選択され;
R
8、R
9、およびR
10は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-OR
5、-CN、および-OH、-OR
5、または-NHR
5で置換されたC1~C6アルキルからなる群から独立して選択され;
R
11は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
R
12は、各存在において、水素および上記定義のWから独立して選択され;
ここで、R
11がWである場合、R
12は水素であり;
R
13は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、-CN、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
13がWである場合、R
12は水素であり;
R
14は、D群:
【化71】
の任意の構造であり;
R
15は、各存在において、水素および上記定義のWから独立して選択され;
R
16は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、-CN、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
16がWである場合、R
12は水素であり;
R
17は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、およびC1~C3ハロアルキルからなる群から独立して選択され;
R
18は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、および-CNからなる群から独立して選択され;
R
19は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
19がWである場合、R
15は水素であり;
R
20およびR
21は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-OR
5、ヘテロシクリル、および-CNからなる群から独立して選択され;
R
22は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、-N(R
5)
2、-NR
19R
20、-NR
19CH
2(CO)NH
2、ヘテロシクリル、-OR
5、および-CNからなる群から独立して選択される、
化合物、もしくは前記化合物の鏡像異性体、立体異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ラセミ体、またはその薬学的に許容され得る塩。
(項目2)
一般式Ia
【化72】
式中、
Xは、各存在において独立して、CHおよびNから選択され;
Y
1は、独立して、各存在において、CH、C(OH)およびNから選択され;
Y
2は、独立して、各存在において、CH、C(OH)およびNから選択され;
Qは、存在しないか、または各存在において、独立して、-NH-、-NH(CH
2)-、-NH(C=O)-、-NHSO
2-、-O-、-O(CH
2)-、-(C=O)-および-(C=O)(CH
2)-からなる群から選択され;
R
1は、各存在において、水素およびメチルからなる群から独立して選択され;
R
2は、各存在において、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、-CN、-(C=O)CH
3、およびC1~C3ハロアルキル[これらのいずれも必要に応じて置換される]からなる群から独立して選択され;
R
3は、各存在において、独立して、水素、-OH、ハロゲン、-N(R
5)
2、-NH(C=O)R
5、-(C=O)NH
2、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
4は、各存在において、存在しないか、または独立して、水素、ハロゲン、-OH、-OR
5、-NH
2、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
5は、各存在において、水素、C1~C6アルキルおよびC1~C3ハロアルキルからなる群から独立して選択され;
Zは、以下のA群:
【化73】
[式中、n=1、2、または3であり;m=1、または2である]
の任意の構造であり;
R
6およびR
7は、各存在において、水素、-NH(C=O)R
14、-NHR
14、-OR
14、および以下のB群の任意の構造からなる群から独立して選択され、
但し、Zが
【化74】
である場合、R
6およびR
7のうちの1つはHではなく;
【化75】
ここで、oは、1、2または3であり;
Wは、以下のC群:
【化76】
の任意の構造であり、
Lは、存在しないか、各存在において、-O-および-NH-からなる群から独立して選択され;
R
8、R
9、およびR
10は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-OR
5、-CN、および-OH、-OR
5、または-NHR
5で置換されたC1~C6アルキルからなる群から独立して選択され;
R
11は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
R
12は、各存在において、水素および上記定義のWから独立して選択され;
ここで、R
11がWである場合、R
12は水素であり;
R
13は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、-CN、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
13がWである場合、R
12は水素であり;
R
14は、D群:
【化77】
の任意の構造であり;
R
15は、各存在において、水素および上記定義のWから独立して選択され;
R
16は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、-CN、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
16がWである場合、R
12は水素であり;
R
17は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、およびC1~C3ハロアルキルからなる群から独立して選択され;
R
18は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-NH
2、-OR
5、および-CNからなる群から独立して選択され;
R
19は、各存在において、水素、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、および上記定義のWからなる群から独立して選択され;
ここで、R
19がWである場合、R
15は水素であり;
R
20およびR
21は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3ハロアルキル、-OR
5、複素環、および-CNからなる群から独立して選択され;
R
22は、各存在において、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C10シクロアルキル、-N(R
5)
2、-NR
19R
20、複素環、-OR
5、および-CNからなる群から独立して選択される、
項目1に記載の化合物、もしくは前記化合物の鏡像異性体、立体異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ラセミ体、またはその薬学的に許容され得る塩。
(項目3)
Z、R
6、R
7、R
11、R
12、R
13、R
15、R
16、およびR
19のうちの少なくとも1つが、項目1に定義のWであるか、項目1に定義のWを含む構造である、項目1または2に記載の化合物。
(項目4)
Z、R
6、R
7、R
11、R
12、R
13、R
15、R
16、およびR
19のうちの正確に1つが、項目1に定義のWであるか、項目1に定義のWを含む構造である、項目1~3のいずれかに記載の化合物。
(項目5)
R
1は水素であり、前記化合物は、一般式II
【化78】
を有し、式中、X、Y、Z、R
2、およびQは、項目1に定義の通りである、項目1に記載の化合物。
(項目6)
一般式III
【化79】
を有し、式中、X、Z、R
2、およびQは、項目1に定義の通りであり、
Y
aは、存在しないか、または独立して、各存在において、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル;C1~C6アルキル、-OR
5、-N(R
5)R
5、およびハロゲンのうちの1つまたは2つで置換されたアリール;C1~C6アルキル、-OR
5、-N(R
5)R
5、およびハロゲンのうちの1つまたは2つで置換されたヘテロアリール;R
23およびR
24のうちの1つまたは2つで置換されたヘテロシクリルからなる群から選択され;
R
23は、存在しないか、または独立して、各存在において、水素、-OR
5、ハロゲン、-N(R
5)R
5、-NH(C=O)R
5、-(C=O)NH
2、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
R
24は、独立して、各存在において、水素、ハロゲン、-OR
5、-N(R
5)R
5、(=O)、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
ここで、R
5は項目1に定義の通りであり;
L
1は、存在しないか、または独立して、各存在において、-NH-、-NH(CH
2)-、-NH(C=O)-、-NHSO
2-、-O-、-O(CH
2)-、-(C=O)-、-(C=O)NH-、および-(C=O)(CH
2)-からなる群から選択され;
Y
1は、各存在において独立して、CH、C(OH)、およびNから選択され;
Y
2は、各存在において独立して、CH、C(OH)、O、およびNから選択され;
qは、各存在において独立して、0、1、および2から選択され;
rは、各存在において独立して、0、1、2、および3から選択される、項目1および3のいずれかに記載の化合物。
(項目7)
ZはZ
1であり、Z
1は、以下のE群:
【化80】
の任意の構造であり;
式中、mは、各存在において独立して、1および2から選択され;
nは、項目1に定義の通りであり;
R
8、R
9、R
12、およびR
13は、項目1に定義の通りであり;
R
6は、項目1に定義のB群の任意の構造である、項目1~6のいずれかに記載の化合物。
(項目8)
Zは、
【化81】
であり、
pは、各存在において独立して、0、1、2、および3から選択され;
X
1は、各存在において独立して、CR
8およびNから選択され;
R
6は、項目1に定義のB群の任意の構造であり;
R
8は、項目1に定義の通りである、項目1~6のいずれかに記載の化合物。
(項目9)
Zは
【化82】
であるか、またはZは
【化83】
であり、
式中、R
6~R
8は、項目1に定義の通りである、前記項目のいずれかに記載の化合物。
(項目10)
Zは
【化84】
であり、
式中、R
6およびR
10は、項目1に定義の通りである、前記項目のいずれかに記載の化合物。
(項目11)
一般式IV
【化85】
を有し、
式中、X、X
1、R
6、R
8、およびQは、項目1に定義の通りであり、
X
1は、項目8に定義の通りであり;
ここで、Y
bは、以下のF群:
【化86】
の任意の構造であり;
R
26およびR
27は、存在しないか、または独立して、各存在において、水素、-OR
5、ハロゲン、-N(R
5)R
5、-NH(C=O)R
5、-(C=O)NH
2、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C1~C6アルキル、および-OHまたは-NH
2で置換されたC1~C6アルキルからなる群から選択され;
ここで、R
5は、項目1に定義の通りである、前記項目のいずれかに記載の化合物。
(項目12)
R
2はC1~C6アルキルである、前記項目のいずれかに記載の化合物。
(項目13)
表6中に定義の構造1~88から選択される構造を有する、前記項目のいずれかに記載の化合物。
(項目14)
活性成分としての項目1~13のいずれかに記載の化合物を、少なくとも1つの薬学的に許容され得るキャリア、賦形剤、および/または希釈剤と共に含む薬学的組成物。
(項目15)
薬学的に活性な剤が、好ましくは、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)に対する阻害活性を有する、薬学的に活性な剤としての使用のための項目1~13に記載の化合物。
(項目16)
1種または数種のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)、特に、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の異所の活性および/または過剰発現によるアポトーシスの阻害、異常な転写活性、および/または細胞周期停止に関連する疾患であって、前記疾患が、増殖性疾患、日和見疾患が含まれる感染性疾患、免疫学的疾患、自己免疫疾患、および炎症性疾患から選択される、疾患を予防および/または処置する方法における使用のための項目1~13のいずれか1項に記載の化合物。
(項目17)
前記増殖性疾患が、がん、好ましくは、腺癌、脈絡膜黒色腫、急性白血病、聴神経鞘腫、膨大部癌、肛門癌、星状細胞腫、基底細胞癌、膵臓がん、デスモイド腫瘍、膀胱がん、気管支癌、エストロゲン依存性および非依存性の乳がん、バーキットリンパ腫、体がん、原発不明癌腫(CUP症候群)、結腸直腸がん、小腸がん、小腸腫瘍、卵巣がん、子宮内膜癌、上衣腫、上皮がん型、ユーイング腫瘍、消化管腫瘍、胃のがん(gastric cancer)、胆嚢がん、胆嚢癌、子宮がん、子宮頸がん、頸部、膠芽細胞腫、婦人科腫瘍、耳鼻咽頭科腫瘍、血液学的腫瘍、毛様細胞白血病、尿道がん、皮膚がん、皮膚精巣がん、脳腫瘍(神経膠腫)、脳転移、睾丸がん、下垂体腫瘍、カルチノイド、カポジ肉腫、喉頭がん、胚細胞腫瘍、骨がん、結腸直腸癌、頭頸部腫瘍(耳、鼻、および咽頭領域の腫瘍)、結腸癌、頭蓋咽頭腫、口腔がん(oral cancer)(口腔内および唇上のがん)、中枢神経系のがん、肝臓がん、肝転移、白血病、眼瞼腫瘍、肺がん、リンパ腫、胃がん(stomach cancer)、悪性黒色腫、悪性新形成、消化管の悪性腫瘍、乳癌、直腸がん、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、ホジキン/非ホジキンリンパ腫、菌状息肉腫、鼻腔がん、神経鞘腫、神経芽細胞腫、腎臓がん、腎細胞癌、乏突起膠腫、食道癌、溶骨性癌および骨形成性癌、骨肉腫、卵巣癌、膵癌、陰茎がん、プラズマ細胞腫、前立腺がん、咽頭がん、直腸癌、網膜芽細胞腫、膣がん、甲状腺癌、食道がん、T細胞リンパ腫、胸腺腫、管癌、眼腫瘍、尿道がん、泌尿器腫瘍、尿路上皮癌、外陰がん、疣贅出現、軟部組織腫瘍、軟部組織肉腫、腎芽腫、子宮頸癌、舌がん、浸潤性腺管癌腫、浸潤性小葉癌、腺管上皮内癌、上皮内小葉癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、気管支腺腫、胸膜肺芽腫、中皮腫、脳幹部神経膠腫、視床下部神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、神経外胚葉性腫瘍、松果体部腫瘍、子宮の肉腫、唾液腺がん、肛門腺腺癌、肥満細胞腫瘍、骨盤腫瘍、尿管腫瘍、遺伝性乳頭状腎がん、散発性乳頭状腎がん、眼内黒色腫、肝細胞癌、胆管癌、混合型肝細胞胆管癌、扁平上皮癌、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がん、非黒色腫皮膚がん、下咽頭がん、上咽頭がん、中咽頭がん、口腔のがん(oral cavity
cancer)、扁平上皮がん、口腔黒色腫、AIDS関連リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、中枢神経系のリンパ腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、横紋筋肉腫、悪性組織球増殖症、線維芽細胞性肉腫、血管肉腫、血管周囲細胞腫、平滑筋肉腫(LMS)、イヌ乳房癌腫、およびネコ乳房癌腫を含むか、これらからなる群から選択されるがんである、項目16に記載の使用のための化合物。
(項目18)
前記日和見疾患が含まれる感染性疾患が、AIDS、アデノウイルス感染、多包虫症(AHD)、アメーバ症、広東住血線虫症、アニサキス症、炭疽、バベシア症、バランチジウム症、バイリスアスカリス感染、ビルハルツ(住血吸虫症)、ブラストシスチスホミニス(Blastocystis hominis)感染、ライムボレリア症、ボツリヌス中毒、ブレーナード下痢、ブルセラ症、ウシ海綿状脳症(BSE)、カンジダ症、毛頭虫症、慢性疲労症候群(CFS)、シャーガス病、水疱、クラミジアニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)感染、コレラ、慢性疲労症候群、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、肝吸虫症、皮膚幼虫移行症(CLM)、コクシジオイデス症、結膜炎、コクサッキーウイルスA16(CoxA16)、クリプトコッカス疾患、クリプトスポリジウム症、ウエストナイル熱、サイクロスポラ症、神経嚢虫症、サイトメガロウイルス感染、デング熱、瓜実条虫(Dipylidium caninum)感染、エボラ出血熱(EHF)、多包性エキノコックス症(AE)、脳炎、大腸アメーバ(Entamoeba coli)感染、エントアメーバ・ディスパー(Entamoeba dispar)感染、ハルトマンアメーバ(Entamoeba hartmanni)感染、エントアメーバポレッキ(Entamoeba polecki)感染、蟯虫感染、エンテロウイルス感染(ポリオ/非ポリオ)、エプスタイン・バーウイルス感染、大腸菌感染、食物媒介感染、口蹄疫、真菌性皮膚炎、真菌感染、胃腸炎、A群レンサ球菌疾患、B群レンサ球菌疾患、ハンセン病(癩病)、ハンタウイルス肺症候群、アタマジラミ外寄生(シラミ寄生症)、ヘリコバクターピロリ感染、血液疾患、ヘンドラウイルス感染、肝炎(HCV、HBV)、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、HIV感染、ヒトエールリヒア症、ヒトパラインフルエンザウイルス感染、インフルエンザ、イソスポーラ症、ラッサ熱、リーシュマニア症、内蔵リーシュマニア症(VL)、マラリア、マールブルグ出血熱、麻疹、髄膜炎、マイコバクテリウム・アビウム複合体(MAC)感染、ネグレリア感染、院内感染、非病原性腸アメーバ感染、オンコセルカ症、オピストルキス症、パピローマウイルス感染、パルボウイルス感染、ペスト、ニューモシスチス肺炎(PCP)、ポリオーマウイルス感染、Q熱、狂犬病、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染、リウマチ熱、リフトバレー熱、ロタウイルス感染、回虫感染、サルモネラ症、疥癬、細菌性赤痢、帯状ヘルペス、眠り病、天然痘、レンサ球菌感染、条虫感染、破傷風、中毒性ショック症候群、結核、十二指腸、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)感染、ビブリオ敗血、ウイルス性出血熱、疣贅、水系感染性疾患、水痘帯状疱疹ウイルス感染、百日咳、および黄熱病を含むか、これらからなる群から選択される、項目16に記載の使用のための化合物。
(項目19)
前記免疫学的疾患および/または自己免疫疾患が、喘息、糖尿病、リウマチ性疾患、AIDS、移植した臓器および組織の拒絶、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、潰瘍性大腸炎、副鼻腔炎、エリテマトーデス、反復性感染、アトピー性皮膚炎/湿疹および職業性アレルギー、食物アレルギー、薬物アレルギー、重症アナフィラキシー反応、アナフィラキシー、アレルギー疾患の発現、原発性免疫不全、抗体欠損状態、細胞媒介免疫不全、重症複合型免疫不全、ディジョージ症候群、高IgE症候群(HIES)、ヴィスコット・オールドリッチ症候群(WAS)、毛細管拡張性失調症、免疫介在性のがん、白血球欠損、自己免疫疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、免疫介在性または1型の真性糖尿病、免疫介在性糸球体腎炎、強皮症、悪性貧血、脱毛症、天疱瘡、尋常性天疱瘡、重症筋無力症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、自己免疫性甲状腺疾患、橋本病、皮膚筋炎、グッドパスチャー症候群(GPS)、重症筋無力症(MG)、交感性眼炎、水晶体起因性ブドウ膜炎(Phakogene Uveitis)、慢性侵襲性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性溶血性貧血、およびヴェルホーフ病を含むか、これらからなる群から選択される、項目16に記載の使用のための化合物。
(項目20)
前記炎症性疾患が、細菌、ウイルス、プリオン、寄生虫、真菌に起因し、誘導され、開始され、そして/または増強され、そして/または刺激因子、外傷性因子、代謝性因子、アレルギー性因子、自己免疫因子、または特発性因子に原因する、項目16に記載の使用のための化合物。
(項目21)
前記炎症性疾患が、中枢神経系(CNS)の炎症性疾患、炎症性リウマチ性疾患、血管の炎症性疾患、中耳の炎症性疾患、炎症性腸疾患、皮膚の炎症性疾患、炎症性ブドウ膜炎、および喉頭の炎症性疾患を含むか、これらからなる群から選択される、項目16または20に記載の使用のための化合物。
(項目22)
前記炎症性疾患が、中枢神経系(CNS)の炎症性疾患、炎症性リウマチ性疾患、血管の炎症性疾患、中耳の炎症性疾患、炎症性腸疾患、皮膚の炎症性疾患、炎症性ブドウ膜炎、喉頭の炎症性疾患から選択され、好ましくは、前記炎症性疾患が、膿瘍形成、アカントアメーバ感染、尋常性ざ瘡、放線菌症、急性炎症性皮膚疾患、急性成人喉頭感染、急性多発性斑状色素上皮症、急性(熱)傷、急性網膜壊死、急性化膿性中耳炎、藻類ウイルス障害(algal disorder)、アレルギー性接触皮膚炎、アミロイド症血管浮腫、強直性脊椎炎、アスペルギルス症、アトピー性皮膚炎、偽性狂犬病、脈管炎内の自己抗体、細菌性障害、細菌性喉頭炎、細菌性髄膜炎、ベーチェット病(BD)、バードショット脈絡膜症、ギルクリスト病、ボルナ病、ブルセラ症、水疱性鼓膜炎、滑液包炎、カンジダ症、イヌジステンパー脳脊髄炎、幼若動物のイヌジステンパー脳脊髄炎、イヌ出血熱、イヌヘルペスウイルス脳脊髄炎、コレステリン腫、慢性肉芽腫性疾患(CGD)、慢性炎症性皮膚疾患、慢性再発性脳脊髄炎、慢性化膿性中耳炎、眼瘢痕性類天疱瘡(OCP)、よく見られる上気道感染、肉芽腫、クローン病、クリプトコッカス疾患、皮膚筋炎、ジフテリア、円板状エリテマトーデス(DLE)、薬物性脈管炎、薬物反応または過敏反応、エンセファリトゾーン症、好酸球性髄膜脳炎、多形性紅斑(EM)、ネコ白血病ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ伝染性腹膜炎、ネコ灰白脳炎、ネコ海綿状脳症、線維筋痛、フックス虹彩異色性ブドウ膜炎、胃食道(喉頭咽頭)逆流性疾患、巨細胞動脈炎、鼻疽、緑内障毛様体炎発症、淋菌性肉芽性鼓膜炎(gonorrhea granular myringitis)、肉芽腫性髄膜脳炎(GME)、単純ヘルペス、ヒストプラスマ症、特発性疾患、特発性炎症性障害、免疫障害および特発性障害、免疫不全宿主の感染、イヌ伝染性肝炎、吸入喉頭炎、間質性腎炎、刺激性接触皮膚炎、若年性関節リウマチ、川崎病、ラクロスウイルス脳炎、喉頭膿瘍、喉頭気管気管支炎、リーシュマニア症、水晶体原性ブドウ膜炎、癩病、レプトスピラ症、白血病、扁平苔癬、狼瘡、リンパ腫、髄膜炎、グレイハウンドの髄膜脳炎、種々の髄膜炎/髄膜脳炎、顕微鏡的多発血管炎、多病巣性脈絡膜炎、成熟動物における多病巣性ジステンパー脳脊髄炎、多発性硬化症、筋緊張性発声障害(MTD)、真菌症(真菌性疾患)、CNSの真菌症、壊死性脳炎、ネオスポラ症、老犬脳炎、オンコセルカ症、寄生虫脳脊髄炎、寄生虫感染、毛様体扁平部炎、パルボウイルス脳炎、小児喉頭炎、汚染および吸入剤のアレルギー、多発性筋炎、ワクチン後イヌジステンパー脳炎、プリオンタンパク質誘発性疾患、プロトテコーシス、原生動物脳炎-脳脊髄炎、乾癬、乾癬性関節炎、パグ脳炎、放射線傷害、放射線喉頭炎、放射線壊死、再発性多発性軟骨炎、ライター症候群、網膜色素変性、網膜芽細胞腫、関節リウマチ、リケッチア障害、ロッキー山紅斑熱、サケ中毒性疾患(SPD)、肉胞子虫症、サルコイドーシス、住血吸虫症、強皮症、鼻硬化症、地図状脈絡膜炎、シェーカードッグ病、シェーグレン症候群、痙性クループ、スピロヘータ(梅毒)病、海綿状皮膚炎、スポロトリクム症、ステロイド反応性髄膜炎-動脈炎、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS、多形紅斑重症型)、喉頭蓋炎、交感性眼炎、シンガムス症、梅毒、サルコイドーシスにおける全身性血管炎、高安動脈炎、腱炎(tendinitis)(腱炎(tendonitis))、閉塞性血栓脈管炎(バーガー病)、イヌにおけるダニ媒介性脳炎、中毒性表皮壊死症(TEN)、トキソカラ症、トキソプラズマ症、外傷、外傷性喉頭炎、旋毛虫症、トリパノソーマ症、結核、野兎病、潰瘍性大腸炎、蕁麻疹(じんま疹)、脈管炎、脈管炎と悪性疾患の合併症、脈管炎と関節リウマチの合併症、特発性炎症性筋疾患における脈管炎、中枢神経系の脈管炎、細菌、真菌、および寄生虫の感染に続発する脈管炎、ウイルス性障害、ウイルス性喉頭炎、白斑、声帯乱用、声帯出血、フォークト・小柳・原田症候群(VKH)、ウェゲナー肉芽腫症、およびホイップル病を含む群から選択される、項目16、20、または21のいずれかに記載の使用のための化合物。
【実施例0075】
本発明を、ここに、以下の実施例を参照してさらに説明するが、実施例は本発明を例示することが意図されるものであり、本発明の範囲の制限を意図するものでない。
【0076】
実施例1:CDK1、CDK2、CDK5、およびCDK7の酵素アッセイ
CDK1、CDK2、CDK5、およびCDK7の酵素結合アッセイのプロトコール
ATPのKm値でのCDKキナーゼに対する各化合物の阻害活性を、ULight(商標)標識ペプチド基質および適切なユウロピウム標識抗ホスホ抗体を使用するFRETベースのLANCE(登録商標)ウルトラキナーゼアッセイ(Perkin Elmer)において試験した。DMSO溶液を用いて試験化合物を作製し、次いで、8用量の4倍系列希釈物を、自動リキッドハンドラー(POD(商標)810,Labcyte)を使用して調製し、80nL/ウェルの希釈化合物溶液を384ウェルプレート(Greiner,カタログ番号784075)に添加した。次いで、68nMのULight-MBPペプチド(Perkin Elmer,カタログ番号TRF0109-M)および5ul/ウェルのATP(Sigma,カタログ番号A7699)をプレートに添加した。1000rpmで1分間の遠心分離後、精製したCDK/サイクリン複合体を、以下の濃度でそれぞれ添加した。24uMのCDK1/サイクリンB(Invitrogen,カタログ番号PR4768C)、22uMのCDK2/サイクリンA(Invitrogen,カタログ番号PV6290)、10uMのCDK5/p25(Invitrogen,カタログ番号PR8543B)、および400uMのCDK7/サイクリンH/MNAT1(Invitrogen,カタログ番号PR6749B)を、CDK1、CDK2、CDK5、およびCDK7の各対応プレートに添加した。23℃で60分間インキュベートし、次いで、Lance Detection Buffer(Perkin Elmer,カタログ番号CR97100)中のEu標識抗ホスホ-ミエリン塩基性タンパク質(PE,カタログ番号TRF0201-M)とEDTA(Invitrogen,カタログ番号15575038)の混合物を、各ウェルに添加した。23℃で60分間のさらなるインキュベーション後、被験物質の蛍光を、Envision leader(Perkin Elmer,USA)[励起光としてレーザーを使用;APC 615nmおよびユウロピウム665を第1および第2の発光フィルターとして使用]を使用して測定した。データを、XL Fitソフトウェアを使用して解析した。
【0077】
実施例2:H460、MV4-11、A2780、およびOVCAR-3の細胞生存度アッセイ
細胞培養
ヒトT細胞急性リンパ芽球性白血病細胞株MV4-11(ATCC,カタログ番号CRL-9591)、NSCLC(非小細胞肺がん)細胞株H460(ATCC,カタログ番号HTB-177)、A2780(ECACC,カタログ番号93112519)、およびOVCAR-3(ATCC,カタログ番号HTB-161)を、ATCCから入手した。細胞を、10%FBS(Invitrogen,カタログ番号10099141)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen,カタログ番号15070063)を補充したRPMI-1640培地(Invitrogen,カタログ番号22400-089)中で成長させ、加湿チャンバー中にて37℃、5%CO2で培養した。全ての細胞株を、マイコプラズマについて慣用的に試験した。
【0078】
H460、MV4-11、A2780、およびOVCAR-3の細胞生存度アッセイのプロトコール
CDK7インヒビターが標的がん細胞の成長を阻害する効果について、72時間の生存度アッセイを行った。簡潔に述べれば、候補細胞株を、それぞれ以下の細胞密度で96ウェルプレートにプレートした。MV4-11については1×104細胞/ウェル、H460およびOVCAR-3については5×103、ならびにA2780については1×103。24時間後、細胞を、種々の濃度(0.0015uMから10uMまでの範囲)の化合物で処置した。化合物を含まないDMSO溶媒をコントロールとし、最終DMSO濃度は0.1%未満であった。37℃、5%CO2のインキュベーターで72時間のインキュベーション後、細胞を、CellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega,カタログ番号G7570)を使用して生存度について分析した。全ての生存度アッセイを二連で行い、発光を、Envision(Perkin Elmer,USA)を使用して読み取った。データを、XLfitソフトウェアを使用して解析した。
【0079】
実施例3:ピラゾロ-トリアジン一般骨格の誘導体化
本発明の化合物を、以下に概説した方法(スキーム1~37)にしたがって誘導体化した。得られた誘導体を、上記アッセイ(実施例1および2)を使用して酵素結合および細胞活性(H460、MV4-11、A2780、およびOVCAR-3)について試験した。それらの結果を表1~5にまとめている。合成した化合物1~88を表6に示す。
スキーム1:一般的合成経路1
【化29】
【0080】
式I-2、II-3、およびIII-4の化合物を調製する方法を、スキーム1に示した。
【0081】
経路I:化合物G10をDIPEAの存在下にてA群で処理して、化合物I-1を得ることができる。化合物I-2をHBr/AcOHで処理して、式I-2の化合物を得ることができる。
【0082】
経路II:化合物G10をDIPEAの存在下にてB群で処理して、化合物II-1を得ることができる。化合物II-1をDIPEAおよび塩化アシルの存在下にて請求項1に定義されているC群で処理して、化合物II-2を得ることができる。化合物II-2をHBr/AcOHで処理して、式II-3の化合物を得ることができる。
【0083】
経路III:化合物G10をDIPEAの存在下にてD群で処理して、化合物III-1を得ることができる。化合物III-1をTFAで処理して、化合物III-2を得ることができる。化合物III-2をDIPEAおよび塩化アシルの存在下にて請求項1で定義されたC群で処理して、化合物III-3を得ることができる。化合物III-3をHBr/AcOHで処理して、式III-4の化合物を得ることができる。
【0084】
A群の一般的スキーム
スキーム2:A7のための合成経路
【化30】
A3の合成のための手順
化合物A2(2.64g)、DIPEA(3.07g、23.7mmol)を含むDCM(40.0mL)の溶液に、3-ニトロベンゾイルクロリドA1(2.20g、粗製)を0℃で添加した。反応混合物を、N
2雰囲気下にて10℃で16時間撹拌した。TLCは、新規のスポットが形成されたことを示した。反応溶液を水(10mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物A3(1.96g)をオフホワイト色粉末として得た。
【0085】
A4の合成のための手順
化合物A3(1.76g)を含むMeOH(40.0mL)の溶液に、Zn粉末(3.10g、47.40mmol)およびNH4Cl(2.54g、47.4mmol)を添加した。反応混合物を10℃で1時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(20mL)に注ぎ、EtOAc(10mL×2)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物A4(875mg)を褐色ゴム状物質として得た。
【0086】
A6の合成のための手順
化合物A4(775mg、2.27mmol)およびDIPEA(601mg、4.65mmol)を含む無水THF(10mL)の溶液に、化合物A5(500mg、2.72mmol)を含む無水THF(1.0mL)の溶液を15℃で滴下により添加した。15℃で10分間の撹拌後、ジメチルアミン(THF中2M、7.57mL)を添加した。反応溶液を15℃で20分間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を水(10mL)に注ぎ、次いで、EtOAc(10mL×2)で抽出した。有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を褐色ゴム状物質として得た。粗生成物をCombi
flash(登録商標)によって精製して、化合物A6(337mg)を薄褐色ゴム状物質として得た。
【0087】
A7の合成のための手順
化合物A6(168mg)を含むDCM(2mL)の溶液に、TFA(500uL)を添加した。反応溶液を10℃で2時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、DCM(10mL)と飽和NaHCO3水溶液(10mL)との間で分配した。有機層および水層を減圧下で濃縮して、130mgの粗化合物A7を得た。粗生成物をさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0088】
スキーム3:A16およびA18のための合成経路
【化31】
A10の合成のための手順
化合物A8(2.80g、12.5mmol)を含む無水DCM(100mL)の溶液に、化合物A9(3.65g、18.8mmol)、Cu(OAc)
2(3.42g、18.8mmol)、およびTEA(3.81g、37.6mmol、5.22mL)を添加した。反応混合物を15℃で1日間撹拌した。TLCは、化合物A13が消費されたことを示した。反応混合物を濾過した。濾液を水(20mL)で洗浄し、減圧下で濃縮して、薄褐色ゴム状物質を得た。粗ゴム状物質をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物A10(629mg)を白色粉末として得た。
【0089】
A11の合成のための手順
化合物A10(625mg、1.68mmol)を含むMeOH(6mL)の溶液に、NaOH(1M、3.36mL)を添加した。反応混合物を15℃で17時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水(5mL)に溶解し、HCl水溶液(1M、3.40mL)によって中和し、DCM(10mL×2)で抽出した。有機層を水(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物A11(483mg)を白色粉末として得た。
【0090】
A12の合成のための手順
化合物A11(383mg、1.12mmol)、ベンジルアルコール(969mg、8.96mmol、931.67uL)、TEA(453mg、4.48mmol、621uL)を含むジオキサン(10mL)の溶液に、DPPA(339mg、1.23mmol、267uL)を添加した。反応溶液を2時間加熱還流した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を、水(30mL)とDCM(30mL)との間で分配した。有機層を水(10mL×2)、ブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、残渣を得た。粗生成物をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物A12(1.20g、粗製)を無色油状物質として得た。粗生成物をさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0091】
A13の合成のための手順
化合物A12(1.10g、粗製)を含むMeOH(50mL)の溶液に、Pd/C(100mg、50%湿式、10%Pd)を添加した。反応混合物を真空下で脱気してH2でパージすることを3回行い、次いで、H2雰囲気下(15psi)にて15℃で16時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をCeliteのパッドで濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物A13(210mg)を無色油状物質として得た。
【0092】
A15の合成のための手順
化合物A13(140mg、0.445mmol)、TEA(64mg、0.63mmol)を含むDCM(2mL)の溶液に、アクリルクロリドA14(61.0mg、0.674mmol)を20℃で滴下により添加した。反応溶液をN2雰囲気下にて20℃で2時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応を水(5mL)でクエンチし、DCM(10mL×2)で抽出した。合わせた抽出物を水(5mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を褐色ゴム状物質として得た。粗生成物をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物A15(131mg)を褐色ゴム状物質として得た。
【0093】
A16の合成のための手順
化合物A15(130mg)でA7と同一の手順に従って、90mgの化合物A16を褐色ゴム状物質として得た。
【0094】
A17の合成のための手順
化合物A13(210mg、0.668mmol)およびDIPEA(177mg、1.37mmol)を含む無水THF(5mL)の溶液に、化合物A5(147mg、0.801mmol)を含む無水THF(1.0mL)の溶液を15℃で滴下により添加した。15℃で30分間の撹拌後、LCMSは所望の生成物を示した。反応混合物を水(10mL)に注ぎ、次いで、DCM(10mL×2)で抽出した。有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を褐色ゴム状物質として得た。粗生成物をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物A17(183mg)を薄褐色ゴム状物質として得た。
【0095】
A18の合成のための手順
化合物A17(180mg)でA7と同一の手順に従って、133mgの化合物A18を褐色ゴム状物質として得た。
【0096】
スキーム4:A23のための合成経路
【化32】
21の合成のための手順
化合物A20(300mg、1.68mmol)および化合物A19(506mg、2.02mmol)を含むジオキサン(5mL)およびH
2O(1mL)の溶液に、Cs
2CO
3(547mg、1.68mmol)、Pd(dppf)Cl
2(123mg、0.168mmol)をN
2下で添加した。得られた混合物を100℃で加熱し、1.5時間撹拌して黒色懸濁液を得た。LCMSおよびTLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をH
2O(50mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をcombi flash(登録商標)によって精製して、化合物A21(240mg)を黄色固体として得た。
【0097】
A22の合成のための手順
化合物A21(408mg)でA6と同一の手順に従って、184mgの化合物A22を黄色油状物質として得た。
【0098】
A23の合成のための手順
化合物A22(184mg)でA7と同一の手順に従って、160mgの化合物A23を黄色油状物質として得た。
【0099】
B群の一般的スキーム
スキーム5:B4のための一般的合成経路
【化33】
B3の合成のための手順
化合物B1(2.48g、8.66mmol)、化合物B2(1.00g、7.87mmol)、ピリジン-2-カルボン酸(194mg、1.57mmol)、およびK
3PO
4(3.34g、15.7mmol)を含むDMSO(15mL)の溶液に、CuI(150mg、0.787mmol)を添加し、混合物をN
2で3回パージし、90℃で17時間撹拌して、暗色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(100mL×2)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(30mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物B3(860mg)を薄黄色油状物質として得た。
【0100】
B4の合成のための手順
化合物B3(860mg、2.59mmol)を含むDCM(7mL)の溶液にTFA(3mL)を添加し、反応混合物をN2下にて25℃で1時間撹拌して、褐色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、化合物B4(800mg)を褐色油状物質として得た。
【0101】
スキーム6:B7のための一般的合成経路
【化34】
B6の合成のための手順
化合物B5(4.00g、25.2mmol)およびCs
2CO
3(16.4g、50.5mmol)を含むDMF(50mL)の懸濁液に3-シアノフェノール(3.16g、26.5mmol)を添加し、混合物を60℃で17時間撹拌して、褐色懸濁液を得た。粗LCMS(RT:1.384分)は、反応が完了したことを示した。混合物を水(400mL)に注ぎ、大量の白色固体が出現し、濾過し、濾過ケークを水(30mL×3)で洗浄して、粗生成物を得た。粗生成物をCombi flash(登録商標)によって精製して、1.00gの化合物B6を黄色粉末として得た。
【0102】
B7の合成のための手順
化合物B6(850mg、3.52mmol)およびPd/C(170mg、10%Pd)を含むMeOH(10mL)の溶液に、NH3・H2O(1.83g、5.21mmol)を添加し、混合物をN2で3回パージし、H2バルーン下(15psi)にて20℃で1時間撹拌して、褐色懸濁液を得た。粗LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、700mgの化合物B7を黄色ゴム状物質として得た。
【0103】
スキーム7:B11のための一般的合成経路
【化35】
B10の合成のための手順
NaH(1.73g、43.4mmol)を含むDMF(100mL)の溶液に、7-ニトロ-2H-インダゾールB8(5.19g、31.8mmol)を数回に分割して20℃で添加し、得られた混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、2-フルオロベンゾニトリルB9(3.50g、28.9mmol)を混合物に添加し、反応混合物を130℃でさらに12時間撹拌して、暗色懸濁液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をH
2O(500mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をトリチュレーションによって精製して、化合物B10(1.80g)を黒色固体として得た。
【0104】
B11の合成のための手順
化合物B10(200mg、0.8mmol)を含むMeOH(20mL)およびNH3・H2O(1.00mL、25%)の溶液に、ラネー-Ni(64.8mg、0.8mmol)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気してH2でパージすることを数回行った。混合物をH2下にて(40psi)20℃で2時間撹拌して、黒色懸濁液を得た。TLCおよびLCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物をセライトパッドによって濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物B11(50mg)を黄色油状物質として得た。
【0105】
スキーム8:B17のための一般的合成経路
【化36】
B13の合成のための手順
化合物B12(1.50g、9.25mmol)を含むMeOH(50mL)の溶液に、Zn(6.05g、92.5mmol)およびNH
4Cl(4.95g、92.5mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で12時間撹拌して、黒色懸濁液を得た。TLCは、反応が完了し、1つの新規のスポットが形成されたことを示した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、残渣(黒色固体としての1.80gの化合物B13)を得、精製せずに次の工程で使用した。
【0106】
B14の合成のための手順
粗生成物である化合物B13(1.80g、6.81mmol)を含むMeOH(50mL)の溶液に、Et3N(689mg、6.81mmol)およびBoc2O(2.23g、10.2mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で12時間撹拌して、黒色溶液を得た。TLCは、1つの新規のスポットが形成されたことを示した。反応混合物を減圧下で濾過して、残渣を得た。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物B14(781mg)を白色固体として得た。
【0107】
B16の合成のための手順
化合物B14(810mg、3.23mmol)、化合物B15(500mg、2.15mmol)のHOAc(20mL)中の混合物にPd(OAc)2(241mg、1.08mmol)を添加し、混合物をO2(15psi)雰囲気下にて40~50℃で12時間撹拌して、黒褐色懸濁液を得た。LCMS(Rt=1.436分)は、反応が完了したことを示した。AcOHを減圧下で除去し、残渣をDCM(150mL)に溶解し、飽和NaHCO3水溶液(100mL×3)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黒褐色油状物質を得た。混合物をCombi flash(登録商標)で精製して、化合物B16(380mg)を黄色ゴム状物質として得た。
【0108】
B17の合成のための手順
化合物B16(380mg、0.869mmol)のDCM(30mL)中の混合物に、TFA(8mL)を添加した。混合物を15℃で0.5時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を合わせ、減圧下で濃縮して、化合物B17(350mg)を黄色油状物質として得た。
【0109】
スキーム9:B23のための一般的合成経路
【化37】
B19の合成のための手順
2-クロロキノリンB18(2.00g、12.2mmol)を含むH
2SO
4(20mL)の溶液を、0℃に冷却した。HNO
3(3.55g、36.7mmol)を滴下により添加した。反応溶液を25℃で1時間撹拌して、黒褐色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応溶液を水(50mL)に注ぎ、飽和Na
2CO
3でpH=7~8に中和した。得られた混合物をDCM(200mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して、化合物B19(1.30g)を黄色固体として得た。
【0110】
B21の合成のための手順
化合物B19(560mg、2.68mmol)および化合物B20(2.02g、8.04mmol)を含むジオキサン(10mL)/H2O(3mL)の溶液に、Cs2CO3(1.75g、5.36mmol)およびPd(dppf)Cl2(98.1mg、0.134mmol)をN2雰囲気下で添加した。反応混合物を100℃に加熱し、N2雰囲気下で16時間撹拌して、黒色混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(200mL×2)で抽出した。合わせた抽出物を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して、化合物B21(1.00g)を褐色固体として得た。
【0111】
B22の合成のための手順
化合物B21(500mg、1.32mmol)およびNH4Cl(706mg、13.2mmol)を含むMeOH(10mL)の溶液に、Zn(863mg、13.2mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌して、黒褐色混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をMeOH(50mL)で希釈し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して、化合物B22(500mg)を黄色固体として得た。
【0112】
B23の合成のための手順
化合物B22(500mg、1.43mmol)を含むDCM(7mL)の溶液に、TFA(3mL)を添加した。反応溶液を25℃で1時間撹拌して、赤色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応物をDCM(10mL)で希釈し、減圧下で濃縮して、化合物B23(300mg)を黒褐色油状物質として得た。
【0113】
スキーム10:B31のための一般的合成経路
【化38】
B25の合成のための手順
イソキノリン-6-アミンB24(2.00g、13.87mmol)をピリジン(20mL)に溶解し、4-メチルベンゼンスルホニルクロリド(3.17g、16.64mmol)を添加した。反応混合物を20℃で12時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物に、適切に撹拌しながら水(30mL)を添加し、混合物を20℃で0.5時間撹拌すると、淡黄色固体が沈殿した。混合物を濾過し、固体を回収し、水(5mL)で洗浄して、化合物B25(2.2g)を黄色固体として得た。
【0114】
B26の合成のための手順
化合物B25(2.00g、6.70mmol)を、CHCl3(30.00mL)に溶解した。これに氷冷下で(0℃)、m-CPBA(1.71g、7.91mmol)を添加し、その後に20℃で12時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。溶媒を蒸発させ、得られた固体をMTBE(50mL)で洗浄した。濾過ケークを回収し、高真空下で乾燥させて、化合物B26(1.96g)を薄黄色固体として得た。
【0115】
B27の合成のための手順
化合物B26(4.20g、13.4mmol)のCHCl3(120mL)中の混合物に、POCl3(45.1g、293.9mmol)を添加した。反応混合物を61℃に加熱し、16時間撹拌して、黒褐色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応溶液を20℃に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水(200mL)に注ぎ、飽和Na2CO3でpH=8~9に中和した。300mLのEtOAcを添加し、混合物を濾過した。濾液を回収し、分離し、水相をEtOAc(200ml×2)で抽出した。合わせた抽出物を回収し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、化合物B27(4.00g)を黄色固体として得た。
【0116】
B28の合成のための手順
化合物B27(4.00g、12.0mmol)を含むH2SO4(50mL)(90%)の溶液を、20℃で16時間撹拌して、黒褐色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応溶液を氷水(100mL)で0~10℃に冷却し、Na2CO3(固体)でpH=7~8に中和し、EtOAc(300mL×2)で抽出した。合わせた抽出物を回収し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、化合物B28(1.80g)を赤色固体として得た。
【0117】
B30の合成のための手順
化合物B28(1.00g、5.60mmol)および化合物B29(4.22g、16.8mmol)を含むジオキサン(15mL)/H2O(5mL)の溶液に、Cs2CO3(3.65g、11.2mmol)およびPd(dppf)Cl2(205mg、0.280mmol)をN2雰囲気下で添加した。反応混合物を100℃に加熱し、N2雰囲気下で4時間撹拌して、黒色混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(200mL×2)で抽出した。合わせた抽出物を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して、化合物B30(1.00g)を黒褐色油状物質として得た。
【0118】
B31の合成のための手順
化合物B30(1.00g、2.86mmol)を含むDCM(14mL)の溶液に、TFA(6mL)をゆっくり添加した。反応溶液を25℃で1時間撹拌して、赤色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応溶液を減圧下で濃縮して、化合物B31(1.00g)を黒褐色油状物質として得、これをさらに精製せずに次の工程のために使用した。
【0119】
スキーム11:B35のための一般的合成経路
【化39】
B33の合成のための手順
化合物B19(2.7g、12.9mmol、1当量)および化合物32(3.15g、12.9mmol、1.0当量)を含むジオキサン(50mL)およびH
2O(10mL)の溶液に、Na
2CO
3(2.74g、25.9mmol、2当量)およびPd(PPh
3)
4(748mg、0.65mmol、0.05当量)をN
2下で添加した。得られた混合物を80℃で加熱し、12時間撹拌して、黄色懸濁液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過して、残渣を薄黄色固体として得た。次いで、残渣をDCM(200mL)およびH
2O(200mL)に溶解し、DCM(200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物B33(3.25g)を薄黄色固体として得た。
【0120】
B34の合成のための手順
化合物B33(2.5g、8.64mmol、1当量)を含むDCM(100mL)の溶液に、Pd/C(1.5g、1.75mmol)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気してH2でパージすることを数回行った。混合物をH2下(15psi)にて15℃で12時間撹拌して、黒色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、化合物B34(1.96g)を黄色固体として得た。
【0121】
B35の合成のための手順
LiAlH4(673mg、17.7mmol、2当量)を含むTHF(20mL)の懸濁液に、化合物B34(2.3g、8.87mmol、1当量)を含むTHF(10mL)の溶液を0℃で添加した。反応混合物を15℃で1時間撹拌して、赤色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を飽和NH4Cl溶液によってクエンチした。混合物をEtOAcとH2Oとの間で分配した。水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物B35(1.53g、粗製)を褐色固体として得た。粗生成物を次の工程で直接使用した。
【0122】
D群の一般的スキーム
スキーム12:D3のための一般的合成経路
【化40】
D2の合成のための手順
化合物D1(500mg、2.32mmol)および3-ヒドロキシベンゾニトリル(276mg、2.32mmol)を含むTHF(20mL)の溶液に、PPh
3(730mg、2.78mmol)およびDEAD(485mg、2.78mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で12時間撹拌して、黄色溶液を得た。LCMSおよびTLCは、反応が完了していることを示した。反応混合物をH
2O(50mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物D2(587mg)を黄色油状物質として得た。
【0123】
D3の合成のための手順
化合物D2(587mg、1.86mmol)を含むMeOH(20mL)およびNH3・H2O(1mL)(28%)の溶液に、ラネー-Ni(159mg、1.86mmol)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気してH2でパージすることを数回行った。混合物をH2下(15psi)にて20℃で2時間撹拌して、黒色懸濁液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物をセライトパッドによって濾過し、減圧下で濃縮して、化合物D3(600mg)を黄色油状物質として得た。
【0124】
スキーム13:D6のための一般的合成経路
【化41】
D5の合成のための手順
DMF(50mL)中のtert-ブチル4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシラート(4.82g、23.95mmol)に、NaH(1.44g、35.92mmol)を分割して0℃で添加した。反応混合物を20℃で2時間撹拌した。次いで、2-フルオロベンゾニトリルD4(2.90g、23.95mmol)を上記混合物に添加し、反応混合物を50℃に1時間加熱した。TLCは反応が完了したことを示した。飽和NH
4Cl(100mL)を、反応混合物に慎重に0℃で滴下により添加して、反応をクエンチした。混合物をEtOAc(100mL×2)で抽出した。合わせた抽出物を水(50mL×3)、ブライン(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物D5(9.10g、粗製)を薄黄色油状物質として得た。
【0125】
D6の合成のための手順
ラネー-Ni(425mg、4.96mmol)および化合物D5(3.00g、9.92mmol)のMeOH(90mL)中の混合物に、NH3・H2O(6mL)をN2雰囲気下で添加した。懸濁液を真空下で脱気してH2でパージすることを3回行った。混合物をH2下(15psi)にて20℃で4時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮してほとんどのMeOHを除去した。残渣をDCM(100mL)で希釈し、ブライン(80mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物D6(2.90g)を薄黄色油状物質として得た。
【0126】
スキーム14:一般的合成経路2
【化42】
式IV-5およびIV-6の化合物を調製する方法を、スキーム14に示す。
【0127】
経路IV:化合物G24をDIPEAの存在下にてE群で処理して、化合物IV-1を得ることができる。化合物IV-1をmCPBAで処理して、化合物IV-2を得ることができる。化合物IV-2をDIPEAの存在下にてF群で処理して、化合物IV-3を得ることができる。化合物IV-3をPd/CおよびH2、またはHClで処理して、化合物IV-4を得ることができる。化合物IV-4を請求項1で定義されたC群で処理して、化合物IV-5を得ることができる。化合物IV-5をHClなどの酸で処理して、式IV-6の化合物を得ることができる。
【0128】
E群の一般的スキーム
スキーム15:E10のための合成経路
【化43】
E2の合成のための手順
E1(93g、476mmol)を含むDMF(45mL)の溶液に、1-tert-ブトキシ-N,N,N’,N’-テトラメチル-メタンジアミン(249g、1.43mol、295mL)を添加した。反応混合物を140℃で3時間撹拌して、褐色混合物を得た。TLCは新規のスポットを示した。混合物を室温に冷却し、0℃で30分間撹拌した。固体が沈殿した。濾過後、濾過ケークをEtOAc/PEで洗浄し、減圧下で乾燥させて、化合物E2(69g)を紫色粉末として得た。
【0129】
E3の合成のための手順
E2(63g、252mmol)、(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン(63g、378mmol、57mL)を含むトルエン(150mL)の溶液を35℃で2時間撹拌して、黄色混合物を得た。次いで、反応物を65℃で2時間撹拌して、黄色混合物を得た。次いで、反応物を110℃で3時間撹拌して、黄色混合物を得た。TLCは新規のスポットを示した。混合物を20℃に冷却した。黄色固体が沈殿した。混合物を濾過した。濾過ケークをPE(50mL)で2回洗浄し、高真空で乾燥させて、化合物E3(50g)を黄色固体として得た。
【0130】
E4の合成のための手順
E3(55g、162mmol)を含むTFA(330mL)の溶液を70℃で16時間撹拌して、紫色混合物を得た。TLCは新規のスポットを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をPE(60mL)に添加し、25℃で2時間撹拌して、紫色混合物を得た。濾過後、濾過ケークをPE(50mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、化合物E4(80g、粗製)を紫色固体として得た。
【0131】
E5の合成のための手順
E4(80g、421mmol)を含むPOCl3(341mL)の溶液を100℃で2時間撹拌して、褐色混合物を得た。TLCは新規のスポットを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をDCM(1000mL)に溶解した。有機層を飽和NaHCO3溶液(1000mL)で洗浄すると、固体が沈殿した。濾過後、濾過ケークをDCM(300mL×2)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、化合物E5(35g)を薄黄色固体として得た。
【0132】
E7の合成のための手順
E6(40g、183mmol)を含むMeCN(400mL)の溶液に、NBS(35.9g、202mmol)、BPO(444mg、1.83mmol)を添加した。反応混合物を90℃で4時間撹拌して、褐色混合物を得た。LCMSは、所望のMSを示した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(100mL×2)で抽出した。有機層を水(100mL×4)、ブライン(100mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、E7(57g、粗製)を褐色油状物質として得た。
【0133】
E8の合成のための手順
E7(57g、192mmol)およびNaN3(18.8g、290mmol)のDMSO(290mL)中の混合物を25℃で16時間撹拌して、褐色混合物を得た。LCMSは、所望のMSを示した。反応混合物をNaHCO3(500mL)でクエンチし、EtOAc(200mL×2)で抽出した。有機層を水(300mL×4)、ブライン(300mL×4)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、E8(42g、粗製)を褐色油状物質として得た。
【0134】
E9の合成のための手順
E8(12g、46.3mmol)を含むジオキサン(60mL)およびH2O(15mL)の溶液に、E5(9.66g、46.3mmol)、Cs2CO3(30.2g、92.6mmol、2当量)、およびPd(dppf)Cl2(1.69g、2.32mmol、0.05当量)を添加した。反応混合物を、N2雰囲気の保護下にて80℃で5時間撹拌して、黒色混合物を得た。TLCは新規のスポットを示した。反応混合物を水(300mL)で希釈し、EtOAc(200mL×2)で抽出した。有機層を水(100mL×4)、ブライン(100mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、E9(8g)を褐色固体として得た。
【0135】
E10の合成のための手順
E9(8g、26.2mmol、1当量)を含むTHF(80mL)/H2O(40mL)の溶液に、PPh3(10.3g、39.3mmol、1.5当量)を添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌して、褐色混合物を得た。TLCは、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(100mL×2)で抽出した。有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、E10(7.32g、粗製)を褐色ゴム状物質として得た。
【0136】
スキーム16:E15のための合成経路
【化44】
E12の合成のための手順
E11(2g、8.93mmol)のピリジン(20mL)中の混合物に、Tf
2O(3.02g、10.71mmol、1.77mL、1.2当量)を0℃で添加し、混合物を0℃で2時間撹拌して、褐色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、EtOAc(20mL×2)で抽出した。有機層を水(20mL×2)、ブライン(30mL×4)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をcombi flash(登録商標)によって精製して、E12(2.2g)を白色固体として得た。
【0137】
E13の合成のための手順
化合物E13(2.2g)でB33と同一の手順に従って、1.3gの化合物E13を黄色粉末として得た。
【0138】
E14の合成のための手順
E13(600mg、1.77mmol)およびNH2Boc(248mg、2.12mmol)のジオキサン(10mL)中の混合物に、Pd(OAc)2(39.71mg、176.89umol)およびキサントホス(204mg、353.79umol)およびCs2CO3(1.15g、3.54mmol)を添加し、混合物を100℃で16時間撹拌して、黒色混合物を得た。TLCは、反応物が消費されたことを示した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、EtOAc(20mL×2)で抽出した。有機層を水(20mL×2)、ブライン(30mL×4)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をcombi flash(登録商標)によって精製して、E14(190mg)を黄色固体として得た。
【0139】
E15の合成のための手順
化合物E14(400mg)でB11と同一の手順に従って、385mgの化合物E15を黄色ゴム状物質として得た。
【0140】
スキーム17:E22のための合成経路
【化45】
E16の合成のための手順
化合物B12(10.2g)でB14と同一の手順に従って、15.2gの化合物E16を黄色粉末として得た。
【0141】
E17の合成のための手順
化合物E16(7g、26.7mmol)を含むTHF(45mL)の溶液に、LDA(2M、20mL)をN2下にて-78℃で添加した。反応物を-78℃で30分間撹拌した。トリブチル(クロロ)スタンナン(10.4g、32mmol、1.2当量)を、-78℃で反応物中に添加した。反応物を-78℃で30分間撹拌し、反応物を15℃で17時間撹拌して、黄色混合物を得た。TLCは、出発物質が完全には消費されていないことを示した。飽和NH4Cl(20mL)を反応混合物中に添加した。混合物を、EtOAc(300mL)とH2O(300mL)との間で分配した。有機抽出物を飽和NH4Cl(300mL)、ブライン(300mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色ゴム状物質を得た。粗生成物をcombi flash(登録商標)によって精製して、化合物E17(9.8g)を黄色油状物質として得た。
【0142】
E19の合成のための手順
化合物E18(1g、5.10mmol)を含むTHF(10mL)の懸濁液に、BH3・THF(1M、15.3mL)をN2雰囲気下にて0℃で添加した。反応物を15℃で30分間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは、出発物質が完全には消費されていないことを示した。反応物を15℃で17時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは、出発物質が完全に消費されたことを示した。わずかな混合物を分取TLCによって精製して、試料を得た。反応をMeOH(4mL)でクエンチした。反応混合物を減圧下で濃縮して、E19(1.1g、粗製)を黄色ゴム状物質として得た。
【0143】
E20の合成のための手順
化合物B19(1.1g)でB14と同一の手順に従って、890mgの化合物E20を無色油状物質として得た。
【0144】
E21の合成のための手順
化合物E20(800mg)およびE17(1.91g)でB33と同一の手順に従って、385mgの化合物E21を黄色油状物質として得た。
【0145】
E22の合成のための手順
化合物E21(600mg)でA7と同一の手順に従って、450mgの化合物E22を黄色粉末として得た。
【0146】
F群の一般的スキーム
スキーム18:F5のための合成経路
【化46】
F2の合成のための手順
化合物F1(3g、16.20mmol)およびトリメチルシリルホルモニトリル(1.61g、16.20mmol、2.03mL)の混合物に、AlCl
3(60mg、449.97umol、24.59uL、2.78e-2当量)を添加し、混合物を50℃に20時間加熱した。TLCは反応が完了したことを示した。反応を水(10mL)でクエンチし、次いで、EtOAc(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、化合物F2(4.6g)を黄色固体として得た。
【0147】
F3の合成のための手順
化合物F2(1g、3.52mmol)を含むMeOH(10mL)の溶液に、K2CO3(52.48mg、379.71umol)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。TLCは、材料が消失し、極性がより大きな1つの主要な新規のスポットが検出されたことを示した。8.75mLのHCl(0.1M)を反応混合物に添加し、次いで、これをEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発乾固して、化合物F3(0.74g)を黄色油状物質として得た。
【0148】
F4の合成のための手順
化合物F3(2.42g、11.40mmol)、イミダゾール(993.59mg、14.59mmol)、およびtert-ブチル-クロロ-ジメチル-シラン(2.06g、13.68mmol、1.68mL)のDMF(10mL)中の混合物を、20℃で14時間撹拌した。TLCは、材料が完全に消費され、新規のスポットが形成されたことを示した。反応混合物を水50mLで希釈し、次いで、これをEtOAc 100mL(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNaCl水溶液100mL(50mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を、(PE:EtOAc=5:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物F4(2.44g)を無色油状物質として得た。
【0149】
F5の合成のための手順
化合物F4(1g、3.06mmol)を含むTHF(12mL)の溶液に、LAH(200mg、5.27mmol)を0℃で添加し、これを0℃で0.5時間撹拌して、白色懸濁液を得た。TLCは、材料が消失したことを示した。反応混合物をTHF(20mL)で希釈し、次いで、水(0.2mL)、15%NaOH水溶液(0.2mL)、および水(0.6mL)で0℃にてクエンチした。次いで、これを0℃で0.5時間撹拌した。混合物を無水Na2SO4で乾燥させ、次いで、濾過し、濾過ケークをEtOAc(20mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、化合物F5(870mg、2つのトランス異性体の混合物)を無色油状物質として得た。
【0150】
スキーム19:F9のための合成経路
【化47】
F7の合成のための手順
F6(1.7g、7.82mmol)、TEA(1.03g、10.2mmol)のDCM(10mL)中の混合物に、TosCl(1.57g、8.21mmol、1.05)を0℃で添加した。反応物を20℃で17時間撹拌して、黄色溶液を得た。LCMSは、所望のMS値が認められたことを示した。反応物を減圧下で濃縮した。濃縮物をEtOAc(150mL)に溶解し、得られた溶液をHCl水溶液(100mL、pH=4)、NaOH水溶液(1N、100mL)、ブライン(150mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、F7(2.49g)を黄色油状物質として得た。
【0151】
F8の合成のための手順
F7(2.3g、6.19mmol)のDMSO(20mL)中の混合物に、KCN(443mg、6.81mmol、291uL)およびKI(1.54g、9.29mmol)を添加し、混合物を80℃で3時間および100℃で2時間撹拌して、黒色混合物を得た。TLCは、反応物が消費されたことを示した。反応混合物を水(50mL)でクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。有機層を水(50mL×2)、ブライン(30mL×4)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をcombi flash(登録商標)によって精製して、F8(1.19g)を黄色油状物質として得た。
【0152】
F9の合成のための手順
F8(600mg、2.65mmol)を含むMeOH(20mL)の溶液にラネー-Ni(227mg、2.65mmol)を添加し、懸濁液を真空下で脱気してH2でパージすることを数回行い、混合物をH2下(15psi)にて25℃で16時間撹拌して、黒色混合物を得た。TLC(PE/EA=1/1)は、反応が完了したことを示した。混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、F9(530mg、粗製)を黄色油状物質として得た。
【0153】
市販の試薬(ベンジルピペリジン-4-イルカルバマート、tert-ブチルピペリジン-4-イルカルバマート、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシラート、tert-ブチル2-(アミノメチル)モルホリン-4-カルボキシラート、tert-ブチル2-(ヒドロキシメチル)モルホリン-4-カルボキシラート、tert-ブチル4-アミノピペリジン-1-カルボキシラート、4-メトキシピペリジン、ピペリジン-4-イルメタンアミン、4-メトキシシクロヘキサン-1-アミン、(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタンアミン、モルホリン、アゼパン-4-オール、ピロリジン-3-オール、4-アミノシクロヘキサン-1-オール、N-メチルピペリジン-4-アミン、(1R、4R)-4-(アミノメチル)シクロヘキサン-1-オール、(1S、3S)-3-アミノシクロペンタン-1-オール、ピペリジン-4-オール、4-(アミノメチル)ピペリジン-2-オン、ピペリジン-4-イルメタノール、4-(トリフルオロメトキシ)ピペリジン、4-エトキシピペリジン、4-イソプロポキシピペリジン、4-エトキシシクロヘキサン-1-アミン、4-メトキシシクロヘキサン-1-アミン、4-イソプロポキシシクロヘキサン-1-アミン、および3-アミノプロパン-1-オールなど)を、E群のために使用した。
【0154】
スキーム20:一般的合成経路3
【化48】
式V-5およびV-6の化合物を調製する方法を、スキーム20に示す。
【0155】
経路V:化合物G3をNaOEtで処理して、化合物I1を得ることができる。化合物I1をPOCl3で処理して、化合物I2を得ることができる。化合物I2をDIPEAの存在下にてE群で処理して、化合物V-1を得ることができる。化合物V-1をBoc2Oで処理して、化合物V-2を得ることができる。化合物V-2をPd2(dba)3の存在下にてF群で処理して、化合物V-3を得ることができる。化合物V-3をPd/CおよびH2、またはHClで処理して、化合物V-4を得ることができる。化合物V-4を請求項1で定義されたC群で処理して、化合物V-5を得ることができる。化合物V-5をHClなどの酸で処理して、式V-6の化合物を得ることができる。
【0156】
I1の合成のための手順
Na(790mg、34.3mmol)を無水EtOH(125mL)中に添加し、混合物を10℃で1時間撹拌した。化合物G3(3.50g、27.9mmol)およびジエチルプロパンジオアート(5.42g、33.8mmol)をこの溶液に添加した。混合物をN2雰囲気下にて78℃で16時間撹拌して、黄色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水(60mL)に溶解し、3M
HClでpH=3に酸性化し、次いで、濾過して、化合物I1(3.70g)を白色粉末として得た。
【0157】
I2の合成のための手順
化合物I1(1.30g、6.73mmol)のPOCl3(20.6g、134mmol)中の混合物に、N,N-ジエチルアニリン(672mg、4.51mmol)を添加した。混合物を、N2雰囲気下にて100℃で16時間撹拌した。TLCは新規のスポットを示した。ほとんどのPOCl3を減圧下で除去した。次いで、混合物をH2O(40mL)に注ぎ、DCM(50mL×3)で抽出した。有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、化合物I2(3.11g、粗製)を黄色油状物質を得、これを次の工程のためにさらに精製しなかった。
【0158】
スキーム21:一般的合成経路1における経路Iを介した化合物1の合成経路
【化49】
G2の合成のための手順
ジイソプロピルアミン(6.69g、66.2mmol)の無水THF(20mL)中の混合物に、n-BuLi(2.5M、27.7mL)を0℃で添加し、0℃で0.5時間撹拌し、次いで、混合物を-70℃に冷却し、THF(20mL)中のG1(5.00g、60.2mmol)を、混合物中に-70℃で添加し、-70℃で0.5時間撹拌し、次いで、混合物をギ酸エチル(4.90g、66.2mmol)のTHF(20mL)中の混合物中にN
2雰囲気下にて-70℃で注ぎ、得られた混合物を-70℃で0.5時間撹拌し、次いで15℃に加温し、15℃で17時間撹拌した。TLC(シリカゲル、PE/EtOAc=2/1)は、反応が完了したことを示した。反応混合物をHCl水溶液(150mL、1M)中に0℃で注ぎ、0℃で0.5時間撹拌し、次いで、混合物をEtOAc(150mL×3)で抽出した。有機層をブライン(250ml)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、化合物G2(5.0g)を黄色油状物質として得た。粗生成物をさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0159】
G3の合成のための手順
化合物G2(8.82g、67.5mmol)およびAcOH(7.09g、118mmol)を含むEtOH(5mL)の溶液に、NH2-NH2・H2O(4.39g、87.7mmol)を添加し、得られた混合物を78℃で17時間撹拌して、淡黄色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して残渣を得、次いで、残渣のpH値をNaOH水溶液(1M)で9に調整し、水(50mL)で希釈し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層をブライン(150mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、化合物G3(10.0g、粗製)を黄色ゴム状物質として得た。粗生成物をさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0160】
G4の合成のための手順
化合物G3(5.00g、40.0mmol)の無水DCM(25mL)中の混合物に、エトキシカルボニルイソチオシアナート(4.72g、36.0mmol)の無水DCM(25mL)中の混合物を-70℃で添加し、-70℃で1時間撹拌すると、大量の白色固体が出現した。TLCは反応が完了したことを示した。次いで、混合物を-10℃に加温して濾過し、濾過ケークをDCM(15mL)で洗浄して4.50gの所望の化合物を白色固体として得、その構造をHNMRによって確認した。濾液をシリカゲルカラムによって精製して、化合物G4(1.80g)を白色固体として得た。
【0161】
G5の合成のための手順
化合物G4(6.30g、24.6mmol)のMeCN(50mL)中の混合物に、K2CO3(6.79g、49.2mmol)を添加し、混合物を80℃で8時間撹拌した。粗LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却し、次いで、AcOH(15mL)を混合物中に添加し、15℃で20分間撹拌し、次いで、得られた混合物を減圧下で濃縮して残渣を得、水(50mL×3)で洗浄して、化合物G5(4.20g)を白色固体として得た。
【0162】
G6の合成のための手順
化合物G5(4.20g、20.0mmol)のEtOH(40mL)中の混合物に、H2O(20mL)中のNaOH(2.00g、50.0mmol)を15℃で添加し、次いで、MeI(2.84g、20.0mmol)を上記混合物中に添加し、得られた混合物を15℃で2時間撹拌した。粗LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮して残渣を得、これを氷水(50mL)およびHCl水溶液(20mL、6M)で30分間処理し、それにより大量の白色固体が出現し、濾過して、粗生成物を得た。粗生成物をMeCN(50mL)中に注いで懸濁液を得、次いで、懸濁液を減圧下で濃縮して、化合物G6(3.60g)を白色固体として得た。
【0163】
G7の合成のための手順
化合物G6(1.00g、4.46mmol)のDCM(30mL)中の混合物に、m-CPBA(3.07g、14.2mmol)を分割して20℃で添加した。反応混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を、ブライン(20mL)およびNaOH/H2O(3M、10mL)の混合溶液で希釈した。水層を分離し、HCl(3M)でpH1にした。大量の白色粉末が沈殿した。次いで、混合物をEtOAc(50mL×2)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して、化合物G7(1.03g)を薄褐色ゴム状物質として得た。
【0164】
G9の合成のための手順
化合物G7(6.62g、25.83mmol)を含むNMP(100mL)の溶液に、化合物G8(18.15g、77.5mmol)を添加した。反応混合物を140℃で16時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を、ブライン(500mL)とEtOAc(400mL)との間で分配した。有機層を水(100mL×2)、ブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して褐色ゴム状物質を得、これをCH3CN(50mL)でトリチュレートして、化合物G9(2.06g)をオフホワイト色粉末として得た。
【0165】
G10の合成のための手順
化合物G9(89mg、0.22mmol)のPOCl3(4.41g、28.7mmol)中の混合物に、N,N-ジエチルアニリン(97mg、0.65mmol)を20℃で添加した。反応混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、化合物G10(93mg)を褐色ゴム状物質の粗生成物として得た。粗生成物をさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
【0166】
G11の合成のための手順
化合物G10(127mg、0.297mmol)、DIPEA(95.9mg、0.742mmol)を含むDMF(2mL)の溶液に、化合物A7(131mg、0.371mmol)を添加した。反応溶液を10℃で1時間撹拌した。LCMSは、所望のMS値を示した。反応混合物を、EtOAc(20mL)と飽和NaHCO3水溶液(20mL)との間で分配した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物G11(103mg)を褐色ゴム状物質として得た。
【0167】
化合物1の合成のための手順
化合物G11(70mg、0.094mmol)を含むAcOH(0.5mL)の溶液に、HBr/AcOH(0.5mL、純度35%)を15℃で添加した。この反応溶液を15℃で1時間撹拌して、薄褐色溶液を得た。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応物を5mLのMTBEで希釈すると灰色粉末が沈殿し、これを濾過によって回収した。固体をMeOH(4mL)に溶解し、次いで、1滴のアンモニア水(28%)を添加して溶液を塩基性にした。MeOHに溶解した粗生成物を分取HPLCによって精製した。所望の生成物を含む溶出物を減圧下で濃縮し、残存溶液を凍結乾燥させて、化合物1(9.9mg)を白色粉末として得た。
【0168】
スキーム22:一般的合成経路1における経路Iを介した化合物9のための合成経路
【化50】
G12の合成のための手順
化合物A23(183mg、0.385mmol)を含むCH
3CN(10mL)の溶液に、DIPEA(226mg、1.75mmol)および化合物G10(150mg、0.35mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で1時間撹拌して、白色懸濁液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をH
2O(50mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物G12(75mg)をオフホワイト色固体として得た。
【0169】
化合物9の合成のための手順
化合物G12(30mg、0.4mmol)を含むHBr/HOAC(35%)(1mL)の溶液を20℃で1時間撹拌して、黄色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応物にMTBE(50mL)を添加すると大量の固体が沈殿し、これを減圧下で濾過して、濾過ケークをオフホワイト色固体として得た。濾過ケークを分取HPLCによって精製した。残渣のほとんどの溶媒を濃縮して凍結乾燥させて、化合物9(7.8mg)を白色粉末として得た。
【0170】
スキーム23:一般的合成経路1における経路IIを介した化合物16のための合成経路
【化51】
G13の合成のための手順
化合物B11(50mg、0.2mmol)および化合物G10(90mg、0.2mmol)を含むCH
3CN(5mL)の溶液に、DIPEA(27.1mg、0.2mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌して、赤色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物G13(100mg)を帯黄色固体として得た。
【0171】
G14の合成のための手順
化合物G13(100mg、0.158mmol)を含むTHF(5mL)の溶液に、化合物A5(58.2mg、0.317mmol)およびDIPEA(82mg、0.634mmol)を添加し、得られた混合物を20℃で1時間撹拌して赤色溶液を得、LCMSは反応が完了したことを示し、ジメチルアミン(71.5mg、1.59mmol)を混合物に添加し、次いで、20℃でさらに3時間撹拌して、赤色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をH2O(50mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、100mg(不純)を得、これを分取TLCによって精製して、化合物G14(50mg)を黄色固体として得た。
【0172】
化合物16の合成のための手順
化合物G14(50mg、67.4umol)を含むHBr/HOAc(35%)(1mL)の溶液を20℃で30分間撹拌して、赤色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物にMTBE(3mL)を添加すると、黄色ゴム状物質が沈殿した。黄色ゴム状物質を濾過によって回収し、MTBE(3mL×2)で洗浄した。黄色ゴム状物質をMeOH(2mL)に溶解し、5%NH3・H2O/MeOHで溶出する陽イオン交換樹脂によって精製し、次いで凍結乾燥させて、化合物16(29.9mg)を黄色固体として得た。
【0173】
スキーム24:一般的合成経路1における経路IIを介した化合物25のための合成経路
【化52】
G15の合成のための手順
化合物B17(403mg、0.866mmol)のMeCN(5mL)中の混合物に、DIPEA(976uL)、化合物G10(338mg、0.787mmol)を添加した。混合物を15℃で0.5時間撹拌して、黄色混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。混合物をDCM(50mL)と水(50mL)との間で分配し、混合物をDCM(50mL×2)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色油状物質を得、これをCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物G15(250mg)を黄色油状物質として得た。
【0174】
G16の合成のための手順
化合物G15(250mg、0.397mmol)のTHF(5mL)中の混合物に、DIPEA(0.257mg、1.98mmol)、化合物A5(218mg、1.19mmol)を添加した。黄色混合物を15℃で1時間撹拌した。混合物が黒色を呈するようになった。LCMSは反応が完了したことを示した。ジメチルアミン(2M、992uL)を混合物に添加し、15℃で1時間撹拌して、黒褐色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物をDCM(50mL)と水(30mL)との間で分配し、水性物質をDCM(50mL×2)で抽出し、合わせた抽出相をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して褐色油状物質を得、これをCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物G16(250mg)を褐色ゴム状物質として得た。
【0175】
化合物25の合成のための手順
化合物G16(250mg、0.337mmol)のHBr/HOAc(3mL)中の混合物を15℃で0.5時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物にMTBE(10mL)を添加すると、黄色粉末が沈殿した。白色粉末を濾過によって回収し、MTBE(5mL×2)で洗浄し、飽和Na2CO3によってpH=9~10に塩基性化し、DCM(50mL×2)で抽出し、合わせた有機相を水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色油状物質を得、これを分取HPLC(0.1%TFA)によって精製し、飽和Na2CO3によってpH=9~10に塩基性化し、DCM(50mL×3)で抽出し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物25(30mg)を白色粉末として得た。
【0176】
スキーム25:一般的合成経路1における経路IIを介した化合物20のための合成経路
【化53】
G17の合成のための手順
化合物B23(230mg、0.633mmol)を含むCH
3CN(5mL)の溶液に、DIPEA(818mg、6.33mmol)および化合物G10(299mg、0.696mmol)を0~5℃で添加した。反応物を25℃で1時間撹拌して、黒褐色溶液を得た。LCMSは所望のMS値を示した。反応物をDCM(30mL)で希釈し、減圧下で濃縮した。残渣を水(50mL)とDCM(100mL)との間で分配した。分離した有機層を水(80mL)、ブライン(80mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して、化合物G17(150mg)を黄色油状物質として得た。
【0177】
G18の合成のための手順
化合物G17(200mg、0.312mmol)を含むTHF(5mL)の溶液に、DIPEA(201mg、1.56mmol)および化合物A5(172mg、0.935mmol)を添加した。反応溶液を25℃で30分間撹拌して、黒褐色溶液を得た。次いで、ジメチルアミン(dimetnylamine)(2M、1.56mL)を添加し、さらに16時間撹拌して、黒褐色溶液を得た。LCMSおよびTLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(150mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層を水(100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して、化合物G18(100mg)を黄色油状物質として得た。
【0178】
化合物20の合成のための手順
化合物G18(150mg、0.199mmol)を含むHBr/HOAc(2mL、35%)の溶液を25℃で0.5時間撹拌して、赤色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。10mL MTBEを添加し、得られた白色混合物を濾過した。濾過ケークを回収し、MTBE(20mL)で洗浄し、MeOH(3mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂によって塩基性化して、化合物20(46.6mg)を黄色粉末として得た。
【0179】
スキーム26:一般的合成経路1における経路IIを介した化合物11のための合成経路
【化54】
G19の合成のための手順
化合物B31(400mg、0.933mmol)を含むCH
3CN(10mL)の溶液に、DIPEA(362mg、2.80mmol)および化合物G10(500mg、1.38mmol)を0~10℃で添加した。反応物を25℃で1時間撹拌して、褐色溶液を得た。粗LCMSは反応が完了したことを示した。TLCは、新規のスポットが形成されたことを示した。反応溶液を減圧下で濃縮した。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して、化合物F19(380mg)を黄色ゴム状物質として得た。
【0180】
G20の合成のための手順
化合物G19(380mg、0.600mmol)を含むTHF(5mL)の溶液に、化合物A5(330mg、1.80mmol)を含むTHF(2mL)の溶液を氷浴中にて0~5℃で添加した。反応溶液を0~25℃で0.5時間撹拌した。ジメチルアミン(2M、3mL、10当量)を添加し、さらに2時間撹拌して、黒褐色溶液を得た。粗LCMSは反応が完了したことを示した。TLCは反応が完了したことを示した。反応溶液を減圧下で濃縮した。残渣をDCM(200mL)に溶解し、飽和NH4Cl(100mL)、水(100mL)、およびブライン(100mL)で洗浄し、有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をCombi Flash(登録商標)によって精製して、化合物G20(130mg)を黄色固体として得た。
【0181】
化合物11の合成のための手順
化合物G20(70mg、0.093mmol)を含むHBr/HOAc(1mL、35%)の溶液を25℃で0.5時間撹拌して、黄色溶液を得た。LCMSは所望のMS値を示した。10mL MTBEを添加し、得られた混合物を濾過して白色固体を得た。固体をMeOH(2mL)に溶解し、陽イオン交換樹脂によって精製し、凍結乾燥させて白色粉末を得、これを分取HPLCによってさらに精製した。画分を減圧下で濃縮した。残渣を、K2CO3(固体)でpH=7~8に中和した。得られた白色混合物をEtOAc(50mL×2)で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濃縮し、凍結乾燥させて、化合物11(23.1mg)を白色粉末として得た。
【0182】
スキーム27:一般的合成経路1における経路IIIを介した化合物18のための合成経路
【化55】
G21の合成のための手順
化合物D3(300mg、0.7mmol)および化合物G10(448mg、1.40mmol)を含むCH
3CN(20mL)の溶液に、DIPEA(181mg、1.40mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で1時間撹拌して、黄色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して残渣を得、TLC。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物G21(240mg)を黄色油状物質として得た。
【0183】
G22の合成のための手順
化合物G21(240mg、0.34mmol)を含むDCM(7mL)の溶液に、TFA(4.62g、40.5mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で1時間撹拌して、黄色溶液を得た。TLCおよびLCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、化合物G22(268mg)を黄色油状物質として得た。
【0184】
G23の合成のための手順
化合物G22(268mg、0.37mmol)を含むTHF(20mL)の溶液に、DIPEA(143mg)および化合物A5(67.6mg、0.37mmol)を添加し、得られた混合物を20℃で1時間撹拌し、LCMSは反応が完了したことを示し、次いで、ジメチルアミン(83.1mg、1.84mmol)を混合物に添加し、さらに2時間撹拌して、黄色懸濁液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をH2O(50mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物G23(74mg)を黄色油状物質として得た。
【0185】
化合物18の合成のための手順
化合物G23(74.0mg、0.1mmol)を含むHBr/HOAc(35%)(1mL)の溶液を20℃で1時間撹拌して、黄色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物にMTBE(3mL)を添加して、白色ゴム状物質を沈殿させた。ゴム状固体を濾過によって回収し、MTBE(3mL×2)で洗浄した。白色ゴム状物質をMeOH(2mL)に溶解し、5%NH3・H2O/MeOHで溶出する陽イオン交換樹脂(PCX-SPE)によって精製し、溶出物を濃縮し、凍結乾燥させて、化合物18(42.9mg)を白色粉末として得た。
【0186】
スキーム28:一般的合成経路2における経路IVを介した化合物44のための合成経路
【化56】
G24の合成のための手順
化合物G6(1.00g、4.46mmol)のPOCl
3(14mL)中の混合物に、N,N-ジエチルアニリン(2.00g、13.4mmol)を15℃で添加し、混合物を90℃で3時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、化合物G24(3.20g、粗製)を褐色ゴム状物質として得、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0187】
G25の合成のための手順
E10(7.32g、26.2mmol)を含むMeCN(70mL)の溶液に、DIEA(6.77g、52.4mmol、9.13mL)、G24(6.36g、26.2mmol)を添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌して、褐色混合物を得た。TLCは新規のスポットを示した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(100mL×2)で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、G25(11.3g)を黄色固体として得た。
【0188】
G26の合成のための手順
G25(11.3g、23.2mmol)のDCM(110mL)中の混合物に、m-CPBA(10.0g、46.5mmol、純度80%)を0~10℃で添加し、混合物を0~10℃で2時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは、反応が完了していないことを示した。混合物を0~10℃でさらに1時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは、所望の生成物が認められたことを示した。混合物を、DCM(100mL)と飽和Na2SO3水溶液(100mL)との間で分配した。水相をDCM(100mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をcombi flash(登録商標)によって精製して、G26(6.6g)を黄色固体として得た。
【0189】
G27の合成のための手順
4-メトキシシクロヘキサンアミン(71.9mg、0.556mmol)およびG26(180mg、0.348mmol)を含むNMP(1mL)の溶液に、DIEA(135mg、1.04mmol)を添加した。得られた混合物を110℃で加熱し、12時間撹拌して、褐色溶液を得た。LCMSおよびTLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をH2O(50mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1:1)によって精製して、化合物G27(105mg)を橙黄色固体として得た。
【0190】
G28の合成のための手順
化合物G27(105mg)でB7と同一の手順に従って、110mgの化合物G28を黄色固体として得た。
【0191】
化合物44の合成のための手順
G28(110mg、0.172mmol)を含むNMP(2mL)の溶液に、(E)-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エノイルクロリド(3M、172uL)を0℃で添加し、得られた混合物を15℃で12時間撹拌して、黄色溶液を得、LCMSは、ほとんどの出発物質が消費されたことを示した。反応混合物をH2O(50mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLCによって精製し、次いで濃縮して、化合物44(21mg)を薄黄色固体として得た。
【0192】
スキーム29:一般的合成経路2における経路IVを介した化合物79のための合成経路
【化57】
G29の合成のための手順
化合物G26(300mg、0.58mmol)およびtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシラート(323.88mg、1.74mmol)を含むNMP(3mL)の溶液に、DIPEA(149.83mg、1.16mmol、201.93uL)を添加した。得られた混合物を110℃で加熱し、2時間撹拌して、黄色溶液を得た。LCMSおよびTLCは反応が完了したことを示した。反応混合物をH
2O(50mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL×3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、化合物G29(285mg)を黄色固体として得た。
【0193】
G30の合成のための手順
化合物G29(285mg)でB7と同一の手順に従って、258mgの化合物G30を黄色固体として得た。
【0194】
G31の合成のための手順
2-フルオロプロパ-2-エン酸(16.38mg、181.90umol)を含むDMF(2mL)の溶液に、TEA(46.02mg、454.76umol、63.30uL)およびHATU(69.17mg、181.90umol)を添加し、次いで、化合物G30(90mg、151.59umol)を混合物に添加し、15℃で2時間撹拌して、褐色溶液を得た。LCMSは出発物質の一部が残存していることを示したので、反応物を15℃でさらに2時間撹拌して、褐色溶液を得た。LCMSは、反応がほとんど完了していることを示した。反応混合物を水(15mL)に注ぎ、黄色懸濁液を濾過した。濾過ケークをPE(10mL)で洗浄し、乾燥させて、化合物G31(100mg)を黄色固体として得た。
【0195】
化合物79の合成のための手順
化合物G31(100mg)の4M HCl/MeOH(2mL)中の混合物を15℃で1時間撹拌して、黄色溶液を得た。LCMSおよびHPLCは、十分に反応していることを示した。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を得た。これを分取HPLCによって精製し、ほとんどの溶媒を減圧下で除去し、残存溶媒を凍結乾燥によって除去して、化合物79(34.7mg)を黄色固体として得た。
【0196】
スキーム30:一般的合成経路2における経路IVを介した化合物58のための合成経路
【化58】
G32の合成のための手順
化合物G26(500mg、0.96mmol)およびtert-ブチルN-(4-ピペリジル)カルバマート(386mg、1.93mmol)のNMP(5mL)中の混合物に、DIEA(249mg、1.93mmol、336uL)を添加し、混合物を110℃で16時間撹拌して、褐色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、EtOAc(20mL×2)で抽出した。有機層を水(20mL×2)、ブライン(30mL×4)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をcombi flash(登録商標)によって精製して、化合物G32(520mg)を赤色固体として得た。
【0197】
G33の合成のための手順
化合物G32(520mg)でB7と同一の手順に従って、450mgの化合物G33を黄色固体として得た。
【0198】
G34の合成のための手順
化合物G33(50mg、82umol、1当量)を含むTHF(2mL)の溶液に、A5(30mg、164umol、2当量)を含むTHF(2mL)の溶液を氷浴中にて0~5℃で添加した。反応溶液を0~25℃で1.5時間撹拌した。2-(メチルアミノ)アセトアミド(21mg、246umol、3当量)およびDIEA(10mg、82umol、14uL、1当量)を添加し、これをさらに16時間撹拌して、黒褐色溶液を得た。LCMSは、所望の生成物が認められたことを示した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、EtOAc(20mL×2)で抽出した。有機層を水(20mL×2)、ブライン(30mL×4)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取TLCによって精製して、化合物G34(22mg)を白色粉末として得た。
【0199】
化合物58の合成のための手順
化合物G34(22mg)で化合物79と同一の手順に従って、3mgの化合物58を黄色固体として得た。
【0200】
スキーム31:一般的合成経路3における経路Vを介した化合物81のための合成経路
【化59】
G35の合成のための手順
化合物E10(728mg、2.61mmol)および化合物I2(500mg、2.17mmol)を含むEtOH(10mL)の溶液に、DIPEA(561mg、4.35mmol、0.757mL、2当量)を添加した。得られた混合物を75℃で12時間撹拌して、褐色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。次いで、H
2O(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、化合物G35(948mg)を褐色ゴム状物質として得た。
【0201】
G36の合成のための手順
化合物G35(948mg)で化合物B14と同一の手順に従って、930mgの化合物G36を黄色固体として得た。
【0202】
G38の合成のための手順
化合物G36(200mg、349umol)および化合物G37(90.19mg、698umol)のトルエン(5mL)中の混合物に、Pd2(dba)3(31.9mg、34.9umol)、t-BuONa(50.3mg、523umol、1.5当量)、およびBINAP(21.7mg、34.9umol)を添加し、混合物を95℃で4時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは、反応が完了していないことを示した。混合物を95℃でさらに6時間撹拌して、赤色混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。混合物をEtOAc(15ml)と水(10mL)との間で分配した。水相をEtOAc(10mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(130mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をcombi flash(登録商標)によって精製して、化合物G38(130mg)を黄色固体として得た。
【0203】
G39の合成のための手順
化合物G38(130mg)で化合物B7と同一の手順に従って、110mgの化合物G39を黄色固体として得た。
【0204】
G40の合成のための手順
化合物G39(100mg)で化合物G31と同一の手順に従って、70mgの化合物G40を黄色固体として得た。
【0205】
化合物81の合成のための手順
化合物G40(70mg)で化合物79と同一の手順に従って、18mgの化合物81を黄色固体として得た。
【0206】
例外的な合成経路
スキーム32:化合物22のための合成経路
【化60】
H2の合成のための手順
化合物H1(214mg、1.75mmol)、DIPEA(1mL)のMeCN(10mL)中の混合物に、化合物G10(500mg、1.17mmol)を添加した。反応溶液を20℃で1時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物をDCM(100mL)と水(80mL)とを用いて分配した。水相をDCM(80mL×2)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(80mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮して、粗生成物を黄色油状物質として得、これをCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物H2(500mg)を黄色ゴム状物質として得た。
【0207】
H4の合成のための手順
化合物H2(200mg、0.822mmol)のDMF(5mL)中の混合物に、HATU(391mg、1.03mmol)、TEA(139mg、1.37mmol)を添加し、20℃で30分間撹拌した。次いで、化合物H3(352mg、0.685mmol)を混合物に添加し、N2雰囲気下にて60℃で5時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却し、水(50mL)に注いだ。混合物から黄色固体が沈殿した。混合物を濾過し、濾過ケークを水(50mL)で洗浄して、粗生成物を黄色粉末として得、これをCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物H4(302mg)を黄色ゴム状物質として得た。
【0208】
H5の合成のための手順
化合物H4(300mg)でA7と同一の手順に従って、290mgの化合物H5を黄色ゴム状物質として得た。
【0209】
H6の合成のための手順
化合物H5(200mg)でA6と同一の手順に従って、101mgの化合物H6を黄色油状物質として得た。
【0210】
化合物22の合成のための手順
化合物H6(100mg、0.133mmol)のHBr/HOAc(2mL、35%)中の混合物を20℃で1時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物にMTBE(10mL)を添加すると、オフホワイト色粉末が沈殿した。白色粉末を濾過によって回収し、MTBE(5mL×2)で洗浄し、これを分取HPLC(0.1%TFA)によって精製し、次いで、5%NH3・H2O/MeOHで溶出する陽イオン交換樹脂によって塩基性化して、化合物22(15mg)を白色粉末として得た。
【0211】
スキーム33:化合物21のための合成経路
【化61】
H8の合成のための手順
化合物H2(207mg、0.972mmol)、化合物H7(500mg、0.972mmol)のDCM(8mL)中の混合物に、AcOH(58.3mg、0.972mmol)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、NaBH(OAc)
3(309mg、1.46mmol)を混合物に添加し、20℃で24時間撹拌した。LCMSは所望のMS値を示す。混合物を、DCM(50mL)と飽和NaHCO
3(50mL)との間で分配した。DCM相をNaHCO
3(50mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して黄色油状物質を得、これをCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物H8(200mg)を黄色油状物質として得た。
【0212】
H9の合成のための手順
化合物H8(200mg、0.281mmol)のDCM(5mL)中の混合物に、TFA(1mL)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を合わせ、減圧下で濃縮して、化合物H9(200mg)を黄色油状物質として得た。
【0213】
H10の合成のための手順
化合物H9(200mg、0.276mmol)のTHF(5mL)中の混合物に、DIPEA(178mg、1.38mmol)、化合物A5(152mg、0.827mmol)を添加した。黄色混合物を25℃で1時間撹拌すると黒色になった。LCMSは反応が完了したことを示した。ジメチルアミン(2M、689uL)を混合物に添加し、25℃で1時間撹拌して、褐色混合物を得た。LCMSは所望のMS値を示した。混合物をDCM(50mL)と水(30mL)との間で分配した。水相をDCM(50mL×2)で抽出した。合わせた抽出相をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して褐色油状物質を得、これをCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物H10(180mg)を褐色油状物質として得た。
【0214】
化合物21の合成のための手順
化合物H10(180mg、0.249mmol)のHBr/HOAc(2.00mL、純度35%)中の混合物を20℃で1時間撹拌して、黄色混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物にMTBE(10mL)を添加すると、オフホワイト色粉末が沈殿した。白色粉末を濾過によって回収し、MTBE(5mL×2)で洗浄した。粗生成物を分取HPLCによって精製して、化合物21(16.2mg)を白色粉末として得た。
【0215】
スキーム34:化合物12のための合成経路
【化62】
H12の合成のための手順
化合物H11(500mg、2.06mmol)およびDIPEA(400mg、3.09mmol)のNMP(5mL)中の混合物に、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(475mg、3.46mmol)を添加した。反応混合物を、N
2雰囲気下にて135℃で24時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水(50mL)を反応混合物に添加し、MTBE(30mL×3)で抽出し、合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムによって精製して、化合物H12(910mg)を赤色固体として得た。
【0216】
H13の合成のための手順
化合物H12(500mg、1.46mmol)を含むDMA(5mL)の溶液に、Zn(CN)2(103mg、0.876mmol)、Pd2(dba)3(134mg、0.146mmol)、DPPF(162mg、0.292mmol)、およびZn(15.28mg、0.234mmol)を添加した。反応物を、マイクロ波条件下の150℃でN2雰囲気下にて0.5時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を水(30mL)とEtOAc(30mL)との間で分配した。水相をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(bine)(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して化合物を得、これをCombi
flash(登録商標)によって精製して、化合物H13(300mg)を赤色ゴム状物質として得た。
【0217】
H14の合成のための手順
ラネー-Ni(100mg)のMeOH(30mL)中の混合物に、化合物H13(500mg、1.73mmol)およびNH3・H2O(2.5mL、25%)を添加した。懸濁液を真空下で脱気してH2でパージすることを数回行い、混合物を25℃でH2下(15psi)にて3時間撹拌して、黒色混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、化合物H14(400mg)を黄色ゴム状物質として得た。
【0218】
H15の合成のための手順
化合物H14(90.0mg、0.307mmol)、DIPEA(165mg、1.28mmol)のMeCN(1mL)中の混合物に、化合物G10(110mg、256mmol)を添加した。反応溶液を25℃で1時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物をDCM(30mL)と水(20mL)とを用いて分配した。水相をDCM(30mL×2)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮して、粗生成物を黄色油状物質として得た。粗生成物をCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物H15(100mg)を黄色ゴム状物質として得た。
【0219】
H16の合成のための手順
化合物H15(100mg、0.146mmol)のTFA(1mL)中の混合物を25℃で3時間撹拌すると、LCMSは大量の出発物質が依然として残存していることを示したので、60℃に12時間加熱すると、LCMSは所望のMS値を示したので、80℃に14時間加熱して、黄色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を、DCM(50mL)と飽和NaHCO3溶液(30mL)とを用いて分配した。水相をDCM(50mL×2)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(30mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮して、化合物H16(100mg)を黄色ゴム状物質として得た。
【0220】
H17の合成のための手順
化合物H16(100mg、粗製)およびジ-tert-ブチルジカルボナート(55.6mg、0.255mmol)を含むDCM(1mL)の溶液に、DIPEA(32.9mg、0.255mmol)を添加した。得られた混合物を25℃で2時間撹拌して、無色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、化合物H17(102mg)を黄色ゴム状物質として得た。
【0221】
H18の合成のための手順
化合物H17(102mg)のTHF(2mL)中の混合物に、DIPEA(248mg、1.92mmol)および化合物A5(106mg、0.576mmol)を添加し、混合物を25℃で1時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。ジメチルアミン(2M、383uL)を混合物に添加した。混合物を25℃で30時間撹拌して、褐色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物をDCM(50mL)と水(30mL)との間で分配し、水性物質をDCM(50mL×2)で抽出し、合わせた抽出相をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して褐色油状物質を得、これをCombi flash(登録商標)によって精製して、化合物H18(80mg)を黄色油状物質として得た。
【0222】
化合物12の合成のための手順
化合物H18(80mg、0.083mmol)のDCM(2mL)中の混合物に、TFA(770mg、0.5mL)を添加し、混合物を25℃で1時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮して黄色油状物質を得、これを分取HPLCによって精製して、化合物12(6.4mg)を白色粉末として得た。
【0223】
スキーム35:化合物14のための合成経路
【化63】
H20の合成のための手順
化合物G7(650mg、2.54mmol)およびDIPEA(1.64g、12.7mmol)のNMP(12mL)中の混合物に、化合物H19(488mg、3.80mmol)を添加した。反応混合物をN
2雰囲気下にて140℃で28時間撹拌して、褐色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。この反応を2つのポットで並行して行った。反応混合物を合わせ、減圧下で濃縮して、粗生成物を褐色ゴム状物質として得、これをMeOH(15mL)で洗浄して、化合物H20(1.09g)を黄色粉末として得た。
【0224】
H21の合成のための手順
化合物H20(400mg、1.31mmol)のPOCl3(5mL)中の混合物に、N,N-ジエチルアニリン(588mg、3.94mmol)を添加した。混合物を90℃で1時間撹拌して、黄色混合物を得た。混合物を減圧下で濃縮して、化合物H21(420mg)を褐色油状物質として得た。
【0225】
化合物14の合成のための手順
化合物H21(300mg、0.929mmol)、DIPEA(2.40g、18.6mmol)のCH3CN(5mL)中の混合物に、化合物A16(533mg、1.39mmol)を添加した。反応溶液を25℃で1時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物をDCM(80mL)と水(50mL)との間で分配し(portioned)、水相をDCM(80mL×2)によって抽出し、合わせた抽出相をブライン(80mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色油状物質を得た。粗生成物をCombi flash(登録商標)によって精製し、次いで、分取TLCによって精製した。生成物を凍結乾燥させて、化合物14(45.5mg)を黄色粉末として得た。
【0226】
スキーム36:化合物41のための合成経路
【化64】
H23の合成のための手順
化合物G26(500mg、966.07umol)および化合物H22(271mg、1.93mmol)を含むDMF(10mL)の溶液に、Cs
2CO
3(630mg、1.93mmol)を添加した。得られた混合物を30~40℃で加熱し、16時間撹拌して、黄色溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を濾過し、EtOAc(50mL)の間で分配した。水層をEtOAc(50mL×3)で抽出した。有機層を飽和ブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を黄色油状物質として得た。粗生成物をcombi flash(登録商標)によって精製して、化合物H23(490mg)を黄色油状物質として得た。
【0227】
H24の合成のための手順
化合物H23(490mg)でB7と同一の手順に従って、440mgの化合物H24を黄色粉末として得た。
【0228】
H25の合成のための手順
化合物H24(390mg)でE3と同一の手順に従って、310mgの化合物H25を黄色粉末として得た。
【0229】
化合物41の合成のための手順
化合物H25(150mg)で化合物44と同一の手順に従って、23mgの化合物41を黄色粉末として得た。
【0230】
スキーム37:化合物41のための合成経路
【化65】
H28の合成のための手順
化合物H26(500mg、2.27mmol)、化合物H27(638mg、3.41mmol)、およびPPh
3(893mg、3.41mmol)を含むTHF(10mL)の溶液に、DIAD(689mg、3.41mmol、662u)を0℃で添加した。得られた混合物を15℃で24時間撹拌して、黄色溶液を得た。TLCは、ほとんどの出発物質が消費されたことを示した。反応混合物をH
2O(30mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィによって精製して、化合物H28(570mg)を黄色油状物質として得た。
【0231】
H29の合成のための手順
化合物G26(1g、1.93mmol)のジオキサン(10mL)およびH2O(10mL)中の混合物に、NaOH(309mg、7.73mmol)を添加し、混合物を50℃で12時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは、所望の生成物が認められたことを示した。混合物を減圧下で濃縮し、pH=3~4に調整し、混合物を濾過し、白色固体を回収して、化合物H29(620mg)を黄色固体として得た。
【0232】
H30の合成のための手順
化合物H29(500mg、1.10mmol)のトルエン(10mL)中の混合物に、POBr3(944mg、3.29mmol、334uL)およびN,N-ジエチルアニリン(16.3mg、109umol、17.56uL)を15℃で添加し、混合物を100℃で3時間撹拌して、黄色混合物を得た。LCMSは、所望の生成物が認められたことを示した。混合物を加圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を(PE/EA=3/1)にて15℃で30分間トリチュレートして、化合物H30(330mg)を黒褐色固体として得た。
【0233】
H31の合成のための手順
化合物H30(330mg、636umol)および化合物H28(247mg、636umol)のジオキサン(5mL)およびH2O(2mL)中の混合物に、Na2CO3(134mg、1.27mmol、2当量)およびPd(dppf)Cl2(46.58mg、63.66umol)を添加し、混合物を80℃で16時間N2下にて撹拌して、黒色混合物を得た。LCMSは、所望の生成物が認められたことを示した。混合物をEtOAc(15ml)と水(10mL)との間で分配した。水相をEtOAc(10mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をcombi flash(登録商標)(PE/EA=1/1)によって精製して、化合物H31(50mg)を赤色固体として得た。
【0234】
H32の合成のための手順
化合物H31(50mg)で化合物B7と同一の手順に従って、43mgの化合物H32を黄色粉末として得た。
【0235】
H33の合成のための手順
化合物H32(11.5mg)で化合物G31と同一の手順に従って、10mgの化合物H33を黄色粉末として得た。
【0236】
化合物87の合成のための手順
化合物H32(10mg)で化合物A7と同一の手順に従って、3mgの化合物87を黄色粉末として得た。
【0237】
【0238】
【0239】
【0240】
【0241】
【0242】
【0243】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【表6-5】
【表6-6】
【表6-7】
【表6-8】
【表6-9】
【表6-10】
【表6-11】
【表6-12】
【表6-13】
【表6-14】
【表6-15】