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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139062
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230926BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/33
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023113497
(22)【出願日】2023-07-11
(62)【分割の表示】P 2020540869の分割
【原出願日】2019-08-26
(31)【優先権主張番号】P 2018167554
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 一徳
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】野中 大旗
(72)【発明者】
【氏名】安達 広樹
(72)【発明者】
【氏名】武島 幸市
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表示品位の高い表示装置を提供する。消費電力の低い表示装置を提供する。
【解決手段】画素に、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、第1の導電層、及び、発光ダイオードパッケージを有する表示装置である。発光ダイオードパッケージは、第1の発光ダイオード、第2の発光ダイオード、第2の導電層、第3の導電層、及び第4の導電層を有する。第1の発光ダイオードは、第1の電極と第2の電極とを有する。第2の発光ダイオードは、第3の電極と第4の電極とを有する。第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2の導電層を介して、第1の電極と電気的に接続される。第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第3の導電層を介して、第3の電極と電気的に接続される。第1の導電層は、第4の導電層を介して、第2の電極及び第4の電極のそれぞれと電気的に接続される。第1の導電層には、定電位が供給される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を有し、
前記画素は、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、第1の導電層、及び、発光ダイオードパッケージを有し、
前記発光ダイオードパッケージは、第1の発光ダイオード、第2の発光ダイオード、第2の導電層、第3の導電層、及び第4の導電層を有し、
前記第1の発光ダイオードは、第1の電極と、第2の電極と、を有し、
前記第2の発光ダイオードは、第3の電極と、第4の電極と、を有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2の導電層を介して、前記第1の電極と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第3の導電層を介して、前記第3の電極と電気的に接続され、
前記第1の導電層は、前記第4の導電層を介して、前記第2の電極と電気的に接続され、
前記第1の導電層は、前記第4の導電層を介して、前記第4の電極と電気的に接続され、
前記第1の導電層には、定電位が供給される、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置、表示モジュール、及び電子機器に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサなど)、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
近年、マイクロ発光ダイオード(マイクロLED(Light Emitting Diode))を表示素子に用いた表示装置が提案されている(例えば特許文献1)。マイクロLEDを表示素子に用いた表示装置は、高輝度、高コントラスト、長寿命などの利点があり、次世代の表示装置として研究開発が活発である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0367705号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様は、精細度が高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、表示品位の高い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、消費電力の低い表示装置を提供することを課題の一とする。本発明の一態様は、信頼性の高い表示装置を提供することを課題の一とする。
【0006】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の表示装置は、画素に、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、第1の導電層、及び、発光ダイオードパッケージを有する。発光ダイオードパッケージは、第1の発光ダイオード、第2の発光ダイオード、第2の導電層、第3の導電層、及び第4の導電層を有する。第1の発光ダイオードは、第1の電極と、第2の電極と、を有する。第2の発光ダイオードは、第3の電極と、第4の電極と、を有する。第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2の導電層を介して、第1の電極と電気的に接続される。第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第3の導電層を介して、第3の電極と電気的に接続される。第1の導電層は、第4の導電層を介して、第2の電極と電気的に接続される。第1の導電層は、第4の導電層を介して、第4の電極と電気的に接続される。第1の導電層には、定電位が供給される。
【0008】
または、本発明の一態様の表示装置は、画素に、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、第3のトランジスタ、第1の導電層、及び、発光ダイオードパッケージを有する。発光ダイオードパッケージは、第1の発光ダイオード、第2の発光ダイオード、第3の発光ダイオード、第2の導電層、第3の導電層、第4の導電層、及び第5の導電層を有する。第1の発光ダイオードは、第1の電極と、第2の電極と、を有する。第2の発光ダイオードは、第3の電極と、第4の電極と、を有する。第3の発光ダイオードは、第5の電極と、第6の電極と、を有する。第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2の導電層を介して、第1の電極と電気的に接続される。第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第3の導電層を介して、第3の電極と電気的に接続される。第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第5の導電層を介して、第5の電極と電気的に接続される。第1の導電層は、第4の導電層を介して、第2の電極と電気的に接続される。第1の導電層は、第4の導電層を介して、第4の電極と電気的に接続される。第1の導電層は、第4の導電層を介して、第6の電極と電気的に接続される。第1の導電層には、定電位が供給される。
【0009】
第1の発光ダイオード、第2の発光ダイオード、及び第3の発光ダイオードは、それぞれ、ミニ発光ダイオードであることが好ましい。または、第1の発光ダイオード、第2の発光ダイオード、及び第3の発光ダイオードは、それぞれ、マイクロ発光ダイオードであることが好ましい。
【0010】
第1の発光ダイオード、第2の発光ダイオード、及び第3の発光ダイオードは、それぞれ異なる色の光を呈することが好ましい。例えば、第1の発光ダイオードは赤色の光を呈し、第2の発光ダイオードは、緑色の光を呈し、第3の発光ダイオードは青色の光を呈することが好ましい。
【0011】
第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、及び第3のトランジスタは、それぞれ、チャネル形成領域に金属酸化物を有することが好ましい。
【0012】
第4の導電層と第2の電極とは、第1のワイヤを介して、互いに電気的に接続されていることが好ましい。
【0013】
第4の導電層と第4の電極とは、第2のワイヤを介して、互いに電気的に接続されていることが好ましい。
【0014】
第2の導電層と第1の電極とは、互いに接していることが好ましい。
【0015】
第3の導電層と第3の電極とは、第3のワイヤを介して、互いに電気的に接続されていることが好ましい。
【0016】
本発明の一態様は、上記の構成の表示装置を有し、フレキシブルプリント回路基板(Flexible printed circuit、以下、FPCと記す)もしくはTCP(Tape Carrier Package)等のコネクタが取り付けられたモジュール、またはCOG(Chip On Glass)方式もしくはCOF(Chip On Film)方式等により集積回路(IC)が実装されたモジュール等のモジュールである。
【0017】
本発明の一態様は、上記のモジュールと、アンテナ、バッテリ、筐体、カメラ、スピーカ、マイク、及び操作ボタンのうち少なくとも一つと、を有する電子機器である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様により、精細度が高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、表示品位の高い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、消費電力の低い表示装置を提供できる。本発明の一態様により、信頼性の高い表示装置を提供できる。
【0019】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】表示装置の一例を示す上面図。
図2】(A)表示装置の一例を示す断面図。(B)LEDパッケージの一例を示す断面図。(C)LEDチップの一例を示す断面図。
図3】(A)表示装置の一例を示す断面図。(B)(D)LEDパッケージの一例を示す断面図。(C)LEDチップの一例を示す断面図。
図4】表示装置の一例を示す断面図。
図5】表示装置の一例を示す断面図。
図6】表示装置の一例を示す断面図。
図7】表示装置の画素の一例を示す回路図。
図8】(A)(B)電子機器の一例を示す図。
図9】(A)(B)電子機器の一例を示す図。
図10】(A)(B)電子機器の一例を示す図。
図11】(A)(B)(C)(D)電子機器の一例を示す図。
図12】(A)(B)(C)(D)(E)(F)電子機器の一例を示す図。
図13】実施例の表示装置の表示写真。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0022】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0023】
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0024】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
【0025】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図1図7を用いて説明する。
【0026】
[表示装置の概要]
本実施の形態の表示装置は、画素に、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、第1の導電層、及び、発光ダイオードパッケージ(LEDパッケージとも記す)を有する。
【0027】
LEDパッケージは、リードフレーム、ボード、またはケースなどに、1つまたは複数の発光ダイオード(または発光ダイオードチップ(LEDチップとも記す))が封止された構成を有する。
【0028】
LEDパッケージは、第1の発光ダイオード、第2の発光ダイオード、第2の導電層、第3の導電層、及び第4の導電層を有する。
【0029】
第1の発光ダイオードは、第1の電極と、第2の電極と、を有する。第1の電極は、第1の発光ダイオードの画素電極として機能する。第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2の導電層を介して、第1の電極と電気的に接続される。
【0030】
第2の発光ダイオードは、第3の電極と、第4の電極と、を有する。第3の電極は、第2の発光ダイオードの画素電極として機能する。第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第3の導電層を介して、第3の電極と電気的に接続される。
【0031】
第2の電極は、第1の発光ダイオードの共通電極として機能し、第4の電極は、第2の発光ダイオードの共通電極として機能する。第1の導電層は、第4の導電層を介して、第2の電極と電気的に接続される。第1の導電層は、第4の導電層を介して、第4の電極と電気的に接続される。第1の導電層には、定電位が供給される。
【0032】
本実施の形態の表示装置は、複数のトランジスタが形成された回路基板に、LEDパッケージを実装することで作製できる。そのため、発光ダイオード(またはLEDチップ)を1つずつ回路基板に実装する方法に比べて、表示装置の製造時間を短縮でき、また、製造の難易度を低くすることができる。これにより、表示装置の作製の歩留まりを高めることができる。また、表示装置の高精細化や大型化を図ることができる。
【0033】
本実施の形態の表示装置は、発光ダイオードを用いて画像を表示する機能を有する。発光ダイオードは自発光素子であるため、表示素子として発光ダイオードを用いる場合、表示装置にはバックライトが不要であり、また偏光板を設けなくてもよい。したがって、表示装置の消費電力を低減することができ、また、表示装置の薄型・軽量化が可能である。また、表示素子として発光ダイオードを用いた表示装置は、コントラストが高く視野角が広いため、高い表示品位を得ることができる。また、発光材料に無機材料を用いることで、表示装置の寿命を長くし、信頼性を高めることができる。
【0034】
なお、本明細書等において、チップの面積が10000μm以下の発光ダイオードをマイクロLED、チップの面積が10000μmより大きく1mm以下の発光ダイオードをミニLED、チップの面積が1mmより大きい発光ダイオードをマクロLEDと記す場合がある。
【0035】
例えば、チップの外形寸法が100μm以下の発光ダイオードは、マイクロLED(マイクロLEDチップ)といえる。例えば、1mm□のLEDパッケージには、マイクロLEDチップまたはミニLEDチップを用いることができる。
【0036】
本発明の一態様の表示装置では、マイクロLED、ミニLED、及びマクロLEDのいずれを用いてもよい。特に、本発明の一態様の表示装置は、マイクロLEDまたはミニLEDを有することが好ましく、マイクロLEDを有することがより好ましい。
【0037】
発光ダイオードのチップの面積は、1mm以下が好ましく、10000μm以下がより好ましく、3000μm以下がより好ましく、700μm以下がさらに好ましい。
【0038】
発光ダイオードの光を射出する領域の面積は、1mm以下が好ましく、10000μm以下がより好ましく、3000μm以下がより好ましく、700μm以下がさらに好ましい。
【0039】
本実施の形態では、特に、発光ダイオードとして、マイクロLEDを用いる場合の例について説明する。なお、本実施の形態では、ダブルヘテロ接合を有するマイクロLEDについて説明する。ただし、発光ダイオードに特に限定はなく、例えば、量子井戸接合を有するマイクロLED、ナノコラムを用いたLEDなどを用いてもよい。
【0040】
表示装置が有するトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することが好ましい。金属酸化物を用いたトランジスタは、消費電力を低くすることができる。そのため、マイクロLEDと組み合わせることで、極めて消費電力の低減された表示装置を実現することができる。
【0041】
[表示装置の構成例1]
図1(A)に、表示装置100の上面図を示す。表示装置100は、表示部110に、複数の画素130を有する。表示部110には、複数の画素130がマトリクス状に設けられている。表示部110には、FPC1及びFPC2から、配線108を介して、信号及び電力が供給される。
【0042】
図1(B)に、表示装置100Aの上面図を示す。表示装置100Aは、表示部110と配線108との間に回路109を有する。表示部110及び回路109には、FPC1またはFPC2から配線108を介して信号及び電力が供給される。
【0043】
本発明の一態様の表示装置は、走査線駆動回路(ゲートドライバ)及び信号線駆動回路(ソースドライバ)の一方または双方を内蔵することができる。または、本発明の一態様の表示装置は、ゲートドライバ及びソースドライバの一方または双方を内蔵せず、ドライバが外付けされた構成とすることができる。例えば、ゲートドライバまたはソースドライバとして機能するICを、表示装置に電気的に接続させることができる。ICは、COG方式またはCOF方式により表示装置に実装することができる。または、ICが実装されたFPC、TAB(Tape Automated Bonding)テープ、またはTCP等を表示装置に接続させることができる。
【0044】
回路109としては、例えば、ゲートドライバ及びソースドライバのうち一方または双方を適用することができる。
【0045】
図1(C)に、表示装置100が有する画素130の上面図を示す。1つの画素130には1つのLEDパッケージ150が設けられる。つまり、図1(A)に示す表示部110には、複数のLEDパッケージ150がマトリクス状に設けられている。
【0046】
画素130は、導電層131R、導電層131G、導電層131B、導電層132、及びLEDパッケージ150を有する。
【0047】
図1(D)に、画素130が有するLEDパッケージ150の上面図を示す。
【0048】
LEDパッケージ150は、少なくとも1つのLEDチップを有する。本実施の形態では、LEDパッケージ150が、赤色のLEDチップ151R、緑色のLEDチップ151G、及び青色のLEDチップ151Bを有する例を示す。つまり、本実施の形態では、画素130に、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の副画素で1つの色を表現する構成が適用されている。
【0049】
そのほか、画素130には、R、G、B、W(白)の4色の副画素で1つの色を表現する構成、またはR、G、B、Y(黄)の4色の副画素で1つの色を表現する構成等を適用できる。また、色要素に限定はなく、RGBWY以外の色(例えば、シアンまたはマゼンタ等)を用いてもよい。
【0050】
LEDパッケージ150は、さらに、ヒートシンク154、電極152R、電極152G、電極152B、及び電極153を有する。
【0051】
赤色のLEDチップ151Rは、電極152R上に位置する。緑色のLEDチップ151G及び青色のLEDチップ151Bは、ヒートシンク154上に位置する。
【0052】
赤色のLEDチップ151R、緑色のLEDチップ151G、及び青色のLEDチップ151Bは、それぞれ、ワイヤ143を介して、電極153と電気的に接続されている。
【0053】
赤色のLEDチップ151R、緑色のLEDチップ151G、及び青色のLEDチップ151Bは、互いに異なる色の光を呈する発光ダイオードを有することが好ましい。これにより色変換層を形成する工程が不要となる。したがって、LEDチップの製造コストを抑制することができる。
【0054】
また、赤色のLEDチップ151R、緑色のLEDチップ151G、及び青色のLEDチップ151Bは、同じ色の光を呈する発光ダイオードを有してもよい。このとき、発光ダイオードから発せられた光は、色変換層及び着色層の一方又は双方を介して、表示装置の外部に取り出されてもよい。色変換層及び着色層の一方又は双方は、LEDパッケージ150の内部または上方に設けることができる。
【0055】
また、本実施の形態の表示装置は、赤外光を呈する発光ダイオードを有していてもよい。赤外光を呈する発光ダイオードは、例えば、赤外光センサの光源として用いることができる。
【0056】
図2(A)に、図1(C)における一点鎖線A-B間の断面図を示す。つまり、図2(A)は、青色のLEDチップ151Bと、当該青色のLEDチップ151Bと電気的に接続される導電層131B及び導電層132と、を含む断面図である。なお、図2(A)では、明瞭化のため、配線など、構成要素の一部を省略する。
【0057】
なお、緑色のLEDチップ151Gと、当該緑色のLEDチップ151Gと電気的に接続される導電層131G及び導電層132とを含む断面構造も、図2(A)と同様であるため、以下の説明を参照できる。
【0058】
図2(A)に示すように、表示装置100では、トランジスタ120が、導電層131Bを介して、LEDパッケージ150と電気的に接続されている。
【0059】
トランジスタ120は、バックゲートとして機能する導電層121、ゲート絶縁層として機能する絶縁層122、半導体層として機能する金属酸化物層123(チャネル形成領域123i及び一対の低抵抗領域123n)、それぞれ低抵抗領域123nと電気的に接続される一対の導電層126a、126b、ゲート絶縁層として機能する絶縁層124、並びに、ゲートとして機能する導電層125を有する。導電層121と金属酸化物層123は、絶縁層122を介して重なる。導電層125と金属酸化物層123は、絶縁層124を介して重なる。
【0060】
トランジスタ120上には、絶縁層127が設けられており、絶縁層127上に導電層131B及び導電層132が設けられている。絶縁層127に設けられた開口を介して、導電層131Bは、導電層126bと電気的に接続されている。
【0061】
絶縁層124及び絶縁層127のうち、少なくとも一層には、水または水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。外部から不純物がトランジスタに拡散することを効果的に抑制することが可能となり、表示装置の信頼性を高めることができる。絶縁層127は、平坦化層としての機能を有する。
【0062】
図2(A)において、トランジスタ120は、絶縁層104を介して、基板102に設けられている。絶縁層104は、下地膜としての機能を有する。絶縁層104は、基板102から水や水素などの不純物が、トランジスタ120に拡散すること、及び金属酸化物層123から絶縁層104側に酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層104としては、例えば、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、窒化シリコン膜などの、酸化シリコン膜よりも水素や酸素が拡散しにくい膜を用いることができる。なお、絶縁層104を設けず、基板102上に直接、トランジスタ120を形成してもよい。
【0063】
導電層131Bの端部及び導電層132の端部は、保護層128によって覆われている。保護層128は、導電層131Bの上面に達する開口と、導電層132の上面に達する開口と、を有する。当該開口では、導電層131B及び導電層132が、それぞれ、導電体133を介して、LEDパッケージ150と電気的に接続される。
【0064】
保護層128の材料としては、アクリル、ポリイミド、エポキシ、シリコーンなどの樹脂が好適である。保護層128を設けることで、導電層131B上の導電体133と、導電層132上の導電体133と、が接してショートすることを抑制できる。なお、保護層128は設けなくてもよい。
【0065】
導電体133には、例えば、銀、カーボン、銅などの導電性ペーストや、金、はんだなどのバンプを好適に用いることができる。また、導電体133と接続される導電層131R、131G、131B、132、及び電極152R、152G、152B、153には、それぞれ、導電体133とのコンタクト抵抗の低い導電材料を用いることが好ましい。例えば、導電体133に銀ペーストを用いる場合、これらと接続される導電材料が、アルミニウム、チタン、銅、銀(Ag)とパラジウム(Pd)と銅(Cu)の合金(Ag-Pd-Cu(APC))などであると、コンタクト抵抗が低く好ましい。
【0066】
導電体133は、基板102上に設けてもよく、LEDパッケージ150側に設けてもよい。例えば、導電層131R、131G、131B、132上に、それぞれ、導電体133を設けた後、導電体133とLEDパッケージ150とを接続させることで、基板102上に、LEDパッケージ150を実装することができる。
【0067】
なお、1つのトランジスタに、複数の発光ダイオードが電気的に接続されていてもよい。
【0068】
LEDパッケージ150の側面は、樹脂129で覆われていてもよい。樹脂129として、黒色の樹脂を用いると、表示のコントラストを高められるため、好ましい。また、LEDパッケージ150の上面に、表面保護層、衝撃吸収層などを設けてもよい。LEDパッケージ150は、上側に光を取り出す構成のため、LEDパッケージ150の上面に設ける層は、可視光に対する透過性を有することが好ましい。
【0069】
基板102としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板等の絶縁性基板、または、シリコンや炭化シリコンなどを材料とした単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板などの半導体基板を用いることができる。
【0070】
基板102は、可視光を遮る(可視光に対して非透過性を有する)ことが好ましい。基板102が可視光を遮ることで、基板102に形成されたトランジスタ120に外部から光が入り込むことを抑制することができる。ただし、本発明の一態様はこれに限定されず、基板102は可視光に対する透過性を有していてもよい。
【0071】
また、基板102は、発光ダイオードの光を反射する反射層及び当該光を遮る遮光層の一方及び双方を有していてもよい。
【0072】
LEDパッケージ150が有する複数の発光ダイオード(LEDチップ)は、同じ構成のトランジスタによって駆動されてもよく、それぞれ異なる構成のトランジスタによって駆動されてもよい。例えば、赤色のLEDチップ151Rを駆動するトランジスタと、緑色のLEDチップ151Gを駆動するトランジスタと、青色のLEDチップ151Bを駆動するトランジスタと、は、トランジスタのサイズ、チャネル長、チャネル幅、及び構造などの少なくとも一つが互いに異なっていてもよい。具体的には、所望の輝度で発光させるために必要な電流量に応じて、色ごとにトランジスタのチャネル長及びチャネル幅の一方又は双方を変えてもよい。
【0073】
なお、本実施の形態の表示装置を構成する各種導電層に用いることができる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金などが挙げられる。またこれらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛等の酸化物を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
【0074】
なお、本実施の形態の表示装置を構成する各種絶縁層に用いることができる材料としては、アクリル、ポリイミド、エポキシ、シリコーンなどの樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料が挙げられる。
【0075】
図2(B)を用いて、LEDパッケージ150をより詳細に説明する。また、図2(C)を用いて、青色のLEDチップ151Bをより詳細に説明する。
【0076】
図2(B)に示すLEDパッケージ150は、基板141、青色のLEDチップ151B、電極152B、電極153、ヒートシンク154、接着層146、ケース142、ワイヤ143、ワイヤ144、及び封止層145を有する。
【0077】
青色のLEDチップ151Bは、接着層146によって、基板141上に貼り合わされている。青色のLEDチップ151Bは、接着層146を介して、ヒートシンク154と重なるように設けられている。接着層146の材料に特に限定は無いが、後述するように、赤色のLEDチップ151Rは、電極152Rと電気的に接続するように、電極152Rと貼り合わせるため、接着層146が導電性を有すると、各色のLEDチップで接着層146の材料を揃えることができ、好ましい。また、青色のLEDチップ及び緑色のLEDチップにおいて、接着層146として導電性を有する接着剤を用いると、放熱性が高まり好ましい。ヒートシンク154は、電極152B及び電極153と同一の材料及び同一の工程で形成することができる。
【0078】
基板141には、ガラスエポキシ樹脂基板、ポリイミド基板、セラミック基板、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板等を用いることができる。
【0079】
図2(C)に示す青色のLEDチップ151Bは、基板101上に発光ダイオード(LED)が設けられた構成を有する。発光ダイオードは、半導体層111、電極112、発光層113、半導体層114、電極115、及び電極116を有する。
【0080】
電極112は、半導体層111と電気的に接続されている。電極116は、電極115を介して半導体層114と電気的に接続されている。電極115及び電極116は一方のみ設けてもよい。発光層113は、半導体層111と半導体層114とに挟持されている。発光層113では、電子と正孔が結合して光を発する。半導体層111と半導体層114とのうち、一方はn型の半導体層であり、他方はp型の半導体層である。
【0081】
青色のLEDチップ151Bにおいて、半導体層111、発光層113、及び半導体層114を含む積層構造は、青色の光を呈するように形成される。
【0082】
なお、各色の発光ダイオードにおいて、一対の半導体層と、当該一対の半導体層の間の発光層と、を有する積層構造は、赤色、黄色、緑色、または青色などの光を呈するように形成される。当該積層構造には、例えば、ガリウム・リン化合物、ガリウム・ヒ素化合物、ガリウム・アルミニウム・ヒ素化合物、アルミニウム・ガリウム・インジウム・リン化合物、ガリウム窒化物、インジウム・窒化ガリウム化合物、セレン・亜鉛化合物等を用いることができる。
【0083】
基板101としては、例えば、サファイア(Al)基板、炭化シリコン(SiC)基板、シリコン(Si)基板、窒化ガリウム(GaN)基板などの単結晶基板を用いることができる。
【0084】
電極112は、ワイヤ143を介して、電極152Bと電気的に接続される。電極112は、発光ダイオードの画素電極として機能する。電極116は、ワイヤ144を介して、電極153と電気的に接続される。電極116は、発光ダイオードの共通電極として機能する。
【0085】
電極152B及び電極153は、それぞれ、ニッケル、銅、銀、白金、または金から選ばれた一元素、または該元素を50%以上含む合金材料で形成することができる。
【0086】
電極152Bと電極112との接続、及び電極153と電極116との接続には、それぞれ、熱圧着法または超音波ボンディング法を用いたワイヤーボンディング法を用いることができる。
【0087】
ワイヤ143及びワイヤ144には、それぞれ、金、金を含む合金、銅、または銅を含む合金などで形成された金属の細線を用いることができる。
【0088】
ケース142の材料には、樹脂を用いることができる。ケース142は、少なくとも青色のLEDチップ151Bの側面を覆っていればよく、青色のLEDチップ151Bの上面と重ならなくてもよい。例えば、青色のLEDチップ151Bの上面側では、封止層145が露出していてもよい。ケース142の内側の側面、具体的には、青色のLEDチップ151Bの周囲に、セラミック等からなるリフレクタを設けることが好ましい。青色のLEDチップ151Bが発した光の一部がリフレクタによって反射することで、より多くの光をLEDパッケージ150から取り出すことができる。
【0089】
ケース142の内部は、封止層145で充填されている。封止層145としては、可視光に対する透過性を有する樹脂が好適である。封止層145としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の紫外線硬化性樹脂、可視光硬化性樹脂などを用いることができる。
【0090】
図3(A)に、図1(C)における一点鎖線C-D間の断面図を示す。つまり、図3(A)は、赤色のLEDチップ151Rと、当該赤色のLEDチップ151Rと電気的に接続される導電層131R及び導電層132と、を含む断面図である。なお、図3(A)では、明瞭化のため、配線など、構成要素の一部を省略する。
【0091】
図3(A)に示すように、表示装置100では、トランジスタ120Aが、導電層131Rを介して、LEDパッケージ150と電気的に接続されている。
【0092】
トランジスタ120Aは、図2(A)に示すトランジスタ120と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0093】
トランジスタ120A上には、絶縁層127が設けられており、絶縁層127上に導電層131R及び導電層132が設けられている。絶縁層127に設けられた開口を介して、導電層131Rは、導電層126bと電気的に接続されている。
【0094】
導電層131R及び導電層132は、それぞれ、導電体133を介して、LEDパッケージ150と電気的に接続される。
【0095】
図3(B)を用いて、LEDパッケージ150をより詳細に説明する。また、図3(C)を用いて、赤色のLEDチップ151Rをより詳細に説明する。
【0096】
図3(B)に示すLEDパッケージ150は、基板141、赤色のLEDチップ151R、電極152R、電極153、接着層146、ケース142、ワイヤ144、及び封止層145を有する。
【0097】
赤色のLEDチップ151Rは、導電性を有する接着層146を介して、電極152Rと電気的に接続されている。
【0098】
図3(C)に示す赤色のLEDチップ151Rは、電極103、半導体層117、発光層118、半導体層119、及び電極106を有する。赤色のLEDチップ151Rは、発光ダイオード(LED)ということもできる。また、赤色のLEDチップは、導電性基板上に発光ダイオードが設けられた構成であってもよい。
【0099】
電極103は、半導体層117と電気的に接続されている。電極106は、半導体層119と電気的に接続されている。発光層118は、半導体層117と半導体層119とに挟持されている。発光層118では、電子と正孔が結合して光を発する。半導体層117と半導体層119とのうち、一方はn型の半導体層であり、他方はp型の半導体層である。
【0100】
電極103は、接着層146を介して、電極152Rと電気的に接続される。電極103は、発光ダイオードの画素電極として機能する。電極106は、ワイヤ144を介して、電極153と電気的に接続される。電極106は、発光ダイオードの共通電極として機能する。
【0101】
図3(D)に示すLEDパッケージ155のように、ケース142の内部には、色変換層147が設けられていてもよい。これにより、発光ダイオードの光は、色変換層147を介して、LEDパッケージ155の外部に射出される。
【0102】
なお、図3(D)では、色変換層147が封止層145の上方に設けられる構成を示すが、色変換層147の配置はこれに限定されない。例えば、色変換層147は、封止層145の内部に分散されていてもよい。
【0103】
色変換層147としては、蛍光体や量子ドット(QD:Quantum dot)を用いることが好ましい。特に、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭く、色純度のよい発光を得ることができる。これにより、表示装置の表示品位を高めることができる。
【0104】
例えば、LEDパッケージ155に含まれる複数のLEDチップが、いずれも、青色の光を呈する発光ダイオードを有する場合、LEDパッケージ155の内部または上方に色変換層147が設けられていることが好ましい。具体的には、赤色のLEDチップ151Rと重なる位置に、青色の光を赤色に変換する色変換層147が設けられ、緑色のLEDチップ151Gと重なる位置に、青色の光を緑色に変換する色変換層147が設けられていることが好ましい。
【0105】
これにより、赤色の副画素において、発光ダイオードが発した光は、色変換層147により青色から赤色に変換され、表示装置の外部に射出される。また、緑色の副画素において、発光ダイオードが発した光は、色変換層147により青色から緑色に変換され、表示装置の外部に射出される。また、青色の副画素において、発光ダイオードが発した青色の光が、直接、表示装置の外部に射出される。
【0106】
色変換層147は、液滴吐出法(例えば、インクジェット法)、塗布法、インプリント法、各種印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷)等を用いて形成することができる。また、量子ドットフィルムなどの色変換フィルムを用いてもよい。
【0107】
蛍光体としては、蛍光体が表面に印刷または塗装された有機樹脂層、蛍光体が混合された有機樹脂層などを用いることができる。
【0108】
量子ドットを構成する材料としては、特に限定は無く、例えば、第14族元素、第15族元素、第16族元素、複数の第14族元素からなる化合物、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、半導体クラスターなどが挙げられる。
【0109】
具体的には、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化水銀、セレン化水銀、テルル化水銀、砒化インジウム、リン化インジウム、砒化ガリウム、リン化ガリウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、アンチモン化インジウム、アンチモン化ガリウム、リン化アルミニウム、砒化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、セレン化鉛、テルル化鉛、硫化鉛、セレン化インジウム、テルル化インジウム、硫化インジウム、セレン化ガリウム、硫化砒素、セレン化砒素、テルル化砒素、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン、硫化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、ケイ素、炭化ケイ素、ゲルマニウム、錫、セレン、テルル、ホウ素、炭素、リン、窒化ホウ素、リン化ホウ素、砒化ホウ素、窒化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化バリウム、セレン化バリウム、テルル化バリウム、硫化カルシウム、セレン化カルシウム、テルル化カルシウム、硫化ベリリウム、セレン化ベリリウム、テルル化ベリリウム、硫化マグネシウム、セレン化マグネシウム、硫化ゲルマニウム、セレン化ゲルマニウム、テルル化ゲルマニウム、硫化錫、セレン化錫、テルル化錫、酸化鉛、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、セレン化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、硫化コバルト、酸化鉄、硫化鉄、酸化マンガン、硫化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物、インジウムと砒素とリンの化合物、カドミウムとセレンと硫黄の化合物、カドミウムとセレンとテルルの化合物、インジウムとガリウムと砒素の化合物、インジウムとガリウムとセレンの化合物、インジウムとセレンと硫黄の化合物、銅とインジウムと硫黄の化合物、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いてもよい。
【0110】
量子ドットの構造としては、コア型、コア-シェル型、コア-マルチシェル型などが挙げられる。また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。
【0111】
量子ドットは、サイズが小さくなるに従いバンドギャップが大きくなるため、所望の波長の光が得られるように、そのサイズを適宜調整する。結晶のサイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へシフトするため、量子ドットのサイズを変更させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長領域にわたって、その発光波長を調整することができる。量子ドットのサイズ(直径)は、例えば、0.5nm以上20nm以下、好ましくは1nm以上10nm以下である。量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、発光スペクトルがより狭線化し、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。棒状の量子ドットである量子ロッドは、指向性を有する光を呈する機能を有する。
【0112】
または、LEDパッケージ155の内部または上方に、色変換層147と着色層の積層構造を有していてもよい。これにより、色変換層147によって変換された光が、着色層を通過することで、光の純度を高められる。また、青色のLEDチップ151Bと重なる位置に、青色の着色層を設けてもよい。青色の着色層を設けると、青色の光の純度を高めることができる。青色の着色層を設けない場合、作製工程を簡略化できる。
【0113】
着色層は特定の波長域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、又は黄色の波長域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料又は染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
【0114】
[表示装置の構成例2]
図4図6に、表示装置の構成例1とは異なる、表示装置の断面構成例をそれぞれ示す。
【0115】
図4図6に示す表示装置は、主に、LEDパッケージ150と電気的に接続されるトランジスタの構造が、図2(A)とは異なる。
【0116】
図4に示す表示装置では、トランジスタ120Bが、導電層131Bを介して、LEDパッケージ150と電気的に接続されている。
【0117】
トランジスタ120Bは、ゲートとして機能する導電層121、ゲート絶縁層として機能する絶縁層122、半導体層として機能する金属酸化物層123、ソース及びドレインとして機能する一対の導電層126a、126b、ゲート絶縁層として機能する絶縁層124a、124b、並びに、バックゲートとして機能する導電層125を有する。導電層121と金属酸化物層123は、絶縁層122を介して重なる。導電層125と金属酸化物層123は、絶縁層124a及び絶縁層124bを介して重なる。
【0118】
トランジスタ120B上には、絶縁層127が設けられており、絶縁層127上に導電層131B及び導電層132が設けられている。絶縁層127に設けられた開口を介して、導電層131Bは、導電層126bと電気的に接続されている。
【0119】
図5に示す表示装置では、トランジスタ120Cが、導電層131Bなどを介して、LEDパッケージ150と電気的に接続されている。
【0120】
基板174上には、絶縁層175、トランジスタ120C、導電層184a、導電層184b、導電層187、導電層189、絶縁層186、絶縁層188、導電層131B、及び、導電層132等が設けられている。基板174上には、さらに、絶縁層162、絶縁層181、絶縁層182、絶縁層183、及び絶縁層185等の絶縁層が設けられている。これら絶縁層の一つまたは複数は、トランジスタの構成要素とみなされる場合もあるが、本実施の形態では、トランジスタの構成要素に含めずに説明する。
【0121】
基板151としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板等の絶縁性基板、または、シリコンや炭化シリコンなどを材料とした単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板などの半導体基板を用いることができる。
【0122】
基板151は、可視光を遮る(可視光に対して非透過性を有する)ことが好ましい。基板151が可視光を遮ることで、基板151に形成されたトランジスタ120Cに外部から光が入り込むことを抑制することができる。ただし、本発明の一態様はこれに限定されず、基板151は可視光に対する透過性を有していてもよい。
【0123】
基板174上には、絶縁層175が設けられている。絶縁層175は、基板174から水や水素などの不純物が、トランジスタ120Cに拡散すること、及び金属酸化物層165から絶縁層175側に酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層175としては、例えば、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、窒化シリコン膜などの、酸化シリコン膜よりも水素や酸素が拡散しにくい膜を用いることができる。
【0124】
トランジスタ120Cは、導電層161、絶縁層163、絶縁層164、金属酸化物層165、一対の導電層166、絶縁層167、導電層168等を有する。
【0125】
金属酸化物層165は、チャネル形成領域を有する。金属酸化物層165は、一対の導電層166の一方と重なる第1の領域と、一対の導電層166の他方と重なる第2の領域と、当該第1の領域と当該第2の領域の間の第3の領域と、を有する。
【0126】
絶縁層175上に導電層161及び絶縁層162が設けられ、導電層161及び絶縁層162を覆って絶縁層163及び絶縁層164が設けられている。金属酸化物層165は、絶縁層164上に設けられている。導電層161はゲート電極として機能し、絶縁層163及び絶縁層164はゲート絶縁層として機能する。導電層161は絶縁層163及び絶縁層164を介して金属酸化物層165と重なる。絶縁層163は、絶縁層175と同様に、バリア層として機能することが好ましい。金属酸化物層165と接する絶縁層164には、酸化シリコン膜などの酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。
【0127】
ここで、導電層161の上面の高さは、絶縁層162の上面の高さと概略一致している。例えば、絶縁層162に開口を設け、当該開口を埋めるように導電層161を形成した後、CMP法などを用いて平坦化処理を施すことで、導電層161の上面の高さと絶縁層162の上面の高さを揃えることができる。これにより、トランジスタ120Cのサイズを小さくすることができる。
【0128】
一対の導電層166は、金属酸化物層165上に離間して設けられている。一対の導電層166は、ソース及びドレインとして機能する。金属酸化物層165及び一対の導電層166を覆って、絶縁層181が設けられ、絶縁層181上に絶縁層182が設けられている。絶縁層181及び絶縁層182には金属酸化物層165に達する開口が設けられており、当該開口の内部に絶縁層167及び導電層168が埋め込まれている。当該開口は、上記第3の領域と重なる。絶縁層167は、絶縁層181の側面及び絶縁層182の側面と重なる。導電層168は、絶縁層167を介して、絶縁層181の側面及び絶縁層182の側面と重なる。導電層168はゲート電極として機能し、絶縁層167はゲート絶縁層として機能する。導電層168は絶縁層167を介して金属酸化物層165と重なる。
【0129】
ここで、導電層168の上面の高さは、絶縁層182の上面の高さと概略一致している。例えば、絶縁層182に開口を設け、当該開口を埋めるように絶縁層167及び導電層168を形成した後、平坦化処理を施すことで、導電層168の上面の高さと絶縁層182の上面の高さを揃えることができる。これにより、トランジスタ120Cのサイズを小さくすることができる。
【0130】
そして、絶縁層182、絶縁層167、及び導電層168の上面を覆って、絶縁層183及び絶縁層185が設けられている。絶縁層181及び絶縁層183は、絶縁層175と同様に、バリア層として機能することが好ましい。絶縁層181で一対の導電層166を覆うことで、絶縁層182に含まれる酸素により一対の導電層166が酸化してしまうことを抑制できる。
【0131】
一対の導電層166の一方及び導電層187と電気的に接続されるプラグが、絶縁層181、絶縁層182、絶縁層183、及び絶縁層185に設けられた開口内に埋め込まれている。プラグは、当該開口の側面及び一対の導電層166の一方の上面に接する導電層184aと、当該導電層184aよりも内側に埋め込まれた導電層184bと、を有することが好ましい。このとき、導電層184aとして、水素及び酸素が拡散しにくい導電材料を用いることが好ましい。
【0132】
絶縁層185上に導電層187が設けられ、導電層187上に絶縁層186が設けられている。絶縁層186は、導電層187に達する開口が設けられており、当該開口の内部に導電層189が埋め込まれている。導電層189は導電層187と導電層131Bとを電気的に接続するプラグとして機能する。
【0133】
一対の導電層166の一方は、導電層184a、導電層184b、導電層187、及び導電層189を介して、導電層131Bと電気的に接続されている。
【0134】
上述のように、図5に示すトランジスタ120Cでは、導電層161の上面の高さは、絶縁層162の上面の高さと概略一致している。また、図5に示すトランジスタ120Cでは、導電層168の上面の高さが、絶縁層182の上面の高さと概略一致している。
【0135】
このように、本実施の形態の表示装置は、ゲート電極の上面の高さが、絶縁層の上面の高さと概略一致しているトランジスタを有することが好ましい。例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法などを用いて平坦化処理を施すことで、ゲート電極の上面と絶縁層の上面を平坦化し、ゲート電極の上面の高さと絶縁層の上面の高さを揃えることができる。
【0136】
このような構成のトランジスタは、サイズを小さくすることが容易である。トランジスタのサイズを小さくすることで、画素のサイズを小さくすることができるため、表示装置の精細度を高めることができる。
【0137】
図6に示す表示装置では、図5に示す表示装置と同様に、トランジスタ120Cが、導電層131Bなどを介して、LEDパッケージ150と電気的に接続されている。
【0138】
図6に示す表示装置は、基板191にチャネル形成領域を有するトランジスタ190と、金属酸化物にチャネル形成領域を有するトランジスタ120Cと、を積層して有する。
【0139】
基板191としては、単結晶シリコン基板が好適である。トランジスタ190は、導電層195、絶縁層194、絶縁層196、一対の低抵抗領域193を有する。導電層195は、ゲートとして機能する。絶縁層194は、導電層195と基板191との間に位置し、ゲート絶縁層として機能する。絶縁層196は、導電層195の側面を覆って設けられ、サイドウォールとして機能する。一対の低抵抗領域193は、基板191における、不純物がドープされた領域であり、一方がトランジスタ190のソースとして機能し、他方がトランジスタ190のドレインとして機能する。
【0140】
また、基板191に埋め込まれるように、隣接する2つのトランジスタの間に、素子分離層192が設けられている。
【0141】
トランジスタ190を覆って絶縁層199が設けられ、絶縁層199上に導電層198が設けられている。絶縁層199の開口を介して、導電層198は、一対の低抵抗領域193の一方と電気的に接続される。また、導電層198を覆って絶縁層171が設けられ、絶縁層171上に導電層172が設けられている。導電層198及び導電層172は、それぞれ配線として機能する。また、導電層172を覆って絶縁層173及び絶縁層175が設けられ、絶縁層175上にトランジスタ120Cが設けられている。絶縁層175からLEDパッケージ150までの積層構造は図5に示す表示装置と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0142】
トランジスタ120Cは、画素回路を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ190は、画素回路を構成するトランジスタや、当該画素回路を駆動するための駆動回路(ゲートドライバ及びソースドライバの一方又は双方)を構成するトランジスタとして用いることができる。また、トランジスタ120C及びトランジスタ190は、それぞれ、演算回路や記憶回路などの各種回路を構成するトランジスタとして用いることができる。
【0143】
このような構成とすることで、発光ダイオードの直下に画素回路だけでなく駆動回路等を形成することができるため、表示部の外側に駆動回路を設ける場合に比べて、表示装置を小型化することができる。また、狭額縁の(非表示領域の狭い)表示装置を実現することができる。
【0144】
本発明の一態様の表示装置は、タッチセンサが搭載された表示装置(入出力装置またはタッチパネルともいう)であってもよい。上述の各表示装置の構成を、タッチパネルに適用することができる。
【0145】
本発明の一態様のタッチパネルが有する検知素子(センサ素子ともいう)に限定は無い。指やスタイラスなどの被検知体の近接または接触を検知することのできる様々なセンサを、検知素子として適用することができる。
【0146】
センサの方式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。
【0147】
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検知が可能となるため好ましい。
【0148】
本発明の一態様のタッチパネルは、別々に作製された表示装置と検知素子とを貼り合わせる構成、表示素子を支持する基板及び対向基板の一方または双方に検知素子を構成する電極等を設ける構成等、様々な構成を適用することができる。
【0149】
以上のように、本実施の形態の表示装置は、LEDパッケージを、複数のトランジスタが形成された基板に実装することで作製できるため、表示装置の製造の難易度を低くし、歩留まりの向上を図ることができる。また、マイクロLEDと、金属酸化物を用いたトランジスタを組み合わせることで、消費電力の低減された表示装置を実現できる。
【0150】
また、本実施の形態の表示装置は、トランジスタのサイズを小さくできるため、精細度を高めることや、比較的小さな表示部を有する電子機器への適用が容易である。
【0151】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0152】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の画素について図7を用いて説明する。
【0153】
[画素]
本実施の形態の表示装置は、m行n列(m、nは、それぞれ1以上の整数)のマトリクス状に配置された複数の画素を有する。図7に、画素200(i,j)(iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)の回路図の一例を示す。
【0154】
図7に示す画素200(i,j)は、発光素子210、スイッチSW21、スイッチSW22、トランジスタM、及び容量素子C1を有する。
【0155】
本実施の形態では、スイッチSW21として、トランジスタを用いる例を示す。スイッチSW21のゲートは、走査線GL1(i)と電気的に接続される。スイッチSW21のソース及びドレインは、一方が信号線SL(j)と電気的に接続され、他方がトランジスタMのゲートと電気的に接続される。
【0156】
本実施の形態では、スイッチSW22として、トランジスタを用いる例を示す。スイッチSW22のゲートは、走査線GL2(i)と電気的に接続される。スイッチSW22のソース及びドレインは、一方が配線COMと電気的に接続され、他方がトランジスタMのゲートと電気的に接続される。
【0157】
トランジスタMのゲートは、容量素子C1の一方の電極、スイッチSW21のソース及びドレインの他方、及びスイッチSW22のソース及びドレインの他方と電気的に接続される。トランジスタMのソース及びドレインは、一方が配線CATHODEと電気的に接続され、他方が発光素子210のカソードと電気的に接続される。
【0158】
容量素子C1の他方の電極は、配線CATHODEと電気的に接続される。
【0159】
発光素子210のアノードは、配線ANODEと電気的に接続される。
【0160】
走査線GL1(i)は、選択信号を供給する機能を有する。走査線GL2(i)は、制御信号を供給する機能を有する。信号線SL(j)は、画像信号を供給する機能を有する。配線VCOM、配線CATHODE、及び配線ANODEには、それぞれ定電位が供給される。発光素子210のアノード側を高電位に、カソード側をアノード側よりも低電位にすることができる。
【0161】
スイッチSW21は、選択信号により制御され、画素200の選択状態を制御するための選択トランジスタとして機能する。
【0162】
トランジスタMは、ゲートに供給される電位に応じて発光素子210に流れる電流を制御する駆動トランジスタとして機能する。スイッチSW21が導通状態のとき、信号線SL(j)に供給される画像信号がトランジスタMのゲートに供給され、その電位に応じて、発光素子210の発光輝度を制御することができる。
【0163】
スイッチSW22は、制御信号に基づいてトランジスタMのゲート電位を制御する機能を有する。具体的には、スイッチSW22は、トランジスタMを非導通状態にする電位を、トランジスタMのゲートに供給することができる。
【0164】
スイッチSW22は、例えば、パルス幅の制御に用いることができる。制御信号に基づく期間、トランジスタMから発光素子210に電流を供給することができる。または、発光素子210は、画像信号及び制御信号に基づいて、階調を表現することができる。
【0165】
ここで、画素200(i,j)が有するトランジスタには、それぞれチャネルが形成される半導体層に金属酸化物(酸化物半導体)を用いたトランジスタを適用することが好ましい。
【0166】
シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい金属酸化物を用いたトランジスタは、極めて小さいオフ電流を実現することができる。そのため、その小さいオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量素子に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。そのため、特に容量素子C1に直列に接続されるスイッチSW21及びスイッチSW22には、酸化物半導体が適用されたトランジスタを用いることが好ましい。また、これ以外のトランジスタも同様に酸化物半導体を適用したトランジスタを用いることで、作製コストを低減することができる。
【0167】
また、画素200(i,j)が有するトランジスタに、チャネルが形成される半導体にシリコンを適用したトランジスタを用いることもできる。特に単結晶シリコンや多結晶シリコンなどの結晶性の高いシリコンを用いることで、高い電界効果移動度を実現することができ、より高速な動作が可能となるため好ましい。
【0168】
また、画素200(i,j)が有するトランジスタのうち、一以上に酸化物半導体を適用したトランジスタを用い、それ以外にシリコンを適用したトランジスタを用いる構成としてもよい。
【0169】
なお、図7において、トランジスタをnチャネル型のトランジスタとして表記しているが、pチャネル型のトランジスタを用いることもできる。
【0170】
[トランジスタ]
次に、表示装置に用いることができるトランジスタについて、説明する。
【0171】
表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート構造またはボトムゲート構造のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
【0172】
表示装置が有するトランジスタには、例えば、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタを用いることができる。これにより、オフ電流の極めて小さいトランジスタを実現することができる。
【0173】
または、表示装置が有するトランジスタにシリコンをチャネル形成領域に有するトランジスタを適用してもよい。当該トランジスタとしては、例えば、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン)を有するトランジスタ、単結晶シリコンを有するトランジスタなどが挙げられる。
【0174】
[金属酸化物]
以下では、半導体層に適用可能な金属酸化物について説明する。
【0175】
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特に、インジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたは錫などが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0176】
ここでは、金属酸化物が、インジウム、元素M、及び亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物である場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、または錫などとする。そのほか、元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
【0177】
金属酸化物膜は、スパッタリング法により形成することができる。そのほか、PLD法、PECVD法、熱CVD法、ALD法、真空蒸着法などを用いてもよい。
【0178】
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。例えば、亜鉛酸窒化物(ZnON)などの窒素を有する金属酸化物を、半導体層に用いてもよい。
【0179】
なお、本明細書等において、CAAC(c-axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)と記載する場合がある。CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能または材料の構成の一例を表す。
【0180】
例えば、半導体層にはCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSを用いることができる。
【0181】
CAC-OSまたはCAC-metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタの半導体層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
【0182】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
【0183】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
【0184】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
【0185】
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
【0186】
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、及び非晶質酸化物半導体などがある。
【0187】
CAAC-OSは、c軸配向性を有し、かつa-b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
【0188】
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形及び七角形などの格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することは難しい。すなわち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためである。
【0189】
また、CAAC-OSは、インジウム、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
【0190】
CAAC-OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物や欠陥(酸素欠損(V:oxygen vacancyともいう。)など)の少ない金属酸化物ともいえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0191】
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
【0192】
なお、インジウムと、ガリウムと、亜鉛と、を有する金属酸化物の一種である、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(以下、IGZO)は、上述のナノ結晶とすることで安定な構造をとる場合がある。特に、IGZOは、大気中では結晶成長がし難い傾向があるため、大きな結晶(ここでは、数mmの結晶、または数cmの結晶)よりも小さな結晶(例えば、上述のナノ結晶)とする方が、構造的に安定となる場合がある。
【0193】
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化物である。a-like OSは、鬆または低密度領域を有する。すなわち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。
【0194】
酸化物半導体(金属酸化物)は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
【0195】
半導体層として機能する金属酸化物膜は、不活性ガス及び酸素ガスのいずれか一方または双方を用いて成膜することができる。なお、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)に、特に限定はない。ただし、電界効果移動度が高いトランジスタを得る場合においては、金属酸化物膜の成膜時における酸素の流量比(酸素分圧)は、0%以上30%以下が好ましく、5%以上30%以下がより好ましく、7%以上15%以下がさらに好ましい。
【0196】
金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましく、3eV以上であることがさらに好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0197】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0198】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図8図12を用いて説明する。
【0199】
本実施の形態の電子機器は、表示部に本発明の一態様の表示装置を有する。本発明の一態様の表示装置は、表示品位が高く、かつ、消費電力が低い。また、本発明の一態様の表示装置は、高精細化及び大型化が容易である。したがって、様々な電子機器の表示部に用いることができる。
【0200】
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
【0201】
特に、本発明の一態様の表示装置は、精細度を高めることが可能なため、比較的小さな表示部を有する電子機器に好適に用いることができる。このような電子機器としては、例えば腕時計型やブレスレット型の情報端末機(ウェアラブル機器)や、ヘッドマウントディスプレイなどのVR(Virtual Reality)向け機器、メガネ型のAR(Augmented Reality)向け機器、またはMR(Mixed Reality)向け機器等、頭部に装着可能なウェアラブル機器等に好適に用いることができる。
【0202】
本実施の形態の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0203】
本実施の形態の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
【0204】
図8(A)に、メガネ型の電子機器900の斜視図を示す。電子機器900は、一対の表示パネル901、一対の筐体902、一対の光学部材903、一対の装着部904等を有する。
【0205】
電子機器900は、光学部材903の表示領域906に、表示パネル901で表示した画像を投影することができる。光学部材903は透光性を有するため、ユーザーは光学部材903を通して視認される透過像に重ねて、表示領域906に表示された画像を見ることができる。したがって、電子機器900は、AR表示が可能な電子機器である。
【0206】
電子機器900が備える表示パネル901は、画像を表示する機能に加えて、撮像する機能を有することが好ましい。このとき、電子機器900は、光学部材903を介して表示パネル901に入射された光を受光し、電気信号に変換して出力することができる。これにより、ユーザーの目、または目及びその周辺を撮像し、画像情報として外部、または電子機器900が備える演算部に出力することができる。
【0207】
一つの筐体902には、前方を撮像することのできるカメラ905が設けられている。また図示しないが、いずれか一方の筐体902には無線受信機、またはケーブルを接続可能なコネクタが設けられ、筐体902に映像信号等を供給することができる。また、筐体902に、ジャイロセンサなどの加速度センサを配置することで、ユーザーの頭部の向きを検知して、その向きに応じた画像を表示領域906に表示することもできる。また、筐体902にはバッテリが設けられていることが好ましく、無線または有線によって充電することができることが好ましい。
【0208】
図8(B)を用いて、電子機器900の表示領域906への画像の投影方法について説明する。筐体902の内部には、表示パネル901、レンズ911、反射板912が設けられている。また、光学部材903の表示領域906に相当する部分には、ハーフミラーとして機能する反射面913を有する。
【0209】
表示パネル901から発せられた光915は、レンズ911を通過し、反射板912により光学部材903側へ反射される。光学部材903の内部において、光915は光学部材903の端面で全反射を繰り返し、反射面913に到達することで、反射面913に画像が投影される。これにより、ユーザーは、反射面913に反射された光915と、光学部材903(反射面913を含む)を透過した透過光916の両方を視認することができる。
【0210】
図8では、反射板912及び反射面913がそれぞれ曲面を有する例を示している。これにより、これらが平面である場合に比べて、光学設計の自由度を高めることができ、光学部材903の厚さを薄くすることができる。なお、反射板912及び反射面913を平面としてもよい。
【0211】
反射板912としては、鏡面を有する部材を用いることができ、反射率が高いことが好ましい。また、反射面913としては、金属膜の反射を利用したハーフミラーを用いてもよいが、全反射を利用したプリズムなどを用いると、透過光916の透過率を高めることができる。
【0212】
ここで、電子機器900は、レンズ911と表示パネル901との間の距離及び角度の一方又は双方を調整する機構を有していることが好ましい。これにより、ピント調整や、画像の拡大、縮小などを行うことが可能となる。例えば、レンズ911及び表示パネル901の一方または双方が、光軸方向に移動可能な構成とすればよい。
【0213】
電子機器900は、反射板912の角度を調整可能な機構を有していることが好ましい。反射板912の角度を変えることで、画像が表示される表示領域906の位置を変えることが可能となる。これにより、ユーザーの目の位置に応じて最適な位置に表示領域906を配置することが可能となる。
【0214】
表示パネル901には、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。したがって極めて精細度の高い表示が可能な電子機器900とすることができる。
【0215】
図9(A)、(B)に、ゴーグル型の電子機器950の斜視図を示す。図9(A)は、電子機器950の正面、平面及び左側面を示す斜視図であり、図9(B)は、電子機器950の背面、底面、及び右側面を示す斜視図である。
【0216】
電子機器950は、一対の表示パネル951、筐体952、一対の装着部954、緩衝部材955、一対のレンズ956等を有する。一対の表示パネル951は、筐体952の内部の、レンズ956を通して視認できる位置にそれぞれ設けられている。
【0217】
電子機器950は、VR向けの電子機器である。電子機器950を装着したユーザーは、レンズ956を通して表示パネル951に表示される画像を視認することができる。また、一対の表示パネル951に異なる画像を表示させることで、視差を用いた3次元表示を行うこともできる。
【0218】
筐体952の背面側には、入力端子957と出力端子958とが設けられている。入力端子957には映像出力機器等からの映像信号や、筐体952内に設けられるバッテリを充電するための電力等を供給するケーブルを接続することができる。出力端子958は、例えば音声出力端子として機能することができ、イヤフォンやヘッドフォン等を接続することができる。なお、無線通信により音声データを出力可能な構成とする場合や、外部の映像出力機器から音声を出力する場合には、当該音声出力端子を設けなくてもよい。
【0219】
電子機器900は、レンズ956及び表示パネル951が、ユーザーの目の位置に応じて最適な位置となるように、これらの左右の位置を調整可能な機構を有していることが好ましい。また、レンズ956と表示パネル951との距離を変えることで、ピントを調整する機構を有していることが好ましい。
【0220】
表示パネル951には、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。したがって極めて精細度の高い表示が可能な電子機器950とすることができる。これにより、ユーザーに高い没入感を感じさせることができる。
【0221】
緩衝部材955は、ユーザーの顔(額や頬など)に接触する部分である。緩衝部材955がユーザーの顔と密着することにより、光漏れを防ぐことができ、より没入感を高めることができる。緩衝部材955は、ユーザーが電子機器950を装着した際にユーザーの顔に密着するよう、柔らかな素材を用いることが好ましい。例えばゴム、シリコーンゴム、ウレタン、スポンジなどの素材を用いることができる。また、緩衝部材955として、スポンジ等の表面を布や革(天然皮革または合成皮革)などで覆ったものを用いると、ユーザーの顔と緩衝部材955との間に隙間が生じにくく光漏れを好適に防ぐことができる。緩衝部材955や装着部954などの、ユーザーの肌に触れる部材は、取り外し可能な構成とすると、クリーニングや交換が容易となるため好ましい。
【0222】
図10(A)に示す電子機器6500は、スマートフォンとして用いることのできる携帯情報端末機である。
【0223】
電子機器6500は、筐体6501、表示部6502、電源ボタン6503、ボタン6504、スピーカ6505、マイク6506、カメラ6507、及び光源6508等を有する。表示部6502はタッチパネル機能を備える。
【0224】
表示部6502に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0225】
図10(B)は、筐体6501のマイク6506側の端部を含む断面概略図である。
【0226】
筐体6501の表示面側には透光性を有する保護部材6510が設けられ、筐体6501と保護部材6510に囲まれた空間内に、表示パネル6511、光学部材6512、タッチセンサパネル6513、プリント基板6517、バッテリ6518等が配置されている。
【0227】
保護部材6510には、表示パネル6511、光学部材6512、及びタッチセンサパネル6513が接着層(図示しない)により固定されている。
【0228】
表示部6502よりも外側の領域において、表示パネル6511の一部が折り返されており、当該折り返された部分にFPC6515が接続されている。FPC6515には、IC6516が実装されている。FPC6515は、プリント基板6517に設けられた端子に接続されている。
【0229】
表示パネル6511には本発明の一態様のフレキシブルディスプレイを適用することができる。そのため、極めて軽量な電子機器を実現できる。また、表示パネル6511が極めて薄いため、電子機器の厚さを抑えつつ、大容量のバッテリ6518を搭載することもできる。また、表示パネル6511の一部を折り返して、画素部の裏側にFPC6515との接続部を配置することにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
【0230】
図11(A)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
【0231】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0232】
図11(A)に示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることでテレビジョン装置7100を操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
【0233】
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0234】
図11(B)に、ノート型パーソナルコンピュータの一例を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7000が組み込まれている。
【0235】
表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0236】
図11(C)、(D)に、デジタルサイネージの一例を示す。
【0237】
図11(C)に示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7000、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
【0238】
図11(D)は円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7000を有する。
【0239】
図11(C)、(D)において、表示部7000に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
【0240】
表示部7000が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7000が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
【0241】
表示部7000にタッチパネルを適用することで、表示部7000に画像または動画を表示するだけでなく、ユーザーが直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0242】
また、図11(C)、(D)に示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400は、ユーザーが所持するスマートフォン等の情報端末機7311または情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7000に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操作することで、表示部7000の表示を切り替えることができる。
【0243】
また、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数のユーザーが同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
【0244】
図12(A)乃至図12(F)に示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
【0245】
図12(A)乃至図12(F)に示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して処理する機能、等を有することができる。なお、電子機器の機能はこれらに限られず、様々な機能を有することができる。電子機器は、複数の表示部を有していてもよい。また、電子機器にカメラ等を設け、静止画や動画を撮影し、記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
【0246】
図12(A)乃至図12(F)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
【0247】
図12(A)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えばスマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。図12(A)では3つのアイコン9050を表示した例を示している。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することもできる。情報9051の一例としては、電子メール、SNS、電話などの着信の通知、電子メールやSNSなどの題名、送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9051が表示されている位置にはアイコン9050などを表示してもよい。
【0248】
図12(B)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えばユーザーは、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示された情報9053を確認することもできる。ユーザーは、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく表示を確認し、例えば電話を受けるか否かを判断できる。
【0249】
図12(C)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、例えばスマートウォッチとして用いることができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006により、他の情報端末と相互にデータ伝送を行うことや、充電を行うこともできる。なお、充電動作は無線給電により行ってもよい。
【0250】
図12(D)、(E)、(F)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図12(D)は携帯情報端末9201を展開した状態、図12(F)は折り畳んだ状態、図12(E)は図12(D)と図12(F)の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。例えば、表示部9001は、曲率半径0.1mm以上150mm以下で曲げることができる。
【0251】
本実施の形態は、他の実施の形態及び実施例と適宜組み合わせることができる。
【実施例0252】
本実施例では、本発明の一態様の表示装置を作製した結果について説明する。
【0253】
本実施例では、表示部のサイズが対角2.23インチ、有効画素数が20×20、画素サイズが2000μm×2000μm(LEDパッケージの実装ピッチ)である、アクティブマトリクス型の表示装置を作製した。
【0254】
表示素子には、赤色、緑色、及び青色の3色のミニLEDチップを有する、1mm□のLEDパッケージを用いた。
【0255】
トランジスタには、結晶性の金属酸化物を半導体層に用いたセルフアライン型のトップゲート(Top Gate Self-Alignment、TGSA)構造のトランジスタを用いた。金属酸化物には、In-Ga-Zn系酸化物を用いた。
【0256】
ゲートドライバ及びソースドライバは内蔵しなかった。
【0257】
本実施例の表示装置の画素回路は、図7に示す画素回路に相当する。
【0258】
本実施例の表示装置は、図1(A)~(C)に示す上面構造、並びに、図2(A)~(C)及び図3(A)~(C)に示す断面構造を有する。なお、絶縁層104及び樹脂129は設けていない。
【0259】
基板102にはガラス基板を用いた。導電層131R、導電層131G、導電層131B、及び導電層132には、厚さ約100nmのチタン膜、厚さ約400nmのアルミニウム膜、及び厚さ約100nmのチタン膜の積層構造を用いた。つまり、導電層131R、導電層131G、導電層131B、及び導電層132それぞれにおいて、導電体133と接する層は、チタン膜である。保護層128には、厚さ約2μmのアクリル膜を用いた。
【0260】
基板102上に、トランジスタ120から保護層128までの積層構造を形成した後、導電層131R上、導電層131G上、導電層131B上、及び導電層132上に、導電体133として銀ペーストを塗布し、LEDパッケージ150を実装した。
【0261】
図13に、本実施例の表示装置の表示写真を示す。
【0262】
以上のように、本実施例では、金属酸化物を半導体層に用いたトランジスタが形成された基板にLEDパッケージを実装することで、アクティブマトリクス型の表示装置を作製した。また、図13に示すように、本実施例で作製した表示装置では、良好な表示結果を得ることができた。
【符号の説明】
【0263】
C1:容量素子、GL1:走査線、GL2:走査線、SW21:スイッチ、SW22:スイッチ、100:表示装置、100A:表示装置、101:基板、102:基板、103:電極、104:絶縁層、106:電極、108:配線、109:回路、110:表示部、111:半導体層、112:電極、113:発光層、114:半導体層、115:電極、116:電極、117:半導体層、118:発光層、119:半導体層、120:トランジスタ、120A:トランジスタ、120B:トランジスタ、120C:トランジスタ、121:導電層、122:絶縁層、123:金属酸化物層、123i:チャネル形成領域、123n:低抵抗領域、124:絶縁層、124a:絶縁層、124b:絶縁層、125:導電層、126a:導電層、126b:導電層、127:絶縁層、128:保護層、129:樹脂、130:画素、131B:導電層、131G:導電層、131R:導電層、132:導電層、133:導電体、141:基板、142:ケース、143:ワイヤ、144:ワイヤ、145:封止層、146:接着層、147:色変換層、150:LEDパッケージ、151:基板、151B:青色のLEDチップ、151G:緑色のLEDチップ、151R:赤色のLEDチップ、152B:電極、152G:電極、152R:電極、153:電極、154:ヒートシンク、155:LEDパッケージ、161:導電層、162:絶縁層、163:絶縁層、164:絶縁層、165:金属酸化物層、166:導電層、167:絶縁層、168:導電層、171:絶縁層、172:導電層、173:絶縁層、174:基板、175:絶縁層、181:絶縁層、182:絶縁層、183:絶縁層、184a:導電層、184b:導電層、185:絶縁層、186:絶縁層、187:導電層、188:絶縁層、189:導電層、190:トランジスタ、191:基板、192:素子分離層、193:低抵抗領域、194:絶縁層、195:導電層、196:絶縁層、198:導電層、199:絶縁層、200:画素、210:発光素子、900:電子機器、901:表示パネル、902:筐体、903:光学部材、904:装着部、905:カメラ、906:表示領域、911:レンズ、912:反射板、913:反射面、915:光、916:透過光、950:電子機器、951:表示パネル、952:筐体、954:装着部、955:緩衝部材、956:レンズ、957:入力端子、958:出力端子、6500:電子機器、6501:筐体、6502:表示部、6503:電源ボタン、6504:ボタン、6505:スピーカ、6506:マイク、6507:カメラ、6508:光源、6510:保護部材、6511:表示パネル、6512:光学部材、6513:タッチセンサパネル、6515:FPC、6516:IC、6517:プリント基板、6518:バッテリ、7000:表示部、7100:テレビジョン装置、7101:筐体、7103:スタンド、7111:リモコン操作機、7200:ノート型パーソナルコンピュータ、7211:筐体、7212:キーボード、7213:ポインティングデバイス、7214:外部接続ポート、7300:デジタルサイネージ、7301:筐体、7303:スピーカ、7311:情報端末機、7400:デジタルサイネージ、7401:柱、7411:情報端末機、9000:筐体、9001:表示部、9003:スピーカ、9005:操作キー、9006:接続端子、9007:センサ、9008:マイクロフォン、9050:アイコン、9051:情報、9052:情報、9053:情報、9054:情報、9055:ヒンジ、9101:携帯情報端末、9102:携帯情報端末、9200:携帯情報端末、9201:携帯情報端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-08-08
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を有し、
前記画素は、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、第1の導電層、及び、発光ダイオードパッケージを有し、
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの各々は、チャネル形成領域にIn、Ga及びZnを含む酸化物半導体を有し、
前記発光ダイオードパッケージは、第1の発光ダイオード、第2の発光ダイオード、第2の導電層、第3の導電層、及び第4の導電層を有し、
前記第1の発光ダイオードは、第1の電極と、第2の電極と、を有し、
前記第2の発光ダイオードは、第3の電極と、第4の電極と、を有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2の導電層を介して、前記第1の電極と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第3の導電層を介して、前記第3の電極と電気的に接続され、
前記第1の導電層は、前記第4の導電層を介して、前記第2の電極と電気的に接続され、
前記第1の導電層は、前記第4の導電層を介して、前記第4の電極と電気的に接続されされる、表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の導電層には、定電位が供給される、表示装置。