(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138968
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】映像制御装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/783 20060101AFI20230926BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20230926BHJP
【FI】
H04N5/783
G06F3/04845
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104798
(22)【出願日】2023-06-27
(62)【分割の表示】P 2021120354の分割
【原出願日】2016-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宏平
(57)【要約】
【課題】走行映像を再生する際に直感的に制御操作を行うことができる映像制御装置を提供する。
【解決手段】制御部は、車両に搭載されたカメラによって撮影され、メモリ部に記録された走行映像を表示部に表示する。このとき、制御部は、表示部の画面上を基準点P
2から離れる方向にスワイプ又はフリックする操作を受け付けると、走行映像を早送りし、基準点P
2に近づく方向にスワイプ又はフリックする操作を受け付けると、走行映像を巻き戻しする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示部と、
基準点に基づくユーザ操作を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記表示部で表示される映像を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする映像制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像制御装置、映像制御方法及び映像制御方法を実行するためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレットなどタッチパネル式の表示装置が普及している。このようなタッチパネル式の表示装置においては、画面内にボタンやシークバーを表示し、これらボタン、シークバーを操作することにより早送り、巻き戻しするものが知られている。しかしながら、ボタンやシークバーの操作では直感的に映像の制御操作を行うことが難しい。
【0003】
そこで、映像から被写体を検出して、被写体の移動方向と同じ方向に画面をフリックするとその被写体がフレームアウトするところまで早送りし、被写体の移動方向と逆方向に画面をフリックすると被写体がフレームインするところまで巻き戻す画像再生方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この画像再生方法は、カメラ前を人物(被写体)が横切る映像が再生されていることが前提となっており、ドライブレコーダなど車両に搭載されたカメラが撮影した走行映像の再生に適用すると違和感が生じる、という問題が一例として挙げられる。
【0006】
本発明は、このような問題点に対処することを課題の一例とするものである。即ち、本発明は、例えば、走行映像を再生する際に直感的に制御操作を行うことができる映像制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の映像制御装置は、映像を表示する表示部と、基準点に基づくユーザ操作を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けられた前記ユーザ操作に応じて、前記表示部で表示される映像を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の映像制御装置としてのナビゲーション装置の一実施例を示すブロック図である。
【
図2】(A)は時間tにおける
図1に示すカメラにより撮影された走行映像を示す図であり、(B)は時間t+Δtにおける
図1に示すカメラにより撮影された走行映像を示す図である。
【
図3】第1実施例における基準点に基づくユーザ操作を説明するための図である。
【
図4】第1実施例における
図1に示すナビゲーション装置の制御部が行う再生処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】第2又は第3実施例における基準点に基づくユーザ操作を説明するための図である。
【
図6】第2又は第3実施例における基準点に基づくユーザ操作を説明するための図である。
【
図7】第2実施例における
図1に示すナビゲーション装置の制御部が行う再生処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】(A)は第6実施例における映像の視点を変更するときのユーザ操作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態にかかる映像制御装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる映像制御装置は、映像を表示する表示部と、基準点に基づくユーザ操作を受け付ける受付部と、受付部で受け付けられたユーザ操作に応じて、表示部で表示される映像を制御する制御部と、を備える。
【0010】
走行映像は、消失点を中心として放射状に背景(静止物)が流れる。例えば、この走行映像の消失点に対応する表示部上の位置に基準点を定め、この基準点に基づくユーザ操作に応じて、表示部で表示される映像を制御することにより、走行映像を再生する際に直感的に映像を制御することができる。
【0011】
また、基準点は、表示部に表示された映像の中央近傍又は中央近傍に応じた位置に定められていてもよい。これにより、走行映像の消失点または消失点近傍に基準点を定めることができる。
【0012】
また、基準点は、表示部に表示された映像の消失点に基づいて定められていてもよい。これにより、走行映像の消失点または消失点近傍に基準点を定めることができる。
【0013】
また、ユーザ操作は、基準点から離れる操作または基準点に近づく操作を含んでいてもよい。これにより、走行映像を再生する際に直感的に映像の制御操作を行うことができる。
【0014】
また、制御部は、受付部が基準点から離れる操作を受け付けた場合に映像の送り又は戻しの何れか一方を行い、受付部が基準点に近づく操作を受け付けた場合に映像の送り又は戻しの何れか他方を行うようにしてもよい。これにより、走行映像を再生する際に直感的に映像の送り又は戻し操作を行うことができる。
【0015】
また、制御部は、受付部が基準点から離れる操作の後に続けて追加の操作を受け付けた場合に映像の送り又は戻しの何れか他方を行い、受付部が基準点に近づく操作に続けて追加の操作を受け付けた場合に映像の送り又は戻しの何れか一方を行うようにしてもよい。これにより、追加の操作を行うと送りと戻しを入れ替えることができる。例えば、車両がバックしている走行映像が表示されていた場合に追加の操作を行えば、車両がバックしているときの走行映像であっても直感的に映像の送り又は戻し操作を行うことができる。
【0016】
また、制御部は、基準点から離れる操作又は基準点に近づく操作おける始点から終点までの長さに応じてユーザ操作に応じた映像の制御時間を変えるようにしてもよい。これにより、直感的に制御時間の制御操作を行うことができる。
【0017】
また、制御部は、受付部が基準点から離れる操作又は基準点に近づく操作において終点で止まる操作を受け付けた場合、ユーザ操作に応じた映像の制御を終了して、映像を一時停止するようにしてもよい。これにより、直感的に映像を一時停止する制御操作を行うことができる。
【0018】
また、制御部は、受付部が基準点に基づくユーザ操作の後に続けて追加の操作を受け付けた場合、映像を制御するようにしてもよい。これにより、走行映像を再生する際に直感的に映像の制御操作を行うことができる。
【0019】
また、ユーザ操作は、基準点を跨ぐ操作を含んでおり、制御部は、受付部が基準点を跨ぐ操作を受け付けた場合、映像の視点を切り替えるようにしてもよい。これにより、簡単に映像の視点を切り替えることができる。
【0020】
また、本発明の他の一実施形態では、表示制御方法において、基準点に基づくユーザ操作を受け付ける受付工程と、受付工程で受け付けられたユーザ操作に応じて、表示部で表示される映像を制御する制御工程と、を備える。これにより、走行映像を再生する際に直感的に映像の制御操作を行うことができる。
【0021】
また、本発明の他の一実施形態では、コンピュータが実行するプログラムは、基準点に基づくユーザ操作を受け付ける受付部と、受付部で受け付けられたユーザ操作に応じて、表示部で表示される映像を制御する制御部として、コンピュータを機能させる。このプログラムは、好適には記録媒体に記録される。これにより、走行映像を再生する際に直感的に映像の制御操作を行うことができる。
【実施例0022】
(第1実施例)
以下、第1実施例における本発明の映像制御装置としてのナビゲーション装置を
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の映像制御装置としてのナビゲーション装置の一実施例を示すブロック図である。
【0023】
本実施例のナビゲーション装置1は、車両に搭載されている。ナビゲーション装置1は、
図1に示すように、経路案内に加えて、メモリ部12に記録されたカメラ11によって撮像した走行映像を再生することができる。
【0024】
上記ナビゲーション装置1は、カメラ11と、メモリ部12と、GPS受信部13と、操作部14と、表示部15と、接触センサとしてのタッチパネル16と、音声出力部17と、制御部18(受付部)と、を備えている。
【0025】
カメラ11は、車両に搭載され、車両の前方又は後方を撮像している。本実施例では、カメラ11は車両の前方を撮像しているものとして以下説明する。メモリ部12は、カメラ11により撮影された走行映像などが記録される。メモリ部12は、例えばハードディスクやSDカードなどの不揮発性のメモリから構成され、後述する制御部18からの制御により読み書きがなされる。
【0026】
GPS受信部13は、公知であるように複数のGPS(Global Positioning System)衛星から発振される電波を受信して、現在の位置情報を求めて制御部18に出力する。なお、本実施例では、GPS受信部13がナビゲーション装置1に一体に設けられている例を示すが、GPS受信部13が別体として構成され、ナビゲーション装置1と着脱自在になっていてもよい。
【0027】
操作部14は、ボタンなどの入力部やマイクなどの音声入力部で構成されている。操作部14は、ナビゲーション装置1の各種入力操作が行われ、入力操作を示す操作信号を制御部18に出力する。
【0028】
表示部15は、液晶ディスプレイや該液晶ディスプレイを制御するドライバ回路等から構成されている。タッチパネル16は、表示部15の表示画面上に配置され、人の指やタッチペンなどの接触を検知し、その検知信号を制御部18に出力する。
【0029】
音声出力部17は、スピーカおよびスピーカを駆動するアンプ等から構成され、制御部18の制御により音声が出力される。
【0030】
制御部18は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリを備えたCPU(Central Processing Unit)で構成され、ナビゲーション装置1全体の制御を司る。RAMは、データの消去・書き換え可能なメモリであり、CPUの処理中に発生するデータを一時的に格納するメモリである。ROMは、データの消去・書き換えできないメモリであり、CPUが行う処理プログラムなどが格納されている。
【0031】
制御部18のCPU(以下単に制御部18と略記する)は、ROM内に書き込まれたプログラムに従って、後述する表示部15及び音声出力部17を制御して目的地までの経路を案内する経路案内処理に加えて、カメラ11及びメモリ部12を制御してカメラ11が撮影した走行映像をメモリ部12に記録させるドライブレコード処理、メモリ部12に記録された走行映像を表示部15に表示する再生処理を実行する。
【0032】
次に、車両前方を撮影するカメラ11により撮影された走行映像の特徴について
図2を参照して説明する。
図2は車両が前進しているときに
図1に示すカメラ11により撮影された走行映像であり、
図2(A)は時間tにおける映像であり、
図2(B)は時間t+Δtにおける走行映像である。
【0033】
同図に示すように、車両前方を撮影した走行映像には、車両が走行する走行路の白線2や看板や建物などの静止物が背景3として映されている。このような走行映像において、複数の白線2のように互いに平行な複数の直線は、消失点P1で交わり、消える。この走行映像を再生又は早送りすると、車両と背景3が近づくため、背景3は、消失点P1を中心とした放射状に、消失点P1から離れる方向に移動する。これに対して、この走行映像を巻き戻しすると、車両と背景3が離れるため、背景3は、消失点P1を中心とした放射状に、消失点P1に近づく方向に移動する。
【0034】
本実施例はこのことに着目し、制御部18は、上記消失点P
1に基づいて表示部15に設けたタッチパネル16上(以下単に「表示部15上」と略記する)の基準点P
2を定め、基準点P
2に基づくユーザ操作に応じて、表示部15で表示させる走行映像を制御する。具体的には、制御部18は、
図3(A)に示すように、基準点P
2を中心とした放射状に、基準点P
2から離れる方向にユーザの指6をスワイプ又はフリックさせる操作(基準点から離れる操作)を受け付けた場合、走行映像を早送りし、
図3(B)に示すように、基準点P
2を中心とした放射状に、基準点P
2に近づく方向にユーザの指6をスワイプ又はフリックさせる操作(基準点に近づく操作)を受け付けた場合、走行映像を巻き戻しする。
【0035】
なお、「スワイプ」とは、画面に触れた状態で所定の方向に指を滑らせる操作のことである。また、「フリック」とは、画面を所定の方向に軽く払うように指を動かす操作のことである。また、
図3中の指6は、表示部15に表示されるものではなく、表示部15上をタッチしているユーザの実際の指を表している。
図3中の矢印も、表示部15上に表示されるものではなく、ユーザがフリック又はスワイプした際の表示部15上の軌跡を表している。後述する
図5、
図6及び
図8についても同様である。基準点P2を表す丸印も、本実施例では表示部15上に表示したものではないが、表示するようにしてもよい。
【0036】
上記概略で説明したナビゲーション装置1の詳細な動作について
図4を参照して説明する。制御部18は、例えば操作部14やタッチパネル16の操作に応じてカメラ11により撮影された走行映像の再生モードに切り替えられると、再生処理を行う。再生処理において、制御部18は、まず、タッチパネル16上における基準点P2の設定を行う(ステップS1)。
【0037】
基準点P2の設定としては、予めメモリ部12に格納された基準点P2を、メモリ部12から読み出して設定することが考えられる。上記消失点P1は、カメラ11の取付位置などから予め求めることができる。例えばカメラ11の光軸を車両の進行方向に対して水平になるように取り付けた場合、表示部15の表示画面中央又は中央近傍が走行映像の消失点P1となる。このため、基準点P2を表示部15の中央又は中央近傍に予め定めて、メモリ部12に格納する。このようにすれば、消失点P1又は消失点P1近傍に基準点P2を定めることができる。また、メモリ部12に記録されたカメラ11により撮影された走行映像を解析して消失点P1を求め、求めた消失点P1又は消失点P1近傍に基準点P2を定めてもよい。
【0038】
次に、制御部18は、操作部14に設けられた再生ボタンやタッチパネル16上に表示された再生ボタンの操作などの再生操作を受け付けると(ステップS2でY)、カメラ11により撮影され、メモリ部12に格納された走行映像の再生を行う(ステップS3)。また、制御部18は、操作部14に設けられた一時停止ボタンやタッチパネル16上に表示された一時停止ボタンの操作などの一時停止操作を受け付けると(ステップS4でY)、再生されている走行映像を一時停止する(ステップS5)。
【0039】
制御部18は、表示部15上の基準点P2から離れるスワイプ又はフリック操作を受け付けると(ステップS6でY)、再生されている走行映像を早送りする(ステップS7)。また、制御部18は、表示部15上の基準点P2に近づくスワイプ又はフリック操作を受け付けると(ステップS8でY)、再生されている走行映像を巻き戻しする(ステップS9)。
【0040】
走行映像は、消失点P1を中心として放射状に背景3が流れる。第1実施例のように車両前方を撮影した走行映像であれば、再生時又は早送り時において背景3は、消失点P1から離れる方向に流れる。一方、巻き戻し時において背景3は、消失点P1に近づく方向に流れる。このため、上述したように消失点P1に基づいて定められた基準点P2から離れる操作を受け付けた場合、早送りにし、基準点P2に近づく操作を受け付けた場合、巻き戻しにすることにより、走行映像を再生する際に直感的に走行映像の早送り操作、巻き戻し操作を行うことができる。
【0041】
(第2実施例)
上述した第1実施例では、基準点P2から離れるスワイプ又はフリック操作を受け付けた場合に早送りし、基準点P2に近づくスワイプ又はフリック操作を受け付けた場合に巻き戻ししていたが、これに限ったものではない。車両前方を撮影した走行映像は、再生時又は早送り時において背景3が消失点P1から離れる方向に流れ、巻き戻し時において背景3が消失点P1に近づく方向に流れる、と第1実施例で説明したが、これは車両が前進していることが前提である。車両がバックしていれば、逆になり、再生時又は早送り時において背景3が消失点P1から近づく方向に流れ、巻き戻し時において背景3が消失点P1に離れる方向に流れる。
【0042】
このため、車両がバックしているときの車両前方の走行映像の再生中に背景3の流れる方向に沿って指6をスワイプ又はフリックすると早送りと巻き戻しが逆になってしてしまう。つまり、車両がバックしているときの走行映像は背景3が消失点P1に近づく方向に流れているため、ユーザが早送りしようとして基準点P2に近づく方向に指6をスワイプ又はフリックすると、巻き戻しになってしまう。逆に、巻き戻ししようとして基準点P2から離れる方向に指6をスワイプすると、早送りになってしまう。
【0043】
そこで、第2実施例では、制御部18は、
図3(A)に示すように、基準点P
2から離れる方向に指6をスワイプ又はフリックさせる操作のみを受け付けた場合、走行映像の早送りを行い、
図5に示すように、基準点P
2から離れる方向に指6をスワイプさせる操作の後に、続けて円を描くように指6をスワイプさせる操作(以下、「追加の操作」と言うこともある。)を受け付けた場合、巻き戻しにする。また、
図3(B)に示すように、基準点P
2に近づく方向に指6をスワイプ又はフリックさせる操作のみを受け付けた場合、走行映像の巻き戻しを行い、
図6に示すように、基準点P
2に近づく方向に指6をスワイプさせる操作の後に、続けて円を描くように指をスワイプさせる操作を受け付けた場合、走行映像の早送りを行う。円を描く方向としては、
図5(A)及び
図6(A)に示すように、右回りでもよいし、
図5(B)及び
図6(B)に示すように、左回りでもよい。
【0044】
上記概略で説明したナビゲーション装置1の詳細な動作について
図7を参照して説明する。なお、同図において、第1実施例で既に説明した
図1に示すフローチャートと同等の動作をするステップには同一符号を付してその詳細な説明を省略する。制御部18は、例えば操作部14やタッチパネル16の操作に応じてカメラ11により撮影された走行映像の再生モードに切り替えられると、再生処理を行う。ステップS1~S5までは第1実施例と同様であるため説明を省略する。
【0045】
制御部18は、表示部15上の基準点P2から離れる方向にスワイプ又はフリックさせる操作のみを受け付け、追加の操作がなかった場合(ステップS10でY)、再生されている走行映像を早送りする(ステップS11)。制御部18は、表示部15上の基準点P2に近づく方向にスワイプさせた後、続けて追加の操作を受け付けた場合も(ステップS12でY)、再生されている走行映像を早送りする(ステップS11)。
【0046】
これに対して、制御部18は、表示部15上の基準点P2に近づく方向にスワイプ又はフリックさせる操作のみを受け付け、追加の操作がなかった場合(ステップS13でY)、再生されている走行映像を巻き戻しする(ステップS14)。また、制御部18は、表示部15上の基準点P2から離れる方向にスワイプさせた後、続けて追加の操作を受け付けた場合(ステップS15でY)、再生されている走行映像を巻き戻しする(ステップS14)。
【0047】
上述した第2実施例によれば、追加の操作を行うと送りと戻しとを入れ替えることができる。これにより、例えば、車両がバックしているときの走行映像が表示されていた場合に追加の操作を行えば、車両がバックしているときの走行映像であっても直感的に映像の早送り操作又は戻し操作を行うことができる。
【0048】
(第3実施例)
上述した第1実施例では、制御部18は、基準点P
2から離れる方向又は基準点P
2に近づく方向にユーザの指6をスワイプ又はフリックさせる操作を受け付けると、早送り又は巻き戻ししていたが、これに限ったものではない。第3実施例では、制御部18は、
図5に示すように、表示部15上の基準点P
2から離れる方向に指6をスワイプさせた後に続けて円を描くように指6をスワイプさせる操作(追加の操作)を受け付けた場合、早送りする。また、
図6に示すように表示部15上の基準点P
2に近づく方向に指6をスワイプさせた後に続けて円を描くように指6をスワイプさせる操作を受け付けた場合、巻き戻しする。
【0049】
つまり、第3実施例では、第1実施例のように表示部15上の基準点P2から離れる方向又は基準点P2に近づく方向に指6をスワイプさせただけでは、早送り又は巻き戻しは行わず、その後続けて円を描くように指6をスワイプさせる操作を受け付けたときに初めて早送り又は巻き戻しを行う。即ち、追加の操作により、走行映像の早送り、巻き戻しの制御が確定される。このため、ユーザが誤って表示部15上をスワイプ又はフリックしても早送りや巻き戻しが行われないため、誤操作を防ぐことができる。
【0050】
なお、第2及び第3実施例では、スワイプの後に続けて行う追加の操作として、円を描くように指6をスワイプさせていたが、これに限ったものではない。追加の操作としては、スワイプと区別できる操作であればよく、例えば、ダブルタップなどでもよい。
【0051】
(第4実施例)
第1~第3実施例では、基準点P2に近づく又は基準点P2から離れるスワイプ又はフリック操作を行うと、その後再生操作や一時停止操作などの他の操作が行われるまで早送り又は巻き戻しを継続させていたがこれに限ったものではない。第4実施例では、基準点P2に近づく又は基準点P2から離れるスワイプ又はフリック操作を行うと、所定の制御時間だけ早送り又は巻き戻しを行って、制御時間経過後は巻き戻し又は早送りを終了して、終了した時点から再生や終了した時点で一時停止するようにしてもよい。
【0052】
このとき、基準点P2に近づく又は基準点P2から離れるスワイプ又はフリック操作の始点から終点までの長さに応じて制御時間を変更するようにしてもよい。即ち、スワイプ又はフリック操作の始点から終点までの長さが長くなるにしたがって制御時間を長くして巻き戻し又は早送り時間を長くするように制御するようにしてもよい。
【0053】
上述した第4実施例によれば、直感的に巻き戻し又は早送り時間の制御操作を行うことができる。
【0054】
(第5実施例)
第5実施例においては、基準点P2に近づく又は基準点P2から離れるスワイプ操作における終点で指6を停止させる操作を受け付けた場合、早送り又は巻き戻しを終了して、走行映像を一時停止するようにしてもよい。即ち、制御部18は、スワイプ操作が行われている間、早送り又は巻き戻しを行い、スワイプ操作の終点で指6を停止させると、走行映像を早送り又は巻き戻しを終了して、その時点で一時停止する。また、スワイプ操作の終点で指6を停止させずにすぐに指6を離すと、走行映像の早送り又は巻き戻しを継続する。
【0055】
(第6実施例)
また、近年ではカメラ11として、例えば360°撮影できるような広角カメラも流通している。そこで、
図8(A)に示すように、基準点P
2を跨ぐスワイプ操作を受けた場合、
図8(B)に示すように、視点を変更するようにしてもよい。例えば、視点を右側に移動させると、建物などの背景3は左に向かって移動する。そこで、基準点P
2を跨ぐスワイプ操作を受けた場合、スワイプした方向と逆方向に視点を移動させた走行映像を表示させる。これにより、スワイプ方向と同じ方向に背景3が動き、直感的な視点変更操作を行うことができる。
【0056】
なお、上述した第1~第6実施例では、基準点P2から離れる又は基準点P2に近づく操作を受け付けると早送り又は巻き戻しを行っていたいが、これに限ったものではない。例えば、一時停止中に基準点P2から離れる又は基準点P2に近づく操作を受け付けるとコマ送り又はコマ戻ししてもよい。
【0057】
また、上述した第1~第6実施例では、カメラ11は車両前方に向けて設置され、車両前方を撮影した映像を再生していたが、これに限ったものではない。カメラ11を車両後方に向けて設置し、車両後方を撮影した走行映像を再生してもよい。車両後方を撮影した映像は、車両前方を撮影した映像とは逆で、再生時又は早送り時において背景が消失点P1に近づく方向に流れる。また、巻き戻し時において背景は、消失点P1に離れる方向に流れる。そこで、車両後方を撮影した映像を再生する場合、第1実施例とは逆に、基準点P2に近づく方向の操作を受け付けた場合、早送りにし、基準点P2から離れる方向の操作を受け付けた場合、巻き戻しにするようにしてもよい。
【0058】
また、上述した第1~第6実施例では、制御部18は、スワイプ又はフリック操作の速さに関係なく一定速度で早送り又は巻き戻しを行っていたいが、これに限ったものではない。スワイプ又はフリック操作の速さが速いほど早送り又は巻き戻しの速度を早くするようにしてもよい。
【0059】
また、上述した第1~第6実施例では、映像制御装置としてナビゲーション装置を用いていたが、これに限ったものではない。例えば、映像制御装置としては映像を再生できるような装置であればよく、例えば表示部付きのドライブレコーダやスマートフォン、タブレットなどであってもよい。
【0060】
また、上述した第1~第6実施例では、表示部15の全画面に走行映像を表示し、表示部15の表示画面中央又は画面中央近傍に基準点P2を定めていたが、これに限ったものではない。例えば表示部15に全画面にナビゲーションの映像を表示させ、このナビゲーションの映像に、走行映像が表示されたウインドウを重畳して表示させることもある。その場合は、走行映像の中央近傍又は中央付近近傍に応じた表示部15上の位置、即ちウインドウの中央又は中央付近に基準点P2が定められる。
【0061】
また、上述した第1~第6実施例では、表示部15上にタッチパネル16を設け、表示部15上を操作すると映像が制御できるようになっていたが、これに限ったものではない。タッチパネル16は表示部15とを別の場所に設け、タッチパネル16の中央又は中央近傍に定めた基準点P2に基づくユーザ操作に応じて表示部15の映像を制御できるようにしてもよい。
【0062】
また、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。