(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013891
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】カッター付き粘着クリーナー
(51)【国際特許分類】
A47L 25/00 20060101AFI20230119BHJP
B26D 1/04 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
A47L25/00 A
B26D1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021136703
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000187323
【氏名又は名称】松井 次洋
(72)【発明者】
【氏名】松井 次洋
【テーマコード(参考)】
3C027
【Fターム(参考)】
3C027GG01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】粘着紙にミシン目にまたがって髪の毛等が付着した場合でもその粘着紙を容易に除去する手段を提供する。
【解決手段】ロール状粘着紙を回動可能および着脱可能に保持するためのホルダー部1aと、該ホルダー部1aに突設された柄2とを有する粘着クリーナーにおいて、ホルダー部1aに保持されたロール状粘着紙をホルダー部1aに沿って平行にカットするための刃を有するカッター機構部30を設けることにより、該ロール状粘着紙に粘着した粘着物を粘着紙毎カットしてロール状粘着紙を容易に剥がすことのできるよう構成したことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状粘着紙を回動可能および着脱可能に保持するためのホルダー部と、該ホルダー部に突設された柄とを有する粘着クリーナーにおいて、ホルダー部に保持されたロール状粘着紙をホルダー部に沿って平行にカットするための刃を有するカッター機構部を設けることにより、該ロール状粘着紙に粘着した粘着物を粘着紙毎カットしてロール状粘着紙を容易に剥がすことのできるよう構成したことを特徴とするカッター付き粘着クリーナー。
【請求項2】
ロール状粘着紙の芯内に適宜部材を介して磁石を設け、ホルダー部両端に出入り可能なる、磁石を有する軸支部材を設けて、双方の引き合う磁力にて、ホルダーに対するロール状粘着紙の着脱を容易としてなる請求項1記載のカッター付き粘着クリーナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、粘着クリーナーに付着した髪の毛等を除去しやすくするための専用のカッターを有する、カッター付きの粘着クリーナーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、粘着クリーナーの粘着面に張り付いた髪の毛等を除去するものは考えられているが、いずれも専用のテープが必要であり、本発明にて示すように、専用のカッターを付帯させたものは見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の粘着クリーナーは、カーペットなどの上で、粘着面を露出させたロール状の粘着紙を前後に転がして塵や細かいゴミ、髪の毛などをこの粘着紙に粘着させてとりのぞく掃除用具であり、欠点としてミシン目を跨いで張り付いた髪の毛があると、汚れたテープを切り離すことができず、やむを得ず指でこの髪の毛を取り除かねば次のテープに移ることができないという問題を有している。
また、粘着紙スペアを取り替える場合に、粘着紙の紙製の芯を粘着クリーナーのホルダーに差し込んだりする手間が面倒であった。
本発明は以上に鑑み、従来の手段に代えて、髪の毛を取り除くための新規かつ有用なる手段を得ることを目的として発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。すなわち、
ロール状粘着紙を回動可能および着脱可能に保持するためのホルダー部と、該ホルダー部に突設された柄とを有する粘着クリーナーにおいて、ホルダー部に保持されたロール状粘着紙をホルダー部に沿って平行にカットするための刃を有するカッター機構部を設けることにより、該ロール状粘着紙に粘着した粘着物を粘着紙毎カットしてロール状粘着紙を容易に剥がすことのできるよう構成する。本発明は以上の構成によるカッター付き粘着クリーナーである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は下記の効果を有する。
1.カッター部をホルダーに平行移動可能に設けたので、ロール状粘着紙のミシン目箇所にまたがって髪の毛等が付着しても、カッターで容易に切断して剥ぎ取ることができる。
2.ホルダーに対するロール状粘着紙の着脱を磁力方式としたので、スマートかつ容易に該粘着紙のホルダーに対する着脱を行うことができる。
3.カッター部は安全構造とし、カッター部使用に際しては部材の押圧によるたわみを用いたので、使用法簡単で安全に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図5】本発明の粘着紙保持具の粘着紙への取り付け説明図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明は、柄を有する本体部と、粘着紙を切るためのカッター機構部そして粘着紙の本体部への着脱のための粘着紙保持機構部とから成り立っている。なお、ほぼすべての部品は合成樹脂にて形成される。
まず、本体部について説明する。
図1および
図2において、1はカバーAで、側面視円弧形の透明板体であり、その外面中央に持ち手2がカバーAに対しほぼ直角に突出固着される。3はカバーホルダーで、上記カバーAの内面に設けられる複数の板状小突起であって、ロール状粘着紙を安定保持させる部分である。
4はカバーBで、湾曲した細長板体であって、前記したカバーAの一端に、後述する部品を介して当接して位置する。このカバーBの両端部には小片板状の粘着紙押さえ4aと4bが突設固着される。
【0008】
5はカバー接続板バネで、一対の薄小片状の部材であって前記のカバーAとカバーBとの内面にまたがって固着される。従って、カバーAに対してカバーBは所定範囲内にてたわむことができる。6aと6bは側面板で、前記のカバーAの両側に各々直角に固着される板体であり、ロール状粘着紙を保持するための部分である。
7は粘着紙押さえ突片で、カバーBの両端に各々突設固着される。8はカバー曲がり安定板バネで、T字形の薄板体であって、カバーA内面とカバーB内面の中央にまたがって固着される。9はカッター移動用溝で、カバーBに設けられる細長切除部である。
以上が本体部の構成である。
【0009】
次ぎにカッター機構部について説明する。
図1および
図2の30の符号を示している部分がカッター機構部で、
図7~
図8にてその構造が示される。図において、32はカッター安全ガードで、その先端を直角下向きに折曲するとともに後端を厚みのある形状としてなる平面視角形の小片部材である。
このカッター安全ガードの下面には、
図8にて示す形状のカッターガイド支え34が固着されており、前記のカッター移動用溝9とカバーBの端部との間に位置する細長板状部分を内包としてこのカッターガイド支えが位置している。
【0010】
従って、前記カッター安全ガードはカッター移動用溝に沿って所定範囲内にて平行移動が可能である。31はカッターバネで、図のごとく薄板両端を下向きに折曲したもので、その後端は前記のカッター安全ガードに固着されている。またその前端は該カッター安全ガードの切除部32a内に位置し、またV型の金属製カッター刃33が下向きに突設固着されている。このカッターバネの上面にはカッターつまみ35が立設固着される。
従って、このつまみを上から押圧すると、このカッター刃は切除部内を下方移動してカッターバネ下端より下方に突出して位置することとなる。
以上がカッター機構部の構成である。
【0011】
次ぎに、粘着紙保持機構部について説明する。
図4において、10は粘着紙保持具で、図にて示すように、鍔部10aを端部に一体形成した短円柱体であって、該円柱体の鍔部と反対方向の端面に円板状のネオジム磁石12が固着されている。また、小突起状の粘着紙保持ストッパー11が一対として鍔部と反対方向の中間に対称位置に突設されている。
50は既述の側面板6aと6bに外方突出固着される粘着紙保持具ガイドであって、筒状であるとともにその内部にガイド体51を有している。
このガイド体は、筒状体で形成されていて、上記粘着紙保持具ガイドの内面に固着され、2カ所に切除部52が形成されるとともに、この切除部近傍に、一段下がった段部53が設けられる。従って、粘着紙保持具は回動可能であるとともに、その角度位置によって
図4にて示す位置変化が可能である。
【0012】
すなわち、前記の粘着紙保持具ストッパーが前記切除部に位置しているときは、粘着紙保持具は左右に移動可能であり、段部53に位置しているときは、その左右移動が不可であるとともに回動範囲が規制される。よって、粘着紙保持具の回動位置を指で操作することによって、この粘着紙保持具の左右移動不可と移動可能状態を選択することができる。
【0013】
次ぎに、軸支部材としての粘着紙保持機構部(ロール状粘着紙側)について説明する。
図6において、20は粘着紙ホルダーで、短円筒体であり、その一方の端部に環体板60が固着されている。また、上記短円筒の内部に副筒体61が、上記環体板に固着されて位置し、この副筒体の一端にはネオジム磁石23が固着され、このネオジム磁石外面側には、粘着紙ホルダー用軸25が設けられる。この粘着紙保持機構部は図のごとく、市販の粘着紙芯内側に一対が挿入捧持される。
以上が粘着紙保持機構部の構成である。
【0014】
以下に、本発明の使用について説明する。
まず、粘着紙(市販ロール状物)の両端に、粘着紙ホルダー20を磁石側を内側にして挿入する。次ぎに粘着紙保持具10を回動させて粘着保持具ストッパーを前記段部53に位置させる。この状態において、粘着紙保持具は
図4下の位置になってカバーA内方への移動は阻止されている。上述の粘着紙を双方の側面板間に挿入して、粘着紙保持具を回動させると、粘着紙保持具ストッパー11は前記切除部に至ったとき、双方の磁石が引き合ってこの粘着紙保持具は移動して
図4上の状態となり、粘着紙は回動可能にカバーA内に保持されることとなる。
【0015】
剥離紙を剥がして粘着面を露出させて、従来の粘着クリーナー同様に使用する。
そして、粘着面に髪の毛等が粘着紙のミシン目にまたがって付着したときは、粘着紙を回動させてミシン目をカッター刃の真下に位置させ、粘着紙押さえ突片を指で下方に押圧すると、カバーBはたわんで粘着紙押さえ(4a、4b)がテープ面に接して押圧する。次ぎに、カッターつまみを下方へ押圧すると、カッター刃は切除部32aを通って下方移動して粘着紙面に押圧接触するので、このつまみをつまんで平行移動させることによって、上記の髪の毛等は粘着紙とともに切断され、使用済みの粘着紙をすみやかに除去することができる。
【0016】
以上、本発明について記したが、本発明にて従来から不便となっていた髪の毛付着時の対応が容易となったのである。なお、簡易型として、ロール状粘着紙の着脱に、磁石を用いない従来方式を用いて構成してもよい。
以上のごとく、本発明は使用済みの粘着紙の除去およびロール状粘着紙着脱の双方に対して便利なる新規かつ有用なる用具を提供するものである。
【符号の説明】
【0017】
1 カバーA
1a ホルダー部
2 持ち手(柄)
3 カバーホルダー
4 カバーB
4a 粘着紙押さえ
4b 粘着紙押さえ
5 カバー接続板バネ
6a 側面板
6b 側面板
7 粘着紙押さえ突片
8 カバー曲がり安定板バネ
9 カッター移動用溝
10 粘着紙保持具
10a 鍔部
11 粘着紙保持ストッパー
12 ネオジム磁石
20 粘着紙ホルダー
23 ネオジム磁石
25 粘着紙ホルダー用軸
30 カッター機構部
31 カッターバネ
32 カッター安全ガード
32a 切除部
33 カッター刃
34 カッターガイド支え
35 カッターつまみ
50 粘着紙保持具ガイド
51 ガイド体
52 切除部
53 段部
54 粘着紙保持具抜け止め
60 環体板
61 副筒体