IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星ディスプレイ株式會社の特許一覧 ▶ 東友ファインケム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-エッチング液組成物 図1
  • 特開-エッチング液組成物 図2
  • 特開-エッチング液組成物 図3
  • 特開-エッチング液組成物 図4
  • 特開-エッチング液組成物 図5
  • 特開-エッチング液組成物 図6
  • 特開-エッチング液組成物 図7
  • 特開-エッチング液組成物 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138934
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】エッチング液組成物
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/308 20060101AFI20230926BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20230926BHJP
   C23F 1/14 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
H01L21/308 F
H01L21/306 F
C23F1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044540
(22)【出願日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0034934
(32)【優先日】2022-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ボムス
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒョンス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジフン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ヨンジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウンウォン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ドンハン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジフン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ジョンム
【テーマコード(参考)】
4K057
5F043
【Fターム(参考)】
4K057WA12
4K057WB01
4K057WE03
4K057WG03
4K057WN01
5F043AA26
5F043AA27
5F043BB15
5F043BB27
5F043BB28
(57)【要約】
【課題】エッチング液組成物を提供する。
【解決手段】過硫酸塩と、含フッ素化合物と、含塩素化合物と、環状アミン化合物と、無機酸と、第1化合物と、水と、を含み、該第1化合物は、スルホン基、スルホン酸基、またはその組み合わせと、アミン基とを含む化合物であり、界面浸透抑制指数(Y)が0.10以上及び0.35以下を満たし、該界面浸透抑制指数(Y)は、下記数式1によって計算された値である、エッチング液組成物に係わる:
[数1]
Y=1.4×10-4×M(X1)+1.3×10-4×M(X2)+1.45×10-3×M(X3)+1.5×10-5×M(X1)×M(X2)+1.6×10-3M(X1)×M(X3)+6.5×10-4×M(X2)×M(X3)
数式1に係わる説明は、本明細書に記載したところを参照する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過硫酸塩と、含フッ素化合物と、含塩素化合物と、環状アミン化合物と、無機酸と、第1化合物と、及び水と、を含み、
前記第1化合物は、スルホン基、スルホン酸基、またはその組み合わせと、アミン基とを含む化合物であり、
界面浸透抑制指数(Y)が0.10以上及び0.35以下を満たし、
前記界面浸透抑制指数(Y)は、下記数式1によって計算された値である、エッチング液組成物あり、
[数1]
Y=1.4×10-4×M(X1)+1.3×10-4×M(X2)+1.45×10-3×M(X3)+1.5×10-5×M(X1)×M(X2)+1.6×10-3M(X1)×M(X3)+6.5×10-4×M(X2)×M(X3)
前記数式1で、
M(X1)は、前記エッチング液組成物の総100重量%に対する第1化合物の重量%であり、
M(X2)は、前記エッチング液組成物の総100重量%に対する含塩素化合物の重量%であり、
M(X3)は、前記エッチング液組成物の総100重量%に対する水の重量%である。
【請求項2】
前記過硫酸塩は、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、またはその任意の組み合わせを含む、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項3】
前記過硫酸塩は、過硫酸アンモニウムである、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項4】
前記含フッ素化合物は、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、二フッ化アンモニウム、二フッ化ナトリウム、二フッ化カリウム、またはその任意の組み合わせを含む、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項5】
前記含塩素化合物は、塩酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化鉄(III)、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、塩化エチルスルホニル、塩化メタンスルホニル、またはその任意の組み合わせを含む、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項6】
前記環状アミン化合物は、5-アミノテトラゾール、イミダゾール、インドール、プリン、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、ピロリン、5-メチルテトラゾール、1-メチル-5-アミノテトラゾール、1-エチル-5-アミノテトラゾール、またはその任意の組み合わせを含む、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項7】
前記無機酸は、硝酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、またはその任意の組み合わせを含む、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項8】
前記第1化合物は、スルホン基及びアミン基を含む化合物であるか、あるいはスルホン酸基及びアミン基を含む化合物である、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項9】
前記アミン基は、-NHである、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項10】
前記第1化合物は、下記化学式1で表される化合物である、請求項1に記載のエッチング液組成物:
【化1】

・・・化学式1
前記化学式1で、
及びLは、互いに独立して、単一結合、*-O-*’、*-S-*’、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C20アルキレン基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C20アルケニレン基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60炭素環式基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60ヘテロ環式基であり、
a1及びa2は、互いに独立して、0~3の整数のうち一つであり、
、Z及びZは、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60炭素環式基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60ヘテロ環式基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アリールオキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アリールチオ基、-N(Q)(Q)、-B(Q)(Q)、-P(Q)(Q)、または-C(=O)(Q)であるが、前記Rは、水素ではなく、
前記Z及び前記Zは、選択的に、単一結合、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-Cアルキレン基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-Cアルケニレン基を介して互いに連結され、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60多環式基を形成することができ、
前記R10aは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)(Q11)、-P(=O)(Q11)(Q12)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基またはC-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基、C-C60アルコキシ基、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)(Q21)、-P(=O)(Q21)(Q22)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基、C-C60アリールオキシ基またはC-C60アリールチオ基;あるいは
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)(Q31)または-P(=O)(Q31)(Q32);であり、
前述のQ~Q、Q11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C-C60アルキル基;C-C60アルケニル基;C-C60アルキニル基;C-C60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C-C60アルキル基、C-C60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C60炭素環式基またはC-C60ヘテロ環式基;である。
【請求項11】
前記L及び前記Lは、互いに独立して、単一結合、*-O-*’または*-S-*’;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C20アルキレン基、C-C20アルケニレン基またはC-C20アルキニレン基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、ナフチレン基、ピリジニレン基またはピリミジニレン基である、請求項10に記載のエッチング液組成物。
【請求項12】
前記Rは、重水素またはヒドロキシル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基またはC-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基またはピリミジニル基;あるいは
N(Q)(Q);である、請求項10に記載のエッチング液組成物。
【請求項13】
前記Z及び前記Zは、互いに独立して、水素、または重水素;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基またはC-C20アルコキシ基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基またはピリミジニル基;である、請求項10に記載のエッチング液組成物。
【請求項14】
前記Lは、単一結合であり、前記Rは、ヒドロキシル基である、請求項10に記載のエッチング液組成物。
【請求項15】
前記Rは、N(Q)(Q)である、請求項10に記載のエッチング液組成物。
【請求項16】
前記a2は、1~3の整数のうち一つであり、a2個のLのうち少なくとも一つは、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60炭素環式基であるか、前記Rは、N(Q)(Q)であるか、あるいはそれらの組み合わせである、請求項10に記載のエッチング液組成物。
【請求項17】
前記第1化合物は、スルファミド、スルファニル酸、またはその組み合わせである、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項18】
前記エッチング液組成物の総100重量%対比で、
前記過硫酸塩は、3.0重量%以上及び15.0重量%以下であり、
前記含フッ素化合物は、0.10重量%以上及び2.0重量%以下であり、
前記含塩素化合物は、0.01重量%以上及び2.0重量%以下であり、
前記環状アミン化合物は、0.10重量%以上及び2.0重量%以下であり、
前記無機酸は、0.10重量%以上及び5.0重量%以下であり、
前記第1化合物は、0.10重量%以上及び3.0重量%以下である、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項19】
前記水は、70重量%以上及び95重量%以下である、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【請求項20】
前記Yは、0.11以上及び0.30以下である、請求項1に記載のエッチング液組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング液組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電気的信号情報を表現するディスプレイ分野の発展により、薄型化、軽量化、低消費電力化のような優秀な特性を有する多様な平板表示装置が研究及び開発されている。そのうち、有機発光表示装置は、軽量化及び薄型化が可能であるだけではなく、広い視野角、迅速な応答速度のような長所により、次世代表示装置として注目されている。
【0003】
なお、表示装置の表示面積がだんだんと大型化されるにつれ、該表示装置に含まれる多様な配線及び電極は、できる限り、低い比抵抗を有する材料によって形成される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、多層膜をエッチングすることができるエッチング液組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、過硫酸塩と、含フッ素化合物と、含塩素化合物と、環状アミン化合物と、無機酸と、第1化合物と、水と、を含み、前記第1化合物は、スルホン基、スルホン酸基、またはその組み合わせと、アミン基とを含む化合物であり、界面浸透抑制指数(Y)が0.10以上及び0.35以下を満足し、前記界面浸透抑制指数(Y)は、下記数式1によって計算された値である、エッチング液組成物が提供される:
[数1]
Y=1.4×10-4×M(X1)+1.3×10-4×M(X2)+1.45×10-3×M(X3)+1.5×10-5×M(X1)×M(X2)+1.6×10-3M(X1)×M(X3)+6.5×10-4×M(X2)×M(X3)
前記数式1で、
M(X1)は、前記エッチング液組成物の総100重量%に対する第1化合物の重量%であり、
M(X2)は、前記エッチング液組成物の総100重量%に対する含塩素化合物の重量%であり、
M(X3)は、前記エッチング液組成物の総100重量%に対する水の重量%である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のエッチング液組成物は、多層膜をエッチングすることができ、それを利用し、表示装置の製造過程において、不良発生率を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1のエッチングされた試料を走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察したSEM像である。
図2】実施例2のエッチングされた試料をSEMで観察したSEM像である。
図3】実施例3のエッチングされた試料をSEMで観察したSEM像である。
図4】比較例1のエッチングされた試料のプロファイルを、集束イオンビーム(FIB)-SEMで観察したSEM像である。
図5】比較例2のエッチングされた試料のプロファイルを、FIB-SEMで観察したSEM像である。
図6】比較例3から5のエッチングされた試料のプロファイルを、SEMで観察したSEM像である。
図7】比較例4のエッチングされた試料のプロファイルを、SEMで観察したSEM像である。
図8】比較例5のエッチングされた試料のプロファイルを、SEMで観察したSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば、明確になるであろう。しかしながら、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、多様な形態によっても具現される。
【0009】
以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を、他の構成要素と区別する目的に使用されている。
【0010】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上、明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。
【0011】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を事前に排除するものではない。
【0012】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素のような部分が、他の部分の「上」または「上部」にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、さらに他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0013】
図面においては、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張されていたり、縮小されていたりもする。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されているので、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
【0014】
一態様によれば、過硫酸塩と、含フッ素化合物と、含塩素化合物と、環状アミン化合物と、無機酸と、第1化合物と、水と、を含み、前記第1化合物は、スルホン基、スルホン酸基、またはその組み合わせと、アミン基とを含む化合物であり、界面浸透抑制指数(Y)が0.10以上及び0.35以下を満足し、前記界面浸透抑制指数(Y)は、下記数式1によって計算された値である、エッチング液組成物が提供される:
[数1]
Y=1.4×10-4×M(X1)+1.3×10-4×M(X2)+1.45×10-3×M(X3)+1.5×10-5×M(X1)×M(X2)+1.6×10-3M(X1)×M(X3)+6.5×10-4×M(X2)×M(X3)
前記数式1で、
M(X1)は、前記エッチング液組成物の総100重量%に対する第1化合物の重量%であり、
M(X2)は、前記エッチング液組成物の総100重量%に対する含塩素化合物の重量%であり、
M(X3)は、前記エッチング液組成物の総100重量%に対する水の重量%である。
【0015】
一実施形態によれば、前記エッチング液組成物において、前記過硫酸塩は、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、またはその任意の組み合わせを含むものでもある。前記過硫酸塩は、エッチングの主成分であり、エッチング速度を制御することができる。例えば、前記過硫酸塩は、過硫酸アンモニウムを含むものでもある。他の例を挙げれば、前記過硫酸塩は、過硫酸アンモニウムでもある。さらには、前記過硫酸塩がナトリウム(Na)を含む(例えば、前記過硫酸塩が過硫酸ナトリウムである)エッチング液組成物を利用して表示装置を製造する場合、ガラス基板との反応により、ケイ素(Si)含有析出物(例えば、NaSiF)が生じうるが、前記過硫酸塩がナトリウム(Na)を含んでいなければ、前記ケイ素(Si)含有析出物の発生量が少なくなるので、それによる表示装置の不良率が低減されるという効果を得ることができる。また、前記過硫酸塩がカリウム(K)を含む(例えば、前記過硫酸塩が過硫酸カリウムである)エッチング液組成物を利用して表示装置を製造する場合、経時的な分解速度が増大し、前記過硫酸アンモニウムまたは過硫酸ナトリウムに比べ、水に対する溶解度が低く、製造時間が増大しうるが、前記過硫酸塩がカリウム(K)を含んでいなければ、安定性増大及び製造時間短縮の効果を得ることができる。
【0016】
例えば、前記エッチング液組成物の総100重量%に対して、前記過硫酸塩は、3.0重量%以上及び15.0重量%以下でもある。前記過硫酸塩が3.0重量%未満に含まれた場合、エッチングされないか、あるいはエッチング速度が低減されうる。前記過硫酸塩が15.0重量%を超えて含まれた場合、エッチング速度の制御が困難であり、陰イオンが過量に増加し、多層膜のエッチング均一性が低くなることがある。
【0017】
一実施形態によれば、前記エッチング液組成物において、前記含フッ素化合物は、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、二フッ化アンモニウム(ammonium bifluoride)、二フッ化ナトリウム(sodium bifluoride)、二フッ化カリウム(potassium bifluoride)、またはその任意の組み合わせを含むものでもある。前記含フッ素化合物は、エッチング時に生じうる残渣及び/またはチップを除去することができる。含フッ素化合物は、溶液内において、フッ素イオンまたは多原子フッ素イオンが解離される化合物でもある。
【0018】
例えば、エッチング液組成物の総100重量%に対して、含フッ素化合物は、0.10重量%以上及び2.0重量%以下でもある。他の例を挙げれば、含フッ素化合物は、0.6重量%以上及び1.0重量%以下でもある。含フッ素化合物が0.10重量%未満に含まれた場合、エッチング速度が低減され、残渣及び/またはチップが生じうる。含フッ素化合物が2.0重量%を超えて含まれた場合、基板(例えば、配線を含む配線基板のベースをなす基板、及び/またはケイ素系絶縁層)を損傷させうる。
【0019】
一実施形態によれば、エッチング液組成物において、含塩素化合物は、塩酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化鉄(III)、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、塩化エチルスルホニル、塩化メタンスルホニル、またはその任意の組み合わせを含むものでもある。含塩素化合物は、エッチング速度を向上させ、パターンされた配線のCDロス(CD(critical dimension) loss)を改善させ、工程上のマージンを向上させることができる。また配線の過エッチング現象を防止することで収率を向上させることができる。CDロスとは、垂直方向のエッチング速度と、水平方向のエッチング速度との差が大きくない場合に生じるパターンプロファイル不良のうち一つであり、エッチングのためのマスクパターン(例えば、フォトレジストパターン)の終端と、エッチングされたパターンの終端との水平距離が短くなり、配線形成が正常になされない不良を意味しうる。
【0020】
例えば、エッチング液組成物の総100重量%に対してで、含塩素化合物は、0.01重量%以上及び2.0重量%以下でもある。他の例を挙げれば、含フッ素化合物は、0.01重量%以上及び1.5重量%以下でもある。含塩素化合物が0.01重量%未満に含まれた場合、エッチング速度が低減され、残渣が生じてしまう。また、配線のオーバーエッチング現象を防止することができないので、収率が低くなってしまう。含塩素化合物が2.0重量%を超えて含まれた場合、エッチング速度が過度に速くなり、エッチング均一性が低減されてしまう。
【0021】
一実施形態によれば、エッチング液組成物において、環状アミン化合物は、5-アミノテトラゾール(5-aminotetrazole)、イミダゾール(imidazole)、インドール(indole)、プリン(purine)、ピラゾール(pyrazole)、ピリジン(pyridine)、ピリミジン(pyrimidine)、ピロール(pyrrole)、ピロリジン(pyrrolidine)、ピロリン(pyrroline)、5-メチルテトラゾール(5-methyltetrazole)、1-メチル-5-アミノテトラゾール(1-methyl-5-aminotetrazole)、1-エチル-5-アミノテトラゾール(1-ethyl-5-aminotetrazole)、またはその任意の組み合わせを含むものでもある。環状アミン化合物は、エッチング速度を調節し、エッチング均一性を向上させ、プロファイルを形成しうる。
【0022】
例えば、エッチング液組成物の総100重量%対比で、環状アミン化合物は、0.10重量%以上及び2.0重量%以下でもある。環状アミン化合物が0.10重量%未満に含まれた場合、エッチング速度を調節することができず、過エッチング現象が生じたり、エッチングが不均一になったりしうる。環状アミン化合物が2.0重量%を超えて含まれた場合、エッチング速度が低減するので、効率が低減されうる。
【0023】
一実施形態によれば、エッチング液組成物において、無機酸は、硝酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、またはその任意の組み合わせを含むものでもある。無機酸は、エッチングのための補助酸化剤でもある。
【0024】
例えば、エッチング液組成物の総100重量%対比で、無機酸は、0.10重量%以上及び5.0重量%以下でもある。無機酸が0.10重量%未満に含まれた場合、エッチング速度が低減され、残渣が生じたり、プロファイルに不良が生じたりしうる。無機酸が5.0重量%を超えて含まれた場合、過エッチング現象が生じたり、フォトレジストに亀裂が生じたりし、生産性が低減されてしまう。
【0025】
第1化合物は、スルホン基、スルホン酸基、またはその組み合わせと、アミン基とを含む化合物である。例えば、第1化合物は、水溶液において、中性である化合物でもある。
【0026】
一実施形態によれば、エッチング液組成物において、第1化合物は、スルホン基及びアミン基を含む化合物であるか、あるいはスルホン酸基及びアミン基を含む化合物でもある。
【0027】
例えば、第1化合物において、アミン基は-NHでもあるが、それに限定されるものではない。
【0028】
他の実施形態によれば、エッチング液組成物において、第1化合物は、下記化学式1で表される化合物でもある:
【化1】

・・・化学式1
化学式1で、
及びLは、互いに独立して、単一結合、*-O-*’、*-S-*’、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C20アルキレン基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C20アルケニレン基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60炭素環式基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60ヘテロ環式基であり、
a1及びa2は、互いに独立して、0~3の整数のうち一つであり、
、Z及びZは、互いに独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アルキル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アルケニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アルキニル基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アルコキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60炭素環式基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60ヘテロ環式基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アリールオキシ基、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60アリールチオ基、-N(Q)(Q)、-B(Q)(Q)、-P(Q)(Q)、または-C(=O)(Q1)であるものの、Rは、水素ではなく、
及びZは、選択的に(optionally)、単一結合、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-Cアルキレン基、または少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-Cアルケニレン基を介して互いに連結され、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60多環式基を形成することができ、
10aは、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)(Q11)、-P(=O)(Q11)(Q12)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基、またはC-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基、C-C60アルコキシ基、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)(Q21)、-P(=O)(Q21)(Q22)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基、C-C60アリールオキシ基、またはC-C60アリールチオ基;あるいは
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)(Q31)または-P(=O)(Q31)(Q32);であり、
前述のQ~Q、Q11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C-C60アルキル基;C-C60アルケニル基;C-C60アルキニル基;C-C60アルコキシ基;あるいは重水素、-F、シアノ基、C-C60アルキル基、C-C60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C60炭素環式基またはC-C60ヘテロ環式基;である。
【0029】
一実施形態によれば、化学式1で、L及びLは、互いに独立して、単一結合、*-O-*’または*-S-*’;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル(adamantanyl)基、ノルボルナニル(norbornanyl)基、ノルボルネニル(norbornenyl)基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C20アルキレン基、C-C20アルケニレン基またはC-C20アルキニレン基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、アダマンタニレン基、ノルボルナニレン基、ノルボルネニレン基、シクロペンテニレン基、シクロヘキセニレン基、シクロヘプテニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ピロリレン基、チオフェニレン基、フラニレン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、チアゾリレン基、イソチアゾリレン基、オキサゾリレン基、イソキサゾリレン基、ピリジニレン基、ピラジニレン基、ピリミジニレン基、ピリダジニレン基、イソインドリレン基、インドリレン基、インダゾリレン基、プリニレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、ベンゾキノリニレン基、キノキサリニレン基、キナゾリニレン基、シンノリニレン基、カルバゾリレン基、フェナントロリニレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾフラニレン基、ベンゾチオフェニレン基、イソベンゾチアゾリレン基、ベンゾオキサゾリレン基、イソベンゾオキサゾリレン基、トリアゾリレン基、テトラゾリレン基、オキサジアゾリレン基、トリアジニレン基、ジベンゾフラニレン基、ジベンゾチオフェニレン基、ベンゾカルバゾリレン基、ジベンゾカルバゾリレン基、イミダゾピリジニレン基またはイミダゾピリミジニレン基;でもある。
【0030】
他の実施形態によれば、化学式1で、L及びLは、互いに独立して、単一結合、*-O-*’または*-S-*’;
水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C20アルキレン基、C-C20アルケニレン基またはC-C20アルキニレン基;あるいは
水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、ナフチレン基、ピリジニレン基またはピリミジニレン基でもある。
一実施形態によれば、化学式1で、前述のR、Z及びZは、互いに独立して、水素、重水素またはヒドロキシル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニルギまたはC-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)(Q31)、-P(=O)(Q31)(Q32)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基;あるいは
N(Q)(Q);であるものの、Rは、水素ではないのである。
【0031】
他の実施形態によれば、化学式1で、Rは、重水素またはヒドロキシル基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基またはC-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基またはピリミジニル基;あるいは
N(Q)(Q);でもある。Q及びQに係わる説明は、本明細書に記載されたところによる。
【0032】
他の実施形態によれば、化学式1で、Z及びZは、互いに独立して、水素、または重水素;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基またはC-C20アルコキシ基;あるいは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C20アルキル基、C-C20アルケニル基、C-C20アルキニル基、C-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基またはピリミジニル基;でもある。
【0033】
一実施形態によれば、化学式1で、Lは、単一結合であり、Rは、ヒドロキシル基でもある。
【0034】
一実施形態によれば、化学式1で、Rは、N(Q)(Q)でもある。
【0035】
一実施形態によれば、化学式1で、a2は、1~3の整数のうち一つであり、a2個のLのうち少なくとも一つは、少なくとも1つのR10aで置換もしくは非置換のC-C60炭素環式基であるか、Rは、N(Q)(Q)であるか、あるいはそれらの組み合わせでもある。
【0036】
他の実施形態によれば、化学式1で、a2は、1~3の整数のうち一つであり、a2個のLのうち少なくとも一つは、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD、-CDH、-CDH、-CF、-CFH、-CFH、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、フェニレン基であるか、Rは、N(Q)(Q)であるか、あるいはその組み合わせでもある。
【0037】
さらに他の実施形態によれば、エッチング液組成物において、第1化合物は、スルファミド(sulfamide)、スルファニル酸(sulfanilic acid)、またはその組み合わせでもある。
【0038】
例えば、エッチング液組成物の総100重量%に対して、第1化合物は、0.10重量%以上及び3.0重量%以下でもある。第1化合物が0.10重量%未満に含まれた場合、キレーティング効果が低減され、エッチング速度を制御することができない。第1化合物が3.0重量%を超えて含まれた場合、エッチング速度が過度に増大し、チップ発生が増大されてしまう。
【0039】
一実施形態によれば、エッチング液組成物は、エッチング液組成物の総100重量%に対対して、過硫酸塩は、3.0重量%以上及び15.0重量%以下であり、含フッ素化合物は、0.10重量%以上及び2.0重量%以下であり、含塩素化合物は、0.01重量%以上及び2.0重量%以下であり、環状アミン化合物は、0.10重量%以上及び2.0重量%以下であり、無機酸は、0.10重量%以上及び5.0重量%以下であり、第1化合物は、0.10重量%以上及び3.0重量%以下でもある。
【0040】
一実施形態によれば、エッチング液組成物において、水は、半導体工程用脱イオン水でもある。例えば、水は、18MΩ/cm以上の脱イオン水でもある。一実施形態によれば、水は、残量としても含まれる。残量は、本発明の必須成分、及びそれ以外の他成分をさらに含む組成物の総重量が100重量%になるようにする残量を意味する。
【0041】
例えば、水は、70重量%以上及び95重量%以下でもある。
【0042】
界面浸透抑制指数(Y)は、0.10以上及び0.35以下を満足し、界面浸透抑制指数(Y)は、本明細書による[数1]によって計算された値である。
【0043】
界面浸透抑制指数(Y)は、エッチング液組成物が多層膜をエッチングするとき、多層膜の界面に空隙が生じないように、エッチング液組成物の含量を調節する指数である。界面浸透抑制指数(Y)が0.10以上及び0.35以下であるエッチング液組成物は、多層膜の界面浸透力が低減され、界面に空隙が生じないが、界面浸透抑制指数(Y)が0.10未満であるか、あるいは0.35超過である場合のエッチング液組成物は、多層膜に対する界面浸透力が増大され、界面に空隙が生じうる。例えば、界面浸透抑制指数(Y)の範囲を満足するエッチング液組成物を利用し、表示装置を製造する場合、エッチング液組成物は、多層膜(例えば、Ti/Cu/ITO(indium tin oxide)構造の膜)を同時にエッチングすることができ、多層膜の界面(例えば、Ti/Cu/ITO構造の膜において、CuとITOとの界面)に空隙が発生せず、適切なテーパ角(taper angle)が形成され、チップ発生率が低くなる。すなわち、界面浸透抑制指数(Y)の範囲を満足するように、エッチング液組成物の含量を調節することにより、すぐれたエッチング効率及びエッチング均一性を有するエッチング液組成物を効率的に開発することができ、高品位表示装置を製造することができる。
【0044】
例えば、界面浸透抑制指数(Y)は、0.11以上及び0.34以下でもある。他の例を挙げれば、界面浸透抑制指数(Y)は、0.11以上及び0.30以下でもある。
【0045】
一実施形態によれば、エッチング液組成物は、界面活性剤、金属イオン封鎖剤(sequestering agent)、腐食防止剤、発熱安定剤、増粘剤、グリコール、またはその任意の組み合わせをさらに含むものでもある。
【0046】
一実施形態によれば、エッチング液組成物は、金属膜、金属酸化物膜、またはその組み合わせのエッチング用でもある。
【0047】
他の実施形態によれば、エッチング液組成物は、金属膜及び金属酸化物膜のエッチング用でもある。
【0048】
例えば、金属膜は、単層膜または多層膜でもある。
【0049】
例えば、金属膜は、銅、チタン、チタン合金、またはその任意の組み合わせを含み、チタン合金は、チタン;及びモリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、またはその任意の組み合わせ;を含むものでもある。
【0050】
例えば、金属膜は、第1金属膜及び第2金属膜を含み、第1金属膜は、チタンまたはチタン合金を含み、チタン合金は、チタン;及びモリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、またはその任意の組み合わせ;を含み、第2金属膜は、銅を含むものでもある。
【0051】
例えば、金属酸化物膜は、インジウム(In)、スズ(Sn)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、またはその任意の組み合わせの酸化物を含むものでもある。他の例を挙げれば、金属酸化物膜は、In;及びSn、Ga、Zn、またはその任意の組み合わせ;の酸化物を含むものでもある。さらに他の例を挙げれば、金属酸化物膜は、In及びSnの酸化物(例えば、ITO)でもある。例えば、第1金属膜は、チタンを含み、第2金属膜は、銅を含み、金属酸化物膜は、ITOを含むものでもあるが、それに限定されるものではない。
【0052】
[用語の定義]
本明細書において、C-C60炭素環式基は、環形成原子として、炭素だけによってなるC-C60環状基を意味し、C-C60ヘテロ環式基は、炭素以外に、環形成原子として、ヘテロ原子をさらに含むC-C60環状基を意味する。C-C60炭素環式基及びC-C60ヘテロ環式基のそれぞれは、1個の環によってなる単環状基、または2以上の環が互いに縮合されている多環式基でもある。例えば、C-C60ヘテロ環式基の環形成原子数は、3個~61個でもある。
【0053】
本明細書において、環状基は、C-C60炭素環式基及びC-C60ヘテロ環式基のいずれも含む。
【0054】
例えば、C-C60炭素環式基は、i)グループT1、またはii)2以上のグループT1が互いに縮合された縮合環基(例えば、シクロペンタジエン基、アダマンタン(adamantane)基、ノルボルナン基、ベンゼン基、ペンタレン基、ナフタレン基、アズレン基、インダセン基、アセナフチレン基、フェナレン基、フェナントレン基、アントラセン基、フルオランテン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、ペリレン基、ペンタフェン基、ヘプタレン基、ナフタセン基、ピセン基、ヘキサセン基、ペンタセン基、ルビセン基、コロネン基、オバレン基、インデン基、フルオレン基、スピロ-ビフルオレン基、ベンゾフルオレン基、インデノフェナントレン基またはインデノアントラセン基)でもあり、
-C60ヘテロ環式基は、i)グループT2、ii)2以上のグループT2が互いに縮合された縮合環基、またはiii)1以上のグループT2と1以上のグループT1とが互いに縮合された縮合環基(例えば、ピロール基、チオフェン基、フラン基、インドール基、ベンゾインドール基、ナフトインドール基、イソインドール基、ベンゾイソインドール基、ナフトイソインドール基、ベンゾシロール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、カルバゾール基、ジベンゾシロール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、インデノカルバゾール基、インドロカルバゾール基、ベンゾフロカルバゾール基、ベンゾチエノカルバゾール基、ベンゾシロロカルバゾール基、ベンゾインドロカルバゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾナフトフラン基、ベンゾナフトチオフェン基、ベンゾナフトシロール基、ベンゾフロジベンゾフラン基、ベンゾフロジベンゾチオフェン基、ベンゾチエノジベンゾチオフェン基、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、イソキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイソキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾイソチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、ベンゾキナゾリン基、フェナントロリン基、シンノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、イミダゾトリアジン基、イミダゾピラジン基、イミダゾピリダジン基、アザカルバゾール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾフラン基など)でもあり、
グループT1は、シクロプロパン基、シクロブタン基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、シクロヘプタン基、シクロオクタン基、シクロブテン基、シクロペンテン基、シクロペンタジエン基、シクロヘキセン基、シクロヘキサジエン基、シクロヘプテン基、アダマンタン基、ノルボルナン(または、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(bicyclo[2.2.1]heptane))基、ノルボルネン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン(bicyclo[1.1.1]pentane)基、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン(bicyclo[2.1.1]hexane)基、ビシクロ[2.2.2]オクタン基またはベンゼン基であり、
グループT2は、フラン基、チオフェン基、1H-ピロール基、シロール基、ボロール(borole)基、2H-ピロール基、3H-ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサゾール基、イソキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、アザシロール基、アザボロール基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、テトラジン基、ピロリジン基、イミダゾリジン基、ジヒドロピロール基、ピペリジン基、テトラヒドロピリジン基、ジヒドロピリジン基、ヘキサヒドロピリミジン基、テトラヒドロピリミジン基、ジヒドロピリミジン基、ピペラジン基、テトラヒドロピラジン基、ジヒドロピラジン基、テトラヒドロピリダジン基またはジヒドロピリダジン基であり、
本明細書において、環式基、C-C60炭素環式基またはC-C60ヘテロ環式基という用語は、当該用語が使用された化学式の構造により、任意の環状基に縮合されている基、一価基または多価基(例えば、二価基、三価基、四価基など)でもある。例えば、「ベンゼン基」は、ベンゾ基、フェニル基、フェニレン基などでもあるが、それは、「ベンゼン基」が含まれた化学式の構造により、当業者が容易に理解することができるであろう。
【0055】
例えば、一価C-C60炭素環式基及び一価C-C60ヘテロ環式基の例は、C-C10シクロアルキル基、C-C10ヘテロシクロアルキル基、C-C10シクロアルケニル基、C-C10ヘテロシクロアルケニル基、C-C60アリール基、C-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基(non-aromatic condensed polycyclic group)及び一価非芳香族ヘテロ縮合多環基(non-aromatic condensed heteropolycyclic group)を含み、二価C-C60炭素環式基及び二価C-C60ヘテロ環式基の例は、C-C10シクロアルキレン基、C-C10ヘテロシクロアルキレン基、C-C10シクロアルケニレン基、C-C10ヘテロシクロアルケニレン基、C-C60アリーレン基、C-C60ヘテロアリーレン基、二価非芳香族縮合多環基及び二価非芳香族ヘテロ縮合多環基を含むものでもある。
【0056】
本明細書において、C-C60アルキル基は、C-C60の線状または分枝状の脂肪族炭化水素一価基を意味し、その具体例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基などが含まれる。本明細書において、C-C60アルキレン基は、C-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0057】
本明細書において、C-C60アルケニル基は、C-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素・炭素二重結合を含む一価炭化水素基を意味し、その具体例には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C-C60アルケニレン基は、C-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0058】
本明細書において、C-C60アルキニル基は、C-C60アルキル基の中間または末端に、1以上の炭素・炭素三重結合を含む一価炭化水素基を意味し、その具体例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C-C60アルキニレン基は、C-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0059】
本明細書において、C-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、C-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0060】
本明細書において、C-C10シクロアルキル基は、C-C10一価飽和炭化水素環状基を意味し、その具体例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルナニル基(または、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(bicyclo[2.2.1]heptyl)基)、ビシクロ[1.1.1]ペンチル(bicyclo[1.1.1]pentyl)基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル(bicyclo[2.1.1]hexyl)基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基などが含まれる。本明細書において、C-C10シクロアルキレン基は、C-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0061】
本明細書において、C-C10ヘテロシクロアルキル基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含むC-C10一価環状基を意味し、その具体例には、1,2,3,4-オキサトリアゾルリジニル(1,2,3,4-oxatriazolidinyl)基、テトラヒドロフラニル(tetrahydrofuranyl)基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C-C10ヘテロシクロアルキレン基は、C-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0062】
本明細書において、C-C10シクロアルケニル基は、C-C10一価環状基であり、環内に、少なくとも1つの炭素・炭素二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有さない基を意味し、その具体例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。本明細書において、C-C10シクロアルケニレン基は、C-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0063】
本明細書において、C-C10ヘテロシクロアルケニル基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含むC-C10一価環状基であり、環内に、少なくとも1つの二重結合を有する。C-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例には、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、C-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、C-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0064】
本明細書において、C-C60アリール基は、C-C60炭素環式芳香族系を有する一価基を意味し、C-C60アリーレン基は、C-C60炭素環式芳香族系を有する二価基を意味する。C-C60アリール基の具体例には、フェニル基、ペンタレニル基、ナフチル基、アズレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ヘキサセニル基、ペンタセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、オバレニル基などが含まれる。C-C60アリール基及びC-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合されうる。
【0065】
本明細書において、C-C60ヘテロアリール基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含み、C-C60ヘテロ環式芳香族系を有する一価基を意味し、C-C60ヘテロアリーレン基は、炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子としてさらに含み、C-C60ヘテロ環式芳香族系を有する二価基を意味する。C-C60ヘテロアリール基の具体例には、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、ベンゾキノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイソキノリニル基、キノキサリニル基、ベンゾキノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキナゾリニル基、シンノリニル基、フェナントロリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基などが含まれる。C-C60ヘテロアリール基及びC-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに縮合されうる。
【0066】
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、C-C60である)を意味する。一価非芳香族縮合多環基の具体例には、インデニル基、フルオレニル基、スピロービフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、インデノフェナントレニル基、インデノアントラセニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0067】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素原子以外に、少なくとも1つのヘテロ原子をさらに含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、C-C60である)を意味する。一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の具体例には、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、インドリル基、ベンゾインドリル基、ナフトインドリル基、イソインドリル基、ベンゾイソインドリル基、ナフトイソインドリル基、ベンゾシロリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾシロリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、アザカルバゾリル基、アザフルオレニル基、アザジベンゾシロリル基、アザジベンゾチオフェニル基、アザジベンゾフラニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、イミダゾトリアジニル基、イミダゾピラジニル基、イミダゾピリダジニル基、インデノカルバゾリル基、インドロカルバゾリル基、ベンゾフロカルバゾリル基、ベンゾチエノカルバゾリル基、ベンゾシロロカルバゾリル基、ベンゾインドロカルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ベンゾナフトフラニル基、ベンゾナフトチオフェニル基、ベンゾナフトシロリル基、ベンゾフロジベンゾフラニル基、ベンゾフロジベンゾチオフェニル基、ベンゾチエノジベンゾチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0068】
本明細書において、C-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は、C-C60アリール基である)を示し、C-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は、C-C60アリール基である)を示す。
【0069】
本明細書において、「R10a」は、
重水素(-D)、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基またはニトロ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、-Si(Q11)(Q12)(Q13)、-N(Q11)(Q12)、-B(Q11)(Q12)、-C(=O)(Q11)、-S(=O)(Q11)、-P(=O)(Q11)(Q12)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基またはC-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C-C60アルキル基、C-C60アルケニル基、C-C60アルキニル基、C-C60アルコキシ基、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基、C-C60アリールオキシ基、C-C60アリールチオ基、-Si(Q21)(Q22)(Q23)、-N(Q21)(Q22)、-B(Q21)(Q22)、-C(=O)(Q21)、-S(=O)(Q21)、-P(=O)(Q21)(Q22)、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基、C-C60アリールオキシ基またはC-C60アリールチオ基;あるいは
-Si(Q31)(Q32)(Q33)、-N(Q31)(Q32)、-B(Q31)(Q32)、-C(=O)(Q31)、-S(=O)(Q31)または-P(=O)(Q31)(Q32);でもある。
【0070】
本明細書において、Q~Q、Q11~Q13、Q21~Q23、及びQ31~Q33は、互いに独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;C-C60アルキル基;C-C60アルケニル基;C-C60アルキニル基;C-C60アルコキシ基;重水素、-F、シアノ基、C-C60アルキル基、C-C60アルコキシ基、フェニル基、ビフェニリル基、またはその任意の組み合わせで置換もしくは非置換の、C-C60炭素環式基、C-C60ヘテロ環式基;C-C60アリールアルキル基;あるいはC-C60ヘテロアリールアルキル基;でもある。
【0071】
本明細書において、ヘテロ原子は、炭素原子を除いた任意の原子を意味する。ヘテロ原子の例は、O、S、N、P、Si、B、Ge、Se、またはその任意の組み合わせを含む。
【0072】
本明細書において、「ビフェニリル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ビフェニリル基」は、置換基が「C-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0073】
本明細書において、「ターフェニル基」は、「ビフェニリル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ターフェニル基」は、置換基が「C-C60アリール基で置換されたC-C60アリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
【0074】
本明細書において、*及び*’は、他の定義がない限り、当該の化学式またはモイエティにおいて、隣接原子との結合サイトを意味する。
【0075】
以下において、実施例を挙げ、本発明の一実施形態によるエッチング液組成物につき、さらに具体的に説明する。下記実施例において、「Aの代わりにBを使用した」という表現において、Aのモル当量と、Bのモル当量は、互いに同一である。
【0076】
実施例1~10、及び比較例1~5
実施例1~10、及び比較例1~5によるエッチング液組成物を、下記表1のような組成で製造した。下記表1の%は、重量%である。その後、基板上に、チタン(Ti)/銅(Cu)/ITOの三層の積層膜を形成した後、三層の積層膜上に、フォトレジストをパターニングして試料を作製した。噴射式エッチング方式の実験装備(モデル:ETCHER(TFT)(SEMES社製))内に、エッチング液組成物をそれぞれ入れ、温度を約28℃前後に設定した後、試料に対し、それぞれエッチング工程を遂行し、エッチングされた試料を得た。エッチング時間は、50秒~200秒ほどである。
【0077】
下記表1において、APS(ammonium persulfate)は、過硫酸アンモニウムであり、SPS(sodium persulfate)は、過硫酸ナトリウムであり、KPS(potassium persulfate)は、過硫酸カリウムであり、ABF(ammonium bifluoride)は、二フッ化アンモニウムであり、ACl(ammonium chloride)は、塩化アンモニウムであり、NaCl(sodium chloride)は、塩化ナトリウムであり、ATZ(5-aminotetrazole)は、5-アミノテトラゾールであり、HNO(nitric acid)は、硝酸であり、SFM(sulfamide)は、スルファミド、SFNLA(sulfanilic acid)は、スルファニル酸である。
【0078】
評価例1
実施例1~10、及び比較例1~5によるエッチングされた試料に、さらに試料を70%過エッチングし、過エッチングされた試料のプロファイルを、走査電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)(モデル:S-4700(Hitachi社製))及び集束イオンビーム(focused ion beam)走査電子顕微鏡(FIB-SEM)を利用し、試料のプロファイル及び空隙の発生の有無を測定し、その結果を表1に示した。下記表1において、空隙が生じていない場合、「O」と表し、空隙が生じた場合、「X」と表した。図1図3は、それぞれ実施例1~3のエッチングされた試料のプロファイルを、走査電子顕微鏡(SEM)で測定した結果であり、図4及び図5は、比較例1及び2のエッチングされた試料のプロファイルを、集束イオンビーム(FIB)-走査電子顕微鏡(SEM)で測定した結果であり、図6図8は、比較例3~5のエッチングされた試料のプロファイルを、走査電子顕微鏡(SEM)で測定した結果である。
【0079】
【表1】
【0080】
表1を参照すると、実施例1~10において使用されたエッチング液組成物の界面浸透抑制指数(Y)は、それぞれ0.10以上及び0.35以下であるが、比較例1~5において使用されたエッチング液組成物の界面浸透抑制指数(Y)は、それぞれ0.35を超えるということが分かる。実施例1~10のエッチングされた試料は、空隙が発生せず、試料のプロファイルに優れるが、比較例1~5のエッチングされた試料は、空隙が生じ、試料のプロファイルが不均一であるということが分かった。
【0081】
図1図8において、実施例1~3、及び比較例1~5の走査電子顕微鏡(SEM)像または集束イオンビーム(FIB)-走査電子顕微鏡(SEM)像を用いた測定結果を確認することができた。図1図3を参照すれば、実施例1~3の試料は、CuとITOとの界面間にエッチング液の浸透が少なく、空隙は発生しておらず、テーパ角が約45°以上及び約55°以下であり、すぐれたエッチングプロファイルを形成するということが分かった。実施例1~3の試料に使用されたエッチング液組成物は、界面浸透抑制指数(Y)が0.10以上及び0.35以下を満たすように、エッチング液組成物の組成(例えば、含塩素化合物、第1化合物、過硫酸塩、水の含量)を調節することによって得ることができた。一方、図4図8を参照すれば、比較例1~5の試料は、CuとITOとの界面間において、エッチング液の浸透が容易であり、空隙が生じるということが分かり、図4及び図5を参照すれば、Cu斜面の不均一現象が生じるということが分かった。それは、後続工程において、配線段差(step coverage)を誘発し、基板の浸食不良またはショート(short)が生じることがある。それにより、実施例1~3で使用されたエッチング液組成物は、比較例1~5のエッチング液組成物に比べ、すぐれたエッチング効率及びエッチング均一性を有するということが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の、エッチング液組成物は、例えば、エッチング関連の技術分野に効果的に適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8