(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139126
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】無線電力伝送制御方法および装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/60 20160101AFI20230926BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20230926BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20230926BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J50/10
H02J50/80
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118220
(22)【出願日】2023-07-20
(62)【分割の表示】P 2020564079の分割
【原出願日】2019-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0056166
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0068751
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.アイポッド
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】パク,ユリ
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ヨンイル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より効果的で正確に異物を検出できるだけでなく不要な充電の中断を最小化させる、正確に異物を検出することが可能な無線電力送信機を提供することである。
【解決手段】無線電力送信機は、異物検出状態パケットを受信する第1パケット受信段階と、異物検出状態パケットに基づいて異物の存在の有無を判断する第1判断段階と、第1判断段階の判断結果に基づいて電力を制御する電力制御段階と、を含み、電力制御段階は、第1判断段階の判断結果で異物がないものと判断すると第1電力を送信する第1電力伝送モードと、第1判断段階の判断結果で異物があるものと判断すると第2電力を送信する第2電力伝送モードを含む。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異物検出状態パケットを受信する第1パケット受信段階;
前記異物検出状態パケットに基づいて異物の存在の有無を判断する第1判断段階;およ
び
前記第1判断段階の判断結果に基づいて電力を制御する電力制御段階を含み、
前記電力制御段階は
前記第1判断段階の判断結果異物があるものと判断されると第1電力を送信する第1電
力伝送モードに制御する段階;および
前記第1判断段階の判断結果異物がないものと判断されると第2電力を送信する第2電
力伝送モードに制御する段階を含む、無線電力送信機の無線電力伝送制御方法。
【請求項2】
前記第2電力は前記第1電力より大きく、
前記第2電力伝送モードで電力伝送環境の変化に基づいて前記第1電力から前記第2電
力の間で電力を増加または減少させて伝送する、請求項1に記載の無線電力送信機の無線
電力伝送制御方法。
【請求項3】
前記第1電力は5Wである、請求項2に記載の無線電力送信機の無線電力伝送制御方法
。
【請求項4】
前記第2電力は15Wである、請求項3に記載の無線電力送信機での無線電力伝送制御
方法。
【請求項5】
前記第1電力伝送モードで異物の存在の有無を判断する第2判断段階を含む、請求項1
に記載の無線電力送信機の無線電力伝送制御方法。
【請求項6】
前記第2判断段階は
伝送電力損失に基づいて異物の存在の有無を判断する第3判断段階;および
温度変化に基づいて異物の存在の有無を判断する第4判断段階のうち少なくとも一つを
含む、請求項5に記載の無線電力送信機の無線電力伝送制御方法。
【請求項7】
前記第3判断段階は
伝送電力の強度を測定する段階;
前記伝送電力に対応する受信電力の強度に関する情報を無線電力受信機から受信する段
階;
前記伝送電力の強度と前記受信電力の強度の差値に基づいて電力損失を推定する段階;
および
一定時間の間前記推定された電力損失と所定の電力損失基準値を比較して異物の存在の
有無を判断する段階を含む、請求項6に記載の無線電力送信機の無線電力伝送制御方法。
【請求項8】
前記第4判断段階は
充電領域の温度を測定する段階;
前記測定された温度に基づいて一定時間の間の温度変化を算出する段階;および
前記算出された温度変化と所定の温度変化基準値を比較して異物の存在の有無を判断す
る段階を含む、請求項6に記載の無線電力送信機での無線電力伝送制御方法。
【請求項9】
前記第2判断段階の判断結果異物があるものと判断されると電力伝送を中断し、前記第
2判断段階の判断結果異物がないものと判断されると前記第1電力伝送モードから前記第
2電力伝送モードに転換する、請求項5に記載の無線電力送信機の無線電力伝送制御方法
。
【請求項10】
異物検出状態パケットを受信する第1パケット受信段階;
前記異物検出状態パケットに基づいて異物の存在の有無を判断する第1判断段階;
前記第1判断段階の判断結果異物があるものと判断されると第1電力を送信する段階;
前記第1判断段階の判断結果異物がないものと判断されると前記第1電力から第2電力
の間の電力を送信する段階;および
前記第1電力を送信する段階で伝送電力損失に基づいて異物の存在の有無を判断する第
2判断段階を含む、無線電力送信機の無線電力伝送制御方法。
【請求項11】
無線電力を伝送するアンテナ;
前記アンテナから受信された異物検出状態パケットを含む信号を復調する復調器;およ
び
異物の存在の有無を判断する制御器を含み、
前記制御器は前記異物検出状態パケットに基づいて異物の存在の有無を1次判断し、前
記1次判断結果異物があるものと判断されると第1電力が伝送されるように制御し、前記
第1判断段階の判断結果異物がないものと判断されると前記第1電力から第2電力の間の
電力が伝送されるように制御する、無線電力送信機。
【請求項12】
前記制御器は前記1次判断結果異物があるものと判断されると前記第1電力伝送中に前
記電力損失に基づいて異物の存在の有無を2次判断する、請求項11に記載の無線電力送
信機。
【請求項13】
前記制御器は伝送電力の強度を決定し、
前記伝送電力に対応する受信電力の強度に関する情報を前記復調器を通じて受信し、前
記伝送電力の強度と前記受信電力の強度の差値に基づいて電力損失を推定し、前記推定さ
れた電力損失と所定の電力損失基準値を比較して異物の存在の有無を判断する、請求項1
2に記載の無線電力送信機。
【請求項14】
前記制御器が
前記第2判断段階の判断結果異物があるものと判断されると電力伝送を中断し、前記第
2判断段階の判断結果異物がないものと判断されると前記第1電力から前記第2電力の間
の電力が伝送されるように制御する、請求項12に記載の無線電力送信機。
【請求項15】
前記第2電力は前記第1電力より大きく、
前記第1電力は5Wである、請求項11に記載の無線電力送信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線電力伝送技術に関し、詳細には、無線充電のための無線電力伝送制御方法
および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近情報通信技術が急速に発展するにつれて、情報通信技術を基盤とするユビキタス社
会になりつつある。
【0003】
いつ、どこででも情報通信機器が接続されるためには、社会のすべての施設に通信機能
を有したコンピュータチップを内蔵させたセンサが設置されなければならない。したがっ
て、これらの機器やセンサの電源供給の問題は新しい課題となっている。また、携帯電話
だけでなく、ブルートゥースハンドセットとアイポッドのようなミュージックプレーヤー
などの携帯機器の種類が急激に増えるにつれて、バッテリーを充電する作業が使用者に時
間と苦労を要求するようになった。このような問題を解決する方法として、無線電力伝送
技術が最近になって関心を集めている。
【0004】
無線電力伝送技術(wireless power transmissionまたは
wireless energy transfer)は磁場の誘導原理を利用して無線
で送信機から受信機に電気エネルギーを伝送する技術であって、すでに1800年代に電
磁気誘導原理を利用した電気モータや変圧器が使われ始め、その後には高周波、Micr
owave、レーザーなどのような電磁波を放射して電気エネルギーを伝送する方法も試
みられた。私達がよく使う電動歯ブラシや一部の無線カミソリも実は電磁気誘導原理で充
電される。
【0005】
現在まで無線を利用したエネルギー伝達方式は、磁気誘導方式、磁気共振(Elect
romagnetic Resonance)方式および短波長無線周波数を利用したR
F伝送方式などに大別され得る。
【0006】
磁気誘導方式は二つのコイルを互いに隣接させた後、一個のコイルに電流を流すと、こ
の時発生した磁束(MagneticFlux)が他のコイルに起電力を起こす現象を使
った技術であって、携帯電話のような小型の機器を中心に速く商用化が進行している。磁
気誘導方式は最大数百キロワット(kW)の電力を伝送することができ、効率も高いが、
最大伝送距離が1センチメートル(cm)以下であるため一般的に充電器や底に隣接させ
なければならない短所がある。
【0007】
磁気共振方式は電磁気波や電流などを活用する代わりに電場や磁場を利用する特徴があ
る。磁気共振方式は電磁波問題の影響をほとんど受けないため、他の電子機器や人体に安
全であるという長所がある。その反面、限定された距離と空間でのみ活用することができ
、エネルギー伝達効率が多少低いという短所がある。
【0008】
短波長無線電力伝送方式-簡単に、RF伝送方式-はエネルギーがラジオ波(Radi
oWave)の形態で直接送受信され得るという点を活用したものである。この技術はレ
クテナ(rectenna)を利用するRF方式の無線電力伝送方式であって、レクテナ
はアンテナ(antenna)と整流器(rectifier)の合成語であってRF電
力を直接直流電力に変換する素子を意味する。すなわち、RF方式はACラジオ波をDC
に変換して使う技術であって、最近効率が向上したことにより商用化に対する研究が活発
に進行している。
【0009】
無線電力伝送技術はモバイルだけでなく、IT、鉄道、家電産業などの産業全般に多様
に活用され得る。
【0010】
無線充電可能領域に無線電力受信機ではない伝導体-すなわち、異物(FO:Fore
ign Object)-が存在する場合、FOには無線電力送信機から送出された電磁
気信号が誘導されて温度が上昇し得る。一例として、FOはコイン、クリップ、ピン、ボ
ールペンなどを含むことができる。
【0011】
もし、無線電力受信機と無線電力送信機の間にFOが存在する場合、無線充電効率が顕
著に落ちるだけでなく、FOによる周辺温度の上昇により無線電力受信機と無線電力送信
機の温度が共に上昇し得る。もし、充電領域に位置したFOが除去されない場合、電力の
浪費がもたらされるだけでなく、過熱によって無線電力送信機および無線電力受信機の損
傷を引き起こし得る。
【0012】
また、実際に充電領域にFOが存在しないにも関わらず、無線電力送信機が充電領域に
異物が存在するものと誤判断した場合、充電が中断されることもある。
【0013】
したがって、充電領域に位置したFOを正確に検出することが無線充電技術分野で重要
なイシューとして浮び上がっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は前述した従来技術の問題点を解決するために考案されたもので、本発明の目的
は無線充電のための無線電力伝送制御方法および装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、より正確に異物を検出することが可能な無線電力送信機を提供す
ることである。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、異物検出エラーを最小化させることによって不要な充電の
中断を未然に防止できる無線電力伝送制御方法および装置を提供することである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、異物による機器の損傷を防止し、異物の存在の有無による
適応的伝送電力制御を通じて途切れることのない充電を可能とする無線電力送信機を提供
することである。
【0018】
本発明で達成しようとする技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及
していないさらに他の技術的課題は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識
を有する者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は無線電力伝送制御方法およびそのための装置を提供することができる。
【0020】
本発明の一実施例に係る無線電力送信機の無線電力伝送制御方法は、異物検出状態パケ
ットを受信する第1パケット受信段階と前記異物検出状態パケットに基づいて異物の存在
の有無を判断する第1判断段階と前記第1判断段階の判断結果に基づいて電力を制御する
電力制御段階を含み、前記電力制御段階は前記第1判断段階の判断結果異物があるものと
判断されると第1電力を送信する第1電力伝送モードと前記第1判断段階の判断結果異物
がないものと判断されると第2電力を送信する第2電力伝送モードを含むことができる。
【0021】
ここで、前記第2電力は前記第1電力より大きく、前記第2電力伝送モードで電力伝送
環境の変化に基づいて前記第1電力から前記第2電力の間で電力が増加または減少させて
伝送され得る。
【0022】
ここで、前記第1電力は5Wであり得る。
【0023】
また、前記第2電力は15Wであり得る。
【0024】
また、前記無線電力伝送制御方法は前記第1電力伝送モードで異物の存在の有無を判断
する第2判断段階を含むことができる。
【0025】
また、前記第2判断段階は、伝送電力損失に基づいて異物の存在の有無を判断する第3
判断段階と温度変化に基づいて異物の存在の有無を判断する第4判断段階のうち少なくと
も一つを含むことができる。
【0026】
ここで、前記第3判断段階は、伝送電力の強度を測定する段階と前記伝送電力に対応す
る受信電力の強度に関する情報を無線電力受信機から受信する段階と前記伝送電力の強度
と前記受信電力の強度の差値に基づいて電力損失を推定する段階と一定時間の間前記推定
された電力損失と所定の電力損失基準値を比較して異物の存在の有無を判断する段階を含
むことができる。
【0027】
また、前記第4判断段階は、充電領域の温度を測定する段階と前記測定された温度に基
づいて一定時間の間の温度変化を算出する段階と前記算出された温度変化と温度変化基準
値を比較して異物の存在の有無を判断する段階を含むことができる。
【0028】
また、前記第2判断段階の判断結果異物があるものと判断されると電力伝送が中断され
、前記第2判断段階の判断結果異物がないものと判断されると前記第1電力伝送モードか
ら前記第2電力伝送モードに転換され得る。
【0029】
本発明の他の実施例に係る無線電力送信機の無線電力伝送制御方法は、異物検出状態パ
ケットを受信する第1パケット受信段階と前記異物検出状態パケットに基づいて異物の存
在の有無を判断する第1判断段階と前記第1判断段階の判断結果異物があるものと判断さ
れると第1電力を送信する段階と前記第1判断段階の判断結果異物がないものと判断され
ると前記第1電力から第2電力の間の電力を送信する段階と前記第1電力を送信する段階
で異物の存在の有無を判断する第2判断段階を含み、前記第2判断段階は伝送電力損失に
基づいて異物の存在の有無を判断する第3判断段階と温度変化に基づいて異物の存在の有
無を判断する第4判断段階のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0030】
本発明のさらに他の実施例に係る無線電力送信機は、無線電力を伝送するアンテナと前
記アンテナから受信された異物検出状態パケットを含む信号を復調する復調器と異物の存
在の有無を判断する制御器を含み、前記制御器が前記異物検出状態パケットに基づいて異
物の存在の有無を1次判断し、前記1次判断結果異物があるものと判断されると第1電力
が伝送されるように制御し、前記第1判断段階の判断結果異物がないものと判断されると
前記第1電力から第2電力の間の電力が伝送されるように制御することができる。
【0031】
また、前記制御器が前記1次判断結果異物があるものと判断して前記第1電力伝送中に
異物の存在の有無を2次判断することができる。
【0032】
ここで、前記2次判断は伝送電力損失に基づいて異物の存在の有無を判断する3次判断
と温度変化に基づいて異物の存在の有無を判断する4次判断のうち少なくとも一つを含む
ことができる。
【0033】
また、前記無線電力送信機は伝送電力の強度を測定して前記制御器に伝送するセンサを
さらに含み、前記3次判断で、前記制御器が前記伝送電力に対応する受信電力の強度に関
する情報を前記復調器を通じて受信し、前記伝送電力の強度と前記受信電力の強度の差値
に基づいて電力損失を推定し、一定時間の間前記推定された電力損失と所定の電力損失基
準値を比較して異物の存在の有無を判断することができる。
【0034】
また、前記センサが温度を測定して前記制御器に伝送し、前記4次判断で、前記制御器
が前記測定された温度に基づいて一定時間の間の温度変化を算出し、前記算出された温度
変化と所定の温度変化基準値を比較して異物の存在の有無を判断することができる。
【0035】
また、前記制御器が前記第2判断段階の判断結果異物があるものと判断されると電力伝
送を中断し、前記第2判断段階の判断結果異物がないものと判断されると前記第1電力か
ら前記第2電力の間の電力が伝送されるように制御することができる。
【0036】
また、前記第2電力は前記第1電力より大きく、前記第1電力は5Wであり得る。
【0037】
本発明のさらに他の実施例に係る無線電力送信機での無線電力伝送制御方法は、異物検
出状態パケットを受信する第1パケット受信段階と前記異物検出状態パケットに基づいて
異物の存在の有無を判断する第1判断段階と前記第1判断段階の判断結果に基づいて電力
を調節する第1電力調節段階を含むことができる。
【0038】
ここで、前記第1電力調節段階は
【0039】
前記第1判断段階の判断結果異物が存在しなければ保障電力を初期設定である第2電力
に維持する段階と前記第1判断段階の判断結果異物が存在すると前記保障電力を前記第2
電力から第1電力に下向き調整する段階を含むことができる。
【0040】
また、前記第1電力は5W以下であり得る。
【0041】
また、前記第2電力は15W以下であり得る。
【0042】
また、前記無線電力伝送制御方法は、前記調節された電力に基づいて充電を遂行する電
力伝送段階と前記電力伝送段階で異物の存在の有無を判断する第2判断段階をさらに含む
ことができる。
【0043】
ここで、前記第2判断段階は
【0044】
前記充電中に推定された電力損失に基づいて異物の存在の有無を判断する第3判断段階
を含み、前記第3判断段階の判断結果異物が存在すると前記遂行中である充電が中断され
得る。
【0045】
ここで、前記第3判断段階は
【0046】
前記充電中に伝送電力の強度を測定する段階と前記伝送電力に対応する受信電力の強度
に関する情報を無線電力受信機から受信する段階と前記伝送前の強度と前記受信電力の強
度の差値に基づいて電力損失を推定する段階と一定時間の間前記推定された電力損失と所
定の電力損失基準値を比較して異物の存在の有無を判断する段階を含むことができる。
【0047】
また、前記第2判断段階は
【0048】
前記充電中の温度変化に基づいて異物の存在の有無を判断する第4判断段階を含み、前
記第4判断段階の判断結果異物が存在すると前記遂行中である充電が中断され得る。
【0049】
ここで、前記第4判断段階は
【0050】
充電領域の温度を測定する段階と前記温度測定結果に基づいて一定時間の間の温度変化
を算出する段階と前記算出された温度変化と所定の温度変化基準値を比較して異物の存在
の有無を判断する段階を含むことができる。
【0051】
また、前記第3判断段階または前記第4判断段階での判断結果異物が存在しなければ、
電力伝送契約を再交渉して保障電力を再設定する再交渉段階がさらに含まれ得る。
【0052】
また、前記第2判断段階は
【0053】
前記充電中に推定された電力損失に基づいて異物の存在の有無を判断する第3判断段階
と前記第3判断段階の判断結果異物が存在すると前記充電中に測定された温度変化に基づ
いて異物の存在の有無を判断する第4判断段階を含み、前記第4判断段階の判断結果異物
が存在すると前記所定時間以内に前記充電のための電力伝送が中断され得る。
【0054】
また、前記無線電力伝送制御方法は前記第1判断段階の判断結果に基づいて応答を伝送
する段階をさらに含み、前記応答が異物が存在することを指示する応答であり、現在設定
された保障電力が第1電力を超過すると、前記第1電力以下に電力の強度が下向き調節さ
れ得る。
【0055】
ここで、前記第1電力は5Wであり得る。
【0056】
また、前記第1判断段階は
【0057】
前記異物検出状態パケットに含まれた基準品質因子値に基づいて品質因子臨界値を決定
する段階とあらかじめ測定された品質因子値と前記品質因子臨界値を比較して異物の存在
の有無を判断する段階を含むことができる。
【0058】
本発明の他の一実施例に係る無線電力送信機は、無線電力を伝送する伝送アンテナと前
記伝送アンテナの信号を復調して異物検出状態パケットを受信する復調器と前記復調され
た異物検出状態パケットに基づいて異物の存在の有無を判断する制御器を含み、前記制御
器が前記異物の存在の有無に対する判断結果に基づいて前記無線電力の強度を調節するこ
とができる。
【0059】
また、前記制御器が前記判断結果異物が存在しなければ保障電力を初期設定である第2
電力に維持し、前記判断結果異物が存在すると前記保障電力を前記第2電力から第1電力
に下向き調整することができる。
【0060】
ここで、前記第1電力は5W以下であり得る。
【0061】
また、前記調節された前記無線電力の強度で充電中に前記制御器が異物の存在の有無を
追加判断することができる。
【0062】
一態様において、前記制御器が前記充電中に推定された電力損失に基づいて異物の存在
の有無を判断し、前記電力損失に基づいた前記判断結果異物が存在すると前記充電のため
の電力伝送を中断させることができる。
【0063】
ここで、前記無線電力送信機は伝送電力の強度に関する情報を前記制御器に伝送するセ
ンサをさらに含み、前記制御器が前記充電中に前記伝送電力の強度に関する情報と前記伝
送電力に対応して無線電力受信機から受信された受信電力の強度に関する情報に基づいて
電力損失を推定し、前記推定された電力損失とあらかじめ設定された電力損失基準値を比
較して異物の存在の有無を判断することができる。
【0064】
他の態様において、前記無線電力送信機は測定された温度に関する情報を前記制御器に
伝送するセンサをさらに含み、前記制御器が前記充電中に前記測定された温度に関する情
報を利用して算出した温度変化に基づいて異物の存在の有無を判断し、前記温度変化に基
づいた前記判断結果異物が存在すると前記充電のための電力伝送を中断させることができ
る。
【0065】
さらに他の態様において、前記制御器が前記充電中に推定された電力損失に基づいて異
物の存在の有無を判断し、前記電力損失に基づいた判断結果異物が存在すると前記充電中
に測定された温度変化に基づいて異物の存在の有無を判断し、前記温度変化に基づいた判
断結果異物が存在すると所定時間以内に前記充電のための電力伝送を中断させることがで
きる。
【0066】
また、前記追加判断結果異物が存在しなければ前記制御器が該当無線電力受信機と電力
伝送契約を再交渉して保障電力を再設定することができる。
【0067】
また、前記制御器が前記異物の存在の有無に対する判断結果にしたがって異物が存在す
ることを指示する応答を伝送し、現在設定された保障電力が第1電力を超過すると、前記
第1電力以下に電力の強度を下向き調節することができる。
【0068】
本発明のさらに他の一実施例は、前記無線電力伝送制御方法のうちいずれか一つの方法
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能記録媒体が提供さ
れ得る。
【0069】
前記本発明の態様は本発明の好ましい実施例のうち一部に過ぎず、本願発明の技術的特
徴が反映された多様な実施例が当該技術分野の通常の知識を有する者によって以下で詳述
する本発明の詳細な説明に基づいて導き出され理解され得る。
【発明の効果】
【0070】
本発明に係る方法、装置およびシステムに対する効果について説明すると、次の通りで
ある。
【0071】
本発明は無線充電のための無線電力伝送制御方法および装置を提供する長所がある。
【0072】
また、本発明はより正確に異物を検出することが可能な無線電力送信機を提供する長所
がある。
【0073】
また、本発明は異物検出エラーを最小化させることによって不要な充電の中断を未然に
防止できる無線電力伝送制御方法および装置を提供する長所がある。
【0074】
また、本発明は異物による機器の損傷を防止し、異物の存在の有無による適応的伝送電
力制御を通じて途切れることのない充電を可能とする無線電力送信機を提供する長所があ
る。
【0075】
また、本発明は受信機のタイプおよび電力伝送環境により安定的に幅広い範囲の無線電
力を伝送することが可能な無線電力送信機を提供できる長所がある。
【0076】
本発明から得られる効果は以上で言及した効果に制限されず、言及していないさらに他
の効果は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解さ
れ得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】本発明の一実施例に係る無線充電システムを説明するためのブロック図である。
【0078】
【
図2】本発明の他の実施例に係る無線充電システムを説明するためのブロック図である。
【0079】
【
図3】本発明の一実施例に係る無線充電システムでの感知信号伝送手続きを説明するための図面である。
【0080】
【
図4】本発明の一実施例に係る無線電力伝送手続きを説明するための状態遷移図である。
【0081】
【
図5】本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムでの異物検出手続きを説明するためのフローチャートである。
【0082】
【
図6】本発明の一実施例に係る無線電力送信装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0083】
【
図7】本発明の一実施例に係る前記
図6の伝送アンテナの構成を説明するための図面である。
【0084】
【
図8】本発明の一実施例により前記
図6に係る無線電力送信装置と連動する無線電力受信装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0085】
【
図9】従来技術による無線電力送信機での異物検出の有無による電力伝送制御方法を説明するための図面である。
【0086】
【
図10】本発明の一実施例に係るパケットフォーマットを説明するための図面である。
【0087】
【
図11】本発明の一実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0088】
【
図12】本発明の他の実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0089】
【
図13】本発明のさらに他の一実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を説明するための図面である。
【0090】
【
図14】本発明のさらに他の一実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を説明するための図面である。
【0091】
【
図15】本発明のさらに他の一実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を説明するための図面である。
【0092】
【
図16a】送信機と受信機のバージョンが同じである時の異物検出による無線電力伝送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0093】
【
図16b】送信機と受信機のバージョンが異なる時の異物検出による無線電力伝送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0094】
【
図16c】送信機と受信機のバージョンが同じである時の異物検出による無線電力伝送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0095】
【
図16d】受信機より送信機が上位バージョンである時の異物検出による無線電力伝送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0096】
一実施例に係る無線電力送信機の無線電力伝送制御方法は、異物検出状態パケットを受
信する第1パケット受信段階と前記異物検出状態パケットに基づいて異物の存在の有無を
判断する第1判断段階と前記第1判断段階の判断結果に基づいて電力を制御する電力制御
段階を含み、前記電力制御段階は前記第1判断段階の判断結果異物があるものと判断され
ると第1電力を送信する第1電力伝送モードと前記第1判断段階の判断結果異物がないも
のと判断されると第2電力を送信する第2電力伝送モードを含むことができる。
【0097】
以下、本発明の実施例が適用される装置および多様な方法について図面を参照してより
詳細に説明する。以下の説明で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「
部」は明細書作成の容易さだけが考慮されて付与されたり混用されるものであって、それ
自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0098】
また、以下の説明で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」はハ
ードウェア的な構成要素-例えば、回路素子、マイクロ・プロセッサ、メモリ、センサな
どを含む-で具現され得るが、これは一つの実施例に過ぎず、該当構成要素の一部の機能
または全体がソフトウェアで具現されてもよい。
【0099】
実施例の説明において、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成されるも
のと記載される場合において、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直
接接触されたり一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に配置されて形成さ
れるものをすべて含む。また「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、一つの
構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含み得る。
【0100】
実施例の説明において、無線充電システム上で無線電力を送信する機能が搭載された装
置は、説明の便宜のために無線パワー送信機、無線パワー送信装置、無線電力送信装置、
無線電力送信機、送信段、送信機、送信装置、送信側、無線パワーの伝送装置、無線パワ
ーの伝送機などを混用して使うことにする。また、無線電力送信装置から無線電力を受信
する機能が搭載された装置に対する表現として、説明の便宜のために無線電力受信装置、
無線電力受信機、無線パワー受信装置、無線パワー受信機、受信端末機、受信側、受信装
置、受信機などが混用されて使われ得る。
【0101】
本発明に係る送信機はパッドの形態、据置台の形態、AP(Access Point
)の形態、小型基地局の形態、スタンド形態、天井埋め込み形態、壁掛け形態などで構成
され得、一つの送信機は複数の無線電力受信装置にパワーを伝送してもよい。このために
、送信機は少なくとも一つの無線パワーの伝送手段を具備してもよい。
【0102】
ここで、無線パワーの伝送手段は、電力送信段コイルで磁場を発生させてその磁場の影
響で受信段コイルで電気が誘導される電磁気誘導原理を利用して充電する電磁気誘導方式
に基づいた多様な無電電力伝送標準が使われ得る。一例として、無線電力伝送標準は無線
充電技術標準機構であるWPC(Wireless Power Consortium
)QiおよびPMA(Power Matters Alliance)で定義された電
磁気誘導方式の標準技術を含むことができるが、これに限定されはしない。
【0103】
また、本発明の一実施例に係る受信機は少なくとも一つの無線電力受信手段が備えられ
得、1個以上の送信機から無線パワーを受信してもよい。
【0104】
本発明に係る受信機は携帯電話(mobile phone)、スマートフォン(sm
art phone)、ノートブックコンピュータ(laptop computer)
、デジタル放送用端末機、PDA(Personal Digital Assista
nts)、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲ
ーション、MP3player、電動歯ブラシ、電子タグ、照明装置、リモコン、浮き、
スマートウォッチのようなウェアラブルデバイスなどの小型電子機器などに使われ得るが
、これに限定されはせず、本発明に係る無線電力受信手段が装着されてバッテリーの充電
が可能な機器であればよい。
【0105】
図1は、本発明の一実施例に係る無線充電システムを説明するためのブロック図である
。
【0106】
図1を参照すると、無線充電システムは大きく無線で電力を送出する無線電力送信段1
0、前記送出された電力を受信する無線電力受信段20および受信された電力の供給を受
ける電子機器30で構成され得る。
【0107】
一例として、無線電力送信段10と無線電力受信段20は無線電力伝送に使われる動作
周波数と同じ周波数帯域を利用して情報を交換するインバンド(In-band)通信を
遂行することができる。
【0108】
インバンド通信において、無線電力送信段10により送出された電力信号41が無線電
力受信段20に受信されると、無線電力受信段20は受信された電力信号を変調し、変調
した信号42が無線電力送信段10に伝送され得る。
【0109】
他の一例として、無線電力送信段10と無線電力受信段20は無線電力伝送に使われる
動作周波数と異なる別途の周波数帯域を利用して情報を交換する帯域外(Out-of-
band)通信を遂行してもよい。
【0110】
一例として、無線電力送信段10と無線電力受信段20の間に交換される情報は相互の
状態情報だけでなく制御情報も含まれ得る。
【0111】
ここで、送受信段の間に交換される状態情報および制御情報は後述する実施例の説明を
通じてより明確になるであろう。
【0112】
前記インバンド通信および帯域外通信は両方向通信を提供することができるが、これに
限定されはせず、他の実施例においては単方向通信または半二重方式の通信を提供しても
よい。
【0113】
一例として、単方向通信は無線電力受信段20が無線電力送信段10にのみ情報を伝送
するものであり得るが、これに限定されはせず、無線電力送信段10が無線電力受信段2
0にのみ情報を伝送するものでもよい。
【0114】
半二重通信方式は無線電力受信段20と無線電力送信段10の間の両方向通信は可能で
あるが、いずれか一時点でいずれか一装置によってのみ情報の伝送が可能な特徴がある。
【0115】
本発明の一実施例に係る無線電力受信段20は電子機器30の各種状態情報を獲得して
もよい。
【0116】
一例として、電子機器30の状態情報は現在の電力使用量情報、実行中である応用を識
別するための情報、CPU使用量情報、バッテリーの充電状態情報、バッテリー出力電圧
/電流情報などを含むことができるが、これに限定されはせず、電子機器30から獲得可
能であり、無線電力の制御に活用可能な情報であればよい。
【0117】
特に、本発明の一実施例に係る無線電力送信段10は高速充電支援の有無を指示する所
定パケットを無線電力受信段20に伝送することができる。
【0118】
無線電力受信段20は接続された無線電力送信段10が高速充電モードを支援するもの
と確認された場合、これを電子機器30に通知することができる。
【0119】
電子機器30は備えられた所定表示手段-例えば、液晶ディスプレイであり得る-を通
じて高速充電が可能であることを表示することができる。
【0120】
図2は、本発明の他の実施例に係る無線充電システムを説明するためのブロック図であ
る。
【0121】
一例として、図面符号200aで図示された通り、無線電力受信段20は複数の無線電
力受信装置で構成され得、一つの無線電力送信段10に複数の無線電力受信装置が連結さ
れて無線充電を遂行してもよい。
【0122】
この時、無線電力送信段10は時分割方式で複数の無線電力受信装置に電力を分配して
送出することができるが、これに限定されはせず、他の一例として、無線電力送信段10
は無線電力受信装置別に割当された異なる周波数帯域を利用して複数の無線電力受信装置
に電力を分配して送出することができる。
【0123】
この時、一つの無線電力送信段10に連結可能な無線電力受信装置の個数は、無線電力
受信装置別要求電力量、バッテリーの充電状態、電子機器の電力消費量および無線電力送
信装置の使用可能電力量のうち少なくとも一つに基づいて適応的に決定され得る。
【0124】
他の一例として、図面符号200bで図示された通り、無線電力送信段10は複数の無
線電力送信装置で構成されてもよい。
【0125】
この場合、無線電力受信段20は複数の無線電力送信装置と同時に連結され得、連結さ
れた無線電力送信装置から同時に電力を受信して充電を遂行してもよい。
【0126】
この時、無線電力受信段20と連結された無線電力送信装置の個数は無線電力受信段2
0の要求電力量、バッテリーの充電状態、電子機器の電力消費量、無線電力送信装置の使
用可能電力量などに基づいて適応的に決定され得る。
【0127】
図3は、本発明の一実施例に係る無線充電システムでの感知信号伝送手続きを説明する
ための図面である。
【0128】
一例として、無線電力送信機は3個の送信コイル111、112、113が装着され得
る。それぞれの送信コイルは一部の領域が異なる送信コイルと互いに重なり得、無線電力
送信機はそれぞれの送信コイルを通じて無線電力受信機の存在を感知するための所定の感
知信号117、127-例えば、デジタルピング信号-をあらかじめ定義された順序で順
次送出する。
【0129】
前記
図3に図示された通り、無線電力送信機は図面番号110で図示された1次感知信
号送出手続きを通じて感知信号117を順次送出し、無線電力受信機115から信号強度
指示子(Signal Strength Indicator、116)が受信された
送信コイル111、112を識別することができる。
【0130】
引き続き、無線電力送信機は図面番号120で図示された2次感知信号送出手続きを通
じて感知信号127を順次送出し、信号強度指示子126が受信された送信コイル111
、112のうち電力伝送効率(または充電効率)-すなわち、送信コイルと受信コイルの
間の整列状態-が良い送信コイルを識別し、識別された送信コイルを通じて電力が送出さ
れるように-すなわち、無線充電が行われるように-制御することができる。
【0131】
前記
図3に示された通り、無線電力送信機が2回の感知信号送出手続きを遂行する理由
は、どの送信コイルに無線電力受信機の受信コイルがよく整列しているかをより正確に識
別するためである。
【0132】
もし、前記
図3の図面番号110および120で図示された通り、第1送信コイル11
1、第2送信コイル112に信号強度指示子116、126が受信された場合、無線電力
送信機は第1送信コイル111と第2送信コイル112それぞれに受信された信号強度指
示子126に基づいて、最もよく整列された送信コイルを選択し、選択された送信コイル
を利用して無線充電を遂行する。
【0133】
図4は、本発明の一実施例に係る無線電力伝送手続きを説明するための状態遷移図であ
る。
【0134】
図4を参照すると、本発明の一実施例に係る送信機から受信機へのパワーの伝送は、大
きく選択段階(Selection Phase、410)、ピング段階(Ping P
hase、420)、識別および構成段階(Identification and C
onfiguration Phase、430)、交渉段階(Negotiation
Phase、440)、補正段階(Calibration Phase、450)、
電力伝送段階(Power Transfer Phase、460)段階および再交渉
段階(Renegotiation Phase、470)に区分され得る。
【0135】
選択段階410はパワーの伝送を開始したりパワーの伝送を維持する間、特定のエラー
または特定イベントが感知されると遷移する段階-例えば、図面符号S402、S404
、S408、S410およびS412を含む-であり得る。
【0136】
ここで、特定のエラーおよび特定イベントは以下の説明を通じて明確になるであろう。
【0137】
また、選択段階410で送信機はインターフェースの表面に物体が存在するかをモニタ
リングすることができる。
【0138】
もし、送信機がインターフェースの表面に物体が置かれたことを感知すると、ピング段
階420に遷移することができる(S403)。
【0139】
一例として、選択段階410で送信機は非常に短いパルスのアナログピング(Anal
og Ping)信号を伝送し、送信コイル(または1次コイル(Primary Co
il))の電流変化に基づいてインターフェースの表面の活性領域(Active Ar
ea)に物体が存在するかを感知することができる。ここで、活性領域は受信機が配置さ
れて無線充電が可能な領域を意味し得る。
【0140】
他の一例として、選択段階410で送信機は備えられたセンサを利用してインターフェ
ースの表面の活性領域(Active Area)に物体が存在するかを感知してもよい
。
【0141】
一例として、センサはホールセンサ、圧力センサ、静電容量センサ、電流センサ、電圧
センサ、光感知センサなどを含むことができ、これらのうち少なくとも一つのセンサを通
じて活性領域に配置された物体を感知することができる。
【0142】
選択段階410で物体が感知された場合、無線電力送信機は備えられたLC共振回路-
例えば、LC共振回路は直列に連結されたコイル(インダクター)および共振キャパシタ
を含んで構成される-に相応する品質因子を測定することができる。
【0143】
本発明の一実施例に係る送信機は選択段階410で物体が感知されると、充電領域に異
物と共に無線電力受信機が配置されたかを判断するために品質因子(Quality F
actor)値を測定することができる。
【0144】
ここで、品質因子値はピング段階420への進入前に測定され得る。また、品質因子値
は送信コイルを通じての電力伝送が一時中断された状態で測定され得る。
【0145】
一例として、品質因子値はあらかじめ定義された基準動作周波数に対して測定され得る
。
【0146】
他の一例として、品質因子値は無線電力伝送に使われる動作周波数帯域内で一定の周波
数単位でサンプリングして測定されてもよい。
【0147】
本発明の一実施例に係る送信機は動作周波数帯域内で測定された品質因子値のうち最大
値を有する品質因子値に対応する周波数値を確認し、これをメモリに保存することができ
る。以下説明の便宜のために動作周波数帯域内の品質因子値が最大である周波数を品質因
子ピーク周波数(Quality Factor Peak Frequency)また
は説明の便宜のために簡単にピーク周波数と命名することにする。
【0148】
動作周波数帯域に相応して測定される品質因子値の分布および品質因子ピーク周波数は
無線電力送信機のタイプにより異なり得る。
【0149】
特に、同一の動作周波数に対して受信機を認証するために使われる送信機-以下説明の
便宜のために「認証用送信機」と命名する-とLCRメータを利用して測定された品質因
子値は商用送信機で測定された品質因子値と相異なることもできる。
【0150】
無線電力送信機はピング段階420で信号強度パケットが受信されると、識別および構
成段階430に進入することができる(S403)。
【0151】
無線電力送信機は識別および構成手続きが正常に完了すると、交渉段階440に進入す
ることができる(S405)。
【0152】
また、無線電力送信機は識別および構成手続きが正常に完了すると、受信機のタイプに
より電力伝送段階460に進入してもよい(S406)。
【0153】
無線電力送信機は交渉段階440に進入すると、無線電力受信機から基準品質因子値が
含まれた異物検出状態パケット(Foreign Object Detection
Status Packet)を受信することができる。
【0154】
無線電力送信機は受信された基準品質因子値に基づいて品質因子臨界値を決定すること
ができる。
【0155】
その後、無線電力送信機は測定された品質因子値と品質因子臨界値を比較して異物の存
在の有無を判断することができる。
【0156】
しかし、基準品質因子値に基づいて決定された所定品質因子臨界値と測定された品質因
子値を単純比較して異物の存在の有無を検出する異物検出方法が商用送信機に適用される
場合、異物検出に対する正確度が低くなり得る。
【0157】
ここで、基準品質因子値は認証用送信機の充電領域に異物が配置されていない状態で測
定された基準動作周波数での品質因子値を意味する。
【0158】
交渉段階440で受信された基準品質因子値とピング段階420前に測定された基準動
作周波数に相応する品質因子値-以下、説明の便宜のために現在の品質因子値と命名する
-を比較して異物の存在の有無を判断することができる。
【0159】
しかし、基準品質因子値が測定された送信機-すなわち、認証用送信機-と現在の品質
因子値が測定された送信機は互いに異なり得る。したがって、異物の存在の有無を判断す
るための決定された品質因子臨界値は正確ではないこともある。
【0160】
したがって、本発明の一実施例に係る送信機は、該当送信機のタイプに対応する基準品
質因子値を無線電力受信機から受信し、受信された基準品質因子値に基づいて品質因子臨
界値を決定してもよい。
【0161】
送信コイルは周辺環境の変化によりインダクタンスおよび/または該当送信コイル内の
直列抵抗成分が減少し得、これによって該当送信コイルでの共振周波数が変更(シフト)
され得る。すなわち、動作周波数帯域内の最大品質因子値が測定される周波数である品質
因子ピーク周波数が移動され得る。
【0162】
一例として、無線電力受信機は高い透磁率を有するマグネチックシールド(遮蔽材)を
含むため、高い透磁率は送信コイルで測定されるインダクタンス値を増加させることがで
きる。反面、金属タイプの異物はインダクタンス値を減少させることができる。
【0163】
一般的にLC共振回路の場合、共振周波数(f_resonant)は
【数1】
で計算される。
【0164】
送信機の充電領域に無線電力受信機のみが配置されるとL値が増加するため、共振周波
数は小さくなる。すなわち、共振周波数は周波数軸上で左に移動(シフト)することにな
る。
【0165】
反面、送信機の充電領域に異物が配置されるとL値が減少するため、共振周波数は大き
くなる。すなわち、共振周波数は周波数軸上で右側に移動(シフト)することになる。
【0166】
本発明の他の一実施例に係る送信機は品質因子ピーク周波数の変化に基づいて充電領域
に配置された異物の存在の有無を判断してもよい。
【0167】
送信機は該当送信機のタイプに対応してあらかじめ設定された品質因子ピーク周波数-
以下、説明の便宜のために「基準品質因子ピーク周波数(pf_reference)」
または「基準ピーク周波数」と命名する-に関する情報を受信機から獲得したりあらかじ
め所定記録領域に維持することができる。
【0168】
送信機は充電領域に物体が配置されたことを感知すると、ピング段階420への進入前
に動作周波数帯域内の品質因子値を測定し、測定結果に基づいて品質因子ピーク周波数を
識別することができる。ここで、識別された品質因子ピーク周波数を基準品質因子ピーク
周波数と区分するために「測定品質因子ピーク周波数(pf_measured)」また
は「測定ピーク周波数」と命名することにする。
【0169】
交渉段階430で送信機は基準品質因子ピーク周波数と測定品質因子ピーク周波数に基
づいて異物の存在の有無を判断してもよい。
【0170】
もし、基準品質因子ピーク周波数に関する情報が受信機から受信される場合、識別およ
び構成段階430または交渉段階440で所定パケットを通じて受信され得る。
【0171】
一例として、送信機は識別および構成段階430は自身の送信機のタイプに関する情報
を受信機に伝送することができる。受信機は受信された送信機のタイプ情報に対応してあ
らかじめ保存された基準品質因子ピーク周波数を該当メモリから読み出し、読み出された
基準品質因子ピーク周波数に関する情報を送信機に伝送することができる。
【0172】
本発明のさらに他の一実施例に係る送信機は、品質因子ピーク周波数に基づいた異物検
出方法と品質因子値に基づいた異物検出方法をすべて利用して異物の存在の有無を判断し
てもよい。一例として、送信機のタイプに対応する基準品質因子値と測定された品質因子
値の比較結果、大差がない場合-例えば、両値間の差が10%以下である場合-、送信機
のタイプに対応する基準品質因子ピーク周波数と測定された品質因子ピーク周波数を比較
して異物の存在の有無を判断してもよい。反面、両品質因子値の差が10%を超過する場
合、送信機は直ちに異物が存在するものと判断することができる。
【0173】
他の実施例で、送信機のタイプに対応する基準品質因子値に基づいて決定された品質因
子臨界値と測定された品質因子値の比較結果異物がないものと判断される場合、送信機は
送信機のタイプに対応する基準品質因子ピーク周波数と測定された品質因子ピーク周波数
を比較して異物の存在の有無を判断してもよい。
【0174】
送信機は品質因子値に基づいて異物を検出することが容易でない場合、識別された受信
機に該当送信機のタイプに対応する基準品質因子ピーク周波数に関する情報を要請しても
よい。この後、送信機は基準品質因子ピーク周波数に関する情報が受信機から受信される
と、基準品質因子ピーク周波数と測定品質因子ピーク周波数を利用して異物の存在の有無
を判断することができる。これを通じて、送信機は充電領域に配置された異物をより正確
に検出することができる。
【0175】
送信機は物体を感知すると、ピング段階420に進入して受信機を活性化(Wake
up)させ、感知された物体が無線電力受信機であるかを識別するためのデジタルピング
(Digital Ping)を伝送することができる。
【0176】
ピング段階420で送信機はデジタルピングに対する応答シグナル-例えば、信号強度
パケット-を受信機から受信しなければ、再び選択段階410に遷移することができる。
【0177】
また、ピング段階420で送信機は受信機からパワーの伝送が完了したことを指示する
信号-すなわち、充電完了パケット-を受信すると、選択段階410に遷移してもよい。
【0178】
ピング段階420が完了すると、送信機は受信機を識別して受信機構成および状態情報
を収集するための識別および構成段階430に遷移することができる。
【0179】
送信機は識別および構成段階430で送信機のタイプに関する情報を受信機に伝送して
もよい。
【0180】
受信機は識別および構成段階430で送信機のタイプに関する情報を送信機に要求して
もよく、送信機は受信機の要求により送信機のタイプに関する情報を受信機に伝送しても
よい。
【0181】
また、識別および構成段階430で送信機は所望しないパケットが受信されたり(un
expected packet)、あらかじめ定義された時間の間所望のパケットが受
信されなかったり(time out)、パケット伝送エラーがあったり(transm
ission error)、パワー伝送契約が設定されないと(no power t
ransfer contract)選択段階410に遷移することができる。
【0182】
送信機は識別および構成段階430で受信された構成パケット(Configurat
ion packet)の交渉フィールド(Negotiation Field)値に
基づいて交渉段階440への進入が必要であるかどうかを確認することができる。
【0183】
確認結果、交渉が必要であれば、送信機は交渉段階440に進入して所定FOD検出手
続きを遂行することができる。
【0184】
反面、確認結果、交渉が必要でない場合、送信機は直ちに電力伝送段階460に進入し
てもよい。
【0185】
一実施例に係る無線電力送信機は識別および構成段階430で該当無線電力受信機が第
1電力伝送モードのみを支援する受信機であるものと確認された場合、交渉段階440を
遂行せず、直ちに電力伝送段階460に進入することができる。
【0186】
無線電力送信機は電力伝送段階460への進入後、周期的に所定異物検出手続きを遂行
することができる。
【0187】
ここで、異物検出手続きは品質因子値に基づいた異物検出手続きであり得るが、これに
限定されはせず、電力損失(Power loss)に基づいた異物検出手続きが適用さ
れ得る。
【0188】
電力損失に基づいた異物検出手続きは無線電力送信機の伝送電力と無線電力受信機の受
信電力の差を所定基準値と比較して異物の存在の有無を判断する方法であって、詳しい手
続きは後述する図面の説明を通じてより明確になるであろう。
【0189】
一例として、交渉段階440で、送信機は基準品質因子値が含まれた異物検出状態パケ
ット(FOD(Foreign Object Detection)Status P
acket)を受信することができる。または送信機のタイプに対応する基準ピーク周波
数値が含まれたFOD Status Packetを受信することができる。
【0190】
他の一例として、交渉段階440で送信機は送信機のタイプに対応する基準品質因子値
および基準ピーク周波数値が含まれた状態パケットを受信してもよい。この時、送信機は
送信機のタイプに対応する基準品質因子値に基づいて異物検出のための品質因子臨界値を
決定することができる。
【0191】
送信機は送信機のタイプに対応する基準品質因子ピーク周波数値に基づいて異物検出の
ための品質因子ピーク周波数臨界値を決定してもよい。
【0192】
送信機は決定された品質因子臨界値および(または)決定された品質因子ピーク周波数
臨界値を測定された品質因子値-ピング段階420前に測定された品質因子値を意味する
-および(または)測定品質因子ピーク周波数値と比較して充電領域に配置された異物を
検出してもよい。
【0193】
送信機は異物検出結果により電力伝送を制御することができる。一例として、異物が検
出された場合、送信機は異物検出状態パケットに対する応答としてネガティブ応答パケッ
ト(Negative acknowledge packet)を受信機に伝送するこ
とができる。これに伴い、電力伝送が中断され得るが、これに限定されはしない。
【0194】
送信機は決定された品質因子ピーク周波数臨界値および測定品質因子ピーク周波数値を
比較して充電領域に配置された異物を検出することができる。送信機は異物検出結果によ
り電力伝送を制御することができる。一例として、異物が検出された場合、送信機は異物
検出状態パケット(FOD Status Packet)に対する応答としてNACK
パケット(Negative acknowledge packet)を受信機に伝送
することができる。これに伴い、電力伝送が中断され得るが、これに限定されはしない。
【0195】
異物が検出された場合、送信機は受信機から充電終了メッセージ(End of Ch
arge Message)を受信することができ、それにより選択段階410に進入す
ることができる。
【0196】
本発明の他の実施例に係る送信機は交渉段階440で異物が検出された場合、電力伝送
段階460に進入してもよい(S415)。
【0197】
反面、異物が検出されない場合、送信機は送信電力に対する交渉段階440を完了し、
補正段階450を経て電力伝送段階460に進入してもよい(S407およびS409)
。
【0198】
詳細には、異物が検出されない場合、送信機は補正段階450に進入すると受信段で受
信された電力の強度を確定し、送信段で伝送する電力の強度を決定するために送信段と受
信段の間の電力損失を測定することができる。
【0199】
一例として、送信機は電力伝送中に受信段からフィードバックされる受信電力の強度情
報に基づいて受信機への受信電力の強度を確定することができる。すなわち、送信機は補
正段階450で送信段での伝送電力と受信段での受信電力の間の強度差に基づいて電力損
失を予測(または算出)することができる。
【0200】
電力伝送段階460で、送信機は所望しないパケットが受信されたり(unexpec
ted packet)、あらかじめ定義された時間の間所望のパケットが受信されなか
ったり(time out)、既設定されたパワー伝送契約に対する違反が発生したり(
power transfer contract violation)、充電が完了
した場合、選択段階410に進入することができる(S410)。
【0201】
また、電力伝送段階460で、送信機は送信機の状態変化などによりパワー伝送契約を
再構成する必要がある場合、再交渉段階470に遷移することができる(S411)。こ
の時、再交渉が正常に完了すると、送信機は電力伝送段階460に回帰することができる
(S413)。
【0202】
前記したパワー伝送契約は送信機と受信機の状態および特性情報に基づいて設定され得
る。一例として、送信機状態情報は最大伝送可能パワーに対する情報、最大収容可能受信
機の個数に対する情報などを含むことができ、受信機状態情報は要求電力に対する情報な
どを含むことができる。
【0203】
本発明の実施例に係る無線電力送信機は、無線電力受信機によって要求される保障電力
に基づいて第1電力伝送モードのうち第2電力伝送モードのうちいずれか一つの動作モー
ドで動作することができる。
【0204】
本発明の他の実施例に係る無線電力送信機は、異物の存在の有無に対する判断結果に基
づいて第1電力伝送モードのうち第2電力伝送モードのうちいずれか一つの動作モードで
動作することができる。
【0205】
無線電力送信機に連結される無線電力受信機は、第1電力伝送モードのみを支援する受
信機や第1電力伝送モードおよび第2電力伝送モードをすべて支援する受信機であり得る
。
【0206】
ここで、第2電力伝送モードに相応して設定可能な保障電力は第1電力伝送モードで設
定可能な保障電力より大きくてもよい。
【0207】
一例として、第1電力伝送モードで設定可能な保障電力は第1電力-例えば、5Wまた
は5W以下-であり、第2電力伝送モードで設定可能な保障電力は第1電力より大きく、
第2電力-例えば、15W-より小さくてもよい。
【0208】
図5は、本発明の一実施例に係る無線電力伝送システムでの異物検出手続きを説明する
ためのフローチャートである。
【0209】
詳細には、
図5は第2電力伝送モードでの異物検出手続きを説明するための図面である
。
【0210】
図5を参照すると、無線電力送信機510は選択段階で物体が感知されると、ピング段
階への進入前に所定基準動作周波数での品質因子値を測定することができる(S501)
。ここで、基準動作周波数は共振周波数(resonance frequency)で
あり得るが、これに限定されはしない。無線電力送信機510は測定された品質因子値を
内部メモリに保存することができる(S502)。
【0211】
無線電力送信機510はピング段階に進入して前記
図3で説明された感知信号伝送手続
きを遂行できる(S503)。
【0212】
無線電力送信機510は無線電力受信機520が感知されると、識別および構成段階に
進入して識別パケットおよび構成パケットを受信することができる(S504およびS5
05)。
【0213】
無線電力送信機510は交渉段階に進入して異物検出状態パケットを無線電力受信機5
20から受信することができる(S506)。ここで、異物検出状態パケットは基準品質
因子値を含むことができる。
【0214】
無線電力受信機510は異物検出状態パケットに含まれた基準品質因子値に基づいて異
物の存在の有無の判断のための臨界値を決定することができる(S507)。
【0215】
一例として、臨界値は基準品質因子値より所定比率だけ小さい値に決定され得る。
【0216】
無線電力送信機510は測定された品質因子値と決定された臨界値を比較して異物を検
出することができる(S508)。ここで、測定された品質因子値が臨界値より小さけれ
ば、無線電力送信機510は充電領域に異物が存在するものと判断することができる。
【0217】
無線電力送信機510は異物検出結果によりACK応答またはNACK応答またはND
(No Decision)応答を無線電力受信機520に伝送することができる(S5
09)。
【0218】
無線電力受信機520は無線電力送信機510からNACK応答またはND応答が受信
されると、無線電力送信機510により電力伝送が完全に中断されるまで自身の出力端子
を通じて電子機器(またはバッテリー/負荷)に一定の強度以上の電力が供給されないよ
うに制御することができる。
【0219】
ここで、一定の強度以上の電力は5Wが基準であり得るが、これに限定されはせず、当
業者の設計および無線電力受信機510が搭載された電子機器および(または無線電力受
信機510と連結されたバッテリー/負荷)により異なって定義され得る。
【0220】
図6は、本発明の一実施例に係る無線電力送信装置の構造を説明するためのブロック図
である。
【0221】
図6を参照すると、無線電力送信装置600は制御器610、ゲートドライバ(Gat
e Driver、620)、インバータ(Invertor、630)、伝送アンテナ
640、電源650、電力供給器(Power Supply、660)、センサ670
および復調器680を含んで構成され得る。
【0222】
電力供給器660は電源650から印加される直流電力または交流電力を変換してイン
バータ630に提供することができる。以下、説明の便宜のために、電力供給器660か
らインバータ630に供給される電圧をインバータ入力電圧またはヴィーレール(V_r
ail)と命名することにする。
【0223】
電力供給器660は電源650から印加される電力のタイプにより、交流/直流変換器
(AC/DC Converter)および直流/直流変換器(DC/DC Conve
rter)のうち少なくとも一つを含んで構成され得る。
【0224】
一例として、電力供給器660はスイッチングモード電力供給器(Switching
Mode Power Supply、SMPS)であり得、スイッチングトランジス
タ、フィルタおよび整流器などを利用して交流電源を直流電源に変換するスイッチ制御方
式を使うことができる。ここで、整流器およびフィルタが独立的に構成されてAC電源と
SMPSの間に配置されてもよい。
【0225】
SMPSは半導体スイッチ素子のオン/オフ(on/off)時間比率を制御して出力
が安定化された直流電源を該当デバイス、または回路素子に供給する電源装置であって、
高効率、小型および軽量化が可能であるため多くの電子機器および装備などに広く使われ
ている。
【0226】
電源の品質により電子回路の動作の安定性や精密度が左右される場合が多い。一般的に
バッテリーおよび商用AC電源から安定的に電源を変換して供給する方式には、大きく線
形制御(series regulator)方式とスイッチモード(switched
mode)方式がある。
【0227】
TV受像機やCRTモニターなどに使われる線形制御方式は、周囲回路が簡単で価格が
安いものの、熱の発生が多く電源効率が低く体積が大きいという短所がある。
【0228】
一方、スイッチングモード方式は、熱の発生がほとんどなく、電力効率が高く、体積が
小さいという利点がある反面、価格が高く、回路が複雑で高周波スイッチングによる出力
ノイズと電磁波の干渉が発生し得る短所がある。
【0229】
他の一例として、電力供給器660は可変SMPS(Variable Switch
ing Mode Power Supply)が使われ得る。可変SMPSは交流電源
(AC Power Supply)から出力される数十Hz帯域のAC電圧をスイッチ
ングおよび整流してDC電圧を生成する。
【0230】
可変SMPS(Variable SMPS)は一定レベルのDC電圧を出力したり、
送信制御器(Tx Controller)の所定の制御によりDC電圧の出力レベルを
調整してもよい。可変SMPSは無線電力送信機の電力増幅器が常に効率が高い飽和領域
で動作できるように、電力増幅器-すなわち、インバータ530-の出力電力レベルに応
じて供給電圧を制御してすべての出力レベルで最大効率を維持するようにすることができ
る。
【0231】
可変SMPSの代わりに一般的に使われる商用SMPSを使う場合には、追加的に可変
DC/DC変換器(Variable DC/DC)を使うことができる。商用SMPS
と可変DC/DC変換器は電力増幅器が効率が高い飽和領域で動作できるように、電力増
幅器の出力電力レベルに応じて供給電圧を制御してすべての出力レベルで最大効率を維持
するようにすることができる。一実施例において、電力増幅器はClass Eタイプが
使われ得るが、これに限定されはしない。
【0232】
インバータ630はゲートドライバ620を通じて受信される数MHz~ 数十MHz
帯域のスイッチングパルス信号-すなわち、パルス幅変調(Pulse Width M
odulated)信号-によって一定レベルのDC電圧(V_rail)をAC電圧に
変換することによって無線で伝送される交流電力を生成することができる。
【0233】
この時、ゲートドライバ620は制御器610から供給されるリファレンスクロックR
ef_CLK信号を利用してインバータ630に含まれた複数のスイッチを制御するため
の複数のPWM信号SC_0~ SC_Nを生成することができる。
【0234】
ここで、インバータ630がハーフブリッジ回路を含む場合、Nは1であり、インバー
タ630がフルブリッジ回路を含む場合、Nは3であり得るが、これに限定されはせず、
インバータ630の設計の形態によりインバータタイプ別に異なる個数のPWM信号が供
給されてもよい。
【0235】
例えば、
図6の実施例でインバータ630が4個のスイッチを含むフルブリッジ回路を
含む場合、インバータ630はそれぞれのスイッチを制御するための4個のPWM信号S
C_0、SC_1、SC_2、SC_3をゲートドライバ620から受信することができ
る。
【0236】
反面、
図6の実施例でインバータ630が2個のスイッチを含むハーフブリッジ回路を
含む場合、インバータ630はそれぞれのスイッチを制御するための2個のPWM信号S
C_0、SC_1をゲートドライバ620から受信することができる。
【0237】
伝送アンテナ640はインバータ630から受信される交流電力信号を無線で伝送する
ための少なくとも一つの電力伝送アンテナ(図示されず)-例えば、LC共振回路-およ
びインピーダンスマッチングのためのマッチング回路(図示されず)を含んで構成され得
る。
【0238】
また、伝送アンテナ640に複数の送信コイルが備えられる場合、伝送アンテナ640
は複数の送信コイルのうち無線電力伝送に使われる送信コイルを選択するためのコイル選
択回路(図示されず)がさらに含まれてもよい。
【0239】
センサ670はインバータ630から入力される電力/電圧/電流の強度または(およ
び)伝送アンテナ640に備えられた送信コイルに流れる電力/電圧/電流の強度、無線
電力送信機の内部の特定位置-例えば、送信コイル、充電ベッド、制御回路基板などを含
むことができる-での温度および(または)温度変化などを測定するための各種センシン
グ回路を含んで構成され得る。ここで、センサ670によりセンシングされた情報は制御
器610に伝達され得る。
【0240】
また、センサ670は選択段階410、510でアナログピングが伝送される間送信コ
イルを流れる電流の強度を測定して制御器610に伝達することができる。制御器610
は選択段階で送信コイルに流れる電力の強度情報と所定基準値を比較して充電領域に配置
された物体の存在の有無を感知することができる。
【0241】
無線電力送信機600が無線電力受信機とインバンド通信を遂行する場合、無線電力送
信機600は伝送アンテナ640と連結された復調器680を含むことができる。
【0242】
復調器680は振幅変調したインバンド信号を復調して制御器610に伝達することが
できる。
【0243】
一例として、制御器610は復調器680から受信された復調信号に基づいて伝送した
デジタルピングに対応する信号強度指示子(Signal Strength Indi
cator)の受信の有無を確認することができる。
【0244】
制御器610は選択段階410で充電領域に配置された物体を感知すると、ピング段階
420に進入して伝送アンテナ640を通じてデジタルピングが伝送されるように制御す
ることができる。
【0245】
制御器610は選択段階410で充電領域に配置された物体を感知すると、ピング段階
に進入する前に電力伝送を一時中断して品質因子値を測定することができる。ここで、測
定された品質因子値は無線電力送信機600に備えられた所定メモリ(図示されず)に維
持され得る。
【0246】
制御器610はピング段階で信号強度指示子の受信が確認されると、デジタルピング伝
送を中断して識別および構成段階430に進入して識別パケットおよび構成パケットを受
信することができる。
【0247】
制御器610は電力伝送段階460への進入後電力伝送終了パケットが受信されると、
電力伝送を中断し、選択段階410に進入することができる。
【0248】
また、制御器610は充電領域に異物が存在する場合、電力伝送を中断して選択段階4
10に進入してもよい。
【0249】
一実施例に係る、制御器610は無線電力受信機から受信される受信信号強度パケット
に基づいて無線電力伝送経路上の電力損失を算出(または推定)することができる。制御
器610は算出(または推定)された電力損失に基づいて異物の存在の有無を判断しても
よい。
【0250】
他の実施例に係る、制御器610はセンサ670から受信された温度センシング情報ま
たは無線電力受信機から受信される温度測定情報に基づいて温度変化を測定することがで
きる。制御器610は測定された温度変化に基づいて異物の存在の有無を判断してもよい
。
【0251】
さらに他の実施例に係る、制御器610は電力損失を推定し、推定された電力損失に基
づいた異物の存在の有無の判断結果により温度変化に基づいた異物の存在の有無の判断手
続きを遂行してもよい。
【0252】
さらに他の実施例に係る、制御器610は温度変化に基づいた異物の存在の有無の判断
結果により電力損失に基づいた異物の存在の有無の判断手続きを遂行してもよい。
【0253】
また、本発明に係る制御器610は交渉段階440でFOD状態パケットを受信すると
、受信されたFOD状態パケットに基づいて異物検出のための臨界値を決定し、決定され
た臨界値に基づいて異物の存在の有無を判断してもよい。
【0254】
ここで、FOD状態パケットは基準品質因子値、共振周波数、共振周波数での品質因子
値のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0255】
制御器610は電力伝送段階460で復調器680を通じてリッピングコードまたは過
熱コードが含まれた電力伝送終了パケットが受信される場合、電力伝送を中断し、選択段
階410に進入してリッピングタイマーを駆動させてもよい。
【0256】
制御器610は駆動されたリッピングタイマーが満了するまでアナログピングの伝送お
よびビープ信号の出力を抑制させることができる。その後、リッピングタイマーが満了す
ると、制御器610はピング段階420に進入して伝送アンテナ640を通じてデジタル
ピングが伝送されるように制御することができる。
【0257】
制御器610は感知された受信機に対する識別および構成が完了した後、リッピングコ
ードまたは過熱コードが含まれた電力伝送終了パケットが受信されると、リッピング時間
を再設定した後に選択段階410に回帰することができる。
【0258】
本発明の実施例に係る無線電力送信機600の動作モードは第1電力伝送モードおよび
第2電力伝送モードを含むことができる。
【0259】
制御器610は交渉段階440での異物の存在の有無に対する判断結果に基づいて、第
1電力伝送モードと第2電力伝送モードのうちいずれか一つの動作モードで動作させるこ
とができる。
【0260】
ここで、第2電力伝送モードでの保障電力は第1電力伝送モードの保障電力(または最
大伝送電力)より大きくてもよい。
【0261】
一例として、第1電力伝送モードでの保障電力は5W-以下、第1電力と命名する-で
あり、第2電力伝送モードでの保障電力は15W-以下、第2電力と命名する-であり得
る。
【0262】
他の一例として、第1電力伝送モードでの保障電力は5Wであり、第2電力伝送モード
での保障電力は第1電力と第2電力の間の値であり得るが、これに限定されはせず、当業
者の設計によりそれぞれの動作モードに対応する保障電力は異なって設定されてもよいこ
とに注意しなければならない。
【0263】
交渉段階440での異物の存在の有無に対する判断結果異物が存在すると、制御器61
0は保障電力のレベルを第2電力伝送モードに相応する第2レベルから第1電力伝送モー
ドに相応する第1レベルに変更させることができる。
【0264】
すなわち、制御器610は交渉段階440で異物が存在するものと判断されると、保障
電力を下向き調節することができる。これを通じて、高電力伝送時に異物による過熱で機
器が損傷するのを未然に防止することができる。
【0265】
制御器610は第1電力伝送モードに進入すると、前記
図4の補正段階450が遂行さ
れないように制御することができる。
【0266】
もし、充電領域に異物が存在するにも関わらず第1電力伝送モードで補正段階450が
遂行される場合、前記電力損失に基づいた異物検出方法は正確度が落ちる問題点がある。
【0267】
一般的に補正段階450は異物が存在しないという仮定下で遂行される手続きである。
したがって、充電領域に異物が存在するにも関わらず補正段階450が遂行されると、電
力損失に基づいた異物検出方法はその正確度が落ちて信頼できない問題点がある。
【0268】
もし、第1電力伝送モードへの進入後、前記電力損失に基づいた異物検出方法および(
または)前記温度変化に基づいた異物検出方法を通じて異物が検出されない場合、制御器
610は前記
図4の再交渉段階470に進入することができる。
【0269】
制御器610は無線電力受信機との再交渉結果により電力伝送契約が確定すると、確定
した電力伝送契約により動作モードを変更してもよい。
【0270】
一例として、電力伝送契約は保障電力を含むことができ、制御器610は無線電力受信
機との再交渉手続きを通じて保障電力を変更設定することができる。
【0271】
もし、再交渉結果無線電力受信機によって要求される保障電力が第1電力伝送モードに
相応する第1保障電力から第2電力伝送モードに相応する第2保障電力に変更された場合
、制御器610は動作モードを第1電力伝送モードで第2電力伝送モードに転換させても
よい。
【0272】
以上の実施例で説明した通り、本発明に係る無線電力送信機600は実際には異物が存
在しないにも関わらず、異物が存在するものと判別した場合にも持続的に充電を進行でき
る長所がある。
【0273】
詳細には、無線電力送信機600は、初期の第2電力伝送モードで動作中に実際には異
物が存在しないにも関わらず、異物が存在するものと判断された場合は、すぐに充電を中
断せず、電力伝送モードを第2電力伝送モードから第1電力伝送モードに転換させて充電
を維持させることができる。
【0274】
一例として、無線電力送信機600は充電領域に異物なしに無線電力受信機が配置され
た状態である場合にも、送信コイルと受信コイルの間の整列状態により充電領域に異物が
存在するものと判断してもよい。
【0275】
本発明に係る無線電力送信機600は第1電力伝送モードへの転換後にも追加的な異物
検出手続きを遂行することによって、より正確に異物を検出できる長所がある。ここで、
追加的な異物検出手続きは電力損失に基づいた異物検出手続きおよび温度変化に基づいた
異物検出手続きのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0276】
図7は、本発明の一実施例に係る前記
図6の伝送アンテナの構成を説明するための図面
である。
【0277】
図7を参照すると、伝送アンテナ640はコイル選択回路710、コイルアセンブリ7
20および共振キャパシタ730を含んで構成され得る。
【0278】
コイルアセンブリ720は少なくとも一つの送信コイル-すなわち、第1~第Nコイル
-を含んで構成され得る。
【0279】
コイル選択回路710はコイルアセンブリ720に含まれた送信コイルのうちいずれか
一つまたは少なくともいずれか一つにインバータ630出力電流I_coilが伝達され
るように構成されたスイッチング回路を含んで構成され得る。
【0280】
一例として、コイル選択回路710はその一端がインバータ出力段に連結され、他端が
それに対応するコイルに連結された第1~第Nスイッチを含んで構成され得る。
【0281】
コイルアセンブリ720に含まれた第1~第Nコイルはその一端がコイル選択回路71
0の対応するスイッチに連結され、その他端が共振キャパシタ730と連結され得る。
【0282】
復調器680はコイルアセンブリ720と共振キャパシタ730の間の信号-ここで、
信号は振幅変調した信号である-を復調して制御器610に伝達することができる。
【0283】
図8は、本発明の一実施例により前記
図6による無線電力送信装置と連動する無線電力
受信装置の構造を説明するためのブロック図である。
【0284】
図8を参照すると、無線電力受信機800は受信アンテナ810、整流器820、直流
/直流変換器(DC/DC Converter、830)、スイッチ840、負荷85
0、センシング部860、変調部870、主制御部870を含んで構成され得る。
【0285】
前記
図8の例に図示された無線電力受信機800はインバンド通信を通じて無線電力送
信機と情報を交換することができる。
【0286】
受信アンテナ810はインダクターと少なくとも一つのキャパシタを含んで構成され得
る。
【0287】
無線電力送信機600により伝送されたAC電力は受信アンテナ810を通じて整流器
820に伝達することができる。整流器820は受信アンテナ810を通じて伝達された
AC電力をDC電力に変換して直流/直流変換器830に伝送することができる。
【0288】
直流/直流変換器830は整流器820の出力DC電力の強度を負荷850により要求
される特定の強度にDC電力で変換することができる。
【0289】
センシング部840は整流器820の出力DC電力の強度を測定し、測定結果を主制御
部880に提供することができる。
【0290】
主制御部880は整流器820の出力DC電力に基づいて電力制御を遂行することがで
きる。
【0291】
また、センシング部840は無線電力受信により受信アンテナ810に印加される電流
の強度を測定し、測定結果を主制御部880に伝送してもよい。
【0292】
また、センシング部840は無線電力受信機800または無線電力受信機800が装着
された電子機器の内部温度を測定し、測定された温度値を主制御部880に提供してもよ
い。
【0293】
一例として、主制御部880は測定された整流器の出力DC電力の強度を所定基準値と
比較して過電圧発生の有無を判断することができる。判断結果過電圧が発生した場合、主
制御部880は過電圧が発生したことを知らせる所定パケットを変調部870を通じて無
線電力送信機600に伝送することができる。
【0294】
変調部870は主制御部880からパケットが受信されると、受信アンテナ810を通
じて受信されたAC電力および備えられたスイッチを利用して受信されたパケットに相応
する振幅変調信号を生成することができる。この時、無線電力送信機600は無線電力受
信機800により振幅変調した信号を備えられた復調器680を通じて復調することがで
きる。
【0295】
一例として、変調部870はピング段階で主制御部880から信号強度パケットが受信
されると、受信アンテナ1010を通じて受信されたデジタルピングを受信された信号強
度パケットに相応するように振幅変調することができる。
【0296】
一実施例に係る変調部870は、受信アンテナ810を通じて受信された交流電力信号
を振幅変調するための変調スイッチが備えられ得る。この場合、主制御部880は伝送対
象パケットに対応するパルス幅変調信号を変調部870に伝送して変調スイッチを直接制
御してもよい。
【0297】
また、主制御部880は整流器の出力DC電力の強度が所定基準値以上の場合、感知信
号-例えば、デジタルピング-が受信されたものと判断することができ、感知信号受信時
、該当センシング信号に対応する信号強度パケットが変調部870を通じて無線電力送信
機に伝送され得るように制御することができる。
【0298】
一例として、主制御部880は内部温度が所定基準値を超過すると、スイッチ840を
制御-例えば、スイッチOFF-して直流/直流変換器830の出力DC電力が負荷85
0に伝達されないように制御してもよい。この時、主制御部880は過熱コードが含まれ
た電力伝送中断パケットを変調部1070を通じて無線電力送信機600に伝送すること
ができる。
【0299】
他の一例として、主制御部880は無線電力受信機800が装着された電子機器の内部
電力を制御する電力管理素子-例えば、PMIC(Power Management
IC)と連動され得る。
【0300】
この場合、直流/直流変換器1030の出力DC電力はスイッチ840を通じて電力管
理素子に伝達され得、電力管理素子はバッテリーの充電および電子機器の内部部品への電
力供給を制御することができる。
【0301】
電力管理素子はバッテリーの充電状態情報を主制御部880に提供することができる。
主制御部880はバッテリーの充電状態情報および内部温度情報に基づいて充電の進行の
可否を判断することができる。
【0302】
本発明の一実施例に係る無線電力受信機800は交渉段階440に進入すると、異物検
出状態パケットを生成して無線電力送信機600に伝送することができる。
【0303】
一例として、異物検出状態パケットは基準品質因子値を含むことができる。
【0304】
他の一例として、異物検出パケットは基準品質因子値および該当無線電力受信機に対応
する共振周波数を含むことができる。
【0305】
さらに他の一例として、異物検出パケットは共振周波数および共振周波数に対応する品
質因子値を含んでもよい。
【0306】
無線電力送信機600は異物検出状態パケットに含まれた基準品質因子値に基づいて異
物の存在の有無を判断するための所定臨界値を決定することができる。
【0307】
以上の
図8の実施例に係る無線電力受信機800は、無線電力送信機600が伝送した
パケットを復調するための復調部(図示されず)をさらに含んで構成されてもよい。
【0308】
これを通じて、無線電力送信機600と無線電力受信機800は両方向通信を遂行して
もよい。一実施例で、両方向通信は無線電力送信機でのパケット伝送可能時間と無線電力
受信機でのパケット伝送可能時間が区分された時分割通信であり得るが、これに限定され
はしない。
【0309】
図9は、従来技術に係る無線電力送信機での異物検出の有無による電力伝送制御方法を
説明するための図面である。
【0310】
無線電力送信機は無線電力受信機から交渉要求パケットを受信すると、承認パケット(
Grant Packet)を伝送して交渉段階440に進入することができる。
【0311】
図9を参照すると、交渉段階440で無線電力送信機は無線電力受信機から異物検出状
態パケット(FOD(Foreign Object Detection)Statu
s Packet)を受信することができる(S901)。
【0312】
一例として、無線電力送信機は下記の
図10に図示された通り、メッセージフィールド
1030に基準品質因子値(Reference Quality Factor Va
lue、1031)が含まれた異物検出状態パケットを受信することができる。
【0313】
無線電力送信機は異物の存在の有無を判断することができる(S902)。ここで、無
線電力送信機は選択段階410での物体感知後、ピング段階420への進入前に測定され
た品質因子値と交渉段階440で受信された基準品質因子値に基づいて決定した品質因子
臨界値を比較して異物の存在の有無を判断することができる。
【0314】
以下の実施例では、交渉段階44への進入後に異物を検出する方法として品質因子値に
基づいた異物検出方法を例にして説明するが、これは一つの実施例に過ぎず、交渉段階で
の異物検出方法は当業者に設計または標準の定義により異なる方法が適用されてもよいこ
とに注意しなければならない。
【0315】
判断結果異物が存在しなければ無線電力送信機は該当無線電力受信機にACK信号を伝
送することができる(S903)。
【0316】
この後、無線電力送信機は無線電力受信機によって要求される保障電力に関する情報が
含まれた保障電力パケットを受信することができる(S904)。
【0317】
無線電力送信機は無線電力受信機から交渉終了パケットを受信することができる(S9
05)。
【0318】
無線電力送信機は交渉終了パケットが受信されると、交渉段階440で補正段階450
に進入することができる。
【0319】
無線電力送信機は補正段階450に進入して所定の補正手続きを遂行できる(S906
)。
【0320】
無線電力送信機は補正手続きを通じて電力伝送契約が完了すると、電力伝送段階460
に進入して充電を開始することができる(S907)。
【0321】
もし、前記した902段階の判断結果異物が存在すると、無線電力送信機は異物検出状
態パケットに対する応答としてNACK信号を伝送することができる(S908)。
【0322】
無線電力受信機は異物検出状態パケットに対する応答としてNACK信号が受信される
と、無線電力送信機から受信される電力信号が完全に除去されるまで、自身の出力段での
電力が所定の基準値-例えば、5Wであり得るが、これに限定されはしない-を超過しな
いように制御することができる。
【0323】
無線電力送信機はNACK信号伝送後にあらかじめ定義された時間以内-例えば、5秒
であり得る-に電力伝送を中断させることができる(S909)。
【0324】
電力伝送が中断されると、無線電力送信機は選択段階410に進入することができる(
S910)。
【0325】
充電領域に異物が配置された状態で第2電力伝送モードに相応する電力を伝送すること
は機器の発熱危険性を高める可能性がある。
【0326】
したがって、従来の無線電力送信機は異物が存在するものと判断されると、電力伝送段
階460への進入を遮断し、あらかじめ定義された時間以内に電力伝送を中断した後に選
択段階410に進入した。
【0327】
しかし、無線電力送信機は、備えられたLCR Meterの測定誤差、無線電力送信
機および無線電力受信機の機構設計およびそれぞれに装着されるコイルのデザインの差に
よる品質因子の相互補正誤差(Quality Factor Cross Calib
ration Error)、送信コイルと受信コイル間の離隔距離-すなわち、Z d
istance-および充電領域に配置される無線電力受信機の位置-すなわち、XY
displacement-などによって、実際には異物が存在しないが異物が存在する
ものと誤判断する可能性がある。
【0328】
もし、実際には異物がないにも関わらず、とにかく電力伝送を中断した後選択段階に回
帰することは深刻な使用者の不便を招き得る。
【0329】
特に、スマートフォンなどに適用される無線電力受信機は、該当製品の厚さを減らすた
めに透磁率が高い遮蔽剤を適用し、受信コイルの厚さができるだけ小さくなるように設計
され得る。
【0330】
この場合、抵抗Rは非常に大きくなり、品質因子Qは非常に小さくなり得る。また、該
当製品に金属材質のハウジングが適用される場合、品質因子Qはさらに低くなり得る。
【0331】
これは無線電力送信機での異物の存在の有無の判断に対するエラーの確率を増加させ得
る。
【0332】
例えば、異物の存在の判断に対するエラーが発生する場合には、スマートフォンが充電
領域に配置されたにも関わらず、品質因子Qが低く測定されて異物と判断する状況、異物
だけでなくスマートフォンも共に充電領域に配置された状況などを含むことができる。
【0333】
したがって、前記した従来技術の問題点を解決するために、過熱による機器の損傷を防
止しつつ、使用者の不便を最小化できる無線電力送信機での電力伝送制御方法が要求され
ている。
【0334】
図10は、本発明の一実施例に係る、パケットフォーマットを説明するための図面であ
る。
【0335】
本発明の実施例に係る無線電力送信段10と無線電力受信段20はインバンド通信を通
じてパケットを交換することができるが、これは一つの実施例に過ぎず、帯域外通信を通
じて該当パケットを交換してもよい。
【0336】
図10を参照すると、無線電力送信段10と無線電力受信段20の間の情報交換に使わ
れるパケットフォーマット1000は、該当パケットの復調のための同期獲得および該当
パケットの正確な開始ビットを識別するためのプリアンブル(Preamble、101
0)フィールド、該当パケットに含まれたメッセージの種類を識別するためのヘッダー(
Header、1020)フィールド、該当パケットの内容(またはペイロード(Pay
load))を伝送するためのメッセージ(Message、1030)フィールドおよ
び該当パケットにエラーが発生したかどうかを確認するためのチェックサム(Check
sum、1040)フィールドを含んで構成され得る。
【0337】
パケット受信段はヘッダー1020値に基づいて該当パケットに含まれたメッセージ1
030の大きさを識別してもよい。
【0338】
また、前記
図4の段階別伝送可能パケットの種類はヘッダー1020値によって定義さ
れ得、一部、ヘッダー1020の値は無線電力伝送手続きのそれぞれ異なる段階で共用さ
れ得るように定義され得る。一例として、ピング段階420および電力伝送段階460で
無線電力送信機の電力伝送を中断させるための電力伝送終了(End Power Tr
ansfer)パケットが同じヘッダー1020で定義され得る。
【0339】
メッセージ1030は該当パケットの送信段で伝送しようとするデータを含む。一例と
して、メッセージ1030フィールドに含まれるデータは相手方に対する報告事項(re
port)、要請事項(request)または応答事項(response)であり得
るが、これに限定されはしない。
【0340】
本発明の他の一実施例に係るパケットフォーマット1000は該当パケットを伝送した
送信段を識別するための送信段識別情報、該当パケットを受信する受信段を識別するため
の受信段識別情報のうち少なくとも一つをさらに含んでもよい。
【0341】
ここで、送信段識別情報および受信段識別情報はIPアドレス情報、MAC(Medi
um Access Control)住所情報、製品識別情報などを含むことができる
が、これに限定されはせず、無線充電システム上で受信段および送信段を区分できる情報
であればよい。
【0342】
本発明のさらに他の一実施例に係るパケットフォーマット1000は該当パケットが複
数の装置によって受信されなければならない場合、該当受信グループを識別するための所
定グループ識別情報をさらに含んでもよい。
【0343】
図11は、本発明の一実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を説明するた
めのフローチャートである。
【0344】
無線電力送信機は無線電力受信機から交渉要求パケットを受信すると、承認パケット(
Grant Packet)を伝送して交渉段階440に進入することができる。
【0345】
図11を参照すると、交渉段階440で無線電力送信機は無線電力受信機から異物検出
状態パケット(FOD(Foreign Object Detection)Stat
us Packet)を受信することができる(S1110)。
【0346】
一例として、無線電力送信機は前記
図10に図示された通り、メッセージフィールド1
030に基準品質因子値(Reference Quality Factor Val
ue、1031)が含まれた異物検出状態パケットを受信することができる。
【0347】
交渉段階440での異物検出は受信機から受信した基準値と測定値を比較する手続きで
あり、基準値と測定値は多様な種類のパラメータであり得る。
【0348】
例えば、基準値と測定値は共振周波数、抵抗、インダクタンスなどが含まれ得るがこれ
に限定されはしない。
【0349】
無線電力送信機710は既保存された測定ピーク周波数(PF_measured)と
測定品質因子値(Q_measured)を利用して測定等価直列抵抗(Measure
d ESR(Equivalent Series Resistance)、ESR_
measured)を計算することができる(S707)。
【0350】
ここで、ESRはRLC直列回路でキャパシタなどに寄生する直列抵抗成分である。電
気回路に使われる実際のキャパシタおよびインダクターはキャパシタンスまたはインダク
タンスのみがある理想的な部品ではない。しかし、抵抗と直列で連結されると非常に近似
的に理想的なキャパシタおよびインダクターと見なされ得る。この抵抗は等価直列抵抗(
ESR)と定義される。
【0351】
無線電力送信機710は受信された基準ピーク周波数(PF_reference)と
基準品質因子値(Q_reference)を利用して基準等価直列抵抗(Refere
nce ESR、ESRreference)を計算することができる(S708)。
【0352】
無線電力送信機710はESR_measuredとESRreferenceを利用
して異物を検出することができる(S709)。一例として、無線電力送信機710はE
SRreferenceとESR_measuredの比率を所定臨界値と比較して異物
の存在の有無を判断することができる。
【0353】
無線電力送信機は異物検出結果によりACK応答またはNACK応答を無線電力受信機
に伝送することができる。
【0354】
無線電力送信機からNACK応答が受信されると、無線電力受信機は無線電力送信機が
電力伝送を完全に中断するまで出力端子を通じて電子機器(またはバッテリー/負荷)に
一定の強度以上の電力が供給されないように制御することができる。ここで、一定の強度
以上の電力は5Wが基準であり得るが、これに限定されはしない。
【0355】
以下ではESRと品質因子値Qおよび周波数の関係を説明することにする。
【0356】
理想的なRLC直列回路およびTRF受信機(Tuned Radio Freque
ncy Receiver)での品質因子値Qは下記の数式1:
【0357】
【0358】
ここで、R、LおよびCはそれぞれ保存、インダクタンス、キャパシタンスを意味し、
【数3】
であり、
【数4】
は共振周波数を意味する。
【0359】
【0360】
ESRは常に標準周波数で測定されたAC抵抗であり、高いESRは部品の老化、発熱
およびリップル電流を増加させ得る。
【0361】
【0362】
したがって、前記実施例でESR
referenceは
【数8】
で計算され、ESR
_measuredは
【数9】
で計算され得る。
【0363】
【数10】
:無線充電器が測定したQ-factor
【0364】
【数11】
:無線充電器が測定したPeak frequency
【0365】
【数12】
:無線充電器タイプコイルでの基準Q-factor(受信機配置、異物がない状態)
【0366】
【数13】
:無線充電器タイプコイルでの基準Peak frequency(受信機配置、異物が
ない状態)
【0367】
【数14】
:無線充電器の共振キャパシタのキャパシタンス
【0368】
この時、ESRreferencとESR_measuredの比率は下記のように計
算され得る。
【0369】
【0370】
【0371】
一実施例に係る無線電力送信機はESR
referencとESR
_measured
の比率があらかじめ定義された比率臨界値を超過すると、異物が存在するものと判断する
ことができる。ここで、比率臨界値は実験結果によって決定され得る。一例として、
【数17】
が0.2より大きいと異物が存在するものと判断することができる。
【0372】
以下の説明では無線電力送信機が測定された品質因子値と決定された品質因子臨界値に
基づいて異物の存在の有無を判断する実施例を中心に説明することにする。
【0373】
無線電力送信機は異物の存在の有無を判断することができる(S1120)。ここで、
無線電力送信機は選択段階410での物体感知後、ピング段階420への進入前に測定さ
れた品質因子値と交渉段階440で受信された基準品質因子値に基づいて決定した品質因
子臨界値を比較して異物の存在の有無を判断することができる。
【0374】
判断結果異物が存在しなければ、無線電力送信機は該当無線電力受信機に第1応答信号
を伝送することができる(S1130)。ここで、第1応答信号はACK信号であり得る
。
【0375】
無線電力送信機は第1応答信号伝送後に第1電力伝送制御手続きを遂行できる(S11
40)。
【0376】
前記1120段階の判断結果異物が存在すると、無線電力送信機は第2応答信号を伝送
することができる(S1150)。ここで、第2応答信号はNACK信号であり得る。
【0377】
無線電力送信機は第2応答信号伝送後に第2電力伝送制御手続きを遂行できる(S11
60)。
【0378】
ここで、第1電力伝送制御手続きと第2電力伝送制御手続きの細部構成は後述する図面
の説明を通じてより明確になるであろう。
【0379】
図12は、本発明の他の実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を説明する
ためのフローチャートである。
【0380】
無線電力送信機は無線電力受信機から交渉要求パケットを受信すると、承認パケット(
Grant Packet)を伝送して交渉段階440に進入することができる。
【0381】
図12を参照すると、交渉段階440で無線電力送信機は無線電力受信機から異物検出
状態パケット(FOD(Foreign Object Detection)Stat
us Packet)を受信することができる(S1201)。一例として、無線電力送
信機は下記の
図10に図示された通り、メッセージフィールド1030に基準品質因子値
(Reference Quality Factor Value、1031)が含ま
れた異物検出状態パケットを受信することができる。
【0382】
無線電力送信機は異物の存在の有無を判断することができる(S1202)。ここで、
無線電力送信機は選択段階410での物体感知後、ピング段階420への進入前に測定さ
れた品質因子値と交渉段階440で受信された基準品質因子値に基づいて決定した品質因
子臨界値を比較して異物の存在の有無を判断することができる。
【0383】
判断結果異物が存在しなければ、無線電力送信機は該当無線電力受信機に第1応答信号
を伝送することができる(S1203)。ここで、第1応答信号はACK信号であり得る
。
【0384】
無線電力送信機は第1応答信号が受信されると、第1電力伝送制御手続き(S1140
)を遂行することができる。
【0385】
以下では第1電力伝送制御手続き(S1140)を詳細に説明することにする。
【0386】
無線電力送信機は異物がないものと判断する場合、保障電力を最大電力(Maximu
m or potential power)まで設定することができる。一例として、
最大電力は15Wであり得るが、これに限定されはせず、無線充電器の構成態様および設
計によりそれより大くてもよい。
【0387】
交渉段階で無線電力送信機は設定された保障電力を含む送信機電力能力パケットを無線
電力受信機に伝送することができる。これによって、無線電力受信機は送信機の保障電力
内で要求電力を決定することができる。
【0388】
無線電力送信機は無線電力受信機によって要求される保障電力(または要求電力)に関
する情報が含まれた保障電力パケットを受信することができる(S1204)。
【0389】
無線電力送信機は無線電力受信機から交渉終了パケットを受信することができる(S1
205)。
【0390】
無線電力送信機は交渉終了パケットが受信されると、交渉段階440で補正段階450
に進入することができる。
【0391】
無線電力送信機は補正段階450に進入して補正手続きを遂行できる(S1206)。
【0392】
無線電力送信機は補正手続きが完了すると、電力伝送段階460に進入して充電を開始
することができる(S1207)。
【0393】
もし、前記S1202段階の判断結果異物が存在すると、無線電力送信機は異物検出状
態パケットに対する応答として、第2応答信号を伝送することができる(S1208)。
ここで、第2応答信号はNACK信号であり得る。
【0394】
無線電力受信機は異物検出状態パケットに対する応答として第2応答信号が受信される
と、第2電力伝送制御手続き(S1160)を遂行することができる。
【0395】
以下では第2電力伝送制御手続き(S1160)を詳細に説明することにする。
【0396】
無線電力送信機は異物が存在するものと判断される場合、保障電力を第1電力-すなわ
ち、最小保障電力(例えば5W)-に制限して電力を伝送することができる(S1209
)。無線電力送信機は異物が存在するものと判断して保障電力を5Wに設定した状態では
、あらかじめ設定された電力損失に対する境界値(または基準値)を基準として異物の存
在の有無を判断することができる。ここで、5Wは送受信機間にあらかじめ定められた最
小電力であるため、無線電力送信機はソリッドな基準値を設定して異物を判断することが
できる。電力損失に基づいた異物検出方式と他の方式の異物検出方法が適用されてもよい
。
【0397】
ここで、第1電力は第1電力伝送モードに相応する保障電力であり得る。一例として、
第1電力は5Wに設定され得るが、これに限定されはせず、5Wより小さい特定の電力に
設定されてもよい。この時、無線電力送信機は無線電力信号の伝送を中断しないことに注
意しなければならない。
【0398】
無線電力送信機は保障電力パケットを受信することができる(S1210)。ここで、
保障電力パケットは無線電力受信機が無線電力送信機の使用可能な保障電力内で決定した
要求電力に関する情報を含むことができる。
【0399】
無線電力送信機は無線電力受信機から交渉終了パケットが受信されると、交渉段階44
0を終了し、電力伝送段階(S460)に進入して既設定された第1電力で充電を遂行で
きる(S1212)。
【0400】
前記
図12の実施例では無線電力送信機が第2電力伝送制御手続き(S1160)の遂
行中に保障電力パケットおよび交渉終了パケットを受信するものとして説明されているが
、これは一つの実施例に過ぎず、他の実施例は無線電力送信機に保障電力パケットおよび
交渉終了パケットのうち少なくとも一つが受信されなくてもよい。
【0401】
本発明の実施例に係る無線電力送信機は第2電力伝送制御手続き(S1160)の遂行
中に補正段階450を遂行しなくてもよい。
【0402】
ここで、補正段階450は送信機と受信機の間の伝送電力と受信電力そして電力損失に
対する値を正確に測定するように、送信機の伝送電力と受信機の受信電力を比較する過程
を意味し得る。
【0403】
この時、保障電力が5W以上である第2電力伝送モードでは伝送電力が大きくなるほど
電力損失が変わり得るため、これをあらかじめ予測(計算)し、伝送電力が変わる時にあ
らかじめ予測した値を反映することによって電力損失をより正確に計算することができる
。しかし、保障電力を最小電力である5Wに設定する第1電力伝送モードでは固定された
電力をターゲットに設定して動作するため、別途の補正段階450が遂行される必要がな
い。
【0404】
また、異物が存在する状態で送信電力または受信電力、損失電力のうち少なくとも一つ
を補正する場合、異物による影響が含まれて補正が行われるため、実際には異物が存在す
るにも関わらず無線電力送信機が異物が存在しないものと判断する確率を高める可能性が
ある。すなわち、異物判断に対する正確度が低くなり得る。
【0405】
本発明は第2電力伝送制御手続き(S1160)の遂行中に補正段階450が遂行され
ないように制御することによって、異物検出正確度を向上させることができる。
【0406】
図13は、本発明のさらに他の一実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を
説明するための図面である。
【0407】
図13を参照すると、無線電力送信機は第2電力伝送制御手続き(S1160)が完了
して電力伝送段階460に進入することができる(S1310)。
【0408】
無線電力送信機は、電力伝送段階460での電力伝送-すなわち、充電-中に受信され
る受信電力パケット(Received Power Packet)に基づいて電力損
失を測定(または算出または推定)することができる(S1320)。
【0409】
以下、説明の便宜のために無線電力送信機が電力損失を測定するものとして説明するが
、これは一つの実施例に過ぎず、無線電力送信段での伝送電力測定結果と無線電力受信段
から受信された受信電力測定結果に基づいて電力損失を算出または推定できることに注意
しなければならない。
【0410】
一例として、電力伝送段階460で充電中に所定時間の間無線電力受信機からフィード
バックされる受信電力パケット(Received Power Packet)に基づ
いて電力損失を測定(または推定)することができる。
【0411】
ここで、電力損失は、無線電力受信機がバッテリー(または負荷)と連結されていない
状態で測定された第1受信電力値に基づいて測定された第1電力損失と無線電力受信機が
バッテリー(または負荷)と連結された状態で測定された第2受信電力値に基づいて測定
された第2電力損失のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0412】
一例として、無線電力送信機は、所定時間-例えば、10分であり得る-の間受信電力
パケットが受信されるたびに電力損失を測定し、測定された電力損失の平均値(または最
も小さい値または最も大きい値)を最終電力損失として確定することができる。
【0413】
他の一例として、無線電力送信機は電力伝送段階460への進入後に連続的に受信され
るN個の受信電力パケットに対応して電力損失を測定してもよい。
【0414】
無線電力送信機は測定された電力損失に基づいて異物の存在の有無を判断することがで
きる(S1330)。
【0415】
一例として、無線電力送信機は測定された電力損失が所定電力損失臨界値を超過すると
、異物が存在するものと判断することができる。反面、測定された電力損失が所定電力損
失臨界値以下であれば、異物が存在しないものと判断することができる。
【0416】
他の一例として、無線電力送信機は電力伝送段階への進入後に連続的に受信されるN個
の受信電力パケットに対応して推定された電力損失がすべて所定電力損失臨界値以内であ
れば、異物が存在しないものと判断することができる。特定時間の間臨界値以内である場
合、または特定時間超過後に電力損失が臨界値以内である場合にも異物がないものと判断
することができる。
【0417】
反面、電力伝送段階への進入後に連続的に受信されるN個の受信電力パケットのうち少
なくとも一つの受信電力パケットに対応して推定された電力損失が所定電力損失臨界値を
超過すると、無線電力送信機は異物が存在するものと判断することができる。
【0418】
判断結果異物が存在すると、無線電力送信機は電力伝送を中断して選択段階に進入する
ことができる(S1340およびS1350)。
【0419】
前記1330段階の判断結果異物が存在しなければ、無線電力送信機は再交渉段階に進
入して無線電力受信機と電力伝送契約を再交渉することができる(S1360)。この時
、交渉される保障電力は5W以上になり得る。
【0420】
無線電力送信機は再交渉結果により電力伝送段階460に再び進入して該当無線電力受
信機に対する充電を引き続き遂行することができる。ここで、再交渉後に無線電力送信機
は、第1電力と第2電力の間の電力を伝送して充電を遂行することができる。ここで、第
1電力は5Wであり、第2電力は15Wであり得るが、これは一つの実施例に過ぎず、第
2電力の強度はそれより大ききいか小さくてもよい。
【0421】
一例として、無線電力送信機は電力伝送段階への進入後に異物が検出されない場合、再
交渉を通じて第1電力伝送モードから第2電力伝送モードに転換することによって伝送電
力の強度を上昇させて充電時間を短縮させることができる。
【0422】
図14は、本発明のさらに他の一実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を
説明するための図面である。
【0423】
図14を参照すると、無線電力送信機は第2電力伝送制御手続き(S1160)が完了
して電力伝送段階460に進入することができる(S1410)。
【0424】
無線電力送信機は電力伝送段階460での電力伝送中に温度変化を測定することができ
る(S1420)。
【0425】
一例として、電力伝送段階460で電力伝送中に無線電力送信機は単位時間の間の内部
温度変化量または温度変化比率を測定することができる。ここで、無線電力送信機上で温
度変化が測定される位置は伝送アンテナ640の送信コイルであり得るが、これに限定さ
れはせず、当業者の設計により無線電力送信機の他の位置-例えば、無線電力送信機に備
えられた制御回路基板、充電ベッド-で測定されてもよい。
【0426】
他の実施例に係る無線電力送信機は電力伝送中に所定周期で無線電力受信機によって測
定された温度情報を受信してもよい。無線電力送信機は無線電力受信機から受信された温
度情報に基づいて温度変化を測定してもよい。
【0427】
本発明のさらに他の実施例に係る無線電力送信機は、内部測定された第1温度変化およ
び無線電力受信機から受信された温度情報に基づいて測定された第2温度変化に基づいて
最終温度変化を確定してもよい。
【0428】
無線電力送信機は測定された温度変化に基づいて異物の存在の有無を判断することがで
きる(S1430)。一例として、無線電力送信機は測定された温度変化が所定温度変化
臨界値を超過すると、異物が存在するものと判断することができる。
【0429】
反面、測定された温度変化が所定温度変化臨界値以下であれば、無線電力送信機は異物
が存在しないものと判断することができる。
【0430】
判断結果異物が存在すると、無線電力送信機は電力伝送を中断して選択段階に進入する
ことができる(S1440およびS1450)。
【0431】
前記1430段階の判断結果異物が存在しなければ、無線電力送信機は再交渉段階に進
入して無線電力受信機と電力伝送契約を再交渉することができる(S1460)。
【0432】
無線電力送信機は再交渉結果により電力伝送段階460に再び進入して充電を引き続き
進行することができる。
【0433】
一例として、無線電力送信機は電力伝送段階への進入後に異物が検出されない場合、再
交渉を通じて第1電力伝送モードから第2電力伝送モードに転換することによって伝送電
力の強度を上昇させて充電時間を短縮させることができる。無線電力送信機は第2電力伝
送モードで第1電力と第2電力の間の電力を伝送することができる。ここで、第1電力は
5Wであり、第2電力は15Wであり得るが、これは一つの実施例に過ぎず、第2電力は
当業者の設計および無線電力送信機の構成態様により15Wより小さいか大きくてもよい
。
【0434】
図15は、本発明のさらに他の一実施例に係る無線電力送信機での電力伝送制御方法を
説明するための図面である。
【0435】
図15を参照すると、無線電力送信機は第2電力伝送制御手続き(S1160)が完了
して電力伝送段階460に進入することができる(S1510)。
【0436】
無線電力送信機は電力伝送段階460での電力伝送中に受信される受信電力パケット(
Received Power Packet)の電力損失を測定することができる(S
1520)。
【0437】
一例として、電力伝送段階460で電力伝送中に無線電力受信機からフィードバックさ
れる受信電力パケット(Received Power Packet)に基づいて電力
損失を測定することができる。
【0438】
ここで、電力損失は、無線電力受信機がバッテリー(または負荷)と連結されていない
状態で測定された第1受信電力値に基づいて測定された第1電力損失と無線電力受信機が
バッテリー(または負荷)と連結された状態で測定された第2受信電力値に基づいて測定
された第2電力損失のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0439】
無線電力送信機は測定された電力損失に基づいて異物の存在の有無を判断することがで
きる(S1530)。一例として、無線電力送信機は測定された電力損失が所定電力損失
臨界値を超過すると、異物が存在するものと判断することができる。反面、測定された電
力損失が所定電力損失臨界値以下であれば、異物が存在しないものと判断することができ
る。
【0440】
判断結果異物が存在すると、無線電力送信機は電力伝送を中断して選択段階に進入する
ことができる(S1540およびS1550)。
【0441】
前記1530段階の判断結果異物が存在しなければ、無線電力送信機は電力伝送段階4
60での電力伝送中に温度変化を測定することができる(S1560)。
【0442】
一例として、電力伝送段階460で電力伝送中に無線電力送信機は単位時間の間の内部
温度変化量または温度変化比率を測定することができる。ここで、無線電力送信機上で温
度変化が測定される位置は送信コイル周辺であり得るが、これに限定されはせず、当業者
の設計により無線電力送信機の他の位置で測定されてもよい。
【0443】
他の実施例に係る無線電力送信機は電力伝送中に所定周期で無線電力受信機によって測
定された温度情報を受信してもよい。無線電力送信機は無線電力受信機から受信された温
度情報に基づいて温度変化を測定してもよい。
【0444】
本発明のさらに他の実施例に係る無線電力送信機は内部測定された第1温度変化および
無線電力受信機から受信された温度情報に基づいて測定された第2温度変化に基づいて最
終温度変化を確定してもよい。
【0445】
無線電力送信機は測定された温度変化に基づいて異物の存在の有無を判断することがで
きる(S1570)。一例として、無線電力送信機は測定された温度変化が所定温度変化
臨界値を超過すると、異物が存在するものと判断することができる。
【0446】
反面、測定された温度変化が所定温度変化臨界値以下であれば、無線電力送信機は異物
が存在するしないものと判断することができる。
【0447】
判断結果異物が存在すると、無線電力送信機は電力伝送を中断して選択段階に進入する
ことができる(S1540およびS1550)。
【0448】
前記1570段階の判断結果異物が存在しなければ、無線電力送信機は再交渉段階に進
入して無線電力受信機と電力伝送契約を再交渉することができる(S1580)。無線電
力送信機は再交渉結果により電力伝送段階460に再び進入して充電を引き続き進行する
ことができる。
【0449】
一例として、無線電力送信機は電力伝送段階への進入後に異物が検出されない場合、再
交渉を通じて第1電力伝送モードから第2電力伝送モードに転換することによって伝送電
力の強度を上昇させて充電時間を短縮させることができる。
【0450】
前記
図15の実施例では無線電力送信機が電力損失に基づいて異物検出手続きを遂行し
た後、判断結果により温度変化に基づいた異物検出手続きを遂行するものとして図示され
ているが、これは一つの実施例に過ぎず、他の実施例に係る無線電力送信機は温度変化に
基づいて異物検出手続きを遂行した後、判断結果により電力損失に基づいた異物検出手続
きを遂行するように具現されてもよい。
【0451】
図16aは、送信機と受信機のバージョンが同じである時の異物検出による無線電力伝
送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0452】
以下の実施例での説明において、第2バージョンは第1バージョンより上位バージョン
であって、より最近にリリースされたバージョンであることに注意しなければならない。
【0453】
詳細には、
図16aは送信機と受信機のバージョンがいずれも下位バージョンである第
1バージョン-例えば、1.2V-であり同じである時、異物検出による無線電力伝送制
御方法を説明するためのフローチャートである。ここで、バージョンはWPC Qi標準
に対するバージョンであり得る。
【0454】
図16aを参照すると、交渉段階に進入すると、第1バージョン送信機1610は第1
バージョン受信機1620からFOD状態パケットを受信することができる(S1601
)。
【0455】
第1バージョン送信機1610は受信されたFOD状態パケットに基づいて異物の存在
の有無を判断し、判断結果異物があればNACK信号を第1バージョン受信機1620に
伝送することができる(S1602)。
【0456】
第1バージョン受信機1620はFOD状態パケットに対するNACK応答信号を受信
すると、いずれのパケットも伝送しないか特定のパケットを伝送することができる(S1
603)。
【0457】
第1バージョン送信機1610は、第1バージョン受信機1620にNACK信号を伝
送すると、一定時間-例えば、5秒-以内に電力伝送を中断することができる(S160
4)。この時、第1バージョン送信機1610は第1バージョン受信機1620から受信
されるいかなるパケットも無視することができる。
【0458】
図16bは、送信機と受信機のバージョンが異なる時の異物検出による無線電力伝送制
御方法を説明するためのフローチャートである。
【0459】
詳細には、
図16bは受信機が送信機より上位バージョンである時の異物検出による無
線電力伝送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0460】
図16bを参照すると、交渉段階に進入すると、第1バージョン送信機1630は第2
バージョン受信機1640からFOD状態パケットを受信することができる(S1605
)。
【0461】
第1バージョン送信機1630は受信されたFOD状態パケットに基づいて異物の存在
の有無を判断し、判断結果異物があれば、NACK信号を第2バージョン受信機1640
に伝送することができる(S1606)。
【0462】
第1バージョン受信機1630はFOD状態パケットに対するNACK応答信号を受信
すると、電力送信機能力(PTC:Power Transmitter Capabi
lity)情報が含まれた一般要求パケット(GRP:General Request
Packet)を第1バージョン送信機1630に伝送することができる(S1607
)。
【0463】
第1バージョン送信機1630は、自身より上位バージョンの第2バージョン受信機1
640にNACK信号を伝送すると、受信された一般要求パケットを無視し、一定時間-
例えば、5秒-以内に電力伝送を中断することができる(S1608)。
【0464】
図16cは、送信機と受信機のバージョンが同じである時の異物検出による無線電力伝
送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0465】
詳細には、
図16cは受信機と送信機のバージョンがすべて上位バージョンである第2
バージョン-例えば、1.3V-である時の異物検出による無線電力伝送制御方法を説明
するためのフローチャートである。
【0466】
図16cを参照すると、交渉段階に進入すると、第2バージョン送信機1650は第2
バージョン受信機1660からFOD状態パケットを受信することができる(S1609
)。
【0467】
第2バージョン送信機1650は受信されたFOD状態パケットに基づいて異物の存在
の有無を判断し、判断結果異物があれば、NACK信号を第2バージョン受信機1660
に伝送することができる(S1610)。
【0468】
第2バージョン受信機1660はFOD状態パケットに対するNACK応答信号を受信
すると、電力送信機能力(PTC:Power Transmitter Capabi
lity)情報が含まれた一般要求パケット(GRP:General Request
Packet)を第2バージョン送信機1650に伝送することができる(S1611
)。
【0469】
第2バージョン送信機1650は自身と同じバージョンの第2バージョン受信機166
0から一般要求パケットが受信されると、保障電力が第1電力に設定された電力送信機能
力パケットを第2バージョン受信機1660に伝送することができる(S1612)。
【0470】
この時、第2バージョン受信機1660は保障電力が第1電力に設定された特別要求パ
ケットを第2バージョン送信機1650に伝送することができる(S1613)。
【0471】
第2バージョン送信機1650は特別要求パケットに対する応答としてACK信号を伝
送し(S1614)、電力伝送段階に進入して保障電力を第1電力に設定して充電を遂行
できる(S1615)。
【0472】
前記
図16cの実施例に係る本発明に係る無線電力送信機は、交渉段階で異物が検出さ
れても保障電力を下向き調整して安全に充電状態を維持できる長所がある。
【0473】
前記
図16cの実施例において、もし、前記1613段階で第2バージョン送信機16
50は保障電力が第1電力より大きい電力に設定された特別要求パケットが受信される場
合、特別要求パケットに対する応答としてNACK応答を第2バージョン受信機1660
に伝送することができる。
【0474】
図16dは、受信機より送信機が上位バージョンである時の異物検出による無線電力伝
送制御方法を説明するためのフローチャートである。
【0475】
詳細には、
図16dは受信機のバージョンが送信機のバージョンより下位バージョンで
ある第1バージョン-例えば、1.2V-であるときの下位互換性(Backward
Compatibility)が維持されるように異物検出時に無線電力伝送を制御する
方法を説明するためのフローチャートである。
【0476】
図16dを参照すると、交渉段階に進入すると、第2バージョン送信機1670は第1
バージョン受信機1680からFOD状態パケットを受信することができる(S1616
)。
【0477】
第2バージョン送信機1670は受信されたFOD状態パケットに基づいて異物の存在
の有無を判断し、判断結果異物があれば、NACK信号を第1バージョン受信機1680
に伝送することができる(S1617)。
【0478】
一例として、第1バージョン受信機1680はFOD状態パケットに対するNACK応
答信号を受信すると、電力送信機能力(PTC:Power Transmitter
Capability)情報が含まれた一般要求パケット(GRP:General R
equest Packet)を第2バージョン送信機1670に伝送することができる
(S1618)。他の一例として、受信機のタイプにより第1バージョン受信機1680
はFOD状態パケットに対するNACK応答信号を受信すると、いずれのパケットも第2
バージョン送信機1670に伝送しなくてもよい。
【0479】
第2バージョン送信機1670は自身より下位バージョンの第1バージョン受信機16
80からNACK信号を伝送した場合、保障電力が第1電力に設定された電力送信機能力
パケットを第1バージョン受信機1680に伝送することができる(S1619)。
【0480】
一例として、第1バージョン受信機1680は保障電力が第1電力に設定された特別要
求パケットを第2バージョン送信機1670に伝送することができる(S1620)。他
の一例として、受信機のタイプにより第1バージョン受信機1680はFOD状態パケッ
トに対するNACK応答信号を受信すると、いずれのパケットも第2バージョン送信機1
670に伝送しなくてもよい。
【0481】
第2バージョン送信機1650は特別要求パケットに対する応答としてNACK信号を
伝送し(S1621)、一定時間-例えば、5秒であり得るが、これに限定されはしない
-以内に電力伝送を中断することができる。第2バージョン送信機1650は特別要求パ
ケットに対する応答としてNACK信号を伝送することによって、第1バージョン受信機
1680が交渉段階終了後に補正段階に進入することを遮断することができる。
【0482】
前述した実施例に係る方法はコンピュータで実行されるためのプログラムで製作されて
コンピュータ読み取り可能記録媒体に保存され得、コンピュータ読み取り可能記録媒体の
例としては、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光デー
タ保存装置などを含む。
【0483】
コンピュータ読み取り可能記録媒体はネットワークに連結されたコンピュータシステム
に分散されて、分散方式でコンピュータ読み取り可能コードが保存され実行され得る。そ
して、前述した方法を具現するための機能的な(function)プログラム、コード
およびコードセグメントは実施例が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論さ
れ得る。
【0484】
本発明は本発明の精神および必須の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態で具体化さ
れ得ることは当業者に自明である。
【0485】
したがって、前記の詳細な説明はすべての面で制限的に解釈されてはならず、例示的な
ものとして考慮されるべきである。本発明の範囲は添付された請求項の合理的な解釈によ
って決定されるべきであり、本発明の等価的な範囲内でのすべての変更は本発明の範囲に
含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0486】
本発明は、無線電力受信装置に無線電力を伝送する無線電力送信装置に適用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力送信機から電力が伝送される無線電力受信機において、
前記無線電力送信機から無線電力が伝送される受信部と;
FOD状態パケットを含む信号を生成する主制御部と;を含み、
前記主制御部は、前記FOD状態パケットを含む信号を、前記無線電力送信機に伝送し、
前記主制御部には、前記FOD状態パケットに対する応答として、異物が前記無線電力送信機の充電領域に存在することを示すNAK応答を、前記無線電力送信機から受信すると、第1電力が伝送されるか、前記異物が前記無線電力送信機の充電領域に存在しないことを示すACK応答を、前記無線電力送信機から受信すると、第2電力が前記無線電力送信機から伝送され、
前記主制御部は、前記第1電力または前記第2電力が伝送される途中で、前記無線電力送信機が前記FOD状態パケットに含まれた情報とは別の情報に基づいて前記異物が前記充電領域に存在するかを判断した結果に関する情報を含む信号を、前記無線電力送信機から受信する、
無線電力受信機。
【請求項2】
前記主制御部は、受信電力強度に関する情報を含む受信電力パケットを、前記無線電力送信機に伝送し、
前記別の情報は、前記受信電力パケットに応答して測定または算出された情報を用いて補正された値を含む、請求項1に記載の無線電力受信機。
【請求項3】
前記FOD状態パケットを含む信号を変調する変造部;をさらに含む、請求項1に記載の無線電力受信機。
【請求項4】
前記受信部は受信コイルを含み、
前記受信部を通じて前記無線電力送信機から伝送された無線電力の強度を測定するセンシングブ;をさらに含む、請求項1または3に記載の無線電力受信機。
【請求項5】
前記FOD状態パケットは、第1FOD状態パケット及び第2FOD状態パケットを含み、
前記第1FOD状態パケットは、基準品質因子または基準ピーク周波数を含み、
前記第2FOD状態パケットは、前記基準品質因子及び前記基準ピーク周波数のうちで、前記第1FOD状態パケットとは別の一つを含む、請求項1に記載の 無線電力受信機。
【請求項6】
前記第1電力は、前記FOD状態パケットに基づいて前記異物が前記充電領域に存在するかを判断した結果、前記第1FOD状態パケット及び前記第2FOD状態パケットのうち少なくともいずれか一つに対するNAK応答を、前記無線電力送信機から受信すると、前記主制御部に伝送される電力である、請求項5に記載の無線電力受信機。
【請求項7】
前記第2電力は、前記FOD状態パケットに基づいて前記異物が前記充電領域に存在するかを判断した結果、前記第1FOD状態パケット及び前記第2FOD状態パケットに対するACK応答を、前記無線電力送信機から受信すると、前記主制御部に伝送される電力である、請求項5に記載の無線電力受信機。
【請求項8】
前記第2電力の強度は第1電力の強度よりも大きい、請求項1に記載の無線電力受信機 。
【請求項9】
前記別の情報は電力損失値を含む、請求項1に記載の無線電力受信機 。