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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139029
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/08 20060101AFI20230926BHJP
   A63H 11/00 20060101ALI20230926BHJP
   A63H 29/00 20060101ALI20230926BHJP
   G06N 3/008 20230101ALI20230926BHJP
【FI】
G05D1/08 Z
A63H11/00 Z
A63H29/00 E
G06N3/008
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110652
(22)【出願日】2023-07-05
(62)【分割の表示】P 2020502067の分割
【原出願日】2019-01-08
(31)【優先権主張番号】P 2018032120
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 紀明
(72)【発明者】
【氏名】島世 正博
(72)【発明者】
【氏名】園田 朋之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大輔
(72)【発明者】
【氏名】高田 浩平
(57)【要約】
【課題】自律移動体の豊かな動作表現をより容易な姿勢制御で実現する。
【解決手段】自律移動体の動作を制御する動作制御部、を備え、前記自律移動体は、本体内部への格納、および本体外部への突出が可能な車輪を備え、前記動作制御部は、前記自律移動体の移動に際し、前記車輪を本体外部へ突出させ立位状態を維持するとともに、前記車輪の駆動制御および前記自律移動体の姿勢制御を行い、前記自律移動体の停留時に、前記車輪を本体内部へと格納することで座位状態で静止させる、情報処理装置が提供される。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を有する自律移動体の動作を制御する動作制御部を備え、
前記動作制御部は、
前記自律移動体の立位状態では、前記自律移動体の重心を調整することにより、前記自律移動体が前記立位状態を維持するように前記自律移動体の姿勢制御を行い、
前記車輪を用いた前記自律移動体の移動動作時には、前記自律移動体の重心を調整することにより、前記自律移動体が前傾姿勢を維持するように 前記姿勢制御を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記動作制御部は、前記車輪に対して、前記自律移動体の本体内部への格納されるように制御し、本体外部への突出させるように制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記移動動作は、前後運動、旋回運動、または回転運動のうち少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記動作制御部は、前記自律移動体の重心が、前記車輪の回転軸の鉛直上に位置するように制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記動作制御部は、前記自律移動体の停留時に、前記車輪を前記本体内部へと格納することで、前記自律移動体を座位状態で静止させる、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記動作制御部は、前記座位状態から前記立位状態への遷移に際し、鉛直方向における前記自律移動体の重心と前記回転軸とのズレ量に基づいて前記車輪を回転させる、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記動作制御部は、前記座位状態から前記立位状態への遷移において、前記車輪が走行面に接触する際、前記ズレ量に基づいて前記車輪を回転させることで、前記自律移動体の重心が前記車輪の回転軸の鉛直上に位置するように制御する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記自律移動体は、本体内部にフライホイールを備え、
前記動作制御部は、前記自律移動体の姿勢状況に基づいて前記フライホイールを回転させることで、前記自律移動体の姿勢制御を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記動作制御部は、前記自律移動体が転倒した場合、前記フライホイールの回転制御により前記自律移動体を前記立位状態に復帰させる、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記動作制御部は、前記自律移動体が転倒した場合、回転させた前記フライホイールをチルト方向に傾けることで、前記自律移動体を前記立位状態に復帰させる、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記動作制御部は、前記自律移動体が転倒した場合、ジャイロ効果による前記フライホイールの回転力の発生方向を、前記フライホイールをパン方向に傾けることで調整する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記自律移動体である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
プロセッサが、自律移動体の動作を制御すること、
を含み、
前記自律移動体は、車輪を備え、
前記制御することは、
前記自律移動体の立位状態では、前記自律移動体の重心を調整することにより、前記自律移動体が前記立位状態を維持するように前記自律移動体の姿勢制御を行うことと、
前記車輪を用いた前記自律移動体の移動動作時には、前記自律移動体の重心を調整することにより、前記自律移動体が前傾姿勢を維持するように前記姿勢制御を行うことと、
を含む、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、技術の発展に伴い種々のロボット装置が開発されている。上記のようなロボット装置には、ユーザや周囲の状況に応じて柔軟な自律動作を行う自律動作型のロボット装置が含まれる。例えば、特許文献1には、自律動作の一つとして情報獲得行動を行うイヌ型のロボット装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-219677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されるような自律動作型のロボット装置では、種々の自律動作を実現するための姿勢制御が重要となる。姿勢制御は、ロボット装置の構造が複雑であるほど難化する傾向がある一方、ロボット装置の構造を単純化した場合、ロボット装置による動作表現の幅が限定されユーザに無機質な印象を与えることも想定される。
【0005】
そこで、本開示では、自律移動体の豊かな動作表現をより容易な姿勢制御で実現することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置及び情報処理方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、自律移動体の動作を制御する動作制御部、を備え、前記自律移動体は、本体内部への格納、および本体外部への突出が可能な車輪を備え、前記動作制御部は、前記自律移動体の移動に際し、前記車輪を本体外部へ突出させ立位状態を維持するとともに、前記車輪の駆動制御および前記自律移動体の姿勢制御を行い、前記自律移動体の停留時に、前記車輪を本体内部へと格納することで座位状態で静止させる、情報処理装置が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、プロセッサが、自律移動体の動作を制御すること、を含み、前記自律移動体は、本体内部への格納、および本体外部への突出が可能な車輪を備え、前記制御することは、前記自律移動体の移動に際し、前記車輪を本体外部へ突出させ立位状態を維持するとともに、前記車輪の駆動制御および前記自律移動体の姿勢制御を行い、前記自律移動体の停留時に、前記車輪を本体内部へと格納することで座位状態で静止させること、をさらに含む、情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、コンピュータを、自律移動体の動作を制御する動作制御部、を備え、前記自律移動体は、本体内部への格納、および本体外部への突出が可能な車輪を備え、前記動作制御部は、前記自律移動体の移動に際し、前記車輪を本体外部へ突出させ立位状態を維持するとともに、前記車輪の駆動制御および前記自律移動体の姿勢制御を行い、前記自律移動体の停留時に、前記車輪を本体内部へと格納することで座位状態で静止させる、情報処理装置、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本開示によれば、自律移動体の豊かな動作表現をより容易な姿勢制御で実現することが可能となる。
【0010】
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係る自律移動体の正面図および背面図である。
図2】同実施形態に係る自律移動体の斜視図である。
図3】同実施形態に係る自律移動体の側面図である。
図4】同実施形態に係る自律移動体の上面図である。
図5】同実施形態に係る自律移動体の底面図である。
図6】同実施形態に係る自律移動体の内部構造について説明するための概略図である。
図7】同実施形態に係る基板の構成を示す図である。
図8】同実施形態に係る基板一断面図である。
図9】同実施形態に係る車輪の周辺構造を示す図である。
図10】同実施形態に係る車輪の周辺構造を示す図である。
図11】同実施形態に係る自律移動体の前傾走行について説明するための図である。
図12】同実施形態に係る自律移動体の前傾走行について説明するための図である。
図13A】実施形態に係る自律移動体10の前傾動作が奏する効果について説明するための図である。
図13B】実施形態に係る自律移動体10の前傾動作が奏する効果について説明するための図である。
図14】同実施形態に係る自律移動体の機能構成例を示すブロック図である。
図15】同実施形態に係る停留時および移動動作時における姿勢制御について説明するための図である。
図16】同実施形態に係る停留時および移動動作時における姿勢制御について説明するための図である。
図17】同実施形態に係る位状態への遷移時における車輪制御について説明するための図である。
図18】同実施形態に係る位状態への遷移時における車輪制御について説明するための図である。
図19】同実施形態に係るフライホイールの配置について説明するための図である。
図20】同実施形態に係るフライホイールのジャイロ効果により発生する回転力について説明するための図である。
図21】同実施形態に係る転倒状態からの復帰制御の流れを説明するための図である。
図22】同実施形態に係る転倒状態からの復帰制御の流れを説明するための図である。
図23】同実施形態に係る転倒状態からの復帰制御の流れを説明するための図である。
図24】同実施形態に係る転倒状態からの復帰制御の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.実施形態
1.1.概要
1.2.自律移動体10の構成例
1.3.自律移動体10の機能構成例
1.4.姿勢制御の詳細
2.まとめ
【0014】
<1.実施形態>
<<1.1.概要>>
まず、本開示の一実施形態の概要について述べる。上述したように、自律動作を行う種々のロボット装置が開発されている。上記のようなロボット装置は、ユーザ、周囲また自身の状況に応じて、移動などを含む種々の動作を自律的に実行することが可能である。
【0015】
ここで、上記のような自律動作を実現するためには、ロボット装置(以下、自律移動体、とも称する)の姿勢制御が重要となる。上記の姿勢制御には、例えば、自律移動体が備えるジャイロセンサが検出した角速度に基づいて、当該自律移動体のバランスを制御するジャイロ制御が含まれる。係る制御によれば、例えば、意図しない転倒が発生しないよう自律移動体の姿勢を微細に調整することなどが可能となる。
【0016】
一方、ジャイロ制御を行う場合であっても、自律移動体が移動を行わずその場で停留する場合では、装置本体がふらふらと安定しない状態となるのが一般的である。また、停留時にも自律移動体が転倒しないようジャイロ制御を継続して実行することで電力コストが増大する傾向がある。
【0017】
本開示に係る技術思想は上記の点に着目して発想されたものであり、停留時には、自律移動体を座位状態とすることで設置面との接触面積を増加させ、ジャイロ制御なしでも本体を安定的な状態で静止させることを特徴の一つとする。係る特徴によれば、移動を必要としない場合には、自律移動体をその場でしっかりと静止させるとともに、不要なジャイロ制御を行わないことで、電力消費を効果的に低減することが可能である。
【0018】
また、本実施形態に係る自律移動体は、前傾姿勢を維持した立位状態で前後運動、旋回運動、回転運動などの移動動作を行うことを特徴の一つとする。係る特徴によれば、自律移動体が例えば長楕円体などの比較的単純な外形を有する場合であっても、頭部や腰部を明確に想起させることで、人工的物体である印象を拭い去り、より現実の生命体に近い引用をユーザに与えることが可能となる。
【0019】
以下、本実施形態に係る自律移動体10が有する特徴と、当該特徴が奏する効果について詳細に説明する。
【0020】
<<1.2.自律移動体10の構成例>>
次に、本開示の一実施形態に係る自律移動体10の構成例について説明する。本実施形態に係る自律移動体10は、環境認識に基づく自律動作を行う種々の装置であり得る。以下においては、本実施形態に係る自律移動体10が車輪による自律走行を行う長楕円体のエージェント型のロボット装置である場合を例に説明する。本実施形態に係る自律移動体10は、例えば、ユーザ、周囲、また自身の状況に応じた自律動作を行うことで、情報提示を含む種々のコミュニケーションを実現する。本実施形態に係る自律移動体10は、ユーザが片手で容易に持ち上げられる程度の大きさおよび重量を有する小型ロボットであってもよい。
【0021】
まず、図1~5を参照して、本実施形態に係る自律移動体10の外装について一例を述べる。図1は、本実施形態に係る自律移動体10の正面図および背面図である。また、図2は、本実施形態に係る自律移動体10の斜視図である。また、図3は、本実施形態に係る自律移動体10の側面図である。また、図4および図5は、それぞれ本実施形態に係る自律移動体10の上面図および底面図である。
【0022】
図1図4に示すように、本実施形態に係る自律移動体10は、本体上部に右眼および左眼に相当する2つの眼部510を備える。眼部510は、例えば、LEDなどにより実現され、視線や瞬きなどを表現することができる。なお、眼部510は、上記の例に限定されず、例えば、単一または独立した2つのOLED(Organic Light Emitting Diode)などにより実現されてもよい。
【0023】
また、本実施形態に係る自律移動体10は、眼部510の上方に2つのカメラ515を備える。カメラ515は、ユーザや周囲環境を撮像する機能を有する。また、自律移動体10は、カメラ515により撮像された画像に基づいて、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を実現することができる。
【0024】
なお、本実施形態に係る眼部510およびカメラ515は、外装表面の内部に配置される基板505上に配置される。また、本実施形態に自律移動体10の外装表面は、基本的に不透明な素材を用いて形成されるが、眼部510およびカメラ515が配置される基板505に対応する部位については、透明、あるいは半透明素材を用いた頭部カバー550が設けられる。これにより、ユーザは、自律移動体10の眼部510を認識することができ、また自律移動体10は外界を撮像することができる。
【0025】
また、図1図2、および図5に示すように、本実施形態に係る自律移動体10は、正面下部にToFセンサ520を備える。ToFセンサ520は、前方に存在する物体との距離を検出する機能を有する。ToFセンサ520によれば、種々の物体との距離を精度高く検出することができ、また段差などを検出することで、落下や転倒を防止することができる。
【0026】
また、図1図3などに示すように、本実施形態に係る自律移動体10は、背面に外部装置の接続端子555および電源スイッチ560を備えてもよい。自律移動体10は、接続端子555を介して外部装置と接続し情報通信を行うことができる。
【0027】
また、図5に示すように、本実施形態に係る自律移動体10は、底面に2つの車輪570を備える。本実施形態に係る車輪570は、それぞれ異なるモータ565により駆動される。これにより自律移動体10は、前進、後退、旋回、回転などの移動動作を実現することができる。また、本実施形態に係る車輪570は、本体内部への格納、および外部への突出が可能なように備えられる。本実施形態に係る自律移動体10は、例えば、2つの車輪570を勢いよく外部へと突出させることでジャンプ動作を行うことも可能である。なお、図5には、車輪570が本体内部へ格納された状態が示されている。
【0028】
以上、本実施形態に係る自律移動体10の外装について説明した。続いて、本実施形態に係る自律移動体10の内部構造について説明する。図6は、本実施形態に係る自律移動体10の内部構造について説明するための概略図である。
【0029】
図6の左側に示すように、本実施形態に係る自律移動体10は、電子基板上に配置される慣性センサ525および通信装置530を備える。慣性センサ525は、自律移動体10の加速度や角速度を検出する。また、通信装置530は、外部との無線通信を実現するための構成であり、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)アンテナなどを含む。
【0030】
また、自律移動体10は、例えば、本体側面の内部にスピーカ535を備える。自律移動体10は、スピーカ535により、音声を含む種々の音情報を出力することができる。
【0031】
また、図6の右側に示すように、本実施形態に係る自律移動体10は、本体上部の内側に複数のマイクロフォン540を備える。マイクロフォン540は、ユーザの発話や、周囲の環境音を収集する。また、自律移動体10は、複数のマイクロフォン540を備えることで、周囲で発生する音を感度高く収集すると共に、音源の定位を実現することができる。
【0032】
また、自律移動体10は、図6に示すように、複数のモータ565を備える。自律移動体10には、例えば、眼部510およびカメラ515が配置される基板を垂直方向および水平方向に駆動するために2つのモータ565、左右の車輪570を駆動するために2つのモータ565、および自律移動体10の前傾姿勢を実現するための1つのモータ565を備えてもよい。本実施形態に係る自律移動体10は、上記複数のモータ565により豊かな動作を表現することができる。
【0033】
次に、本実施形態に係る眼部510およびカメラ515が配置される基板505の構成、および眼部510の構成について詳細に説明する。図7は、本実施形態に係る基板505の構成を示す図である。また、図8は、本実施形態に係る基板505の一断面図である。図7を参照すると、本実施形態に係る基板505は、2つのモータ565に接続される。上述したように、2つのモータ565は、眼部510およびカメラ515が配置される基板505を垂直方向および水平方向に駆動することができる。これによれば、自律移動体10の眼部510を垂直方向および水平方向に柔軟に動かすことができ、状況や動作に応じた豊かな眼球動作を表現することが可能となる。
【0034】
また、図7および図8に示すように、眼部510は、虹彩に対応する中央部512と、いわゆる白目に対応する周縁部514から構成される。中央部512は、青、赤、緑などを含む任意の色を、周縁部514は白色をそれぞれ表現する。このように、本実施形態に係る自律移動体10は、眼部510の構成を2つに分離することで、より実際の生物に近い自然な眼球表情を表現することができる。
【0035】
次に、図9および図10を参照して、本実施形態に係る車輪570の構造について詳細に説明する。図9および図10は、本実施形態に係る車輪570の周辺構造を示す図である。図9に示すように、本実施形態に係る2つの車輪570は、それぞれ独立したモータ565により駆動される。係る構成によれば、単純な前進や後退に加え、旋回やその場での回転などの移動動作を細やかに表現することが可能である。
【0036】
また、上述したように、本実施形態に係る車輪570は、本体内部への格納と外部への突出が可能なように備えられる。また、本実施形態に係る車輪570と同軸に、ダンパー575が設けられることで、車軸や本体への衝撃や振動の伝達を効果的に低減することが可能である。
【0037】
また、図10に示すように、本実施形態に係る車輪570には、補助ばね580が設けられてもよい。本実施形態に係る車輪の駆動は、自律移動体10が有する駆動部の中で最もトルクを要するが、補助ばね580を設けることで、駆動部のそれぞれに異なるモータ565を用いることなく、すべてのモータ565を共通化することが可能である。
【0038】
次に、本実施形態に係る自律移動体10の走行時における特徴について説明する。図11は、本実施形態に係る自律移動体10の前傾走行について説明するための図である。本実施形態に係る自律移動体10は、前傾姿勢を保ちながら、前後運動、旋回運動、回転運動などの移動動作を行うことを特徴の一つとする。図11には、走行時における自律移動体10を側面から見た様子が示されている。
【0039】
図11に示すように、本実施形態に係る自律移動体10は、垂直方向に角度θだけ前方向に傾いて移動動作を行うことを特徴の一つとする。角度θは、例えば、10°であり得る。
【0040】
この際、後述する動作制御部160は、図12に示すように、自律移動体10の重心CoGが車輪570の回転軸CoWの鉛直上に位置するように自律移動体10の移動動作を制御する。また、本実施形態に係る自律移動体10の背面側には、前傾姿勢時にバランスを保つために重量部品hpが配置される。本実施形態に係る重量部品hpは、自律移動体10が備える他の構成部品と比較し、より重要のある部品であってよく、例えば、モータ565やバッテリーなどであり得る。上記の部品配置によれば、頭部が前方に傾いてもバランスを維持した状態でジャイロ制御が容易となり、自律移動体10の意図しない転倒を防止し安定した前傾走行を実現することができる。
【0041】
続いて、本実施形態に係る自律移動体10による前傾姿勢を維持した移動動作についてより詳細に説明する。図13Aおよび図13Bは、本実施形態に係る自律移動体10の前傾動作が奏する効果について説明するための図である。
【0042】
ここで、図13Aには、自律移動体が前傾姿勢を取らない場合の回転動作の一例が示されている。図13Aに示すように、自律移動体10が前傾姿勢を取らず長楕円体を直立させたまま回転や前後運動などの移動動作を行う場合、長楕円体のボディに方向性が感じられず、自律移動体が人工的物体である印象を拭い去ることが困難である。
【0043】
一方、本実施形態に係る自律移動体10は、図13Bに示すように、前傾姿勢を維持した状態で回転などの移動動作を行うことを特徴の一つとする。係る特徴によれば、自律移動体10の前方上部が頭部を、後方下部が腰を想起させることで、単純な長楕円体にも方向性が生じることとなる。
【0044】
このように、本実施形態に係る自律移動体10の前傾動作によれば、ヒトが有する身体部位に相当する構造を比較的単純な外装で表現することができ、単純形態を擬人化することで、単なる人工物を超えた生命体としての印象をユーザに与えることが可能となる。以上説明したように、本実施形態に係る前傾動作は、長楕円体などの比較的単純な外装を有するロボットの表情を豊かに表現することを可能とし、また実際の生物のような複雑な動作を想起させることが可能な非常に有効な手段といえる。
【0045】
以上、本開示の一実施形態に係る自律移動体10の構成例について詳細に説明した。なお、図1~13Bを用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本開示の一実施形態に係る自律移動体10の構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る自律移動体10の形状および内部構造は任意に設計可能である。
【0046】
<<1.3.自律移動体10の機能構成例>>
次に、本開示の一実施形態に係る自律移動体10の機能構成例について述べる。図14は、本実施形態に係る自律移動体10の機能構成例を示すブロック図である。図14を参照すると、本実施形態に係る自律移動体10は、センサ部110、入力部120、光源130、音声出力部140、駆動部150、および動作制御部160を備える。
【0047】
(センサ部110)
本実施形態に係るセンサ部110は、ユーザや周囲に係る種々のセンサ情報を収集する機能を有する。このために、本実施形態に係るセンサ部110は、例えば、上述したカメラ515、ToFセンサ520、マイクロフォン540、慣性センサ525などを備える。また、センサ部110は、上記の他、例えば、地磁気センサ、タッチセンサ、赤外線センサなどを含む種々の光センサ、温度センサ、湿度センサなどの様々なセンサを備えてよい。
【0048】
(入力部120)
本実施形態に係る入力部120は、ユーザによる物理的な入力操作を検出する機能を有する。本実施形態に係る入力部120は、例えば、電源スイッチ560などのボタンを備える。
【0049】
(光源130)
本実施形態に係る光源130は、自律移動体10の眼球動作を表現する。このために、本実施形態に係る光源130は、2つの眼部510を備える。
【0050】
(音声出力部140)
本実施形態に係る音声出力部140は、音声を含む種々の音を出力する機能を有する。このために、本実施形態に係る音声出力部140は、スピーカ535やアンプなどを備える。
【0051】
(駆動部150)
本実施形態に係る駆動部150は、自律移動体10の身体動作を表現する。このために、本実施形態に係る駆動部150は、2つの車輪570や複数のモータ565を備える。
【0052】
(動作制御部160)
本実施形態に係る動作制御部160は、自律移動体10が備える各構成を制御する機能を有する。動作制御部160は、例えば、センサ部110が収集したセンサ情報に基づいて行動計画を行い、光源130による眼球表現や、音声出力部140による音声出力を制御する。また、動作制御部160は、上記の行動計画に基づいて、駆動部150の動作を制御してよい。
【0053】
以上、本開示の一実施形態に係る自律移動体10の機能構成例について説明した。なお、図14を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本開示の一実施形態に係る自律移動体10の機能構成は係る例に限定されない。例えば、本実施形態に係る自律移動体10の動作は、自律移動体10と通信を行う情報処理サーバにより制御されてもよい。この場合、自律移動体10は、上述した通信装置530を介して、情報処理サーバにセンサ情報を送信し、情報処理サーバから制御信号を受信してよい。本実施形態に係る自律移動体10の機能構成は、自律移動体10の形状などに応じて柔軟に変形可能である。
【0054】
<<1.4.姿勢制御の詳細>>
次に、本実施形態に係る動作制御部160による自律移動体10の姿勢制御について詳細に説明する。上述したように、本実施形態に係る動作制御部160は、自律移動体10が前傾姿勢を維持した状態で移動動作を行うよう制御を行うことを特徴の一つとする。本実施形態に係る動作制御部160が有する上記の機能によれば、自律移動体10に方向性を生じさせることで、より現実の生命体に近い豊かな動作表現を実現することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態に係る動作制御部160は、停留時と移動動作時とで異なる姿勢制御を行ってよい。図15は、本実施形態に係る停留時および移動動作時における姿勢制御について説明するための図である。図15の左側には、自律移動体10が移動動作を行わずその場で停留する場合が示されている。この際、本実施形態に係る動作制御部160は、車輪570を自律移動体10の本体内部へと格納させ、自律移動体10を座位状態で静止させてよい。
【0056】
本実施形態に係る動作制御部160による上記の制御によれば、移動動作が必要ない場合には、車輪570を本体内部へと格納し底部を設置面に接触させることで、自律移動体10をしっかりと静止させ、一般的なロボット装置のような停留時におけるふらつきを防止することが可能となる。また、係る制御によれば、ジャイロ制御なしでも自律移動体10を安定させることができ、ジャイロ制御に要する電力消費を効果的に低減することが可能となる。
【0057】
一方、図15の右側には、自律移動体が移動動作を行う場合が示されている。この際、本実施形態に係る動作制御部160は、車輪570を自律移動体10の本体外部へ突出させ立位状態を維持するとともに、車輪570の駆動制御やジャイロ制御を行う。
【0058】
なお、動作制御部160は、上述したように、自律移動体10の重心CoGが車輪570の鉛直上に位置するように制御することで、自律移動体10に前傾姿勢を維持させる。なお、この際、動作制御部160は、車輪570の位置を重心CoGの位置に合わせて調整してもよい。
【0059】
本実施形態に係る動作制御部160による上記の制御によれば、前傾姿勢を維持した状態で自律移動体10に移動動作を行わせることができ、自律移動体10が比較的単純な外形を有する場合であっても、現実の生命体により近い豊かな動作表現を実現することが可能となる。
【0060】
なお、図15に示した一例では、自律移動体10が座位状態においても前傾姿勢を維持する場合を示したが、本実施形態に係る座位状態の姿勢は係る例に限定されない。図16は、本実施形態に係る自律移動体10が座位状態において直立姿勢を取る場合の一例が示されている。図16に示す一例の場合、底面部の角度が本体の体軸に対し垂直となるように形成されていることがわかる。このように、座位状態における自律移動体10の姿勢は、底面部の角度を変化させることで適宜調整可能である。
【0061】
なお、図15に示すように、底面部の角度を、前方が開くように体軸に対し斜めとした場合、移動動作時に前方下部が走行面に接触する可能性をより低減することが可能である。一方、図16に示すように、底面部の角度を体軸に対し垂直に形成する場合、座位状態において自律移動体10をより安定的に静止させる効果が期待される。
【0062】
しかし、この場合、図16の左側に示すように、座位状態においては、自律移動体10の重心CoGが、車輪570の回転軸からズレることとなる。ここで、何ら制御を行わない場合、立位状態へ遷移した瞬間に重心CoGにより自律移動体10の本体が後方へ動くこととなる。
【0063】
上記のような事態を防止するため、本実施形態に係る動作制御部160は、座位状態から立位状態への遷移に際し、鉛直方向における自律移動体10の重心CoGと車輪570の回転軸とのズレ量に基づいて車輪570を回転させてよい。
【0064】
図17は、本実施形態に係る立位状態への遷移時における車輪制御について説明するための図である。図17には、自律移動体10の車輪570が、突出に伴い走行面と接触する際の状況が示されている。この際、本実施形態に係る動作制御部160は、車輪570を、上記のズレ量+αだけ回転させ、重心CoGを車輪570の回転軸の鉛直上に位置させた後、ジャイロ制御を行ってよい。動作制御部160による上記の制御によれば、座位状態において重心と車輪570の回転軸とにズレが生じている場合であっても、当該ズレを相殺し、後方に動くことなく安定的に自律移動体10を立位状態に遷移させることが可能となる。
【0065】
なお、上記では、底面部を体軸と垂直に形成することにより、重心と回転軸とにズレが生じる場合を例に述べたが、上記のようなズレは、図18に示すように、走行面が傾斜を有する場合にも生じ得る。図18に示す一例の場合、底面部の角度は図15に示した一例と同様であるが、走行面が傾いているために、座位状態における重心CoGが、車輪570の回転軸からズレてしまっている。
【0066】
しかし、この場合であっても、図17を用いて説明したように、動作制御部160が、鉛直方向における重心CoGと車輪570の回転軸のズレ量に基づいて、車輪570を回転させることで、後方に動くことなく自律移動体10を安定的に立位状態へ遷移させることが可能である。
【0067】
以上、本実施形態に係る座位状態および立位状態の姿勢制御について説明した。続いて、本実施形態に係るフライホイールを用いた姿勢制御について説明する。上述した構成に加え、本実施形態に係る自律移動体10は、フライホイール610をさらに備えてもよい。本実施形態に係る動作制御部160は、フライホイール610の回転により生じるジャイロ効果を利用して自律移動体10の姿勢制御をより精度高く実現することが可能である。
【0068】
図19は、本実施形態に係るフライホイール610の配置について説明するための図である。図19には、本実施形態に係るフライホイールおよび基板505の配置関係が種々の角度から示されている。図19に示すように、本実施形態に係るフライホイール610は、眼部510およびカメラ515が配置される基板505の内側に配置される。この際、本実施形態に係るフライホイール610は、3つの回転軸を有するよう、基板505と連動するジンバル上に配置され得る。
【0069】
図19の左側に示す回転軸Rwは、フライホイール610を高速回転させるための軸である。本実施形態に係る動作制御部160は、モータ565wを駆動することでフライホイール610を高速回転させ、発生したジャイロ効果により、自律移動体10の姿勢をより安定的に保つことができる。
【0070】
また、図19の中央に示す回転軸Raは、基板505と連動してフライホイール610をチルト方向に回転させるための軸である。本実施形態に係る動作制御部160は、モータ565aを駆動することで、基板505、および高速回転するフライホイールをチルト方向に傾け、ジャイロ効果による大きな回転力を発生させることが可能である。
【0071】
また、図19の右側に示す回転軸Rbは、基板505と連動してフライホイール610をパン方向に回転させるための軸である。本実施形態に係る動作制御部160は、モータ565bを駆動することで、基板505およびフライホイール610をパン方向における向きを調整することが可能である。係る制御によれば、ジャイロ効果による回転力の発生方向を任意の方向に定めることが可能となる。
【0072】
以上、本実施形態に係るフライホイール610の配置について説明した。続いて、本実施形態に係るフライホイール610を利用した転倒状態からの復帰について説明する。上述したように、本実施形態に係る動作制御部160は、フライホイールの610を高速回転させ、また高速回転するフライホイール610をチルト方向に傾けることで、ジャイロ効果による大きな回転力を発生させることができる。
【0073】
図20は、本実施形態に係るフライホイール610のジャイロ効果により発生する回転力について説明するための図である。当該回転力を利用した姿勢制御を行う場合、動作制御部160は、まず、回転軸Rwを中心にフライホイール610を高速回転させることで、大きな角運動量を保持させる。
【0074】
次に、本実施形態に係る動作制御部160は、高速回転するフライホイール610を、回転軸Raを中心にチルト方向へ傾けることで、ジャイロ効果により大きな回転力を発生させる。この際、ジャイロ効果により発生する回転力の発生方向Dは、図20に示すように、回転軸RwおよびRaに対し垂直となる。本実施形態に係る動作制御部160は、上記のように発生する回転力を利用することで、例えば、転倒状態にある自律移動体10を立位状態に復帰させることが可能である。
【0075】
図21図24は、本実施形態に係る転倒状態からの復帰制御の流れを説明するための図である。図21には、自律移動体10が横向き転倒した場合の一例を示す図である。この場合、動作制御部160は、センサ部110が収集したセンサ情報に基づいて、転倒状態における自律移動体10の向きを検出する。
【0076】
次に、動作制御部160は、上記で検出した向きに基づいて、図22に示すように、基板505が起き上がる方向を向くように、モータ565bを駆動し基板505およびフライホイール610を回転軸Rbを中心にパン方向に回転させる。すなわち、動作制御部160は、ジャイロ効果による回転力の発生方向を、フライホイール610をパン方向に傾けることで調整することができる。係る制御によれば、自律移動体10がどの方向に倒れた場合であっても、力学上において正しい位置において自律移動体10を立位状態に復帰させることができる。
【0077】
次に、動作制御部160は、図23に示すように、モータ565wを駆動しフライホイール610を高速回転させる。ここで、フライホイール610の回転速度が閾値を超えた際、動作制御部160は、モータ565aを駆動し基板505およびフライホイール610を回転軸Raを中心にチルト方向に高速で傾ける。
【0078】
以上説明した制御によれば、ジャイロ効果による回転力により自律移動体10が図24に示すように転倒状態から立位状態へと復帰することが可能である。
【0079】
なお、本実施形態に係る動作制御部160は、上記で述べた転倒状態からの復帰に限らず、フライホイール610を利用した種々の動作制御を行うことが可能である。動作制御部160は、例えば、フライホイール610のジャイロ効果を利用して、自律移動体10の体軸が水平に近い状態で静止させたり、当該状態から立位状態へ復帰させることなども可能である。また、動作制御部160は、例えば、自律移動体10にジャンプ、前転、側転などを実行させることも可能である。本実施形態に係るフライホイール610および動作制御部160によれば、自律移動体10の安定した姿勢制御を実現するとともに、より豊かな動作表下を実現することが可能となる。
【0080】
<2.まとめ>
以上説明したように、本開示の一実施形態に係る自律移動体10は、本体内部への格納、および本体外部への突出が可能な車輪570を備える。また、本開示の一実施形態に係る動作制御部160は、自律移動体10の移動に際し、車輪570を本体外部へ突出させ立位状態を維持するとともに、車輪570の駆動制御および自律移動体10の姿勢制御を行う。また、動作制御部160は、自律移動体10の停留時に、車輪570を本体内部へと格納することで座位状態で静止させる。係る構成によれば、自律移動体の豊かな動作表現をより容易な姿勢制御で実現することが可能となる。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0082】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0083】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
自律移動体の動作を制御する動作制御部、
を備え、
前記自律移動体は、本体内部への格納、および本体外部への突出が可能な車輪を備え、
前記動作制御部は、前記自律移動体の移動に際し、前記車輪を本体外部へ突出させ立位状態を維持するとともに、前記車輪の駆動制御および前記自律移動体の姿勢制御を行い、前記自律移動体の停留時に、前記車輪を本体内部へと格納することで座位状態で静止させる、
情報処理装置。
(2)
前記動作制御部は、前記立位状態において、前記自律移動体が前傾姿勢を維持するように姿勢制御を行う、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記動作制御部は、前記自律移動体を前傾姿勢を維持した状態で移動動作させ、
前記移動動作は、前後運動、旋回運動、または回転運動のうち少なくともいずれかを含む、
前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記動作制御部は、前記立位状態において、前記自律移動体の重心が、前記車輪の回転軸の鉛直上に位置するように制御する、
前記(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記動作制御部は、前記座位状態から前記立位状態への遷移に際し、鉛直方向における前記自律移動体の重心と前記回転軸とのズレ量に基づいて前記車輪を回転させる、
前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記動作制御部は、前記座位状態から前記立位状態への遷移において、前記車輪が走行面に接触する際、前記ズレ量に基づいて前記車輪を回転させることで、前記自律移動体の重心が前記車輪の回転軸の鉛直上に位置するように制御する、
前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記動作制御部は、前記座位状態において、前記自律移動体を前傾姿勢を維持したまま静止させる、
前記(1)~(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)
前記動作制御部は、前記座位状態において、前記自律移動体を直立姿勢を維持したまま静止させる、
前記(1)~(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)
前記自律移動体は、本体内部にフライホイールを備え、
前記動作制御部は、前記自律移動体の姿勢状況に基づいて前記フライホイールを回転させることで、前記自律移動体の姿勢制御を行う、
前記(1)~(8)のいずれかに記載の情報処理装置。
(10)
前記動作制御部は、前記自律移動体が転倒した場合、前記フライホイールの回転制御により前記自律移動体を前記立位状態に復帰させる、
前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記動作制御部は、前記自律移動体が転倒した場合、回転させた前記フライホイールをチルト方向に傾けることで、前記自律移動体を前記立位状態に復帰させる、
前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記動作制御部は、前記自律移動体が転倒した場合、ジャイロ効果による前記フライホイールの回転力の発生方向を、前記フライホイールをパン方向に傾けることで調整する、
前記(11)に記載の情報処理装置。
(13)
前記自律移動体である、
前記(1)~(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)
プロセッサが、自律移動体の動作を制御すること、
を含み、
前記自律移動体は、本体内部への格納、および本体外部への突出が可能な車輪を備え、
前記制御することは、前記自律移動体の移動に際し、前記車輪を本体外部へ突出させ立位状態を維持するとともに、前記車輪の駆動制御および前記自律移動体の姿勢制御を行い、前記自律移動体の停留時に、前記車輪を本体内部へと格納することで座位状態で静止させること、
をさらに含む、
情報処理方法。
(15)
コンピュータを、
自律移動体の動作を制御する動作制御部、
を備え、
前記自律移動体は、本体内部への格納、および本体外部への突出が可能な車輪を備え、
前記動作制御部は、前記自律移動体の移動に際し、前記車輪を本体外部へ突出させ立位状態を維持するとともに、前記車輪の駆動制御および前記自律移動体の姿勢制御を行い、前記自律移動体の停留時に、前記車輪を本体内部へと格納することで座位状態で静止させる、
情報処理装置、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0084】
10 自律移動体
110 センサ部
120 入力部
130 光源
140 音声出力部
150 駆動部
160 動作制御部
570 車輪
610 フライホイール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24