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特開2023-138922回折型オーバーレイ用複素光位相測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138922
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】回折型オーバーレイ用複素光位相測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20230926BHJP
   G03F 9/00 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G01B11/00 G
G03F9/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023043007
(22)【出願日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】63/269,653
(32)【優先日】2022-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522375501
【氏名又は名称】アラギ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Allagi Inc.
【住所又は居所原語表記】10130 SW nimbus Avenue, Suite D-8, Portland, OR 97223, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェイ. ダーウィン
【テーマコード(参考)】
2F065
2H197
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA07
2F065BB17
2F065BB28
2F065CC17
2F065FF01
2F065GG02
2F065GG04
2F065GG07
2F065HH07
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ08
2F065JJ17
2F065JJ26
2H197EA15
2H197EA17
2H197EB05
2H197EB16
2H197HA03
2H197JA23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回折構造または構造化光を調整することにより、k空間におけるマッチング条件が達成されることを可能にする多層サンプルにおけるオーバーレイ誤差の測定方法を提供する。
【解決手段】光源520から出射された光を光変調器535を通して投射することにより、光源から空間的な構造化光を生成する工程と、空間的な構造化光を光変調器から多層周期サンプル501上に送信する工程と、多層周期サンプル501からの回折された空間的な構造化光を、コンピューティングシステムに通信可能に結合された複数のセンサ560、570のうちの1つ以上において検出する工程と、複数のセンサ560、570のうちの1つ以上において検出された回折された空間的な構造光のコンピューティングシステムで受信した信号に基づいて、多層周期サンプル501のオーバーレイ誤差を推定する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射された光を光変調器を通して投射することにより、前記光源から空間的な構造化光を生成する工程と、
前記空間的な構造化光を前記光変調器から多層周期サンプル上に送信する工程と、
前記多層周期サンプルからの回折された空間的な構造化光を、コンピューティングシステムに通信可能に結合された複数のセンサのうちの1つ以上において検出する工程と、
前記複数のセンサのうちの前記1つ以上において検出された前記回折された空間的な構造光の前記コンピューティングシステムで受信した信号に基づいて、前記多層周期サンプルのオーバーレイ誤差を推定する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数のセンサのうちの前記1つ以上が、CMOSセンサ、光検出器、光電子増倍管(PMT)および荷電結合素子(CCD)を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光源は、発光ダイオード(LED)、レーザ、プラズマ源およびフィラメント源を含む群から選択される少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記光変調器は、所定の空間周期を有する空間的な構造化光を生成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記空間的な構造化光の前記空間周期は、振幅変調、周波数変調または双方の組み合わせによって変調される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オーバーレイ誤差を推定する工程は、前記空間的な構造化光の前記空間周期または前記光源の波長の少なくとも1つにわたって回帰する工程を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
さらに、複数のレンズ素子を含み、前記複数のレンズ素子の第1レンズ素子は、前記光変調器と前記多層周期サンプルとの間に配置され、前記複数のレンズ素子の残りの各レンズ素子は、前記多層周期サンプルと前記複数のセンサの前記1つ以上との間に配置され、
前記複数のセンサの前記1つ以上で検出された回折された空間的な構造光は、基準信号と比較される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記オーバーレイ誤差を推定する工程は、時間の関数として前記回折された空間的な構造化光の電界における非対称性を推定する工程に基づく、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のセンサの前記1つ以上のそれぞれがCCDであり、前記回折された空間的な構造化光と前記基準信号との間の位相差は、前記回折された空間的な構造化光と前記基準信号とを時間の関数として、および前記CCDのそれぞれにおける画素位置の関数として比較することによって推定される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
オーバーレイ誤差を推定する工程は、前記回折された空間的な構造化光と前記基準信号との間の位相差を、前記基準信号に対する前記回折された空間的な構造化光のロックイン増幅を介して推定する工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
さらに、前記多層周期サンプルと前記複数のセンサのうちの1つ以上との間に配置された対物レンズを含み、前記対物レンズは、前記回折された空間的な構造化光の空間フーリエ変換を前記対物レンズの瞳面内に投射して、前記複数のセンサのうちの1つ以上で検出され、
前記オーバーレイ誤差を推定する工程は、前記複数のセンサのうちの1つ以上で検出された前記回折された空間的な構造化光の空間フーリエ変換に逆フーリエ変換を施す工程を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記光変調器から伝送された前記空間的な構造化光は、前記多層周期サンプルの平面上に投射された2次元(2D)空間変動を含み、
前記オーバーレイ誤差を推定する工程は、前記複数のセンサのうちの1つ以上で検出された前記回折された空間的な構造化光の前記2D空間変動に基づいて、前記オーバーレイ誤差のベクトルの変位を推定する工程を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記オーバーレイ誤差を推定する工程は、前記コンピューティングシステムによって生成される前記基準信号に対する前記回折された空間的な構造化光の位相差を推定する工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
多層周期サンプルのオーバーレイ誤差を推定するシステムであって、
軸と、
前記軸に結合された光変調器と、
レンズ素子と、
前記光変調器を通して光を照射して、前記軸に沿って空間的な構造化光を、前記レンズ素子を通して前記多層周期サンプルに上に投射するように構成された光源と、
前記多層周期サンプルからの回折された空間的な構造光を検出するように構成された複数のセンサと、
コンピューティングシステムと、を含み、
前記コンピューティングシステムは、
前記複数のセンサのうちの1つ以上で検出された光を基準信号に対してロックイン増幅するように構成された同期モジュールと、
前記基準信号と前記複数のセンサのうちの1つ以上で検出された前記回折された空間的な構造光との間の位相差を計算するように構成された分析モジュールであって、前記位相差が前記光源の波長および前記空間的な構造化光の空間周期のうちの1つ以上の関数である分析モジュールとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項15】
前記複数のセンサのうちの1つ以上は、CMOSセンサ、光検出器、光電子増倍管(PMT)および荷電結合素子(CCD)を含む群から選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記光源は、発光ダイオード(LED)、レーザ、プラズマ源およびフィラメント源を含む群から選択される少なくとも1つを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数のセンサは、前記多層周期サンプルからの回折された空間的な構造化光を検出するように構成された第1センサと、前記光変調器からの前記空間的な構造化光の前記基準信号を検出するように構成された第2センサとを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記基準信号は、前記コンピューティングシステムによって生成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1センサで検出された前記回折された空間的な構造化光は、1次回折信号である、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
多層周期サンプルの回折型のオーバーレイ(DBO)計測用の光学システムであって、
軸と、
前記軸に結合された光変調器と、
レンズ素子と、
前記光変調器を通して光を照射して、空間的な構造化光を前記軸に沿って投射するように構成された光源と、
前記光変調器と前記多層周期サンプルの間に配置されたビームスプリッタであって、前記空間的な構造化光の第1部分を前記軸に垂直な方向に反射し、前記空間的な構造化光の第2部分を前記軸に沿って、かつ前記多層周期サンプル上に送信するように構成されたビームスプリッタと、
光の前記第1部分を受信し、光の前記第1部分を第1センサで検出されるべき基準信号として反射するように構成された基準面と、
前記多層周期サンプルからの回折された空間的な構造光を検出するように構成された第2センサと、
コンピューティングシステムと、を含み、
前記コンピューティングシステムは、
前記第1センサで検出された前記基準信号に対して、前記第2センサで前記回折された空間的な構造光のロックイン増幅を適用するように構成された同期モジュールと、
前記第1センサで検出された前記基準信号に対する前記第2センサで検出された前記回折された空間的な構造化光の位相差を計算するように構成された分析モジュールであって、前記位相差が前記光源の波長および前記空間的な構造化光の空間周期のうちの1つ以上の関数である分析モジュールとを備えることを特徴とする光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された技術の実施形態は、一般に、回折型オーバーレイ(DFO)計測を介して、オーバーレイ誤差を計測するための方法、技術、システム、および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスのような多層構造から構成される電子デバイスは、様々な製造工程を通して形成され得る。半導体製造時に実施される様々な工程を通して、計測プロセスが使用されて、多層サンプルの処理の実施の精度を確保し得る。半導体デバイス製造の特性評価に使用され得る計測の典型的な形態は、特性評価のスピードおよび最小限の侵襲性から光学計測である。散乱計、回折計および反射計の実装と、関連する分析アルゴリズム等を含む多くの光学計測に基づく技術は、一般に、ナノスケール構造の膜厚、組成、オーバーレイ、ピッチおよびその他のパラメータのような重要な寸法を特性評価するために使用され得る。
【0003】
製造プロセスにおいて、多層サンプルの異なる層における構造の相対位置がオフセットされ得る。かかるオフセット誤差は、オーバーレイ誤差と呼ばれる。オーバーレイ誤差が大き過ぎると、多層サンプルの機能が損なわれる可能性があるため、オーバーレイ誤差を最小限に抑えることが望ましい。
【0004】
オーバーレイ誤差は、典型的には、リソグラフィツールによって多層サンプル上の様々な位置に形成された特殊なターゲット構造の測定に基づいて評価され得る。ターゲット構造は、ボックスインボックス構造のような多くの形態をとり得る。この形態では、多層サンプルの1つの層上にボックスが作成され、他の層上に2番目の小さい(または大きい)ボックスが形成される。局所的なオーバーレイ誤差は、2つのボックスの中心間のアライメントを比較することで測定される。かかる測定は、典型的には、ターゲット構造が生成され、プロセス制御および性能検証に使用されるウェハの「ストリート」で行われる。オーバーレイ誤差は、エッチング工程での位置ずれの可能性を低減するため、フォトリソグラフィ工程におけるレジスト現像工程の直後に測定されることが最も多く、パターン化したレジストのオーバーレイ誤差は、その下のパターン化したフィルムスタックを基準に測定される。オーバーレイ誤差が大きすぎる場合、しばしば、ウェハはレジストを剥離し、プロセス工程のオーバーレイ要件を満たす装置を使用してフォトリソグラフィプロセス工程を通して再処理することによって、再加工され得る。時には、ために、エッチング後のオーバーレイ誤差もモニターされて、統合されたプロセスを検証する。
【0005】
多層サンプルのオーバーレイ誤差を測定する方法には、いくつかの例がある。そのような例として、画像ベースのオーバーレイ(IBO)がある。従来のIBO計測では、オーバーレイ誤差を推定するために、特殊なターゲット構造の画像の分析を含み得る。典型的には、画像分析では、画像中の特定のターゲット特徴(線分、ボックス等)の認識を必要とし、これらの特徴の相対的な位置に基づいてオーバーレイ誤差が計算される。特殊なターゲット構造は、画像処理アルゴリズムに固有であってもよい。例えば、オーバーレイターゲット(例えば、ボックスインボックスターゲット、フレームインフレームターゲット、高度画像計測(AIM)ターゲット)に関連する線分は、アルゴリズムの仕様に準拠するように特別に設計され得る。このため、従来の画像型のオーバーレイ計測分析アルゴリズムは、任意のオーバーレイターゲットまたはデバイス構造に対して確実に機能しないことがある。
【0006】
多層サンプルにおけるオーバーレイ誤差を測定するための他の例示的な方法は、回折型のオーバーレイ(DBO)である。IBO測定と同様に、回折型のオーバーレイ(DBO)測定およびその変形例は、多層サンプルのオーバーレイ誤差を直接または間接的に測定することができる。直接測定では、典型的には、通常0次および1次に限定される回折次数の位置または強度を推定し、様々な校正スキームを使用して前記測定の精度を向上させる。一例では、多層サンプルは、第1層の第1周期構造と、第2層の第2周期構造とを含み、第2周期構造は、第1周期構造の上に配置され得る。多層サンプルに特定の波長を照射し、互いに重ね合わされた第1および第2構造によって発生する回折パターンの強度を測定することで、オーバーレイ誤差の測定値を得ることができる。また、真のオーバーレイ誤差に対する多層フィルム積層光学特性の影響を低減する方法として、第1および第2回折格子同士の間の一定のプログラムされたオーバーレイオフセットも使用し得る。他のDBO測定法では、モデリングアルゴリズムを使用して、回折情報が分析され得る使用可能な範囲を拡張することができ、かかるアプローチには、スペクトルコンテンツの分析と、オーバーレイ誤差を推定するための理想化モデルへの適合とを含む。
【0007】
しかしながら、上記の計測技術には、いくつかの課題が存在する。従来のIBO計測の場合、エッジ、線分等の構造の特徴を推測すべく、ターゲット構造から得られた画像を解釈するために、画像データを分析するアルゴリズムが使用され得る。これらの画像分析アルゴリズムは、ターゲット構造に特有で可能性があり、方法の自由度を低下させる。さらに、IBO計測は、オーバーレイ誤差を計測するために最小分解能のピッチ間隔を利用しない従来のDBOと比較して、光学的に分解可能な特定の最小ピッチ間隔を利用してもよい。
【0008】
現在のIBOおよびDBOアプローチにおける誤差は、直接的でモデル化された、波長(λ)および開口数(NA)を有するスケールであり、これは、計測に対してより高いNAまたはより低いλに押し上げることになる。明視野(BF)高NAシステムの課題は、特に作動距離(WD)および被写界深度(DOF)の仕様を考慮した場合、多数あり得る。正常軸(Normal axis)BF装置は、非常に高いNA(0.8を超えるものもある)を有し得るが、小さいWDおよび極めて厳しいDOFをもたらし、これらの制約が最終的に生産機械のスループットを制限する。分光エリプソメータと同様に、軸外(Off-axis)BFシステムは、照明の有効NAを増加させ、高NA撮像対物レンズに関連するいくつかの課題を軽減することができるが、この利得は、その後、受信光学系の有効DOFおよびスポットサイズによって制限される。スポットサイズは、その後、計測の全体的な信号対雑音を決定するターゲット特徴の最小サイズを決定するので、オーバーレイ計測の中心的な変数である。波長スケーリングは、光学系を450nm未満にさせると、収差、吸収および他の不要なシステム誤差が発生し、設計および部品コストが不要に増加するので、それ自体の課題をもたらす。
【0009】
上記の課題を解決するために、性能を高めながら設計コストを抑制する開口数および波長範囲を有する、小さいターゲット上で動作し得る方法が望まれる。同様に、光学応答のモデル化を排除することで、より堅牢な測定、より単純な設計を実現する。本実施形態の一例では、構造化光が使用されて、サンプル上の回折構造によって直接変調されつつ、関連するDOFのペナルティまたは損失を伴わずに、システムの有効NAを増加させる。回折構造または構造化光を調整することにより、k空間におけるマッチング条件が達成されることを可能にする。構造化光の変調は、その後、回折次数の変調をもたらし、波長特定照明(wavelength specific illumination)と組み合わせることで、構造化光に対する回折画像の相対変位を波長の関数として直接的な測定をもたらす。
【0010】
一例では、上述の問題は、以下を含む方法によって対処され得る。光源から出射された光を光変調器を通して投射することにより、光源から空間的な構造化光を生成し、空間的な構造化光を光変調器から多層周期サンプル上に送信し、多層周期サンプルからの回折された空間的な構造化光を、コンピューティングシステムに通信可能に結合された複数のセンサのうちの1つ以上において検出し、複数のセンサのうちの1つ以上において検出された回折された空間的な構造化光のコンピューティングシステムで受信した信号に基づいて、多層周期サンプルのオーバーレイ誤差を推定する。特に、本明細書で提供される開示された技術は、一般に、オーバーレイ誤差の大きさを決定するために、生成された構造化光の周期性と多層サンプルの周期性との混合を利用して、基準信号の位相および強度と比較され得る測定可能な位相および強度変化をもたらし得るシステムおよび方法を提供する。
【0011】
さらに、本明細書で提供される開示された技術は、回折光に採用される検出および分析に応じて、多かれ少なかれ適切であり得るいくつかのバリエーションを可能にする。いくつかの例では、構造化光は、回折信号に現れる変化する空間周期および/または振幅を有する、固定された空間周期、または変化する空間周期および/または振幅を含んでもよい。さらに、いくつかの例では、構造化光は、単一の波長の光を含んでもよく、波長のスペクトルを含んでもよく、または回折ピークの位置に影響を及ぼし得る波長の関数として測定されてもよい。さらに、上述の例の全てにおいて、回折光は、瞳面または像面のいずれかから得られてもよく、加えて、瞳面におけるフーリエ分析を可能にする。更なる他の例では、構造化光は、交差した空間変化を含んでもよく、すなわち、一方向に変調された空間周期を有する第1光線と、第2垂直方向に変調された空間周期を有する第2光線とを含んでもよく、オーバーレイ構造のベクトルオーバーレイ変位を探査可能になってもよい。
【0012】
このように、構造化光(例えば、光変調器で構造化された光)を用いたDBO計測を利用することにより、ヘテロダイン技術は、多層サンプルのオーバーレイ誤差を様々な方法で測定する際に採用され得、採用される光検出技術の自由度を高めことを可能にする。DBO計測において構造化光を使用することにより、回折ピークの位置および強度を越えるより多くの情報を得ることができ、オーバーレイ誤差の計測をより高感度することが可能になる。DBO計測において構造化光を採用する技術的効果は、周期構造の空間周期と構造化光の空間周期との混合により誘起される位相及び強度変化が測定され得ることである。
【0013】
上記の概要は、詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供されていることを理解されたい。また、特許請求される主題の重要または必須な特徴を特定することを意図しておらず、その範囲は詳細な説明に続く特許請求の範囲によって一意に規定される。さらに、特許請求される主題は、上記または本開示の任意の部分において言及される任意の欠点を解決する実施態様に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】開示された技術の特定の実施形態に係る測定システムの第1例100を示す。
【0015】
図2】開示された技術の特定の実施形態に係る測定システムの第2例200を示す。
【0016】
図3】開示された技術の特定の実装形態に係る測定システムの一例を示す機能図300である。
【0017】
図4】開示された技術の特定の実施形態に係る測定システムの第3例400を示す。
【0018】
図5】開示された技術の特定の実施形態に係る測定システムの第4例500を示す。
【0019】
図6】開示された技術の特定の実施形態に係る、ゼロ次回折光の分析を介して、回折型のオーバーレイ(DFO)サンプルにおけるオーバーレイ誤差を画像化するために、構造化光を生成する第1方法600の一例を示す。
【0020】
図7】開示された技術の特定の実施形態に係る、ゼロ次回折光の時系列分析を介して、DFOサンプルにおけるオーバーレイ誤差を画像化するために、構造化光を生成する第2方法700の一例を示す。
【0021】
図8】開示された技術の特定の実施形態に係る、基準信号に対する1次回折光の分析を介して、DFOサンプルにおけるオーバーレイ誤差を画像化するために、構造化光を生成する第3方法800の一例を示す。
【0022】
図9】開示された技術の特定の実施形態に係る、構造化光の波長を変調し、得られた一次回折信号を分析することを介して、DFOサンプルにおけるオーバーレイ誤差を画像化するために、構造化光を生成する第4方法900の一例を示す。
【0023】
図10】開示された技術の特定の実施形態に係る、瞳面における回折光の分析を介して、DFOサンプルにおけるオーバーレイ誤差を画像化するために、構造化光を生成する第5方法1000の一例を示す。
【0024】
図11】開示される技術の特定の実装形態に係る、DFOサンプルにおけるオーバーレイ誤差を画像化するために、構造化光の2D交差パターンを生成する第5方法1000の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
開示された技術の実施形態は、一般に、多層サンプルのオーバーレイ誤差を測定するために使用される方法および装置に関する。様々な産業では、典型的には、製品の品質管理および健全な製造方法を保証するために、オーバーレイ誤差測定に依存しており、場合によっては、これらの測定がプロセスフローに組み込まれ、例えば、プレ組み立てまたは統合のためにユニットレベルの仕様が満たされることを保証する。いくつかの例では、かかるサンプルは、この目的のために利用され得る規則的なパターンを含んでもよい。このような規則的なパターンは、回折型のオーバーレイ(DBO)計測を可能にし、基板上の規則的なパターンが回折格子として機能して、サンプルのオーバーレイ誤差に関する情報を提供する観察可能な回折ピークをもたらし得る。図1は、DBO計測に使用するための構造化光を発生させ得る、多層サンプルを測定する第1の例示的な測定システムを示し、図2は、図1と同様であるが、構造化光に対して任意の角度だけオフセットされたサンプルを測定可能な第2の例示的な測定システムを示す。構造化光を生成する一方で、光変調器を介して構造化光の空間変調を行うことが望ましい場合がある。図3は、空間的に変調された構造化光を生成し、多層サンプル表面からの出射構造化光を測定する光変調器を含む測定システムの定時的な機能図を示す。図4は、サンプル位置決め装置を含む第3の例示的な測定システムを示す。図5は、他の特徴の中でもとりわけ、光変調器、よびサンプルの位置決め装置を含む第4の例示的な測定システムを示す。図1~5のシステムは、構造化光を生成した後、サンプル表面から回折された構造化光を測定するために使用され得る。図6は、サンプル表面からの構造化光の0次回折信号の生成および測定する第1の例示的な方法を示す。図7は、時系列分析を介して、サンプル表面からの構造化光の0次回折信号を生成および測定する第2の例示的な方法示す。図8は、時系列分析を介してサンプル表面からの構造化光の1次回折信号を、基準信号に対して生成および測定する第3の例示的な方法を示し、図9は、サンプル表面からの構造化光の1次回折信号を波長の関数として生成および測定する第4の例示的な方法を示す。図10は、瞳面におけるサンプル表面からの構造化光(0次以上であってもよい。)の回折信号を生成および測定する第5の例示的な方法で示す。図11は、サンプル表面からの構造化光(0次または高次であってもよい。)の回折信号を生成および測定する第6の例示的な方法を示し、ここで、構造化光は、2つの垂直方向の空間変調(本明細書では交差空間変動とも呼ばれる。)を含む。
【0026】
図1は、開示された技術の特定の実施態様に係る測定システム100の第1例を示す。実施例では、システム100は、サンプル領域110上に投射される構造化光を生成することができる光源120を含む。いくつかの例では、光はサンプル領域110に直接投射され得る。他の例では、サンプル領域110上に投射される回転する構造化光を生成するように、光源120を構成することが望まれる場合がある。サンプル領域110上に投射される構造化光は、第1センサ160によって測定され得る。第2センサは、構造化光の角度位置を測定するために使用され得る。第1センサ160および第2センサからのデータは、収集され、コンピューティングシステム190に渡され得る。光源120によって生成された光が回転する例では、コンピューティングシステム190は、第2センサによって測定された角度位置を、第1センサ160によって取得されたデータと同期させる機能を有する。また、コンピューティングシステム190は、データを記憶および分析するように構成されてもよい。
【0027】
図2は、開示された技術の特定の実施態様に係る測定システム200の第2例を示す。図1のシステム100と同様に、システム200は、サンプル領域210と、光源220と、第1センサ260と、計算システム290とを含む。しかしながら、システム200に関して、投射された構造化光は、コンピューティングシステム290上に示されるその後続のデータ表現で任意の角度に回転されることが示されている。構造化光は、任意の不連続な角度に回転させ、または連続的に回転させ得ることが理解されよう。それにもかかわらず、第1センサ260および第2センサからのデータは、同期化され得る。
【0028】
図3は、開示された技術の特定の実施態様に係る測定システムの一例を示す機能図300である。本実施例では、同期モジュールとイルミネータモジュールとを含む。
【0029】
開示された技術の特定の実施形態は、一般に、例えば、光源から任意のホットスポットまたは光学的不均一性を除去するために、大きい拡散散乱面を含む。この面のサイズは、典型的には、サンプルのサイズおよび曲率に正比例するため、サンプル表面の全ての角度を同時に、例えば、ホットスポットなしで照射することを可能にする。サンプルおよび観察センサは、センサがサンプル表面からの拡散散乱、空間的に変調された光を画像化し得るように、幾何学的に構成されてもよい。この空間的に変調された光は、位相、その後、表面高さに変換することができる。
【0030】
空間的に変調された光源、および拡散反射スクリーン(例えば、平坦または曲面を有する)を使用し得る。スクリーンは、軸から外れて照射されてもよい。サンプルは、サンプルを操作する(例えば、回転させる)ために、自動的にステージングされ得る。センサ(例えば、領域スキャンカメラ)は、サンプル対象の表面を画像化するための光学系を有し得る。カメラおよび光学系は、サンプル表面からの拡散反射光を観察するように設定されてもよい。データは、最初のサンプルの向きで収集され、サンプルは回転され(例えば、少なくとも90度)、データは再び収集されてもよい。
【0031】
図4は、開示された技術の特定の実施形態に係る測定システムの第3例400を示す。システム400は、サンプル401を位置決めするように構成されたサンプル位置決め装置410を含む。サンプル位置決め装置410は、例えば、サンプル401をピッキング、配置および/または位置合わせするための1つ以上の軸を有するロボットまたは他の自動装置であってもよい。また、システム400は、測定前および/または測定中に、サンプル410を位置決めするための1つ以上の軸を有し得るステージング装置420を含む。また、システム400は、例えば、サンプル401の寸法、形状および特性を測定するための測定装置460を含む。また、システム400は、例えば、運動、測定および/または分析を同期させるように構成され得るコンピューティングシステム490を有する。
【0032】
図5は、開示された技術の特定の実施態様に係る測定システムの第4例500を示す。システムは、サンプル位置決め装置510、少なくとも1つの光源520、波長選択装置530、光変調器535、第1レンズ素子540、第1センサ560、第2レンズ素子565、第2センサ570、第3レンズ素子575、および演算装置590を含む。また、投射光を受けるように構成された投射面550を含む。サンプル位置決め装置510は、一般に、サンプル501を位置決めするように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、光源520は、波長選択装置530を通して、光変調器535を通して光を照射し、第1レンズ素子540を通してサンプル501上に構造化光を投射するように構成される。光源520は、例えば、構造化光を生成して回転させることが可能な投射光学系を有していてもよい。特定の実施形態では、光源520は、発光ダイオード(LED)、レーザ、プラズマ源およびフィラメント源を含む群から選択され得る。
【0034】
特定の実施形態では、システムは、任意のヌル条件を除去するように構成された光源520を含む複数の光源を有する。これらの複数の光源は、異なる幅、空間周波数および入射角で光を照射して、ダイナミックレンジを拡大、位相誤差を除去、感度を向上させるように構成され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、格子、液晶、音響光学透過フィルタまたは波長可変レーザ源等の波長選択装置530を使用することにより、1つ以上の特定の波長を選択し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、光変調器535は、光源520によってサンプル501上に照射される構造化光でパターンを作成させるように構成されるエンコーダを含む。サンプル501の表面は光沢があってもよく、例えば、サンプル501はガラス製であってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、第2レンズ素子565は、第1センサ560で受信される前に、サンプル501の表面から歪み、反射および/または回折される光を分解するように構成され得る。同様に、第3レンズ素子575は、第2センサ570で受信される前に、サンプル501の表面から歪み、反射および/または回折された光を分解するように構成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態において、光学センサ装置は、少なくとも第1センサ560および第2センサ570を含み、第2レンズ素子565および第3レンズ素子575のそれぞれを透過した光を受信した後に、サンプル501の画像を捕捉するように構成される。光センサ装置は、CMOSセンサ、光検出器、光電子増倍管(PMT)および荷電結合素子(CCD)を含む群から選択される2つ以上のセンサのアレイを含んでもよい。サンプル501の表面は、構造化光を歪ませ、反射させまたは回折させるように作用し、第1センサ560および第2センサ570のそれぞれは、例えば、この歪んだ、反射した、または回折した光を読み取り得る。特に、第1センサ560は、0次回折信号であるサンプル501からの回折光を検出するように構成され得る一方、第2センサ570は、1次回折サンプルであるサンプルからの回折光を検出するように構成され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、測定システムは、サンプル501と第1レンズ素子540との間に配置されたビームスプリッタ(図示せず。)をさらに含むことができ、その結果、光変調器535から生成された構造化光は、レンズ素子を通過し、ビームスプリッタを通過し、光の第1部分は、ビームスプリッタを透過してサンプルに到達し、第2部分は、ビームスプリッタから反射し、基準面(図示せず。)から反射し、第4レンズ素子(図示せず。)を透過し、第3センサ(図示せず。)で検出される。一例では、基準面は平らな鏡であってもよく、平らな鏡の表面は、予め較正された平坦度のレベル内にある。一例では、50/50ビームスプリッタが透過および反射パワーのバランスをとるように選択され得るが、他のビームスプリッタ比は、測定中のサンプル501を考慮して選択され得る。いくつかの例では、第2センサは、CMOSセンサ、光検出器、光電子増倍管(PMT)および荷電結合素子(CCD)のうちの1つであり得る。
【0040】
コンピューティングシステム590は、任意の他の関連するセンサ(第3センサ等)に加えて、少なくとも1つの光源520、第1センサ560および/または第2センサ570を協調することにより、システムを位相ロックするように構成される同期化モジュールを含む。更なる例では、コンピューティングシステム590は、他の関連するセンサに加えて、少なくとも1つの光源520、第1センサ560および/または第2センサ570のロックイン増幅を採用し得る。コンピューティングシステム590は、投射面550およびサンプル501から受信したものに基づいて、オーバーレイ値を計算するように構成された分析モジュールをさらに含む。
【0041】
特定の実施形態では、第1センサ560は、例えばテーブルによって、サンプル位置決め装置510と結合されてもよい。代替的な実施形態では、第1センサ560は、サンプル位置決め装置510から物理的に分離されてもよい。
【0042】
同様に、特定の実施形態では、第2センサ570も、サンプル位置決め装置510と、例えば、テーブルによって結合されてもよい。かかる実施形態では、第2センサ570は、第1センサ560と協調して調整されてもよく、または第1センサとは独立して調整されてもよい。代替的な実施態様では、第1センサ560は、サンプル位置決め装置510から物理的に分離されていてもよい。
【0043】
図6は、周期構造を有し得る多層サンプル(図5のサンプル501等)のオーバーレイ誤差を測定するために、図5の光学測定システム等の光学測定システムから構造化回折光を生成および測定する第1方法600を示す。方法600は、本明細書に記載されたシステムを参照して、図5に関して説明されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の方法が他のシステムに適用され得ることを理解されたい。方法600は実行されてもよく、コンピューティングシステム590で非一過性のメモリに記憶されてもよい。方法600を実行する命令は、図5を参照して上述したセンサ等の光学システムのセンサから受信された信号と連携して、コンピューティングシステム590によって実行され得る。コンピューティングシステムは、以下に説明する方法に従って、光学システムのアクチュエータを採用して、光学システムの動作を調整し得る。
【0044】
610において、方法600は、光変調器(図5の光変調器535等)を介して、構造化光を生成することを含む。光は、まず、光源(図5の光源520等)、光変調器を経た後、レンズ素子(図5の第1レンズ素子540等)を介して出射され得る。光変調器は、光源から出射された光に、一定の空間周期(または周波数)を付与し得る。一例では、周波数は、多層サンプルの1つ以上の層構造の周期性等、多層サンプルの既知または予想される特性に基づいて選択され得る。
【0045】
620において、方法600は、任意選択で、光変調器を介して構造化光の空間周期を変調することを含む。いくつかの例では、空間周期は、第1のより低い空間周期と第2のより高い空間周期との間で、空間周期を周期的に調整することを介して調整され得る。他の例では、空間周期は、第1のより低い振幅と第2のより高い振幅との間で、構造化光の振幅を周期的に調整することを介して調整され得る。更なる他の例では、特定の組み合わせで、構造化光の空間周期を直接調整すること、および構造化光の振幅を調整することにより変調され得る。
【0046】
630において、方法600は、構造化光を多層サンプル上に投射することを含む。光は、光源から、光変調器を通して、レンズ素子を通して投射され、多層サンプルに衝突し得る。一例では、サンプルへの光の投射と、その後のセンサ(図5の第1センサ560等)での収集は、明視野照明構成で構成され得る。
【0047】
640において、方法600は、センサ(図5の第1センサ560等)で0次回折信号を検出することを含む。光は、サンプルから歪み、反射および/または回折し、他のレンズ素子(図5の第2レンズ素子565等)を通過して、センサで受信され得る。特に、多層サンプルに衝突する光は、多層サンプルの1つ以上の周期構造により回折され得、センサは、回折された構造化光を検出するように配置され得る。構造化光の電場は、多層サンプルの誘電率の周期的な空間変化によって変調され、回折された構造化光に位相変化を与え得る。ここで、その位相変化は多層サンプルの誘電率の周期性に依存する。例えば、第1周期層と、第1周期層から一定量オフセットした(すなわち、オーバーレイ誤差を含む。)同じ周期の第2周期層とを含む積層サンプルでは、回折された構造光は、オーバーレイ誤差に比例した位相変化を得ることができる。回折された構造化光の位相を基準(例えば、多層サンプルで回折される前の構造化光の位相)と比較することにより、オーバーレイ誤差を求め得る。いくつかの例では、構造化光の周期性は、オーバーレイ変位に回帰するため、620に記載されるように調整され得る。
【0048】
650において、方法600は、構造化光の空間周期の関数として0次回折信号を分析して、オーバーレイ誤差を得ることを含む。650に続いて、方法600は終了してもよい。640に記載されるように、回折された構造化光は、オーバーレイ誤差に比例する位相シフトを含み得、その後、回折光の位相を基準の位相と比較することにより検出され得る。回折光と基準光との比較は、コンピューティングシステムを介して可能にし得る。構造化光の空間周期が振幅変調、周波数変調またはその両方のいずれかである例では、結果として生じる位相シフトは、構造化光の振幅変調および/または周波数変調の関数として測定され得る。
【0049】
図7は、図5の光学測定システム等の光学測定システムから構造化された回折光を生成および測定する第2方法700を示す。方法700は、本明細書に記載されたシステムを参照して、図5に関して説明されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の方法が他のシステムに適用され得ることを理解されたい。方法700は、実行されてもよく、コンピューティングシステム590で非一過性のメモリに記憶されてもよい。方法700を実行する命令は、図5を参照して上述したセンサ等の光学システムのセンサから受信された信号と連携して、コンピューティングシステム590によって実行され得る。コンピューティングシステムは、以下に説明する方法に従って、光学システムのアクチュエータを採用して、光学システムの動作を調整し得る。
【0050】
710において、方法700は、光変調器(図5の光変調器535等)を介して、構造化光を生成することを含む。光は、まず、光源(図5の光源520等)、光変調器を経た後、レンズ素子(図5の第1レンズ素子540等)を介して出射され得る。光変調器は、光源から出射された光に、一定の空間周期(または周波数)を付与し得る。一例では、周波数は、多層サンプルの1つ以上の層構造の周期性等、多層サンプルの既知または予想される特性に基づいて選択され得る。
【0051】
720において、方法700は、任意選択で、光変調器を介して構造化光の空間周期を変調することを含む。いくつかの例では、空間周期は、第1のより低い空間周期と第2のより高い空間周期との間で、空間周期を連続的に調整することを介して調整され得る。他の例では、空間周期は、第1のより低い振幅と第2のより高い振幅との間で、構造化光の振幅を連続的に調整することを介して調整され得る。更なる他の例では、特定の組み合わせで、構造化光の空間周期を直接調整すること、および構造化光の振幅を調整することにより変調され得る。
【0052】
730において、方法700は、構造化光を多層サンプル上に投射することを含む。光は、光源から、光変調器を通して、レンズ素子を通して投射され、多層サンプルに衝突し得る。一例では、サンプルへの光の投射と、その後のセンサ(図5の第1センサ560等)での収集は、明視野照明構成で構成され得る。
【0053】
740において、方法700は、センサで0次回折シグナルを検出することを含む。光は、サンプルから歪み、反射および/または回折し、他のレンズ素子(図5の第2レンズ素子565等)を通過して、センサで受信され得る。特に、多層サンプルに衝突する光は、多層サンプルの1つ以上の周期構造により回折され得、センサは、回折された構造化光を検出するように配置され得る。構造化光の電場は、多層サンプルの誘電率の周期的な空間変化によって変調され、回折された構造化光に位相変化を与え得る。ここで、その位相変化は多層サンプルの誘電率の周期性に依存する。例えば、第1周期層と、第1周期層から一定量オフセットした(すなわち、オーバーレイ誤差を含む。)同じ周期の第2周期層とを含む積層サンプルでは、回折された構造光は、オーバーレイ誤差に比例した位相変化を得ることができる。回折された構造化光の位相を基準(例えば、多層サンプルで回折される前の構造化光の位相)と比較することにより、オーバーレイ誤差を求め得る。いくつかの例では、構造化光の周期性は、オーバーレイ変位に回帰するため、720に記載されるように調整され得る。
【0054】
750において、方法700は、オーバーレイ誤差を得るために、時間の関数としてセンサで検出された0次回折信号の非対称性を分析することを含む。構造化光の空間周波数と多層構造における非対称性との混合は、回折光信号に非対称な周期信号を生成し、これは、例えば、センサで検出された光信号の画素トレースを介して分析され得る。回折光の時系列信号の非対称性を測定することにより、多層構造における1つ以上の層同士の間のオフセットの種類に加えて、オーバーレイ誤差の大きさを決定可能であり得る。例えば、第1周期層と、第1周期層から第1方向にオーバーレイ誤差によってオフセットされた同じ周期の第2周期層とを含む積層サンプルについて、センサでの検出信号の画素トレースを分析することにより、第1方向と同様にオーバーレイ誤差の大きさを推測され得る。
【0055】
図8は、図5の光学測定システム等の光学測定システムから構造化された回折光を生成および測定する第3方法800を示す。方法700は、本明細書に記載されたシステムを参照して、図5に関して説明されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の方法が他のシステムに適用され得ることを理解されたい。方法800は、実行されてもよく、コンピューティングシステム590で非一過性のメモリに記憶されてもよい。方法800を実行する命令は、図5を参照して上述したセンサ等の光学システムのセンサから受信された信号と連携して、コンピューティングシステム590によって実行され得る。コンピューティングシステムは、以下に説明する方法に従って、光学システムのアクチュエータを採用して、光学システムの動作を調整し得る。
【0056】
810において、方法800は、光変調器(図5の光変調器535等)を介して、構造化光を生成することを含む。光は、まず、光源(図5の光源520等)、光変調器を経た後、レンズ素子(図5の第1レンズ素子540等)を介して出射され得る。光変調器は、光源から出射された光に、一定の空間周期(または周波数)を付与し得る。一例では、周波数は、多層サンプルの1つ以上の層構造の周期性等、多層サンプルの既知または予想される特性に基づいて選択され得る。
【0057】
820において、方法800は、任意選択で、光変調器を介して構造化光の空間周期を変調することを含む。いくつかの例では、空間周期は、第1のより低い空間周期と第2のより高い空間周期との間で、空間周期を系統的かつ連続的に調整することを介して調整され得る。他の例では、空間周期は、第1のより低い振幅と第2のより高い振幅との間で、構造化光の振幅を周期的に調整することを介して調整され得る。更なる他の例では、特定の組み合わせで、構造化光の空間周期を直接調整すること、および構造化光の振幅を調整することにより変調され得る。
【0058】
830において、方法800は、構造化光を多層サンプル上に投射することを含む。光は、光源から、光変調器を通して、レンズ素子を通して投射され、多層サンプルに衝突し得る。一例では、サンプルへの光の投射と、その後のセンサ(図5の第2センサ570等)での収集は、明視野照明構成で構成され得る。
【0059】
840において、方法800は、構造化光の基準信号を生成することを含む。いくつかの実施形態では、基準信号は、コンピューティングシステムを介して数値的に生成されてもよく、センサで検出された回折光は、コンピューティングシステムを介して数値的に生成された基準信号に関して分析されてもよい。他の実施形態では、構造化光の基準信号は、基準面(図5の特定の実施形態に関連して記載された基準面等)に衝突し得る。基準面からの反射光と多層サンプルからの回折光とは明確な位相関係を有することができ、これは、多層サンプルによる構造化光の回折により生じる相対的な位相シフトを測定するために、ロックイン増幅に利用され得る。
【0060】
850において、方法800は、センサ(図5の第2センサ570等)で構造化光の1次回折信号を検出することを含む。オーバーレイターゲットは、1次回折項が大きなパワーを持ち、サンプル上に投射される光に対して所定の角度に向けられるように設計されてもよい。図5のシステムは、1次項を画像化するように最適化されてもよい。光は、サンプルから歪み、反射および/または回折し、他のレンズ素子(図5の第3レンズ素子575等)を通過し、センサで受信され得る。特に、多層サンプルに衝突する光は、多層サンプルの1つ以上の周期構造により回折され得、センサは、1次回折された構造化光を検出するように配置され得る。構造化光の電場は、多層サンプルの誘電率の周期的な空間変化によって変調され、回折された構造化光に位相変化を与え得る。ここで、その位相変化は多層サンプルの誘電率の周期性に依存する。例えば、第1周期層と、第1周期層から一定量オフセットした(すなわち、オーバーレイ誤差を含む。)同じ周期の第2周期層とを含む積層サンプルでは、回折された構造化光は、オーバーレイ誤差に比例した位相変化を得ることができる。回折された構造化光の位相を基準信号と比較することにより、オーバーレイ誤差を求め得る。いくつかの例では、構造化光の周期性は、オーバーレイ変位に回帰するため、820に記載されるように調整され得る。
【0061】
860において、方法800は、オーバーレイ誤差を得るために、基準信号に関して1次回折信号のロックイン技法を適用することを含む。基準信号が基準面から反射して他のセンサ(図5に関連して記載された第3センサ等)で検出される構造化光から検出される実施形態では、基準信号は、時系列データとして得られてもよく、例えば、画素単位で得られてもよい。構造化光の基準信号は、センサで得られた回折された構造化光と明確な位相関係を有し得、それによって、同じ空間周期を有し、基準信号と明確な位相関係を有する信号を、ロックイン増幅を介して(例えば、図5の計算システム590を介して)得ることが可能にする。特に、基準信号に関してセンサで得られる回折光の結果として生じる位相シフトは、オーバーレイ誤差に比例し得る。空間周期が変調される例では、空間周期の関数としての位相マップを得るために、結果として生じる位相シフトは、空間周期の関数として分析されてもよい(例えば、位相シフトは、遠距離場における空間周期領域で分析されてもよい)。
【0062】
図9は、図5の光学測定システム等の光学測定システムから構造化された回折光を生成および測定する第4方法900を示す。方法900は、本明細書に記載されたシステムを参照して、図5に関して説明されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の方法を他のシステムに適用され得ることを理解されたい。方法900は、実行されてもよく、コンピューティングシステム590で非一過性のメモリに記憶されてもよい。方法900を実行する命令は、図5を参照して上述したセンサ等の光学システムのセンサから受信された信号と連携して、コンピューティングシステム590によって実行され得る。コンピューティングシステムは、以下に説明する方法に従って、光学システムのアクチュエータを採用して、光学システムの動作を調整し得る。
【0063】
910において、方法900は、光変調器(図5の光変調器535等)を介して、構造化光を生成することを含む。光は、まず、光源(図5の光源520等)を介して出射されてもよく、その後、波長選択装置(図5の波長選択装置530等)、光変調器を通過し、次いで、レンズ素子(図5の第1レンズ素子540等)を通過してもよい。光変調器は、光源から出射された光に、一定の空間周期(または周波数)を付与し得る。一例では、周波数は、多層サンプルの1つ以上の層構造の周期性等、多層サンプルの既知または予想される特性に基づいて選択され得る。
【0064】
920において、方法900は、任意選択で、光変調器を介して構造化光の空間周期を変調することを含む。いくつかの例では、空間周期は、第1のより低い空間周期と第2のより高い空間周期との間で、空間周期を連続的かつ系統的に調整することを介して調整され得る。他の例では、空間周期は、第1のより低い振幅と第2のより高い振幅との間で、構造化光の振幅を調整することを介して調整され得る。更なる他の例では、特定の組み合わせで、構造化光の空間周期を直接調整すること、および構造化光の振幅を調整することにより変調され得る。
【0065】
930において、方法900は、任意選択で、光の波長を変化させることを含む。いくつかの例では、格子、液晶、音響光学透過フィルタまたは波長可変レーザ源等の波長選択装置を使用することにより、1つ以上の特定の波長を選択し得る。さらに、光源の波長を変更することにより、回折光の様々な次数の角度位置がシフトする。より低波長からより長波長への波長の変調は、層状格子の回折次数の変調をもたらす。波長を変化させることにより、0次項で搬送されるパワー量の変化が測定され得る。同様に、波長の関数として1次回折項を測定および/または画像化することにより、オーバーレイ構造の見かけ上の位置は、波長の関数として系統的にシフトするように見える。波長による相対的なシフトは、オーバーレイターゲットのピッチを正確に決定する自己参照法を提供し、構造化光と組み合わせると、横方向の変位を正確に測定し得る。
【0066】
場合によっては、0次および1次回折モードの双方が、同じ視野内で捕捉され得る。これらの2つのモードの重ね合わせは、可変波長および構造化光変調の関数として測定され得る。ここで、構造化光は、画像に存在する空間周波数に関する情報を提供し、可変波長は、空間周波数の位置を変化させる。
【0067】
940において、方法900は、多層サンプル上に構造化光を投射することを含む。光は、光源から、波長選択装置を通して、光変調器を通して、レンズ素子を通して投射され、多層サンプルに衝突し得る。一例では、サンプルへの光の投射と、その後のセンサ(図5の第2センサ570等)での収集は、明視野照明構成で構成され得る。
【0068】
950において、方法900は、構造化光の基準信号を生成することを含む。いくつかの実施形態では、基準信号は、コンピューティングシステムを介して数値的に生成されてもよく、センサで検出された回折光は、コンピューティングシステムを介して数値的に生成された基準信号に関して分析されてもよい。他の実施形態では、構造化光の基準信号は、基準面(図5の特定の実施形態に関連して記載された基準面等)に衝突し得る。基準面からの反射光と多層サンプルからの回折光とは明確な位相関係を有することができ、これは、多層サンプルによる構造化光の回折により生じる相対的な位相シフトを測定するために、ロックイン増幅に利用され得る。
【0069】
960において、方法900は、センサ(図5の第2センサ570等)で構造化光の1次回折信号を検出することを含む。オーバーレイターゲットは、1次回折項が大きなパワーを持ち、サンプル上に投射される光に対して特定の角度に向けられるように設計されてもよい。図5のシステムは、1次項を画像化するように最適化されてもよい。光は、サンプルから歪み、反射および/または回折し、他のレンズ素子(図5の第3レンズ素子575等)を通過し、センサで受信され得る。特に、多層サンプルに衝突する光は、多層サンプルの1つ以上の周期構造により回折され得、センサは、1次回折された構造化光を検出するように配置され得る。構造化光の電場は、多層サンプルの誘電率の周期的な空間変化によって変調され、回折された構造化光に位相変化を与え得る。ここで、その位相変化は多層サンプルの誘電率の周期性に依存する。例えば、第1周期層と、第1周期層から一定量オフセットした(すなわち、オーバーレイ誤差を含む。)同じ周期の第2周期層とを含む積層サンプルでは、回折された構造化光は、オーバーレイ誤差に比例した位相変化を得ることができる。回折された構造化光の位相を基準信号と比較することにより、オーバーレイ誤差を求め得る。いくつかの例では、構造化光の周期性は、オーバーレイ変位に回帰するため、920に記載されるように調整され得る。さらに、いくつかの例では、オーバーレイ変位に回帰するための追加のパラメータを提供するために、光の波長は、930に記載されるように、波長選択装置を介して等、調整され得る。
【0070】
970において、方法900は、基準信号に対して1次回折信号のロックイン技法を適用して、オーバーレイ誤差を得ることを含む。基準信号が基準面から反射して他のセンサ(図5に関連して記載された第3センサ等)で検出される構造化光から検出される実施形態では、基準信号は、時系列データとして得られてもよく、例えば、画素単位で得られてもよい。構造化光の基準信号は、センサで得られる回折された構造化光と明確な位相関係を有することがあり、それによって、同じ空間周期を有し、基準信号と明確な位相関係を有する信号をロックイン増幅を介して(例えば、図5の計算システム590を介して)得ることを可能とする。特に、基準信号に対してセンサで得られる回折光の結果として生じる位相シフトは、オーバーレイ誤差に比例し得る。空間周期が変調される例では、空間周期の関数としての位相マップを得るために、結果として生じる位相シフトは、空間周期の関数として分析してもよい(例えば、位相シフトは、遠距離フィールドの空間周期ドメインにおいて分析されてもよい)。構造化光の波長が追加的または代替的に構造化光の空間周期の変調に変調される更なる他の例では、波長および/または空間周期の関数としての位相マップを得るために、結果として生じる位相シフトは、波長の関数としてさらに分析され得る。
【0071】
図10は、図5の光学測定システム等の光学測定システムから構造化された回折光を生成および測定する第5方法1000を示す。方法1000は、本明細書に記載されたシステムを参照して、図5に関して説明されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の方法を他のシステムに適用され得ることを理解されたい。方法1000は、実行されてもよく、コンピューティングシステム590で非一過性のメモリに記憶されてもよい。方法1000を実行する命令は、図5を参照して上述したセンサ等の光学システムのセンサから受信された信号と連携して、コンピューティングシステム590によって実行され得る。コンピューティングシステムは、以下に説明する方法に従って、光学システムのアクチュエータを採用して、光学システムの動作を調整し得る。
【0072】
1010において、方法1000は、光変調器(図5の光変調器535等)を介して、構造化光を生成することを含む。光は、まず、光源(図5の光源520等)を介して出射された後、波長選択装置(図5の波長選択装置530等)、光変調器を経た後、レンズ素子(図5の第1レンズ要素540等)を通過し得る。光変調器は、光源から出射された光に、一定の空間周期(または周波数)を付与し得る。一例では、周波数は、多層サンプルの1つ以上の層構造の周期性等、多層サンプルの既知または予想される特性に基づいて選択され得る。
【0073】
1020において、方法1000は、任意選択で、光変調器を介して構造化光の空間周期を変調することを含む。いくつかの例では、空間周期は、第1のより低い空間周期と第2のより高い空間周期との間で、空間周期を連続的かつ系統的に調整することを介して調整され得る。他の例では、空間周期は、第1のより低い振幅と第2のより高い振幅との間で、構造化光の振幅を調整することを介して調整され得る。更なる他の例では、構造化光の空間周期は、特定の組み合わせで、構造化光の空間周期を直接調整すること、および構造化光の振幅を調整することにより変調され得る。
【0074】
1030において、方法1000は、任意選択で、光の波長を変化させることを含む。いくつかの例では、格子、液晶、音響光学透過フィルタまたは波長可変レーザ源等の波長選択装置を使用することにより、1つ以上の特定の波長を選択し得る。さらに、光源の波長を変更することにより、回折光の様々な次数の角度位置がシフトする。より低波長からより長波長への波長の変調は、層状格子の回折次数の変調をもたらす。波長を変化させることにより、0次項で搬送されるパワー量の変化が測定され得る。同様に、波長の関数として1次回折項を測定および/または画像化することにより、オーバーレイ構造の見かけ上の位置は、波長の関数として系統的にシフトするように見える。波長による相対的なシフトは、オーバーレイターゲットのピッチを正確に決定する自己参照法を提供し、構造化光と組み合わせると、横方向の変位を正確に測定し得る。
【0075】
場合によっては、0次および1次回折モードの双方が、同じ視野内で捕捉され得る。これらの2つのモードの重ね合わせは、可変波長および構造化光変調の関数として測定され得る。ここで、構造化光は、画像に存在する空間周波数に関する情報を提供し、可変波長は、空間周波数の位置を変化させる。
【0076】
1040において、方法1000は、多層サンプル上に構造化光を投射することを含む。光は、光源から、波長選択装置を通して、光変調器を通して、レンズ素子を通して投射され、多層サンプルに衝突し得る。一例では、サンプルへの光の投射と、その後のセンサ(図5の第2センサ570等)での収集は、明視野照明構成で構成され得る。
【0077】
1050において、方法1000は、任意選択で、構造化光の基準信号を生成することを含む。いくつかの実施形態では、基準信号は、コンピューティングシステムを介して数値的に生成されてもよく、センサで検出された回折光は、コンピューティングシステムを介して数値的に生成された基準信号に関して分析されてもよい。他の実施形態では、構造化光の基準信号は、基準面(図5の特定の実施形態に関連して記載された基準面等)に衝突し得る。基準面からの反射光と多層サンプルからの回折光とは明確な位相関係を有することができ、これは、多層サンプルによる構造化光の回折により生じる相対的な位相シフトを測定するために、ロックイン増幅に利用され得る。
【0078】
1060において、方法1000は、センサ(図5の第2センサ570等)で構造化光の1次回折信号を検出することを含む。オーバーレイターゲットは、1次回折項が大きなパワーを持ち、サンプル上に投射される光に対して特定の角度に向けられるように設計されてもよい。図5のシステムは、1次項を画像化するように最適化されてもよい。光は、サンプルから歪み、反射および/または回折し、他のレンズ素子(図5の第3レンズ要素575等)を通過し、センサで受信され得る。特に、多層サンプルに衝突する光は、多層サンプルの1つ以上の周期構造により回折され得、センサは、1次回折された構造光を検出するように配置され得る。構造化光の電場は,多層サンプルの誘電率の周期的な空間変化によって変調され、回折された構造化光に位相変化を与え得る。ここで、その位相変化は多層サンプルの誘電率の周期性に依存する。例えば、第1周期層と、第1周期層から一定量オフセットした(すなわち、オーバーレイ誤差を含む。)同じ周期の第2周期層とを含む積層サンプルでは、回折された構造光は、オーバーレイ誤差に比例した位相変化を得ることができる。回折された構造化光の位相を基準信号と比較することにより、オーバーレイ誤差を求め得る。いくつかの例では、構造化光の周期性は、オーバーレイ変位に回帰するため、1020で記載されるように調整され得る。さらに、いくつかの例では、オーバーレイ変位に回帰するための追加のパラメータを提供するために、光の波長は、1030で記載されるように、波長選択装置を介して等、調整され得る。
【0079】
1070において、方法1000は、任意選択で、基準信号に対して1次回折信号のロックイン技法を適用して、オーバーレイ誤差を得ることを含む。基準信号が基準面から反射して他のセンサ(図5に関連して記載された第3センサ等)で検出される構造化光から検出される実施形態では、基準信号は、時系列データとして得られてもよく、例えば、画素単位で得られてもよい。構造化光の基準信号は、センサで得られる回折された構造化光と明確な位相関係を有することがあり、それによって、同じ空間周期を有し、基準信号と明確な位相関係を有する信号をロックイン増幅を介して(例えば、図5の計算システム590を介して)得ることを可能とする。特に、基準信号に対してセンサで得られる回折光の結果として生じる位相シフトは、オーバーレイ誤差に比例し得る。空間周期が変調される例では、空間周期の関数としての位相マップを得るために、結果として生じる位相シフトは、空間周期の関数として分析してもよい(例えば、位相シフトは、遠距離フィールドの空間周期ドメインにおいて分析されてもよい)。構造化光の波長が追加的または代替的に構造化光の空間周期の変調に変調される更なる他の例では、波長および/または空間周期の関数としての位相マップを得るために、結果として生じる位相シフトは、波長の関数としてさらに分析され得る。
【0080】
1080において、方法1000は、瞳面における回折光を分析することを含む。一例では、瞳面の光を画像化するために、多層サンプルとセンサとの間に対物レンズが配置されてもよい。空間的および時間的な変調は、像面内の信号のフーリエ変換として瞳面内に反映され得る。次いで、変調信号から相対的なオーバーレイ誤差/変位を抽出するために、逆フーリエ分析を使用して、回折された構造化光の空間周期の関数として誘導された位相シフトを分析してもよい。
【0081】
図11は、図5の光学測定システム等の光学測定システムから構造化された回折光を生成および測定する第6方法1100を示す。方法1100は、本明細書に記載されたシステムを参照して、図5に関して説明されるが、本開示の範囲から逸脱することなく、同様の方法を他のシステムに適用され得ることを理解されたい。方法1100は、実行されてもよく、コンピューティングシステム590で非一過性のメモリに記憶されてもよい。方法1100を実行する命令は、図5を参照して上述したセンサ等の光学システムのセンサから受信された信号と連携して、コンピューティングシステム590によって実行され得る。コンピューティングシステムは、以下に説明する方法に従って、光学システムのアクチュエータを採用して、光学システムの動作を調整し得る。
【0082】
1105において、方法1100は、光変調器(図5の光変調器535等)を介して、第1構造化光信号を生成することを含む。光は、まず、光源(図5の光源520等)を介して出射された後、波長選択装置(図5の波長選択装置530等)、光変調器を経た後、レンズ素子(図5の第1レンズ素子540等)を通過し得る。光変調器は、光源から出射された光に、一定の空間周期(または周波数)を付与し得る。一例では、周波数は、多層サンプルの1つ以上の層構造の周期性等、多層サンプルの既知または予想される特性に基づいて選択され得る。
【0083】
1110において、方法1100は、任意選択で、光変調器を介して第1構造化光信号の空間周期を変調することを含む。いくつかの例では、空間周期は、第1のより低い空間周期と第2のより高い空間周期との間で、空間周期を連続的かつ系統的に調整することを介して調整され得る。他の例では、空間周期は、第1のより低い振幅と第2のより高い振幅との間で、構造化光の振幅を調整することを介して調整され得る。更なる他の例では、第1構造化光信号の空間周期は、特定の組み合わせで、第1構造化光信号の空間周期を直接調整すること、および第1構造化光信号の振幅を調整することにより変調され得る。
【0084】
1115において、方法1100は、任意選択で、光の波長を変化させることを含む。いくつかの例では、格子、液晶、音響光学透過フィルタまたは波長可変レーザ源等の波長選択装置を使用することにより、1つ以上の特定の波長を選択し得る。さらに、光源の波長を変更することにより、回折光の様々な次数の角度位置がシフトする。より低波長からより長波長への波長の変調は、層状格子の回折次数の変調をもたらす。波長を変化させることにより、0次項で搬送されるパワー量の変化が測定され得る。同様に、波長の関数として1次回折項を測定および/または画像化することにより、オーバーレイ構造の見かけ上の位置は、波長の関数として系統的にシフトするように見える。波長による相対的なシフトは、オーバーレイターゲットのピッチを正確に決定する自己参照法を提供し、第1構造化光信号と組み合わせると、横方向の変位を正確に測定し得る。
【0085】
場合によっては、0次および1次回折モードの双方が、同じ視野内で捕捉され得る。これらの2つのモードの重ね合わせは、可変波長および構造化光変調の関数として測定され得る。ここで、構造化光は、画像に存在する空間周波数に関する情報を提供し、可変波長は、空間周波数の位置を変化させ得る。
【0086】
1120において、方法1100は、光変調器を介して第2構造化光信号を生成することを含む。組み合わされた第1構造化光信号および第2構造化光信号は、2D構造化光信号と呼ばれることがある。第2構造化光信号は、第1構造化光信号と同時に生成されてもよく、第1構造化光信号に対して一定の位相オフセットで生成されてもよい。光は、まず、光源を介して出射された後、波長選択装置、光変調器を経た後、レンズ素子を通過し得る。光変調器は、光源から出射された光に、一定の空間周期(または周波数)を付与し得る。一例では、周波数は、多層サンプルの1つ以上の層構造の周期性等、多層サンプルの既知または予想される特性に基づいて選択され得る。第2構造化光信号の空間構造は、第1光構造の空間変調に対して垂直であってもよい。換言すれば、サンプルの平面内の第1構造化光信号の空間構造に対応するkベクトルの成分は、サンプルの平面内の第2構造化光信号の空間構造に対応するkベクトルの成分に対して垂直であってもよい。実際には、第2構造化光源の周期性は、フーリエ変換されたピークの振幅がサンプリング方式の有効帯域幅よりも大きく離れるように調整され得る。オーバーレイターゲットは、オーバーレイ誤差に関するベクトル情報を提供するように設計され得る。一例では、オーバーレイターゲットは、2つの直交波ベクトルによって表され得る互いに垂直に配向されたアレイを備え得る。第1構造化光信号の空間構造を多層サンプルの1つの波ベクトルに平行に配置し、第2構造化光信号の空間構造を第2波ベクトルに平行に配置することにより、オーバーレイ誤差のベクトルマップが得られ得る。
【0087】
1125において、方法1100は、任意選択で、光変調器を介して第2構造化光信号の空間周期を変調することを含む。いくつかの例では、空間周期は、第1のより低い空間周期と第2のより高い空間周期との間で、空間周期を連続的かつ系統的に調整することを介して調整され得る。他の例では、空間周期は、第1のより低い振幅と第2のより高い振幅との間で、構造化光の振幅を調整することを介して調整され得る。更なる他の例では、第2構造化光信号の空間周期は、特定の組み合わせで、第2構造化光信号の空間周期を直接調整すること、および第2構造化光信号の振幅を調整することにより変調され得る。
【0088】
1130において、方法1100は、任意選択で、光の波長を変化させることを含む。いくつかの例では、格子、液晶、音響光学透過フィルタまたは波長可変レーザ源等の波長選択装置を使用することにより、1つ以上の特定の波長を選択し得る。さらに、光源の波長を変更することにより、回折光の様々な次数の角度位置がシフトする。より低波長からより長波長への波長の変調は、層状格子の回折次数の変調をもたらす。波長を変化させることにより、0次項で搬送されるパワー量の変化が測定され得る。同様に、波長の関数として1次回折項を測定および/または画像化することにより、オーバーレイ構造の見かけ上の位置は、波長の関数として系統的にシフトするように見える。波長による相対的なシフトは、オーバーレイターゲットのピッチを正確に決定する自己参照法を提供し、第2構造化光信号と組み合わせると、横方向の変位を正確に測定し得る。
【0089】
場合によっては、0次および1次回折モードの双方が、同じ視野内で捕捉され得る。これらの2つのモードの重ね合わせは、可変波長および構造化光変調の関数として測定され得る。ここで、構造化光は、画像に存在する空間周波数に関する情報を提供し、可変波長は、空間周波数の位置を変化させ得る。
【0090】
1135において、方法1100は、多層サンプル上に構造化光を投射することを含む。光は、光源から、波長選択装置を通して、光変調器を通して、レンズ素子を通して投射され、多層サンプルに衝突し得る。一例では、サンプルへの光の投射と、それに続く1つ以上のセンサ(図5の第1センサ560および第2センサ570等)での収集は、明視野照明構成で構成され得る。
【0091】
1140において、方法1100は、任意選択で、構造化光の基準信号を生成することを含む。いくつかの実施形態では、基準信号は、コンピューティングシステムを介して数値的に生成されてもよく、1つ以上のセンサで検出された回折光は、コンピューティングシステムを介して数値的に生成された基準信号に関して分析されてもよい。他の実施形態では、構造化光の基準信号は、基準面(図5の特定の実施形態に関連して記載された基準面等)に衝突し得る。基準面からの反射光と多層サンプルからの回折光とは明確な位相関係を有することができ、これは、多層サンプルによる構造化光の回折により生じる相対的な位相シフトを測定するために、ロックイン増幅に利用され得る。
【0092】
1145において、方法1100は、2D構造化光の回折信号を検出することを含む。いくつかの例では、オーバーレイターゲットは、1次回折項が十分な量のパワーを搬送するように設計され、かつサンプル上に投射される光に対して所定の角度に向けられ得る。図5のシステムは、1次項を画像化するように最適化され得る。光は、試料から歪み、反射し、および/または回折し、1つ以上の他のレンズ素子(図5の第2レンズ素子565および第3レンズ素子575等)を通過して、1つ以上のセンサでそれぞれ受信され得る。特に、多層サンプルに衝突する光は、多層サンプルの1つ以上の周期的構造によって回折され、1つ以上のセンサは、1次回折された構造化光を検出するように配置され得る。構造化光の電場は、多層サンプルの誘電率の周期的な空間変化によって変調され、回折された構造化光に位相変化を与え得る。ここで、その位相変化は多層サンプルの誘電率の周期性に依存する。例えば、第1周期層と、第1周期層から一定量オフセットした(すなわち、オーバーレイ誤差を含む。)同じ周期の第2周期層とを含む積層サンプルでは、回折された構造光は、オーバーレイ誤差に比例した位相変化を得ることができる。回折された構造化光の位相を基準信号と比較することにより、オーバーレイ誤差を求め得る。いくつかの例では、構造化光の周期性は、オーバーレイ変位に回帰するため、1110および1125で記載されるように調整され得る。さらに、いくつかの例では、オーバーレイ変位に回帰するための追加のパラメータを提供するために、光の波長は、1115および1130で記載されるように、波長選択装置を介して等、調整され得る。一例では、回折された2D構造化光は、第1センサ(図5の第1センサ560等)および第2センサ(図5の第2センサ570等)で検出されてもよく、第1構造化光信号に対応する回折光は、第1センサで検出され、第2構造化光信号に対応する回折光は、第3センサで検出される。
【0093】
1150において、方法1100は、任意選択で、基準信号に対して1次回折信号のロックイン技法を適用して、オーバーレイ誤差を得ることを含む。基準信号が基準面から反射して他のセンサ(図5に関連して記載された第3センサ等)で検出される構造化光から検出される実施形態では、基準信号は、時系列データとして得られてもよく、例えば、画素単位で得られてもよい。構造化光の基準信号は、1つ以上のセンサで得られる回折された構造化光と明確な位相関係を有することがあり、それによって、同じ空間周期を有し、基準信号と明確な位相関係を有する信号をロックイン増幅を介して(図5の計算システム590を介してなど)得ることを可能とする。特に、基準信号に対して1つ以上のセンサで得られる回折光の結果として生じる位相シフトは、オーバーレイ誤差に比例し得る。空間周期が変調される例では、空間周期の関数としての位相マップを得るために、結果として生じる位相シフトは、空間周期の関数として分析してもよい(例えば、位相シフトは、遠距離フィールドの空間周期ドメインにおいて分析してもよい)。構造化光の波長が追加的または代替的に構造化光の空間周期の変調に変調される更なる他の例では、波長および/または空間周期の関数としての位相マップを得るために、結果として生じる位相シフトは、波長の関数としてさらに分析され得る。
【0094】
1155において、方法1100は、構造化光の2D回折信号を分析して、オーバーレイ信号のベクトル変位を得ることを含む。2D回折信号を含む回折された第1構造化光信号および回折された第2構造化光信号のそれぞれは、基準信号(これは、例えば、1150のロックイン増幅を介して測定されてもよい。)に対する位相シフトを有してもよい。ここで、各位相シフトは、それぞれの空間周波数および波長の関数である。空間周期および波長の関数としての基準信号に対する回折された第1構造化光信号の位相シフトと、空間周期および波長の関数としての基準信号に対する回折した第2構造化光信号の位相シフトとは、1150に記載したように位相マップを規定する。基準信号に対する回折された第1構造化光信号の位相シフト、および基準信号に対する回折された第2構造化光信号の位相シフトについての情報を含む位相マップを、空間周期および/または波長の関数として分析することにより、オーバーレイ誤差のベクトル変位(すなわち、垂直な2方向のオフセット誤差を含むオーバーレイ誤差)が得られ得る。
【0095】
このように、回折型のオーバーレイ(DBO)計測のために、空間的な構造化光を採用することにより、様々な測定設定に対して、多層サンプルのオーバーレイ誤差を得ることが可能になり得る。DBO計測において構造化光を採用する技術的効果は、多層サンプルの周期構造の空間周期および構造化光の空間周期のヘテロダイニングが生じ、その結果、サンプルからの回折光がオーバーレイ誤差に正比例する位相シフトを含むようになることである。空間周期および/または波長の関数として構造化光の位相シフトを測定することにより、較正されたオーバーレイ誤差を得られ得る。特に、回折光のオーバーレイ誤差シグネチャは、瞳面または像面のいずれかにおいて測定され得る0次または1次回折ピークのいずれかにおける構造化光の波長および/または空間周期の関数としての位相シフトを介すること、構造化光の時系列信号における非対称性を介すること、および2D構造化光の位相シフトのベクトル変位を介すること等を含む、いくつかの様々な技法を使用して測定され得る。さらに、回折光の位相シフトを測定するために、サンプルの空間周期を有する空間的な構造化光のヘテロダイニングを採用することにより、回折ピークの位置および強度を超える多くの情報を得て、従来のDBO計測と比較してオーバーレイ誤差の測定を高感度にすることを可能にし得る。
【0096】
本開示は、以下を含む方法のサポートを提供する。光源から出射された光を光変調器を通して投射することにより、光源から空間的な構造化光を生成し、空間的な構造化光を光変調器から多層周期サンプル上に送信し、多層周期サンプルからの回折された空間的な構造化光を、コンピューティングシステムに通信可能に結合された複数のセンサのうちの1つ以上において検出し、複数のセンサのうちの1つ以上において検出された回折された空間的な構造化光のコンピューティングシステムで受信した信号に基づいて、多層周期サンプルのオーバーレイ誤差を推定するこ。本法の第1実施例では、複数のセンサのうちの1つ以上は、CMOSセンサ、光検出器、光電子増倍管(PMT)および荷電結合素子(CCD)を含むグループから選択される。第1実施例を任意選択で含む方法の第2実施例では、光源は、発光ダイオード(LED)、レーザ、プラズマ源およびフィラメント源を含む群から選択される少なくとも1つを含む。第1および第2例の1つ又は双方を任意選択で含む方法の第3例では、光変調器は、所定の空間周期を有する空間的な構造化光を生成する。第1~第3例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含む方法の第4例では、空間的な構造化光の空間周期は、振幅変調、周波数変調または両方の組み合わせを通じて変調され得る。第1~第4例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含む方法の第5例では、オーバーレイ誤差を推定することは、空間的な構造化光の空間周期または光源の波長のうちの少なくとも1つにわたって回帰することを含む。第1~第5例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含む方法の第6例では、本法は、さらに、複数のレンズ素子を備え、複数のレンズ素子の第1レンズ素子は、光変調器と多層周期サンプルとの間に配置され、複数のレンズ素子の残りの各レンズ素子は、多層周期サンプルと複数のセンサの1以上のセンサとの間に配置され、複数のセンサの1以上のセンサで検出された回折された空間的な構造光は、基準信号と比較される。第1~第6例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含む方法の第7例では、オーバーレイ誤差を推定することは、時間の関数として回折された空間的な構造化光の電界における非対称性を推定することに基づく。第1~第7例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含む方法の第8例では、複数のセンサの1つ以上のそれぞれがCCDであり、回折された空間的な構造化光と基準信号との間の位相差は、回折された空間的な構造化光と基準信号とを時間の関数として、およびCCDのそれぞれにおける画素位置の関数として比較することによって推定される。第1~第8例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含む方法の第9例では、オーバーレイ誤差を推定することは、回折された空間的な構造化光と基準信号との間の位相差を、基準信号に関する回折された空間的な構造化光のロックイン増幅を介して推定することを含む。第1~第9例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含む方法の第10例では、本法は、さらに、多層周期サンプルと複数のセンサのうちの1つ以上との間に配置された対物レンズを含み、対物レンズは、回折された空間的な構造化光の空間フーリエ変換を対物レンズの瞳面内に投射して、複数のセンサのうちの1つ以上で検出され、オーバーレイ誤差を推定することは、複数のセンサのうちの1つ以上で検出された回折された空間的な構造化光の空間フーリエ変換に逆フーリエ変換を施すことを含む。第1~第10例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含む方法の第11例では、光変調器から送信された空間的な構造化光は、多層周期サンプルの平面上に投射された2次元(2D)空間変動を含み、オーバーレイ誤差を推定することは、複数のセンサの1つ以上で検出された回折された空間的な構造化光の2D空間変動に基づいて、オーバーレイ誤差のベクトルの変位を推定すること含む。第1~第11例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含む方法の第12例では、オーバーレイ誤差を推定することは、コンピューティングシステムによって生成される基準信号に対する回折された空間的な構造化光の位相差を推定することを含む。
【0097】
本開示は、多層周期サンプルにおけるオーバーレイ誤差を推定するシステムのサポートも提供する。このシステムは、軸と、軸と結合された光変調器と、レンズ素子と、光変調器を通して光を照射して、軸に沿って空間的な構造化光をレンズ素子を通して多層周期サンプル上に投射するように構成された光源と、多層周期サンプルからの回折された空間的な構造化光を検出するように構成された複数のセンサと、コンピューティングシステムとを含む。ここで、コンピューティングシステムは、複数のセンサのうちの1つ以上で検出された光を基準信号に対してロックイン増幅するように構成された同期モジュールと、基準信号と複数のセンサのうちの1つ以上で検出された回折された空間的な構造化光との間の位相差を計算するように構成された分析モジュールであって、位相差が光源の波長および空間的な構造化光の空間周期のうちの1つ以上の関数である分析モジュールとを備える。システムの第1例では、複数のセンサのうちの1つ以上は、CMOSセンサ、光検出器、光電子増倍管(PMT)および荷電結合素子(CCD)を含む群から選択される。第1例を任意選択で含むシステムの第2例では、光源は、発光ダイオード(LED)、レーザ、プラズマ源およびフィラメント源を含む群から選択される少なくとも1つを含む。第1及び第2例の1つ又は双方を任意選択で含むシステムの第3例では、複数のセンサは、多層周期サンプルからの回折された空間的な構造化光を検出するように構成された第1センサと、光変調器からの空間的な構造化光の基準信号を検出するように構成された第2センサとを含む。第1~第3例の1つ以上またはそれぞれを任意選択で含むシステムの第4例では、基準信号は、コンピューティングシステムによって生成される。第1~第4例の1つ以上又はそれぞれを任意選択で含むシステムの第5例では、第1センサで検出された回折された空間的な構造化光は、1次回折信号である。
【0098】
また、本開示は、多層周期サンプルの回折型のオーバーレイ(DBO)測定用の光学システムのサポートを提供する。この光学システムは、軸と、軸に結合された光変調器と、レンズ素子と、光変調器を通して光を照射して、軸に沿って空間的な構造化光を投射するように構成された光源と、光変調器と多層周期サンプルとの間に配置されたビームスプリッタであって、空間的な構造化光の第1部分を軸に垂直な方向に反射し、空間的な構造化光の第2部分を軸に沿って、かつ多層周期サンプル上に送信するように構成されたビームスプリッタと、光の第1部分を受信し、光の第1部分を第1センサで検出されるべき基準信号として反射するように構成された基準面と、多層周期サンプルからの回折された空間的な構造化光を検出するように構成された第2のセンサと、コンピューティングシステムとを含む。ここで、コンピューティングシステムは、第1センサで検出された基準信号に対して、第2センサで回折された空間的な構造化光のロックイン増幅を適用するように構成された同期モジュールと、第1センサで検出された基準信号に対する第2センサで検出された回折された空間的な構造化光の間の位相差を計算するように構成された分析モジュールであって、位相差が光源の波長および空間的な構造化光の空間周期の1つ以上の関数である分析モジュールとを備える。
【0099】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはそれらの任意の組合せで実施され得る。また、開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ以上の非一過性のコンピュータ可読媒体によって搬送または記憶される命令として実施され得る。かかる命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ばれることがある。本明細書で論じられるコンピュータ可読媒体とは、コンピューティングデバイスによってアクセス可能な任意の媒体を意味する。非限定的な例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含んでもよい。
【0100】
さらに、この記述では、特定の特徴について言及する。本明細書における開示は、それらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせを含むことを理解されたい。例えば、特定の特徴が特定の態様の文脈で開示されている場合、その特徴は、可能な限り、他の態様の文脈でも使用することができる。
【0101】
また、本願において、2つ以上の規定された工程または操作を有する方法について言及する場合、文脈上それらの可能性が排除されない限り、規定された工程または操作は、任意の順序または同時に実施することができる。
【0102】
さらに、用語「含む(comprise)」およびその文法的等価物は、本開示では、他の構成要素、特徴、工程、プロセス、操作等が任意に存在することを意味するために使用される。例えば、構成要素A、BおよびCを「含む(comprising)」または「含む(which comprises)」物品は、構成要素A、BおよびCのみを含むこともでき、構成要素A、BおよびCと1つまたは複数の他の構成要素とを含むこともできる。
【0103】
また、「右」および「左」等の方向は、便宜上、かつ図面中に提供される図形を参照しつつ使用される。しかし、開示された主題は、実際の使用において、または異なる実施態様において、多数の方向性を有し得る。したがって、図面中において垂直、水平、右または左にある特徴は、全ての実施形態において同じ方向または向きを有するとは限らない。
【0104】
例示された実施形態を参照して、本発明の原理を説明および例示したが、例示された実施形態は、そのような原理から逸脱することなく、配置および詳細において変更することができ、任意の望ましい方法で組み合わせ得ることが認識されるであろう。また、前述の議論は、特定の実施形態に焦点を当てているが、他の構成も考えられる。
【0105】
特に、本明細書において「本発明の実施形態によれば」等の表現が使用されていても、これらの語句は、一般に実施形態の可能性を参照することを意味し、本発明を特定の実施形態構の構成に限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、これらの用語は、他の実施形態に組み合わせ可能な同一または異なる実施形態を参照し得る。
【0106】
本発明の特定の実施形態は、例示の目的で図示および説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされ得ることが理解されるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載された事項以外には限定されるべきではない。
図1
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【外国語明細書】