(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139227
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】電池健康状態予測方法、装置、電子機器及び可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01R 31/392 20190101AFI20230926BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230926BHJP
G01R 31/382 20190101ALI20230926BHJP
G01R 31/385 20190101ALI20230926BHJP
G01R 31/367 20190101ALI20230926BHJP
【FI】
G01R31/392
H01M10/48 P
G01R31/382
G01R31/385
G01R31/367
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023122044
(22)【出願日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】202210890148.1
(32)【優先日】2022-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】523284985
【氏名又は名称】浙江極▲け▼智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG ZEEKR INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 1031, Building 1, Business Building, Liaohe Road, Xinqi Street, Beilun District, Ningbo, Zhejiang 315000, China
(71)【出願人】
【識別番号】523284996
【氏名又は名称】威睿電動汽車技術(寧波)有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIRIDI E-MOBILITY TECHNOLOGY (NINGBO) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 198, Yinwan East Rd., Hangzhou Bay New Zone, Ningbo, Zhejiang China
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】張 瑞天
(72)【発明者】
【氏名】王 歓
(72)【発明者】
【氏名】張 正磊
(72)【発明者】
【氏名】孫 哲
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼ 紫威
(72)【発明者】
【氏名】牛 尚氷
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲き▼
(72)【発明者】
【氏名】牛 亜▲き▼
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本願は、電気自動車の技術分野に適用される、電池健康状態予測方法、装置、電子機器及び可読記憶媒体を開示する。本願は、電池健康状態の予測正確度が低いという技術的課題を解決する。
【解決手段】電池健康状態予測方法は、車両の電池データを取得するステップと、電池データに対して特徴抽出を行って、車両に対応する車使用行動特徴を得るステップと、車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測するステップと、前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測するステップと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池健康状態予測方法であって、
車両の電池データを取得するステップと、
前記電池データに対して特徴抽出を行って、前記車両に対応する車使用行動特徴を得るステップと、
前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測するステップと、
前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測するステップと、
を含むことを特徴とする電池健康状態予測方法。
【請求項2】
前記車使用行動特徴の特徴種類は、割合類特徴と累加類特徴とを含み、前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測する前記ステップは、
予め設定された線形フィッティングモデルと前記車使用行動特徴とに基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測累加類特徴を予測するステップと、
前記割合類特徴と前記累加類特徴とをアグリゲートして、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を得るステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の電池健康状態予測方法。
【請求項3】
前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する前記ステップの前に、前記方法は、
訓練対象電池健康状態予測モデルと、前記車両内の電池の訓練サンプルデータと、前記訓練サンプルデータに基づいて算出された前記電池の真の健康度とを取得するステップと、
前記訓練サンプルデータに対して特徴抽出を行って、前記電池に対応する訓練車使用行動特徴を得るステップと、
前記訓練車使用行動特徴に対して正規化処理を行って、正規化車使用行動特徴を得るステップと、
前記正規化車使用行動特徴と前記訓練対象電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記電池の訓練健康度を予測するステップと、
前記訓練健康度と前記真の健康度とに基づいて、前記訓練対象電池健康状態予測モデルを反復的に最適化して、前記電池健康状態予測モデルを得るステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電池健康状態予測方法。
【請求項4】
前記訓練車使用行動特徴の特徴内容は、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを含み、前記訓練サンプルデータに対して特徴抽出を行って、前記電池に対応する訓練車使用行動特徴を得る前記ステップは、
前記訓練電池データ内の、前記真の健康度を算出するための電池充電データの締切時刻を取得するステップと、
前記訓練サンプルデータから、前記締切時刻の前で予め設定された健康状態予測条件を満たす訓練電池データを選択するステップと、
前記訓練電池データに基づいて、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを抽出するステップと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の電池健康状態予測方法。
【請求項5】
前記訓練電池データに基づいて算出された前記電池の真の健康度を取得する前記ステップは、
前記訓練サンプルデータから、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データを選択するステップであって、前記電池充電データには、前記電池の充電プロセス中の訓練電池電流と、前記訓練電池の前記充電プロセスの開始時の第1の電池残量と、前記訓練電池の前記充電プロセスの終了時の第2の電池残量と、前記電池の定格電池容量とが含まれるステップと、
前記訓練電池電流、前記第1の電池残量、前記第2の電池残量、及び電池定格電池容量に基づいて、前記電池に対応する真の健康度を決定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の電池健康状態予測方法。
【請求項6】
前記訓練サンプルデータから、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データを選択する前記ステップは、
前記訓練サンプルデータから、前記充電プロセスの終了後の放置時間が予め設定された時間閾値よりも大きい電池データである第1の電池データを選択するステップと、
前記第1の電池データのうち、前記第2の電池残量と前記第1の電池残量との差が予め設定された電量閾値よりも大きく、且つ、前記充電プロセスの終了時の電流が予め設定された電流閾値よりも小さい電池データである第2の電池データを、前記電池充電データとして決定するステップと、
を含むことを特徴とする請求項5に記載の電池健康状態予測方法。
【請求項7】
前記訓練車使用行動特徴に対して正規化処理を行って、正規化車使用行動特徴を得る前記ステップは、
各前記訓練車使用行動特徴に対応する予め設定された特徴閾値を取得するステップと、
各前記訓練車使用行動特徴と前記予め設定された特徴閾値との比に基づいて、正規化車使用行動特徴を得るステップと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の電池健康状態予測方法。
【請求項8】
車両の電池データを取得する取得モジュールと、
前記電池データに対して特徴抽出を行って、前記車両に対応する車使用行動特徴を得る抽出モジュールと、
前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測する特徴予測モジュールと、
前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する健康度予測モジュールと、
を含むことを特徴とする電池健康状態予測装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備える電子機器であって、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサにより請求項1から7の何れか一項に記載の電池健康状態予測方法のステップを実行できる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
電池健康状態予測方法を実現するプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記電池健康状態予測方法を実現するプログラムがプロセッサにより実行されることで、請求項1から7の何れか一項に記載の電池健康状態予測方法のステップを実現する
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電気自動車の技術分野に関し、特に電池健康状態予測方法、装置、電子機器及び可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の高速発展に伴い、リチウム電池は高い電圧、高い比エネルギー及び長いサイクル寿命などの特徴を備えているため、電気自動車に広く応用されている。電気自動車の使用寿命を延ばし、電気自動車の安全な運転を保証し、使用者体験を向上させるためには、電池の状態を評価して電気自動車のエネルギー管理ポリシーを最適に調整する必要がある。通常では、電池の状態は、電池のSOH(state of health:電池健康状態)を算出することで決定できる。
【0003】
現在、従来技術における電池のSOHを算出することで電池状態を決定する方法では、通常、電池外部特性パラメータとニューラルネットワークモデルによりSOHを予測し、電池の健康状態を得ているが、この方法は電池自体の特性のみに基づいて予測しており、使用者の運転行動及び使用者の車使用習慣などの他の要因を考慮していないため、電池健康状態の予測正確度は低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の主な目的は、電池健康状態の予測正確度が低いという従来技術の技術的課題を解決するための、電池健康状態予測方法、装置、電子機器及び可読記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するために、本願は、電池健康状態予測機器に適用される電池健康状態予測方法を提供し、前記電池健康状態予測方法は、
車両の電池データを取得するステップと、
前記電池データに対して特徴抽出を行って、前記車両に対応する車使用行動特徴を得るステップと、
前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測するステップと、
前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測するステップと、を含む。
【0006】
あるいは、前記車使用行動特徴の特徴種類は、割合類特徴と累加類特徴とを含み、前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測する前記ステップは、
予め設定された線形フィッティングモデルと前記車使用行動特徴とに基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測累加類特徴を予測するステップと、
前記割合類特徴と前記累加類特徴とをアグリゲートして、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を得るステップと、を含む。
【0007】
あるいは、前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する前記ステップの前に、前記方法は、
訓練対象電池健康状態予測モデルと、前記車両内の電池の訓練サンプルデータと、前記訓練サンプルデータに基づいて算出された前記電池の真の健康度とを取得するステップと、
前記訓練サンプルデータに対して特徴抽出を行って、前記電池に対応する訓練車使用行動特徴を得るステップと、
前記訓練車使用行動特徴に対して正規化処理を行って、正規化車使用行動特徴を得るステップと、
前記正規化車使用行動特徴と前記訓練対象電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記電池の訓練健康度を予測するステップと、
前記訓練健康度と前記真の健康度とに基づいて、前記訓練対象電池健康状態予測モデルを反復的に最適化して、前記電池健康状態予測モデルを得るステップと、をさらに含む。
【0008】
あるいは、前記訓練車使用行動特徴の特徴内容は、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを含み、前記訓練サンプルデータに対して特徴抽出を行って、前記電池に対応する訓練車使用行動特徴を得る前記ステップは、
前記訓練電池データ内の、前記真の健康度を算出するための電池充電データの締切時刻を取得するステップと、
前記訓練サンプルデータから、前記締切時刻の前で予め設定された健康状態予測条件を満たす訓練電池データを選択するステップと、
前記訓練電池データに基づいて、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを抽出するステップと、を含む。
【0009】
あるいは、前記訓練電池データに基づいて算出された前記電池の真の健康度を取得する前記ステップは、
前記訓練サンプルデータから、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データを選択するステップであって、前記電池充電データには、前記電池の充電プロセス中の訓練電池電流と、前記訓練電池の前記充電プロセスの開始時の第1の電池残量と、前記訓練電池の前記充電プロセスの終了時の第2の電池残量と、前記電池の定格電池容量とが含まれるステップと、
前記訓練電池電流、前記第1の電池残量、前記第2の電池残量、及び電池定格電池容量に基づいて、前記電池に対応する真の健康度を決定するステップと、を含む。
【0010】
あるいは、前記訓練サンプルデータから、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データを選択する前記ステップは、
前記訓練サンプルデータから、前記充電プロセスの終了後の放置時間が予め設定された時間閾値よりも大きい電池データである第1の電池データを選択するステップと、
前記第1の電池データのうち、前記第2の電池残量と前記第1の電池残量との差が予め設定された電量閾値よりも大きく、且つ、前記充電プロセスの終了時の電流が予め設定された電流閾値よりも小さい電池データである第2の電池データを、前記電池充電データとして決定するステップと、を含む。
【0011】
あるいは、前記訓練車使用行動特徴に対して正規化処理を行って、正規化車使用行動特徴を得る前記ステップは、
各前記訓練車使用行動特徴に対応する予め設定された特徴閾値を取得するステップと、
各前記訓練車使用行動特徴と前記予め設定された特徴閾値との比に基づいて、正規化車使用行動特徴を得るステップと、を含む。
【0012】
以上の目的を達成するために、本願は、電池健康状態予測装置をさらに提供し、前記電池健康状態予測装置は、
車両の電池データを取得する取得モジュールと、
前記電池データに対して特徴抽出を行って、前記車両に対応する車使用行動特徴を得る抽出モジュールと、
前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測する特徴予測モジュールと、
前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する健康度予測モジュールと、を含む。
【0013】
あるいは、前記車使用行動特徴の特徴種類は、割合類特徴と累加類特徴とを含み、前記特徴予測モジュールはさらに、
予め設定された線形フィッティングモデルと前記車使用行動特徴とに基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測累加類特徴を予測し、
前記割合類特徴と前記累加類特徴とをアグリゲートして、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を得る。
【0014】
あるいは、前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する前記ステップの前に、前記電池健康状態予測装置はさらに、
訓練対象電池健康状態予測モデルと、前記車両内の電池の訓練サンプルデータと、前記訓練サンプルデータに基づいて算出された前記電池の真の健康度とを取得し、
前記訓練サンプルデータに対して特徴抽出を行って、前記電池に対応する訓練車使用行動特徴を得て、
前記訓練車使用行動特徴に対して正規化処理を行って、正規化車使用行動特徴を得て、
前記正規化車使用行動特徴と前記訓練対象電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記電池の訓練健康度を予測し、
前記訓練健康度と前記真の健康度とに基づいて、前記訓練対象電池健康状態予測モデルを反復的に最適化して、前記電池健康状態予測モデルを得る。
【0015】
あるいは、前記訓練車使用行動特徴の特徴内容は、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを含み、前記電池健康状態予測装置はさらに、
前記訓練電池データ内の、前記真の健康度を算出するための電池充電データの締切時刻を取得し、
前記訓練サンプルデータから、前記締切時刻の前で予め設定された健康状態予測条件を満たす訓練電池データを選択し、
前記訓練電池データに基づいて、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを抽出する。
【0016】
あるいは、前記電池健康状態予測装置はさらに、
前記訓練サンプルデータから、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データを選択し、前記電池充電データには、前記電池の充電プロセス中の訓練電池電流と、前記訓練電池の前記充電プロセスの開始時の第1の電池残量と、前記訓練電池の前記充電プロセスの終了時の第2の電池残量と、前記電池の定格電池容量とが含まれ、
前記訓練電池電流、前記第1の電池残量、前記第2の電池残量、及び電池定格電池容量に基づいて、前記電池に対応する真の健康度を決定する。
【0017】
あるいは、前記電池健康状態予測装置はさらに、
前記訓練サンプルデータから、前記充電プロセスの終了後の放置時間が予め設定された時間閾値よりも大きい電池データである第1の電池データを選択し、
前記第1の電池データのうち、前記第2の電池残量と前記第1の電池残量との差が予め設定された電量閾値よりも大きく、且つ、前記充電プロセスの終了時の電流が予め設定された電流閾値よりも小さい電池データである第2の電池データを、前記電池充電データとして決定する。
【0018】
あるいは、前記電池健康状態予測装置はさらに、
各前記訓練車使用行動特徴に対応する予め設定された特徴閾値を取得し、
各前記訓練車使用行動特徴と前記予め設定された特徴閾値との比に基づいて、正規化車使用行動特徴を得る。
【0019】
本願は電子機器をさらに提供し、前記電子機器は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサ上で動作できる前記電池健康状態予測方法のプログラムとを備え、前記電池健康状態予測方法のプログラムがプロセッサにより実行された場合、上記の電池健康状態予測方法のステップを実現することができる。
【0020】
本願は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体は電池健康状態予測方法を実現するプログラムを記憶しており、前記電池健康状態予測方法のプログラムがプロセッサにより実行された場合、上記の電池健康状態予測方法のステップを実現する。
【0021】
本願はコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された場合、上記の電池健康状態予測方法のステップを実現する。
【0022】
本願は、電池健康状態予測方法、装置、電子機器及び可読記憶媒体を提供し、車両の電池データを取得し、前記電池データに対して特徴抽出を行って、前記車両に対応する車使用行動特徴を得て、前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測し、前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する。
【0023】
こうして、本願では、電池データから抽出した次の時間ステップにおける車使用行動特徴と電池健康予測モデルとにより、電池の健康度を予測し、電池の健康度を得る。次の時間ステップにおける電池自体の性質と使用者の運転行動及び電池の健康度を統合して電池の健康度を予測することを実現し、予測されて得られる健康度が複数の要因で決定されるものとなり、即時性を持つため、電池健康状態の予測正確度を向上させた。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書の図面は、明細書に含まれてかつ本明細書の一部を構成し、本願に合致する実施例を示し、明細書とともに本願の原理の説明に用いられる。
【0025】
本願の実施例及び従来技術における技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例又は従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単に説明する。当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの添付図面により他の添付図面を得ることができることは、明らかである。
【0026】
【
図1】本願の電池健康状態予測方法の第1の実施例の模式フローチャートである。
【
図2】本願の電池健康状態予測方法にかかる、一つの車使用行動特徴の経時変化傾向を示す図である。
【
図3】本願の電池健康状態予測方法にかかる、一つの車使用行動特徴の真値と予測値との経時変化傾向を示す図である。
【
図4】本願の電池健康状態予測方法にかかる、車使用行動特徴と予測車使用行動特徴の一例を示す図である。
【
図5】本願の電池健康状態予測方法の一つの応用シナリオの模式図である。
【
図6】本願の電池健康状態予測方法の別の応用シナリオの模式図である。
【
図7】本願の電池健康状態予測方法のさらに別の応用シナリオの模式図である。
【
図8】本願の電池健康状態予測方法の総電池データの取得内容を例示する図である。
【
図9】本願の電池健康状態予測方法の日次電池データの取得内容を例示する図である。
【
図10】本願の電池健康状態予測方法の一部の車使用行動特徴の内容を例示する図である。
【
図11】本願の電池健康状態予測方法にかかる、ハードウェア運転環境の機器構造模式図である。
【
図12】本願の電池健康状態予測装置の一実施例にかかる、装置構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【0028】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解できるように、以下では、本願の実施例における添付図面を参照し、本願の実施例における技術案について明確かつ完全に説明する。説明される実施形態は本願の全ての実施形態ではなく、一部の実施形態に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得る全ての他の実施例は、本願の保護範囲に属す。
【0029】
本願の実施例は、電池健康状態予測方法を提供し、本願の電池健康状態予測方法の第1の実施例において、本願の電池健康状態予測方法は、
車両の電池データを取得するステップと、前記電池データに対して特徴抽出を行って、前記車両に対応する車使用行動特徴を得るステップと、前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測するステップと、前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測するステップと、を含む。
【0030】
なお、本実施例において、電気自動車の使用寿命を延ばし、電気自動車の安全な運転を保証し、使用者体験を向上させるためには、電池の状態を評価して電気自動車のエネルギー管理ポリシーを最適に調整する必要がある。電池のSOHを算出することで電池の状態を決定する。現在では、電池外部特性パラメータとニューラルネットワークモデルによりSOHを予測し、電池の健康状態を得ているが、電池自体の特性のみに基づいて予測しており、使用者の運転行動及び使用者の車使用習慣などの他の要因を考慮していないため、電池健康状態の予測正確度は低い。
【0031】
上記の現象に対して、本願では、電池データから抽出した次の時間ステップにおける車使用行動特徴と電池健康予測モデルとにより、電池の健康度を予測し、電池の健康度を得る。次の時間ステップにおける電池自体の性質と使用者の運転行動及び電池の健康度を統合して電池の健康度を予測することを実現し、予測されて得られる健康度が複数の要因で決定されるものとなり、即時性を持つため、電池健康状態の予測正確度を向上させた。
【0032】
図1を参照し、
図1に示すように、本願の電池健康状態予測方法の第1の実施例において、本願の電池健康状態予測方法は、具体的には以下のステップを含む。
【0033】
ステップS10において、車両の電池データを取得する。
なお、本実施例において、本願の車電池健康状態予測方法は、車両にも、車両内の制御システムにも適用可能であり、また、車両と通信可能に接続されるサーバにも適用可能であり、データのやりとりや処理を実現し、車両内の電池に対して電池健康状態の予測を行うために、通信接続は、インターフェース等の有線接続であってもよく、ブルートゥース、ローカルエリアネットワークなどの無線接続であっでもよい。なお、読みやすく理解しやすいように、以下では、上記車両を本願の電池健康状態予測方法の実行主体として本実施例を具体的に説明する。
【0034】
本実施例において、車両内の電池の電池データを取得する。
【0035】
ステップS20において、前記電池データに対して特徴抽出を行って、前記車両に対応する車使用行動特徴を得る。
【0036】
本実施例において、車両は、予め設定された特徴抽出器により、電池データ内の、電池動作状態及び使用者の運転行動を表す特徴を抽出して、車両に対応する車使用行動特徴を得て、ここで、前記車使用行動特徴は、走行距離特徴、放電特徴、電池残量特徴、車両電流特徴、車両速度特徴、車両運転温度特徴、使用時間特徴、充電電圧差特徴、及び放電電圧差特徴を含むが、これらに限定されない。
【0037】
ステップS30において、前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測する。
【0038】
予め設定された線形フィッティングモデルにより、車使用行動特徴を、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴にマッピングする。
【0039】
一つの可能な実施例として、上記ステップS30において、前記車使用行動特徴の特徴種類は、割合類特徴と累加類特徴とを含み、前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測する前記ステップは、
ステップS31において、予め設定された線形フィッティングモデルと前記車使用行動特徴とに基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測累加類特徴を予測する。
【0040】
ステップS32において、前記割合類特徴と前記累加類特徴とをアグリゲートして、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を得る。
【0041】
なお、本実施例において、割合類特徴は、割合を表す特徴、例えば、予め設定されたパラメータの範囲内にあるパラメータの割合を表す特徴であり、累加類特徴は、時間とともに変化する累加可能な特徴、例えば、走行距離などの特徴である。
【0042】
本実施例において、予め設定された線形フィッティングモデルに基づいて、累加類特徴を次の時間ステップにおける車両の予測累加類特徴にマッピングするか、又は、予め設定された線形フィッティングアルゴリズムに基づいて、累加類特徴の計算結果を次の時間ステップにおける車両の予測累加類特徴とするか、又は、累加類特徴が時間とともに変化する時系列累加類特徴図を構築し、時系列累加類特徴図に基づいて、次の時間ステップにおける車両の対応する車使用行動特徴値を得て、予測車使用行動特徴とし、割合類特徴と累加類特徴とをつなぎ合わせて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を得る。
【0043】
一例として、
図2を参照し、
図2はある車両の総運転距離が時間とともに変化する傾向を示す図であり、予め設定された線形フィッティングモデル又は予め設定された線形フィッティングアルゴリズムにより、総運転距離のこれから3ヶ月間の特徴値を予測する。
図3を参照し、
図3はある車両の運転距離予測値と運転距離真値の時間とともに変化する傾向を示す図である。
図4を参照し、
図4には、ある車両の予測車使用行動特徴(図示の総走行距離、完全放電サイクル数、放電時間、当該車両のカレンダー寿命、充電電流0~50Aの割合、及び充電終了時にSOCが90~100にある割合…)を含み、その中に、累加類特徴(図示の総走行距離、完全放電サイクル数、放電時間、及び当該車両のカレンダー寿命)と割合類特徴(図示の充電電流0~50Aの割合、及び充電終了時にSOCが90~100にある割合…)とが含まれる。累加類特徴については、線形フィッティングにより予測し、割合類特徴については、元の特徴値を引き継ぐ。
【0044】
予め設定された線形フィッティングモデルにより、累加類特徴を、次の時間ステップにおける車両の予測累加類特徴にマッピングすることにより、大量のデータの線形フィッティングにより予測累加類特徴を得ることを実現し、予め設定された線形フィッティングアルゴリズムを用いて次の時間ステップにおける車両の予測累加類特徴を計算する際に、予め設定された線形フィッティングアルゴリズムの大きな制限と低い転用可能性に起因して、予測累加類特徴の予測正確度が低くなることを回避する。あるいは、時系列累加類特徴図を用いて、次の時間ステップにおける車両の対応する車使用行動特徴値を得て予測車使用行動特徴とする場合、時系列累加類特徴図を構築するデータ量が少なすぎるために予測累加類特徴の予測正確度が低いという技術的欠点を回避し、予測累加類特徴の予測正確度を向上させる。
【0045】
ステップS40において、前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する。
【0046】
本実施例において、予測車使用行動特徴に対して正規化処理を行って、処理後の予測車使用行動特徴を得て、電池健康状態予測モデルにより、予測車使用行動特徴を車両内の電池の健康度にマッピングする。
【0047】
一例として、
図5を参照し、
図5は、予測車使用行動特徴(図示の14個の特徴値)と、電池健康状態予測モデル(図示の訓練済みランダムフォレストモデル)と、車両内の電池の健康度(図示の出力SOH結果)とを含み、電池健康状態予測モデルにより、車使用行動特徴を車両内の電池の健康度にマッピングする。
【0048】
車両電池の健康度は様々な要因の影響を受けるため、電池データに対して複数の特徴を抽出することにより、車両電池の健康度予測により多くの決定の根拠を提供し、車両電池の健康度の予測正確度を向上させることができるとともに、車使用行動特徴の予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとにより車両内の電池の健康度を予測することにより、車両電池の健康度の予測にリアルタイムの決定根拠を提供するため、車両電池の健康度の予測正確度を向上させた。
【0049】
上述した実施例における電池健康状態予測方法のモデルやアルゴリズムは、車両と通信可能に接続されたサーバに記憶されてもよく、
図6は、本願により提供される電池健康状態予測方法の一つの応用シナリオを示す図である。
図6に示すように、この応用シナリオには、電池が配置された車両01と、車両01と通信基地局02を介して通信可能に接続されたサーバ03とが含まれてもよい。
図2において、車両01が訓練用電池データを送信することにより、サーバ03が、電池データにより車使用行動特徴と予測車使用行動特徴とを抽出し、予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて電池の健康度の予測を行い、車両内の電池の健康度を得る。電池健康状態予測モデルのアルゴリズムが大きいストレージ空間を必要とするため、車両の制御システムに過剰なストレージ冗長性と動作冗長性が発生しないように、各モデルをサーバに格納することが好ましい。
【0050】
上述した実施例における電池健康状態予測方法のモデルやアルゴリズムは、車両と通信可能に接続されたサーバに記憶されてもよく、
図7は、本願により提供される電池健康状態予測方法の一つの応用シナリオを示す図である。
図7に示すように、この応用シナリオは、訓練電池が配置された車両01と、車両01に記憶されている電池健康状態予測方法の制御フロー04とが含まれてもよく、制御フロー04は、電池データにより車使用行動特徴を抽出するステップと、車使用行動特徴に基づいて予測車使用行動特徴を得るステップと、予測車使用行動特徴に基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測するステップと、を含む。
【0051】
本願は、電池健康状態予測方法、装置、電子機器及び可読記憶媒体を提供し、車両の電池データを取得し、前記電池データに対して特徴抽出を行って、前記車両に対応する車使用行動特徴を得て、前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測し、前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する。
【0052】
こうして、本願では、電池データから抽出した次の時間ステップにおける車使用行動特徴と電池健康予測モデルとにより、電池の健康度を予測し、電池の健康度を得る。次の時間ステップにおける電池自体の性質と使用者の運転行動及び電池の健康度を統合して電池の健康度を予測することを実現し、予測されて得られる健康度が複数の要因で決定されるものとなり、即時性を持つため、電池健康状態の予測正確度を向上させた。
【0053】
さらに、上述した本願の電池健康状態予測方法の第1の実施例に基づいて、本願の電池健康状態予測方法の第2の実施例を提供する。
【0054】
本実施例において、本願の電池健康状態予測方法は、同様に、上述した車両を実行主体として実施される。一つの可能な実施例において、ステップS40において、前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する前記ステップの前に、具体的には、
ステップA10において、訓練対象電池健康状態予測モデルと、前記車両内の電池の訓練サンプルデータと、前記訓練サンプルデータに基づいて算出された前記電池の真の健康度とを取得する。
【0055】
本実施例において、車両内の電池の訓練サンプルデータと、訓練対象電池健康状態予測モデルとを取得する。その後、車両は、実際の車使用動作状況のうち理想動作状況における電池充電データを選択し、理想動作状況における電池の健康度を算出し、電池に対応する真の健康度を得る。
【0056】
ステップA20において、前記訓練サンプルデータに対して特徴抽出を行って、前記電池に対応する訓練車使用行動特徴を得る。
【0057】
本実施例において、車両は、予め設定された特徴抽出器により、訓練電池データ内の、電池動作状態及び使用者の運転行動を表す特徴を抽出して、訓練電池に対応する訓練車使用行動特徴を得る。
【0058】
一例として、車両は、訓練サンプルデータに対し計算を行って、電池動作状態及び使用者の運転行動を表す訓練運転行動データを得て、各訓練運転行動データに対応する特徴を、電池に対応する訓練車使用行動特徴とする。
【0059】
一例として、
図8を参照し、
図8には、車両Aと車両B内の電池の車種予想最高走行距離、車種予想最長カレンダー寿命、当該車両の総走行距離、当該車両の完全放電サイクル数、当該車両の放電時間、及び当該車両のカレンダー寿命が含まれる。
【0060】
一つの可能な実施例として、上記ステップA20において、前記訓練車使用行動特徴の特徴内容は、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを含み、前記訓練サンプルデータに対して特徴抽出を行って、前記電池に対応する訓練車使用行動特徴を得る前記ステップは、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
【0061】
ステップA21において、前記訓練電池データ内の、前記真の健康度を算出するための電池充電データの締切時刻を取得する。
【0062】
本実施例において、訓練電池データから、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データの充電終了時刻を選択して、締切時刻を得る。
【0063】
ステップA22において、前記訓練サンプルデータから、前記締切時刻の前で予め設定された健康状態予測条件を満たす訓練電池データを選択する。
【0064】
本実施例において、訓練サンプルデータから、締切時刻前であって、車両が充電を開始している、すなわち充電サイクルを開始しているか、又は、充電しておらず車両の走行距離が徐々に増加している、すなわち運転サイクルを開始しているときの訓練電池データを選択する。
【0065】
一例として、
図9及び
図10を参照し、
図9には、車両Bの締切時刻前の訓練電池データ(図示の総走行距離、完全放電サイクル数、放電時間、当該車両のカレンダー寿命、充電電流0~50Aの割合、充電終了時にSOCが90~100にある割合…)が含まれる。
図10には、車両Bの毎日の訓練電池データ(図示の最終距離、総SOC深度、総放電時間)が含まれている。
【0066】
ステップA23において、前記訓練電池データに基づいて、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを抽出する。
【0067】
なお、本実施例において、予め設定された特徴抽出部は、ユーザ行動特徴抽出モデルと電池性能特徴抽出モデルとを含む。
【0068】
本実施例において、ユーザ行動特徴抽出モデルによりターゲット訓練電池データ内のユーザ行動に対して特徴抽出を行ってユーザ行動特徴を得て、電池性能特徴抽出モデルによりターゲット訓練電池データ内の電池性能に対して特徴抽出を行って電池性能特徴を得る。ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを、訓練車使用行動特徴としてつなぎ合わせる。
【0069】
あるいは、ユーザ行動特徴抽出モデルによりターゲット訓練電池データ内のユーザ行動に対して特徴抽出を行ってユーザ行動特徴を得るステップは、具体には、
ユーザ行動特徴抽出モデルに、走行距離特徴抽出モデル、放電特徴抽出モデル、電池残量特徴抽出モデル、電流特徴抽出モデル、車両速度特徴抽出モデル、及び運転温度特徴抽出モデルが含まれることを含んでもよい。走行距離特徴抽出モデルにより、ターゲット訓練電池データから車両の総走行距離を抽出して、走行距離特徴を得て、放電特徴抽出モデルにより、ターゲット訓練電池データから車両の完全放電回数及び総放電時間を抽出して、放電特徴を得て、電池残量特徴抽出モデルにより、ターゲット訓練電池データから、車両充電プロセス終了時の第2の電池残量が予め設定された充電電池残量範囲にある第1の割合を抽出し、例えば、予め設定された充電電池残量範囲が90~100であってもよく、92~98であってもよい。そして、車両放電プロセス終了時の第3の電池残量が予め設定された放電電池残量範囲にある第2の割合を抽出して、電池残量特徴を得て、例えば、予め設定された放電電池残量範囲が0~15であってもよく、5~10であってもよい。車両速度特徴抽出モデルにより、ターゲット訓練電池データから、車両の車両速度が予め設定された車両速度閾値よりも大きい第3の割合を抽出して、車両速度特徴を得て、例えば、予め設定された車両速度閾値が120km/hであってもよく、130km/hであってもよい。運転温度特徴抽出モデルにより、ターゲット訓練電池データから、車両の運転最低温度が予め設定された運転最低温度範囲にある第4の割合を抽出し、例えば、予め設定された運転最低温度範囲が-5℃~-25℃であってもよく、0℃~-15℃であってもよい。運転温度特徴抽出モデルにより、ターゲット訓練電池データから、車両の運転最高温度が予め設定された運転最高温度範囲にある第5の割合を抽出し、例えば、予め設定された運転最高温度範囲が45℃~50℃であってもよく、46℃~49℃であってもよく、車両運転温度特徴を得る。電流特徴抽出モデルにより、充電電流が予め設定された充電電流範囲にある第6の割合を得て、例えば、予め設定された充電電流範囲が0~50Aであってもよく、0~40Aであってもよく、車両電流特徴を得る。走行距離特徴、放電特徴、電池残量特徴、車両電流特徴、車両速度特徴、及び車両運転温度特徴をつなぎ合わせて、ユーザ行動特徴とする。
【0070】
あるいは、電池性能特徴抽出モデルによりターゲット訓練電池データ内の電池性能に対して特徴抽出を行って電池性能特徴を得るステップは、具体には、
電池性能特徴抽出モデルには、使用時間特徴抽出モデルと、充電電圧差特徴抽出モデルと、放電電圧差特徴抽出モデルとが含まれる。寿命特徴抽出モデルにより、ターゲット訓練電池データから、車両の工場出荷時から訓練電池に対応する真の健康度を取得するまでの時間を抽出して、使用時間特徴を得る。充電電圧差特徴抽出モデルにより、ターゲット訓練電池データから、充電電圧差が第1の予め設定された電圧差範囲にある第7の割合を抽出し、且つ、ターゲット訓練電池データから、充電電圧差が第2の予め設定された電圧差範囲にある第8の割合を抽出して、充電電圧差特徴を得る。例えば、第1の予め設定された電圧差範囲が0~100mVであってもよく、10~90mVであってもよい。第2の予め設定された電圧差範囲は、100~300mVであってもよく、120~280mVであってもよい。放電電圧差特徴抽出モデルにより、ターゲット訓練電池データから、放電電圧差が第3の予め設定された電圧差範囲にある第9の割合を抽出し、且つ、ターゲット訓練電池データから、放電電圧差が第4の予め設定された電圧差範囲にある第10の割合を抽出して、放電電圧差特徴を得て、例えば、第3の予め設定された電圧差範囲が0~100mVであってもよく、10~90mVであってもよい。第4の予め設定された電圧差範囲は、100~300mVであってもよく、120~280mVであってもよい。使用時間特徴、充電電圧差特徴及び放電電圧差特徴を、つなぎ合わせて電池性能特徴とする。
【0071】
ステップA30において、前記訓練車使用行動特徴に対して正規化処理を行って、正規化車使用行動特徴を得る。
【0072】
本実施例において、訓練車使用行動特徴のうちの累加類特徴に対して正規化処理を行って、累加類特徴を、予め設定された値範囲の正規化累加類特徴にマッピングし、正規化累加類特徴と割合類特徴とをつなぎ合わせて、正規化車使用行動特徴とし、ここで、予め設定された値範囲が0~1である。
【0073】
一つの可能な実施例として、上記のステップA30において、前記訓練車使用行動特徴に対して正規化処理を行って、正規化車使用行動特徴を得るステップは、具体的には、
各前記訓練車使用行動特徴に対応する予め設定された特徴閾値を取得するステップと、
各前記訓練車使用行動特徴と前記予め設定された特徴閾値との比に基づいて、正規化車使用行動特徴を得るステップと、を含んでもよい。
【0074】
なお、割合類特徴の値の範囲は0~1であるので、割合類特徴に対する処理は不要である。
【0075】
本実施例において、訓練車使用行動特徴のうちの各累加類特徴に対応する予め設定された特徴閾値を取得し、各累加類特徴と前記予め設定された特徴閾値との比を正規化累加類特徴とし、正規化累加類特徴と割合類特徴とをつなぎ合わせて、正規化車使用行動特徴とする。
【0076】
あるいは、累加類特徴が走行距離特徴である場合、走行距離特徴に対応する予め設定された走行距離閾値を取得し、走行距離特徴と予め設定された走行距離閾値との第1の比を、走行距離特徴に対応する正規化走行距離特徴とし、ここで、予め設定された走行距離閾値が700000kmであってもよく、650000kmであってもよい。累加類特徴が完全放電回数特徴である場合、完全放電回数特徴に対応する予め設定された完全放電回数閾値を取得し、ここで、予め設定された完全放電回数閾値は、予め設定された走行距離閾値と放電プロセス中の予め設定された電池残量範囲の予想走行距離との第2の比により得られ、予め設定された電池残量範囲が0~100であってもよく、10~90であってもよく、予想走行距離が370kmであってもよく、350kmであってもよい。完全放電回数特徴と予め設定された完全放電回数閾値との第4の比を、完全放電回数特徴に対応する正規化完全放電回数特徴とする。累加類特徴が放電時間特徴である場合、放電時間特徴に対応する予め設定された放電時間閾値を取得し、ここで、予め設定された放電時間閾値は、走行距離閾値と予想平均運転速度との第4の比により得られ、予想平均運転速度が30km/hであってもよく、35km/hであってもよい。放電時間特徴と予め設定された放電時間閾値との第5の比を、放電時間特徴に対応する正規化放電時間特徴とするように予め設定する。累加類特徴が使用時間特徴である場合、使用時間特徴に対応する予め設定された使用時間閾値を取得し、使用時間特徴と予め設定された使用時間閾値との第6の比を、使用時間特徴に対応する正規化使用時間特徴とする。予め設定された使用時間閾値が7200日であってもよく、9000日であってもよい。
【0077】
訓練車使用行動特徴に対して正規化処理を行うことにより、異なる電池の電池パック特性による健康度への影響を排除し、訓練により得られた電池健康状態予測モデルを異なる電池パック間で転用できるようにすることにより、電池健康状態予測モデルの予測の制限を減らす。
【0078】
ステップA40において、前記正規化車使用行動特徴と前記訓練対象電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記電池の訓練健康度を予測する。
【0079】
本実施例において、訓練対象電池健康状態予測モデルにより、正規化車使用行動特徴を、電池の訓練健康度にマッピングする。
【0080】
ステップA50において、前記訓練健康度と前記真の健康度とに基づいて、前記訓練対象電池健康状態予測モデルを反復的に最適化して、前記電池健康状態予測モデルを得る。
【0081】
本実施例において、訓練健康度と真の健康度との相違度に基づいて、訓練対象電池健康予測モデルに対応するモデル損失を算出し、さらに、モデル損失が収束しているか否かを判定し、モデル損失が収束している場合、訓練対象電池健康予測モデルを電池健康予測モデルとし、モデル損失が収束していない場合、モデル損失の算出された勾配に基づいて、予め設定されたモデル更新方法により、訓練対象電池健康予測モデルを更新し、ここで、前記予め設定されたモデル更新方法は、勾配降下法、勾配上昇法等である。
【0082】
訓練サンプルデータから、電池健康特徴データを抽出し、ここで、前記電池健康特徴データは、前記訓練電池の健康状態を表し、予め設定された健康度予測モデルと前記電池健康特徴データとにより、前記訓練電池の健康状態を予測して、前記真の健康度を得て、ここで、前記電池健康特徴データは、電流特徴と電量特徴とを含むが、これらに限定されない。
【0083】
一方、予め設定された健康度予測モデルにより電池の健康度を予測し、電池健康特徴データを電池の健康度値にマッピングしては、電池の健康度を具体的に表しておらず、電池健康特徴データと予め設定された健康度予測モデルのみにより電池の健康度を予測すると、電池の健康状態を表す選択された特徴が少ないために電池の健康状態の予測が不正確になり、ひいては訓練電池の真の健康度の取得が不正確になりやすい。
【0084】
一つの可能な実施例として、上記のステップA10において、前記訓練電池データに基づいて算出された前記電池の真の健康度を取得する前記ステップは、具体的には、以下のステップを含んでもよい。
【0085】
ステップA11において、前記訓練サンプルデータから、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データを選択し、ここで、前記電池充電データには、前記電池の充電プロセス中の訓練電池電流と、前記電池の前記充電プロセスの開始時の第1の電池残量と、前記電池の前記充電プロセスの終了時の第2の電池残量と、前記電池の定格電池容量とが含まれる。
【0086】
ステップA12において、前記訓練電池電流、前記第1の電池残量、前記第2の電池残量、及び電池定格電池容量に基づいて、前記電池に対応する真の健康度を決定する。
【0087】
なお、本実施例において、電池残量は放電SOC(State of Charge:充電状態、電池残量とも称される)である。定格電池容量とは、定格動作条件において電池が長期間動作し続けることができる容量であり、電池の電池特性により決まる。予め設定された充電動作状況条件は、予め設定された、電池の充電動作状況が理想的であると判定される充電動作状況条件である。
【0088】
本実施例において、前記訓練サンプルデータから、予め設定された充電動作状況条件を満たす場合の、充電プロセス中の訓練電池電流と、充電プロセスの開始時の第1の電池残量と、充電プロセスの終了時の第2の電池残量と、定格電池容量とを選択して、電池の電池充電データを得て、第2の電池残量と第1の電池残量との差を取得し、差と定格電池容量との積に対する訓練電池電流の比に基づいて、訓練電池に対応する真の健康度を得る。
【0089】
あるいは、前記訓練電池電流、前記第1の電池残量、前記第2の電池残量、及び電池定格電池容量に基づいて、前記電池に対応する真の健康度を決定する前記ステップは、具体的には、
【数1】
であってもよく、ここで、SOHは電池に対応する真の健康度であり、t
βは電池の充電プロセスの終了時の時刻であり、t
αは電池の充電プロセスの開始時の時刻であり、SOC
αは第1の電池残量であり、SOC
βは第2の電池残量であり、Q
定は定格電池容量である。
【0090】
電池電流、電池残量、及び定格電池容量に基づいて、理想的な充電動作状況における電池の健康度を算出することにより、電池健康状態を定量的に正確に判定することが可能となるため、電池健康状態の判定正確度を向上させ、ひいては電池の真の健康度の決定の正確度を向上させる。
【0091】
一つの可能な実施例として、上記のステップA11において、前記訓練サンプルデータから、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データを選択する前記ステップは、具体的には、
前記訓練サンプルデータから、前記充電プロセスの終了後の放置時間が予め設定された時間閾値よりも大きい第1の電池データを選択するステップと、
前記第1の電池データのうち、前記第2の電池残量と前記第1の電池残量との差が予め設定された電量閾値よりも大きく、且つ、前記充電プロセスの終了時の電流が予め設定された電流閾値よりも小さい第2の電池データを、前記電池充電データとして決定するステップと、を含んでもよい。
【0092】
なお、本実施例において、予め設定された時間閾値は、充電終了後の電池電圧値測定の真正性への影響が小さいと判定される、予め設定された放置時間臨界値であり、予め設定された時間閾値は30分間であってもよく、35分間であってもよい。予め設定された電量閾値は、訓練電池の真の健康度の算出に影響の少ない第2の電池残量と第1の電池残量との差の予め設定された臨界値であり、予め設定された電量閾値は50であってもよく、55であってもよい。予め設定された電流閾値は、訓練電池の電池残量の算出に影響の少ない予め設定された電流臨界値であり、予め設定された電流閾値は1Cであってもよく、0.8Cであってもよい。
【0093】
本実施例において、各訓練サンプルデータの、充電プロセスの終了後の放置時間を取得し、各訓練電池データのうち、放置時間が予め設定された時間閾値よりも大きい第1の電池データを選択し、第1の電池データの、充電プロセスの開始時の第1の電池残量と、充電プロセスの終了時の電流と、充電プロセスの終了時の第2の電池残量とを取得し、第1の電池データから、第2の電池残量と第1の電池残量との差が予め設定された電量閾値よりも大きく、且つ、電流が予め設定された電流閾値よりも小さい第2の電池データを、前記電池充電データとして選択する。
【0094】
なお、電池の充電中の電流が過大になると、電池の電圧を算出する際に電池の実際の電圧との偏差が生じやすく、算出された残留電圧が不正確になり、ひいては算出された電池の真の健康度の正確度が低くなる。第2の電池残量と第1の電池残量との差が小さいと、大きな誤差が生じやすく、算出された電池の真の健康度の正確度が低くなる。充電プロセスの終了後の電池の放置時間が短すぎると、電池の分極による内部抵抗が大きく、電池の電圧を算出する際に電池の実際の電圧との偏差が生じやすく、算出された残留電圧が不正確になり、ひいては算出された電池の真の健康度の正確度が低くなる。
【0095】
本実施例において、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データを選択し、予め設定された充電動作状況条件には、電池の充電プロセス中の第2の電池残量と第1の電池残量との差、充電プロセスの終了後の電池の放置時間、及び充電プロセスの終了時の電流を制約する条件が含まれるため、充電プロセス中の電池の電流が過大であること、及び/又は、第2の電池残量と第1の電池残量との差が小さいこと、及び/又は、充電プロセスの終了後の電池の放置時間が短すぎることに起因する、算出された電池の真の健康度の正確度が低い状況を回避して、電池の真の健康度の決定の正確度を向上させる。
【0096】
なお、本願の実施例は、上記の何れか一つの実施例に言及されたような車両をさらに提供する。
【0097】
図11を参照し、
図11は本願の実施例の案に言及された車両にかかるハードウェア運転環境の機器構造模式図である。
【0098】
図11に示すように、当該車両は、プロセッサ1001(例えばCPU)、通信バス1002、ネットワークインターフェース1003、メモリ1004を含んでもよい。その中で、通信バス1002はプロセッサ1001とメモリ1004との間の接続や通信を実現する。メモリ1004としては高速RAMメモリであってもよく、安定したメモリ(non-volatile memory)、例えば磁気ディスクメモリでもよい。また、メモリ1004は前記プロセッサ1001とは独立した記憶機器であってもよい。
【0099】
また、この車両はさらにグラフィックユーザインターフェース、ネットワークインターフェース、ウェブカメラ、RF(Radio Frequency,無線周波数)回路、センサ、オーディオ回路、WiFiモジュール等を含んでもよい。グラフィックユーザインターフェースはディスプレイ(Display)、入力サブモジュール(例えばキーボード(Keyboard))を含んでもよく、また、グラフィックユーザインターフェースはさらに標準の有線インターフェース、無線インターフェースを含んでもよい。また、ネットワークインターフェースは標準の有線インターフェース、無線インターフェース(例えばWI-FIインターフェース)を含んでもよい。
【0100】
当業者であれば、
図11に示す構造は車両に対する限定を構成せず、実際の応用の異なる設計需要によっては、異なる可能な実施形態において、車両は、図示より多い或いは少ない部品を含んでもよく、或いは一部の部品を組み合わせたり、異なる部品の配置をしたりしてもよいことを、理解できるであろう。
【0101】
図11に示すように、一種の記憶媒体としてのメモリ1004には、オペレーティングシステム、ネットワーク通信モジュール、及び電池健康状態予測プログラムが含まれてもよい。オペレーティングシステムとは、車両のハードウェア及びソフトウェアに基づくリソースを管理及び制御するプログラムであり、電池健康状態予測プログラム及び他のソフトウェア及び/又はプログラムの実行をサポートする。ネットワーク通信モジュールはメモリ1004の内部の各構成部品の間の通信、及び電池健康状態予測システム内の他のハードウェア及びソフトウェアとの間の通信を実現するためのものである。
【0102】
図11に示す車両において、プロセッサ1001は、メモリ1004に記憶されている電池健康状態予測プログラムを実行して、上記の何れか一つの実施例に記載の電池健康状態予測方法のステップを実現する。
【0103】
本願の車両に基づく具体的な実施形態は、上述した電池健康状態予測方法の各実施例と基本的に同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。
【0104】
さらに、本願は、電池健康状態予測装置をさらに提供する。本願の電池健康状態予測装置は、電池健康状態予測を制御するのに車両に適用され、
図12に示すように、本願の電池健康状態予測装置は、
車両の電池データを取得する取得モジュールと、
前記電池データに対して特徴抽出を行って、前記車両に対応する車使用行動特徴を得る抽出モジュールと、
前記車使用行動特徴に基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を予測する特徴予測モジュールと、
前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する健康度予測モジュールと、を含む。
【0105】
あるいは、前記車使用行動特徴の特徴種類は、割合類特徴と累加類特徴とを含み、前記特徴予測モジュールはさらに、
予め設定された線形フィッティングモデルと前記車使用行動特徴とに基づいて、次の時間ステップにおける前記車両の予測累加類特徴を予測し、
前記割合類特徴と前記累加類特徴とをアグリゲートして、次の時間ステップにおける前記車両の予測車使用行動特徴を得る。
【0106】
あるいは、前記予測車使用行動特徴と電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記車両内の電池の健康度を予測する前記ステップの前に、前記電池健康状態予測装置はさらに、
訓練対象電池健康状態予測モデルと、前記車両内の電池の訓練サンプルデータと、前記訓練サンプルデータに基づいて算出された前記電池の真の健康度とを取得し、
前記訓練サンプルデータに対して特徴抽出を行って、前記電池に対応する訓練車使用行動特徴を得て、
前記訓練車使用行動特徴に対して正規化処理を行って、正規化車使用行動特徴を得て、
前記正規化車使用行動特徴と前記訓練対象電池健康状態予測モデルとに基づいて、前記電池の訓練健康度を予測し、
前記訓練健康度と前記真の健康度とに基づいて、前記訓練対象電池健康状態予測モデルを反復的に最適化して、前記電池健康状態予測モデルを得る。
【0107】
あるいは、前記訓練車使用行動特徴の特徴内容は、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを含み、前記電池健康状態予測装置はさらに、
前記訓練電池データ内の、前記真の健康度を算出するための電池充電データの締切時刻を取得し、
前記訓練サンプルデータから、前記締切時刻の前で予め設定された健康状態予測条件を満たす訓練電池データを選択し、
前記訓練電池データに基づいて、ユーザ行動特徴と電池性能特徴とを抽出する。
【0108】
あるいは、前記電池健康状態予測装置はさらに、
前記訓練サンプルデータから、予め設定された充電動作状況条件を満たす電池充電データを選択し、前記電池充電データには、前記電池の充電プロセス中の訓練電池電流と、前記訓練電池の前記充電プロセスの開始時の第1の電池残量と、前記訓練電池の前記充電プロセスの終了時の第2の電池残量と、前記電池の定格電池容量とが含まれ、
前記訓練電池電流、前記第1の電池残量、前記第2の電池残量、及び電池定格電池容量に基づいて、前記電池に対応する真の健康度を決定する。
【0109】
あるいは、前記電池健康状態予測装置はさらに、
前記訓練サンプルデータから、前記充電プロセスの終了後の放置時間が予め設定された時間閾値よりも大きい電池データである第1の電池データを選択し、
前記第1の電池データのうち、前記第2の電池残量と前記第1の電池残量との差が予め設定された電量閾値よりも大きく、且つ、前記充電プロセスの終了時の電流が予め設定された電流閾値よりも小さい電池データである第2の電池データを、前記電池充電データとして決定する。
【0110】
あるいは、前記電池健康状態予測装置はさらに、
各前記訓練車使用行動特徴に対応する予め設定された特徴閾値を取得し、
各前記訓練車使用行動特徴と前記予め設定された特徴閾値との比に基づいて、正規化車使用行動特徴を得る。
【0111】
本願の電池健康状態予測装置の各機能モジュールの具体的な実施形態は、上述した電池健康状態予測方法の各実施例と基本的に同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。
【0112】
本願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提案し、前記コンピュータ記憶媒体には1つ又は複数のプログラムが記憶され、前記1つ又は複数のプログラムはさらに、1つ又は複数のプロセッサにより実行されることで、上記の何れか一項に記載の電池健康状態予測方法のステップを実現することができる。
【0113】
本願のコンピュータ記憶媒体の具体的な実施形態は、上述した電池健康状態予測方法の各実施例と基本的に同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。
【0114】
本願はコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供し、当該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行された場合、上記の電池健康状態予測方法のステップを実現する。
【0115】
本願のコンピュータプログラム製品の具体的な実施形態は、上述した電池健康状態予測方法の各実施例と基本的に同じであるため、ここでは重複した説明を省略する。
【0116】
本文において、「含む」、「含める」といった術語或いは何れの他のバリエーションは非排他的な包含を意味することで、一連の要素の過程、方法、物品或いは装置がそれらの要素だけでなく、明確に列挙されていない他の要素を含み、或いはこの種の過程、方法、物品或いは装置に固有の要素を含むようにする。それ以上の制限がない状況で、「一つの…を含む」という文により限定される要素は、当該要素を含む過程、方法、物品或いは装置の中に他の同じ要素がさらに存在することを除外しない。
【0117】
上記本発明実施例の番号は説明のためのものだけであって、実施例の優劣を表すものではない。
【0118】
以上の実施態様の説明を通して、当業者は、上記の実施例の方法はソフトウェアに必要な汎用ハードウェアプラットフォームを加える方法(勿論ハードウェアによることも可能であるが、多くの場合では前者がより良い実施方法)で実現できることを明確に理解できる。このような理解に基づいて、本発明の技術案は、本質としては、或いは先行技術に対して貢献する部分は、ソフトウェア製品の形式で体現できる。当該コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)の中に記憶でき、一台の端末機器(車載コンピュータ、スマートフォン、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器等でもよい)に本発明の各実施例で説明する方法を実行させるための幾つかの命令を含む。
【0119】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、それによって本発明の特許の保護範囲を制限するわけではない。本発明の明細書及び添付図面の内容を利用してなされた均等構造或いは均等流れ変換、或いは直接又は間接的な他の関連する技術分野への応用も、同じ理由で本発明の特許の保護範囲に含まれる。