(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138932
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】マルチモード可能装置の分注モード
(51)【国際特許分類】
B01J 4/00 20060101AFI20230926BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
B01J4/00 103
G01N35/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044324
(22)【出願日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】17/699,280
(32)【優先日】2022-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】723005698
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】デボード・ブルース エー.
(72)【発明者】
【氏名】マーラ サード・マイケル エー.
【テーマコード(参考)】
2G058
4G068
【Fターム(参考)】
2G058ED21
4G068AA04
4G068AB11
4G068AC17
4G068AD47
4G068AF31
(57)【要約】
【課題】電子分注装置から1つ以上の流体を吐出するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】該方法は、a)固定目標領域と、目標領域のための総流体体積とを選択することと、b)目標領域のための所定液滴体積を選択することと、c)目標領域のための必要液滴数を算出することと、d)目標領域に基づきピクセル毎最大液滴数を決定することと、e)目標領域上の吐出ヘッドの通過毎の液滴数を算出することと、f)改変スポットサイズ目標領域を作成するため、目標領域の1つ以上の寸法を改変することと、g)目標領域において改変スポットサイズ目標領域を選択して中央に揃えることと、h)改変スポットサイズ目標領域上で吐出ヘッドを走査させつつ、改変目標領域に流体を堆積させることとを含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子分注装置の吐出ヘッドから1つ以上の流体を基板の1つ以上の目標領域内に吐出するための方法であって、
a)1つ以上の固定スポットサイズ目標領域と、前記基板の前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域のための総流体体積とを選択することと、
b)前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域に分注すべき所定液滴体積を選択することと、
c)前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域のための必要液滴数を提供するため、前記総流体体積を前記所定液滴体積で除算することにより前記必要液滴数を算出することと、
d)ピクセル毎最大液滴数を提供するため、前記必要液滴数を前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域において許容される総液滴数で除算することにより、前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域に基づき前記ピクセル毎最大液滴数を決定することと、
e)前記必要液滴数を前記ピクセル毎最大液滴数で除算することにより、前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域上の前記吐出ヘッドの通過毎の液滴数を算出することと、
f)1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を作成するため、前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域の1つ以上の寸法を改変することで、前記改変スポットサイズ目標領域をステップ(e)で算出された前記通過毎の液滴数に合わせるよう実質的に最小化することと、
g)前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域において前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を選択して中央に揃えることと、
h)前記基板上の前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上で前記吐出ヘッドを走査させつつ、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域に1つ以上の流体を堆積させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域が長方形である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された前記寸法が前記長方形の幅である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された前記寸法が前記長方形の高さである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域が楕円である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された前記寸法が前記楕円の第1の半径である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された前記寸法が前記楕円の第2の半径である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域が正方形である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域が円形である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の1つの寸法が一定に維持されるよう選択され、次いで、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の未知の寸法の改変が、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上の前記吐出ヘッドの前記通過毎の液滴数を前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された前記寸法で除算することにより算出される、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(e)において算出された前記必要液滴数が最も近い整数値に丸められる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(d)において算出された前記ピクセル毎最大液滴数が最も近い整数値に丸められる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を用いるか、1つ以上の未改変スポットサイズ目標領域を用いるかを任意的に選択すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
電子分注装置から1つ以上の流体を基板の一連の1つ以上の目標領域内に吐出するための静動混合方法であって、
a)前記1つ以上の目標領域のための最大領域と、前記1つ以上の目標領域のための総流体体積とを選択することと、
b)前記1つ以上の目標領域に分注すべき所定液滴体積を選択することと、
c)前記1つ以上の目標領域のための必要液滴数を提供するため、前記総流体体積を前記所定液滴体積で除算することにより、前記必要液滴数を算出することと、
d)ピクセル毎最大液滴数を提供するため、前記必要液滴数を前記1つ以上の目標領域において許容される総液滴数で除算することにより、前記1つ以上の目標領域のための前記ピクセル毎最大液滴数を決定することと、
e)前記必要液滴数を前記ピクセル毎最大液滴数で除算することにより、前記1つ以上の目標領域上の吐出ヘッドの通過毎の液滴数を算出することと、
f)1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を作成するため、前記目標領域の1つ以上の寸法を改変することで、前記改変スポットサイズ目標領域をステップ(e)で算出された前記通過毎の液滴数に合わせるよう実質的に最小化することと、
g)前記1つ以上の目標領域において前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を選択して中央に揃えることと、
h)前記基板上の前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上で前記吐出ヘッドを走査させつつ、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域に1つ以上の流体を堆積することと、
i)前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上で前記吐出ヘッドを走査させているとき前記所定液滴体積が前記ピクセル毎最大液滴数を超過した場合、前記所定液滴体積が前記基板の前記1つ以上の改変目標領域のための前記ピクセル毎最大液滴数と等しくなるまで前記吐出ヘッドの走査を停止させることと
を含む、方法。
【請求項15】
前記基板の前記1つ以上の目標領域のための最小領域を選択することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記所定液滴体積を提供するため前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上で前記吐出ヘッドを走査させることを要する前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を、前記所定液滴体積を提供するため前記吐出ヘッドの走査を停止することを要する1つ以上の改変スポットサイズ目標領域と連携させること
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記基板の前記1つ以上の改変目標領域の全てにおいて前記流体液滴が一定流量で分注される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記吐出ヘッドの走査を停止することを要する1つ以上の改変スポットサイズ目標領域に前記流体液滴が分注されるのと同時に、前記吐出ヘッドを走査させつつ前記流体液滴が1つ以上の改変スポットサイズ目標領域に分注される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(c)で算出された前記必要液滴数が最も近い整数値に丸められる、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(d)で算出された前記ピクセル毎最大液滴数が最も近い整数値に丸められる、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の正確な領域に閉じ込めた試料の分析を実行するため、又は、基板上の所定の領域に材料の層を築くため、基板の正確な領域上又は領域内に1つ以上の流体を正確に分注するために用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット装置といった装置は、通常ピコリットル(pL)で計量されるインクの非常に小さな液滴を基板上に分注可能である。インクジェット印刷応用では、分注されるインクの体積は比較的低量であり、体積はカラーマッチングや印刷品質といった他の因子ほど重要ではない。液滴数はユーザにより指定又は制御されず、このためユーザは特定の印刷応用のために必要とされるよりも多くのインク液滴又は少ないインク液滴を分注するよう指定することができない。典型的なインクジェット印刷は、約2~約3μL/cm2の堆積に限定される。
【0003】
ただし、媒体上又は媒体中に正確な量の液体を分注することを要する他の応用では、流体体積は極めて重要及び/又は重大な因子であり得る。応用によっては、ある体積の流体を特定の領域内又は領域上に分注するよう指定することが有益であり得る。1つの例は、単一の細胞を含む流体の単一の液滴をウェル又はウェルプレート中に分注することである。もう1つの例は、ウェルプレートの384個のウェルのそれぞれを充填するといった、多数の流体液滴を小さな領域内に分注することである。従って、ウェルプレートのウェル内に堆積される流体の密度として、250μL/cm2よりも多くの流体を分注することを要する可能性がある。同様に、ガラススライド上の試料を分析するためにガラススライド上に流体を堆積することは、厳密に制御された量の流体がガラススライドの特定領域上に堆積されることを要する。
【0004】
特に医療分野において、自動試料準備及び分析の必要性がある。分析は、比色分析、又は顕微鏡下で試料をより好ましく観察するため試料の着色を要する可能性がある。そのような分析は、薬剤試料分析、血液試料分析等を含む。例えば、血液の分析において、血液は個人の健康を判定するために用いられるいくつかの異なる要因を提供するため分析される。血液試料分析を要する多くの患者がいる場合、分析のため試料を調製する手順は非常に時間がかかるものとなる。また、結果が信頼できるものであるよう、試料の正確な調製の必要がある。複数の試料の微量滴定といった、医療分野や、正確で再現可能な結果を提供する分析機器の使用から利点を得るができる他の分野において、試料分析を要する他の多くの状況がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの実験と検査手順にて、マイクロウェルプレート、スライド、及び他の基板が使用される。ウェルを充填する又はスライドをスポッティングする処理は、手作業で、又は高価な検査機器を用いて行われることが多い。場合によっては、ウェルは手動ピペットで充填される。他の場合では、ウェルプレートを充填するため、ピペット技術に基づくハイエンド自動装置が用いられる。そのような自動装置は、オープンウェル分注ヘッドのみを収容する。オープンウェル分注ヘッドは、使用前に少量の流体が分注ヘッド中の開口に堆積されなければならない分注ヘッドである。流体は、典型的にピペット又は類似の方法を用いて手動で堆積される。分注ヘッドは、マイクロプレートをX及びYの両方向へ移動させる間、静止状態に保持される。これらハイエンド装置は極めて高価である。
【0006】
マイクロ回路の製造の領域においては、基板上に回路装置を提供するために流体を正確な位置に分注する必要がある。単位量毎に分注される流体の体積は、典型的に、従来のインクジェット印刷技術により提供可能なものよりも大きい。場合によっては、流体に化学的又は物理的変化を与えるために基板上で異なる流体が組み合わされ、その結果得られた材料が所望の回路機能を実行する。
【0007】
微細加工の他の領域でも基板内又は基板上への流体の正確な分注を要する可能性がある。このため、基板の1つ以上の所定の固定領域に所定の体積の流体を分注するために使用可能な方法及び装置が必要とされる。
【0008】
流体を堆積するための従来の方法は、定義された領域上で吐出ヘッドを走査させつつ、流体を該定義された領域に均等に拡散させることを含む。定義された領域は任意の形状であってよいが、該領域のサイズが決定されると、該領域は特定の応用のため固定されて変更されることはできない。
図1は、前記方法を図示している。A欄において、正方形10A、円形12A、星形14A、又は任意の他の形状といった所定の領域が提供される。次に、10B、12B、14Bに示すように、該領域は、吐出ヘッドが該領域上を通過する回数により分割された所望の体積を提供する流体液滴のパターンで満たされる。最後に、C欄に示すように、該定義された領域に分注すべき所望の総体積を提供するため、流体が10C、12C、14CそれぞれにN回分注される。
【0009】
流体を堆積するためのもう1つの方法は、堆積のための所望の位置を提供するため、吐出ヘッドを所望の位置へ移動させる、又は、媒体を吐出ヘッドの下に移動させることを伴う。所望の位置が得られると、所定体積の流体が所望の位置へ分注される。この方法によると、所望の位置の形状は固定であり、該所望の位置に分注する流体の量を増加させることにより改変することを除いては改変は可能でない。
図2は、前記方法を図示している。
図2において、吐出ヘッド及び/又は基板が静止位置に保持されつつ、ノズルの2つの欄が流体を分注するために用いられる。16Aから16Cへの矢印17の方向に追うと、流体が所望の位置に集中することから、分注される流体の体積に伴いスポットサイズが如何に変化するかを表している。
【0010】
前記の2つの方法の両方が利点と欠点とを有する。従って、流体を所定の領域に分注するために要する精度と時間を最適化するため、前記方法の両方の利点を活かした方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明の1つの実施形態は、電子分注装置の吐出ヘッドから1つ以上の流体を基板の1つ以上の目標領域内に吐出するための方法を提供する。該方法は、
a)基板の1つ以上の固定スポットサイズ目標領域と、前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域のための総流体体積とを選択することと、
b)前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域に分注すべき所定液滴体積を選択することと、
c)前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域のための必要液滴数を提供するため、総流体体積を所定液滴体積で除算することにより必要液滴数を算出することと、
d)ピクセル毎最大液滴数を提供するため、必要液滴数を前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域において許容される総液滴数で除算することにより、前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域に基づきピクセル毎最大液滴数を決定することと、
e)前記必要液滴数を前記ピクセル毎最大液滴数で除算することにより、前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域上の吐出ヘッドの通過毎の液滴数を算出することと、
f)1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を作成するため、前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域の1つ以上の寸法を改変することで、前記改変スポットサイズ目標領域をステップ(e)で算出された通過毎の液滴数に合わせるよう実質的に最小化することと、
g)前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域において前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を選択して中央に揃えることと、
h)前記基板上の前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上で吐出ヘッドを走査させつつ、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域に1つ以上の流体を堆積させることと
を含む。
【0012】
もう1つの実施形態において、電子分注装置から1つ以上の流体を基板の一連の1つ以上の所定スポットサイズ目標領域中に吐出するための静動混合方法を提供する。該方法は、
a)1つ以上の目標領域のための最大領域と、前記1つ以上の目標領域のための総流体体積とを選択することと、
b)前記1つ以上の目標領域に分注すべき所定液滴体積を選択することと、
c)前記1つ以上の目標領域のための必要液滴数を提供するため、総流体体積を所定液滴体積で除算することにより、必要液滴数を算出することと、
d)ピクセル毎最大液滴数を提供するため、前記必要液滴数を前記1つ以上の目標領域において許容される総液滴数で除算することにより、前記1つ以上の目標領域のためピクセル毎最大液滴数を決定することと、
e)前記必要液滴数を前記ピクセル毎最大液滴数で除算することにより、前記1つ以上の目標領域上の吐出ヘッドの通過毎の液滴数を算出することと、
f)1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を作成するため、前記目標領域の1つ以上の寸法を改変することで、前記改変スポットサイズ目標領域をステップ(e)で算出された前記通過毎の液滴数に合わせるよう実質的に最小化することと、
g)前記1つ以上の固定スポットサイズ目標領域中の前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を選択して中央に揃えることと、
h)前記吐出ヘッドを基板上の前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上で走査させつつ、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域に1つ以上の流体を堆積することと、
i)前記吐出ヘッドを基板上の前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上で走査させているとき前記所定液滴体積が前記ピクセル毎最大液滴数を超えた場合、前記所定液滴体積が基板の前記1つ以上の改変目標領域のための前記ピクセル毎最大液滴数と等しくなるまで前記吐出ヘッドの走査を停止させることと
を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の1つの寸法は一定に維持されるよう選択され、次いで前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の他の未知の寸法への改変が算出される。
【0014】
いくつかの実施形態において、ユーザは、1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を用いるか1つ以上の未改変スポットサイズ目標領域を用いるか任意的に選択可能である。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域は長方形である。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された寸法は長方形の幅である。他の実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された寸法は長方形の高さである。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域は正方形である。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域は楕円である。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された寸法は楕円の第1の半径である。他の実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された寸法は楕円の第2の半径である。いくつかの実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域は円である。
【0017】
いくつかの実施形態において、基板の前記1つ以上の目標領域のための最小面積が選択される。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記所定液滴体積を提供するため吐出ヘッドがその上を走査することを要する1つ以上の改変スポットサイズ目標領域は、前記所定液滴体積を提供するため吐出ヘッドの走査を停止することを要する1つ以上の改変スポットサイズ目標領域と連携される。
【0019】
いくつかの実施形態において、流体液滴は基板の前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上に一定流量で分注される。
【0020】
いくつかの実施形態において、流体液滴が吐出ヘッドの走査を停止することを要する1つ以上の改変スポットサイズ目標領域に分注されると同時に、吐出ヘッドが走査されつつ流体液滴が1つ以上の改変スポットサイズ目標領域に分注される。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の1つの寸法は一定に維持されるよう選択され、次いで前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の他の未知の寸法への改変が、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域上の吐出ヘッドの通過毎の液滴数を前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域の選択された寸法で除算することにより算出される。
【0022】
いくつかの実施形態において、前記方法は、前記1つ以上の改変スポットサイズ目標領域を用いるか、1つ以上の未改変スポットサイズ目標領域を用いるかを任意的に選択することを更に含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、ステップ(c)で算出された前記必要液滴数は最も近い整数値に丸められる。他の実施形態において、ステップ(d)で算出された前記ピクセル毎最大液滴数は最も近い整数値に丸められる。
【0024】
上記方法は、流体を1つ以上の所定目標領域に分注するための「スマートな」方法を活用する分注システムを提供するため、従来の方法の有益な様態を組み合わせている。以下に説明されるスマートな方法によると、ユーザは改変された目標領域及び体積を選択するか、一連の所定スポットサイズ目標領域内への流体の静的及び動的な分注の両方を用いる方法を選択することができる。次いで、目標領域を流体で自動充填するため予め選択された分注方式に基づき流体分注が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】流体を分注するための先行技術の方法の図示である。
【
図2】流体を分注するためのもう1つの先行技術の方法の図示である。
【
図3】本発明の方法で用いられる電子分注装置の斜視切欠図である。
【
図4】
図3の電子分注装置から流体を受け入れるためのトレイ上のマイクロウェルプレートの斜視図である。
【
図5】流体堆積のための最大領域及び流体堆積のための改変領域を有する基板を表す。
【
図6A】流体を改変目標領域に堆積するための本発明の第1の方法の図示である。
【
図6B】流体を改変目標領域に堆積するための本発明の第1の方法の図示である。
【
図6C】流体を改変目標領域に堆積するための本発明の第1の方法の図示である。
【
図7】第1の方法による改変スポットサイズ目標領域が、増加する流体体積に伴い如何に増加するかの図示である。
【
図8】流体を改変スポットサイズ目標領域に堆積するための本発明の第2の方法の図示である。
【
図9】本発明の第2の方法による流体堆積シーケンスの図示である。
【
図10】本発明の第2の方法による流体堆積シーケンスの図示である。
【
図11】本発明の実施形態による流体を基板上に堆積するための、ユーザ入力装置に接続された電子分注装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
従来のインクジェット印刷装置とは対照的に、本発明の実施形態は、電子分注装置を用いて所定の流体量を所定の目標領域に分注するための独自の方法を提供する。電子分注装置20の切欠図を
図3に表しており、取外し可能なカートリッジ22と、目標基板を保持するトレイ26を横切りx方向にカートリッジを移動させるための並進装置24とを含む。カートリッジ22は、単一の流体又は複数の流体と、流体を基板上に堆積するための吐出ヘッドとを含む。カートリッジ22は、1つ以上の異なる流体の基板上への堆積のため、新たなカートリッジ又は電子分注装置に取り付けられた異なるカートリッジに取り換えられてよい。
【0027】
目標基板は、1つ以上のガラススライド、又は、複数のウェル30を有するマイクロウェルプレート28(
図4)であってよい。例えば、目標基板がマイクロウェルプレート28であるとき、マイクロウェルプレート28の各ウェル30はそこに分注されるべき異なる体積の1つ以上の流体を要する。従って、本発明の実施形態は、マイクロウェルプレート28といった基板上に必要な量の流体を分注するための効率的な方法を提供する。
【0028】
[第1の方法]
第1の方法において、本発明によると流体堆積のための目標領域は固定されない。このため、特定の目標領域に堆積可能な流体の最少量を算出することが有益であり得る。第1の方法によると、目標領域は流体の1×1滴を含む領域ほど小さくてよい。任意的に、長方形の目標領域では、目標領域の高さ又は幅は他方の寸法を一定に保ちつつ最適化することができる。このため、第1の方法は、目標領域に堆積される流体の密度を増加させつつ目標領域を最小化することを対象とする。
図1の先行技術の方法と比較し、ほとんどの分注体積について、結果的な流体分注密度は100%未満であり、目標領域の全ての可能なX、Y位置が液滴を有するわけではなく、部分的に満たされた
図1の領域10B、12B、13Bとなることを意味する。
【0029】
ただし、ここで説明する第1の方法は、目標領域のサイズを減少させるか改変することにより領域内の流体密度を最大化することで、目標領域内の結果的な流体分注密度は100%に近いか100%に等しくなる。目標領域内の流体分注密度を最大化するため、ユーザは先ず、固定スポットサイズ目標領域と、基板又はウェル30の1つ以上の目標領域のための流体体積を選択する。次に、ユーザは、固定スポットサイズ目標領域に分注すべき所定液滴体積を選択する。次いで、目標領域に分注すべき液滴の必要量が、所定液滴体積を1つ以上目標領域のための流体体積で除算することにより決定される。
【0030】
図5を参照し、各長方形はピクセル32を表し、最大固定スポットサイズ目標領域34が9×10の長方形、最小固定スポットサイズ目標領域が5×6の長方形であると仮定する。本例において、目標領域34のために必要な総液滴体積は480,000pLである。次いで、目標領域34のための総液滴数を得るため、総体積を液滴体積で除算する。液滴毎の液滴体積が100pLであると仮定し、総液滴数は4800である。次に、総液滴数を固定スポットサイズ目標領域で除算することにより、ピクセル32毎の最大液滴数が決定される。この例では、4800液滴を90で除算すると、ピクセル毎に53.33滴に等しい。ピクセル毎の液滴数が整数でない場合、ピクセル毎の液滴数は最も近い整数値に任意的に丸められ、目標領域34上の流体カートリッジの通過毎のピクセル毎最大液滴数である54が提供される。
【0031】
上記方法は、全ジョブが、必要な液滴体積を提供するため流体吐出ヘッドを含む流体カートリッジ22の1回の通過しか必要としない、と保証するものではない。従って、より高い液滴体積には、吐出ヘッドが目標領域34上を複数回通過することを要する可能性がある。ただし、より高い液滴体積を伴うとしても、一回の通過における液滴密度がピクセル毎最大液滴数の100%未満である場合、目標領域34は、新たな、より小さな改変目標領域36へと縮小させることができる。改変目標領域36は、その上の通過毎の液滴密度を最大化するため、改変スポットサイズ目標領域の寸法のうちの1つ、長方形の高さ又は幅、楕円の半径1又は半径2、を一定に維持することにより選択される。一定に維持される寸法は、目標領域の「既知の寸法」と定義される。改変目標領域の1つの寸法のみが既知であることから、改変目標領域の他の寸法は「未知の寸法」と定義される。本例において、改変目標領域は、5ピクセルの幅を有する長方形として選択され、より低い総液滴数が2700として選択される。このため、通過毎の液滴数は、総液滴数をピクセル毎最大液滴数で除算することにより決定することができ、2700÷54=通過毎に50滴が得られる。従って、通過毎に50滴を用いて改変目標領域の他の寸法を決定可能である。改変目標領域の高さは50÷5=10ピクセルである。改変目標領域36は5ピクセル×10ピクセルの領域である。より大きなピクセル毎の液滴数の使用の選択でも同じである。第1の方法の最終ステップは、最大固定スポットサイズ目標領域34において改変目標領域36を中央に揃えることである。
【0032】
図6A~
図6Cは、改変目標領域が如何にして使用できるかを表す。各例において、各改変目標領域38A~38Cは最大目標領域40に中央に揃えられる。
図6Aにおいて、改変目標領域38Aの高さが一定に維持され、改変目標領域の幅は改変目標領域に堆積を要する流体の体積によって変化する。
図6Bにおいて、改変目標領域38Bの幅が一定に維持され、改変目標領域の高さは改変目標領域に堆積を要する流体の体積によって変化する。
図6Cにおいて、改変目標領域38Cの高さと幅の両方が堆積を要する流体の体積によって改変される。改変目標領域38A~38Cを最大目標領域40の中央に配置することにより、液滴が最大目標領域40の外へ落ちる液滴配置エラーの可能性が大幅に低減される。
【0033】
改変目標領域の幅と高さの両方を縮小させるとき、最も一般的な方法は、高さと幅を同一として正方形改変目標領域を形成すること、又は楕円の場合、半径1と半径2を同一として円形改変目標領域を形成することである。
【0034】
このため、正方形改変目標領域において幅(W)は高さ(H)と同一である。従って、計算は次のとおりである:
w×h=通過毎の液滴、又はw=hであることから、
w2=通過毎の液滴
w=(通過毎の液滴)の平方根。
【0035】
円形改変目標領域では、半径1(r1)と半径2(r2)は同一である。従って、計算は次のとおりである:
r1×r2=通過毎の液滴/π、又はr1=r2であることから、
r12=通過毎の液滴/π
r1=(通過毎の液滴/π)の平方根
【0036】
楕円と長方形は一般的なスポット目標形状である。ただし、上記方法は、面積が算出可能であれば任意の一般的な形状に適用することができる。
【0037】
この概念を更に表すために以下の特定の例を用いることができる:
・最大スポットサイズ:2.54mm×2.54mmの正方形
・印刷解像度:600×600(2.54mm×2.54mmの正方形内を通過毎に3600滴)
・液滴サイズ:100pL
・ウェルA-1における特定の体積:単一の通過で0.36uLの印刷、スポットサイズは2.54mm×2.54mm、3600の位置のそれぞれに1滴が堆積される
・ウェルA-2における特定の体積:単一の通過で0.09uLの印刷、スポットサイズは4分の1の0.635mm×0.635mmに縮小、0.635mm×0.635mmの正方形内の900の位置のそれぞれに1滴が堆積される。
【0038】
図7は、上述した例の概念を表す。本例において、体積が増加するにつれ、矢印46の方向に、長方形ではスポットサイズ42Aが42Fへと増加し、楕円では44Aから44Fへと増加する。上述した改変スポットサイズを用いることにより、電子分注装置は最大目標領域内を矢印46の方向(
図3におけるx方向)に移動する吐出ヘッドの通過毎の液滴の密度を中央に据えて最大化することができる。吐出ヘッドは対象領域上を常に移動することから、第1の方法は基板上に流体を堆積するための動的方法として説明することができる。
【0039】
[第2の方法]
応用によっては、マイクロウェルプレート28のいくつかのウェル30が、マイクロウェルプレート28の他のウェル30よりも実質的に大きな総流体体積を要する可能性がある。従って、より大きな総体積のため、
図2を参照して説明したような静的流体分注方法が用いられてよい。ただし、上述した第1の方法の動的方法と
図2の静的方法との間にはトレードオフが存在する。動的方法には動作による時間が流体分注処理に加わることから、静的流体分注方法は動的方法よりも速く、より大きな総流体体積を目標領域に分注することができる。ただし、吐出ヘッドの1回の通過において分注可能な総流体量を要するウェル30を含むマイクロウェルプレート28では、静的流体分注方法の間の吐出ヘッドの加速及び減速のため、上述した第1の方法のほうが速い。動的流体分注方法と静的流体分注方法の使用との間にはトレードオフが存在する。
【0040】
従って、所定の総体積レベルよりも低い流体分注体積のための動的流体分注方法、並びに、所定の総体積レベルよりも高い流体分注体積のための静的流体分注方法とを提供する、基板に流体を分注するための第2の方法を提供する。静的流体分注モードにおいて、特定の目標領域のための総流体分注体積が達成されるまで吐出ヘッドの動作は停止される。
【0041】
図8は、本発明による第2の方法を図示している。第2の方法において、目標領域48~56は、動的に流体を分注する第1の方法によって分注可能な流体よりも少ない流体を要し、目標領域58は動的に流体を分注する第1の方法によって分注可能な流体よりも多い流体を要する。従って、吐出ヘッドは目標領域58に到達するまで矢印60の方向に目標領域48~56上を動的に移動し、吐出ヘッドの動作は目標領域58のための総流体分注体積が達成されるまで停止される。
【0042】
第2の方法の静動混合流体分注方法において、ユーザは、基板の1つ以上の目標領域のための最大領域と、基板の1つ以上の目標領域のための総流体体積とを選択する。1つ以上の目標領域のための最小領域も選択されてよい。1つ以上の目標領域に分注すべき所定液滴体積が選択される。必要流体液滴数は、総流体体積を所定液滴体積で除算することにより算出される。いくつかの実施形態において、算出された必要流体液滴数は最も近い整数値に丸められる。
【0043】
1つ以上の目標領域のためのピクセル毎最大液滴数は、必要液滴数を1つ以上の目標領域において許容される総液滴数で除算することにより決定される。いくつかの実施形態において、ピクセル毎最大液滴数は最も近い整数値に丸められる。
【0044】
次に、1つ以上の改変目標領域の一定に維持すべき寸法が選択される。1つ以上の改変目標領域のための改変液滴数又は改変総流体体積も選択される。1つ以上の改変目標領域上の吐出ヘッドの通過毎の液滴数は、改変液滴数をピクセル毎最大液滴数で除算することにより算出される。1つ以上の改変目標領域の選択された寸法が未知の寸法とは異なる場合は、1つ以上の改変目標領域上の吐出ヘッドの通過毎の液滴数を改変目標領域の選択された寸法で除算することにより、未知の寸法が決定される。
【0045】
次に、改変目標領域が1つ以上の目標領域において中央に揃えられる。基板の一端から基板の末端まで改変目標領域上で吐出ヘッドを走査しつつ、1つ以上の流体が改変目標領域に堆積される。改変目標領域上で吐出ヘッドを走査しているときに所定の液滴数がピクセル毎最大液滴数を超過した場合、所定の液滴数が基板の1つ以上の改変目標領域のためのピクセル毎最大液滴と等しくまるまで吐出ヘッドの走査は停止される。
【0046】
いくつかの実施形態において、所定の液滴数を提供するためその上での吐出ヘッドの走査を要する1つ以上の改変目標領域は、所定の液滴数を提供するため吐出ヘッドの走査を停止することを要する1つ以上の改変目標領域と連携される。いくつかの実施形態において、流体液滴は基板の1つ以上の改変目標領域の全てに一定流量で分注される。いくつかの実施形態において、基板上での吐出ヘッドの走査を停止することを要する1つ以上の目標領域に流体液滴が分配されると同時に、基板上で吐出ヘッドを走査しつつ流体液滴が1つ以上の改変目標領域に分注される。いくつかの実施形態において、流体カートリッジは流体分注を完了させるため目標領域の中央上で停止される。いくつかの実施形態において、流体は、流体カートリッジが目標領域上で静止しているときの流体分注の流量と同一の流量で、目標領域上で流体カートリッジを移動させつつ分注される。流体カートリッジからの流体の分注は基板上の流体カートリッジの位置に基づき開始され、流体の分注は、流体カートリッジが移動しているか静止しているかに関わらず分注の間の一貫した挙動を提供するため、時間で制御される。
【0047】
図9~
図10は、流体の静的分注を要する目標領域と共に動的分注を要する目標領域へ流体を同時に分注するための、時間に対する流体の分注を表す。
図9において、目標領域1と2は目標領域3、4、5、6よりも多くの流体を要する。従って、流体カートリッジは目標領域1が充填される時間の始まりである時点Aにて目標領域4を同時に充填してよい。流体カートリッジは、目標領域4が満たされたとき目標領域4の充填を停止し、時点Bまで目標領域1のみを継続して充填する間、静止し続ける。時点Bで、流体カートリッジは目標領域2と5の充填の開始から目標領域5が充填されて目標領域5の充填が停止されるまで、基板の走査を続ける。流体カートリッジは、目標領域2が満たされるまでC点からD点まで静止に維持される。次いで、流体カートリッジは目標領域3と6を同時に流体で充填しつつ基板の走査を続ける。
図9に提供した例において、目標領域4、5、6は目標領域1、2、3が充填される時間の始まりに充填される。
図10において、目標領域4、5、6は、目標領域1、2、3と時間において中央に揃えられている。ただし、目標領域4、5、6が目標領域1、2、3に対して時間のどの部分で充填されるかに関わらず、同一の処理が用いられる。
【0048】
上述した両方の方法において、基板の目標領域と基板の改変目標領域は、目標領域の面積が決定できる限り任意の形状であってよい。従って、ユーザは、任意の所望の形状を指定してよく、また指定した目標領域に分注されるピクセル毎の体積を指定してよい。このため、1つ以上の目標領域はピクセル毎に異なる形状及び異なる液滴数を有してよい。
【0049】
上記方法は、単一動作で流体の全体積をマイクロプレートウェル内に印刷する従来の電子分注装置に勝る利点を提供する。上記方法は、吐出ヘッドの吐出ヘッドアレイに沿った複数の流体吐出器を用いて、複数の流体カートリッジの通過にて分注される流体の体積を分散するために用いることができる。これは、欠如した又は性能の劣る流体吐出器の影響を最小化することができる。
【0050】
図11は、携帯型コンピュータ62といったユーザ入力に接続された電子分注装置20を表す。ユーザは、流体分注動作の特定の要件によって第1の方法又は第2の方法を選択することができる。ユーザ入力62は、最大及び最小目標領域、各目標領域に分注すべき流体の体積、目標領域の形状、及び改変目標領域の形状又はサイズを指定するために用いることもできる。
【0051】
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的のため、特に明記しない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される量、百分率又は比率を表す全ての数値及び他の数値は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。従って、そうでないと示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明により得ることが求められる所望の特性に応じて変わり得る近似値である。少なくとも、そして各数値パラメータは、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、少なくとも、述べられた有効数字の数を考慮し、そして通常の丸め手法を適用することにより、解釈されるべきである。
【0052】
特定の実施形態について説明したが、出願人又は他の当業者には、現在予測していない、又は予測できない、代替、修正、変形、改善、及び実質的な均等物が生じうる。従って、提出された添付の特許請求の範囲及び補正された特許請求の範囲は、そのようなすべての代替、修正、変形、改善、及び実質的な均等物を包含することを意図している。
【符号の説明】
【0053】
1~6、34、48~58:目標領域
10A~10C:正方形
12A~12C:円形
14A~14C:星形
16A~16C:スポットサイズ
17、46、60:矢印
20:電子分注装置
22:カートリッジ
24:並進装置
26:トレイ
28:マイクロウェルプレート
30:ウェル
32:ピクセル
36:改変目標領域
38A~38C:改変目標領域
40:最大目標領域
42A~42F:スポットサイズ
44A~44F:スポットサイズ
62:ユーザ入力
A~E:時点
w:幅
h:高さ
r1:第1の半径
r2:第2の半径