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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139336
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】通知制御システム、通知制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20230927BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20230927BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
H04M11/00 301
G08B25/04 K
G08B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044807
(22)【出願日】2022-03-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】秋元 遥佳
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086AA42
5C086BA03
5C086BA07
5C086BA09
5C086FA06
5C086FA15
5C087AA02
5C087AA11
5C087AA16
5C087AA19
5C087AA44
5C087BB12
5C087DD03
5C087DD29
5C087DD35
5C087DD36
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF23
5C087FF24
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG67
5C087GG70
5C087GG83
5K201AA07
5K201BA03
5K201BA19
5K201CA01
5K201CA07
5K201CB14
5K201CC10
5K201DC03
5K201EB07
5K201EC03
5K201EC06
5K201EC09
5K201ED01
5K201ED05
5K201ED09
5K201EF09
(57)【要約】
【課題】センサ情報の優先度に応じて、自動的にセンシング利用者とオペレータやスタッフとの間で相互通話を可能とする。
【解決手段】センシング利用者とセンシング利用者を補助する補助者との間の通知制御を行う通知制御システムであって、センサ受信機は、センシング利用者の状態または/および行動を検知するセンサのセンサ情報を受信する第1の処理部と、センサ情報とセンシング利用者とを対応付けた受信機情報をサーバに送信する第2の処理部と、サーバからの指示に従って、補助者の電話機を呼び出し、補助者とセンシング利用者との間での通話を制御する第3の処理部と、を有し、サーバは、センサ受信機から受信した受信機情報に含まれるセンサ情報が第1の条件を満たした場合、センシング利用者に対する補助者による対応の優先度に応じて、補助者への通知方法を定めた優先度管理テーブルを用いて、補助者の電話機を呼び出す指示を送信する第4の処理部、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシング利用者と当該センシング利用者を補助する補助者との間の通知制御を行う通知制御システムであって、
センサ受信機は、
前記センシング利用者の状態または/および行動を検知するセンサのセンサ情報を受信する第1の処理部と、
前記センサ情報と前記センシング利用者とを対応付けた受信機情報をサーバに送信する第2の処理部と、
前記サーバからの指示に従って、前記補助者の電話機を呼び出し、前記補助者と前記センシング利用者との間での通話を制御する第3の処理部と、を有し、
前記サーバは、
前記センサ受信機から受信した前記受信機情報に含まれるセンサ情報が第1の条件を満たした場合、前記センシング利用者に対する前記補助者による対応の優先度に応じて、当該補助者への通知方法を定めた優先度管理テーブルを用いて、前記補助者の電話機を呼び出す前記指示を送信する第4の処理部、
を有することを特徴とする通知制御システム。
【請求項2】
前記センサ受信機は、表示部と、前記サーバからの指示に従って、前記センサ情報に応じた種類のランプ情報を前記表示部に表示する第5の処理部と、を有し、
前記サーバの前記第4の処理部は、前記センサ受信機から受信した前記受信機情報に含まれるセンサ情報が第2の条件を満たした場合、前記センサ受信機に、前記センサ情報に応じた種類のランプ情報を前記表示部に表示する指示を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通知制御システム。
【請求項3】
前記サーバの前記第4の処理部は、前記センサ受信機から受信した前記受信機情報に含まれるセンサ情報が第3の条件を満たした場合、前記補助者の電話機に、交換機を介して所定のメッセージを送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通知制御システム。
【請求項4】
前記センサ受信機は、通話機能を有した携帯端末により構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の通知制御システム。
【請求項5】
前記通知制御システムは、前記センサ受信機に対して所定のメッセージにより自動音声応答を行うIVR装置を有し、
前記サーバの前記第4の処理部は、前記補助者の電話機を呼び出す前記指示が設定されている場合であっても、前記優先度に対応付けて自動音声応答を行う旨の情報が設定されている場合、前記IVR装置に対して、前記センサ受信機に対して前記所定のメッセージを送信させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の通知制御システム。
【請求項6】
センシング利用者と当該センシング利用者を補助する補助者との間の通知制御を行う通知制御システムで行われる通知制御方法であって、
センサ受信機が、前記センシング利用者の状態または/および行動を検知するセンサのセンサ情報を受信する第1の処理を行い、
前記センサ受信機が、前記センサ情報と前記センシング利用者とを対応付けた受信機情報をサーバに送信する第2の処理を行い、
前記センサ受信機が、前記サーバからの指示に従って、前記補助者の電話機を呼び出し、前記補助者と前記センシング利用者との間での通話を制御する第3の処理を行い、
前記サーバが、前記センサ受信機から受信した前記受信機情報に含まれるセンサ情報が第1の条件を満たした場合、前記センシング利用者に対する前記補助者による対応の優先度に応じて、当該補助者への通知方法を定めた優先度管理テーブルを用いて、前記補助者の電話機を呼び出す前記指示を送信する第4の処理を行う、
ことを特徴とする通知制御方法。
【請求項7】
表示部を有した前記センサ受信機が、前記サーバからの指示に従って、前記センサ情報に応じた種類のランプ情報を前記表示部に表示する第5の処理を行い、
前記サーバが、前記第4の処理において、前記センサ受信機から受信した前記受信機情報に含まれるセンサ情報が第2の条件を満たした場合、前記センサ受信機に、前記センサ情報に応じた種類のランプ情報を前記表示部に表示する指示を送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の通知制御方法。
【請求項8】
前記サーバが、前記第4の処理において、前記センサ受信機から受信した前記受信機情報に含まれるセンサ情報が第3の条件を満たした場合、前記補助者の電話機に、交換機を介して所定のメッセージを送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の通知制御方法。
【請求項9】
前記サーバが、前記第4の処理において、前記補助者の電話機を呼び出す前記指示が設定されている場合であっても、前記優先度に対応付けて自動音声応答を行う旨の情報が設定されている場合、前記センサ受信機に対して所定のメッセージにより自動音声応答を行うIVR装置に対して、前記センサ受信機に対して前記所定のメッセージを送信させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の通知制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知制御システム、通知制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な業種で使われているセンサが検知したセンサ情報を、電話機やスマートデバイスに通知する技術がある。例えば、特許文献1では、排泄を検出した場合、センサーコール条件管理テーブルに登録された内線番号のPHSや多機能電話機(MFT)へ発報する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-064462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な業種のオペレータやスタッフは、センサ情報の通知によっては早急に確認が必要と判断した場合、現場へ直接向かい確認や内線電話で声掛けする必要がある。この点、特許文献1では、センサ情報に基づいてPHSやMFTにメッセージを報知するにとどまり、オペレータやスタッフを呼び出すためには、センサ情報の検知対象となる利用者自身が手動でオペレータやスタッフに電話をかけるか、スタッフ呼出しボタンを押して通話するといった、センサ情報が報知されたときに行う操作とは別の異なる操作を行う必要がある。優先度の高いセンサの中には、患者などのセンシング利用者の安否確認が早急に必要なケースもある。そのため、センサ情報の優先度に応じて自動的にセンシング利用者とオペレータやスタッフとの間で、相互通話が可能な技術が求められていた。
【0005】
本発明は、センサ情報の優先度に応じて、自動的にセンシング利用者とオペレータやスタッフとの間で相互通話が可能な通知制御システム、通知制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる通知制御システムは、センシング利用者と当該センシング利用者を補助する補助者との間の通知制御を行う通知制御システムであって、センサ受信機は、前記センシング利用者の状態または/および行動を検知するセンサのセンサ情報を受信する第1の処理部と、前記センサ情報と前記センシング利用者とを対応付けた受信機情報をサーバに送信する第2の処理部と、前記サーバからの指示に従って、前記補助者の電話機を呼び出し、前記補助者と前記センシング利用者との間での通話を制御する第3の処理部と、を有し、前記サーバは、前記センサ受信機から受信した前記受信機情報に含まれるセンサ情報が第1の条件を満たした場合、前記センシング利用者に対する前記補助者による対応の優先度に応じて、当該補助者への通知方法を定めた優先度管理テーブルを用いて、前記補助者の電話機を呼び出す前記指示を送信する第4の処理部、を有することを特徴とする通知制御システムとして構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、センサ情報の優先度に応じて、自動的にセンシング利用者とオペレータやスタッフとの間で相互通話が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態における通知制御システムの構成例を示す図である。
図2】センサ受信機の機能的な構成を示す図である。
図3】受信機情報の一例を示す図である。
図4】センサ受信機のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】サーバの機能的な構成を示す図である。
図6】優先度管理テーブルの一例を示す図である。
図7】設定テーブルの一例を示す図である。
図8】コンピュータ概略図の一例を示す図である。
図9】本システムで行われる処理(通知制御処理)の処理手順を示すシーケンス図である。
図10】自動音声応答を行う場合の通知制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図11図10に示した処理で用いる優先度管理テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0010】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0011】
以下の説明では、「データベース」、「テーブル」、「リスト」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いた場合、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0012】
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0013】
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit))を含んでいてもよい。
【0014】
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0015】
図1は、本実施の形態における通知制御システムの構成例を示す図である。通知制御システムは、介護施設や病院をはじめとする施設に設置されたセンサは検知するセンサ情報の優先度に応じて、自動的にセンシング利用者とオペレータやスタッフなどのセンシング利用者を補助する補助者との間で相互通話を可能とするシステムである。図1に示すように、通知制御システム1000は、センシング利用者に関するセンサ情報を検知し、当該センサ情報をセンサ受信機200に送信するセンサ100と、センサ100から受信したセンサ情報をサーバ300に送信し、サーバ300による判定結果に応じた指示に基づいて、ランプ情報(後述)の表示やオペレータやスタッフとの間で内線通話を行うセンサ受信機200と、センサ受信機200から受信した受信機情報を用いて、センシング利用者に対するオペレータやスタッフによる対応の優先度を判定し、当該判定の結果に応じて、センサ受信機200や交換機(PBX:Private branch exchange)400に対して所定の指示を行うサーバ300と、サーバ300から受信した上記所定の指示に従って、オペレータやスタッフの電話機500にメッセージを送出し、センサ受信機200からの呼び出しに応じて、センサ受信機200との間で応答および相互通話を行うための制御を行うPBX400と、オペレータやスタッフが操作する電話機500と、を有している。センサ100と、センサ受信機200との間は、BLE(Bluetooth Low Energy)等の所定の規格で定められた近距離無線通信ネットワークN1、N2により通信可能である。また、センサ受信機200とサーバ300との間は、アクセスポイント(AP)を介して、Wi-Fi等の所定の規格で定められた無線通信により通信可能である。また、サーバ300、PBX400、電話機500(PHS500a、多機能電話機500b)との間は、IP通信網等の従来から知られているネットワークを介して通信可能となっている。本例では、オペレータやスタッフに対してメッセージの報知や相互通話を行うものとしてPHSや多機能電話機を例示するが、これらに替えて、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末を用いてもよい。
【0016】
センサ100は、居室やベッド等の設置場所Pに設置され、センシング利用者の状態や行動を検知するためのセンサである。センサ100には、例えば、排せつセンサ、離床検知センサ、見守りセンサなどの、従来から知られている様々なセンサを用いることができる。後述するように、センサ100は、センシング利用者の状態や行動を検知すると、センサ100のIDなどの識別情報と、検知した値とを対応付けたセンサ情報を、センサ受信機200に送信する。
【0017】
センサ受信機200は、センサ100から受信したセンサ情報を読み取り、サーバ300からの指示に従って、センシング利用者の状態や行動に関する情報を表示したり、オペレータやスタッフとの間で内線通話を行うための端末である。センサ受信機200は、例えば、スマートフォンやタブレット等の通話機能を有した携帯端末であり、ハードウェアとしては一般的な構成を有する。センサ受信機200は、センシング利用者の居室内の所定位置(例えば、ベッドの枕元の壁)に設置される。上記携帯端末をセンサ受信機200とすることにより、センシング利用者自身が普段から利用しているスマートフォンにアプリケーションをダウンロードすることで、新たな機器を購入することなく、本システムを利用することができる。また、携帯性に優れているため、例えば、オペレータやスタッフが視認しやすい、センシング利用者の枕元の任意の位置に、当該携帯端末を置くことができる。
【0018】
図2は、センサ受信機200の機能的な構成を示す図である。図2に示すように、センサ受信機200は、センサ100からセンサ情報を受信し、受信した当該センサ情報を記憶部207に格納するセンサ受信部201と、サーバ300からの指示に従って、上記センサ情報に応じた種類のランプ情報を操作表示部208に表示するランプ制御部202と、サーバ300からの指示に従って、センサ情報に応じてオペレータやスタッフの電話機500との間で相互通話を行う内線通話制御部203と、上記センサ情報から上記受信機情報を生成し、生成した当該受信機情報をサーバ300に送信したり、サーバ300からの指示を受信するサーバ送受信部204と、上記相互通話のためにPBX400との間で通話接続等の制御を行うPBXインタフェース部205と、センサ受信機200が有する各部や全体を制御する全体制御部206と、センサ受信機200が行う処理で用いられる各種情報を記憶する記憶部207と、上記ランプ情報をはじめとする本システムで用いられる各種情報を画面上に表示する操作表示部208とを有する。全体制御部206は、例えば、Android(登録商標)などのスマートフォン用のOS(Operating System)により実現可能である。センサ受信機200の各部が行う具体的な処理については後述する。
【0019】
図3は、記憶部207が記憶する受信機情報の一例を示す図である。図3に示すように、受信機情報351は、センサのIDと、センサ名と、当該センサが検知した値とが対応付けて記憶されている。記憶部207が記憶するセンサ情報は、各センサから受信した個々のセンサ情報3511(例えば、ID「1」で識別される「排せつセンサ」の値「100ml」)をまとめて保持している。このような受信機情報351が、センシング利用者の居室、センシング利用者、当該センシング利用者が利用するセンサ受信機200のIPアドレス、当該センシング利用者を担当するオペレータやスタッフの電話機500の内線番号が対応付けて記憶される。図3では、例えば、201号室のセンシング利用者A(ID:000001)に対するセンサとしては、当該利用者の居室やベッド等の利用器具や当該利用者が装着するセンサ1-4のセンサがあり、これらのセンサから、IPアドレス「α」のセンサ受信機200に対してセンサ情報が送信され、受信機情報351として蓄積されることを示している。そして、サーバ300が所定の条件を満たしたと判断した場合、センサ受信機200は、当該利用者を担当するオペレータやスタッフの電話機500の内線番号「2001」を呼び出し、当該利用者とオペレータやスタッフとの間での相互通話が行われる。
【0020】
図2に示したセンサ受信機200は、例えば、図4に示すようなハードウェア構成を有した携帯端末1200を用いることができる。図4に示すように、携帯情報端末1200は、例えば、プロセッサ1201、システムバス1202、ROM1203、RAM1204、ストレージ1205、入出力インタフェース(I/F)1206、通信I/F1207、音声通信I/F1208を有して構成される。
【0021】
プロセッサ1201は、所定のプログラムに従って携帯情報端末1201全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。プロセッサ1201が、上記所定のプログラムを実行することにより、センサ受信部201、ランプ制御部202、内線通話制御部203、サーバ送受信部204、PBXインタフェース部205、全体制御部206等の各機能を実現することができる。
【0022】
システムバス1202は、携帯情報端末1200内の各動作ブロックとの間で各種コマンドやデータの送受信を行うためのデータ通信路である。
【0023】
ROM(Read Only Memory)1203は、オペレーティングシステムなどの基本動作プログラムやその他の動作プログラムやアプリケーションが格納されたメモリであり、一般的に知られている書き換え可能なROMである。
【0024】
RAM(Random Access Memory)1204は、基本動作プログラムやその他の動作プログラム実行時のワークエリアとなる。
【0025】
ストレージ1205は、携帯情報端末1200の動作プログラムや各種テーブル等、本システムで用いられる各種データを記憶する。ROM1203、RAM1204、ストレージ1205により、記憶部207の機能を実現することができる。
【0026】
入出力I/F1206は、携帯情報端末1200に対する操作指示を入力する入力部や、携帯情報端末1200の処理結果を出力する出力部を有する。入力部としては、ボタンスイッチ等から構成される操作キーや、タッチパネルなどの一般的な入力機器により実現される。出力部としては、音声信号を出力するスピーカ、処理結果を表示するタッチパネル等のディスプレイなどの一般的な出力機器により実現される。入出力I/F1206により、操作表示部208の機能を実現することができる。
【0027】
通信I/F1207は、LAN(Local Area Network)、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(登録商標)等を実現するための、一般的な通信機器である。通信部I/F1207により、センサ受信部201、サーバ送受信部204等の各機能を実現することができる。
【0028】
音声通信I/F1208は、IPプロトコルやLTE(Long Term Evolution)方式等により音声通話を行うための一般的な音声通信機器である。音声通信I/F1208により、内線通話制御部203、PBXインタフェース部205等の各機能を実現することができる。
【0029】
その他、以下では特に例示していないが、GPS(Global Positioning System)センサ等、携帯端末として一般的なセンサや機器を有していてもよい。続いて、サーバ300について説明する。
【0030】
サーバ300は、センサ受信機200から受信した受信機情報と、サーバ内の各種テーブルとに基づいて、センサ受信機200やPBX400に対する指示を行うサーバである。
【0031】
図5は、サーバ300の機能的な構成を示す図である。図5に示すように、サーバ300は、機能的には、センサ受信機200から受信した受信機情報が所定の条件を満たした場合に、センサ受信機200に対してランプ情報を操作表示部208に表示させる指示を行うランプ制御指示部301と、センサ受信機200から受信した受信機情報が所定の条件を満たした場合に、PBX400に対して所定のメッセージを送出する指示を行うメッセージ送信指示部302と、センサ受信機200から受信した受信機情報が所定の条件を満たした場合に、センサ受信機200に対して所定の電話機500を呼び出す指示を行う内線呼出部303と、サーバ300が行う処理で用いられる各種情報を記憶する記憶部304と、センサ受信機200から受信機情報を受信し、サーバ300が行う処理で用いられる各種情報を用いて通知制御に関する判定を行う受信判定部305と、サーバ300を介して上記所定の電話機500を呼び出す場合に、当該呼び出すための指示をPBX400に対して行うPBXインタフェース部306と、サーバ300が有する各部や全体を制御する全体制御部307とを有する。全体制御部307は、例えば、Linux(登録商標)などのサーバ用のOSにより実現可能である。サーバ300の各部が行う具体的な処理については後述する。
【0032】
図6は、記憶部304が記憶する優先度管理テーブル601の一例を示す図である。優先度管理テーブル601は、センシング利用者に対するオペレータやスタッフによる対応の優先度に応じた通知方法を定めたテーブルである。通知方法とは、センシング利用者による状態や行動がどのようになった場合に、どのような通知をオペレータやスタッフに行うかについての方法である。
【0033】
図6に示すように、優先度管理テーブル601は、通知方法の種類を識別するための分類Noと、当該分類Noにより識別される具体的な通知内容と、どのような優先度の場合に当該通知内容を通知するかを定めた優先度とが対応付けて記憶されている。図6では、例えば、分類No「1」で分類される通知内容は、センシング利用者に対する対応の優先度が最も高い「1」の場合には、「ランプ表示+メッセージ通知+スタッフ呼び出し」を行うことを示している。「ランプ表示」は、センサ受信機200の操作表示部208に、センサ種別に応じた種類の色のランプ情報を表示させることを示している。また、「メッセージ通知」は、「センシング利用者Aさんが離床しました」といった所定のメッセージを、センシング利用者が所定の条件を満たした場合に、担当するオペレータやスタッフに通知することを示している。また、「スタッフ呼び出し」は、上記「メッセージ通知」に加え、さらに、担当するオペレータやスタッフとの間で通話するための呼び出しを行うことを示している。このように、優先度管理テーブル601には、オペレータやスタッフが、担当するセンシング利用者に対する対応の優先度に応じて、通知すべき内容の組み合わせが定められている。後述するように、「ランプ表示」としてどのような表示を行うかについては、設定テーブル701により定められる。
【0034】
図7は、記憶部304が記憶する設定テーブル701の一例を示す図である。設定テーブル701は、センシング利用者の状態や行動を検知した値がしきい値を超えた場合に、優先度に応じて、センサ受信機200の操作表示部208に表示するランプ情報の種類を定めたテーブルである。ランプ情報は、センシング利用者に対してオペレータやスタッフがとるべき行動を促すための指標となる情報である。ランプ情報としては、例えば、センサ受信機200に内蔵されたLED等の発光部の色情報、あるいは、操作表示部208に表示する画面の色情報がある。ランプ情報が発光部の色情報である場合は、例えば、ランプ制御部202が、サーバ300からの指示に従って、赤色のLEDを発光させる。また、ランプ情報が表示する画面の色情報である場合は、例えば、ランプ制御部202が、サーバ300からの指示に従って、あらかじめセンサ受信機200の記憶部207に記憶された画面一面の赤色画像データを読み出して、操作表示部208に表示させる。
【0035】
図7に示すように、設定テーブル701は、優先度に応じたランプ情報の表示の種類を識別するための分類Noと、当該分類Noにより識別される具体的な通知内容と、どのような優先度の場合に当該通知内容を通知するかを定めた優先度とが対応付けて記憶されている。図7では、例えば、分類No「1」で分類されるランプ情報の表示「赤」は、優先度が最も高い「1」の場合に表示されるものであり、利用者IDが「000001」で識別されるセンシング利用者の状態や行動を検知するための「見守り」センサが、しきい値となる「バイタル低下」という条件を満たした場合に、センサ受信機200の操作表示部208に、当該色のランプ情報の表示が行われることを示している。また、例えば、分類No「2」で分類されるランプ情報の表示「オレンジ」は、優先度が次に高い「2」の場合に表示されるものであり、上記利用者IDのセンシング利用者の状態や行動を検知するための「離床検知」センサが、しきい値となる「離床」という条件を満たした場合に、センサ受信機200の操作表示部208に、当該色のランプ情報の表示が行われることを示している。このように、設定テーブル701には、優先度に応じてセンサ受信機200の操作表示部208に表示されるランプ情報の種類と、当該種類のランプ情報を表示する条件とが、センシング利用者およびセンサごとに対応付けて記憶されている。
【0036】
図1に示したサーバ300は、例えば、図8(コンピュータ概略図)に示すような、CPU1601と、メモリ1602と、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置1603と、CD(Compact Disk)やUSBメモリ等の可搬性を有する記憶媒体1608に対して情報を読み書きする読書装置1607と、キーボードやマウス等の入力装置1606と、ディスプレイ等の出力装置1605と、通信ネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)等の通信装置1604と、これらを連結するシステムバス等の内部通信線(システムバスという)1609と、を備えた一般的なコンピュータ1600により実現できる。ネットワークNは、一般的な公衆回線網、インターネットにより構成することができる。
【0037】
サーバ300に記憶され、あるいは処理に用いられる様々なデータは、CPU1601がメモリ1602または外部記憶装置1603から読み出して利用することにより実現可能である。また、サーバ300が有する各機能部は、CPU1601が外部記憶装置1603に記憶されている所定のプログラムをメモリ1602にロードして実行することにより実現可能である。
【0038】
上述した所定のプログラムは、読書装置1607を介して記憶媒体1608から、あるいは、通信装置1604を介してネットワークから、外部記憶装置1603に記憶(ダウンロード)され、それから、メモリ1602上にロードされて、CPU1601により実行されるようにしてもよい。また、読書装置1607を介して、記憶媒体1608から、あるいは通信装置1604を介してネットワークから、メモリ1602上に直接ロードされ、CPU1601により実行されるようにしてもよい。
【0039】
以下では、サーバ300が、ある1つのコンピュータにより構成される場合を例示するが、これらの機能の全部または一部が、クラウドのような1または複数のコンピュータに分散して設けられ、ネットワークを介して互いに通信することにより同様の機能を実現してもよい。さらに、本例では、本システムの機能を実現するための構成例として、センサ受信機200とサーバ300とを用いて説明しているが、これらの機能が1つの装置(例えば、センサ受信機200)に設けられていてもよい。続いて、本システムで行われる処理について説明する。
【0040】
図9は、本システムで行われる処理(通知制御処理)の処理手順を示すシーケンス図である。
図9に示すように、センサ100は、定期的あるいは任意のタイミングでセンサ情報をセンサ受信機200に送信する(S901)。センサ受信機200のセンサ受信部201は、上記センサ情報を受信する都度、受信した当該センサ情報を記憶部207の受信機情報351に格納する(S902)。サーバ300の受信判定部305は、記憶部207に格納した受信機情報351、優先度管理テーブル601、設定テーブル701を用いて、オペレータやスタッフに対してどのような通知あるいは通話を行うかを判定する。以下、具体的に説明する。
【0041】
受信判定部305は、受信機情報351に含まれるセンシング利用者のID(例えば、「000001」)、センサ(センサ名)(例えば、「見守りセンサ」)およびその値(例えば、「バイタル低下」)を読み出し、設定テーブル701の中から、読み出したセンシング利用者のID、センサ名に対応するしきい値に対応するランプおよび優先度を読み取る。例えば、受信判定部305は、設定テーブル701の中から、しきい値「バイタル低下」に対応するランプの表示色「赤」、優先度「1」を読み取る。
【0042】
さらに、受信判定部305は、設定テーブル701の中から読み取った優先度「1」に対応する通知内容を優先度管理テーブル601の中から読み取る。この例では、受信判定部305は、「ランプ表示+メッセージ通知+スタッフ呼び出し」を読み取り、ランプ制御指示部301、メッセージ送信指示部302、内線呼出部303に対して、それぞれ、ランプの表示指示、メッセージの送信指示、電話機500への呼び出し指示を行う。
【0043】
S903において受信判定部305からの指示を受けると、ランプ制御指示部301は、S903で判定された表示色のランプを点灯するように、センサ受信機200に対する指示を送信する(S904)。例えば、ランプ制御指示部301は、センサ受信機200のLED等の発光部により発光するランプを表示色「赤」で点灯させる指示を送信したり、あるいは、あらかじめサーバ300の記憶部304やセンサ受信機200の記憶部207に記憶した赤色画像データを操作表示部208に表示させる指示を送信する。
【0044】
また、受信判定部305からの指示を受けると、メッセージ送信指示部302は、S903で判定されたメッセージを送信するように、PBX400に対する指示を送信する(S905)。例えば、メッセージ送信指示部302は、「センシング利用者Aさんが離床しました」といった所定のメッセージを、電話機500に通知するように、PBX400に指示する。当該メッセージは、優先度管理テーブル601の通知内容に応じてあらかじめ定めておけばよい。この例では、メッセージ送信指示部302は、受信判定部305が受信機情報351から読み取ったセンシング利用者のID(例えば、「000001」)に対応する内線番号「2001」の電話機500に、上記所定のメッセージを送信するための指示をする。そして、PBX400は、サーバ300からの指示に従って、上記電話機500に対して上記所定のメッセージを送信する(S906)。
【0045】
S903において受信判定部305からの指示を受けると、内線呼出部303は、センサ受信機200に対して所定の電話機500を呼び出す指示を送信する(S907)。例えば、内線呼出部303は、センサ受信機200の受信機情報351に対応付けて記憶されているセンシング利用者(ID:000001)を担当するオペレータやスタッフの内線番号「2001」を呼び出す指示を送信する。
【0046】
センサ受信機200の内線通話制御部203は、受信機情報351に対応付けて記憶されている上記内線番号「2001」を呼び出すような通話御処理を行い(S908)、PBX400は、当該呼び出す指示に従って、指定された内線番号の電話機500を呼び出す(S909)。
【0047】
その後、オペレータやスタッフが上記呼び出しに応じて電話機500がオフフックされ、PBX400を介して応答されると(S910、S911)、センサ受信機200と電話機500との間で相互通話が開始される(S912)。これにより、例えば、センシング利用者(ID:000001)を担当するオペレータやスタッフが、「Aさん大丈夫ですか?」といった声かけや、「Aさん大丈夫ですか?今、別の場所で対応していますので、5分後に伺います。」といったオペレータやスタッフ側の状況を説明するための会話、「Aさん大丈夫ですか?症状をお話しいただければ、その症状に合ったお薬をお持ちします。」といったセンシング利用者の状況をヒアリングするための会話をはじめ、センシング利用者とオペレータやスタッフとの間で必要な相互通話を自動的に行うことができる。
【0048】
そして、両者の会話が終了すると、電話機500がオンフックされることで(S913)、電話機500とセンサ受信機200との間で相互通話が切断される(S914)。
【0049】
図9に示した通知制御処理では、優先度管理テーブル601の通知内容に「スタッフ呼び出し」が定められている場合はすべてオペレータやスタッフの電話機500とセンサ受信機200との間で相互通話を行うこととした。しかし、例えば、通知内容として「スタッフ呼び出し」が定められている場合でも、例えば、センシング利用者の状況や行動によっては、オペレータやスタッフの応答内容が決まっている場合もある。具体的には、あるセンシング利用者に対する離床検知センサが当該センシング利用者の離床を検知した場合、担当のオペレータやスタッフを呼び出して、いつも「大丈夫ですか?」と声掛けするだけで、当該センシング利用者が徘徊しなくなるような場合、オペレータやスタッフが直接声掛けすることにかえて、自動音声応答により声掛けすることで、オペレータやスタッフの負担をさらに軽減することができる。以下、そのような変形例について説明する。
【0050】
図10は、自動音声応答を行う場合の通知制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。以下では、受信機情報の内容に「スタッフ呼び出し」がある場合でも、所定の応答フラグが優先度管理テーブル601に設定されている場合、IVR(Interactive Voice Response)装置により所定のメッセージを自動応答する。以下では、図9と重複する処理については同一の符号を付してその説明を省略し、主にIVR装置1001が行う処理S1001、S1001について説明する。IVR装置1001の具体的な構成については特に例示しないが、従来から知られている一般的な音声自動応答サーバを用いてよい。
【0051】
図10に示すように、S903における判定で、サーバ300の受信判定部305が、オペレータやスタッフに対してどのような通知を行うかを判定する際に、図11に示す優先度管理テーブル611を用いて、IVR装置1001に自動応答要求を送信する。
【0052】
図11は、図10に示した処理で用いる優先度管理テーブル611の一例を示す図である。図11に示すように、優先度管理テーブル611では、通知内容に対応付けて、自動応答を行うかを示す応答フラグが記憶されている。例えば、優先度「4」の「スタッフ呼び出し」に対応付けて応答フラグ「1」が設定されているため、当該優先度の場合には、IVR装置1001は、あらかじめ定められたメッセージを送信する。この例では、優先度「4」の「スタッフ呼び出し」は、図7の設定テーブル701を参照すると、居室等の温度が25℃以上となっているために生じたものと判定できる。したがって、受信判定部305は、IVR装置1001に対して、「25℃未満となるように温度を下げてください。」といった自動応答メッセージを送信するように、IVR装置1001に指示する(S1001)。そして、IVR装置1001は、上記指示に従って、所定のメッセージをセンサ受信機200に送信する(S1002)。受信判定部305は、上記応答フラグに基づいて自動応答を行うと判定した場合、S908にかえてS1001を実行し、S911にかえてS1002を実行する。さらに、この場合は、S909、S910、S912-S914を実行せずに終了する。
【0053】
このような処理により、オペレータやスタッフのセンシング利用者に対する対応業務をより軽減することができる。
【0054】
以上説明したように、センシング利用者と当該センシング利用者を補助する補助者との間の通知制御を行う通知制御システム1000において、センサ受信機(例えば、センサ受信機200)は、上記センシング利用者の状態または/および行動を検知するセンサ(例えば、センサ100)のセンサ情報を受信する第1の処理部と、上記センサ情報と上記センシング利用者とを対応付けた受信機情報をサーバ(例えば、サーバ300)に送信する第2の処理部と、上記サーバからの指示に従って、上記補助者の電話機を呼び出し、上記補助者と上記センシング利用者との間での通話を制御する第3の処理部と、を有し、上記サーバは、上記センサ受信機から受信した上記受信機情報に含まれるセンサ情報が第1の条件(例えば、「見守り」センサのしきい値「バイタル低下」という条件)を満たした場合、上記センシング利用者に対する上記補助者による対応の優先度(例えば、優先度「1」)に応じて、当該補助者への通知方法を定めた優先度管理テーブル(例えば、「ランプ表示+メッセージ通知+スタッフ呼び出し」の「スタッフ呼び出し」)を用いて、上記補助者の電話機を呼び出す上記指示を送信する第4の処理部、を有する。これにより、センサ情報の優先度に応じて、自動的にセンシング利用者とオペレータやスタッフとの間で相互通話が可能となる。
【0055】
従来、介護施設などでは、介助無しでは転倒のリスクのある利用者がベッドからの離床を検知するセンサ等を活用していた。これまでの運用では、利用者の離床を検知し、その旨が、介護スタッフが所持している通知端末に通知され、通知を受け取った介護スタッフは、利用者の居室に向かい、利用者の状態を実際に確認しに出向く必要があった。また、利用者の状態を確認するために作業中の業務を一時中断する必要が生じていた。この場合、センサ情報の通知は必ずしも利用者の危険な状態ではないことがあり、一時確認として遠隔で声掛けをしたいという課題があった。
【0056】
また、従来は、介護施設などで利用されている、利用者の状態変化を検知したセンサ情報を通知するための通知システムと、介護スタッフを呼び出し、通話するための呼び出しシステムは、それぞれ別のシステムで運用されていた。このような環境では、利用者の状態変化を検知したセンサ情報がスタッフに通知されたあと、利用者とスタッフが直接、会話するためには、上記の通り、スタッフが直接利用者のところへ向かうか、利用者により、通知システムとは別に運用されている呼び出しシステムを操作するためのスタッフ呼び出しボタンを手動で押下する必要があり、必ずしも緊急時に迅速にオペレータやスタッフが対応できるとは限らなかった。
【0057】
本システムによれば、利用者の危険な状態を示す優先度を定めておき、当該優先度に応じて、緊急性の高い状態の場合には通知とともに自動的に利用者に声掛けすることができ、このような課題を解決することができるようになる。
【0058】
また、上記センサ受信機は、表示部(例えば、操作表示部208)と、上記サーバからの指示に従って、上記センサ情報に応じた種類のランプ情報(例えば、LED等の発光部の色情報、あるいは、操作表示部208に表示する画面の色情報)を上記表示部に表示する第5の処理部と、を有し、上記サーバの上記第4の処理部は、上記センサ受信機から受信した上記受信機情報に含まれるセンサ情報が第2の条件(例えば、優先度「3」の「見守り」センサのしきい値「バイタル低下」という条件)を満たした場合、上記センサ受信機に、上記センサ情報に応じた種類のランプ情報を上記表示部に表示する指示を送信する。これにより、オペレータやスタッフは、一見してセンシング利用者の状態や行動を把握することができる。
【0059】
また、上記サーバの上記第4の処理部は、上記センサ受信機から受信した上記受信機情報に含まれるセンサ情報が第3の条件(例えば、優先度「6」の「離床検知」センサのしきい値「離床」という条件)を満たした場合、上記補助者の電話機に、交換機(例えば、PBX400)を介して所定のメッセージを送信する。これにより、オペレータやスタッフは、速やかにセンシング利用者の状態や行動を把握することができる。
【0060】
また、上記センサ受信機は、通話機能を有した携帯端末により構成されてよい。これにより、センシング利用者は、自身が既に所持している使い慣れたスマートフォンなどにアプリケーションをダウンロードするだけで、本システムを利用することができるようになる。
【0061】
また、上記通知制御システムは、上記センサ受信機に対して所定のメッセージにより自動音声応答を行うIVR装置(例えば、IVR装置1001)を有し、上記サーバの上記第4の処理部は、上記補助者の電話機を呼び出す上記指示が設定されている場合であっても、上記優先度に対応付けて自動音声応答を行う旨の情報(例えば、優先度「4」の「スタッフ呼び出し」に対応付けて応答フラグ「1」)が設定されている場合、上記IVR装置に対して、上記センサ受信機に対して上記所定のメッセージを送信させる。これにより、オペレータやスタッフによるセンシング利用者に対する作業負担をより一層軽減することができる。
【0062】
以上、図面を用いて詳細に説明したが、本発明は上述の種々の例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、さらに種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1000 通知制御システム
100 センサ
200 センサ受信機
300 サーバ
400 PBX
500 電話機
201 センサ受信部
208 操作表示部
202 ランプ制御部
203 内線通話制御部
204 サーバ送受信部
205 PBXインタフェース部
206 全体制御部
207 記憶部
208 操作表示部
301 ランプ制御指示部
302 メッセージ送信指示部
303 内線呼出部
304 記憶部
305 受信判定部
306 PBXインタフェース部
307 全体制御部
351 受信機情報
3511 センサ情報
601 611 優先度管理テーブル
701 設定テーブル
1001 IVR装置
図1
図2
図3
図4
図5
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図11