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特開2023-13921傾斜構造を有する光学フィルムを備えたバックライトモジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013921
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】傾斜構造を有する光学フィルムを備えたバックライトモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20230119BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230119BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230119BHJP
【FI】
G02B5/02 C
F21S2/00 481
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022040872
(22)【出願日】2022-03-16
(31)【優先権主張番号】110126308
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521504429
【氏名又は名称】暘旭光電股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunrise Optronics Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】No.58-8,Shangqingpu,Xinwu Dist.,Taoyuan City327001,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】鄭文峰
【テーマコード(参考)】
2H042
3K244
【Fターム(参考)】
2H042BA04
2H042BA12
2H042BA20
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA01
3K244GC02
3K244GC06
3K244GC13
(57)【要約】
【課題】
本発明は、オフセット微細構造を有する拡散板を備え、光線拡散のパフォーマンスを効果的に改善できるバックライトモジュールを提供する。
【解決手段】
バックライトモジュールは、基板、複数の発光部材及び少なくとも1つの光学フィルムを含む。発光部材は、基板上にそれぞれ第1方向と第2方向に並べて配置される。光学フィルムは、第1面及び第2面を含む。第1面は、複数のテーパー構造を有し、テーパー構造のエッジは、複数の第1稜線を形成し、前記第1稜線と前記第1方向の夾角は、特定の角度を有する。第2面は、前記第1面に相対し、基板に面する。本発明の有益な効果は、光線拡散のパフォーマンスを効果的に改善できることである。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上にそれぞれ第1方向及び第2方向に並べて配置される複数の発光部材と、
少なくとも1つの光学フィルムと、
を備え、
前記少なくとも1つの光学フィルムは、
複数の微細構造を有し、前記微細構造は、互いに平行に並べられ、且つ各前記微細構造は、第1稜線を含み、前記第1稜線の延伸方向は、平均して1つの方向線に平行であり、前記方向線と前記第1方向との挟み角は、角度θである第1面と、
前記第1面に相対し、前記基板に面する第2面と、
を含み、
前記第1方向上の前記発光部材と隣接する前記発光部材との距離がXであり、前記第2方向上の前記発光部材と隣接する前記発光部材の距離がYであり、前記角度θの範囲は、下式である、バックライトモジュール。
【数5】
【請求項2】
前記角度θは、以下であることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【数6】
【請求項3】
前記光学フィルムが複数であり、重なり合って設置され、隣接する前記光学フィルムの前記微細構造の前記第1稜線が直交するように互い違いに配置されることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項4】
前記微細構造が三角柱構造であることを特徴とする請求項1に記載の請求項バックライトモジュール。
【請求項5】
前記第2面は、複数の円柱構造を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項6】
前記円柱構造の延伸方向と前記第1方向との夾角が前記角度θであることを特徴とする請求項5に記載のバックライトモジュール。
【請求項7】
前記第1稜線が曲線であることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項8】
前記第1稜線と前記第2面との距離が固定値ではないことを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項9】
前記光学フィルムの上方に配置された少なくとも1つのプリズムシートを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項10】
前記発光部材がミニ発光ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【請求項11】
前記光学フィルムの厚さが0.05~0.5mmであることを特徴とする請求項1に記載のバックライトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトモジュールに関し、特に、ディスプレイに適用されるバックライトモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
バックライトモジュールは、現代の液晶スクリーンの主要部材の1つであり、バックライトモジュールは、複数の発光部材を有し、液晶スクリーンに表示される画像を形成することに用いられる。発光部材の光線を更に均一にし、液晶スクリーン表示画面の品質を向上させるため、現在の解決策は、ダイレクトタイプバックライトモジュールに拡散板(Diffuser plate)を設置することである。拡散板にはテクスチャがあり、光線の屈折、反射又は散乱などの物理現象を使用して、光線をより均一に分布させる。
【0003】
ディスプレイのコントラストを改善する技術の発展により、バックライトモジュールの発光部材は、徐々に通常のLEDがMini LEDに置き換えられている。Mini LEDは、発光面積が小さく、従来の拡散板では光源を効果的に分散させることができない。図1A図1Dを参照し、図1Aは、バックライトモジュールを示し、図1Bは、オフセット構造のない従来の微細構造の説明図を示し、図1Cは、輝度分布図を示し、図1Dは、光学シミュレーション結果を示している。ここで、図1Aは、図1Bの破線Lの断面説明図を示している。図1Cは、図1DのA-A断面線によって生成された輝度分布図である。図1Dは、図1Aの部材配置で4つの隣接するMini LED12の光学シミュレーションによって生成されたシミュレーション結果図である。輝度分布図において、Mini LED12は、横軸の-5~-4の間及び4、5の間に設置される。
【0004】
バックライトモジュール10は、基板11、Mini LED12及びオフセット構造のない従来の光学フィルム13を含み、このオフセット構造のない従来の光学フィルム13の微細構造14は、Mini LED12に対応して配置されている。輝度の分布図から、光線の多くがMini LED12の周辺に集中し、Mini LED12が配置される縦方向に拡張しているが、水平の方向において、Mini LED12の間は、比較的暗いことがわかり、このような光線のパフォーマンスは、良好ではない。
【0005】
従って、上記の問題をどのように解決するかは、当業者にとっては検討に値することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、オフセット微細構造を有する拡散板を備え、光線拡散のパフォーマンスを効果的に改善できるバックライトモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が提供するバックライトモジュールは、基板、複数の発光部材及び少なくとも1つの光学フィルムを含む。発光部材は、前記基板上にそれぞれ第1方向及び第2方向に並べて配置される。光学フィルムは、第1面及び第2面を含む。第1面は、複数の微細構造を有し、前記複数の微細構造は、互いに平行に並べられ、且つ各微細構造は、第1稜線を含み、前記第1稜線の延伸方向は、平均して1つの方向線に平行であり、前記方向線と前記第1方向との挟み角は、角度θである。第2面は、前記第1面に相対し、前記基板に面する。ここで、前記第1方向上の前記発光部材と隣接する前記発光部材との距離がXであり、前記第2方向上の前記発光部材と隣接する前記発光部材の距離がYであり、前記角度θの範囲は、下式である。
【数1】
【0008】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記角度θは、以下である。
【数2】
【0009】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記光学フィルムが複数であり、重なり合って設置され、隣接する前記光学フィルムの前記微細構造の前記第1稜線が直交するように互い違いに配置される。
【0010】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記微細構造が三角柱構造である。
【0011】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記第2面は、複数の円柱構造を更に含む。
【0012】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記円柱構造の延伸方向と前記第1方向との夾角が前記角度θである。
【0013】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記第1稜線が曲線である。
【0014】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記第1稜線と前記第2面との距離が固定値ではない。
【0015】
上記のバックライトモジュールは、前記光学フィルムの上方に配置された少なくとも1つのプリズムシートを更に含む。
【0016】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記発光部材がミニ発光ダイオードである。
【0017】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記光学フィルムの厚さが0.05~0.5mmである。
【0018】
上記のバックライトモジュールにおいて、前記光学フィルムの材質がポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はPC、PMMA、PETの積層複合材質である。
【発明の効果】
【0019】
従来技術のバックライトモジュールと比較して、本発明のバックライトモジュールは、より良好な光線パフォーマンスを提供すると同時に、発光部材130の密度を減らしても、同等の光線性能を達成することができ、バックライトモジュールの製造コストを更に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】バックライトモジュールを示す図である。
図1B】拡散板微細構造の説明図を示している。
図1C】輝度分布図である。
図1D】光学シミュレーション結果を示す図である。
図2A】一実施形態の光学フィルムを示す図である。
図2B】光学フィルムの部分拡大図である。
図2C】光学フィルムの側面断面図である。
図2D】別の実施形態の光学フィルムの側面断面図である。
図2E】更に別の実施形態の光学フィルムの上面図である。
図3A】微細構造のスキューの説明図である。
図3B】微細構造のスキューの説明図である。
図3C】別の配置の発光部材を示す図である。
図4A】第1実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図4B】第1実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。
図5A】第2実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図5B】第2実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図5C】第2実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図5D】第2実施形態バックライトモジュールの輝度分布図である。
図6A】第3実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図6B図6Cの比較例の輝度分布図である。
図6C】第3実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。
図6D】第3実施形態の互いに直交するように傾斜した光学フィルムを使用した輝度分布図である。
図7A】第4実施形態の光学フィルムの背面図である。
図7B】光学フィルムの背面の部分拡大図である。
図7C】光学フィルムの側面断面図である。
図8A】第4実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図8B図8Cの比較例の輝度分布図である。
図8C】第4実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。
図8D】第4実施形態の互いに直交するように傾斜した光学フィルムを使用した輝度分布図である。
図9A】第5実施形態のバックライトモジュールを示す図である。
図9B図9Cの比較例の輝度分布図である。
図9C】第5実施形態のバックライトモジュール輝度分布図である。
図9D】第6実施形態の輝度分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
先ず、図4Aを参照し、図4Aは、本発明の第1実施形態のバックライトモジュールを示している。第1実施形態のバックライトモジュール100は、基板120、複数の発光部材130、及び複数の光学フィルム110を含む。ここで、発光部材130は、基板120に配置され、発光部材130は、前記基板120上に第1方向及び第2方向に並べて配置され、基板120は、例えば、フレキシブル基板である。図3Bを参照し、発光部材130の配置は、それぞれ第1方向131及び第2方向132に配置され、第1方向131及び第2方向132は、垂直方向に互い違いになっている。
【0022】
本実施形態では、発光部材130は、ミニ発光ダイオード(Mini LED)であるが、他の実施形態では、発光部材130は、発光ダイオード(LED)であってもよい。また、光学フィルム110は、発光部材130の上方に配置される。光学フィルム110の厚さは、例えば、0.05~0.5mmであり、光学フィルム110の数は、例えば、2~4枚である。更に、光学フィルム110の材質は、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はPC、PMMA、PETの積層複合材質であってよい。
【0023】
図2A図2Cを参照し、図2Aは、一実施形態の光学フィルムを示し、図2Bは、光学フィルムの部分拡大図を示し、図2Cは、光学フィルムの側面断面図を示している。光学フィルム110は、第1面111及び第2面112を含み、第1面111及び第2面112は、互いに向かい合って配置され、第2面112は、発光部材130に面して配置され、第1面111は、発光部材130に反対向きに配置される。
【0024】
光学フィルム110の第1面111は、複数の微細構造113を含み、微細構造113は、第1稜線114を含む。更に、本実施形態では、微細構造113は、突出した三角柱構造である。これら微細構造113は、互いに平行に並べられ、第1稜線114と第1方向131の夾角は、角度θである。
【0025】
図3A及び図3Bを参照し、図3A及び図3Bは、微細構造のスキューの説明図である。微細構造113のスキュー角度は、発光部材130の配置と関連する。そして、図3Bでは、4つの隣接する発光部材130によってその配置方法を示すが、全部の発光部材130を代表するものではない。先ず、図3Aを参照し、図3Aの実施形態は、微細構造113が三角柱であることを例とし、更に、図3Aでは、各微細構造113の接続は、点線で各微細構造113の接続箇所、即ち、凹んだ位置を示している。第1稜線114は、実線で示され、微細構造113の頂点線を指す。また、第1稜線114の延伸方向は、方向線114’に平行であり、方向線114’と第1方向131は、角度θの夾角を示す。即ち、第1稜線114の延伸方向と第1方向131の挟み角は、角度θである。図3Aでは、第1方向131及び方向線114’は、図においてベクトルによって表されている。
【0026】
次に、図3Bを参照し、角度θは、発光部材130の配置により決定され、発光部材130と斜角発光部材130との夾角を角度θとする。即ち、角度θのタンジェント関数は、第2方向132の発光部材130の距離Yを第1方向131の発光部材130の距離Xで割ったもの、即ち、
に等しくなる。従って、微細構造113のスキュー角度θは、発光部材130の配置に対応する。
【0027】
言い換えれば、第2方向132の発光部材130の距離Yを第1方向131の発光部材130の距離Xで割ったアークタンジェント関数は角度θ、即ち、以下である。
【数3】
また、角度θは、特定の範囲の公差を許容し、本実施形態では、公差は10°、即ち、角度θ±10°であり、具体的には、下式である。
【数4】
【0028】
図3Cを参照し、図3Cは、別の配置の発光部材を示している。図3Cの実施形態では、発光部材130は、ひし形に数組並べられたものである。本実施形態では、発光部材130は、依然として第1方向131と第2方向132に配置され、角度θの定義は、第2方向132の発光部材130の距離Y’と第1方向の発光部材130の距離X’に関連し、即ち、
である。更に、光学フィルム110上の微細構造113の第1稜線114は、何れも発光部材130の水平配置方向と角度θの夾角を有することになる。
【0029】
図2を参照し、別の実施形態の光学フィルムの側面断面図である。図2Dの側面断面図は、第1稜線114を断面線とする。また、図2Dから分かるように、側面断面図において第1稜線114は波状である。即ち、第1稜線114の第1面111と第2面112の距離Hは、固定値ではなく、延伸方向に従って変化する。換言すれば、第2面112に対して、微細構造113の高さは、起伏して変化する。
【0030】
図2Eを参照し、図2Eは、別の実施形態の光学フィルムの上面図である。図2Eから、第1稜線114は曲線であり、曲線の延伸方向は、平均して方向線114’に平行であることがわかる。詳細には、第1稜線114上の延伸方向は、各点によって変化するが、平均して、又は全体として第1稜線114は方向から方向線114’の方向に延伸する。曲線の方向線114’は、
発光部材130の配置と角度θの夾角を示し、即ち、方向線114’と第1方向131の夾角は角度θである。ここで、方向線114’は、第1稜線114の平均的又は大体的に拡張方向と見なすことができる。なお、図2Bの第1稜線114の延伸方向は、方向線114’の延伸方向と全く同じであるが、文意上も「第1稜線114の延伸方向は平均して方向線114’と平行である」と見なすことができる。
【0031】
図4A及び図4Bを再度参照し、図4Aは、第1実施形態のバックライトモジュールを示している。図4Bは、第1実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。図4Bは、図3Bの発光部材130の配置によって光学シミュレーションを行ったものであり、図3Bの対角線Dに沿って取られた輝度分布図である。ここで、発光部材130は、横軸の-5、-4の間及び4、5の間に設置される。図4B図5D図6B図6C図6D図8B図8C図8D図9B図9C及び図9Dもまた、図3Bの対角線Dに沿って取られた輝度分布図である。
【0032】
第1実施形態のバックライトモジュール100は、4つの光学フィルム110を含み、傾斜した微細構造113を有する。図1Cの従来技術の輝度分布図と比較すると、図4Bの輝度分布図から、発光部材130の光線が中央領域に効果的に拡散し、横軸-3と3との間の領域の輝度が顕著に向上され、本実施形態のバックライトモジュール100が従来のバックライトモジュール10と比較して明らかにより好ましい光線拡散効果を有することが分かる。
【0033】
図5A図5Cを参照し、図5A図5Cは、第2実施形態のバックライトモジュールを示している。第2実施形態では、バックライトモジュール200の光学フィルム110は、複数であり、且つ複数の光学フィルム110は、異なるスキュー角度の光学フィルム110a及び110bを含む(図5A及び図5B参照)。ここで、光学フィルム110aと110bは、発光部材130の上方に互い違いに重ねて配置される。更に、光学フィルム110a及び110bのスキュー角度は、直交し、即ち、光学フィルム110aの微細構造113aの第1稜線114aは、光学フィルム110bの微細構造113bの第1稜線114bに直交する。
【0034】
次に、図5Dを参照し、図5Dは、第2実施形態のバックライトモジュールの輝度分布図である。図5Dから、互いに直交して傾斜している光学フィルム110a及び110bの重なり合いを用いることによって、光線拡散の効果をより均一にすることができることが分かる。
【0035】
図6Aを参照し、図6Aは、第3実施形態のバックライトモジュールを示している。第3実施形態のバックライトモジュール200は、光学フィルム110の上方に複数のプリズムシート150を設置し、プリズムシート150は、第1プリズムシート151及び第2プリズムシート152を含む。第1プリズムシート151及び第2プリズムシート152は、構造方向が直交して配置される。具体的には、第1プリズムシート151及び第2プリズムシート152は、方向特性を有する微細構造を含み、第1プリズムシート151及び第2プリズムシート152が配置される場合、2つのプリズムシートの微細構造の延伸方向は互いに垂直である。
【0036】
次に、図6B及び図6Cを参照し、図6Bは、図6Cの比較例の輝度分布図である。図6Bは、第3実施形態のバックライトモジュール200を基礎とし、光学フィルム110をもってオフセット構造のない従来の光学フィルム13(図1Bの光学フィルム13)に置き換えることにより生成される輝度分布図である。図6Cは、第3実施形態のバックライトモジュール輝度分布図である。図6B及び図6Cの輝度分布図を比較すると分かるように、図6Bにおける高輝度の領域の多くは、発光点の周辺に集中しており、発光部材の間の中央領域が比較的薄暗くなっている。比較の下、図6Cの高輝度領域は、明らかに拡散し、光線を中央領域まで効果的に拡散させている。
【0037】
図6Dを参照し、図6Dは、第3実施形態の互いに直交して傾斜している光学フィルムを使用した輝度分布図である。即ち、図6Aの基礎に、光学フィルム110を互いに直交して傾斜するようにし(図5A図5Cに相当)、生成した輝度分布図である。光線が更に拡散し、輝度がより均一になり、輝度が光源に集中する現象が改善されていることがわかる。
【0038】
図7A~7Cを参照し、図7Aは、第4実施形態の光学フィルムの背面図であり、図7Bは、光学フィルムの背面の部分拡大図であり、図7Cは、光学フィルムの側面断面図である。本実施形態では、光学フィルム310は、第1面311及び第2面312を含み、第1面311は、複数の微細構造313を含み、第1面311及び微細構造313の技術的特徴は、図2Cの実施形態と同等であり、ここでは繰り返し説明しない。本実施形態の特徴は、第2面312が複数の円柱構造314(Lenticular)を更に含むことにある。そして、円柱構造314の延伸方向と発光部材130の第1方向131は、角度θだけ傾斜し、即ち、円柱構造314の配置方向は、第1面311の微細構造313と同等である。
【0039】
図8Aを参照し、図8Aは、第4実施形態のバックライトモジュールを示している。第4実施形態のバックライトモジュール300は、発光部材130の上方に配置された複数の光学フィルム310を含み、光学フィルム310の円柱構造314は、発光部材130に面して配置されている。
【0040】
次に、図8B及び図8Cを参照し、図8Bは、図8Cの比較例の輝度分布図を示しており、即ち、第3実施形態のバックライトモジュール300の基礎に、光学フィルム310をもってオフセット円柱構造のない従来の光学フィルムに置き換えることによって生成される輝度分布図である。図8Cは、第4実施形態のバックライトモジュール輝度分布図である。図8Bから、光線は相対的に発光点に集中しているが、中央の領域は明らかに薄暗いことがわかる。図8Cから、微細構造113及び円柱構造314をオフセットした後、光線をより均一に分布させることができ、中央領域の暗さを補い、光線パフォーマンスを効果的に改善できることが分かる。
図8Dを参照されたい。図8Dは、互いに直交して傾斜している光学フィルムを使用した第4実施形態の輝度分布図を示している。すなわち、図8Aに基づいて、光学フィルム310が互いに直交するように歪んで(図5Aから図5Cに相当)、輝度分布図を生成するように変更される。光線が更に広がり、輝度がより均一になり、ほとんどすべての薄暗い領域をカバーしていることがわかる。
【0041】
図9Aを参照し、図9Aは、第5実施形態のバックライトモジュールを示している。第5実施形態のバックライトモジュール400は、光学フィルム310の上方にプリズムシート150を設置し、プリズムシート150の技術特徴は、第2実施形態(図6A)と同等であり、ここでは、繰り返し説明しない。次に、図9B及び図9Cを参照し、図9Bは、図9Cの比較例の輝度分布図であり、即ち、第5実施形態のバックライトモジュール400の基礎に、光学フィルム310をもってオフセット円柱構造のない従来の光学フィルムに置き換えることによって生成される輝度分布図である。図9Cは、第5実施形態のバックライトモジュール輝度分布図である。図9Bから、プリズムシート150を適用した後、光線は、比較的分散し、光源の中心が反って暗くなり、全体の輝度が低いことがわかる。図9Cにおいて、微細構造113及び円柱構造314をオフセットした後、光線は、より均一に分布され、そして輝度はより弱く減衰され、光線は拡散しながら依然として一定の輝度を維持できることが分かる。
【0042】
図9Dを参照し、図9Dは、第6実施形態の輝度分布図を示している。第6実施形態は、図9Aを基礎に、光学フィルム310を直交するように互い違いに重ねている。光線拡散効果が十分に良好であり、光線分布が均一で、光線領域全体をほぼカバーできることがわかる。
【0043】
本発明が提供するバックライトモジュールに含まれる光学フィルムは、オフセットの微細構造113及び円柱構造314を有し、直交方向の重ね合わせによって、発光部材130の光線拡散効果を効果的に向上させることができ、光線に表示領域をより適切にカバーさせることができる。従来技術のバックライトモジュールと比較して、本発明のバックライトモジュールは、より良好な光線パフォーマンスを提供すると同時に、発光部材130の密度を減らしても、同等の光線性能を達成することができ、バックライトモジュールの製造コストを更に削減することができる。
【0044】
上記の実施形態は、説明の便宜のための単なる例であり、当業者によって行われる任意の修正は、何れも特許請求の範囲において保護しようとする範囲から逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0045】
10 バックライトモジュール
100 バックライトモジュール
11 基板
12 Mini LED
13 光学フィルム
14 微細構造
110 光学フィルム
110a 光学フィルム
110b 光学フィルム
111 第1面
112 第2面
113 微細構造
113a 微細構造
113b 微細構造
114 第1稜線
114’ 方向線
114a 第1稜線
114b 第1稜線
120 基板
130 発光部材
131 第1方向
132 第2方向
150 プリズムシート
151 第1プリズムシート
152 第2プリズムシート
200 バックライトモジュール
300 バックライトモジュール
310 光学フィルム
311 第1面
312 第2面
313 微細構造
314 円柱構造
400 バックライトモジュール
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D