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特開2023-138976動力工具システムとその無線通信アダプタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023138976
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】動力工具システムとその無線通信アダプタ
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230926BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230926BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20230926BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
H02J7/00 U
H02J7/00 X
H01M10/48 P
H01M10/42 P
B25F5/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105891
(22)【出願日】2023-06-28
(62)【分割の表示】P 2022002921の分割
【原出願日】2012-07-24
(31)【優先権主張番号】61/511,092
(32)【優先日】2011-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/564,513
(32)【優先日】2011-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/581,950
(32)【優先日】2011-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/593,533
(32)【優先日】2012-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古居 伸康
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】福本 匡章
(72)【発明者】
【氏名】梅村 卓也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 幸祐
(72)【発明者】
【氏名】千菊 仁志
(57)【要約】      (修正有)
【課題】動力工具と、動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックから成り、無線通信機を有する電動工具システムを提供する。
【解決手段】電動工具システム1は、手持式の電動工具10と、電動工具のハウジングに着脱可能に構成されたバッテリパック40と、電動工具のハウジングに着脱可能な無線通信機能を有するアダプタ70と、を備える。アダプタ70は、バッテリパックの充電器とは異なる外部装置100との間でデータを無線通信する。データは、少なくとも、動力工具及び/又はバッテリパックのための制御プログラムを含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力工具と、
前記動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックと、
前記バッテリパックに設けられているとともに、前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信する無線通信手段と、を備え、
前記データは、少なくとも、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックのための制御プログラムを含む、
動力工具システム。
【請求項2】
動力工具と、
前記動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックと、
前記バッテリパックに設けられているとともに、前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信する無線通信手段と、を備え、
前記データは、少なくとも、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの状態を示す情報を含み、
前記状態を示す情報は、前記バッテリパックの残存バッテリ容量を使用して前記動力工具が実施可能な残りの動作回数を含む、
動力工具システム。
【請求項3】
動力工具と、
前記動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックと、
前記バッテリパックに設けられているとともに、前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信する無線通信手段と、を備え、
前記データは、少なくとも、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの動作パラメータに関する値を含み、
前記動作パラメータは、前記バッテリパックから前記動力工具への放電電流に対する制限値を含む、
動力工具システム。
【請求項4】
動力工具と、
前記動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックと、
前記バッテリパックに設けられているとともに、前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信する無線通信手段と、を備え、
前記データは、少なくとも、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックに関するメンテナンス情報を含み、
前記メンテナンス情報は、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の管理責任者の名前を含む、
動力工具システム。
【請求項5】
前記データは、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックのための管理情報をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の動力工具システム。
【請求項6】
前記外部装置は、スマートフォンであり、
前記スマートフォンは、前記スマートフォンと前記無線通信手段との間で前記データの受信及び/又は送信を可能とするアプリケーションプログラムを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の動力工具システム。
【請求項7】
請求項6に記載の動力工具システムのためのアプリケーションプログラムであって、
前記スマートフォンによって実行されることによって、前記スマートフォンと前記無線通信手段との間で前記データの受信及び/又は送信を可能とする、アプリケーションプログラム。
【請求項8】
動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックであって、
前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信する無線通信手段を備え、
前記データは、少なくとも、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックのための制御プログラムを含む、
バッテリパック。
【請求項9】
動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックであって、
前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信する無線通信手段を備え、
前記データは、少なくとも、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの状態を示す情報を含み、
前記状態を示す情報は、前記バッテリパックの残存バッテリ容量を使用して前記動力工具が実施可能な残りの動作回数を含む、
バッテリパック。
【請求項10】
動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックであって、
前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信する無線通信手段を備え、
前記データは、少なくとも、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの動作パラメータに関する値を含み、
前記動作パラメータは、前記バッテリパックから前記動力工具への放電電流に対する制限値を含む、
バッテリパック。
【請求項11】
動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックであって、
前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信する無線通信手段を備え、
前記データは、少なくとも、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックに関するメンテナンス情報を含み、
前記メンテナンス情報は、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の管理責任者の名前を含む、
バッテリパック。
【請求項12】
前記データは、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックのための管理情報をさらに含む、請求項8から11のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2011年7月24日に出願された米国仮特許出願第61/511,092号明細書、2011年11月29日に出願された同第61/564,513号明細書、2011年12月30日に出願された同第61/581,950号明細書及び2012年2月1日に出願された同第61/593,533号明細書に対する優先権を主張し、それらのすべての内容は、本明細書に完全に示されているものとして参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、動力工具及びバッテリパックを含む動力工具システムに関する。
【背景技術】
【0003】
本技術分野において、動力工具で使用される電気的なアダプタが広く知られている。
【0004】
例えば、米国特許第7,357,526号明細書は、動力工具と付属品(アダプタ)との組合せを開示する。動力工具は、バッテリパックやバッテリ組立体が接続可能な複数の端子を有する。付属品(アダプタ)は、本来はバッテリパックが係合可能な未使用の工具端子に、電気的に接続されることができる。
【0005】
米国特許第6,502,949号明細書は、動力工具とバッテリパックとの間に介挿されるように設計されたアダプタを開示する。アダプタは、ライト、集塵機又はフックといった、動力工具で使用される付加的な装置を含む。
【0006】
米国特許第6,577,104号明細書は、バッテリパックに動力工具を接続するアダプタであって、バッテリパックの充電が必要であることをユーザに通知する警告機能を提供するアダプタを開示する。
【0007】
米国特許第7,030,590号明細書は、バッテリパックと接続する第1電気接点と、バッテリ充電器と接続する第2電気接点と、充電式バッテリを放電する放電回路とを備えるアダプタを開示する。
【0008】
米国特許第7,227,335号明細書は、充電装置と充電式バッテリパックとの間に介挿されるとともに、バッテリ診断装置を有するアダプタを開示している。
【0009】
さらに、米国特許出願公開第2001/0010455A1号明細書は、バッテリに関する使用履歴情報を格納するメモリと、バッテリ又は動力工具から使用履歴情報をアップロードするリーダと、リーダからアップロードされた使用履歴情報をアップロードして分析するコンピュータとを有する、動力工具用のバッテリパックを開示している。
【0010】
米国特許出願公開第2006/0142894A1号明細書は、動力工具内に位置するメモリに接続して、その中に格納されている、動力工具のモデル又は仕様書及び使用記録に関する情報を読み出す支援装置を開示している。この支援装置は、この情報を使用することにより、その動力工具が適した作業内容で使用されているのか否かを判断する。支援装置は、動力工具がその作業内容に適していないと判断したときに、その作業内容に適している動力工具を提案する。
【0011】
米国特許出願公開第2003/0182916A1号明細書は、マイクロコントローラとメモリとを有し、センサ入力に基づいて、動力工具の消耗度合を計算し、格納する動力工具を開示する。メンテナンスが行われるときは、所定の消耗度合に達した部品があるのか否かを判断するために、メモリの読み出しが行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本教示は、改良された動力工具システムを提供し、特に、アダプタを含む動力工具システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、独立請求項の発明によって達成される。本発明のさらなる改良形態は、従属請求項に列挙されている。
【0014】
本教示の一態様において、バッテリ式動力工具用のアダプタは、下記する任意の回路又は機能に加えて、又は代えて、少なくとも一つの中央処理装置(CPU)、例えば一つ又は複数のマイクロプロセッサ等のコントローラと、コントローラと通信する少なくとも一つのメモリ及び/又は記憶装置とを備えることが好ましい。アダプタはまた、動力工具、バッテリパック、又はそれらの両方に位置するメモリ及び/又は記憶装置にアクセスするように構成又は適合された一つ又は複数の通信装置を備えることが好ましい。さらに、アダプタは、こうしたメモリ及び/又は記憶装置に格納されたデータを読み出すように、及び/又は、こうしたメモリ及び/又は記憶装置にデータを書き込むように構成又は適合された回路を備えることがより好ましい。
【0015】
さらに、アダプタは、アダプタを含む動力工具システム(即ち、バッテリパック-動力工具-アダプタ)の通信経路に寄与するように構成又は適合されることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、アダプタには、バッテリパックと動力工具との間で電流を導通させる配線を設ける必要がなく、それにより、スペース及び製造に関する制限を低減することができる。加えて又は代えて、アダプタが動作中の動力工具から容易に外れることがないように、従来のアダプタに比べて、アダプタを動力工具にしっかりと取り付けられるように適合又は構成することができる。
【0017】
本教示のこの態様の好ましい実施形態では、バッテリパック、動力工具及びアダプタの各々が、少なくとも一つのマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラといった、少なくとも一つのコントローラを備えることが好ましい。この場合、アダプタのコントローラは、動力工具のコントローラを介して、バッテリパックのコントローラと通信することが好ましい。即ち、アダプタのコントローラは、バッテリパックのコントローラと間接的に通信することが好ましい。
【0018】
本教示のこの態様のさらなる例示的な実施形態では、アダプタが、動力工具及び/又はバッテリパックの一つ又は複数のメモリに対して、下記する類型のデータ又は情報の一つ又は複数を読み出す及び/又は書き込むように構成又は適合されていることが好ましい。
a)動力工具及び/又はバッテリパック用の一つ又は複数の制御プログラム及び/又はデータ。
b)動力工具及び/又はバッテリパック用の管理情報。
c)バッテリパック及び/又は動力工具の状態を示す情報であって、例えば、バッテリパックの充電/放電状態、残存バッテリ容量、電流、電圧、温度等に関する測定値又は検出値、残存バッテリ容量を使用して実施可能な動力工具の残り動作回数等。
d)バッテリパック及び/又は動力工具の動作パラメータに関する一つ又は複数の値であって、例えば、バッテリセルの充電速度、最大電流制限、最大温度閾値、最大充電レベル等。
e)メンテナンス情報であって、例えば、使用履歴、点検履歴、及び一つ又は複数の消耗した部品を交換する時期に関する情報等、又は後述する他の任意のメンテナンス情報。
【0019】
本教示の別の態様では、アダプタは、好ましくは、上記又は下記する任意の回路又は機能に加えて、又は代えて、外部装置(例えばデータ入力デバイスを備える外部装置)と無線通信する手段と、コントローラ(計算手段、マイクロプロセッサ等)と、及び/又はディスプレイとを備えるとよい。後述するが、無線通信の方式(プロトコル)は、本教示において特に限定されない。
【0020】
本教示のこの態様において、アダプタはさらに、動力工具及び/又はバッテリパックに関係するメンテナンス情報を、外部装置に送信するように構成又は適合されていることが好ましい。任意の付加的事項として、アダプタは、こうしたメンテナンス情報を格納及び/又は表示するように構成又は適合されることも好ましい。
【0021】
メンテナンス情報は、下記の一つ又は任意の二つ以上の組合せであってもよい。
(i)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の日付。
(ii)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の結果。
(iii)動力工具及び/又はバッテリパックの累積又は総使用(動作)時間。
(iv)バッテリパックの利用可能な充電量又は充電状態(残存バッテリ容量)。
(v)バッテリパックが経験した充電サイクルの回数。
(vi)バッテリパックの一つ又は複数のバッテリセルの状態であって、例えばバッテリセルの内部インピーダンスの測定値から計算されるもの。
(vii)動力工具及び/又はバッテリパックの一つ又は複数の交換可能な部品の予測される残存耐用寿命。
(viii)動力工具及び/又はアダプタ及び/又はバッテリパック用のメンテナンススケジュール。
(ix)動力工具及び/又はアダプタ及び/又はバッテリパックの使用履歴。
(x)アダプタ、バッテリパック及び/又は動力工具の管理責任者の名前。
(xi)バッテリパック及び/又は動力工具の通し番号。
(xii)一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの電圧。
(xiii)一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの放電電流。
(xiv)一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの温度。
(xv)バッテリパック及び/又は動力工具がオン及び/又はオフに切り換えられた回数。
(xvi)所定期間内における充電量又は放電量(例えば、過去二時間の間に放電された電力量)。
【0022】
本教示のこの態様による動力工具は、先ずは基本的な電気的機能を有するように製造され、その後にユーザが、適切なアダプタ(即ち、所望の機能を具備するアダプタ)を取り付けることによって、動力工具に追加すべき一つ又は複数の付加的な電気的機能を容易に選択することができる。特に、着脱式アダプタは、動力工具に関係する上述した類型のメンテナンス情報のうちの一つ又は複数を通信することができる。
【0023】
即ち、本教示のこの態様によると、動力工具は、一つ又は複数の付加的な機能を、ユーザに応じて効果的に装備することができる。加えて又は代えて、各々が他とは異なる少なくとも一つの機能を有する複数のアダプタを用意することによって、動力工具に対して様々な機能を交換可能に具備させることができる。
【0024】
本教示のこの態様によるアダプタで実施し得る他の代表的な機能(但し、限定されない)の例としては、以下が挙げられる。
・上記又は下記に示す情報のいずれかを動力工具へ無線送信すること、及び/又は動力工具からの無線受信すること。例えば、基地局、ワークステーション、コンピュータ、携帯情報端末、スマートフォン等の外部装置と無線通信することを含む。
・上記又は下記に示す情報のいずれかのような、動力工具に関する情報をディスプレイに表示すること。
・バッテリパックの残存バッテリ容量や、同じ類型の動作について残存バッテリ容量によって実施可能と推定される動力工具の残り動作回数を、測定、表示及び/又は通信すること。
・一つ又は複数の動作パラメータ(例えば最大電流制限の値)であって、バッテリパック及び/又は動力工具のメモリに格納されたものを、測定、表示及び/又は通信すること。
・検出された放電電流及び/又は動力工具の推奨値を、測定、表示及び/又は通信すること。
・盗難防止機能又は鍵を提供すること。
・アダプタ、バッテリパック及び/又は動力工具の管理責任者を、特定又は通信すること。
・バッテリパックの充電速度の変更に関する情報を、入力、表示及び/又は通信すること。
・バッテリパック及び/又は動力工具の動作状態を示す値を、測定、表示及び/又は通信すること。
・米国仮特許出願第61/511,092号明細書に記載されている他の任意の機能(それら付加的な機能は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0025】
上記に示した機能及び下記に示す機能は、書面による詳述の目的で個別に記載されたものであり、そのため、明細書又は特許請求の範囲の今後の補正において、任意の一つ、又は任意の二つ以上の組合せについても、他のものから区別して選択されることができる。
【0026】
本教示の上述した態様の好ましい実施形態では、動力工具システムは、複数の手持式の動力工具を備え、各々のアダプタが、好ましくは、複数の手持式の動力工具の任意の一つのハウジングに取り付けられ、手持式の動力工具に一つ又は複数の異なる機能又は付加的な機能を提供するように適合又は構成されている。
【0027】
本教示の別の態様では、上記又は下記する任意の回路又は機能に加えて、又は代えて、動力工具システムが動力工具を含み、動力工具は、バッテリパックインタフェースを有するハウジングと、電動装置と、第1コネクタとを備えることが好ましい。バッテリパックは、バッテリパックインタフェースに(例えば直接的に)着脱可能に取り付けられ、電動装置に電流を供給するように適合又は構成されている。アダプタは、第1コネクタに物理的かつ電気的に着脱可能に構成された第2コネクタを備えている。アダプタはさらに、(i)手持式の動力工具を介してバッテリパックから電力を受け取り、(ii)手持式の動力工具に少なくとも一つの付加的な電気的機能を提供するか、又は、手持式の動力工具が本来は行うことができない少なくとも一つの付加的な電気的機能を実行するように適合又は構成されている。アダプタは、上述又は後述するアダプタのうちのいずれであってもよい。
【0028】
このようなアダプタは、ハウジングとバッテリパックとが互いに取り付けられたときに、ハウジングとバッテリパックとの間の空間内に少なくとも部分的に配置、位置、又は収容されることが好ましい。より好ましくは、ハウジングとバッテリパックとが互いに取り付けられたときに、アダプタの最大寸法の50%以上、さらにより好ましくは70%以上、さらにより好ましくは85%以上、さらに好ましくは100%が、ハウジングとバッテリパックとの間の空間内に配置、位置、又は収容されるとよい。
【0029】
上述した態様によると、アダプタの少なくとも一部がハウジングとバッテリパックとの間に配置、位置、又は収容されるので、アダプタの入り込んだ部分は、例えば手持式動力工具が落下したとき又は何かにぶつかったときでも、ハウジング及び/又はバッテリパックによって物理的に保護されることになり。従って、本教示のこの態様によると、厳しい作業環境においても、アダプタが保護される頑強かつ耐久性のある構造が提供される。
【0030】
本教示の別の態様において、アダプタは、上記又は下記する任意の回路又は機能に加えて又は代えて、充電器の一つ又は複数の充電端子に接続するように構成又は適合された一つ又は複数のバッテリ端子を備えてもよい。本教示のこの態様によると、例えばバッテリパックが動力工具に接続されている間に、充電器からの充電電流がバッテリパックへ通電されるように、アダプタを構成することができる。
【0031】
本教示のこの態様のさらなる改良では、充電器が、携帯型であることが好ましく、一つ又は複数の充電式バッテリセルといった、内蔵型電源を備えるとよい。ハーネス、ストラップ、ベルト又はバックパック等、ユーザに充電器を取り付ける手段、又は充電器を携帯する手段がさらに用意されてもよい。この場合、ユーザは、動力工具の作業を行っている間、充電器を装着しておくことができる。
【0032】
充電器及びアダプタは、必要なときにバッテリパックに充電電流を連続的に供給するように構成されてもよく、あるいは、充電器及びアダプタは、ユーザがアダプタのバッテリ端子を充電器の充電端子に取り付けたときに、バッテリパックに充電電流を供給するように構成されてもよい。例えば、アダプタには、バッテリ端子を有するベルトフックを設けてもよい。充電器の充電端子は、ユーザが装着するベルトの上、中又はそれに隣接して設けることができる。これにより、ユーザが工具ベルトに動力工具を吊り下げると、必要に応じて、バッテリパックにアダプタを介して充電電流を自動的に供給することができる。
【0033】
アダプタ、充電器、又はバッテリパックには、バッテリパックの充電式バッテリセルに充電電流を供給するべきか否かを判断し、供給すべきときは、充電電流の大きさ及び電圧を決定する充電制御回路を設けることができる。
【0034】
加えて、バッテリパックが動力工具に接続されている間にそのバッテリパックを充電する方法が提供される。充電器は、ユーザに装着される、又はユーザに取り付けられることが好ましく、ユーザが自身の工具ベルトに動力工具を吊り下げる度に(必要であれば)、充電動作を行うことができるとよい。充電電力は、有線接続を介して又は無線で、充電器からバッテリパックに伝送されることができる。
【0035】
言い換えると、アダプタは、エネルギー又は電力の供給源から充電電流を受け取る又は導通させる少なくとも一つの入力端子を有することができる。ここで、エネルギー又は電力の供給源とは、充電器、DC電源(例えば別の充電式バッテリパック等)であってよい。この実施形態によると、バッテリパックが動力工具に取り付けられている間でも、ユーザはアダプタによってバッテリパックを充電することが可能になる。
【0036】
充電器は、好ましくは、充電式バッテリなどの内蔵型電源を備える、又はそれに取り付けられるコードレス充電器であるとよい。
【0037】
本教示の上述又は後述する態様又は実施形態のいずれにおいても、「動力工具」という用語は、限定されないが、金属を処理する電動工具、木材を処理する電動工具、石を処理する電動工具及びガーデニング用の電動工具を含む、広範囲の電動工具を包含するように意図されている。具体的な例としては、限定されないが、電動ドリル、電動インパクトスクリュウドライバ、電動インパクトレンチ、電動グラインダ、電動サーキュラソー、電動レシプロソー、電動ジグソー、電動バンドソー、電動ハンマ、電動カッタ、電動チェーンソー、電動かんな、電動釘打機(電動リベットガンを含む)、電動ステープラ、電動せん断機、電動ヘッジトリマ、電動芝生バリカン、電動芝刈機、電動刈払機、電動ブロワ(リーフブロワ)、電動フラッシュライト、電動コンクリートバイブレータ及び電動掃除機が挙げられる。
【0038】
本教示によるアダプタは、こうした電動工具のうちの二つ以上で使用可能とすることができ、それにより、アダプタを、動力工具製品群のなかで広く使用することができる。
【0039】
本教示のこの態様の別の好ましい実施形態として、上記したいずれかの実施形態又は態様によるアダプタは、動力工具及び/又はバッテリパックなしに提供することができる。
【0040】
上記実施形態の各々において、動力工具及び/又はバッテリパックは、好ましくは、アダプタが取り付けられているか否かにかかわらず、利用可能に構成されるとよい。
【0041】
本教示の別の態様において、アダプタは、バッテリパックによって電力が供給されることが好ましい。但し、アダプタに内蔵型電源(例えば充電式バッテリ)を設け、それによってアダプタの電子回路に電力を供給する構成としてもよい。この場合、アダプタは、任付加的に、必要に応じて補助電力及び/又はバッテリ充電電流をバッテリパックから取得する構成としてもよい。
【0042】
本発明のさらなる目的、利点、特徴、実施形態及び詳細は、当業者が、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を読むことによって、容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1A図1Aは、アダプタが動力工具にのみ直接接続する、本教示の例示的な第1実施例による動力工具システムの概略図を示す。
【0044】
図1B図1Bは、本教示の例示的な第1実施例による動力工具システムをブロック図で示す。
【0045】
図1C図1Cは、本教示の例示的な第1実施例による動力工具システムの切断図を示す。
【0046】
図2A図2Aは、アダプタがバッテリパックにのみ直接接続する、本教示の例示的な第2実施例による動力工具システムの概略図を示す。
【0047】
図2B図2Bは、本教示の例示的な第2実施例による動力工具システムをブロック図で示す。
【0048】
図2C図2Cは、本教示の例示的な第2実施例による動力工具システムの切断を示す。
【0049】
図3A図3Aは、アダプタがバッテリパックと動力工具との間に接続される、本教示の例示的な第3実施例による動力工具システムの概略図を示す。
【0050】
図3B図3Bは、本教示の例示的な第3実施例による動力工具システムをブロック図で示す。
【0051】
図3C図3Cは、本教示の例示的な第3実施例による動力工具システムの切断図を示す。
【0052】
図4A図4Aは、アダプタが動力工具に接続するとともにディスプレイを有する、本教示の例示的な第4実施例による動力工具システムの概略図を示す。
【0053】
図4B図4Bは、本教示の例示的な第4実施例による動力工具システムをブロック図で示す。
【0054】
図4C図4Cは、本教示の例示的な第4実施例による動力工具システムの切断図を示す。
【0055】
図5A図5Aは、アダプタがバッテリパックと充電器とを接続する、本教示の例示的な第5実施例による動力工具システムの概略図を示す。
【0056】
図5B図5Bは、本教示の例示的な第5実施例による動力工具システムをブロック図で示す。
【0057】
図5C図5Cは、本教示の例示的な第5実施例による動力工具システムの切断図を示す。
【0058】
図6A図6Aは、アダプタが動力工具と充電器との間を接続する、本教示の例示的な第6実施例による動力工具システムの概略図を示す。
【0059】
図6B図6Bは、本教示の例示的な第6実施例による動力工具システムをブロック図で示す。
【0060】
図6C図6Cは、本教示の例示的な第6実施例による動力工具システムの切断図を示す。
【0061】
図7図7は、本教示の例示的な第1実施例の改良例である、本教示の例示的な第7実施例による動力工具システムの外観を示す。
【0062】
図8図8は、本教示の例示的な第7実施例の動力工具システムに対して提供されるバッテリパックインタフェース及びアダプタの背面図を示す。
【0063】
図9図9は、バッテリパックが取り付けられていない状態で、本教示の例示的な第7実施例の動力工具ハウジングに画定又は設けられたバッテリパックインタフェースの底面図を示す。
【0064】
図10図10は、動力工具ハウジングから取り外された状態で、本教示の例示的な第7実施例のアダプタを示す。
【0065】
図11図11は、本教示の例示的な第7実施例で利用することができる無線通信アダプタの代表的な例を示す。
【0066】
図12図12は、アダプタが取り付けられていない、本教示の第7の例示的な実施形態のバッテリパックインタフェースを示す。
【0067】
図13図13は、動力工具ハウジング、アダプタ及びバッテリパックを備える本教示の例示的な第7実施例の動力工具システムの縦断面図を示す。
【0068】
図14図14は、図13の動力工具システムの背面部分切断図を示す。
【0069】
図15図15は、バッテリパックが取り付けられていない図13及び図14の動力工具及びアダプタの背面断面図を示す。
【0070】
図16図16は、アダプタ及びバッテリパックが取り付けられているバッテリパックインタフェースの切断図を示す。
【0071】
図17図17は、動力工具から取り除かれた動力工具の電気ユニットの底面を示す。
【0072】
図18図18は、本教示の例示的な第4実施例の改良例である、本教示の例示的な第8実施例による動力工具システムの外観を示す。
【0073】
図19図19は、動力工具が取り外された本教示の例示的な第8実施例のアダプタの上面斜視図を示す。
【0074】
図20図20は、バッテリパックが取り付けられていない状態で、動力工具のバッテリパックインタフェースに取り付けられた本教示の例示的な第8実施例のアダプタの底面斜視図を示す。
【0075】
図21図21は、本教示の例示的な第9実施例による動力工具システムの外観を示す。
【0076】
図22図22は、動力工具から取り外された本教示の例示的な第9実施例のアダプタの上面斜視図を示す。
【0077】
図23図23は、本教示の例示的な第10実施例による動力工具システムの外観を示す。
【0078】
図24図24Aは、動力工具から取り外された本教示の例示的な第10実施例のアダプタの上面斜視図を示す。
【0079】
図24Bは、動力工具から取り外された本教示の例示的な第10実施例のアダプタの底面斜視図を示す。
【0080】
図25図25は、バッテリパックが取り付けられていない状態で、動力工具のバッテリパックインタフェースに取り付けられた本教示の例示的な第10実施例のアダプタの底面斜視図を示す。
【0081】
図26図26は、例示的な第7実施例から例示的な第10実施例のうちのいずれかによるアダプタの円柱状部分に取り付けられたストラップの側方斜視図を示す。
【0082】
図27図27は、図26のアダプタの円柱状部分に取り付けられたストラップの側方部分切取図を示す。
【0083】
図28図28は、図1A図1Cに示す回路及び機能のさらなる展開である、本教示の第7の例示的な実施形態によるバッテリパック、動力工具及び無線通信アダプタの代表的な回路図を示す。
【0084】
図29図29は、図4A図4Cに示す回路及び機能の改良例である、本教示の例示的な第8実施例によるバッテリパック、動力工具及びディスプレイアダプタの代表的な回路図を示す。
【0085】
図30図30は、本教示の例示的な第9実施例によるバッテリパック、動力工具及び照明アダプタの代表的な回路図を示す。
【0086】
図31図5A図5Cの実施例を用いる代表的な携帯型充電システムを示す。
【0087】
図32図32A-32Cは、図6A図6Cのアダプタを含む動力工具システムの正面図、側面図及び背面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0088】
現時点で好ましい実施形態をより詳細に説明する前に、本教示の付加的な特徴、機能、態様、利点等のさらなる要旨を説明する。上述したように、これらの特徴、機能、態様、利点等のそれぞれは、本明細書に開示する他の実施形態の他のいずれの特徴、機能、態様、利点等と、任意の組合せで利用することができる。
【0089】
本教示のいくつかの態様では、アダプタは、通信機能を行うように、例えば、バッテリパック及び/又は動力工具が、一つ又は複数の外部装置と例えば無線で通信するのを可能にするように、構成又は適合されている。
【0090】
こうした態様では、バッテリパック及び/又は動力工具に情報を送信し、又は、動力工具から情報を無線で受信する方法もまた提供される。この方法により、多種多様の機能(例えば、上述した機能又は後述する機能のいずれも)を、遠隔地からバッテリパック及び/又は動力工具において行うことができ、及び/又は、バッテリパック及び/又は動力工具に関する情報を、外部装置、例えば、スマートフォン、PDA、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ又は専用表示装置等、ポータブルデバイスに表示することができる。
【0091】
本教示による「外部装置」は、アダプタと例えば無線で通信する手段を備える限り、特に限定されない。外部装置は、概して、アダプタから外部装置に送信される情報を分析及び/又は表示し、及び/又はバッテリパックもしくは動力工具によって使用されるように外部装置からアダプタに情報を送信するように適合又は構成された回路を備えることができる。外部装置は、基本的に、通信手段及びディスプレイのみを備え、それにより外部装置は単に、アダプタによって計算されるか又は生成された情報を表示するという点で、「ダム(データ処理能力のない端末)」であってもよい。又は、外部装置は、通信手段及び少なくとも一つのコントローラ、例えば一つ又は複数のマイクロプロセッサ及び一つ又は複数のメモリ及び/又は記憶装置を備え、それにより外部装置は、アダプタから受け取られるデータを処理及び/又は分析することができるとともに、アダプタを介してバッテリパック及び/又は動力工具に送信されるデータ及び/又は命令を生成することができるという点で、「スマート(データ処理能力のある端末)」であってもよい。外部装置は、例えばディスプレイを介して、ユーザに情報を直接的に通信することができてもよく、又は、ユーザとの(別の)インタフェースとしての役割を果たす別の外部装置に情報をさらに通信するものであってもよい。
【0092】
例えば、外部装置は、携帯電話(例えば「スマートフォン」)、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、ポータブル(ラップトップ)コンピュータ、専用携帯電子機器といった手持式機器もしくは携帯式機器であってもよく、パーソナル(デスクトップ)コンピュータ、サーバもしくはメインフレームといった、一定の位置に固定されることを意図された装置であってもよい。
【0093】
あるいは、外部装置は、専用ディスプレイ/入力デバイス又は電話といった、それ自体ではアダプタ、バッテリパック又は動力工具を動作させるプログラムを実行することができない、「ダム(データ処理能力のない端末)」であってもよい。例えば、アダプタは、電話にテキスト(SMS)メッセージ又は電子メールメッセージを送信するように構成することができる。又は、アダプタは、専用ディスプレイ/入力デバイスに表示する情報を送信し、専用ディスプレイ/入力デバイスにおいて入力された情報/命令を受け取るように構成することができる。
【0094】
いずれの場合も、外部装置及び/又はアダプタは、好ましくは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイス、例えばWiFiネットワークインタフェースコントローラもしくはアクセスポイント(即ち、IEEE802.11によって指定される無線通信プロトコルに従って動作する)、Bluetooth(登録商標)通信デバイス、コードレス電話もしくはセルラ(モバイル)ネットワークデバイス、無線(RF)通信デバイス又は任意のタイプの既知もしくは将来開発される無線通信技術等の、無線通信手段をさらに備えることができる。
【0095】
本教示の他の態様として、動力工具及び/又はバッテリパックは、こうした無線通信手段のうちの一つ又は複数を備えてもよく、それにより、アダプタを省略することができる。この場合、外部装置は、バッテリパック及び/又は動力工具と直接通信する。
【0096】
本教示のこの態様の一実施形態によると、ユーザは、アダプタによって動力工具及びバッテリパックの一方又は両方のメモリにアクセスすることができ、動力工具及び/又はバッテリパックのメモリに格納された制御プログラム及び/又はデータを変更及び/又は更新することができる。
【0097】
本教示の例示的な実施形態では、アダプタが、動力工具のメモリ及び/又はバッテリパックのメモリに格納された最大電流制限を、ユーザが変更可能となるように適合又は構成されてもよい。一般に、コードレス動力工具は、一定の(定格)電流閾値まで安全にかつ確実に動作するように設計されている。実際の電流が電流閾値を超えると、電気モータ、歯車伝達装置及び/又はバッテリが、永久的に損傷する可能性があり、それにより、動力工具及び/又はバッテリパックの耐用寿命が短くなる。
【0098】
従って、いくつかの既知の動力工具及び/又はバッテリパックは、バッテリパック(即ち電源)の、動力工具の電気モータへの放電電流を制御するコントローラ又は電流制限装置を備えている。コントローラ又は電流制限装置は、動力工具及び/又はバッテリパックのメモリに格納された制御プログラム及びデータに基づいて放電電流制御を行う。例えば、制御プログラム/データは、放電電流に対して電流制限値(Ilimit)を含むことができ、コントローラは、放電電流が制限値に達したときに、単に電気モータへの電流の流れを遮断することができる。
【0099】
電流制限を比較的に低い値に設定すれば、内部の構成部品に過剰な(損傷を与えるような)電流が流れることを確実に防止して、動力工具及びバッテリパックの耐用寿命を最大限にすることができる。しかしながら、電流制限が比較的に低い値に設定された場合、動力工具の動作は、特に重作業が行われているときに、頻繁に電流制限に達して中断される可能性がある。その結果、いくつかの動力工具の作業を短時間で行うことが不可能となって、ユーザの生産性が著しく低下する可能性がある。
【0100】
一方、電流制限を比較的に高い値に設定すれば、動力工具の動作はめったに中断されず、それによりユーザの生産性が向上し得る。しかしながら、電流制限が高いことにより、様々な内部の構成部品に、相対的に高い電流が流れる可能性が生じるので、動力工具及び/又はバッテリパックの耐用寿命が短くなる可能性がある。
【0101】
要すると、最大電流制限と動作の利便性(即ち、最大電流制限に達する又は超えることによる中断又は工具停止を無くした動力工具の動作)との間には、概して逆の関係がある。しかしながら、ユーザは、工具又はバッテリパックが製造されたときに工場で設定された、変更できない制限電流によって動力工具を動作させるだけでは足りず、最大電流制限を自由に変更することを希望している。
【0102】
そのことから、この例示的な実施形態では、本システムは、ユーザがアダプタを介して電流制限値及び/又は他のパラメータを変更し得るように適合又は構成されている。その指示は、アダプタにおいて直接入力されてもよく、又は、アダプタを介して外部装置から通信してもよい。例えば、ユーザ(又は別の人)が、過剰な中断又は工具停止を避けるために、相対的に高い電流制限値を設定することができる。あるいは、ユーザは、動力工具及びバッテリパックの耐用寿命を延ばすために、相対的に低い電流制限値を設定するといった選択をしてもよい。当然ながら、本教示はまた、ユーザが、実施する様々な動力工具の作業に応じて、様々に電流制限値を設定することも想定している。
【0103】
一つの代表的な例として、ユーザは、高負荷な動力工具の作業を短時間だけ行うときは、現在の閾値を一時的に増大させることによって、高負荷な動力工具の作業を短時間で効率的に行いたいと思うだろう。その一方で、その作業を完了すると、ユーザは、永久的な損傷を与え得る過剰な電流から動力工具システムを保護するために、電流閾値を再び低減したいと思うだろう。
【0104】
本教示のいくつかの態様では、アダプタは、ユーザが動力工具及び/又はバッテリパックのメモリに格納されたメンテナンス情報を読み出すために、ユーザが動力工具及び/又はバッテリパックのメモリにアクセスすることを可能とするように構成又は適合されている。
【0105】
例えば、多くの動力工具は、電気モータのカーボンブラシや電気接点を有するトリガスイッチといった、摩耗又は破損したときに交換される部品を有する。動力工具の突然かつ予測できない故障(破壊)は、ときには不都合なタイミングで発生することもあり、それを避けるためには、こうした部品の状態を定期的に検査しておくことが重要である。しかしながら、それらの状態を検査するために動力工具を分解する必要があると、それは面倒なものとなり得る。
【0106】
さらに、各々の交換可能な部品は、異なる耐用寿命を有することも多く、さらにそれは、動力工具の実際の動作時間及び/又は動力工具が日常的に使用される態様及び/又は動力工具やバッテリパックが経験した著しい過負荷状態に応じて、大幅に変化する場合もある。従って、交換可能な部品の状態が、定期的に(例えば1か月に1回)視覚的に点検されたとしても、点検と点検の合間に様々な交換可能な部品の状態に関してその時点の確実な情報を得ることは、困難となることも多い。
【0107】
上述を鑑み、本教示の別の態様は、メモリを有する動力工具システムを提供する。メモリは、限定されないが、下記の一つ又は複数を含むメンテナンス情報を格納することができる。即ち、メンテナンス情報は、(i)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の日付、(ii)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の結果、(iii)動力工具及び/又はバッテリパックの累積又は総使用(動作)時間、(iv)バッテリパックの利用可能な充電量又は充電状態(残存バッテリ容量)、(v)バッテリパックが経験した充電サイクルの回数、(vi)バッテリパックの一つ又は複数のバッテリセルの状態であって、例えばバッテリセルの内部インピーダンスの測定値から計算されるもの、(vii)動力工具及び/又はバッテリパックの一つ又は複数の交換可能な部品の予測される残存耐用寿命、(viii)動力工具及び/又はアダプタ及び/又はバッテリパック用のメンテナンススケジュール、(ix)動力工具及び/又はアダプタ及び/又はバッテリパックの使用履歴、(x)アダプタ、バッテリパック及び/又は動力工具の管理責任者の名前、(xi)バッテリパック及び/又は動力工具の通し番号、(xii)一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの電圧、(xiii)一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの放電電流、(xiv)一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの温度、(xv)バッテリパック及び/又は動力工具がオン及び/又はオフに切り換えられた回数、(xvi)所定期間内における充電量又は放電量(例えば、過去二時間の間に放電された電力量)、の一つ又は複数を含む。メモリは、上記の一つのみ又は任意の組合せを格納することができ、採り得る組合せのすべては参照により明示的に本明細書に開示される。
【0108】
このメモリは、動力工具及び/又はバッテリパックに、及び/又は通信機能を提供するアダプタのメモリにも配置することができる。アダプタは、この情報自体を分析及び/又は表示するように構成又は適合されてもよく、及び/又は、メンテナンス情報(例えば生データ及び/又は処理済みデータ)をユーザに通信するために、必要であればさらに分析及び/又は処理するために、外部装置に通信するように構成又は適合されてもよい。
【0109】
好ましい一実施形態では、ユーザが、交換可能な部品の現在の状態をチェックするために、外部装置、例えばスマートフォンを使用して、アダプタのメモリにアクセス可能であるとよい。さらに好ましい一実施形態では、この機能のためのアプリケーションプログラム(「アプリ」)を、動力工具の製造業者又は他の提供者のウェブサイトからダウンロードできる構成としてもよい。
【0110】
本教示の他の態様では、アダプタが、盗難防止機能を有してもよい。例えば、動力工具とバッテリパックとバッテリ充電器との一つ又は複数は、電子ロックを備えることができる。電子ロックとは、例えばパスコード又はパスワード(例えば暗号化されたパスワード)といった「鍵」を受け取らなければ、動力工具及び/又はバッテリパック及び/又は充電器の動作を防止又は抑制するデバイスである。アダプタは、動力工具及び/又はバッテリパックの使用を可能及び/又は不能にするために、電子ロックに必要な鍵を通信する通信手段を備えることができる。
【0111】
例えば、製造工場又は建設現場に位置する、無線アクセスポイント(例えば無線ルータ)に接続されたコンピュータ又はサーバであり得る外部装置が、作業現場の付近に鍵を無線で配信してもよい。アダプタは、鍵を受け取ると、その鍵を動力工具及び/又はバッテリパックに通信し、その使用を可能にする。動力工具及び/又はバッテリパックは、鍵を受け取った後から、例えば1時間や1日といった一定の時間の間だけ動作し、動力工具及び/又はバッテリパックが中断なく動作を継続するためには、前記一定の時間内に鍵が再入力されることを要求するように構成してもよい。鍵を適切なタイミングで受け取れない場合、アダプタ、バッテリパック又は動力工具が外部装置と再び通信しない限り、電子ロックは、無効にできない方式によって、動力工具及び/又はバッテリパックの動作を内部的に遮断することができる。こうした実施形態は、動力工具及び/又はバッテリパックの使用を、鍵が配信されている作業現場に制限するという点で、盗難抑止に貢献するものである。
【0112】
当然ながら、アダプタを介して動力工具及び/又はバッテリパックに鍵を通信する手段は、有線接続といった、他の手段であってもよい。こうした実施形態では、アダプタが、アダプタの使用を可能にしかつ/又はアダプタに鍵を通信するために外部装置に直接接続することができる。この場合、アダプタは、外部装置又は外部装置の少なくともインタフェースに物理的に近接して配置されることで、必要な鍵を取得することができる。
【0113】
本教示の他の態様では、アダプタに以下の機能、即ち、建設会社及び/又は製造会社が、多数の動力工具及びバッテリパック(複数のユーザによって共通に、又は交換しながら使用されるもの)を適切に管理し得る機能を具備させることもできる。特に、本教示のこの態様によるアダプタは、いくつかの動力工具及びバッテリパックが紛失したり、又は早期に故障したりするという問題に対処することができる。
【0114】
本教示のこの態様によると、各々の動力工具及びバッテリパックに、管理者(administrator)を指定することができる。そして、各々の動力工具及びバッテリパックのメンテナンス情報には、その管理者の名前を特定する情報を含ませることが好ましい。それにより、動力工具又はバッテリパックが故障した場合、会社内の工具マネージャは、その問題の原因を確かめるために、スマートフォン等の外部装置を使用することによって、バッテリパック及び/又は動力工具の管理者が誰であるのかを確認することができる。
【0115】
本教示の他の態様では、アダプタが、特定の動力工具の作業に対する最も適切な動力工具に関するアドバイス又は提案を、例えばユーザ、管理者又は工具マネージャに対して提供するものであってもよい。
【0116】
例えば、アダプタは、動力工具の動作中に動力工具の電気モータに供給される放電電流をモニタする回路を備えることができる。そして、検出された放電電流は、その分析のためにアダプタのコントローラに供給され、又は、検出された放電電流は、バッテリパック又は動力工具が直接的に、又はバッテリパック及び動力工具の一方又は両方に接続されたアダプタを介して、それを処理する外部装置に通信されてもよい。そして、アダプタのコントローラ又は外部装置は、相対的に定格出力が高い又は低い他の動力工具及び/又はバッテリパックの方が、実施されている動力工具の作業に対してより適しているか否かを判断することができる。
【0117】
本明細書で利用する「検出された放電電流」という用語は、限定されないが、動力工具の一回の動作中のいずれかの時点で測定された実際の一時的な電流、動力工具の一回の動作中に測定されたピーク電流、動力工具の一回の動作中に供給された平均電流、動力工具の一回の動作にわたって測定された電流のプロファイル、動力工具の複数回の動作にわたって測定されたピーク電流の平均、又は、動力工具の複数回の動作にわたって測定された一つのピーク、平均又は平均の電流を含むように意図されている。
【0118】
例示的な一実施形態において、「検出された放電電流」は、アダプタ、動力工具及び/又はバッテリパック内のメモリに格納された上限電流閾値及び/又は下限電流閾値と、比較されてもよい。検出された放電電流が上限電流閾値より大きい場合、コントローラは、現在使用されている動力工具への過負荷(過熱、従って動力工具又はバッテリパックへの永久的な損傷に至る可能性がある)を確実に避けるために、定格又は公称出力がより高い動力工具の使用を提案することができる。一方、検出された放電電流が下限電流閾値より低い場合、コントローラは、より軽量な工具、従って操作が面倒でなく及び/又は疲れるものでないような、定格又は公称出力がより低い動力工具の使用を提案することができる。
【0119】
他の例示的な実施形態では、検出された放電電流は、複数の動力工具とそれらの電流範囲の組み合わせを含むルックアップテーブル(LUT)に対するインデックスとして使用することができる。検出された放電電流に対応する動力工具を、LUTにおいて検索することにより、コントローラは、現在の動力工具の作業を実施するのに使用するべきものとして、特定の動力工具又は動力工具のカテゴリを、それらの定格出力に基づいて提案することができる。
【0120】
他の例示的な実施形態では、検出された放電電流に基づいて、一時的な(例えばピークの)出力又は平均出力を決定することができ、それを、複数の動力工具とそれらの電流範囲の組み合わせを含むルックアップテーブル(LUT)に対するインデックスとして使用することができる。
【0121】
当然ながら、現在の動力工具の作業に対して最適な動力工具の決定は、種々の手法によって、例えば、検出された放電電流及び/又は出力に基づいて、動力工具の作業を行うために必要な出力を計算するアルゴリズムを用いることによって、行うことができる。
【0122】
後述するように、特定の動力工具動作に対して最適な動力工具の提案は、アダプタのディスプレイを介して、又は外部装置のディスプレイを介して、ユーザ、工具管理者、工具マネージャ又はその他の人に伝達することができる。当然ながら、この情報は、可聴的に伝達されてもよく、例えば、推奨される動力工具の電流又は出力が、例えば一定の割合で、公称電流や公称出力を超過している場合に、音声アラームを鳴らすことが含まれる。
【0123】
本教示の他の態様では、ユーザ、工具管理者、工具マネージャ又はその他の人が、バッテリパックに対する充電速度、充電電流及び/又は最大閾値温度を変更し得るように、アダプタが構成又は適合されてもよい。
【0124】
周知のように、充電が低速であるほど、通常、使用される電流は小さくなるので、バッテリセルへのダメージも小さくなる。従って、充電が低速であるほど、通常、バッテリセルの耐用寿命を長くすることができる。しかしながら、トレードオフとして、充電時間が長くなると、ユーザはバッテリパックの充電完了を待つことになり得るので、作業の生産性に影響を与えることがある。その一方で、例えば充電電流を増大させることで、及び/又はバッテリパック閾値温度を上昇させることで、充電速度を増大させることができ、それにより総充電時間は短縮されるが、バッテリセルの寿命も短縮されることがある。
【0125】
通常、充電速度は工場で設定されており、ユーザは、バッテリパックの意図する使用に対して、最適な充電速度を個々に決定することができない。あるいは、充電器において、単に二つの充電動作、即ち、高速充電と低速充電とが用意されているだけである。そこで、アダプタに充電速度に関する機能を設けると、ユーザは、生産性が最大限に高まるように、及び/又は、バッテリ耐用寿命が最大に長くなるように、必要に応じて充電速度を自由に変更することができる。
【0126】
アダプタは、例えばタッチパッド、タッチパネル、トグルスイッチ又はプッシュボタンを介し、直接的に指示を受けることによって、充電速度を変化させるように構成することができる。あるいは、アダプタは、外部装置から充電に係る指示を受け取るように構成されてもよい。この場合においても、当該機能をアダプタ及び/又は外部装置に具備させるために、工具製造業者又は他の提供者から「アプリ」をダウンロードすることができる。例えば、外部装置にアプリをダウンロードしたときは、外部装置がアプリを実行して、単に指示のみをアダプタに送信する。あるいは、アプリは、外部装置からアダプタにダウンロードされてもよく、この場合、アダプタコントローラはアプリを実行することができる。
【0127】
本教示の他の態様では、アダプタ、バッテリパック及び/又は動力工具によって、ユーザが、バッテリパックの最大充電レベルを設定することができてもよい。本教示の先の態様と同様に、最大充電レベルは通常工場で設定されるが、ユーザは、自身がバッテリパックに意図する使用に対して、バッテリパックの性能及び/又は耐用寿命を最適化するために、この値の変更を望むことがある。
【0128】
本明細書で利用する「最大充電レベル」という用語は、バッテリセルの残存バッテリ容量に基づいて、充電動作が停止されるタイミングを示す値を意図している。
【0129】
例えば、2.0アンペア時間(Ah)の公称容量を有するバッテリパックの「最大充電レベル」が95%である場合、それは、2.0Ah公称容量バッテリが1.9Ahの残存バッテリ容量まで充電された時点で、バッテリをさらに充電することができるが、その充電操作は終了することを意味する。同様に、80%の「最大充電レベル」は、2.0Ahの公称容量を有するバッテリが、1.6Ahの残存バッテリ容量まで充電された時点で、その充電動作が終了することを意味する。
【0130】
充電を比較的に低い充電レベルで終了させると、バッテリの耐用寿命を増大させることができる(例えば、バッテリの可能な充電/放電サイクルの総数を増大又は最大限にすることができる)。しかしながら、バッテリがその全容量まで充電されていなければ、充電サイクル毎に実施可能な動力工具動作の回数又は動作量も減少(又は低下)し、最大充電レベルが比較的に低い値に設定されていると、それも著しく減少(又は低下)し得る。
【0131】
バッテリパックを通常は比較的に短時間しか使用しないユーザは、比較的に低い最大充電レベルを利用することによって、バッテリの耐用寿命を長くすることを望むことがある。一方、バッテリパックを連続的に、ときには作業する一日を通して使用するユーザは、充電が切れたバッテリパックを充電済みのものと交換するまでの間に実施し得る作業量を多くして、生産性の向上を望むことがある。この場合、ユーザは、最大充電レベルを比較的に高く設定することを望むことができる。
【0132】
本教示によると、ユーザは、アダプタの入力デバイス(例えば、タッチスクリーン、アップ/ダウンボタン又はキーボード等の他のプッシュボタン)を介して新たな値を入力することによって、又は、外部装置(例えば、コンピュータ、PDA又は電話)に新たな値を入力することによって、最大充電レベルを変更することができる。後者の場合、外部装置は、アダプタを介してバッテリパック及び/又は動力工具に、あるいは、バッテリパック及び/又は動力工具に直接的に、新たな値を送信することができる。
【0133】
本教示の他の態様では、動力工具及びバッテリパックが、バッテリの充電/放電の状態を示す情報を例えば無線で送信するために、外部装置(例えばユーザのスマートフォン)にアクセス可能となるように、アダプタを構成又は適合することができる。
【0134】
このようなアダプタによると、十分に充電されたバッテリパックを、それを必要とするユーザに対して、適切なタイミングで確実に供給されることが可能となり、作業者の生産性を向上させることができる。この点に関して、バッテリパックの蓄電容量は、一日にわたって、又は、少なくともバッテリパックを充電するのに十分な時間にわたって動力工具を駆動するのに、必ずしも十分ではない。従って、バッテリパックの充電が尽きて動力工具へのエネルギー供給ができなくなると、さらに作業を継続するためには、放電されたバッテリパックを、充電済みのバッテリパックと交換する必要がある。言い換えれば、現在使用中のバッテリパックが、動力工具を駆動することができなくなり、作業の生産性が悪化し得るときに、充電済みのバッテリパックが準備されている必要がある。
【0135】
従って、本教示のこの態様において、アダプタは、バッテリパックの充電状態に関する有用な情報を提供するとともに、現在使用されているバッテリパックが、完全に放電される迄に電力を提供し続けられる推定時間に関する確実な予測が可能となるように、構成することができる。例えば、アダプタは、バッテリパックの残存するバッテリの充電を考慮しつつ、ユーザが現在実施している作業のタイプ(例えばねじ締め)を分析し、例えば、現在のバッテリパックで、それの交換が必要となる前に、即ち、そのエネルギーが使い尽くされる前に、あといくつのねじを締めることができるかに関する予測を出力することができる。
【0136】
後述するように、この実施形態のアダプタは、ユーザに対して、充電状態、及び/又は、動力工具の実施可能な残り動作回数に関する予測を直接的に示すディスプレイを備えることができる。あるいは、アダプタは、この情報を、その表示のために、外部装置に例えば無線で送信することができる。
【0137】
上記に代えて、アダプタは、生データ、例えば現在のバッテリの放電電圧を示す値、又は部分的に処理されたデータ(例えば現在実施されている動力工具の動作のエネルギー出力を示す値)を、単に送信するものでもよい。そして、外部装置が、残存バッテリ容量の決定、及び/又は、バッテリパックが充電を必要とするまでに可能な動力工具の残り動作回数を推定するために、必要な計算を行ってもよい。
【0138】
アダプタはまた、現在行われている動作のタイプに関する情報、及び/又は現在行われている動力工具の動作の各々によって消費される電力を示す情報も送信することができる。例えば、アダプタは、現在行われている各動力工具動作に対して電力消費量のより正確な推定値を提供するために、(上で定義したような)「検出された放電電流」を動的に測定することができ、それは、さまざまな要因が、ねじのねじ込み等、特定の動作の電力消費に影響を与える可能性があるためである。即ち、ねじがねじ込まれる材料の硬度は、電力消費に影響を与え、同じサイズのねじに対しては、材料が堅いときほど一般的により多くの電力が必要とされる。同様に、ねじのサイズは電力消費に影響を与え、同じ材料に対しては、ねじが大きいときほど一般的により多くの電力が消費される。当然ながら、下穴の有無もまた、電力消費に影響を与える。
【0139】
従って、現在実施されている動力工具の動作の実際の電力消費量を動的に測定することで、同じ類型の動作について、バッテリパックの残存バッテリ容量で動力工具が実施可能な残りの動作回数を、極めて正確に推定することが可能となる。
【0140】
加えて又は代えて、ユーザは、工具の現在の使用に関する情報を入力することができ、外部装置は、入力された動力工具の動作に対応付けて記憶する平均電力使用の値と残存バッテリ容量とを使用して、必要な計算を行うことができる。
【0141】
ここでもまた、外部装置においてこの機能を提供するために、「アプリ」を、工具製造業者のウェブサイト又は他のソースからダウンロードすることができる。
【0142】
加えて又は代えて、アダプタは、生データ(測定された放電電圧)又は計算された残存バッテリ容量を、サーバ又は工具マネージャのスマートフォンに送信することができる。この場合、外部装置は、例えば動力工具が実施可能な残りの動作回数に関する計算を実行することにより、バッテリパックの充電が完全に切れつつあるユーザに、充電されたバッテリパックを届けるべきタイミングを、工具管理者又は工具マネージャに通知することができる。例えば、外部装置はまた、特定の動力工具の動作が必要とする(経験的に決定することができる)平均的な、又は典型的な時間の大きさを示す一つ又は複数の時間値を格納することができ、それにより、外部装置は、現在使用されているバッテリパックがエネルギーを使い尽くす前に、ユーザが動力工具を動作させ続けられると推定される(例えば分単位での)時間に関する推定値を提供することができる。
【0143】
加えて又は代えて、アダプタは、動力工具及び/又はバッテリパックに関する他の放電関連情報を、工具マネージャの外部装置(例えばスマートフォン)に送信することができる。例えば、放電関連情報は、動力工具及び/又はバッテリパック内で検出された温度を含んでもよい。一般に、一定の温度閾値を超えた動力工具は、それが現在、過負荷状態で動作していることを示すといえる。ユーザが動力工具及び/又はバッテリパックを過負荷状態で動作させ続けると、動力工具及び/又はバッテリパックは、過熱によって永久的な損傷を受けることがある。
【0144】
過熱(即ち過負荷状態)による損傷を防止するために、アダプタは、動力工具及び/又はバッテリパックが過熱したときに、ユーザ又は工具マネージャの外部装置(例えばスマートフォン)に警告信号又は警報信号を送信するように構成又は適合されるとよい。この場合、工具マネージャに対しては、他の動力工具及び/又はバッテリパックをユーザに引き渡すために通信することができ、ユーザに対しては、警報によって過熱した動力工具システムの使用を停止するように直接的に警告することができる。
【0145】
上述したように、本教示のこの態様の動力工具システムは、ユーザ、工具管理者、工具マネージャ等が、アダプタ又は外部装置のいずれかを介した入力によって、最大温度閾値の変更が可能となるように構成又は適合させることもできる。
【0146】
上述した実施形態及び態様に加えて又は代えて、アダプタは、任意選択的に、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイを含む発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等のディスプレイを備えることができる。ディスプレイは、任意選択的に、ユーザがアダプタを介して動力工具及び/又はバッテリパックのメモリにデータを入力するのを可能にするタッチパッド又はタッチパネルであってもよい。
【0147】
こうした実施形態では、アダプタは、動力工具及び/又はバッテリパックのメモリから読み出された情報を、表示するように構成又は適合されることが好ましい。例えば、アダプタのディスプレイは、バッテリパックの現在の充電レベル(残存バッテリ容量)、過熱を示す警報、バッテリパックの残存バッテリ容量によって実施可能な動力工具の残り動作回数の推定値、動力工具及びバッテリパックの管理者の名前、最大充電レベル等、上述又は後述する情報又は機能のうちのいずれかを視覚的に示すことができる。
【0148】
アダプタのディスプレイは、通信機能を有するアダプタの上述した実施形態又は後述する実施形態において、外部装置、例えばスマートフォンのディスプレイと同じ機能を有することができる。
【0149】
本教示による他の例示的な実施形態により、「ベルト充電器」が提供される。この実施形態では、充電器が、ユーザが動力工具の作業を行っている間に、ユーザによって装着又は携帯されるように構成されている。現在、充電器はユーザのベルトに装着されると考えられるが、充電器はまた、ユーザの他の様々な位置に取り付けられてもよい。例えば、充電器に、ユーザの腕、脚又は胴部に取り付けられるように構成された、ベルクロ(登録商標)コネクタ、フック-ループファスナ、留め金、スナップ嵌合コネクタ等、着脱式コネクタを備えた、ハーネス又はストラップを設けることができる。あるいは、充電器は、バックパック内に、又はユーザの一方又は両方の肩の上に適合するハーネスの上に等、ユーザの背部に装着されるように構成又は適合されてもよい。
【0150】
充電器の出力端子は(充電器がユーザの身体に配置される場所にかかわらず)、好ましくは、通常の動力工具の動作を行うときに装着される作業ベルト又は工具ベルト等、ユーザが装着するベルトの上又はそれに隣接して配置されるとよい。出力端子は、充電電流を送信又は出力するように構成され、任意選択的に、アダプタの側面(又はアダプタが省略される実施形態ではバッテリパックの側面)に配置されたベルトフックを受け入れるように構成又は適合されたフック係合装置又はフック受入装置の内部又は表面に配置されてもよい。
【0151】
充電電流を受け取る入力端子は、充電器の出力端子に対して相補的な構成でアダプタ又はバッテリパックのベルトフックの内部又は表面に配置される。それにより、ユーザがベルトフックを用いて自身のベルトに動力工具を吊り下げると、出力端子が入力端子に接触する。
【0152】
従って、動力工具が、入力端子及び出力端子が接触した状態で工具ベルトに吊り下げられる度に、アダプタ及び/又はバッテリパックは充電器に電気的に接続され、それにより、バッテリパックを充電することができる。
【0153】
この実施形態は、ニッケルカドミウム及びニッケル金属水素化物等、他のタイプのバッテリケミストリとは異なって、繰り返される充電動作によっても「メモリ効果」を生じないリチウム系充電式バッテリで特に有利である。従って、ほぼ完全に充電された状態にある場合であっても、リチウム系バッテリに充電電流を断続的に供給することは、特に問題とはならない。
【0154】
この実施形態はまた、動力工具が使用中でなく、ユーザの工具ベルトに吊り下げられる度に、動力工具に取り付けられたバッテリパックを充電することができる、という利点を有する。従って、ベルト充電器の実施形態は、充電のためにその交換を必要とすることなく、バッテリパックの使用時間を著しく延長することができ、それにより、作業者の生産性は向上する。実際、ユーザが動力工具の動作を頻繁に中断するときは、バッテリパックが、完全に充電された状態又は略完全に充電された状態に継続的に維持することができる。
【0155】
加えて又は代えて、この実施形態は、バッテリセルが頻繁に充電されることから、バッテリパックのエネルギー(蓄充電)が、通常の動力工具の動作中に使い尽くされる可能性がないので、バッテリセルの充電を、より低い充電レベル又は状態で停止することができる(即ち、充電上限又は最大充電レベルを低下させるか又はより低いレベルで設定することができる)という利点を有する。即ち、バッテリパックが使用中に充電されない場合、ユーザは、充電動作中、蓄充電の量を最大限にする(即ち、充電上限又は最大充電レベルを増大させる)ことを好むことがあり、それにより、一つの充電されたバッテリパックに対する動力工具の動作時間を最大限にすることができる。しかしながら、バッテリセルが、バッテリセルの最大定格(公称)蓄電容量まで繰返し充電されると、バッテリセルの耐用寿命は悪影響を受ける。従って、上限を、バッテリセルの最大定格(公称)蓄電容量未満の充電に置くことにより、バッテリセルの耐用寿命を長くすることができる。さらに、バッテリセルの小まめな充電により、ユーザは、バッテリパックがその最大定格(公称)蓄電容量まで決して充電されなくても、充電の切れたバッテリパックを充電済みのバッテリパックと交換する必要をなくすことにより、不便を感じることがない。
【0156】
充電器のバッテリセルは、動力工具バッテリパックのバッテリセルとは、異なるバッテリ化学物質及び/又は容量であってよい。特に、充電器バッテリは、動力工具バッテリパックとは異なり、相対的に高い電流を供給する必要がない。従って、充電器バッテリは、動力工具バッテリパックよりも高容量のバッテリセルを使用することができ、それにより、充電器に対して蓄電密度を増大させ、及び/又は重量の制限を低減することができる。充電器バッテリは、好ましくは、動力工具バッテリパックの少なくとも1回の完全な充電、より好ましくは少なくとも5回の充電、さらに好ましくは少なくとも10回の充電と等しい量の充電(エネルギー)を蓄積することができるとよい。ベルト充電器の総重量等の人間工学的な検討事項、及びバッテリ化学物質(即ち、その蓄電密度)により、重量に対する蓄充電の適切なバランスが定まる。当然ながら、充電器のバッテリセルのバッテリ化学物質及び/又は容量は、動力工具用のバッテリパックのバッテリセルのバッテリ化学物質及び/又は容量と同じであってもよい。充電器において高容量リチウムイオンセルを利用することができ、バッテリパックにおいて高出力リチウムイオンセルを利用することができる。
【0157】
加えて又は代えて、この実施形態のアダプタは、マイクロプロセッサ又は他の計算機能を含む必要はない。例えば、バッテリパック又は動力工具は、二組のバッテリ端子を備えることができる。第1組のバッテリ端子は、動力工具又はバッテリパックの対応するバッテリ端子と係合するように構成又は適合される。第2組のバッテリ端子は、充電器の充電端子と係合するように構成又は適合される。第2組のバッテリ端子は、この実施形態ではアダプタとしての役割を果たす、例えばベルトフックの表面、内部、又はそれに隣接して設けることができる。そして、ベルトフックのバッテリ端子は、ユーザが装着する工具ベルトに設けられる充電器の充電端子に、直接的に接続することができる。これにより、充電電流は、バッテリパック又は動力工具に直接的に接続するベルトフックアダプタを介して、充電器からバッテリパックへ伝達される。
【0158】
充電電流を伝達する(導通させる)ために直接的な接続又は有線接続が必要な、充電器用の充電端子、及びバッテリパック又はアダプタ用の対応するバッテリ端子に代えて、充電器からバッテリパックに電力を無線通信することも可能である。こうした実施形態では、充電器は、例えばユーザの工具ベルトに配置することができる、誘導コイル等の無線電力送信アンテナを備えるとよい。アダプタは、誘導結合又はより好ましくは共鳴誘導結合によって電力の無線伝送を可能とする、無線電力送信アンテナに対して相補的な、誘導コイル等の無線電力受信アンテナを備えることができる。
【0159】
こうした実施形態では、無線電力受信アンテナが無線電力送信アンテナに近接すると、アダプタ(アダプタが省略される実施形態ではバッテリパック)に、電力が無線で(例えば、振動電磁場又は磁束として)伝達されることができる。そして、アダプタが受け取った電力は、バッテリパックのバッテリセルに供給される電流に変換されることができる。アダプタ自体が、適切な充電電流を発生させてもよく、あるいは、特にアダプタが省略される場合は、充電電流をバッテリパック内で生成してもよい。
【0160】
この実施形態は、充電動作を行うときにユーザが充電端子とバッテリ端子とを直接接続する又は接触させる必要がない、という利点を有する。代りに、充電動作は、アダプタの無線電力受信アンテナが、充電器の無線電力送信アンテナに近接する限り、(必要な場合は)自動的に開始される。機械的接点、圧力センサ、無線周波数識別(RFID)デバイス、磁石(及びリードスイッチ又はホールセンサ等の磁石センサ)、電気抵抗又は容量センサ等の近接検知素子を、アダプタ(又はバッテリパック)及び充電器の一方又は両方の表面又は内部に、例えば電力送信アンテナ及び受信アンテナに隣接して設けることができる。この場合、充電器は、充電電流をバッテリパックに伝達することができる場合にのみ、電力を無線で送信し、それにより、電力の不要な消費がなくなる。
【0161】
上述したように、こうした無線充電の実施形態においても、アダプタを完全に省略することができることができる。例えば、無線電力受信アンテナは、バッテリパックの表面又は内部に設けることができる。この場合、バッテリパックの無線電力受信アンテナは、例えば(動力工具に接続された)バッテリパックがユーザの工具ベルトに吊り下げられたときに、充電器の無線電力送信アンテナに近接して、電力が充電器からバッテリパックに直接かつ無線で伝達されることができる。こうした実施形態では、無線電力受信アンテナは、好ましくは、ベルトフックを含むバッテリパックの側面に配置され、それにより、ベルトフックがユーザの工具ベルトに下げられ、無線電力送信アンテナに隣接すると、充電動作が常に開始される。従って、ユーザは、充電動作が確実に実施されるために、工具ベルト上でバッテリパックを正しい向きとするときに、特別な措置も講じる必要がない。
【0162】
本教示のいくつかの態様では、ハウジングとバッテリパックとが互いに取り付けられたときに、アダプタが、ハウジングとバッテリパックとの間の空間内に、少なくとも部分的に配置、位置、又は収容されることが好ましい。
【0163】
上述した態様のアダプタは、ハウジングとバッテリパックとの間に少なくとも部分的に配置、位置、又は収容されるので、例えば手持式の動力工具が落下又は何かにぶつかったときに、ハウジング及び/又はバッテリパックによって物理的に保護される。従って、本教示のこの態様によると、厳しい作業環境においてアダプタを保護する頑強かつ耐久性のある構造を実現し得る。
【0164】
本教示の上述した態様の好ましい実施形態では、アダプタがハウジングに取り付けられているか、ハウジングから取り外されているかにかかわらず、バッテリパックが、ハウジングに対して着脱可能に適合又は構成されることが好ましい。この実施形態のアダプタは、好ましくは、動力工具の任意選択的な付属品又は装置として適合又は構成され、手持式の動力工具を通常動作させるためには必要でないことが好ましい(即ち、アダプタによって付加的な機能が実施又は提供されなくても、動力工具は動作可能である)。従って、アダプタがハウジングから取り外されているときであっても、手持式動力工具に電流を供給するために、ハウジングにバッテリパックを取り付けることができる。
【0165】
さらに、こうした実施形態では、動力工具のユーザが、ハウジングからアダプタを取り外す必要なく、バッテリパックを充電するためにハウジングからバッテリパックを取り外し、その(又は別の)充電されたバッテリパックを、ハウジングに再度取り付けられることが好ましい。この実施形態は、比較的に長時間(例えば作業日全体の間)動力工具を使用するユーザに対して特に有利である。こうした用途では、使い尽くされたバッテリパックが、1日の間に数回、充電されたバッテリパックと交換され得るためである。
【0166】
本教示の上述した態様の他の好ましい実施形態では、アダプタが、バッテリパックがハウジングから取り外されたときにのみ、ハウジングに対して着脱可能となるように適合又は構成されることが好ましい。この好ましい実施形態のアダプタによると、動力工具のユーザは、アダプタを安全に着脱することができる。アダプタを着脱するためには、動力工具からバッテリパックを取り外す必要があり、その結果、アダプタが取り扱われている間は、手持式の電動工具又はアダプタのいずれにも、電力が供給されないからである。
【0167】
本教示の上述した態様の別の好ましい実施形態では、アダプタは、好ましくは、第1方向に沿ってハウジングに着脱されるように適合又は構成され、バッテリパックは、好ましくは、第2方向に沿ってハウジングに着脱されるように適合又は構成され、第1方向は実質的には第2方向に対して垂直であるとよい。より好ましくは、アダプタ及びバッテリパックは、好ましくは、摺動可能に動力工具ハウジングに対して着脱可能に適合又は構成されるとよい。
【0168】
本教示の上述した態様の別の好ましい実施形態では、ハウジング及びバッテリパックがが、それらの間に、ハウジングに取り付けられているアダプタの少なくとも一部を、視認可能に露出させる開口部を画定するとよい(例えば、開口部は、手持式動力の工具及び/又はバッテリパックの外面に画定される)。
【0169】
この好ましい実施形態によるアダプタによると、動力工具のユーザは、いずれの種類のアダプタが動力工具に取り付けられているかを判断するために、取り付けられたアダプタを(動力工具から取り外すか、又は他の方法でアダプタを視覚的に調べるために不便な操作を行うことなく)、簡便に視認することができる。
【0170】
本教示の上述した態様の他の好ましい実施形態では、好ましくは、アダプタ及びバッテリパックがハウジングに取り付けられているときに、アダプタが顕著な隙間をつくることなく(例えば、製造公差のために必要な最小限の隙間で)、開口部に嵌合するように適合又は構成されるとよい。こうした実施形態によると、ハウジングとバッテリパックとの間の空間に、埃及び湿気が入ることを防止することができ、それにより、第1コネクタ及び第2コネクタを有害な外部の影響から保護することができる。
【0171】
本教示の上述した態様の他の好ましい実施形態では、動力工具システムが、好ましくは、アダプタに代えてハウジングに着脱可能に適合又は構成されたダミーアダプタをさらに備えるとよい。より好ましくは、ダミーアダプタ及びバッテリパックがハウジングに取り付けられたときに、ダミーアダプタは、実質的な隙間をつくることなく開口部に嵌合するように設計されるとよい。動力工具のユーザは、先の態様及び/又は実施形態の(機能)アダプタの使用を必要としないときに、動力工具ハウジングの第1(アダプタ)コネクタ内に埃及び湿気が入るのを防止するために、第1(アダプタ)コネクタ内にダミーアダプタを挿入することができる。
【0172】
本教示の上述した態様の他の好ましい実施形態では、ダミーアダプタが、好ましくは、ハウジングに取り付けられたときに、第1コネクタを覆うように適合又は構成されるとよい。この実施形態によると、バッテリパックがハウジングから取り外されたときでも、第1コネクタは埃及び湿気から保護される。
【0173】
本教示の上述した態様の他の好ましい実施形態では、第1コネクタが、好ましくは、少なくとも一つのコンタクトピンと少なくとも一つのコンタクトピンを包囲する周壁とを有する雌コネクタであるとよい。さらに、第2コネクタは、好ましくは、少なくとも一つのコンタクトピンを受け入れるように構成された少なくとも一つの穴と、少なくとも一つの穴内に位置し、かつ少なくとも一つのコンタクトピンと物理的かつ電気的に接触するように適合又は構成された少なくとも一つのコンタクトプレートとを有する雄コネクタであるとよい。
【0174】
この実施形態に関して、雌コネクタは、概して、雄コネクタより製造にコストが低いとされている。従って、動力工具の製造コストの増大を避けるために、動力工具には、好ましくは、雌コネクタ(コンタクトピン)を採用することができ、アダプタには、好ましくは、雄コネクタ(コンタクト端子)を採用することができる。アダプタは、任意選択的な付属品とされているので、ユーザによってはアダプタを必要としない場合がある。この実施形態によれば、動力工具の製造コストを低いままに維持することができる。
【0175】
本教示の上述した態様の他の好ましい実施形態では、アダプタは、ねじ部品(例えば、ねじ又はボルト)を介して、ハウジングに取り付け可能であるとよい。この実施形態によれば、第1コネクタと第2コネクタとの間の接続が安定し、かつ確実に維持されるように、アダプタをハウジングに堅固に固定することができる。
【0176】
本教示の上述した態様の他の好ましい実施形態では、アダプタは、先ずは、第1コネクタ及び第2コネクタの結合によりハウジングに対して位置決めされ、次に、ねじ部品の締め付けによりハウジングに対して位置決めされるとよい。
【0177】
本教示の上述した態様の他の好ましい実施形態では、アダプタは円柱状部分を有し、その円柱状部分には、アダプタを動力工具ハウジングに締め付け、固定するために、ねじ部品が挿入可能であるとよい。
【0178】
さらに、円柱状部分は、任意選択的に、動力工具の外面を通して、露出させることができる。加えて又は代えて、円柱状部分は、任意選択的に、ストラップが取り付けられるように適合又は構成されるとよい。この実施形態によると、円柱状部分は、円柱状部分を通して延在するねじ部品によって補強され、従って破損から防止される。加えて又は代えて、ストラップ(例えば携帯ストラップ)を、円柱状部分を介してアダプタに容易に取り付けることができる。
【0179】
本教示の上述した態様の他の好ましい実施形態では、動力工具システムが、複数のアダプタを備えることが好ましい。この場合、各々のアダプタは、好ましくは、ハウジングに取り付けられるとともに、手持式の動力工具に少なくとも一つの他の電気的機能もしくは付加的な電気的機能(即ち、手持式の動力工具が元来有していない電気的機能)を提供するように、又は少なくとも一つの異なる電気的機能もしくは付加的な電気的機能を行うように、適合又は構成されるとよい。
【0180】
この実施形態によると、様々なアダプタを作製することによって、動力工具に各種の異なる電気的機能を与えることができる。米国仮特許出願第61/511,092号明細書に記載される、又は後述する電気的機能のうちのいずれも、本教示によるアダプタにおいて実施することができ、従って、米国仮特許出願第61/511,092号明細書において言及されている機能及び回路のすべての説明は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0181】
本教示の他の態様では、アダプタが、上述した任意の回路又は機能に加えて又は代えて、白熱灯、蛍光灯及び/又は一つもしくは複数の発光ダイオード等の照明デバイスを備えてもよい。こうした実施形態では、照明デバイスは、好ましくは、可撓性と剛性とを有するコードを介して、アダプタの基部に接続されるとよい。それにより、動力工具ハウジングに対する任意の位置に、但し好ましくは動力工具が加工物に対して作業している方向において、照明デバイスを位置決め、保持することができる。
【0182】
以下、本発明の代表的で非限定的な実施例について詳細に説明する。この詳細な説明は、単に、本教示の好ましい態様を実施するためのさらなる詳細を、当業者に教示するためのものであって、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。さらに、以上及び以下に開示する付加的な特徴及び教示の各々を、個別に又は他の特徴及び教示と組み合わせて利用することで、改良されたアダプタ、そのアダプタに接続されたバッテリパック、そのアダプタに接続された動力工具、動力工具システム、充電器、及びそれらを製造し使用する方法が提供される。
【0183】
さらに、以下の詳細な説明に開示する特徴及びステップの組合せは、本発明を最も広い意味で実施するという観点では、必ずしも必要なものではなく、単に、本発明の代表的な実施例を詳細に説明するために教示されたものである。さらに、後述する代表的な例のさまざまな特徴は、後の様々な独立請求項及び従属請求項と同様に、具体的にかつ明示的に列挙されていない態様で組み合わせることが可能であり、それによって、本教示に係る有用な実施形態をさらに実現することができる。
【0184】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に開示されたすべての特徴は、請求項に記載の主題を限定するためだけでなく、実施形態及び/又は請求項における特徴の特定の組合せとは無関係に、本来の書面による開示を目的としては、それぞれ個別に独立して開示されることを意図したものである。さらに、すべての数値範囲又は集合体の表示についても、請求項に記載の主題を限定するためだけでなく、本来の書面による開示の目的としては、すべての取り得る中間の値又は中間の実体を開示することを意図したものである。
【0185】
上述した又は後述する(又は請求項に記載の)機能が、例えばアダプタ、バッテリパック、動力工具、充電器及び/又は外部装置のコントローラを適切にプログラムすることにより、以下の例示的な実施形態のいずれにおいても実施することができることは、明らかに理解される。あるいは、当業者ならば本開示を読んだ上で十分に理解できるように、上述した機能のうちのいくつか又はすべては、後述する提示的な実施形態のいずれにおいても、アナログ回路、専用デジタル回路、例えば状態機械、又は混合専用回路によって実施することができる。
【実施例0186】
図1A図1Cを参照して、ここで、本教示による動力工具システム1の第1の例示的な実施形態(実施例1)についてさらに詳細に説明する。動力工具システム1は、概して、コードレス(バッテリ式)動力工具10、バッテリパック40、アダプタ70及び外部装置100を備えることができる。
【0187】
この例示的な実施形態による動力工具10は、概して、コントローラ12、放電情報検出器14、メモリ16及び通信部18を備える。例えば、本技術分野において周知であるように、パルス幅変調技法を利用し、パワーFET20を開閉することによって、電力が、二つのバッテリ端子22を介して動力工具10に供給され、電気モータMを駆動する。モータMの動作は、本技術分野において周知であるようなトリガスイッチであり得るスイッチ28によって手動で制御される。図1Cに示すように、モータMは、ハウジング32に封入され、工具チャック30を駆動し、工具チャック30には、適切な工具、例えばねじビットを接続することができる。モータMと工具チャック30との間に、任意選択的に減速歯車(図示せず)を介挿することができる。
【0188】
この例示的な実施形態によるバッテリパック40は、概して、コントローラ42、充電/放電情報検出器44、メモリ46、通信部48及び少なくとも一つのバッテリセル50を備える。電力は、二つのバッテリ端子52を介して動力工具10に供給され、電気モータMを駆動する。図1A及び図1Cに示すように、例えばコントローラ42によって判断されるように、残存バッテリ容量が下限に達した場合、バッテリセル50をバッテリ端子52から切断するように、遮断スイッチ58を設けることができ、それにより、バッテリパック40が充電されるまで、そのバッテリパック40がそれ以上使用されないようにする。
【0189】
この例示的な実施形態によるアダプタ70は、概して、少なくとも一つのコントローラ72、一つ又は複数の通信端子(ポート)74、一つ又は複数の電源端子75、少なくとも一つのメモリ76及び少なくとも一つの通信部78を備えている。参照により本実施形態に組み込まれる後のさらなる実施形態にさらに記載するように、アダプタ70は、任意選択的に、ディスプレイをさらに備えることができる。
【0190】
外部装置100は、概して、少なくとも一つのコントローラ102、少なくとも一つのディスプレイ104、少なくとも一つのメモリ106及び少なくとも一つの通信部108を備えている。
【0191】
各装置のコントローラ12、42、72、102は、好ましくは、少なくとも一つのプロセッサ、例えば、本技術分野において周知であるようなマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを備えている。少なくとも一つのプロセッサは、それぞれメモリ16、46、76、106に格納されている命令又はプログラムコード及びデータに従って動作するように構成されている。
【0192】
各装置のメモリ16、46、76、106は、好ましくは、一つ又は複数のEEPROM及びフラッシュメモリ等、不揮発性リードオンリメモリ(ROM)及び/又は書換え可能なメモリ、又は(例えば特に外部装置100用の)ハードドライブ等、機械的にアドレス指定可能なメモリを備えている。メモリ16、46、76、106はまた、RAM、DRAM及びSRAM等の揮発性メモリも備えることができる。デバイスのうちのいずれのメモリ16、46、76、106のタイプ及び/又は構成も、本教示において特に限定されない。
【0193】
デバイスの各々の通信部18、48、78、108は、(i)一つ又は複数の有線入出力(I/O)ポート(即ち、一つ又は複数の接続端子)と、(ii)無線通信デバイスであって、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイス、例えばWiFi(即ち、IEEE802.11によって列挙される無線通信プロトコルに従って動作する)、Bluetoothデバイス、コードレス電話又はセルラ(モバイル)ネットワークデバイス、無線(RF)通信デバイス又は他の任意のタイプの既知の、もしくは将来開発される無線通信技術など、の少なくとも一方又は両方を備えることができる。ここにおいても、デバイスのうちのいずれの通信部18、48、78、108の構成は、本教示において特に限定されない。
【0194】
アダプタ70には、電源端子25、75を介して電力が供給される。
【0195】
アダプタ70のディスプレイ(80、図4Aを参照)及び/又は外部装置100のディスプレイ104もまた、特に限定されず、限定されないが、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイを含む発光ダイオード(LED)ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等、ユーザに情報を視覚的に伝達することができる任意のデバイスを備えることができる。ディスプレイ104に対して、プラズマ又はCRTも可能性である。
【0196】
動力工具10の放電情報検出器14及びバッテリパック40の充電/放電情報検出器44は、本技術分野において周知であるように、電流値、電圧値、バッテリセル温度及び/又は抵抗(インピーダンス)値を検出するように構成された、任意のタイプのアナログ、デジタル又はハイブリッド回路を備えることができる。
【0197】
例えば、例示的な一実施形態では、バッテリパック40の充電/放電情報検出器44が、測定された電圧値V(バッテリセル50の両端の電圧、又はバッテリセル50を通過する電流Iを示す電圧値であり得る)を基準電圧値と比較するように構成された比較器を備えてもよい。比較器は、バッテリセル50の両端の電圧が(基準値によって表されるような)所定閾値未満に低下した場合に、コントローラ42に信号を出力することができ、それにより、バッテリセル50の残存バッテリ容量に関する情報を提供する。加えて又は代えて、比較器は、バッテリセル50を通過する電流が所定電流制限(閾値)を超えたときに別の信号を出力することができ、それにより、動力工具システム1が過負荷状態になっていることを示す。加えて又は代えて、比較器は、例えばバッテリパック10又は動力工具10内の温度センサによって測定される温度(Temp.)が所定温度制限(閾値)を超えたときに、他の信号を出力することができ、それによって、バッテリパック40又は動力工具システム1が過負荷状態になっていることを示すことができる。
【0198】
加えて又は代えて、動力工具10の放電情報検出器14は、電気モータMを通過する電流Iを示す電圧値等、測定された電圧値Vを基準電圧値と比較するように構成された比較器を備えてもよい。比較器は、モータMを通過する電流が所定電流制限(閾値)を超えた場合にコントローラ12に信号を出力することができ、それにより、工具システム1が過負荷状態になっていることを示す。さらに又は別法として、比較器は、例えば温度センサによって確定されるような温度(Temp.)が所定温度制限(閾値)を超えた場合に、別の信号を出力することができ、それによってまた場合によっては、工具10又は動力工具システム1が過負荷状態になっていることを示す。
【0199】
これらの閾値の各々は、バッテリパック40のメモリ46、動力工具10のメモリ16及び/又はアダプタ70のメモリ76に格納することができる。上述したように、本教示の一態様により、ユーザは、バッテリパック40及び動力工具10の性能を最適化するために、アダプタ70を介して新たな閾値を通信することにより、各種の閾値又は動作パラメータを変更することができる。あるいは、アダプタ70が、タッチパッド、プッシュボタン、キーボード、トグルスイッチ等の入力デバイスを備えるときは、新たな値をアダプタ70に直接入力することができる。
【0200】
従って、本教示の一態様では、オペレータ(例えば、ユーザ、工具管理者、工具マネージャ等)は、キーボード又はタッチパッドとして構成されたディスプレイ104等の入力デバイスを介して、外部装置100に新たな値を入力することにより、メモリ16、46又は76に格納された閾値又は動作パラメータのうちの一つを変更することができる。通信部108は、新たな値をアダプタ70の通信部78に、無線で又は有線接続を介して送信する。上述したように、新たな値は、アダプタ70のメモリ76に格納され、任意選択的に、動力工具10を介してバッテリコントローラ42によってアクセスされ、又は、通信端子24、74を介して工具コントローラ12によってアクセスされる。必要な場合は、新たな値は、通信端子26、56を介してバッテリパック40に通信され、任意選択的にメモリ46に格納されてもよい。
【0201】
図1Bは、各々の装置又は各装置内のサブユニットが任意選択的に実行される他の機能、及び、各々の装置又は各装置内のサブユニットに任意選択的に設けられる他の機能を示す。図1Cは、動力工具システム1の外観を示すとともに、上述した内部回路ブロックのいくつかを切断図で示す。
【実施例0202】
第2の例示的な実施形態(実施例2)は、第1の例示的な実施形態と多くの重複する特徴、機能、回路及び構造を共有する。従って、同様に又は実質的に同様に動作する回路及び構造には同じ参照番号が割り当てられており、そのさらなる説明は不要とする。本実施形態に参照により組み込まれる、第2の例示的な実施形態に明示的に記載されていない任意の特徴、機能、回路又は構造については、第1の例示的な実施形態を参照されたい。
【0203】
図2Aに示す例示的な実施例2の動力工具システム1’は、アダプタ70’が、動力工具10’に直接接続する代りに、バッテリパック40’に直接接続するように構成されているという点で、第1の例示的な実施形態と主に異なっている。外部装置100は、アダプタ70’と通信し、第1の例示的な実施形態と同様に動作する。
【0204】
従って、この例示的な実施例では、通信経路は以下の通りである。即ち、外部装置100、アダプタ70’、バッテリパック40’、動力工具10’の順である。特に、アダプタ70’は、情報及び/又はデータを、その通信端子74を介して、バッテリパック40’に位置する通信端子54に通信し、その後、通信端子54は、通信部48を介してコントローラ42と直接通信する。
【0205】
しかしながら、他のすべてに関して、アダプタ70’は、上述した機能又は後述する機能のうちのいずれか一つ又はいずれか任意の組合せを行うように構成又は適合することができる。
【0206】
図2Bは、各々の装置又は各装置内のサブユニットが任意選択的に実行される他の機能、及び、各々の装置又は各装置内のサブユニットに任意選択的に設けられる他の機能を示す。図2Cは、動力工具システム1’の外観を示すとともに、上述した内部回路ブロックのいくつかを切断図で示す。
【0207】
第1の例示的な実施形態及び第2の例示的な実施形態は、アダプタ70、70’が、動力工具10、10’とバッテリパック40、40’との間に介挿されていないという利点を有する。これにより、モータ駆動電流を、バッテリパック40、40’からアダプタ70、70’を介して動力工具10、10’まで導通させる必要がなく、それにより、アダプタ70、70’内に大電流を安全に導通させることができる配線及び他の保護を設ける必要がない。
【0208】
しかしながら、いくつかの実施形態では、以下の例示的な実施形態において考察するように、動力工具とバッテリパックとの間にアダプタを挿入することが有利である場合がある。
【実施例0209】
第3の例示的な実施形態(実施例3)もまた、第1の例示的な実施形態及び第2の例示的な実施形態と多くの重複する特徴、機能、回路及び構造を共有する。従って、同様に又は実質的に同様に動作する回路及び構造には同じ参照番号が割り当てられており、そのさらなる説明は不要とする。本実施形態に参照により組み込まれる、第3の例示的な実施形態に明示的に記載されていない任意の特徴、機能、回路又は構造については、第1の例示的な実施形態又は第2の例示的な実施形態を参照されたい。
【0210】
図3Aに示す第3の例示的な実施形態の動力工具システム1’’は、アダプタ70’’がバッテリパック40及び動力工具10’の両方に直接接続するように構成されているという点で、第1の例示的な実施形態及び第2の例示的な実施形態と主に異なっている。外部装置100は、アダプタ70’’と通信し、第1の例示的な実施形態及び第2の例示的な実施形態と同様に動作する。
【0211】
従って、この例示的な実施形態では、外部装置100はアダプタ70’’と通信し、アダプタ70’’は、バッテリパック40及び動力工具10’の一方又は両方と通信することができる。特に、アダプタ70’’は、新たなプログラムコード等の情報及び/又はデータを、その通信端子74を介してバッテリパック40に位置する通信端子54に、及び/又はその通信端子74を介して動力工具10’に位置する通信端子24に通信することができる。
【0212】
さらに、電気モータMを駆動する電流は、アダプタ70’’を通って、一方の側でバッテリパック40のバッテリ端子52と、他方の側で動力工具10’のバッテリ端子22と接続する、それぞれのバッテリ端子82を介して流れる。
【0213】
しかしながら、他のすべてに関して、アダプタ70’’は、上述した機能又は後述する機能のうちのいずれか一つ又はいずれか任意の組合せを行うように構成又は適合させることができる。
【0214】
図3Bは、各々の装置又は各装置内のサブユニットが任意選択的に実行される他の機能、及び、各々の装置又は各装置内のサブユニットに任意選択的に設けられる他の機能を示す。図3Cは、動力工具システム1’’の外観を示すとともに、上述した内部回路ブロックのいくつかを切断図で示す。
【実施例0215】
第4の例示的な実施形態(実施例4)もまた、第1の例示的な実施形態、第2の例示的な実施形態及び第3の例示的な実施形態と多くの重複する特徴、機能、回路及び構造を共有する。従って、同様に又は実質的に同様に動作する回路及び構造には同じ参照番号が割り当てられており、そのさらなる説明は不要とする。本実施形態に参照により組み込まれる、第4の例示的な実施形態に明示的に記載されていない任意の特徴、機能、回路又は構造については、第1の例示的な実施形態、第2の例示的な実施形態及び第3の例示的な実施形態を参照されたい。
【0216】
図4Aに示す第4の例示的な実施形態の動力工具システム1’’’は、アダプタ70’’’がディスプレイ80を備えるが、外部装置と通信するのに専用の通信部を備えていないという点で、第1の例示的な実施形態と主に異なっている。動力工具10及びバッテリパック40は、第1実施形態と同様に動作する。理解されるように、この実施形態は、先の実施形態のいずれかによる通信手段(例えば無線通信手段)を備えるように変更することが可能である。
【0217】
上述したように、アダプタ70’’’のディスプレイ80は、特に限定されず、例示ではあるが、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイを含む発光ダイオード(LED)ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等、ユーザに情報を視覚的に伝達することができる任意のデバイスを備えることができる。好ましくは、ディスプレイ80は、ユーザがアダプタ70’’’への指示を直接入力するのを可能にするタッチパッドとして構成してもよい。しかしながら、必要に応じて、アダプタ70’’’には、任意選択的に、情報を入力するためのキーボード、プッシュボタンパッド、トグルスイッチ等、任意のタイプの入力デバイス(図示せず)を設けることができる。
【0218】
ディスプレイ80は、好ましくは、限定されないが残存バッテリ容量、残存バッテリ容量によって実施可能な動力工具の残り動作回数、電流制限閾値、バッテリ放電閾値等、上述又は後述する情報のいずれかを表示するように構成又は適合することができる。
【0219】
図4Bは、各々の装置又は各装置内のサブユニットが任意選択的に実行される他の機能、及び、各々の装置又は各装置内のサブユニットに任意選択的に設けられる他の機能を示す。図4Cは、動力工具システム1’’’の外観を示すとともに、上述した内部回路ブロックのいくつかを切断図で示す。
【実施例0220】
第5の例示的な実施形態(実施例5)もまた、第1の例示的な実施形態、第2の例示的な実施形態、第3の例示的な実施形態及び第4の例示的な実施形態と多くの重複する特徴、機能、回路及び構造を共有する。従って、同様に又は実質的に同様に動作する回路及び構造には同じ参照番号が割り当てられており、そのさらなる説明は不要とする。本実施形態に参照により組み込まれる、第5の例示的な実施形態に明示的に記載されていない任意の特徴、機能、回路又は構造については、第1の例示的な実施形態、第2の例示的な実施形態、第3の例示的な実施形態及び第4の例示的な実施形態を参照されたい。
【0221】
図5Aに示す第5の例示的な実施形態の動力工具システム1’’’’は、アダプタ70’’’’が充電回路を備え、充電器120もまた設けられているという点で、第2の例示的な実施形態と主に異なっている。動力工具10’及びバッテリパック40’は、概して第2実施形態と同様に動作するが、バッテリパック40’が、アダプタ70’’’’を介して充電器120から充電電流を受け取ることができる、という点は異なる。この例示的な実施形態は、先の実施形態のいずれかによる(無線)通信手段及び/又はディスプレイを備えるように変更することも可能である。
【0222】
さまざまな充電実施形態に関して上述したように、この例示的な実施形態によるアダプタ70’’’’は、概して、少なくとも一つのコントローラ72、少なくとも一つのメモリ76及び少なくとも一つの通信部78を備えることができる。コントローラ72は、少なくとも、メモリ76に格納された、又はメモリ46に格納されて通信端子54、74を介してコントローラ72に通信される充電プログラム又はプロトコルを実行するように構成又は適合されている。充電プログラムは、本教示において特に限定されず、バッテリパック40’に位置するバッテリセル50を充電するのに好適な任意の充電プログラムを利用することができる。さらに、コントローラ72は、上述した機能又は後述する他の機能のいずれか行うように構成することができる。
【0223】
この例示的な実施形態による充電器120は、少なくとも一つのコントローラ122、少なくとも一つのメモリ126、少なくとも一つの通信部128及び電源130を備えている。コントローラ122は、メモリ126に格納された充電プログラムを実行することができる。例えば、充電プログラムは、通信端子86、124及び通信部128を介してメモリ126に通信される。あるいは、メモリ126に格納される。あるいは、外部装置によって製造後にプログラムされる。
【0224】
バッテリパック40’、アダプタ70’’’’及び充電器120の各々は、各々のコントローラ42、72、122によって制御される遮断スイッチ58、88、138(図5Cも参照)を備える。遮断スイッチ58は、動力工具10’によって動力工具の動作を開始するときに閉鎖され、過負荷又は他の悪条件が検出されたときに、内部回路を保護するために開放される。遮断スイッチ88、138は、充電動作を開始するときに閉鎖され、過負荷又は他の悪条件が検出されたときに内部回路を保護するため、又は充電動作が完了したときに、開放される。アダプタ70’’’’は、内部回路を損傷する可能性がある逆電流から保護するダイオード90を備えてもよい。
【0225】
電源130は、AC電源、例えば商用AC電源もしくは発電機によって供給される交流電流、又は車両バッテリシステム等の外部DC電源であり得る。しかしながら、好ましい実施形態では、電源130は、充電器120内に含まれるか、又は充電器120に、例えば直接もしくは図31に示すように可撓性電源コード142を介して取り付けられる、DC電源140であるとよい。電源130は、好ましくは、リチウム系バッテリセルといった、一つ又は複数の充電式バッテリセルを備えるとよく、上述したように、それらは相対的に高い蓄電容量、例えばバッテリセル50よりも高い蓄電容量を有することが好ましい。
【0226】
本実施形態による動力工具システム1’’’’は、上述した「ベルト充電」の実施形態によって動作させることができる。図31をさらに参照すると、充電器120は、作業しているユーザが携帯することができるDC電源140を備えている。ベルト144、又は変形例としてハーネス、ストラップ、バックパック等の、充電器120をユーザに取り付ける手段を利用することができる。それにより、ユーザは、充電器120を自身の体、例えば手足、胴部、背部に容易にかつ快適に装着するか、携帯することができる。充電端子132(図31には示さず)は、好ましくは、ベルト140の、さらに後述するベルトフック受け146の内部又は表面に設けられているとよい。
【0227】
再び図5Aを参照すると、アダプタ70’’’’は、好ましくは、充電端子84を介してバッテリパック40’に直接接続する部分を備えているとよい。充電端子受け85は、充電器120の充電端子132に直接接続するように構成され、好ましくはベルトフックの内部又は表面に配置されており、それについては、後の第6の例示的な実施形態において説明する。ベルトフック及びベルトフック受け146は、相補的な形状で構成されていることが好ましく、それにより、ユーザが、アダプタ70’’’’(又はバッテリパック40’)のベルトフックをベルトフック受け146に係合させ、動力工具10’を自身のベルト144に吊り下げたときに、互いに連結、干渉又は嵌合することによって係合することができる。
【0228】
端子85、132が接触し、それにより、充電器120からアダプタ70’’’’を介してバッテリパック40’まで充電電流の通電が可能になると、コントローラ42、72、122のうちの一つ又は複数は、その接続を検知又は検出して充電電流の供給を開始することができる。例えば、ユーザが自身の工具ベルト144から動力工具10’を取り外し、端子85、132が互いに分離したときは、コントローラ42、72、122のうちの一つ又は複数が、その切断を検知又は検出して充電電流の供給を終了することができ、それにより電力を節約する。
【0229】
さらに、充電検出器44は、充電動作中、バッテリセル50の充電状態を連続的に又は断続的に検知することができる。バッテリセル50が完全に充電されたと判断すると、バッテリパック40’のコントローラ42は、アダプタ70’’’’及び/又は充電器120に信号を送信して、充電電流の供給を停止することができ、それにより電力の無駄を避ける。
【0230】
上述したように、この実施形態のアダプタ70’’’’は、充電器コントローラ72、メモリ76又は通信部78を備える必要はない。代りに、アダプタ70’’’’は、単にベルトフックとして構成することができ、ベルトフックは、バッテリパック40’に物理的に接続され、充電端子132に直接接続するように構成された充電端子受け85を備えることができる。従って、ベルトフックは、単に、充電器120からバッテリパック40’に充電電流を導通させる役割を果たし、他のいかなる機能も行わなくてよい。
【0231】
さらに、上述したように、充電電流(電力)は、充電器120から有線接続又は直接接続によってアダプタ70’’’’に伝送される必要はない。代りに、充電器120の充電端子132は、誘導コイル等の無線電力送信アンテナと置き換えることができ、アダプタ70’’’’(又はベルトフック)の充電端子受け85は、誘導コイル等の無線電力受信アンテナに置き換えることができる。この場合、無線電力受信アンテナが無線電力送信アンテナに近接し、そのことが、例えば圧力センサ、磁気センサ、RFIDデバイス(タグ及びインテロゲータ)、電気抵抗又は容量センサ等の近接センサによって検出されると、充電器120の無線電力送信アンテナは、アダプタ70’’’’の無線電力受信アンテナに電流が流れるように、変動又は振動電磁場、例えば磁束を放出し始めることができる。そして、この電流は、バッテリセル50に供給される適切な充電電流に変換されることができる。
【0232】
この実施形態では、充電動作を行うために、無線電力送信アンテナが、無線電力受信アンテナに近接するだけでよい。従って、ベルトフックの表面又は内部の充電端子受け85が、ベルトフック受け146の表面又は内部の充電端子132に係合していることを確認する必要がなくなるので、ユーザに対してより便利であり得るという利点がある。
【0233】
この無線による実施形態は、無線電力受信アンテナ及び無線電力送信アンテナをそれぞれ収容する相補的なベルトフック及びベルトフック受け146を使用して実施することも可能である。この場合、ユーザが、アダプタ70’’’’又はバッテリパック40’に配置されたベルトフックを、ベルトフック受け146の内部又は表面(即ち、少なくともそれに隣接し又は近接して)配置することで、電力工具10’を自身の工具ベルト144に配置すると、近接センサがベルトフックの存在を検出し、充電器120に対し、例えば無線電力送信アンテナ(例えば誘導コイル)に振動電流を与えることによって、電力の無線による伝送を開始させることができる。
【0234】
上述したように、この無線による実施形態のアダプタ70’’’’もまた、コントローラ72、メモリ76又は通信部78を備える必要がない。代りに、アダプタ70’’’’を、単にベルトフックとして構成することができ、ベルトフックは、バッテリパック40’に物理的に接続され、充電器120によって無線送信されている電力を吸収するか又は取得する無線電力受信アンテナ(例えば誘導コイル)を備えている。ベルトフック又は、バッテリパック40’に電流を供給する基本回路も備えることができる。バッテリパック40のコントローラ42は、バッテリセル50を充電するためにメモリ46に格納された充電プログラムを実行することができる。従って、ベルトフックは、バッテリパック40’に電流を供給する役割を果たすのみであり、他のいかなる機能も行わなくてよい。
【0235】
動力工具バッテリを充電する電力の無線伝送に関するさらなる教示は、米国仮特許出願第61/511,089号明細書に提供されており、その出願の内容は、本明細書に完全に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0236】
図5Bは、各々の装置又は各装置内のサブユニットが任意選択的に実行される他の機能、及び、各々の装置又は各装置内のサブユニットに任意選択的に設けられる他の機能を示す。図5Cは、動力工具システム1’’’’の外観を示すとともに、上述した内部回路ブロックのいくつかを切断図で示す。
【実施例0237】
第6の例示的な実施形態(実施例6)もまた、第1の例示的な実施形態、第2の例示的な実施形態、第3の例示的な実施形態、第4の例示的な実施形態及び第5の例示的な実施形態と多くのオーバラップする特徴、機能、回路及び構造を共有する。従って、同様に又は実質的に同様に動作する回路及び構造には同じ参照番号が割り当てられており、そのさらなる説明は不要とする。本実施形態に参照により組み込まれる、第6の例示的な実施形態に明示的に記載されていない任意の特徴、機能、回路又は構造については、第1の例示的な実施形態、第2の例示的な実施形態、第3の例示的な実施形態、第4の例示的な実施形態及び第5の例示的な実施形態を参照されたい。
【0238】
図6Aに示す第6の例示的な実施形態の動力工具システム1’’’’’は、アダプタ70’’’’’が、上述した第1の例示的な実施形態と同様に、動力工具10に接続するように構成されているという点で、第5の例示的な実施形態と主に異なっている。動力工具10及びバッテリパック40は、概して、第1の例示的な実施形態と同様に動作するが、バッテリパック40が充電器120からアダプタ70’’’’’及び動力工具10を介して充電電流を受け取ることができるという点で異なる。ここでもまた、この例示的な実施形態は、先の実施形態のいずれかによる(無線)通信手段及び/又はディスプレイを備えるように変更することが可能である。
【0239】
さらに、充電器120及びアダプタ70’’’’’は、第5の例示的な実施形態に関して上述したものと同様に動作することができ、それにより、本実施形態では、充電器120及びアダプタ70’’’’’の全体的な説明を繰り返す必要はない。むしろ、第5の例示的な実施形態の教示は、本実施形態に全体的に組み込まれる。
【0240】
図32A図32Cを参照すると、アダプタ70’’’’’の充電端子受け85は、(図31に示すベルトフック受け146に配置された)充電器120の充電端子132に直接接続するように構成され、好ましくはベルトフック148の内部又は表面に配置されている。上述したように、ベルトフック148及びベルトフック受け146は、相補的な形状で構成されていることが好ましく、それにより、ユーザが、アダプタ70’’’’(又はバッテリパック40’)のベルトフック148をベルトフック受け146と係合させ、動力工具10’を自身のベルト144に吊り下げたときに、互いに連結、干渉又は嵌合することよって係合することができる。
【0241】
図6Bは、各々の装置又は各装置内のサブユニットが任意選択的に実行される他の機能、及び、各々の装置又は各装置内のサブユニットに任意選択的に設けられる他の機能を示す。図6Cは、動力工具システム1’’’’’の外観を示すとともに、上述した内部回路ブロックのいくつかを切断図で示す。
【0242】
第5の例示的な実施形態及び第6の例示的な実施形態は、アダプタが動力工具又はバッテリパックの一方のみに接続されることによって、充電機能が実施されることを示すが、当然ながら、充電機能は、第4の例示的な実施形態と同様に、動力工具及びバッテリパックの両方に接続するアダプタにおいて実施することも可能である。即ち、アダプタが動力工具とバッテリパックとの間に介挿されるとともに、第5の例示的な実施形態及び第6の例示的な実施形態に記載された充電機能を含むような実施形態が、本教示の範囲内に含まれることは明確に理解される。
【実施例0243】
図7は、本教示の第7の例示的な実施形態の一例であって、上述した第1の例示的な実施形態の改善例である動力工具システムの外観を示す。従って、第7の例示的な実施形態では、第1の例示的な実施形態と同じ要素に対して同じ参照番号が使用されており、その説明は、参照により第7の例示的な実施形態に組み込まれる。
【0244】
図7に示す動力工具システムは、手持式動力工具10及びバッテリパック40を備えている。バッテリパック40は、動力工具ハウジング32に設けられたバッテリパックインタフェース34に、着脱可能に構成されている。取り付けられたバッテリパック40は、動力工具10、例えば、そこに収容された電気モータMであって、電動装置として機能するものに電流を供給する。但し、例えばライト、ラジオといった、他の電動装置についても、本教示によって駆動することが可能である。
【0245】
図8は、動力工具システム1のためのアダプタ70が設けられた、バッテリパックインタフェース34の背面図を示す。アダプタ70は、動力工具ハウジング32とバッテリパック40との間に位置している。図8に示すアダプタ70は、無線通信アダプタ(上記において詳述したもの)であって、比較的に小型サイズのアダプタの一例である。この実施形態では、アダプタ70の全体が、動力工具ハウジング32とバッテリパック40との間に位置し、そのため、アダプタ70のいずれも(いかなる部分も)、動力工具ハウジング32及びバッテリパック40の外面又は輪郭を越えて突出していない。
【0246】
さらに、動力工具10及びバッテリパック40は、アダプタ70の少なくとも一部が開口部36によって視認可能に露出されるように構成されており、それによって、動力工具のユーザは、いずれの種類のアダプタが、動力工具10に現在取り付けられているのか(即ち、それがいずれの機能を提供するか)を、簡単な方法で視覚的にチェックすることができる。アダプタの種類を示すように、通信アダプタ70の外面には、名称、文字又は符号、例えば「1」等の特定の表示を付することができる。
【0247】
図9は、バッテリパック40が取り付けられていない状態で、動力工具ハウジング32に画定又は設けられたバッテリパックインタフェース34の底面図を示す。アダプタ70は、動力工具ハウジング32に着脱可能に構成されている。この実施形態では、バッテリパック40及びアダプタ70の両者を、動力工具ハウジング32に取り付けることができる。即ち、アダプタ70は、バッテリパック40に直接接続されない。さらに、バッテリパック40は、アダプタ70が存在する(接続されている)のか否かにかかわらず、動力工具ハウジング32に(即ち、そのバッテリパックインタフェース34に)対して、動力工具10に電流が供給されるように取り付けることができる。
【0248】
図10は、動力工具ハウジング32から取り外されたアダプタ70を示す。この実施形態のアダプタ70は、バッテリパックインタフェース34の下側又は底側から、バッテリパックインタフェース34に対して着脱される。従って、この実施形態では、バッテリパック40が動力工具10から取り外された(分離された)ときにのみ、アダプタ70を着脱することができる。バッテリパック40が取り外され、動力工具10及びアダプタ70に電力が供給されていないので、ユーザは、安全にアダプタ70を動力工具ハウジング32に取り付ける(かつそこから取り外す)ことができる。
【0249】
さらに、アダプタ70の下面は、バッテリパック40によって支持される。従って、アダプタ70は、動力工具ハウジング32から、予期せず又は意図せずに取り外されることが防止される。図8及び図10に示すように、アダプタ70は、任意選択的に、ねじ部品92、例えばねじ又はボルトによって、ハウジング32に取り付けることができる。変形例として、棒状のラッチ装置を、中空の円柱状部分91(さらに後述する)に挿入してもよく、締り嵌め、又はねじ接続以外の接続により、動力工具ハウジング32に結合してもよい。
【0250】
図11は、無線通信アダプタ70の代表的な例を単独で示す。このアダプタ70は、動力工具10と接続するように構成された雄コネクタ94を備えている。アダプタ70の雄コネクタ94は、複数の穴96(「少なくとも一つの穴」の一例)を有し、コンタクト端子97が、それぞれの穴96内の突出体98上に配置されている。アダプタ70は、中空の円柱状部分91をさらに備え、その内部には、アダプタ70を動力工具ハウジング32に締結又は取り付けるために、ねじ部品92が配置される。後段でさらに説明するように、円柱状部分91はまた、ストラップ150を取り付ける支柱又はブラケットとしての役割も果たす。
【0251】
さらに、図10及び図11に示すように、アダプタ70には、その両側の側面に、リブ93を設けることができる。リブ93は、動力工具ハウジング32に画定された対応するスロット33内を摺動することができ、それによって、動力工具10に取り付けられたアダプタ70を構造的に支持する。
【0252】
図12は、アダプタ70がないときのバッテリパックインタフェース34であって、動力工具ハウジング35とバッテリパック40との間に、アダプタ70の少なくとも一部を受け入れる空間35が図示されている。バッテリパックインタフェース34の内部には、雌コネクタ37が設けられており、アダプタ70の雄コネクタ94を受け入れる(それに係合する)ように構成されている。雌コネクタ37は、周壁39によって画定された凹状部の内部に、コンタクトピン38を備えている。雌コネクタ37がアダプタ70の雄コネクタ94を受け入れると、雌コネクタ37のコンタクトピン38が、雄コネクタ94の穴96に入って、雄コネクタ94のコンタクト端子97と物理的かつ電気的に接触する。雌コネクタ37の周壁39は、コンタクトピン38を包囲しており、コンタクトピン38がユーザの指又は他の物体と接触することを防止する。
【0253】
図13から図15は、動力工具ハウジング32、アダプタ70及びバッテリパック40を備える代表的な動力工具システムの断面図及び切断図を示す。図13から図15は、アダプタ70が、動力工具システムの外殻内に完全に配置されている様子を示しており、アダプタ70のいかなる部分も、動力工具ハウジング32の外側輪郭及び/又はバッテリパック40の外側輪郭から突出しないことが理解される。しかしながら、明らかなように、アダプタ70は、動力工具ハウジング32の外側輪郭及び/又はバッテリパック40の外側輪郭から、部分的に又は実質的に突出するように設計変更されてもよい。
【0254】
図16は、バッテリパックインタフェース34の切取図を示す。なお、図示明瞭化のために、動力工具10のいくつかの要素は省略されている。
【0255】
図13から図16に示すように、動力工具10は、回路基板13とともに電子ユニット11を備えている。雌コネクタ37は、電子ユニット11と一体的に形成することができ、コンタクトピン38は、回路基板13から伸びている。同様に、アダプタ70にも回路基板73が設けられており、コンタクト端子97は回路基板73上に配置されている。
【0256】
図13に示す横断面では、雄コネクタ94と雌コネクタ37との接続がより詳細に示されている。特に、垂直に伸びるコンタクトピン38が、コンタクト端子97と接触している。それにより、図1A図1Cを用いて上述し、また図28を用いて後述するように、動力工具10(特に、その中に配置されたコントローラ12)と、アダプタ70(特にその中に配置されたコントローラ72)との間に通信経路が確立される。
【0257】
動力工具10の電子ユニット11は、好ましくは、コントローラ12、メモリ16、通信部18及びその他を備えており、それらによって、動力工具10の電子的な機能が実行される。これらの電子回路のうちの一つ又は複数は、好ましくは、回路基板13に設けることができる。
【0258】
図14及び図15は、動力工具ハウジング32の正面から見たときの、アダプタ70の横断面を示す。コンタクト端子97とコンタクトピン38との間の電気接続が、明確に示されている。
【0259】
図16では、バッテリパック40及びアダプタ70の上方に配置された動力工具10の電子ユニット11が示されている。コンタクトピン38が露出している。後述するように、ストラップ150は、任意選択的に、円柱状部分91を介してアダプタ70に取り付けられることができる。
【0260】
図17は、動力工具10から取り除かれた電子ユニット11を示す。雌コネクタ37は、電子ユニット11と一体的に形成されている。周壁39は、コンタクトピン38を取り囲んでいる。
【実施例0261】
図18から図20は、上述した第4の例示的な実施形態の変形例であって、本教示によるアダプタ70’’’の別の代表的な実施形態を示す。この第8の例示的な実施形態において、第4の例示的な実施形態と同じ要素には同じ参照番号を使用し、その説明は、参照により第8の例示的な実施形態に組み込まれる。
【0262】
アダプタ70’’’は、中間サイズのアダプタの一例であって、ディスプレイ80を有するディスプレイアダプタである。こうしたアダプタ70’’’は、動力工具ハウジング32の外側に部分的に位置する、又は配置される(即ち、アダプタ70’’’の一部は、動力工具ハウジング32及び/又はバッテリパック40の外壁又は外側輪郭から突出する)。
【0263】
ディスプレイアダプタ70’’’もまた、先の実施形態による雄コネクタ94、円柱状部分91及びリブ93を備えることができる。即ち、取り付け構造は、無線通信アダプタ70に設けられた取り付け構造と同一であってよい。さらに、アダプタの種類を特定するために、ディスプレイアダプタ70’’’の外面には、名称、文字又は符号、例えば「2」といった特定の表示を設けることができる。
【0264】
ディスプレイ80は、好ましくはLCD(液晶ディスプレイ)であるが、本教示は特にこれに限定されず、上述又は後段で請求項に記載するように、本教示において、他のタイプのディスプレイ技術を有効に利用することができる。
【0265】
アダプタ70’’’の電子機能は、上記図4A図4Cに示す回路によって、又は後に図29を用いて説明するように、実行されることができる。
【実施例0266】
図21及び図22は、本教示によるアダプタ70’’’’’’の別の代表的な実施形態(実施例9)を示す。このアダプタ70’’’’’’は、大型サイズのアダプタの一例であって、可撓性アーム154によって支持されたライト152を有する照明アダプタである。こうしたアダプタ70’’’’’’はまた、先の実施形態と同様に、動力工具10の外側に部分的に位置する。照明アダプタ70’’’’’’は、先の実施形態による、共通の取り付け構造、即ち雄コネクタ94、円柱状部部分91及びリブ93を備えることができる。アダプタの種類を特定するために、ディスプレイアダプタ70’’’’’’の外面には、名称、文字又は符号、例えば「3」といった特定の表示を付すことができる。
【0267】
可撓性アーム154は、好ましくは、ライト152の照明方向をユーザが変更するのを可能にするように可撓性を有する一方で、ライト152の向きをユーザが設定した所望の向き維持するように、剛性も有する。ユーザがライト152を選択的に照明することができるように、アダプタ70’’’’’’の外側には、手動式のオン/オフフスイッチ156を設けることができる。
【0268】
アダプタ70’’’’’’の電子機能は、後段で図30を参照して説明する回路によって実現されることができる。
【0269】
ライト152は、好ましくは、一つ又は複数のLEDを用いて具現化されるが、本教示のこの態様において、白熱灯や蛍光灯など、他の照明技術を交換可能に使用することができる。
【実施例0270】
図23から図25はダミーアダプタ170を示す。ダミーアダプタは、プラスチックで形成された部品であって、先のアダプタ(それらのすべては、少なくとも一つの電気的機能を行うことができる)と同じ外側形状又は輪郭を有する。ダミーアダプタ170は、前述した機能性のアダプタと置き換えて、動力工具ハウジング32に取り付けることができる。従って、ユーザは、アダプタ用のスロットにいかなる機能性のアダプタも挿入する必要がないときに、ダミーアダプタ170を動力工具10に取り付けることができる。ダミーアダプタ170は、動力工具10の外面に形成された開口部36に嵌合し、埃及び湿気が入るのを防止する。さらに、ダミーアダプタ170は、動力工具10の雌コネクタ37に結合するダミー雄コネクタ94を有し、雌コネクタ37及びコンタクトピン38を保護することができる。ダミーアダプタ170はまた、ダミーアダプタ170を動力工具ハウジング32にねじ部品92を介して取り付けるために、円柱状部分91を有することができる。
【実施例0271】
図26及び図27は、アダプタ70(又は、前述した実施形態のいずれか一つのアダプタ)の円柱状部分91に取り付けられたストラップ150を示す。ユーザは、アダプタ70等を取り外すことにより、ストラップ150を円柱状部分91に対して容易に着脱することができる。ストラップ150を自由に又は揺動可能に支持するために、円柱状部分91と動力工具ハウジング32との間には、空間が形成されている。ねじ部品92が中空の円柱状部分91を通過して伸びているので、円柱状部分91は破損に対して補強される。
【0272】
図28は、第7の例示的な実施形態による、バッテリパック40、動力工具10及び無線通信アダプタ70の代表的な回路図を示す。この回路は、図1A図1Cに示す回路及び図表と同じ基本的な電子機能を提供する。従って、図28では、図1A図1Cと同じ要素に同じ参照数字が付されており、それらの説明は、参照により本実施形態に組み込まれる。図28に示されているが、下記に明示的に記載されていない任意の要素の説明については、上記した図1A図1Cに関連する説明を参照されたい。
【0273】
アダプタ70は、電子的に通信するMPU(マイクロプロセッサユニット)又はCPU72と、RF(無線周波数)モジュール78とを備える。アダプタ70の通信端子74、即ち「+」端子、「SW」端子、「Tx」端子、「Rx」端子、「BS」端子及び「-」端子は、雄コネクタ94に設けられたコンタクト端子97に対応する、又はそれらによって構成されている。それに対応して、動力工具10の通信端子24、即ち「+」端子、「SW」端子、「Tx」端子、「Rx」端子、「BS」端子及び「-」端子は、雌コネクタ37に設けられたコンタクトピン38に対応する、又はそれらによって構成されている。通信アダプタ70は、動力工具10を介してバッテリパック40に電気的に接続されている。アダプタ70のMPU72は、バッテリパック40のMPU42と、動力工具10のMPU12を介して通信する。RFモジュール(通信部)78によって生成されるRF信号は、アンテナ79を介して(上述した実施形態による)外部装置に無線送信される。
【0274】
無線通信アダプタについて上に開示したが、有線通信アダプタを具現化できることも明らかである。この場合、RFモジュール78は、有線コネクタに置き換えることができる。その有線コネクタは、特に限定されないが、USBコネクタのような本技術分野において既知である任意の種類のプラグ・ソケットコネクタであってよく、動力工具及び/又はバッテリパックのプロセッサと外部装置(例えばコンピューティングバス)のプロセッサとの間のシリアル通信又はパラレル通信を提供し得るものであればよい。
【0275】
図29は、第8の例示的な実施形態によるバッテリパック40、動力工具10及びディスプレイアダプタ70’’’の代表的な回路図を示す。この回路は、図4A図4Cに示す回路及び図表と同じ基本的な電子機能を提供する。図29では、図4A図4Cと同じ要素に同じ参照数字が付されており、その説明は、参照により本実施形態に組み込まれる。図29に示されているが、以下には明示的に記載されていない任意の要素の説明については、上記した図4A図4Cに関連する説明を参照されたい。
【0276】
ディスプレイアダプタ70’’’は、MPU(又はCPU)72と、LCD制御IC(集積回路)又はLCDドライバ81と、LCDパネル80とを備える。LCDパネル80は、本技術分野において周知である方法により、MPU72によって生成されるビデオ信号に基づいて、LCDドライバ81により駆動されることができる。
【0277】
図30は、第9の例示的な実施形態によるバッテリパック40、動力工具10及び照明アダプタ70’’’’’’の代表的な回路図を示す。照明アダプタ70’’’’’’は、MPU又はCPU72と、複数のLED153と、定電流回路(例えば電流調整器)155と、手動式のオン/オフスイッチ156を備えている。手動スイッチ156が起動操作されると、MPU72はFET158をオンにして、LED153を点灯させる。定電流回路155は、本技術分野において周知である方法で、MPU72からの命令に従って、LED153を流れる電流の量を変更することにより、LED153の明るさを調整する。
【0278】
図30の他の回路及び要素は、上述した図28及び図29と同様に動作する。従って、再度の説明は不要とする。
【0279】
本教示のアダプタ及び充電器では、リチウム系バッテリセル、特に現時点では、リチウムイオンバッテリセルの使用が好ましい。但し、本教示は、この点に関して特に限定されず、例えばリチウム金属酸化物、リチウムポリマー、リチウム金属リン酸塩、リチウム硫黄、リチウム硫化物及びリチウム硫酸塩等、他の任意の好適なバッテリ化学物質を利用することができる。
【0280】
さらに、アダプタ70、70’’’、70’’’’、70’’’’’を動力工具10に係合させる一つの好適な手段として、要素91から94を説明したが、本教示は、これに関して特に限定されない。本教示では、例えば、アダプタを動力工具及び/又はバッテリパックと物理的に係合させるために、一つ又は複数のスライドレール、プラグ-ソケット機構、他のタイプのねじ接続(例えば、アダプタを動力工具ハウジングの外側部分又は内側部分に及び/又はバッテリパックに締結するねじ又はボルト)、一つ又は複数のクランプ、一つ又は複数の留め金等、さまざまな他の噛合い、形状嵌合、圧入又は締結具接続を、交換可能に利用することができる。要するに、動力工具ハウジング及び/又はバッテリパックに対してアダプタを着脱可能とする任意のタイプの要素又は要素の組は、バッテリパック及び/又は動力工具に「着脱可能に接続する手段」という表現に含まれると理解されるべきである。
【0281】
本明細書は、限定されないが、下記するさらなる実施形態を開示する。
【0282】
1.着脱式バッテリパックによって駆動される動力工具用のアダプタであって、
前記動力工具のみに着脱可能に接続する手段と、
少なくとも一つのマイクロプロセッサといったコントローラと、
前記コントローラと通信する少なくとも一つのメモリ又は記憶装置と、
例えば少なくとも一つのマイクロプロセッサといった、動力工具に位置するコントローラと電気的に通信可能に構成された少なくとも一つの通信ポートと、
を備えるアダプタ。
【0283】
2.少なくとも一つのマイクロプロセッサといったコントローラを備えるバッテリパックが前記動力工具に接続されると、前記バッテリパックのコントローラが動力工具コントローラを介して前記アダプタのコントローラと通信するように、通信経路が確立される、実施形態1によるアダプタ。
【0284】
3.着脱式バッテリパックによって駆動される動力工具用のアダプタであって、
前記バッテリパックのみに着脱可能に接続する手段と、
少なくとも一つのマイクロプロセッサといったコントローラと、
前記コントローラと通信する少なくとも一つのメモリ又は記憶装置と、
少なくとも一つのマイクロプロセッサといった、バッテリパックに位置するコントローラと電気的に通信するように構成された少なくとも一つの通信ポートと、
を備えるアダプタ。
【0285】
4.少なくとも一つのマイクロプロセッサといったコントローラを備える動力工具に前記バッテリパックが接続されると、前記動力工具のコントローラが前記バッテリパックのコントローラを介して前記アダプタのコントローラと通信するように、通信経路が確立される、実施形態3によるアダプタ。
【0286】
5.着脱式バッテリパックによって駆動される動力工具用のアダプタであって、
前記バッテリパックに着脱可能に接続する第1手段と、
前記動力工具に着脱可能に接続する第2手段と、
少なくとも一つのマイクロプロセッサといったコントローラと、
前記コントローラと通信する少なくとも一つのメモリ又は記憶装置と、
少なくとも一つのマイクロコントローラといった、前記バッテリパックに位置するコントローラと電気的に通信するように構成された少なくとも一つの第1通信ポートと、
少なくとも一つのマイクロコントローラといった、前記動力工具に位置するコントローラと電気的に通信するように構成された少なくとも一つの第2通信ポートと、
を備えるアダプタ。
【0287】
6.前記アダプタが前記バッテリパック及び前記動力工具に接続されると、前記バッテリパックのコントローラが前記アダプタのコントローラと通信し、前記アダプタのコントローラが前記動力工具コントローラと通信するように、通信経路が確立される、実施形態5によるアダプタ。
【0288】
7.前記アダプタは、バッテリパックの残存バッテリ容量を測定するように構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0289】
8.前記アダプタは、前記バッテリパックに位置するバッテリセルの放電電圧を測定するように構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0290】
9.前記アダプタは、測定された残存バッテリ容量及び/又は測定されたバッテリセルの放電電圧に基づいて、動力工具が実施可能な残りの動作回数を推定するようにさらに構成又は適合されている、実施形態7又は8によるアダプタ。
【0291】
10.前記少なくとも一つのメモリは、複数の動力工具の動作に対応付けて一組のエネルギー値を格納しており、前記コントローラは、測定された残存バッテリ容量及び/又はバッテリセルの測定された放電電圧に基づいて、前記動力工具が実施可能な残りの動作回数を、測定された残存バッテリ容量を現在実施されている動力工具の動作に対応付けて格納されたエネルギー値で除算することにより、計算するように構成又は適合されている、実施形態9によるアダプタ。
【0292】
11.前記アダプタ、動力工具又はバッテリパックのうちの少なくとも一つは、前記動力工具の動作の実行中における消費エネルギーを動的に測定するようにさらに構成又は適合されており、前記アダプタのコントローラは、測定された残存バッテリ容量及び/又はバッテリセルの測定された放電電圧に基づいて、同じ類型の動作について動力工具が実施可能な残りの動作回数を、測定された残存バッテリ容量を前記動力工具の動作中における消費エネルギーの測定量で除算することによって計算するように構成されている、実施形態9又は10によるアダプタ。
【0293】
12.前記アダプタのコントローラは、
複数の動力工具の動作に対して消費エネルギーの測定量をメモリに格納し、
測定された残存バッテリ容量を、前記複数の動力工具の動作に対する消費エネルギーの測定量の代表値又は平均値によって除算することにより、前記動力工具の残り動作回数を計算する、
ように構成されている、実施形態11によるアダプタ。
【0294】
13.最大電流制限に関する値といった、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具のメモリに格納された一つ又は複数の動作パラメータを変更するように構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0295】
14.前記動作パラメータの変更に関する指令を、外部装置から受け取るように構成又は適合されている、実施形態13によるアダプタ。
【0296】
15.動力工具及び/又はバッテリパックに関するメンテナンス情報を、格納、表示、及び/又は例えば外部装置に送信するように構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0297】
16.前記メンテナンス情報は、
(i)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の日付、
(ii)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の結果、
(iii)動力工具及び/又はバッテリパックの累積又は総使用(動作)時間、
(iv)バッテリパックの利用可能な充電量又は充電状態(残存バッテリ容量)、
(v)バッテリパックが経験した充電サイクルの回数、
(vi)バッテリパックの一つ又は複数のバッテリセルの状態であって、例えばバッテリセルの内部インピーダンスの測定値から計算されるもの、
(vii)動力工具及び/又はバッテリパックの一つ又は複数の交換可能な部品の予測される残存耐用寿命、
(viii)動力工具及び/又はアダプタ及び/又はバッテリパック用のメンテナンススケジュール、
(ix)動力工具及び/又はアダプタ及び/又はバッテリパックの使用履歴、
(x)アダプタ、バッテリパック及び/又は動力工具の管理責任者の名前、
(xi)バッテリパック及び/又は動力工具の通し番号、
(xii)一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの電圧、
(xiii)一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの放電電流、
(xiv)一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの温度、
(xv)バッテリパック及び/又は動力工具がオン及び/又はオフに切り換えられた回数、
(xvi)所定期間内における充電量又は放電量(例えば、過去二時間の間に放電された電力量)、
のうちの一つ又はいずれか任意の組合せである、実施形態15によるアダプタ。
【0298】
17.前記外部装置が前記アダプタに格納されたメンテナンス情報にアクセスするのを可能にするように構成又は適合されている、実施形態15又は16によるアダプタ。
【0299】
18.動作中の前記動力工具の電気モータに供給される放電電流を動的に検出し、検出された放電電流を格納するように構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0300】
19.前記検出された放電電流を放電電流上限及び/又は放電電流下限と比較し、任意選択的に、その比較結果を用いて、当該動力工具の動作を行うための異なる動力工具を提案するようにさらに構成又は適合されている、実施形態18によるアダプタ。
【0301】
20.前記検出された放電電流及び/又は前記動力工具の提案を、外部装置に送信するようにさらに構成又は適合されている、実施形態18又は19によるアダプタ。
【0302】
21.前記バッテリパックの最大充電レベルを変更するようにさらに構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0303】
22.盗難防止機能を行うようにさらに構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0304】
23.前記盗難防止機能が、外部装置からバッテリパック及び/又は動力工具に位置する電子ロックに送信される鍵の通信を含む、実施形態22によるアダプタ。
【0305】
24.前記アダプタ、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の管理責任者に関する情報を格納するようにさらに構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0306】
25.前記バッテリパックの充電速度を、例えば、アダプタに手動で入力された命令に基づいて、又は、外部装置によって送信される指示に基づいて、変更するようにさらに構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0307】
26.前記指示は、充電電流の増大及び/又はバッテリパック温度閾値の上昇を含む、実施形態25によるアダプタ。
【0308】
27.温度、電流及び/又は電圧といった、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の動作状態を示す一つ又は複数の値を測定するようにさらに構成又は適合されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0309】
28.前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の動作状態を示す値を表示するようにさらに構成又は適合されている、実施形態27によるアダプタ。
【0310】
29.前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の動作状態を示す値を、外部装置に送信するようにさらに構成又は適合されている、実施形態27又は28によるアダプタ。
【0311】
30.前記動力工具及び/又は前記バッテリパックに関する情報を、外部装置に無線通信する手段をさらに備える、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0312】
31.前記情報を無線通信する手段は、
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイス、例えばWiFi(即ち、IEEE802.11によって列挙される無線通信プロトコルに従って動作する)等の無線通信デバイス、
Bluetoothデバイス、
無線周波数(RF)通信デバイス、又は
セルラもしくは携帯電話デバイス
のうちの一つ又は複数を含む、実施形態30によるアダプタ。
【0313】
32.前記通信される情報が、
実施形態7から12のいずれか一つによる、測定された残存バッテリ容量、及び/又は残存バッテリ容量で同じ類型の動作を動力工具が実施可能な残りの動作回数、
実施形態13による、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具のメモリに格納された一つ又は複数の動作パラメータ、例えば最大電流制限の値、
実施形態15又は16によるメンテナンス情報、
実施形態18から20による検出された放電電流及び/又は動力工具の提案、
実施形態22又は23による盗難防止機能又は鍵、
実施形態24による、前記アダプタ、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の管理責任者、
実施形態25又は26による前記バッテリパックの充電速度を変更するための情報、
実施形態27又は28による前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の動作状態を示す値
のうちの一つ又はいずれかの任意の組合せである、実施形態30又は31によるアダプタ。
【0314】
33.前記通信される情報が、前記バッテリパックの新たな最大充電レベルを示す値である、実施形態30、31又は32によるアダプタ。
【0315】
34.前記最大充電レベルが、前記バッテリパックの充電動作の終了タイミングを確定する、実施形態33によるアダプタ。
【0316】
35.前記外部装置はスマートフォンである、実施形態25から34のいずれか一つによるアダプタ。
【0317】
36.前記外部装置は、PDA、タブレットコンピュータ又はラップトップコンピュータといった、携帯型計算装置を含む、実施形態25から34のいずれか一つによるアダプタ。
【0318】
37.前記外部装置は、デスクトップコンピュータ、サーバ又はメインフレームコンピュータを含む、実施形態25から34のいずれか一つによるアダプタ。
【0319】
38.前記指令、前記データ、前記情報、前記動作パラメータ及び/又は前記ユーザの選好を、アダプタに直接入力するように構成又は適合された入力デバイスをさらに備える、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0320】
39.前記入力デバイスは、タッチパッド、タッチスクリーン、アップ/ダウンボタン、プッシュボタン及び/又はトグルスイッチを含む、実施形態38によるアダプタ。
【0321】
40.ディスプレイをさらに備える、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0322】
41.前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイといった発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイを含む、実施形態40によるアダプタ。
【0323】
42.前記ディスプレイはタッチパッド又はタッチパネルである、実施形態40又は41によるアダプタ。
【0324】
43.前記ディスプレイは、前記バッテリパックの充電レベル(残存バッテリ容量)、過熱を示す警報、前記バッテリパックの残存バッテリ容量で同じ類型の動作を動力工具が実施可能な残り動作回数の推定値、前記動力工具及び前記バッテリパックの管理責任者の名前、前記メンテナンス情報、前記充電速度値、前記検出された放電電流値、前記動作パラメータ、又はバッテリパック及び/又は動力工具の動作状態を示す任意の値といった、先の実施形態又は以下の実施形態に記載される情報、値又は機能のいずれかを視覚的に表示するように構成されている、実施形態40、41又は42によるアダプタ。
【0325】
44.前記ディスプレイは、前記バッテリパックの最大充電レベルを視覚的に表示するように構成されている、実施形態40から43のいずれか一つによるアダプタ。
【0326】
45.充電器から電力を取得する手段をさらに備え、前記バッテリパックに位置する一つ又は複数のバッテリセルを充電するために、前記バッテリパックに電流を供給するように構成されている、上記したいずれかの実施形態によるアダプタ。
【0327】
46.前記充電器から電力を取得する手段は、前記充電器の少なくとも一つの充電端子に接続し、前記充電器からアダプタに電流を導通させるように構成された少なくとも一つの充電端子受けを含む、実施形態45によるアダプタ。
【0328】
47.前記充電器から電力を取得する手段は、誘導コイルといった少なくとも一つの無線電力受信アンテナを有し、前記無線電力受信アンテナは、前記充電器の誘導コイルといった少なくとも一つの無線電力送信アンテナに近接したときに、電流を発生するように構成されている、実施形態45によるアダプタ。
【0329】
48.ユーザが装着する工具ベルトに吊り下がるように構成されたベルトフックをさらに備え、前記充電器から電力を取得する手段が、ベルトフックの内部又は表面に配置されている、実施形態45、46又は47によるアダプタ。
【0330】
49.機械的接点、圧力センサ又はスイッチ、無線周波数識別(RFID)デバイス、磁石又はリードスイッチもしくはホールセンサ等の磁場センサ、及び/又は電気抵抗もしくは容量センサといった、前記充電器が前記アダプタに近接したときに信号、例えば充電開始信号を出力するように構成された近接センサをさらに備える、実施形態45から48のいずれか一つによるアダプタ。
【0331】
50.実施形態45から49のいずれか一つによるアダプタと、充電器と、を備える携帯型バッテリパック充電システム。
【0332】
51.前記充電器は、前記アダプタの少なくとも一つの充電端子受けに電気的に接続するように構成された少なくとも一つの充電端子を備える、実施形態50による携帯型バッテリパック充電システム。
【0333】
52.前記充電器は、前記アダプタの誘導コイルといった無線電力受信アンテナに電力を無線で伝送するように構成された、誘導コイルといった無線電力送信アンテナを備える、実施形態50による携帯型バッテリパック充電システム。
【0334】
53.前記充電器は、内蔵型電源を備える、又はそれに取り付けられる、実施形態50から52のいずれか一つによる携帯型バッテリパック充電システム。
【0335】
54.前記内蔵型電源は、複数の充電式バッテリセルを備える、実施形態53による携帯型バッテリパック充電システム。
【0336】
55.前記充電器の充電式バッテリセルが、前記バッテリパックのバッテリセルよりも高い蓄電容量と、前記バッテリパックのバッテリセルよりも低い公称電流を有する、実施形態54による携帯型バッテリパック充電システム。
【0337】
56.前記充電器をユーザに取り付ける手段をさらに備える、実施形態50から55のいずれか一つによる携帯型バッテリパック充電システム。
【0338】
57.前記取り付ける手段は、着脱式フック及びループファスナ、例えばベルクロ(登録商標)を有するストラップ、着脱式留め金又は締結具を有するストラップ、ベルト又はバックパックといった、ユーザの手足、胴部又は背部に前記充電器を着脱可能に構成されたハーネスを有する、実施形態56による携帯型バッテリパック充電システム。
【0339】
58.取り付ける手段は、
(i)前記アダプタの少なくとも一つの充電端子受けに接続するように構成された少なくとも一つの充電端子を備えるベルトフック受け、又は
(ii)前記アダプタの無線電力受信アンテナに電力を無線送信するように構成された前記無線電力送信アンテナ
のうちの一方をさらに有する、実施形態56又は57による携帯型バッテリパック充電システム。
【0340】
59.前記ベルトフック受け又は前記無線電力送信アンテナは、ユーザが装着する工具ベルトに取り付けられるように構成され、又は工具ベルトに一体的である、実施形態58による携帯型バッテリパック充電システム。
【0341】
60.前記バッテリパックに供給される充電電流を決定するように構成された充電制御回路をさらに備える、実施形態50から59のいずれか一つによる携帯型バッテリパック充電システム。
【0342】
61.前記充電制御回路は、アダプタ及び/又はバッテリパックに位置している、実施形態60による携帯型バッテリパック充電システム。
【0343】
62.前記充電制御回路は充電器に位置している、実施形態60による携帯型バッテリパック充電システム。
【0344】
63.前記充電器は、前記バッテリパックを少なくとも1回、より好ましくは少なくとも5回、さらに好ましくは少なくとも10回完全に充電するのに十分なエネルギーを蓄積する、実施形態50から62のいずれか一つによる携帯型バッテリパック充電システム。
【0345】
64.前記充電器は、機械的接点、圧力センサ又はスイッチ、無線周波数識別(RFID)デバイス、磁石又はリードスイッチもしくはホールセンサ等の磁場センサ、電気抵抗又は容量センサ等、充電器、又は少なくともその充電端子もしくは無線電力送信アンテナがアダプタに近接すると、信号、例えば充電開始信号を出力するように構成された近接センサをさらに備える、実施形態50から63のいずれか一つによる携帯型バッテリパック充電システム。
【0346】
65.前記近接センサは、前記充電器のベルトフック受けの内部又は表面に配置されている、実施形態64による携帯型バッテリパック充電システム。
【0347】
66.前記近接センサは前記充電器のコントローラに接続された磁場センサを有し、前記アダプタは磁石を有する、実施形態64又は65による携帯型バッテリパック充電システム。
【0348】
67.前記近接センサは、前記充電器のコントローラに接続されたRFIDインテロゲータを含み、アダプタがRFIDタグを備える、実施形態64又は65による携帯型バッテリパック充電システム。
【0349】
70.例えば手持式の動力工具といった、動力工具のバッテリパックを充電する携帯型システムであって、
前記バッテリパックの少なくとも一つのバッテリセルを充電するために電力を供給するように構成又は適合された充電器と、
前記充電器をユーザに取り付ける手段と、
を備える携帯型システム。
【0350】
71.前記充電器は、内蔵型電源を備える、又はそれに取り付けられる、実施形態70による携帯型システム。
【0351】
72.前記内蔵型電源は、複数の充電式バッテリセルを備える、実施形態71による携帯型システム。
【0352】
73.前記充電器の充電式バッテリセルは、前記バッテリパックのバッテリセルより高い蓄電容量と、前記バッテリパックのバッテリセルより低い公称電流を有する、実施形態72による携帯型システム。
【0353】
74.前記取り付ける手段が、着脱式フック及びループファスナ、例えばベルクロ(登録商標)を有するストラップ、着脱式留め金又は締結具を有するストラップ、ベルト又はバックパックといった、ユーザの手足、胴部又は背部に前記充電器を着脱可能に構成されたハーネスを有する、実施形態70から73のいずれか一つによる携帯型システム。
【0354】
75.前記取り付ける手段は、
(i)前記アダプタの少なくとも一つの充電端子受けに接続するように構成された少なくとも一つの充電端子を備えるベルトフック受け、又は
(ii)前記アダプタの無線電力受信アンテナに電力を無線送信するように構成された前記無線電力送信アンテナ
のうちの一方をさらに有する、実施形態70から74のいずれか一つによる携帯型システム。
【0355】
76.無線電力送信アンテナは誘導コイルを含む、実施形態75による携帯型システム。
【0356】
77.前記ベルトフック受け又は前記無線電力送信アンテナは、ユーザが装着する工具ベルトに取り付けられるように構成される、又は工具ベルトに一体的である、実施形態75又は76による携帯型システム。
【0357】
78.前記ベルトフック受けは、前記バッテリパックに取り付けられたベルトフックと係合するように構成又は適合されている、実施形態75から77のいずれか一つによる携帯型システム。
【0358】
79.前記ベルトフック受けは、前記充電端子もしくは前記無線電力送信アンテナが前記バッテリパックに取り付けられたベルトフックに近接すると、信号、例えば充電開始信号を出力するように構成された近接センサをさらに備え、前記近接センサは、限定されないが機械的接点、圧力センサ又はスイッチ、無線周波数識別(RFID)デバイス、磁石又はリードスイッチもしくはホールセンサ等の磁場センサ、電気抵抗又は容量センサを含む、実施形態78による携帯型システム。
【0359】
80.前記充電端子受け又は前記無線電力送信アンテナのうちの一方を備えるベルトフックに接続されたバッテリパックをさらに備える、実施形態70から79のいずれか一つによる携帯型システム。
【0360】
81.無線電力受信アンテナが誘導コイルを含む、実施形態80による携帯型システム。
【0361】
82.前記ベルトフックは、前記バッテリパックの少なくとも一つのバッテリセルに電気的に接続されるアダプタに取り付けられる、実施形態80又は81による携帯型システム。
【0362】
83.前記アダプタは、充電電流を充電器からバッテリパックに導通させるように構成又は適合されたワイヤを備える、実施形態82による携帯型システム。
【0363】
84.前記アダプタは、バッテリ充電動作を制御するように構成又は適合されたコントローラ及びメモリをさらに備える、実施形態83による携帯型システム。
【0364】
85.前記バッテリパックに供給される充電電流を決定するように構成された充電制御回路をさらに備える、実施形態70から84のいずれか一つによる携帯型システム。
【0365】
86.前記充電制御回路は充電器に位置している、実施形態85による携帯型システム。
【0366】
87.充電制御回路は、バッテリパックに、又はバッテリパックに電気的に接続されたアダプタに位置している、実施形態85による携帯型システム。
【0367】
88.前記充電器は、前記バッテリパックを少なくとも1回、より好ましくは少なくとも5回、さらに好ましくは少なくとも10回完全に充電するのに十分なエネルギーを蓄積する、実施形態80から87のいずれか一つによる携帯型システム。
【0368】
90.バッテリパックを充電する方法であって、
携帯型充電器をユーザに取り付けるステップであって、携帯型充電器が内蔵型電源を有する、又はそれに取り付けられ、携帯型充電器の第1充電ポートがユーザによって装着されるベルトに配置されるステップと、
前記バッテリパックが動力工具と物理的に係合されかつ電気的に接続されている間に、前記バッテリパックをベルトに吊り下げるステップと、
前記第1充電ポートが、前記バッテリパックの少なくとも一つのバッテリセルと電気的に接続されている第2充電ポートに近接すると、前記充電器からバッテリパックへの電力の伝送を開始するステップと、
を含む方法。
【0369】
91.前記第1充電ポート及び前記第2充電ポートは、前記充電器から前記バッテリパックの少なくとも一つのバッテリセルに電流、より好ましくは充電電流を導通させるように構成又は適合された相補的な端子を備える、実施形態90による方法。
【0370】
92.前記第1充電ポートは無線電力送信アンテナを含み、第2充電ポートは無線電力受信アンテナを含む、実施形態90による方法。
【0371】
93.前記無線電力送信アンテナ及び無線電力受信アンテナの各々が、誘導コイルを含む、実施形態92による方法。
【0372】
94.前記電力の伝送が、誘導結合、より好ましくは共鳴誘導結合によって行われる、実施形態92又は93による方法。
【0373】
95.前記第1充電ポートの第2充電ポートに対する近接を検出するステップと、前記近接が検出されたときに前記電力の伝送を開始するステップとをさらに含む、実施形態90から94のいずれかによる方法。
【0374】
96.前記第1充電ポートの第2充電ポートからの離間を検出すると、電力の移送を終了するステップをさらに含む、実施形態95による方法。
【0375】
97.前記近接は、磁場、圧力、無線信号、電気抵抗もしくは静電容量、又は機械的移動に基づいて検出される、実施形態95又は96による方法。
【0376】
98.前記第2充電ポートは、前記バッテリパックに取り付けられたベルトフックの表面又は内部に配置される、実施形態90から97のいずれかによる方法。
【0377】
99.前記ベルトフックは、前記バッテリパック又は前記動力工具と物理的に係合するアダプタに取り付けられる、実施形態98による方法。
【0378】
100.前記アダプタは充電動作を制御する、実施形態98による方法。
【0379】
101.前記ベルトフックは、前記バッテリパックに直接取り付けられる、実施形態98による方法。
【0380】
102.前記充電器は充電動作を制御する、実施形態101による方法。
【0381】
103.前記バッテリパックのコントローラは充電動作を制御する、実施形態101による方法。
【0382】
105.バッテリパックを充電する方法であって、
充電器の第1充電ポートが、動力工具に取り付けられた前記バッテリパックの少なくとも一つのバッテリセルと電気的に接続される第2充電ポートに近接すると、前記充電器から前記バッテリパックに電力を伝送するステップ、
を含む方法。
【0383】
106.前記第1充電ポート及び前記第2充電ポートは、ユーザが装着するベルトの表面に又はそれに隣接して配置される、実施形態105による方法。
【0384】
107.前記充電器は、ユーザが動力工具の動作を実施している間、ユーザに取り付けられるとともに、内蔵型のDC電源を有する又はそれに取り付けられる、実施形態105又は106による方法。
【0385】
110.着脱式バッテリパックによって駆動される動力工具用のアダプタであって、
少なくとも一つのマイクロプロセッサといった、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックに位置するコントローラと電気的に通信するように構成された少なくとも一つの通信ポートと、
前記動力工具及び/又は前記バッテリパックに関する情報を外部装置に無線通信する手段と、
を備えるアダプタ。
【0386】
111.情報を無線通信する手段は、
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイス、例えばWiFi(即ち、IEEE802.11によって列挙される無線通信プロトコルに従って動作する)等の無線通信デバイス、
Bluetoothデバイス、
無線周波数(RF)通信デバイス、又は
セルラもしくは携帯電話デバイス
のうちの一つ又は複数を含む、実施形態110によるアダプタ。
【0387】
112.前記通信される情報が、
実施形態7から12のいずれか一つによる、測定された残存バッテリ容量、及び/又は、残存バッテリ容量で同じ類型の動作を動力工具が実施可能な残り動作回数、
実施形態13による、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具のメモリに格納された一つ又は複数の動作パラメータ、例えば最大電流制限の値、
実施形態15又は16によるメンテナンス情報、
実施形態18から20による検出された放電電流及び/又は動力工具の提案、
実施形態22又は23による盗難防止機能又は鍵、
実施形態24による、前記アダプタ、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の管理責任者、
実施形態25又は26による前記バッテリパックの充電速度を変更するための情報、
実施形態27又は28による前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の動作状態を示す値
のうちの一つ又はいずれかの任意の組合せである、実施形態100又は101によるアダプタ。
【0388】
113.前記外部装置はスマートフォンである、実施形態110から112のいずれか一つによるアダプタ。
【0389】
114.前記外部装置は、PDA、タブレットコンピュータ又はラップトップコンピュータといった、携帯型計算装置を含む、実施形態110から112のいずれか一つによるアダプタ。
【0390】
115.前記外部装置は、デスクトップコンピュータ、サーバ又はメインフレームコンピュータを含む、実施形態110から112のいずれか一つによるアダプタ。
【0391】
116.タッチパッド、タッチスクリーン、プッシュボタン及び/又はトグルスイッチといった、入力デバイスをさらに備え、その入力デバイスは、ユーザが指令をアダプタに直接入力するのを可能にするように構成又は適合されている、実施形態110から115のいずれか一つによるアダプタ。
【0392】
117.ディスプレイをさらに備える、実施形態110から116のいずれか一つによるアダプタ。
【0393】
118.前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ等の発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイを含む、実施形態117によるアダプタ。
【0394】
119.前記ディスプレイはタッチパッド又はタッチパネルである、実施形態117又は118によるアダプタ。
【0395】
120.前記ディスプレイは、前記バッテリパックの充電レベル(残存バッテリ容量)、過熱を示す警報、前記バッテリパックの残存バッテリ容量で同じ類型の動作を動力工具が実施可能な残り動作回数の推定値、前記動力工具及び前記バッテリパックの管理責任者の名前、前記メンテナンス情報、前記充電速度値、前記検出された放電電流値、前記動作パラメータ、又はバッテリパック及び/又は動力工具の動作状態を示す任意の値といった、先の実施形態又は以下の実施形態に記載される情報、値又は機能のいずれかを視覚的に表示するように構成されている、実施形態117から119のいずれか一つによるアダプタ。
【0396】
121.充電器から電力を取得する手段をさらに備え、前記バッテリパックに位置する一つ又は複数のバッテリセルを充電するために、前記バッテリパックに電流を供給するように構成されている、実施形態110から120のいずれか一つによるアダプタ。
【0397】
122.前記充電器から電力を取得する手段は、前記充電器の少なくとも一つの充電端子に接続し、前記充電器からアダプタに電流を導通させるように構成された少なくとも一つの充電端子受けを含む、実施形態121によるアダプタ。
【0398】
123.前記充電器から電力を取得する手段は、誘導コイルといった少なくとも一つの無線電力受信アンテナを有し、前記無線電力受信アンテナは、前記充電器の誘導コイルといった少なくとも一つの無線電力送信アンテナに近接したときに、電流を発生するように構成されている、実施形態121によるアダプタ。
【0399】
124.ユーザが装着する工具ベルトに吊り下がるように構成されたベルトフックをさらに備え、充電器から電力を取得する手段が、ベルトフックの中又は上に配置されている、実施形態121から123のいずれか一つによるアダプタ。
【0400】
125.機械的接点、圧力センサ又はスイッチ、無線周波数識別(RFID)デバイス、磁石又はリードスイッチもしくはホールセンサ等の磁場センサ、及び/又は電気抵抗もしくは容量センサといった、前記充電器が前記アダプタに近接したときに信号、例えば充電開始信号を出力するように構成された近接センサをさらに備える、実施形態121から124のいずれか一つによるアダプタ。
【0401】
126.前記動力工具ハウジングと前記バッテリパックとが互いに取り付けられたときに、少なくとも一部が前記動力工具のハウジングと前記バッテリパックとの間の空間に位置するように構成されている、実施形態110から125のいずれか一つによるアダプタ。
【0402】
127.前記バッテリパックが前記ハウジングから取り外されたときにのみ、前記動力工具のハウジングに対して着脱可能に構成されている、実施形態110から126のいずれか一つによるアダプタ。
【0403】
128.前記アダプタは、第1方向に沿って、好ましくは前記動力工具のハンドルの長手方向に沿って、前記動力工具のハウジングに摺動可能に着脱されるように構成され、
前記バッテリパックは、第2方向に沿って、好ましくは前記動力工具のハンドルの横方向に沿って、前記動力工具のハウジングに摺動可能に着脱されるように構成され、
前記第1方向は前記第2方向に対して実質的に垂直である、実施形態110から127のいずれか一つによるアダプタ。
【0404】
129.ねじ部品、例えばねじ又はボルトを介して前記ハウジングに取付可能であり、任意選択的に円柱状部分を有し、その円柱状部分には、前記アダプタを前記動力工具ハウジングに締め付けるために、前記ねじ部品が挿入可能である、実施形態110から128のいずれか一つによるアダプタ。
【0405】
130.外部装置と動力工具及びバッテリパックのうちの一方との間で情報を無線通信するステップ、を含む方法。
【0406】
131.前記情報は、動力工具及び/又はバッテリパックに物理的かつ電気的に接続されたアダプタを介して通信される、実施形態130による方法。
【0407】
132.前記アダプタは、前記外部装置から無線信号を受信し、電気信号を前記動力工具及び/又はバッテリパックに通信する、実施形態131による方法。
【0408】
133.前記外部装置はスマートフォンである、実施形態130から132のいずれか一つによる方法。
【0409】
134.前記外部装置は、PDA、タブレットコンピュータ又はラップトップコンピュータといった、携帯型計算装置を含む、実施形態130から132のいずれか一つによる方法。
【0410】
135.前記外部装置は、デスクトップコンピュータ、サーバ又はメインフレームコンピュータを含む、実施形態130から132のいずれか一つによる方法。
【0411】
136.前記通信される情報は、測定された残存バッテリ容量、及び/又は、前記残存バッテリ容量で同じ類型の動作を動力工具が実施可能な残り動作回数の推定値を含む、実施形態130から135のいずれか一つによる方法。
【0412】
137.前記通信される情報は、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具のメモリに格納された一つ又は複数の動作パラメータ、例えば最大電流制限、に対応する一つ又は複数の値を含む、実施形態130から136のいずれか一つによる方法。
【0413】
138.前記通信される情報は、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックに対するメンテナンス情報を含む、実施形態130から137のいずれか一つによる方法。
【0414】
139.前記メンテナンス情報は、最後のメンテナンス検査/点検の日付及び/又は結果を含む、実施形態138による方法。
【0415】
140.前記メンテナンス情報は、
前記動力工具及び/又は前記バッテリパック(40)の累積又は総使用(動作)時間、
前記バッテリパックの利用可能な充電量又は充電状態(例えば残存バッテリ容量)、
前記バッテリパックにおいて行われた充電サイクルの数、及び/又は
例えばバッテリセルの内部インピーダンス測定値から計算される、前記バッテリパックの一つ又は複数のバッテリセルの状態、
を含む、実施形態138又は139による方法。
【0416】
141.前記メンテナンス情報は、
前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの一つ又は複数の交換可能部品の予測される残存耐用寿命、
前記動力工具及び/又は前記アダプタ及び/又は前記バッテリパックに対するメンテナンススケジュール、
前記動力工具及び/又は前記アダプタ及び/又は前記バッテリパックの使用履歴、
前記アダプタ、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の管理責任者の名前、及び/又は
前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の通し番号、
を含む、実施形態138から140のいずれか一つによる方法。
【0417】
142.前記メンテナンス情報は、
一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの電圧、
一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの放電電流、及び/又は、
一つ又は複数の(例えば個々に又は二つ以上の集合のいずれかの)バッテリセルの温度、
を含む、実施形態138から141のいずれか一つによる方法。
【0418】
143.前記メンテナンス情報は、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具がオン及び/又はオフに切り換えられた回数を含む、実施形態138から142のいずれか一つによる方法。
【0419】
144.前記メンテナンス情報は、例えば過去二時間の間に放電された電力量といった、所定期間内における充電量又は放電量を含む、実施形態138から143のいずれか一つによる方法。
【0420】
145.前記通信される情報は、検出された放電電流、及び/又は検出された放電電流に基づいて生成された動力工具の提案を含む、実施形態130から144のいずれか一つによる方法。
【0421】
146.前記通信される情報は、盗難防止機能又は鍵を含む、実施形態130から145のいずれか一つによる方法。
【0422】
147.通信される情報は、前記アダプタ、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の管理責任者を含む、実施形態130から146のいずれか一つによる方法。
【0423】
148.前記通信される情報は、例えば充電電流及び/又はバッテリパック温度閾値を増大させることにより、前記バッテリパックの充電速度を変更する指示を含む、実施形態130から147のいずれか一つによる方法。
【0424】
149.前記通信される情報は、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の動作状態を示す一つ又は複数の値を含む、実施形態130から148のいずれか一つによる方法。
【0425】
150.前記通信される情報は、前記バッテリパックの最大充電レベルを示す一つ又は複数の値を含む、実施形態130から149のいずれか一つによる方法。
【0426】
151.バッテリパックインタフェースを有するハウジング、電動装置及び第1コネクタを備える手持式の動力工具と、
前記バッテリパックインタフェースに例えば直接着脱されるとともに、前記電動装置に電流を供給するように適合又は構成されたバッテリパックと、
前記第1コネクタに物理的かつ電気的に着脱可能に接続されるように構成された第2コネクタを備えるアダプタと、を備え、
前記アダプタは、前記手持式の動力工具を介して前記バッテリパックから電力を受け取るとともに、前記手持式の動力工具に少なくとも一つの付加的な電気的機能を提供するか、又は手持式の動力工具が本来行うことができない少なくとも一つの付加的な電気的機能を実施するように構成されており、
前記ハウジングと前記バッテリパックとが互いに取り付けられたときに、前記アダプタの少なくとも一部が前記ハウジングと前記バッテリパックとの間の空間に配置される、動力工具システム。
【0427】
152.前記バッテリパックは、前記アダプタが前記ハウジングに取り付けられているか又はハウジングから取り外されているかにかかわらず、前記ハウジングに対して着脱可能に構成されている、実施形態151による動力工具システム。
【0428】
153.前記アダプタは、前記バッテリパックが前記ハウジングから取り外されているときにのみ、前記ハウジングに対して着脱可能に構成されている、実施形態151又は152による動力工具システム。
【0429】
154.前記アダプタは、第1方向に沿って、好ましくは前記動力工具のハンドルの長手方向に沿って、前記動力工具のハウジングに摺動可能に着脱されるように構成され、
前記バッテリパックは、第2方向に沿って、好ましくは前記動力工具のハンドルの横方向に沿って、前記動力工具のハウジングに摺動可能に着脱されるように構成され、
前記第1方向は前記第2方向に対して実質的に垂直である、実施形態151から153のいずれか一つによる動力工具システム。
【0430】
155.前記ハウジング及び前記バッテリパックは、それらの間に、前記ハウジングに取り付けられている前記アダプタの少なくとも一部を、視認可能に露出させる開口部を画定する(例えば、開口部は、前記手持式の動力工具及び/又は前記バッテリパックの外面に画定される)、実施形態151から154のいずれか一つによる動力工具システム。
【0431】
156.前記アダプタは、前記アダプタ及び前記バッテリパックが前記ハウジングに取り付けられたときに、顕著な隙間をつくることなく(例えば、製造公差のために必要な最小限の隙間で)前記開口部に嵌合するように構成されている、実施形態155による動力工具システム。
【0432】
157.前記アダプタに代えて前記ハウジングに着脱可能に構成されたダミーアダプタをさらに備え、前記ダミーアダプタは、前記ダミーアダプタ及び前記バッテリパックが前記ハウジングに取り付けられたときに、実質的な隙間をつくることなく前記開口部に嵌合するように構成されている、実施形態155又は156による動力工具システム。
【0433】
158.前記ダミーアダプタは、前記ハウジングに取り付けられたときに、前記第1コネクタを覆うように構成されている、実施形態157による動力工具システム。
【0434】
159.前記第1コネクタは、少なくとも一つのコンタクトピンと、前記少なくとも一つのコンタクトピンを取り囲む周壁とを有する雌コネクタであり、
前記第2コネクタは、少なくとも一つのコンタクトピンを受け入れるように構成された少なくとも一つの穴と、前記少なくとも一つの穴内に位置するとともに、前記少なくとも一つのコンタクトピンと物理的かつ電気的に接触するように構成された少なくとも一つのコンタクトプレート(コンタクト端子)を有する雄コネクタである、
実施形態151から158のいずれか一つによる動力工具システム。
【0435】
160.前記アダプタは、例えばねじ又はボルトといった、ねじ部品を介してハウジングに取付可能である、実施形態151から159のいずれか一つによる動力工具システム。
【0436】
161.アダプタが、第1に、第1コネクタ及び第2コネクタの結合によってハウジングに対して位置決めされ、第2に、締め付けられたねじ部品によってハウジングに対して位置決めされる、実施形態160による動力工具システム。
【0437】
162.前記アダプタは円柱状部分を有し、その円柱状部分には、前記アダプタを前記動力工具のハウジングに締め付けるために、前記ねじ部品が挿入可能である、実施形態160又は161による動力工具システム。
【0438】
163.前記円柱状部分は、動力工具の外面を通して露出し、ストラップが取り付けられるように構成されている、実施形態162による動力工具システム。
【0439】
164.複数のアダプタを備え、
各々のアダプタは、ハウジングに取り付けられて、手持式動力工具に少なくとも一つの異なる電気的機能を提供する、又は少なくとも一つの異なる電気的機能を実施するように構成されている、実施形態151から163のいずれか一つによる動力工具システム。
【0440】
165.前記アダプタは、上記又は下記に示す情報のうちのいずれかといった情報を、基地局、ワークステーション、コンピュータ、携帯情報端末、スマートフォンといった外部装置との間で無線通信を行いつつ、前記動力工具に及び/又は動力工具から無線通信するように構成又は適合されている、実施形態151から164のいずれか一つによる動力工具システム。
【0441】
166.アダプタは、上記に又は下記に示す情報のうちのいずれかといった、前記動力工具に関する情報をディスプレイに表示するように構成又は適合されている、実施形態151から165のいずれか一つによる動力工具システム。
【0442】
167.前記アダプタは、前記バッテリパックの残存バッテリ容量、及び/又は、前記残存バッテリ容量で同じ類型の動作を動力工具が実施可能な残り動作回数の推定値を、測定及び/又は表示及び/又は通信するように構成又は適合されている、実施形態151から166のいずれか一つによる動力工具システム。
【0443】
168.前記アダプタは、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具のメモリに格納された一つ又は複数の動作パラメータ、例えば最大電流制限、に対応する値を測定及び/又は表示及び/又は通信するように構成又は適合されている、実施形態151から167のいずれか一つによる動力工具システム。
【0444】
169.前記アダプタは、(i)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の日付、(ii)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の結果、(iii)動力工具及び/又はバッテリパックの累積又は総使用(動作)時間、(iv)バッテリパックの利用可能な充電量又は充電状態(残存バッテリ容量)、(v)バッテリパックが経験した充電サイクルの回数、(vi)バッテリパックの一つ又は複数のバッテリセルの状態であって、例えばバッテリセルの内部インピーダンスの測定値から計算されるもの、(vii)動力工具及び/又はバッテリパックの一つ又は複数の交換可能な部品の予測される残存耐用寿命、(viii)動力工具及び/又はアダプタ及び/又はバッテリパック用のメンテナンススケジュールを、測定し及び/又は表示し及び/又は通信するように構成又は適合されている、実施形態151から168のいずれか一つによる動力工具システム。
【0445】
170.前記アダプタは、検出された放電電流及び/又は動力工具の提案を測定及び/又は表示及び/又は通信するように構成又は適合されている、実施形態151から169のいずれか一つによる動力工具システム。
【0446】
171.前記アダプタは、盗難防止機能又は鍵を提供するように構成又は適合されている、実施形態151から170のいずれか一つによる動力工具システム。
【0447】
172.前記アダプタは、アダプタ、バッテリパック及び/又は動力工具の管理責任者を特定又は通信するように構成又は適合されている、実施形態151から171のいずれか一つによる動力工具システム。
【0448】
173.前記アダプタは、前記バッテリパックの充電速度の変更に関する情報を入力及び/又は表示及び/又は通信するように構成又は適合されている、実施形態151から172のいずれか一つによる動力工具システム。
【0449】
174.前記アダプタは、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の動作状態を示す値を測定及び/又は表示及び/又は通信するように構成又は適合されている、実施形態151から173のいずれか一つによる動力工具システム。
【0450】
175.可撓性アームを介して前記アダプタの本体に結合されたライトをさらに備える、実施形態151から174のいずれか一つによる動力工具システム。
【0451】
176.前記アダプタは、
基地局、ワークステーション、コンピュータ、携帯情報端末、スマートフォンといった外部装置と無線通信しつつ、上記又は下記に示す情報のうちのいずれかといった情報を動力工具に及び/又は動力工具から無線通信し、
上記又は下記に示す情報のうちのいずれかといった動力工具に関する情報を、ディスプレイに表示し、
前記バッテリパックの残存バッテリ容量、及び/又は、残存バッテリ容量で同じ類型の動作を動力工具が実施可能な残り動作回数の推定値を、測定及び/又は表示及び/又は通信し、
前記バッテリパック及び/又は前記動力工具のメモリに格納された一つ又は複数の動作パラメータ、例えば最大電流制限、に対応する値を測定及び/又は表示及び/又は通信し、
(i)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の日付、(ii)最後のメンテナンス検査、メンテナンス点検の結果、(iii)動力工具及び/又はバッテリパックの累積又は総使用(動作)時間、(iv)バッテリパックの利用可能な充電量又は充電状態(残存バッテリ容量)、(v)バッテリパックが経験した充電サイクルの回数、(vi)バッテリパックの一つ又は複数のバッテリセルの状態であって、例えばバッテリセルの内部インピーダンスの測定値から計算されるもの、(vii)動力工具及び/又はバッテリパックの一つ又は複数の交換可能な部品の予測される残存耐用寿命、(viii)動力工具及び/又はアダプタ及び/又はバッテリパック用のメンテナンススケジュール、の一又は複数といった、メンテナンス情報を測定し及び/又は表示し及び/又は通信し、
検出された放電電流及び/又は動力工具の提案を測定及び/又は表示及び/又は通信し、
盗難防止機能又は鍵を提供し、
前記アダプタ、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の管理責任者を特定又は通信し、
前記バッテリパックの充電速度の変更に関する情報を入力及び/又は表示及び/又は通信し、及び/又は
前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の動作状態を示す値を測定及び/又は表示及び/又は通信し、及び/又は、
上記明細書に記載される他の任意の機能を行う、
ように構成又は適合されている、実施形態151から164のいずれか一つによる動力工具システム。
【0452】
177.複数の手持式の動力工具を備え、
各々のアダプタは、手持式の動力工具のうちのいずれか一つのハウジングに取り付けられ、その手持式の動力工具に異なる機能を提供するように構成されている、実施形態151から176のいずれか一つによる動力工具システム。
【0453】
178.前記動力工具及び前記バッテリパックを有さない、実施形態151から177のいずれか一つによる動力工具システム。
【0454】
181.バッテリパックによって駆動される手持式の動力工具用のアダプタであって、
前記手持式の動力工具に設けられた対応するコネクタと物理的かつ電気的に着脱可能に接続されるように構成されたコネクタと、
前記手持式の動力工具及び前記コネクタを介して、前記バッテリパックから電力を受け取る手段と、
前記手持式の動力工具が本来行うことができない少なくとも一つの付加的な電気的機能を実施する手段と、
を備え、
前記ハウジング及び前記バッテリパックが互いに取り付けられたときに、その少なくとも一部が前記手持式の動力工具のハウジングと前記バッテリパックとの間の空間に位置する、アダプタ。
【0455】
182.前記バッテリパックが前記ハウジングから取り外されているときにのみ、前記ハウジングに対して着脱されるように構成されている、実施形態181によるアダプタ。
【0456】
183.前記アダプタは、第1方向に沿って、好ましくは動力工具のハンドルの長手方向に沿って、前記ハウジングに対して摺動可能に着脱されるように構成され、
前記バッテリパックは、第2方向に沿って、好ましくは動力工具のハンドルの横方向に沿って、前記ハウジングに対して摺動可能に着脱されるように構成され、
前記第1方向が前記第2方向に対して実質的に垂直である、実施形態181又は182によるアダプタ。
【0457】
184.前記アダプタの少なくとも一部は、前記アダプタが前記ハウジングに取り付けられている間に、前記ハウジング及び前記バッテリパックによって画定された開口部を通して視認可能に露出されるように構成されている(例えば、開口部は、手持式の動力工具及び/又はバッテリパックの外面に画定される)、実施形態181から183のいずれか一つによるアダプタ。
【0458】
185.前記アダプタ及び前記バッテリパックが前記ハウジングに取り付けられたときに、顕著な隙間をつくることなく(例えば、製造公差のために必要な最小限の隙間で)開口部に嵌合するように構成されている、実施形態184によるアダプタ。
【0459】
186.前記コネクタは、少なくとも一つのコンタクトピンと、前記少なくとも一つのコンタクトピンを取り囲む周壁とを有する雌コネクタであり、
前記対応するコネクタは、少なくとも一つのコンタクトピンを受け入れるように構成された少なくとも一つの穴と、前記少なくとも一つの穴内に位置するとともに、前記少なくとも一つのコンタクトピンと物理的かつ電気的に接触するように構成された少なくとも一つのコンタクトプレート(コンタクト端子)を有する雄コネクタである、実施形態181から185のいずれか一つによるアダプタ。
【0460】
187.例えばねじ又はボルトといった、ねじ部品を介して前記ハウジングに取付可能であるように構成されている、実施形態181から186のいずれか一つによるアダプタ。
【0461】
188.先ずは、前記コネクタ同士の結合により前記ハウジングに対して位置決めされ、次に、締め付けられたねじ部品により前記ハウジングに対して位置決めされるように構成される、実施形態187におけるようなアダプタ。
【0462】
189.円柱状部分を有し、前記円柱状部分には、アダプタを動力工具ハウジングに締め付けるために、前記ねじ部品が挿入可能である、実施形態187又は188によるアダプタ。
【0463】
190.前記円柱状部分は、動力工具の外面を通して露出し、ストラップが取り付けられるように構成されている、実施形態189におけるようなアダプタ。
【0464】
191.実施形態1、2又は7から49によるアダプタのうちのいずれか一つの特徴をさらに備える、実施形態181から190のいずれか一つにおけるようなアダプタ。
【0465】
192.可撓性アームを介してアダプタの本体に結合されたライトをさらに備える、実施形態181から191のいずれか一つにおけるようなアダプタ。
【符号の説明】
【0466】
1、1’、1’’、1’’’、1’’’’、1’’’’’:動力工具システム
10、10’:コードレス動力工具
11:電子ユニット
12:コントローラ
13:回路基板
14:放電検出器
16:メモリ
18:通信部
20:パワーFET
22:バッテリ端子
24:アダプタ通信端子
25:アダプタ電源端子
26:バッテリパック通信端子(I/O端子)
28:トリガスイッチ
30:工具チャック
32:ハウジング
33:スロット
34:バッテリパックインタフェース
35:動力工具ハウジングとバッテリパックとの間の空間
36:開口部
37:雌コネクタ
38:コンタクトピン
39:周壁
40、40’:バッテリパック
42:コントローラ
44:充電/放電検出器
46:メモリ
48:通信部
50:バッテリセル
52:バッテリ端子
54:アダプタ通信端子
55:アダプタ電源端子
56:動力工具通信端子(I/O端子
58:スイッチ
60:充電端子
70、70’、70’’、70’’’、70’’’’、70’’’’’:アダプタ
72:コントローラ
73:回路基板
74:通信端子
75:電源端子
76:メモリ
78:通信部
79:アンテナ
80:ディスプレイ
81:LCDドライバ
82:バッテリ端子
84:充電端子
85:充電端子受け
86:充電器通信端子(I/O端子
88:スイッチ
90:ダイオード
91:円柱状部分
92:ねじ部品
93:リブ
94:雄コネクタ
96:穴
97:コンタクト端子
98:突出体
100:外部装置
102:コントローラ
104:ディスプレイ
106:メモリ
108:通信部
120:充電器
122:コントローラ
124:アダプタ通信端子
126:メモリ
128:通信部
130:電源
132:充電端子
138:スイッチ
140:DC電源
142:可撓性電源コード
144:ベルト
146:ベルトフック受け
148:ベルトフック
150:ストラップ
152:ライト
153:LED
154:可撓性アーム
155:定電流発生器
156:ON/OFFスイッチ
158:FET
170:ダミーアダプタ
M:動力工具の電気モータ
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力工具と、
前記動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックと、
前記動力工具に着脱可能に取り付けられるとともに、前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信する無線通信アダプタと、を備え、
前記無線通信アダプタは、前記動力工具に取り付けられたときに、いかなる部分も前記動力工具及び前記バッテリパックの外面又は輪郭を越えて突出しない、
動力工具システム。
【請求項2】
前記動力工具の前記外面には、前記無線通信アダプタを収容するとともに、一方向に向けて開口する開口部が設けられている、請求項1に記載の動力工具システム。
【請求項3】
前記データは、
(a)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックのための制御プログラム、
(b)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックのための管理情報、
(c)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの状態を示す情報、及び
(d)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの動作パラメータに関する値、
(e)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックに関するメンテナンス情報、
のうちの一つ又は複数を含む、請求項1又は2に記載の動力工具システム。
【請求項4】
前記データは、少なくとも、(a)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックのための制御プログラムを含む、請求項3に記載の動力工具システム。
【請求項5】
前記データは、少なくとも、(b)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックのための管理情報を含む、請求項3又は4に記載の動力工具システム。
【請求項6】
前記データは、少なくとも、(c)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの状態を示す情報を含む、請求項3から5のいずれか一項に記載の動力工具システム。
【請求項7】
前記状態を示す情報は、前記バッテリパックの残存バッテリ容量に関する測定値又は検出値を含む、請求項6に記載の動力工具システム。
【請求項8】
前記状態を示す情報は、前記動力工具又は前記バッテリパックの過熱時又は過負荷時に送信される警告信号又は警報信号を含む、請求項6又は7に記載の動力工具システム。
【請求項9】
前記データは、少なくとも、(d)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの動作パラメータに関する値を含む、請求項3から8のいずれか一項に記載の動力工具システム。
【請求項10】
前記動作パラメータは、前記バッテリパックから前記動力工具への放電電流に対する制限値を含む、請求項9に記載の動力工具システム。
【請求項11】
前記データは、少なくとも、(e)前記動力工具及び/又は前記バッテリパックに関するメンテナンス情報を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の動力工具システム。
【請求項12】
前記メンテナンス情報は、前記バッテリパック及び/又は前記動力工具の管理責任者の名前を含む、請求項11に記載の動力工具システム。
【請求項13】
前記メンテナンス情報は、前記動力工具及び/又は前記バッテリパックの累積動作時間を含む、請求項11又は12に記載の動力工具システム。
【請求項14】
前記外部装置は、スマートフォンであり、
前記スマートフォンは、前記スマートフォンと前記無線通信アダプタとの間で前記データの受信及び/又は送信を可能とするアプリケーションプログラムを有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の動力工具システム。
【請求項15】
請求項14に記載の動力工具システムのためのアプリケーションプログラムであって、
前記スマートフォンによって実行されることによって、前記スマートフォンと前記無線通信アダプタとの間で前記データの受信及び/又は送信を可能とする、アプリケーションプログラム。
【請求項16】
動力工具システムのための無線通信アダプタであって、
前記動力工具システムは、
動力工具と、
前記動力工具に取り付けられて前記動力工具を駆動するとともに、充電器に取り付けられて充電されるバッテリパックと、を備え、
前記無線通信アダプタは、
前記動力工具に着脱可能に取り付けられるとともに、前記充電器とは異なる外部装置との間でデータを無線通信するように構成され、
前記動力工具に取り付けられたときに、いかなる部分も動力工具及びバッテリパックの外面又は輪郭を越えて突出しない、
無線通信アダプタ。