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特開2023-139051産業機械またはプラントへのアクセスを制御するための安全スイッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139051
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】産業機械またはプラントへのアクセスを制御するための安全スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 27/00 20060101AFI20230926BHJP
   E05F 7/00 20060101ALI20230926BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
H01H27/00 J
E05F7/00 F
E05B47/00 R
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112044
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2020522286の分割
【原出願日】2018-10-31
(31)【優先権主張番号】102017000127144
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】515332229
【氏名又は名称】ピザト エレットリカ エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】PIZZATO ELETTRICA S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(72)【発明者】
【氏名】ピザト,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ピザト,ジュゼッペ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】産業機械またはプラントへのアクセスを制御するための安全スイッチを提供する。
【解決手段】制御されるアクセス(B)の固定部分(F)に関連付けられ、その制御のためにプラントの1つまたは複数の制御および/またはサービス回路に動作可能に接続可能なスイッチング手段を有するスイッチン装置(2)と、1つまたは複数の前記回路を開/閉するためのアクセスの開/閉時にスイッチング手段と相互作用するためのアクセス(B)の可動部分(P)に関連付けられ、削除された状態から挿入された状態へ移行するアクチュエータ装置(3)と、スイッチング装置(2)に収容され、それらの相互の相互作用に続いてアクチュエータ装置(3)をスイッチング装置(2)にロックするように適合されたロック/ロック解除手段と、第1通信チャネルと、第2通信チャネルとを有する電子制御ユニットを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業機械またはプラントへのアクセスを制御するための安全スイッチであって、
-制御される前記アクセス(B)の固定部分(F)に関連付けられ、その制御のために前記プラントの1つまたは複数の制御および/またはサービス回路に動作可能に接続可能なスイッチング手段を有するスイッチング装置(2)と、
-1つまたは複数の前記回路を開/閉するための前記アクセスの開/閉時に前記スイッチング手段と相互作用するための前記アクセス(B)の可動部分(P)に関連付けられ、削除された状態から挿入された状態へ移行するアクチュエータ装置(3)と、
-前記スイッチング装置(2)に収容され、それらの相互の相互作用に続いて前記アクチュエータ装置(3)を前記スイッチング装置(2)にロックするように適合されたロック/ロック解除手段と、
-第1入力(IN)および第1出力(OUT)を有する第1通信チャネル(6)と、第2入力(IN)および第2出力(OUT)を有する第2通信チャネル(7)とを有する電子制御ユニット(5)であって、前記通信チャネル(6、7)は、対応するアクチュエータ装置(3)の状態に応じて、前記アクセス(B)のロックおよび開状態に関する情報を送受信するように適合されている電子制御ユニット(5)と、を含み、
前記第1入力(OUT)および前記第2出力(OUT)は、安全なタイプであり、前記アクチュエータ装置(3)の前記取り外し/挿入および/またはロック状態を検出した後、それらの状態を変えるように適合され、
前記電子制御ユニット(5)は、前記アクチュエータ装置(3)の第1および第2状態をそれぞれ検出すると、前記第1出力(OUT)および前記第2出力(OUT)の状態を変えるように適合され、前記第1および前記第2状態は互いに異なる、ことを特徴とする、安全スイッチ。
【請求項2】
前記第1出力(OUT)は、前記アクチュエータ装置(3)の第1状態の検出後にその状態を変化させるように適合され、前記アクチュエータ装置(3)は、前記スイッチング装置(2)に対して挿入およびロック解除される、請求項1に記載の安全スイッチ。
【請求項3】
前記第2出力(OUT)は、前記アクチュエータ装置(3)の第2状態の検出後にその状態を変化させるように適合され、前記アクチュエータ装置(3)は、前記スイッチング装置(2)に対して挿入およびロックされる、請求項2に記載の安全スイッチ。
【請求項4】
前記第1入力(IN)および前記第2入力(IN)が安全入力であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項5】
前記通信チャネル(6、7)が、通常、励起されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項6】
前記通信チャネル(6、7)が、通常、非通電されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項7】
前記通信チャネル(6、7)が、エラー信号を検出し、二重チャネル方式でエラーチェックのために互いに通信するためのそれぞれの論理管理ユニット(8、9)を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項8】
前記安全出力(OUT、OUT)は、それぞれの前記アクチュエータ装置(3)を一意に識別するためにパルス信号またはパルス系列を送信するように適合されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項9】
前記電子制御ユニット(5)は、その前記アクチュエータ装置(3)を識別するように適合された直列接続スイッチの出力から一連のパルスを受信するように適合された復号回路を含むことを特徴とする、請求項8に記載の安全スイッチ。
【請求項10】
各入力(IN、IN)および出力(OUT、OUT)を有する、1つまたは複数の請求項1から9に記載の複数のスイッチ(1、1’)を含み、前記スイッチ(1、1’)のそれぞれは、下流に配置された前記スイッチの前記入力(IN、IN)と直列に接続された各出力(OUT、OUT)を有する、機械または産業プラントへのアクセスを制御するためのスイッチアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用の電気装置の分野で用途を見いだし、特に、機械または産業プラントへのアクセスを制御するように設計された安全スイッチを目的として有する。
【0002】
知られているように、保護パネル、バリア、安全境界などの機械または産業プラントへのアクセスを制御するように設計されたスイッチは、アクセスの固定部分に固定されるように適合されたスイッチング装置および可動部分に固定されるように適合されたアクチュエータ装置を含む。
【0003】
既知の方法で、オペレータの特定の介入を必要とする条件がない限り、可動部分の閉鎖時に、スイッチング装置とアクチュエータ装置との間の相互作用が生じて、機械またはプラントを始動することを可能にする。
【0004】
それどころか、アクセスの開放およびその結果としてのスイッチング装置からのアクチュエータ装置の移動は、安全な状態でそれにアクセスすることを可能にするために、機械またはプラントの即時または時限停止を生じる。
【0005】
これらのスイッチには高度な安全性が必要であり、1つまたは複数の機械がまだ動いているときにプラントへの危険な進入に関連するリスクが大きくなる。
【0006】
そのようなスイッチのいくつかの例は、両方とも本出願人の名において、WO2015/083143およびWO2015/155744に記載されている。
【0007】
アクセスの開閉状態またはロックされていないが閉じられたアクセス状態の関数として適切な信号を送信するために、スイッチの安全度は、その通信チャネルを制御し、入力ポートと出力ポートのスイッチング状態を管理する電子回路の構造によっても決まる。
【0008】
特に、安全度の高いスイッチでは、動作モードに応じて、安全なタイプの入力と出力の両方を備えた2つの通信チャネルがあり、安全な出力は、アクチュエータの解放とその抽出に続いて同時に、またはその後にロック解除のみで、アクティブまたは非アクティブになり、アクセスの1つでもロック解除および/または開放の結果として回線全体を中断するようになる。
【0009】
しかしながら、この安全な動作モードは、最も一般的な電気機械木工ラインなど、単一チャネル管理で十分な低技術の処理ラインでは必要ない。
【0010】
実際のところ、これらの場合、回線の全体的な安全性に影響を与えることなく、特定のロック解除および/または開放アクセスに関連するシステムの一部のみを停止するだけで十分な場合があり得る。
【0011】
また、安全性の高いスイッチを採用することは、このような回線では経済的に不利となる場合があり得る。
【0012】
さらに、これらのスイッチをこれらのライン内で一般的に使用されるスイッチの代わりに使用するには、ライン全体を再配線する必要があり、作業量の増加に伴うコストの増加と、必ずしも正当化されないコストの増加が伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、高効率および比較的費用効果が高いことを特徴とする、産業機械またはプラントへのアクセスを制御するための安全スイッチを提供することにより、前述の欠点を克服することである。
【0014】
特定の目的は、プラントのさまざまな可動部分のシャットダウンと再起動を明確に管理するために、いくつかのアクチュエータを異なる方法で管理できる、機械または産業プラントへのアクセスを制御する安全スイッチを提供することである。
【0015】
別の目的は、機械または産業プラントへのアクセスを制御するための安全スイッチを提供し、同じラインに関連付けられたアクチュエータの差別化された検出、ならびに挿入/抽出およびロック/ロック解除の異なる状態の検出を可能にすることである。
【0016】
別の目的は、機械または産業プラントへのアクセスを制御するための安全スイッチを提供し、安全レベルが比較的低いプラントにも経済的に適用でき、その安全度を高めることができるようにすることである。
【0017】
これらの目的、および後で明らかになる他の目的は、請求項1に記載の、制御されるアクセスの固定部分に関連付けられるように適合され、それらを制御するためにプラントの1つまたは複数の制御および/またはサービス回路に動作可能に接続されるように適合されたスイッチング手段を有するスイッチング装置と、アクセスの可動部分に関連付けられて、アクセスの開/閉時に前記スイッチング手段と相互作用して、1つまたは複数の前記回路を開/閉、取り外し状態から挿入状態に、およびその逆に通過するアクチュエータ装置と、前記スイッチング装置に収容され、前記スイッチング装置に対して前記アクチュエータ装置をロック/ロック解除するように適合されたロック/ロック解除手段と、第1入力および第1出力を有する第1通信チャネルと、第2入力および第2出力を有する第2通信チャネルとを有する電子制御ユニットと、を含み、前記チャネルは、対応するアクチュエータ装置の状態の関数として、アクセスのロックおよび開状態に関する情報を送受信するように適合され、前記第1および第2出力は安全なタイプであり、前記アクチュエータ装置の前記取り外し/挿入および/またはロック/ロック解除状態の検出時にそれらの状態を変化させるように適合される、機械または産業プラントへのアクセスを制御するための安全スイッチによって達成されよう。
【0018】
さらに、前記制御ユニットは、前記アクチュエータ装置の第1および第2状態をそれぞれ検出すると、前記第1および第2出力の状態を変化させるように適合され、前記第1および前記第2状態は互いに異なる。
【0019】
アクチュエータ装置のロックが解除された場合、この機能の組み合わせにより、アクチュエータ装置とそれに関連するアクセスを差別化された方法で管理することが可能になり得、例えば、プラントの関連部分を停止するが、異なるアクセスに関連するプラントの他の部分を中断しない。
【0020】
さらに、制御ユニットの構造は、エラー制御の冗長性を維持する実質的に二重のシングルチャネル構造になり得、また、いずれの場合でも、ライン全体を再配線することなく、シングルチャネル構造の従来の制御回路にも本スイッチを適用できる。
【0021】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に従って得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を用いて非限定的な例として示される、本発明による安全スイッチの好ましいが排他的ではない実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
【0023】
図1】好ましい実施形態における、およびヒンジ式開口部を有するアクセス部への固定のための第1組立モードにおけるスイッチの斜視図である。
【0024】
図2】本発明によるスイッチの制御ユニットの論理スキームである。
【0025】
図3】本発明によるスイッチの動作図である。
【0026】
図4】本発明による、同じ産業プラントの2つの異なるアクセスを制御するように適合された、本発明による2つのスイッチの直列接続の論理スキームである。
【0027】
発明を実施するための最良の形態
添付の図を参照して、作業中の機械または産業プラントへの危険なアクセスを防ぐためのバリアまたはモバイルパネル保護に適用されるように設計された機械または産業プラントへのアクセスを制御するための安全スイッチの好ましいが非排他的な実施形態が示されるが、これに限定されない。
【0028】
既知の方法で、スイッチは、前記アクセスのためのドアもしくは閉鎖パネルが開かれた場合、またはそのようなアクセスを開くための要求があった場合に、実質的に即時または時間的な方法で機械またはプラントの動作を中断するために、そのアクセスの保護に適用されるように設計されよう。
【0029】
図1は、左開きドアPが設けられた保護バリアBのアクセスに適用される、概して1で示されるスイッチを示す。しかしながら、スイッチは、特定の制限なしに、右開きを有するドア、または引き戸または他のタイプの開きを有するドアにも適用され得ることが理解される。
【0030】
この種の装置の典型的な方法では、スイッチ1は、保護Bの固定フレームFに固定され、既知の方法で電源ならびに/または主回路および/もしくはサービスおよび緊急回路(図示せず)の制御のための1つまたは複数の電気回路および/または電子回路に接続されるように適合されたスイッチング装置2を含む。
【0031】
スイッチング装置2をこれらの回路に接続する方法は、既知の種類であり、本発明の一部を形成しないので、以下では、これらをより詳細に説明しないであろう。
【0032】
アクチュエータ装置3は、代わりに保護Bの可動部分Pに取り付けられ、そのような安全スイッチの典型的な方法に従って、アクセスの開閉時にスイッチング装置2と相互作用して1つまたは複数の回路の開閉を決定するように適合される。
【0033】
スイッチング装置2は、監視されるアクセスにおいてバリアBの固定部分に固定されるように適合され、機械またはプラントの1つまたは複数の制御および/またはサービス回路を制御するスイッチング手段の内部に収容されるケーシング4を含む。
【0034】
スイッチング手段は、ケーシング4の内部にあるため図からは見えないが、セクタで一般的に使用されるものから選択することができ、特定の制限なしに、スイッチの機能に従って変化し得る。
【0035】
ケーシング4の内部には、この場合も既知の技術による、スイッチング装置2とアクチュエータ装置3との間の相互作用により、機械またはプラントの1つまたは複数の回路を開/閉するためのアクセスの開/閉時に、スイッチング手段と相互作用するのに適した既知の種類のアクチュエータ手段もあり得よう。
【0036】
図示の実施形態では、スイッチは電子的に作動する種類のものであり、つまり、2つのスイッチング装置とアクチュエータ装置の間にリモート通信システムが備わっており、これは、好ましいが排他的ではない方法で、セクタ内の既知のモードに従って構成されたタグ/RFID(Radio-Frequency Identification(無線周波数識別))通信手段を備え得る。
【0037】
例えば、スイッチング装置2は、ケーシング4の内部に挿入され、同様にアクチュエータ装置3に収容された送信機またはトランスポンダによって送信された遠隔制御信号または存在信号を受信するように設計された、RFIDアンテナなどの受信機を収容してもよい。ただし、後者はスイッチング装置2によって検出可能な最小距離にある場合である。
【0038】
特に、トランスポンダには、機械またはシステムの起動を可能にするために受信機によって認識されるべき識別コードを有するタグを備えよう。
【0039】
高レベルまたは低レベルのコーディングでスイッチを作製したいかどうかに応じて、コードの認識は一義的または一般的である。
【0040】
しかしながら、図示されていない代替の実施形態によれば、スイッチ1はまた、キーアクチュエータを用いて機械的または電気機械的に操作されてもよい。
【0041】
採用される構成に関係なく、アクチュエータ装置3は、アクセスの開閉時にアクチュエータ手段を介してスイッチング手段と相互作用して、そのような安全スイッチの典型的な方法に従って1つまたは複数の回路の開閉を決定するように設計されよう。
【0042】
スイッチング装置2はまた、見えないロック/ロック解除手段を収容し、これは、アクセスの閉鎖に続く相互作用時にアクチュエータ装置3をスイッチング装置2にロックし、アクセスを開くことを可能にするために適切な信号の送信に続くそれらの分離を可能にするように構成される。
【0043】
図2に示すように、スイッチ1はまた、第1入力IN1および第1出力OUT1を有する第1通信チャネル6と、第2入力IN2および第2出力OUT2を有する第2通信チャネル7とを有する電子制御ユニット5を備えよう。入力IN1とIN2および出力OUT1とOUT2の両方が電子的である。
【0044】
2つのチャネル6、7は、入力で受信された信号に基づいて、対応するアクチュエータ装置3について検出された状態に従って、アクセスのロックおよび開放の状態に関する情報を送受信するように設計されよう。
【0045】
第1出力OUT1と第2出力OUT2はどちらも安全なタイプであり得、アクチュエータ装置3の特定の取り外し/挿入および/またはロック状態が検出されると、ステータスが変化するように設計されよう。
【0046】
特に、最新技術とは異なり、電子制御ユニット5は、アクチュエータ装置3の互いに異なる第1および第2状態のそれぞれの検出に依存して、2つの出力OUT1およびOUT2の状態を変化させるように設計される。
【0047】
例として、第1出力OUT1は、アクチュエータ装置3がスイッチング装置に対して挿入され、ロック解除されているアクチュエータ装置3の第1状態を検出すると、その状態を変化させ得る。
【0048】
次に、第2出力OUT2は、アクチュエータ装置3が挿入されているがスイッチング装置2に対してロックされている第2状態を検出すると、その状態を変化させ得る。
【0049】
このようにして、アクチュエータ装置3のロック解除は、すべての出力OUT1およびOUT2の非アクティブ化を引き起こし得ないが、それらのうちの1つ、特定の場合OUT1は、下流の機械の動作を可能にするためにアクティブのままであろう。
【0050】
明らかに、2つの通信チャネル6、7の動作論理は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、説明されたものに関して逆にすることができる。
【0051】
有利には、第1入力IN1および第2入力IN2の両方は、比較的高度の安全性を保証するために安全な入力であろう。
【0052】
さらに、通信チャネル6、7は、好みに応じて、通常は励起されるか、または通常は非通電であってもよい。一般に、実際には、制御ユニット5は、それ自体は知られていないが図示されていない電磁石を備え得、入力信号の関数としてロック/ロック解除手段をアクティブ化/非アクティブ化しよう。
【0053】
この入力信号は、二重信号であり得、つまり、安全レベルを上げるために、ロックとロック解除(LOCK/UNLOCKED)のために2つの異なる信号が提供され得る。
【0054】
さらに、通信チャネル6、7は、エラー信号を検出するように適合されたそれぞれの管理論理ユニット8、9を含み得、それはエラーに対する冗長制御を可能にするために、最高レベルの二重チャネル回路で発生するのと実質的に同じ方法で互いに通信するように設計され得、したがって、どのチャネルがエラー信号を生成したかに関係なく、エラー信号の検出に続いてシステムのシャットダウンが生じる。
【0055】
さらに特に有利な態様によれば、安全出力OUT1およびOUT2は、パルス信号を送信するように適合され得るか、またはそれぞれのアクチュエータ装置3を一義的に識別するために、および/もしくは例えば、非網羅的な方法で、周囲温度、供給電圧、製品シリアルコード、ドライブ数などのさらなる可能な情報を送信するために適切な一連のパルスによって形成され得る。
【0056】
次に、電子制御ユニット5は、直列に接続されたスイッチの出力から来る一連のパルスを受け取るように適合され、アクチュエータ装置3を識別するのに適した復号回路を含み得よう。
【0057】
図3の図は、非励磁電磁石でロックされたアクチュエータ装置3での動作に関連する可能な動作モードを示す。
【0058】
この図から、プラントの起動前のフェーズでは、安全入力IN1およびIN2と2つの安全出力OUT1およびOUT2の両方がオフになり、そして、プラントの開始時に、2つの入力IN1およびN2がアクティブになることがわかる。
【0059】
TAGの検出による閉鎖アクセスの状態の検出に続いて、第2出力OUT2がアクティブ化され得、これにより、閉じられたがロックされていないアクセスの状態が判別されよう。
【0060】
一方、第1出力OUT1は、電磁石を備えたロック/ロック解除手段によるアクセスのロック(ロックされた)後にのみアクティブ化されよう。
【0061】
2つの入力IN1およびIN2の非アクティブ化とその後のアクティブ化は、対応する出力OUT1およびOUT2の非アクティブ化とその後のアクティブ化を決定されよう。
【0062】
電磁石の作動は、この場合は通常非通電であり、スイッチング装置2に対するアクチュエータ装置3のロック解除を引き起こし、その結果アクセスが解放されよう。
【0063】
閉鎖およびロックされたアクセス状態を区別する第1出力OUT1は非アクティブ化され得るが、第2出力OUT2は、TAGが検出されなくなった状態でアクセスが開くまでアクティブ化状態のままであろう。
【0064】
それに続く結果として得られたTAGの検出を伴うアクセスの閉鎖により、第2出力OUT2がアクティブになるが、ロックされたアクセスの状態でのロック/ロック解除電磁石の復帰に起因して、その後のアクセスのロックにより、第1出力OUT1もアクティブ化されよう。
【0065】
当然のことながら、電磁石が逆に動作して通常励起されて非通電に続いてアクセスのロックが生じるのと同じように、2つの出力OUT1とOUT2の動作が逆になり得る。
【0066】
最後に、図4は、機械または産業プラントの保護の2つの異なるアクセスを保護するように設計された、本発明による2つのスイッチ1、1’の接続を示し、そして、下流のスイッチ1 ’は、上流に配置されたスイッチ1のそれぞれの出力OUT1およびOUT2と直列に接続された入力IN1およびIN2を有する。
【0067】
本発明によるスイッチは、多数の修正および変形が可能であり、それらのすべては、添付の特許請求の範囲で表される本発明の概念内にある。本発明の保護の範囲から逸脱することなく、すべての詳細は他の技術的に同等の要素で置き換えることができ、物品は要件に従って異なり得る。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業機械またはプラントへのアクセスを制御するための安全スイッチであって、
-制御される前記アクセス(B)の固定部分(F)に関連付けられ、その制御のために前記プラントの1つまたは複数の制御および/またはサービス回路に動作可能に接続可能なスイッチング手段を有するスイッチング装置(2)と、
-1つまたは複数の前記回路を開/閉するための前記アクセスの開/閉時に前記スイッチング手段と相互作用するための前記アクセス(B)の可動部分(P)に関連付けられ、取り外し状態から挿入された状態へ移行するアクチュエータ装置(3)と、
-前記スイッチング装置(2)に収容され、それらの相互の相互作用に続いて前記アクチュエータ装置(3)を前記スイッチング装置(2)にロックするように適合されたロック/ロック解除手段と、
-第1入力(IN)および第1出力(OUT)を有する第1通信チャネル(6)と、第2入力(IN)および第2出力(OUT )を有する第2通信チャネル(7)とを有する電子制御ユニット(5)であって、前記通信チャネル(6、7)は、対応する前記入力(IN 、IN )で受信された信号に基づいて対応するアクチュエータ装置(3)について検出された状態に応じて、前記アクセス(B)のロックおよび開状態に関する情報を送受信するように適合されている電子制御ユニット(5)と、を含み、
前記第1力(OUT)および前記第2出力(OUT)は、安全なタイプであり、前記アクチュエータ装置(3)の前記取り外し/挿入および/またはロック状態を検出した後、それらの状態を変えるように適合され、
前記入力(IN 、IN )および前記出力(OUT 1、 OUT )は、電子的であり、
前記電子制御ユニット(5)は、前記アクチュエータ装置(3)の第1状態を検出すると、前記第1出力(OUTの状態を変えるように適合され、前記アクチュエータ装置(3)の第2状態を検出すると、前記第2出力(OUT)の状態を変えるように適合され、前記第1および前記第2状態は互いに異なり、
前記第1出力(OUT )は、前記アクチュエータ装置(3)の第1状態の検出後にその状態を変化させるように適合され、前記アクチュエータ装置(3)は、前記スイッチング装置(2)に対して挿入およびロック解除され、
前記第2出力(OUT )は、前記アクチュエータ装置(3)の第2状態の検出後にその状態を変化させるように適合され、前記アクチュエータ装置(3)は、前記スイッチング装置(2)に対して挿入およびロックされることを特徴とする、安全スイッチ。
【請求項2】
前記入力(IN 、IN )の非アクティブ化およびアクティブ化は、対応する前記出力(OUT 、OUT )の非アクティブ化およびその後のアクティブ化を決定することを特徴とする、請求項1に記載の安全スイッチ。
【請求項3】
前記第1入力(IN)および前記第2入力(IN)が安全入力であることを特徴とする、請求項1または2に記載の安全スイッチ。
【請求項4】
前記通信チャネル(6、7)が、通常、励起されることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項5】
前記通信チャネル(6、7)が、通常、非通電されていることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項6】
前記通信チャネル(6、7)が、エラー信号を検出し、二重チャネル方式でエラーチェックのために互いに通信するためのそれぞれの論理管理ユニット(8、9)を含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の安全スイッチであって、それは、電子的に作動する種類のものであり、かつタグ/RFID(Radio-Frequency Identification(無線周波数識別))通信手段を備えるリモート通信システムが備わっており、前記スイッチング装置(2)は、ケーシング(4)を含み、前記リモート通信システムは、前記ケーシング(4)に収容され、同様に前記アクチュエータ装置(3)に収容された送信機またはトランスポンダによって送信された遠隔制御信号または存在信号を受信するように設計された、RFID受信機を含み、ただし、前記アクチュエータ装置(3)はスイッチング装置(2)によって検出可能な最小距離にある場合であることを特徴とする、安全スイッチ。
【請求項8】
前記安全出力(OUT、OUT)は、それぞれの前記アクチュエータ装置(3)を一意に識別するためにパルス信号またはパルス系列を送信するように適合されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の安全スイッチ。
【請求項9】
前記電子制御ユニット(5)は、直列に接続されたスイッチの出力から来る一連のパルスを受け取るように適合され、前記アクチュエータ装置(3)を識別するのに適した復号回路を含むことを特徴とする、請求項に記載の安全スイッチ。
【請求項10】
各入力(IN、IN)および出力(OUT、OUT)を有する、1つまたは複数の請求項1からに記載の複数のスイッチ(1、1’)を含み、前記スイッチ(1、1’)のそれぞれは、下流に配置された前記スイッチの前記入力(IN、IN)と直列に接続された各出力(OUT、OUT)を有する、機械または産業プラントへのアクセスを制御するためのスイッチアセンブリ。
【請求項11】
産業機械またはプラントへのアクセスを制御するための方法であって、
-制御される前記アクセス(B)の固定部分(F)に固定され、その制御のために前記プラントの1つまたは複数の制御および/またはサービス回路に動作可能に接続されたスイッチング手段ならびにロック/ロック解除手段を有するスイッチング装置(2)を提供することと、
-1つまたは複数の前記回路を開/閉するための前記アクセスの開/閉時に前記スイッチング手段と相互作用するための前記アクセス(B)の可動部分(P)に固定され、取り外し状態から挿入された状態へ移行し、前記ロック/ロック解除手段によってロックされるアクチュエータ装置(3)を提供することであって、前記ロック/ロック解除手段は、前記スイッチング装置(2)に収容され、前記アクチュエータ装置(3)および前記スイッチング装置(2)の相互の相互作用に続いてロックするように適合される、提供することと、
-第1入力(IN )および第1出力(OUT )を有する第1通信チャネル(6)と、第2入力(IN )および第2出力(OUT )を有する第2通信チャネル(7)とを有する電子制御ユニット(5)を提供することであって、前記入力(IN 、IN )および前記出力(OUT 1、 OUT )は、電子的であり、前記第1出力(OUT )および前記第2出力(OUT )は、安全なタイプである、提供することと、
-対応する前記入力(IN 、IN )で受信された信号に基づいて対応するアクチュエータ装置(3)について検出された状態に応じて、前記アクセス(B)のロックおよび開状態に関する情報を前記通信チャネル(6、7)を通じて送受信することと、
前記アクチュエータ装置(3)の前記取り外し/挿入および/またはロック状態を検出した後、前記第1出力(OUT )および前記第2出力(OUT )の状態を変えることと、を含み、
前記電子制御ユニット(5)は、前記アクチュエータ装置(3)の第1状態を検出すると、前記第1出力(OUT )の状態を変え、かつ前記アクチュエータ装置(3)の第2状態を検出すると、前記第2出力(OUT )の状態を変え、前記第1および前記第2状態は互いに異なり、
前記第1出力(OUT )は、前記アクチュエータ装置(3)の第1状態の検出後にその状態を変化させるように適合され、前記アクチュエータ装置(3)は、前記スイッチング装置(2)に対して挿入およびロック解除され、前記第2出力(OUT )は、前記アクチュエータ装置(3)の第2状態の検出後にその状態を変化させるように適合され、前記アクチュエータ装置(3)は、前記スイッチング装置(2)に対して挿入およびロックされ、
前記第1出力(OUT )のアクティブ化が、前記ロック/ロック解除手段による前記アクセスのロックの後にのみ生じ、
前記アクセスの閉鎖により前記第2出力(OUT )のアクティブ化が生じ、前記第2出力(OUT )は前記アクセスが開くまでそのアクティブ化状態に留まる、方法。
【請求項12】
前記入力(IN 、IN )の非アクティブ化およびアクティブ化は、対応する前記出力(OUT 、OUT )の非アクティブ化およびその後のアクティブ化を決定することを特徴とする、請求項11に記載の方法。