(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139249
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】絹-ヒアルロン酸系組織フィラー、及びそれを用いる方法
(51)【国際特許分類】
A61L 27/22 20060101AFI20230926BHJP
A61L 27/20 20060101ALI20230926BHJP
A61P 23/00 20060101ALI20230926BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20230926BHJP
A61L 27/48 20060101ALI20230926BHJP
【FI】
A61L27/22
A61L27/20
A61P23/00
A61K31/167
A61L27/48
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122912
(22)【出願日】2023-07-28
(62)【分割の表示】P 2020520437の分割
【原出願日】2018-06-26
(31)【優先権主張番号】62/641,095
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/525,131
(32)【優先日】2017-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516092706
【氏名又は名称】エボルブド バイ ネイチャー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・エイチ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ペン・シュー
(72)【発明者】
【氏名】エルレイ・ジン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ヒアルロン酸及び絹タンパク質断片ベースの生体適合性組織フィラーを提供する。
【解決手段】絹タンパク質又は絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、麻酔剤と、を含む生体適合性組織フィラーであって、前記HAの一部、前記SPFの一部、又は前記HAの一部及び前記SPFの一部の両方が、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含むリンカー又は架橋部分を含む。
【選択図】
図38
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絹タンパク質又は絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、麻酔剤と、を含む生体適合性組織フィラーであって、前記HAの一部、前記SPFの一部、又は前記HAの一部及び前記SPFの一部の両方が、アルカン又はアルキル鎖、エーテル基、及び第二級アルコールの1以上を含む1以上のリンカー部分によって変性又は架橋されており、
前記絹タンパク質断片が、約1kDa~約250kDaの平均重量平均分子量を有し、
前記変性又は架橋されたHA又はSPFが、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含むリンカー又は架橋部分を含み、
変性又は架橋が、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルである架橋剤及び/又は架橋前駆体を用いて得られることを特徴とする生体適合性組織フィラー。
【請求項2】
変性又は架橋が、約500、約1000、約2000、又は約6000の平均Mnを有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、及び/又は約2個~約25個のエチレングリコール基を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルからなる群から選択される架橋剤及び/又は架橋前駆体を用いて得られる、請求項1に記載の組織フィラー。
【請求項3】
前記麻酔剤が、リドカインであり、好ましくは、約0.001%~約5%の濃度である、請求項1又は2に記載の組織フィラー。
【請求項4】
前記組織フィラーにおけるHAの総濃度が、約10mg/mL~約50mg/mLである、請求項1から3のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項5】
前記絹タンパク質が、絹フィブロインであり、好ましくは、絹フィブロインがセリシンを実質的に含まない、請求項1から4のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項6】
前記絹タンパク質が、約5kDa~約150kDaの平均重量平均分子量を有する、請求項1から5のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項7】
前記SPFが、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する、請求項1から5のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項8】
前記組織フィラーにおけるSPFの総濃度が、約0.1mg/mL~約15mg/mLである、請求項1から7のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項9】
前記組織フィラーが、約25Pa~約1500Paの貯蔵弾性率(G’)を有する、請求項1から8のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項10】
前記組織フィラーが、約1Pa・s~約10Pa・sの複素粘度を有する、請求項1から9のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項11】
前記組織フィラーが、光の最大95%を散乱透過する、請求項1から10のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項12】
前記組織フィラーが、光の約0.1%~約75%を透過する請求項1から11のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項13】
医薬における使用のための、好ましくは、皮膚状態の治療における使用のための、請求項1から12のいずれかに記載の組織フィラー。
【請求項14】
請求項1から12のいずれかに記載の組織フィラーの非治療的美容的使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年6月26日出願の米国仮特許出願第62/525,131号及び2018年3月9日出願の米国仮特許出願第62/641,095号の利益を主張する。これらの出願のそれぞれの全内容を、参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
絹(シルク)は、様々な昆虫及びクモから生み出される天然高分子である。絹は、フィラメントコアタンパク質、絹フィブロイン、及び非フィラメント状タンパク質、セリシンからなる膠状コーティングを含む。絹は、歴史的に、医療分野での使用のために研究されてきている。ヒアルロン酸(ヒアルロナン)は、全身に分布し、結合組織及び上皮組織に存在するグリコサミノグリカンである。その生体適合性及び構造的な利点のために、医療機器及び移植材料に有用な成分である。
【0003】
人体の軟組織は、その構造を一部、細胞外マトリックスに負っており、細胞外マトリックスは、コラーゲン、エラスチン、及びグリコサミノグリカンを含む。軟組織構造に歪曲、変形、又は他の変化をもたらす軟組織の欠陥が発生し得る。このような構造は、欠陥部位に沈着し欠陥を改善することができる組織フィラーを使用することによって復元することができる。例えば、組織フィラーを顔面の皺の部位に配し、皺を伸ばすことができる。
【0004】
しかし、特定の組織欠陥への組織フィラーの適用を可能にすることができる調節可能な特性をもたらしつつ、多くの組織欠陥を改善する新たな組織フィラーが当技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態において、本発明は、ヒアルロン酸(HA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、アルギン酸塩、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、キサンタンガム、キトサン、ペクチン、寒天、カラギーナン、及びグアーガムからなる群から選択されるグリコサミノグリカンと;酵素阻害剤、麻酔剤、薬効神経毒、酸化防止剤、抗感染剤、抗炎症剤、紫外(UV)光遮断剤、染料、ホルモン、免疫抑制剤、抗炎症剤からなる群から選択される活性剤とを含む生体適合性組織フィラーであって、前記グリコサミノグリカンの一部がアルカン又はアルキル鎖、エーテル基、及び第二級アルコールの1以上を含む架橋部分によって架橋され、前記架橋が、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、グリコサミノグリカンは、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、HAの総量に対する架橋HAの量(%w/w)は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。幾つかの実施形態では、架橋HAの架橋度は、約1%~約100%である。幾つかの実施形態では、架橋HAの架橋度は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。幾つかの実施形態では、架橋HAの架橋度は、約1%~約15%である。幾つかの実施形態において、架橋HAの架橋度は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、及び約15%の1以上である。
【0006】
幾つかの実施形態では、架橋HAは、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む架橋部分を含む。幾つかの実施形態では、架橋剤及び/又は架橋前駆体は、エポキシ基を含む。幾つかの実施形態では、架橋は、ポリエポキシリンカー、ジエポキシリンカー、ポリエポキシ-PEG、ジエポキシ-PEG、ポリグリシジル-PEG、ジグリシジル-PEG、ポリアクリレートPEG、ジアクリレートPEG、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ブタン、1,4-ビスグリシジルオキシブタン、ジビニルスルホン(DVS)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、UV光、グルタルアルデヒド、1,2-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)エチレン(EGDGE)、1,2,7,8-ジエポキシオクタン(DEO)、ビスカルボジイミド(BCDI)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETGE)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、1-(2,3-エポキシプロピル)-2,3-エポキシシクロヘキサン、カルボジイミド、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、及びソルビトールポリグリシジルエーテルからなる群から選択される多官能性エポキシ化合物を用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエポキシPEG、PEGジグリシジルエーテル、ポリオキシエチレンビス-グリシジルエーテル、PEGDE、及びPEGDGEからなる群から選択される架橋剤及び/又は架橋前駆体を用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、約500、約1000、約2000、又は約6000の平均Mnを有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、2~25個のエチレングリコール基を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、ポリエポキシ絹フィブロインリンカー、ジエポキシ絹フィブロインリンカー、ポリエポキシ絹フィブロイン断片リンカー、ジエポキシ絹フィブロイン断片リンカー、ポリグリシジル絹フィブロインリンカー、ジグリシジル絹フィブロインリンカー、ポリグリシジル絹フィブロイン断片リンカー、及びジグリシジル絹フィブロイン断片リンカーからなる群から選択される架橋剤及び/又は架橋前駆体を用いて得られる。
【0007】
幾つかの実施形態において、本発明は、有機化合物及び/又は無機化合物を更に含む組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、無機化合物は、カルシウムヒドロキシアパタイトを含む。幾つかの実施形態では、カルシウムヒドロキシアパタイトは、約1μm~約100μm、約1μm~約10μm、約2μm~約12μm、約3μm~約10μm、約4μm~約15μm、約8μm~約12μm、約5μm~約10μm、約6μm~約12μm、約7μm~約20μm、約9μm~約18μm、又は約10μm~約25μmの直径を有する粒子として処方される。幾つかの実施形態では、カルシウムヒロキシアパタイトの濃度は、約0.001%~約5%である。幾つかの実施形態では、カルシウムヒドロキシアパタイトの濃度は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.011%、約0.012%、約0.013%、約0.014%、約0.015%、約0.016%、約0.017%、約0.018%、約0.019%、又は約0.02%である。幾つかの実施形態では、カルシウムヒドロキシアパタイトの濃度は、約0.05%、約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.35%、約0.4%、約0.45%、約0.5%、約0.55%、約0.6%、約0.65%、約0.7%、約0.75%、約0.8%、約0.85%、約0.9%、約0.95%、約1%、約1.05%、約1.1%、約1.15%、約1.2%、約1.25%、約1.3%、約1.35%、約1.4%、約1.45%、約1.5%、約1.55%、約1.6%、約1.65%、約1.7%、約1.75%、約1.8%、約1.85%、約1.9%、約1.95%、又は約2%である。幾つかの実施形態では、有機化合物は、グリシン、L-プロリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を含む。
【0008】
幾つかの実施形態において、本発明は、HAを含む組織フィラーであって、前記HAが、連鎖球菌又は枯草菌から得られる組織フィラーに関する。
【0009】
一実施形態において、本発明は、ヒアルロン酸(HA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、アルギン酸塩、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、キサンタンガム、キトサン、ペクチン、寒天、カラギーナン、及びグアーガムからなる群から選択されるグリコサミノグリカンと;麻酔剤とを含む生体適合性組織フィラーであって、前記グリコサミノグリカンの一部が、アルカン又はアルキル鎖、エーテル基、及び第二級アルコールの1以上を含む架橋部分によって架橋され、前記架橋が、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、麻酔剤はリドカインである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける麻酔剤の濃度は、約0.001%~約5%である。幾つかの実施形態では、組織フィラー中のリドカインの濃度は、約0.3%である。
【0010】
一実施形態において、本発明は、ヒアルロン酸(HA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、アルギン酸塩、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、キサンタンガム、キトサン、ペクチン、寒天、カラギーナン、及びグアーガムからなる群から選択されるグリコサミノグリカンと;麻酔剤とを含む生体適合性組織フィラーであって、前記グリコサミノグリカンの一部が、アルカン又はアルキル鎖、エーテル基、及び第二級アルコールの1以上を含む架橋部分によって架橋され、前記架橋が、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られ、前記組織フィラーがゲルである生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーはヒドロゲルである。幾つかの実施形態では、組織フィラーは更に水を含む。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおけるHAの総濃度は、約10mg/mL~約50mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおけるHAの総濃度は、約15mg/mL、約16mg/mL、17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、約20mg/mL、約21mg/mL、約22mg/mL、約23mg/mL、約24mg/mL、約25mg/mL、約26mg/mL、約27mg/mL、約28mg/mL、約29mg/mL、又は約30mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける架橋HAの濃度は、約10mg/mL~約50mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける架橋HAの濃度は、約15mg/mL、約16mg/mL、約17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、約20mg/mL、約21mg/mL、約22mg/mL、約23mg/mL、約24mg/mL、約25mg/mL、約26mg/mL、約27mg/mL、約28mg/mL、約29mg/mL、又は約30mg/mLである。
【0011】
一実施形態において、本発明は、ヒアルロン酸(HA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、アルギン酸塩、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、キサンタンガム、キトサン、ペクチン、寒天、カラギーナン、及びグアーガムからなる群から選択されるグリコサミノグリカンと;麻酔剤とを含む生体適合性組織フィラーであって、前記グリコサミノグリカンの一部が、アルカン又はアルキル鎖、エーテル基、及び第二級アルコールの1以上を含む架橋部分によって架橋され、前記架橋が、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られ、前記組織フィラーが絹タンパク質又は絹タンパク質断片(SPF)を含む生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、絹タンパク質は、絹フィブロインである。幾つかの実施形態では、絹タンパク質は、セリシンを実質的に含まない絹フィブロインである。幾つかの実施形態では、SPFは、約1kDa~約250kDaの範囲の平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約5kDa~約150kDaの範囲の平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約6kDa~約17kDaの範囲の平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約17kDa~約39kDaの範囲の平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約39kDa~約80kDaの範囲の平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、低分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、中程度の分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは高分子量を有する。幾つかの実施形態では、絹タンパク質断片(SPF)は、約1.5~約3.0の多分散性を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、最大60%の結晶化度を有する。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態において、SPFの総量に対する架橋SPFの量(%w/w)は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの架橋度は、約1%~約100%である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの架橋度は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの架橋度は、約1%~約15%である。幾つかの実施形態において、架橋SPFの架橋度は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、及び約15%の1以上である。
【0012】
一実施形態において、本発明は、ヒアルロン酸(HA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、アルギン酸塩、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、キサンタンガム、キトサン、ペクチン、寒天、カラギーナン、及びグアーガムからなる群から選択されるグリコサミノグリカンと;麻酔剤とを含む生体適合性組織フィラーであって、前記グリコサミノグリカンの一部が、アルカン又はアルキル鎖、エーテル基、及び第二級アルコールの1以上を含む架橋部分によって架橋され、前記架橋が、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られ、前記組織フィラーが絹タンパク質又は絹タンパク質断片(SPF)を含み、SPFの一部が架橋されている生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、架橋SPFは、アルカン又はアルキル鎖、及び/又はエーテル基をを含む架橋部分を含む。幾つかの実施形態では、架橋SPFは、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む架橋部分を含む。幾つかの実施形態では、架橋SPFは、第二級アルコールを含む架橋部分を含む。幾つかの実施形態では、架橋は、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋剤及び/又は架橋前駆体は、エポキシ基を含む。幾つかの実施形態では、架橋は、ポリエポキシリンカー、ジエポキシリンカー、ポリエポキシ-PEG、ジエポキシ-PEG、ポリグリシジル-PEG、ジグリシジル-PEG、ポリアクリレートPEG、ジアクリレートPEG、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ブタン、1,4-ビスグリシジルオキシブタン、ジビニルスルホン(DVS)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、UV光、グルタルアルデヒド、1,2-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)エチレン(EGDGE)、1,2,7,8-ジエポキシオクタン(DEO)、ビスカルボジイミド(BCDI)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETGE)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、1-(2,3-エポキシプロピル)-2,3-エポキシシクロヘキサン、カルボジイミド、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、及びソルビトールポリグリシジルエーテルからなる群から選択される多官能性エポキシ化合物を用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエポキシPEG、PEGジグリシジルエーテル、ポリオキシエチレンビス-グリシジルエーテル、PEGDE、及びPEGDGEからなる群から選択される架橋剤及び/又は架橋前駆体を用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、約500、約1000、約2000、又は約6000の平均Mnを有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、2~25個のエチレングリコール基を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋は、ポリエポキシ絹フィブロインリンカー、ジエポキシ絹フィブロインリンカー、ポリエポキシ絹フィブロイン断片リンカー、ジエポキシ絹フィブロイン断片リンカー、ポリグリシジル絹フィブロインリンカー、ジグリシジル絹フィブロインリンカー、ポリグリシジル絹フィブロイン断片リンカー、及びジグリシジル絹フィブロイン断片リンカーからなる群から選択される架橋剤及び/又は架橋前駆体を用いて得られる。幾つかの実施形態では、SPFの一部は、HAに架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部は、SPFに架橋されている。幾つかの実施形態では、組織フィラーはゲルである。幾つかの実施形態では、組織フィラーはヒドロゲルである。幾つかの実施形態では、組織フィラーは更に水を含む。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおけるSPFの総濃度は、約0.1mg/mL~約15mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおけるSPFの総濃度は、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.5mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、約5mg/mL、約5.5mg/mL、約6mg/mL、約6.5mg/mL、約7mg/mL、約7.5mg/mL、約8mg/mL、約8.5mg/mL、約9mg/mL、約9.5mg/mL、約10mg/mL、約10.5mg/mL、約11mg/mL、約11.5mg/mL、約12mg/mL、約12.5mg/mL、約13mg/mL、約13.5mg/mL、約14mg/mL、約14.5mg/mL、又は約15mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける架橋SPFの濃度は、約0.1mg/mL~約15mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける架橋SPFの濃度は、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.5mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、約5mg/mL、約5.5mg/mL、約6mg/mL、約6.5mg/mL、約7mg/mL、約7.5mg/mL、約8mg/mL、約8.5mg/mL、約9mg/mL、約9.5mg/mL、約10mg/mL、約10.5mg/mL、約11mg/mL、約11.5mg/mL、約12mg/mL、約12.5mg/mL、約13mg/mL、約13.5mg/mL、約14mg/mL、約14.5mg/mL、又は約15mg/mLである。
【0013】
一実施形態において、本発明は、ヒアルロン酸(HA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、アルギン酸塩、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、キサンタンガム、キトサン、ペクチン、寒天、カラギーナン、及びグアーガムからなる群から選択されるグリコサミノグリカンと;麻酔剤とを含む生体適合性組織フィラーであって、前記グリコサミノグリカンの一部が、アルカン又はアルキル鎖、エーテル基、及び第二級アルコールの1以上を含む架橋部分によって架橋され、前記架橋が、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られ、前記組織フィラーが任意に、絹タンパク質又は絹タンパク質断片(SPF)を含み、SPFの一部が架橋されている生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、皮膚フィラー(dermal filler)である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、注入可能である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、約25Pa~約1500Paの貯蔵弾性率(G’)を有する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、約25Pa、約26Pa、約27Pa、約28Pa、約29Pa、約30Pa、約31Pa、約32Pa、約33Pa、約34Pa、約35Pa、約36Pa、約37Pa、約38Pa、約39Pa、約40Pa、約41Pa、約42Pa、約43Pa、約44Pa、約45Pa、約46Pa、約47Pa、約48Pa、約49Pa、約50Pa、約51Pa、約52Pa、約53Pa、約54Pa、約55Pa、約56Pa、約57Pa、約58Pa、約59Pa、約60Pa、約61Pa、約62Pa、約63Pa、約64Pa、約65Pa、約66Pa、約67Pa、約68Pa、約69Pa、約70Pa、約71Pa、約72Pa、約73Pa、約74Pa、約75Pa、約76Pa、約77Pa、約78Pa、約79Pa、約80Pa、約81Pa、約82Pa、約83Pa、約84Pa、約85Pa、約86Pa、約87Pa、約88Pa、約89Pa、約90Pa、約91Pa、約92Pa、約93Pa、約94Pa、約95Pa、約96Pa、約97Pa、約98Pa、約99Pa、約100Pa、約101Pa、約102Pa、約103Pa、約104Pa、約105Pa、約106Pa、約107Pa、約108Pa、約109Pa、約110Pa、約111Pa、約112Pa、約113Pa、約114Pa、約115Pa、約116Pa、約117Pa、約118Pa、約119Pa、約120Pa、約121Pa、約122Pa、約123Pa、約124Pa、又は約125Paの貯蔵弾性率(G’)を有する。幾つかの実施形態において、本明細書では、G’は、約0.1~約10Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、G’は、約1Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、G’は、約5Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、G’は、約10Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、約1Pa・s~約10Pa・sの複素粘度を有する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、約1Pa・s、約1.5Pa・s、約2Pa・s、約2.5Pa・s、約3Pa・s、約3.5Pa・s、約4Pa・s、約4.5Pa・s、約5Pa・s、約5.5Pa・s、約6Pa・s、約6.5Pa・s、約7Pa・s、約7.5Pa・s、約8Pa・s、約8.5Pa・s、約9Pa・s、約9.5Pa・s、又は約10Pa・sの複素粘度を有する。幾つかの実施形態では、複素粘度は、約0.1~約10Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、複素粘度は、約1Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、複素粘度は、約5Hzの振動応力によって測定される。
【0014】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体における状態を治療する方法、及び/又はそれを必要とする被験体における美容治療の方法であって、前記被験体に、生体適合性組織フィラーの治療有効量を投与することを含み、前記生体適合性組織フィラーが、ヒアルロン酸(HA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、アルギン酸塩、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、キサンタンガム、キトサン、ペクチン、寒天、カラギーナン、及びグアーガムからなる群から選択されるグリコサミノグリカンと;麻酔剤とを含み、前記グリコサミノグリカンの一部が、アルカン又はアルキル鎖、エーテル基、及び第二級アルコールの1以上を含む架橋部分によって架橋され、前記架橋が、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られ、前記組織フィラーが任意に、絹タンパク質又は絹タンパク質断片(SPF)を含み、SPFの一部が架橋されている生体適合性組織フィラーである方法に関する。幾つかの実施形態では、状態は、皮膚の状態である。幾つかの実施形態において、皮膚の状態は、皮膚の脱水、皮膚弾力の欠如、肌荒れ、皮膚の張りの欠如、皮膚のストレッチライン、皮膚のストレッチマーク、皮膚の蒼白、皮膚ディボット(dermal divot)、窪んだ頬、薄い唇、後眼窩欠陥、顔面の折り目、及び皺からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、被験体の真皮領域に投与される。幾つかの実施形態において、前記方法は、オーグメンテーション、再建、疾患の治療、障害の治療、身体の一部、部分、又は領域の欠陥又は不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、前記方法は、顔面のオーグメンテーション、顔面の再建、顔面の疾患の治療、顔面の障害の治療、顔面の欠陥の治療、又は顔面の不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、少なくとも約3日間、約7日間、約14日間、約21日間、約28日間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、生分解、生体侵食(bioerosion)、生体吸収、及び/又は生体再吸収に抵抗性を示す。幾つかの実施形態では、被験体への組織フィラーの投与により、多糖及びリドカインを含むが絹タンパク質断片(SPF)を含まない対照組織フィラーによって誘導される炎症応答に比べ、炎症応答が低減される。幾つかの実施形態では、被験体への組織フィラーの投与により、多糖及びリドカインを含むが絹タンパク質断片(SPF)を含まない対照組織フィラーによって誘導されるコラーゲン産生に比べ、コラーゲン産生が増大する。
【0015】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。実施形態において、本発明は、絹及びヒアルロン酸から調製することができる組織フィラーを含む。
【0016】
幾つかの実施形態において、本発明は、約1kDa~約250kDaの範囲の平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)を含む生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、本発明は、約5kDa~約150kDaの範囲の平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)を含む生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、SPFは、約6kDa~約17kDaの範囲の平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約17kDa~約39kDaの範囲の平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約39kDa~約80kDaの範囲の平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約80kDa~約150kDaの範囲の平均分子量を有する。
【0017】
幾つかの実施形態において、本発明は、最大約0%~100%SPFと架橋された、絹タンパク質断片(SPF)を含む生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、SPFは、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いてSPFと架橋させた。幾つかの実施形態では、架橋度は、最大約100%である。
【0018】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)とを含み、SPFの最大約0%~100%がSPFと架橋され、前記SPFは、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いてSPFと架橋され、SPFの架橋度は最大約100%である生体適合性組織フィラーに関する。
【0019】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)とを含み、HAの最大100%が、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いてHAと架橋されている生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、SPFの最大約100%がSPFと架橋され、前記SPFは、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いてSPFと架橋され、SPFの架橋度は最大約100%である。
【0020】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)とを含み、HAの0%~100%が非架橋である生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、SPFの最大約100%が架橋され、前記SPFは、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いてSPFと架橋され、SPFの架橋度は最大約100%である。幾つかの実施形態では、HAは全て非架橋である。
【0021】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)とを含み、SPFの0%~100%がHAと架橋されている生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、SPFとHAを、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いて架橋させた。幾つかの実施形態では、SPF-HAの架橋度が最大約100%である。幾つかの実施形態では、HAの最大100%がHAと架橋されている。幾つかの実施形態では、HAを、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いてHAと架橋させた。幾つかの実施形態では、HAの少なくとも0.1%が非架橋である。幾つかの実施形態では、HAは全て非架橋である。
【0022】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)とを含み、HAの少なくとも0.1%が非架橋である生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、SPFの最大約100%が架橋され、前記SPFは、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いてSPFと架橋され、SPFの架橋度は最大約100%である。幾つかの実施形態では、HAは全て非架橋である。
【0023】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)とを含み、SPFの少なくとも0.1%がHAと架橋されている生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、SPFとHAを、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いて架橋させた。幾つかの実施形態では、SPF-HAの架橋度が最大約100%である。幾つかの実施形態では、HAの最大100%がHAと架橋されている。幾つかの実施形態では、HAを、BDDEなどの架橋剤、又は本明細書に記載の他の架橋剤の1つを用いてHAと架橋させた。幾つかの実施形態では、HAの少なくとも0.1%が非架橋である。幾つかの実施形態では、HAは全て非架橋である。
【0024】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)とを含み、前記SPFが、セリシンを実質的に欠いている生体適合性組織フィラーに関する。
【0025】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性ゲル組織フィラーに関する。
【0026】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性ヒドロゲル組織フィラーに関する。
【0027】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖と、水とを含む生体適合性ゲル組織フィラーに関する。
【0028】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約0%~約60%の結晶化度を有する生体適合性組織フィラーに関する。
【0029】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖と、更に活性剤とを含む生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態において、活性剤は、酵素阻害剤、麻酔剤、薬効神経毒、酸化防止剤、抗感染剤、血管拡張剤、反射剤、抗炎症剤、紫外(UV)光遮断剤、染料、ホルモン、免疫抑制剤、又は抗炎症剤であることができる。一実施形態では、麻酔剤はリドカインである。
【0030】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む注入可能な生体適合性組織フィラーに関する。
【0031】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、G’は、約0.1~約10Hzの振動応力によって測定される。一実施形態では、G’は、約1Hzの振動応力によって測定される。
【0032】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーを製造する方法であって、SPF溶液を提供することと、前記溶液に、プロトン供与性種であることができるゲル化促進剤を添加することとを含む方法に関する。
【0033】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーを製造する方法であって、SPF溶液を提供することと、前記溶液を機械的励起に付すこととを含む方法に関する。
【0034】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体における状態を治療する方法であって、前記被験体に、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーの治療有効量を投与することを含む方法に関する。幾つかの実施形態では、状態は、皮膚の状態である。幾つかの実施形態において、皮膚の状態は、皮膚の脱水、皮膚弾力の欠如、肌荒れ、皮膚の張りの欠如、皮膚のストレッチライン、皮膚のストレッチマーク、皮膚の蒼白、皮膚ディボット(dermal divot)、窪んだ頬、窪んだこめかみ、薄い唇、後眼窩欠陥、顔面の折り目、及び皺であることができる。
【0035】
一実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体における美容治療の方法であって、前記被験体に、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーの有効量を投与することを含む方法に関する。
【0036】
幾つかの実施形態では、本発明の方法は、被験体の皮膚部分に、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーを投与することを含む。
【0037】
一実施形態では、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーを投与することを含む本発明の方法は、オーグメンテーション、再建、疾患の治療、障害の治療、身体の一部、部分、又は領域の欠陥又は不完全性の治療であることができる。
【0038】
一実施形態では、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーを投与することを含む本発明の方法は、顔面のオーグメンテーション、顔面の再建、顔面の疾患の治療、顔面の障害の治療、顔面の欠陥の治療、又は顔面の不完全性の治療であることができる。
【0039】
一実施形態では、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性組織フィラーは、投与後少なくとも約3日間、生分解、生体吸収、及び/又は生体再吸収に抵抗性を示す。
【0040】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、架橋部分、例えば、エポキシ由来架橋部分を更に含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。
【0041】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、架橋部分、例えば、エポキシ由来架橋部分を更に含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。
【0042】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。
【0043】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。
【0044】
幾つかの実施形態において、SPFの総量の対する架橋SPFの量(%w/w)は、最大約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。
【0045】
幾つかの実施形態では、SPFの架橋度は、最大約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。
【0046】
幾つかの実施形態において、HAの総量の対する架橋HAの量(%w/w)は、最大約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83重量%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。
【0047】
幾つかの実施形態では、HAの架橋度は、最大約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。
【0048】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、架橋は、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋剤及び/又は架橋前駆体は、エポキシ基を含む。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。
【0049】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、架橋は、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、架橋剤及び/又は架橋前駆体は、エポキシ基を含む。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。
【0050】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、架橋は、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ブタン、1,4-ビスグリシジルオキシブタン、ジビニルスルホン(DVS)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、UV光、グルタルアルデヒド、1,2-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)エチレン(EGDGE)、1,2,7,8-ジエポキシオクタン(DEO)、ビスカルボジイミド(BCDI)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETGE)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、1-(2,3-エポキシプロピル)-2,3-エポキシシクロヘキサン、カルボジイミド、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。
【0051】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、架橋は、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ブタン、1,4-ビスグリシジルオキシブタン、ジビニルスルホン(DVS)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、UV光、グルタルアルデヒド、1,2-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)エチレン(EGDGE)、1,2,7,8-ジエポキシオクタン(DEO)、ビスカルボジイミド(BCDI)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETGE)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、1-(2,3-エポキシプロピル)-2,3-エポキシシクロヘキサン、カルボジイミド、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。
【0052】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する生体適合性組織フィラーゲル(例えば、皮膚フィラーゲル)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、ゲルは、更に水を含む。
【0053】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する生体適合性組織フィラーゲル(例えば、皮膚フィラーゲル)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、ゲルは、更に水を含む。
【0054】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する生体適合性組織フィラーヒドロゲル(例えば、皮膚フィラーヒドロゲル)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、ヒドロゲルは、更に水を含む。
【0055】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する生体適合性組織フィラーヒドロゲル(例えば、皮膚フィラーヒドロゲル)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、ヒドロゲルは、更に水を含む。
【0056】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、最大約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、又は60%超の結晶化度を有する。
【0057】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、最大約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、又は60%超の結晶化度を有する。
【0058】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、活性剤を更に含む。幾つかの実施形態において、活性剤は、酵素阻害剤、麻酔剤、薬効神経毒、酸化防止剤、抗感染剤、抗炎症剤、紫外(UV)光遮断剤、染料、ホルモン、免疫抑制剤、又は抗炎症剤からなる群から選択される。一実施形態では、麻酔剤はリドカインである。
【0059】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、活性剤を更に含む。幾つかの実施形態において、活性剤は、酵素阻害剤、麻酔剤、薬効神経毒、酸化防止剤、抗感染剤、抗炎症剤、紫外(UV)光遮断剤、染料、ホルモン、免疫抑制剤、又は抗炎症剤からなる群から選択される。一実施形態では、麻酔剤はリドカインである。
【0060】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する生体適合性の注入可能な組織フィラー(例えば、注入可能な皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。
【0061】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する生体適合性の注入可能な組織フィラー(例えば、注入可能な皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。
【0062】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する、約50Pa~約1500Paの貯蔵弾性率(G’)を有する生体適合性組織フィラー(例えば、約50Pa~約1500Paの貯蔵弾性率(G’)を有する皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、G’は、約0.1~約10Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、G’は、約1Hzの振動応力によって測定される。
【0063】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する、約50Pa~約1500Paの貯蔵弾性率(G’)を有する生体適合性組織フィラー(例えば、約50Pa~約1500Paの貯蔵弾性率(G’)を有する皮膚フィラー)に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、架橋は化学結合架橋を含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部は、ゼロ長架橋(zero-length cross-linking)である。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、G’は、約0.1~約10Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、G’は、約1Hzの振動応力によって測定される。
【0064】
幾つかの実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性織フィラー(例えば、皮膚フィラー)を製造する方法であって、SPFと多糖とを含む組成物を提供することと、前記溶液に、架橋剤、架橋前駆体、活性化剤、又はゲル化促進剤を添加することとを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する方法に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、架橋部分、例えば、エポキシ由来架橋部分を更に含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。
【0065】
幾つかの実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含む生体適合性織フィラー(例えば、皮膚フィラー)を製造する方法であって、SPFと多糖とを含む組成物を提供することと、前記溶液に、架橋剤、架橋前駆体、活性化剤、又はゲル化促進剤を添加することとを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する方法に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、架橋部分、例えば、エポキシ由来架橋部分を更に含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。
【0066】
幾つかの実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体における状態(例えば、皮膚の状態)を治療する方法であって、前記被験体に、生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)の治療有効量を投与することを含み、前記生体適合性組織フィラーが、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する方法に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、架橋部分、例えば、エポキシ由来架橋部分を更に含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。幾つかの実施形態では、皮膚の状態は、皮膚の脱水、皮膚弾力の欠如、肌荒れ、皮膚の張りの欠如、皮膚のストレッチライン、皮膚のストレッチマーク、皮膚の蒼白、皮膚ディボット(dermal divot)、窪んだ頬、薄い唇、後眼窩欠陥、顔面の折り目、及び皺からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、被験体の真皮領域に投与される。幾つかの実施形態において、前記方法は、オーグメンテーション、再建、疾患の治療、障害の治療、身体の一部、部分、又は領域の欠陥又は不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、前記方法は、顔面のオーグメンテーション、顔面の再建、顔面の疾患の治療、顔面の障害の治療、顔面の欠陥の治療、又は顔面の不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、少なくとも約3日間、約7日間、約14日間、約21日間、約28日間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、生分解、生体侵食(bioerosion)、生体吸収、及び/又は生体再吸収に抵抗性を示す。
【0067】
幾つかの実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体における状態(例えば、皮膚の状態)を治療する方法であって、前記被験体に、生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)の治療有効量を投与することを含み、前記生体適合性組織フィラーが、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する方法に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、架橋部分、例えば、エポキシ由来架橋部分を更に含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。幾つかの実施形態では、皮膚の状態は、皮膚の脱水、皮膚弾力の欠如、肌荒れ、皮膚の張りの欠如、皮膚のストレッチライン、皮膚のストレッチマーク、皮膚の蒼白、皮膚ディボット(dermal divot)、窪んだ頬、薄い唇、後眼窩欠陥、顔面の折り目、及び皺からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、被験体の真皮領域に投与される。幾つかの実施形態において、前記方法は、オーグメンテーション、再建、疾患の治療、障害の治療、身体の一部、部分、又は領域の欠陥又は不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、前記方法は、顔面のオーグメンテーション、顔面の再建、顔面の疾患の治療、顔面の障害の治療、顔面の欠陥の治療、又は顔面の不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、少なくとも約3日間、約7日間、約14日間、約21日間、約28日間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、生分解、生体侵食(bioerosion)、生体吸収、及び/又は生体再吸収に抵抗性を示す。
【0068】
幾つかの実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体における美容治療の方法であって、前記被験体に、生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)の有効量を投与することを含み、前記生体適合性組織フィラーが、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、約1kDa~約250kDa、約5kDa~約150kDa、約6kDa~約17kDa、約17kDa~約39kDa、又は約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する方法に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、架橋部分、例えば、エポキシ由来架橋部分を更に含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、被験体の真皮領域に投与される。幾つかの実施形態において、前記方法は、オーグメンテーション、再建、疾患の治療、障害の治療、身体の一部、部分、又は領域の欠陥又は不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、前記方法は、顔面のオーグメンテーション、顔面の再建、顔面の疾患の治療、顔面の障害の治療、顔面の欠陥の治療、又は顔面の不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、少なくとも約3日間、約7日間、約14日間、約21日間、約28日間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、生分解、生体侵食(bioerosion)、生体吸収、及び/又は生体再吸収に抵抗性を示す。
【0069】
幾つかの実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体における美容治療の方法であって、前記被験体に、生体適合性組織フィラー(例えば、皮膚フィラー)の有効量を投与することを含み、前記生体適合性組織フィラーが、約1.5~約3.0の多分散性を有する絹タンパク質断片(SPF)と、多糖とを含み、前記SPFが、低分子量、中分子量、及び/又は高分子量を有する方法に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、SPFの一部が架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、SPFの一部がSPFと架橋されている。幾つかの実施形態では、多糖の一部が多糖と架橋されている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、架橋部分、例えば、エポキシ由来架橋部分を更に含む。幾つかの実施形態において、架橋の一部が自己架橋である。幾つかの実施形態では、架橋SPFの一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、架橋多糖の一部が最大約100%である。幾つかの実施形態では、多糖は、ヒアルロン酸(HA)である。幾つかの実施形態では、SPFは、セリシンを実質的に欠いている。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、被験体の真皮領域に投与される。幾つかの実施形態において、前記方法は、オーグメンテーション、再建、疾患の治療、障害の治療、身体の一部、部分、又は領域の欠陥又は不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、前記方法は、顔面のオーグメンテーション、顔面の再建、顔面の疾患の治療、顔面の障害の治療、顔面の欠陥の治療、又は顔面の不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、少なくとも約3日間、約7日間、約14日間、約21日間、約28日間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、生分解、生体侵食(bioerosion)、生体吸収、及び/又は生体再吸収に抵抗性を示す。
【0070】
幾つかの実施形態において、本発明は、ヒアルロン酸(HA)と麻酔剤とを含む生体適合性組織フィラーに関し、前記HAの一部が、アルカン又はアルキル鎖、エーテル基、及び第二級アルコールの1以上を含む1以上のリンカー部分によって変性されており、前記リンカー部分が、リンカーの一端で前記HAに結合している。幾つかの実施形態では、変性は、架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、組織フィラー中のHAは、約10.0%、約10.1%、約10.2%、約10.3%、約10.4%、約10.5%、約10.6%、約10.7%、約10.8%、約10.9%、約11.0%、約11.1%、約11.2%、約11.3%、約11.4%、約11.5%、約11.6%、約11.7%、約11.8%、約11.9%、約12.0%、約12.1%、約12.2%、約12.3%、約12.4%、約12.5%、約12.6%、約12.7%、約12.8%、約12.9%、約13.0%、約13.1%、約13.2%、約13.3%、約13.4%、約13.5%、約13.6%、約13.7%、約13.8%、約13.9%、約14.0%、約14.1%、約14.2%、約14.3%、約14.4%、約14.5%、約14.6%、約14.7%、約14.8%、約14.9%、約15.0%、約15.1%、約15.2%、約15.3%、約15.4%、約15.5%、約15.6%、約15.7%、約15.8%、約15.9%、約16.0%、約16.1%、約16.2%、約16.3%、約16.4%、約16.5%、約16.6%、約16.7%、約16.8%、約16.9%、約17.0%、約17.1%、約17.2%、約17.3%、約17.4%、約17.5%、約17.6%、約17.7%、約17.8%、約17.9%、約18.0%、約18.1%、約18.2%、約18.3%、約18.4%、約18.5%、約18.6%、約18.7%、約18.8%、約18.9%、約19.0約、約19.1%、約19.2%、約19.3%、約19.4%、約19.5%、約19.6%、約19.7%、約19.8%、約19.9%、又は約20.0%の変性度(MoD)を有する。幾つかの実施形態において、組織フィラーにおけるHAの総量に対する変性HAの量(%w/w)は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。
【0071】
幾つかの実施形態では、変性HAは、架橋HAを含み、前記架橋HAの架橋度は、約1%~約100%である。幾つかの実施形態では、架橋HAの架橋度は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。幾つかの実施形態では、架橋HAの架橋度は、約1%~約15%である。
【0072】
幾つかの実施形態では、変性又は架橋HAは、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含むリンカー又は架橋部分を含む。幾つかの実施形態では、架橋剤及び/又は架橋前駆体は、エポキシ基を含む。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、ポリエポキシリンカー、ジエポキシリンカー、ポリエポキシ-PEG、ジエポキシ-PEG、ポリグリシジル-PEG、ジグリシジル-PEG、ポリアクリレートPEG、ジアクリレートPEG、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ブタン、1,4-ビスグリシジルオキシブタン、ジビニルスルホン(DVS)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、UV光、グルタルアルデヒド、1,2-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)エチレン(EGDGE)、1,2,7,8-ジエポキシオクタン(DEO)、ビスカルボジイミド(BCDI)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETGE)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、1-(2,3-エポキシプロピル)-2,3-エポキシシクロヘキサン、カルボジイミド、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される架橋剤、架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、及びソルビトールポリグリシジルエーテルからなる群から選択される多官能性エポキシ化合物を用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエポキシPEG、PEGジグリシジルエーテル、ポリオキシエチレンビス-グリシジルエーテル、PEGDE、及びPEGDGEからなる群から選択される架橋剤及び/又は架橋前駆体を用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、約500、約1000、約2000、又は約6000の平均Mnを有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、約2~約25個のエチレングリコール基を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、ポリエポキシ絹フィブロインリンカー、ジエポキシ絹フィブロインリンカー、ポリエポキシ絹フィブロイン断片リンカー、ジエポキシ絹フィブロイン断片リンカー、ポリグリシジル絹フィブロインリンカー、ジグリシジル絹フィブロインリンカー、ポリグリシジル絹フィブロイン断片リンカー、及びジグリシジル絹フィブロイン断片リンカーからなる群から選択される架橋剤及び/又は架橋前駆体を用いて得られる。
【0073】
幾つかの実施形態において、組織フィラーは、有機化合物及び/又は無機化合物を更に含む。幾つかの実施形態では、無機化合物は、カルシウムヒドロキシアパタイトを含む。幾つかの実施形態では、カルシウムヒドロキシアパタイトは、約1μm~約100μm、約1μm~約10μm、約2μm~約12μm、約3μm~約10μm、約4μm~約15μm、約8μm~約12μm、約5μm~約10μm、約6μm~約12μm、約7μm~約20μm、約9μm~約18μm、又は約10μm~約25μmの直径を有する粒子として処方される。幾つかの実施形態では、カルシウムヒドロキシアパタイトの濃度は、約0.001%~約5%である。幾つかの実施形態では、カルシウムヒドロキシアパタイトの濃度は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.011%、約0.012%、約0.013%、約0.014%、約0.015%、約0.016%、約0.017%、約0.018%、約0.019%、又は約0.02%である。幾つかの実施形態では、カルシウムヒドロキシアパタイトの濃度は、約0.05%、約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.35%、約0.4%、約0.45%、約0.5%、約0.55%、約0.6%、約0.65%、約0.7%、約0.75%、約0.8%、約0.85%、約0.9%、約0.95%、約1%、約1.05%、約1.1%、約1.15%、約1.2%、約1.25%、約1.3%、約1.35%、約1.4%、約1.45%、約1.5%、約1.55%、約1.6%、約1.65%、約1.7%、約1.75%、約1.8%、約1.85%、約1.9%、約1.95%、又は約2%である。幾つかの実施形態では、有機化合物は、グリシン、L-プロリン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸を含む。
【0074】
幾つかの実施形態において、HAは、連鎖球菌又は枯草菌から得られる。幾つかの実施形態において、活性剤はリドカインである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける活性剤の濃度は、約0.001%~約5%である。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおけるリドカインの濃度は、約0.3%である。
【0075】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される組織フィラーは、ゲルである。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、ヒドロゲルである。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおけるHAの総濃度は、約10mg/mL~約50mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおけるHAの総濃度は、約15mg/mL、約16mg/mL、17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、約20mg/mL、約21mg/mL、約22mg/mL、約23mg/mL、約24mg/mL、約25mg/mL、約26mg/mL、約27mg/mL、約28mg/mL、約29mg/mL、又は約30mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける変性又は架橋HAの濃度は、約10mg/mL~約50mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける変性又は架橋HAの濃度は、約15mg/mL、約16mg/mL、約17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、約20mg/ml、約21mg/mL、約22mg/mL、約23mg/mL、約24mg/mL、約25mg/mL、約26mg/mL、約27mg/mL、約28mg/mL、約29mg/mL、又は約30mg/mLである。
【0076】
幾つかの実施形態において、開示される組織フィラーは、絹タンパク質又は絹タンパク質断片(SPF)を更に含む。幾つかの実施形態では、絹タンパク質は、絹フィブロインである。幾つかの実施形態では、絹タンパク質は、セリシンを実質的に含まない絹フィブロインである。幾つかの実施形態では、SPFは、約1kDa~約250kDaの平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約5kDa~約150kDaの平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約6kDa~約17kDaの平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約17kDa~約39kDaの平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、低分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、中分子量を有する。幾つかの実施形態では、SPFは高分子量を有する。幾つかの実施形態では、絹タンパク質断片(SPF)は、約1.5~約3.0の多分散性を有する。幾つかの実施形態では、SPFは、最大60%の結晶化度を有する。
【0077】
幾つかの実施形態において、本発明は、HAとSPFとを含み、前記SPFの一部が変性又は架橋されている組織フィラーに関する。幾つかの実施形態において、SPFの総量に対する変性又は架橋SPFの量(%w/w)は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。幾つかの実施形態では、変性又は架橋SPFの変性度又は架橋度は、約1%~約100%である。幾つかの実施形態では、変性又は架橋SPFの変性度又は架橋度は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%である。幾つかの実施形態では、変性又は架橋SPFの変性度又は架橋度は、約1%~約15%である。幾つかの実施形態では、変性又は架橋SPFの変性度又は架橋度は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、及び約15%の1以上である。
【0078】
幾つかの実施形態では、変性又は架橋SPFは、アルカン又はアルキル鎖、及び/又はエーテル基を含むリンカー又は架橋部分を含み、前記リンカー又は架橋部分が、前記リンカー又は架橋部分の一端でSPFに結合している。幾つかの実施形態では、変性又は架橋SPFは、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含むリンカー又は架橋部分を含む。幾つかの実施形態では、変性又は架橋SPFは、第二級アルコールを含むリンカー又は架橋部分を含む。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、変性又は架橋剤、変性又は架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋剤及び/又は変性又は架橋前駆体は、エポキシ基を含む。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、ポリエポキシリンカー、ジエポキシリンカー、ポリエポキシ-PEG、ジエポキシ-PEG、ポリグリシジル-PEG、ジグリシジル-PEG、ポリアクリレートPEG、ジアクリレートPEG、1,4-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ブタン、1,4-ビスグリシジルオキシブタン、ジビニルスルホン(DVS)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、UV光、グルタルアルデヒド、1,2-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)エチレン(EGDGE)、1,2,7,8-ジエポキシオクタン(DEO)、ビスカルボジイミド(BCDI)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETGE)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、1-(2,3-エポキシプロピル)-2,3-エポキシシクロヘキサン、カルボジイミド、及びそれらの任意の組合せからなる群から選択される変性又は架橋剤、変性又は架橋前駆体、又は活性化剤を用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、及びソルビトールポリグリシジルエーテルからなる群から選択される多官能性エポキシ化合物を用いて得られる。
【0079】
幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエポキシPEG、PEGジグリシジルエーテル、ポリオキシエチレンビス-グリシジルエーテル、PEGDE、及びPEGDGEからなる群から選択される架橋剤及び/又は架橋前駆体を用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、約500、約1000、約2000、又は約6000の平均Mnを有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、約2~約25個のエチレングリコール基を有するポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いて得られる。幾つかの実施形態では、変性又は架橋は、ポリエポキシ絹フィブロインリンカー、ジエポキシ絹フィブロインリンカー、ポリエポキシ絹フィブロイン断片リンカー、ジエポキシ絹フィブロイン断片リンカー、ポリグリシジル絹フィブロインリンカー、ジグリシジル絹フィブロインリンカー、ポリグリシジル絹フィブロイン断片リンカー、及びジグリシジル絹フィブロイン断片リンカーからなる群から選択される変性又は架橋剤及び/又は変性又は架橋前駆体を用いて得られる。
【0080】
幾つかの実施形態において、本発明は、HAとSPFとを含み、SPFの一部がHAに架橋されている組織フィラーに関する。幾つかの実施形態において、本発明は、HAとSPFとを含み、SPFの一部がSPFに架橋されている組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、ゲルである。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、ヒドロゲルである。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、更に水を含む。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおけるSPFの総濃度は、約0.1mg/mL~約15mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおけるSPFの総濃度は、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.5mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、約5mg/mL、約5.5mg/mL、約6mg/mL、約6.5mg/mL、約7mg/mL、約7.5mg/mL、約8mg/mL、約8.5mg/mL、約9mg/mL、約9.5mg/mL、約10mg/mL、約10.5mg/mL、約11mg/mL、約11.5mg/mL、約12mg/mL、約12.5mg/mL、約13mg/mL、約13.5mg/mL、約14mg/mL、約14.5mg/mL、又は約15mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける変性又は架橋SPFの濃度は、約0.1mg/mL~約15mg/mLである。幾つかの実施形態では、組織フィラーにおける変性又は架橋SPFの濃度は、約0.1mg/mL、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.5mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、約5mg/mL、約5.5mg/mL、約6mg/mL、約6.5mg/mL、約7mg/mL、約7.5mg/mL、約8mg/mL、約8.5mg/mL、約9mg/mL、約9.5mg/mL、約10mg/mL、約10.5mg/mL、約11mg/mL、約11.5mg/mL、約12mg/mL、約12.5mg/mL、約13mg/mL、約13.5mg/mL、約14mg/mL、約14.5mg/mL、又は約15mg/mLである。
【0081】
幾つかの実施形態において、本発明は、変性又は架橋HA及び/又は変性又は架橋SPFを含み、皮膚フィラーである組織フィラーに関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは生分解性である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは注入可能である。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、約25Pa~約1500Paの貯蔵弾性率(G’)を有する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、約25Pa、約26Pa、約27Pa、約28Pa、約29Pa、約30Pa、約31Pa、約32Pa、約33Pa、約34Pa、約35Pa、約36Pa、約37Pa、約38Pa、約39Pa、約40Pa、約41Pa、約42Pa、約43Pa、約44Pa、約45Pa、約46Pa、約47Pa、約48Pa、約49Pa、約50Pa、約51Pa、約52Pa、約53Pa、約54Pa、約55Pa、約56Pa、約57Pa、約58Pa、約59Pa、約60Pa、約61Pa、約62Pa、約63Pa、約64Pa、約65Pa、約66Pa、約67Pa、約68Pa、約69Pa、約70Pa、約71Pa、約72Pa、約73Pa、約74Pa、約75Pa、約76Pa、約77Pa、約78Pa、約79Pa、約80Pa、約81Pa、約82Pa、約83Pa、約84Pa、約85Pa、約86Pa、約87Pa、約88Pa、約89Pa、約90Pa、約91Pa、約92Pa、約93Pa、約94Pa、約95Pa、約96Pa、約97Pa、約98Pa、約99Pa、約100Pa、約101Pa、約102Pa、約103Pa、約104Pa、約105Pa、約106Pa、約107Pa、約108Pa、約109Pa、約110Pa、約111Pa、約112Pa、約113Pa、約114Pa、約115Pa、約116Pa、約117Pa、約118Pa、約119Pa、約120Pa、約121Pa、約122Pa、約123Pa、約124Pa、又は約125Paの貯蔵弾性率(G’)を有する。幾つかの実施形態では、G’は、約0.1~約10Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、G’は、約1Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、G’は、約5Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、G’は、約10Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、約1Pa・s~約10Pa・sの複素粘度を有する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、約1Pa・s、約1.5Pa・s、約2Pa・s、約2.5Pa・s、約3Pa・s、約3.5Pa・s、約4Pa・s、約4.5Pa・s、約5Pa・s、約5.5Pa・s、約6Pa・s、約6.5Pa・s、約7Pa・s、約7.5Pa・s、約8Pa・s、約8.5Pa・s、約9Pa・s、約9.5Pa・s、又は約10Pa・sの複素粘度を有する。幾つかの実施形態では、複素粘度は、約0.1~約10Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、複素粘度は、約1Hzの振動応力によって測定される。幾つかの実施形態では、複素粘度は、約5Hzの振動応力によって測定される。
【0082】
幾つかの実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体における状態を治療する方法であって、前記被験体に、変性又は架橋HA及び/又は変性又は架橋SPFを含む組織フィラーの治療有効量を投与することを含む方法に関する。幾つかの実施形態では、状態は、皮膚の状態である。幾つかの実施形態において、皮膚の状態は、皮膚の脱水、皮膚弾力の欠如、肌荒れ、皮膚の張りの欠如、皮膚のストレッチライン、皮膚のストレッチマーク、皮膚の蒼白、皮膚ディボット(dermal divot)、窪んだ頬、薄い唇、後眼窩欠陥、顔面の折り目、及び皺からなる群から選択される。
【0083】
幾つかの実施形態において、本発明は、それを必要とする被験体における美容治療の方法であって、前記被験体に、変性又は架橋HA及び/又は変性又は架橋SPFを含む組織フィラーの有効量を投与することを含む方法に関する。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、被験体の真皮領域に投与される。幾つかの実施形態において、前記方法は、オーグメンテーション、再建、疾患の治療、障害の治療、身体の一部、部分、又は領域の欠陥又は不完全性の治療である。幾つかの実施形態では、前記方法は、顔面のオーグメンテーション、顔面の再建、顔面の疾患の治療、顔面の障害の治療、顔面の欠陥の治療、又は顔面の不完全性の治療である。
【0084】
本明細書に開示される方法の幾つかの実施形態では、組織フィラーは、少なくとも約3日間、約7日間、約14日間、約21日間、約28日間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、生分解、生体侵食(bioerosion)、生体吸収、及び/又は生体再吸収に抵抗性を示す。本明細書に開示される方法の幾つかの実施形態では、被験体への組織フィラーの投与により、多糖及びリドカインを含むが絹タンパク質断片(SPF)を含まない対照組織フィラーによって誘導される炎症応答に比べ、炎症応答が低減される。
【0085】
本明細書に開示される方法の幾つかの実施形態では、被験体への組織フィラーの投与により、多糖及びリドカインを含むが絹タンパク質断片(SPF)を含まない対照組織フィラーによって誘導されるコラーゲン産生に比べ、コラーゲン産生が増大する。
【0086】
本発明で開示する実施形態を、添付の図面を参照して更に説明することとする。示した図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わり一般に、本発明で開示する実施形態の原理を例示する際に強調がなされている。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】
図1は、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片(SPF)を作製するための種々の実施形態を示すフローチャートである。
【
図2】
図2は、抽出及び溶解工程の際に、本開示のSPFを作製するプロセスの間に変更することができる種々のパラメータを示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本開示の絹タンパク質溶液中におけるLiBrと炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)の濃度をまとめた表である。
【
図4】
図4は、本開示の絹タンパク質溶液中におけるLiBrとNa
2CO
3の濃度をまとめた表である。
【
図5】
図5は、本開示の絹タンパク質溶液の分子量をまとめた表である。
【
図6】
図6は、抽出体積の%質量損失に対する影響を表すグラフである。
【
図7】
図7は、抽出体積の%質量損失に対する影響を表すグラフである。
【
図8】
図8は、各種濃度のLiBr、及び各種抽出及び溶解サイズから溶解した絹の分子量をまとめた表である。
【
図9】
図9は、100℃の抽出温度、100℃のLiBr、及び100℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対する抽出時間の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図10】
図10は、100℃の抽出温度、沸騰LiBr、及び60℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対する抽出時間の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図11】
図11は、100℃の抽出温度、60℃のLiBr、及び60℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対する抽出時間の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図12】
図12は、100℃の抽出温度、80℃のLiBr、及び80℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対する抽出時間の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図13】
図13は、100℃の抽出温度、80℃のLiBr、及び60℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対する抽出時間の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図14】
図14は、100℃の抽出温度、100℃のLiBr、及び60℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対する抽出時間の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図15】
図15は、100℃の抽出温度、140℃のLiBr、及び140℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対する抽出時間の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図16】
図16は、60分間の抽出時間、100℃のLiBr、及び100℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対する抽出温度の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図17】
図17は、60分間の抽出時間、100℃の抽出温度、及び60℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対するLiBr温度の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図18】
図18は、30分間の抽出時間、100℃の抽出温度、及び60℃のオーブン溶解の条件で処理した絹の分子量に対するLiBr温度の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図19】
図19は、100℃の抽出温度、30分間の抽出時間、及び100℃の臭化リチウムの条件で処理した絹の分子量に対するオーブン/溶解温度の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図20】
図20は、100℃の抽出温度、60分間の抽出時間、及び100℃の臭化リチウムの条件で処理した絹の分子量に対するオーブン/溶解温度の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図21】
図21は、100℃の抽出温度、60分間の抽出時間、及び140℃の臭化リチウムの条件で処理した絹の分子量に対するオーブン/溶解温度の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図22】
図22は、100℃の抽出温度、30分間の抽出時間、及び140℃の臭化リチウムの条件で処理した絹の分子量に対するオーブン/溶解温度の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図23】
図23は、100℃の抽出温度、60分間の抽出時間、及び80℃の臭化リチウムの条件で処理した絹の分子量に対するオーブン/溶解温度の影響をまとめたグラフである(オーブン/溶解時間を変化させた)。
【
図24】
図24は、抽出時間、抽出温度、臭化リチウム(LiBr)温度、溶解のためのオーブン温度、及び溶解のためのオーブン時間を含む各種条件で処理した絹の分子量をまとめたグラフである。
【
図25】
図25は、オーブン/溶解温度がLiBrの温度に等しい条件で処理した絹の分子量をまとめたグラフである。
【
図26】
図26は、水又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の各種濃度での絹/HA水性製剤の写真であり、絹/HA製剤が均質で不透明な溶液であることを示す。最初のマークのないバイアルが対照バイアル(水中22mg/mLのHA)である。
【
図27】
図27は、シリンジに充填した絹/HA水性製剤の写真であり、絹/HA製剤が均質で不透明な溶液であることを示す。対照は、水中22mg/mLのHAの溶液である。
【
図28】
図28は、絹-HAとHAヒドロゲルの分解プロファイルを示すチャートである。
【
図29】
図29は、対照皮膚フィラー(リドカインを含む市販のHAフィラー)を注入したモルモットにおける皮内領域の写真である。炎症の程度の上昇が、肉芽腫性領域の程度で反映される。市販のフィラーは、青色/灰色の物質として観察される。この物質に関連する肉芽腫性炎症は、7日間で観察することができる。
【
図30】
図30は、対照皮膚フィラー(リドカインを含む市販のHAフィラー)を注入したモルモットにおける皮内領域の写真である。市販品は、青色/灰色の物質として観察される。30日間目に、線維症を伴う炎症を観察することができる。
【
図31】
図31は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の写真である(24mg/mLのHA、9.6mg/mLの絹、BDDE架橋)。対照注入と比較して減少した肉芽腫性領域は、無視できる程度の急性炎症応答、及び対照と比較して良好な絹-HAフィラーの生分解性を示す。7日間目では殆ど炎症がない。炎症は局所的であり、発見するのが困難な場合がある。インプラント材料は観察されない。
【
図32】
図32は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の写真である(24mg/mLのHA、9.6mg/mLの絹、BDDE架橋)。30日間目で、炎症は非常に発見しにくく、最小限である。インプラント材料は観察されない。
【
図33】
図33は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の写真である(24mg/mLのHA、0.48mg/mLの絹、BDDE架橋)。7日間目に、フィラーは、局所的で軽度な炎症をもたらす。炎症は慢性的である。この炎症は、局所的であり且つ最小限あったので、同定に綿密な評価を必要とした。インプラント材料は観察されない。
【
図34】
図34は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の写真である(24mg/mLのHA、0.48mg/mLの絹、BDDE架橋)。30日間目の画像は、更に低い程度の炎症を示す。7日間目のインプラントと比較して、同定が更に困難であった。インプラント材料は観察されない。
【
図35】
図35は、絹-HAヒドロゲルの濁度測定値を示すチャートである。黒色曲線(a):標準透過率;赤色曲線(b):透過率プラス前方散乱。
【
図36】
図36は、絹不含HAヒドロゲルの濁度測定値を示すチャートである。黒色曲線(a):標準透過率;赤色曲線(b):透過率プラス前方散乱。
【
図37】
図37は、対照皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である。
【
図38】
図38は、本発明のHA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(24mg/mLのHA、PEGDE架橋、サンプルC4-表25)。
【
図39】
図39は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(22.8mg/mLのHA、1.2mg/mLの絹、PEGDE架橋、サンプルL-表25)。
【
図40】
図40は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(23.76mg/mLのHA、0.24mg/mLの絹、PEGDE架橋、サンプルM-表25)。
【
図41】
図41は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(22.8mg/mLのHA、1.2mg/mLの絹、PEGDE架橋、サンプルN-表25)。
【
図42】
図42は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(22.8mg/mLのHA、1.2mg/mLの絹、PEGDE架橋、サンプルO-表25)。
【
図43】
図43は、ゲル分解についての、移植後7日間目の組織学的結果を示すグラフである(表25の製剤-BDDE架橋製剤は大部分が分解される;スコア:0-正常;1-最小;2-軽度;3-中程度;4-重度)。
【
図44】
図44は、ゲル移動についての、移植後7日間目の組織学的結果を示すグラフである(表25の製剤-スコア:0-正常;1-最小;2-軽度;3-中程度;4-重度)。
【
図45】
図45は、炎症についての、移植後7日間目の組織学的結果を示すグラフである(表25の製剤-組織の壊死が観察されなかった、血液凝固が観察されなかった、観察されたコラーゲン沈着は、対照製剤と試験製剤の一部で最小限であった;スコア:0-正常;1-最小;2-軽度;3-中程度;4-重度)。
【
図46】
図46は、マクロファージについての、移植後7日間目の組織学的結果を示すグラフである(表25の製剤-スコア:0-正常;1-最小;2-軽度;3-中程度;4-重度)。
【
図47A】
図47Aは、混合架橋HA100gm/mlでの、架橋透析前後の各種絹濃度を有するヒドロゲルのG’を示す。
【
図47B】
図47Bは、単一MW架橋HA25mg/mlでの、架橋透析前後の各種絹濃度を有するヒドロゲルのG’を示す。
【
図48A】
図48Aは、混合架橋HA100gm/mlでの、透析中の各種絹濃度のヒドロゲルの膨潤比を示す。
【
図48B】
図48Bは、単一MW架橋HA25mg/mlでの、透析中の各種絹濃度のヒドロゲルの膨潤比を示す。
【
図50A】
図50Aは、絹濃度未知の希釈絹-HAゲルの吸収スペクトルを示し、理論絹濃度(mg/ml)が、表26の各絹-HAゲルサンプルについて示される。
【
図50B】
図50Bは、絹濃度未知の希釈絹-HAゲルの吸収スペクトルを示し、理論絹濃度(mg/ml)が、表26の各絹-HAゲルサンプルについて示される。
【
図51】
図51は、絹不含HAヒドロゲル(赤色;全波長間隔に亘って透過率がより高い)と3mg/mLの絹を含むHAヒドロゲル(青色;全波長間隔に亘って透過率がより低い)の濁度測定を示し、より高い%透過率は、より濁度が低く、より光学不透明度が低いサンプルを示す。
【0088】
上に特定した図面により本発明で開示した実施形態を示したが、考察において言及されるように、他の実施形態も考慮される。本開示は、代表するものであり限定するものではない例示的な実施形態を提示する。本発明で開示する実施形態の原理の範囲及び趣旨に包含される多くの他の改変形態及び実施形態を、当業者は案出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0089】
絹タンパク質断片(SPF)を含む組織フィラーが本明細書に開示される。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、SPF及びヒアルロン酸(HA)を含むことができる本明細書に記載の組成物から調製される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、皮膚フィラーであることができる。
【0090】
幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約5kDa~約5MDa、約100kDa~約4MDa、又は約500kDa~約3MDaのMWを有するHAを使用することにより、本明細書に記載のプロセスによって製造される。幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約50kDa、約100kDa、約150kDa、約200kDa、約250kDa、約300kDa、約350kDa、約400kDa、約450kDa、約500kDa、約550kDa、約600kDa、約650kDa、約700kDa、約750kDa、約800kDa、約850kDa、約900kDa、約950kDa、約1000kDa、約1050kDa、約1100kDa、約1150kDa、約1200kDa、約1250kDa、約1300kDa、約1350kDa、約1400kDa、約1450kDa、約1500kDa、約1550kDa、約1600kDa、約1650kDa、約1700kDa、約1750kDa、約1800kDa、約1850kDa、約1900kDa、約1950kDa、約2000kDa、約2050kDa、約2100kDa、約2150kDa、約2200kDa、約2250kDa、約2300kDa、約2350kDa、約2400kDa、約2450kDa、約2500kDa、約2550kDa、約2600kDa、約2650kDa、約2700kDa、約2750kDa、約2800kDa、約2850kDa、約2900kDa、約2950kDa、約3000kDa、約3050kDa、約3100kDa、約3150kDa、約3200kDa、約3250kDa、約3300kDa、約3350kDa、約3400kDa、約3450kDa、約3500kDa、約3550kDa、約3600kDa、約3650kDa、約3700kDa、約3750kDa、約3800kDa、約3850kDa、約3900kDa、約3950kDa、又は約4000kDaのMWを有するHAを使用することにより、本明細書に記載のプロセスによって製造される。HAの前記MWのいずれかを、任意の可能な割合で、HAの任意の他の前記MWと混合することができる。幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、高MWのHAを低MWのHAと混合して製造され、前記高MWのHAの割合は、約0.01%、又は約0.1%、又は約0.2%、又は約0.3%、又は約0.4%、又は約0.5%、又は約0.6%、又は約0.7%、又は約0.8%、又は約0.9%、又は約1%、又は約2%、又は約3%、又は約4%、又は約5%、又は約6%、又は約7%、又は約8%、又は約9%、又は約10%、又は約11%、又は約12%、又は約13%、又は約14%、又は約15%、又は約16%、又は約17%、又は約18%、又は約19%、又は約20%、又は約21%、又は約22%、又は約23%、又は約24%、又は約25%、又は約26%、又は約27%、又は約28%、又は約29%、又は約30%、又は約31%、又は約32%、又は約33%、又は約34%、又は約35%、又は約36%、又は約37%、又は約38%、又は約39%、又は約40%、又は約41%、又は約42%、又は約43%、又は約44%、又は約45%、又は約46%、又は約47%、又は約48%、又は約49%、又は約50%、又は約51%、又は約52%、又は約53%、又は約54%、又は約55%、又は約56%、又は約57%、又は約58%、又は約59%、又は約60%、又は約61%、又は約62%、又は約63%、又は約64%、又は約65%、又は約66%、又は約67%、又は約68%、又は約69%、又は約70%、又は約71%、又は約72%、又は約73%、又は約74%、又は約75%、又は約76%、又は約77%、又は約78%、又は約79%、又は約80%、又は約81%、又は約82%、又は約83%、又は約84%、又は約85%、又は約86%、又は約87%、又は約88%、又は約89%、又は約90%、又は約91%、又は約92%、又は約93%、又は約94%、又は約95%、又は約96%、又は約97%、又は約98%、又は約99%、又は約99.5%、又は約99.9%である。
【0091】
幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約5kDa~約35kDaの分子量を有する絹SPFを使用することにより、本明細書に記載のプロセスによって製造される。幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約5kDa、又は約6kDa、又は約7kDa、又は約8kDa、又は約9kDa、又は約10kDa、又は約11kDa、又は約12kDa、又は約13kDa、又は約14kDa、又は約15kDa、又は約16kDa、又は約17kDa、又は約19kDa、又は約19kDa、又は約20kDa、又は約21kDa、又は約22kDa、又は約23kDa、又は約24kDa、又は約25kDa、又は約26kDa、又は約27kDa、又は約28kDa、又は約29kDa、又は約30kDaのMWを有する絹SPFを使用することにより、本明細書に記載のプロセスによって製造される。
【0092】
幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約80mg/ml、又は約81mg/ml、又は約82mg/ml、又は約83mg/ml、又は約84mg/ml、又は約85mg/ml、又は約86mg/ml、又は約87mg/ml、又は約88mg/ml、又は約89mg/ml、又は約90mg/ml、又は約91mg/ml、又は約92mg/ml、又は約93mg/ml、又は約94mg/ml、又は約95mg/ml、又は約96mg/ml、又は約97mg/ml、又は約98mg/ml、又は約99mg/ml、又は約100mg/ml、又は約101mg/ml、又は約102mg/ml、又は約103mg/ml、又は約104mg/ml、又は約105mg/ml、又は約106mg/ml、又は約107mg/ml、又は約108mg/ml、又は約109mg/ml、又は約110mg/ml、又は約111mg/ml、又は約112mg/ml、又は約113mg/ml、又は約114mg/ml、又は約115mg/ml、又は約116mg/ml、又は約117mg/ml、又は約118mg/ml、又は約119mg/ml、又は約120mg/ml、又はそれより高いHAの初期濃度を用いることにより、本明細書に記載のプロセスによって製造される。
【0093】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の皮膚フィラーは、総HA及び絹SPFの約0.1%、又は約0.2%、又は約0.3%、又は約0.4%、又は約0.5%、又は約0.6%、又は約0.7%、又は約0.8%、又は約0.9%、又は約1%、又は約1.1%、又は約1.2%、又は約1.3%、又は約1.4%、又は約1.5%、又は約1.6%、又は約1.7%、又は約1.8%、又は約1.9%、又は約2%、又は約2.1%、又は約2.2%、又は約2.3%、又は約2.4%、又は約2.5%、又は約2.6%、又は約2.7%、又は約2.8%、又は約2.9%、又は約3%、又は約3.1%、又は約3.2%、又は約3.3%、又は約3.4%、又は約3.5%、又は約3.6%、又は約3.7%、又は約3.8%、又は約3.9%、又は約4%、又は約4.1%、又は約4.2%、又は約4.3%、又は約4.4%、又は約4.5%、又は約4.6%、又は約4.7%、又は約4.8%、又は約4.9%、又は約5%の絹SPF濃度を有する。
【0094】
幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1000、約1100、又は約1200のMnを有するPEGDE架橋剤を使用することにより、本明細書に記載のプロセスによって製造される。
【0095】
幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、約40℃、約41℃、約42℃、約43℃、約44℃、約45℃、約46℃、約47℃、約48℃、約49℃、約50℃、約51℃、約52℃、約53℃、約54℃、又は約55℃での架橋工程を含む反応条件を用いることにより、本明細書に記載のプロセスによって製造される。幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約15分間、約16分間、約17分間、約18分間、約19分間、約20分間、約21分間、約22分間、約23分間、約24分間、約25分間、約26分間、約27分間、約28分間、約29分間、約30分間、約31分間、約32分間、約33分間、約34分間、約35分間、約36分間、約37分間、約38分間、約39分間、約40分間、約41分間、約42分間、約43分間、約44分間、約45分間、約46分間、約47分間、約48分間、約49分間、約50分間、約51分間、約52分間、約53分間、約54分間、約55分間、約56分間、約57分間、約58分間、約59分間、約60分間、約61分間、約62分間、約63分間、約64分間、又は約65分間の架橋工程を含む反応条件を用いることにより、本明細書に記載のプロセスによって製造される。
【0096】
幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、遊離HA、例えば非架橋HAを含む。幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、総HA(架橋HA及び非架橋HA)の約0.1%、又は約0.2%、又は約0.3%、又は約0.4%、又は約0.5%、又は約0.6%、又は約0.7%、又は約0.8%、又は約0.9、約1%、又は約1.1%、又は約1.2%、又は約1.3%、又は約1.4%、又は約1.5%、又は約1.6%、又は約1.7%、又は約1.8%、又は約1.9%、又は約2%、又は約2.1%、又は約2.2%、又は約2.3%、又は約2.4%、又は約2.5%、又は約2.6%、又は約2.7%、又は約2.8%、又は約2.9%、又は約3%、又は約3.1%、又は約3.2%、又は約3.3%、又は約3.4%、又は約3.5%、又は約3.6%、又は約3.7%、又は約3.8%、又は約3.9%、又は約4%、又は約4.1%、又は約4.2%、又は約4.3%、又は約4.4%、又は約4.5%、又は約4.6%、又は約4.7%、又は約4.8%、又は約4.9%、又は約5%、約5.1%、又は約5.2%、又は約5.3%、又は約5.4%、又は約5.5%、又は約5.6%、又は約5.7%、又は約5.8%、又は約5.9%、又は%、又は約6%、又は約6.1%、又は約6.2%、又は約6.3%、又は約6.4%、又は約6.5%、又は約6.6%、又は約6.7%、又は約6.8%、又は約6.9%、又は約7%、又は約7.1%、又は約7.2%、又は約7.3%、又は約7.4%、又は約7.5%、又は約7.6%、又は約7.7%、又は約7.8%、又は約7.9%、又は約8%、又は約8.1%、又は約8.2%、又は約8.3%、又は約8.4%、又は約8.5%、又は約8.6%、又は約8.7%、又は約8.8%、又は約8.9%、又は約9%、又は約9.1%、又は約9.2%、又は約9.3%、又は約9.4%、又は約9.5%、又は約9.6%、又は約9.7%、又は約9.8%、又は約9.9%、又は約10%含む。幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、遊離HAを含まない。
【0097】
幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約10mg/ml、約11mg/ml、約12mg/ml、約13mg/ml、約14mg/ml、約15mg/ml、約16mg/ml、約17mg/ml、約18mg/ml、約19mg/ml、約20mg/ml、約21mg/ml、約22mg/ml、約23mg/ml、約24mg/ml、約25mg/ml、約26mg/ml、約27mg/ml、約28mg/ml、約29mg/ml、又は約30mg/mlでHAを含む。
【0098】
幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約10.0%、約10.1%、約10.2%、約10.3%、約10.4%、約10.5%、約10.6%、約10.7%、約10.8%、約10.9%、約11.0%、約11.1%、約11.2%、約11.3%、約11.4%、約11.5%、約11.6%、約11.7%、約11.8%、約11.9%、約12.0%、約12.1%、約12.2%、約12.3%、約12.4%、約12.5%、約12.6%、約12.7%、約12.8%、約12.9%、約13.0%、約13.1%、約13.2%、約13.3%、約13.4%、約13.5%、約13.6%、約13.7%、約13.8%、約13.9%、約14.0%、約14.1%、約14.2%、約14.3%、約14.4%、約14.5%、約14.6%、約14.7%、約14.8%、約14.9%、約15.0%、約15.1%、約15.2%、約15.3%、約15.4%、約15.5%、約15.6%、約15.7%、約15.8%、約15.9%、約16.0%、約16.1%、約16.2%、約16.3%、約16.4%、約16.5%、約16.6%、約16.7%、約16.8%、約16.9%、約17.0%、約17.1%、約17.2%、約17.3%、約17.4%、約17.5%、約17.6%、約17.7%、約17.8%、約17.9%、約18.0%、約18.1%、約18.2%、約18.3%、約18.4%、約18.5%、約18.6%、約18.7%、約18.8%、約18.9%、約19.0%、約19.1%、約19.2%、約19.3%、約19.4%、約19.5%、約19.6%、約19.7%、約19.8%、約19.9%、又は約20.0%のMoDを有する。
【0099】
幾つかの実施形態では、皮膚フィラーは、約5N、約6N、約7N、約8N、約9N、約10N、約11N、約12N、約13N、約14N、約15N、約16N、約17N、約18N、約19N、約20N、約21N、約22N、約23N、約24N、又は約25Nの噴射力を有する。幾つかの実施形態では、噴射力は、30G針を介する注入に関する。
【0100】
本明細書で提供される組織フィラーは、SPF、例えば、架橋SPF及び/又は非架橋SPF、及びヒアルロン酸、例えば、架橋HA及び/又は非架橋HAなどの1以上の成分を更に含む組成物を含む。本明細書で使用するとき、架橋SPFは、同一又は非同一SPFと架橋されたSPFを意味する。架橋SPFは、ホモ架橋SPFと呼ぶこともできる。本明細書で使用するとき、架橋HAは、同一又は非同一のHAと架橋されたHAを意味する。架橋HAは、ホモ架橋HAと呼ぶこともできる。本明細書で提供される組織フィラーは、HAに架橋されたSPF及び/又はSPFに架橋されたHAを含むこともできる。HAに架橋されたSPF及び/又はSPFに架橋されたHAを、架橋SPF-HA、又はヘテロ架橋SPF-HAと呼ぶこともできる。
【0101】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、単相である。幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、二相、又は多相である。幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、非架橋ポリマー相、例えば、非架橋SPF、及び/又は非架橋HAを含む。幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、架橋された相、例えば、架橋SPF、及び/又は架橋HAを含む。幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、液相、例えば、水及び/又は水溶液を含む。幾つかの実施形態では、水溶液はSPFを含むことができる。幾つかの実施形態では、水相は、HAを含むことができる。幾つかの実施形態において、液相は、非架橋HA及び/又は非架橋SPFなどの非架橋ポリマーを含んでもよい。
【0102】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、担体相を含む。このように、開示の組成物は、単相又は多相の組成物であることができる。本明細書で使用するとき、「担体相」という用語は、「担体」と同義であり、ヒドロゲルの流動性を増大させるために使用される材料を意味する。担体は、有利には、生理学的に許容される担体であり、医薬組成物に有用な1の以上の従来の賦形剤を含むことができる。本明細書で使用するとき、「生理学的に許容される担体」という用語は、生物の正常な機能に合った、又はそれを特徴とする担体を意味する。このように、哺乳動物に投与された場合、ヒドロゲルと担体を含む組成物の投与は、長期的又は永久的に有害な影響を実質的に及ぼさない。本組織フィラーは、その体積の主要部が水又は生理食塩水である担体を含む。しかし、他の有用な担体としては、ヒドロゲルの(針を介する)目的ホスト環境への押出性又は侵入性を改善する任意の生理学的に許容される材料を含む。潜在的な担体としては、生理的緩衝溶液、血清、他のタンパク質溶液、タンパク質、糖タンパク質、プロテオグリカン、又は多糖を含むポリマーから構成されるゲルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この潜在的な担体はのいずれも、天然由来であっても、全合成物であっても、又はそれらの組合せのいずれであってもよい。
【0103】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、変性SPF、架橋SPF、非架橋SPF、変性HA、架橋HA、非架橋HA、ホモ架橋SPF、ホモ架橋HA、及びヘテロ架橋SPF-HAの1以上を含む。
【0104】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF及び非架橋SPFを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF及び非架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF及び架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF及び架橋SPF-HAを含む。
【0105】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、非架橋SPF及び非架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、非架橋SPF及び架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、非架橋SPF及び架橋SPF-HAを含む。
【0106】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、非架橋SPF、及び非架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、非架橋SPF、及び架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、非架橋SPF、及び架橋SPF-HAを含む。
【0107】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、架橋HA、及び非架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、架橋HA、及び架橋SPF-HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、非架橋HA、及び架橋SPF-HAを含む。
【0108】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、非架橋SPF、架橋HA、及び非架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、非架橋SPF、架橋HA、及び架橋SPF-HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、非架橋SPF、非架橋HA、及び架橋SPF-HAを含む。
【0109】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、非架橋SPF、架橋HA、及び非架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、非架橋SPF、架橋HA、及び架橋SPF-HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、非架橋SPF、非架橋HA、及び架橋SPF-HAを含む。
【0110】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、架橋HA、非架橋HA、及び架橋SPF-HAを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、非架橋SPF、架橋HA、非架橋HA、及び架橋SPF-HAを含む。
【0111】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPF、非架橋SPF、架橋HA、非架橋HA、及び架橋SPF-HAを含む。
【0112】
幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、架橋SPFを含む。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、SPF及びヒアルロン酸(HA)を含む。一態様では、本明細書に記載のSPF/HA系組成物は、HA架橋部分を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、SPF-HA架橋部分を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、非架橋HAを含む。幾つかの実施形態において、組成物は、非架橋SPFを含むことができる。幾つかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの更なる剤を含むことができる。幾つかの実施形態において、組成物は、架橋SPF-SPF、SPF-HA、及び/又はHA-HAを含み、様々な程度の生体吸収性及び/又は生体再吸収性を有する組成物をもたらす。
【0113】
幾つかの実施形態において、HAは、マトリックス中に架橋される。幾つかの実施形態において、HAマトリックスは、1以上のSPFをカプセル化又はを半カプセル化する。幾つかの実施形態では、HAは、1以上のSPFと架橋されている。
【0114】
幾つかの実施形態では、組織フィラー、又はその一部は、生体適合性、生分解性、生体吸収性、生体再吸収性、又はそれらの組合せである。幾つかの実施形態において、本明細書で提供される組織フィラーは、流体成分、例えば、実質的に1つ以上の流体を含む単一の流体又は溶液が挙げられる。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、水又は水溶液を含む。幾つかの実施形態では、組織フィラーは、例えば、組織の外科的切除後などで、当技術分野で知られた任意の手段によって皮下に注入可能、移植可能、又は、送達可能である。幾つかの実施形態において、組成物は、皮膚フィラーである。幾つかの実施形態において、組成物は無菌である。
【0115】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、約1%(w/w)のSPF及び約0.3%(w/w)のリドカインを含むことができる。
【0116】
絹タンパク質断片(SPF)とヒアルロン酸(HA)とを含む組成物を製造する方法、SPFとHAとを含む組成物を送達する方法、及びSPFとHAとを含む組成物を使用する治療の方法が、本明細書に提供される。
【0117】
定義
本明細書で使用するとき、「フィブロイン」という用語は、カイコフィブロイン、昆虫又はクモ絹タンパク質、又は組換え絹フィブロインを含む。実施形態では、フィブロインは、カイコ(Bombyx mori)から得られる。
【0118】
本明細書で使用する場合、「セリシンを実質的に含まない」又は「セリシン実質的に欠いている」という用語は、セリシンタンパク質の大部分が除去された絹繊維、及び/又はセリシンタンパク質の大部分が除去された絹繊維から作製されたSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.01%(w/w)~約10.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.01%(w/w)~約9.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.01%(w/w)~約8.0%(w/w)のセリシン有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.01%(w/w)~約7.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.01%(w/w)~約6.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.01%(w/w)~約5.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0%(w/w)~約4.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.05%(w/w)~約4.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.1%(w/w)~約4.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.5%(w/w)~約4.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約1.0%(w/w)~約4.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約1.5%(w/w)~約4.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約2.0%(w/w)~約4.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約2.5%(w/w)~約4.0%(w/w)のセリシンを有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.01%(w/w)~約0.1%(w/w)のセリシン含量を有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.1%(w/w)未満のセリシン含量を有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、セリシンを実質的に欠いている絹フィブロイン及びSPFは、約0.05%(w/w)未満のセリシン含量を有する絹フィブロイン及びSPFを意味する。実施形態では、絹源が、沸騰している(100℃)炭酸ナトリウム水溶液に約30分間~約60分間の処理時間添加されるときに、約26重量%~約31重量%の脱ガム損失(degumming loss)が得られる。
【0119】
本明細書で使用するとき、「実質的に均質な」という用語は、同定された分子量の周りに正規分布で分布している純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片を意味することができる。本明細書で使用するとき、「実質的に均質な」という用語は、本開示の組成物全体を通して、例えばリドカインなどの添加剤の均一な分布を意味することができる。
【0120】
本明細書で使用するとき、「無機残渣を実質的に含まない」という用語は、組成物が0.1%(w/w)以下の残渣を示すことを意味する。実施形態では、無機残渣を実質的に含まないは、0.05%(w/w)以下の残渣を示す組成物を意味する。実施形態では、無機残渣を実質的に含まないは、0.01%(w/w)以下の残渣を示す組成物を意味する。実施形態では、無機残渣の量は0ppm(「検出不能」又は「ND」)~1000ppmである。実施形態では、無機残渣の量は、ND~約500ppmである。実施形態では、無機残渣の量は、ND~約400ppmである。実施形態では、無機残渣の量は、ND~約300ppmである。実施形態では、無機残渣の量は、ND~約200ppmである。実施形態では、無機残渣の量は、ND~約100ppmである。実施形態では、無機残渣の量は、10ppm~1000ppmである。
【0121】
本明細書で使用するとき、「有機残渣を実質的に含まない」という用語は、組成物が0.1%(w/w)以下の残渣を示すことを意味する。実施形態では、有機残渣を実質的に含まないは、0.05%(w/w)以下の残渣を示す組成物を意味する。実施形態では、有機残渣を実質的に含まないは、0.01%(w/w)以下の残渣を示す組成物を意味する。実施形態では、有機残渣の量は0ppm(「検出不能」又は「ND」)~1000ppmである。実施形態では、有機残渣の量は、ND~約500ppmである。実施形態では、有機残渣の量は、ND~約400ppmである。実施形態では、有機残渣の量は、ND~約300ppmである。実施形態では、有機残渣の量は、ND~約200ppmである。実施形態では、有機残渣の量は、ND~約100ppmである。実施形態では、有機残渣の量は、10ppm~1000ppmである。
【0122】
本明細書で使用するとき、「非架橋」という用語は、個々のマトリックスポリマー分子、高分子、及び/又はモノマー鎖を結合する分子間結合の欠如を意味する。このように、非架橋マトリックスポリマーは、分子間結合によって他のマトリックスポリマーに結合されていない。
【0123】
本開示の組織フィラー、組成物、又はその一部は、「生体適合性」を示す又は「生体適合性」であり、これは、組成物が、実質的に毒性がない、有毒でない、生理学的反応がなく、且つ免疫拒絶を生じないことにより、生体組織又は生体システムと適合することを意味する。「生体適合性」という用語は、本明細書に定義される「生体吸収性」、「生体再吸収性」、及び「生分解性」という用語を包含する。
【0124】
本開示の組織フィラー、組成物、又はその一部は、「生体吸収性」、「生体再吸収性」及び/又は「生分解性」であることができる。本明細書で使用するとき、「生体吸収性」という用語は、消失が起こり得るメカニズム(溶解、分解、吸収、及び排泄など)が何であるかによらず、体内移植時に消失する材料又は物質を意味する。本明細書で使用するとき、「生体吸収性」という用語は、体に吸収されることができることを意味する。本明細書で使用するとき、「生分解性」という用語は、生理学的条件下で副生成物に分解し得る材料を意味する。そのような生理学的条件は、例えば、加水分解(加水分解を介する分解)、酵素触媒(酵素分解)、機械的相互作用などが挙げられる。本明細書に使用するとき、「生分解性」という用語は、「生体再吸収性」という用語も包含し、これは、生理学的条件下で分解し、ホスト生物に生体再吸収される生成物に分解される、即ち、ホスト生物の生化学系の代謝産物となる材料又は物質を記述する。本明細書で使用するとき、「生体吸収性」及び「生体再吸収性」という用語は、細胞媒介性分解、酵素分解、及び/又は生体吸収性ポリマーの加水分解、及び/又は生体組織からの生体再吸収性ポリマーの除去などのプロセスを包含することが当業者に理解される。幾つかの実施形態において、本明細書に記載のSPF-HAの組成物及び材料は、生体適合性、生体再吸収性、生体吸収性、及び/又は生分解性であることができる。
【0125】
本明細書に記載の組織フィラーが生分解性又は生体再吸収性である場合、それらは、少なくとも約1日間、又は少なくとも約2日間、又は少なくとも約3日間、又は少なくとも約4日間、又は少なくとも約5日間、又は少なくとも約10日間、又は少なくとも約15日間、又は少なくとも約20日間、又は少なくとも約25日間、又は少なくとも約30日間、又は少なくとも約35日間、又は少なくとも約40日間、又は少なくとも約45日間、又は少なくとも約50日間、又は少なくとも約60日間、又は少なくとも約70日間、又は少なくとも約80日間、又は少なくとも約90日間、又は少なくとも約100日間、又は少なくとも110日間、又は少なくとも約120日間、又は少なくとも約130日間、又は少なくとも約140日間、又は少なくとも約140日間、又は少なくとも約150日間、又は少なくとも約160日間、又は少なくとも約170日間、又は少なくとも約180日間、又は少なくとも約190日間、又は少なくとも約200日間、又は少なくとも約250日間、又は少なくとも約300日間、又は少なくとも少なくとも約1年間、又は少なくとも約2年間、生分解又は生体再吸収に対して抵抗性を示すことができ、又はそれらは、約5日間未満、又は最大約10日間、又は最大約15日間、又は最大約20日間、又は最大約25日間、又は最大約30日間、又は最大約35日間、又は最大約40日間、又は最大約45日間、又は最大約50日間、又は最大約60日間、又は最大約70日、又は最大約80日間、又は最大約90日間、又は最大約100日間、又は最大約110日間、又は最大約120日間、又は最大約130日間、又は最大約140日間、又は最大約140日間、又は最大約150日間、又は最大約160日間、又は最大約170日間、又は最大約180日間、又は最大約190日間、又は最大約200日間、又は最大約250日間、又は最大約300日間、又は最大約1年間、又は最大約2年間、生分解に対して抵抗性を示すことができる。
【0126】
本明細書に記載の組織フィラーが生体吸収性である場合、それらは、少なくとも約1日間、又は少なくとも約2日間、又は少なくとも約3日間、又は少なくとも約4日間、又は少なくとも約5日間、又は少なくとも約10日間、又は少なくとも約15日間、又は少なくとも約20日間、又は少なくとも約25日間、又は少なくとも約30日間、又は少なくとも約35日間、又は少なくとも約40日間、又は少なくとも約45日間、又は少なくとも約50日間、又は少なくとも約60日間、又は少なくとも約70日間、又は少なくとも約80日間、又は少なくとも約90日間、又は少なくとも約100日間、又は少なくとも110日間、又は少なくとも約120日間、又は少なくとも約130日間、又は少なくとも約140日間、又は少なくとも約140日間、又は少なくとも約150日間、又は少なくとも約160日間、又は少なくとも約170日間、又は少なくとも約180日間、又は少なくとも約190日間、又は少なくとも約200日間、又は少なくとも約250日間、又は少なくとも約300日間、又は少なくとも少なくとも約1年間、又は少なくとも約2年間、生体吸収に対して抵抗性を示すことができ、又はそれらは、約5日間未満、又は最大約10日間、又は最大約15日間、又は最大約20日間、又は最大約25日間、又は最大約30日間、又は最大約35日間、又は最大約40日間、又は最大約45日間、又は最大約50日間、又は最大約60日間、又は最大約70日間、又は最大約80日間、又は最大約90日間、又は最大約100日間、又は最大約110日間、又は最大約120日間、又は最大約130日間、又は最大約140日間、又は最大約140日間、又は最大約150日間、又は最大約160日間、又は最大約170日間、又は最大約180日間、又は最大約190日間、又は最大約200日間、又は最大約250日間、又は最大約300日間、又は最大約1年間、又は最大約2年間、生体吸収に対して抵抗性を示すことができる。
【0127】
本明細書に記載するとき、生分解性、生体吸収性、及び生体再吸収性の程度は、例えば、生分解、生体吸収、及び/又は生体再吸収を遅らせる1以上の剤を本明細書に記載の組成物に添加することにより、変更及び/又は制御することができる。また、生分解性、生体吸収性、及び生体再吸収性の程度は、本明細書に記載のポリマー材料中に存在する高分子架橋の程度を増加又は減少させることにより、変更及び/又は制御することができる。例えば、本明細書に記載の組成物の生分解、生体吸収、及び/又は生体再吸収の速度は、本明細書に記載のポリマー材料中の架橋の量を減少させることによって増加させることができる。或いは、本明細書に記載の組織フィラー及び組成物の生分解、生体吸収、及び/又は生体再吸収の速度は、本明細書に記載のポリマー材料中の架橋の量を増加させることによって減少させることができる。
【0128】
本開示の組織フィラー及び組成物は、「低アレルギー性」であり、これは、それらがアレルギー反応を比較的起こしにくいことを意味する。そのような低アレルギー性は、参加者が局所的に長期間、その皮膚に本開示の組成物を適用することによって証明することができる。実施形態では、前記長期間は、約3日間である。実施形態では、前記長期間は、約7日間である。実施形態では、前記長期間は、約14日間である。実施形態において、前記長期間は、約21日間である。実施形態では、前記長期間は、約30日間である。実施形態において、前記長期間は、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間、約12ヶ月間、無期限からなる群から選択される。
【0129】
本明細書で使用するとき、「低分子量」絹は、約5kDa~約20kDaの分子量を有する絹タンパク質断片を意味する。幾つかの実施形態では、特定の絹タンパク質断片の目標低分子量は、約11kDaであることができる。
【0130】
本明細書で使用するとき、「中分子量」絹は、約20kDa~約55kDaの分子量を有する絹タンパク質断片を意味する。幾つかの実施形態では、特定の絹タンパク質断片の目標低分子量は、約40kDaであることができる。
【0131】
本明細書で使用するとき、「高分子量」絹は、約55kDa~約150kDaの分子量を有する絹タンパク質断片を意味する。幾つかの実施形態では、特定の絹タンパク質断片の目標低分子量は、約100kDa~約145kDaであることができる。
【0132】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載される分子量、例えば、低分子量SPF、中分子量SPF、高分子量SPFはそれぞれ、当業者によって理解されるように、天然又は組換えタンパク質(例えば、天然又は組換え絹タンパク質)に含まれるアミノ酸のお約の数に変換することができる。例えば、アミノ酸の平均重量は、約110ダルトン、即ち、110g/molであり得る。したがって、幾つかの実施形態では、直鎖状タンパク質の分子量を110ダルトンで除すことを、その中に含まれるアミノ酸残基数の近似に使用することができる。
【0133】
本明細書で使用するとき、「多分散性」という用語は、所与のポリマーサンプルにおける分子量分布の尺度を意味する。多分散性は、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除することによって計算することができる。本明細書で使用するとき、「重量平均分子量」(Mw)という用語は、一般に、それらのサイズにしたがうポリマー分子の寄与に依存する分子量測定値を意味する。重量平均分子量は、以下の式によって定義することができる。
【数1】
式中、M
iは、鎖の分子量であり、N
iは、その分子量の鎖の数である。本明細書で使用するとき、「数平均分子量」(Mn)という用語は、一般に、サンプル中の全ポリマー分子の総重量を、サンプル中のポリマー分子の総数で除することにより計算される分子量測定値を意味する。数平均分子量は、以下の式によって定義することができる。
【数2】
式中、M
iは、鎖の分子量であり、Niは、その分子量の鎖の数である。例えば、全てのポリマー鎖が等しい単分散ポリマーは、1の多分散性(Mw/Mn)を有する。一般に、分子量平均は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定することができる。多分散性指数が大きいほど、分子量はより広い。
【0134】
本明細書で使用するとき、「組織フィラー」という用語は、ボリュームを付加する、サポートを付加する、又はその他の方法で軟組織欠損を治療するために、軟組織の内部又は周辺に設けることができる材料を広く意味する。「組織フィラー」という用語はまた、皮膚フィラーを包含する。しかし、「皮膚フィラー」という用語は、フィラーの送達の場所及びタイプに関していかなる限定を課すものと解釈されるべきではない。それにもかかわらず、本明細書に記載の皮膚フィラーは、一般に、皮膚フィラーの真皮下の複数レベルでの使用及び送達を包含することができる。本明細書で使用するとき、「軟組織」という用語は、体の他の構造及び器官を結合、支持、又は囲むものを意味することができる。例えば、本明細書に記載の軟組織は、限定されるものではないが、皮膚、真皮組織、真皮下組織(subdermal tissues)、皮膚組織、皮下組織、硬膜内組織、筋肉、腱、靭帯、線維組織、脂肪、血管や動脈、神経、及び滑膜(皮内)組織を含むことができる。
【0135】
本明細書で使用するとき、「エポキシ由来の架橋剤」という用語は、例えば、エポキシド基を含む架橋前駆体、例えば、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDE、又はPEGDGE)、又は絹フィブロイン又は絹フィブロイン断片ポリエポキシリンカーを用いることによって得られる同一又は別のポリマー鎖に2つの部分間の分子ブリッジを意味する。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ポリマーの側鎖に含む、ポリマー鎖中の反応中心と反応することにより、エポキシド環が開環して、第二級アルコールとの新たな結合を形成する(スキーム1)。反応性基としては、限定されるものではないが、カルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基などの求核基を挙げることができる。
【化1】
【0136】
本明細書で使用するとき、「自己架橋」は、a)類似の化学的性質のポリマーの二本鎖間の架橋、例えば、ヒアルロン酸の二本鎖間の架橋又はSPFの二本鎖間の架橋、又はb)環状エステル(ラクトン)、環状アミド、架橋部分を含む環状構築物などを形成するための同一ポリマー鎖上の架橋基間の架橋、例えば、ヒアルロン酸の同一鎖上の2つの基間の架橋又は同一のSPF鎖上の2つ基間の架橋、のいずれかを意味する。
【0137】
本明細書で使用するとき、「ゼロ長架橋」及び/又は「結合を含む架橋」及び/又は「活性化剤を用いる架橋」は、別々のポリマー鎖上又は同一のポリマー鎖上のいずれかの2つの基間での架橋であって、前記基が互いに直接反応し、追加の架橋部分がそれらの間に挿入されない架橋を意味する。カルボン酸基とアミン又はアルコールとの間の架橋であって、これらの基の一方が活性化剤、例えば、カルボジイミドによって活性化される架橋は、ゼロ長架橋の例である。
【0138】
本明細書で使用するとき、「チンダル現象」及び/又は「チンダリング」は、組織フィラーを投与した一部の患者で生じる有害事象である。チンダル現象は、組織フィラーが注入された皮膚部位における青色変色の出現によって特徴付けられ、これは、半透明の表皮を通して見える可視皮膚フィラー組成物を表す。粒子断面が特定の範囲内、通常、可視光波長よりも幾分短い又は近いとき、光散乱微粒子状物質が、光透過性媒体中に分散されたときにチンダル現象が観察される。チンダル現象の下では、より長い波長の光(例えば、赤色)が媒体を介してより大きな程度透過される一方で、より短波長の光(例えば、青色)が散乱を介してより大きい程度に反射され、媒体が青色に着色されているという全体的な印象を与える。
【0139】
絹タンパク質断片
幾つかの実施形態では、絹タンパク質ベース組成物と絹タンパク質断片、又はその製造方法は、それらの全体を参照により本明細書に援用する米国特許出願公開第2015/00933340号明細書、同第2015/0094269号明細書、同第2016/0193130号明細書、同第2016/0022560号明細書、同第2016/0022561号明細書、同第2016/0022562号明細書、同第2016/0022563号明細書、同第2016/0222579号明細書、同第2016/0281294号明細書、及び米国特許第9,187,538号明細書、同第9,522,107号明細書、同第9,517,191号明細書、同第9,522,108号明細書、同第9,511,012号明細書、及び同第9,545,369号明細書に記載されているものを含むことができる。
【0140】
本明細書で使用するとき、絹タンパク質断片(SPF)は、絹由来のペプチド及び/又はタンパク質の混合物、組成物、又は集団を一般に意味する。幾つかの実施形態では、SPFは、様々な用途のために複数の産業に亘って使用することができる実質的に純粋且つ高度にスケーラブルなSPF混合溶液として製造される。溶液は、未処理の純粋で無傷の絹タンパク質材料から生成され、セリシンを除去し、断片混合物の所望の重量平均分子量(Mw)及び多分散性を達成するために加工される。選択した方法のパラメータは、使用目的に応じて異なる最終絹タンパク質断片の特性を達成するように変更することができる。得られる最終断片溶液は、プロセス汚染物質の検出不能なレベル、医薬、医療、消費者化粧品市場で許容されるレベルのPPMを有する純粋な絹タンパク質断片と水である。溶液中の絹タンパク質断片の濃度、サイズ、及び多分散性は、所望の用途及び性能要件に応じて更に変更することができる。実施形態では、溶液中の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片は、セリシンを実質的に欠いており、約1kDa~約250kDaの平均重量平均分子量を有し、約1.5~約3.0の多分散性を有する。実施形態では、溶液中の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片は、セリシンを実質的に欠いており、約5kDa~約150kDaの平均重量平均分子量を有し、約1.5~約3.0の多分散性を有する。実施形態では、溶液中の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片は、セリシンを実質的に欠いており、約6kDa~約17kDaの平均重量平均分子量を有し、約1.5~約3.0の多分散性を有する。実施形態では、溶液中の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片は、セリシンを実質的に欠いており、約17kDa~約39kDaの平均重量平均分子量を有し、約1.5~約3.0の多分散性を有する。実施形態では、溶液中の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片は、セリシンを実質的に欠いており、約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有し、約1.5~約3.0の多分散性を有する。実施形態では、溶液中の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片は、セリシンを実質的に欠いており、約80kDa~約150kDaの平均重量平均分子量を有し、約1.5~約3.0の多分散性を有する。
【0141】
実施形態において、本明細書に記載の絹タンパク質断片は、溶液中又は固体として調製でき、固体は、本明細書に記載されるように、生理的溶液(例えば、水、生理食塩水など)又はHAのゲル中に懸濁させる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の絹タンパク質断片は、HAのゲルにそれを充填する前に、リポソーム又はミクロスフェア中に調製できる。
【0142】
実施形態では、本開示の絹溶液は、本明細書に記載の組織フィラー組成物を生成するために使用することができる。実施形態では、溶液は、本明細書に記載の組織フィラーを調製するためにHA及び更なる剤とホモジナイズされ得るゲルを生成するために使用することができる。利用される絹溶液及び膜又はゲルを鋳造するための方法に応じて、様々な特性が達成される。
【0143】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーにおけるSPF含有量(重量%)は、少なくとも0.01%、又は少なくとも0.1%、又は少なくとも0.2%、又は少なくとも0.3%、又は少なくとも0.4%、又は少なくとも0.5%、又は少なくとも0.6%、又は少なくとも0.7%、又は少なくとも0.8%、又は少なくとも0.9%、又は少なくとも1%、又は少なくとも2%、又は少なくとも3%、又は少なくとも4%、又は少なくとも5%、又は少なくとも6%、又は少なくとも7%、又は少なくとも8%、又は少なくとも9%、又は少なくとも10%、又は少なくとも11%、又は少なくとも12%、又は少なくとも13%、又は少なくとも14%、又は少なくとも15%、又は少なくとも16%、又は少なくとも17%、又は少なくとも18%、又は少なくとも19%、又は少なくとも20%、又は少なくとも21%、又は少なくとも22%、又は少なくとも23%、又は少なくとも24%、又は少なくとも25%、又は少なくとも26%、又は少なくとも27%、又は少なくとも28%、又は少なくとも29%、又は少なくとも30%、又は少なくとも31%、又は少なくとも32%、又は少なくとも33%、又は少なくとも34%、又は少なくとも35%、又は少なくとも36%、又は少なくとも37%、又は少なくとも38%、又は少なくとも39%、又は少なくとも40%、又は少なくとも41%、又は少なくとも42%、又は少なくとも43%、又は少なくとも44%、又は少なくとも45%、又は少なくとも46%、又は少なくとも47%、又は少なくとも48%、又は少なくとも49%、又は少なくとも50%、又は少なくとも51%、又は少なくとも52%、又は少なくとも53%、又は少なくとも54%、又は少なくとも55%、又は少なくとも56%、又は少なくとも57%、又は少なくとも58%、又は少なくとも59%、又は少なくとも60%、又は少なくとも61%、又は少なくとも62%、又は少なくとも63%、又は少なくとも64%、又は少なくとも65%、又は少なくとも66%、又は少なくとも67%、又は少なくとも68%、又は少なくとも69%、又は少なくとも70%、又は少なくとも71%、又は少なくとも72%、又は少なくとも73%、又は少なくとも74%、又は少なくとも75%、又は少なくとも76%、又は少なくとも77%、又は少なくとも78%、又は少なくとも79%、又は少なくとも80%、又は少なくとも81%、又は少なくとも82%、又は少なくとも83%、又は少なくとも84%、又は少なくとも85%、又は少なくとも86%、又は少なくとも87%、又は少なくとも88%、又は少なくとも89%、又は少なくとも90%、又は少なくとも91%、又は少なくとも92%、又は少なくとも93%、又は少なくとも94%、又は少なくとも95%、又は少なくとも96%、又は少なくとも97%、又は少なくとも98%、又は少なくとも99%、又は少なくとも99.5%、又は少なくとも99.9%である。
【0144】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーにおけるSPF含有量(重量%)は、最大0.01%、又は最大0.1%、又は最大0.2%、又は最大0.3%、又は最大0.4%、又は最大0.5%、又は最大0.6%、又は最大0.7%、又は最大0.8%、又は最大0.9%、又は最大1%、又は最大2%、又は最大3%、又は最大4%、又は最大5%、又は最大6%、又は最大7%、又は最大8%、又は最大9%、又は最大10%、又は最大11%、又は最大12%、又は最大13%、又は最大14%、又は最大15%、又は最大16%、又は最大17%、又は最大18%、又は最大19%、又は最大20%、又は最大21%、又は最大22%、又は最大23%、又は最大24%、又は最大25%、又は最大26%、又は最大27%、又は最大28%、又は最大29%、又は最大30%、又は最大31%、又は最大32%、又は最大33%、又は最大34%、又は最大35%、又は最大36%、又は最大37%、又は最大38%、又は最大39%、又は最大40%、又は最大41%、又は最大42%、又は最大43%、又は最大44%、又は最大45%、又は最大46%、又は最大47%、又は最大48%、又は最大49%、又は最大50%、又は最大51%、又は最大52%、又は最大53%、又は最大54%、又は最大55%、又は最大56%、又は最大57%、又は最大58%、又は最大59%、又は最大60%、又は最大61%、又は最大62%、又は最大63%、又は最大64%、又は最大65%、又は最大66%、又は最大67%、又は最大68%、又は最大69%、又は最大70%、又は最大71%、又は最大72%、又は最大73%、又は最大74%、又は最大75%、又は最大76%、又は最大77%、又は最大78%、又は最大79%、又は最大80%、又は最大81%、又は最大82%、又は最大83%、又は最大84%、又は最大85%、又は最大86%、又は最大87%、又は最大88%、又は最大89%、又は最大90%、又は最大91%、又は最大92%、又は最大93%、又は最大94%、又は最大95%、又は最大96%、又は最大97%、又は最大98%、又は最大99%、又は最大99.5%、又は最大99.9%である。
【0145】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーにおけるSPF含有量(重量%)は、約0.01%、又は約0.1%、又は約0.2%、又は約0.3%、又は約0.4%、又は約0.5%、又は約0.6%、又は約0.7%、又は約0.8%、又は約0.9%、又は約1%、又は約2%、又は約3%、又は約4%、又は約5%、又は約6%、又は約7%、又は約8%、又は約9%、又は約10%、又は約11%、又は約12%、又は約13%、又は約14%、又は約15%、又は約16%、又は約17%、又は約18%、又は約19%、又は約20%、又は約21%、又は約22%、又は約23%、又は約24%、又は約25%、又は約26%、又は約27%、又は約28%、又は約29%、又は約30%、又は約31%、又は約32%、又は約33%、又は約34%、又は約35%、又は約36%、又は約37%、又は約38%、又は約39%、又は約40%、又は約41%、又は約42%、又は約43%、又は約44%、又は約45%、又は約46%、又は約47%、又は約48%、又は約49%、又は約50%、又は約51%、又は約52%、又は約53%、又は約54%、又は約55%、又は約56%、又は約57%、又は約58%、又は約59%、又は約60%、又は約61%、又は約62%、又は約63%、又は約64%、又は約65%、又は約66%、又は約67%、又は約68%、又は約69%、又は約70%、又は約71%、又は約72%、又は約73%、又は約74%、又は約75%、又は約76%、又は約77%、又は約78%、又は約79%、又は約80%、又は約81%、又は約82%、又は約83%、又は約84%、又は約85%、又は約86%、又は約87%、又は約88%、又は約89%、又は約90%、又は約91%、又は約92%、又は約93%、又は約94%、又は約95%、又は約96%、又は約97%、又は約98%、又は約99%、又は約99.5%、又は約99.9%である。
【0146】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーにおけるSPF含有量(重量%)は、約0.01%~約100%、又は約0.01%~約99.9%、又は約0.01%~約75%、又は約0.1%~約95%、又は約1%~約95%、又は約10%~約95%、又は約0.1%~約1%、又は約0.1%~約2%、又は約0.1%~約3%、又は約0.1%~約4%、又は約0.1%~約5%、又は約0.1%~約6%、又は約0.1%~約7%、又は約0.1%~約8%、又は約0.1%~約9%、又は約0.1%~約10%、又は約0.1%~約11%、又は約0.1%~約12%、又は約0.1%~約13%、又は約0.1%~約14%、又は約0.1%~約15%、又は約0.1%~約16%、又は約0.1%~約17%、又は約0.1%~約18%、又は約0.1%~約19%、又は約0.1%~約20%、又は約0.1%~約21%、又は約0.1%~約22、又は約0.1%~約23%、又は約0.1%~約24%、又は約0.1%~約25%、又は約1%~約2%、又は約1%~約3%、又は約1%~約4%、又は約1%~約5%、又は約1%~約6%、又は約1%~約7%、又は約1~約8%、又は約1%~約9%、又は約1%~約10%、又は約1%~約11%、又は約1%~約12%、又は約1%~約13%、又は約1%~約14%、又は約1%~約15%、又は約1%~約16%、又は約1%~約17%、又は約1%~約18%、又は約1%~約19%、又は約1%~約20%、又は約1%~約21%、又は約1%~約22%、又は約1%~約23%、又は約1%~約24%、又は約1%~約25%、又は約10%~約20%、又は約10%~約25%、又は約10%~約30%、又は約10%~約35%、又は約10%~約40%、又は約10%~約45%、又は約10%~約50%、又は約10%~約55%、又は約10%~約60%、又は約10%~約65%、又は約10%~約70%、又は約10%~約75%、又は約10%~約80%、又は約10%~約85%、又は約10%~約90%、又は約10%~100%である。
【0147】
本明細書に記載のSPFは、SPFのペプチド及び/又はタンパク質の結晶化度に応じて様々な機械的及び物理的特性を有することができる。実施形態では、本開示のSPF組成物は、タンパク質の結晶性のため、可溶ではない。実施形態では、本開示のSPF組成物は、水溶液中で可溶である。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、約3分の2の結晶性部分と、約3分の1のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、約半分の結晶性部分と約半分のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、99%の結晶性部分と1%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、95%の結晶性部分と5%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、90%の結晶性部分と10%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、85%の結晶性部分と15%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、80%の結晶性部分と20%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、75%の結晶性部分と25%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、70%の結晶性部分と30%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、65%の結晶性部分と35%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、60%の結晶性部分と40%のアモルファス領域を含む。実施形態では、実施形態では、本開示の組成物のSPFは、50%の結晶性部分と50%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、40%の結晶性部分と60%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、35%の結晶性部分と65%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、30%の結晶性部分と70%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、25%の結晶性部分と75%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、20%の結晶性部分と80%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、15%の結晶性部分と85%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、10%の結晶性部分と90%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、5%の結晶性部分と95%のアモルファス領域を含む。実施形態では、本開示の組成物のSPFは、1%の結晶性部分と99%のアモルファス領域を含む。
【0148】
幾つかの実施形態では、SPFの物理的及び機械的性質は、αヘリックス及び/又はランダムコイル領域のSPF組成物中での存在の程度に応じて変化する。幾つかの実施形態において、本明細書に開示されるSPFヒドロゲルは、αヘリックス及びランダムコイル領域を実質的に含まないタンパク質構造を有する。これらの実施形態の態様では、ヒドロゲルは、例えば、約5%のαヘリックスとランダムコイル領域、約10%のαヘリックスとランダムコイル領域、約15%のαヘリックス及びランダムコイル領域、約20%のαヘリックスとランダムコイル領域、約25%のαヘリックスとランダムコイル領域、約30%のαヘリックス及びランダムコイル領域、約35%のαヘリックスとランダムコイル領域、約40%のαヘリックス及びランダムコイル領域、約45%のαヘリックスとランダムコイル領域、又は約50%のαヘリックスとランダムコイル領域を含むタンパク質構造を有する。これらの実施形態の他の態様では、ヒドロゲルは、例えば、最大5%のαヘリックスとランダムコイル領域、最大10%のαヘリックスとランダムコイル領域、最大15%のαヘリックスとランダムコイル領域、最大20%のαヘリックスとランダムコイル領域、最大25%のαヘリックスとランダムコイル領域、最大30%のαヘリックスとランダムコイル領域、最大35%のヘリックスとランダムコイル領域、最大40%のαヘリックスとランダムコイル領域、最大45%のαヘリックスとランダムコイル領域、又は最大50%のαヘリックスとランダムコイル領域を含むタンパク質構造を有する。これらの実施形態の更に他の態様において、ヒドロゲルは、例えば、約5%~約10%のαヘリックスとランダムコイル領域、約5%~約15%のαヘリックスとランダムコイル領域、約5%~約20%のαヘリックス及びランダムコイル領域、約5%~約25%のαヘリックスとランダムコイル領域、約5%~約30%のαヘリックスとランダムコイル領域、約5%~約40%のαヘリックスとランダムコイル領域、約5%~約50%のαヘリックスとランダムコイル領域、約10%~約20%のαヘリックスとランダムコイル領域、約10%~約30%のαヘリックスとランダムコイル領域、約15%~約25%のαヘリックス及びランダムコイル領域、約15%~約30%のαヘリックスとランダムコイル領域、又は約15%~約35%のαヘリックス及びランダムコイル領域を含むタンパク質構造を有する。
【0149】
幾つかの実施形態では、本開示のSPF溶液組成物は、貯蔵条件、絹のパーセント並びに出荷の数及び出荷条件に応じて10日間~3年間の保管安定性を有する(即ち、水溶液中で貯蔵した場合、それらは、徐々に又は自然発生的にゲル化することはなく、断片の明らかな凝集及び/又は経時的な分子量の増大がない)。更にpHを変化させて、絹の早過ぎる折り畳み(folding)及び凝集を防止することによって、保管寿命を延長させることができ及び/又はシッピング条件を支援することができる。実施形態では、本開示のSPF溶液組成物は、室温(RT)で、最大2週間の保管安定性を有する。実施形態では、本開示のSPF溶液組成物は、RTで、最大4週間の保管安定性を有する。実施形態では、本開示のSPF溶液組成物は、RTで、最大6週間の保管安定性を有する。実施形態では、本開示のSPF溶液組成物は、RTで、最大8週間の保管安定性を有する。実施形態では、本開示のSPF溶液組成物は、RTで、最大10週間の保管安定性を有する。実施形態では、本開示のSPF溶液組成物は、RTで、最大12週間の保管安定性を有する。実施形態では、本開示のSPF溶液組成物は、RTで、約4週間~約52週間の保管安定性を有する。以下の表1は、本開示のSPF組成物の実施形態についての保管安定性試験結果を示す。
【表1】
【0150】
ビタミン(例えば、ビタミンC)など知られた添加剤を本開示のSPF液組成物に添加して、室温(RT)で10日間~3年間安定なゲルを作製することができる。SPF組成物及び添加剤を含むSPF組成物のいずれも、貯蔵及びシッピング条件に応じて10日間~10年間の向上された保管制御のために凍結乾燥することができる。凍結乾燥された絹パウダーはまた、医療、消費者、及び電子市場の原料として使用することができる。更に、凍結乾燥絹粉末は、保管後、水、HFIP、又は有機溶液に再懸濁して、各種濃度の絹溶液、例えば、最初に生成されるものよりも高濃度の溶液などを作製することができる。別の実施形態では、絹フィブロインベースのタンパク質断片は、含有される水が10質量%未満の乾燥タンパク質形態を作製するために、ロトサームエバポレータ又は当技術分野で知られた他の方法を用いて乾燥される。
【0151】
本明細書に開示される組織フィラー及び方法で使用されるSPFは、種々の方法で操作及び含有させることができ(例えば、溶液の形態)、他の材料(例えば、HA)と組み合わせて、本明細書に記載の組織フィラー組成物を調製することができる。以下は、本開示の絹溶液の調製における及び調製のための種々のパラメータの好適な範囲の非限定的な例である。本開示の絹溶液は、これらのパラメータの1以上(必ずしも全てを含んでいなくてもよい)を含み、そのようなパラメータの範囲の種々の組合せを用いて調製することができる。
【0152】
実施形態では、溶液中の絹(%)は、30%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、25%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、20%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、19%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、18%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、17%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、16%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、15%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、14%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、13%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、12%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、11%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、10%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、9%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、8%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、7%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、6%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、5%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、4%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、3%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、2%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、1%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.9%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.8%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.7%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.6%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.5%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.4%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.3%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.2%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%未満である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.2%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.3%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.4%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.5%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.6%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.7%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.8%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.9%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、1%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、2%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、3%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、4%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、5%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、6%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、7%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、8%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、9%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、10%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、11%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、12%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、13%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、14%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、15%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、16%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、17%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、18%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、19%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、20%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、25%超である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~30%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~25%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~20%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~15%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~10%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~9%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~8%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~7%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~6.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~6%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~5.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~4.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~4%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~3.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~3%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~2.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~2.0%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~2.4%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.5%~5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.5%~4.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.5%~4%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.5%~3.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.5%~3%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.5%~2.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、1~4%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、1%~3.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、1%~3%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、1%~2.5%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、1%~2.4%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、1%~2%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、20%~30%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、0.1%~6%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、6%~10%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、6%~8%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、6%~9%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、10%~20%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、11%~19%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、12%~18%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、13%~17%である。実施形態では、溶液中の絹(%)は、14%~16%である。
【0153】
実施形態では、本明細書に記載の絹組成物は、HAと組み合わせて、組織フィラー組成物を形成することができる。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、30%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、25%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、20%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、19%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、18%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、17%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、16%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、15%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、14%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、13%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、12%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、11%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、10%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、9%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、8%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、7%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、6%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、5%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、4%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、3%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、2%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、1%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.9%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.8%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.7%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.6%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.5%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.4%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.3%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.2%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.2%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.3%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.4%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.5%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.6%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.7%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.8%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.9%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、1%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、2%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、3%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、4%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、5%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、6%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、7%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、8%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、9%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、10%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、11%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、12%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、13%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、14%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、15%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、16%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、17%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、18%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、19%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、20%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、25%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~30%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~25%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~20%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~15%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~10%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~9%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~8%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~7%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~6.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~6%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~5.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~4.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~4%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~3.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~3%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~2.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~2.0%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~2.4%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.5%~5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.5%~4.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.5%~4%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.5%~3.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.5%~3%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.5%~2.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、1~4%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、1%~3.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、1%~3%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、1%~2.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、1%~2.4%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、1%~2%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、20%~30%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、0.1%~6%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、6%~10%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、6%~8%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、6%~9%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、10%~20%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、11%~19%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、12%~18%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、13%~17%である。実施形態では、組織フィラー組成物中の絹(重量%)は、14%~16%である。
【0154】
実施形態では、溶液又は組織フィラー組成物中のセリシン(%)は、検出不能~30%である。実施形態では、溶液又は組織フィラー組成物中のセリシン(%)は、検出不能~5%である。実施形態では、溶液又は組織フィラー組成物中のセリシン(%)は、1%である。実施形態では、溶液又は組織フィラー組成物中のセリシン(%)は、2%である。実施形態では、溶液又は組織フィラー組成物中のセリシン(%)は、3%である。実施形態では、溶液又は組織フィラー組成物中のセリシン(%)は、4%である。実施形態では、溶液又は組織フィラー組成物中のセリシン(%)は、5%である。実施形態では、溶液又は組織フィラー組成物中のセリシン(%)は、10%である。実施形態では、溶液又は組織フィラー組成物中のセリシン(%)は、30%である。
【0155】
実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、0~1年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、0~2年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、0~3年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、0~4年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、0~5年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、1~2年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、1~3年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、1~4年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、1~5年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、2~3年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、2~4年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、2~5年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、3~4年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、3~5年間である。実施形態では、LiBr-絹断片溶液の安定性は、4~5年間である。
【0156】
実施形態では、本開示の組織フィラーに含まれてもよい絹フィブロインベースのタンパク質断片の組成物の安定性は、10日間~6ヶ月間である。実施形態では、本開示の組織フィラーに含まれてもよい絹フィブロインベースのタンパク質断片の組成物の安定性は、6ヶ月間~12ヶ月間である。実施形態では、本開示の組織フィラーに含まれてもよい絹フィブロインベースのタンパク質断片の組成物の安定性は、12ヶ月間~18ヶ月間である。実施形態では、本開示の組織フィラーに含まれてもよい絹フィブロインベースのタンパク質断片の組成物の安定性は、18ヶ月間~24ヶ月間である。実施形態では、本開示の組織フィラーに含まれてもよい絹フィブロインベースのタンパク質断片の組成物の安定性は、24ヶ月間~30ヶ月間である。実施形態では、本開示の組織フィラーに含まれてもよい絹フィブロインベースのタンパク質断片の組成物の安定性は、30ヶ月間~36ヶ月間である。実施形態では、本開示の組織フィラーに含まれてもよい絹フィブロインベースのタンパク質断片の組成物の安定性は、36ヶ月間~48ヶ月間である。実施形態では、本開示の組織フィラーに含まれてもよい絹フィブロインベースのタンパク質断片の組成物の安定性は、48ヶ月間~60ヶ月間である。
【0157】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~250kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、5kDa~150kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~6kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、6kDa~17kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、17kDa~39kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、39kDa~80kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、80kDa~150kDaの平均重量平均分子量を有する。
【0158】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~250kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~240kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~230kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~220kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~210kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~200kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~190kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~180kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~170kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~160kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~150kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~140kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~130kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~120kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~110kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~100kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~90kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~80kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~70kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~60kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~50kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~40kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~30kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~20kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1kDa~10kDaの平均重量平均分子量を有する。
【0159】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、1~5kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、5~10kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、10~15kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、15~20kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、20~25kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、25~30kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、30~35kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、35~40kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、40~45kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、45~50kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、50~55kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、55~60kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、60~65kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、65~70kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、70~75kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、75~80kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、80~85kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、85~90kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、90~95kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、95~100kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、100~105kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、105~110kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、110~115kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、115~120kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、120~125kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、125~130kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、130~135kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、135~140kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、140~145kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、145~150kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、150~155kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、155~160kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、160~165kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、165~170kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、170~175kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、175~180kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、180~185kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、185~190kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、190~195kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、195~200kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、200~205kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、205~210kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、210~215kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、215~220kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、220~225kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、225~230kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、230~235kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、235~240kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、240~245kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、245~250kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、250~255kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、255~260kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、260~265kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、265~270kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、270~275kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、275~280kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、280~285kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、285~290kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、290~295kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、295~300kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、300~305kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、305~310kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、310~315kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、315~320kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、320~325kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、325~330kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、330~335kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、35~340kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、340~345kDaの平均重量平均分子量を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、345~350kDaの平均重量平均分子量を有する。
【0160】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、低分子量の絹、中分子量の絹、及び高分子量の絹の1以上を含む絹タンパク質を含むことができる。
【0161】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、低分子量の絹、中分子量の絹、及び高分子量の絹の1以上を含む絹タンパク質を含むことができる。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、低分子量の絹及び中分子量の絹を含む絹タンパク質を含むことができる。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、低分子量の絹及び高分子量の絹を含む絹タンパク質を含むことができる。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、中分子量の絹及び高分子量の絹を含む絹タンパク質を含むことができる。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、低分子量の絹、中分子量の絹、及び高分子量の絹を含む絹タンパク質を含むことができる。
【0162】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、低分子量の絹及び中分子量の絹を含む絹タンパク質を含むことができる。幾つかの実施形態では、低分子量の絹と中分子量の絹との間のw/w比は、約99:1~約1:99、約95:5~約5:95、約90:10~約10:90、約75:25~約25:75、約65:35~約35:65、又は約55:45~約45:55である。幾つかの実施形態では、低分子量の絹と中分子量の絹との間のw/w比は、約99:1~約55:45、約95:5~約45:55、約90:10~約35:65、約75:25~約15:85、約65:35~約10:90、又は約55:45~約1:99である。幾つかの実施形態では、低分子量の絹と中分子量の絹との間のw/w比は、約99:1、約98:2、約97:3、約96:4、約95:5、約94:6、約93:7、約92:8、約91:9、約90:10、約89:11、約88:12、約87:13、約86:14、約85:15、約84:16、約83:17、約82:18、約81:19、約80:20、約79:21、約78:22、約77:23、約76:24、約75:25、約74:26、約73:27、約72:28、約71:29、約70:30、約69:31、約68:32、約67:33、約66:34、約65:35、約64:36、約63:37、約62:38、約61:39、約60:40、約59:41、約58:42、約57:43、約56:44、約55:45、約54:46、約53:47、約52:48、約51:49、約50:50、約49:51、約48:52、約47:53、約46:54、約45:55、約44:56、約43:57、約42:58、約41:59、約40:60、約39:61、約38:62、約37:63、約36:64、約35:65、約34:66、約33:67、約32:68、約31:69、約30:70、約29:71、約28:72、約27:73、約26:74、約25:75、約24:76、約23:77、約22:78、約21:79、約20:80、約19:81、約18:82、約17:83、約16:84、約15:85、約14:86、約13:87、約12:88、約11:89、約10:90、約9:91、約8:92、約7:93、約6:94、約5:95、約4:96、約3:97、約2:98、又は約1:99である。実施形態では、低分子量の絹と中分子量の絹との間のw/w比は、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、又は約1:1である。実施形態では、低分子量の絹と中分子量の絹との間のw/w比は、約1:9、約1:8、約1:7、約1:6、約1:5、約1:4、約1:3、約1:2、又は約1:1である。
【0163】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、低分子量の絹及び高分子量の絹を含む絹タンパク質を含むことができる。幾つかの実施形態では、低分子量の絹と高分子量の絹との間のw/w比は、約99:1~約1:99、約95:5~約5:95、約90:10~約10:90、約75:25~約25:75、約65:35~約35:65、又は約55:45~約45:55である。幾つかの実施形態では、低分子量の絹と高分子量の絹との間のw/w比は、約99:1~約55:45、約95:5~約45:55、約90:10~約35:65、約75:25~約15:85、約65:35~約10:90、又は約55:45~約1:99である。幾つかの実施形態では、低分子量の絹と高分子量の絹との間のw/w比は、約99:1、約98:2、約97:3、約96:4、約95:5、約94:6、約93:7、約92:8、約91:9、約90:10、約89:11、約88:12、約87:13、約86:14、約85:15、約84:16、約83:17、約82:18、約81:19、約80:20、約79:21、約78:22、約77:23、約76:24、約75:25、約74:26、約73:27、約72:28、約71:29、約70:30、約69:31、約68:32、約67:33、約66:34、約65:35、約64:36、約63:37、約62:38、約61:39、約60:40、約59:41、約58:42、約57:43、約56:44、約55:45、約54:46、約53:47、約52:48、約51:49、約50:50、約49:51、約48:52、約47:53、約46:54、約45:55、約44:56、約43:57、約42:58、約41:59、約40:60、約39:61、約38:62、約37:63、約36:64、約35:65、約34:66、約33:67、約32:68、約31:69、約30:70、約29:71、約28:72、約27:73、約26:74、約25:75、約24:76、約23:77、約22:78、約21:79、約20:80、約19:81、約18:82、約17:83、約16:84、約15:85、約14:86、約13:87、約12:88、約11:89、約10:90、約9:91、約8:92、約7:93、約6:94、約5:95、約4:96、約3:97、約2:98、又は約1:99である。
【0164】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、中分子量の絹及び高分子量の絹を含む絹タンパク質を含むことができる。幾つかの実施形態では、中分子量の絹と高分子量の絹との間のw/w比は、約99:1~約1:99、約95:5~約5:95、約90:10~約10:90、約75:25~約25:75、約65:35~約35:65、又は約55:45~約45:55である。幾つかの実施形態では、中分子量の絹と高分子量の絹との間のw/w比は、約99:1~約55:45、約95:5~約45:55、約90:10~約35:65、約75:25~約15:85、約65:35~約10:90、又は約55:45~約1:99である。幾つかの実施形態では、中分子量の絹と高分子量の絹との間のw/w比は、約99:1、約98:2、約97:3、約96:4、約95:5、約94:6、約93:7、約92:8、約91:9、約90:10、約89:11、約88:12、約87:13、約86:14、約85:15、約84:16、約83:17、約82:18、約81:19、約80:20、約79:21、約78:22、約77:23、約76:24、約75:25、約74:26、約73:27、約72:28、約71:29、約70:30、約69:31、約68:32、約67:33、約66:34、約65:35、約64:36、約63:37、約62:38、約61:39、約60:40、約59:41、約58:42、約57:43、約56:44、約55:45、約54:46、約53:47、約52:48、約51:49、約50:50、約49:51、約48:52、約47:53、約46:54、約45:55、約44:56、約43:57、約42:58、約41:59、約40:60、約39:61、約38:62、約37:63、約36:64、約35:65、約34:66、約33:67、約32:68、約31:69、約30:70、約29:71、約28:72、約27:73、約26:74、約25:75、約24:76、約23:77、約22:78、約21:79、約20:80、約19:81、約18:82、約17:83、約16:84、約15:85、約14:86、約13:87、約12:88、約11:89、約10:90、約9:91、約8:92、約7:93、約6:94、約5:95、約4:96、約3:97、約2:98、又は約1:99である。
【0165】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、低分子量の絹、中分子量の絹、及び高分子量の絹を含む絹タンパク質を含むことができる。実施形態では、低分子量の絹と、中分子量の絹と、高分子量の絹との間のw/w比は、約1:1:8、1:2:7、1:3:6、1:4:5、1:5:4、1:6:3、1:7:2、1:8:1、2:1:7、2:2:6、2:3:5、2:4:4、2:5:3、2:6:2、2:7:1、3:1:6、3:2:5、3:3:4、3:4:3、3:5:2、3:6:1、4:1:5、4:2:4、4:3:3、4:4:2、4:5:1、5:1:4、5:2:3、5:3:2、5:4:1、6:1:3、6:2:2、6:3:1、7:1:2、7:2:1、又は8:1:1である。実施形態では、低分子量の絹と、中分子量の絹と、高分子量の絹との間のw/w比は、約3:0.1:0.9、3:0.2:0.8、3:0.3:0.7、3:0.4:0.6、3:0.5:0.5、3:0.6:0.4、3:0.7:0.3、3:0.8:0.2、又は3:0.9:0.1である。
【0166】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、約1~約5.0の多分散性を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、約1.5~約3.0の多分散性を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、約1~約1.5の多分散性を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、約1.5~約2.0の多分散性を有する。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーに含有される絹フィブロインベースのタンパク質断片は、約2.0~約2.5の多分散性を有する。実施形態では、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片を含む本開示の組成物は、約2.0~約3.0の多分散性を有する。実施形態では、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片を含む本開示の組成物は、約2.5~約3.0の多分散性を有する。
【0167】
実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラーは、検出不能なレベルのLiBr残渣を含む。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、10ppm~1000ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、10ppm~300ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、25ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、50ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、75ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、100ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、200ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、300ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、400ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、500ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、600ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、700ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、800ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、900ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、1000ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、検出不能~500ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、検出不能~450ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、検出不能~400ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、検出不能~350ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、検出不能~300ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、検出不能~250ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、検出不能~200ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、検出不能~150ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、検出不能~100ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、100ppm~200ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、200ppm~300ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、300ppm~400ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のLiBr残渣の量は、400ppm~500ppmである。
【0168】
実施形態では、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片を有するSPFを含む本明細書に記載の組織フィラーは、検出不能なレベルのNa2CO3残渣を含む。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、100ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、200ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、300ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、400ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、500ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、600ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、700ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、800ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、900ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、1000ppm未満である。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、検出不能~500ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、検出不能~450ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、検出不能~400ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、検出不能~350ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、検出不能~300ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、検出不能~250ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、検出不能~200ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、検出不能~150ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、検出不能~100ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、100ppm~200ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、200ppm~300ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、300ppm~400ppmである。実施形態では、SPFを含む本明細書に記載の組織フィラー中のNa2CO3残渣の量は、400ppm~500ppmである。
【0169】
実施形態では、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶解度は、50~100%である。実施形態では、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶解度は、60~100%である。実施形態では、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶解度は、70~100%である。実施形態では、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶解度は、80~100%である。実施形態では、水溶解度は、90~100%である。実施形態では、本開示の絹フィブロインベースの断片は、水溶液中において非可溶性である。
【0170】
実施形態では、有機溶液中における、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の溶解度は、50~100%である。実施形態では、有機溶液中における、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の溶解度は、60~100%である。実施形態では、有機溶液中における、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の溶解度は、70~100%である。実施形態では、有機溶液中における、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の溶解度は、80~100%である。実施形態では、有機溶液中における、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の溶解度は、90~100%である。実施形態では、本開示の絹フィブロインベースの断片は、有機溶液中において非可溶性である。
【0171】
本開示の組成物に使用される絹タンパク質の断片を作製する方法は、米国特許出願公開第2015/00933340号明細書、同第2015/0094269号明細書、同第2016/0193130号明細書、同第2016/0022560号明細書、同第2016/0022561号明細書、同第2016/0022562号明細書、同第2016/0022563号明細書、同第2016/0222579号明細書、及び同第2016/0281294号明細書、並びに米国特許第9,187,538号明細書、同第9,522,107号明細書、同第9,517,191号明細書、同第9,522,108号明細書、同第9,511,012号明細書、及び同第9,545,369号明細書に示されており、これらの全体を参照により本明細書に援用する。しかしながら、例示的な方法が
図1に示され、同図は、本開示の純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片(SPF)を作製するための種々の実施形態を示すフローチャートである。例示した工程のすべてが、必ずしも、本開示のすべての絹溶液を加工するために必要とされるわけではないことを理解すべきである。
図1、工程Aに例示したように、繭(熱処理されているか又は熱処理されていない)、絹繊維、絹粉末又はクモ絹を、絹供給源として使用することができる。カイコからの未加工の絹繭から出発した場合、その繭を切断して小片、例えばほぼ均等なサイズのピースにすることができる(工程B1)。次いで、未加工の絹を抽出し、濯いでセリシンを除去する(工程C1a)。これによって、セリシンを実質的に含まない未加工の絹が得られる。一実施形態では、水を84℃~100℃の温度(理想的には沸点)に加熱し、次いでNa
2CO
3(炭酸ナトリウム)を沸騰水に加えて、Na
2CO
3を完全に溶解させる。未加工の絹を沸騰水/Na
2CO
3(100℃)に加え、約15~90分間浸漬させ、より長期の時間沸騰させることによって、より小さい絹タンパク質断片がもたらされる。一実施形態では、水の体積は約0.4×未加工の絹重量に等しく、Na
2CO
3の体積は約0.848×未加工の絹重量に等しい。一実施形態では、水の体積は0.1×未加工の絹重量に等しく、Na
2CO
3の体積は2.12g/Lで維持される。これを
図6及び
図7に示す:26~31パーセントの全般的な絹質量損失(y軸)によって実証されるように、絹質量(x軸)を、同じ体積の抽出溶液(即ち、同じ体積の水及び濃度のNa
2CO
3)中で変動させ、セリシン除去(セリシンを実質的に含まない)を遂行した。続いて、水に溶解したNa
2CO
3溶液を排出させ、過剰の水/Na
2CO
3を、絹フィブロイン繊維から除去する(例えば、手動によるか、機械を使用した脱水サイクルなどによってフィブロイン抽出物をリングアウトする(ring out))。得られる絹フィブロイン抽出物を、一般に約40℃~約80℃の温度範囲で、水の体積を少なくとも1回変えて(必要な回数だけ繰り返す)、温水~熱水で濯いで、吸着したセリシン又は汚染物質を除去する。得られる絹フィブロイン抽出物は、実質的にセリシンが欠乏した絹フィブロインである。一実施形態では、得られる絹フィブロイン抽出物を、約60℃の温度で、水で濯ぐ。一実施形態では、各サイクルのための濯ぎ水の体積は、0.1L~0.2L×未加工の絹重量に等しい。濯ぎ効果を最大にするために、濯ぎ水を掻き混ぜる、回転させる又は循環させると有利であり得る。濯いだ後、過剰の水を、抽出された絹フィブロイン繊維から除去する(例えば、手動によるか、機械を使用してフィブロイン抽出物をリングアウトする)。或いは、圧力、温度若しくは他の試薬又はその組合せなどの当業者に公知の方法を、セリシン抽出のために使用することができる。或いは、絹糸腺(100%セリシンフリーの絹タンパク質)を、カイコ(worm)から直接除去することができる。これは、タンパク質構造の変更なしで、セリシンを含まない液体絹タンパク質をもたらすことになる。
【0172】
次いで、抽出されたフィブロイン繊維を完全に乾燥させる。乾燥したら、抽出された絹フィブロインを、周囲~沸騰温度で、絹フィブロインに加えられた溶媒を使用して溶解させる(工程C1b)。一実施形態では、溶媒は、臭化リチウム(LiBr)の溶液である(LiBrについての沸点(boiling)は140℃である)。或いは、抽出されたフィブロイン繊維を乾燥させず、湿った状態で溶媒に入れる;次いで溶媒濃度を変動させて、乾燥した絹を溶媒に加えたのと同じような濃度を達成することができる。LiBr溶媒の最終濃度は、0.1M~9.3Mの範囲であってよい。
図8は、異なる濃度の臭化リチウム(LiBr)並びに異なる抽出及び溶解のサイズから溶解させた、絹の分子量をまとめた表である。抽出されたフィブロイン繊維の完全な溶解は、溶解させる溶媒の濃度と一緒に、処理時間及び温度を変動させることによって達成することができる。これらに限定されないが、ホスフェートリン酸(phosphate phosphoric acid)、硝酸カルシウム、塩化カルシウム溶液又は他の無機塩の濃厚水溶液を含む他の溶媒を使用することができる。完全な溶解を確実にするために、絹繊維を、予め加熱されている溶媒溶液中に十分浸漬させ、次いで、約60℃~約140℃の範囲の温度で1~168hr維持すべきである。一実施形態では、絹繊維を、溶媒溶液中に十分浸漬させ、次いで、約100℃の温度で約1時間、乾燥オーブン中に入れるべきである。
【0173】
絹フィブロイン抽出物をLiBr溶液に加える(又はその逆の)温度は、フィブロインを完全に溶解させるのに必要な時間、並びに得られる最終SPF混合物溶液の分子量及び多分散性に影響を及ぼす。一実施形態では、絹溶媒溶液濃度は20%w/v以下である。更に、様々な温度及び濃度で溶解を容易にするために、導入又は溶解の間に撹拌を用いることができる。LiBr溶液の温度は、作製される絹タンパク質断片混合物の分子量及び多分散性の制御を提供することになる。一実施形態では、より高い温度は、絹をより迅速に溶解させ、絹溶液の高いプロセススケールアップ可能性及び大量生産をもたらすことになる。一実施形態では、80℃~140℃の温度に加熱されたLiBr溶液を使用すると、完全な溶解を達成するためにオーブン中で必要とされる時間が減少する。60℃又はそれ以上で溶解溶媒の時間及び温度を変動させると、元の分子量の天然絹フィブロインタンパク質から形成されるSPF混合物溶液のMW及び多分散性を変化させ、制御することになる。
【0174】
或いは、抽出をバイパスして、繭全体を、LiBrなどの溶媒中に直接入れることができる(工程B2)。これは、カラム分離及び/又はクロマトグラフィー、イオン交換、塩及び/又はpHでの化学沈殿、及び/又は酵素消化及び濾過又は抽出などの、疎水性及び親水性のタンパク質を分離するために当業界で公知の方法(全ての方法は、標準的なタンパク質分離法のための一般的な例であり、これらに限定されない)を使用する、絹及び溶媒溶液からのカイコ粒子の後続する濾過及びセリシン除去を必要とする(工程C2)。カイコが除去されている非熱処理繭を、代替的に、抽出をバイパスして、LiBrなどの溶媒中に直接入れることができる。上記の方法は、セリシン分離のために使用することができ、これは、非熱処理繭が、大幅に少ないカイコの残骸を含有するという利点を有する。
【0175】
透析は、その溶液を、ある体積の水に対して透析させることによって、得られる溶解したフィブロインタンパク質断片溶液から、溶解溶媒を除去する(工程E1)ために使用することができる。透析の前の予備濾過は、絹及びLiBr溶液から、残骸(即ち、カイコの残り)を除去する(工程D)助けとなる。一例では、透析及び望むなら可能性のある濃縮の前に、0.1%~1.0%絹-LiBr溶液を濾過するために、3μm又は5μmのフィルターを200~300mL/minの流量で使用する。上述したような、本明細書で開示する方法は、特に、スケールアップ可能なプロセス法をもたらすことを考慮した場合、濾過及び下流での透析が容易になるように、濃度を、9.3M LiBrから、0.1M~9.3Mの範囲に低下させるために時間及び/又は温度を使用することである。或いは、追加的な時間又は温度を用いることなく、9.3M LiBr-絹タンパク質断片溶液を、水で希釈して残骸濾過及び透析を容易にすることができる。所望の時間及び温度の濾過での溶解の結果は、公知のMW及び多分散性の半透明粒子フリーの室温での保管安定性のある(shelf-stable)絹タンパク質断片LiBr溶液である。溶媒が除去されるまで、透析水を定期的に変える(例えば、1時間、4時間後に水を変え、次いで12時間毎に合計6回水を変える)ことが有利である。水体積変更の総数は、絹タンパク質溶解及び断片化のために使用される溶媒の得られる濃度をもとにして、変動させることができる。透析後、最終絹溶液を更に濾過して、残留する残骸(即ち、カイコの残り)を除去することができる。
【0176】
或いは、生体分子の分離及び精製のための迅速で効率的な方法である接線流濾過(TFF)を、得られる溶解フィブロイン溶液から溶媒を除去する(工程E2)のに使用することができる。TFFは、非常に純粋な絹タンパク質断片水溶液を提供し、制御された繰り返し可能な仕方で、大容積の溶液をもたらすためのプロセスのスケールアップ可能性を可能にする。TFFの前に、絹及びLiBrの溶液を希釈することができる(水か又はLiBrの中で20%~0.1%絹へ)。TFF処理の前での上述したような予備濾過は、フィルター効率を維持することができ、残骸粒子の存在の結果としての、フィルターの表面上での絹ゲル境界層の発生を潜在的に回避させる。TFFの前の予備濾過はまた、得られる水だけの溶液の自然発生的又は長期的なゲル化を引き起こす可能性のある、絹及びLiBr溶液から残留する残骸(即ち、カイコの残り)を除去する(工程D)助けにもなる。再循環させるか又はワンパス(single pass)のTFFは、0.1%絹~30.0%絹(より好ましくは0.1%~6.0%絹)の範囲の水-絹タンパク質断片溶液を作製するために使用することができる。溶液中での絹タンパク質断片混合物の所望の濃度、分子量及び多分散性に基づいて、異なるカットオフサイズのTFF膜を必要とする可能性がある。1~100kDaの範囲の膜は、例えば、抽出煮沸時間の長さ、又は溶解溶媒(例えば、LiBr)中での時間及び温度を変動させることによって作製される分子量絹溶液を変動させるのに必要である可能性がある。一実施形態では、TFF5又は10kDaの膜は、絹タンパク質断片混合溶液を精製し、最終的な所望の絹と水の比をもたらすために使用される。その上に、TFFワンパス、TFF、及び流下膜式蒸発器などの当業界で公知の他の方法を、溶解溶媒(例えば、LiBr)の除去に続いて、溶液を濃縮するために使用することができる(0.1%~30%絹の範囲の所望濃度が得られる)。これは、水ベースの溶液を作製するために当業界で公知の標準的なHFIP濃度法の代替法として使用することができる。より大きい細孔膜を、小さい絹タンパク質断片を濾別し、よりタイトな多分散性の値をもつ及び/又はもたないより高分子量の絹の溶液を作製するために利用することもできる。
図5は、本開示の絹タンパク質溶液のいくつかの実施形態について分子量をまとめた表である。絹タンパク質溶液プロセシング条件は以下の通りであった:100℃抽出を20min、室温濯ぎ、60℃オーブン中LiBrで4~6時間。水溶性フィルムのプロセシング条件は以下の通りであった:100℃抽出を60min、60℃濯ぎ、100℃オーブン中100℃LiBrで60min。
図12~
図23は、抽出時間、LiBr溶解条件及びTFFプロセシングの操作、並びに得られた例示の分子量及び多分散性を更に示す。これらの例は、限定するものではなく、特定の分子量絹断片溶液についてのパラメータを指定する可能性を実証しようとするものである。
【0177】
LiBr及びNa2CO3検出のためのアッセイは、蒸発光散乱検出器(ELSD)を備えたHPLCシステムを使用して実施した。計算は、濃度に対してプロットされた被分析物についての得られたピーク面積の線形回帰によって実施した。本開示のいくつかの処方物のうちの2つ以上のサンプルを、サンプル調製及び分析のために使用した。一般に、異なる処方物の4つのサンプルを、10mL容量フラスコ中に直接量り込んだ。サンプルを5mLの20mMギ酸アンモニウム(pH3.0)に懸濁し、時々振とうしながら2~8℃で2時間維持して、フィルムから検体を抽出した。2時間後、溶液を20mMギ酸アンモニウム(pH3.0)で希釈した。メスフラスコのサンプル溶液をHPLCバイアルに移し、炭酸ナトリウムと臭化リチウムの推定のためHPLC-ELSDシステムに注入した。
【0178】
絹タンパク質処方物中のNa2CO3及びLiBrを定量化するために開発された分析手法は、10~165μg/mLの範囲で線形であることが分かった。注入精度のRSDは、それぞれ炭酸ナトリウム及び臭化リチウムについて、面積では2%及び1%であり、保持時間では0.38%及び0.19%であった。この分析手法は、絹タンパク質処方物中の炭酸ナトリウム及び臭化リチウムの定量的決定に適用することができる。
【0179】
最終絹タンパク質断片溶液は、LiBr及びNa
2CO
3を含む、PPMから検出不可能なレベルの、粒子状の残骸及び/又はプロセス汚染物質を含む、純粋な絹タンパク質断片及び水である。
図3及び
図4は、本開示の溶液中のLiBr及びNa
2CO
3濃度をまとめた表である。
図3において、プロセシング条件は、100℃抽出60min、60℃濯ぎ、100℃オーブン中の100℃LiBrで60minを含む。圧力差及びダイアフィルトレーションの体積数を含むTFF条件は変動させた。
図4において、プロセシング条件は100℃煮沸60min、60℃濯ぎ、60℃オーブン中LiBrで4~6時間を含んだ。
【0180】
絹断片水溶液、凍結乾燥絹タンパク質断片混合物、又はSPFを含む任意の他の組成物は、濾過、加熱、放射線又は電子ビームなどの当業界で標準的な方法にしたがって殺菌することができる。より短いそのタンパク質ポリマー長のため、絹タンパク質断片混合物は、当業界で記されている無変化の絹タンパク質溶液よりよく殺菌に耐えられると期待される。更に、本明細書で説明するSPF混合物から作製された絹物品を、用途に応じて殺菌することができる。例えば、開放創/切開を伴う医療用途で使用される分子が充填されたSPF皮膚フィラーは、放射線又は電子ビームなどの標準的な方法で滅菌することができる。
【0181】
図2は、抽出及び溶解工程の際に、本開示の絹タンパク質断片溶液を作製するプロセスの間に改変することができる種々のパラメータを示すフローチャートである。選択方法のパラメータは、目的とする用途、例えば分子量及び多分散性に応じて明確な最終溶液の特徴を達成するように変更することができる。例示した工程の全てが、必ずしも、本開示の全ての絹溶液を加工するために必要とされるわけではないことを理解すべきである。
【0182】
一実施形態では、本開示の絹タンパク質断片溶液を作製するためのプロセスは、カイコから絹繭のピースを形成させる工程と、水及びNa2CO3の溶液中、約100℃で約60分間、そのピースを抽出する工程と(ここで、水の体積は約0.4×未加工の絹重量と等しく、Na2CO3の量は約0.848×絹フィブロイン抽出物を形成させるためのピース量である);濯ぎ水の体積で、1濯ぎ当たり約60℃で約20分間、絹フィブロイン抽出物を3回濯ぐ工程と(各サイクルについての濯ぎ水は約0.2L×ピース重量に等しい);過剰の水を、絹フィブロイン抽出物から除去する工程と、絹フィブロイン抽出物を乾燥する工程と、乾燥絹フィブロイン抽出物をLiBr溶液に溶解する工程と(LiBr溶液を最初に約100℃に加熱して絹及びLiBr溶液を作製し、これを維持する);絹及びLiBr溶液を、乾燥オーブン中に約100℃で約60分間置いて完全な溶解、並びに所望の分子量及び多分散性を有する混合物への天然の絹タンパク質構造のさらなる断片化を達成する工程と、その溶液を濾過してカイコから残留する残骸を除去する工程と、その溶液を水で希釈して1%絹溶液を得る工程と、接線流濾過(TFF)を使用してその溶液から溶媒を除去する工程とを含む。一実施形態では、絹溶液を精製するために10kDaの膜を利用し、最終的な所望の絹と水の比をもたらす。次いで、TFFを使用して、純粋な絹溶液を、水に対して2%の濃度の絹に更に濃縮することができる。
【0183】
未加工の繭から透析までの各プロセス工程は、製造における効率を高めるために、スケールアップ可能である。全部の繭が、現在、原料として購入されているが、予め清浄化された繭又は熱処理されていない繭も使用されている(カイコ除去によって微量の残骸が後に残る)。繭の切断及び清浄化はマニュアルのプロセスであるが、スケールアップ可能性のために、例えば、自動機械を、圧縮空気と組み合わせて使用してカイコ及び任意の微粒子を除去することによって、或いは、その繭をより小さいピースに切断するための切断ミルを使用することによって、このプロセスをより非労働集約的にすることができる。現在小さなバッチで実行されている抽出工程は、そこで60℃~100℃の温度が維持される、より大きな容器、例えば工業用洗浄機械中で遂行することができる。濯ぎ工程を、マニュアルでの濯ぎサイクルを排除する工業用洗浄機械において遂行することもできる。LiBr溶液中への絹の溶解は、対流式オーブン以外の容器、例えば撹拌槽型反応器中で行うことができる。一連の水の変更によって絹を透析する工程はマニュアルであり、時間集中的なプロセスである。これは、特定のパラメータを変更すること、例えば透析前に絹溶液を希釈することによって加速することができる。透析プロセスは、半自動装置、例えば接線流濾過システムを使用することによって、製造のためにスケールアップすることができる。
【0184】
抽出(即ち、時間及び温度)、LiBr(即ち、絹フィブロイン抽出物に加える又はその逆の場合のLiBr溶液の温度)及び溶解(即ち、時間及び温度)パラメータを変動させると、異なる粘度、均一性及び色を有する溶媒及び絹溶液がもたらされる。抽出のための温度を増大させること、抽出時間を延長すること、絹を溶解させる場合、出現時及び長期にわたって、より高い温度のLiBr溶液を使用すること、(例えば、ここで示すようなオーブン中、又は代替の熱源)の温度での時間を増大させることは、すべて、粘性がより低く、より均一な溶媒及び絹溶液をもたらす。ほとんどすべてのパラメータは実行可能な絹溶液をもたらすが、4~6時間より短い時間で完全な溶解を達成させるような方法が、プロセススケールアップ可能性のために好ましい。
【0185】
絹タンパク質断片の分子量は、抽出時間及び温度を含む抽出工程の際に使用される特定のパラメータ;臭化リチウム中への絹の浸漬の時点でのLiBr温度、及びその溶液を特定の温度で維持する時間を含む溶解工程の際に使用される特定のパラメータ;並びに濾過工程の際に使用される特定のパラメータに基づいて制御することができる。開示する方法を用いてプロセスパラメータを制御することによって、1kDa~250kDa、5kDa~200kDa、5kDa~150kDa、10kDa~150kDa、又は10kDa~80kDaの範囲の様々な異なる分子量で2.5以下の多分散性を有するSPF混合物溶液を作製することができる。異なる分子量を有する絹溶液を達成するためにプロセスパラメータを変更することによって、2.5以下の所望の多分散性を有するある範囲の断片混合物最終製品を、所望の性能要件に基づいて、目的とすることができる。例えば、薬剤を含む低分子量の絹フィルムは、高分子量のSPF製剤に比べて放出速度がより速いことがある。更に、2.5超の多分散性を有するSPF混合物溶液を達成することができる。更に、異なる平均分子量及び多分散性を有する2つの溶液を混合して、組合せ溶液を作製することができる。或いは、カイコから直接取り出された液体絹糸腺(100%セリシンフリーの絹タンパク質)を、本開示のSPF混合物溶液のいずれかと併用することができる。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片組成物の分子量は、屈折率検出器(RID)を備えた高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して決定した。多分散性は、Cirrus GPCオンラインGPC/SECソフトウェアバージョン3.3(Agilent)を使用して計算した。
【0186】
未加工の絹繭を処理して絹溶液にする際にパラメータを変動させた。これらのパラメータを変動させると、得られる絹溶液のMWに影響を及ぼした。操作したパラメータには、(i)抽出の時間及び温度、(ii)LiBrの温度、(iii)溶解オーブンの温度及び(iv)溶解時間が含まれる。分子量は、
図9~
図25に示したように、質量分析計(spec)で決定した。
【0187】
抽出時間を変動させた効果を判定するために実験を実施した。
図9~
図15はこれらの結果を示すグラフであり、表2~表8にその結果をまとめる。以下がそのまとめである:
- 30分間のセリシン抽出時間は、60分間のセリシン抽出時間より大きいMWをもたらした
- MWは、オーブン中での時間とともに減少する
- 140℃LiBr及びオーブンは、9500DaのMWより低い信頼区間のローエンドをもたらした
- 1時間及び4時間の時点での30min抽出は絹を未消化であった
- 1時間時点での30min抽出は、35,000Daという信頼区間のローエンドを有する有意に高い分子量をもたらした
- 信頼区間のハイエンドに達したMWの範囲は18000~216000Da(特定の上限値を有する溶液を提供するために重要である)であった
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0188】
抽出温度を変動させた効果を判定するために実験を実施した。
図16はこれらの結果を示すグラフであり、表9にその結果をまとめる。以下がそのまとめである:
- 90℃でのセリシン抽出は、100℃でのセリシン抽出より高いMWをもたらした
- 90℃と100℃はどちらも、オーブン中で経時的にMWを低下させることを示している
【表9】
【0189】
絹に添加する場合の臭化リチウム(LiBr)温度を変動させた効果を判定するために実験を実施した。
図17~
図18はこれらの結果を示すグラフであり、表10~表11にその結果をまとめる。以下がそのまとめである:
- MW又は信頼区間に対する影響はなし(全て、CI~10500~6500Da)
- 試験は、LiBrが添加され、溶解し始めると、室温でその質量の大部分が絹であるため、LiBr-絹溶解の温度は元のLiBr温度を下まわって急激に低下することを例示している
【表10】
【表11】
【0190】
オーブン/溶解温度を変更する効果を判定するために実験を実施した。
図19~
図23はこれらの結果を示すグラフであり、表12~表16にその結果をまとめる。以下がそのまとめである:
- オーブン温度は、30min抽出した絹より、60min抽出した絹について、より効果が小さい。理論に拘泥するわけではないが、30min絹は、抽出の際の分解がより小さく、したがってオーブン温度は、より大きいMWに対してより大きい効果を有しており、絹の分解部分がより少ないと考えられる。
- 60℃対140℃オーブンについて、30min抽出した絹は、より高いオーブン温度で、より低いMWの非常に有意の効果を示し、60min抽出した絹は、効果はあったがそれはずっと小さいものであった
- 140℃オーブンは、~6000Daで信頼区間におけるローエンドをもたらした
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【0191】
実施形態では、本明細書で開示する方法は、これらに限定されないが、MW(抽出及び/又は溶解の時間及び温度(例えば、LiBr温度)、圧力及び濾過(例えば、サイズ排除クロマトグラフィー)を変えることによって変動させることができる);構造(フィブロインタンパク質ポリマーの重鎖又は軽鎖の除去又は切断);純度(セリシン除去の改善のための熱水濯ぎ温度、又は、絹断片タンパク質混合溶液の保管安定性に悪影響を及ぼす微粒子除去の改善のためのフィルター能力);色(溶液の色は、例えばLiBr温度及び時間で制御することができる);粘度;清澄度;並びに溶液の安定性を含む、製造の際に制御できる特徴を有する溶液をもたらす。得られる溶液のpHは、一般に約7であり、貯蔵条件に応じて酸又は塩基を用いて変化させることができる。
【0192】
前記SPF混合溶液を使用して、本明細書に記載されるSPF含有組織フィラーを製造することができる。
【0193】
約1kDa~約250kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液を調製するための方法は、絹供給源を、約30分間~約60分間の処理時間の間、炭酸ナトリウムの沸騰(100℃)水溶液に添加することによって、絹供給源を脱ガムする工程と、その溶液からセリシンを除去して、検出不可能なレベルのセリシンを含む絹フィブロイン抽出物を作製する工程と、その絹フィブロイン抽出物から溶液を排出させる工程と、その絹フィブロイン抽出物を、約60℃~約140℃の範囲の臭化リチウム溶液中に絹フィブロイン抽出物を入れたときの出発温度を有する臭化リチウムの溶液中に溶解する工程と、その絹フィブロイン-臭化リチウムの溶液を、約140℃の温度を有するオーブン中で少なくとも1時間維持する工程と、臭化リチウムをその絹フィブロイン抽出物から除去する工程と、絹タンパク質断片の水溶液を作製する工程とを含み、その水溶液は、約1kDa~約250kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する断片を含み、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は約1.5~約3.0の範囲の多分散性を含む。本方法は、溶解工程の前に、絹フィブロイン抽出物を乾燥する工程を更に含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー臭化リチウムアッセイを使用して測定される300ppm未満の臭化リチウム残渣を含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー炭酸ナトリウムアッセイを使用して測定される100ppm未満の炭酸ナトリウム残渣を含み得る。本方法は、治療剤を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、酸化防止剤又は酵素の1つから選択される分子を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、ビタミンを、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。そのビタミンは、ビタミンC又はその誘導体であってよい。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、凍結乾燥してもよい。本方法は、αヒドロキシ酸を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。αヒドロキシ酸は、グリコール酸、乳酸、酒石酸及びクエン酸からなる群から選択することができる。この方法は、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に約0.5%~約10.0%の濃度のヒアルロン酸又はその塩形態を添加することを更に含んでもよい。この方法は、酸化亜鉛又は二酸化チタンの少なくともいずれかを添加することを更に含んでもよい。フィルムを、この方法により製造される純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液から作製することができる。このフィルムは、ビタミンC又はその誘導体を約1.0重量%~約50.0重量%含んでよい。フィルムは、約2.0重量%~約20.0重量%の含水量を有していてもよい。フィルムは、約30.0重量%~約99.5重量%含んでよい。ゲルを、この方法により製造される純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液から作製することができる。このゲルは、ビタミンC又はその誘導体を約0.5重量%~約20.0重量%含んでよい。ゲルは、少なくとも2%の絹含量と少なくとも20%のビタミン含有量を有してもよい。
【0194】
約5kDa~約150kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液を調製するための方法は、絹供給源を、約30分間~約60分間の処理時間の間、炭酸ナトリウムの沸騰(100℃)水溶液に添加することによって、絹供給源を脱ガムする工程と、その溶液からセリシンを除去して、検出不可能なレベルのセリシンを含む絹フィブロイン抽出物を作製する工程と、その絹フィブロイン抽出物から溶液を排出させる工程と、その絹フィブロイン抽出物を、約60℃~約140℃の範囲の臭化リチウム溶液中に絹フィブロイン抽出物を入れたときの出発温度を有する臭化リチウムの溶液中に溶解する工程と、その絹フィブロイン-臭化リチウムの溶液を、約140℃の温度を有するオーブン中で少なくとも1時間維持する工程と、臭化リチウムをその絹フィブロイン抽出物から除去する工程と、絹タンパク質断片の水溶液を作製する工程とを含み、その水溶液は、約5kDa~約150kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する断片を含み、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は約1.5~約3.0の範囲の多分散性を含む。本方法は、溶解工程の前に、絹フィブロイン抽出物を乾燥する工程を更に含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー臭化リチウムアッセイを使用して測定される300ppm未満の臭化リチウム残渣を含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー炭酸ナトリウムアッセイを使用して測定される100ppm未満の炭酸ナトリウム残渣を含み得る。本方法は、治療剤を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、酸化防止剤又は酵素の1つから選択される分子を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、ビタミンを、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。そのビタミンは、ビタミンC又はその誘導体であってよい。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、凍結乾燥してもよい。本方法は、αヒドロキシ酸を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。αヒドロキシ酸は、グリコール酸、乳酸、酒石酸及びクエン酸からなる群から選択することができる。この方法は、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に約0.5%~約10.0%の濃度のヒアルロン酸又はその塩形態を添加することを更に含んでもよい。この方法は、酸化亜鉛又は二酸化チタンの少なくともいずれかを添加することを更に含んでもよい。フィルムを、この方法により製造される純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液から作製することができる。このフィルムは、ビタミンC又はその誘導体を約1.0重量%~約50.0重量%含んでよい。フィルムは、約2.0重量%~約20.0重量%の含水量を有していてもよい。フィルムは、約30.0重量%~約99.5重量%含んでよい。ゲルを、この方法により製造される純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液から作製することができる。このゲルは、ビタミンC又はその誘導体を約0.5重量%~約20.0重量%含んでよい。ゲルは、少なくとも2%の絹含量と少なくとも20%のビタミン含有量を有してもよい。
【0195】
約6kDa~約17kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液を調製するための方法は、絹供給源を、約30分間~約60分間の処理時間の間、炭酸ナトリウムの沸騰(100℃)水溶液に添加することによって、絹供給源を脱ガムする工程と、その溶液からセリシンを除去して、検出不可能なレベルのセリシンを含む絹フィブロイン抽出物を作製する工程と、その絹フィブロイン抽出物から溶液を排出させる工程と、その絹フィブロイン抽出物を、約60℃~約140℃の範囲の臭化リチウム溶液中に絹フィブロイン抽出物を入れたときの出発温度を有する臭化リチウムの溶液中に溶解する工程と、その絹フィブロイン-臭化リチウムの溶液を、約140℃の温度を有するオーブン中で少なくとも1時間維持する工程と、臭化リチウムをその絹フィブロイン抽出物から除去する工程と、絹タンパク質断片の水溶液を作製する工程とを含み、その水溶液は、約6kDa~約17kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する断片を含み、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は約1.5~約3.0の範囲の多分散性を含む。本方法は、溶解工程の前に、絹フィブロイン抽出物を乾燥する工程を更に含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー臭化リチウムアッセイを使用して測定される300ppm未満の臭化リチウム残渣を含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー炭酸ナトリウムアッセイを使用して測定される100ppm未満の炭酸ナトリウム残渣を含み得る。本方法は、治療剤を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、酸化防止剤又は酵素の1つから選択される分子を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、ビタミンを、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。そのビタミンは、ビタミンC又はその誘導体であってよい。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、凍結乾燥してもよい。本方法は、αヒドロキシ酸を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。αヒドロキシ酸は、グリコール酸、乳酸、酒石酸及びクエン酸からなる群から選択することができる。この方法は、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に約0.5%~約10.0%の濃度のヒアルロン酸又はその塩形態を添加することを更に含んでもよい。この方法は、酸化亜鉛又は二酸化チタンの少なくともいずれかを添加することを更に含んでもよい。フィルムを、この方法により製造される純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液から作製することができる。このフィルムは、ビタミンC又はその誘導体を約1.0重量%~約50.0重量%含んでよい。フィルムは、約2.0重量%~約20.0重量%の含水量を有していてもよい。フィルムは、約30.0重量%~約99.5重量%含んでよい。ゲルを、この方法により製造される純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液から作製することができる。このゲルは、ビタミンC又はその誘導体を約0.5重量%~約20.0重量%含んでよい。ゲルは、少なくとも2%の絹含量と少なくとも20%のビタミン含有量を有してもよい。
【0196】
約17kDa~約39kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液を調製するための方法は、絹供給源を、約30分間~約60分間の処理時間の間、炭酸ナトリウムの沸騰(100℃)水溶液に添加して、脱ガムされるようにする工程と、絹供給源をその溶液からセリシンを除去して、検出不可能なレベルのセリシンを含む絹フィブロイン抽出物を作製する工程と、その絹フィブロイン抽出物から溶液を排出させる工程と、その絹フィブロイン抽出物を、約80℃~約140℃の範囲の臭化リチウム溶液中に絹フィブロイン抽出物を入れたときの出発温度を有する臭化リチウムの溶液中に溶解する工程と、その絹フィブロイン-臭化リチウムの溶液を、約60℃~約100℃の温度を有する乾燥オーブン中で少なくとも1時間維持する工程と、臭化リチウムをその絹フィブロイン抽出物から除去する工程と、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液を作製する工程とを含み、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、約10ppm~約300ppmの臭化リチウム残渣を含み、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、約10ppm~約100ppmの炭酸ナトリウム残渣を含み、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、約17kDa~約39kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する断片を含み、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は約1.5~約3.0の範囲の多分散性を含む。本方法は、溶解工程の前に、絹フィブロイン抽出物を乾燥する工程を更に含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー臭化リチウムアッセイを使用して測定される300ppm未満の臭化リチウム残渣を含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー炭酸ナトリウムアッセイを使用して測定される100ppm未満の炭酸ナトリウム残渣を含み得る。本方法は、治療剤を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、酸化防止剤又は酵素の1つから選択される分子を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、ビタミンを、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。そのビタミンは、ビタミンC又はその誘導体であってよい。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、凍結乾燥してもよい。本方法は、αヒドロキシ酸を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。αヒドロキシ酸は、グリコール酸、乳酸、酒石酸及びクエン酸からなる群から選択することができる。この方法は、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に約0.5%~約10.0%の濃度のヒアルロン酸又はその塩形態を添加することを更に含んでもよい。この方法は、酸化亜鉛又は二酸化チタンの少なくともいずれかを添加することを更に含んでもよい。
【0197】
ゲルを、この方法により製造される純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液から作製することができる。このゲルは、ビタミンC又はその誘導体を約0.5重量%~約20.0重量%含んでよい。ゲルは、少なくとも2%の絹含量と少なくとも20%のビタミン含有量を有してもよい。
【0198】
本明細書に記載される態様によれば、約39kDa~約80kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液を調製するための方法が開示され、前記方法は、絹供給源を、約30分間の処理時間の間、炭酸ナトリウムの沸騰(100℃)水溶液に添加して、脱ガムされるようにする工程と、絹供給源をその溶液からセリシンを除去して、検出不可能なレベルのセリシンを含む絹フィブロイン抽出物を作製する工程と、その絹フィブロイン抽出物から溶液を排出させる工程と、その絹フィブロイン抽出物を、約80℃~約140℃の範囲の臭化リチウム溶液中に絹フィブロイン抽出物を入れたときの出発温度を有する臭化リチウムの溶液中に溶解する工程と、その絹フィブロイン-臭化リチウムの溶液を、約60℃~約100℃の温度を有する乾燥オーブン中で少なくとも1時間維持する工程と、臭化リチウムをその絹フィブロイン抽出物から除去する工程と、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液を作製する工程とを含み、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、約10ppm~約300ppmの臭化リチウム残渣、約10ppm~約100ppmの炭酸ナトリウム残渣、約40kDa~約65kDaの範囲の平均の重量平均分子量を有する断片を含み、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は約1.5~約3.0の範囲の多分散性を含む。本方法は、溶解工程の前に、絹フィブロイン抽出物を乾燥する工程を更に含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー臭化リチウムアッセイを使用して測定される300ppm未満の臭化リチウム残渣を含み得る。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、高速液体クロマトグラフィー炭酸ナトリウムアッセイを使用して測定される100ppm未満の炭酸ナトリウム残渣を含み得る。本方法は、治療剤を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、酸化防止剤又は酵素の1つから選択される分子を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。本方法は、ビタミンを、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。そのビタミンは、ビタミンC又はその誘導体であってよい。純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液は、凍結乾燥してもよい。本方法は、αヒドロキシ酸を、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に添加する工程を更に含み得る。αヒドロキシ酸は、グリコール酸、乳酸、酒石酸及びクエン酸からなる群から選択することができる。この方法は、純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液に約0.5%~約10.0%の濃度のヒアルロン酸又はその塩形態を添加することを更に含んでもよい。この方法は、酸化亜鉛又は二酸化チタンの少なくともいずれかを添加することを更に含んでもよい。
【0199】
ゲルを、この方法により製造される純粋な絹フィブロインベースのタンパク質断片の水溶液から作製することができる。このゲルは、ビタミンC又はその誘導体を約0.5重量%~約20.0重量%含んでよい。ゲルは、少なくとも2%の絹含量と少なくとも20%のビタミン含有量を有してもよい。
【0200】
ヒアルロン酸とヒアルロン酸ゲル
本発明の生分解性ポリマー成分は、ヒアルロン酸(HA)としても知られる、ヒアルロネートである。HAは、D-グルクロン酸及びN-アセチル-D-グルコサミンの残基が交互になって構成されている。この水溶性ポリマーは、ほぼ全ての組織中に天然に存在し、特に、細胞外マトリックス、眼球、及び関節の滑液中に存在する。HAは、純粋な形態で市販されている。ゲル小粒子HAフィラーを使用して天然のコラーゲン産生を刺激することができ、これは、真皮の機械的延伸及び真皮線維芽細胞の活性化によって誘導されると推定される。
【0201】
本発明の得られる皮膚フィラー中のHA濃度は、皮膚フィラーの剛性と寿命に寄与する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の得られる皮膚フィラー中のHA濃度の高いと、HA濃度が比較的低い皮膚フィラーに比べて、得られる皮膚フィラーの剛性及び/又は寿命が増大し得る。
【0202】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーに含有されるHAは、100,000ダルトン以上、150,000ダルトン以上、100万ダルトン以上、又は200万ダルトン以上の分子量を有する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーに含有されるHAは、100,000ダルトン以下、150,000ダルトン以下、100万ダルトン以下、又は200万ダルトン以下の分子量を有する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーに含有されるHAは、高分子量(例えば、約1MDa~約4MDaのHA分子量)を有する。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーに含有されるHAは、低分子量(例えば、約1MDa未満のHA分子量)を有する。
【0203】
幾つかの実施形態において、HA源は、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムなどのヒアルロン酸塩であってもよい。幾つかの実施形態において、HAは、架橋されている。架橋HAは、膜、ゲル、半ゲル、スポンジ、又はミクロスフェアなどの各種形状に製することができる。幾つかの実施形態では、架橋HAは、流体ゲル形態であり、即ち、その容器の形状を呈する。HAゲル又は半ゲルの粘度は、非共役HA及び/又はヒアルロネートの添加によって変化させることができる。粘度はまた、本明細書に記載されるように、SPF-SPF、SPF-HA、及び/又はHA-HA架橋の程度を変化させることによって調節することができる。幾つかの実施形態では、HAの約4%~約12%が架橋されたHA-HA又はHA-SPFであることができる。
【0204】
実施形態では、本明細書に記載のSPF組成物は、HAと組み合わせて組織フィラー組成物を形成することができる。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、99%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、98%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、97%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、96%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、95%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、94%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、93%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、92%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、91%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、90%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、85%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、80%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、75%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、70%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、65%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、60%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、55%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、50%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、45%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、40%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、35%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、30%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、25%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、20%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、19%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、18%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、17%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、16%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、15%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、14%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、13%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、12%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、11%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、10%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、9%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、8%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、7%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、6%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、5%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、4%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、3%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、2%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、1%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.9%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.8%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.7%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.6%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.5%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.4%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.3%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.2%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.1%未満である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.1%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.2%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.3%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.4%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.5%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.6%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.7%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.8%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、0.9%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、1%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、2%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、3%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、4%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、5%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、6%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、7%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、8%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、9%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、10%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、11%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、12%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、13%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、14%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、15%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、16%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、17%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、18%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、19%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、20%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、25%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、30%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、35%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、40%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、45%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、50%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、55%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、60%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、65%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、70%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、75%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、80%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、85%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、90%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、91%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、92%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、93%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、94%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、95%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、96%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、97%超である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、98%超である。
【0205】
実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.1%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.2%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.3%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.4%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.6%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.7%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.8%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.9%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約1%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約2%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約3%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約4%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約6%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約7%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約8%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約9%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約10%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約11%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約12%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約13%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約14%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約15%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約16%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約17%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約18%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約19%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約20%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約25%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約30%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約35%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約40%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約45%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約50%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約55%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約60%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約65%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約70%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約75%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約80%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約85%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約90%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約91%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約92%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約93%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約94%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約95%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約96%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約97%である。組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約98%である。
【0206】
実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.1%~約1%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約0.5%~約1.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約1%~約5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約1.5%~約5.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約2%~約6%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約2.5%~約6.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約3%~約7%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約3.5%~約7.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約4%~約8%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約4.5%~約8.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約5%~約9%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約5.5%~約9.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約6%~約10%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約6.5%~約10.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約7%~約11%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約7.5%~約11.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約8%~約12%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約8.5%~約12.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約9%~約13%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約9.5%~約13.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約10%~約14%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約10.5%、約14.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約11%~約15%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約11.5%~約15.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約12%~約16%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約12.5%~約16.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約13%~約17%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約13.5%~約17.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約14%~約18%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約14.5%~約18.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約15%~約19%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約15.5%~約19.5%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約16%~約20%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約20%~約30%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約30%~約40%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約40%~約50%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約50%~約60%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約60%~約70%である。実施形態では、組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約80%~約90%である。
【0207】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の組織フィラー組成物中のHA(重量%)は、約1%~約2%、又は約1%~約3%、又は約1%~約4%、又は約1%~約5%、又は約1%~約6%、又は約1%~約7%、又は約1%~約8%、又は約1%~約9%、又は約1%~約10%、又は約1%~約11%、又は約1%~約12%、又は約1%~約13%、又は約1%~約14%、又は約1%~約15%、又は約1%~約16%、又は約1%~約17%、又は約1%~約18%、又は約1%~約19%、又は約1%~約20%、又は約1%~約21%、又は約1%~約22%、又は約1%~約23%、又は約1%~約24%、又は約1%~約25%、又は約1%~約30%、又は約1%~約40%、又は約1%~約50%、又は約1%~約60%、又は約1%~約70%、又は約1%~約80%、又は約1%~約95%;又は約10%~約20%、又は約10%~約25%、又は約10%~約30%、又は約10%~約35%、又は約10%~約40%、又は約10%~約45%、又は約10%~約50%、又は約10%~約55%、又は約10%~約60%、又は約10%~約65%、又は約10%~約70%、又は約10%~約75%、又は約10%~約80%、又は約10%~約85%、又は約10%~約90%、又は約10%~約95%である。
【0208】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるHAは、商業的供給源から取得することもできるし、ストレプトコッカス・エクイ菌に産生させることもできる。
【0209】
HAを含む、本明細書に記載の組織フィラーは、そのインビトロ生物活性及びインビボ生物活性によって特徴付けることができる。例えば、インビトロアッセイを、細胞毒性、酵素分解に対する抵抗性、シリンジ通過性(例えば、溶液粘度、注入流速、シリンジ/針の直径)、及び/又は粒子形態分析について、本明細書に記載の組織フィラーの一部に行ってもよい。例えば、Parkら、J.Eur.Acad.Dermatol.Venerol.(2014)28:565-568を参照。インビボアッセイを行って、初期の形態学的パターン、合計フィラー残量、組織学的評価を決定してもよく、これは、肉芽腫形成又は皮膚副作用の検査を含んでもよい。例えば、Parkら、J.Eur.Acad.Dermatol.Venerol.(2014)28:565-568;及びRamotら、Toxicology Pathology(2015)43:267-271を参照。
【0210】
ゲル化
実施形態では、絹ゲルに、ゲル化助剤を与えてもよい。幾つかの実施形態では、ゲル化助剤は、酸、電気、混合、及び/又は超音波処理であることができる。
【0211】
実施形態では、絹ゲルを作製する場合、本明細書に記載の絹溶液に酸を添加し、ゲル化を容易にするのを助けることができる。実施形態では、中性又は塩基性の分子及び/又は治療剤を含む絹ゲルを作製する場合、酸を、ゲル化を容易にするために加えることができる。実施形態では、絹ゲルを作製する場合、pHを増大させる(ゲルをより塩基性にする)と、ゲルの保管安定性が増大する。実施形態では、絹ゲルを作製する場合、pHを増大させる(ゲルをより塩基性にする)と、より多量の酸性分子をゲル中にロードできるようになる。
【0212】
実施形態では、絹ゲルを作製する場合、本明細書に記載の絹溶液に電気を通して、ゲル化を容易にするのを助けることができる。
【0213】
実施形態では、絹ゲルを作製する場合、本明細書に記載の絹溶液を混合して、ゲル化を容易にするのを助けることができる。
【0214】
実施形態では、絹ゲルを作製する場合、本明細書に記載の絹溶液を超音波処理して、ゲル化を容易にするのを助けることができる。
【0215】
実施形態では、添加剤を更に安定化させるために、天然添加物を絹ゲルに添加することができる。例えば、セレン若しくはマグネシウムなどの微量元素又はL-メチオニンを使用することができる。更に、安定性を更に高めるために遮光性容器を加えることができる。
【0216】
幾つかの実施形態では、ゲル化促進剤を用いてSPFのゲル化を加速することができる。幾つかの実施形態では、SPF溶液を、様々な体積比で純粋なアルコール又はアルコール水溶液と、混合、攪拌、振とう、又は任意の他の攪拌形態を伴って混合することができる。幾つかの実施形態では、このアルコール溶液促進剤は、最終ゲル結果物の更なる促進剤として添加した両親媒性ペプチドを有してもよい。加速の程度は、より多い又はより少ない促進剤成分を系に添加することにより、適宜、増大させる又は低減させることができる。
【0217】
幾つかの実施形態では、ゲル化速度は、ゲルの作製に使用する溶液中のSPFの濃度を上昇させることによって高めることができる。様々な方法をその目的のために使用でき、限定するものではないが、例えば、ポリエチレングリコールなどの吸湿性の種を含有するバッファに対する中間体SPF溶液の透析、凍結乾燥工程、及び/又は蒸発工程を挙げることができる。温度を上昇させることも、ゲル化プロセスの促進剤として使用することができる。更に、限定するものではないが直接滴定及びガス交換などの方法による中間体絹溶液のpHの操作を、ゲル化プロセスを促進するために使用することができる。特にカルシウム及びカリウムなどの選択イオン種の導入も、ゲル化速度を加速するために使用することができる。
【0218】
幾つかの実施形態では、ゲル化を、核剤の使用によって促進することができ、前記核剤としては、SPF中間体において可溶性及び不溶性の両方の、有機及び無機の種が挙げられる。核剤は、限定するものではないが、絹分子を結合するペプチド配列、予めゲル化された絹、及び難溶性のβ-シートリッチな構造を挙げることができる。幾つかの実施形態では、ゲル化プロセスを加速する更なる手段は、剪断装置、超音波装置、又は機械的ミキサを介して付与することができる機械的励起の導入による。
【0219】
完全な絹溶液のゲル化に要する時間は、上述のパラメータの値、及びSPF溶液中の凝集及び組織化の初期状態に応じて、数秒から数時間又は数日にまで変化することがある。添加された促進剤の体積分率は、系全体の体積の約0%~約99%(即ち、いずれかの成分を、大過剰の他の成分に添加する、又は間隔内の任意の相対濃度で添加することができる)。使用されるSPF溶液の濃度は、約1%(w/v)~約20%(w/v)の範囲、及び任意の他の適切な範囲とすることができる。促進剤をSPF溶液に添加することができる、又はSPF溶液を促進剤に添加することができる。形成されたSPFヒドロゲルは、更に、化学的又は物理的に架橋して、変性された機械的特性を得ることができる。
【0220】
幾つかの実施形態において、促進剤溶液がSPF溶液に添加される、又はその逆方向に添加され、SPF溶液は、約1%(w/v)、約2%(w/v)、約3%(w/v)、約4%(w/v)、約5%(w/v)、約6%(w/v)、約7%(w/v)、約8%(w/v)、約9%(w/v)、約10%(w/v)、約12%(w/v)、約15%(w/v)、約18%(w/v)、約20%(w/v)、約25%(w/v)、又は約30%(w/v)のSPFの濃度を有する。幾つかの実施形態において、促進剤溶液がSPF溶液に添加される、又はその逆方向に添加され、SPF溶液は、少なくとも1%(w/v)、少なくとも2%(w/v)、少なくとも3%(w/v)、少なくとも4%(w/v)、少なくとも5%(w/v)、少なくとも6%(w/v)、少なくとも7%(w/v)、少なくとも8%(w/v)、少なくとも9%(w/v)、少なくとも10%(w/v)、少なくとも12%(w/v)、少なくとも15%(w/v)、少なくとも18%(w/v)、少なくとも20%(w/v)、少なくとも25%(w/v)、又は少なくとも30%(w/v)のSPFの濃度を有する。幾つかの実施形態において、促進剤溶液がSPF溶液に添加される、又はその逆方向に添加され、SPF溶液は、約1%(w/v)~約5%(w/v)、約1%(w/v)~約10%(w/v)、約1%(w/v)~約15%(w/v)、約1%(w/v)~約20%(w/v)、約1%(w/v)~約25%(w/v)、約1%(w/v)~約30%(w/v)、約5%(w/v)~約10%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約5%(w/v)~約20%(w/v)、約5%(w/v)~約25%(w/v)、約5%(w/v)~約30%(w/v)、約10%(w/v)~約15%(w/v)、約10%(w/v)~約20%(w/v)、約10%(w/v)~約25%(w/v)、約10%(w/v)~約30%(w/v)のSPFの濃度を有する。
【0221】
ゲル及びヒドロゲル-変性及び架橋
幾つかの実施形態において、本発明は、1以上の架橋されたマトリックスポリマーを含む1以上のヒドロゲルを含む組成物を提供する。本明細書で使用するとき、「架橋(された)」という用語は、ゲルのようなより安定な構造に、個々のポリマー分子、高分子、及び/又はモノマー鎖を結合する分子間結合を意味する。このように、架橋されたマトリックスポリマーは、少なくとも1つの個々のポリマー分子を他のものに結合する少なくとも1つの分子間結合を有し、第1の個々のポリマー分子は、化学的性質が他のものと類似していても異なっていてもよい。本明細書に開示されるマトリックスポリマーは、限定するものではないが、多官能性PEG系架橋剤、ジビニルスルホン、ジグリシジルエーテル、及びビス-エポキシドを含むジアルデヒド及びジスルフィド架橋剤を用いて架橋することができる。SPF及び/又はHA架橋剤の非限定的な例としては、ジビニルスルホン(DVS)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、UV光、グルタルアルデヒド、1,2-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)エチレン(EGDGE)、1、2,7、8-ジエポキシオクタン(DEO)、ビスカルボジイミド(BCD)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(PETGE)、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、1-(2,3-エポキシプロピル)-2,3-エポキシシクロヘキサン、又はそれらの組合せが挙げられる。幾つかの実施形態において、HA架橋剤は、BDDE又はDVSを含むことができる。幾つかの実施形態において、HA及び/又はSPF架橋剤は、本明細書に記載されるように、BDDE、DVS、UV光、グルタルアルデヒド、又はカルボジイミドであることができる。
【0222】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、残留架橋剤を含んでもよい。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、ごく微量の架橋剤を含んでもよく、例えば、約2ppm以下、又は約1.9ppm以下、又は約1.8ppm以下、又は約1.7ppm以下、又は約1.6ppm以下、又は約1.5ppm以下、又は約1.4ppm以下、又は約1.3ppm以下、又は約1.2ppm以下、又は約1.1ppm以下、又は約1.0ppm以下、又は約0.9ppm以下、又は約0.8ppm以下、又は約0.7ppm以下、又は約0.6ppm以下、又は約0.5ppm、又は約0.4ppm以下、又は約0.3ppm以下、又は約0.2ppm以下、又は約0.1ppm以下含んでもよい。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは微量のBDDEを含んでもよいが、その濃度は、約2ppm以下、又は約1.9ppm以下、又は約1.8ppm以下、又は約1.7ppm以下、又は約1.6ppm以下、又は約1.5ppm以下、又は約1.4ppm以下、又は約1.3ppm以下、又は約1.2ppm以下、又は約1.1ppm以下、又は約1.0ppm以下、又は約0.9ppm以下、又は約0.8ppm以下、又は約0.7ppm以下、又は約0.6ppm以下、又は約0.5ppm、又は約0.4ppm以下、又は約0.3ppm以下、又は約0.2ppm以下、又は約0.1ppm以下である。当業者に理解されるように、特定の組織フィラー試料中に存在する残留架橋剤の量は、ガスクロマトグラフィー-質量分析法によって決定することができる。
【0223】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、SPFマトリクス部分とHAマトリックス部分とを含むマトリックスであって、前記SPFマトリックス部分が架橋及び非架橋SPFの混合物を含み、前記HAマトリクス部分が架橋及び非架橋HAの混合物を含むマトリックスを含むことができる。
幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、リンカー変性HAを含む。幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、リンカー変性SPFを含む。二官能性架橋剤は、両端で反応して、2つの異なるHA分子同士、2つの異なるSPF分子同士、又はHA分子をSPF分子に結合することができる。幾つかの実施形態では、架橋剤は、一端でのみHA分子と結合し、他の一端をペンダントとして残す。幾つかの実施形態では、架橋剤は、一端でのみSPF分子と結合し、他の一端をペンダントとして残す。
【0224】
本明細書で使用するとき、変性度(MoD)を以下のように定義できる(例えば、J.Kablikら、Dermatol Surg、2009(35):302-312参照)。
合計%変性度=%架橋+%ペンダント
【0225】
MoDを決定するために、それを以下のように定義できる(例えば、L.Kenneら、Carbohydrate Polymers、2013(91):410-418参照)。
【数3】
式中、n
結合架橋剤は、結合された架橋剤分子の数であり、n
HA二糖は、HA中の二糖の数であり、n
SPF繰り返し単位は、SPF中の繰り返し単位の数である。これらの数字は、架橋剤、HA、及びSPFの特徴的な化学シフトを用いてNMRによって決定することができる。
【0226】
幾つかの実施形態では、MoDは、約1%~25%、約2%~約20%、又は約3.5%~約17.5%である。幾つかの実施形態では、MoDは、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2.0%、約2.1%、約2.2%、約2.3%、約2.4%、約2.5%、約2.6%、約2.7%、約2.8%、約2.9%、約3.0%、約3.1%、約3.2%、約3.3%、約3.4%、約3.5%、約3.6%、約3.7%、約3.8%、約3.9%、約4.0%、約4.1%、約4.2%、約4.3%、約4.4%、約4.5%、約4.6%、約4.7%、約4.8%、約4.9%、約5.0%、約5.1%、約5.2%、約5.3%、約5.4%、約5.5%、約5.6%、約5.7%、約5.8%、約5.9%、約6.0%、約6.1%、約6.2%、約6.3%、約6.4%、約6.5%、約6.6%、約6.7%、約6.8%、約6.9%、約7.0%、約7.1%、約7.2%、約7.3%、約7.4%、約7.5%、約7.6%、約7.7%、約7.8%、約7.9%、約8.0%、約8.1%、約8.2%、約8.3%、約8.4%、約8.5%、約8.6%、約8.7%、約8.8%、約8.9%、約9.0%、約9.1%、約9.2%、約9.3%、約9.4%、約9.5%、約9.6%、約9.7%、約9.8%、約9.9%、約10.0%、約10.1%、約10.2%、約10.3%、約10.4%、約10.5%、約10.6%、約10.7%、約10.8%、約10.9%、約11.0%、約11.1%、約11.2%、約11.3%、約11.4%、約11.5%、約11.6%、約11.7%、約11.8%、約11.9%、約12.0%、約12.1%、約12.2%、約12.3%、約12.4%、約12.5%、約12.6%、約12.7%、約12.8%、約12.9%、約13.0%、約13.1%、約13.2%、約13.3%、約13.4%、約13.5%、約13.6%、約13.7%、約13.8%、約13.9%、約14.0%、約14.1%、約14.2%、約14.3%、約14.4%、約14.5%、約14.6%、約14.7%、約14.8%、約14.9%、約15.0%、約15.1%、約15.2%、約15.3%、約15.4%、約15.5%、約15.6%、約15.7%、約15.8%、約15.9%、約16.0%、約16.1%、約16.2%、約16.3%、約16.4%、約16.5%、約16.6%は約16.7%、約16.8%、約16.9%、約17.0%、約17.1%、約17.2%、約17.3%、約17.4%、約17.5%、約17.6%、約17.7%、約17.8%、約17.9%、約18.0%、約18.1%、約18.2%、約18.3%、約18.4%、約18.5%、約18.6%、約18.7%、約18.8%、約18.9%、約19.0%、約19.1%、約19.2%、約19.3%、約19.4%、約19.5%、約19.6%、約19.7%、約19.8%、約19.9%、又は約20.0%である。
【0227】
幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、架橋SPFを含む。幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、架橋HAを含む。SPF断片は、別のSPF断片又はHAに架橋することができる。SPF-SPF、SPF-HA、及びHA-HA架橋種は、ゼロ長を含む、様々な長さの架橋剤を使用することによって得ることができる。
【0228】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、架橋HA及び/又は架橋SPFを有するヒドロゲルの形態で提供することができる。架橋HA及び/又は架橋SPF(又はSPF-HA架橋種)は、測定可能な架橋度を有することができる。本明細書で使用するとき、「架橋度」という用語は、架橋されたポリマー高分子中のモノマー単位の数に対する架橋単位(又は分子又は残基)の数を意味する。幾つかの実施形態において、モノマー単位は、SPF中におけるアミノ酸である。幾つかの実施形態において、モノマー単位は、HAの二糖モノマー単位である。したがって、4%の架橋度を有する架橋マトリックスポリマーを有する組成物は、100個のモノマー単位当たり4個の架橋分子が平均して存在することを意味する。他の全てのパラメータが等しい場合、架橋度が大きいほど、より硬いゲルとなる。本発明のいずれか1つの理論に拘束されるものではないが、HA及び/又はSPFにおける架橋度によって、それから調製される材料又は組成物をより強固にすることができる。例えば、架橋度が高いほど、そのような材料は、体内でより長く持続する可能性がある。確かに、いずれの理論にも拘束されるものではないが、架橋材料を含む生体適合性材料は、架橋度に応じて異なる速度の生体再吸収性、生体吸収性、及び/又は生分解性を有し、架橋度は、生体再吸収、生体吸収、及び/又は生分解の速度に反比例する。更に、本明細書に記載の組織フィラーの架橋度がより大きいと、そのような組織フィラーの親水性及び引き上げ能力(lifting capability)を低減することがある。
【0229】
非限定的な例では、約5%の架橋度を有する架橋SPFは、架橋SPF内で、100個のモノマー単位、例えば、アミノ酸当たり、約5個の架橋部分を有する。
【0230】
架橋度の非限定的な例としては、約1%~約15%、又は約2%~約14%、又は約1%~約2%、約1.5%~約2.5%、又は約2%~約3%、又は約2.5%~約3.5%、又は約3%~約4%、又は約3.5%~約4.5%、又は約4%~約5%、又は約4.5%~約5.5%、又は約5%~約6%、又は約5.5%~約6.5%、又は約6%~約7%、又は約6.5%又は約7.5%、又は約7%~約8%、又は約7.5%又は約8.5%、又は約8%~約9%、又は約8.5%~約9.5%、又は約9%~約10%、又は約9.5%~約10.5%、又は約10%~約11%、又は約10.5%~約11.5%、又は約11%~約12%、又は約11.5%~約12.5%、又は約12%~約13%、又は約12.5%~約13.5%、又は約13%~約14%、又は約13.5%~約14.5%、又は約14%~約15%が挙げられる。
【0231】
幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも1%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも2%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも3%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも4%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも5%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも6%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも7%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも8%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも9%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも10%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも11%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも12%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも13%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも14%である。幾つかの実施形態では、架橋度は、少なくとも15%である。
【0232】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、架橋SPFを含み、その架橋度は、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、又は少なくとも15%である。幾つかの実施形態では、組成物は、架橋SPFを含み、その架橋度は、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%、最大10%、最大11%、最大12%、最大13%、最大14%、又は最大15%である。幾つかの実施形態において、組成物は、架橋SPFを含み、その架橋度は、約1%~約15%、約2%~約11%、約3%~約10%、約1%~約5%、約10%~約15%、約11%~約15%、約6%~約10%、又は約6%~約8%、又は約1%~約2%、約1.5%~約2.5%、又は約2%~約3%、又は約2.5%~約3.5%、又は約3%~約4%、又は約3.5%~約4.5%、又は約4%~約5%、又は約4.5%~約5.5%、又は約5%~約6%、又は約5.5%~約6.5%、又は約6%~約7%、又は約6.5%、又は約7.5%、又は約7%~約8%、又は約7.5%、又は約8.5%、又は約8%~約9%、又は約8.5%~約9.5%、又は約9%~約10%、又は約9.5%~約10.5%、又は約10%~約11%、又は約10.5%~約11.5%、又は約11%~約12%、又は約11.5%~約12.5%、又は約12%~約13%、又は約12.5%~約13.5%、又は約13%~約14%、又は約13.5%~約14.5%、又は約14%~約15%である。
【0233】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、架橋HAを含み、その架橋度は、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、又は少なくとも15%である。幾つかの実施形態では、組成物は、架橋HAを含み、その架橋度は、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%、最大10%、最大11%、最大12%、最大13%、最大14%、又は最大15%である。幾つかの実施形態において、組成物は、架橋HAを含み、その架橋度は、約1%~約15%、約2%~約11%、約3%~約10%、約1%~約5%、約10%~約15%、約11%~約15%、約6%~約10%、又は約6%~約8%、又は約1%~約2%、約1.5%~約2.5%、又は約2%~約3%、又は約2.5%~約3.5%、又は約3%~約4%、又は約3.5%~約4.5%、又は約4%~約5%、又は約4.5%~約5.5%、又は約5%~約6%、又は約5.5%~約6.5%、又は約6%~約7%、又は約6.5%、又は約7.5%、又は約7%~約8%、又は約7.5%、又は約8.5%、又は約8%~約9%、又は約8.5%~約9.5%、又は約9%~約10%、又は約9.5%~約10.5%、又は約10%~約11%、又は約10.5%~約11.5%、又は約11%~約12%、又は約11.5%~約12.5%、又は約12%~約13%、又は約12.5%~約13.5%、又は約13%~約14%、又は約13.5%~約14.5%、又は約14%~約15%である。
【0234】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、架橋SPF-HAを含み、その架橋度は、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、又は少なくとも15%である。幾つかの実施形態では、組成物は、架橋SPF-HAを含み、その架橋度は、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%、最大10%、最大11%、最大12%、最大13%、最大14%、又は最大15%である。幾つかの実施形態において、組成物は、架橋SPF-HAを含み、その架橋度は、約1%~約15%、約2%~約11%、約3%~約10%、約1%~約5%、約10%~約15%、約11%~約15%、約6%~約10%、又は約6%~約8%、又は約1%~約2%、約1.5%~約2.5%、又は約2%~約3%、又は約2.5%~約3.5%、又は約3%~約4%、又は約3.5%~約4.5%、又は約4%~約5%、又は約4.5%~約5.5%、又は約5%~約6%、又は約5.5%~約6.5%、又は約6%~約7%、又は約6.5%、又は約7.5%、又は約7%~約8%、又は約7.5%、又は約8.5%、又は約8%~約9%、又は約8.5%~約9.5%、又は約9%~約10%、又は約9.5%~約10.5%、又は約10%~約11%、又は約10.5%~約11.5%、又は約11%~約12%、又は約11.5%~約12.5%、又は約12%~約13%、又は約12.5%~約13.5%、又は約13%~約14%、又は約13.5%~約14.5%、又は約14%~約15%である。
【0235】
例えば、HAの1モルに対してSPFの1モルが架橋することができ、このモルのHAは、約1kDa~約2MkDaの分子量を有することができる。幾つかの実施形態において、HAの100万モルに対してSPFの1モル(又はその逆)が架橋することができ、ここでSPFは、100Da~350kDaであることができ、各モルの割合を架橋又は遊離させることができる。他のSPFにSPFを架橋する方法は、1以上の工程を含むことができる。第1の工程では、BDDEなどのエポキシドを、過剰のSPF溶液に添加し、反応を進行させる。エポキシドは、カルボキシル、アミン、アルコール、チオールなどのSPF高分子上の様々な基と反応して、エステル、第二級又は第三級アミン、エーテル、チオエーテルなどの結合をもたらすことができる。BDDEの両方のエポキシドが1以上のSPF高分子中の官能基と反応すると、SPFは架橋される。実施形態では、Schanteら、Carbohydrate Polymers(2011)85:469-489に記載されるように、HAの架橋は、アルカリ性条件下でBDDEとの反応を介して行われ、HAと架橋剤との間に共有結合を生成する。変性度又は架橋度は、当技術分野で知られた方法にしたがってNMRにより決定することができる(例えば、Edsmanら、Dermatol.Surg.(2012)38:1170-1179)。
【0236】
ペプチドを結合させる方法は、当技術分野で知られている。個々の単離SPFを、本明細書に記載されるオリゴマー及び/又は架橋SPFペプチドに結合させることは、当技術分野において周知の化学的コンジュゲーション手順によって行うことができ、例えば、ペプチド結合を形成することによって、縮合剤の使用、及びよく知られた二官能性架橋試薬を用いることによって行うことができる。コンジュゲーションは、いかなる介在基も含まない結合を含む直接的(例えば、直接のペプチド結合)であることができる、又は結合が介在基、例えば、タンパク質又はペプチド(例えば、血漿アルブミン又は他のスペーサー分子)を含む間接的であることができる。例えば、結合は、ヘテロ二官能性又はホモ二官能性架橋剤を介することができ、例えば、カルボジイミド、グルタルアルデヒド、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)及びその誘導体、ビス-マレイミド、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、などを介することができる。
【0237】
架橋はまた、コンジュゲートされる分子上の反応性基を利用することにより、外因性架橋剤なしで達成することができる。ペプチド分子を化学架橋のための方法は、当技術分野で一般に知られており、多数のヘテロ及びホモ二官能性剤が、例えば、米国特許第4,355,023号明細書、同第4,657,853号明細書、同第4,676,980号明細書、同第4,925,921号明細書、及び同第4,970,156号明細書、並びにImmuno Technology Catalogue and Handbook、Pierce Chemical Co.(1989)(これらのそれぞれを参照により本明細書に援用する)に記載される。架橋を含むそのようなコンジュゲーションは、ペプチドオリゴマー又はそれにコンジュゲートされるエンティティ、例えば、治療剤、及び関心のある物質を結合することができる部分などの所望の機能に実質的に影響を与えないように行われるべきである。
【0238】
当業者であれば、SPFペプチドを結合するために、別のリンカー(化学的なタンパク質架橋剤の使用)を用いることができることを理解するであろう。例えば、ジスクシンイミジル-スベリミデート-二塩酸塩などのホモ二官能性架橋剤;ジメチル-アジピミデート-二塩酸塩;N-ヒドロキシスクシンイミジル 2,3-ジブロモプロピオネートなどの1,5,-2,4-ジニトロベンゼン又はヘテロ二官能性架橋剤;1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩;及びスクシンイミジル-4-[n-マレイミドメチル]-シクロヘキサン-1-カルボキシレートが挙げられる。
【0239】
本発明はまた、HAに架橋されたSPFを含む組成物も提供する。HAへのSPFの架橋は、エポキシド法、過ヨウ素酸法、及び/又はトレシルクロリド法などの各種方法によって達成することができる。幾つかの実施形態では、SPFは、エポキシド、例えば、多官能性エポキシドを使用してHAに架橋される。例えば、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)などの二官能性エポキシドを用いることができる。他の多官能エポキシドとしては、限定するものではないが、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(PGPGE)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(PEPGE)、及びジグリセロールポリグリシジルエーテル(DGPGE)を挙げることができる。SPFとHAとの間のゼロ長架橋はまた、活性化剤を使用して提供される。
【0240】
SPFを他の高分子、例えば、HAに架橋する方法、1以上の工程を含むことができる。第1の工程では、BDDEなどのエポキシドを、過剰のSPF溶液に添加し、反応を進行させる。エポキシドは、カルボキシル、アミン、アルコール、チオールなどのSPF高分子上の様々な基と反応して、エステル、第二級又は第三級アミン、エーテル、チオエーテルなどの結合をもたらすことができる。1つだけのエポキシドがSPFと反応した場合、別のSPF、又は異なる高分子(例えば、HA)などのために利用可能な、SPFに結合する遊離のエポキシドが依然として存在する。試薬の添加順序は変えることができる。例えば、BDDEを、まずHAに添加することができ、その後、SPFを添加して、架橋SPF-HAを形成する。幾つかの実施形態では、SPFとHAを最初に混合することができ、その後、BDDEを混合物に添加する。幾つかの実施形態では、SPFとHAの混合物にBDDEを添加して、SPFに架橋されたSPF、HAに架橋されたHA、及びHAに架橋されたSPFを含む組成物が得られる。
【0241】
幾つかの実施形態では、架橋SPF-HAは、1以上の工程を含むトレシルクロリド法を用いて調製することができる。1工程で、架橋HA及び/又は非架橋HAは、トレシルクロリド、即ち、2,2,2-トリフルオロエタンスルフォニルクロリド、又は任意の他の適切な酸塩化物を用いて活性化することができる。トレシルクロリドは、例えば、架橋及び/又は非架橋HAを含有する塩基/溶媒溶液、例えば、ピリジン/アセトン溶液に滴下される。幾つかの実施形態では、トレシルクロリドは、架橋及び/又は非架橋HAの糖環上のヒドロキシル基の4つ全てと反応性である。任意の工程において、得られたHA-トレシレートを洗浄する。工程において、HA-トレシレートと反応するSPF断片を添加する。
【0242】
幾つかの実施形態では、トレシルクロリド法は、架橋及び/又は非架橋HAにSPFを直接結合するために使用することができる。他の実施形態では、トレシルクロリド法は、例えば、6-アミノ-1-ヘキサノールなどのスペーサーを介して架橋及び/又は非架橋HAにSPFを結合させるために使用することができる。幾つかの実施形態では、スペーサーを、トレシル活性化及びカップリングを介して架橋又は非架橋HAにまず結合させることができる。スペーサーにSPFを結合させるために、その後、トレシル活性化及びカップリングを繰り返す。任意の好適なスペーサーは、即ち、6-アミノ-1-ヘキサノールに類似する少なくとも幾つかの特性を有するスペーサー、即ち、HA-トレシレートに結合するための第一級アミン、及びSPFの活性化及びカップリングのための反応性基、例えば、ヒドロキシル基を有するスペーサーを使用することができる。
【0243】
幾つかの実施形態では、トレシルクロリドは、HAを架橋しない。しかし、トレシルクロリド法で使用されるHAマトリックスは、更なる安定性のために架橋されてもよい。前記したように、架橋は、例えば、BDDEなどの多官能性エポキシドを使用することにより行うことができる。架橋は、ペプチドカップリングの前又は後に行うことができる。
【0244】
トレシルクロリド法は、他の固定化法に対して利点を有し、例えば、非常に穏やかな条件下でカップリングが効率的であり、活性化及びカップリング中に副反応がなく、RGDペプチドを、HAサポートの炭素原子に直接結合することができる。
【0245】
様々な実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、HAベースのゲル及びヒドロゲルを含むことができる。本明細書で使用されるHAベースは、架橋HAを含む組成物又は材料、及び架橋HAと1以上の他の架橋ポリマーとを含む組成物を意味する。また、HAは、ヒアルロン酸及びそのヒアルロン酸塩のいずれかを意味することができ、限定するものではないが、ヒアルロン酸ナトリウム(NaHA)、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸カルシウム、及びこれらの組合せが挙げられる。1超の生体適合性ポリマーの使用は、特に、本明細書から除外されない。ゲル及びヒドロゲルの形態であることができる本明細書に記載の組織フィラーは、HA及び/又はSPFに加えて、1超の生体適合性ポリマー、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の生体適合性ポリマーを含むことができる。適切な生体適合性ポリマーとしては、多糖(例えば、HA、キトサン、コンドロイチン硫酸、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(乳酸)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、SPF以外のタンパク質(例えば、エラスチン及びコラーゲン)が挙げれれる。
【0246】
本明細書に記載のHAは、分子間架橋されていてもよい。幾つかの実施形態では、架橋は、HAの物理的性質を安定化させる。幾つかの実施形態において、本発明は、多官能性エポキシドを用いて安定した架橋HAの形成を提供する。本明細書で使用するとき、「多官能性」エポキシドという用語は、低級脂肪族エポキシド又はそれらの対応するエピハロヒドリンなどの、2以上のエポキシドが存在する化学試薬を意味する。多官能エポキシドの例としては、限定するものではないが、ジエポキシド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(PGPGE)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(PEPGE)、及びジグリセロールポリグリシジルエーテル(DGPGE)が挙げられる。好ましい実施形態において、ジエポキシドBDDEは、架橋剤として使用される。HAの糖部分は、BDDEの2つのエポキシドを介して架橋する。他の実施形態では、架橋剤は、1,3-ブタジエンジエポキシド、1,2,7,8-ジエポキシオクタン、1,5-ヘキサジエンジエポキシドなどのアルキルジエポキシ体、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのジグリシジルエーテル体、ジビニルスルホン、及びエピクロロヒドリンを含む。これらの中でも、特に、ジビニルスルホン、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、及びエチレングリコールジグリシジルエーテルを好適に用いることができる。本発明においては、架橋剤の2種以上を、適宜それらを組み合わせて使用することができる。
【0247】
幾つかの実施形態において、HAは、HAに架橋されている。HAをHAに架橋する方法は、1以上の工程を含むことができる。第1の工程では、BDDEなどのエポキシドを、過剰のHA溶液に添加し、反応を進行させる。エポキシドは、HAの糖環上の1~4個のヒドロキシル基と反応して、1~4個のエーテル結合を形成することができる。ヒドロキシル基と反応させることに代えて又はこれに加えて、エポキシドは、多糖のカルボン酸と反応し、エステル結合を形成することができる。BDDEの両方のエポキシドが、1以上のHA高分子の糖環中の官能基と反応すると、HAは架橋される。
【0248】
幾つかの実施形態では、架橋剤は、ゼロ長架橋であることができ、これは、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)又はBCDIなど活性化剤を用いることにより得られる化学結合である。幾つかの実施形態では、ゼロ長架橋活性化剤は、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、スルホ-NHS(又はスルホニル-NHS)又は4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下で、HAと反応させる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載のゲル及びヒドロゲルは、HA及び/又はタンパク質(例えば、SPFタンパク質)又は任意の他の更なるタンパク質などの少なくとも1つの架橋性生体適合性ポリマーを、少なくとも1つの架橋活性化剤と反応させることによって形成される。
【0249】
幾つかの実施形態では、架橋SPF-SPF、架橋SPF-HA、及び/又は架橋HA-HAは、塗布後、例えば、皮内、皮下、又は一般に皮膚フィラーとして注入された後、様々な滞留時間を有することができる。幾つかの実施形態において、滞留時間は、別のSPF高分子、又はHAへの結合に利用可能なSPF中の反応性基の数による過ヨウ素酸ナトリウム法において影響され得る。HAに結合できるSPF中の反応性基の例は、第一級アミンである。2つの反応性基、例えば2つの第一級アミンを含有するSPFは、それ自体で、過ヨウ素酸法においてHAを架橋して、より安定なコンジュゲートを形成することができる。他の実施形態では、例えば、アミノ末端にSPF中に反応基が1つだけ存在する場合、例えば、第一級アミンが1つだけ存在する場合、SPF-HA架橋が低減され、より生分解性のマトリックスを生じる。
【0250】
幾つかの実施形態では、BDDE架橋HAは、塗布後、例えば、皮内、皮下、又は一般に皮膚フィラーとして注入された後、様々な滞留時間を有することができる。幾つかの実施形態では、BDDE架橋HAは、架橋の量によって、1日間~少なくとも30日間、皮膚組織中に残留することができる。架橋HAの様々な滞留時間は、エポキシド架橋中に加水分解性結合を導入することによって調節することができる。幾つかの実施形態では、より低いpHでエポキシドと架橋した材料は、エステル結合形成量がより大きく、したがってより迅速に加水分解される。
【0251】
一実施形態において、架橋剤は、ゼロ長架橋活性化剤である。一般に、ゼロ長架橋活性化剤は、追加のスペーサーアーム原子を加えることなく、ポリマーをカップリングさせるので、ゼロ長架橋活性化剤は、架橋ポリマーマトリックス中に含有されない。好適なゼロ長架橋剤は、例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)及びBCDなどのカルボジイミドが挙げられる。非水溶性カルボジイミドとして、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)及びジイソプロピルカルボジイミド(DIC)が挙げられ、これらも好適であり得る。
【0252】
カルボキシレートとアルコール又はアミン官能基との間のカルボジイミド媒介カップリングは、周囲温度、中性pH、及び水性条件下で容易に進行する。中性pHは、例えば、約6.0~約8.0、例えば、約6.5~約7.5、例えば、約7.0であることができる。典型的には、水中で、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を用いて、カルボキシレートとアルコールとの間のエステル化、又はカルボキシレートとアミンとの間のアミド化を媒介することができる。したがって、架橋HAは、HA上に存在する反応性基を(例えば、カルボキシレート及びアルコール)を利用することによって形成される。また、タンパク質(例えば、SPFタンパク質)上のアミン基の高い反応性を利用して、HAのカルボキシレート基を有するタンパク質のリジン側鎖間のアミド化が行われ、HAタンパク質架橋ヒドロゲルを形成する。架橋剤及び未反応ポリマーは、透析によって除去することができる。
【0253】
幾つかの実施形態では、EDCが、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)又はスルホニル-NHS(スルホ-NHS)(本明細書では、これらをまとめて「NHS」と称する)と組み合わせて使用される。NHSは、EDCによって形成される反応中間体を安定化させるので、NHSの添加は、EDCカップリング効率を高めることができる。或いは、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いて、カップリング反応を触媒することができる。
【0254】
幾つかの実施形態では、本発明のHAベース組織フィラーは、架橋HAベース組成物と、少なくとも部分的に架橋されたHAベース組成物とを含む。本明細書における非架橋HAは、真の非架橋(例えば、「遊離」)HA鎖、及び通常、可溶性液体の形態である軽度に架橋された鎖及びその断片を意味する。
【0255】
幾つかの実施形態では、本発明のヒドロゲル組成物は、HAとSPFの間に少なくともいくらかの架橋を含む。
【0256】
非限定的な例示的実施形態
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約1kDa~約250kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、エポキシ由来の架橋剤、例えば、BDDEを用いた結果として生じ、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0257】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約5kDa~約150kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、エポキシ由来の架橋剤、例えば、BDDEを用いた結果として生じ、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0258】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約6kDa~約17kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、エポキシ由来の架橋剤、例えば、BDDEを用いた結果として生じ、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0259】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約17kDa~約39kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、エポキシ由来の架橋剤、例えば、BDDEを用いた結果として生じ、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0260】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、エポキシ由来の架橋剤、例えば、BDDEを用いた結果として生じ、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0261】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する低分子量絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、エポキシ由来の架橋剤、例えば、BDDEを用いた結果として生じ、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0262】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する中分子量絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、エポキシ由来の架橋剤、例えば、BDDEを用いた結果として生じ、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0263】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する低分子量絹タンパク質断片(SPF)と、約1.5~約3.0の多分散性を有する中分子量絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、エポキシ由来の架橋剤、例えば、BDDEを用いた結果として生じ、架橋度は最大15%であり、前記低分子量SPFと前記中分子量SPFとの間の比(w/w)は約3:1である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0264】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する高分子量絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、エポキシ由来の架橋剤、例えば、BDDEを用いた結果として生じ、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0265】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約1kDa~約250kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、活性化剤、例えば、BCDIを用いた結果として生じるゼロ長架橋を含み、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0266】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約5kDa~約150kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、活性化剤、例えば、BCDIを用いた結果として生じるゼロ長架橋を含み、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0267】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約6kDa~約17kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、活性化剤、例えば、BCDIを用いた結果として生じるゼロ長架橋を含み、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0268】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約17kDa~約39kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、活性化剤、例えば、BCDIを用いた結果として生じるゼロ長架橋を含み、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0269】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性と約39kDa~約80kDaの平均重量平均分子量を有する絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、活性化剤、例えば、BCDIを用いた結果として生じるゼロ長架橋を含み、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0270】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する低分子量絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、活性化剤、例えば、BCDIを用いた結果として生じるゼロ長架橋を含み、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0271】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する中分子量絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、活性化剤、例えば、BCDIを用いた結果として生じるゼロ長架橋を含み、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0272】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する低分子量絹タンパク質断片(SPF)と、約1.5~約3.0の多分散性を有する中分子量絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、活性化剤、例えば、BCDIを用いた結果として生じるゼロ長架橋を含み、架橋度は最大15%であり、前記低分子量SPFと前記中分子量SPFとの間の比(w/w)は約3:1である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0273】
一実施形態において、本発明は、約1.5~約3.0の多分散性を有する高分子量絹タンパク質断片(SPF)と、ヒアルロン酸(HA)と、水と、約0.05%~約0.5%のリドカイン(例えば、約0.3%のリドカイン)と含み、SPFの最大100%w/wの一部が架橋されており、HAの最大100%w/wの一部が架橋されており、前記架橋は、SPFとSPF、SPFとHA、及びHAとHAの1以上の間で生じ、前記架橋は、活性化剤、例えば、BCDIを用いた結果として生じるゼロ長架橋を含み、架橋度は最大15%である生体適合性の皮膚フィラーに関する。
【0274】
更なる剤
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、薬剤などの活性剤を含む。幾つかの実施形態において、活性剤は、酵素阻害剤、麻酔剤、医療用神経毒、酸化防止剤、抗感染剤、抗炎症剤、血管拡張剤、紫外(UV)光遮断剤(例えば、入れ墨用染料、インク、又は顔料)、反射剤、ホルモン、免疫抑制剤、及びこれらの組合せが挙げられる。本明細書に記載の組織フィラーは、酵素阻害剤、麻酔剤、医療用神経毒(例えば、ボツリヌス毒素及びクロストリジウム毒素)、酸化防止剤、抗感染剤(例えば、抗生物質)、血管拡張剤、染料(例えば、入れ墨用インク又は顔料、反射剤、抗炎症剤、紫外(UV)光遮断剤、染料、ホルモン、免疫抑制剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される活性剤であることができる。
【0275】
幾つかの実施形態では、免疫抑制剤は、ラパマイシン、又はラパマイシン様化合物である。
【0276】
幾つかの実施形態において、活性剤は、ペニシリン(例えば、ペニシリンV、アモキシシリン)、エリスロマイシン(例えば、エリスロマイシンステアレート)、リンコサミド(例えば、クリンダマイシン)、及びセファロスポリン(例えば、セファレキシン)、及びこれらの組合せからなる群から選択される抗生物質であることができる。
【0277】
幾つかの実施形態において、活性剤は、ニトログリセリン、ラベタロール、チアジド(thrazide)、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、ジギタリス、ヒドララジン、ジアゾキシド、アムリノン、L-アルギニン、硫酸バメタン、フマル酸ベンシクラン、ヘミコハク酸ベンフロジル、ニコチン酸ベンジル、塩酸ブフロメジル、塩酸ブフェニン、塩酸ブチルアミン(butalamine hydrochloride)、クエン酸セチエジル、シクロニカート、マレイン酸シネパジド、シクランデラート、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアンモニウム、ニコチン酸エチル、ヘプロニカート、ニコチン酸ヘキシル、酒石酸イフェンプロジル、ニコチン酸イノシトール、塩酸イソクスプリン、カリジノゲナーゼ、ニコチン酸メチル、シュウ酸ナフチドフリル、クエン酸ニカメタート、ニセリトロール、ニコボキシル、ニコフラノース、ニコチニルアルコール、酒石酸ニコチニルアルコール、一酸化窒素、ノニバミド、オキシペンチフィリン、パパベリン、パパベロリン、ペンチフィリン、過酸化亜硝酸、ピナシジル、ピプラテコール、プロペントフィルチン、ラウバシン、スルオクチジル、テアスプリン、塩酸チモキサミン、ニコチン酸トコフェロール、トラゾリン、ニコチン酸キサンチノール、ジアゾキシド、ヒドララジン、ミノキシジル、ニトロプルシドナトリウム、及びこれらの組合せからなる群から選択される血管拡張剤であることができる。
【0278】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、重量濃度で、少なくとも0.01%、又は少なくとも0.02%、又は少なくとも0.03%、又は少なくとも0.04%、又は少なくとも0.05%、又は少なくとも0.06%、又は少なくとも0.07%、又は少なくとも0.08%、又は少なくとも0.09%、又は少なくとも0.1%、又は少なくとも0.2%、又は少なくとも0.3%、又は少なくとも0.4%、又は少なくとも0.5%、又は少なくとも0.6%、又は少なくとも0.7%、又は少なくとも0.8%、又は少なくとも0.9%、又は少なくとも1.0%、又は少なくとも1.5%、又は少なくとも2.0%、又は少なくとも2.5%、又は少なくとも3.0%、又は少なくとも3.5%、又は少なくとも4.0%、又は少なくとも4.5%、又は少なくとも5.0%、又は少なくとも5.5%、又は少なくとも6.0%、又は少なくとも6.5%、又は少なくとも7.0%、又は少なくとも7.5%、又は少なくとも8.0%、又は少なくとも8.5%、或いは少なくとも9.0%、或いは少なくとも9.5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも30%、又は少なくとも35%、又は少なくとも40%、又は少なくとも45%、又は少なくとも50%の活性剤を含むことができる。
【0279】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、重量濃度で、最大0.01%、又は最大0.02%、又は最大0.03%、又は最大0.04%、又は最大0.05%、又は最大0.06%、又は最大0.07%、又は最大0.08%、又は最大0.09%、又は最大0.1%、又は最大0.2%、又は最大0.3%、又は最大0.4%、又は最大0.5%、又は最大0.6%、又は最大0.7%、又は最大0.8%、又は最大0.9%、又は最大1.0%、又は最大1.5%、又は最大2.0%、又は最大2.5%、又は最大3.0%、又は最大3.5%、又は最大4.0%、又は最大4.5%、又は最大5.0%、又は最大5.5%、又は最大6.0%、又は最大6.5%、又は最大7.0%、又は最大7.5%、又は最大8.0%、又は最大8.5%、又は最大9.0%、又は最大9.5%、又は最大10%、又は最大15%、又は最大20%、又は最大25%、又は最大30%、又は最大35%、又は最大40%、又は最大45%、又は最大50%の活性剤を含むことができる。
【0280】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、重量濃度で、約0.01%~約0.1%、又は約0.05%~約0.15%、又は約0.1%~約0.2%、又は約0.15%~約0.25%、又は約0.2%~約0.3%、又は約0.25%~約0.35%、又は約0.3%~約0.4%、又は約0.35%~約0.45%、又は約0.4%~約0.5%、又は約0.45%~約0.55%、又は約0.5%~約0.6%、又は約0.55%~約0.65%、又は約0.6%~約0.7%、又は約0.65%~約0.75%、又は約0.7%~約0.8%、又は約0.75%~約0.85%、又は約0.8%~約0.9%、又は約0.85%~約0.95%、又は約1%~約2%、又は約1.5%~約2.5%、又は約2%~約3%、又は約2.5%~約3.5%、又は約3%~約4%、又は約3.5%~約4.5%、又は約4%~約5%、又は約4.5%~約5.5%、又は約5%~約6%、又は約5.5%~約6.5%、又は約6%~約7%、又は約6.5%~約7.5%、又は約7%~約8%、又は約7.5%~約8.5%、又は約8%~約9%、又は約8.5%~約9.5%、又は約9%~約10%、又は約10%~約15%、又は約15%~約20%、又は約20%~約25%、又は約25%~約30%、又は約30%~約35%、又は約35%~約40%、又は約40%~約45%、又は約45%~約50%の活性剤を含むことができる。
【0281】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、重量濃度で、約0.01%、又は約0.02%、又は約0.03%、又は約0.04%、又は約0.05%、又は約0.06%、又は約0.07%、又は約0.08%、又は約0.09%、又は約0.1%、又は約0.2%、又は約0.3%、又は約0.4%、又は約0.5%、又は約0.6%、又は約0.7%、又は約0.8%、又は約0.9%、又は約1.0%、又は約1.5%、又は約2.0%、又は約2.5%、又は約3.0%、又は約3.5%、又は約4.0%、又は約4.5%、又は約5.0%、又は約5.5%、又は約6.0%、又は約6.5%、又は約7.0%、又は約7.5%、又は約8.0%、又は約8.5%、又は約9.0%、又は約9.5%、又は約10%、又は約11%、又は約12%、又は約13%、又は約14%、又は約15%、又は約16%、又は約17%、又は約18%、又は約19%、又は約20%、又は約21%、又は約22%、又は約23%、又は約24%、又は約25%、又は約26%、又は約27%、又は約28%、又は約29%、又は約30%、又は約31%、又は約32%、又は約33%、又は約34%、又は約35%、又は約36%、又は約37%、又は約38%、又は約39%、又は約40%、又は約41%、又は約42%、又は約43%、又は約44%、又は約45%、又は約46%、又は約47%、又は約48%、又は約49%、又は約50%の活性剤を含むことができる。
【0282】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、線維症阻害剤を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、治療部位内又はその周囲の病理学的プロセスに対する阻害効果を発揮するように作用する化合物を更に含むことができる。特定の態様では、活性剤は、次の化合物のクラスのいずれかから選択することができる:抗炎症剤(例えば、デキサメタゾン、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、6α-メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、及びアスピリン)。
【0283】
幾つかの実施形態では、活性剤は、限定するものではないが、酸化防止剤及び酵素であることができる。実施形態では、活性剤は、限定するものではないが、セレン、ユビキノン誘導体、チオール系酸化防止剤、糖含有酸化防止剤、ポリフェノール類、植物抽出物、コーヒー酸、アピゲニン、ピクノジェノール、レスベラトロール、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6、ビタミンB3、ビタミンE、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンD、ビタミンA、アスタキサンチン、ルテイン、リコピン、必須脂肪酸(オメガ3及び6)、鉄、亜鉛、マグネシウム、フラボノイド(大豆、クルクミン、シリマリン、ピクノジェノール)、成長因子、アロエ、ヒアルロン酸、細胞外マトリックスタンパク質、細胞、核酸、バイオマーカー、生物学的試薬、酸化亜鉛、過酸化ベンゾイル、レチノイド、チタン、既知用量のアレルゲン(感作治療のため)、エッセンシャルオイル(限定するものではないが、レモングラス又はローズマリー油が挙げられる)、及び香料が挙げられる。活性剤をより広く考慮すると、活性剤は、低分子、薬剤、タンパク質、ペプチド、及び核酸などの治療剤を含むことができる。
【0284】
特定の実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、組織フィラー注入部位の痛みや不快感を緩和又は軽減するのに有効な量の1以上の麻酔剤を含むことができる。局部麻酔剤は、アンブカイン、アモラノン、アミロカイン、ベノキシネート、ベンゾカイン、ベトキシカイン、ビフェナミン、ブピバカイン、ブタカイン、ブタンベン、ブタニリカイン、ブテタミン、ブトキシカイン、カルチカイン、クロロプロカイン、コカエチレン、コカイン、シクロメチカイン、ジブカイン、ジメチソキン、ジメトカイン、ジペロドン、ジサイクロミン、エクゴニジン、エクゴニン、塩化エチル、エチドカイン、ベータ-ユーカイン、ユープロシン、フェナルコミン、フォルモカイン、ヘキシルカイン、ヒドロキシテトラカイン、イソブチル-p-アミノベンゾエート、ロイシノカインメシレート、レボキサドロール、リドカイン、メピバカイン、メプリルカイン、メタブトキシカイン、塩化メチル、ミルテカイン、ネパイン、オクタカイン、オルトカイン、オキセサゼイン、パレトキシカイン、フェナカイン、フェノール、ピペロカイン、ピリドカイン、ポリドカノール、プラモキシン、プリロカイン、プロカイン、プロパノカイン、プロパラカイン、プロピポカイン、プロポキシカイン、シュードカイン、ピロカイン、ロピバカイン、サリチルアルコール、テトラカイン、トリカイン、トリメカイン、ゾラミン、及びその塩からなる群から選択することができる。
【0285】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、重量濃度で、少なくとも0.01%、又は少なくとも0.02%、又は少なくとも0.03%、又は少なくとも0.04%、又は少なくとも0.05%、又は少なくとも0.06%、又は少なくとも0.07%、又は少なくとも0.08%、又は少なくとも0.09%、又は少なくとも0.1%、又は少なくとも0.2%、又は少なくとも0.3%、又は少なくとも0.4%、又は少なくとも0.5%、又は少なくとも0.6%、又は少なくとも0.7%、又は少なくとも0.8%、又は少なくとも0.9%、又は少なくとも1.0%、又は少なくとも1.5%、又は少なくとも2.0%、又は少なくとも2.5%、又は少なくとも3.0%、又は少なくとも3.5%、又は少なくとも4.0%、又は少なくとも4.5%、又は少なくとも5.0%、又は少なくとも5.5%、又は少なくとも6.0%、又は少なくとも6.5%、又は少なくとも7.0%、又は少なくとも7.5%、又は少なくとも8.0%、又は少なくとも8.5%、又は少なくとも9.0%、又は少なくとも9.5%、又は少なくとも10%のリドカイン又は上に記載した他の麻酔剤を含むことができる。
【0286】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、重量濃度で、最大0.01%、又は最大0.02%、又は最大0.03%、又は最大0.04%、又は最大0.05%、又は最大0.06%、又は最大0.07%、又は最大0.08%、又は最大0.09%、又は最大0.1重量%、又は最大0.2重量%、又は最大0.3%、又は最大0.4%、又は最大0.5%、又は最大0.6%、又は最大0.7%、又は最大0.8%、又は最大0.9%、又は最大1.0%、又は最大1.5%、又は最大2.0%、又は最大2.5%、又は最大3.0%、又は最大3.5%、又は最大4.0%、又は最大4.5%、又は最大5.0%、又は最大5.5%、又は最大6.0%、又は最大6.5%、又は最大7.0%、又は最大7.5%、又は最大8.0%、又は最大8.5%、又は最大9.0%、又は最大9.5%、又は最大10%のリドカイン又は上に記載した他の麻酔剤を含むことができる。
【0287】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、重量濃度で、約0.01%、又は約0.02%、又は約0.03%、又は約0.04%、又は約0.05%、又は約0.06%、又は約0.07%、又は約0.08%、又は約0.09%、又は約0.1%、又は約0.2%、又は約0.3%、又は約0.4%、又は約0.5%、又は約0.6%、又は約0.7%、又は約0.8%、又は約0.9%、又は約1.0%、又は約1.5%、又は約2.0%、又は約2.5%、又は約3.0%、又は約3.5%、又は約4.0%、又は約4.5%、又は約5.0%、又は約5.5%、又は約6.0%、又は約6.5%、又は約7.0%、又は約7.5%、又は約8.0%、又は約8.5%、又は約9.0%、又は約9.5%、又は約10%のリドカイン又は又は上に記載した他の麻酔剤を含むことができる。
【0288】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、重量濃度で、約0.01%~約0.02%、又は約0.03%~約0.04%、又は約0.05%~約0.06%~約0.07%、又は約0.08%~約0.09%、又は約0.1%~約0.2%、又は約0.3%~約0.4%、又は約0.5%~約0.6%、又は約0.7%~約0.8%、又は約0.9%~約1.0%、又は約1%~約1.5%、又は約1.5%~約2.0%、又は約2.0%~約2.5%、又は約2.5%~約3.0%、又は約3.0%~約3.5%、又は約3.5%~約4.0%、又は約4.0%~約4.5%、又は約4.5%~約5.0%、又は約5.0%~約5.5%、又は約5.5%~約6.0%、又は約6.0%~約6.5%、又は約6.5%~約7.0%、又は約7.5%~約8.0%、又は約8.0%~約8.5%、又は約8.5%~約9.0%、又は約9.5%~約10%のリドカイン又は又は上に記載した他の麻酔剤を含むことができる。
【0289】
一実施形態において、麻酔剤は、リドカインHClの形態などのリドカインである。本明細書に記載の組織フィラーは、組成物の約0.1重量%~約5重量%の濃度、例えば、組織フィラーの約0.2重量%~約1.0重量%の濃度でリドカイン又は他の麻酔剤を有していてもよい。一実施形態では、組織フィラーは、組織フィラーの約0.3重量%(w/w%)のリドカイン濃度を有する。本明細書に記載の組織フィラー中のリドカインの濃度は、治療上有効であることができ、これは、濃度が、例えば、組織フィラー注入部位の痛みや不快感を緩和又は軽減するなどの治療上の利益を提供するのに適切であることを意味する。
【0290】
光学特性
光が材料に遭遇すると、光は、幾つかの方法で材料と相互作用し得る。これらの相互作用は、光の性質、即ち、その波長、周波数、エネルギー、などと、材料の性質に依存する。光は、反射、及び屈折を伴う透過の組合せによって物体と相互作用する。光学的に透明な材料は、それに当たる光の大部分を透過し、反射される光は殆どない。光を透過させない材料は、光学的に不透明又は単に不透明と呼ばれる。
【0291】
幾つかの実施形態において、本発明は、透明性及び/又は半透明性を有する本明細書に記載の組織フィラーを提供する。透明性(透明性(pellucidity)又は透明性(diaphaneity)とも呼ばれる)は、光が材料を通過することを可能にする物理的特性であり、一方、半透明性(半透明性(translucence)又は半透明性(translucidity)とも呼ばれる)は、光が散乱して通過することを可能にするのみである。反対の性質が不透明性である。透明な材料がクリアである一方、半透明のものは、はっきりと透けて見えることはできない。本明細書に開示の組織フィラーは、このような透明性及び/又は半透明性などの光学特性を示しても、示さなくてもよい。表層線充填のための方法を含む幾つかの実施形態では、不透明ヒドロゲルを有することが有利であろう。組織フィラーの光学的特性を制御するために使用される因子は、限定するものではないが、SPF濃度、結晶化度、及び/又はヒドロゲルの均質性が挙げられる。
【0292】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは不透明である。
【0293】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、光学的に透明である。この実施形態の態様では、本明細書に記載の組織フィラーは、例えば、光の約75%、光の約80%、光の約85%、光の約90%、光の約95%、又は光の約100%を透過する。この実施形態の他の態様では、本明細書に記載の組織フィラーは、例えば、光の少なくとも75%、光の少なくとも80%、光の少なくとも85%、光の少なくとも90%、又は光の少なくとも95%である。この実施形態の更に他の態様では、本明細書に記載の組織フィラーは、光の約75%~約100%、光の約80%~約100%、光の約85%~約100%、光の約90%~約100%、又は光の約95%~約100%を透過する。
【0294】
別の実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、光学的に不透明である。この実施形態の態様では、本明細書に記載の組織フィラーは、例えば、光の約0.1%、光の約1%、光の約10%、光の約15%、光の約20%、光の約25%、光の約30%、光の約35%、光の約40%、光の約45%、光の約50%、光の約55%、光の約60%、光の約65%、光の約70%、光の約75%、光の約80%、光の約85%、光の約90%、光の約95%、又は光の約100%を透過する。この実施形態の他の態様では、本明細書に記載の組織フィラーは、例えば、光の最大0.1%、光の最大1%、光の最大10%、光の最大15%、光の最大20%、光の最大25%、光の最大30%、光の最大35%、光の最大40%、光の最大45%、光の最大50%、光の最大55%、光の最大60%、光の最大65%、光の最大70%、又は光の最大75%を透過する。この実施形態の他の態様では、本明細書に記載の組織フィラーは、例えば、光の少なくとも0.1%、光の少なくとも1%、光の少なくとも10%、光の少なくとも15%、光の少なくとも20%、光の少なくとも25%、光の少なくとも30%、光の少なくとも35%、光の少なくとも40%、光の少なくとも45%、光の少なくとも50%、光の少なくとも55%、光の少なくとも60%、光の少なくとも65%、光の少なくとも70%、又は光の少なくとも75%を透過する。この実施形態の他の態様では、組織フィラーは、光の約0.1%~約15%、約0.1%~約20%、約0.1%~約25%、約0.1%~約30%、約0.1%~約35%、約0.1%~約40%、約0.1%~約45%、約0.1%~約50%、約0.1%~約55%、約0.1%~約60%、約0.1%~約65%、約0.1%~約70%、約0.1%~約75%、約1%~約15%、約1%~約20%、約1%~約25%、約1%~約30%、約1%~約35%、約1%~約40%、約1%~約45%、約1%~約50%、約1%~約55%、約1%~約60%、約1%~約65%、約1%~約70%、約1%~約75%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約10%~約35%、約10%~約40%、約10%~約45%、約10%~約50%、約10%~約55%、約10%~約60%、約10%~約65%、約10%~約70%、約10%~約75%、約25%~約35%、約25%~約40%、約25%~約45%、約25%~約50%、約25%~約55%、約25%~約60%、約25%~約65%、約25%~約70%、又は約25%~約75%を透過する。
【0295】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、光学的に半透明である。この実施形態の態様では、本明細書に記載の組織フィラーは、例えば、光の約75%、光の約80%、光の約85%、光の約90%、光の約95%、又は光の約100%を散乱透過する。これらの実施形態の他の態様では、組織フィラーは、例えば、光の少なくとも0.1%、光の少なくとも1%、光の少なくとも5%、光の少なくとも10%、光の少なくとも15%、光の少なくとも20%、光の少なくとも25%、光の少なくとも30%、光の少なくとも35%、光の少なくとも40%、光の少なくとも45%、光の少なくとも50%、光の少なくとも55%、光の少なくとも60%、光の少なくとも65%、光の少なくとも70%、光の少なくとも75%、光の少なくとも80%、光の少なくとも85%、光の少なくとも90%、又は光の少なくとも95%を散乱透過する。これらの実施形態の他の態様では、組織フィラーは、例えば、光の最大0.1%、光の最大1%、光の最大5%、光の最大10%、光の最大15%、光の最大20%、光の最大25%、光の最大30%、光の最大35%、光の最大40%、光の最大45%、光の最大50%、光の最大55%、光の最大60%、光の最大65%、光の最大70%、光の最大75%、光の最大80%、光の最大85%、光の最大90%、光の最大95%、又は光の最大100%を散乱透過する。これらの実施形態の更に他の態様では、組織フィラーは、例えば、光の約0.1%~約100%、光の約1%~約100%、光の約5%~約100%、光の約10%~約100%、光の約15%~約100%、光の約20%~約100%、光の約25%~約100%、光の約30%~約100%、光の約35%~約100%、光の約45%~約100%、光の約50%~約100%、光の約55%~約100%、光の約60%~約100%、光の約65%~約100%、光の約70%~約100%、光の約75%~約100%、光の約80%~約100%、光の約85%~約100%、光の約90%~約100%、又は光の約95%~約100%を散乱透過する。
【0296】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、光を散乱又は吸収する材料の能力の記述として定義される、その減衰係数によって記述することができる。
【0297】
組織フィラー及び皮膚特性は、当技術分野で知られた特定の組織フィラーの送達後の皮膚における有害なチンダル現象イベントの発現に影響を与え得る。高い剛性及び弾性を有するフィラーを用いて、この材料を中間及び深層真皮領域に注入して、顔の変色の恐れなしに鼻唇溝、頬、及び顎のような面上の領域を修正することができる。しかし、フィラーはより表面の用途、例えば、細かい皺の線を修正するために使用すると、又は真皮の上部領域において誤って極端に表面に適用されると、皮膚の青みがかった変色がしばしば観察される。この現象は、チンダル現象の結果であると考えられ、適用部位に半永久的な変色が残る。幾つかの実施形態では、フィラー材料を分解するために、酵素、例えば、ヒアルロニダーゼを投与すると効果が消失する。結果として、チンダル現象は、表面の細線皺の治療を受けた患者においてより一般的である。一般的に、フィラーが皮膚に残存する期間におけるチンダル現象の長期発現は、望ましくない副作用や患者の懸念の原因である。
【0298】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、その均質性及び得られる不透明性により、チンダル現象を緩和する。
【0299】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、チンダル現象を生じない、又はチンダル現象に起因する視覚的に知覚可能な青色変色を生じない。幾つかの実施形態において、本発明は、組織フィラーと、美的外観を向上させるため方法であって、患者の真皮領域に、チンダル現象を示さない又は著しくは示さない実質的に光学的に透明な皮膚フィラー組成物を投与することを含む方法とに関する。組織フィラーが注入された皮膚部位の青色変色の外観(チンダル現象)は、皮膚フィラー患者によって経験される重大な有害事象である。チンダル現象は、表面の細線皺の治療を受けた患者では、より一般的である。本発明の実施形態は、チンダル現象に起因する青色変色を伴わずに、比較的薄い皮膚の領域においても、表面に注入して細線及び皺を治療できる長期に亘り続く半透明のフィラーを提供する。細線又は表在皺は、一般に、皮膚が最も薄い、即ち、皮膚が1mm未満の真皮厚みを有する顔の領域(前額部、外眼角、赤唇縁/口周囲線)に典型的に見られる皮膚の皺又は折り目であると理解される。前額部において、平均皮膚厚み(dermal thickness)は、正常な皮膚では約0.95mmであり、皺の皮膚では約0.81mmである。外眼角の周りの真皮は更に薄い(例えば、正常な皮膚では約0.61mmであり、皺の皮膚では約0.41mm)。30又は32ゲージ針(典型的には、細線ゲル適用のために使用される針)の平均外径は、約0.30~約0.24mmである。
【0300】
実施形態では、本明細書に開示の組織フィラーは、光学的に不透明である。この実施形態の態様では、本明細書に開示の組織フィラーは、例えば、光の約5%、又は光の約10%、又は光の約15%、又は光の約20%、又は光の約25%、又は光の約30%、又は光の約35%、又は光の約40%、又は光の約45%、又は光の約50%、又は光の約55%、又は光の約60%、又は光の約65%、又は光の約70%を透過する。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示の組織フィラーは、例えば、光の最大5%、光の最大10%、光の最大15%、光の最大20%、光の最大25%、光の最大30%、光の最大35%、光の最大40%、光の最大45%、光の最大50%、光の最大55%、光の最大60%、光の最大65%、光の最大70%、又は光の最大75%を透過する。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示の組織フィラーは、光の約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約5%~約30%、約5%~約35%、約5%~約40%、約5%~約45%、約5%~約50%、約5%~約55%、約5%~約60%、約5%~約65%、約5%~約70%、約5%~約75%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約15%~約35%、約15%~約40%、約15%~約45%、約15%~約50%、約15%~約55%、約15%~約60%、約15%~約65%、約15%~約70%、約15%~約75%、約25%~約35%、約25%~約40%、約25%~約45%、約25%~約50%、約25%~約55%、約25%~約60%、約25%~約65%、約25%~約70%、又は約25%~約75%を透過する。
【0301】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示の組織フィラーは、例えば、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%のチンダリングの低下を示す。これらの実施形態の他の態様では、本明細書に開示の組織フィラーは、例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%のチンダリングの低下を示す。これらの実施形態の他の態様では、本明細書に開示の組織フィラーは、例えば、約20%~約100%、約50%~約100%、約70%~約100%、約15%~約35%、約20%~約40%、約25%~約45%、約30%~約50%、約35%~約55%、約40%~約60%、約45%~約65%、約50%~約70%、約55%~約75%、約60%~約80%、約65%~約85%、約70%~約90%、約75%~約95%、又は約80%~約100%のチンダリングの低下を示す。
【0302】
含水量
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、水を含むことができる。例えば、本明細書に記載の幾つかの組織フィラーは、ヒドロゲルなどのゲルであることができ、吸収、捕捉、又は別の態様で水を内部に含有することができる。
【0303】
実施形態では、本開示の組織フィラーにおける含水率(重量%)は、1%~95%である。実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーにおける含水率(重量%)は、少なくとも1%、又は少なくとも2%、又は少なくとも3%、又は少なくとも4%、又は少なくとも5%、又は少なくとも6%、又は少なくとも7%、又は少なくとも8%、又は少なくとも9%、又は少なくとも10%、又は少なくとも11%、又は少なくとも12%、又は少なくとも13%、又は少なくとも14%、又は少なくとも15%、又は少なくとも16%、又は少なくとも17%、又は少なくとも18%、又は少なくとも19%、又は少なくとも20%、又は少なくとも21%、又は少なくとも22%、又は少なくとも23%、又は少なくとも24%、又は少なくとも25%、又は少なくとも26%、又は少なくとも27%、又は少なくとも28%、又は少なくとも29%、又は少なくとも30%、又は少なくとも31%、又は少なくとも32%、又は少なくとも33%、又は少なくとも34%、又は少なくとも35%、又は少なくとも36%、又は少なくとも37%、又は少なくとも38%、又は少なくとも39%、又は少なくとも40%、又は少なくとも41%、又は少なくとも42%、又は少なくとも43%、又は少なくとも44%、又は少なくとも45%、又は少なくとも46%、又は少なくとも47%、又は少なくとも48%、又は少なくとも49%、又は少なくとも50%、又は少なくとも51%、又は少なくとも52%、又は少なくとも53%、又は少なくとも54%、又は少なくとも55%、又は少なくとも56%、又は少なくとも57%、又は少なくとも58%、又は少なくとも59%、又は少なくとも60%、又は少なくとも61%、又は少なくとも62%、又は少なくとも63%、又は少なくとも64%、又は少なくとも65%、又は少なくとも66%、又は少なくとも67%、又は少なくとも68%、又は少なくとも69%、又は少なくとも70%、又は少なくとも71%、又は少なくとも72%、又は少なくとも73%、又は少なくとも74%、又は少なくとも75%、又は少なくとも76%、又は少なくとも77%、又は少なくとも78%、又は少なくとも79%、又は少なくとも80%、又は少なくとも81%、又は少なくとも82%、又は少なくとも83%、又は少なくとも84%、又は少なくとも85%、又は少なくとも86%、又は少なくとも87%、又は少なくとも88%、又は少なくとも89%、又は少なくとも90%、又は少なくとも91%、又は少なくとも92%、又は少なくとも93%、又は少なくとも94%、又は少なくとも95%である。
【0304】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーにおける含水率(重量%)は、最大1%、又は最大2%、又は最大3%、又は最大4%、又は最大5%、又は最大6%、又は最大7%、又は最大8%、又は最大9%、又は最大10%、又は最大11%、又は最大12%、又は最大13%、又は最大14%、又は最大15%、又は最大16%、又は最大17%、又は最大18%、又は最大19%、又は最大20%、又は最大21%、又は最大22%、又は最大23%、又は最大24%、又は最大25%、又は最大26%、又は最大27%、又は最大28%、又は最大29%、又は最大30%、又は最大31%、又は最大32%、又は最大33%、又は最大34%、又は最大35%、又は最大36%、又は最大37%、又は最大38%、又は最大39%、又は最大40%、又は最大41%、又は最大42%、又は最大43%、又は最大44%、又は最大45%、又は最大46%、又は最大47%、又は最大48%、又は最大49%、又は最大50%、又は最大51%、又は最大52%、又は最大53%、又は最大54%、又は最大55%、又は最大56%、又は最大57%、又は最大58%、又は最大59%、又は最大60%、又は最大61%、又は最大62%、又は最大63%、又は最大64%、又は最大65%、又は最大66%、又は最大67%、又は最大68%、又は最大69%、又は最大70%、又は最大71%、又は最大72%、又は最大73%、又は最大74%、又は最大75%、又は最大76%、又は最大77%、又は最大78%、又は最大79%、又は最大80%、又は最大81%、又は最大82%、又は最大83%、又は最大84%、又は最大85%、又は最大86%、又は最大87%、又は最大88%、又は最大89%、又は最大90%、又は最大91%、又は最大92%、又は最大93%、又は最大94%、又は最大95%である。
【0305】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーにおける含水率(重量%)は、1%~2%、又は2%~3%、又は3%~4%、又は4%~5%、又は5%~6%、又は6%~7%、又は7%~8%、又は8%~9%、又は9%~10%、又は10%~11%、又は11%~12%、又は12%~13%、又は13%~14%、又は14%~15%、又は15%~16%、又は16%、又は17%、又は17%~18%、又は18%~19%、又は19%~20%、又は20%~21%、又は21%~22%、又は22%~23%、又は23%~24%、又は24%~25%、又は25%~26%、又は26%~27%、又は27%~28%、又は28%~29%、又は30%~31%、又は31%~32%、又は32%~33%、又は33%~34%、又は34%~35%、又は35%~36%、又は36%~37%、又は37%~38%、又は38%~39%、又は39%~40%、又は40%~41%、又は41%~42%、又は42%~43%、又は43%~44%、又は44%~45%、又は45%~46%、又は46%~47%、又は47%~48%、又は48%~49%、又は49%~50%、又は50%~51%、又は51%~52%、又は52%~53%、又は53%~54%、又は54%~55%、又は55%~56%、又は56%~57%、又は57%~58%、又は58%~59%、又は59%~60%、又は60%~61%、又は61%~62%、又は62%~63%、又は63%~64%、又は64%~65%、又は65%~66%、又は66%~67%、又は67%~68%、又は68%~69%、又は69%~70%、又は70%~71%、又は71%~72%、又は72%~73%、又は73%~74%、又は74%~75%、又は75%~76%、又は76%~77%、又は77%~78%、又は78%~79%、又は79%~80%、又は80%~81%、又は81%~82%、又は82%~83%、又は83%~84%、又は84%~85%、又は85%~86%、又は86%~87%、又は87%~88%、又は88%~89%、又は89%~90%、又は90%~91%、又は91%~92%、又は92%~93%、又は93%~94%、又は94%~95%、又は95%~96%、又は96%~97%、又は97%~98%である。
【0306】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーにおける含水率(重量%)は、約1%、又は約2%、又は約3%、又は約4%、又は約5%、又は約6%、又は約7%、又は約8%、又は約9%、又は約10%、又は約11%、又は約12%、又は約13%、又は約14%、又は約15%、又は約16%、又は約17%、又は約18%、又は約19%、又は約20%、又は約21%、又は約22%、又は約23%、又は約24%、又は約25%、又は約26%、又は約27%、又は約28%、又は約29%、又は約30%、又は約31%、又は約32%、又は約33%、又は約34%、又は約35%、又は約36%、又は約37%、又は約38%、又は約39%、又は約40%、又は約41%、又は約42%、又は約43%、又は約44%、又は約45%、又は約46%、又は約47%、又は約48%、又は約49%、又は約50%、又は約51%、又は約52%、又は約53%、又は約54%、又は約55%、又は約56%、又は約57%、又は約58%、又は約59%、又は約60%、又は約61%、又は約62%、又は約63%、又は約64%、又は約65%、又は約66%、又は約67%、又は約68%、又は約69%、又は約70%、又は約71%、又は約72%、又は約73%、又は約74%、又は約75%、又は約76%、又は約77%、又は約78%、又は約79%、又は約80%、又は約81%、又は約82%、又は約83%、又は約84%、又は約85%、又は約86%、又は約87%、又は約88%、又は約89%、又は約90%、又は約91%、又は約92%、又は約93%、又は約94%、又は約95%である。
【0307】
機械的性質
本明細書に記載される組織フィラー又はその成分は、選択された治療及び送達の様式に応じて多数の物理的状態で提供されることができる。幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、例えば液体などの流体である。幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、粘性流体である。幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、固体である。幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、弾性固体である。
【0308】
本明細書に記載の組織フィラーを検証するとき、表17に示すような多数のレオロジー特性を評価することができる。
【表17】
【0309】
幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、弾性材料と粘性材料の両方の機械的性質を示す粘弾性材料である。幾つかの実施形態では、本発明の組織フィラーは、ゲルとして記載することができる。材料の機械的特性又はレオロジー特性(例えば、粘弾性特性)を評価するための方法は、当技術分野で知られており、例えば、参照によりその全体を本明細書に援用する米国特許出願公開第2006/0105022号明細書及びStocksら、J.Drugs.Dermatol.(2011)10:974-980に記載されている。材料の粘弾性は、動的機械分析を使用して、例えば、試料に振動応力を印加し、得られたひずみを測定することによって特徴付けることができる。弾性材料は、典型的には、同相応力とひずみを示す、即ち、応力印加により即時ひずみが生じる。粘性材料において、ひずみは、応力印加から90度位相がずれる。粘弾性材料では、ひずみと応力との間の位相差が0より大きいが、90度未満である。幾つかの実施形態では、本発明のSPF材料の粘弾性は、貯蔵弾性率G’(弾性率とも呼ばれる)、及び損失弾性率G”(粘性率とも呼ばれる)を含む、下記複素動的弾性率Gによって特徴付けることができる。
【数4】
【0310】
貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”は、回転式又は剪断レオメータにて、SPFゲル試料を振動応力に付すことによって測定される。試料は、2枚のプレート間に配置され、一方が固定され、一方が回転可能、又は所定周波数で振動可能となっている。貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”の値は、周波数依存性である。貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”の測定時に使用される周波数の範囲は、典型的には、0.1~10Hzであるがこれに限定されない。幾つかの実施形態では、貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”は、1Hzの振動周波数で測定される。
【0311】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーのレオロジー特性、例えば、G’及びG”は、振動平行板レオメータを用いて測定することができる。様々の直径(例えば、25mm)のプレートを、様々な距離(例えば、1mm)のプレート間のギャップ高さで使用することができる。測定は、様々な温度で行うことができる。幾つかの実施形態では、測定は、25℃の一定温度で行われる。幾つかの実施形態では、測定は、特定のひずみ値(例えば、2%の一定のひずみ)で、例えば、1~10Hzの2つの周波数値間の周波数掃引を含む。幾つかの実施形態では、測定は、周波数の対数増加と、それに続くひずみ掃引を含み、これは、一定の周波数(例えば、5Hz)において、ひずみの対数増加で1~300%であり得る。幾つかの実施形態では、貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”は、特定のパーセントひずみ値(例えば、1%ひずみ)におけるひずみ掃引から得ることができる。
【0312】
幾つかの実施形態では、複素弾性率(即ち、G’とiG”との和)は、本明細書に記載の特定の組織フィラーの変形に対して全抵抗の包括的尺度を与える。複素弾性率は、レオメーターを用いて試験することができ、特定の組織フィラー(例えば、ゲル)を2枚の平行円形プレート間で圧搾でき、様々な周波数で一方のプレートを回転させることによって、可変の回転ひずみが提供される。
【0313】
幾つかの実施形態では、特定の組織フィラーの特性は、組織フィラーの弾性(%)によって調べることができ、弾性(%)は、100×G’/(G’+G”)に等しい。
【0314】
幾つかの実施形態では、特定の組織フィラーの特性は、組織フィラーの回復係数によって調べることができる。
【数5】
ここで、約1の回復係数は、特定の組織フィラー(例えば、ゲル)が印加された力にもかかわらず、その構造を保持したことを意味し、1より大きい回復係数は、特定の組織フィラー(例えば、ゲル)が、構造破壊を経験したことを意味し、1未満の回復係数は、ゲルが構造性能の上昇を経験したことを意味する。
【0315】
本発明のいずれかの理論に拘束されることを望むものではないが、G’の増加は、形状の変化に対して、より良好に抵抗する材料の能力の相対的増加となり、材料は、G’がより低い材料(例えば、ゲル組織フィラー)よりも、堅い、硬い、又は弾性であると記述されることができる。したがって、G’の増加は、材料の能力の対応する増加となり、構造的支持及び/又はボリューム化をもたらすことができる。
【0316】
本発明のいずれかの理論に拘束されることを望むものではないが、G”の増加は、より低いG”を有する材料と比較して、より粘性の高い材料(例えば、ゲル)となる。また、より高いG”を有する材料の放散熱としてより大きなエネルギー損失がある。幾つかの実施形態において、架橋度の増加に伴ってG’が増加する。幾つかの実施形態において、架橋度の増加に伴ってG”が増加する。幾つかの実施形態において、架橋度の増加に伴ってG’とG”の両方が増加する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約50Pa未満から約15000Pa超のG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約50Pa~約500,000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約100Pa~約500,000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約75Pa~約150PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約100Pa~約250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約150Pa~約275PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約150Pa~約500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約250Pa~約750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約375Pa~約675PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約425Pa~約850PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約500Pa~約1000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約650Pa~約1050PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約750Pa~約1250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約950Pa~約1500PaのG’を有する。
【0317】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも50PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも100PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも150PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも200PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも225PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも275PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも300PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも325PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも350PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも375PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも400PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも425PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも450PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも475PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも500PaのG’を有する。
【0318】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも525PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも550PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも575PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約少なくともPaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約625PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも650PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも675PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも700PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも725PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも775PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも800PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも825PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも850PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも875PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも900PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも925PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも950PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも975PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1000PaのG’を有する。
【0319】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1050PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1100PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1150PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1200PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1300PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1350PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1400PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1450PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも1500PaのG’を有する。
【0320】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大50PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大100PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大150PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大200PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大225PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大275PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大300PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大325PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大350PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大375PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大400PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大425PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大450PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大470PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大500PaのG’を有する。
【0321】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大525PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大550PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大575PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約625PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大650PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大675PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大700PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大725PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大775PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大800PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大825PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大850PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大875PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大900PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大925PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大950PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大975PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1000PaのG’を有する。
【0322】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1050PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1100PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1150PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1200PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1300PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1350PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1400PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1450PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大1500PaのG’を有する。
【0323】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約50PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約100PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約150PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約200PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約225PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約275PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約300PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約325PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約350PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約375PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約400PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約425PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約450PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約475PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約500PaのG’を有する。
【0324】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約525PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約550PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約575PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約600PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約625PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約650PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約675PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約700PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約725PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約775PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約800PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約825PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約850PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約875PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約900PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約925PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約950PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約975PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1000PaのG’を有する。
【0325】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1050PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1100PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1150PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1200PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1300PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1350PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1400PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1450PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1500PaのG’を有する。
【0326】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも2000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも2250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも2500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも2750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも3000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも3250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも3500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも3750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも4000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも4250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも4500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも4750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも5000PaのG’を有する。
【0327】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも5250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも5500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも5750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも6000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも6250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも6500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも6750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも7000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも7250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも7500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも7750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも8000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも8250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも8500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも8750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも9000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも9250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも9500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも9750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも10000PaのG’を有する。
【0328】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも10500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも11000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも11500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも12000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも12500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも13000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも13500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも14000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも14500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも15000PaのG’を有する。
【0329】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大2000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大2250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大2500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大2750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大3000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大3250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大3500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大3750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大4000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大4250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大4500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大4750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大5000PaのG’を有する。
【0330】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大5250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大5500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大5750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大6000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約6250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大6500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大6750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大7000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大7250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大7500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大7750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大8000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大8250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大8500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大8750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大9000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大9250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大9500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大9750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大10000PaのG’を有する。
【0331】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大10500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大11000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大11500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大12000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大12500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大13000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大13500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大14000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大14500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大15000PaのG’を有する。
【0332】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約2000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約2250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約2500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約2750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約3000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約3250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約3500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約3750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約4000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約4250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約4500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約4750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約5000PaのG’を有する。
【0333】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約5250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約5500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約5750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約6000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約6250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約6500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約6750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約7000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約7500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約7750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約8000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約8250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約8500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約8750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約9000PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約9250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約9500PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約9750PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約10000PaのG’を有する。
【0334】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1050PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1100PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1150PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1200PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1250PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1300PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1350PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1400PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1450PaのG’を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約1500PaのG’を有する。
【0335】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約5Pa未満から約200Pa超のG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約5Pa~約200PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約5Pa~約25PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約15Pa~約35PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約10Pa~約50PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約15Pa~約75PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約20Pa~約85PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約25Pa~約100PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約35Pa~約125PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約45Pa~約115PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約75Pa~約150PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約100Pa~約175PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約115Pa~約200PaのG”を有する。
【0336】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも5PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも10PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも15PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも20PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも25PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも30PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも35PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも40PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも45PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも50PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも55PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも60PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも65PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも70PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも75PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも80PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも85PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも90PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも95PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも100PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも105PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも110PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも115PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも120PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも125PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも130PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも135PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも140PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも145PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも150PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも155PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも160PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも165PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも170PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも175PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも180PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも185PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも190PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも195PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、少なくとも200PaのG”を有する。
【0337】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大5PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大10PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大15PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大20PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大25PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大30PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大35PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大40PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大45PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大50PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大55PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大60PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大65PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大70PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大75PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大80PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大85PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大90PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大95PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大100PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大105PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大110PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大115PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大120PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大125PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大130PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大135PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大140PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大145PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大150PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大155PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大160PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大165PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大170PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大175PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大180PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大185PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大190PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大195PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、最大200PaのG”を有する。
【0338】
幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約5PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約10PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約15PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約20PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約25PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約30PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約35PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約40PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約45PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約50PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約55PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約60PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約65PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約70PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約75PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約80PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約85PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約90PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約95PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約100PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約105PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約110PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約115PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約120PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約125PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約130PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約135PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約140PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約145PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約150PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約155PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約160PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約165PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約170PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約175PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約180PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約185PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約190PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約195PaのG”を有する。幾つかの実施形態において、本発明の組織フィラーは、約200PaのG”を有する。
【0339】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは粘性係数を示す。粘度は、剪断に対する、又は剪断応力若しくは引張応力のいずれかによって引き起こされる流れに対する流体の抵抗である。粘度は、流体の層が互いにずれようとするときに発揮される分子間摩擦によって引き起こされる流れに対する流体の内部抵抗を記述し、流体摩擦の尺度と考えられる。流体の粘性が低いほど、その運動性(流動性)の容易さが大きくなる。
【0340】
粘度は、2つの方法で定義することができる。即ち、粘性係数(μ;ηが使用されることがある)又は動粘性係数(V)である。粘性係数は、絶対又は複素粘度としても知られ、流体によって離間される単位距離を維持したときに、単位速度で他方に対して一方の水平平面を移動させるのに必要な単位面積当たりの接線力である。粘性係数のSI物理単位は、パスカル-秒(Pas)であり、これは、Nm-2sと同一である。粘性係数は、τ=μdvx/dzで表すことができ、式中、τ=剪断応力、μ=粘性係数、dvx/dzが経時速度勾配である。例えば、1Pa・sの粘度を有する流体が2つのプレート間に配され、且つ一方のプレートを1パスカルの剪断応力で横方向に押すとき、それは1秒間でプレート間の層の厚みに等しい距離を移動させる。動粘性係数(V)は、密度に対する粘性係数の比であり、力が関与しない量であり、次のように定義される:ν=μ/ρ、式中、μは粘性係数であり、ρは密度(kg/m3)である。動粘性係数は、通常、ガラスキャピラリー粘度計によって測定され、m2/sのSI単位を有する。流体の粘度は温度依存性であるので、粘性係数及び動粘性係数は、温度に共に報告される。
【0341】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは、例えば、少なくとも10Pa・s、少なくとも20Pa・s、少なくとも30Pa・s、少なくとも40Pa・s、少なくとも50Pa・s、少なくとも60Pa・s、少なくとも70Pa・s、少なくとも80Pa・s、少なくとも90Pa・s、少なくとも100Pa・s、少なくとも125Pa・s、少なくとも150Pa・s、少なくとも175Pa・s、少なくとも200Pa・s、少なくとも225Pa・s、少なくとも250Pa・s、少なくとも275Pa・s、少なくとも300Pa・s、少なくとも400Pa・s、少なくとも500Pa・s、少なくとも600Pa・s、少なくとも700Pa・s、少なくとも750Pa・s、少なくとも800Pa・s、少なくとも900Pa・s、少なくとも1,000Pa・s、少なくとも1,100Pa・s、又は少なくとも1,200Pa・sの動的粘度を示す。幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは、例えば、最大10Pa・s、最大20Pa・s、最大30Pa・s、最大40Pa・s、最大50Pa・s、最大60Pa・s、最大70Pa・s、最大80Pa・s、最大90Pa・s、最大100Pa・s、最大125Pa・s、最大150Pa・s、最大175Pa・s、最大200Pa・s、最大225Pa・s、最大250Pa・s、最大275Pa・s、最大300Pa・s、最大400Pa・s、最大500Pa・s、最大600Pa・s、最大700Pa、最大750Pa・s、最大800Pa・s、最大900Pa・s、又は最大1000Pa・sの動的粘度を示す。幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは、約10Pa・s~約100Pa・s、約10Pa・s~約150Pa・s、約10Pa・s~約250Pa・s、約50Pa・s~約100Pa・s、約50Pa・s~約150Pa・s、約50Pa・s~約250Pa・s、約100Pa・s~約500Pa・s、約100Pa・s~約750Pa・s、約100Pa・s~約1,000Pa・s、約100Pa・s~約1,200Pa・s、約300Pa・s~約500Pa・s、約300Pa・s~約750Pa・s、約300Pa・s~約1,000Pa・s、又は約300Pa・s~約1,200Pa・sである。
【0342】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるそのG’及び/又はG”を、少なくとも1日間、又は少なくとも2日間、又は少なくとも3日間、又は少なくとも4日間、又は少なくとも5日間、又は少なくとも6日間、又は少なくとも1週間、又は少なくとも2週間、又は少なくとも3週間、又は少なくとも1ヶ月間、又は少なくとも2ヶ月間、又は少なくとも3ヶ月間、又は少なくとも4ヶ月間、又は少なくとも5ヶ月間、又は少なくとも6ヶ月間、又は少なくとも7ヶ月間、又は少なくとも8ヶ月間、又は少なくとも9ヶ月間、又は少なくとも10ヶ月間、又は少なくとも11ヶ月間、又は少なくとも1年間、実質的に維持することができる。
【0343】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるそのG’及び/又はG”を、最大1日間、又は最大2日間、又は最大3日間、又は最大4日間、又は最大5日間、又は最大6日間、又は最大1週間、又は最大2週間、又は最大3週間、又は最大1ヶ月間、又は最大2ヶ月間、又は最大3ヶ月間、又は最大4ヶ月間、又は最大5ヶ月間、又は最大6ヶ月間、又は最大7ヶ月間、又は最大8ヶ月間、又は最大9ヶ月間、又は最大10ヶ月間、又は最大11ヶ月間、又は最大1年間、実質的に維持することができる。
【0344】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるそのG’及び/又はG”を、約1日間、又は約2日間、又は約3日間、又は約4日間、又は約5日間、又は約6日間、又は約1週間、又は約2週間、又は約3週間、又は約1ヶ月間、又は約2ヶ月間、又は約3ヶ月間、又は約4ヶ月間、又は約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、又は約7ヶ月間、又は約8ヶ月間、又は約9ヶ月間、又は約10ヶ月間、又は約11ヶ月間、又は約1年間、実質的に維持することができる。
【0345】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるその弾性を、少なくとも1日間、又は少なくとも2日間、又は少なくとも3日間、又は少なくとも4日間、又は少なくとも5日間、又は少なくとも6日間、又は少なくとも1週間、又は少なくとも2週間、又は少なくとも3週間、又は少なくとも1ヶ月間、又は少なくとも2ヶ月間、又は少なくとも3ヶ月間、又は少なくとも4ヶ月間、又は少なくとも5ヶ月間、又は少なくとも6ヶ月間、又は少なくとも7ヶ月間、又は少なくとも8ヶ月間、又は少なくとも9ヶ月間、又は少なくとも10ヶ月間、又は少なくとも11ヶ月間、又は少なくとも1年間、実質的に維持することができる。
【0346】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるその弾性を、最大1日間、又は最大2日間、又は最大3日間、又は最大4日間、又は最大5日間、又は最大6日間、又は最大1週間、又は最大2週間、又は最大3週間、又は最大1ヶ月間、又は最大2ヶ月間、又は最大3ヶ月間、又は最大4ヶ月間、又は最大5ヶ月間、又は最大6ヶ月間、又は最大7ヶ月間、又は最大8ヶ月間、又は最大9ヶ月間、又は最大10ヶ月間、又は最大11ヶ月間、又は最大1年間、実質的に維持することができる。
【0347】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるその弾性を、約1日間、又は約2日間、又は約3日間、又は約4日間、又は約5日間、又は約6日間、又は約1週間、又は約2週間、又は約3週間、又は約1ヶ月間、又は約2ヶ月間、又は約3ヶ月間、又は約4ヶ月間、又は約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、又は約7ヶ月間、又は約8ヶ月間、又は約9ヶ月間、又は約10ヶ月間、又は約11ヶ月間、又は約1年間、実質的に維持することができる。
【0348】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるその粘性を、少なくとも1日間、又は少なくとも2日間、又は少なくとも3日間、又は少なくとも4日間、又は少なくとも5日間、又は少なくとも6日間、又は少なくとも1週間、又は少なくとも2週間、又は少なくとも3週間、又は少なくとも1ヶ月間、又は少なくとも2ヶ月間、又は少なくとも3ヶ月間、又は少なくとも4ヶ月間、又は少なくとも5ヶ月間、又は少なくとも6ヶ月間、又は少なくとも7ヶ月間、又は少なくとも8ヶ月間、又は少なくとも9ヶ月間、又は少なくとも10ヶ月間、又は少なくとも11ヶ月間、又は少なくとも1年間、実質的に維持することができる。
【0349】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるその粘性を、最大1日間、又は最大2日間、又は最大3日間、又は最大4日間、又は最大5日間、又は最大6日間、又は最大1週間、又は最大2週間、又は最大3週間、又は最大1ヶ月間、又は最大2ヶ月間、又は最大3ヶ月間、又は最大4ヶ月間、又は最大5ヶ月間、又は最大6ヶ月間、又は最大7ヶ月間、又は最大8ヶ月間、又は最大9ヶ月間、又は最大10ヶ月間、又は最大11ヶ月間、又は最大1年間、実質的に維持することができる。
【0350】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるその粘性を、約1日間、又は約2日間、又は約3日間、又は約4日間、又は約5日間、又は約6日間、又は約1週間、又は約2週間、又は約3週間、又は約1ヶ月間、又は約2ヶ月間、又は約3ヶ月間、又は約4ヶ月間、又は約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、又は約7ヶ月間、又は約8ヶ月間、又は約9ヶ月間、又は約10ヶ月間、又は約11ヶ月間、又は約1年間、実質的に維持することができる。
【0351】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるその体積を、少なくとも1日間、又は少なくとも2日間、又は少なくとも3日間、又は少なくとも4日間、又は少なくとも5日間、又は少なくとも6日間、又は少なくとも1週間、又は少なくとも2週間、又は少なくとも3週間、又は少なくとも1ヶ月間、又は少なくとも2ヶ月間、又は少なくとも3ヶ月間、又は少なくとも4ヶ月間、又は少なくとも5ヶ月間、又は少なくとも6ヶ月間、又は少なくとも7ヶ月間、又は少なくとも8ヶ月間、又は少なくとも9ヶ月間、又は少なくとも10ヶ月間、又は少なくとも11ヶ月間、又は少なくとも1年間、実質的に維持することができる。
【0352】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるその体積を、最大1日間、又は最大2日間、又は最大3日間、又は最大4日間、又は最大5日間、又は最大6日間、又は最大1週間、又は最大2週間、又は最大3週間、又は最大1ヶ月間、又は最大2ヶ月間、又は最大3ヶ月間、又は最大4ヶ月間、又は最大5ヶ月間、又は最大6ヶ月間、又は最大7ヶ月間、又は最大8ヶ月間、又は最大9ヶ月間、又は最大10ヶ月間、又は最大11ヶ月間、又は最大1年間、実質的に維持することができる。
【0353】
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、インビボにおけるその体積を、約1日間、又は約2日間、又は約3日間、又は約4日間、又は約5日間、又は約6日間、又は約1週間、又は約2週間、又は約3週間、又は約1ヶ月間、又は約2ヶ月間、又は約3ヶ月間、又は約4ヶ月間、又は約5ヶ月間、又は約6ヶ月間、又は約7ヶ月間、又は約8ヶ月間、又は約9ヶ月間、又は約10ヶ月間、又は約11ヶ月間、又は約1年間、実質的に維持することができる。
【0354】
製造方法
本明細書に提供される組織フィラーは、更なる剤を伴って又は伴わずに、SPFベースの成分をHAベース成分に組み合わせることによって調製することができる。特定の実施形態では、SPF及びHAの一方又は両方を、組み合わせる前に架橋してもよい。幾つかの実施形態では、SPF及びHAを組み合わせた後、本明細書に記載される架橋剤で架橋する。幾つかの実施形態では、SPFを架橋剤で架橋した後、架橋してもしていなくてもよいHAに添加し、次いでそれらの組合せを更なる架橋に付してもよい。幾つかの実施形態において、HAを架橋剤で架橋した後、架橋してもしていなくてもよいSPFに添加し、次いでそれらの組合せを更なる架橋に付してもよい。
【0355】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、上述したように、SPFベース成分と、HAベースの成分と、更なる剤とを組み合わせることによって調製することができる。そのような実施形態では、SPF及びHAの一方又は両方を、組み合わせる前に架橋してもよい。幾つかの実施形態では、SPF及びHAを更なる剤と組み合わせた後、本明細書に記載される架橋剤で架橋してもよい。幾つかの実施形態では、更なる剤は、SPF及びHAを組み合わせた後に添加してもよい。
【0356】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、SPFとHAを、0.1:1~0.1:10、又は0.1:1~0.1:100、又は0.1:1000;1:1~1:10、又は1:1~1:100、又は1:1~1:1000の重量比(SPF:HA)で含むことができる。
【0357】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、SPFとHAを、0.1:1~0.1:10、又は0.1:1~0.1:100、又は0.1:1000;1:1~1:10、又は1:1~1:100、又は1:1~1:1000の重量比(HA:SPF)で含むことができる。
【0358】
幾つかの実施形態では、得られたHA/SPFの組合せ(架橋又は非架橋を問わず)を、最初に架橋されたHA及び/又はSPFの機械的ブレンドなどによって均質化することができる。
【0359】
幾つかの実施形態では、SPFの溶液を準備し、架橋剤で架橋して架橋SPFを生成し、これに、HAを、その架橋形態、非架橋形態、又はその混合物のいずれかで添加することができる。次いで、得られた混合物を均質化することができ、任意の更なる剤(例えば、リドカインを添加することができる)。
【0360】
幾つかの実施形態では、SPFの溶液を準備し、HA存在下にて架橋剤で架橋して架橋SPF-HA組成物を生成し、これに、HAを、その非架橋形態で添加することができるし、しなくてもよい。次いで、得られた混合物を均質化することができ、任意の更なる剤(例えば、リドカインを添加することができる)。
【0361】
幾つかの実施形態において、本明細書に提供される特定のSPF製剤は、参照によりその全体を本明細書に援用する米国特許第8,288,347号明細書又は同第8,450,475号明細書、又は米国特許出願公開第2006/0105022号明細書、同第2016/0376382号明細書、又は同第2017/0315828号明細書に記載された調製を用いて、HAと組み合わせることができる、又は架橋の手順を利用することができる。
【0362】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、組織フィラー又はその一部を、例えば、120℃~約130℃の温度、及び平方インチ当たり約12~約20ポンドの圧力に約1~約15分間曝露する滅菌工程を含むことができる。
【0363】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、組織フィラーの調製に使用される本明細書に記載のSPF、HA、又はSPF/HA溶液が脱ガスされる脱ガス工程を含むことができる。
【0364】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、実施例5~20に記載される一般的方法にしたがって調製することができる。記載された方法において、絹を水溶液、水性/アルコール溶液(アルコールは、例えば、エタノール又はメタノールであることができる)中で調製することができる。記載された方法において、本明細書に記載される架橋剤のいずれかを、当業者に理解されるように、SPFとSPF、SPFとHA、又はHAとHAの架橋に適用して用いることができる。
【0365】
治療方法
実施形態では、本明細書に記載の組織フィラーは、それを必要とする患者における1以上の状態を治療する方法において提供することができる。幾つかの実施形態では、組織フィラーの治療有効量は、状態又は他の組織欠損を治療するためにそれを必要とする患者の組織内に送達することができる。
【0366】
本明細書で使用するとき、「治療する(treating)」、「治療(treat)」、又は「治療(treatment)」という用語は、患者における軟組織の状態などの状態の美容的又は臨床的症状を低減又は排除する、又は個体における状態の美容的又は臨床的症状の発症を遅延又は予防することを意味する。
【0367】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーによって治療される状態は、軟組織の状態を含むことができる。軟組織の状態としては、限定するものではないが、身体の一部、部分、又は領域のオーグメンテーション、再建、疾患、障害、欠陥、又は不完全性が挙げられる。一態様では、開示の組織フィラーによって治療される軟組織の状態は、限定するものではないが、顔面のオーグメンテーション、顔面の再建、顔面の疾患、顔面の障害、顔面の欠陥、又は顔面の不完全性を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーによって治療される軟組織の状態は、限定するものではないが、皮膚の脱水、皮膚弾力の欠如、肌荒れ、皮膚の張りの欠如、皮膚のストレッチライン又はマーク、皮膚の蒼白、皮膚ディボット(dermal divot)、窪んだ頬、窪んだこめかみ、薄い唇、尿道の欠陥、皮膚の欠陥、乳房の欠陥、後眼窩欠陥、顔面の折り目、又は皺を含む。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーによって治療される軟組織の状態としては、限定するものではないが、乳房の不完全性、欠陥、疾患、及び/又は障害、例えば、豊胸、乳房再建、乳房固定、小乳房症、胸部発育不全、ポーランド症候群、莢膜収縮及び/又は破裂などのインプラント合併症に起因する欠陥;顔面の不完全性、欠陥、疾患、又は障害、例えば、顔面のオーグメンテーション、顔面再建、パリー・ロムベルグ症候群、深在性エリテマトーデス、皮膚ディボット、窪んだ頬、窪んだこめかみ、薄い唇、鼻部の不完全性又は欠陥、後眼窩不完全性又は欠陥、顔面の折り目、ライン、又は皺、例えば、眉間ライン、鼻唇ライン、口周囲ライン、及び/又はマリオネットラインなど、及び/又は顔面の他の輪郭変形又は不完全性;頸部の不完全性、欠陥、疾患、又は障害;皮膚の不完全性、欠陥、疾患、及び/又は障害;他の軟組織の不完全性、欠陥、疾患、及び/又は障害、例えば、上腕、下腕、手部、肩部、背部、腹部、臀部、上腿、ふくらはぎを含む下腿、足底脂肪体を含む足部、眼球、生殖器、又は他の身体の一部、部分、又は領域を含む胴体のオーグメンテーション又は再建、又はこれらの身体の一部、部分、又は領域に影響をおよぼす疾患又は障害;尿失禁、便失禁、他の失禁形態;及び胃食道逆流症(GERD)が挙げられる。
【0368】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、限定するものではないが、皮膚、真皮組織、真皮下組織、皮膚組織、皮下組織、硬膜内組織、筋肉、腱、靭帯、線維組織、脂肪、血管、動脈、神経、及び滑膜(皮内)組織を含む軟組織に送達することができる。
【0369】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、細胞接着、遊走、及び増殖シグナルと共に人工生分解性マトリックスを提供することによって、創傷内に直接配置して治癒を助けることができる。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、生分解性メッシュ又は他の移植材料上にコーティングすることができる、又はそれ自体をシート又は他の構造に形成することができる、又は水和形態で維持することができる。
【0370】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示される方法のいずれかで使用される組成物の量は、所望の変化及び/又は改善、所望の状態症状の低減及び/又は排除、個人及び/又は医師によって所望される臨床的及び/又は美容的効果、及び治療される身体部分又は領域に基づいて決定される。組成物投与の有効性は、以下の臨床的及び/又は美容的尺度の1以上によって表すことができる:軟組織形状の変化及び/又は改善、軟組織サイズの変化及び/又は改善、軟組織輪郭の変化及び/又は改善、組織機能の変化及び/又は改善、組織内部成長サポート、及び/又は新たなコラーゲン沈着、組織フィラーの持続移植、患者の満足度及び/又は生活の質の改善、及び移植可能異物の使用の低減。例えば、豊胸の手順について、組成物及び方法の有効性は、以下の臨床的及び/又は美容的尺度の1以上によって表すことができる:乳房サイズの増大、乳房形状の変化、乳房輪郭の変化、持続生着、莢膜収縮のリスク低減、リポネクローシスによる嚢胞形成速度を低下、患者の満足度及び/又は生活の質を改善、及び乳房インプラントの使用の低減。
【0371】
幾つかの実施形態では、顔面の軟組織を治療における組織フィラー及び方法の有効性は、以下の臨床的及び/又は美容的尺度の1以上によって表すことができる:顔の特徴部分のサイズ、形状、及び/又は輪郭の増大、例えば、唇、頬、こめかみ、又は目領域のサイズ、形状、及び/又は輪郭の増大など;顔の特徴部分のサイズ、形状、及び/又は輪郭の変化、例えば、唇、頬、こめかみ、又は目領域のサイズ、形状、及び/又は輪郭の変化など;皮膚の皺、折り目、又はラインに対する低減又は排除;皮膚の皺、折り目、又はラインに対する抵抗性;皮膚の水分補給;皮膚に弾力性の上昇;肌荒れの低減又は排除;肌の張りの向上及び/又は改善;ストレッチライン又はマークの低減又は排除;皮膚の色調、輝き、明るさ、及び/又は輝きの上昇及び/又は改善、皮膚の色の向上及び/又は改善、皮膚蒼白の低減又は排除;組成物の持続的移植;副作用の低減;患者の満足度及び/又は生活の質の改善。
【0372】
幾つかの実施形態において、本発明は、組織フィラーと、真皮領域に関する治療方法とを提供する。本明細書で使用するとき、「真皮領域」という用語は、表皮真皮接合部と真皮(表在真皮(乳頭層)と深部真皮(網状層)を含む)を含む皮膚の領域を意味する。皮膚は3つの主要な層、即ち、表皮(防水性を提供し、感染に対するバリアとして機能する)、真皮(皮膚の付属器のための場所として機能する)、及び皮下組織(皮下脂肪層)から構成されている。表皮は血管を含まず、真皮からの拡散によって栄養素が供給される。表皮を構成する細胞の主な種類は、ケラチノサイト、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、及びメルケル細胞である。
【0373】
真皮は結合組織からなり、応力とひずみに対する身体のクッションとなる、表皮の下の皮膚の層である。真皮は、基底膜によって表皮にしっかりと結合されている。また、触感と熱感を提供する多くの機械受容体/神経終末を有する。これは、毛包、汗腺、皮脂腺、アポクリン腺、リンパ管、及び血管を含む。真皮内の血管は、自身の細胞及び表皮の基底層から栄養分供給と廃棄物除去を提供する。真皮は、構造的に2つの領域に分割される。即ち、表皮に隣接する表在領域(乳頭領域と呼ばれる)及び深部のより厚い領域(網状領域として知られる)に分割される。
【0374】
乳頭領域は、疎性の乳頭状(areolar)結合組織から構成されている。これは、表皮に向かって延びる乳頭と呼ばれるその指状突出部にちなんで命名されている。乳頭は、皮膚の2つの層の間の接続を強化する、表皮と互いに組み合わせられる「でこぼこ」表面を真皮に与える。網状領域は、乳頭領域の深くに位置し、通常、遥かに厚い。これは、密な不規則な結合組織から構成され、その全体を通して織られているコラーゲン、弾性、及び網状繊維が高密度であることからその名が付いている。これらのタンパク質繊維は、強度、拡張性、及び弾力性というその性質を真皮に与える。また、毛根、皮脂腺、汗腺、受容体、爪、及び血管は、網状領域内に位置する。妊娠によるストレッチマークは、例えば、真皮に位置する。
【0375】
皮下組織は、真皮の下に存在する。その目的は、皮膚の真皮領域をその下部に存在する骨と筋肉に結合させると共に、それに血管と神経を供給することである。それは、疎性結合組織とエラスチンから構成される。主な細胞種は、線維芽細胞、マクロファージ、及び脂肪細胞(皮下組織は、体脂肪の50%を含む)である。脂肪は、身体のためのパディング及び絶縁体として機能する。
【0376】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは、真皮領域又は真皮下領域(hypodermal region)への注入によって個体の皮膚領域に投与される。幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは、例えば、表皮真皮接合領域、乳頭領域、網状領域、又はそれらの任意の組合せへの注入によって個体の真皮領域に投与される。
【0377】
幾つかの実施形態において、本発明は、個体の軟組織状態を治療する方法であって、本明細書に開示の1以上の組織フィラーを、前記個体の前記軟組織状態の部位に投与することを含み、組成物の投与が、前記軟組織状態を改善することにより、前記軟組織状態を治療する方法を提供する。幾つかの実施形態では、軟組織状態は、乳房組織の状態、顔面組織の状態、頸部の状態、皮膚の状態、上腕の状態、下腕の状態、手部の状態、肩部の状態、背部の状態、胴部の状態(腹部の状態を含む)、臀部の状態、大腿の状態、下腿の状態(ふくらはぎの状態を含む)、足部の状態(足底脂肪パッドの状態を含む)、眼の状態、生殖器の状態、又は他の身体の一部、部分、又は領域に影響を及ぼす状態を改善する。
【0378】
幾つかの実施形態において、本発明は、皮膚状態を治療する方法であって、本明細書に開示の1以上の組織フィラーを、皮膚状態を罹患した個体に投与することを含み、前記組織フィラーの投与が、前記皮膚状態を改善することにより、前記皮膚状態を治療する方法を提供する。幾つかの実施形態において、皮膚状態としては、皮膚脱水が挙げられ、前記治療方法は、本明細書に開示の1以上の組織フィラーを、皮膚脱水を罹患した個体に投与することを含み、前記組織フィラーの投与が、皮膚に水分を補給することにより、皮膚脱水を治療する。これらの実施形態の別の態様では、皮膚弾力の欠如を治療する方法は、本明細書に開示の組織フィラーを、皮膚弾力の欠如を罹患した個体に投与することを含み、前記組織フィラーの投与が、皮膚の弾力を向上させることにより、皮膚弾力を治療する。これらの実施形態の更に別の態様では、肌荒れを治療する方法は、本明細書に開示の組成物を、肌荒れを罹患した個体に投与することを含み、前記組成物の投与が、肌荒れを低減することにより、肌荒れを治療する。これらの実施形態の別の態様では、皮膚の張りの欠如を治療する方法は、本明細書に開示の組織フィラーを、皮膚の張りの欠如を罹患した個体に投与することを含み、前記組織フィラーの投与が、皮膚の張りを向上させることにより、皮膚の張りの欠如を治療する。
【0379】
幾つかの実施形態において、本発明は、皮膚のストレッチライン又はマークを治療する方法であって、本明細書に開示の1以上の組織フィラーを、皮膚のストレッチライン又はマークを罹患した個体に投与することを含み、前記1以上の組織フィラーの投与が、皮膚のストレッチライン又はマークを低減又は排除することにより、皮膚のストレッチライン又はマークを治療する方法を提供する。幾つかの実施形態では、皮膚蒼白を治療する方法は、本明細書に開示の組織フィラーを、皮膚蒼白を罹患した個体に投与することを含み、前記組織フィラーの投与が、皮膚の色調又は輝きを向上させることにより、皮膚蒼白を治療する。幾つかの実施形態では、皮膚の皺を治療する方法は、本明細書に開示の組織フィラーを、皮膚の皺を罹患した個体に投与することを含み、前記組織フィラーの投与が、皮膚の皺を低減又は排除することにより、皮膚の皺を治療する。これらの実施形態の更に別の態様では、皮膚の皺を治療する方法は、本明細書に開示の組織フィラーを個体に投与することを含み、前記組織フィラーの投与が、皮膚の皺に対して皮膚を耐性にすることにより、皮膚の皺を治療する。
【0380】
幾つかの実施形態において、本発明は、本明細書に開示の組成物の投与を提供し、そのような投与は、新たなコラーゲン沈着又は形成を促進する。本明細書に記載の組織フィラーは、組織の内部成長と、コラーゲンの新たな沈着又は生成をサポートすることができる。
【0381】
本発明のいずれかの理論に拘束されるものではないが、本明細書に記載の組織フィラーの調製に使用されるSPFの分子量は、得られる組織の増殖と、初期の炎症反応に続く成熟化応答によってコラーゲンの沈着又は形成を引き起こすために、選択された組織において軽度の炎症応答を提供するように調整することができる。実際に、より高分子量のSPFが高い炎症応答をもたらすことができ、一方で、より低分子量のSPFは、殆ど又は全く炎症応答をもたらさないことがある。
【0382】
本発明のいずれかの理論に拘束されるものではないが、本明細書に記載の組織フィラーは、得られる炎症応答、及び増殖及び成熟化組織応答によるコラーゲン形成を調節できるという予想外の属性を提供する。これは、本明細書で使用されるSPF溶液が、広いというよりはむしろ狭い多分散性を有するからである。実施形態では、本明細書に開示の組織フィラーの投与は、新たなコラーゲン沈着を増加させる。
【0383】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織の投与は、新たなコラーゲン沈着又は形成を、HAを含むがSPFを含まない同一又は類似の組織フィラーに対して、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%上昇させる。
【0384】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーの投与は、新たなコラーゲン沈着又は形成を、HAを含むがSPFを含まない同一又は類似の組織フィラーに対して、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも275%、又は少なくとも300%上昇させる。
【0385】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーの投与は、新たなコラーゲン沈着又は形成を、HAを含むがSPFを含まない同一又は類似の組織フィラーに対して、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%、最大10%、最大11%、最大12%、最大13%、最大14%、最大15%、最大16%、最大17%、最大18%、最大19%、最大20%、最大21%、最大22%、最大23%、最大24%、最大25%、最大26%、最大27%、最大28%、最大29%、最大30%、最大31%、最大32%、最大33%、最大34%、最大35%、最大36%、最大37%、最大38%、最大39%、最大40%、最大41%、最大42%、最大43%、最大44%、最大45%、最大46%、最大47%、最大48%、最大49%、最大50%、最大51%、最大52%、最大53%、最大54%、最大55%、最大56%、最大57%、最大58%、最大59%、最大60%、最大61%、最大62%、最大63%、最大64%、最大65%、最大66%、最大67%、最大68%、最大69%、最大70%、最大71%、最大72%、最大73%、最大74%、最大75%、最大76%、最大77%、最大78%、最大79%、最大80%、最大81%、最大82%、最大83%、最大84%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%、最大99%、最大100%、最大125%、最大150%、最大175%、最大200%、最大225%、最大250%、最大275%、又は最大300%上昇させる。
【0386】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーの投与は、新たなコラーゲン沈着又は形成を、HAを含むがSPFを含まない同一又は類似の組織フィラーに対して、約1%~約10%、約10%~約50%、約10%~約100%、約50%~約150%、約100%~約200%、約150%~約250%、約200%~約300%、約350%~約450%、約400%~約500%、約550%~約650%、約600%~約700%上昇させる。
【0387】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の方法のいずれかと共に使用される組織フィラーの量は、典型的には、治療的に有効な量である。本明細書で使用するとき、「治療有効量」という用語は、「有効量」「治療有効用量」、及び/又は「有効用量」と同義であり、それを必要とする患者において、想定される生物学的、美容的、又は臨床的応答をもたらす組織フィラーの量を意味する。非限定的な例として、有効量は、本明細書に開示された臨床的及び/又は美容的対策の1以上を達成するのに十分な量である。開示の方法の特定の用途のために投与されるべき適切な有効量は、本明細書に提供される指針を用いて、当業者によって決定することができる。例えば、有効量は、本明細書に記載されるあらゆるインビトロ及びインビボアッセイから推定することができる。当業者は、個体の状態を治療経過全体に亘って追跡でき、投与される本明細書に開示の組成物の有効量を適宜調節することができることを認識する。
【0388】
幾つかの実施形態において、投与される組織フィラーの量は、少なくとも0.001g、又は少なくとも0.002g、又は少なくとも0.003g、又は少なくとも0.004g、又は少なくとも0.005g、又は少なくとも0.006g、又は少なくとも0.007g、又は少なくとも0.008g、又は少なくとも0.009g、又は少なくとも0.01g、又は少なくとも0.02g、又は少なくとも0.03g、又は少なくとも0.04g、又は少なくとも0.05g、又は少なくとも0.06g、又は少なくとも0.07g、又は少なくとも0.08g、又は少なくとも0.09g、又は少なくとも0.1g、又は少なくとも0.2g、又は少なくとも0.3g、又は少なくとも0.4g、又は少なくとも0.5g、又は少なくとも0.6g、又は少なくとも0.7g、又は少なくとも0.8g、又は少なくとも0.9g、又は少なくとも1g、又は少なくとも2g、又は少なくとも3g、又は少なくとも4g、又は少なくとも5g、又は少なくとも6g、又は少なくとも7g、又は少なくとも8g、又は少なくとも9g、又は少なくとも10g、又は少なくとも11g、又は少なくとも12g、又は少なくとも13g、又は少なくとも14g、又は少なくとも15g、又は少なくとも20g、又は少なくとも25g、又は少なくとも30g、又は少なくとも35g、又は少なくとも40g、又は少なくとも45g、又は少なくとも50g、又は少なくとも55g、又は少なくとも60g、又は少なくとも65g、又は少なくとも70g、又は少なくとも75g、又は少なくとも80g、又は少なくとも85g、又は少なくとも90g、又は少なくとも95g、又は少なくとも100gである。
【0389】
幾つかの実施形態において、投与される組織フィラーの量は、最大0.001g、又は最大0.002g、又は最大0.003g、又は最大0.004g、又は最大0.005g、又は最大0.006g、又は最大0.007g、又は最大0.008g、又は最大0.009g、又は最大0.01g、又は最大0.02g、又は最大0.03g、又は最大0.04g、又は最大0.05g、又は最大0.06g、又は最大0.07g、又は最大0.08g、又は最大0.09g、又は最大0.1g、又は最大0.2g、又は最大0.3g、又は最大0.4g、又は最大0.5g、又は最大0.6g、又は最大0.7g、又は最大0.8g、又は最大0.9g、又は最大1g、又は最大2g、又は最大3g、又は最大4g、又は最大5g、又は最大6g、又は最大7g、又は最大8g、又は最大9g、又は最大10g、又は最大11g、又は最大12g、又は最大13g、又は最大14g、又は最大15g、又は最大20g、又は最大25g、又は最大30g、又は最大35g、又は最大40g、又は最大45g、又は最大50g、又は最大55g、又は最大60g、又は最大65g、又は最大70g、又は最大75g、又は最大80g、又は最大85g、又は最大90g、又は最大95g、又は最大100gである。
【0390】
幾つかの実施形態において、投与される組織フィラーの量は、約0.001g、又は約0.002g、又は約0.003g、又は約0.004g、又は約0.005g、又は約0.006g、又は約0.007g、又は約0.008g、又は約0.009g、又は約0.01g、又は約0.02g、又は約0.03g、又は約0.04g、又は約0.05g、又は約0.06g、又は約0.07g、又は約0.08g、又は約0.09g、又は約0.1g、又は約0.2g、又は約0.3g、又は約0.4g、又は約0.5g、又は約0.6g、又は約0.7g、又は約0.8g、又は約0.9g、又は約1g、又は約2g、又は約3g、又は約4g、又は約5g、又は約6g、又は約7g、又は約8g、又は約9g、又は約10g、又は約11g、又は約12g、又は約13g、又は約14g、又は約15g、又は約20g、又は約25g、又は約30g、又は約35g、又は約40g、又は約45g、又は約50g、又は約55g、又は約60g、又は約65g、又は約70g、又は約75g、又は約80g、又は約85g、又は約90g、又は約95g、又は約100gである。
【0391】
幾つかの実施形態において、投与される組織フィラーの量は、0.001g~0.01g、又は0.01g~0.1g、又は0.1g~1g、又は1g~10g、又は10g~20g、又は20g~30g、又は30g~40g、又は40g~50g、又は50g~60g、又は60g~70g、又は70g~80g、又は80g~90g、又は90g~100gである。
【0392】
幾つかの実施形態において、投与される組織フィラーの体積は、少なくとも0.01mL、又は少なくとも0.02mL、又は少なくとも0.03mL、又は少なくとも0.04mL、又は少なくとも0.05mL、又は少なくとも0.06mL、又は少なくとも0.07mL、又は少なくとも0.08mL、又は少なくとも0.09mL、又は少なくとも0.10mL、又は少なくとも0.15mL、又は少なくとも0.20mL、又は少なくとも0.25mL、又は少なくとも0.30mL、又は少なくとも0.35mL、又は少なくとも0.40mL、又は少なくとも0.45mL、又は少なくとも0.50mL、又は少なくとも0.55mL、又は少なくとも0.60mL、又は少なくとも0.65mL、又は少なくとも0.70mL、又は少なくとも0.75mL、又は少なくとも0.80mL、又は少なくとも0.85mL、又は少なくとも0.90mL、又は少なくとも0.95mL、又は少なくとも1mL、又は少なくとも2mL、又は少なくとも3mL、又は少なくとも4mL、又は少なくとも5mL、又は少なくとも6mL、又は少なくとも7mL、又は少なくとも8mL、又は少なくとも9mL、又は少なくとも10mL、又は少なくとも15mL、又は少なくとも20mL、又は少なくとも25mL、又は少なくとも30mL、又は少なくとも35mL、又は少なくとも40mL、又は少なくとも45mL、又は少なくとも50mL、又は少なくとも55mL、又は少なくとも60mL、又は少なくとも65mL、又は少なくとも70mL、又は少なくとも75mL、又は少なくとも80mL、又は少なくとも85mL、又は少なくとも90mL、又は少なくとも95mL、又は少なくとも100mL、又は少なくとも110mL、又は少なくとも120mL、又は少なくとも130mL、又は少なくとも140mL、又は少なくとも150mL、又は少なくとも160mL、又は少なくとも170mL、又は少なくとも180mL、又は少なくとも190mL、又は少なくとも200mL、又は少なくとも210mL、又は少なくとも220mL、又は少なくとも230mL、又は少なくとも240mL、又は少なくとも250mL、又は少なくとも260mL、又は少なくとも270mL、又は少なくとも280mL、又は少なくとも290mL、又は少なくとも300mL、又は少なくとも325、350mL、又は少なくとも375mL、又は少なくとも400mL、又は少なくとも425mL、又は少なくとも450mL、又は少なくとも475mL、又は少なくとも500mL、又は少なくとも525mL、又は少なくとも550mL、又は少なくとも575mL、又は少なくとも600mL、又は少なくとも625mL、又は少なくとも650mL、又は少なくとも675mL、又は少なくとも700mL、又は少なくとも725mL、又は少なくとも750mL、又は少なくとも775mL、又は少なくとも800mL、又は少なくとも825mL、又は少なくとも850mL、又は少なくとも875mL、又は少なくとも900mL、又は少なくとも925mL、又は少なくとも950mL、又は少なくとも975mL、又は少なくとも1000mLである。
【0393】
幾つかの実施形態において、投与される組織フィラーの体積は、最大0.01mL、又は最大0.02mL、又は最大0.03mL、又は最大0.04mL、又は最大0.05mL、又は最大0.06mL、又は最大0.07mL、又は最大0.08mL、又は最大0.09mL、又は最大0.10mL、又は最大0.15mL、又は最大0.20mL、又は最大0.25mL、又は最大0.30mL、又は最大0.35mL、又は最大0.40mL、又は最大0.45mL、又は最大0.50mL、又は最大0.55mL、又は最大0.60mL、又は最大0.65mL、又は最大0.70mL、又は最大0.75mL、又は最大0.80mL、又は最大0.85mL、又は最大0.90mL、又は最大0.95mL、又は最大1mL、又は最大2mL、又は最大3mL、又は最大4mL、又は最大5mL、又は最大6mL、又は最大7mL、又は最大8mL、又は最大9mL、又は最大10mL、又は最大15mL、又は最大20mL、又は最大25mL、又は最大30mL、又は最大35mL、又は最大40mL、又は最大45mL、又は最大50mL、又は最大55mL、又は最大60mL、又は最大65mL、又は最大70mL、又は最大75mL、又は最大80mL、又は最大85mL、又は最大90mL、又は最大95mL、又は最大100mL、又は最大110mL、又は最大120mL、又は最大130mL、又は最大140mL、又は最大150mL、又は最大160mL、又は最大170mL、又は最大180mL、又は最大190mL、又は最大200mL、又は最大210mL、又は最大220mL、又は最大230mL、又は最大240mL、又は最大250mL、又は最大260mL、又は最大270mL、又は最大280mL、又は最大290mL、又は最大300mL、又は最大325、350mL、又は最大375mL、又は最大400mL、又は最大425mL、又は最大450mL、又は最大475mL、又は最大500mL、又は最大525mL、又は最大550mL、又は最大575mL、又は最大600mL、又は最大625mL、又は最大650mL、又は最大675mL、又は最大700mL、又は最大725mL、又は最大750mL、又は最大775mL、又は最大800mL、又は最大825mL、又は最大850mL、又は最大875mL、又は最大900mL、又は最大925mL、又は最大950mL、又は最大975mL、又は最大1000mLである。
【0394】
幾つかの実施形態において、投与される組織フィラーの体積は、約0.01mL、又は約0.02mL、又は約0.03mL、又は約0.04mL、又は約0.05mL、又は約0.06mL、又は約0.07mL、又は約0.08mL、又は約0.09mL、又は約0.10mL、又は約0.15mL、又は約0.20mL、又は約0.25mL、又は約0.30mL、又は約0.35mL、又は約0.40mL、又は約0.45mL、又は約0.50mL、又は約0.55mL、又は約0.60mL、又は約0.65mL、又は約0.70mL、又は約0.75mL、又は約0.80mL、又は約0.85mL、又は約0.90mL、又は約0.95mL、又は約1mL、又は約2mL、又は約3mL、又は約4mL、又は約5mL、又は約6mL、又は約7mL、又は約8mL、又は約9mL、又は約10mL、又は約11mL、又は約12mL、又は約13mL、又は約14mL、又は約15mL、又は約16mL、又は約17mL、又は約18mL、又は約19mL、又は約20mL、又は約21mL、又は約22mL、又は約23mL、又は約24mL、又は約25mL、又は約26mL、又は約27mL、又は約28mL、又は約30mL、又は約35mL、又は約36mL、又は約37mL、又は約38mL、又は約39mL、又は約40mL、又は約41mL、又は約42mL、又は約43mL、又は約44mL、又は約45mL、又は約46mL、又は約47mL、又は約48mL、又は約49mL、又は約50mL、又は約51mL、又は約52mL、又は約53mL、又は約54mL、又は約55mL、又は約56mL、又は約57mL、又は約58mL、又は約59mL、又は約60mL、又は約61mL、又は約62mL、又は約63mL、又は約64mL、又は約65mL、又は約66mL、又は約67mL、又は約68mL、又は約69mL、又は約70mL、又は約71mL、又は約72mL、又は約73mL、又は約74mL、又は約75mL、又は約76mL、又は約77mL、又は約78mL、又は約79mL、又は約80mL、又は約81mL、又は約82mL、又は約83mL、又は約84mL、又は約85mL、又は約86mL、又は約87mL、又は約88mL、又は約89mL、又は約90mL、又は約91mL、又は約92mL、又は約93mL、又は約94mL、又は約95mL、又は約96mL、又は約97mL、又は約98mL、又は約99mL、又は約100mL、又は約110mL、又は約120mL、又は約130mL、又は約140mL、又は約150mL、又は約160mL、又は約170mL、又は約180mL、又は約190mL、又は約200mL、又は約210mL、又は約220mL、又は約230mL、又は約240mL、又は約250mL、又は約260mL、又は約270mL、又は約280mL、又は約290mL、又は約300mL、又は約310mL、又は約320mL、又は約330mL、又は約340mL、又は約350mL、又は約360mL、又は約370mL、又は約380mL、又は約390mL、又は約400mL、又は約410mL、又は約420mL、又は約430mL、又は約440mL、又は約450mL、又は約460mL、又は約470mL、又は約480mL、又は約490mL、又は約500mL、又は約510mL、又は約520mL、又は約530mL、又は約540mL、又は約550mL、又は約560mL、又は約570mL、又は約580mL、又は約590mL、又は約600mL、又は約610mL、又は約620mL、又は約630mL、又は約640mL、又は約650mL、又は約660mL、又は約670mL、又は約680mL、又は約690mL、又は約700mL、又は約710mL、又は約720mL、又は約730mL、又は約740mL、又は約750mL、又は約760mL、又は約770mL、又は約780mL、又は約790mL、又は約800mL、又は約810mL、又は約820mL、又は約830mL、又は約840mL、又は約850mL、又は約860mL、又は約870mL、又は約880mL、又は約890mL、又は約900mL、又は約910mL、又は約920mL、又は約930mL、又は約940mL、又は約950mL、又は約960mL、又は約970mL、又は約980mL、又は約990mL、又は約1000mLである。
【0395】
幾つかの実施形態において、投与される組織フィラーの体積は、0.01mL~0.10mL、又は0.10mL~1mL、又は1mL~10mL、又は10mL~100mL、又は50mL~100mL、又は100mL~150mL、又は150mL~200mL、又は200mL~250mL、又は250mL~300mL、又は300mL~350mL、又は350mL~400mL、又は400mL~450mL、又は450mL~500mL、又は500mL~550mL、又は550mL~600mL、又は600mL~650mL、又は650mL~700mL、又は700mL~750mL、又は750mL~800mL、又は800mL~850mL、又は850mL~900mL、又は900mL~950mL、又は950mL~1000mL、又は1mL~25mL、又は1mL~50mL、又は1mL~75mL、又は1mL~100mL、又は10mL~25mL、又は10mL~50mL、又は10mL~75mL、又は100mL~250mL、又は100mL~500mL、又は100mL~750mL、又は100mL~1000mLである。
【0396】
幾つかの実施形態において、本発明は、本明細書に開示の組織フィラーを投与することを提供する。本明細書で使用するとき、「投与」という用語は、臨床的、治療的、又は実験的に有益な結果をもたらし得る本明細書に開示の組織フィラーを個体に提供する任意の送達機構を意味する。組織フィラーの個体への投与に用られる実際の送達機構は、各種要因、例えば、限定するものではないが、状態の種類、状態の位置、状態の原因、状態の重症度、所望の緩和の程度、所望の緩和期間、使用される具体的な組織フィラー、使用される具体的な組織フィラー生分解性、生体吸収性、生体再吸収性などの速度、使用される具体的な組織フィラーに含有される成分の性質、具体的な投与経路、患者の具体的な特徴、病歴、及び危険因子(例えば、年齢、体重、一般的健康状態など)又はそれらの任意の組合せなどを考慮することにより当業者によって決定することができる。この実施形態の態様では、本明細書に開示の組織フィラーは、注入により患者の部分に投与され、前記部分は、皮膚、真皮組織、真皮下組織、皮膚組織、皮下組織、硬膜内組織、筋肉、腱、靭帯、線維組織、脂肪、血管及び動脈、神経、又は滑膜(真皮内)組織にあることができる。
【0397】
幾つかの実施形態において、患者に投与される組織フィラーの投与経路は、患者及び/又は医師によって所望される美容的及び/又は臨床的効果、及び治療される身体の一部又は領域に基づき決定される。本明細書に開示の組織フィラーは、当業者に知られた任意の手段によって投与することができ、例えば、限定するものではないが、針付き注入器、カテーテル、局所的、又は直接的外科移植によって投与することができる。本明細書に開示の組織フィラーは、真皮領域又は真皮下領域などの皮膚領域に投与することができる。更に、本明細書に開示の組織フィラーは、具体的な治療に応じて、1回、2回、3回、又は複数回投与することができる。
【0398】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは、注入可能である。本明細書で使用するとき、「注入可能」という用語は、微細針などの針を備えた注入装置を用いて個体の皮膚領域に組織フィラーを投与するのに必要な特性を有する組織材料を意味する。本明細書で使用するとき、「微細針」という用語は、27ゲージ以下の針を意味する。幾つかの実施形態では、微細針は、27ゲージ~30ゲージの針であることができる。本明細書に開示の組織フィラーの注入性は、例えば、本明細書に開示の組織フィラーの特定のパラメータを変化させることによって達成でき、例えば、架橋度の調整、G’及び/又はG”の変更、非架橋ポリマー(例えば、SPF又はHA)の添加などによって達成できる。
【0399】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは、微細針を通して注入可能である。幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは、例えば、20ゲージ、又は21ゲージ、又は22ゲージ、又は23ゲージ、又は24ゲージ、又は25ゲージ、又は26ゲージ、又は27ゲージ、又は28ゲージ、又は29ゲージ、又は30ゲージ、又は31ゲージ、又は32ゲージ、又は33ゲージ、又は34ゲージの針を通して注入可能である。幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、20ゲージ、又は21ゲージ、又は22ゲージ、又は23ゲージ、又は24ゲージ、又は25ゲージ、又は26ゲージ、又は27ゲージ、又は28ゲージ、又は29ゲージ、又は30ゲージの針を通して注入可能である。
【0400】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示の組織フィラーは、約0.8~約1.0mLの容積を有するシリンジを用いて注入可能である。
【0401】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、例えば、組織のオーグメンテーション(例えば、乳房又は臀部のオーグメンテーション)の目的のために軟組織内又は軟組織周囲の空隙に送達することができる。本明細書に記載の組織フィラーをそのような空隙に送達する場合、より大きなシリンジと針(27ゲージ以上の針)を用いることができる。
【0402】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、創傷を被覆するために針を使用することなく創傷に適用できる、又は創傷の近傍の医療デバイスに適用することができる。
【0403】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の組織フィラーは、医療デバイスの表面に適用することができる。
【0404】
以下の例を、説明される実施形態をいかに作製し使用するかということの完全な開示及び説明を当業者に提供するために示すが、これらは、本発明者らがそれらの発明と見なすものの範囲を限定しようとするものではなく、また、それらは、以下の実験が実行されたすべての又は唯一の実験であると示そうとするものでもない。使用される数字(例えば、量、温度など)に関して、精度を確保するように努めてきたが、いくらかの実験誤差及び偏差を算入すべきである。別段の指定のない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧又はその近傍である。
【実施例0405】
実施例1:ゲルのチンダル評価
視覚的観察を更に支持し、皮膚フィラーの比較性能分析を行うために、チンダル現象の定量分析を行う。光散乱及び光と皮膚との相互作用に関する既存の科学的理解に基づき、(a)比色分析、及び(b)分光分析に基づく2つの異なるアプローチを用いて、皮膚におけるチンダル現象を定量化する。これらの技術に基づき、3つの異なる定量的パラメータ(以下に概説)を、インビボでのチンダル現象を測定するために定義する。
【0406】
チンダル現象視覚スコア:
スケールは、増分0.5で1~5の範囲を有する。1のスコアは、正常な皮膚色調で青色変色がない注入部位に与えられる。最大スコア5は、濃い顕著な青色変色に与えられる。3名の独立した観測者がスケールに関し訓練された後、試験サンプルを盲検的にスコア化する。
【0407】
皮膚色の青色成分-「b」:色彩色差計を用いて、種々のフィラーを注入した皮膚部位からの放出光の青色成分を定量化する。これは、Labカラースケールの「b」成分を使用することによって達成される。
【0408】
皮膚から放出される「%青色光」:ポータブル分光光度計を用いて、全可視光領域における皮膚から放出される%青色光を定量化する。これは、400~490nmの可視光スペクトル下の面積を積分し、それをスペクトル(400~700nm)下の総面積で正規化することによって達成される。
【0409】
本開示のゲル及び市販のゲルは、2ヶ月齢の無毛ラットの大腿部に線形スレッディング(threading)技術を用いて適切な針を通して皮内注入される。ゲルを表面に移植し、臨床細線手続(clinical fine line procedures)を模倣する。チンダル試験は、ゲル移植の48h後に行う。チンダル試験を行う前に、動物を人道的に安楽死させ、チンダル現象のコントラストを向上させる。
【0410】
増分0.5の1~5の視覚スコアを用いて、注入部位をスコア化する。スコアが1の注入部位は皮膚変色を示さず、スコアが5の注入部位は皮膚の青色変色が顕著である。色彩色差計を利用して、注入部位に対して分光分析も行う。皮膚の色の青色成分「b」、及び皮膚から放出される%青色光(400~700nm)は、独立して測定される。
【0411】
実施例2:インビボ組織フィラー試験
前述の説明にしたがって調製した組織フィラーを、皮内移植、筋肉移植、皮下注入後に試験することができた。
【0412】
例えば、組織フィラーの用量をシリンジに充填し、組織フィラーが針を通って注入部位に流入することを可能にする適切なサイズのシリンジを使用して、皮内、筋肉内、又は皮下のいずれかで注入することができた。
【0413】
対照(例えば、水及び/又はJuvedermなどの市販HAベースの組織フィラー)に対する最初の注入の後、注入部位を1週間又は2週間の間隔でモニターすることができ、ここで患者は、細胞毒性、発熱性、エンドトキシン形成、急性システム毒性、亜慢性毒性、皮内反応性、遺伝毒性、及び皮膚感作などの生体適合性の懸念について観察される。
【0414】
更に、組織フィラーの物理的属性は、チンダリングの有無又は注入部位での体積、弾性、又は堅牢性の喪失を調べることによってモニターできる。
【0415】
実施例3:組織フィラーレオロジーの検討
振動式平行板レオメータ(Anton Paar Physica MCR 301)を用いて、本明細書に記載の組織フィラーのレオロジー特性を測定することができた。板径25mmを1mmのギャップ高さで使用することができた。測定は、25℃の一定温度で行うことができた。各測定は、2%の一定ひずみと周波数の対数増加での1~10Hzの周波数掃引、それに続く、ひずみの対数増加での5Hzの一定周波数での1~300%のひずみ掃引からなる。この分析の結果は、各被試験組織フィラーの貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”を提供する。
【0416】
実施例4:絹/HA溶液の不透明性の検討
表18にしたがって、HA及び絹の溶液を水又はリン酸緩衝生理食塩水で調製した。
【表18-1】
【表18-2】
【0417】
前記表に記載の溶液の結果を
図26及び
図27に示す。
図26及び
図27における対照(
図26におけるラベルされていないフラスコ、
図27における対照シリンジ)は、HAの水溶液(22mg/mL)とした。
図26及び
図27に示されるように、HA単独と比較して、絹/HA溶液は均質であり且つ視覚的に不透明であった。
【0418】
実施例5:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:本明細書に記載されるように、ヒアルロン酸をNaOH溶液に溶解し、絹の溶液に添加することができる。
工程b:NaOHに溶解させたBDDEを絹/HA/NaOH溶液に添加する。
工程c:加熱混合して架橋させる。
工程d:金属メッシュに通し、水中で膨潤させる。
工程e:エタノール中で膨潤ゲルを沈殿させる。
工程f:エタノール、水、及びNaOH溶液で洗浄する。
工程g:加熱しながら(50℃)約2時間、エタノール/NaOH溶液中で架橋を完了させる。
工程h:溶液のpHを7に中和する。
工程i:沈殿物を洗浄し、乾燥させる。
工程j:得られた乾燥粉末を緩衝0.9%NaCl溶液中でゲル状に膨潤させる。
工程k:ゲルをシリンジに充填し、オートクレーブし、組織フィラーを得る。
【0419】
実施例6:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:ヒアルロン酸をNaOH溶液に溶解することができる。
工程b:絹のNaOH溶液を絹溶液に添加した後、NaOHに溶解させたBDDEを絹/HA/NaOH溶液に添加する。
工程c:加熱混合して架橋させる。
工程d:金属メッシュに通し、水中で膨潤させる。
工程e:エタノール中で膨潤ゲルを沈殿させる。
工程f:エタノール、水、及びNaOH溶液で洗浄する。
工程g:加熱しながら(50℃)約2時間、エタノール/NaOH溶液中で架橋を完了させる。
工程h:溶液のpHを7に中和する。
工程i:沈殿物を洗浄し、乾燥させる。
工程j:得られた乾燥粉末を緩衝0.9%NaCl溶液中でゲル状に膨潤させる。
工程k:ゲルをシリンジに充填し、オートクレーブし、組織フィラーを得る。
【0420】
実施例7:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:ヒアルロン酸をNaOH溶液に溶解することができる。
工程b:NaOHに溶解させたBDDEをHA/NaOH溶液に添加する。
工程c:絹溶液を工程bの溶液に添加し、加熱混合して架橋させる。
工程d:金属メッシュに通し、水中で膨潤させる。
工程e:エタノール中で膨潤ゲルを沈殿させる。
工程f:エタノール、水、及びNaOH溶液で洗浄する。
工程g:加熱しながら(50℃)約2時間、エタノール/NaOH溶液中で架橋を完了させる。
工程h:溶液のpHを7に中和する。
工程i:沈殿物を洗浄し、乾燥させる。
工程j:得られた乾燥粉末を緩衝0.9%NaCl溶液中でゲル状に膨潤させる。
工程k:ゲルをシリンジに充填し、オートクレーブし、組織フィラーを得る。
【0421】
実施例8:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:ヒアルロン酸をNaOH溶液に溶解することができる。
工程b:NaOHに溶解させたBDDEをHA/NaOH溶液に添加する。
工程c:加熱混合して架橋させる。
工程d:絹溶液を架橋されたHA/NaOH溶液に添加し、金属メッシュに通し、水中で膨潤させる。
工程e:エタノール中で膨潤ゲルを沈殿させる。
工程f:エタノール、水、及びNaOH溶液で洗浄する。
工程g:加熱しながら(50℃)約2時間、エタノール/NaOH溶液中で架橋を完了させる。
工程h:溶液のpHを7に中和する。
工程i:沈殿物を洗浄し、乾燥させる。
工程j:得られた乾燥粉末を緩衝0.9%NaCl溶液中でゲル状に膨潤させる。
工程k:ゲルをシリンジに充填し、オートクレーブし、組織フィラーを得る。
【0422】
実施例9:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:ヒアルロン酸をNaOH溶液に溶解することができる。
工程b:NaOHに溶解させたBDDEをHA/NaOH溶液に添加する。
工程c:加熱混合して架橋させる。
工程d:金属メッシュに通し、水中で膨潤させる。
工程e:エタノール中で膨潤ゲルを沈殿させる。
工程f:エタノール、水、及びNaOH溶液で洗浄する。
工程g:絹溶液を工程fで調製した材料に添加し、加熱しながら(50℃)約2時間、エタノール/NaOH溶液中で架橋を完了させる。
工程h:溶液のpHを7に中和する。
工程i:沈殿物を洗浄し、乾燥させる。
工程j:得られた乾燥粉末を緩衝0.9%NaCl溶液中でゲル状に膨潤させる。
工程k:ゲルをシリンジに充填し、オートクレーブし、組織フィラーを得る。
【0423】
実施例10:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:ヒアルロン酸ナトリウムを、本明細書に記載されるようにNaOH溶液と絹溶液に混合することができる。
工程b:BDDEを工程aの溶液に添加することができる。
工程c:工程bの生成物を反応させる。
工程d:工程cの透析混合物にアンモニアを添加し、混合物をペトリ皿に注ぐ。
工程e:工程dの生成物を膜状に乾燥させる。
工程f:工程eの膜を粒子状に分割し、生理食塩水中で膨潤させる。
工程g:工程fの生成物をシリンジに添加し、オートクレーブする。
工程h(任意):工程fの生成物を、BDDE溶液又は本明細書に記載の他の架橋剤を用いる第2の最終的な架橋手続に付し、洗浄することができる。
【0424】
実施例11:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:ヒアルロン酸ナトリウムをNaOH溶液と混合することができる。
工程b:絹溶液を工程aの溶液に添加することができ、BDDEを添加することができる。
工程c:工程bの生成物を反応させる。
工程d:工程cの透析混合物にアンモニアを添加し、混合物をペトリ皿に注ぐ。
工程e:工程dの生成物を膜状に乾燥させる。
工程f:工程eの膜を粒子状に分割し、生理食塩水中で膨潤させる。
工程g:工程fの生成物をシリンジに添加し、オートクレーブする。
工程h(任意):工程fの生成物を、BDDE溶液又は本明細書に記載の他の架橋剤を用いる第2の最終的な架橋手続に付し、洗浄することができる。
【0425】
実施例12:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:ヒアルロン酸ナトリウムをNaOH溶液と混合することができる。
工程b:BDDEを工程aの溶液に添加することができる。
工程c:工程bの生成物を絹溶液に添加し、反応させる。
工程d:工程cの透析混合物にアンモニアを添加し、混合物をペトリ皿に注ぐ。
工程e:工程dの生成物を膜状に乾燥させる。
工程f:工程eの膜を粒子状に分割し、生理食塩水中で膨潤させる。
工程g:工程fの生成物をシリンジに添加し、オートクレーブする。
工程h(任意):工程fの生成物を、BDDE溶液又は本明細書に記載の他の架橋剤を用いる第2の最終的な架橋手続に付し、洗浄することができる。
【0426】
実施例13:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:ヒアルロン酸ナトリウムをNaOH溶液と混合することができる。
工程b:BDDEを工程aの溶液に添加することができる。
工程c:工程bの生成物を反応させる。
工程d:工程cの生成物を絹溶液に添加した後、アンモニアをその透析混合物に添加し、混合物をペトリ皿に注ぐ。
工程e:工程dの生成物を膜状に乾燥させる。
工程f:工程eの膜を粒子状に分割し、生理食塩水中で膨潤させる。
工程g:工程fの生成物をシリンジに添加し、オートクレーブする。
工程h(任意):工程fの生成物を、BDDE溶液又は本明細書に記載の他の架橋剤を用いる第2の最終的な架橋手続に付し、洗浄することができる。
【0427】
実施例14:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:本明細書に記載されるよう絹溶液を調製することができ、これに、BDDE水溶液を添加することができる。
工程b:HAを工程aの溶液に添加することができる
工程c:工程bの混合物を撹拌(例えば、5分間)し、約1日間放置することができる。
工程d:工程cから得られたゲルを、1週間、生理食塩水中に放置し、組織フィラーを得ることができる。
【0428】
実施例15:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:BDDEを水に添加することができる。
工程b:工程aの溶液に絹溶液を添加することができ、次いで、これにHAを添加することができる。
工程c:工程bの混合物を撹拌(例えば、5分間)し、約1日間放置することができる。
工程d:工程cから得られたゲルを、1週間、生理食塩水中に放置し、組織フィラーを得ることができる。
【0429】
実施例16:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:BDDEを水に添加することができる。
工程b:工程aの溶液にHAを添加することができる。
工程c:工程bの混合物に絹溶液を添加することができ、得られる混合物を撹拌(例えば、5分間)し、約1日間放置することができる。
工程d:工程cから得られたゲルを、1週間、生理食塩水中に放置し、組織フィラーを得ることができる。
【0430】
実施例17:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:本明細書に記載されるように絹溶液に、NaOH溶液に溶解させたHA(400rpmで約12時間混合)を添加することができる。
工程b:工程aの溶液を脱ガスすることができる。
工程c:工程bの溶液を、50℃で約10~20分間、本明細書に記載の架橋剤(例えば、BDDE)と混合することができる。
工程d:架橋ゲルをリドカインHClと混合する。
工程e:調整された架橋溶液の透析を3日間行うことができる、次いでPBSで2日間、次いで水で1日間行う。
工程f:濾過した生成物は、次いで、凍結乾燥し固体を得る。
工程g:固体をPBSに溶解し、次いでインキュベートする。
工程h(任意):遊離HAを工程gの生成物に添加することができる。
工程i:工程g又はhの得られた生成物を、蒸気オートクレーブで滅菌することができる。
【0431】
実施例18:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:HAをNaOH溶液に溶解させることができる(400rpmで約12時間混合)。
工程b:工程aの溶液に絹溶液を添加することができ、得られた混合物を脱ガスすることができる。
工程c:工程bの溶液を、50℃で約10~20分間、本明細書に記載の架橋剤(例えば、BDDE)と混合することができる。
工程d:架橋ゲルをリドカインHClと混合する。
工程e:調整された架橋溶液の透析を3日間行うことができる、次いでPBSで2日間、次いで水で1日間行う。
工程f:濾過した生成物は、次いで、凍結乾燥し固体を得る。
工程g:固体をPBSに溶解し、次いでインキュベートする。
工程h(任意):遊離HAを工程gの生成物に添加することができる。
工程i:工程g又はhの得られた生成物を、蒸気オートクレーブで滅菌することができる。
【0432】
実施例19:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:HAをNaOH溶液に溶解させることができる(400rpmで約12時間混合)。
工程b:工程aの溶液を脱ガスすることができる。
工程c:絹溶液を工程bの溶液に添加することができ、得られた混合物を、50℃で約10~20分間、本明細書に記載の架橋剤(例えば、BDDE)と混合することができる。
工程d:架橋ゲルをリドカインHClと混合する。
工程e:調整された架橋溶液の透析を3日間行うことができる、次いでPBSで2日間、次いで水で1日間行う。
工程f:濾過した生成物は、次いで、凍結乾燥し固体を得る。
工程g:固体をPBSに溶解し、次いでインキュベートする。
工程h(任意):遊離HAを工程gの生成物に添加することができる。
工程i:工程g又はhの得られた生成物を、蒸気オートクレーブで滅菌することができる。
【0433】
実施例20:提案される組織フィラー調製方法
本明細書に記載の絹/HA組織フィラーは、以下の一般的方法にしたがって調製することができた。
工程a:HAをNaOH溶液に溶解させることができる(400rpmで約12時間混合)。
工程b:工程aの溶液を脱ガスすることができる。
工程c:工程bの溶液を、50℃で約10~20分間、本明細書に記載の架橋剤(例えば、BDDE)と混合することができる。
工程d:絹溶液を工程cの生成物に添加することができ、混合物をリドカインHClと混合することができる。
工程e:調整された架橋溶液の透析を3日間行うことができる、次いでPBSで2日間、次いで水で1日間行う。
工程f:濾過した生成物は、次いで、凍結乾燥し固体を得る。
工程g:固体をPBSに溶解し、次いでインキュベートする。
工程h(任意):遊離HAを工程gの生成物に添加することができる。
工程i:工程g又はhの得られた生成物を、蒸気オートクレーブで滅菌することができる。
【0434】
実施例21:BDDEで架橋された絹とヒアルロン酸からなる皮膚フィラー製剤
材料:1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE;Sigma-Aldrich);ヒアルロン酸ナトリウム(HA;Lifecore);絹、6%溶液(Silk Therapeutics);水酸化ナトリウム、0.1N溶液(BDH);塩酸、5N(Ricca Chemical);リン酸緩衝生理食塩水(PBS;20倍、VWR Life Science)。
【0435】
製剤変数:絹分子量:中及び低MW絹溶液(6%);HA分子量:1.5MDaと2.2MDa;絹濃度:1%V/V(0.6mg/mL)、2%V/V(6mg/mL)5%V/V(3mg/mL)、及び20%V/V(12mg/mL)。
【0436】
ヒドロゲル架橋:(a)0.1N水酸化ナトリウムに6%絹溶液を添加する;(b)絹含量に応じて、200~400rpmの速度でオーバーヘッド攪拌下にて、上で調製した溶液にHA粉末を徐々に添加する;気泡の過剰発生を避けるために軽く攪拌する;HAが完全に溶解するまで撹拌を続ける;(c)上の溶液にBDDE1%V/Vを添加する;(d)50℃に加熱し、30分間100~200rpmで撹拌を続ける;(e)架橋されたゲルを30℃未満まで冷却させる;(f)5N塩酸を添加し、pHを7.0~7.4に調整する。
【0437】
ヒドロゲル透析:(a)透析カセットを2分間水和する;過剰な水を拭き取り、空のカセットの総質量を測定する;(b)透析カセットにヒドロゲル製剤約18gを添加する;ゲル充填後にカセットの総質量を測定する;(c)透析カセットを1×PBS緩衝液2L中に懸濁し、200rpmでマグネティックスターラを設定する;透析開始時点を記録し、透析4時間、24時間、48時間後にPBSバッファを変える;72時間後にゲルを回収する。
【0438】
特性評価:剪断貯蔵弾性率(G’)及び粘度;酵素分解;残留BDDE;架橋密度;30日目の動物研究;細胞毒性;細菌内毒素;濁度。
【0439】
粘弾性:Discovery HR-1ハイブリッドレオメーター(TA Instruments)を用いて、皮膚フィラー製剤の貯蔵弾性率(G’)及び複素粘度(η)を測定した。サンプルは、ディケード間隔当たり10個のデータ点で0.1Hzから10Hzに振動周波数を掃引して試験した。データを記録し、5Hzの剪断速度で比較した。一定のHA濃度及び可変絹濃度を有するヒドロゲル製剤(透析後)のG’及びγデータを表19に示す。このバッチでは、1.5MDaの分子量のHAを用いた。
【表19】
【0440】
HAと絹の一定総濃度30mg/mLを有するヒドロゲル製剤(透析後)のG’及びγデータを表20にまとめる。
【表20】
【0441】
ヒドロゲルの可逆性:絹タンパク質含有又は不含ヒドロゲルを調製し、透析した。最終組成は、絹-HAヒドロゲルで33.3mg/mLのHA+8mg/mLの絹であり、HAヒドロゲルで33.3mg/mLのHAであった。上で調製したヒドロゲル1g±100gを、20mLガラスバイアルに添加した後、1×PBS中ヒアルロニダーゼ(16U/mL)を3mL添加した。サンプルを3日間37℃でインキュベートした。また、対照サンプルを、ヒアルロニダーゼを添加せずにHAヒドロゲルを用いて調製した。分解プロファイルを
図28に示す。ヒアルロニダーゼ不含の対照サンプルは、3日間のインキュベーション過程で分解されなかった。インキュベーションの最初の6時間以内に、ヒドロゲルはバッファを吸収し膨潤して、パーセンテージ質量の上昇をもたらした。絹-HAヒドロゲルとHAヒドロゲルは、3日間のインキュベーション後に完全に分解された。絹が存在すると、ヒドロゲルは、純粋なHAヒドロゲルよりも速く消化された。インキュベーションの12時間後、絹-HAヒドロゲルの約90%が酵素により消化された。
【0442】
架橋剤(BDDE)残渣:表19に列挙したサンプルは、Millennium Research Laboratories,Inc.(MRL)のGC-FIDを用いBDDE残渣について試験した。MRLテストレポートMRL18JAN06は、全ての試料中において検出可能なBDDE残渣がなく、2ppm以下という許容基準を満たすことを示した。
【0443】
架橋密度:表19に列挙したサンプルを、ヒアルロニダーゼで更に完全に消化し、NMRを用いて分析し、架橋密度をパーセンテージ変性の観点で測定した。試験結果を表21(MRLテストレポートMRL18JAN07)に示す。
【表21】
【0444】
動物研究:モルモットモデルを用いた30日間の動物実験を、WuXi AppTec Minneapolis、MN施設で行い、製品安全性の問題に対処した。組織応答を評価するために、本研究では2つの終了時点、7日目と30日目を設けた。研究は、WuXi AppTecレポートD28195(プロジェクトC19879)にまとめた。2つの対照サンプル(Juvederm Ultra Plus及び表19のサンプルC2)及び6つの製剤(表19のサンプルA~F)は、皮内注入に使用しました。サンプルA~F及び対照サンプルC2は、注入前にNelson Laboratories,LLCで蒸気滅菌した(プロトコル201707289)。研究手続は簡潔には、24頭の動物(1期間当たり12頭)を本研究に用いた。各動物は、スレッディング技術(ボーラスではなくラインを注入する)を用いて6箇所の背側の皮内注入を施された。即ち、脊椎の片側に1つの対照部位、その反対側の第2の対照部位(側は、動物ごとに交互に割り当てる)、及び所定の試験物質の1以上の注入を行う4箇所の試験部位(右側と左側は、は動物間で交互に割り当てる)。動物は、一般的な健康状態を評価するための研究を通して毎日観察した。動物を終了予定日に人道的に安楽死させた。全ての動物から移植部位及び周囲組織を切除し、ホルマリンに入れ、パラフィンブロックに加工した後、組織病理学的評価を行った。代表的な組織学画像と病理学的所見を表22にまとめた。全体として、移植部位のいずれにおいても敗血症又は免疫応答を示唆するものはなかった。
【表22】
【0445】
細菌内毒素:3つの滅菌後サンプル(サンプルA、サンプルE、及びサンプルC2)を、(表19に列挙された)動物実験で使用される7種の製剤から細菌エンドトキシン試験のために選択した。動的比濁法を用いてエンドトキシンレベルを測定した。試験結果を表23に示すが、許容基準である20EU/ml(Nelson Labs研究レポート1006775-S01)を下回っている。
【表23】
【0446】
生体適合性-4つの滅菌後サンプル(サンプルA、サンプルB、サンプルD、及びサンプルE)を、(表19に列挙された)動物実験で使用される7種の製剤からISO-10993-5細胞毒性試験(L-929マウス線維芽細胞を用いるISO MEM溶出)のために選択した。これらのサンプルは、試験した皮膚フィラー製剤において中分子量絹及び低分子量絹の最大含量及び最低含量を示した。テストレポートは、全ての試験サンプルが、非細胞傷害性を意味するグレード0のスコアでありことを示した(Wuxi AppTec D28287-1、D28287-2、D28287-3、D28287-4)。
【0447】
濁度:純粋なHAヒドロゲルは、自然光の下で透明である。HAは、絹タンパク質と架橋されると、ヒドロゲルが僅かに濁り(曇り)、その濁度は、製剤中の総絹濃度に依存する。濁度は、標準透過光に加えて前方散乱光も集める能力を有する、InGaAs積分球を備えたLambda X50S紫外可視分光光度計(PerkinElmer)により測定した。絹-HAヒドロゲルの濁度測定を
図35に示す。黒色曲線は、標準透過率であり、赤色曲線は、顕著な前方散乱を示す球によって集められた。絹を含まない純粋なHAヒドロゲルを対照サンプルとして使用した。
図36の各曲線は、ほぼ同一であり、純粋なHAゲルの散乱を殆ど示さない。濁度測定は、絹-HAヒドロゲルが、皮膚フィラーとして用いたときにチンダル現象を排除することができる光散乱能力を有することを示唆した。
【0448】
結論:皮膚フィラー製剤は、一定のHA濃度、各種絹含量、及び一定の総濃度を有するように作製した。これらの製剤は、各種用途につながり得る、広範囲の貯蔵弾性率、粘度、及び架橋密度を示した。絹-HAヒドロゲルは酵素的に可逆的であった。ヒドロゲル製剤の透析後の架橋剤残渣は、許容基準を満たした。細胞毒性試験は、0.48mg/mL~9.6mg/mLの範囲の絹含量を有する絹-HAヒドロゲルが、細胞傷害性がなく及び生体適合性であることを示した。30日間の動物研究により、絹含量が最大9.6mg/mLの全ての製剤が敗血症を引き起こさず、免疫応答がなかったことを示した。
【0449】
実施例22:PEGDE(PEGDGE)で架橋された絹とヒアルロン酸からなる皮膚フィラー製剤
架橋剤:ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(PEGDE)、平均分子量Mn=500。反応条件:BDDE架橋と同じ(実施例21)。PEGDEの合計量はモル数でBDDEと同等であった。
【表24】
【0450】
実施例23:動物研究C20419
製剤及び動物研究C20419のためのサンプルの製剤及び特徴評価は、表25に示す通りである。
【表25】
【0451】
図37~
図46は、研究の結果を示す。
図37は、対照皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である。
図38は、本発明のHA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(24mg/mLのHA、PEGDE架橋、サンプルC4-表25)。
図39は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(22.8mg/mLのHA、1.2mg/mLの絹、PEGDE架橋、サンプルL-表25)。
図40は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(23.76mg/mLのHA、0.24mg/mLの絹、PEGDE架橋、サンプルM-表25)。
図41は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(22.8mg/mLのHA、1.2mg/mLの絹、PEGDE架橋、サンプルN-表25)。
図42は、本発明の絹-HA皮膚フィラーを注入したモルモットにおける皮内領域の代表的な組織学的写真である(22.8mg/mLのHA、1.2mg/mLの絹、PEGDE架橋、サンプルO-表25)。
【0452】
図43~
図46は、移植後7日間目の表25の製剤(スコア:0-正常;1-最小;2-軽度;3-中程度;4-重度)の組織学的結果のグラフ表示である。
図43は、ゲル分解についての、移植後7日間目の組織学的結果を示すグラフであり、BDDE架橋製剤は大部分が分解される。
図44は、ゲル移動についての、移植後7日間目の組織学的結果を示すグラフである。
図45は、炎症についての、移植後7日間目の組織学的結果を示すグラフであり、組織の壊死が観察されず、血液凝固が観察されず、観察されたコラーゲン沈着は、対照製剤と試験製剤の一部で最小限であった。
図46は、マクロファージについての、移植後7日間目の組織学的結果を示すグラフである。
【0453】
実施例24:PEGDE架橋絹-HAヒドロゲルの性質:1)剪断貯蔵弾性率(G’)、及び2)透析中の膨潤率
皮膚フィラー調製、材料:ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(PEGDE)、Mn=500、Sigma-Aldrich;ヒアルロン酸ナトリウム(HA)、Lifecore;絹、6%溶液、Silk Inc.;水酸化ナトリウム、0.1N溶液、BDH;塩酸、5N、Ricca Chemical;リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、20倍、VWR Life Science。
【0454】
皮膚フィラー製剤の変数:絹分子量:中及び低MW絹溶液(6%);HA分子量:700KDa及び1.5MDa;絹濃度(初期):0~15mg/mL。
【0455】
高濃度のヒドロゲル架橋:0.1N水酸化ナトリウムに6%絹溶液を添加する;100mg/mLの混合分子量HA(700KDa/1.5MDa=90/10)を、上で調製した溶液に穏やかに攪拌しながらHAが完全に溶解するまで徐々に添加する;PEGDEを前記溶液に添加する;水浴を40℃に加熱し、45分間、水浴中で架橋を維持する;架橋されたゲルを30℃未満に冷却する;5N塩酸を1×PBSに添加し、ゲルを40mg/mLに希釈し、最終pHを7.0~7.4に調整する。
【0456】
低濃度のヒドロゲル架橋:0.1N水酸化ナトリウムに6%絹溶液を添加する;25mg/mLの1.5MDaのHAを、上で調製した溶液に穏やかに攪拌しながらHAが完全に溶解するまで徐々に添加する;PEGDEを前記溶液に添加する;水浴を40℃に加熱し、45分間、水浴中で架橋を維持する;架橋されたゲルを30℃未満に冷却する;5N塩酸を架橋されたゲルに添加し、最終pHを7.0~7.4に調整する。
【0457】
ヒドロゲル透析:透析カセット(20kDaのMWCO)を2分間水和する;過剰な水を拭き取り、空のカセットの総質量を測定する;透析カセットにヒドロゲル約18gを添加する;ゲル充填後にカセットの総質量を測定する;透析カセットを1×PBS緩衝液2L中に懸濁し、200rpmでマグネティックスターラを設定する;透析72時間後にゲルを回収する。
【0458】
粘弾性
Discovery HR-1ハイブリッドレオメーター(TA Instruments)を用いて、ヒドロゲル製剤の貯蔵弾性率(G’)を測定した。サンプルは、ディケード間隔当たり10個のデータ点で0.1Hzから10Hzに振動周波数を掃引して試験した。データを記録し、5Hzの剪断速度で比較した。一定のHA濃度及び可変絹濃度の透析前後のヒドロゲル製剤のG’を、
図47A及び
図47Bに示す。高初期HA濃度でPEGDEにより架橋されたヒドロゲルの場合、G’に対する絹濃度の影響は、HAの合計に対する絹の比率が比較的低いので最小である。それはまた、絹濃度の変化による影響が小さい低分子量(700kDa)を90%含む混合HAにも起因する場合がある。低初期HA濃度でPEGDEにより架橋されたヒドロゲルの場合、製剤に添加した絹の量がより多いので、G’が上昇した。初期HA濃度が低く、また、高分子量HA(1.5MDa)に対して与える影響がより大きいとき、絹濃度の変化がG’に与える影響がより大きい。G’に対する絹分子量の実質的な影響は、いずれの架橋手続について観察されなかった。
【0459】
透析中の膨潤率:ヒドロゲル製剤に添加される絹の量が、いずれの架橋手続における透析中のゲル膨潤に対しても影響を及ぼすことを示す明確な傾向はなく、中分子量絹と低分子量絹との間で実質的な差がなかった(
図48A及び
図48B)。
【0460】
ヒドロゲル製剤中の絹濃度のG’に対する影響は、混合HAが高初期HA濃度でPEGDEにより架橋されると、最小であるが、単一の高MWHAが低初期HA濃度で架橋されると、G’に比例した。HAがPEGDEにより架橋されたときのG’への寄与と膨潤を比較すると、ゲル製剤における絹の分子量は、実質的な差がなかった。
【0461】
実施例25:絹-HA皮膚フィラー製剤中の絹濃度
材料:絹、6%溶液、Silk,Inc.;リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、20倍、VWR Life Science;架橋ヒアルロン酸(HA)ゲル。
設備:水分計HE53、Mettler Toledo;Cary 100 紫外/可視分光光度計。
【0462】
較正標準曲線:中分子量及び低分子量の両方の6%絹溶液の乾燥含有量を測定し、絹溶液の実際の乾燥含有量(mg/mL)を決定する;1X PBS(例えば、1mg/mLの絹、0.75mg/mLの絹、0.5mg/mLの絹、0.25mg/mLの絹、及び0mg/mLの絹)を用いて6%絹溶液を希釈し、標準絹溶液の系列を作製する;石英キュベット中275nmでの各標準溶液の吸光度を測定する-吸光度測定は、200~800nmのスキャン、5nmのデータ間隔、及び0.1秒の平均コレクションで行うことができる;絹濃度(mg/mL)に対する275nmでの吸光度をプロットして、標準曲線を作成する。
【0463】
絹濃度の測定:275nmでの吸光度が0~1.0の範囲となるように、HAゲルサンプルを1X PBSで希釈する(例えば、サンプルを、ゲル対1X PBSの比が1:12(即ち、1200%希釈)で希釈することができる);絹-HAゲルサンプルの吸光度についてのスキャンを、200nm~800nmの範囲で1X PBSに対して行い、各ゲルサンプルの275nmでの吸光度ピークを測定する;ゲルサンプルの吸収信号を、絹を含有しないサンプルの吸収信号と、検量線の切片(絹を含有しないサンプルの絹濃度を0mg/mLに設定する)との間の差で補正することができる;絹-HAゲルサンプル中の絹濃度を較正曲線と希釈係数から計算することができる。
【0464】
較正曲線は、0mg/mL~1mg/mLの絹の各種濃度を有する一連の標準試料の275nmでの吸収を測定することによって作成した。中分子量絹及び低分子量絹溶液の較正曲線は、
図49A及び
図49Bに示される。中分子量絹の0.99947と低分子量絹の0.99949のR
2値は、較正曲線が、絹濃度0~1mg/mLの動作範囲内で線形であることを示す。これらの曲線を用いて、ゲルサンプル中の絹濃度を決定することができる。
【0465】
HA-絹ヒドロゲルの絹濃度の決定:
図50A及び
図50Bに示されるように、各サンプルについて、希釈した絹-HAヒドロゲルの275nmにおける吸収を測定した。各サンプルの絹濃度を較正曲線と希釈倍率で算出し、表26にまとめた。
【表26】
【0466】
実施例26:絹-HA皮膚フィラー製剤:ゲル不透明度
材料:架橋ヒアルロン酸(HA)ゲル;リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、20倍、VWR Life Science。
設備:Cary 100 紫外/可視分光光度計。
サンプル調製:サンプル内の気泡が最小量となるように、清浄な石英キュベットに約2mLのHAゲルを注入する;18G針を用いる注入は、試料中の気泡量を低減することができる;1X PBSのブランク参照サンプルは、第2の清浄な石英キュベットに添加することができる(注:不透明度測定のために、プラスチックキュベットを使用することができる。これは、プラスチックキュベットは、可視領域、400nm~800nmでの吸収を有さないからである)。
【0467】
ゲル不透明度の測定:データ間隔5nm及び平均時間0.1秒間で200nm~800nmのX-スキャニングレンジを設定する;透過光の測定のために%TであるようにY-モードを選択する(注:吸収も測定することができ、%Tは吸収値から計算することができる);1X PBS参照標準に対するゲルサンプルにスキャンを行う;データは、csvファイルとして保存することができ、スペクトルをプロットすることができる。
【0468】
ゲル不透明度は、標準的な透過光用の紫外/可視分光光度計を用いて測定することができる。光学的に透明な試料は光を100%透過するのに対して、僅かに濁った又は曇ったサンプルは、その光の一部分のみを透過することができる。
図51は、絹含有及び絹不含HAヒドロゲルの濁度測定を示す。青色曲線は、3mg/mLの絹と26mg/mLのHAを含有する絹-HAゲルサンプルの透過光の%透過率を示す。赤色曲線は、絹を含有せず20mg/mLのHAを含有するサンプルの透過光を示し、絹含有サンプルよりも光の透過が高いことを示す。濁度測定は、絹-HAゲルが、絹不含HAゲルよりも可視光を散乱させる能力を有することを示唆する。
【0469】
実施例27:NMRによって決定されるHAヒドロゲルの変性度(MoD)
変性度(MoD)は、HAの繰り返し単位のモル数に対する全ての架橋された架橋剤分子の化学量論比として定義される。架橋されたリンカー及びモノリンク(mono-linked)されたリンカーの両方がMoDに含まれる。MoDは、2.1ppmにおけるHA中のN-アセチル基、及び1.7ppmにおけるBDDE架橋剤又は3.0~4.5ppmのPEGDE架橋剤由来の信号を積分することにより1H NMRスペクトルから決定される。
【0470】
酵素分解の前に、HAヒドロゲルを、まずPBS(1X、2L×5)溶液に対して透析し、遊離の架橋剤を除去した。Slide-A-Lyzer透析カセット(MWCO 3.5 K、Thermo Scientific,Rockford,IL)を使用し、PBS溶液を72時間RTで攪拌した。透析後、HAヒドロゲル溶液1mLを取り出し、Labconco FreeZone凍結乾燥機(2.5L)で凍結乾燥して、乾燥粉末を得た。
【0471】
NMRサンプルを調製するために、乾燥粉末10mgをNMRチューブ(5mm、Wilmad-LabGlass)に入れ、ヒアルロニダーゼ(MP Biomedicals,Solon,OH)の重水(D2O、Alfa Aesar,Ward Hill,MA)溶液0.6mLを添加した。ヒアルロニダーゼの量は、HA1mg当たり5Uとした。NMRチューブを37℃で一晩インキュベートし、全てのHAを分解させた。NMRスペクトルは、Varian MR 400 MHzの自動NMRシステムで記録した。緩和遅延時間は1秒間であり、スキャン数は256である。データを全て、MestReNovaソフトウェア(12.0.2版)を使用して処理した。
【0472】
実施例28:絹-HA 2工程架橋プロセス
絹-HAヒドロゲルは、2工程架橋プロセスで形成し、HAに対する絹の結合効率を改善することができる。所定の製剤の場合、第1の工程で、全ての絹タンパク質と低分子量HAの少量を、pH10のNaOH溶液に添加し、次いで、架橋剤の一部と反応させる。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、この工程の間に、できるだけ多くの絹が架橋剤と反応すると考えられる。第2の工程で、NaOH溶液を添加し、工程1の生成物を希釈し、pHを13に上げる。次いで、残りの低分子量HA、全ての高分子量HA、及び残りの架橋剤を溶液に添加し、架橋反応を完了させる。
【0473】
実施例29:HAヒドロゲルの合成
各種HA分子量、架橋剤、反応時間、反応温度、HA濃度、架橋剤比、混合プロセス、撹拌方法を用いてHAヒドロゲルを合成した。表27及び表28は、使用される種々の反応条件及び得られた種々のヒドロゲルを示す。
【表27】
【表28-1】
【表28-2】
【表28-3】
【0474】
本明細書で引用したすべての特許、特許出願及び公開されている文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示の方法をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、さらなる改変が可能であることを理解されよう。更に、本出願は、本開示の方法が関係する当業界の公知又は慣用的な実務内にあるような本開示からの逸脱を含む、本開示の方法の任意の変形、使用又は適応を包含するものである。