(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139422
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
H01B 7/00 20060101AFI20230927BHJP
H02G 3/03 20060101ALI20230927BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20230927BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
H01B7/00 301
H02G3/03
H02G3/04
H02G3/16
H02G3/04 087
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022044946
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 英昭
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 大輔
(72)【発明者】
【氏名】竹中 祐司
(72)【発明者】
【氏名】水野 芳正
【テーマコード(参考)】
5G309
5G357
5G361
【Fターム(参考)】
5G309AA01
5G309AA11
5G357AA05
5G357AA07
5G357DA03
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DD06
5G357DD14
5G357DE03
5G357DE08
5G357DF01
5G357DG10
5G361BA06
5G361BB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ワイヤハーネスの接続先となる電気機器の放熱性を高めるワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス30は、コネクタ42に接続、発熱部品を有する電気機器から延出する配線50を少なくとも有する回路と、配線に沿って広がる熱伝導性板70と、回路と熱伝導性板70とを熱接続する熱伝導体80と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品を有する電気機器から延出する配線を少なくとも有する回路と、
前記配線に沿って広がる熱伝導性板と、
前記回路と前記熱伝導性板とを熱接続する熱伝導体と、
を備える、ワイヤハーネス。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤハーネスであって、
前記配線は、芯線と前記芯線を覆う被覆とを有し、
前記熱伝導体は、前記芯線と接続されている、ワイヤハーネス。
【請求項3】
請求項2に記載のワイヤハーネスであって、
前記配線の延在方向に沿った中間部には、前記芯線を覆う前記被覆が部分的にない中間皮剥ぎ部が設けられ、
前記熱伝導体は、前記中間皮剥ぎ部における前記芯線に接続されている、ワイヤハーネス。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のワイヤハーネスであって、
前記配線と前記熱伝導性板との間に介在するベース部材をさらに備え、
前記熱伝導体は、前記ベース部材に形成された窓部を介して前記芯線と前記熱伝導性板とを接続している、ワイヤハーネス。
【請求項5】
請求項4に記載のワイヤハーネスであって、
前記ベース部材は、前記配線が収まる溝が形成された本体と、前記本体とは反対側から前記配線を覆う蓋とを有するプロテクタであり、
前記本体及び前記蓋のうちいずれか一方の板部であって前記配線と前記熱伝導性板との間に介在する板部に前記窓部が形成され、
前記本体及び前記蓋のうちいずれか他方が前記配線を前記熱伝導体に向けて押さえる、ワイヤハーネス。
【請求項6】
請求項4に記載のワイヤハーネスであって、
前記ベース部材は柔軟性を有するシート部材である、ワイヤハーネス。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
前記ベース部材が複数の前記配線を扁平に保っている、ワイヤハーネス。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
前記回路は、前記配線の端部に接続された端子をさらに有し、
前記熱伝導体は、前記端子と前記熱伝導性板とを接続している、ワイヤハーネス。
【請求項9】
請求項8に記載のワイヤハーネスであって、
前記熱伝導体は、前記端子に接続された熱引き線を有する、ワイヤハーネス。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載のワイヤハーネスであって、
前記端子がコネクタハウジングのキャビティに収まり、
前記熱伝導体は、絶縁性を有し、前記キャビティ内に充填された充填部材を有する、ワイヤハーネス。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
前記配線として信号線と前記信号線よりも導体断面積の大きい電源線とが設けられ、
前記電源線の前記回路に前記熱伝導体が接続されている、ワイヤハーネス。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のワイヤハーネスであって、
前記電気機器のコネクタに接続される機器用コネクタと、それぞれ相手側ワイヤハーネスのコネクタが接続される第1ハーネス用コネクタ及び第2ハーネス用コネクタとが設けられ、
前記配線は、前記機器用コネクタから分岐して前記第1ハーネス用コネクタ及び前記第2ハーネス用コネクタに接続される複数の配線を含む、ワイヤハーネス。
【請求項13】
請求項12に記載のワイヤハーネスであって、
前記配線は、前記第1ハーネス用コネクタと前記第2ハーネス用コネクタとを接続するスルー回路用配線を含む、ワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、インパネハーネス、エンジンルームハーネス、ドアハーネス及びフロアハーネスを相互に電気的に接続する相互接続箱を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでワイヤハーネスの接続先となる電気機器について、放熱性を高めることが望まれている。
【0005】
そこで、本開示は、ワイヤハーネスの接続先となる電気機器について、放熱性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のワイヤハーネスは、発熱部品を有する電気機器から延出する配線を少なくとも有する回路と、前記配線に沿って広がる熱伝導性板と、前記回路と前記熱伝導性板とを熱接続する熱伝導体と、を備える、ワイヤハーネスである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ワイヤハーネスの接続先となる電気機器について、放熱性を高めつつ小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は車両におけるワイヤハーネスを含む配線システムを示す説明図である。
【
図2】
図2は実施形態にかかるワイヤハーネスが車両に配置された様子を示す斜視図である。
【
図3】
図3は実施形態にかかるワイヤハーネスを示す平面図である。
【
図7】
図7は第1変形例にかかるベース部材を示す断面図である。
【
図8】
図8は第2変形例にかかる回路及び熱伝導体を示す斜視図である。
【
図10】
図10は複数種のコネクタ及び複数の配線の接続関係を説明する図である。
【
図11】
図11は機器用コネクタ、第1ハーネス用コネクタ及び第2ハーネス用コネクタの接続関係を説明する図である。
【
図12】
図12は第3変形例にかかる配線及びベース部材を示す断面図である。
【
図14】
図14は複数の配線の分け方の別の例を示す図である。
【
図15】
図15は第4変形例にかかるワイヤハーネスを示す斜視図である。
【
図16】
図16は第4変形例にかかるワイヤハーネスを示す分解斜視図である。
【
図17】
図17は第5変形例にかかるワイヤハーネスを示す平面図である。
【
図18】
図18は第5変形例にかかるワイヤハーネスが車両に配置された様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示のワイヤハーネスは、次の通りである。
【0011】
(1)発熱部品を有する電気機器から延出する配線を少なくとも有する回路と、前記配線に沿って広がる熱伝導性板と、前記回路と前記熱伝導性板とを熱接続する熱伝導体と、を備える、ワイヤハーネスである。
【0012】
本開示によると、回路と熱伝導性板とを熱接続する熱伝導体を備えることによって、発熱部品の発した熱が回路及び熱伝導体を介して熱伝導性板に伝わる。熱伝導性板は配線に沿って広がる板である。このため、発熱部品からの熱が熱伝導性板によって効果的に放熱され、ワイヤハーネスの接続先となる電気機器の放熱性を高めることができる。
【0013】
(2)(1)のワイヤハーネスにおいて、前記配線は、芯線と前記芯線を覆う被覆とを有し、前記熱伝導体は、前記芯線と接続されていてもよい。これにより、配線と熱伝導体との熱伝導性が高まる。
【0014】
(3)(2)のワイヤハーネスにおいて、前記配線の延在方向に沿った中間部には、前記芯線を覆う前記被覆が部分的にない中間皮剥ぎ部が設けられ、前記熱伝導体は、前記中間皮剥ぎ部における前記芯線に接続されていてもよい。これにより、芯線と熱伝導体との接続位置と、電気機器との間に被覆を介在させることができ、必要な絶縁性を確保しやすい。
【0015】
(4)(2)又は(3)のワイヤハーネスにおいて、前記配線と前記熱伝導性板との間に介在するベース部材をさらに備え、前記熱伝導体は、前記ベース部材に形成された窓部を介して前記芯線と前記熱伝導性板とを接続していてもよい。これにより、熱伝導体による芯線と熱伝導性板との接続を確保しつつベース部材によって配線を保護することができる。
【0016】
(5)(4)のワイヤハーネスにおいて、前記ベース部材は、前記配線が収まる溝が形成された本体と、前記本体とは反対側から前記配線を覆う蓋とを有するプロテクタであり、前記本体及び前記蓋のうちいずれか一方の板部であって前記配線と前記熱伝導性板との間に介在する板部に前記窓部が形成され、前記本体及び前記蓋のうちいずれか他方が前記配線を前記熱伝導体に向けて押さえてもよい。これにより、配線と熱伝導体との密着性が高まることによって、配線と熱伝導体との熱伝導性が高まる。
【0017】
(6)(4)のワイヤハーネスにおいて、前記ベース部材は柔軟性を有するシート部材であってもよい。これにより、ベース部材を簡易に設けることができる。また、配線とシート部材とを一緒に曲げることができる。
【0018】
(7)(4)から(6)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、前記ベース部材が複数の前記配線を扁平に保っていてもよい。これにより、広く設定し易い熱伝導性板によって効果的な放熱が可能となる。
【0019】
(8)(1)から(7)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、前記回路は、前記配線の端部に接続された端子をさらに有し、前記熱伝導体は、前記端子と前記熱伝導性板とを接続していてもよい。これにより、熱伝導体が電気機器により近い位置で回路と接続されることができる。
【0020】
(9)(8)のワイヤハーネスにおいて、前記熱伝導体は、前記端子に接続された熱引き線を有してもよい。これにより、熱伝導体の熱伝導性が高まる。
【0021】
(10)(8)又は(9)のワイヤハーネスにおいて、前記端子がコネクタハウジングのキャビティに収まり、前記熱伝導体は、絶縁性を有し、前記キャビティ内に充填された充填部材を有してもよい。これにより、端子と接続される熱伝導体を簡易に設けることができる。
【0022】
(11)(1)から(10)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、前記配線として信号線と前記信号線よりも導体断面積の大きい電源線とが設けられ、前記電源線の前記回路に前記熱伝導体が接続されていてもよい。電源線は、信号線よりも導体断面積が大きい分、熱伝導性も高い場合が多い。この電源線の回路に熱伝導体が接続されていることによって、電気機器の放熱性がより高まる。
【0023】
(12)(1)から(11)のいずれか1つのワイヤハーネスにおいて、前記電気機器のコネクタに接続される機器用コネクタと、それぞれ相手側ワイヤハーネスのコネクタが接続される第1ハーネス用コネクタ及び第2ハーネス用コネクタとが設けられ、前記配線は、前記機器用コネクタから分岐して前記第1ハーネス用コネクタ及び前記第2ハーネス用コネクタに接続される複数の配線を含んでもよい。この場合、電気機器に接続されるコネクタの数を減らすことができる。これにより、電気機器のコネクタ数を削減でき、電気機器の小型化が可能となる。
【0024】
(13)(12)のワイヤハーネスにおいて、前記配線は、前記第1ハーネス用コネクタと前記第2ハーネス用コネクタとを接続するスルー回路用配線を含んでもよい。この場合、本ワイヤハーネスを介して複数種の相手側ワイヤハーネス同士を接続することも可能となり、複数種の相手側ワイヤハーネス同士の接続及び当該複数種の相手側ワイヤハーネスと機器との接続が簡易となる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0026】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかるワイヤハーネスについて説明する。
図1は車両10におけるワイヤハーネス30を含む配線システムを示す説明図である。
図2は実施形態にかかるワイヤハーネス30が車両10に配置された様子を示す斜視図である。
図2に示される前後方向(FRONT,REAR)、左右方向(LEFT,RIGHT)、及び上下方向(UP,LOW)は、車両10における前後方向、左右方向、及び上下方向に対応する。
図3は実施形態にかかるワイヤハーネス30を示す平面図である。
図4は
図3の領域Aの拡大図である。
図5は
図4のV-V線に沿った断面図である。
図6はワイヤハーネス30の分解平面図である。なお、
図4においてプロテクタ54の蓋56が二点鎖線で記載されている。また、
図6においてプロテクタ54の蓋56が省略されている。
【0027】
<ワイヤハーネスの全体構成について>
ワイヤハーネス30は、例えば、車両10に配置される。ワイヤハーネス30は、複数種の相手側ワイヤハーネス20及び電気機器22の間に介在して、複数種の相手側ワイヤハーネス20それぞれと電気機器22とを接続する。複数種の相手側ワイヤハーネス20は、車両10において互いに異なるエリアに配置される。電気機器22は、後述する発熱部品24(
図9参照)を有する機器である。本実施形態のワイヤハーネスは、複数種の相手側ワイヤハーネス20同士も接続する。ワイヤハーネス30は、回路と、熱伝導性板70と、熱伝導体80とを備える。
【0028】
ワイヤハーネス30の回路として、複数種の相手側ワイヤハーネス20それぞれと電気機器22とを接続するための回路が含まれる。本実施形態では、ワイヤハーネス30の回路として、複数種の相手側ワイヤハーネス20同士を接続するための回路も含まれる。
【0029】
ワイヤハーネス30の回路は、少なくとも配線50を含む。ワイヤハーネス30の回路の少なくとも一部の経路が、配線50によって構成されている。複数の配線50が扁平な経路に沿うように配置されている。
【0030】
熱伝導性板70は、配線50に沿って広がる板である。換言すれば、複数の配線50は、熱伝導性板70に沿って広がる部分を含む。複数の配線50が広がる扁平形態に沿って熱伝導性板70が配置されており、ワイヤハーネス30全体として扁平な形態を呈している。ワイヤハーネス30が扁平な形態とされているため、ワイヤハーネス30を、パネルの一主面に沿って配置し易い。
【0031】
熱伝導性板70は、熱伝導性が良好な板、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属板である。熱伝導性板70の熱伝導率は、空気の熱伝導率よりも大きく、好ましくは、樹脂の熱伝導率よりも大きい。例えば、熱伝導性板70の熱伝導率は、80(W/mK)以上、好ましくは、230(W/mK)以上である。
【0032】
熱伝導体80は、回路と、熱伝導性板70との間に介在して、回路と熱伝導性板70とを熱接続する。本実施形態では、熱伝導体80は、回路のうちの配線50に接続されている。本実施形態では、熱伝導体80は、絶縁性を有する。これにより、回路及び熱伝導性板70のうち熱伝導体80が接触する部分が共に導体である場合に、熱伝導体80を介した回路と熱伝導性板70との電気的接続が抑制される。
【0033】
例えば、熱伝導体80は、熱伝導性が良好でかつ絶縁性を有する熱伝導性絶縁ゴムであってもよい。熱伝導性ゴムは、例えば、熱伝導性が良好でかつ絶縁性を有するフィラー(酸化マグネシウム等)を含むゴムである。熱伝導体80は、セラミックス、熱伝導性グリスであってもよい。熱伝導体80は、空気よりも熱伝導性に優れており、好ましくは、ベース部材54を形成する樹脂及び配線50の被覆53bを形成する樹脂よりも熱伝導性に優れている。例えば、熱伝導体80の熱伝導率は、1.0(W/mK)以上、好ましくは、6.5(W/mK)以上である。熱伝導体80は、導体(電気の良導体)であってもよい。
【0034】
<ワイヤハーネスの配置エリア及び接続関係について>
便宜上、車両10におけるワイヤハーネス30の配置エリア、相手側ワイヤハーネス20及び電気機器22の例について先に説明する。
【0035】
車両10におけるワイヤハーネス30の配置エリアは、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。ワイヤハーネス30が複数種の相手側ワイヤハーネス20の間に介在することに鑑みると、ワイヤハーネス30の配置エリアは、複数種の相手側ワイヤハーネス20がそれぞれ配置される複数のエリアの境界に近いエリアであることが好ましい。ここではワイヤハーネス30の配置エリアは、ダッシュパネル11及びカウルサイドパネル15の交わるエリアであるものとした説明がなされる。
【0036】
ダッシュパネル11は、車両10におけるエンジンルームと車室とを仕切る。ダッシュパネル11よりも前方がエンジンルームであり、ダッシュパネル11よりも後方が車室である。通常、ダッシュパネル11よりも後方にインストルメントパネルが設けられ、インストルメントパネルが車室に露出する。ダッシュパネル11は、本体部分12と張出部分13とを含む。ダッシュパネル11の本体部分12の主面は、車両10において、左右方向及び上下方向に広がる。張出部分13は、本体部分12における左右方向の端部の下方に設けられる。張出部分13は、本体部分12よりも車室側に張り出す部分である。張出部分13は、車両10にホイールハウスを設けるための部分である。
【0037】
カウルサイドパネル15は、ダッシュパネル11の左側及び右側のそれぞれにおいて、ダッシュパネル11に連なる。カウルサイドパネル15の主面は、車両10において、前後方向及び上下方向に広がる。
図2では、ダッシュパネル11の左側に設けられたカウルサイドパネル15とダッシュパネル11との交わるエリアが示されている。カウルサイドパネル15の前側の下方の縁部は、張出部分13に応じて曲がっている。
【0038】
カウルサイドパネル15にはインパネリンフォースメント17の端部が固定される。インパネリンフォースメント17は、ダッシュパネル11及びインストルメントパネルの間に設けられる。インパネリンフォースメント17は、左右方向に長尺な棒状の部材である。
【0039】
ダッシュパネル11及びカウルサイドパネル15の交わるエリアの下方には、フロアパネル18が設けられる。フロアパネル18の主面は、車両10において、前後方向及び左右方向に広がる。
【0040】
ワイヤハーネス30の配置エリアが、ダッシュパネル11及びカウルサイドパネル15の交わるエリアである場合、相手側ワイヤハーネス20としては、エンジンルームハーネス20A、インパネハーネス20B、ドアハーネス20C及びフロアハーネス20Dなどが想定される。エンジンルームハーネス20Aは、エンジンルームに配置される。インパネハーネス20Bは、インパネリンフォースメント17に沿って延びるように配置される。ドアハーネス20Cは、ドアに配置される。フロアハーネス20Dは、フロアに配置される。相手側ワイヤハーネス20としては、ルーフハーネス20Eが想定されてもよい。ルーフハーネス20Eは、ルーフに配置される。
【0041】
なお、本開示においてエンジンルームとの語とは、車室よりも前に位置する前室の便宜上の呼称であり、必ずしもエンジンルームにエンジンが配置されている必要は無い。同様に、本開示においてエンジンルームハーネス20Aとの語とは、車室よりも前に位置する前室に配置される相手側ワイヤハーネス20の便宜上の呼称である。
【0042】
ワイヤハーネス30の配置エリアと、エンジンルームハーネス20Aの配置エリアとは、ダッシュパネル11によって仕切られている。ここでは、ダッシュパネル11に貫通孔14が形成されている。当該貫通孔14を通じてワイヤハーネス30及びエンジンルームハーネス20Aが接続される。同様に、ワイヤハーネス30の配置エリアと、ドアハーネス20Cの配置エリアとは、カウルサイドパネル15によって仕切られている。ここでは、カウルサイドパネル15に貫通孔16が形成されている。当該貫通孔16を通じてワイヤハーネス30及びドアハーネス20Cが接続される。車両におけるフロアパネル18の側縁には、例えばロッカ部18aが位置する。フロアハーネス20Dのうちワイヤハーネス30と接続される端部が当該ロッカ部18aに沿って車両の前後方向に延びる。ルーフは、ダッシュパネル11及びカウルサイドパネル15の交わるエリアよりも上方に位置する。例えば、ルーフハーネス20Eのうちワイヤハーネス30と接続される端部が、Aピラー19に沿ってルーフからダッシュパネル11及びカウルサイドパネル15の交わるエリア又はその近傍まで延びる。
【0043】
<電気機器について>
電気機器22は、ワイヤハーネス30の配置エリアと同じエリアに配置される。
図2に示す例では、電気機器22は、カウルサイドパネル15に固定されている。電気機器22は、ダッシュパネル11、インパネリンフォースメント17又はフロアパネル18などに固定されていてもよい。
【0044】
電気機器22は、発熱部品24を有する電気機器であり、例えば、ECU(電子制御ユニット)である。車両10において、1つのセントラルECUと、複数のゾーンECUとが設けられてもよい。ゾーンECUは、車両10において複数に区分けされたゾーン毎に設けられる。ゾーンECUは、主として、そのゾーン内に存在する機器の制御を実施する。セントラルECUは、複数のゾーンECUを統括して、車両10全体で協働する制御を実現する。電気機器22は、例えば、ゾーンECUであってもよい。この場合、ゾーンECUとしての電気機器22の制御対象は、エンジンルームハーネス20A、インパネハーネス20B、ドアハーネス20C及びフロアハーネス20Dの接続先の複数の機器などである。
【0045】
もっとも、ECUである電気機器22は、ゾーンECU以外の一般的なECUであってもよい。また、電気機器22は、ECUでなくともよく、例えば、ジャンクションブロック(電気接続箱などとも言う)などであってもよい。電気機器22は、発熱部品を有する。発熱部品は、例えば、電磁リレー、半導体スイッチ、ヒューズ(FUSE)、IC(Integrated Circuit)等、電気回路において発熱する素子である。
【0046】
<ワイヤハーネスについて>
本実施形態では、ワイヤハーネス30は、配線50を含む回路、熱伝導性板70及び熱伝導体80に加えて、さらに複数種のコネクタ42、44と、ベース部材54とを備える。
【0047】
配線50は、発熱部品24を有する電気機器22から延出する。本実施形態では、配線は、電線53である。電線53は、芯線53aと芯線53aを覆う被覆53bとを有する。電線53は、1つの芯線53aを1つの被覆53bが覆う単線である。電線は、複数の芯線を1つの被覆が覆う複合線であってもよい。
【0048】
電線53の延在方向に沿った中間部には、中間皮剥ぎ部53cが設けられる。中間皮剥ぎ部53cは、芯線53aを覆う被覆53bが部分的にない部分である。中間皮剥ぎ部53cよりも電線53の一端側及び他端側のそれぞれに被覆53bが存在する。電線53の中間皮剥ぎ部53cに熱伝導体80が接続されている。
【0049】
ここでは、複数の配線50のうち一部の配線50に熱伝導体80が接続され、他の一部の配線50には熱伝導体が接続されていない。ここでは、配線50として信号線50Sと電源線50Pとが設けられる。電源線50Pの導体断面積は、信号線50Sの導体断面積よりも大きい。電源線50Pは、信号線50Sよりも大きな電流を流せるように構成されている。電源線50Pに熱伝導体80が接続されており、信号線50Sには熱伝導体80が接続されていない。
【0050】
複数種のコネクタ42、44は、接続先が相互に異なる。複数種のコネクタ42、44は、接続先となる電気機器22、相手側ワイヤハーネス20に対する接続位置に対応する位置に配置される。
【0051】
配線50の複数の端部のそれぞれにコネクタ42、44が接続されている。配線50は、コネクタ42を介して電気機器22に接続され、コネクタ44を介して相手側ワイヤハーネス20に接続される。配線50がコネクタ42、44を介して電気機器22及び相手側ワイヤハーネス20に接続されることは必須ではない。配線50の少なくとも一部は、電気機器22から直接引出された配線、又は、相手側ワイヤハーネス20の配線に直接繋がる配線であってもよい。
【0052】
ベース部材54は、配線50と熱伝導性板70との間に介在する。ベース部材54には、窓部55eが形成されている。熱伝導体80は、窓部55eを介して中間皮剥ぎ部53cの位置における芯線53aと熱伝導性板70とを接続している。例えば、ベース部材54は、複数の配線50を扁平に保つ部材であってもよい。また、例えば、ベース部材54は、複数の配線50を保護する部材であってもよい。ベース部材54は、上記複数種のコネクタ42、44の位置及び配線50の経路に応じて分岐したり、曲ったりする形状に形成されていてもよい。
【0053】
本実施形態では、ベース部材54は、プロテクタ54である。プロテクタ54は、本体55と蓋56とを有する。本体55には、溝55dが形成されている。溝55dには、配線50が収まる。蓋56は、溝55dの開口を覆う。プロテクタ54は、比較的剛性の高い樹脂による成形品であり、配線50と共に曲る柔軟性は有していない。プロテクタ54は、予め配線50の経路に応じた形を有するように成形され、当該形を維持できる剛性を有する。配線50は、プロテクタ54に収容されることによって、プロテクタ54の形状に応じた状態、つまり、配線50の所定の経路に沿った状態に保持される。
【0054】
本体55は、底板55aと複数の側板55bとを有する。複数の側板55bは底板55aの主面上に突出する。本体55は、側板55bが底板55aから突出した状態を保てる剛性を有する。複数の側板55bは、底板55aの幅方向に間隔をあけて並んでいる。側板55bは、底板55aの幅方向に沿った両端に設けられる。側板55bは、本体55の内部と外部とを仕切る。底板55aからの側板55bの突出寸法が底板55aの幅寸法よりも小さい。このため、本体55において、複数の配線50を収容する収容空間が扁平とされる。また、側板55bが所定の経路に沿って設けられることによって、プロテクタ54に、複数の配線50を収容する扁平な収容空間が所定の経路に沿って形成されている。複数の配線50が当該扁平な収容空間に収容されることによってワイヤハーネス30が扁平な形態に保たれている。ワイヤハーネス30が扁平であることは必須ではない。プロテクタが、同程度の幅寸法及び高さ寸法を有するように形成されていてもよい。
【0055】
機器用コネクタ42側の端部では、底板55aの幅方向に沿った中間部にも板部が設けられる。底板55aの幅方向に沿った中間部の板部は仕切板55cである。仕切板55cは、本体55の内部空間を仕切る。仕切板55cが設けられることによって、本体55の内部空間に複数の溝55dが並列状に設けられる。
【0056】
仕切板55cは、機器用コネクタ42側の端部に部分的に設けられている。仕切板55cが設けられた部分における複数の並列状の収容空間が形成される構成と、仕切板55cが設けられていない部分における一つの収容空間が形成される構成とが組合わされている。仕切板55cが設けられた部分における複数の並列状の収容空間が形成される構成と、仕切板55cが設けられていない部分における一つの収容空間が形成される構成とのうちいずれか一方が省略されて、いずれか他方が連続していてもよい。
【0057】
ここでは機器用コネクタ42側の端部では、仕切板55cが3つ並列状に設けられる。これにより、機器用コネクタ42側の端部では、本体55の内部空間に4つの溝55dが並列状に設けられる。4つの溝55dのうち3つの溝55dには、それぞれ1本の配線50が収まる。当該配線50は電源線50P又はアース線である。4つの溝55dのうち1つの溝55dには、複数の配線50がまとめて収まる。当該配線50は、信号線50Sである。
【0058】
蓋56は蓋板部56aと側板部56bと有する。蓋板部56aが溝55dの開口を覆う。側板部56bは、側板55bの外側に重なる。側板部56bは省略されてもよい。蓋56は本体55に取付けられている。例えば、蓋56に設けられた係止部が、本体55に設けられた受部に係止することによって、本体55と蓋56とが係止されていてもよい。
【0059】
コネクタ42、44は、プロテクタ54に保持されていてもよい。配線50がプロテクタ54の端部から延び出て、コネクタ42、44がプロテクタ54と離れて設けられていてもよい。
【0060】
本実施形態では、熱伝導性板70は、平板状である。熱伝導性板70は、厚み方向に曲っていてもよい。熱伝導性板70は、配線重複領域72を含む。配線重複領域72は、配線50に沿って広がる領域である。本実施形態では、配線重複領域72は、配線50の端部のコネクタ44に隣接する領域を除き、配線50の経路全体に沿って広がっている。配線重複領域72は、配線50の経路の少なくとも一部に重なっていればよい。配線重複領域72は、配線50の経路に重ならない付加的な領域を有していてもよい。
【0061】
熱伝導性板70は、ボルト又はクリップ等の固定具によって車両に固定するための固定部を有していてもよい。
図3において、固定部の一例としての固定片71の一部が例示される。固定片71は、熱伝導性板70の外周縁から外方に延出する部分的な板状部分であり、挿通孔71aを有している。固定片71が車両(例えば、カウルサイドパネル15)に接触した状態で、ボルト等によって固定片71が車両に固定される。熱伝導性板70が車両に接することで、熱伝導性板70から車両に熱が伝わり易くなる。固定片71は、必要性に応じて熱伝導性板70の周囲に複数設けられる。
【0062】
なお、車両に対する熱伝導性板70の固定構造は上記例に限られない。熱伝導性板70は、他の嵌込構造、溶接等によって車両に固定されてもよいし、電気機器22等によって一定位置に支持されてもよい。
【0063】
プロテクタ54は、熱伝導性板70と一体化されていてもよい。例えば、プロテクタ54は、ボルト又はクリップ等の固定具によって熱伝導性板70に固定するための固定部を有していてもよい。
図3において、固定部の一例としての固定片55fの一部が例示される。固定片55fは、本体55又は蓋56の外周縁から外方に延出する部分的な板状部分であり、孔55gを有している。固定片55fが熱伝導性板70に接触した状態で、ボルトS等によって固定片が熱伝導性板70に固定される。固定片55fは、必要性に応じてプロテクタ54の周囲に複数設けられる。
【0064】
また例えば、熱伝導性板70の一方主面(車両に接する側とは反対側)に配線50及びプロテクタ54が配置された状態で、それらに粘着テープ、結束バンド等の結束部材76(
図3参照)が結束されてもよい。配線50及びプロテクタ54と、熱伝導性板70との一体化は、上記例に限定されず、例えば、両面テープ、接着剤等によってなされてもよい。
【0065】
配線50と熱伝導性板70とが一体化されていれば、熱伝導性板70は、配線50を熱伝導性板70に沿って平たい状態に保つ役割を果すことができる。
【0066】
本実施形態では、熱伝導性板70は、機器重複領域74を含んでいる。機器重複領域74は、電気機器22に重ねられる領域である。本実施形態では、コネクタ42が電気機器22に接続されている。このため、配線50のうち当該コネクタ42の延長上に電気機器22が位置している。機器重複領域74は、配線重複領域72から電気機器22が位置する領域に向けて延出する領域である。本実施形態では、機器重複領域74は、電気機器22の全体に重なっている。機器重複領域74は、電気機器22の少なくとも一部に重なっていればよい。また、機器重複領域74は、電気機器22に重ならない付加的な領域を有していてもよい。
【0067】
また、複数の配線50は、熱伝導性板70に粘着テープ、結束バンド等の結束部材、両面テープ、接着剤等によって固定されてもよい。
【0068】
<ワイヤハーネスにおける熱伝導性板を用いた放熱経路について>
ワイヤハーネス30における熱伝導性板70を用いた放熱経路について説明する。
【0069】
ベース部材54のうち放熱させたい配線50と対向する板部に窓部55eが形成される。窓部55eは、配線50の少なくとも一部を外側に臨ませる位置に形成されればよい。つまり、ベース部材54のうち窓部55eが形成された板部を、当該板部に対して垂直方向に沿って外側から観察したときに、窓部55eの少なくとも一部と配線50の少なくとも一部とが重なっていればよい。
図5及び
図6では、窓部55eは、放熱させたい複数の配線50のそれぞれに個別に設けられる。窓部は放熱させたい複数の配線50に重なる複数の領域及び当該複数の領域を繋いでいてもよい。つまり、窓部は、放熱させたい複数の配線50に共通する1つの窓部として形成されていてもよい。
【0070】
底板55a及び蓋板部56aのうち配線50と熱伝導性板70との間に介在する板部に窓部55eが形成されている。ここでは、底板55aが配線50と熱伝導性板70との間に介在するようにプロテクタ54が配置される。このため、底板55aに窓部55eが形成される。蓋板部56aが配線50と熱伝導性板70との間に介在するようにプロテクタ54が配置されてもよい。この場合、蓋板部56aに窓部が形成されてもよい。
【0071】
窓部55eは、底板55aのうち機器用コネクタ42側の端縁部よりも若干内側に設けられている。中間皮剥ぎ部53cは、窓部55eに対応する位置に設けられている。ここでは、配線50の延在方向に沿って、中間皮剥ぎ部53cが窓部55eよりも長い。配線50の幅方向に沿った窓部55eの寸法が、芯線53aの直径よりも大きい。
【0072】
熱伝導性板70のうち配線重複領域72がベース部材54のうち窓部55eが形成された板部分に沿って配置される。ベース部材54に対して熱伝導性板70が一定位置に保たれることが好ましい。熱伝導性板70に対してベース部材54が固定されてもよい。例えば、上記固定片55fの孔55gが熱伝導性板70に形成された孔70aに重ね合わされていてもよい。この場合、ボルトSが孔に挿通されてナットに締結されてもよい。ナットが車両側に設けられていれば、プロテクタ及び熱伝導性板70を車両10に一括固定できる。
図6に1つの固定片が例示される。固定片は、必要に応じてベース部材の周囲に複数設けられる。熱伝導性板70と、ベース部材とが別々に車両10等に固定されることによって、熱伝導性板70とベース部材とが一定の位置関係に保たれてもよい。
【0073】
熱伝導体80は、窓部55e内に配置可能な形状に形成される。本実施形態では、窓部55eは方形状であり、熱伝導体80は当該窓部55e内に配置可能な直方体状である。熱伝導体80のうち配線50側の面が当該配線50に面することができる。熱伝導体80の面は当該配線50の少なくとも一部に面すればよい。熱伝導体80の面は当該配線50から側方に、はみ出る部分を有していてもよい。本実施形態では、熱伝導体80の面は、窓部55eと同じ大きさに広がっている。配線50と接触する前の熱伝導体80の面は平面であり、配線50に向けて押圧されることによって配線50の外面の凸面に応じた凹面に変形してもよい。
【0074】
熱伝導体80は、直方体ではない他の形状であってもよい。例えば、熱伝導体80は、円柱状形状であり、円形端面が配線50に対向配置されてもよい。
【0075】
熱伝導体80の外周面は、窓部55eの内周面と接触するように配置されることが好ましい。これにより、熱伝導体80と窓部55eとの間を通って水、ほこり等がベース部材54内に進入し難くなる。
【0076】
熱伝導体80がゴムであれば、熱伝導体80を配線50及び熱伝導性板70に密着させ易い。また、熱伝導体80を窓部55eの内周面に密着させ易い。
【0077】
蓋56が配線50を熱伝導体80に向けて押さえてもよい。配線50及び熱伝導体80が、底板55aのうち窓部55eの周縁部分と蓋56とに押圧されてもよい。ここでは熱伝導体80が窓部55eを通じてプロテクタ54の内部空間に突出して、中間皮剥ぎ部53cにおける芯線53aを蓋56側に押す。これにより、配線50のうち窓部55e及びその隣に配置された部分が底板55aから離れて、蓋板部56aに向かう。この部分を蓋板部56aが押さえることによって、中間皮剥ぎ部53cにおける芯線53aが熱伝導体80に向けて押さえられた状態とされる。蓋56に、蓋板部56aの内面から配線50に向けて突出する押え部材が設けられてもよい。押え部材と熱伝導体80とが互いに逆側から配線50を押圧するように挟み込んでもよい。
【0078】
熱伝導体80が窓部55eを通じてプロテクタ54の内部空間に突出していなくてもよい。この場合、蓋56に設けられる押え部材が配線50を熱伝導体80に向けて押さえると良い。押え部材に押された配線50の一部が窓部55e内に入り込んでもよい。
【0079】
熱伝導体80と配線50との間、又は、熱伝導体80と配線重複領域72との間に他の介在物が介在してもよい。介在物は、相手側に対する密着性を高める熱伝導性シート、熱伝導性接着剤、熱伝導性両面テープ又は熱伝導性グリスである。介在物が熱伝導性接着剤又は熱伝導性両面テープであれば、熱伝導体80を配線50又は配線重複領域72に固定した状態に保つことができる。
【0080】
熱伝導体80が熱伝導性板70に固定されていてもよい。熱伝導体80が熱伝導性板70に固定されていれば、プロテクタ54と熱伝導性板70とを一体化する作業時に、熱伝導体80を配線50と配線重複領域72との間に介在させることが容易となる。例えば、プロテクタ54を熱伝導性板70に組付ける際に、熱伝導性板70に固定された熱伝導体80を窓部55eに挿入すれば、熱伝導体80が配線50と配線重複領域72との間に配置される。
【0081】
熱伝導体80がプロテクタ54に固定されていてもよい。熱伝導体80がプロテクタ54に固定されていれば、プロテクタ54と熱伝導性板70とを一体化する作業時に、窓部55eを通じて熱伝導体80を配線50と配線重複領域72との間に介在させることが容易となる。例えば、熱伝導体80の外周に、窓部55eの周縁部に嵌る溝が形成されていてもよい。また例えば、熱伝導体80は、窓部55eに対応する大きさの本体部と、本体部の外側に広がり、窓部55eよりも大きいフランジ部とを有してもよい。本体部が窓部55eを通じてプロテクタ54の外部に向けて突出し、フランジ部がプロテクタ54の内部において窓部55eの周縁部に引っ掛かっていてもよい。
【0082】
熱伝導体80が配線50に固定されていてもよい。熱伝導体80が配線50に固定されていれば、プロテクタ54と熱伝導性板70とを一体化する作業時に、窓部55eへの熱伝導体80の位置決めが不要となり、熱伝導体80を配線50と配線重複領域72との間に介在させることが容易となる。例えば、熱伝導体80は、配線50に固定される配線固定部と、配線固定部から突出する突出部とを有してもよい。突出部が、窓部55eを通じてプロテクタ54の外部に突出してもよい。
【0083】
ベース部材54にかかる第1変形例が
図7に示される。同図に示すように、変形例にかかるベース部材362は柔軟性を有するシート部材58である。シート部材58は配線50の曲げに追従可能な柔軟性を有する。これにより、ベース部材362を簡易に設けることができる。また、配線50とシート部材58とを一緒に曲げることができる。シート部材58は、配線50を一方から覆う。この場合、
図7に示すように、シート部材58のない側において、シート部材58とは別の絶縁テープなどの絶縁部材59が中間皮剥ぎ部53cの芯線53aを覆っていてもよい。これにより、芯線53aが露出することが抑制される。
【0084】
シート部材58は、例えば、樹脂シートである。シート部材58は、不織布など、繊維材を有するシートであってもよい。シート部材58は、充実断面を有するシートであってもよい。
【0085】
配線50がシート部材58に固定されていてもよい。配線50とシート部材58との固定態様は、特に限定されるものではなく適宜設定可能である。例えば、配線50とシート部材58とは、融着によって固定されてもよい。この場合、配線50としての電線53の被覆53bと、シート部材58の主面との少なくとも一方に含まれる樹脂が溶けて、相手側の部材の表面に接着して固定される。また例えば、配線50とシート部材58とは、接着材又は粘着材によって貼り付けられてもよい。複数の配線50は、シート部材58の主面上に並んでいる。各配線50がシート部材58に固定されることによって、並列状態が保たれてもよい。
【0086】
シート部材58に窓部58aが形成されている。ベース部材がプロテクタ54の場合と同様に、窓部58aを介して中間皮剥ぎ部53cにおける芯線53aと熱伝導体80とが接続されている。配線50は、中間皮剥ぎ部53cの両隣の位置で、シート部材58と固定されていてもよい。これにより、熱伝導体80が窓部58aを介してシート部材58のうち配線50が配置される面よりも配線50側に突出して配線50と接触したときに、配線50が熱伝導体80から離れにくい。
【0087】
回路及び熱伝導体80にかかる第2変形例が
図8及び
図9に示される。
【0088】
回路は、配線50の端部に接続された端子42aをさらに有する。熱伝導体82は、端子42aと熱伝導性板70とを接続している。これにより、熱伝導体80が電気機器22により近い位置で回路と接続されることができる。端子42aは、機器用コネクタ42に設けられたコネクタ端子である。端子42aは機器用コネクタ42のコネクタハウジング42bに保持される。ここでは端子42aはコネクタハウジング42bのキャビティ42cに収まっている。
【0089】
図9に示す電気機器22は、ケース23と、発熱部品24と、回路基板25と、コネクタ26とを備える。
【0090】
ケース23は、樹脂等によって形成されていた箱である。例えば、ケース23は、扁平な箱状に形成されている。ケース23内に発熱部品24が収容される。ケース23内に回路基板25が固定されている。回路基板25に、発熱部品24が実装されている。回路基板25は、銅箔等で形成された回路パターン25aを有している。
図9では、1つの発熱部品24とこの発熱部品24が実装された回路パターン25aとが代表して記載されている。発熱部品24の数及び位置は任意である。回路基板25には他の電子部品が実装されてもよい。
【0091】
コネクタ26は、ケース23の1つの側板部においてケース23の内外を貫通している。コネクタ26の端子26aがケース23内で回路基板25の回路パターン25aに電気的に接続されている。
【0092】
コネクタ26と機器用コネクタ42とが接続されることで、端子26aと端子42aとを介して、電気機器22の回路パターン25aと配線50とが接続される。
図9に示す例では、ワイヤハーネス230において熱伝導体82が接続される回路が、発熱部品24が実装される回路パターン25aと接続される。これにより、発熱部品24の熱が熱伝導体82に伝わりやすい。ワイヤハーネス230において熱伝導体82が接続される回路は、発熱部品24が実装される回路パターン25aとは別の回路パターンに接続されてもよい。
【0093】
ここでは、熱伝導体82は、熱引き線82である。熱引き線82は、端子42aに接続されている。これにより、熱伝導体82を介した熱伝導性が高まる。熱引き線82は導体線82aと被覆82bとを有する。例えば、導体線82aの一端部が配線50と共に端子42aに接続される。端子42aに対する配線50及び導体線82aの接続態様は、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、配線50の芯線53aと導体線82aとが端子42aに共圧着されてもよい。例えば、導体線82aと端子42aとは例えば、溶接又は半田付けなどで接続されてもよい。導体線82aの他端部が熱伝導性板70に接続される。導体線82aの他端部と熱伝導性板70とは例えば、溶接又は半田付けなどで接続される。
【0094】
熱伝導体84は、充填部材84である。充填部材84は、絶縁性を有する。充填部材84は、キャビティ42cのうち配線50が引出される側の空間に充填されている。これにより、端子42aと接続される熱伝導体84を簡易に設けることができる。かかる充填部材84は、例えば、熱伝導性グリスである。ここでは充填部材84はキャビティ42cの外に突出する部分を有しておらず、熱伝導性板70に接続されていない。充填部材84は、キャビティ42c内で熱引き線82と端子42aとに密着して熱引き線82への熱伝導を助けている。充填部材84はキャビティ42cの外に突出する部分を有してもよく、キャビティ42cの外に突出する部分が熱伝導性板70に接続されてもよい。この場合、熱引き線82は省略されてもよい。
【0095】
<配線の接続関係例について>
図10は複数種のコネクタ42、44及び複数の配線50の接続関係を説明する図である。
図11は機器用コネクタ42、第1ハーネス用コネクタ44X及び第2ハーネス用コネクタ44Yの接続関係を説明する図である。
【0096】
ワイヤハーネス30は、機器用コネクタ42と複数種のハーネス用コネクタ44とを含む。機器用コネクタ42は、電気機器22のコネクタ26に接続される。複数種のハーネス用コネクタ44は、それぞれに異なる相手側ワイヤハーネス20のコネクタが接続される。ここでは、複数種のハーネス用コネクタ44として、エンジンルーム(ER)ハーネス用コネクタ44A、インパネ(IP)ハーネス用コネクタ44B、ドア(DR)ハーネス用コネクタ44C及びフロア(FL)ハーネス用コネクタ44Dが設けられる。もっとも、複数種のハーネス用コネクタ44として、エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dのすべてが設けられる必要は無く、2種以上が設けられるとよい。また、相手側ワイヤハーネス20としてルーフハーネス20Eが想定される場合、複数種のハーネス用コネクタ44のうちの1種としてルーフハーネス用コネクタ44Eが設けられる。ルーフハーネス用コネクタ44Eは、例えば、車両において機器用コネクタ42、エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dよりも上方に配置されてもよい。ルーフハーネス用コネクタ44Eに接続される配線は機器22の側方を上下方向に延びてもよい。
【0097】
図6に示す例では、各種のコネクタ40は、1つのコネクタである。つまり、機器用コネクタ42、エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dは、それぞれ1つのコネクタである。本開示において、2つ以上のコネクタについても、接続先が同じであれば1種のコネクタとみなすものとする。換言すると、同じ機器22又は同じ相手側ワイヤハーネス20に接続されるコネクタの数がいくつであっても、1種のコネクタとする。別の見方をすると、複数種のコネクタ40のそれぞれは、1つ又は複数のコネクタ(以下、分割コネクタという)からなる。それぞれの種のコネクタには、同じ構造を有するコネクタが含まれてもよい。ここでは、同じ構造を有するコネクタであっても、接続先が異なれば、異なる種類のコネクタとする。
【0098】
複数種のコネクタ40のうち少なくとも1種が2つ以上の分割コネクタを有していてもよい。例えば、複数種のコネクタ40のうち最も極数の多いコネクタ40(例えば機器用コネクタ42)が、2つ以上の分割コネクタを有していてもよい。これにより、複数種のコネクタ40のうち最も極数の多いコネクタ40の製造が容易となる。
【0099】
コネクタ40が複数の分割コネクタを含む場合、複数種のコネクタ40が4種以上であり、かつ、分割コネクタの数はN個以下であることが好ましい。ただし、Nは、ワイヤハーネス30における複数種のコネクタ40の種類の数から2を引いた数である。これにより、ある1種のコネクタ40の接続相手に他の種のコネクタ40がそれぞれ接続される場合と比べて、嵌合させるコネクタの組数を少なくすることができる。具体的には、ここではワイヤハーネス30におけるコネクタ40が、機器用コネクタ42、エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dの5種である。このため、機器用コネクタ42、エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dのそれぞれが複数の分割コネクタを含む場合、その数は3つ以下であることが好ましい。例えば、エンジンルームハーネス20A、インパネハーネス20B、ドアハーネス20C及びフロアハーネス20Dの4つの相手側ワイヤハーネス20がそれぞれ機器22に接続される場合、4組のコネクタを嵌合させる必要がある。これに対して、機器用コネクタ42が3つ以下の分割コネクタからなる場合、嵌合させるコネクタの組数を3つ以下とすることができる。
【0100】
複数の配線50は、スルー回路用配線52と複数の機器用配線51とを含む。スルー回路用配線52は、ハーネス用コネクタ44同士を接続する。機器用配線51は、機器用コネクタ42とハーネス用コネクタ44とを接続する。
【0101】
図10に示すように、ここでは、機器用配線51として、機器用配線51A、51B、51C、51Dが設けられる。機器用配線51Aは、エンジンルームハーネス用コネクタ44A及び機器用コネクタ42を接続する。機器用配線51Bは、インパネハーネス用コネクタ44B及び機器用コネクタ42を接続する。機器用配線51Cは、ドアハーネス用コネクタ44C及び機器用コネクタ42を接続する。機器用配線51Dは、フロアハーネス用コネクタ44D及び機器用コネクタ42を接続する。なお、各機器用配線51A、51B、51C、51Dは、1本であってもよいし、複数本であってもよい。
【0102】
図10に示すように、ここでは、スルー回路用配線52として、スルー回路用配線52A、52B、52C、52D、52Eが設けられる。スルー回路用配線52Aは、エンジンルームハーネス用コネクタ44A及びインパネハーネス用コネクタ44Bを接続する。スルー回路用配線52Bは、エンジンルームハーネス用コネクタ44A及びフロアハーネス用コネクタ44Dを接続する。スルー回路用配線52Cは、インパネハーネス用コネクタ44B及びドアハーネス用コネクタ44Cを接続する。スルー回路用配線52Dは、インパネハーネス用コネクタ44B及びフロアハーネス用コネクタ44Dを接続する。スルー回路用配線52Eは、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dを接続する。なお、各スルー回路用配線52A、52B、52C、52D、52Eは、1本であってもよいし、複数本であってもよい。
【0103】
従って、ここでは、5種のコネクタ42、44間の10の経路のうち、エンジンルームハーネス用コネクタ44A及びドアハーネス用コネクタ44C間の1つの経路以外の9つの経路に配線50が設けられている。
【0104】
図11に示すように、本開示において、複数種のハーネス用コネクタ44は、第1ハーネス用コネクタ44Xと第2ハーネス用コネクタ44Yとを含む。第1ハーネス用コネクタ44Xは第1相手側ワイヤハーネス20Xに接続される。第2ハーネス用コネクタ44Yは第2相手側ワイヤハーネス20Yに接続される。機器用コネクタ42、第1ハーネス用コネクタ44X及び第2ハーネス用コネクタ44Yの3種のコネクタ42、44は、配線50によって相互に接続されている。具体的には、第1ハーネス用コネクタ44X及び第2ハーネス用コネクタ44Yは、複数の機器用配線51によって機器用コネクタ42に接続される。機器用コネクタ42と第1ハーネス用コネクタ44Xとは、第1機器用配線51Xによって接続されている。機器用コネクタ42と第2ハーネス用コネクタ44Yとは、第2機器用配線51Yによって接続されている。第1ハーネス用コネクタ44Xと第2ハーネス用コネクタ44Yとは、スルー回路用配線52によって接続される。エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dの4種のハーネス用コネクタ44が、第1ハーネス用コネクタ44X及び第2ハーネス用コネクタ44Yに当てはまるかどうかについて説明する。
【0105】
エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dの4種のハーネス用コネクタ44のうち2種が選択される組み合わせとして、6つの組が生じる。当該6組のうちエンジンルームハーネス用コネクタ44A及びドアハーネス用コネクタ44Cからなる1組を除く5つの組は、当該組の2種のハーネス用コネクタ44を接続するスルー回路用配線52を有する。また、エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dの4種のハーネス用コネクタ44は、いずれも機器用配線51を介して機器用コネクタ42に接続されている。このため、当該6組のうちエンジンルームハーネス用コネクタ44A及びドアハーネス用コネクタ44Cからなる1組を除く5つの組は、第1ハーネス用コネクタ44X及び第2ハーネス用コネクタ44Yの組み合わせとみなすことができる。
【0106】
一方、ここでは、ワイヤハーネス30は、エンジンルームハーネス用コネクタ44A及びドアハーネス用コネクタ44Cを接続するスルー回路用配線52を有しない。このため、ここでは、エンジンルームハーネス用コネクタ44A及びドアハーネス用コネクタ44Cは、第1ハーネス用コネクタ44X及び第2ハーネス用コネクタ44Yの組み合わせとはみなされない。
【0107】
複数種のハーネス用コネクタ44として、3種以上のハーネス用コネクタ44が設けられて、ワイヤハーネス30が、3種以上のハーネス用コネクタ44を互いに接続するスルー回路用配線52を有してもよい。エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dのうち3種が選択される組み合わせとして、4つの組が生じる。当該4組のうちエンジンルームハーネス用コネクタ44A及びドアハーネス用コネクタ44Cを同時に含む2組を除く2つの組は、3種のハーネス用コネクタ44を相互に接続するスルー回路用配線52を有する。当該4組のうちエンジンルームハーネス用コネクタ44A及びドアハーネス用コネクタ44Cを同時に含む2組を除く2つの組は、当該3種以上のハーネス用コネクタ44とみなすことができる。
【0108】
具体的には、エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B及びフロアハーネス用コネクタ44Dは、スルー回路用配線52A、52B、52Dを介して相互に接続される。このため、エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B及びフロアハーネス用コネクタ44Dの組み合わせは、当該3種以上のハーネス用コネクタ44とみなすことができる。同様に、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dは、スルー回路用配線52C、52D、52Eを介して相互に接続される。このため、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dの組み合わせは、当該3種以上のハーネス用コネクタ44とみなすことができる。
【0109】
もっとも、ワイヤハーネス30において、エンジンルームハーネス用コネクタ44A及びドアハーネス用コネクタ44Cを接続するスルー回路用配線52が設けられてもよい。この場合、エンジンルームハーネス用コネクタ44A、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dは、相互にスルー回路用配線52を介して接続される。
【0110】
また、上記配線50は、機器用コネクタ42から分岐して第1ハーネス用コネクタ44X及び第2ハーネス用コネクタ44Yに接続される複数の配線51X、51Yを含むとも把握される。
【0111】
上記配線50の接続関係例を前提として、車両10におけるワイヤハーネス30の配置例について説明する。
【0112】
図2に示されるように、ここでは、ワイヤハーネス30の一部は、ダッシュパネル11に沿って配置される。エンジンルームハーネス用コネクタ44Aから延び出る配線部分がダッシュパネル11に沿って配置されるように保持される。
【0113】
また、ワイヤハーネス30の他の一部は、カウルサイドパネル15に沿って配置される。インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dが高さ方向に並び、かつ、インパネハーネス用コネクタ44B、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dのそれぞれから延び出る配線部分がカウルサイドパネル15に沿って配置されるように保持されている。
【0114】
また、ワイヤハーネス30は、ダッシュパネル11に沿って配置される部分と、カウルサイドパネル15に沿って配置される部分との間で、厚み方向に曲がった状態で配置される。例えば、プロテクタ54は、ワイヤハーネス30のうちカウルサイドパネル15に沿って配置される部分に設けられてもよい。配線50はプロテクタ54の外で曲がっていてもよい。シート部材58は、ワイヤハーネス30のうちカウルサイドパネル15に沿って配置される部分とダッシュパネル11に沿って配置される部分とに設けられてもよい。シート部材58は、カウルサイドパネル15に沿って配置される部分とダッシュパネル11に沿って配置される部分との間で配線50と共に曲げられていてもよい。
【0115】
複数の配線50のそれぞれの長さは1メートル以内である。ワイヤハーネス30において、一番長い配線50は、エンジンルームハーネス用コネクタ44Aとフロアハーネス用コネクタ44Dとを接続するスルー回路用配線52B又はインパネハーネス用コネクタ44Bとフロアハーネス用コネクタ44Dとを接続するスルー回路用配線52Cである。これらのスルー回路用配線52B、52Cの長さが1メートル以内である。
【0116】
<配線を扁平状態に保つための構成例について>
配線50及びベース部材54にかかる第3変形例が
図12に示される。同図に示すように、複数の配線群360、364が積層して、ワイヤハーネス330とされてもよい。
図12に示す例では、複数の配線50の一部がまとめられて第1配線群360とされると共に、複数の配線50の他の一部が第1配線群360とは別にまとめられて第2配線群364とされている。ここでは、複数の配線50がベース部材362、366に固定されてまとめられている。
【0117】
第1配線群360と第2配線群364とがそれぞれ扁平に形成されて互いに積層されている。ここでは第1配線群360は、複数の電線361と複数の電線361とを扁平に保つ扁平なベース部材362とを有する。ここでは電線361とベース部材362とは固定されている。電線361とベース部材362とは固定されていなくてもよい。また第2配線群364は、複数の電線365と複数の電線365とを扁平に保つ扁平なベース部材366とを有する。ここでは電線365とベース部材366とは固定されている。電線365とベース部材366とは固定されていなくてもよい。
【0118】
ベース部材362のうち電線361が固定される主面と、ベース部材366のうち電線365が固定される主面とが対向するように、第1配線群360と第2配線群364とが積層されている。これにより、電線361、365が、ベース部材362、366に囲まれて保護される。もっとも、第1配線群360と第2配線群364とは、ベース部材362のうち電線361が固定される主面と、ベース部材366のうち電線365が固定されない主面とが対向するように積層されていてもよいし、ベース部材366のうち電線365が固定される主面と、ベース部材362のうち電線361が固定されない主面とが対向するように積層されていてもよい。また、第1配線群360と第2配線群364とは、ベース部材362のうち電線361が固定されない主面と、ベース部材366のうち電線365が固定されない主面とが対向するように積層されていてもよい。
【0119】
電線361と電線365とが重なるように、第1配線群360と第2配線群364とが積層されている。電線361、365は、1段の電線361と、1段の電線365とが重なって2段とされている。ワイヤハーネス30が配置される箇所のスペースの都合によっては、ワイヤハーネス30の少なくとも一部は、厚み寸法が多少大きくなっても幅寸法が小さくされることが望まれる場合もあり得る。このような場合、例えば、電線361、365が、3段以上になってもよい。また例えば、ベース部材362、366が設けられずに、テープなどの結束部材によって電線361、365が円形状断面を有するように束ねられていてもよい。
【0120】
ベース部材362は、延出片362aを有する。延出片362aは、電線361が配置される部分の両側に設けられている。ベース部材366も同様の延出片366aを有する。ベース部材362の延出片362aとベース部材366の延出片366aとが固定されることによって、第1配線群360と第2配線群364とが固定される。もっとも、ベース部材362の延出片362aとベース部材366の延出片366aとは固定されていなくてもよい。
【0121】
<複数の配線の分け方の例について>
図12に示す例のように第1配線群360及び第2配線群364が積層されてワイヤハーネス330とされる場合、複数の配線50が第1配線群360と第2配線群364とに仕分けられる分け方は、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。複数の配線50の分け方の例について、
図13及び
図14を参照しつつ説明する。
図13は複数の配線50の分け方の一例を示す図である。
図14は複数の配線50の分け方の別の例を示す図である。
【0122】
図13に示す例では、上記機器用配線51とスルー回路用配線52とに基づいて、複数の配線50が仕分けられている。具体的には、第1配線群360Aのうち過半数が機器用配線51である。第2配線群364Aのうち過半数がスルー回路用配線52である。第1配線群360Aのうち60%以上が機器用配線51であってもよく、70%以上が機器用配線51であってもよく、80%以上が機器用配線51であってもよく、90%以上が機器用配線51であってもよい。また、第1配線群360Aのすべて(100%)が機器用配線51であってもよい。同様に、第2配線群364Aのうち60%以上がスルー回路用配線52であってもよく、70%以上がスルー回路用配線52であってもよく、80%以上がスルー回路用配線52であってもよく、90%以上がスルー回路用配線52であってもよい。また、第2配線群364のすべて(100%)がスルー回路用配線52であってもよい。
【0123】
図13に示す例では、第1配線群360Aのすべて(100%)が機器用配線51である。また、第2配線群364Aのうち90%以上がスルー回路用配線52である。機器用配線51のうちエンジンルームハーネス用コネクタ44Aと機器用コネクタ42とを接続する機器用配線51Aが第2配線群364Aに設けられている。機器用配線51のうち機器用配線51Aを除く機器用配線51B、51C、51Dは第1配線群360Aに設けられている。スルー回路用配線52は、すべてが第2配線群364Aに設けられている。
【0124】
第1配線群360Aにおいて、電線361同士がベース部材362上で交差しないように配置されている。第2配線群364Aにおいても、電線365同士がベース部材366上で交差しないように配置されている。これにより、第1配線群360及び第2配線群364の厚みが厚くなることが抑制され、第1配線群360及び第2配線群364が積層したワイヤハーネス30の厚みが厚くなることが抑制される。もっとも、第1配線群360及び第2配線群364の少なくとも一方において、電線同士がベース部材上で交差する交差部が設けられていてもよい。
【0125】
図14に示す例では、配線50が電源線50Pであるか信号線50Sであるかに基づいて、第1配線群360Bと第2配線群364Bとに仕分けられる。具体的には、第1配線群360Bのうち過半数が電源線50Pであり、第2配線群364Bのうち過半数が信号線50Sである。または、第1配線群360Bにおける電源線50Pの割合が、第2配線群364Bにおける電源線の割合よりも高い。これにより、電源線50Pの多くと信号線50Sの多くとを別にすることができる。
【0126】
第1配線群360Bの中での電源線50Pの割合は、特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、第1配線群360Bの中での電源線50Pの割合は、50%以上であってもよいし、50%未満であってもよい。つまり、第1配線群360Bの過半数が電源線50Pであってもよいし、信号線であってもよい。
【0127】
また、ワイヤハーネス330におけるすべての電源線の過半数が第1配線群360Bに配置されてもよい。ワイヤハーネス330におけるすべての信号線の過半数が第2配線群364Bに配置されてもよい。第1配線群360Bは信号線を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。第2配線群364Bは電源線を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【0128】
図14に示す例では、ドアハーネス用コネクタ44Cに接続される配線50及びフロアハーネス用コネクタ44Dに接続される配線50のうち電源線50Pが第1配線群360Bに設けられ、信号線50Sが第2配線群364に設けられている。第1配線群360Bにおける電源線50P1は、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dそれぞれと機器用コネクタ42とを接続する。第1配線群360Bにおける電源線50P2は、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dそれぞれと他のハーネス用コネクタ44とを接続する。第2配線群364Bにおける信号線50S1は、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dそれぞれと機器用コネクタ42とを接続する。第2配線群364Bにおける信号線50S2は、ドアハーネス用コネクタ44C及びフロアハーネス用コネクタ44Dそれぞれと他のハーネス用コネクタ44とを接続する。
【0129】
ワイヤハーネス330において、ダッシュパネル11に沿って配置される部分は、第1配線群360及び第2配線群364のうち第2配線群364のみとなっている。このため、ワイヤハーネス330は、ダッシュパネル11に沿って配置される部分と、カウルサイドパネル15に沿って配置される部分との間で、厚み方向に曲げられやすい。
【0130】
<効果等>
以上のように構成されたワイヤハーネス30によると、回路と熱伝導性板70とを熱接続する熱伝導体80、82を備えることによって、発熱部品24の発した熱が回路及び熱伝導体80、82を介して熱伝導性板70に伝わる。熱伝導性板70は配線50に沿って広がる板である。このため、発熱部品24からの熱が熱伝導性板70によって効果的に放熱され、ワイヤハーネス30の接続先となる電気機器22の放熱性を高めることができる。さらに、電流によるワイヤハーネス30の回路自体の発熱も、熱伝導体80、82を介して熱伝導性板70に伝わる。このため、ワイヤハーネス30の回路における温度上昇も抑制でき、電流サイズに対して回路のサイズを小さくできる。
【0131】
特に、近年、セントラルECU(電子制御ユニット)とは別に、車両のゾーン別にゾーンECUを設置する構成が増えている。かかるセントラルECUとゾーンECUとのうちの少なくとも一つについて、熱対策を考慮しつつ小型化することが望まれている。本実施形態によると、電気機器22をゾーンECUとすることで、当該ゾーンECUの熱対策を図ることでき、ゾーンECUに対して熱対策がなされることで、当該ゾーンECUの小型化が可能となる。
【0132】
また、熱伝導体80が芯線53aと接続されていれば、配線50と熱伝導体80との熱伝導性が高まる。これにより、芯線53aにおける温度上昇も抑制でき、電流値に対して芯線53aのサイズを小さくできる。
【0133】
また、熱伝導体80が中間皮剥ぎ部53cにおける芯線53aに接続されていれば、芯線53aと熱伝導体80との接続位置と、電気機器22との間に被覆53bを介在させることができ、必要な絶縁性を確保しやすい。
【0134】
また、熱伝導体80が、ベース部材54、58に形成された窓部55e、58aを介して芯線53aと熱伝導性板70とを接続していれば、熱伝導体80による芯線53aと熱伝導性板70との接続を確保しつつベース部材54、58によって配線50を保護することができる。
【0135】
また、本体55に形成された窓部55eを通じて熱伝導体80に接触する配線50を、蓋56が押さえていれば、配線50と熱伝導体80との密着性が高まる。これにより、配線50と熱伝導体80との熱伝導性が高まる。
【0136】
また、ベース部材54、58が複数の配線50を扁平に保っていれば、広く設定し易い熱伝導性板70によって効果的な放熱が可能となる。
【0137】
また、電源線50Pは、信号線50Sよりも導体断面積が大きい分、熱伝導性も高い場合が多い。この電源線50Pの回路に熱伝導体80が接続されていれば、電気機器22の放熱性がより高まる。
【0138】
また、ワイヤハーネス30が、機器用コネクタ42と、それぞれ相手側ワイヤハーネス20X、20Yのコネクタが接続される第1ハーネス用コネクタ44X及び第2ハーネス用コネクタ44Yとを含み、配線50が、機器用コネクタ42から分岐して第1ハーネス用コネクタ44X及び第2ハーネス用コネクタ44Yに接続される複数の配線を含む。このため、電気機器22に相手側ワイヤハーネス20X、20Y用に別々のコネクタを設けずに、コネクタ26を設ければよい。このため、電気機器22のコネクタの数を減らすことができる。ここで、電気機器における総コネクタ端子数が同じであっても、コネクタの数が多ければ、コネクタハウジングの設置スペース分、電気機器が大型化する可能性がある。電気機器22におけるコネクタ数を削減することで、電気機器22の小型化が可能となる。
【0139】
また、配線50は、第1ハーネス用コネクタ44Xと第2ハーネス用コネクタ44Yとを接続するスルー回路用配線52を含む。このため、第1ハーネス用コネクタ44Xに接続された相手側ワイヤハーネス20Xと、第2ハーネス用コネクタ44Yに接続された相手側ワイヤハーネス20Yとがスルー回路用配線52を介して接続される。これにより、本ワイヤハーネス30を介して複数種の相手側ワイヤハーネス同士を接続することも可能となり、複数種の相手側ワイヤハーネス同士の接続及び当該複数種の相手側ワイヤハーネスと機器との接続が簡易となる。
【0140】
図15は第4変形例にかかるワイヤハーネス430を示す斜視図である。
図16は第4変形例にかかるワイヤハーネス430を示す分解斜視図である。
【0141】
第4変形例にかかるワイヤハーネス430において、コネクタ46の形状が、上記ワイヤハーネス30におけるコネクタ44の形状とは異なる。具体的には、複数種のコネクタ44の少なくとも1種は、複数の分割コネクタ47、48からなる。複数の分割コネクタ47、48は、第1分割コネクタ47と第2分割コネクタ48とを含む。第1分割コネクタ47には、第1配線群360の配線50が接続される。第2分割コネクタ48には、第2配線群364の配線が接続される。これにより、ワイヤハーネス30の場合と比べて、第1配線群360の配線50及び第2配線群364の配線50のいずれか一方が予め挿入されたコネクタ44に、第1配線群360の配線50及び第2配線群364の配線50のいずれか他方を挿入する作業が生じにくい。これにより、第1配線群360と第2配線群364とを別に製造して、後から合体させてワイヤハーネス430とすることが容易となる。
【0142】
ここでは第1分割コネクタ47と第2分割コネクタ48とが合体して積層コネクタ46をなしている。従ってここでは、複数種のコネクタ40の少なくとも1種のコネクタ46は、相互に合体した複数の分割コネクタ47、48からなる積層コネクタ46である。各種のコネクタ44は、積層コネクタ46以外の態様で分割されていてもよい。例えば、機器用コネクタ42が、厚み方向と交差する方向に並ぶ複数の分割コネクタに分割されてもよい。2つの分割コネクタが合体せずにそれぞれ電気機器22に接続されてもよい。
【0143】
図17は第5変形例にかかるワイヤハーネス530を示す平面図である。
【0144】
ワイヤハーネス530において、配線50に対応する配線550は、機器用コネクタ42から複数(ここでは2つ)のハーネス用コネクタ544X、544Yに分れる複数の配線550X、550Yを含む。配線550は、シート部材等のベース部材558に固定されて扁平状態に保たれている。
【0145】
熱伝導性板70に対応する熱伝導性板570は、配線550に沿って広がっている。熱伝導性板570は、例えば、ベース部材558に沿って広がっている。また、上記実施形態と同様に、熱伝導性板570は、電気機器22にも重なっている。本変形例では、ワイヤハーネス530は、スルー回路用配線52を有していない。また、複数の配線50が複数の群に分けられず、ひとまとめとされて扁平な形態に保たれている。
【0146】
図18は、第5変形例にかかるワイヤハーネス530の配置エリアを示す概略斜視図である。このワイヤハーネス530の配置エリアは、例えば、リアシート又はリアラゲージに近接するエリアなどであってもよい。この場合、相手側ワイヤハーネス20としては、フロアハーネス、シートハーネス及びリアハーネスなどが想定される。ワイヤハーネス530が曲って配置される場合、熱伝導性板570が曲げ部の一方側に位置する部分と、他方側に位置する部分とに分割される構成とされてもよい。これにより、熱伝導性板570の取付後にワイヤハーネス530を曲げ部で曲げることが容易となる。
【0147】
このほか、プロテクタ54の窓部55eが側板55bに形成されており、熱伝導体80が当該側板55bの窓部を通じて配線50に接していてもよい。プロテクタ54の窓部55eが底板55a及び蓋板部56aのうち熱伝導性板70から遠い板に形成され、熱伝導体80が当該窓部を通じて配線50に接していてもよい。この場合、熱伝導性板の一部がプロテクタ54の側板55b、底板55a又は蓋板部56aの外側に延長するように形成されており、熱伝導体80が当該延長部分に直接又は間接的に接しているとよい。
【0148】
また複数種のコネクタのうち少なくとも一部は、車両等に固定された待ち受けコネクタとされてもよい。例えば、複数種のハーネス用コネクタ44のうち少なくとも一部が、待ち受けコネクタとされてもよい。これにより、相手側ワイヤハーネスをハーネス用コネクタ44に接続しやすい。
【0149】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0150】
10 車両
11 ダッシュパネル
12 本体部分
13 張出部分
14、16 貫通孔
15 カウルサイドパネル
17 インパネリンフォースメント
18 フロアパネル
18a ロッカ部
19 Aピラー
20 相手側ワイヤハーネス(20A エンジンルームハーネス、20B インパネハーネス、20C ドアハーネス、20D フロアハーネス、20E ルーフハーネス)
20X 第1相手側ワイヤハーネス
20Y 第2相手側ワイヤハーネス
22 電気機器
23 ケース
24 発熱部品
25 回路基板
25a 回路パターン
26 コネクタ
26a 端子
30、230、330、430、530 ワイヤハーネス
42 機器用コネクタ
42a 端子
44 ハーネス用コネクタ(44A エンジンルームハーネス用コネクタ、44B インパネハーネス用コネクタ、44C ドアハーネス用コネクタ、44D ハーネス用コネクタ、44E ルーフハーネス用コネクタ)
44X、544X 第1ハーネス用コネクタ
44Y、544Y 第2ハーネス用コネクタ
46 積層コネクタ
47 第1分割コネクタ
48 第2分割コネクタ
50、550、550X、550Y 配線
50P 電源線
50S 信号線
51、51A、51B、51C、51D 機器用配線
51X 第1機器用配線
51Y 第2機器用配線
52、52A、52B、52C、52D、52E スルー回路用配線
53、361、365 電線
53a 芯線
53b 被覆
53c 中間皮剥ぎ部
54 プロテクタ(ベース部材)
55 本体
55a 底板
55b 側板
55c 仕切板
55d 溝
55e 窓部
55f 固定片
55g 孔
56 蓋
56a 蓋板部
56b 側板部
58、362、366、558 シート部材(ベース部材)
58a 窓部
70、570 熱伝導性板
70a 孔
71 固定片
71a 挿通孔
72 配線重複領域
74 機器重複領域
76 結束部材
80 熱伝導体
82 熱引き線(熱伝導体)
82a 導体線
82b 被覆
84 充填部材(熱伝導体)
360、360A、360B 第1配線群
362a、366a 延出片
364、364A、364B 第2配線群
S ボルト