(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139049
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】導電性特徴をエッチングする方法、ならびに関連するデバイスおよびシステム
(51)【国際特許分類】
H05K 3/06 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
H05K3/06 H
H05K3/06 E
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023111882
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2019531090の分割
【原出願日】2017-12-11
(31)【優先権主張番号】62/432,710
(32)【優先日】2016-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/835,116
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【弁理士】
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】シュパイスマン, ナヴァ
(72)【発明者】
【氏名】フレンケル, モシェ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エッチングマスクを調製するのにノンインパクト印刷が利用されるような場合、基板の表面で、堆積された液体エッチングマスクインクの制御されない拡がり・並進を軽減させる方法を提供する。
【解決手段】1つ以上の電気導電性特徴でパターン化されたデバイスを作製する方法は、導電性材料層を基板の電気絶縁表面上に堆積すること、防食材料層を導電性材料層上に堆積することおよびエッチングレジスト材料層を防食材料層上に堆積することを含む。防食材料層は、導電性材料層の被覆部分と導電性材料層の露出部分とをもたらすパターンで2成分エッチングマスクを形成し、被覆部分は、デバイスの1つ以上の導電性特徴に対応する場所に位置決めされる。湿式エッチングプロセスは、導電性材料層の露出部分を電気絶縁基板から除去するのに行われ、2成分エッチングマスクは、残りの導電性材料を露出させるために除去される。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の導電性特徴でパターン化されたデバイスを製作する方法であって、前記方法は以下を含む、
基板の電気絶縁性表面上に導電層を堆積するステップと、
前記導電層上に、1つ以上のカチオン成分を含む第1の層を堆積するステップと、
1つ以上のアニオン成分を含む第2の層を前記第1の層上に堆積させるステップであって、前記第2の層と前記第1の層が反応して、前記導電層の被覆部分と前記導電層の露出部分とを生じるパターンで2成分エッチングマスクを形成し、前記被覆部分が前記デバイスの前記1つ以上の導電性特徴に対応する位置に配置されるステップと、
前記導電層の露出部分を前記電気絶縁基板から除去することにより、前記導電性特徴を形成する湿式エッチングプロセスを実行するステップと、
前記2成分エッチングマスクを除去して、前記デバイスの前記導電性特徴を露出させるステップと、を含む方法であって、
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方がポリマーからなり、前記第1の層、前記第2の層、またはその両方が、-イミン基、-アゾール基、-ヒドラジン基、アミノ酸、またはシッフ塩基、またはそれらの組み合わせからなる方法。
【請求項2】
1つ以上の導電性特徴でパターン化されたデバイスを製作する方法であって、前記方法は以下を含む、
基板の導電層上に、1つ以上のカチオン成分を含む第1の層を形成するステップと、
前記第1の層上に第2の層を堆積させ、前記第2の層と前記第1の層が反応して、前記導電層の被覆部分と前記導電層の露出部分とを生じるパターンで2成分エッチングマスクを形成し、前記被覆部分が前記デバイスの前記1つ以上の導電性特徴に対応する位置に配置されるステップと、
前記導電層の前記露出部分を前記基板から除去することにより、前記導電性特徴を形成する湿式エッチングプロセスを実行するステップと、
前記2成分エッチングマスクを除去して、前記デバイスの前記導電性特徴を露出させるステップと、を含む方法であって、
前記第1の層、前記第2の層、またはその両方は、-イミン基、-アゾール基、-ヒドラジン基、アミノ酸、またはシッフ塩基、またはそれらの組み合わせからなる方法。
【請求項3】
前記導電層上に前記第1の層を堆積させるステップは、前記導電層上にポリマーを堆積させるステップを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記導電層上に前記第1の層を堆積させるステップは、前記導電層上に有機材料を堆積させるステップを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の層、前記第2の層、または両方は、1つ以上の-イミン基を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の層、前記第2の層、または両方は、1つ以上の-アミン基を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の層、前記第2の層、または両方は、1つ以上の-アゾール基を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の層、前記第2の層、または両方は、1つ以上の-ヒドラジン基を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の層、前記第2の層、または両方は、アミノ酸を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の層、前記第2の層、または両方は、シッフ塩基を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の層を堆積させるステップは、前記第1の層上にブランケットコーティングで前記第2の層を堆積させるステップを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の層を堆積させるステップは、インクジェット印刷、スロットダイコーティング、スピンコーティング、または積層のうちの少なくとも1つを使用するステップを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の層を堆積させるステップは、インクジェット印刷、スロットダイコーティング、スピンコーティング、または積層のうちの少なくとも1つを使用するステップを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の層の厚さは、5μmから40μmの範囲である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
序論
様々な電子デバイスおよび電子部品の製造は、基板上でのパターン層の製作を必要とする。例えば、マイクロチップ、プリント回路基板、太陽電池、電子ディスプレイ(液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、および量子ドットエレクトロルミネセンスディスプレイなど)、および様々なその他の電気または光学デバイスおよび部品は、基板により支えられた異なる材料の、多数の重なり合ったパターン層から構成されてもよい。基板上での、1つのそのようなパターン層の製造は、基板上に材料の非パターン層を付着させ、そのような層上にエッチングレジストマスクを調製し、エッチングプロセスを行って、エッチングレジストマスクにより覆われていない層の部分を除去することによって、したがって基板上にパターン層を形成することによって、実施されてもよい。
【背景技術】
【0002】
例えばプリント回路基板(PCB)またはその他の電子部品を製造するのに使用することができる、1つの説明的な例では、電気導電性金属層が基板の電気絶縁表面に付着され(即ち、電気導電性層が基板の電気絶縁表面に形成され)、エッチングレジストマスクが導電性層に付着され(または形成され)、エッチングプロセスが行われて、エッチングレジストマスクにより覆われていない導電性層の部分を除去し、したがってパターン導電性層が、基板の電気絶縁表面に形成される。そのように形成されたパターン導電性層は、基板の電気絶縁表面上に、導電性材料の、例えば線、円、正方形、およびその他の形状をさらに含む、1つまたは複数の導電性特徴を含んでいてもよい。ある特定の場合には、そのようなパターン導電性層を形成するのに使用されるエッチングプロセスは、湿式エッチングプロセスであってもよく、基板の電気絶縁表面から導電性層が除去されるように、液体エッチング材料が導電性層と相互作用する。そのような湿式エッチングプロセスは、例えば湿式「化学」エッチングプロセスであってもよい。
【0003】
湿式エッチングで頻繁にある特徴は、「アンダーカット」であり、導電性層をエッチングする代表的な例ではエッチングマスク下の導電性層材料が除去される現象を指す。そのようなアンダーカットは、電流の流れに直交する方向での特徴幅が、エッチングマスクの対応する幅に対して低減することにより、導電性層の導電率を低下させ得る。その結果、導電率は所望のレベルよりも下に降下し得る。アンダーカットに起因する、導電率のそのような低減は、比較的小さい特徴幅の場合、例えば約60μmよりも狭い特徴幅の場合に、特に顕著になり得る。このアンダーカット現象は、導電性特徴に、勾配の付いたまたは非平面の「側壁」も与え得る。本明細書で使用される「側壁」は、エッチングマスクに隣接する特徴の上部から、基板に隣接する特徴の底部まで、下に延びる特徴の側面の壁などの、特徴の側方表面を指す。ある場合には、そのようなアンダーカットに関連付けられた特徴は、特徴の上部付近(エッチングマスクに近い)の幅が、特徴の底部(基板に近い)の幅よりも小さくなるように、勾配の付いたまたは非平面の側壁を有する可能性がある。特徴の上部の、ある特定の最小限の特徴幅は、例えば所望の導電率を実現するのにまたは所望の電気周波数応答を実現するのに望ましいと考えられるので、そのようなアンダーカットは、最小限の特徴幅または最小限の特徴同士の間隔の少なくとも1種に下限を与える可能性があり、それによって、基板に提供することができる特徴の密度が制限される。
【0004】
アンダーカットは、PCBの製造における導電性金属線のパターニング以外の適用例に望ましくないと考えられる。例えば、PCBに関して既に述べたような類似の懸念は、例えばマイクロチップ、電子ディスプレイ、または太陽電池の製造において電流および/または電気信号を送る目的で金属線を利用する、その他の適用例にも当て嵌まる可能性がある。別の例では、実質的に垂直な側壁が望ましい電子または光学デバイスまたは部品の製造において、その他の懸念が、パターン層、非金属、例えば光学コーティングまたは絶縁層を利用する適用例に当て嵌まる可能性がある。
【0005】
電子および/または光学デバイスあるいは電子および/または光学部品を製造する目的で基板上にパターン層を形成するときに、湿式エッチングプロセスを使用して形成された特徴上のアンダーカットを軽減させる(例えば、低減させまたは排除する)、改善された技法の必要性が存在する。
【0006】
従来の加工では、上述のエッチングマスクは、パターン通りの露光および後続の加工によってエッチングマスクに変換される感光性材料(しばしば、UV光感受性材料)のブランケットコーティングを、基板に付着させることによって形成される。そのような後続の加工は、典型的には、基板上にエッチングマスクパターンが形成されるような感光性材料の除去(例えば、現像ステップ中)を含む。多くの場合、例えば限定するものではないが、PCBの金属層をパターン化するのにエッチングマスクを使用する場合、エッチングマスクは基板表面の50%未満を覆い、除去された感光性材料は廃棄物として廃棄される。
多くの場合、感光性材料の除去は、液体(例えば、現像剤)中での基板の洗浄を必要とし、そのような洗浄を行うのに使用される液体は、廃棄物として廃棄される。多くの場合、例えば限定するものではないが、PCBの金属層をパターン化するのにエッチングマスクを使用する場合、感光性材料はキャリアシート上に調製され、次いでキャリアシートから積層を介して基板上に転写され、そのような転写後に、キャリアシートが廃棄物として廃棄される。電子および/または光学デバイスおよび/または部品を製造するとき、廃棄物を低減させることがしばしば望ましい。そのような廃棄物を低減させる1つの手法は、所望のパターンで液体エッチングマスクインクを基板に送出し、次いで引き続き液体コーティングを加工して(例えば、乾燥および/またはベークを介して)完成したエッチングマスクが形成されるように、ノンインパクト印刷(例えば、インクジェット印刷)を使用してエッチングマスクを所望のパターンで基板上に直接付着させることである。しかし、そのようなノンインパクト印刷法により送出されたインクは、典型的には、光学および/または電気部品および/またはデバイスの製造で使用される基板の表面で十分に吸収されず、そのようなインクは、制御されない手法でそのような表面上に拡がりおよび/または並進して、クラスター形成、凝集、およびドットゲインのような現象に至る可能性がある。その結果、そのようなノンインパクト印刷プロセスから得られるエッチングマスクは、低減した解像度、詳細の欠如、一貫性のないパターン化線幅、不十分な線エッジの滑らかさ、分離されるべき特徴間の接続、および連続すべき特徴の破断を示す可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようにエッチングマスクを調製するのにノンインパクト印刷が利用されるような場合、基板の表面で、堆積された液体エッチングマスクインクのそのような制御されない拡がりおよび/または並進を軽減させる(例えば、低減させるまたは排除する)ことが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
要旨
本開示の1つの例示的な態様では、1つまたは複数の電気導電性特徴と共にパターン化されたデバイスを作製する方法は、基板の電気絶縁表面上に導電性材料層を堆積すること、導電性材料層上に防食材料層を堆積すること、および防食材料層上にエッチングレジスト材料層を堆積することを含む。防食材料層上でのエッチングレジスト材料層の堆積では、エッチングレジスト材料層および防食材料層が、導電性材料層の覆われた部分と、導電性材料層の露出部分とをもたらすパターンで2成分エッチングマスクを形成し、覆われた部分は、デバイスの1つまたは複数の導電性特徴に対応する場所に位置決めされている。湿式エッチングプロセスは、電気絶縁基板の露出部分を除去するように行われ、2成分エッチングマスクが除去されて、導電性材料層の覆われた部分の残りの導電性材料を露出させ、それによって、デバイスの1つまたは複数の電気導電性特徴が形成される。
【0009】
本開示の別の例示的な態様において、電気導電性特徴と共にパターン化されたデバイスを作製するための装置は、基板の電気絶縁表面上の導電性材料層上に防食材料層を堆積するよう構成された第1の堆積モジュールと、防食材料上にエッチングレジスト材料層を堆積するよう構成された第2の堆積モジュールと、基板の導電性材料層をエッチングするよう構成された湿式エッチングモジュールとを含む。
【0010】
本開示のさらに別の例示的な態様では、電気導電性特徴と共にパターン化されたデバイスは、電気絶縁表面を有する基板と、電気絶縁表面に堆積された導電性特徴とを含む。導電性特徴は、電気絶縁表面に対して垂直方向で測定された高さ(c)と、電気絶縁表面で測定された第1の幅(a)と、導電性特徴の高さ(c)に沿って電気絶縁表面の反対側の導電性特徴の端部で測定された第2の幅(b)とを含む。第1の幅(a)と第2の幅(b
)との間の差の半分を高さ(c)で割った値は、少なくとも2である(即ち、[a-b]/c≧2)。
【0011】
本開示のさらに別の例示的な態様では、方法は、第1の反応性成分を含む第1の液体組成物を金属表面に付着させてプライマー層を形成すること、およびプライマー層上にノンインパクト印刷プロセスにより、第2の反応性成分を含む第2の液体組成物を画像通りに印刷して、所定のパターンに従いエッチングマスクを生成することを含む。第2の液体組成物の液滴がプライマー層に接触するとき、第2の反応性成分は、第1の反応性成分との化学反応を受けて液滴を固定化する。
【0012】
追加の目的、特徴、および/またはその他の利点は、以下に続く記述において部分的に述べられ、その記述から部分的に明らかにされることになり、あるいは本開示および/または特許請求の範囲の実施により学ぶことができる。これらの目的および利点の少なくともいくつかは、添付される特許請求の範囲で特に指摘された要素および組合せによって実現され達成され得る。
【0013】
前述の概略的な記述と以下の詳細な記述とは共に、例示的で説明的にすぎず、特許請求の範囲を制限するものではなく;むしろ特許請求の範囲は、均等物も含めてそれらの全幅の範囲に対して権利があるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】
図1Aは、基板上にパターン層を形成するための従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図1B】
図1Bは、基板上にパターン層を形成するための従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図1C】
図1Cは、基板上にパターン層を形成するための従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図1D】
図1Dは、基板上にパターン層を形成するための従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図2A】
図2Aは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図2B】
図2Bは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図2C】
図2Cは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図3A】
図3Aは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図4A】
図4Aは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図4C】
図4Cは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図、平面図、および斜視図を示す。
【
図5B】
図5Bは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図、平面図、および斜視図を示す。
【
図5C】
図5Cは、基板上にパターン層を形成するための別の従来のプロセスを受けたデバイスの、断面図、平面図、および斜視図を示す。
【
図6A】
図6Aは、本開示の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図6B】
図6Bは、本開示の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図6C】
図6Cは、本開示の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図6D】
図6Dは、本開示の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図7A】
図7Aは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図7B】
図7Bは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図7C】
図7Cは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図および平面図を示す。
【
図8A】
図8Aは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図を示す。
【
図8B】
図8Bは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図を示す。
【
図8C】
図8Cは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図を示す。
【
図8D】
図8Dは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図を示す。
【
図9A】
図9Aは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図を示す。
【
図9B】
図9Bは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図を示す。
【
図9C】
図9Cは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのプロセスを受けたデバイスの、断面図を示す。
【
図10】
図10は、従来のプロセスによる、基板上にパターン層を形成するように加工中のデバイスの、断面図を示す。
【
図11】
図11は、本開示の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するように加工中のデバイスの、断面図を示す。
【
図12A】
図12Aは、本開示の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するように加工中のデバイスの、断面図である。
【
図13A】
図13Aは、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するように加工中のデバイスの、断面図である。
【
図13B】
図13Bおよび13Cは、
図13Aの円13B、C内の部分の拡大図であって、BおよびCにおける異なる状態の特徴付けを示す拡大図である。
【
図13C】
図13Bおよび13Cは、
図13Aの円13B、C内の部分の拡大図であって、BおよびCにおける異なる状態の特徴付けを示す拡大図である。
【
図14】
図14は、本開示の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのワークフローを示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのワークフローを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのワークフローを示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、本開示の別の例示的な実施形態による、例えばPCBの製造で基板上にパターン銅層を形成するためのワークフローを示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、本開示の様々な例示的な実施形態によるデバイスを形成するための、システムの構成要素のブロック図である。
【
図19】
図19は、本開示の別の例示的な実施形態による、基板上にパターン層を形成するためのワークフローを示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、従来のプロセスにより形成された導電性特徴の顕微鏡写真である。
【
図21】
図21は、本開示の例示的な実施形態により形成された導電性特徴の顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
例示の単純化および明瞭化のため、図に示される要素は必ずしもその縮尺を合わせて描かれていない。例えば、要素のいくつかの寸法は、明瞭化のためにその他の要素に対して誇張されていてもよい。さらに、適切と考えられる場合、参照符号は、対応するまたは類似する要素を示すために図同士で繰り返されてもよい。
【0016】
以下の詳細な記述では、本開示の完全な理解を提供するために、数多くの特定の詳細について述べられている。しかし、本開示は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが、当業者に理解されよう。その他の場合では、周知の方法、手順、および構成要素は、本開示を曖昧にすることがないように詳細に記述されていない。
【0017】
マイクロチップ、プリント回路基板、太陽電池、電子ディスプレイ(限定するものではないが例えば液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、および量子ドットエレクトロルミネセンスディスプレイなど)、および様々なその他の電気または光学デバイスおよび部品は、基板により支持された異なる材料のパターン層を含む、多数の重なり合う層で構成されてもよい。本開示の様々な例示的な実施形態は、電気および/または光学デバイスおよび/または部品の製作における付着のために基板上にパターン層を形成するための方法およびデバイスを企図する。本明細書の「デバイス層」は、場合によってはパターン化され得るその最終形態において、完成した光学および/または電子デバイスおよび/または部品の層を含む材料の層を指すものとし、さらに「パターン化デバイス層」は、パターン化された後のそのような層を指すものとし、「非パターン化デバイス層」は、パターン化される前のそのような層を指すものとする。例えば、様々な例示的な実施形態は、例えばプリント回路基板(PCB)またはその他の電子部品を製造する一部として基板上に製作され得るような、ひと組の導電性ラインを含む導電性材料のパターン化デバイス層を企図する。本開示の実施形態によれば、基板上の非パターン化デバイス層、例えば限定するものではないが基板の電気絶縁表面上に重なる銅またはその他の導電性材料の導電性層は、エッチングマスクを通して露出したデバイス層材料を除去するため使用される湿式エッチングプロセス中にアンダーカットを低減させる効果を発揮する、「アンダーカット低減」材料を含む「プライマー」層でコーティングしてもよい。例えば、アンダーカット低減材料は、デバイス層の材料に対して防食特性を示す材料を含み得る、防食材料であってもよい。そのような防食材料は、ポリマー、有機材料、無機材料、シッフ塩基、またはその他の材料、例えば参照によりそのそれぞれの内容全体が本明細書に組み込まれる国際特許出願公開番号WO2016/193978 A2およびWO2016/025949 A1に開示されているものを含んでいてもよい。防食材料は、非パターン化デバイス層上にブランケット形成されもしくは堆積されまたはパターン形成されもしくは堆積されてもよい。様々な例示的な実施形態では、防食材料およびアンダーカット低減材料という用語は同義で使用されてもよい。
【0018】
本開示の様々な例示的な実施形態は、基板上の非パターン化デバイス層上にアンダーカット低減材料を含むプライマー層を形成し、次いでプライマー層上にエッチングレジスト材料のパターン層を形成することによって、エッチングマスクを基板上に形成することを企図する。本開示のその他の例示的な実施形態は、アンダーカット低減材料を含む分離層、例えばプライマー層を形成する必要なしに、非パターン化デバイス層上にアンダーカット低減材料とエッチングレジスト材料との混合物のパターン層を基板上に形成することによって、基板上の非パターン化デバイス層上にエッチングマスクを形成することを企図する。例示的な実施形態では、アンダーカット低減材料を含有するプライマー層が、基板上の非パターン化デバイス層上に形成され、次いでエッチングマスクがプライマー層上に形成されるが、このエッチングマスクは、液体エッチングレジストインクをパターン状にプライマー層上に付着させまたは堆積させ、次いで液体インクを、後続の加工を介して、例えばエッチングレジスト材料の固体パターン層が形成されるようにインクを乾燥しまたはベークすることによりエッチングマスクに変換することによって形成されるが、そのような液体エッチングレジストインクは、プライマー層と相互作用する材料を含んでいてもよい。例えば、液体エッチングレジストインクは、プライマー層と接触すると化学反応を受けて、例えば化学反応を介してプライマー表面でのインクの並進または拡がりを抑制する。他の実施例では、液体エッチングレジストインクは、インクジェットノズルにより送出された液滴の形で表面に付着されてもよく、プライマー表面に接触すると、そのような液滴は間もなく、参照によりそのそれぞれの内容全体が本明細書に組み込まれる国際公開番号WO2016/193978 A2およびWO2016/025949 A1に記載されるように、プライマー表面でのインクの液滴のさらなる並進または拡がりが大幅に低減されまたは完全に停止するようにその場に有効に固定化されまたは「凝固され(frozen)」得る。例示的な実施形態では、例えばエッチングレジストインクとプライマー層との間の相互作用から得られる化学反応を介した、プライマー表面でのエッチングレジストインクの拡がりの抑制は、パターン化される層の上でのマスクパターンの正確な堆積に寄与し得る。
【0019】
例示的な実施形態では、プライマー層は、基板上の非パターン化デバイス層上に形成され、エッチングマスクは、液体エッチングレジストインクをパターン状にプライマー層上に送出し次いで液体インクを後続の加工を介して、例えば後続のエッチングに対して耐性のある固体パターン層が形成されるようにインクを乾燥しまたはベークすることにより、エッチングマスクに変換することによって、プライマー層上に形成される。例示的な実施形態では、プライマー層は第1の反応性成分を含み、液体エッチングレジストインクは第2の反応性成分を含み、エッチングレジストインクがプライマー層に接触すると、第1および第2の反応性成分が反応して、インクをその場に有効に固定化しまたは「凝固」することにより、プライマー表面でのインクのさらなる並進または拡がりが大幅に低減しまたは完全に停止するようにする。例示的な実施形態では、プライマー層は第3の反応性成分を含み、液体エッチングレジストインクは第4の反応性成分を含み、第3および第4の反応性成分の反応は、エッチングレジストインク中に比較的不溶性の、および非パターン化デバイス層を引き続きエッチングするのに使用されるエッチング溶液に比較的不溶性の(比較的不溶性とは、本明細書では、第4の反応性成分に対して定義される)、エッチングマスク材料を生成する。そのように形成されたエッチングマスク材料を、本明細書では2成分材料または2成分反応生成物と呼ぶ。様々な実施形態では、エッチングマスクを構成する2成分材料を形成するのに質量の大部分を提供する反応性成分を、エッチングレジスト成分または同じことであるがエッチング抵抗成分と呼び、一方、その他の反応性成分を、固着成分、または同じことであるが固着反応性成分もしくは固着組成物と呼ぶ。例示的な実施形態では、エッチングレジスト成分は、多数の材料を含む。例示的な実施形態では、固着成分は多数の材料を含む。例示的な実施形態では、エッチングレジストインクは水性インクであり、2成分材料は、水に比較的不溶性である。例示的な実施形態では、エッチング溶液は酸性エッチング溶液であり、例えば限定するものではないが塩化銅と過酸化水素との混合物である。例示的な実施形態では、第1、第2、第3、または第4の成分の1つまたは複数は、多数の材料を含む。例示的な実施形態では、第1および第3の成分が同じである。例示的な実施形態では、第2および第4の成分が同じである。例示的な実施形態では、2成分材料を生成する反応は、エッチングレジストインクの液滴をプライマー層上に固定化する反応と同じである。例示的な実施形態では、プライマー層は、アンダーカット防止材料を含む。例示的な実施形態では、プライマーの反応性成分(例えば、上述の第1または第3の反応性成分)は、アンダーカット防止材料を含む。例示的な実施形態では、エッチングレジストインクの反応性成分(例えば、上述の第2または第4の反応性成分)は、アンダーカット防止材料を含む。例示的な実施形態では、エッチングレジストインクはアンダーカット防止材料を含む。
【0020】
例示的な実施形態では、プライマーまたはエッチングレジストインクの少なくとも1種が、多価および/またはポリカチオン基および/または多価無機カチオンを含んでいてもよい。例示的な実施形態では、プライマーまたはエッチングレジストインクの少なくとも1種が、ポリアニオン基を含んでいてもよい。例示的な実施形態では、プライマーまたはエッチングレジストインクの少なくとも1種が、反応性アニオン成分を含んでいてもよく、水溶性であってもよい。例示的な実施形態では、そのような反応性アニオン成分が、7.0よりも高いpHで、少なくとも1種のアニオン性ポリマー(塩基形態で)を含んでいてもよい。例示的な実施形態では、そのようなアニオン性ポリマーは、それらが溶解塩形態(例えば限定するものではないがナトリウム塩形態)にあるアクリル樹脂およびスチレン・アクリル樹脂、それらが溶解塩形態(例えば限定するものではないがナトリウム塩形態)にあるスルホン樹脂から選択されてもよい。例示的な実施形態では、そのようなアニオン性ポリマーは、アンモニウム形態またはアミン中和形態であってもよい。例示的な実施形態では、そのようなアニオン性ポリマーは、ポリマーエマルジョンまたは分散体の形をとってもよい。様々な実施形態では、2成分材料を生成する反応は、プライマー層上のエッチングレジストインクの粘度の大幅な増大を引き起こし、固定化現象は、実質的にこの粘度の増大から得られる。様々な実施形態では、エッチングレジストインクは、2成分材料を形成する材料質量の大部分を提供する。様々な実施形態では、プライマーは、2成分材料を形成する材料質量の大部分を提供し、そのような場合、プライマー層は、エッチングレジスト成分を含有していてもよいと共にエッチングレジストインクは固着成分を含有していてもよい。様々な実施形態では、プライマー層は、液体プライマーインクのコーティングを非パターン化デバイス層上に設け、次いで引き続き、例えば層を乾燥しまたはベークすることによって、層を加工してプライマー層を形成することにより形成される。様々な実施形態では、そのようなプライマーインクは水性である。様々な実施形態では、プライマー層は、非パターン化デバイス層に対して良好に接着する。様々な実施形態では、プライマー層は、インクジェット印刷、噴霧コーティング、メータリングロッド(metered rod)コーティング、ロールコーティング、浸漬コーティング、または任意のその他の適切な印刷またはコーティング法によって、非パターン化デバイス層上に付着される。様々な実施形態では、プライマー層は、均一(例えば、ブランケット)コーティングであってもよく、またはパターン化されたコーティングであってもよい。
【0021】
例示的な実施形態では、プライマー層は、少なくとも部分的には非パターン化デバイス層上に表面活性化溶液を付着させることによって形成される。例示的な実施形態では、表
面活性化溶液は、銅塩、第2鉄塩、クロム・硫酸、過硫酸塩、亜塩素酸ナトリウム、および過酸化水素の1種または複数を含む。例示的な実施形態では、非パターン化デバイス層が金属層であり、表面活性化溶液が、金属層の表面に付着される。例示的な実施形態では、表面活性化溶液は、所定の時間にわたり付着されてもよく、次いで、例えば限定するものではないが10秒、20秒、30秒、60秒間、またはそれよりも長い時間にわたって洗い落とされてもよい。例示的な実施形態では、表面活性化溶液は、表面活性化溶液が入っている浴に、表面を浸漬することによって付着されてもよい。例示的な実施形態では、表面活性化溶液は、表面活性化溶液を表面に噴霧することによって、または任意のその他の適切な方法によって、付着されてもよい。例示的な実施形態では、表面活性化溶液は、洗浄流体、例えば限定するものではないがアルコール溶液、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、およびアセトンを使用して表面から洗い落とされる。表面が銅層の、例えばPCBの表面である、例示的な実施形態では、CuCl2(または任意の2価の銅塩)の表面活性化水溶液が0.5から1.0重量パーセント濃度で利用され、プライマー層は、少なくとも部分的には、表面活性化溶液が入っている浴に銅表面を30秒間浸漬することによって形成される。表面が銅層の、例えばPCBの表面である例示的な実施形態では、Na2S2O8(または任意の過硫酸塩)の表面活性化水溶液が0.5から1.0重量パーセント濃度で利用され、プライマー層は、少なくとも部分的には、表面活性化溶液が入っている浴に銅表面を30秒間浸漬することによって形成される。表面が銅層の、例えばPCBの表面である、例示的な実施形態では、H2O2の表面活性化水溶液が10重量パーセント濃度で利用され、プライマー層は、少なくとも部分的には、表面活性化溶液が入っている浴に銅表面を30秒間浸漬することによって形成される。表面が銅層の、例えばPCBの表面である、例示的な実施形態では、FeCl3の表面活性化水溶液が20重量パーセント濃度で利用され、プライマー層は、少なくとも部分的には、表面活性化溶液が入っている浴に銅表面を10秒間浸漬することによって形成される。表面が銅層の、例えばPCBの表面である、例示的な実施形態では、HCrO4/H2SO4の表面活性化水溶液が5重量パーセント濃度で利用され、プライマー層は、少なくとも部分的には、表面活性化溶液が入っている浴に銅表面を30秒間浸漬することによって形成される。表面が銅層の、例えばPCBの表面である、例示的な実施形態では、NaClO2の表面活性化水溶液が5重量パーセント濃度で利用され、プライマー層は、少なくとも部分的には、表面活性化溶液が入っている浴に銅表面を60秒間浸漬することによって形成される。
【0022】
インクジェットプリンターを使用してエッチングレジストインクをプライマー層上に印刷する例示的な実施形態では、基板は、ほぼ「室」温であってもよく、例えば20℃から30℃の範囲であってもよく、または高温で、例えば100℃程度の高さであってもよい。例示的な実施形態では、2成分エッチングマスクは少なくとも0.01umの厚さを有していてもよい。例示的な実施形態では、2成分エッチングマスクは、12um未満の厚さを有していてもよい。
【0023】
本開示の例示的な実施形態では、プライマー層は基板上に堆積され、エッチングマスクインクがその後、インクジェット印刷を使用してプライマー層上に堆積され、次いでベークされてエッチングマスク層を形成する。プライマー層に接触して間もなく、エッチングマスクインクの液滴とプライマー層とが相互作用し、プライマー層中の第1の反応性成分とエッチングマスクインク中の第2の反応性成分との間の化学反応の結果、さらなる拡がりおよび/または並進が大幅に低減されまたは排除されるようにインクの液滴が有効に固定化されまたは「凝固」する。さらに、エッチングマスクインクの1種または複数の成分は、プライマー層の1種または複数の成分との反応を受けて、エッチングマスクインクに比較的不溶性の、および一緒にエッチングマスクが使用されることになるエッチング溶液に比較的不溶性の、2成分エッチングマスク材料を形成する(比較的不溶性とは、本明細書では、2成分エッチングマスク材料が形成されるように反応するエッチングマスクインクに対して定義される)。例えば、エッチングマスクインクは水性であってもよく、そのような反応から得られるエッチングマスク材料は水に不溶性であり、エッチング溶液は酸性エッチング溶液であってもよく、そのような反応から得られるエッチングマスク材料は酸性エッチング溶液に不溶性である。
【0024】
例示的な実施形態では、防食材料などのアンダーカット防止材料と共に銅層などの非パターン化デバイス層をコーティングすることは、デバイス層材料が湿式エッチングされないようにエッチングマスクを使用する任意のプロセスに適用可能である。銅の代わりのその他の金属層は、限定するものではないが例えばアルミニウム、ステンレス鋼、金、および金属合金も含めて、例示的な実施形態で使用してもよい。本開示の例示的な実施形態は、例えば積層、スロットダイコーティング、またはスピンコーティングを介して、非パターン化デバイス層にフォトレジスト層を付着させる前に、プライマー層の形でアンダーカット低減材料を導入することを含み、この層はその後、フォトマスクを通した、選択された波長の光、例えばUV光への曝露を介して、または直接レーザー撮像を介して、パターン化される。
【0025】
化学エッチングプロセス中のアンダーカット低減材料の動作は、パターン化プロセスから得られるデバイス層特徴のアンダーカットの出現を軽減させ(例えば、低減させ、排除し)得る。このように、化学エッチングプロセスを行った後、アンダーカット低減材料なしで形成されたデバイス層と比較してより垂直でありかつそれほど勾配のない側壁を持つデバイス層特徴が、アンダーカットが低減されまたは排除されたことに起因して形成され得る。電流または電気信号を送る機能を有する導電性材料を含むパターン化デバイス層に付着された場合、本開示の様々な実施形態は、そのように形成された電気回路の性能全体を高めることができ、個々の導電性特徴の全導電率を改善し、周波数応答を高めることができ、より高い密度と、より薄い特徴および特徴間のより狭い空間の両方とを備えるパターンを製造することが可能になる。類似の利益も、光学または絶縁パターン化特徴など、非金属材料のパターン化デバイス層を使用して、構成要素に誘導され得る。
【0026】
従来の湿式エッチングプロセス中、液体エッチャントは、エッチングマスクにより覆われていないような領域でエッチングされるデバイス層材料の厚みを通して下に進むにつれ(例えば、基板に向かう方向に)、液体エッチャントは、エッチングマスクにより覆われたデバイス層材料のそのような部分の側方表面(側壁)に向かって側方にも進むと考えられる。エッチング深さが増大するにつれ、側壁のより多くが側方エッチングに曝露され、したがってエッチングマスクに最も近い側壁の部分は、基板に最も近い側壁の部分よりも長期間にわたって液体エッチャントに曝露されるようになり、それに相応して増大した側方エッチングに供されるようになり、したがって、得られるパターン化デバイス層特徴の側壁にはアンダーカット形状が与えられる。言い換えれば、デバイス層材料の部分を除去するようエッチャントがデバイス層材料と反応する時間は、基板からの距離と共に長くなる。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、従来の湿式エッチングプロセスでは、エッチングマスクの意図がそれらの領域でのデバイス層材料の除去を防止することであるにも関わらず、浸漬によって実施されようともあるいはエッチャントを噴射させまたは噴霧させることによって実施されようとも、エッチャントと、基板からさらに得られるデバイス層材料の部分との間の追加の反応時間は、エッチングマスク特徴の直下にありかつ近接するデバイス層材料の領域で側方内向きにデバイス層材料の浸食(除去)をもたらすと考えられる。この現象のさらなる説明および図示を、
図4B~5Cに関連して以下に提示する。
【0027】
本開示による様々な例示的な実施形態で論じるように、エッチャントと、パターン化デバイス層特徴の側方表面に、または同じことであるが側壁に対応するデバイス層材料の部分との間の反応は、湿式エッチングプロセス中に軽減され(例えば、低減され、防止され、阻害され)、それによって、側方表面のアンダーカット形状の形成が軽減される。
【0028】
図1A~5Cは全て、様々な従来のプロセスによる、基板上にパターン化デバイス層を形成するための、または同じことであるが基板上にパターン化デバイス層特徴を形成するための、デバイスの加工の様々な段階を示す。例示的な実施形態では、デバイスは、製造されているプロセス中のPCBであり、デバイス層材料は電気導電性材料である。しかし当業者なら、PCBへの言及は非限定的でありかつ単なる例示であり、上記にて言及された様々な電子および光学部品などの様々な適用例が本開示の範囲内に包含されることを理解しよう。次に
図1A~1Dを参照すると、1つの従来のプロセスによる、パターン化デバイス層特徴が形成されるように加工を受けたデバイス100の様々な図が示されている。
図1Aは、基板102を含みかつ非パターン化デバイス層104が基板102上に配置されている、デバイス100の平面図および側面図である。
【0029】
基板102は、それ自体が多数の層を含み、例えば限定するものではないが1つまたは複数の非パターン化またはパターン化デバイス層を含む。例えば、非パターン化デバイス層104は基板102の片面(例えば、図の向きで「上面」)に示されているが、本開示はデバイス100の「両面」加工も企図し、例えば基板102は、基板102の反対側(例えば、「底面」)を含むように据えられた第2の非パターン化デバイス層を含む。例示的な実施形態では、そのような「底面」側の非パターン化デバイス層は、「上面」側の非パターン化デバイス層104に類似したパターン化プロセスに供され、そのような「底面」側パターン化は、全体としてまたは部分的に、非パターン化デバイス層104の「上面」側パターン化の前、後、またはその間に行われる。例示的な実施形態では、基板102は、1つまたは複数の例示的な実施形態により加工された、例えば限定するものではないが非パターン化デバイス層104を加工するのに使用されたものと類似の手法で、1つまたは複数のパターン化デバイス層を含んでいてもよい。
【0030】
1つの例示的な実施形態では、デバイス100は製造プロセス中のPCBであり、非パターン化デバイス層104は電気導電性材料を含み、それによって層は非パターン化電気導電性デバイス層になり、基板102は、「上部」電気絶縁表面および「底部」電気絶縁表面を提供するよう構成された1つまたは複数の電気絶縁材料の層を含み、非パターン化電気導電性デバイス層104は、「上部」電気絶縁表面に隣接するように据えられる。第2の非パターン化電気導電性デバイス層は、基板102に組み込まれ、「底部」電気絶縁表面に隣接するように据えられ(そのような「底面」電気絶縁表面は基板102内にあり、
図1には示されていない)、基板102の「底部」表面、即ち非パターン化デバイス層104に隣接する表面に対して基板102の反対側にある表面は、第2の非パターン化電気導電性デバイス層の表面である。
【0031】
1つの例示的な実施形態では、デバイス100は、製造されるプロセスでのPCBであり、基板102は、基板102と非パターン化デバイス層104との界面の少なくとも部分を含む領域上に電気絶縁表面を有する。1つの例示的な実施形態では、基板102は、例えば限定するものではないがエポキシ樹脂またはその他の材料により結合されたガラス繊維を含む複合体材料など、電気絶縁材料の層を含んでいてもよい。そのような電気絶縁材料は、例えば、約0.001インチから約0.05インチの範囲の厚さを有していてもよい。1つの例示的な実施形態では、基板102は、電気絶縁材料および電気導電性材料が交互に配された多数の層を含んでいてもよく、少なくとも2つの電気絶縁層をさらに含んでいてもよく、各層は、エポキシ樹脂またはその他の材料により結合されたガラス繊維を含み、0.001インチから0.05インチの厚さを有し、例えば1つの「コア」層と、含浸前結合シート(「プリプレグ」と呼んでもよい)を含む1つの層とを含み、少なくとも1つのパターン化電気導電性層は電気絶縁層間に据えられ、非パターン化デバイス層104と整合する基板102の「上」面は、少なくとも2つの電気絶縁層の1つの表面である。例示的な実施形態では、プリプレグは、FR4グレードのエポキシ積層シートを含む。例示的な実施形態では、コア層は、FR4グレードのエポキシ積層シートを含む。
【0032】
非パターン化デバイス層104は、例えば、限定するものではないが銅、アルミニウム、銀、金、または当業者に馴染みのあるその他の導電性材料を含む金属または金属合金などの、導電性材料の層を含み得る。例示的な実施形態では、非パターン化デバイス層104は、基板102上に積層された銅箔であり、基板102と非パターン化デバイス層104との界面は電気的に絶縁されており;しかし、その他の導電性材料は、本開示の範囲内にあると見なされる。
【0033】
次に
図1Bを参照すると、加工の次の段階において、非パターン化デバイス層104の露出表面110上に、エッチングマスク106が形成される。エッチングマスク106は、
図1Bに示されるように、パターン化デバイス層の線が加工後にデバイス100上に望まれる場合に対応する線など、所望のパターン108に形成され得る。言い換えれば、エッチングマスク106は、パターン化デバイス層特徴がデバイス100に望まれる場合に対応する場所で、非パターン化デバイス層104上に堆積されたエッチングレジスト材料を含み得る。エッチングマスク106は、例えばポリマー、酸化物、窒化物、またはその他の材料などの、材料を含み得る。1つの例示的な実施形態では、エッチングマスク材料は、ネガ型フォトレジスト材料、例えば限定するものではないがMicroChem Corp.、200 Flanders Road、Westborough、MA 01581 USAにより供給されるSU-8シリーズのフォトレジストの1つを使用して形成されるポリマーである。1つの例示的な実施形態では、エッチングマスク材料は、ポジ型フォトレジスト材料、例えば限定するものではないがmicro resist technology GmbH.、Kopenicker Str. 325、12555 Berlin、DEにより供給されるma-P 1200シリーズのフォトレジストの1つを使用して形成されるポリマーである。エッチングマスク106は、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、フォトリソグラフィ、グラビア印刷、スタンピング、写真凸版、またはその他の方法などの方法によって、非パターン化デバイス層104の表面上でパターン化され得る。エッチングマスク106を非パターン化デバイス層104の表面110に付着させた後、デバイス100を、エッチングマスク106により保護されていないような領域から非パターン化デバイス層104の材料を除去する化学エッチャントなどのエッチャントに曝露し、その結果、
図1Cにより示されるようにパターン化デバイス層114が形成される。そのような化学エッチャントは、非パターン化デバイス層104の材料に対して腐食作用を発揮する化合物を含み得る。例示的な実施形態では、非パターン化デバイス層104が電気導電性層であり、そのような化学エッチャントは、限定するものではないが過硫酸アンモニウム、塩化第2鉄、または非パターン化デバイス層104の材料に対して腐食作用を発揮するその他の化合物を含み得る。一実施形態では、非パターン化電気導電性デバイス層104が銅を含み、使用されるエッチャントは塩化銅(CuCl2)である。当業者は、非パターン化デバイス層104の材料の除去に適切な様々な化学エッチャントに馴染みがある。
【0034】
引き続き
図1Cを参照すると、非パターン化デバイス層104がエッチャントに曝露されたとき、エッチャントは、曝露された上面110から開始して非パターン化デバイス層104の材料を溶解する(例えば、腐食させる)。非パターン化デバイス層104の材料が除去されるにつれ、エッチャントは、エッチングマスク106の下の非パターン化デバイス層104の材料の部分も除去する可能性があり、真っ直ぐではない非垂直側壁112をもたらす。例えば、
図1Cに示されるように、
図1A~1Dに示されるプロセスにより生成されたデバイス100では、エッチングマスク106のパターン108により生成されたパターン化デバイス層114の特徴の側壁112は、テーパー形状、例えばパターン化デバイス層114とエッチングマスク106との間の界面での幅W1の第1の特徴から、基板102とパターン化デバイス層114との間の界面での、第1の特徴の幅W1よりも広い幅W2の第2の特徴に至る、テーパー形状を示し得る。
図1Dは、エッチングマスク106が除去された後のデバイス100を示し、パターン化デバイス層114が露出している。パターン化デバイス層114の特徴の側壁112によって
図1Dに示されるテーパー形状は、「アンダーカット」された側壁の1つの例示であり、以下に
図4A~4Cに関連してさらに詳細に論じることになる。アンダーカットされた側壁のその他の形状および配置構成が生じてもよく、実質的に真っ直ぐではなくかつそれらが形成される基板の表面に実質的に垂直に延びていない側壁を含み得る。
【0035】
次に
図2A~2Cを参照すると、導電性ラインのパターン208を有するエッチングマスク206を形成する方法が、示されている。基板202および非パターン化デバイス層204を有するデバイス200は、非パターン化デバイス層204の全領域が、非パターン化エッチングレジスト層216で覆われている(即ち、ブランケットコーティングされている)。次いで非パターン化エッチングレジスト層216を、あるパターンで光(例えば、UV光)に曝露して、曝露された領域が後続の現像プロセスでの除去を比較的受け難くなるようにし(いわゆるネガ型加工)、または曝露された領域が後続の現像プロセスでの除去を比較的より受け易くなるようにする(いわゆるポジ型加工)。そのようなパターン通りに使用される露光は、例えば、いわゆるフォトリソグラフィ加工におけるようにフォトマスクを通して光を照らすことにより、またはエッチングレジスト層216に例えばレーザー光線の形で集束光の一連のパルスもしくはスキャンを送り出すことにより、時間の関数としてあるパターンで、いわゆる直接描画加工で実現され得る。現像プロセスは、パターン通りの露光に対応させて、非パターン化エッチングレジスト層216の材料を除去し、その結果、
図2Cに示されるようなパターン208を有するパターン化エッチングマスク206が得られる。現像プロセスは、デバイス200を、非パターン化エッチングマスク層216の材料を溶解しまたは腐食させる液体現像剤に浸すことを含んでいてもよく、例えば限定するものではないが、ネガ型プロセスの場合には比較的除去をより受け易くなり、現像剤液体は、UV光に曝露されてこなかった非パターン化エッチングレジスト層216の材料を溶解してもよく、ポジ型プロセスの場合には、現像剤液体は、UV光に曝露されてきた非パターン化エッチングレジスト層の材料を溶解し得る。次いでエッチングマスク206によって保護されていない非パターン化デバイス層204の部分の除去は、
図1Dに関連して上記にて論じたように進行し、その結果、パターン208の特徴を有しかつアンダーカットを示す、パターン化デバイス層を備えたデバイス200が得られる。
【0036】
あるいはエッチングマスクは、所望のパターンで、非パターン化デバイス層上に直接堆積され得るが、
図2A~2Cの実施形態におけるように非パターン化エッチングレジスト層をパターン化する中間ステップはない。例えば、次に
図3Aおよび3Bを参照すると、エッチングマスク306は、得られるデバイス上にパターン化デバイス層の特徴が望まれる場所に対応した線の所望のパターン308として、デバイス300の非パターン化デバイス層304上に直接形成され得る。エッチングマスク306は、例えばインクジェット印刷、積層、スクリーン印刷、グラビア印刷、スタンピング、またはその他の方法によって、非パターン化デバイス層304上に所望のパターン308で堆積され得る。1つの例示的な実施形態では、エッチングマスク306は、インクジェット印刷を使用して、非パターン化デバイス層304上に形成され、複数のノズルを有するインクジェットプリントヘッドは、液体エッチングレジストインクの液滴をデバイス300上に排出して、パターン308に対応させて液体エッチングレジストインクのコーティングを形成するようにし、そのような液体エッチングレジストインクのコーティングは、引き続き、液体コーティングがエッチングマスク306に変換されるように加工される。1つの例示的なさらなる実施形態では、液体エッチングレジストインクの加工は、液体コーティングから固体エッチングマスク306が形成されるように、デバイスを乾燥および/またはベークすることを含む。1つの例示的な実施形態では、エッチングマスク306は、複数のノズルを含む1つまたは複数のプリントヘッド、基板を保持する基板支持体、複数のノズルおよび基板を相対的に移動させるためのステージ、基板とノズルとの相対位置を制御するための運動制御システム、ならびにノズルの始動を制御するためのノズル制御システムであって液滴を所望のパターンで基板上に送出するようになされたものを含む、インクジェットプリンターを使用して、非パターン化デバイス層304上に形成される。本開示では、液体コーティングを堆積するのにインクジェット印刷が利用される任意の実施形態において、本明細書に記述されるようなインクジェット印刷システムが使用され得ることが企図される。
【0037】
図4A~4Cは、デバイス400から、非パターン化デバイス層404から材料を除去するための従来のプロセスを示し、アンダーカットを引き起こす湿式エッチングプロセス中に生ずると考えられるものを示す。
図4Aでは、非パターン化デバイス層404は、パターン408に対応したエッチングマスク406によって覆われている。次いでデバイス400は、化学エッチャント418に曝露される。
図4Bの例示的な実施形態では、曝露は、エッチャント418に浸漬することによって行われる。エッチャント418は、部分的にパターン化デバイス層405が創出されるように、非パターン化デバイス層404(
図4Aから)から材料を除去する。例えば、
図4Bの実施形態では、エッチャント418は、槽420内に入っている液体、例えば限定するものではないが溶液を含み、エッチングマスク406(
図4B)を備えたデバイス400が、
図4Bに示されるようにエッチャント418に浸漬される。非パターン化導電性層404の上面410(
図4A)の露出部分がエッチング除去され、側壁412が形成され始めると、側壁412はエッチャント418に曝露され、エッチャント418が材料を側壁412から除去し、
図4Cに示されるパターン化デバイス層414の特徴のテーパー状のアンダーカット形状がもたらされる。別の言い方をすれば、全方向に一様に作用し得るエッチャント418は、非パターン化デバイス層404の上面410がエッチング除去されるや否や、エッチングマスク406の下で側方に、デバイス層を含む材料を侵襲する(デバイス層が、その非パターン化状態、即ち404、部分的にパターン化された状態、即ち405、またはパターン化状態、即ち、414にあってもなくても)。エッチャント418により除去されるデバイス層の材料の量は、デバイス層の材料がエッチャント418に曝露される時間の長さに依存し得る。したがって、エッチャント418が、部分的にパターン化されたデバイス層405の厚みを経て進行するにつれ(即ち、基板402の平面に対して垂直方向)、エッチングマスク406により近い側壁412の部分が、基板402により近い側壁412の部分よりも長い期間にわたりエッチャント418に曝露され、それによってエッチングプロセスは、
図4Cに示されるテーパー状の(即ち、アンダーカット)形状を側壁412に与える。言い換えれば、エッチャントがデバイス層の材料と反応してそのような材料をデバイス層から除去する時間は、基板からの距離と共に長くなる。したがって、いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、基板から離れたようなデバイス層の部分でのエッチャントと材料との間の追加の反応時間は、エッチングマスクの意図がそれらの領域でのデバイス層の材料の除去を防止することであるにも関わらず、エッチングマスクの直下でかつ近接して、デバイス層の領域で側方内向きに、デバイス層からの材料の浸食(除去)をもたらすと考えられる。
【0038】
次に
図5A~5Cを参照すると、別の従来のプロセスの実施形態が示されている。
図5A~5Cのプロセスは、
図4A~4Cに関連して記述されたものに類似しており、
図5Aに示されるように、エッチングマスク506をデバイス500の非パターン化デバイス層504上に形成することを含む。
図4Bに関連して上記にて示されるように、エッチャント518中にデバイス500を浸漬するのではなく、
図5Bに示されるように、槽520内に在ってもよいデバイス500に衝突する噴流522としてエッチャント518を導入する。過剰なエッチャント518は、再循環させるためにまたはその他の加工のために、槽520のドレイン524に流入することができまたはその他の手法で収集することができる。エッチャント518は全方向に作用するので、テーパーまたはアンダーカットは、
図5Cに示されるように、得られるパターン化デバイス層514の特徴の側壁512上に形成される。
【0039】
上記にて論じたように、パターン化デバイス層の特徴のアンダーカット側壁がデバイス上に形成されることにより、形成され得る特徴のサイズおよび形状に様々な制約が導入される。例えば、上記にて論じたように、アンダーカットが形成される傾向は、生成することが可能な最小特徴幅または最小の特徴同士の間隔に制約を課す可能性があり、それによってデバイス上の特徴密度が制限される。様々な適用例では、デバイス上の特徴密度を最大限にすることで、性能が改善される。様々な実施形態では、デバイス層は電気導電性材料を含み、デバイスはPCBであり、アンダーカットの傾向は、最小特徴幅、最小の特徴同士の間隔、および最大特徴密度を制限する可能性がある。
【0040】
図6A~17は、従来の加工中に生じるアンダーカットを軽減する(例えば、低減させまたは排除する)ためのプロセスの様々な実施形態を示す。例えば、次に
図6Aを参照すると、デバイス600は、基板602上に非パターン化デバイス層604を有する。非パターン化デバイス層604は、当業者に馴染みのあるような、化学気相成長、物理気相成長、積層、スロットダイコーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ノズル印刷、グラビア印刷、ロッドコーティング、または任意のその他の適切な方法によって基板に付着されてもよい。非パターン化デバイス層604は、防食層629でコーティングされ、その後、防食層629の上にエッチングマスク628を形成する。防食層629は、当業者に馴染みのあるような、化学気相成長、物理気相成長、積層、スロットダイコーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ノズル印刷、グラビア印刷、ロッドコーティング、または任意のその他の適切な方法によって基板に付着されてもよい。一部の実施形態では、防食層629は「プライマー」層を含み、エッチングマスク628は、プライマー層上に、後続の加工、例えば限定するものではないが乾燥またはベークを介してエッチングマスク628に変換される液体エッチングレジストインクを堆積することによって形成される。様々な実施形態では前述のように、そのような液体エッチングレジストインクは、インクジェット印刷を介して液滴の形でデバイス600に送出されてもよく、そのような液滴がプライマー表面と接触することにより急速に(例えば、マイクロ秒程度で)有効にその場に固定化されまたは「凝固される」ような手法で、防食層629(そのような場合、プライマー層として機能する)と相互作用することができ、したがって、上記参照により組み込まれる国際公開番号WO2016/193978 A2およびWO2016/025949 A1でさらに論じられるように、プライマー表面上のインクの液滴のさらなる並進または拡がりは、大幅に低減しまたは完全に停止するようになる。そのような液体エッチングレジストインクはさらに、そのようなプライマー層との相互作用を介して、少なくとも部分的にエッチングレジストマスクを形成する2成分材料を生成し得る。
【0041】
様々な実施形態では、
図6Aを参照すると、デバイス600がPCBであり、非パターン化デバイス層604は、銅、アルミニウム、金、および/またはその他の金属などの電気導電性材料を含み、非パターン化電気導電性デバイス層604に隣接する基板602の表面は、電気絶縁性である。
【0042】
例示的な実施形態では、防食層629は、デバイス600の非パターン化デバイス層604の材料を除去するのに使用される化学エッチャントの腐食作用を妨げる、それらの能力に基づいて選択された材料を含んでいてもよい。非限定的な例として、防食層629は、限定するものではないがポリマー、有機化合物、例えば1つまたは複数の-イミン基、1つまたは複数の-アミン基、1つまたは複数の-アゾール基、1つまたは複数の-ヒドラジン基、1つまたは複数のアミノ酸を含む有機化合物、シッフ塩基、またはその他の材料を含んでいてもよい。その他の例示的な実施形態では、防食層629は、クロメート、モリブデート、テトラボレート、または別の無機化合物などの、無機材料を含んでいてもよい。一部の例示的な実施形態では、防食層629は、ポリカチオンおよび/または多価カチオンを含む1つまたは複数の反応性カチオン基などの反応性化合物を含んでいてもよい。カチオン反応性成分は、銅表面などの金属表面に接着することが可能であってもよい。
【0043】
一部の実施形態では、防食層629は、任意の公知の付着方法、例えば限定するものではないが噴霧、スピンコーティング、ノズル印刷、ロッドコーティング、スクリーン印刷、塗抹、インクジェット印刷、または同様のものを使用して、非パターン化デバイス層上に液体防食インクを付着させ、次いで液体コーティングが防食層629に変換されるようにデバイス600を加工することにより形成されてもよい。一部の実施形態では、防食層629をプライマー層と呼んでもよく、液体防食インクをプライマーインクと呼んでもよい。液体防食インクは、低または高分子量を有する、例えば線状ポリエチレンイミンまたは分枝状ポリエチレンイミンなどのポリエチレンイミンなどのポリイミンを含み得る溶液を含んでいてもよい。非限定的な例として、分子量は約800から約2,000,000に及び得る。
【0044】
一部の実施形態では、液体防食インクをインクジェットプリントヘッドを介して噴射可能にするために、液体インクは、プロピレングリコール、n-プロパノール、および湿潤添加剤など(Evonik Industriesにより供給されるTEGO 500など)の追加の作用物質を含み得る水性溶液であってもよい。
【0045】
一部の実施形態では、防食材料層629の厚さは、約0.03μmから約1.1μmの範囲にあってもよい。一部の実施形態では、方法は、固体コーティングを形成する任意の乾燥方法を使用して、付着したインクを乾燥することを含んでいてもよい。一部の実施形態では、方法は、固体コーティングを形成する任意の乾燥方法を使用して、付着したインクをベークすることを含んでいてもよい。
【0046】
さらなる非限定的な例として、存在する場合には、防食材料層629のカチオン反応性成分は、ポリアミド、例えばポリエチレンイミン、ポリ第4級アミン、長鎖第4級アミン、ポリ第3級アミンを様々なpHレベルで、ならびに多価無機カチオン、例えばマグネシウムカチオン、亜鉛カチオン、カルシウムカチオン、銅カチオン、第2鉄カチオン、および第1鉄カチオンを含んでいてもよい。ポリマー成分は、可溶性成分またはエマルジョン形態のいずれかとして配合物中に導入され得る。
【0047】
防食材料層629は、インクジェット印刷、噴霧、メータリングロッドコーティング、ロールコーティング、浸漬コーティング、スピンコーティング、スクリーン印刷、積層、スタンピング、およびその他のものを含むがこれらに限定されない任意の適切な印刷またはコーティング法を使用して、非パターン化デバイス層604に付着されてもよい。防食層629は、非パターン化デバイス層604上に均一に付着されてもよく、またはパターン化デバイス層630の所望のパターンを画定するパターン608など(
図6による)、所望のパターンに付着されてもよい。
【0048】
図6A~6Dの例示的な実施形態では、防食層629が「プライマー」層を含んでいてもよく、エッチングマスク628は、後続の加工、例えば限定するものではないが乾燥またはベークを介してエッチングマスク628に変換される液体エッチングレジストインクをプライマー層上に堆積することによって形成されてもよい。様々な実施形態では、そのような乾燥は、例えば限定するものではないが70℃またはそれよりも高い温度でベークすることを含んでいてもよい。様々な実施形態では、前述のように、そのような液体エッチングレジストインクは、インクジェット印刷を介して液滴の形でデバイス600に送出されてもよく、そのような液滴がプライマー表面と接触することにより急速に(例えば、マイクロ秒程度で)その場に固定化されまたは「凝固され」るような手法でプライマー層と相互作用してもよく、したがって、上記参照により組み込まれる国際公開番号WO2016/193978 A2およびWO2016/025949 A1でさらに論じられるように、プライマー表面でのインクの液滴のさらなる並進または拡がりが大幅に低減されまたは完全に停止されるようになる。そのような液体エッチングレジストインクは、そのようなプライマー層と、少なくとも部分的にエッチングマスクを形成する2成分材料との相互作用を介してさらに生成され得る。
【0049】
エッチングマスク628、またはそのようなエッチングマスク628を作製するのに使用される液体エッチングレジストインク(上述の様々な実施形態による)は、水溶性のポリマー成分を含んでいてもよく、アニオン基を含んでいてもよい。アニオン性ポリマーは、アクリル樹脂およびスチレン-アクリル樹脂であってそれらの溶解塩形態にあるものから選択されてもよい。アニオン性ポリマーは、それらの溶解塩形態にあるスルホン樹脂、例えばナトリウム、アンモニウム-、またはアミン-中和形態にあるものから選択されてもよい。液体エッチングレジストインクを利用する実施形態では、液体インクは、材料の印刷またはその他の堆積品質を改善するために、追加の作用物質を含んでいてもよい。
【0050】
エッチングマスク628、または(上述のある特定の実施形態により)そのようなエッチングマスク628を作製するのに使用される液体エッチングレジストインクは、水溶性であってもよい反応性成分を含んでいてもよく、反応性アニオン基を含んでいてもよい。アニオン反応性成分の非限定的な例は、7.0よりも高いpHで、少なくとも1種のアニオン性ポリマー(塩基形態にある)を含んでいてもよい。アニオン性ポリマーは、それらの溶解塩形態にあるアクリル樹脂およびスチレン-アクリル樹脂から選択されてもよい。アニオン性ポリマーは、それらの溶解塩形態にあるスルホン樹脂から、例えば限定するものではないがナトリウム塩形態、アンモニウムまたはアミン中和形態、ならびにポリマーエマルジョンまたは分散体の形にあるものから選択されてもよい。ポリマー成分は、可溶性成分またはエマルジョン形態のいずれかとして配合物に導入されてもよい。
【0051】
図6Bを参照すると、防食層629およびエッチングマスク628がデバイス600上に直接印刷され得る。1つの例示的な実施形態では、防食層629は、対応してパターン化されたデバイス層630(
図6におけるように)の製作が容易になるように、パターン608などの所望のパターンで、非パターン化デバイス層604上での印刷を介して形成され得る。防食層629は、約5nmから約100nmに及ぶ、約100nmもしくはそれよりも薄い、または約1μmもしくはそれよりも薄い厚さで堆積されてもよい。防食材料層629のその他の厚さは、本開示の範囲内で考えられ、特定の適用例に依存し得る。次いでエッチングマスク628が、対応してパターン化されたデバイス層630(
図6におけるように)の製作が容易になるように、パターン608などの所望のパターンで、防食材料層629上での印刷を介して形成される。エッチングマスク628は、例えば、約1μmから約5μmに及ぶ、または約5μmもしくはそれよりも薄い、または約15μmもしくはそれよりも薄い厚さを有するように堆積されてもよい。
【0052】
次いでデバイス600は、
図4Bおよび5Bに関連して論じられた液体化学エッチャント418または518などのエッチャントに導入される。防食材料層629の存在は、
図6Cおよび6Dに示されるように、パターン化デバイス層630の特徴のアンダーカット量の減少に寄与し得る。例えば、パターン化デバイス層630の特徴は、防食層629に近接して第1の幅W1を示すことができ、基板602に近接して第2の幅W2を示し得る。一部の例示的な実施形態では、幅W1とW2との間の差が、テーパー状の側壁632を示す、パターン化デバイス層630の特徴をもたらす(即ち、パターン化デバイス層630の特徴は、ある程度のアンダーカットを示し得る)。パターン化デバイス層630の特徴によって示されるアンダーカットは、上記にて論じたパターン化デバイス層114、414(
図1Dおよび4D)の特徴によって示されたアンダーカットよりも少なくなる可能性がある。
図10および11に関連して以下により詳細に論じるように、様々な測定を使用して、アンダーカットの程度を定量化してもよい。
【0053】
図7A~7Cの例示的な実施形態では、防食層729は、基板702上に堆積された非パターン化デバイス層704の表面上に堆積されたブランケットである。そのようなブランケットコーティングは、限定するものではないが化学気相成長、物理気相成長、積層、インクジェット印刷、噴霧、メータリングロッドコーティング、ロールコーティング、浸漬コーティング、スピンコーティング、スクリーン印刷、ノズル印刷などの方法、またはその他の方法によって行われてもよい。エッチングマスク728は、上記の様々な実施形態に関して論じられたパターン708などの所望のパターンで、防食層729上に形成され得る。方法は、上述の
図6A~6Cの実施形態に類似して進行する。例えば、防食層729およびエッチングマスク728を備えたデバイス700は、
図4Bおよび5Bに関連して論じられたエッチャント418または518などのエッチャントに曝露される。
図7Bに示されるように、デバイス700は槽720内に配置され、エッチャント718は、エッチングマスク728が配置されるデバイス700の表面上に噴射される。エッチャント718は、非パターン化デバイス層704の表面から防食層729を除去し、
図7Bに示されるようにエッチャント718により除去される非パターン化デバイス層704の材料を露出させて、従来のプロセスにより生成されたパターン化デバイス層114、414に関連付けられた側壁112に比べてアンダーカットの程度の低減を示す側壁732を有するパターン化デバイス層730を形成し得る。部分的にパターン化されたデバイス層705は、エッチングマスクを通して露出した領域から防食層729が除去されかつデバイス層そのものの材料の一部がエッチング除去された後の、およびエッチングが十分に進行してパターン化デバイス層730が形成される前の、デバイス層の中間状態を反映する。
【0054】
次に
図8A~8Dを参照すると、
図7A~7Cの実施形態のプロセスのある部分のより詳細な例示が示される。
図8Aでは、エッチャントの噴流822(
図7Bにおけるエッチャント718など)が、基板802上の非パターン化デバイス層804上に堆積された、防食層829の表面とエッチングマスク828とに衝突する。防食層829は、デバイス層の材料の表面に優先的に接着することができ、エッチャント718中で少なくとも部分的に可溶性になる可能性もあり、一方、エッチングレジスト材料828は、エッチャント718に実質的に不溶性であってもよい。エッチャント718の噴流822は、
図8Bに示されるように、エッチングマスクを通して露出された領域で、非パターン化デバイス層804から防食層829を除去するのに十分な運動エネルギーを含有してもよく、その後、エッチャント718は、エッチングレジスト材料828に覆われていない非パターン化デバイス層804の材料を除去し始め、
図8Cに示されるように部分的にパターン化されたデバイス層805を形成してもよい。
図8Dは、部分的にパターン化されたデバイス層805が十分にエッチングされてパターン化デバイス層830が形成された後の、デバイス800を示す。
図8Dに示されるように、パターン化デバイス層830は、
図1A~5Cに関連して記述された従来のプロセスにより生成された側壁よりも、少ないアンダーカットを示す側壁832を有する。パターン化デバイス層830は、
図8Dにおいて僅かなアンダーカットと共に示されているが、本開示は、実質的にアンダーカットがない(即ち、実質的に真っ直ぐでありかつ基板802の表面に垂直に延びる)パターン化デバイス層(例えば、導電性)特徴を企図する。
【0055】
次に
図9A~9Cを参照すると、デバイス900上にパターン化デバイス層930を形成するためのプロセスの別の実施形態が示されている。基板902上に配置された非パターン化デバイス層904は、防食層929およびエッチングマスク928でマスクされる。デバイス900は、
図9Bでデバイスがエッチャント918中に浸漬されるように、エッチャント918と共に槽920に導入される。
図9Cに示されるように、デバイス900で得られたパターン化デバイス層930は、従来のプロセスに関連付けられた導電性特徴114(
図1D)によって示されるアンダーカットよりも少ない程度のアンダーカットを示す、側壁932を有する。
【0056】
次に
図10を参照すると、
図1A~5Cの従来の方法に関連して論じられたデバイス100の拡大図が示されている。
図10では、パターン化デバイス層114の特徴は、エッチングマスク106とパターン化デバイス層114との界面と、パターン化デバイス層114と基板102との界面との間を延びるテーパー状の側壁を示す。パターン化デバイス層特徴114は、パターン化デバイス層114とエッチングマスク106との界面での第1の幅W1、ならびにパターン化デバイス層114と電気絶縁基板102との界面での第2の幅W2を示す。
図10は例示的な目的で描かれており、様々な種類のプロファイルが生じる可能性があるが、一般に、パターン化デバイス層114は、エッチングレジスト材料との界面よりも基板との界面においてより広い幅を有する。エッチングマスク106は、幅W2よりも大きい、少ない、または同じである本開示が企図する幅W3を有することに留意されたい。
【0057】
次に
図11を参照すると、
図6A~9Cに示されるデバイス600、700、800、または900に類似するデバイス1100の拡大図が示されている。この例示的な実施形態では、パターン化デバイス層1130の特徴は、パターン化デバイス層1130と防食層1129との間の界面での第1の幅W1、ならびにパターン化デバイス層1130と基板1102との間の界面での第2の幅W2を示す。エッチングマスク1128は、幅W2よりも大きい、少ない、または同じである本開示が企図する幅W3を有することに留意されたい。
【0058】
アンダーカットの程度に関する例示的な尺度は、パターン化デバイス層の特徴の最も広い部分と最も狭い部分との幅の差と、パターン化デバイス層の特徴の高さとの比である、エッチファクターFである。したがって、エッチファクターFは、H/X(式中、Hは線の高さ(H)であり、Xは(W2-W1)/2、即ち、基部の幅(W2)と上部の幅(W1)との差を2で割ったものに等しい)と定義される。
図11は、HとXとの関係を図式的に実証する。本開示のパターン化デバイス層の特徴のエッチファクターFの例示的な値を、実施例1~3により以下に論じる。非限定的な例として、本開示の様々な例示的な実施形態により製造されたデバイスに関連付けられたデバイス層の特徴は、2よりも大きい、5よりも大きい、7よりも大きい、またはそれよりも大きい、例えば10よりも大きい、20よりも大きいなどのエッチファクターFを示し得る。さらなる実施例では、垂直線に近付く(即ち、アンダーカットを示さない)側壁を備えた導電性特徴のエッチファクターFは、Xの値がゼロに近付くにつれ無限大に近付くと考えられる。H、W1、およびW2の測定は、表面プロファイル、断面、および膜厚を測定する様々な顕微鏡技法、例えば限定するものではないが表面形状測定法、走査型電子顕微鏡法、偏光解析法、および共焦点顕微鏡法を使用して行われてもよい。
【0059】
特定の理論に拘泥するものではないが、本発明者らは、エッチングプロセス中に防食材料層の部分が層から解離しエッチングマスクの下でデバイス層の側壁に接着しかつ/または吸着されて、アンダーカットが軽減されるようになると考える。
図12Aおよび12Bは、この現象を示す。
【0060】
図12Aは、本開示の様々な例示的な実施形態による、パターン化プロセスにおける中間加工ステップ中のデバイス1200の断面図を示す。図示されるように、基板1202上の部分的にパターン化されたデバイス層1205は、エッチングプロセスを受けている。
図12Bは、部分的にパターン化されたデバイス層1205の側壁1232と防食層1229との間の界面にある、
図12Aの部分の拡大図を示す。
図12Bに示されるように、デバイス1200がエッチャント1218に曝露されると、防食層1229を構成する防食材料の部分1246は、エッチャント1218の動作に起因して、例えば限定するものではないが防食層を部分的に溶解することによって、防食層1229から解離し、次いでそのような防食材料は、側壁1232上に進行し、接着し、かつ/または吸着されるようになる。別の言い方をすれば、エッチャント1218の存在は、エッチングプロセス中、防食層1220を構成する防食材料の部分1246の、防食材料層1229から部分的にパターン化されたデバイス層1230の側壁1232への移行を容易にし得る。次いで側壁1232上の防食材料部分1246の存在は、側壁1232上でのエッチャント1218の腐食動作を阻害し、それによって、得られるパターン化デバイス層1230で示されるアンダーカットの量が減少し得る(例えば、低減しまたは排除される)。様々な例示的な実施形態では、少なくとも2つのプロセスがこれらの現象に寄与すると考えられ、その1つのプロセスでは、防食材料はエッチャントにより溶解し、別の同時に起こるプロセスでは、エッチャントに溶解する防食材料が側壁1232上に吸着されかつ/または接着する。様々な例示的な実施形態では、第1および第2のプロセスの速さは、得られるアンダーカットの量が減少する(例えば、低減または排除される)ように、エッチングプロセス中に防食材料部分1246が形成されかつ維持されるような速さである。
【0061】
図12Bに示されるように、ある場合には、側壁1232に吸着される防食材料1246の部分は、ほぼテーパー形状を示し得ると考えられ、その場合、防食材料の接着および/または吸着した層1246は、防食材料層1229に近接してより大きい厚さを示し、防食材料層1229から離れかつ基板に向かう方向で層1246に沿って低減する厚さを示す。
【0062】
図13A、13B、および13Cは、防食材料の粒子1348が防食層1329から解離し、デバイス1300の部分的にパターン化されたデバイス層1305の側壁1332上に接着および/または吸着することが考えられる、プロセスの追加の実施例を示す。
図13Bおよび13Cは、防食材料層1329と部分的にパターン化されたデバイス層の側壁1332との間の界面の拡大図を示す。
図13Bに示されるように、防食材料の粒子1348は、防食材料層1306から解離する。
図13Cにおいて、解離した粒子1348は、部分的にパターン化されたデバイス層1305の側壁1332上に接着および/または吸着する。解離した粒子1348は、防食材料層1329から離れる方向で厚さが一般的に減少するパターンの側壁1332に、接着および/または吸着し得る。様々な場合において、解離した粒子1348は、実質的に均等なパターン、実質的にランダムなパターン、またはいくつかのその他のパターンで、側壁1332に吸着および/または接着し得ると考えられる。側壁1332上の粒子1348の存在は、エッチャント1318の動作を阻害し、エッチングプロセス中に部分的にパターン化されたデバイス層1305上に生ずるアンダーカットを軽減し得る(例えば、低減しまたは排除する)。
図12に関して既に述べたように、様々な例示的な実施形態では、少なくとも2つのプロセスがこれらの現象に寄与すると考えられ、その場合1つのプロセスでは、防食材料がエッチャントにより溶解され、別の同時に起こるプロセスでは、エッチャントに溶解した防食材料が側壁1332上に吸着および/または接着し、様々な実施形態では、第1および第2のプロセスの速さは、観察されるアンダーカットの量が減少する(例えば、低減しまたは排除される)ように、エッチングプロセス中に防食材料部分1346が形成され維持されるような速さである。
【0063】
図14は、本開示により、デバイス、例えば限定するものではないが電気または光学部品またはデバイスを形成するためのワークフロー1400の例示的な実施形態を示すフローチャートである。1402で、非パターン化デバイス層は、基板上に調製される。例えば、非パターン化デバイス層、例えば導電性被膜が、基板の電気絶縁表面上に積層されまたはその他の手法で堆積される。1404では、防食層を非パターン化デバイス層上に堆積し、防食材料上にエッチングマスクを堆積することなどにより、耐アンダーカットエッチングマスクが形成される。例えば、防食材料を含有する液体プライマーインクを基板上にブランケットコーティングし、次いで乾燥して防食プライマー層を形成し、液体エッチングマスクインクを防食プライマー層上に印刷し、次いで乾燥してエッチングマスクを形成する。一緒に、プライマー層およびエッチングマスクが耐アンダーカットエッチングマスクを形成する。耐アンダーカットエッチングマスクは、上記例示的な実施形態で論じられたように、防食層(例えば、防食層629、729、829、929、1129、1229、または1329など)およびエッチングマスク(例えば、エッチングマスク628、728、828、または928など)を含んでいてもよい。プライマー層および液体エッチングマスクインクは、上述のように相互作用して2成分材料を形成し得る。プライマー層および液体エッチングマスクインクは、相互作用して、上述のようにプライマー表面にインクを有効に固定化しまたは凝固するようにすることができる。1406では、湿式エッチングを行って、エッチングマスクにより覆われていない非パターン化デバイス層の領域(即ち、非パターン化デバイス層の露出部分)を除去する。湿式エッチングは、非パターン化デバイス層の露出部分を除去するのに十分な持続時間にわたり行い、それによって、エッチングマスクにより覆われた特徴に対応したパターン化デバイス層を残すことができる。1408では、デバイス上に得られるパターン化デバイス層を露出させるため、エッチングマスクを溶解しそれによって除去するように設計された、剥離流体のストリームにデバイスを浸漬しまたはそのストリームをデバイスに噴霧することなどによって、エッチングマスクを剥離する。様々なさらなる実施形態では、剥離プロセスは、エッチングマスクの下の防食層も除去する。
【0064】
図15は、本開示による基板上に、上記1404に関連して論じられるような耐アンダーカットエッチングマスクを形成するための、ワークフロー1500の例示的な実施形態を、より詳細に示すフローチャートである。1502では、例えば防食層629、729、829、929、1129、1229、または1329などの防食層を、非パターン化デバイス層を備えた基板上に形成する。
図15の実施形態では、防食層は、非パターン化デバイス層の全表面に、ブランケットコーティング(即ち、非パターン化層)として形成される。1504では、エッチングマスク628、728、828、または928などのエッチングマスクを、ブランケットコーティングで防食層の表面上に形成する。1506では、
図2A~2Cに関連して上記にて概略的に論じたように、UV光のパターンになるよう露光することなどによって、エッチングレジスト材料を直接描画露光または光露光する。1508では、例えばUV光に曝露されていない(ネガ型プロセスの場合)またはUV光に曝露された(ポジ型プロセスの場合)エッチングレジスト材料を除去することなどにより、エッチングレジスト材料を現像してパターン化エッチングマスクを形成する。
【0065】
図16は、本開示による、基板上に耐アンダーカットエッチングマスクを形成するためのワークフロー1600の別の例示的な実施形態を示すフローチャートである。1602では、防食層(例えば、防食層629、729、829、929、1129、1229、または1329など)が、非パターン化デバイス層上のブランケットコーティングで、非パターン化デバイス層を備えた基板上に形成される。1604では、パターン化エッチングマスク(例えば、エッチングマスク628、728、828、または928など)が、非パターン化防食コーティング上に調製される。
【0066】
図17は、本開示による、デバイスを形成するワークフロー1700の別の例示的な実施形態を示すフローチャートである。1702では、例えば限定するものではないが銅被膜などの非パターン化デバイス層を、基板の電気絶縁表面上に積層する。1704では、防食層(例えば、防食層629、729、829、929、1129、1229、または1329など)が、銅被膜上のブランケットコーティングで、形成される。1706では、エッチングマスク(例えば、エッチングレジストマスク628、728、828、または928など)は、液体エッチングレジストインクを、ブランケットコーティングされた防食材料上に所望のパターンに印刷し、次いで液体を乾燥してエッチングマスクを形成することにより調製される。1708では、噴霧型湿式エッチングを行って、エッチングマスク材料により覆われていない銅被膜の領域をエッチングする。1710では、エッチングマスクを、銅被膜の残りの部分から剥離して、形成された導電性特徴を露出させる。様々な実施形態では、防食層がプライマー層であり、液体エッチングレジストインクは、インクジェットノズルにより送出される液滴の形で表面に付着させてもよく、プライマー表面と接触することにより、そのような液滴は、例えば限定するものではないがエッチングレジストインクとプライマー層との間の相互作用により誘発された化学反応に起因して間もなく(例えば、マイクロ秒程度で)その場に固定化または「凝固」され、したがって、上述のようにかつ国際公開番号WO2016/193978 A2およびWO2016/025949 A1に記載されるように、プライマー表面でのインクの液滴のさらなる並進または拡がりが大幅に低減されまたは完全に停止するようになる。様々な実施形態では、プライマー層および液体エッチングマスクインクは、相互作用して2成分エッチングマスク材料を形成する。
【0067】
図18は、本開示の実施形態によるデバイスを生成するための装置1800のブロック図を示す。装置1800は、筐体1802を含んでいてもよい。様々な例示的な実施形態では、筐体1802は、加工環境内での周囲粒子濾過、相対湿度の制御、温度の制御、またはその他のプロセス条件の制御をもたらすように構成されてもよい。装置1800は、第1の基板移送機構1804と、第1の基板移送機構1804から基板を受容するように構成された基板入力ユニット1806とを含んでいてもよい。基板は、
図6A~9Cに関連して論じられた、基板602、702、802、または902などの非パターン化デバイス層と、非パターン化デバイス層604、704、804、または904とを含んでいてもよい。第1の堆積モジュール1808は、非パターン化デバイス層上に、
図6A~9Cおよび11~13Cに関連して論じられた防食層629、729、829、929、1129、1229、または1329などの第1の層を堆積するように構成され、この第1の堆積モジュール1808は、第1の材料を基板上に堆積する部分と、堆積された第1の材料をさらに加工して、例えば限定するものではないが第1の材料を乾燥し、硬化し、またはその他の手法で加工することによって、防食層を形成するようにする部分とを含んでいてもよい。第2の堆積モジュール1812は、
図6A~9Dに関連して論じられたエッチングマスク628、728、828、または928などのエッチングマスクを、防食材料層上に堆積するように構成される。第2の堆積モジュール1812は、第2の材料を基板上に堆積する部分と、堆積された第2の材料をさらに加工して、例えば限定するものではないが第2の材料を乾燥し、硬化し、現像し、光露光し、レーザー直接描画し、またはその他の手法で加工することによって、エッチングマスクが形成されるようにする部分とを含んでいてもよい。装置1800は、基板を第2の基板移送機構(図示せず)に提供する基板出力ユニット1820を含んでいてもよい。第1の基板移送機構1804は、基板を、先の加工モジュールまたは装置から装置1800に移送してもよく、第2の基板移送機構は、基板を次の加工モジュールまたは装置に移送してもよい。
【0068】
様々な例示的な実施形態では、第1の堆積モジュール1808および第2の堆積モジュール1812は、インクジェット印刷、噴霧、積層、スピンコーティング、または限定するものではないが上述の堆積方法のいずれかを含む任意のその他の堆積方法などの方法によって、材料を堆積するように構成されてもよい。
【0069】
一部の例示的な実施形態では、装置は、基板を基板入力ユニット1806から受容し、基板を清浄化し、基板を第1の堆積モジュール1808に移行させるように構成された、基板清浄化モジュール1807を含む。一部の例示的な実施形態では、第1の堆積モジュール1808および第2の堆積モジュール1812が、単一モジュールであってもよい。一部の例示的な実施形態では、装置1800は、エッチングマスクによって保護されていない非パターン化デバイス層の材料をエッチングするように構成されたエッチングモジュール1816と、基板上の非パターン化デバイス層の材料をエッチングした後にエッチングマスクを基板から除去するように構成された剥離モジュール1818とを含む。
【0070】
図19は、本開示の別の実施形態による例示的なワークフロー1900を示す。1902では、第1の反応性成分を含むプライマー層が、金属表面、例えば銅箔などの非パターン化デバイス層上に付着される。プライマー層は、上記実施形態に関連付けられた防食層629、729、829、929、1129、1229、または1329などの防食層であってもよい。1904では、2成分エッチングレジストマスクは、第2の反応性成分を含む第2の組成物を含む液体エッチングレジストインクを、プライマー層上に画像通り印刷することによって調製される。エッチングレジストインクの相互作用から得られた2成分材料は、例えば、上記実施形態に関連して記述された628、728、828、または928などのエッチングマスクを含んでいてもよい。第2の組成物は、第1の反応性成分との化学反応を受けることが可能な第2の反応性成分を含んでいてもよい。様々な実施形態では、エッチングレジストインクは、インクジェットノズルにより送出された液滴の形で表面に付着されてもよく、プライマー表面と接触することにより、そのような液滴は間もなく(例えば、マイクロ秒程度)、例えば限定するものではないがエッチングレジストインクとプライマー層との間の相互作用によって誘発される化学反応に起因して、その場に固定化されまたは「凝固され」てもよく、したがって、上述のようにかつ国際公開番号WO2016/193978 A2およびWO2016/025949 A1に記載されるように、プライマー表面でのインクの液滴のさらなる並進または拡がりが大幅に低減されまたは完全に停止するようになる。1906では、プライマー層の非マスク部分(即ち、エッチングマスクによって覆われていないプライマー層の部分)が、エッチングプロセスの前、またはその間に除去される。1908では、金属表面の非マスク部分がエッチングされて、上記実施形態に関連して論じられたパターン化デバイス層630、730、830、930、1130、1230、または1330などのパターン化デバイス層を形成する。1910では、エッチングレジストマスクを除去して、パターン化デバイス層を露出させる。
【実施例0071】
(実施例1~3)
下記の比較例は、防食材料を利用しない従来のプロセスと比較して、本開示の実施形態を使用して得られたアンダーカットの低減を実証するために行った。
【0072】
以下に詳述する実施例2および3では、ポリイミン系作用物質組成物を、Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用して、銅厚1/2Oz(17μm)を有するFR4銅張板の上部に最初に付着させた。次いでエッチングレジストマスクを、ポリイミン層の上部に付着させた。水性エッチングレジスト組成物は、湿潤剤として10%のプロピレングリコールを、イオン交換として1%(w/w)の2-アミノ-2-メチルプロパノールを、界面活性剤としてBYKにより供給された0.3%(w/w)のBYK 348を、および着色剤として2%(w/w)のBayscript BAシアンを使用して調製した。エッチングレジスト溶液はさらに、アニオン性エッチングレジストとして24%のJoncryl 8085スチレンアクリル樹脂溶液を含んでいた。以下の記述において、%(w/w)は、組成物の重量に対する重量パーセンテージから見た、物質の濃度の尺度である。印刷された試料を80℃で乾燥した。保護されていない露出ゾーンからの銅を、酸性エッチング溶液を含有するエッチャント浴を使用してエッチング除去した。エッチングレジストマスクは、エッチングされた板を1%(w/w)NaOH水溶液に25℃の温度で浸漬し、その後、FR4銅板を水で洗浄し、それを25℃の空気を使用して乾燥することによって、剥離した。実施例1では、下に在る作用物質層を付着せずに、別の試料を調製した。
【0073】
(実施例1)
エッチングレジストパターンを、Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用して、1/2Oz(17μm)の銅厚で、コーティングされていない銅FR4板の上面に印刷した。実施例1により作製された銅線試料の断面の顕微鏡写真を示す、
図20を参照する。水性エッチングレジスト組成物は、湿潤剤として10%のプロピレングリコールを、イオン交換として1%(w/w)の2-アミノ-2-メチルプロパノールを、界面活性剤としてBYKにより供給された0.3%(w/w)のBYK348を、および着色剤として2%(w/w)のBayscript BAシアンを使用して調製した。エッチングレジスト溶液はさらに、アニオン性エッチングレジスト反応性成分として、24%のJoncryl 8085スチレンアクリル樹脂溶液を含んでいた。エッチングレジストの乾燥、エッチング、および除去は、上述のように実施した。
図20からわかるように、銅側壁の勾配は比較的高い。形成された導電性特徴の関連ある寸法を測定し、エッチファクターは1.5と計算された。
【0074】
(実施例2)
エッチングレジストパターンを、ポリイミン系コーティングでコーティングされた銅FR4板の上面に印刷した。ポリイミン水溶液は、BASFにより供給された10%(w/w)のLUPASOL G100(分子量5000を有するポリエチレンイミン)の水溶液、10%(w/w)のプロピレングリコール、10%のn-プロパノール、およびEvonik Industriesにより供給されたTEGO 500を含有する0.3%(w/w)の、混合物として調製した。ポリイミン溶液を、Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用して付着させた。ポリイミン系コーティングを室温で乾燥したままにした結果、結晶形成なしに板の全表面を覆う、乾燥厚0.075μmを有する完全に透明で均一なコーティングが得られた。エッチングレジスト組成物を、上記にて詳述したプロセスおよび材料を使用して、コーティングされた銅板上に印刷した。形成された導電性特徴の関連ある寸法を測定し、エッチファクターが2.5と計算された。
【0075】
(実施例3)
エッチングレジストパターンを、ポリイミン系コーティングでコーティングされた銅FR4板の上面に印刷した。本開示の実施形態による、実施例3により作製された銅線試料の断面の顕微鏡写真を示す、
図21を参照する。ポリイミン系コーティングを、Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用してFR4板の上面にコーティングした。ポリイミン溶液は、BASFにより供給された10%(w/w)のLUPASOL HF(分子量25,000を有するポリエチレンイミン)水溶液、10%(w/w)のプロピレングリコール、10%のn-プロパノール、およびEvonik Industriesにより供給されたTEGO 500を含有する0.3%(w/w)の混合物として、調製した。コーティングされたプレートを室温で乾燥したままにした結果、結晶形成なしで全表面を覆う厚さ0.075μmの乾燥層を有する、完全に透明で均一なコーティングが得られた。
【0076】
エッチングレジスト組成物を、実施例1で詳述したように調製した。マスクされていない銅のエッチング、およびエッチングレジストマスクの除去は、実施例1に関して記述したように実施した。
図21に示されるように、銅線の側壁の勾配は、
図20に示されるアンダーカット排除層なしで調製された試料よりも非常に小さい。形成された導電性特徴の関連ある寸法を測定し、エッチファクターを測定して7.5であることがわかった。
【0077】
以下の表1は、3つの実施例の結果のいくつかの特徴をまとめる。
【0078】
【0079】
下記の比較例は、プライマー層およびインクジェット印刷されたエッチングレジストインクを使用した、エッチングマスクの形成の改善を実証するために行ったものであり、この場合、プライマー層と接触することにより、1つまたは複数の反応がプライマー層の成分とエッチングレジストインクとの間に生じて、2成分エッチングマスク材料が形成され、エッチングレジストインクの液滴が急速に(例えば、マイクロ秒程度)固定化されまたは凝固し、後続のそのような液滴の拡がりおよび/または並進が大幅に低減されるようになる。
(実施例4~12)
【0080】
Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用して、例示的なエッチングレジスト組成物(本明細書に記述される第2の組成物)を、厚さ1/2Oz、1/3Oz、および1Ozを有するFR4銅張板上に印刷した。ある場合には、Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用して、固着組成物(本明細書に記述される第1の組成物)で銅を最初にコーティングして固着層を形成し、その上に、所定のパターンに従いエッチングレジスト組成物を選択的に印刷した。以下の記述において、%(w/w)は、組成物の重量に対する重量パーセンテージから見た、物質の濃度の尺度である。エッチングレジストにより保護されていない-露出ゾーンからの銅を、Amzaにより供給された[pernix 166]、Baume度が42°の強度である塩化第2鉄エッチャント溶液が入っているエッチャント浴を使用してエッチング除去した。エッチングは、Walter Lemmen GMBHにより供給されたSpray Developer S31中で、35℃の温度で3分間行った。エッチングレジストマスクは、エッチングされた板を25℃の温度で1%(w/w)のNaOH水溶液に浸漬し、その後、FR4銅板を水で洗浄し、25℃で空気により乾燥することによって剥離した。いくつかの実験では、保護されていない銅をエッチングするための塩化銅溶液を含有する、UniversalまたはShmidthにより製造されたハイパーおよびスーパーエッチングユニットを含む工業用エッチングユニットを使用して、銅板もエッチングした。
【0081】
(実施例4)
エッチングレジスト組成物を、コーティングされていない銅FR4板の上面に印刷した(比較データ)。エッチングレジスト組成物(第2の組成物)は、10%のプロピレングリコール、1%(w/w)の2-アミノ-2-メチルプロパノール、BYKにより供給された0.3%(w/w)のBYK 348、および2%(w/w)のBayscript BAシアンで調製した。これらの材料を、アニオン反応性成分として24%のJoncryl 8085スチレンアクリル樹脂溶液を含有する水に溶解した。Epsonスタイ
ラス4900インクジェットプリンターを使用して、エッチングレジスト組成物を、1/2Ozの厚さを有するFR4銅張板上に印刷することにより、エッチングレジストマスクを生成した。乾燥エッチングレジストの厚さは5ミクロンであった。
【0082】
エッチングマスクを目視検査し、印刷パターンは、極めて不十分なエッジ解像力、断線、および線同士の深刻な短絡を伴う非常に不十分な印刷品質であることが実証された。
【0083】
(実施例5)
エッチングレジスト組成物を、実施例4で詳述したように調製した。プライマーまたは固着組成物は、BASFにより供給された10%(w/w)のLUPASOL PR8515の水溶液(カチオン反応性成分としてのポリエチレンイミン)、10%(w/w)のプロピレングリコール、10%のn-プロパノール、およびEvonik Industriesにより供給された0.3%(w/w)含有TEGO 500(フォーム阻害基板湿潤添加剤)の混合物として調製した。
【0084】
FR4銅板を、Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用してコーティングした。コーティングされたプレートを室温で乾燥したままにした結果、いかなる結晶形成もなしに、全表面を覆う厚さ0.3μの乾燥層を有する、完全に透明で均一なコーティングが得られた。Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用して、エッチングレジスト組成物を、コーティングされた銅板上に印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。エッチングマスクを目視検査して、実施例4よりも良好な印刷品質が示されたが、それでもより太い線での比較的不十分な印刷品質と、線同士の短絡とが示された。マスクされていない銅のエッチング、およびエッチングレジストマスクの除去は、実施例4で詳述されたように実施した。エッチングプロセス後に生成された配線パターンは、同じ太い線と線同士の短絡とを持つ、エッチングレジストマスクと同一の画像を有していた。ある特定の適用例では、実施例5により示されたような印刷品質が、十分となり得ることに留意すべきである。
【0085】
(実施例6)
エッチングレジスト組成物を、実施例4で詳述したように調製した。固着組成物は、0.3%(w/w)のTEGO500を、13%(w/w)の濃HClを含有する0.3%(w/w)のTEGO 500で置き換えたこと以外、実施例5で詳述したように調製した。
【0086】
FR4銅板を、実施例5で詳述したように、Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用して固着組成物でコーティングし、乾燥後、実施例5で詳述したようにコーティング層を形成した。実施例5と同様に、エッチングレジスト組成物を、コーティングされた銅板上にインクジェット印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。エッチングレジストパターンは、厚さが2ミリメートルまで減少する十分画定された細い線があり、鋭いエッジがあり、かつ断線のない、高い印刷品質を実証した。マスクされていない銅のエッチング、およびエッチングレジストマスクの除去は、実施例4に詳述したように実施した。エッチングおよび剥離プロセスにより生成された配線パターンは、幅が15ミクロンまで減少した細い線を持ち、鋭いエッジを持ち、かつ断線のない、十分画定したパターンを実証した。
【0087】
(実施例7)
2成分反応、エッチングレジスト組成物を、塩酸(HCl)を含有する反応性カチオン組成物でコーティングされた銅表面に印刷した。エッチングレジスト組成物は、実施例4で詳述したように調製した。固着組成物は、10%(w/w)のStyleze W-の水溶液の混合物として調製した。
【0088】
20(20%のポリマー水溶液としてISPにより供給された)、0.1%のBYK 348、および13%(w/w)の濃HCl。
【0089】
F4F銅板を、Mayerロッドを使用して、固着組成物で覆うことにより、厚さ0.4μの乾燥層を生成した。コーティングされた板を乾燥したままにした結果、結晶形成のない、銅表面全体に完全に透明なコーティングが得られた。実施例5と同様に、エッチングレジスト組成物を、コーティングされた銅板上にインクジェット印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。
【0090】
エッチングレジストパターンは、2ミリメートルまで減少した十分画定された細い線があり、鋭いエッジがあり、かつ断線のない、高い印刷品質を実証した。エッチングレジスト組成物により覆われなかった固着層の残留物は、板を水中に2分間、25℃の温度で浸すことによって洗浄し、80℃で乾燥した。露出した銅のエッチング、およびエッチングレジストマスクの除去は、実施例4で詳述したように実施した。板上の配線パターンは、鋭いエッジを含有する、幅が2ミルまで減少した、十分画定された細い線があり、かつ断線がないことを実証した。
【0091】
(実施例8)
2成分反応、塩酸(HCl)を含有する反応性カチオン組成物でコーティングされた銅表面に印刷されたエッチングレジスト組成物。エッチングレジスト組成物を、実施例4で詳述したように調製した。
【0092】
固着組成物は、10%(w/w)のLupasol HFの水溶液(56%のポリマー水溶液としてBASFにより供給された)、13%(w/w)の濃HClを含有する0.1%のBYK 348の、混合物として調製した。
【0093】
FR4銅板を、Mayerロッドを使用して、固着組成物で覆うことにより、厚さ1μの乾燥層を生成した。コーティングされた板を乾燥したままにした結果、結晶形成なしで、銅表面全体に完全に透明なコーティングが得られた。実施例5と同様に、エッチングレジスト組成物を、コーティングされた銅板上にインクジェット印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。
【0094】
エッチングレジストパターンは、2ミルまで減少した十分画定された細い線があり、鋭いエッジが含有されかつ断線のない高い印刷品質を実証した。エッチングレジスト組成物により覆われていない固着層の残留物は、板を水中に25℃の温度で3分間浸すことによって洗浄し、80℃で乾燥した。露出した銅のエッチングと、エッチングレジストマスクの除去は、実施例4で詳述したように実施した。板上の配線パターンは、鋭いエッジを含有しかつ断線のない、幅が2ミルまで減少した十分画定された細い線を実証した。
【0095】
(実施例9)
2成分反応:塩酸(HCl)を含有する反応性カチオン組成物でコーティングされた銅表面に印刷された、エッチングレジスト組成物。エッチングレジスト組成物を、実施例5で詳述したように調製した。固着組成物は、10%(w/w)のLupasol PN50の水溶液(49%のポリマー水溶液としてBASFにより供給された)、13%(w/w)の濃HClを含有する0.1%のBYK348の、混合物として調製した。
【0096】
FR4銅板を、Mayerロッドを使用して、固着組成物で覆うことにより、厚さ1μの乾燥層を生成した。コーティングされた板を乾燥したままにした結果、結晶形成なしに銅表面全体に完全に透明なコーティングが得られた。実施例5と同様に、エッチングレジ
スト組成物を、コーティングされた銅板上にインクジェット印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。
【0097】
エッチングレジストパターンは、2ミリメートルまで減少した十分画定された細い線があり、鋭いエッジがあり、かつ断線のない、高い印刷品質を実証した。固着層の残留物は、実施例8で記述したように洗浄した。露出した銅のエッチング、およびエッチングレジストマスクの除去は、実施例1で詳述したように実施した。板上の配線パターンは、鋭いエッジを含有しかつ断線のない、幅が2ミルまで減少した十分画定された細い線を実証した。
【0098】
(実施例10)
2成分反応、クエン酸を含有する反応性組成物でコーティングされた銅表面に印刷されたエッチングレジスト組成物。エッチングレジスト組成物を、実施例4で詳述したように調製した。固着組成物は、10%(w/w)のクエン酸の水溶液、25%(w/w)のプロピレングリコールであって、Evonik Industriesにより供給された0.3%(w/w)のTEGO 500(フォーム阻害基板湿潤添加剤)を含有するものの、混合物として調製した。
【0099】
FR4銅板を、Epsonスタイラス4900インクジェットプリンターを使用して、固着組成物でコーティングした。コーティングされたプレートを室温で乾燥したままにした結果、結晶形成なしに全表面を覆う厚さ0.3μの乾燥層を有する完全に透明で均一なコーティングが得られた。実施例5と同様に、エッチングレジスト組成物を、コーティングされた銅板上にインクジェット印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。
【0100】
エッチングレジストパターンは、2ミルまで減少した十分画定された細い線があり、鋭いエッジがあり、かつ断線のない、高い印刷品質を実証した。露出した銅のエッチングと、エッチングレジストマスクの除去は、実施例4で詳述したように実施した。板上の配線パターンは、鋭いエッジを含有しかつ断線のない、幅が2ミルまで減少した十分画定された細い線を実証した。
【0101】
(実施例11)
2成分反応、エッチングレジスト組成物を含有するコーティング組成物を、実施例4で詳述したように調製した。固着組成物は、2.5%(w/w)のZn(NO3)2水溶液、3.75%(w/w)の酢酸カルシウム、0.2%(w/w)のCapstone 51、5%(w/w)のn-プロパノール、および5%(w/w)のLupasol FG(BASFから供給される)の、混合物として調製した。
【0102】
FR4銅板を、Mayerロッドを使用して固着組成物で覆うことにより、厚さ0.5μの乾燥層を生成した。コーティングされた板を乾燥したままにした結果、結晶形成なしに、銅表面全体に完全に透明なコーティングが得られた。実施例5と同様に、エッチングレジスト組成物を、コーティングされた銅板上にインクジェット印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。
【0103】
実施例5と同様に、エッチングレジスト組成物を、コーティングされた銅板上にインクジェット印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。
【0104】
エッチングレジストパターンは、2ミルまで減少した十分画定された細い線があり、鋭いエッジがあり、かつ断線のない、高い印刷品質を実証した。露出した銅のエッチング、およびエッチングレジストマスクの除去は、実施例4で詳述したように実施した。板上の
配線パターンは、鋭いエッジを含有しかつ断線のない、幅が2ミルまで減少した十分画定された細い線を実証した。
【0105】
(実施例12)
エッチングレジスト組成物は、8%(w/w)のPVA水溶液、24%のJoncryl 8085スチレンアクリル樹脂溶液(42%のポリマー水溶液として供給された)、および1.5%の2-アミノ2-メチルプロパノールの混合物として調製した。
【0106】
固着組成物は、下記の通り調製した:2%(w/w)のBasacid Red495、10%(w/w)のプロピレングリコール、10%のn-プロパノール、0.3%(w/w)のTEG0500、10%(w/w)のLupasol G20(BASFにより供給される)であって12%(w/w)の濃HClを含有するもの。FR4銅板を、Mayerロッドを使用して、エッチングレジスト組成物で覆うことにより、厚さ2.4μの乾燥層を生成した。コーティングされた板を乾燥したままにした結果、結晶形成なしに銅表面全体に完全に透明なコーティングが得られた。固着組成物を、コーティングされた銅板上にインクジェット印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。
【0107】
実施例5と同様に、エッチングレジスト組成物を、コーティングされた銅板上にインクジェット印刷し、80℃で乾燥して、2成分エッチングレジストマスクを生成した。
【0108】
エッチングレジストパターンは、2ミルまで減少した十分画定された細い線があり、鋭いエッジがあり、かつ断線のない、高い印刷品質を実証した。エッチングレジストインクにより覆われていないコーティングの残留物を、板を1%(w/w)のNaHCO3水溶液中に、25℃の温度で30秒間浸すことによって洗浄し、80℃で乾燥した。露出した銅のエッチング、およびエッチンレジストマスクの除去は、実施例4で詳述したように実施した。板上の配線パターンは、鋭いエッジを含有しかつ断線のない、幅が2ミルまで減少した十分画定された細い線を実証した。
カチオン性組成物(固着反応性成分)
【0109】
カチオン反応性成分(固着反応性成分)の非限定的な例は、ポリアミド、例えばポリエチレンイミン、2価の金属塩、有機および無機の両方の酸、ビニルピロリドンのヘテロポリマー、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド;メタクリロイルアミノプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ第4級アミン、およびポリアミンであって、天然形態にあるもの、またはアンモニウム塩としてのものを含んでいてもよい。
【0110】
乾燥した固着層の厚さは、0.01ミクロン程度の薄さであってもよい。乾燥層に典型的な所望の厚さは、0.025から5ミクロンまで様々であってもよい。
【0111】
カチオン性組成物(第1の組成物)は、乾燥層の付着方法および所望の幅に適うように適合させた、追加の成分を含んでいてもよい。組成物は、噴霧しまたはインクジェット印刷するのに適した粘度、例えば、周囲温度でそれぞれ60センチポアズ未満、または3~20cP(センチポアズ)の間の粘度を有していてもよい。組成物は、異なるコーティング方法が適用される場合には、より高い粘度を有していてもよい。
【0112】
一部の実施形態では、銅層320に対する第1の層の反応性、ならびにそのエッチングレジストまたは固着層に対する反応性を増大させるため、酸性溶液を第1の溶液に添加してもよい。一部の実施形態では、第1の層はさらに、銅エッチングプロセスの前に、例えば水によって現像されてもよい。一部の実施形態では、第2の層を付着する前に、付着された第1の層を乾燥してもよい。乾燥したままの層は、主に第1の反応性材料を含有していてもよい。第1の層は、任意の公知の乾燥方法を使用して乾燥してもよい。
【0113】
第1の反応性成分(例えば、固着成分)および第1の組成物(例えば、固着組成物、カチオン性組成物)の、一部の非限定的な例を表1に列挙する。
【表1-2】
アニオン性組成物(エッチングレジストポリマー成分)
【0114】
一部の実施形態では、第2の反応性成分(例えば、ポリマー成分)が耐エッチング成分(金属エッチング溶液に耐性がある)であってもよい。第2の反応性成分は:アクリレート、スチレンアクリレート;ホスフェート、およびスルホネートなどのポリアニオン活性基を含んでいてもよい。第1の(例えば、固着)層の上面に付着されたエッチングレジストインクの液滴は、第1の反応性材料(ポリカチオンを含む)と第2の反応性材料(ポリアニオンを含む)との間の化学反応に起因して、銅表面に固定化し固着することができる。固着は非常に急速であるので(マイクロ秒の範囲内)、印刷されたパターンの寸法は、必要とされるパターンの寸法に類似する。第1の反応性材料と第2の反応性材料(それらは共に水に可溶性である)との反応によって形成された化合物は、銅エッチング溶液に不溶性であるべきである。
【0115】
第2の組成物は、噴射温度で60cP未満の、例えば3~20cPの、インクジェット
印刷に適した粘度を有していてもよい。組成物は、異なるコーティング方法が適用される場合には、より高い粘度を有していてもよい。一部の実施形態では、第2の組成物は、必要とされる粘度が持続するように、20%(w/w)以下の反応性成分を含んでいてもよい。一部の実施形態では、組成物に溶解するときのポリアニオン反応性成分(エッチングレジストポリマー)は、最大で5000モル重量を有していてもよい(例えば、ポリマーは比較的短い鎖を有していてもよい)。一部の実施形態では、エッチングレジストポリマーは、ポリマーエマルジョンまたは分散体の形の組成物をもたらす、より高いモル重量を有していてもよい。第2の反応性成分は、高い酸価を有していてもよく、例えばポリマーのグラム当たり100個よりも多い反応性アニオン基を有する。例えば、本発明の実施形態によるエッチングレジストポリマーは、各鎖中に、200個よりも多い、240個、300個、またはそれよりも多くの反応性アニオン基を有していてもよい。
【0116】
第2の反応性成分(耐エッチング成分)および第2の組成物(耐エッチング組成物、アニオン性組成物)の、いくつかの非限定的な例を、表2に列挙する。
【表2】
【0117】
例示的な実施形態を例示する、この記述および添付図面は、限定するものと解釈すべきではない。様々な機械的、組成的、構造的、および操作的な変更を、均等物も含めたこの記述および特許請求の範囲から逸脱することなく行ってもよい。ある場合には、周知の構造および技法については、本開示を曖昧にしないように詳細に図示も記述もしていない。2つまたはそれよりも多くの図における同様の符号は、同じまたは類似の要素を表す。さらに、1つの実施形態を参照しながら詳述される要素およびそれらの関連ある特徴は、実用的である場合はいつでも、それらが特に図示されずまたは記述されていないその他の実施形態に含めてもよい。例えば、要素が1つの実施形態を参照しながら詳細に記述され、かつ第2の実施形態を参照しながら記述されない場合、それにも関わらず要素は、第2の実施形態に含まれるとして主張され得る。
【0118】
本明細書および添付される特許請求の範囲の目的で、他に指示されない限り、量、パーセンテージ、または割合を表す全ての数値、および本明細書および特許請求の範囲で使用されるその他の数値は、まだそのように修飾されない範囲まで、「約」という用語によって全ての場合に修飾されると理解されたい。したがって、反対のことが指示されない限り、後に続く明細書および添付される特許請求の範囲に記述される数値パラメーターは、得ることが求められる所望の特性に応じて様々になり得る近似値である。最低でも、特許請求の範囲に対する均等物の原理の適用を制限しようとするものではないが、各数値パラメーターは、報告された有効桁数に照らしてかつ通常の丸め技法を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
【0119】
本明細書および添付される特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「a」、「an」、および「the」と、任意の単語の任意の単数形の使用は、1つの指示対象に明らかにかつ明白に限定しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本明細書で使用される「含む」という用語およびその文法上の変形例は、非限定的であるものとし、したがってリストにおける項目の列挙は、列挙された項目に置換または付加することができるその他同様の項目を排除するものではない。
【0120】
さらに、この記述の用語は、本開示を限定するものではない。例えば、空間に関連ある用語-「真下(beneath)」、「下(below)」、「より低い(lower)」、「上方(above)」、「上位(upper)」、「近接(proximate)」、および同様のものなど-は、図に示されるような、1つの要素のまたは特徴の、別の要素または特徴に対する関係を記述するのに使用してもよい。これらの空間に関連ある用語は、図に示される位置および向きに加えて、使用または動作中のデバイスの異なる位置(即ち、場所)および向き(即ち、回転配置)を包含するものとする。例えば、図中のデバイスが反転した場合、その他の要素または特徴の「下」または「真下」として記述された要素は、その他の要素または特徴の「上方」または「上(over)」になると考えられる。このように、「下」という例示的な用語は、上方および下の位置および向きの両方を包含することができる。デバイスは、その他の手法で向きを定めてもよく(90度回転させまたはその他の向きにある)、本明細書で使用される空間に関連した記述は相応に解釈される。
【0121】
さらなる修正および代替の実施形態は、本明細書の開示に鑑みて当業者に明らかにされよう。例えば、デバイスおよび方法は、動作を明瞭にするために図および記述から省略された追加の構成要素またはステップを含んでいてもよい。したがって本記述は単なる例示と解釈され、本発明の教示を実施する概略的な手法を当業者に教示するためのものであると解釈されたい。本明細書に図示され記述される様々な実施形態は、例示と解釈されることを理解されたい。要素および材料、ならびにそれら要素および材料の配置構成は、本明細書に例示され記述されるものと置換されてもよく、ワークフローおよびプロセスにおける部分およびステップは、交互に配された順序であってもよく、本発明の教示の、ある特定の特徴は独立して利用されてもよく、全ては、本明細書の記述の利益を有した後に当業者に明らかにされ得る通りである。変更は、本発明の教示および以下の特許請求の範囲の、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記述される要素で行ってもよい。
【0122】
本明細書の様々な例示的な実施形態は、PCBの製造について記述するが、当業者なら、類似のエッチングおよび金属または導電性ラインパターン化技法を使用して作製された
その他の電気的および光学的デバイスまたは部品が、本開示および特許請求の範囲内に包含され、かつPCBが1つの非限定的な例示的な適用例として論じられることを、理解しよう。本明細書の例示的な実施形態により製造され得るその他のデバイスおよび部品には、限定するものではないがマイクロチップ、電子ディスプレイ、マイクロチップ、太陽電池、およびその他の電子、光学、またはその他のデバイスおよび部品が含まれる。
【0123】
本明細書に記述される特定の例および実施形態は非限定的なものであり、構造、寸法、材料、および方法に対する修正を、本発明の教示の範囲から逸脱することなく行ってもよいことを、理解されたい。本開示による他の実施形態は、本開示の仕様および実施の検討から当業者に明らかにされよう。仕様および例は、単なる例示と見なされるものであり、以下の特許請求の範囲は、適用可能な法の下で均等物も含めたそれらの最大限の範囲に値することが意図される。