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  • 特開-廃プラ圧縮粉砕ごみ箱 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013887
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】廃プラ圧縮粉砕ごみ箱
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/20 20220101AFI20230119BHJP
   B09B 3/00 20220101ALI20230119BHJP
   B65F 1/10 20060101ALI20230119BHJP
   B65F 9/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B09B3/00 301W
B09B3/00 ZAB
B65F1/10
B65F9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021136698
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】521372840
【氏名又は名称】竹内 克彦
(72)【発明者】
【氏名】竹内 克彦
(72)【発明者】
【氏名】山崎 洋明
【テーマコード(参考)】
3E023
3E025
4D004
【Fターム(参考)】
3E023AA14
3E023HA01
3E023MC02
3E025DE02
3E025DE05
3E025DE06
4D004AA07
4D004AC01
4D004CA04
4D004CB13
4D004CB50
(57)【要約】
【課題】廃プラスチックごみが排出された段階で減容させるためにコンパクトな廃プラ圧縮粉砕ごみ箱を提供する。
【解決手段】冷却、形状圧縮、脆化工程と粉砕工程にステンレス製のシャッター7を設け、投入された廃プラ容器4をプレ冷却により部分脆化、部分割れ破断4bをさせながら、本冷却工程での形状圧縮を容易にし、その後、シャッター7を開放することにより粉砕工程へ導く構造とし、冷却、形状圧縮、脆化、粉砕の工程をひとつのチャンバー3(3a)内で実現した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃プラスチックを収容するための少なくとも一つの投入部(蓋と開口のことです)を有する収納部と、前記廃プラスックを前記収容部から排出する少なくとも一つの開口部とを有し、前記収納部には前記収容部の一部を形成し前記収納部の容積を可変させる少なくとも一つの可動壁を有しており、前記可動壁を移動させる可動壁駆動部とを備えるごみ箱。
【請求項2】
前記廃プラスチックを冷却する冷却装置を有することを特長とする請求項1に記載のごみ箱。
【請求項3】
前記冷却装置は前記可動壁を介して前記収納部と連接していることを特徴とする請求項2に記載のごみ箱。
【請求項4】
前記可動壁は下部に突起部を有していることを特徴とする請求項1乃至3に記載のごみ箱。
【請求項5】
前記可動壁は前記廃プラスチックを冷却するための通路を有しており、前記収容部と前記冷却装置とは前記通路を介して連通されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のごみ箱。
【請求項6】
前記可動壁が前記廃プラスチックを押圧することにより前記廃プラスチックを変形または破断させることを特徴とする請求項3に記載のごみ箱。
【請求項7】
前記開口部には前記廃プラスチックを粉砕する粉砕部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のごみ箱。
【請求項8】
前記開口部には前記開口部を塞ぐ開閉自在のシャッターを有することを特徴する請求項7に記載のごみ箱。
【請求項9】
前記シャッターは前記粉砕部の下方に設置されていることを特徴とする請求項8に記載のごみ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチックを圧縮粉砕してごみ容積を少なくするごみ箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭から排出される廃プラスチックの発生量は飛躍的に増加し、様々なリサイクル方法が検討されているが、材質、形状、大きさが種々雑多であり、汚れているものも多く、品質も安定していないことから、材料リサイクル、ケミカルリサイクルに使われるものはごく一部でほとんどが燃料としてリサイクルされたり、焼却、埋め立てられている。そして、この廃プラスチックは、嵩張り、一般家庭はもとより、収集運搬、産廃中間処理の工程において、保管場所に広いスペースを必要とするため、近年の搬入量の増加とともに事業者の収集運搬コストの負担が大きくなっている。
【0003】
廃プラスチックの減容処理として、従来の技術では、廃プラスチックを加熱炉で有害ガスが発生しない程度に加熱した後、成型プレスでブロック状に圧縮成形処理をする方法が知られている。また、さらに一層の減容処理として、圧縮成形した廃プラスチックを液体窒素槽で冷凍させ、細片状に粉砕させる処理方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3-178390号公開
【特許文献2】特開平11-10644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
増え続ける廃プラスチックに対し、ごみ収集に関わる人件費、運搬費、収集場所(家庭内、店舗内、ごみ置き場、焼却施設等)が増大、逼迫している。またごみの高温焼却の際のエネルギー費用、CO2排出等の課題も増大している。本発明は、ごみとして排出される第一工程目において、圧縮粉砕することにより、ごみ体積を減少させ、その後工程であるごみ収集に関わる人件費、回収運搬費、収集場所の減少、また産廃中間処理及び原燃料利用においても事前に微粉砕しておくことにより、保管場所、エネルギー費用削減が可能なごみ箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の解決手段は、廃プラスチックを収容するための少なくとも一つの投入部(蓋と開口のことです)を有する収納部と、前記廃プラスックを前記収容部から排出する少なくとも一つの開口部とを有し、前記収納部には前記収容部の一部を形成し前記収納部の容積を可変させる少なくとも一つの可動壁を有しており、前記可動壁を移動させる可動壁駆動部とを備えるごみ箱前記廃プラスックを前記収容部から排出する少なくとも一つの開口部とを有し、前記収納部には前記収容部の一部を形成し前記収納部の容積を可変させる少なくとも一つの可動壁を有しており、前記可動壁を移動させる可動壁駆動部とを備えるごみ箱とすることである。
第2の解決手段は、前記廃プラスチックを冷却する冷却装置を有することである。
第3の解決手段は、前記冷却装置は前記可動壁を介して前記収納部と連接していることである。
第4の解決手段は、前記冷却装置は前記可動壁を介して前記収納部と連接していることである。
第5の解決手段は、前記可動壁は下部に突起部を有していることである。
第6の解決手段は、前記可動壁は前記廃プラスチックを冷却するための通路を有しており、前記収容部と前記冷却装置とは前記通路を介して連通されていることである。
第7の解決手段は、前記可動壁が前記廃プラスチックを押圧することにより前記廃プラスチックを変形または破断させることである。
第8の解決手段は、前記開口部には前記開口部を塞ぐ開閉自在のシャッターを有することである。
第9の解決手段は、前記シャッターは前記粉砕部の下方に設置されていることである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の廃プラ圧縮粉砕ごみ箱は、シュレッダーローラーで微細粉砕するため、プラスチック容器などのごみ体積を20%以下に減容させ、ごみの保管場所、ごみ出し回数、有料のごみ袋費用、ごみ収集に関わる人件費、回収運搬費、ごみ収集場所の減少、また産廃中間処理及び原燃料利用においても事前に微粉砕しておくことにより、保管場所、エネルギー費用削減が可能という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】廃プラ圧縮粉砕ごみ箱の実施方法を示した説明図である。
【実施例1】
「廃プラ投入、貯蔵」、「廃プラプレ冷却圧縮」、「廃プラ本冷却圧縮」、「廃プラ粉砕」の工程で実施、このサイクルを繰り返す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
冷却、形状圧縮、脆化工程と粉砕工程にステンレス製のシャッター7を設け、投入された廃プラ容器4をプレ冷却により部分脆化、部分割れ破断4bをさせながら、本冷却工程での形状圧縮を容易にし、その後、シャッター7を開放することにより粉砕工程へ導く構造とし、冷却、形状圧縮、脆化、粉砕の工程をひとつのチャンバー3(3a)内で実現した。
【0010】
図2は、本発明装置の実施例1の廃プラ投入、貯蔵時の断面図であって、可動圧縮壁1はごみ貯蔵/圧縮チャンバー3が最大スペースとなる位置にあり、ごみ貯蔵/圧縮チャンバー3に繋がる蓋9を開閉し、廃プラ4をごみ貯蔵チャンバー3内に投入する。この時点では、冷却ユニット10は未作動で、ごみ貯蔵/圧縮チャンバー3内は外気温(室温)雰囲気温度で、通常のごみ貯蔵機能のみを有する。なお、次工程の圧縮/冷却に備え、シャッター7は閉じて、ごみ貯蔵/圧縮チャンバー3と、粉砕ごみ貯蔵室開口部5とをシールしている状態である。ごみ貯蔵/圧縮チャンバー3内が廃プラで満杯になった時点、或いは、使用者の任意のタイミングで、操作パネル13を操作することにより次工程の廃プラプレ冷却圧縮の工程の図3に移行する。なお、廃プラプレ冷却圧縮の工程への移行は、操作パネルにより時間指定で作動させたり、スマートデバイスとの連携で、遠隔操作も可能とする。
【0011】
図3は、本発明装置の実施例1の廃プラプレ冷却圧縮時の断面図であって、蓋9は閉状態でロック固定/シールされ、可動圧縮壁1が圧縮/冷却チャンバー3の容積を小さくする方向14に可動を開始する。同時に、冷却ユニットが作動し、可動圧縮壁1の圧縮/冷却チャンバー3に接する面に備えた冷気循環通気口12より、冷気が放出/循環され圧縮/冷却チャンバー3の雰囲気温度を下げる。この際、廃プラ4は冷気が直接当たる部分から局所的に冷却/脆化が進み、可動圧縮壁1による外力により廃プラ4は部分脆化/亀裂が始まり、形状圧縮が促進する。この工程では、ごみ貯蔵/圧縮チャンバー3と粉砕ごみ貯蔵室開口部5とシールしている状態で、また、可動壁1はごみ箱筐体15や蓋1と常にシールしている。廃プラプレ冷却圧縮の工程では、常に可動壁1は圧縮/冷却チャンバー3の容積を小さくする方向14に可動しており、可動壁1の圧縮終点1aに到達すると廃プラプレ冷却圧縮の工程の終了となり、次工程廃プラ本冷却圧縮工程の図4に自動的に移行する。尚、この工程では、シャッター7自体も冷却が促進される。
【0012】
図4は、本発明装置の実施例1の廃プラ本冷却圧縮完了時の断面図であって、蓋9は閉状態でロック固定/シールされ、可動圧縮壁1は圧縮終点位置1aで固定され、ごみ貯蔵/圧縮チャンバー3aは最大圧縮状態となる。この状態を維持し、一定時間冷却ユニット1を本稼働させ、冷気循環通気口12より冷気を送り続け、廃プラ4aに脆化させる。なお、この工程では、可動圧縮壁1aの下部に一体で備わっているシュレッダー開口遮蔽突起形状2により、シュレッダー開口部18は完全に遮蔽され、また、シュレッダー開口遮蔽突起形状2の先端16は、ごみ貯蔵/圧縮チャンバー3aの一部を形成するごみ箱筐体15と直接接触しシールすることにより、シャッター7よりもごみ貯蔵/圧縮チャンバー3a内の断熱効果と気密性を向上させ、ごみ貯蔵/圧縮チャンバー3a内の温度低下を促進、安定させることにより、廃プラ4aに脆化を促進させる。また、シャッター7は閉じた状態を維持ししているため、シュレッダーローラー6も保冷が維持される。廃プラ4aに脆化が十分できる時間が経過すると、次工程廃プラ粉砕の図5に自動的に移行する。
なお、一般に廃プラの脆化は温度によって促進するということがすでにわかっている。下記の表1に主な廃プラスチックのシャルピー衝撃試験結果の例を示す。
【0013】
【表1】
【0014】
図5は本発明装置の実施例1の廃プラ粉砕時の断面図である。蓋9は閉状態でロック固定/シールされ、可動圧縮壁1はごみ貯蔵/圧縮チャンバー3を圧縮開放方向17に移動する。この際、シュレッダー開口遮蔽突起形状2の先端16が、シュレッダー開口部18の完全に開口した地点で、可動圧縮壁1は停止する。この過程でシュレッダーローラー6へ、脆化された廃プラ4aが投入される。同タイミングで、シャッター7が巻き取られた後、シュレッダーローラー6が駆動を開始し、脆化された廃プラ4aはシュレッダーローラー6により粉砕され、粉砕貯蔵室8に格納される。この時、シュレッダーローラー6自体は、前工程で保冷維持されているため、脆化された廃プラ4aの低温脆化状態が、熱移動により損なわれることなく、スムーズな粉砕を実現する。また、この工程中も、冷却ユニット1は作動を続け、ごみ貯蔵/圧縮チャンバー3の低温をある程度とどめ、廃プラ4aの脆化を維持する。廃プラ4aの粉砕が完了すると、冷却ユニット1は停止し、可動圧縮壁1は圧縮開放方向17にさらに移動する。また、シャッター7も閉じ、蓋9のロックが解除され、図2の廃プラ投入、貯蔵時の状態に自動的に戻る。
【産業上の利用可能性】
【0015】
筺体に取付けたタイマースイッチを用いて、電気代の安い夜間に圧縮粉砕することも可能である。また、筐体の容量を大きくし、小売店内で販売する専用容器の回収ボックスとして設置することにより、効率の高いリサイクル循環システムとして活用できる。
【符号の説明】
【0023】
1 可動圧縮壁
1a可動圧縮壁(圧縮終点)
2 シュレッダー開口遮蔽突起形状(可動圧縮壁)
3 ごみ貯蔵/圧縮チャンバー(廃プラ貯蔵時)
3aごみ貯蔵/圧縮チャンバー(廃プラ圧縮時)
4 廃プラ(圧縮前)
4a廃プラ(圧縮後)
4b廃プラ(部分脆性/亀裂部)
5 粉砕ごみ貯蔵室開口部
6 シュレッダーローラー
7 シャッター
8 粉砕ごみ貯蔵室
9 キャンバー蓋
10 冷却ユニット
12 冷却循環通気口
13 操作パネル
14 可動圧縮壁1の圧縮動作方向
15 ゴミ箱筐体
16 シュレッダー開口遮蔽突起形状の先端
17 可動圧縮壁1の圧縮解放動作方向
18 シュレッダー開部口
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
図1】廃プラ圧縮粉砕ごみ箱の実施方法図
図2】実施例1の廃プラ投入、貯蔵工程図
図3】実施例1の廃プラプレ冷却圧縮工程図
図4】実施例1の廃プラ本冷却圧縮完了工程図
図5】実施例1の廃プラ粉砕工程図