(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013890
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】ごみ袋拡張固定具
(51)【国際特許分類】
B65F 1/06 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
B65F1/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021136702
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】716002105
【氏名又は名称】上石 修二
(72)【発明者】
【氏名】上石 修二
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023GA01
3E023GB02
3E023GC04
(57)【要約】
【課題】ごみ箱の断面形状を円形に限定することなく、ごみ袋設置高さを特定せずにごみ箱の内側にごみ袋を固定できるごみ袋拡張固定具を提供する。
【解決手段】上記の課題を解決するため本発明は、長尺の弾性部材と、当該弾性部材の一端にガイド部を備えたごみ袋拡張固定具であって、ガイド部に他端の弾性部材を通し円形状に丸めて使用する、ガイド部には弾性部材とのすべり摩擦による摩擦力が生じる機能が備わる、ごみ箱内部にごみ袋を開口状態で固定するために、ガイド部にて手動でごみ袋拡張固定具を拡張させ手を離すと拡張力とガイド部の摩擦力がつり合うところでその形状を保持できることを特徴とするごみ袋拡張固定具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の弾性部材と、当該弾性部材の一端にガイド部を備えたごみ袋拡張固定具であって、ガイド部に他端の弾性部材を通し円形状に丸めて使用する、ガイド部には弾性部材とのすべり摩擦による摩擦力が生じる機能が備わる、ごみ箱内部にごみ袋を開口状態で固定するために、ガイド部にて手動でごみ袋拡張固定具を拡張させ手を離すと拡張力とガイド部の摩擦力がつり合うところでその形状を保持できることを特徴とするごみ袋拡張固定具。
【請求項2】
ごみ袋の固定を安定化するためにごみ袋拡張固定具外周に取り付ける高弾性材を有する請求項1に記載するごみ袋拡張固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみ箱内部においてごみ袋を固定する際に使用するごみ袋拡張固定具に関する。ここでごみ袋拡張固定具とは、ごみ箱の内側から拡張できその形状を保持できる機能を有する固定具である。
【背景技術】
【0002】
ごみ箱にごみ袋を設置し、ごみ箱の中が汚れないように、またはごみ捨てを効率的に行うためにごみ袋を利用することは広く行われていることである。しかし、ごみ箱からごみ袋の上端が露出して美観を損なうような問題があった。これらの問題を解決するものとして、寸法の違ったごみ箱に対応可能で、任意の大きさの円形の固定具をごみ箱内部に設置できる方法が提案されている(特許文献1)。その解決手段は、開口部が円形である円柱、円錐台の形状のゴミ箱に対し、プラスチック製のゴミ袋をその端部がはみ出すことなく、ゴミ箱に綺麗に装着できるようにするために弾力性と柔軟性を有するエラストマー製またはプラスチック製の帯状の留め具を用いる。加えて様々なごみ箱の開口部の大きさに合わせて帯状の留め具の作るリングの大きさを広範囲に変えられるように、帯状の留め具を長尺にし、リングをつくるときに重なり合う帯同士のいずれの場所でもしっかりと係止できるように係止手段としてクリップまたは環状の係止具を用いる、というものである。しかしながら、本方法では、開口部が円形である円柱、円錐台の形状のごみ箱に限定し、またごみ袋設置高さをごみ箱の内側上部に特定しているという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ごみ箱の断面形状を円形に限定することなく、ごみ袋設置高さを特定せずにごみ箱の内側にごみ袋を固定できるごみ袋拡張固定具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため本発明は、長尺の弾性部材と、当該弾性部材の一端にガイド部を備えたごみ袋拡張固定具であって、ガイド部に他端の弾性部材を通し円形状に丸めて使用する、ガイド部には弾性部材とのすべり摩擦による摩擦力が生じる機能が備わる、ごみ箱内部にごみ袋を開口状態で固定するために、ガイド部にて手動でごみ袋拡張固定具を拡張させ手を離すと拡張力とガイド部の摩擦力がつり合うところでその形状を保持できることを特徴とするごみ袋拡張固定具。
【発明の効果】
【0006】
解決手段であるごみ袋拡張固定具を用いることにより、ごみ袋拡張固定具を拡張させてごみ袋を固定するため、ごみ箱内の設置高さが変わっても、かつごみ箱の断面形状を円形に限定することなく、簡単な操作によりごみ袋を固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
請求項1に記載の長尺とは、▲1▼設計上対象とするごみ箱断面の内面周長、▲2▼ガイド部の長さ、▲3▼ごみ箱または固定位置変更に伴うごみ箱断面の内面周長変化分、▲4▼把持操作に必要な長さ、▲5▼余裕長の合計であり、請求項1に記載の弾性部材に関し、線状、棒状、帯状および板状の弾性部材の組み合わせが可能であり、例えば板状部材を主部材として使用して、力の作用するスライドする部分に線状、帯状または棒状の部材を使うような案も可能である。実施形態では本発明の主部材について帯状部材を使用したごみ袋拡張固定具の構造と機能および効果について説明する。
【0009】
図1はごみ袋拡張固定具の実施形態である。ごみ袋拡張固定具は、弾性材料を使用した帯状部材(1)と、該帯状部材の一端にガイド部(2)を備えたごみ袋拡張固定具であり、帯状部材(1)を円形状に丸めてガイド部(2)の中を通して使用する。スライドするためのガイド部(2)には、帯状部材とのすべり摩擦による摩擦力発生のため鋸歯状の凹凸を設けて帯状部材(1)に接触させる構造である。帯状部材(1)の断面とガイド部(2)の挿入口の形状が同等で鋸歯状の凹凸によって差し込む際の抵抗が生じ、ガイド部(2)が帯状部材(1)を締め付けることで摩擦力を発生させるための支圧力が生まれる。好ましくは、ガイド部(2)に鋸歯状の凹凸を設けないで必要な摩擦力を確保する方法が良い。本発明においては、摩擦による留め具が簡便であるが、摩擦力が十分期待できない場合はガイド部(2)の数を増やして対応するか、解除可能な機械的留め具が選定される。
【0010】
ごみ袋拡張固定具を拡張させごみ袋を固定する際に、ごみ箱形状の歪みやレジ袋の重なり具合によってはごみ袋拡張固定具とごみ箱の間に間隙が生じて固定した状態が不安定になる場合が懸念されることから、ごみ袋拡張固定具の帯状部材(1)外側にスポンジまたはウレタンなどの高弾性材(3)を数か所設置して弾力性の効果で接触点を保持し安定した固定を実現することも可能で、その設置数量は柔軟性、使用性により決める(
図2)。
【0011】
図3はごみ袋拡張固定具の縮小時及び拡張時の動作を示し、ガイド部(2)に通した帯状部材(1)をスライドさせることで機能する。拡張時にはごみ箱が拘束するために、ごみ袋拡張固定具には拡張しようとする弾性的な力(圧縮力)が生じて、ガイド部(2)と帯状部材(1)の間にスライドに伴う摩擦力が生じ、圧縮力と摩擦力がつり合いその形状を保持することで環状の突っ張り固定具となる。固定するための操作はガイド部(2)で拡張し手を放すだけの極めて単純な動作のみである。実施形態の試作実験ではごみ袋拡張固定具を拡張した後に手を放してもその状態を保持しごみ袋を固定できている。
【0012】
ごみ袋拡張固定具を使用すると、ごみ箱内側の設置高さが変わってもガイド部(2)において帯状部材(1)をスライドして内寸法に合致させることができる。同じ理由で楕円や矩形断面においても隅角部以外で接触してごみ袋を固定できる。そのため帯状部材(1)の材質は弾性材であって柔軟性も要求され、実施形態においてはナイロン66を使用したが、好ましくはプラスチックの中では靭性、柔軟性を持つ材料としてポリエステルやポリアミドなどを使用するがよく、さらに柔軟性を考慮して、ゴム、スポンジの使用、さらに環境面からバイオプラスチックの使用が考えられる。
【0013】
図4及び
図5は、ごみ袋(4)をごみ箱(5)に固定する要領を示し、
図4はあらかじめ縮小したごみ袋拡張固定具の上にレジ袋をかぶせてごみ箱(5)内に持っていき、
図5でごみ袋拡張固定具の帯状部材(1)を押さえながらガイド部(2)をスライドさせて固定する。そのとき、折り返したごみ袋(4)を介しての固定作業であるがスライドさせるだけで問題のない簡単な作業である。折り返さないごみ袋(4)をその内側から固定する場合(
図6)は、ごみ袋拡張固定具が露出しているため、ごみ袋(4)の脱着作業はさらに簡単なものとなる。
【0014】
実施形態においてごみ箱(5)内部の上部にごみ袋(4)を固定しているが、ごみ箱(5)内側の低い位置に小さめの袋を固定することも可能となるため、好ましくはこれまで使用後に処分されることが多かった食品などの包装に使うポリエチレン製で厚みの薄い(0.01mm)袋や、レジ袋であって寸法が小さめの袋などについても使用し利用ごみ袋の対象を拡大する(
図6)。その結果、レジ袋や専用のごみ袋の使用量が減りプラスチックごみの減量に寄与できる。
【0015】
実施形態においてごみ袋(4)とごみ箱(5)が接している面では摩擦係数が小さく、汚れ、ごみ箱形状の歪み、ごみの投入時の衝撃などの要因で滑りやすい場合が生じることから、好ましくは、ごみ袋拡張固定具の落下防止のためにごみ箱(5)に貼付けることのできるすべり防止具について補助的に使用する、
図7はごみ箱(5)のごみ袋拡張固定具の設置位置の下方に貼付するすべり防止具(6)で、
図8はごみ箱(5)のごみ袋拡張固定具の設置位置に貼付するすべり防止具(7)で内面に凹凸形状を持つ。
【0016】
ごみ袋拡張固定具の帯状部材を幅広形状とする理由は、線材を使用した固定具が面外(上下方向)に回転して落下するような場合に、幅を持つ形状であると回転に抵抗できるためである。実施形態では一様な断面形状の帯状部材としているが、ごみ袋を固定するための弾性、柔軟性を満足する範囲で、多様な形状も可能であることから、好ましくは拡幅部を数か所持つ形状でも良く、その数量は弾性、柔軟性および使用性により決める。
【0017】
実施形態ではごみ袋拡張固定具の拡張力をごみ箱(5)が支えごみ袋(4)は間に挟まっているだけであったが、利用形態を変更して、ごみ袋だけで使用するとごみ袋拡張固定具の拡張力をごみ袋が受け止めて最大の開口状態を維持し利用する応用例でもよく、さらにごみ袋に限らず柔軟な材料の袋またはカバンなどの開口具としても応用ができ、また、ごみ箱の変形として既往のごみ袋保持具を利用することも可能である。
【符号の説明】
【0018】
1帯状部材
2ガイド部
3高弾性材
4ごみ袋
5ごみ箱
6すべり防止具(6)
7すべり防止具(7)