(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139311
(43)【公開日】2023-10-03
(54)【発明の名称】電気刺激装置
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20230926BHJP
【FI】
A61N1/36
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127161
(22)【出願日】2023-08-03
(62)【分割の表示】P 2019064554の分割
【原出願日】2019-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】599083411
【氏名又は名称】株式会社 MTG
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】松下 剛
(57)【要約】
【課題】良好な使い勝手を得られる電気刺激装置を提供する。
【解決手段】本体12と、本体12に設けられる複数の第1電極22L、22Rと、ユーザの身体に取り付けられる取付具14L、14Rと、取付具14L、14Rに設けられる第2電極32L、32Rと、複数の第1電極22L、22R及び第2電極32L、32Rに電源から供給される電気刺激用電力を制御する制御部48と、本体と取付具を接続するとともに電力を伝送する接続部材16L、16Rと、を備え、接続部材16L、16Rは、本体12及び取付具14L、14Rのうちの少なくとも一方に着脱可能に繋げられ、制御部48は、本体12と取付具14L、14Rの接続部材16L、16Rによる接続の有無に応じて、複数の第1電極22L、22R及び第2電極32L、32Rの中から電力の供給先を設定し、その設定した電極に電力を供給する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの筋肉に電気刺激を付与する電気刺激装置であって、
本体と、
前記本体に設けられる複数の第1電極と、
ユーザの身体に取り付けられる取付具と、
前記取付具に設けられる第2電極と、
前記複数の第1電極及び前記第2電極に電源から供給される電気刺激用電力を制御する制御部と、
前記本体と前記取付具を接続するとともに前記電力を伝送する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、前記本体及び前記取付具のうちの少なくとも一方に着脱可能に繋げられ、
前記制御部は、前記本体と前記取付具の前記接続部材による接続の有無に応じて、前記複数の第1電極及び前記第2電極の中から前記電力の供給先を設定し、その設定した電極に前記電力を供給する電気刺激装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記本体と前記取付具が前記接続部材により接続されていない状態にあることを条件として、前記複数の第1電極を前記電力の供給先に設定し、
前記本体と前記取付具が前記接続部材により接続された状態にあることを条件として、前記第1電極と前記第2電極を前記電力の供給先に設定する請求項1に記載の電気刺激装置。
【請求項3】
前記本体と前記取付具の前記接続部材による接続を検知する接続検知部を備え、
前記制御部は、前記接続検知部の検知結果に基づいて、前記複数の第1電極及び前記第2電極の中から前記電力の供給先を設定する請求項1または2に記載の電気刺激装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気刺激装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの筋肉に電気刺激を付与するための電気刺激装置が提案されている。これを用いることで、筋肉の収縮と弛緩を伴う運動が促される。この一例として、特許文献1には、複数の本体と、複数の本体のそれぞれに設けられる複数の電極とを備える電気刺激装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、特許文献1の電気刺激装置を検討した。この結果、複数の本体の電極を用いて電気刺激を付与するうえで、使い勝手の面で改良の余地があるとの認識を得た。
【0005】
本発明のある態様は、このような課題に鑑みてなされ、その目的の1つは、良好な使い勝手を得られる電気刺激装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するための本発明のある態様は、ユーザの筋肉に電気刺激を付与する電気刺激装置であって、本体と、前記本体に設けられる複数の第1電極と、ユーザの身体に取り付けられる取付具と、前記取付具に設けられる第2電極と、前記複数の第1電極及び前記第2電極に電源から供給される電気刺激用電力を制御する制御部と、前記本体と前記取付具を接続するとともに前記電力を伝送する接続部材と、を備え、前記接続部材は、前記本体及び前記取付具のうちの少なくとも一方に着脱可能に繋げられ、前記制御部は、前記本体と前記取付具の前記接続部材による接続の有無に応じて、前記複数の第1電極及び前記第2電極の中から前記電力の供給先を設定し、その設定した電極に前記電力を供給する。
【0007】
前述の電気刺激装置によれば、良好な使い勝手を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の電気刺激装置の構成図である。
【
図4】
図4(A)は、第1実施形態の電気刺激装置の第1利用シーンを示す模式図であり、
図4(B)は、その第2利用シーンを示す模式図である。
【
図5】第1実施形態の電気刺激装置の機能を示すブロック図である。
【
図6】第1実施形態の電気刺激装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7(A)は、第1実施形態の第2電極の裏面図であり、
図7(B)は、
図7(A)のA-A断面図である。
【
図11】第4実施形態の電気刺激装置の側面図である。
【
図12】第5実施形態の本体を前側から見た斜視図である。
【
図13】第5実施形態の本体を後側から見た斜視図である。
【
図14】第5実施形態の本体の模式的な側面断面図である。
【
図15】第6実施形態の本体の模式的な側面断面図である。
【
図16】第7実施形態の本体の模式的な側面断面図である。
【
図17】電気刺激装置の動作パターンの一例を示す表である。
【
図18】電気刺激装置の動作パターンの他の例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、その寸法を適宜拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。本明細書での「当てる」、「接触」、「固定」、「取り付け」とは、特に明示がない限り、言及している条件を二者が直接的に満たす場合の他に、他の部材を介して満たす場合も含む。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1を参照する。電気刺激装置10は、ユーザの筋肉に電気刺激を付与するためのものである。本明細書での「ユーザ」とは、たとえば、電気刺激装置10が販売される国で平均体格を持つものをいう。電気刺激装置10は、たとえば、筋力トレーニングに利用できる。本実施形態の電気刺激装置10は、本体12と、取付具14L、14Rと、接続部材16L、16Rとを備える。
【0011】
図2、
図3を参照する。本実施形態の本体12は床面FLに置かれて用いられる。以下、特に明示しない限り、本体12を水平な床面FL上に配置したときを基準に説明する。このとき、互いに直交する三つの方向を用いて説明する。この方向とは、前後方向X、左右方向Y及び上下方向Zである。前後方向Y、左右方向Yは水平方向であり、上下方向Zは鉛直方向である。
【0012】
本体12には、ユーザの左右の足Ftのそれぞれに個別に対応する一対の足置き部18L、18Rが設けられる。一対の足置き部18L、18Rには、左足に対応する左足置き部18Lと、右足に対応する右足置き部18Rとが含まれる。
【0013】
足置き部18L、18Rは、対応する足Ftの少なくとも一部を置くことができる形状である。本実施形態の足置き部18L、18Rは、複数の足置き領域20A、20Bにより構成される。複数の足置き領域20A、20Bには、足Ftの少なくとも踵を置くことができる踵側足置き領域20Aと、足Ftの少なくともつま先を置くことができるつま先側足置き領域20Bとが含まれる。
【0014】
本体12には、一対の第1電極22L、22Rが設けられる。一対の第1電極22L、22Rは、左右の足のそれぞれに対応して個別に設けられる。本実施形態の一対の第1電極22L、22Rには、左足に対応する左側第1電極22Lと、右足に対応する右側第1電極22Rとが含まれる。一対の第1電極22L、22Rは、ユーザの左右の半身のそれぞれに対応しているとも捉えられる。一対の第1電極22L、22Rは、対応するユーザの足(半身)に当てて電子刺激を付与するためのものである。本実施形態の一対の第1電極22L、22Rのそれぞれは、一対の足置き部18L、18Rのそれぞれを構成する。
【0015】
本実施形態の本体12は中空構造であり、ハウジング24と、ビス等を用いてハウジング24に固定されるパッド部材26とを備える。本実施形態のパッド部材26は足置き部18L、18Rや第1電極22L、22Rを構成する。パッド部材26は、たとえば、導電性ゴムを用いて構成される。この導電性ゴムは、たとえば、エチレンプロピレンジエンゴム等のゴム基材に、カーボンブラック、金属粉末等の導電性付与剤を混ぜ込んで構成される。
【0016】
本体12には、電気刺激装置10の動作の変更に用いられる複数の操作部28A、28Bが設けられる。本実施形態の複数の操作部28A、28Bには、本体12の上面部に設けられる第1操作部28A及び第2操作部28Bが含まれる。本実施形態の操作部28A、28Bは、ハウジング24とは別部材であり、不図示のビス等を用いてハウジング24に固定される。本実施形態の操作部28A、28Bはユーザによる押し操作を受けるボタンを構成する。
【0017】
図1、
図4(B)を参照する。取付具14L、14Rは、ユーザの身体に取り付けられる。本実施形態の取付具14L、14Rは、ユーザの下半身に取り付けられる。ここでの「下半身」には脚、腰が含まれ、「脚」には足、腿が含まれる。本実施形態の取付具14L、14Rには、ユーザの左半身に対応する左側取付具14Lと、その右半身に対応する右側取付具14Rとが含まれる。本実施形態において、左側取付具14Lは左脚の上腿に取り付けられ、右側取付具14Rは右脚の上腿に取り付けられる。
【0018】
本実施形態の取付具14L、14Rは、可とう性を持つ面状構造体である。以下、特に言及しない限り、取付具14L、14Rを平面的に展開した状態を基準に説明する。本実施形態の取付具14L、14Rは、その厚み方向(
図1の紙面直交方向)から見て長尺なベルト状をなす。本実施形態の取付具14L、14Rは、身体への巻き付けにより、身体に取り付けられる。
【0019】
取付具14L、14Rの長手方向の両端部には互いに着脱可能に接続する接続構造30が設けられる。本実施形態の接続構造30は、面ファスナーであるが、特に限定されず、スナップボタン等でもよい。本実施形態の取付具14L、14Rは中空構造であり、表側生地部材52と裏側生地部材54(
図8参照)の外縁部の縫い付けにより一体化される。
【0020】
取付具14L、14Rには第2電極32L、32Rが設けられる。取付具14L、14Rには、複数の第1電極22L、22Rのそれぞれに対応する個別の第2電極32L、32Rが設けられる。複数の第2電極32L、32Rには、左側第1電極22Lに対応する左側第2電極32Lと、右側第1電極22Rに対応する右側第2電極32Rとが含まれる。本実施形態の左側第2電極32Lは左側取付具14Lに設けられ、右側第2電極32Rは右側取付具14Rに設けられる。複数の第2電極32L、32Rは、一対の第1電極22L、22Rと同様、左右の半身のそれぞれに対応して設けられる。第2電極32L、32Rは、対応するユーザの半身に当てて電気刺激を付与するためのものである。本実施形態の第2電極32L、32Rは、身体に対する取付具14L、14Rの取り付け位置と同様の箇所で身体に当てられる。本実施形態において、左側第2電極32Lは左脚の上腿に当てられ、右側第2電極32Rは右脚の上腿に当てられる。
【0021】
接続部材16L、16Rは、本体12と取付具14L、14Rを接続する。接続部材16L、16Rは、複数の取付具14L、14Rのそれぞれに対応して個別に設けられ、その対応する取付具14L、14Rと本体12を接続する。接続部材16L、16Rには、左側取付具14Lに対応するとともに左側取付具14Lと本体12を接続する左側接続部材16Lと、右側取付具14Rに対応するとともに右側取付具14Rと本体12を接続する右側接続部材16Rが含まれる。これにより、本体12と取付具14L、14Rを接続部材16L、16Rにより一体化でき、その持ち運びや取り使いが容易となる。
【0022】
本実施形態の接続部材16L、16Rは、電気ケーブル34を備える。接続部材16L、16Rの少なくとも一部は、本体12や取付具14L、14Rの位置の変化に追従できるように可とう性を持つ。ここでの「少なくとも一部」は、本実施形態では電気ケーブル34である。
【0023】
本実施形態の接続部材16L、16Rは、本体12に搭載される制御部48(後述する)から取付具14L、14Rの第2電極32L、32Rに電気刺激用電力を伝送可能である。接続部材16L、16Rは、本体12及び取付具14L、14Rのうちの一方に搭載される制御部48から、他方に設けられる電極に供給される電気刺激用電力を伝送可能であると捉えられる。ここでの「一方」とは、本実施形態では本体12であり、「他方」とは、取付具14、14Rである。
【0024】
接続部材16L、16Rは、本体12及び取付具14L、14Rのうちの少なくとも一方の本体に第1コネクタ36を介して着脱可能に繋げられる。本実施形態の接続部材16L、16Rは、本体12に着脱可能に繋げられ、取付具14L、14Rには、縫い付け、巻き付け、接着等により繋げられる。第1コネクタ36は接続部材16L、16Rの電気ケーブル34の端部に設けられ、本体12には接続部材16L、16Rが第1コネクタ36を介して繋がる第1受け部38が設けられる。本実施形態において、第1コネクタ36はプラグであり、第1受け部38はジャックである。本実施形態において、第1受け部38は本体12の左右方向の側面に設けられる。
【0025】
図5を参照する。各ブロックは、ハードウェア的には、集積回路をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現される。ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは当業者に容易に理解される。
【0026】
本実施形態の電気刺激装置10は、前述の電極22L、22R、32L、32Rや操作部28A、28Bの他に、電源40と、表示部42と、接触検知部44と、接続検知部46と、制御部48と、を備える。
【0027】
本実施形態の電源40は、本体12に収納される。電源40は、マンガン電池等の一次電池であるが、リチウムイオン電池等の充電可能な二次電池でもよい。電源40は、制御部48に電気的に接続され、複数の電極22L、22R、32L、32Rに制御部48を介して電力を供給する。
【0028】
表示部42は、たとえば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成される。表示部42は、電気刺激装置10の動作に関する情報を表示する。本実施形態の表示部42は、たとえば、電気刺激用電力の出力レベルを表示する。
【0029】
接触検知部44は、一対の第1電極22L、22Rに対するユーザの身体の接触状態を検知する。接触検知部44は、たとえば、荷重センサ、タッチセンサ、抵抗検出回路等である。接触検知部44は、制御部48に電気的に接続され、その検知結果を示す信号を制御部48に出力する。
【0030】
接続検知部46は、本体12と取付具14L、14Rの接続部材16L、16Rによる接続を検知する。接続検知部46は、たとえば、抵抗検出回路、スイッチ、近接センサ等である。接続検知部46は、制御部48に電気的に接続され、その検知結果を示す信号を制御部48に出力する。本実施形態の接続検知部46は、複数の接続部材16L、16Rに対応して個別に設けられ、その対応する接続部材16L、16Rによる接続を検知する。
【0031】
接続検知部46として抵抗検出回路を用いる場合を説明する。本体12と取付具14L、14Rが接続部材16L、16Rにより接続されていない場合、接続部材16L、16Rにより第1電極22L、22Rと第2電極32L、32Rが電気的に接続されず、これらの間の電気抵抗が無限大に近くなる。一方、本体12と取付具14L、14Rが接続部材16L、16Rにより接続されている場合、接続部材16L、16Rにより第1電極22L、22Rと第2電極32L、32Rが電気的に接続され、前述の場合より、これらの間の電気抵抗が小さくなる。接続検知部46に抵抗検出回路を用いる場合、これら第1電極22L、22Rと第2電極32L、32Rの抵抗値を検出し、その抵抗値と閾値を比較することで、接続部材16L、16Rによる接続を検知できる。
【0032】
本実施形態の制御部48は、操作部28A、28Bの押し操作時間に応じて、電気刺激装置10の動作を異なる態様で変更する。操作部28A、28Bの押し操作時間が所定の閾値時間(たとえば、1.5秒)未満の押し操作を短押し操作といい、所定の閾値時間以上の押し操作を長押し操作という。本実施形態の制御部48は、第1操作部28Aが短押し操作される毎に電気刺激用電力の出力レベルを小さくし、第2操作部28Bが短押し操作される毎に出力レベルを大きくする。また、本実施形態の制御部48は、第1操作部28Aが長押し操作されると電源40をオフにし、第2操作部28Bが長押し操作されると電源40をオンにする。
【0033】
制御部48は、複数の電極22L、22R、32L、32Rや電源40に電気的に接続される。本実施形態の制御部48は、複数の第1電極22L、22Rや電源40に本体12の内部配線を介して電気的に接続され、複数の第2電極32L、32Rに本体12の内部配線や接続部材16L、16Rを介して電気的に接続される。
【0034】
制御部48は、電源40から複数の電極22L、22R、32L、32Rに供給される電気刺激用電力を制御する電気刺激制御を行うことで、ユーザの身体に電気刺激を付与する。この電気刺激用電力(以下、単に電力ともいう)は、たとえば、予め設定された周波数範囲の交流電流である。この電気刺激用電力は、この他にも、たとえば、直流電流でもよい。この周波数範囲は、ユーザの筋肉に電気刺激を与えることができる範囲に設定される。電気刺激制御は、予め定められた動作パターンに従って、予め定められた出力レベルの電力を複数の電極22L、22R、32L、32Rに供給することで行われる。出力レベルは、交流電流を用いる場合、その電圧のピーク値または実効値のいずれかを用いて定められる。
【0035】
この電気刺激制御では、制御部48は、複数の電極22L、22R、32L、32Rの中から電力の供給先を設定し、その設定した電極に電力を供給する。本実施形態の制御部48は、本体12と取付具14L、14Rの接続部材16L、16Rによる接続の有無に応じて、複数の電極22L、22R、32L、32Rの中から電力の供給先を設定する。この設定方法は後述する。
【0036】
以上の電気刺激装置10の利用シーンの一例を説明する。
図4を参照する。本実施形態の利用シーンには、本体12の複数の第1電極22L、22Rを用いた第1利用シーン(
図4(A)参照)と、本体12の第1電極22L、22Rや取付具14L、14Rの第2電極32L、32Rを用いた第2利用シーン(
図4(B)参照)とがある。いずれの利用シーンでも、ユーザは、たとえば、立位姿勢、座位姿勢等をとってもよい。
【0037】
第1利用シーンでは、一対の第1電極22L、22Rのそれぞれに左右の足を当てる。本実施形態では、一対の第1電極22L、22Rが構成する足置き部18L、18Rに足を載せることで、一対の第1電極22L、22Rのそれぞれに左右の足を当てる。第2利用シーンでは、第1利用シーンでの本体12の使い方に加えて、ユーザの身体に取付具14L、14Rを取り付ける。これにより、取付具14L、14Rの第2電極32L、32Rがユーザの身体に当てられる。
【0038】
次に、電気刺激装置10の動作の一例を説明する。
図4、
図6を参照する。
【0039】
電気刺激装置10の制御部48は、予め定められた電気刺激開始条件を満たしたときに電気刺激制御を開始する(S10)。ここでの電気刺激開始条件とは、たとえば、電源がオンの状態にあるときに第2操作部28Bを長押し操作することである。
【0040】
制御部48は、電気刺激制御を開始すると、本体12と取付具14L、14Rの接続部材16L、16Rによる接続の有無に応じて、複数の電極22L、22R、32L、32Rの中から電力の供給先を設定する(S12)。本実施形態の制御部48は、接続検知部46の検知結果に基づいて、電力の供給先を設定する。
【0041】
詳しくは、制御部48は、電気刺激制御を開始すると、各本体12、14L、14Rの接続部材16L、16Rによる接続を接続検知部46により検知させ、その検知結果を示す信号を接続検知部46から制御部48に出力させる。
【0042】
図4(A)に示すような第1利用シーンを想定する。図の例では、本体12と取付具14L、14Rが接続部材16L、16Rにより接続されていない状態にある。制御部48は、このように本体12と取付具14L、14Rが接続部材16L、16Rにより接続されていない状態にあることを条件として、複数の第1電極22L、22Rを通る第1閉回路Caを形成するように電力の供給先を設定する。本実施形態の制御部48は、この状態にあると接続検知部46が検知したことを条件として、このように電力の供給先を設定する。
【0043】
第1閉回路Caは、複数の第1電極22L、22Rのうちの少なくとも二つの第1電極22L、22Rを通り、かつ、第2電極32L、32Rを通らない経路である。このとき、制御部48は、第1閉回路Caを形成する複数の第1電極22L、22Rを電力の供給先として設定する。以下、このように設定された電極22L、22Rに電力を供給するモードを第1動作モードという。
【0044】
図の例でいうと、左側第1電極22Lと右側第1電極22Rを通る第1閉回路Caを形成するように電力の供給先を設定する。このとき、第1閉回路Caを形成する電力の供給先として、左側第1電極22Lと右側第1電極22Rを設定する。この第1閉回路Caは、制御部48、左側第1電極22L、右側第1電極22R及び身体を通る経路となる。ここでの「身体」には、本実施形態では、ユーザの左足、左腿、腰、右腿、右足が含まれる。この第1閉回路Caに電気刺激用電力を供給すると、その経路上にある筋肉の運動が促される。
【0045】
次に、
図4(B)に示すような第2利用シーンを想定する。図の例では、本体12と左側取付具14Lが左側接続部材16Lにより接続され、本体12と右側取付具14Rが右側接続部材16Rにより接続されている状態にある。制御部48は、このように本体12と取付具14L、14Rが接続部材16L、16Rにより接続されている状態にあることを条件として、第1電極22L、22Rと第2電極32L、32Rを通る第2閉回路CbL、CbRを形成するように電力の供給先を設定する。本実施形態の制御部48は、この状態にあると接続検知部46が検知したことを条件として、このように電力の供給先を設定する。
【0046】
第2閉回路CbL、CbRを形成する第1電極22L、22Rと第2電極32L、32Rは、接続部材16L、16Rが接続している本体12と取付具14L、14Rのそれぞれに設けられ、その接続部材16L、16Rを介して電気的に接続されている。第2閉回路CbL、CbRは、互いに電気的に接続されている第1電極22L、22Rと第2電極32L、32Rを通り、かつ、第1閉回路Caとは異なる経路である。このとき、制御部48は、第2閉回路CbL、CbRを形成する第1電極22L、22Rと第2電極32L、32Rを電力の供給先として設定する。以下、このように設定された電極22L、22R、32L、32Rに電力を供給するモードを第2動作モードという。
【0047】
本実施形態の制御部48は、複数の第2閉回路CbL、CbRを形成するように電力の供給先を設定する。この複数の第2閉回路CbL、CbRは、互いに異なる第1電極22L、22R及び第2電極32L、32Rを通る経路である。本実施形態の複数の第2閉回路CbL、CbRはユーザの左右の半身のそれぞれに対応して設定される。複数の第2閉回路CbL、CbRには、左半身に対応する左側第2閉回路CbLと、右半身に対応する右側第2閉回路CbRとが含まれる。
【0048】
図の例でいうと、左側第1電極22Lと左側第2電極32Lを通る左側第2閉回路CbLと、右側第1電極22Rと右側第2電極32Rを通る右側第2閉回路CbRを形成するように電力の供給先を設定する。このとき、左側第2閉回路CbLを形成する電力の供給先として、左側第1電極22Lと左側第2電極32Lを設定する。また、右側第2閉回路CbRを形成する電力の供給先として、右側第1電極22Rと右側第2電極32Rを設定する。左側第2閉回路CbLは、制御部48、左側第1電極22L、左側接続部材16L、左側第2電極32L及び身体を通る経路となる。ここでの「身体」には、本実施形態では、ユーザの左足、左腿が含まれる。右側第2閉回路CbRは、制御部48、右側第1電極22R、右側接続部材16R、右側第2電極32R及び身体を通る経路となる。ここでの「身体」には、ユーザの右足、右腿が含まれる。各第2閉回路CbL、CbRに電気刺激用電力を供給すると、その経路上にある筋肉の運動が促される。
【0049】
本実施形態のように複数の取付具14L、14Rに対応する複数の接続部材16L、16Rがある場合、少なくとも一つの接続部材16L、16Rが本体12と取付具14L、14Rを接続した状態にあることを条件として、このように電力の供給先を設定する。
【0050】
制御部48は、S12において設定した電力の供給先となる電極22L、22R、32L、32Rに電気刺激用電力を供給する(S14)。本実施形態の制御部48は、予め定められた動作パターンに従って電気刺激用電力を供給し終えると、電気刺激制御を終了する(S16)。
【0051】
以上の電気刺激装置10の効果を説明する。
【0052】
(A1)本実施形態の電気刺激装置10は、左右の足のそれぞれに個別に対応する一対の第1電極22L、22Rが設けられる本体12の他に、ユーザの下半身に取り付けられるとともに第2電極32L、32Rが設けられた取付具14L、14Rを備える。よって、一対の第1電極22L、22Rが形成する第1閉回路Caの他に、第1電極22L、22Rと第2電極32L、32Rが形成する第2閉回路CbL、CbRに電気刺激用電力を供給できる。ユーザの筋肉に対する電気刺激の強度は身体における通電経路が長くなるほど弱くなる傾向がある。第2閉回路CbL、CbRに電力を供給する場合、第1閉回路Caに電力を供給する場合と比べ、その通電経路上に左右の両脚を通さずともすむため、その通電経路の長さを短くし易くなる(
図4参照)。よって、第2閉回路CbL、CbRに電力を供給する場合、第1閉回路Caに電力を供給する場合と比べ、その第2閉回路CbL、CbR上の筋肉に対する電気刺激の強度を増大でき、電気刺激による体感の向上を図れる。
【0053】
(A2)本実施形態の第2電極32L、32Rは、一対の第1電極22L、22Rのそれぞれに対応して設けられる。よって、左足に対応する左側第1電極22Lと、それに対応する左側第2電極32Lとにより左半身用の左側第2閉回路CbLを形成できる。また、この他にも、右足に対応する右側第1電極22Rと、それに対応する右側第2電極32Rとにより右半身用の右側第2閉回路CbRを形成できる。このため、第2閉回路CbL、CbRに電力を供給する場合、第1閉回路Caに電力を供給する場合と比べ、第2閉回路CbL、CbRの両方の上の筋肉に対する電気刺激の強度を増大でき、電気刺激による体感の向上を図れる。
【0054】
(A3)制御部48は、床面FLに置かれる本体12に搭載され、その本体12と取付具14L、14Rは接続部材16L、16Rにより接続される。よって、取付具14L、14Rに制御部48を搭載せずとも、接続部材16L、16Rを介して電気刺激用電力を取付具14L、14Rの第2電極32L、32Rに供給できる。このため、取付具14L、14Rの重量の軽量化を図れ、取付具14L、14Rを取り付けてもユーザが動き易くなる。
【0055】
(B)制御部48は、各本体12、14L、14Rの接続部材16L、16Rによる接続の有無に応じて、複数の電極22L、22R、32L、32Rの中から電力の供給先を設定し、その設定した電極22L、22R、32L、32Rに電力を供給する。よって、複数の電極22L、22R、32L、32Rの中から電力の供給先を変えるうえで、本体12の操作部28A、28Bに対する操作を不要にでき、良好な使い勝手を得られる。
【0056】
次に、電気刺激装置10の他の特徴を説明する。
【0057】
図7、
図8を参照する。左側第2電極32Lと左側取付具14Lの構成と、右側第2電極32Rと右側取付具14Rの構成は、その大半が共通である。ここでは、この共通する構成に関して、前者を示す
図7、
図8を用いて説明する。
【0058】
第2電極32L、32Rは、取付具14L、14Rの裏面部に設けられる。本実施形態の第2電極32L、32Rは、身体の肌面に当てられる電極パッドを構成する。第2電極32L、32Rは、全体としてシート状をなす。
【0059】
第2電極32L、32Rは、基材32aと、導電部32bと、粘着部32cと、固定部32dと、を有する。基材32aは、たとえば、PET等の樹脂を用いて構成されるシート状をなす。導電部32bは、たとえば、銀ペースト等の導電材を用いて構成される。導電部32bは、基材32aに対して取付具14L、14Rとは反対側に設けられる。
【0060】
粘着部32cは、導電部32bに対して取付具14L、14Rとは反対側に設けられる。取付具14L、14Rの裏面部に粘着部32cが設けられることになる。粘着部32cは、身体に着脱可能に貼り付けられる。取付具14L、14Rは粘着部32cを介して身体に取り付けられることになる。本実施形態の粘着部32cは導電性を有し、導電性接着剤等により導電部32bに導通される。第2電極32L、32Rの粘着部32cを身体に貼り付けたとき、その粘着部32cを介して導電部32bと身体の肌面が導通される。本実施形態の粘着部32cは粘着性ゲルが構成する。これにより、第2電極32L、32Rが肌面に対して位置ずれし難くなる。
【0061】
取付具14L、14Rは、第2電極32L、32Rの固定部32dが着脱可能に固定される被固定部50を有する。本実施形態の固定部32dと被固定部50は雄スナップと雌スナップを組み合わせたスナップボタンを構成する。被固定部50は、縫い付け等により取付具14L、14Rに一体化される。第2電極32L、32Rは、取付具14L、14Rの被固定部50に接続される接続部材16L、16R等を介して制御部48に電気的に接続される。
【0062】
脚の筋肉は電気刺激により大きく動き易いうえ、足首の揺動によっても大きく動き易い。これらが相まって、取付具14L、14Rを粘着部32cを介して身体に取り付けるのみでは、その脚の筋肉の動きにより身体から粘着部32cが剥がれるリスクが大きい。この点、本実施形態の第2電極32L、32Rは、ベルト状の取付具14L、14Rに設けられている。よって、取付具14L、14Rを身体に巻き付けることで、身体から粘着部32cが剥がれる事態を避け易くなる。これに伴い、第2電極32L、32Rが身体に対して接触した状態を維持し易くなり、第2電極32L、32Rの身体に対する導通状態を安定化できる。
【0063】
ベルト状の取付具14L、14Rは長手方向に伸縮性を持つと好ましい。これは、取付具14L、14Rを伸縮性を持つ素材により構成することで実現してもよいし、取付具14L、14Rに蛇腹構造等の伸縮部を設けることで実現してもよい。これにより、脚の筋肉の動きに追従して取付具14L、14Rが伸縮することで、第2電極32L、32Rが身体に対して接触した状態を更に維持し易くなる。
【0064】
取付具14L、14Rの裏側生地部材54は気密性を持つ素材により構成すると好ましい。この素材は、たとえば、ポリウレタンフィルム、クロロプレンゴム等である。これにより、取付具14L、14Rの裏側に身体から発した汗がこもり易くなる。これに伴い、第2電極32L、32Rの身体に当たる箇所で肌面が潤い易くなり、その第2電極32L、32Rの身体に対する導通状態が良好となる。
【0065】
取付具14L、14Rの裏側生地部材54は表側生地部材52より伸縮性が高くなるように構成されてもよい。これを実現するうえで、裏側生地部材54は表側生地部材52より伸び率[%]が大きくなるように構成されてもよい。ここでの伸び率とは、最も伸び易い方向に所定の荷重を付与した場合において、その方向での元の寸法に対する変形後の寸法の割合をいう。表側生地部材52や裏側生地部材54の伸縮性を調整するうえでは、たとえば、表側生地部材52や裏側生地部材54を構成する生地の編み方や生地の素材のヤング率を変更してもよい。
【0066】
これにより、取付具14L、14Rが身体の筋肉の動きに追従して伸縮しようとしたとき、裏側生地部材54の伸縮性を表側生地部材52と同じにする場合と比べ、裏側生地部材54が大きく変形する一方で表側生地部材52の変形を抑えられる。これに伴い、表側生地部材52の変形に伴うデザインの変化や皺等の発生を抑えられ、その発生に起因してユーザが不快を感じる事態を避け易くなる。また、表側生地部材52の外観の変化を抑えることで、その近傍での身体の筋肉の動きを把握し易くなり、電気刺激により身体が動いている様子を把握し易くなる。
【0067】
(第2の実施の形態)
図9を参照する。第1実施形態の電気刺激装置10の発明特定事項のうち、以下の図で示していない事項は、以降の実施形態において第1実施形態と同じ内容が適用される。
【0068】
第2実施形態の電気刺激装置10は、ヒーター60を備える。本実施形態のヒーター60は本体12に搭載される。ヒーター60は、たとえば、シーズヒータ、カートリッジヒータ等である。本実施形態のヒーター60は、ユーザの筋肉に電気刺激を付与するときに、本体12におけるユーザの身体の接触箇所を加熱可能な位置に配置される。この「接触箇所」とは、本実施形態では、本体12の電極22L、22Rである。別の捉え方をすると、この「接触箇所」とは、本実施形態では、本体12の足置き部18L、18Rである。このような位置として、本実施形態のヒーター60は、本体12の内部にて足置き部18L、18R(第1電極22L、22R)の裏側に配置される。
【0069】
これにより、本体12に接触している身体の一部をヒーター60により温めることができ、その温めた箇所で身体の血流を促進できる。これに伴い、その温めた箇所で身体の血管を拡張し易くなり、その血管を通して電流が流れる際の電気抵抗を抑え易くなる。この結果、その温めた箇所の周囲の筋肉に対する電気刺激の強度を増大し易くなり、電気刺激による体感の向上を図れる。
【0070】
なお、ヒーター60は、取付具14L、14Rに搭載されてもよい。この場合も、ヒーター60は、ユーザの筋肉に電気刺激を付与するときに、取付具14L、14Rにおけるユーザの身体の接触箇所を加熱してもよい。
【0071】
(第3の実施の形態)
図10を参照する。第3実施形態の電気刺激装置10は、本体12に搭載される光源62L、62Rを備える。本実施形態の光源62L、62Rは本体12に搭載されるが取付具14L、14Rに搭載されてもよい。光源62L、62Rは、電気刺激装置10の動作を報知する役割を持つ。光源62L、62Rは、たとえば、LED、放電灯、白熱球等である。本実施形態の光源62L、62Rは、本体12の上面部にて点灯状態を視認可能な位置に設けられる。
【0072】
本体12のハウジング24には、第1電極22L、22R(足置き部18L、18R)の周縁に周縁部64L、64Rが設けられる。周縁部64L、64Rには、左側第1電極22Lの周縁に設けられる左側周縁部64Lと、右側第1電極22Rの周縁に設けられる右側周縁部64Rとが含まれる。本実施形態の光源62L、62Rは、左側第1電極22Lに対応する左側光源62Lと、右側第1電極22Rに対応する右側光源62Rとが含まれる。左側光源62Lは、本体12の左側周縁部64Lに設けられ、右側光源62Rは、本体12の右側周縁部64Rに設けられる。
【0073】
光源62L、62Rは本体12の周縁部64L、64Rに沿ったライン上に位置するように設けられる。これを実現するうえで、本実施形態では、個々の光源62L、62Rはライン上に連続的に設けられているが、そのライン上に間隔を空けて離散的に設けられてもよい。
【0074】
制御部48(図示せず)は、本体12の第1電極22L、22Rに対する電気刺激用電力の供給と連動して光源62L、62Rの点灯状態を制御する。詳しくは、第1電極22L、22Rに電力を供給しているとき、その第1電極22L、22Rに対応する光源62L、62Rを点灯させる。左側第1電極22Lに電力を供給しているとき、左側第1電極22Lに対応する左側光源62Lを点灯させる。右側第1電極22Rに電力を供給しているとき、右側第1電極22Rに対応する右側光源62Rを点灯させる。このように光源62L、62Rを点灯させるうえで、光源62L、62Rを継続的に点灯してもよいし、光源62L、62Rを点滅させてもよい。
【0075】
これにより、光源62L、62Rの点灯を視認することで、電気刺激装置10の動作状況として、複数の電極22L、22R、32L、32Rに電気刺激用電力が供給されていることを把握できる。
【0076】
制御部48は、電気刺激用電力の出力レベルと連動して光源62L、62Rの点灯状態を制御してもよい。たとえば、光量を変更可能な光源62L、62Rを用いる場合を考える。この場合、制御部48は、出力レベルが大きくなるほど光源62L、62Rの光量を大きくし、それが小さくなるほど光源62L、62Rの光量を小さくしてもよい。
【0077】
この他にも、可視域での波長を変更可能な光源62L、62Rを用いる場合を考える。この場合、制御部48は、出力レベルが大きくなるほど光源62L、62Rの波長を波長領域の一端側に近づけ、それが小さくなるほど光源62L、62Rの波長を波長領域の他端側に近づけてもよい。
【0078】
この他にも、制御部48は、出力レベルが大きくなるほど光源62L、62Rの点滅速度を可変範囲の一端側(たとえば、遅くする側)に近づけ、それらが小さくなるほど可変範囲の他端側(たとえば、速くする側)に近づけてもよい。
【0079】
これにより、光源62L、62Rの点灯状態を視認することで、電気刺激装置10の動作状況として、電気刺激装置10により付与される電気刺激の強さを把握できる。
【0080】
なお、制御部48は、出力レベルの代替として、電気刺激用電力の周波数に連動して、出力レベルと同様に光源62L、62Rを制御してもよい。
【0081】
(第4の実施の形態)
図11を参照する。第4実施形態の電気刺激装置10は、第1実施形態と比べ、取付具14L、14Rの構成が相違する。詳しくは、本実施形態の取付具14L、14Rはユーザの足に履くことで取り付けられる履き物66である。本実施形態では、この履き物66の一例として靴下を示す。本図では右側取付具14Rを構成する履き物66のみ示すが、左側取付具14Lも履き物66が構成する。
【0082】
本実施形態の履き物66は、ユーザの足裏の全体を覆う底部66aと、ユーザの甲を覆う甲覆い部66bと、ユーザの踵を左右両側かつ後側から覆う踵覆い部66cと、ユーザの腿を覆う腿覆い部66dとを備える。
【0083】
履き物66の底部66aには導電部66eが設けられる。
図11では導電部66eとなる箇所にハッチングを付す。導電部66eは、導電性繊維等の導電性素材を用いて構成される。ユーザの足Ftは、第1電極22L、22Rに対して履き物66の導電部66eを介して導通される。
【0084】
履き物66の底部66aとは異なる箇所は絶縁部66fを構成する。絶縁部66fは、絶縁性繊維等の絶縁性素材を用いて構成される。本実施形態の絶縁部66fは、取付具14L、14Rの甲覆い部66b、踵覆い部66c、腿覆い部66dが構成する。
【0085】
本実施形態の第2電極32L、32Rは、履き物66の腿覆い部66dの内部に設けられる。第2電極32L、32Rは、履き物66の底部66aとは異なる箇所に設けられることになる。第2電極32L、32Rは、履き物66の絶縁部66fの内部に設けられるともいえる。本実施形態の第2電極32L、32Rは、身体の腿に全周に亘る範囲で接触するよう環状をなしている。第2電極32L、32Rは、身体の腿に半周以上に亘る範囲で接触する形状であるともいえる。これにより、第2電極32L、32Rの身体に対する接触位置より下方において身体の腿を広範囲で通る閉回路を形成し易くなる。
【0086】
接続部材16L、16Rは、履き物66に第2コネクタ68を介して着脱可能に繋がれる。第2コネクタ68は、接続部材16L、16Rの電気ケーブル34の端部に設けられ、履き物66には、接続部材16L、16Rが第2コネクタ68を介して繋がる第2受け部70が設けられる。本実施形態において第2コネクタ68は雄スナップであり、第2受け部70は雌スナップであり、これらはスナップボタンを構成する。第2受け部70は、縫い付け等により履き物66に一体化される。第2電極32L、32Rは、履き物66の第2受け部70や接続部材16L、16Rを介して制御部48(図示せず)に電気的に接続される。
【0087】
以上の電気刺激装置10によっても、前述の(A1)~(A3)、(B)の効果を得られる。
【0088】
(C)また、この他にも、裸足にならずに電気刺激装置10をユーザが利用でき、履き物66を脱ぐ手間を不要にできる。また、電気刺激装置10の使用環境によってはユーザが裸足になることが制限される場合があるが、そのような場合でも電気刺激装置10をユーザが利用できる。
【0089】
以上の履き物66は、ポリウレタン等の密閉性が高く、柔軟性のある素材により構成されると好ましい。これにより、履き物66の保温性や保湿性が高まり、履き物66(靴下)を着けている箇所で肌の水分量が増し、その着けている箇所での電気抵抗を抑えられる。これに伴い、履き物66を着けている箇所の筋肉に対する電気刺激の強度を増大でき、電気刺激による体感の向上を図れる。
【0090】
なお、第2電極32L、32Rは、履き物66の腿覆い部66dに設ける場合、その形状は特に限られない。たとえば、第2電極32L、32Rは、身体の腿に半周未満の範囲で接触する形状でもよい。
【0091】
(第5の実施の形態)
図12、
図13、
図14を参照する。本実施形態の電気刺激装置10は、主に、本体12の構成が相違する。本体12は、ユーザの左右の足を収容する収容空間72を形成するハウジング24を備える。ハウジング24は、硬質な合成樹脂等を素材に構成される。本実施形態の収容空間72は、ユーザの足の他に腿の一部を収容可能である。前述の一対の第1電極22L、22Rは、本体12の収容空間72を形成している。前述の一対の足置き部18L、18Rも同様である。
【0092】
ハウジング24の後側の上面部にはユーザの足を差し込むための一対の差込口74が形成される。ハウジング24の後面部には一対の差込口74のそれぞれに連続する開口76が形成される。本体12は、ハウジング24の開口76を覆うカバー体78を備える。カバー体78は、ハウジング24より軟質な合成樹脂や繊維を用いて構成される。カバー体78にはカバー体78を開閉可能な線ファスナー等の開閉具80が設けられる。開閉具80によりカバー体78を開いた状態にすることで、本体12の収容空間72内に足を入れやすくなる。本体12の収容空間72内に足を入れた後は開閉具80によりカバー体78を閉じた状態にすることで、収容空間72と外部空間の間での空気の流れを遮り易くなる。
【0093】
本実施形態の電気刺激装置10は、更に、収容空間72内に殺菌光を照射する殺菌灯82を備える。殺菌光は、紫外線等の殺菌効果を持つ波長域の光である。本実施形態の殺菌灯82は、本体12の足置き部18L、18Rの裏側かつ本体12の内部に配置される。本実施形態の本体12の足置き部18L、18Rには殺菌光を透過可能な透光部84が設けられる。本実施形態の透光部84は足置き部18L、18Rを貫通する貫通孔である。透光部84は、この他にも、殺菌光を透過可能な透光性を持つ素材により構成されてもよい。これにより、足置き部18L、18Rに置かれた足Ftの足裏に殺菌光を照射可能となる。
【0094】
これにより、電気刺激装置10を用いたトレーニングにより足に汗をかいたとしても、その汗に起因する菌の繁殖を殺菌灯82により抑制でき、良好な衛生性を得られる。また、ユーザにとっては衛生面を大きく気にせず安心して使える利点がある。
【0095】
また、本体12の収容空間72内に殺菌光が照射されるため、その殺菌光が本体12の外部に漏れ難くなる。これに伴い、殺菌光を肉眼で見る事態を避けることができ、ユーザの目への負担を抑えられる。また、本体12の外部に殺菌光が漏れ難いため、殺菌灯82の出力を大きくし易い利点もある。
【0096】
殺菌灯82は、足置き部18L、18Rに置かれた足の足裏以外の身体の一部に殺菌光を照射可能な位置に配置されてもよい。この身体の一部とは、本体12の収容空間72に収容される箇所をいう。この身体の一部とは、たとえば、足の足裏以外の箇所である足の甲やかかとの他、下腿等が含まれる。
【0097】
また、殺菌灯82は、収容空間72内の全体に殺菌光を照射可能な位置に配置されてもよい。この場合、収容空間72内に収容される身体の一部で収容空間72内で露出している箇所の全体に殺菌光が照射されることになる。いずれにしても、殺菌灯82は、収容空間72内に収容される足に殺菌光を照射可能である。
【0098】
電気刺激装置10の制御部48は、複数の電極22L、22R、32L、32Rに対する電気刺激用電力の供給と連動して殺菌光を照射するように殺菌灯82を制御してもよい。詳しくは、電気刺激用電力の供給中に殺菌光を照射してもよいし、電気刺激用電力の供給が完了した後に所定の時間に亘り殺菌光を照射してもよい。
【0099】
なお、本実施形態の取付具14L、14Rは、本体12の収容空間72内にてユーザの身体に取り付けられる。ここでの「ユーザの身体」とは、本実施形態では、ユーザの下腿である。また、本実施形態の接続部材16L、16Rは、本体12の外部を通ることなく、その内部のみを通るように配置される。この本体12の内部として、少なくとも本体12の収容空間72を通るように配置される。これにより、取付具14L、14Rや接続部材16L、16Rが本体12の外部に露出せず、すっきりとした外観の電気刺激装置10を実現できる。
【0100】
(第6の実施の形態)
図15を参照する。本実施形態の電気刺激装置10は、第5実施形態と比べて、取付具14L、14Rや接続部材16L、16Rの点で異なる。本実施形態の取付具14L、14Rは、本体12の収容空間72の外部にてユーザの身体に取り付けられる。ここでの「ユーザの身体」とは、本実施形態では、ユーザの上腿である。また、本実施形態の接続部材16L、16Rは、本体12の外部に配置される。
【0101】
このように、本体12に収容空間72が設けられる場合、取付具14L、14Rや接続部材16L、16Rの位置は特に限定されない。
【0102】
(第7の実施の形態)
図16を参照する。本実施形態の電気刺激装置10は、第5実施形態と比べて、送風部86を備える点で異なる。送風部86は、本体12の外部から取り込んだ空気の温度を変化させる熱交換器88と、熱交換器88により温度変化した空気を収容空間72内に供給するファン90とを備える。本実施形態の熱交換器88は外部の空気を加熱可能であり、ファン90は加熱された空気を収容空間72内に供給する。
【0103】
これにより、本体12の収容空間72内をまんべんなく温め易くなり、気温が低い環境下で電気刺激装置10を利用し易くなる。特に、本体12の収容空間72内にユーザの下腿を収容可能な場合、ユーザのひざ下までを温めることができる。これに伴い、その温めた箇所で身体の血管を拡張し易くなり、その血管を通して電流が流れる際の電気抵抗を抑え易くなる。この結果、その温めた箇所の周囲の筋肉に対する電気刺激の強度を増大し易くなり、電気刺激による体感の向上を図れる。
【0104】
本体12の収容空間72内を温めることで、そこに収容している箇所で身体の一部の肌の水分量が増し、その箇所での電気抵抗を抑えられる。これに伴い、収容空間72内に収容している箇所の筋肉に対する電気刺激の強度を増大でき、電気刺激による体感の向上を図れる。
【0105】
なお、この他にも、熱交換器88は外部の空気を冷却可能でもよい。この場合、ファン90は冷却された空気を収容空間72内に供給する。これにより、本体12の収容空間72内をまんべんなく冷やし易くなり、気温が高い環境下で電気刺激装置10を利用し易くなる。
【0106】
この他にも、送風部86は熱交換器88を備えない構成としてもよい。これにより、本体12の収容空間72内の足に風を当てることで、ユーザに涼しさを感じさせることができ、気温が高い環境下で電気刺激装置10を利用し易くなる。
【0107】
(動作パターン)
電気刺激装置10の動作パターンの一例を説明する。次に説明する動作パターンは一例に過ぎず、これに限定されない。
図17を参照する。この動作パターンは、次に記載の(A)~(C)のモードを順に経ることで行われる。各モードは、
図17の「Status」が示す動作と、「Interval」が示す動作と組み合わせであり、これらを上の行から順に行うものである。
(A)ウォームアップモード(Warmup mode)
(B)トレーニングモード(Training mode)
(C)クールダウンモード(Cooldown mode)
【0108】
「Status」が示す動作は、所定のサイクルの動作を、各「Status」が属する行の「サイクル回数」だけ繰り返すものである。この「所定のサイクル」は、「Status」が属する複数行の動作を上の行から順に行う動作である。この「複数行の動作」とは、言及している行の「周波数」にて、同じ行の「所要時間」の分だけ、複数の電極22L、22R、32L、32Rに交流電流を供給する動作である。
【0109】
「Interval」が示す動作は、
図17の各「Interval」が属する行の「所要時間」の分だけ、複数の電極22L、22R、32L、32Rに対する交流電流の供給を停止する動作である。
【0110】
たとえば、「トレーニングモード」の「Status 2」では、次の(a)、(b)に記載の順で複数の電極22L、22R、32L、32Rに交流電流を供給する動作を1回のサイクルとして、そのサイクルを50回繰り返す。
(a)周波数20Hz、所要時間4秒の交流電流
(b)周波数4Hz、所要時間2秒の交流電流
【0111】
図17では、主に、次の(1)、(2)、(3)の交流電流を組み合わせた動作パターンを示す。(1)は、筋肉をほぐすのに適した交流電流である。(2)は、筋力トレーニングに適した交流電流である。(3)は、電気刺激による体感を付与するのに適した交流電流である。
図17では、(2)の交流電流を組み合わせた筋力トレーニング用の動作モードを示す。
(1)筋肉に単収縮を促すのに適した所定の周波数帯域(15Hz未満)の交流電流
(2)筋肉に不完全強縮を促すのに適した所定の周波数帯域(15Hz以上25Hz以下)の交流電流
(3)筋肉に完全強縮を促すのに適した所定の周波数帯域(60Hz前後)の交流電流
【0112】
この他にも、
図18に示すような動作パターンを行ってもよい。
図18は、前述の(1)、(3)を組み合わせた動作パターンである。
図18では、(2)の交流電流を用いずに、主に(1)の交流電流を用いたヘルスケア用の動作モードである。
【0113】
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。次に、各構成要素の変形例を説明する。
【0114】
一対の足置き部18L、18Rは、本体12を構成する同一の部材に設けられる例を説明したが、本体12を構成する個別の部材に設けられてもよい。
【0115】
前述の効果(A1)~(A3)との関係で、取付具14L、14Rはユーザの下半身に取り付けられていればよい。たとえば、取付具14L、14Rは、ユーザの腿の他に腰に取り付けられていてもよい。
【0116】
前述の効果(B)との関係で、本体12はユーザに取り付けられてもよい。つまり、本体12は床面に置かれてもよいし、ユーザに取り付けられてもよい。効果(B)との関係で、取付具14L、14Rはユーザの下半身以外の箇所、つまり、上半身に取り付けられてもよい。
【0117】
取付具14L、14Rの数は特に限定されない。取付具14L、14Rは単数でもよいし、三つ以上でもよい。
【0118】
本体12や取付具14L、14Rの身体に対する取付態様は特に限定されない。この取付態様は、たとえば、巻き付け、引っ掛け、貼り付け等である。本体12や取付具14L、14Rの形状は特に限定されない。たとえば、ユーザの前面や後面のみに取り付け可能な形状の面状構造体でもよい。
【0119】
本体12には一対の第1電極22L、22Rが設けられる例を説明したが、複数の第1電極22L、22Rとして、三つ以上の第1電極22L、22Rが設けられてもよい。
【0120】
第1電極22L、22Rは、足置き部18L、18Rを構成する例を説明したが、足置き部18L、18Rとは別体に設けられてもよい。たとえば、足置き部18L、18Rの上方に足の甲を覆うパッドを本体12に設け、そのパッドに第1電極22L、22Rを設けてもよい。この他にも、足置き部18L、18Rの後方に足の踵を後側から覆うパッドを設け、そのパッドに第1電極22L、22Rを設けてもよい。
【0121】
取付具14L、14Rに設けられる第2電極32L、32Rの数も限定されず、単数の第2電極32L、32Rのみが設けられてもよいし、三つ以上の第2電極32L、32Rが設けられてもよい。
【0122】
複数の第1電極22L、22Rに対応する複数の第2電極32L、32Rは単数の取付具14L、14Rに設けられてもよいし、個別の取付具14L、14Rに設けられてもよい。
【0123】
取付具14L、14Rの粘着部32cは第2電極32L、32Rに設けられる例を説明したが、第2電極32L、32Rとは異なる箇所に設けられてもよい。たとえば、取付具14L、14Rの裏面で第2電極32L、32R以外の箇所に設けられてもよい。本体12に第1電極22L、22Rを設ける場合も同様である。
【0124】
接続部材16L、16Rは、本体12に着脱可能に繋がれる例を説明したが、取付具14L、14Rに着脱可能に繋がれてもよいし、両方の本体12、14L、14Rに着脱可能に繋がれてもよい。接続部材16L、16Rは、電気ケーブル34を備える例を説明したが、電気ケーブル34とは別の部材を備えてもよい。この「別の部材」は、たとえば、制御部48が搭載されるコントローラである。この場合、接続部材16L、16Rは、コントローラと本体12を接続する電気ケーブルと、コントローラと取付具14L、14Rを接続する電気ケーブルと、コントローラを備えてもよい。
【0125】
複数の取付具14L、14Rに対応する複数の接続部材16L、16Rは、単数の第1コネクタ36を介して本体12に接続されてもよい。
【0126】
電源40は、本体12に収納される例を説明したが、取付具14L、14Rに収納されてもよいし、これら本体12、取付具14L、14Rの外部に設けられてもよい。電源40は、電気刺激装置10とは別に設けられる商用電源等の外部電源が構成してもよい。
【0127】
制御部48は、取付具14L、14Rに搭載されてもよいし、本体12や取付具14L、14Rとは別の部材に搭載されてもよい。
【0128】
制御部48は、電気刺激用電力の出力レベルを複数の閉回路のそれぞれで独立して変更可能でもよい。たとえば、前述の左側第2閉回路CbLと右側第2閉回路CbRのそれぞれで独立して変更可能でもよい。この場合、電気刺激装置10は、出力レベルの変更対象となる閉回路を切り替える操作部を備えてもよい。
【0129】
次に、電気刺激装置10の他の変形例を説明する。
【0130】
電気刺激装置10は、一対の第1電極22L、22Rに対してユーザの身体が接触したことを接触検知部44により検知したことを契機として、電源40をオフからオンに切り替える他の制御部を備えていてもよい。この場合、前述の電源40とは別の補助電源を本体12に搭載しておき、その補助電源に基づいて接触検知部44や他の制御部が動作すればよい。これにより、本体の操作部28A、28Bに対する操作を不要にでき、良好な使い勝手を得られる。特に、本体12の操作部28A、28Bに対する操作が不要なため、本体12の近くに手を届けるためにしゃがむ必要もなく、良好な使い勝手となる。また、このようなしゃがむ動作が不要となるため、本体12の第1電極22L、22Rに対する足の接触位置がずれる可能性を低減でき、第1電極22L、22Rと足の導通状態を安定化できる。
【0131】
電気刺激装置10は、電気刺激装置10の動作を音により報知する報知部を備えてもよい。この報知部は、たとえば、スピーカー等である。報知部は、電気刺激装置10が電気刺激制御を開始したことや、電気刺激制御を終了したことを報知してもよい。この他にも、電気刺激装置10の操作部28A、28Bに対する入力を受けたことを報知してもよい。
【0132】
電気刺激装置10に対する操作は、リモートコントローラに対する操作を通じて行われてもよい。リモートコントローラは、電気刺激装置10に専用化されてもよいし、電気刺激装置10を操作できるアプリケーションを組み込んだ汎用の情報処理端末でもよい。
【0133】
電気刺激装置10は、本体12、取付具14L、14Rを身体に取り付ける場合、電極と身体との間に電極とは別に配置される導電材を備えていてもよい。導電材は、たとえば、導電性繊維や導電性ゴム等である。本体12、14L、14Rを身体に取り付けるうえで、電極が導電材を介して身体に押し当てられることで、本体12、14L、14Rの身体に対する密着性や装着性の向上が図れる。
【0134】
電気刺激装置10の本体12、取付具14L、14Rは、身体に取り付ける場合、ユーザの身体に直接に取り付けられていなくともよい。たとえば、身体の上にインナーウェアを着衣し、本体12、取付具14L、14Rの電極の当たる箇所にてインナーウェアに部分的に導電材を設け、そのインナーウェアの上に本体12、取付具14L、14Rを取り付けてもよい。これにより、インナーウェアを脱がずにトレーニングできる。
【0135】
電気刺激装置10を用いるとき、導電繊維等の導電性素材を用いた靴下等の履き物を着用のうえ、本体12の第1電極22L、22Rに足を当ててもよい。これにより、前述の(C)の効果を得られる。
【0136】
第2電極32L、32Rの身体に当てる位置を変えることで電気刺激を付与したときの体感を様々に変えることができる。第2電極32L、32Rを上腿の前面に当てたときは、大腿四頭筋に強い電気刺激を付与できる。第2電極32L、32Rを下腿の前面に当てたときは、本体12の第1電極22L、22Rを足に当てることを前提に、脛から足にかけての範囲の筋肉に強い電気刺激を付与できる。第2電極32L、32Rを上腿の後面に当てたときは、ハムストリングに強い電気刺激を付与できる。第2電極32L、32Rを下腿の後面に当てたときは、本体12の第1電極22L、22Rを足に当てることを前提に、脹脛から足にかけての範囲の筋肉に強い電気刺激を付与できる。第2電極32L、32Rを下腿の脹脛に当てたときは脹脛の筋肉に強い電気刺激を付与でき、下腿の脛に当てたときは脛の筋肉に強い電気刺激を付与できる。
【0137】
以上の構成要素の任意の組み合わせも、本発明の態様として有効である。たとえば、実施形態に対して変形例の任意の説明事項を組み合わせてもよいし、変形例に対して実施形態や他の変形例の任意の説明事項を組み合わせてもよい。この組み合わせの一例を説明する。
【0138】
第2実施形態のヒーター60、第3実施形態の光源62L、62R、第4実施形態の靴下、第5実施形態の殺菌灯82、第7実施形態の送風部86は、他の実施形態の電気刺激装置10と組み合わせてもよい。また、第5、第7実施形態の電気刺激装置10は、取付具14L、14Rや第2電極32L、32Rを省略したものとして用いてもよい。
【0139】
第2実施形態のヒーター60と、第5実施形態の本体12とを組み合わせる場合を考える。この本体12は、収容空間72を形成するハウジング24を備える。この場合、ヒーター60は、本体12の収容空間72を加熱可能な位置に配置されてもよい。この場合でも、収容空間72内にある身体の一部をヒーター60により温めることができ、その温めた箇所で身体の血流を促進できる。これに伴い、前述と同様、その温めた箇所の周囲の筋肉に対する電気刺激の強度を増大し易くなり、電気刺激による体感の向上を図れる。
【0140】
また、この組み合わせに加えて、第5実施形態のように、本体12の収容空間72内にて取付具14L、14Rをユーザの身体に取り付ける場合を考える。この場合も、ヒーター60は、本体12を収容空間72を加熱可能な位置に配置されてもよい。この場合、取付具14L、14Rの第2電極32L、32Rもヒーター60により温めることができる。身体と比べて温度が低い状態の第2電極32L、32Rが身体に長時間に亘り接触すると、冷感による不快感をユーザに与える恐れがある。この点、このような構成によれば、第2電極32L、32Rを温めることで身体との温度差を小さくでき、冷感による不快感をユーザに与える事態を避け易くなる。
【0141】
以上、本発明の実施形態や変形例について詳細に説明した。前述した実施形態や変形例は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態や変形例の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【符号の説明】
【0142】
10…電気刺激装置、12…本体、14L,14R…取付具、16L、14R…接続部材、22L、22R…第1電極、32L、32R…第2電極、40…電源、46…接続検知部、48…制御部。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの筋肉に電気刺激を付与する電気刺激装置であって、
床面に置かれる本体と、
前記本体に設けられ左右の足のそれぞれに対応する複数の第1電極と、
前記複数の第1電極に電源から供給される電気刺激用電力を制御する制御部と、
前記本体に搭載されるヒーターと、を備え、
前記本体の底面部には、前記床面に接触可能な踵側の第1箇所と、前記第1箇所よりもつま先側において前記床面に接触可能な第2箇所とが設けられ、
前記底面部における前記第2箇所よりもつま先側の一部は、前記第1箇所と前記第2箇所とが前記床面に接触した場合に、前記本体の上面部における踵側の端部よりも上方に位置する電気刺激装置。
【請求項2】
前記第2箇所の前記床面に接触する面は、左右方向から見て、湾曲した形状である請求項1に記載の電気刺激装置。
【請求項3】
前記底面部の踵側端部と前記第2箇所とを結んだ仮想直線と、前記底面部のつま先側端部と前記第2箇所とを結んだ仮想直線とのなす角は鈍角である請求項1に記載の電気刺激装置。