(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139190
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】バブルトラップデバイス
(51)【国際特許分類】
B01D 19/00 20060101AFI20230926BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20230926BHJP
A61M 5/38 20060101ALI20230926BHJP
A61M 1/36 20060101ALI20230926BHJP
A61M 5/36 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
B01D19/00 B
A61M5/14 520
A61M5/38 500
A61M1/36 111
A61M5/36
B01D19/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023120441
(22)【出願日】2023-07-25
(62)【分割の表示】P 2021544800の分割
【原出願日】2019-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】521338879
【氏名又は名称】テッセン・ソリューションズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】フォード,ヴィンセント
(57)【要約】 (修正有)
【課題】溶液から脱気されたガス気泡の除去のための改善されたバブルトラップを提供する。
【解決手段】流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適した装置200であって、入口ポート204及び出口ポート206を有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジグ202と;入口ポートと出口ポートの間に配置されたダイバータと;取入端及び取出端を有する細長い出口管材210と、を備え、細長い出口管の取入端がチャンバ内で中央に位置づけられ、細長い出口管の取出端がチャンバの出口ポートへ接続され、トラップされた空気はガス透過性水不透過性の膜の通気ポート212から排出される、装置とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適した装置において、前記装置は、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジグと、
前記入口ポートと前記出口ポートの間に配置されたダイバータと、
取入端(intake end)及び取出端(export end)を有する細長い出口管と、を備え、
前記細長い出口管の前記取入端が前記チャンバ内で中央に位置づけられ、前記細長い出口管の前記取出端が前記チャンバの前記出口ポートへ接続されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記ダイバータはベース部分とリムを備えている、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
前記ダイバータは区画を画定している、装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の装置において、
前記細長い出口管の前記取入端は前記ダイバータの前記区画内で中央に位置づけられている、装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れか一項に記載の装置において、
前記ダイバータの前記リムは前記細長い出口管の前記取入端を越えて延びている、装置。
【請求項6】
上記請求項の何れか一項に記載の装置において、
前記装置はディフューザを備えている、装置。
【請求項7】
上記請求項の何れか一項に記載の装置において、
前記ダイバータは丸い輪郭の形状を呈している、装置。
【請求項8】
上記請求項の何れか一項に記載の装置において、
前記装置は少なくとも1つの内部表面を備え、前記少なくとも1つの内部表面の一部分は表面処理を備えている、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、
前記表面処理は前記チャンバ内の気泡及び気泡の運動の制御に適している、装置。
【請求項10】
上記請求項の何れか一項に記載の装置において、
取入端及び取出端を有する細長い流入管が設けられており、前記取出端は前記チャンバ内で中央に位置づけられている、装置。
【請求項11】
請求項6に記載の装置において、
前記細長い流入管の一部分は前記ダイバータに当接している、装置。
【請求項12】
装置であって、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングと、
ディフューザと、を備えている装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、
前記装置は流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適している、装置。
【請求項14】
請求項12又は請求項13に記載の装置において、
前記ディフューザは複数の孔を備え、前記複数の孔は前記ディフューザの周囲を周って間隔を空け略放射状配列に配置されている、装置。
【請求項15】
装置であって、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングと、
少なくとも1つの内部表面であって、その一部分が表面処理を備えている、少なくとも1つの内部表面と、を備えている装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置において、
前記表面処理は前記チャンバ内の気泡及び気泡の運動の制御に適している、装置。
【請求項17】
請求項15又は請求項16に記載の装置において、
前記表面処理は、前記少なくとも1つの内部表面の当該表面処理を備える前記部分への前記気泡の付着を促す、装置。
【請求項18】
請求項15から請求項16の何れか一項に記載の装置において、
前記表面処理は前記処理された表面からの前記気泡の剥がれを促し、
その結果、使用時、前記気泡は前記チャンバ中に存在する体積流体内で自由浮動気泡となる、装置。
【請求項19】
請求項15から請求項16の何れか一項に記載の装置において、
前記少なくとも1つの内部表面の前記部分は複数の表面処理を備え、各表面処理は、選択的に、前記少なくとも1つの内部表面の前記表面処理を備える前記部分へ前記気泡を付着させるか又は前記部分から前記気泡を剥がし、前記表面処理のそれぞれは前記気泡を付着させるか又は剥がすかを互いに独立に選択できる、装置。
【請求項20】
請求項15から請求項18の何れか一項に記載の装置において、前記少なくとも1つの内部表面はダイバータである、装置。
【請求項21】
装置であって、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングと、
選択的に透過性の膜と、を備えている装置。
【請求項22】
装置であって、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングと、
フィルタと、を備えている装置。
【請求項23】
上記請求項の何れか一項に記載の装置において、
前記装置はトラップされたガス気泡を当該装置からパージするのに適した少なくとも1つの通気ポートを備えている、装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置において、
前記通気ポートは解放手段と連結されており、前記解放手段は閉位置と開位置の間で動くように動作可能であり、
その結果、使用時、前記解放手段が前記開位置にあるときは、前記トラップされたガスは前記装置の前記チャンバから前記通気ポートを通ってパージされる、装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、
前記解放手段は自動化されている、装置。
【請求項26】
請求項23に記載の装置において、
前記通気ポートはガス透過性水不透過性の膜を備えており、
その結果、使用時、トラップされたガスは前記ガス透過性/水不透過性の膜を横断し、前記チャンバからパージされる一方、水は前記装置の前記チャンバ内に留置される、装置。
【請求項27】
上記請求項の何れか一項に記載の装置において、
前記チャンバは球形をしている、装置
【請求項28】
上記請求項の何れか一項に記載の装置において、
前記装置は回路内に配設されている、装置。
【請求項29】
上記請求項の何れか一項に記載の装置において、
前記装置は直列に配設された複数のチャンバを備えている、装置。
【請求項30】
静脈内ラインキットにおいて、前記キットは、
少なくとも1つの静脈内点滴バッグと、
少なくとも1つの点滴筒と、
近位端及び遠位端を有する少なくとも1つの供給管と、
バブルトラップと、
流体流れ制御手段と、
少なくとも1つのクランプと、
カニューレと、を備え、
前記バブルトラップは、請求項1から請求項29の何れか一項に記載の装置を備えている、静脈内ラインキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体中に存在するガス気泡を分離し及び捕集するのに適したバブルトラップに関する。流体は、加えられた剪断応力下に自然に変形する(流動する)物質である。流体は、物質の相であり、液体、ガス、及びプラズマを含む。
【背景技術】
【0002】
流体中にはガスが自然に存在する。流体中に連行されたその様なガスは、流量、温度、化学反応、乱流、運動、及び摩擦の様な様々な環境因子のせいで不安定になりがちである。不安定なガスは液体の溶液から脱気する(degas)傾向があり、それはガスが液体分画から分離しガス気泡の形成を生じさせるということを意味する。脱気現象の結果として様々な大きさの気泡が形成され流体内を自由に流動するので、気泡は力を受けて流体流れの方向に運ばれてゆく可能性がある。ガス気泡は自然に上方へ浮かび、合体する性向があるので機会を与えられると寄り集まって実質的に1つの大きなガス気泡を形成しようとする。
【0003】
ガスの気泡は、それらが流動する、変形するという点で流体である。ガス気泡は、外向きにガス気泡膜を押すガスの内部圧力と内向きにガス気泡膜を押す外部液体圧力の組合せに因って構造を維持する。気泡膜の最も上の部分は低い外部液体圧力を被るのに対し、気泡膜の最も下の部分にはより高い外部液体圧力が作用する。したがって、ガス気泡は、この外部液体圧力プロファイルに応じて上昇する傾向がある。
【0004】
ガス気泡は一体形状を維持しようと努めるが、狭い管の中へ吸い込まれるという様な強制の下では変形をきたし細長くなる可能性がある。ガス気泡は可能ならより丸いボール形状へ復帰しようと試みるはずであるが、ただし管材内で起こる様な絞りがある場合は別である。ゆえに、ガス気泡は長い管材の内部壁に貼り付き、好ましい円い形状から細長い楕円形へと変形する傾向がある。
【0005】
患者への医薬品の正しい投薬計画を確約するためには何れかの脱気チャンバを出る流量と入る流量が等しくなくてはならない。脱気チャンバを通る流れに対する何らかの絞りは投薬計画に影響を与えるだろう。これは、投薬計画の些細なずれが患者に有毒となる恐れのある狭い療法ウインドーを有する特定の医薬品にとっては特に重要である。
【0006】
流体中に連行されたガス気泡が溶液から脱気し問題を引き起こすという1つのその様なシナリオが静脈内(IV)点滴セットアップにある。病院内で使用される典型的なIV点滴セットアップ100が
図1に示されている。その様なIV点滴セットアップ100は、一次IV点滴バッグ104がエクステンダー106を介して吊り下げられるIVポール102を備えている。一次IV点滴バッグ104は更に、一次IV点滴バッグ104内に収容されたIV点滴溶液へ追加の最終的な成分を加えるために使用される注入ポート108を有している。一次IV点滴バッグ104は一次IV管材110へ接続されている。一次IV管材110は、典型的には、無菌スパイク112、点滴筒114、逆止弁116、少なくとも1つのポート118、120、スライダークランプ122、及びローラークランプ124を備えている。一次IV管材110は、ルアーロック128を介して延長管材126へ接続されている。ルアーロックが記載されているが、押し込み式接続の様な他の固定手段が使用されることもあるものと理解されたい。延長管材126はカニューレ130へ接続していて、同じくクランプ132を備えていることもある。典型的なIV点滴セットアップ100は、随意的には、IVポール102のフック136から吊り下げられた二次IV点滴バッグ134を、二次注入ポート138、無菌スパイク140、及び点滴筒142と共に備えていることもある。二次IV点滴バッグ134は二次管材144を介し少なくとも1つのポート118経由で一次IV管材110へ接続されている。
【0007】
使用時、IV点滴内の液体溶液は、典型的には、重力の圧力勾配(即ち高圧から低圧へ)の影響下に、IVポール102の最上部から吊り下げられたIV点滴バッグ104からカニューレ130を通って流れ、IV点滴溶液は概してIV点滴バッグ104よりも下に位置する患者の血流に進入する。
【0008】
この典型的なIV点滴セットアップは、重力の圧力勾配が使用されることを示しているが、圧力勾配を誘導する機械(例えばIVポンプ)が流量を制御するのに使用されることもある。
【0009】
IV点滴では、連行ガスは、IV点滴バッグ104、134からIV点滴バッグの液体溶液が患者の血流に進入するカニューレ130へと移動してゆく際にIV点滴の液体溶液から脱気する。空気又はガスが血流に進入すれば、ガス気泡が血液の流れを妨げる閉塞を生じさせることで塞栓症を引き起こす可能性が高いだろう。患者へ流体を送達する一般的な方法であるIV流体輸注処置が原因という場合が多いがガス気泡が静脈系に進入すれば、血管空気塞栓症(VAE)又は誘発性血管空気塞栓が起こりかねない。VAEが原因で、心臓不整脈、心臓発作、脳卒中、及び死の様な更なる合併症が起こらないとも限らない。マイクロバブル又はマクロバブルが血流に進入することの別の合併症は、血液細胞が破壊される溶血であり、それは身体への更なる負担を招き、患者の回復時間を増加させることになる。したがって、溶液から脱気する空気/ガスを、ガス気泡が血流に進入する機会を持つ前に除去することが重要である。
【0010】
本明細書全体を通して、「液体」という用語は、任意の種類の液体溶液、液体医薬品、又は静脈内送達を意図した他の液体もしくは他の液体様物質、例えば血液、液体サプリメント、非経口栄養、懸濁液、体液、又は、輸液又は静脈内送達に適した他の同様の粘性物質などを網羅するものと理解されたい。
【0011】
本明細書全体を通して、「流体」という用語は、液相と気相の両方を網羅するものと理解され、ここに液相にはガスが連行され又は導入されている。
【0012】
IV点滴セットアップでは、時に「マーフィードロッパー」デバイスと呼ばれる点滴筒114を含むことが一般的である。マーフィードロッパー114は2つの機能性を有し、つまりそれは第一に流体の流量の観察を可能にし、第二にバッグ中に形成されたかもしれない空気又はガスが可撓性管材に進入するリスクを取り除くのを可能にする。その様な点滴筒114は流体上に浮かぶボールを有していることもあり、その目的は、バッグ104、134の液体が空になった場合、つまり過剰な空気がライン中に連行されてしまう事態を生じさせかねない状況において、可撓性管への入り口を封鎖することである。この空気は、仮にラインが静脈に設置されていて、連行された空気が観察されなかったなら、重篤な合併症を患者へ与えてしまうだろう。マーフィードロッパーの様な点滴筒114は、ラインの一番上でIV点滴バッグ104、134の真下に配置される傾向がある。この位置には、アクセスの容易さを可能にするという意図があり、点滴筒114に捕集された空気を点滴筒114から手作業でパージしようとするものである。しかしながら、この位置は患者への進入点(即ちカニューレ130)から最も遠く、流体の脱気及び空気の連行はラインの長さ全体を通して起こる余地があり、つまり溶液が点滴筒114を通過した後に空気気泡が形成され、患者の静脈内へのカニューレ130を介して血流に進入する可能性があるということを意味する。
【0013】
その様なIV点滴セットアップは、典型的に、ガス気泡の恒常的目視監視及び手作業での除去を要し、時間を食い、労働集約的であり、またヒューマンエラーを被り易い不安定なものである。気泡の除去は、確実にガスが患者の身体に進入しないようにするために或る割合のIV点滴溶液の除去を余儀なくさせる傾向があり、病院リソースの無駄遣いに当たる。
【0014】
多くの場合、ガス気泡の識別を支援するためにIV管には電子バブルモニターが取り付けられている。これらのモニターは近くの臨床スタッフに危険を警報することを意図した可聴アラームを与え、多くの場合、バブルモニターは医療専門家による除去を可能にさせるために流体の流れを止めようとするだろう。IV流体の流れのひっきりなしの停止は、患者にとって問題となるし、スタッフにとっては作業負荷を増加させることになりかねない。これらの高価で煩雑なデバイスの適用は、更に、場所、電源の利用可能性、訓練要件、保守問題、又はリソースの不足によって制限されることもある。
【0015】
外科的処置では、麻酔による血管拡張の影響に対処するために、流体は体温と一致するように加温されるのが一般的である。温度の上昇につれてガスの溶解度が低下することで、温められた流体は急速に不安定になり、これは大量のガス気泡がまさにIV管の長さ全体を通して形成される原因となり得る。これらの処置の間中、VAEのリスクを観察し除去するには余分の警戒が必要となり、費用のかかる外科的環境での時間的損失が増す。
【0016】
典型的には複数人のスタッフが居合わせる手術中がそうである様に、IVスタンドの場所がベッドに近くては不便だという状況では、延長管材がIVセットへ追加されるのが一般的である。この場合、延長された管材は、臨床スタッフが管内に含有される気泡を観察するうえで更なる難題をもたらし、ガスが解き放たれる(defuse)追加の流体体積を与えもする。
【0017】
空気の入り込みは、IV管材のポートサイト、接合場所、又は弁でも、継手の封止不良又はスタッフによるプライミング中の不適正なガス抜きのせいで起こることがある。更に、スタッフが補充医薬品をIVバッグと患者への進入点の間の何れかの場所で輸注液体溶液の中へ注入することによって、閉システムの中へ空気が導入されることもあり得る。
【0018】
流体中に連行されたガス気泡が溶液から脱気して問題を引き起こすという別のその様なシナリオは、輸血及び対外血液治療のセットアップにある。これらのセットアップは、IVセットアップと同様の多くの特徴を有していて、したがってほぼ同じ問題を経験している。加えて、採血専門医は品質の悪い血液を拒否するだろうから、血液流体の収集、取り扱い、及び処理には輪をかけた注意が必要である。乱流、摩擦、及び衝撃の様な、血液細胞への外的応力は溶血を引き起こしかねない。そのうえ、血液の供給源は乏しく高価である。
【0019】
液体中に連行されたガス又は液体の中へ導入されたガスの除去は長年にわたる課題であり、それについてガスを除去する多くの異なる手段、例えば米国特許第6,508,859号及び米国特許第7,141,097号が試みられてきた。
【0020】
米国特許第9,533,109号は、気泡閉じ込めデバイスにおいて、出口ポートがチャンバの中へ延びていて、バブルトラップが直列に配設された複数のチャンバを備えている、気泡閉じ込めデバイスを記載している。その様なデバイスは、気泡がデバイスの最上部まで上昇するという単純な原理と、チャンバが半分空気で満たされない限りチャンバの中へ延びた出口ポートには空気が進入しないという仮定の上に用を果たす。この過程は正しくない、というのも気泡はデバイスの最上部に向かって動く際になおも出口ポートに進入し得るからである。デバイスは、更に、気泡が出口を通って自由に動く通気モードと使用中モードとの間で切り替えるためのバブルトラップ挿入用プランジャーを提供している。モード間の切り替えは、プランジャーを回転させることによって実現されている。米国特許第6,537,356号のバブルトラップでは、空気のパージングは流体流れを一時的に反転させることによって実現されている。
【0021】
米国特許第6,537,356号は、流体流中のガスと固形物をトラップするためのピーナッツ形状のチャンバであって、出口ノズルがその中へ突き出ているチャンバを記載している。その様なバブルトラップの1つの不都合は、外的要因に依って、チャンバの中へ突き出ている出口ノズルに気泡が進入することがなおもあり得るということだ。上記バブルトラップは、より大きな気泡が患者の血流の中へ逃げてしまうのを防ごうと、出口ノズルのルーメンの大きさを絞ることによって、気泡が出口ノズルに進入する可能性を打破することを目指している。
【0022】
米国特許第6,537,356号に記載されている狭化出口ノズルの別の不都合は、それが特許出願に記載されている様に出口ノズルの中への気泡の取入を妨がないということだ。より大きいガス気泡は単純に狭いルーメンに合わせて変形しようとするだろうし、一方、より小さい気泡は素通りするだけである。正味の結果は、患者がなおもガスの全体量上昇に曝されるということであり、しかもそれには大きなガス気泡が脈管構造内に形成され、血管内腔へ損傷を生じさせ、血管の流体流れを封鎖し、酸素化を低下させるというリスクの高まりが付きまとう。
【0023】
米国特許第6,537,356号に記載の狭化出口ノズルの更なる不都合は、狭い出口はより容易にエアロック状態に陥り、出口ノズル内の流れを停止させ又は絞りかねないということだ。そうすると、管材の監視の必要性、及び出口ノズルを通る流れを解きほぐすべく十分に気泡を割るための定期的な撹拌の必要性が増す可能性が高くなるだろう。
【0024】
米国特許第6,537,356号に記載の狭化出口ノズルの更なる不都合は、出口ノズルの縮小化が脱気チャンバを出てゆく流体の流れを絞り、患者によって受け取られる医薬品の投与計画を変えてしまうということだ。これは、投薬計画の些細なずれが患者に有毒となる恐れのある狭い療法ウインドーを有する特定の医薬品にとってはとりわけ問題である。
【0025】
米国特許第6,537,356号のバブルトラップは、使い捨て式とすることを意図していると記載されており、したがって繰り返し使用又は継続的使用には適していない。ゆえにユーザーは、デバイスを見張ってその1回使用時間を引き延ばすためにデバイスを別の位置へ動かす必要があるだろう、というのも1個所に長くいすぎると、中央に位置する管がもはや流体中に沈んでいられなくなり、空気が出口ノズルに進入し患者の血流に入ってしまう結果を招くからである。
【0026】
米国特許第6,537,356号に記載のバブルトラップの更なる不都合は、使用前にデバイス内に存在する空気が使用に先立ってデバイスから容易にフラッシュされ得ないことであり、これはデバイスが効率的にまた長期に亘って用を果たすことができずその運用能力が限定的になることを意味する。
【0027】
米国特許第5,674,199号は、体外回路が形成される輸血デバイスに適したバブルトラップを記載している。このバブルトラップでは、入口管がチャンバ及びチャンバの中へ導入された血液流れの方向を反転させる収容器の中へ延びている。流れの方向を変える効果は、血液が出口ポートを通って出てゆく前に血液中の気泡が血液から分離する機会が大きくなることである。流れの方向変更は収容器内の血液の停滞及び凝固を低減するとも言われている。
【0028】
その様なデバイスの不都合は、デバイスには多方向の動作性がなく垂直向きでの使用が意図されていることである。IV点滴セットアップでは、バブルトラップが患者への進入点により近く配置されている場合は特に、バブルトラップが患者の動きに因って逆さになってしまう可能性がある。万一、米国特許第5,674,199号のデバイスが逆さになってしまった場合、空気は自然に上向きに出口ポートに向かって移動することからガス気泡は容易に出口ポートを通って進むはずである。
【0029】
その様なデバイスの別の不都合は、流体流れの方向に変化を与えカップ内の停滞を防ぐには十分な流体流れ力が必要とされることである。この流体流れ力は、結果的に、乱流、摩擦、カップの側面に対する血液細胞の打ちつけを生じさせ、溶血及び粗悪血液の原因となる。
【0030】
このカップ設計の更なる不都合は、或る割合の血液がなおもカップ内に留まり、結果として輸血に利用できなくなることである。
【0031】
また、体外回路内の血液から気泡を除去するのにデバイスが適しているからといって、そのことがそのまま、デバイスがIV点滴セットアップの様な流体流れ条件が極めて異なる他の用途に適していることにはならない、ということを理解すべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】米国特許第6,508,859号
【特許文献2】米国特許第7,141,097号
【特許文献3】米国特許第9,533,109号
【特許文献4】米国特許第6,537,356号
【特許文献5】米国特許第5,674,199号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
溶液から脱気されたガス気泡の除去のための改善されたバブルトラップの必要性が以前より存在する。
【0034】
本発明の目的は、上述の問題の少なくとも1つを打開する装置及び/又は方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明は、流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適した装置であって、入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジグと;入口ポートと出口ポートの間に配置されたダイバータ、即ち第1のダイバータと;取入端(intake end)及び取出端(export end)を有する細長い出口管と、を備え、細長い出口管の取入端がチャンバ内で中央に位置づけられ、細長い出口管の取出端がチャンバの出口ポートへ接続されている、装置に向けられている。
【0036】
使用時、装置がIV点滴セットアップの一部を形成しているとき又は流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適した装置が必要とされる他のシステムの一部を形成しているときに、ポンプ又は流量を誘導する何れかの他の手段によって誘導される圧力勾配(即ち、高圧から低圧へ)の影響下に、流体(即ち、液体とガスの組合せ)は、概して、入口ポート204を通って装置200のチャンバ302の中へ流れる。
【0037】
ダイバータと細長い出口管の特徴を組み合わせて提供することの利点は、流体が細長い出口管の取入端から離れて方向決めされ、それによって細長い出口管の中への空気取入のリスクが軽減されることである。
【0038】
ダイバータと細長い出口管の特徴を組み合わせて提供することの利点は、デバイスの向きに関係なく、流体が細長い出口管の取入端から離れて方向決めされることである。
【0039】
本発明の装置の更なる利点は、ダイバータと細長い出口管の特徴を組み合わせた設計がチャンバ内のガスのビルドアップを捕捉するので、本発明を使用することが意図されるセットアップでのポンプアラームの回数及び頻度が下がり、それによって、医療スタッフ間の主要課題であるアラーム警報及びその結果起こるアラーム疲れが減少することである。
【0040】
本発明の装置の更なる利点は、既存のラインコネクタ技術と途切れなく統合できる大量生産に適した費用効果の高い解決策の提供である。
【0041】
或る更なる実施形態では、チャンバは入口管材及び出口管材に対比してより大きい体積である。
【0042】
入口管材及び出口管材に対比してより大きい体積を有するチャンバを有することの利点は、液体がチャンバを満たすように広がってゆくことで層流が促されることである。より大きな体積では乱流の減少が観察される。
【0043】
或る更なる実施形態では、第1のダイバータは中実形状を形成している。
【0044】
或る更なる実施形態では、第1のダイバータはチャンバ内に区画を画定し、ダイバータはベース部分とリムを備えている。
【0045】
或る更なる実施形態では、ダイバータのベース部分は入口ポートに隣接している。
【0046】
或る更なる実施形態では、ダイバータのベース部分は入口ポートに当接している。
【0047】
或る更なる実施形態では、ダイバータのリムは出口ポートに隣接している。
【0048】
或る更なる実施形態では、細長い出口管の取入端は、ダイバータによって形成された区画内で中央に位置づけられている。
【0049】
細長い出口管をダイバータによって形成された区画内で中央に位置づけることの1つの利点は、チャンバ内の中央に、且つ細長い出口管の取入端の前方に、実質的に気泡不含の液体の体積を保持することである。
【0050】
当該液体の体積は、乱流が少なく、チャンバの他の部分の流体よりもゆっくり動く傾向がある。別の利点は、よりゆっくり動く液体の体積が、増加した浮力を有する摩擦(ドラグ)の低いより層流的な流れをもたらすことであり、それは当該液体の体積中に実際に留まっている気泡があったとしてもその様な気泡がよりスピーディにチャンバの最も上の外側部分に向かって動いてゆくことを意味する。
【0051】
或る更なる実施形態では、ダイバータのリムは細長い出口管の取入端を越えて延びている。
【0052】
ガス気泡は、チャンバのハウジングの様な表面に「貼り付く」傾向はあるが、剥がれをきたすことはあり、特に攪拌されるか又はトントン叩かれたときはそうである。バブルトラップがIV点滴セットアップの患者端に配置されることになる場合、気泡がトラップの表面からの剥がれてゆく問題は患者が動き回ることで高まる。
【0053】
ダイバータのリムを細長い出口管の取入端を越えて配置することの1つの利点は、実際に気泡が剥がれてしまっても気泡は細長い出口管の取入端から離れて迂回されることになる、ということである。気泡が細長い出口管の取入端を素通り(commuting directly past)することが防がれ、こうして気泡が取入端を介して細長い出口管に進入し患者に向かって患者の血流の中へと横断してゆく可能性が低減される。
【0054】
或る更なる実施形態では、ダイバータは丸い輪郭の形状を呈している。
【0055】
気泡は鋭い縁から逃げる傾向がある。ダイバータに丸い輪郭を提供することの利点は、気泡が収容器の側面に付着したまま留まろうとすることである。その様な気泡の脱離が制御されることで、気泡が逃げ、浮かび、細長い出口管の取入端を過ぎてしまうことが低減される。丸い輪郭が記載されているが、他の形状も同じく適切であり得ることが理解される。
【0056】
或る更なる実施形態では、装置は、少なくとも1つの内部表面を備え、内部表面の一部分は表面処理を備えている。
【0057】
或る更なる実施形態では、表面処理は化学的処理である。別の実施形態では、表面処理は機械的処理である。
【0058】
表面処理の1つの利点は、気泡脱離が制御されることである。
【0059】
或る好適な実施形態では、装置の、その一部分が表面処理を備える少なくとも1つの内部表面は、ダイバータである。
【0060】
或る更なる実施形態では、表面処理は少なくとも1つの平滑表面を備えている。
【0061】
気泡は平滑表面に貼り付く傾向がある。少なくとも1つの平滑表面の1つの利点は、気泡が平滑表面へ付着したまま留まろうとすることである。
【0062】
或る更なる実施形態では、表面処理は少なくとも1つの肌理付き表面を備えている。
【0063】
気泡は、粗く不均質な表面から逃げる傾向がある。少なくとも1つの肌理付き表面の1つの利点は、気泡が逃げて流体中に自由浮動気泡を形成することができ、自由浮動気泡が次いで浮力下にチャンバの最も上の部分に向かって動いてゆく、ということである。
【0064】
肌理付き表面、粗い表面、及び/又は不均質な表面は、付着した気泡が座すことのできる複数の窪みを備えている。
【0065】
肌理付き表面処理の或る更なる利点は、気泡の直径が、気泡が中に座す窪みの寸法によって収容されることである。各窪みの大きさが形成される気泡の大きさを制限する。気泡が肌理付き表面の窪みへ付着したら、気泡は、自由浮動気泡が窪み係留気泡と融合することで成長を続ける。それまでなら窪みが気泡を保持できそれを越えると気泡が肌理付き表面から脱離してゆくという既定の大きさ限界を気泡の大きさが超えたら、気泡の脱離が起こる。気泡の脱離と気泡の大きさはしたがって制御可能である。
【0066】
或る更なる実施形態では、表面処理は少なくとも1つの平滑表面と少なくとも1つの肌理付き表面を備えている。
【0067】
少なくとも1つの平滑表面と少なくとも1つの肌理付き表面を組み合わせることの1つの利点は、ガス気泡の留まり(lodgement)と剥がれ(dislodgement)が制御できることである。使用時、ガス気泡は、どのような表面処理が使用されているかに依存して、ダイバータの特定の位置にて貼り付くように促されるか又は自由になるように促される。結果は、気泡がチャンバの外側部分へ除去されるか又は表面処理へ貼り付いてしまうかのどちらかとなるという様なやり方で気泡が操縦されるというものであり、その結果、気泡は細長い出口管の取入端から離れて方向決めされるか又は細長い出口管の取入端を過ぎて流れるのを防止されるかのどちらかとなる。
【0068】
ダイバータの文脈で表面処理が説明されているが、表面処理は同じく装置の他の表面、例えばディフューザ、チャンバのハウジングの内部分、及び気泡の留まりと剥がれの制御が所望される装置の何れかの他の表面などへ適用され得るものと理解されたい。
【0069】
或る更なる実施形態では、取入端及び取出端を有する流入管が設けられており、取出端はチャンバ内で中央に位置づけられている。
【0070】
或る更なる実施形態では、流入管は入口ポートの周りのチャンバ壁の突出部である。
【0071】
或る更なる実施形態では、流入管は、少なくとも1つの雄型又は雌型コネクタを備え、チャンバは、流入管の少なくとも1つの雄型又は雌型コネクタに対応する少なくとも1つの雄型及び雌型コネクタを備えている。
【0072】
或る更なる実施形態では、流入管の一部分は第1のダイバータの一部分に当接している。
【0073】
或る更なる実施形態では、流入管の一部分は第1のダイバータのベース部分に当接している。
【0074】
或る更なる実施形態では、装置はディフューザを備え、ディフューザは少なくとも1つの孔を備えている。
【0075】
使用時、気泡は流体流れの諸パラメータの下に、当該ディフューザの少なくとも1つの孔を通ってチャンバの中へ進む。次いで、気泡はダイバータによってチャンバの外側部分に向かって細長い出口管の取入端から離れて案内される。この実施形態では、当該ディフューザの少なくとも1つの孔は、流体中に連行されたガス気泡共々チャンバに進入する流体に代わりの運動方向を付与する。
【0076】
ディフューザの利点は、流体が入口管からチャンバの中へ到着する速度を遅くすることである。
【0077】
或る更なる実施形態では、少なくとも1つの孔はディフューザの最も上の部分に位置づけられている。
【0078】
この実施形態では、少なくとも1つの孔の位置づけは、ガス気泡がチャンバの最も上の外側部分に向かう略上方移動運動でチャンバに進入するように促す。
【0079】
或る更なる実施形態では、ディフューザは複数の孔を備えている。或る好適な実施形態では、ディフューザは4つの孔を備えている。或る最も好適な実施形態では、各孔は直径約0.25mmである。
【0080】
複数の孔を有することの1つの利点はエアロッキングの発現の減少である。したがって、チャンバに進入する流体流れ及び流体圧力は維持される。
【0081】
複数の孔を有することの更なる利点は、装置が動かされ向きが変わった場合にも、少なくとも1つの孔はディフューザ上で概ね最も上の位置に留まっているということである。したがって、チャンバに進入するガス気泡はなおも、略上方運動でチャンバの最も上の外側部分に向かって進むことが可能になる。
【0082】
複数の孔を有することの更なる利点は、気泡の貼り付き又は付着が制限されることである。
【0083】
或る更なる実施形態では、ディフューザは入口ポートと出口ポートの間に配置されている。或る更なる実施形態では、ディフューザは入口ポートと第1のダイバータの間に配置されている。或る更なる実施形態では、ディフューザは流入管の取出端に配置されている。或る更なる実施形態では、ディフューザは流入管の長さに沿った何れかの点に配置されている。
【0084】
或る更なる実施形態では、ディフューザは流入管の形を呈している。
【0085】
或る更なる実施形態では、ディフューザの流入管は細長い。
【0086】
流入管の長さを延ばすことの1つの利点は、複数の孔が存在する場合の構造的安定性を改善することである。
【0087】
或る更なる実施形態では、流入管は複数の流入管を形成しており、各流入管は半径方向にチャンバの外側部分に向かって延びている。
【0088】
複数の流入管を有することの或る利点は、気泡の経路が更にチャンバの外側及びチャンバの最も上の部分に向かって方向決めされることである。
【0089】
別の実施形態では、ディフューザの複数の孔は、入口ポートからディフューザに到着する気泡の大きさに対比してより小さい。使用時、より大きい気泡は、流体流れの諸パラメータの下に、当該ディフューザの複数の小孔を通って推し進められるので、ディフューザに到着するより大きい気泡は当該ディフューザの複数の小孔を通過してしまえば複数のより小さい気泡になる。チャンバ内に存在する複数のより小さい気泡は、次いで、第1のダイバータによってチャンバの外側部分に向かって案内される。
【0090】
ディフューザが入口ポートからディフューザに到着する気泡の大きさに対比してより小さい複数の孔を備えることの1つの利点は、入ってくる流体中に連行されたより大きい気泡が、チャンバに進入する前にディフューザによっていくつかのより小さい気泡へ割られることである。これらのより小さい気泡は、ドラグに曝される表面積が小さくなった最適な大きさの気泡であり、したがって液体を通ってより速く移動する。最適な気泡の大きさは、流量、気泡の大きさ、及び他の環境条件によって決まるが、最適な気泡は、最適浮力特性を示す気泡、即ち、気泡が乱流、ドラグ、摩擦、衝突、合体、及び他の制限因子によって制限を受けず、尚且つ液体滞留特性に打ち勝ってチャンバの外側部分まで一段と速く移動し、ひいては細長い出口管の取入端から離れてより速く迂回されるのに十分なガス体積を有している気泡である。
【0091】
キャビティ(cavities)は直径1nmから10nmの気泡である。ナノバブル又は超微細バブルは、直径約10nmから200nmの範囲にあり、約0.1cm/秒の典型的なトランジットタイムを有している。したがってナノバブルはより低い浮力を有し、液体の中ではブラウン運動に因り長い時間懸濁したままである。直径が200nmから10μmの間に収まる気泡は「マイクロナノバブル」(MNBs)として知られている。マイクロバブルは、直径約10μmから50μmの範囲にあり、表面に到達する前に液体の中で崩壊し消滅するか又はナノバブルを形成し懸濁したままになる傾向がある。普通の気泡又はマクロバブルは約100μmから1mmの範囲の直径を有し、約25cm/秒の典型的なトランジットタイムを有する。したがって普通の気泡は急速に液体の表面まで上昇し崩壊する。
【0092】
ディフューザの別の利点は、結果として得られるより小さい気泡が、気泡当たりガス体積全体を減少させていることである。特に小さい気泡は液体中に懸濁したままであり得る。これらの特に小さいガス気泡は、身体によってより速やかに吸収されるものと考えられる。可能性としては低いが、万一、気泡がチャンバからの抜け道を見つけて出口管を経て装置を使用する患者の循環系へ入った場合に、脈管構造に存在する空気の関連リスクは大いに軽減される。
【0093】
別の実施形態では、装置は第2のダイバータを備えている。
【0094】
或る更なる実施形態では、第2のダイバータは第1のダイバータと細長い出口管の取入端の間に配置されている。
【0095】
或る更なる実施形態では、第2のダイバータはベース部分とリムを有する収容器の形態をしている。
【0096】
或る好適な実施形態では、第2のダイバータのベース部分は細長い出口管の取入端に当接している。
【0097】
第2のダイバータの1つの利点は、流体流れが連行ガスと共に細長い出口管の取入端から離れて迂回されることである。これは、装置が逆さまになった場合、捕集されたガスを細長い出口管の取入端から離れた位置に維持するのに特に有用である。
【0098】
別の実施形態では、装置は、細長い出口管の取入端を封鎖するのに適したオクルーダを備えている。
【0099】
捕集されたガスが増えるにつれて装置のチャンバ内に収容される液体のレベルは下がるので、装置のチャンバ内に収容される液体のレベルが或る特定の点を越えて下がれば、捕集されたガスが細長い出口管の取入端を通って脱出する可能性がある。使用時、オクルーダは装置のチャンバ内に収容されている液体の体積中に浮かんでいて、液体レベルが下がってゆくと、オクルーダが細長い出口管の取入端に当接するので、ガスはチャンバを出て細長い出口管の中へ入るのを妨げられることになる。
【0100】
或る更なる実施形態では、オクルーダは細長い出口管の中に位置づけられている。
【0101】
或る更なる実施形態では、装置は少なくとも1つの通気ポートを備えている。
【0102】
通気ポートを設けることの利点は、デバイス内にトラップされた気泡が使用前又は使用中の何れかの時点で容易に除去され得ることであり、これは、患者の中へ流体を輸注する機能への影響を最小限にしてバブルトラップを使用し続けることができる、ということを意味する。
【0103】
通気ポートの別の利点は、空気/流体が出口管を通って患者の方向に流れるのを防止しながらも、液体がチャンバを素早く満たすよう促すために低圧勾配を作り出せることである。
【0104】
通気ポートの或る更なる利点は、バブルトラップ装置のプライミングが可能になり、装置のチャンバ内に存在する空気を使用前にチャンバから排出できることである。
【0105】
通気ポートの或る更なる利点は、デバイス内に存在する気泡又は空気の除去を可能にすることによって、デバイスの効率と有効性が改善されることである。
【0106】
通気ポートの或る更なる利点は、それが連続使用に適した装置をもたらすことである。通気ポートのない装置は、時間をかけてゆっくりとガスで満ちるはずであり、これはつまりその様な装置は脈管構造中に存在する空気の関連リスクを避けるために定期的な置換を要する使い捨て式の品目としてしか適合しないことを意味する。
【0107】
別の実施形態では、装置は選択的に透過性の膜を備えている。
【0108】
或る更なる実施形態では、選択的に透過性の膜は、ガス不透過性液体透過性の膜を備えている。
【0109】
或る更なる実施形態では、ガス不透過性液体透過性の膜は細長い出口管の取入端に位置づけられている。
【0110】
使用時、チャンバ内の液体は、チャンバからガス不透過性液体透過性の膜を通って細長い出口管の中へ出てゆくことができる一方、ガス気泡はチャンバ内に留まる。
【0111】
或る更なる実施形態では、選択的に透過性の膜は、ガス透過性液体不透過性の膜を備えている。
【0112】
或る更なる実施形態では、ガス透過性液体不透過性の膜は通気ポートに配置されている。
【0113】
使用時、チャンバ内に捕集されたガスは通気ポートのガス透過性の膜を通過することができる一方、チャンバ内の液体は通気ポートを介してチャンバを出てゆくことを妨げられる。
【0114】
ガス透過性液体不透過性の膜の1つの利点は、解放手段が何も必要なく、したがって当該解放手段を監視したり切り替えたりすることも不要であることだ。追加の行為も自動化の必要性もなしにガスはチャンバから自動的にパージされる。
【0115】
チャンバと通気ポートの間に位置づけられたガス透過性液体不透過性の膜の別の利点は、チャンバ内の液体が通気ポートを通ってチャンバを出てゆくのを防ぎ、かくして喪失液体を最小限に抑え、無駄遣いを減らし、使用コストを削減することである。
【0116】
別の実施形態では、装置は、入口ポートと出口ポートの間に配置されたフィルタ膜を備えている。
【0117】
細菌や固体微粒子物質が患者へ投与されるべき液体へ入り込む道筋を見つけるかもしれない。微粒子物質の例には、例えば、開いているガラスアンプルからのガラス粒子、ゴムストッパからの粒子、又は非経口栄養成分の集塊物、薬物不適合反応物(drug incompatibility reactions)、液体溶液調製時の不完全な再構成、及び他の薬物調合問題からの粒子が挙げられる。患者へ送達するための液体溶液の細菌及び微粒子混入は、その様な混入物が患者の血流まで行きついてしまったなら患者介護上の合併症を引き起こしかねない。
【0118】
フィルタ膜の或る利点は、細菌や微粒子を捕捉し、それらが装置のチャンバを出て細長い出口管に入るのを防ぎ、ひいてはそれらが患者の血流に進入するのを防ぐことである。
【0119】
別の実施形態では、フィルタ膜は細長い出口管の取入端に当接している。
【0120】
別の実施形態では、通気ポートはトラップされたガス気泡を装置からパージするのに適した解放手段と連結されていて、解放手段は閉位置から開位置へ動かされるようになっている。その結果、使用時、解放手段が開位置にあるとき、トラップされた気泡は装置のチャンバから通気ポートを通ってパージされることになる。
【0121】
通気部を解放手段へ連結することの利点は、ガス気泡の排除を制御でき、輸注用である流体の損失を最小限に抑えられることである。
【0122】
別の実施形態では、解放手段は押す行為を備える。別の実施形態では、解放手段は引く行為を備える。別の実施形態では、解放手段は回す行為を備える。別の実施形態では、解放手段は滑らせる行為を備える。
【0123】
使用時、1つ又はそれ以上の行為が当該解放手段へ遂行されたとき、連行ガスは装置のチャンバから通気ポートを介して解放される。
【0124】
或る更なる実施形態では、解放手段は自動化されている。
【0125】
解放手段を自動化すること、ひいてはバブルトラップ内からの空気のパージングを自動化することの利点は、病院スタッフによる必要なトラップの監視が軽減され、病院スタッフの時間を他の重要な業務に費やすよう空けることができることだ。
【0126】
或る更なる実施形態では、装置は、装置のチャンバ内のガスレベルを監視するのに適したセンサを備えている。
【0127】
センサの或る利点は、装置のチャンバへのガス気泡の進入を検知し、存在するガスの量を既定の受容可能レベルに対して測定することである。
【0128】
或る更なる実施形態では、装置は警報手段を備えている。
【0129】
警報手段の1つの利点は、チャンバ内に存在するガスの量が既定の受容可能レベルを超えてしまったので通気が開始される旨を知らせることである。
【0130】
警報手段の別の利点は、捕集されたガスをチャンバから排出し、装置の最適運用を維持するために、解放手段が作動され通気ポートが開かれようとするときを知らせることである。
【0131】
或る更なる実施形態では、チャンバは球形である。或る更なる実施形態では、チャンバは方形である。或る更なる実施形態では、チャンバは長円形である。或る更なる実施形態では、チャンバは三角形である。
【0132】
デバイスが球形であることの利点は、トラップされたガスを何れかの向きにある細長い出口管から離して集まらせることができるということだ。
【0133】
或る更なる実施形態では、チャンバは不透明である。或る更なる実施形態では、チャンバは半透明である。或る更なる実施形態では、チャンバは透明である。
【0134】
チャンバが透明であることの1つの利点は、流体及びガス形成が容易に観察及び監視できることである。
【0135】
別の実施形態では、装置は測定システムを備えている。使用時、測定システムはチャンバ内のトラップされた空気又は捕集されたガス気泡の量又はレベルの読み出しを行う。
【0136】
或る好適な実施形態では、測定システムは勾配定規(gradient rule)である。
【0137】
測定システムの1つの利点は、装置のチャンバ内に存在するガスの体積が正確に測定できることである。
【0138】
別の実施形態では、装置はディスプレイを備えている。使用時、ディスプレイはチャンバ内のトラップされた空気又は捕集されたガス気泡の量又はレベルに関して行われた測定の可読表示を提供する。
【0139】
ディスプレイの1つの利点は、装置のチャンバ内に存在するガスの体積の明確な伝達である。
【0140】
装置の大きさ及び寸法は、装置を使用する必要のあるセットアップに応じて修正されてもよい。例えば、装置の大きさ及び寸法は輸血セットアップで使用する場合には縮小されることがあるかもしれない。大きさの縮小されたバブルトラップの利点は、装置内の流体損失の最小化である。
【0141】
別の実施形態では、装置は注入ポートを備えている。使用時、注入ポートはオペレータがボーラス注入を投与できるようにする。これは、極めて高い医薬品投与量が要求される場合に有用である。
【0142】
或る好適な実施形態では、注入ポートは装置の出口ポートと患者の方向にあるカニューレを介した進入点との間に配置されている。
【0143】
注入ポートが装置の出口ポートと患者の方向にあるカニューレを介した進入点との間に配置されることの利点は、信頼性の高い医薬品濃度が投与されることである。
【0144】
注入ポートが装置の出口ポートと患者の方向にあるカニューレを介した進入点との間に配置されることの別の利点は、ボーラス注入全量が患者の血流に進入することを確約されることである。
【0145】
別の実施形態では、オペレータは自動化されている。
【0146】
別の実施形態では、装置は、開位置と閉位置を有するロック掛け機構を備えている。
【0147】
或る更なる実施形態では、ロック掛け機構は入口ポートに隣接して配置されている。使用時、ロック掛け機構が開位置にあるとき、液体及び何れかの連行ガスは装置のチャンバの中へ流れる。ロック掛け機構が閉位置にあるとき、流体及び何れかの連行ガスは装置のチャンバを去ることを妨げられる。
【0148】
或る更なる実施形態では、装置は複数のロック掛け機構を備え、各ロック掛け機構の位置は互いに独立に決定される。
【0149】
ロック掛け機構又は複数のロック掛け機構の組合せの1つの利点は、流体流れが容易に制御され、1つの方向からの流れ又は1つの方向への流れを必要に応じて制止させるか又は流れ続けさせることができる、ということである。
【0150】
或る更なる実施形態では、ロック掛け機構は出口ポートに隣接して配置されている。使用時、ロック掛け機構が開位置にあるとき、装置のチャンバ内の液体及び何れかの連行ガスは細長い出口管を通ってチャンバを出て患者の方向に出口管材へ入る。ロック掛け機構が閉位置にあるとき、流体及び何れかの連行ガスは装置のチャンバに進入することを妨げられる。
【0151】
別の実施形態では、装置は剛性材料で形成されている。
【0152】
別の実施形態では、装置は展性材料で形成されている。或る好適な実施形態では、展性材料はポリマーである。
【0153】
別の実施形態では、装置は個別の構成部品で形成されている。構成部品は、使用前に完全体の装置を形成するための構築を要するだろう。
【0154】
別の実施形態では、装置は単一体ユニットとして製造可能である。
【0155】
別の実施形態では、装置は3Dプリンティングによって製造される。別の実施形態では、装置は射出成形によって製造される。
【0156】
別の実施形態では、以上に記載の装置は足部を備えている。
【0157】
別の実施形態では、足部はクランプデバイスを備えており、クランプデバイスは装置を表面へ固定的に取り付ける働きをする。
【0158】
使用時、足部のクランプデバイスを働かせることによる表面への装置の取り付けは、確実に装置を固定位置へ入れ、安定性をもたらす。
【0159】
別の実施形態では、表面は、衣類、ベッドシーツ、IVポール、又は他の付近の構造物から選択される。
【0160】
発明の別の態様では、入口ポート、出口ポート、及び入口ポートと出口ポートの間に配置されたディフューザ、を有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングを備える装置であって、ディフューザが少なくとも1つの孔を備えている、装置が提供されている。
【0161】
使用時、気泡は、流体流れの諸パラメータの下に、当該ディフューザの少なくとも1つの孔を通ってチャンバの中へ進む。この実施形態では、当該ディフューザの少なくとも1つの孔は、液体と液体中に連行されたガス気泡から構成されるチャンバに進入する流体へ代わりの運動方向を付与する。
【0162】
ディフューザの利点は、流体が入口管から装置のチャンバの中へ到着する速度を遅くすることである。
【0163】
或る更なる実施形態では、少なくとも1つの孔はディフューザの最も上の部分に位置づけられている。
【0164】
この実施形態では、少なくとも1つの孔の位置づけは、ガス気泡がチャンバの最も上の外側部分に向かう略上方移動運動でチャンバに進入するように促す。
【0165】
或る更なる実施形態では、ディフューザは複数の孔を備えている。
【0166】
複数の孔を有することの1つの利点はエアロッキングの発現の減少である。したがって、チャンバに進入する流体流れ及び流体圧力は維持される。
【0167】
別の実施形態では、ディフューザは複数の孔を備え、それらの孔はディフューザの周囲を周って間隔を空け略放射状配列に配置されている。
【0168】
間隔を空けて略放射状配列に配置された複数の孔を有することの利点は、装置が動かされて向きが変わったとしても、少なくとも1つの孔はディフューザ上で概ね最も上の位置に留まることである。したがって、チャンバに進入するガス気泡はなおもチャンバの最も上の外側部分に向かって略上方運動で進むことができる。
【0169】
或る更なる実施形態では、ディフューザは、入口ポートの周りに配置された流入管の形を呈している。
【0170】
或る更なる実施形態では、ディフューザの流入管は細長い。
【0171】
流入管の長さを延ばすことの1つの利点は、複数の孔が存在する場合の構造的安定性を改善することである。
【0172】
或る更なる実施形態では、流入管は複数の流入管を形成しており、各流入管は半径方向にチャンバの外側部分に向かって延びている。
【0173】
別の実施形態では、ディフューザの複数の孔は、入口ポートからディフューザに到着する気泡の大きさに対比してより小さい。使用時、より大きい気泡は、流体流れの諸パラメータの下に、当該ディフューザの複数の小孔を通って推し進められるので、ディフューザに到着するより大きい気泡は当該ディフューザの複数の小孔を通過してしまえば複数のより小さい気泡になる。チャンバ内に存在する複数のより小さい気泡は、次いで、第1のダイバータによってチャンバの外側部分に向かって案内される。
【0174】
ディフューザが入口ポートからディフューザに到着する気泡の大きさに対比してより小さい複数の孔を備えることの1つの利点は、入ってくる流体中に連行されたより大きい気泡が、チャンバに進入する前にディフューザによっていくつかのより小さい気泡へ割られることである。これらのより小さい気泡は、ドラグに曝される表面積が小さくなった最適な大きさであり、したがって液体を通ってより速く移動し、つまりそれらがチャンバの外側部分まで一段と速く移動し、ひいては細長い出口管の取入端から離れてより速く迂回されることを可能にする最適浮力特性を示す、ということを意味する。
【0175】
ディフューザの別の利点は、結果として得られるより小さい気泡が、気泡当たりガス体積全体を減少させていることである。特に小さい気泡は液体中に懸濁したままであり得る。これらの特に小さい気泡は、身体によってより容易に吸収されるものと考えられる。可能性としては低いが、万一、気泡がチャンバからの抜け道を見つけて出口管を経て装置を使用する患者の循環系へ入った場合に、脈管構造に存在する空気の関連リスクは大いに軽減される。
【0176】
別の実施形態では、装置は、流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適している。
【0177】
発明の別の態様では、入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングを備える装置であって、チャンバが少なくとも1つの表面を備え、チャンバの少なくとも1つの表面の一部分がチャンバ内の気泡及び気泡の運動を制御するのに適した表面処理を備えている、装置が提供されている。
【0178】
使用時、気泡がチャンバの少なくとも1つの表面の表面処理を備えた部分に接触したとき、気泡はチャンバの表面の表面処理を備えた当該部分に付着するか又は当該部分から剥がれる。
【0179】
別の実施形態では、表面処理は、内部表面の表面処理を備えた部分への気泡の付着を促す。
【0180】
別の実施形態では、表面処理は、内部表面の表面処理を備えた部分からの気泡の剥がれを促す。その結果、使用時、気泡はチャンバ内に存在する体積流体内で自由浮動気泡となる。
【0181】
別の実施形態では、少なくとも1つの内部表面はダイバータである。
【0182】
発明の別の態様では、入口ポート、出口ポート、及び選択的に透過性の膜を有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングを備える装置が提供されている。
【0183】
或る更なる実施形態では、選択的に透過性の膜は、ガス不透過性液体透過性の膜を備えている。
【0184】
或る更なる実施形態では、選択的に透過性の膜は、ガス透過性液体不透過性の膜を備えている。
【0185】
或る更なる実施形態では、ガス不透過性液体透過性の膜は、出口ポートに位置づけられている。
【0186】
使用時、チャンバ内の液体は、チャンバからガス不透過性液体透過性の膜を通って出てゆくことができる一方、ガス気泡は装置のチャンバ内に留まる。
【0187】
或る更なる実施形態では、装置は通気ポートを備えている。或る更なる実施形態では、ガス透過性液体不透過性の膜は通気ポートに配置されている。
【0188】
使用時、チャンバ内に捕集されたガスは通気ポートのガス透過性液体不透過性の膜を通過することができる一方、チャンバ内の液体は通気ポートを介してチャンバを出てゆくのを妨げられる。
【0189】
ガス透過性液体不透過性の膜の1つの利点は、解放手段が何も必要なく、したがって当該解放手段を監視したり切り替えたりすることも不要であることだ。追加の行為も自動化の必要性もなしにガスはチャンバから自動的にパージされる。
【0190】
チャンバと通気ポートの間に位置づけられたガス透過性液体不透過性の膜の別の利点は、チャンバ内の液体が通気ポートを通ってチャンバを出てゆくのを防ぎ、ひいては喪失液体を最小限に抑え、無駄遣いを減らし、使用コストを削減することである。
【0191】
別の実施形態では、装置は流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適している。
【0192】
別の実施形態では、装置はIV点滴セットアップでの使用に適している。
【0193】
発明の別の態様では、入口ポート、出口ポート、及びフィルタ、を有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングを備える装置が提供されている。
【0194】
別の実施形態では、フィルタ膜は入口ポートと出口ポートの間に配置されている。
【0195】
細菌や固体微粒子物質が患者へ投与されるべき液体へ入り込む道筋を見つけるかもしれない。微粒子物質の例には、例えば、開いているガラスアンプルからのガラス粒子、ゴムストッパからの粒子、又は非経口栄養成分の集塊物、薬物不適合反応物(drug incompatibility reactions)、液体溶液調製時の不完全な再構成、及び他の薬物調合問題からの粒子が挙げられる。患者へ送達するための液体溶液の細菌及び微粒子混入は、その様な混入物が患者の血流まで行きついてしまったなら患者介護上の合併症を引き起こしかねない。
【0196】
フィルタ膜の或る利点は、細菌や微粒子を捕捉し、それらが装置のチャンバを出るのを防ぎ、ひいてはそれらが患者の血流に進入するのを防ぐことである。
【0197】
別の実施形態では、フィルタ膜は出口ポートに当接している。
【0198】
別の実施形態では、装置は流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適している。
【0199】
別の実施形態では、装置はIV点滴セットアップでの使用に適している。
【0200】
発明の別の態様では、以上に記載の装置であって、回路内に配設されている装置が提供されている。
【0201】
輸血セットアップは、典型的には、回路内に配設される。以上に説明されているバブルトラップは概して回路を形成しないIV点滴の文脈で説明されているが、バブルトラップは輸血セットアップでの使用に適合され得るものと理解されたい。
【0202】
発明の別の態様では、以上に記載の装置であって、直列に配列された複数のチャンバを備える装置が提供されている。
【0203】
直列に配列された複数のチャンバを設けることの利点は、気泡のトラッピング及び除去が数回繰り返され得るということであり、つまりバブルが患者の血流に進入するリスクが更に軽減されることを意味する。
【0204】
更なる実施形態では、複数のチャンバのそれぞれは相互接続式管材を用いて互いへ接続可能である。
【0205】
発明の別の態様では、静脈内ラインキットであって、少なくとも1つの静脈内点滴バッグと、少なくとも1つの点滴筒と、近位端及び遠位端を有する少なくとも1つの供給管と、バブルトラップと、流れ制御手段と、少なくとも1つのクランプと、カニューレと、を備え、バブルトラップがダイバータを備えている、静脈内ラインキットが提供されている。
【0206】
或る更なる実施形態では、バブルトラップは、以上に説明されている本発明の装置を備えている。
【0207】
本発明の装置は、IV点滴セットアップ内での使用に適しているだろう。装置は、一次IV管材、二次管材、又は延長管材の長さに沿った何れかの点に組み入れることができるだろう。
【0208】
或る更なる実施形態では、本発明の装置のための好適な位置は、IV点滴セットアップではカニューレの直前である。
【0209】
別の実施形態では、本発明の装置のための位置は、IVポンプアラームシステムの様な気泡監視デバイスの手前である。
【0210】
発明の別の態様では、静脈内ラインキットであって、少なくとも1つの静脈内点滴バッグと、少なくとも1つの点滴筒と、近位端及び遠位端を有する少なくとも1つの供給管と、バブルトラップと、流れ制御手段と、少なくとも1つのクランプと、カニューレと、を備え、バブルトラップがディフューザを備えている、静脈内ラインキットが提供されている。
【0211】
発明は、添付図面に関連づけて一例として与えられているいくつかの実施形態についての以下の説明からより明確に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0212】
【
図1】典型的なIV点滴セットアップの略図である。
【
図2】本発明に係る装置の3Dレンダリングによる外部正面図である。
【
図3】本発明に係る装置の3Dレンダリングによる展開図である。
【
図4】本発明に係る装置の、その構成部品を示す解体図である。
【
図6】垂直平面に保持された本発明に係る装置の略図である。
【
図7】本発明の1つの実施形態に係る、シングルダイバータを備える装置の略図である。
【
図8】本発明の1つの実施形態に係る、デュアルダイバータを備える装置の略図である。
【
図9】本発明の1つの実施形態に係る装置の断面図である。
【
図12】本発明の1つの実施形態に係る装置の3Dレンダリングによる側面図である。
【
図14】IV管での典型的な気泡形成パターン及び観察され得る特性を示している。
【
図15】温度及び流量に対応したガス体積を示すグラフである。
【
図16】ガス体積対バッグ温度の相関を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0213】
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る、全体を符号200で示された装置が提供されている。装置200は、ハウジング202、入口ポート204、及び出口ポート206を備えている。入口ポート204には入口管材208が接続されていることが示され、出口ポート206には出口管材210が接続されていることが示されている。この実施形態では、通気ポート212が示されている。
【0214】
ガス気泡を備える流体は、入口管材208に沿って進み、入口ポート204を通って装置200の中へ移動する。流体中に連行された気泡は、デバイスの最上部の最も外側の部分まで上昇する。この実施形態では、トラップされた空気は、次いで、通気ポート212を介してシステムから排出される。実質的に気泡不含の流体が出口ポート206経由で装置200を出て、出口管材210に沿って装置200から離れて進む。
【0215】
この実施形態では通気ポート212が存在しているが、その様な特徴は、流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するという目的にとって必須ではないと理解されたい。通気ポート212の存在は好適な特徴であるが、本発明の装置200は通気ポート212なしに一定時間作動することもできる。よって、本発明は通気ポート212の包含に限定されるものではない。
【0216】
入口管材208及び出口管材210が示されているが、この実施形態ではその様な管材は、必ずしも装置200それ自体の一体部分であるとは限らず、IV点滴セットアップ又は類似物内に見つけられ得る典型的な管材を指していて、ひいてはどの様に装置200が使用されるかについての文脈を提供している。入口管材208及び出口管材210は装置200の一部ではないと記載されているとはいえ、代替実施形態では入口管材208及び出口管材210は装置へ一体化されていて、全体としての装置200の一部を形成しているものと理解されたい。
【0217】
これより
図3を参照すると、装置の分解斜視図が示されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置200は、入口ポート204及び出口ポート206を有するチャンバ302を形成するハウジング202を備えている。装置200は更に細長い出口管304を備え、細長い出口管304の取入端306はチャンバ302内で中央に位置づけられている。細長い出口管304の取出端308は、出口ポート206へ接続されていることが示されている。この実施例では、通気ポート212も示されている。前述同様に、代替実施形態は通気ポート212なしの装置を備えることもできる。
【0218】
これより
図4を参照すると、装置の構成部分の解体図が提供されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置200は、構築時にチャンバ302を形成するハウジング202を備えている。装置200は更に、入口ポート204、出口ポート206、取入端306及び取出端308を備える細長い出口管304、及びダイバータ402を備えている。細長い出口管304の取入端306は、構築時にはチャンバ302内で中央に位置づけられ、細長い出口管304の取出端308は出口ポート206へ接続される。
【0219】
これより
図5を参照すると、使用時の装置の略図が提供されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置200は、チャンバ302を画定しているハウジング202、入口ポート204、出口ポート206、及び、取入端306と取出端308を有する細長い出口管304を備えている。この実施形態では、入口ポート204へ接続された入口管材208と出口ポート206へ接続された出口管材210が提供されている。ダイバータ402は、ベース部分502及びリム504を備えていることが示されている。この実施形態では、ダイバータ402が装置200のチャンバ302内で中央に浮かされるようにしてダイバータ402と入口ポート204は離間されている。この実施形態では、ダイバータ402のどの部分も細長い出口管304の取入端306を越えて延びないようにしてダイバータ402と細長い出口管304の取入端306は離間されている。
【0220】
或る代替実施形態では、入口管材208又は出口管材210が存在していないこともある。
【0221】
或る代替実施形態では、ダイバータは、ダイバータをチャンバのハウジングへ固定してその場に保持させる少なくとも1つのテザーを備えている。
【0222】
使用時、流体は入口ポート204を介して装置200のチャンバ302の中へ到着する。気泡は、ダイバータ402によって、細長い出口管304から離れて装置200のチャンバ302の外側の部分に向かって迂回される。チャンバ302の中へ到着する流体は、流体流れの第1の方向を有しており、ダイバータ402と接触するや、流体流れへの異なる方向が付与される。流体流れの異なる方向は概してダイバータ402の輪郭をなぞり、結果的に流体はその中の連行ガス共々チャンバ302の外側部分に向かって押し進められる。チャンバ302の中へ到着した流体がダイバータ402と接触したとき、流体速度は低速化される。流体速度の低速化は、気泡が細長い出口管304から離れて装置のチャンバ302の外側部分に向かって動くことのできる引き延ばされた時間枠を可能にさせる。今や実質的に気泡不含となった流体は、ダイバータ402と細長い出口管304の取入端306の間に集まる。実質的に気泡不含の流体は、チャンバ302内で中央に位置し、チャンバ302の外側部分に沿って動く流体よりゆっくりと動いてゆくことが理解されるだろう。実質的に気泡不含の流体は、出口ポート206を介して装置200を出て、出口管材210に沿って装置200から離れて進む。
【0223】
これより
図6を参照すると、垂直に保持された装置の略図が提供されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置は、入口ポート204を有するチャンバ302を形成しているハウジング202、入口ポート204へ接続された入口管材208、ベース部分502及びリム504を有するダイバータ402、その取入端306がチャンバ302内で中央に位置づけられている細長い出口管304、及び出口ポート206へ接続された出口管材210を備えている。実質的に気泡不含の流体が、出口ポート206を介して装置200を出て、出口管材210に沿って装置200から離れて進む。
【0224】
この実施形態では、入口ポート204及び入口管材208が装置200の最も下の部分に配置されるようにして装置200は実質的に垂直な平面に保持されている。
【0225】
この実施形態では、ダイバータ402のリム504は細長い出口管304の取入端306を越えて延びている。その様な設計は、気泡が細長い出口管304の取入端306から離れて方向決めされたままになるのを更に確約するはずである。
【0226】
使用時、流体及び連行ガスは共に入口管材208を通って上向きに移動し、チャンバ302の底に配置されている入口ポート204を介してチャンバ302に到着する。流体及び連行ガスは、チャンバ302を通って上向きに進んでゆくとダイバータ402に接触する。ダイバータ402は、流体及び連行ガスの流れの第1の方向を遮り、流体及び連行ガスの方向に変化を生じさせ、流体及び連行ガスを元の経路(又は流れの第1の方向)から離れてチャンバ302の外側部分に向かって迂回させる。流体及び連行ガスの流れの第1の方向を遮ることによって、ダイバータ402は流体速度を低速化させ、その結果、連行ガス気泡も低速化する。これは、ガス気泡の膜へ加えられる外力に変化を生じさせ、浮力が支配的な力となるようにする効果を有する。浮力が支配的な力となることで、連行ガス気泡はチャンバ302の最も上の外側部分に向かって進む。
【0227】
これより
図7を参照すると、本発明の別の実施形態に係る装置が提供されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置700は、入口ポート204及び出口ポート206を有するチャンバ302を形成しているハウジング202、チャンバ302内で中央に位置づけられている取出端704及び入口ポート204へ接続されている取入端706を有する流入管702、チャンバ302内で中央に位置づけられている取入端306及び出口ポート206へ接続されている取出端308を有する細長い出口管304、及び、ベース部分502及びリム504を有するダイバータ402を備えている。
【0228】
この実施形態では、ダイバータ402のベース部分502の少なくとも一部分はテザー708によって流入管702の取出端704へ接続されていて、ダイバータ402のリム504の少なくとも一部分はテザー708によって細長い出口管304の取入端306へ接続されている。
【0229】
これより
図8を参照して、本発明の、デュアルダイバータを備える別の実施形態に係る装置800が提供されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置800は、入口ポート204及び出口ポート206を有するチャンバ302を形成しているハウジング202、チャンバ302内で中央に位置づけられている取出端704及び入口ポート204へ接続されている取入端706を有する流入管702、チャンバ302内で中央に位置づけられている取入端306及び出口ポート206へ接続されている取出端308を有する細長い出口管304、及び、ダイバータつまりベース部分502及びリム504を有する第1のダイバータ402とベース部分804及びリム806を有する第2のダイバータ802を備えている。
【0230】
この実施形態では、第1のダイバータ402のベース部分502の少なくとも一部分はテザー708によって流入管702の取出端704へ接続されていて、第2のダイバータ802のリム804の少なくとも一部分はテザー708によって細長い出口管304の取入端306へ接続されている。この実施形態では、第2のダイバータ802のリム804は、細長い出口管304の取入端306を越えて延びている。
【0231】
これより
図9を参照すると、装置の断面図が提供されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置は、入口ポート204及び出口ポート206を有するチャンバ302を形成しているハウジング202、チャンバ302内で中央に位置づけられている取出端704及び入口ポート204へ接続されている取入端706を有する流入管702、チャンバ302内で中央に位置づけられている取入端306及び出口ポート206へ接続されている取出端308を有する細長い出口管304、及び、ダイバータつまり第1のダイバータ402を備えている。ダイバータ402はチャンバ302内に区画を画定しており、ダイバータ402はベース部分502及びリム504を有している。この実施形態では、流入管702の取出端704はダイバータ402のベース部分502に当接している。ダイバータ402のリム504は、ダイバータ402のベース部分502と細長い出口管304の取入端306の間に配置されている。この実施形態では、装置は更にディフューザ902を備え、ディフューザ902は複数の孔の形状を呈している。この実施形態では、ディフューザ902は少なくとも3つの孔904、906、908を備え、第1の孔904は上向きにチャンバ302の中へ抜け出ており、第2の孔904は下向きにチャンバ302の中へ抜け出ており、第3の孔908は真っ向からチャンバ302の中へ抜け出ている。この実施形態では3つの孔904、906、908が示されているが、それのことが本発明を何らかのやり方で限定していると読まれてはならない。発明の他の変形型は任意の数の孔を備え得るものと理解されたい。
【0232】
この実施例では、ダイバータ402のリム504が細長い出口管304の取入端306を越えて延びないようにして、ダイバータ402と細長い出口管304の取入端306は離間されている。
【0233】
この実施形態では、装置は、チャンバの中へ延びていてディフューザ902に当接している流入管702を備え、ディフューザ902はというとダイバータ402のベース部分502に当接している。
【0234】
或る代替実施形態では、ダイバータ402のリム504は細長い出口管304の取入端306を越えて延びていてもよい。その様な設計は、気泡が細長い出口管304の取入端306から離れて方向決めされたままになるのを更に確約するはずである。流入管702の代わりの配設も実施可能である。
【0235】
使用時、流体は、入口ポート204を介して到着し、ディフューザ902を経由し複数の孔904、906、908を通って装置900のチャンバ302に進入する。次いで、ガス気泡は、第1のダイバータ402によって、細長い出口管304から離れて装置200のチャンバ302の外側部分に向かって迂回される。入口ポート204からディフューザ902に到着する流体は、流れの第1の方向を有しており、ディフューザ902を通過するや、流れの異なる方向が付与される。チャンバ302内のディフューザ902後の流体は、流体流れの第1の方向を有しており、第1のダイバータ402に接触するや、流体流れの異なる方向が付与される。ダイバータ402によって付与される流体流れの異なる方向は概してダイバータ402の輪郭をなぞり、結果的に流体はその中の連行ガス共々チャンバ302の外側部分に向かって押し進められる。チャンバ302内のディフューザ902後の流体がダイバータ402と接触したとき、流体速度は低速化される。流体速度の低速化は、気泡が細長い出口管304から離れて装置200のチャンバ302の外側部分に向かって動くことのできる引き延ばされた時間枠を可能にさせる。気泡の形態をしている連行ガスはチャンバ302内の流体の体積を通過し、気泡の外側表面に作用する摩擦が増加し、その結果、軌道が改変されて、浮力が支配的な力となって気泡をチャンバ302の最も上の外側部分へ向かって進ませることになる。今や実質的に気泡不含となった流体は、ダイバータ402と細長い出口管304の取入端306の間に集まる。実質的に気泡不含の流体は、チャンバ302内で中央に位置し、チャンバ302の外側部分に沿って動く流体よりゆっくりと動いてゆくことが理解されるだろう。実質的に気泡不含の流体は、次いで、細長い出口管304の取入端306へ引き入れられ、出口ポート206を介してチャンバ302を出て、装置900から離れてゆく。
【0236】
これより
図10を参照すると、
図9の実施形態に係る装置の斜視図が提供されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置900は、チャンバ302内で中央に位置づけられている取出端704及び入口ポート204へ接続されている取入端706を有する流入管702、ディフューザ902、ベース部分502及びリム504を有するダイバータ402、及び、取入端306及び取出端308を有する細長い出口管304を備えている。流入管702はディフューザ902の一部分に当接するように配置され、ディフューザ902はダイバー
タ402の一部分に当接するように配置されている。
【0237】
この実施形態では、ディフューザ902は、ディフューザ902の周囲を周って間隔を空け略放射状配列に配置された複数の孔の形状を呈している。
【0238】
使用時、流体及び流体中の連行ガスは、流入管702を介してディフューザ902に到着する。流体及び連行ガスはディフューザ902の複数の孔を通過する。流体中に連行されたガス気泡は、概して、上向きの方向に上昇する固有の傾向に因りディフューザ902の最も上を向いている孔を通過する一方、残りの流体はディフューザ902の孔のどれか1つ又はそれ以上を通過する。流体及び連行ガスがディフューサ902を通過したら、流体及び連行ガスはダイバータ402に接触する。ダイバータ402は流体及び連行ガスの流れの第1の方向を遮り、流体及び連行ガスの方向に変化を生じさせ、流体及び連行ガスを元の経路(又は流れの第1の方向)から離れて概して外向きの方向に細長い出口管304の取入端306から離れるように迂回させる。流体及び連行ガスの流れの第1の方向を遮ることによって、ダイバータ402は流体速度を低速化させ、その結果、連行ガス気泡も低速化する。これは、ガス気泡の膜へ加えられる外力に変化を生じさせ、浮力が支配的な力となるようにする効果を有する。浮力が支配的な力となることで、連行ガス気泡は、概して外向き上向きの方向に、細長い出口管304の取入端306から離れて進む。
【0239】
これより
図11を参照すると、全体を符号900で表された、
図10の実施形態に係る装置が提供されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置1000は、流入管702、ディフューザ902、ベース部分502及びリム504を有するダイバータ402、及び、取入端
306及び取出端308を有する細長い出口管304を備えている。
【0240】
図11Aでは、流入管702は、少なくとも1つの孔を備えるディフューザ902を形成しているテザー708によってダイバータ402の一部分へ接続されるように配置されている。
【0241】
図11Bでは、流入管702、ディフューザ902、及びダイバータ402は一体化されて少なくとも1つの孔を形成している。
【0242】
図11Cでは、流入管702、ディフューザ902,及びダイバータ402は一体化されて複数の孔を形成している。この実施形態では、3つの孔が見える。
【0243】
これより
図12を参照すると、全体を符号1200で表された、本発明の別の実施形態に係る装置が提供されている。以上に説明されている特徴と同様の部分は同じ参照符号を与えられている。装置1200は、ハウジング202、入口ポート204、及び出口ポート206を備えている。この実施形態では、装置は通気ポート212及び足部1202を備えていることが示されている。足部1202はハウジング202の一部分へ接続されている。足部1202は、そうしないと全体的に球形になってしまう装置を実質的に平坦な表面に置くのに使用できる。代わりに、足部1202は、装置を患者、ベッド、枕、又はIV点滴セットアップ100の何れかの部分の様な表面へ固定するための手段として使用することもできるだろう。
【実施例0244】
実施例
製品ニーズ評価
製品の設計及び開発を支援するうえで、問題の規模を完全に理解し、医療分野における現在の制限事項を評価し、より的を絞った解決策を届けるためには、更なる情報が必要であると判断された。
【0245】
方法
危惧レベルと解決策への何らかの最終的興味を見極めることに注力して簡単なアンケートが考案された。各アンケートは10の質問から構成され、スタッフは最も該当する記述を選択肢から選ぶように依頼された。物差しが提供され(
図13)、自由記述式コメント欄も設けられた。
【0246】
病院全体を通してアンケート50部が配布され、47部のサンプルが全項目記入されて戻り、様々な部署に亘って、比率は看護師からが56%であり、残り44%は医師からであった。
【0247】
結果
合計97%のスタッフが、IVライン内の気泡について、或る程度懸念する又はひどく懸念すると答えた。76%のスタッフが、ポートを開いて幾らかの液体を抜くことによって又は手作業でのシリンジングによって気泡を除去している。合計58%のスタッフが、気泡の除去はどれほど多くの流体がプロセスで失われるかよりも重要であると答えた。
【0248】
気泡の大きさに関する懸念について尋ねたところ、53%のスタッフが長さ5mmまでの気泡を除去したいと思っていた。合計65%の回答者が、医学的緊急事態の状況での気泡を目撃しており、医学的緊急事態においてすべての気泡を見ることができると答えたスタッフは16%だけだった。
【0249】
気泡は、非加温流体での目撃(44%)と同様に加温処置でも目撃されていた(54%)。
【0250】
合計89%の回答者が、要求される監視を最小限にするために、新しいバブルトラップデバイスを場合により使用したい又は常に使用したいということだった。
【0251】
小児ケアは優先度が高いことが確認された。
【0252】
結論
常時監視の必要性の軽減化を可能にするバブルトラップであって、更に、費用効率が高く、使用が簡単(即ち、要求される訓練は最小限)で、付きまとう流体物質の無駄遣いを減らし、幾通りもの位置で使用でき、限定するわけではないが非経口栄養補給、流体輸注、及び加温IVラインの様な各種輸注処置と共に使用するのに適したバブルトラップの必要性が存在する。
【0253】
概念実証
ラインの設置位置、高さ、方向、及び発達したガスの体積に応じた合体やポケッティングの様な気泡形成パターンが観察された。温帯と流量を調節して、それぞれがIVラインでの気泡の形成に果たす役割が識別された。
【0254】
様々な条件下での管内の気泡のふるまいを観察するために、典型的なIV配設がセットアップされた。流体は、様々な異なる流量設定及び異なる温度設定の下に管を通って輸注され、大きさ/体積、場所、規則性、留まりと剥がれを含むふるまい、合体、及び他の有意なふるまいを、を含む気泡形成の観察がなされた。
【0255】
図14は、IV管での典型的な気泡形成パターン及び観察され得る特性を示している。大きな気泡(A=8mm)は流れの方向に移動することが示されている。気泡(B=1mm)及び気泡(C=2mm)は、大きさがより小さく、管の表示されている場所の内部壁の固定位置に留まることが観察されている[ペイン1]。より小さな気泡(B)(C)は、より大きな気泡(A)によって捕集され、より大きな気泡(A)の前端にて力の下に押されてゆく[ペイン2]。気泡(B)(C)の構造は当初は維持される。管に沿って更に進んだ場所にて、気泡は合体して単一気泡(ABC=11mm)になった[ペイン3]。行われた測定から、この時点で1つになった気泡(ABC)の体積は今や増加していることが注目される。観察されている様に、IV管内ではガスの大きい気泡又は小さい気泡が自然に形成され、又は、同等の気泡又はより大きい気泡はIV管材の流体流内を移動しながらより小さい気泡を捕集してゆく。(図示されていないが)同じく観察されることとして、より小さい気泡も流体流内を自由に移動し、常に管内に貼り付くとは限らなかったが、観察されたより小さい気泡は非常にしばしば内部管表面へ貼り付く傾向があった。これらは、管を軽くはじくか又は動かすことによって及びより大きい気泡によって剥がされた。より大きい気泡は流体流によってより容易に押されてゆくと結論づけられた。
【0256】
得られたデータは、変数間の関係をプロットすることによって更に分析された。
図15では、ガス体積が開始点での液体の温度に関連づけて図表的に(四角で)示されている。データの多項式近似曲線が形成され、その結果、2つの山又は谷に因る次数3形状が得られた。これは、概して、ガス体積のデータ点の方向は温度が下がるにつれて上に向かってゆくように見えることを示唆している。x値とy値の間の信頼度因子を測る得られた信頼度因子「R
2」は0.858であることが示されており、これは1に近く、値が高レベルの直線信頼度を有することを示唆している。これは、実験で目撃された、液体の温度が上がるにつれてガスレベルが上がるという温度による体積効果と一致している。
【0257】
図15の流量対ガス体積線(ひし形)は、値の一貫性のない散乱のせいで図表的に非常に不規則な形状を形成している。このグラフの近似曲線は立ち上がり立下りの山形状つまり次数2多項式を示している。得られる信頼度値は0.087であり、これはデータがあてにならないことを示すものであり、つまりは直線関係y=mx+cに基づく信頼できる予測ではないことを意味する。これは、試験中に示された、流量に因り発達するガスの体積は容易に予測できるパターンを持たないと判定されるところの傾向に従っている。
【0258】
図15はガス体積を温度(四角い点)及び流量(ひし形の点)に対応して示している。
【0259】
図16はガス体積(暗いグレー;斑点)対バッグ温度(明るいグレー;斜線)の相関を示している。
【0260】
これらの実験で発生した最も高いガス体積(2.4mls/1000mls)は、ラインからのガスを捕捉するためのデバイスの体積要件を信頼性高く決定する上で重要である。この情報は、実験段階へ与えられる時間を検証するのに役立つ。
【0261】
試作
標準的な3Dプリンティング技法を使用して様々なダイバータ設計の試作品が製作された。これらの結果として得られた試作品は、次いで、試作品設計の適切性つまり信頼性と使い易さを判定するべく策定された様々な試験を受けた。
【0262】
360配向試験
様々な処置中は日常的にIVラインが動かされるせいでバブルトラップは向きと動きの完全範囲を通して有効に作動しなければならないことが、製品ニーズ評価から確認された。こうして、試作品は360度を通してすべての向きで試験され、実験を通じて示唆された最大値脱気体積をはるかに超えるガスを保持する能力が示された。
【0263】
加温システムでは、脱気の発生率が非加温システムで観察されるよりも優勢であるため、体積脱気容量研究は加温流体を使用して行われた。
【0264】
最大値レベルが試験から求められ、ここに、2.4ml/1000mlの最大値示度をビルトイン係数5Xと共に用い、安全上の理由から少なくとも15mlのガス容量を許容して平均値示度が計算された。したがって、装置は、装置がそれ以上有効に機能しなくなるレベルにガスレベルが到達する前に、及びガスレベルが細長い出口管に到達する前に、15mlsまでのガスを捕集することができる。これは、流体バッグ5つまでなら同時に最大値脱気レベルで輸注できるということを意味する。
【0265】
処置に応じて、推奨ガスレベルはゼロ(例えば、小児科においては、少ない血液体積及び乳児に見られる先天性の「心臓の穴」のせいでガスは望ましくない)から健康な成人での3ml/kg体重までばらつきがあり(試験は動物で行われた)、注入空気1ml/kgからは悪影響の可能性がある。相対立する報告が多数あり、一般的には、理想的な条件では身体は或る程度のガスに耐えられる(基礎疾患のないことが前提)ということが受け入れられているが、可能ならどの患者についてもガスは進入しないことが望ましい。最近の研究は、ガス気泡が静脈系に進入するのを防ぐことの理由として、脈管構造の内皮グリコカリックス層への損傷を挙げている。
【0266】
方法
IVラインのタップが閉じられ、ホットラインL1は実験全体を通じてオフのままにされ、実験を妨げかねない不要なガス発生が回避されるようにする。IV点滴バッグがIVスタンドの一番上から吊られ、IVラインへ接続される。試験を受ける試作品は、ルーメンラインの患者に最も近い端へ接続され、延長ラインが試作品のもう一方の端へ接続される。次に、クレーブコネクタがガス抽出ポートへ取り付けられる。紙の上に45度、90度、180度、225度、270度、315度、及び360度の角度の線が描かれ、その紙が平坦な垂直の表面へ取り付けられる。プラスチック容器が水で満たされる。小型のメスシリンダが水で満たされ、アタッチメントを使用してメスシリンダがプラスチック容器へ接続されることを確実にする。延長ラインの端がメスシリンダの中へ設置されたうえで、メスシリンダはシリンダから一滴も液体が逃げないように素早くプラスチック容器の中へひっくり返され、メスシリンダのアタッチメントが容器のリムに完全に載って、実験中は確実にシリンダが垂直のままであるようにする。逆さまになったメスシリンダでのガスの初期示度(ゼロ)が読み取られ、記録される。次いで、バッグから液体が流れるのを許容するようにタップがオンにされ、確実に液体が最大可能流量にあるようにする。試験を受ける試作品のチャンバにトラップされたガスが、クレーブコネクタを介して差し込まれたシリンジを使用して除去される。ガスすべてが抽出されたら、ラインの試作品部分が、前もって紙に描かれた45度の角度の線に平行になるようにして平坦な垂直の表面へ取り付けられる。シリンジが1mlの空気を充填され、ホットラインL1に隣接するIVラインの中へ注入され、その結果、ガスが試作品に向かって流れる。試作品を通過して延長ラインへ入るガスが観察され、メスシリンダ内に集まったガスの値が記録される。ガスが観察されなければ、値は0と記録される。実験は、空気の体積を1mlの増分で上げながら20mlまで繰り返され、次いで、次の角度即ち、90度、180度、225度、270度、315度、及び360度のそれぞれについて繰り返される。
【0267】
「備える」と「含む」という用語及び文法上の理由から必要とされるそれらの何れかの変型は、入れ替え可能であると考えられ、でき得る限り最も広範な解釈を与えられるものとする。
【0268】
理解しておきたいこととして、図面の何れかに示されている構成要素は必ずしも縮尺を合わせて描かれているとは限らず、またいくつかの図面に示されている同様の部分は同じ参照符号で表されている。
【0269】
更に理解しておきたいこととして、実施形態の何れかからの特徴は代替的な記載実施形態と組み合わされてもよく、その様な組み合わせは、以上に明示的に記載されていなくても、当業者によって技術的に実施可能であることが理解されるはずである。発明は以上に記載の実施形態に限定されるものでなはく、実施形態は構造と詳細事項の両方において変えられてもよい。
【0270】
発明はIV点滴セットアップでの使用の文脈で説明されているが、本発明のデバイスは、他の用途での使用、例えば限定するわけではないが輸血装置や連行ガスが除去、捕捉、又は排出を必要とする何れかの他の流体治療セットアップなどでの使用に適合され得る。
発明はIV点滴セットアップでの使用の文脈で説明されているが、本発明のデバイスは、他の用途での使用、例えば限定するわけではないが輸血装置や連行ガスが除去、捕捉、又は排出を必要とする何れかの他の流体治療セットアップなどでの使用に適合され得る。
〔態様1〕
流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適した装置において、前記装置は、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジグと、
前記入口ポートと前記出口ポートの間に配置されたダイバータと、
取入端(intakeend)及び取出端(exportend)を有する細長い出口管と、を備え、
前記細長い出口管の前記取入端が前記チャンバ内で中央に位置づけられ、前記細長い出口管の前記取出端が前記チャンバの前記出口ポートへ接続されている、装置。
〔態様2〕
態様1に記載の装置において、
前記ダイバータはベース部分とリムを備えている、装置。
〔態様3〕
態様2に記載の装置において、
前記ダイバータは区画を画定している、装置。
〔態様4〕
態様2又は態様3に記載の装置において、
前記細長い出口管の前記取入端は前記ダイバータの前記区画内で中央に位置づけられている、装置。
〔態様5〕
態様2から態様4の何れか一項に記載の装置において、
前記ダイバータの前記リムは前記細長い出口管の前記取入端を越えて延びている、装置。
〔態様6〕
上記態様の何れか一項に記載の装置において、
前記装置はディフューザを備えている、装置。
〔態様7〕
上記態様の何れか一項に記載の装置において、
前記ダイバータは丸い輪郭の形状を呈している、装置。
〔態様8〕
上記態様の何れか一項に記載の装置において、
前記装置は少なくとも1つの内部表面を備え、前記少なくとも1つの内部表面の一部分は表面処理を備えている、装置。
〔態様9〕
態様8に記載の装置において、
前記表面処理は前記チャンバ内の気泡及び気泡の運動の制御に適している、装置。
〔態様10〕
上記態様の何れか一項に記載の装置において、
取入端及び取出端を有する細長い流入管が設けられており、前記取出端は前記チャンバ内で中央に位置づけられている、装置。
〔態様11〕
態様6に記載の装置において、
前記細長い流入管の一部分は前記ダイバータに当接している、装置。
〔態様12〕
装置であって、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングと、
ディフューザと、を備えている装置。
〔態様13〕
態様12に記載の装置において、
前記装置は流体中に連行されたガス気泡を分離し及び捕集するのに適している、装置。
〔態様14〕
態様12又は態様13に記載の装置において、
前記ディフューザは複数の孔を備え、前記複数の孔は前記ディフューザの周囲を周って間隔を空け略放射状配列に配置されている、装置。
〔態様15〕
装置であって、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングと、
少なくとも1つの内部表面であって、その一部分が表面処理を備えている、少なくとも1つの内部表面と、を備えている装置。
〔態様16〕
態様15に記載の装置において、
前記表面処理は前記チャンバ内の気泡及び気泡の運動の制御に適している、装置。
〔態様17〕
態様15又は態様16に記載の装置において、
前記表面処理は、前記少なくとも1つの内部表面の当該表面処理を備える前記部分への前記気泡の付着を促す、装置。
〔態様18〕
態様15から態様16の何れか一項に記載の装置において、
前記表面処理は前記処理された表面からの前記気泡の剥がれを促し、
その結果、使用時、前記気泡は前記チャンバ中に存在する体積流体内で自由浮動気泡となる、装置。
〔態様19〕
態様15から態様16の何れか一項に記載の装置において、
前記少なくとも1つの内部表面の前記部分は複数の表面処理を備え、各表面処理は、選択的に、前記少なくとも1つの内部表面の前記表面処理を備える前記部分へ前記気泡を付着させるか又は前記部分から前記気泡を剥がし、前記表面処理のそれぞれは前記気泡を付着させるか又は剥がすかを互いに独立に選択できる、装置。
〔態様20〕
態様15から態様18の何れか一項に記載の装置において、前記少なくとも1つの内部表面はダイバータである、装置。
〔態様21〕
装置であって、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングと、
選択的に透過性の膜と、を備えている装置。
〔態様22〕
装置であって、
入口ポート及び出口ポートを有する少なくとも1つのチャンバ、を画定しているハウジングと、
フィルタと、を備えている装置。
〔態様23〕
上記態様の何れか一項に記載の装置において、
前記装置はトラップされたガス気泡を当該装置からパージするのに適した少なくとも1つの通気ポートを備えている、装置。
〔態様24〕
態様23に記載の装置において、
前記通気ポートは解放手段と連結されており、前記解放手段は閉位置と開位置の間で動くように動作可能であり、
その結果、使用時、前記解放手段が前記開位置にあるときは、前記トラップされたガスは前記装置の前記チャンバから前記通気ポートを通ってパージされる、装置。
〔態様25〕
態様24に記載の装置において、
前記解放手段は自動化されている、装置。
〔態様26〕
態様23に記載の装置において、
前記通気ポートはガス透過性水不透過性の膜を備えており、
その結果、使用時、トラップされたガスは前記ガス透過性/水不透過性の膜を横断し、前記チャンバからパージされる一方、水は前記装置の前記チャンバ内に留置される、装置。
〔態様27〕
上記態様の何れか一項に記載の装置において、
前記チャンバは球形をしている、装置
〔態様28〕
上記態様の何れか一項に記載の装置において、
前記装置は回路内に配設されている、装置。
〔態様29〕
上記態様の何れか一項に記載の装置において、
前記装置は直列に配設された複数のチャンバを備えている、装置。
〔態様30〕
静脈内ラインキットにおいて、前記キットは、
少なくとも1つの静脈内点滴バッグと、
少なくとも1つの点滴筒と、
近位端及び遠位端を有する少なくとも1つの供給管と、
バブルトラップと、
流体流れ制御手段と、
少なくとも1つのクランプと、
カニューレと、を備え、
前記バブルトラップは、態様1から態様29の何れか一項に記載の装置を備えている、静脈内ラインキット。