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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013944
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】フロントホール多重化装置
(51)【国際特許分類】
   H03M 7/30 20060101AFI20230119BHJP
   H04W 92/12 20090101ALI20230119BHJP
【FI】
H03M7/30 Z
H04W92/12
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076665
(22)【出願日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0093667
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517223668
【氏名又は名称】ソリッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ホ シク
(72)【発明者】
【氏名】ホン,フ ピョ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウ ジェ
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ドン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジョン ウォン
【テーマコード(参考)】
5J064
5K067
【Fターム(参考)】
5J064AA02
5J064AA03
5J064BC14
5J064BC22
5K067AA41
5K067DD57
5K067EE10
5K067HH21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フロントホールネットワークでメモリの使用を最適化してサービス可能地域を拡張できるフロントホール多重化装置を提供する。
【解決手段】フロントホール多重化装置100は、二つ以上のラジオユニットから上向きパケットを受信するパケット受信部と、受信したパケットを順次保存するバッファー部と、バッファー部に保存されたパケットを圧縮された状態で併合する演算部と、併合するパケットがすべて受信されると演算部に併合を指示する併合制御部を含む併合部と、併合された上向きパケットを出力するパケット出力部をと、含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントホールネットワークで二つ以上のラジオユニットから受信された上向きパケットを併合(combine)処理するフロントホール多重化装置(Fronthaul Multiplexer)において、
二つ以上のラジオユニットから上向きパケットを受信するパケット受信部;
内部メモリを含み、受信されたパケットを順次保存するバッファー部;
バッファー部に保存されたパケットを圧縮された状態で併合する演算部と、併合するパケットがすべて受信されると演算部に併合を指示し、演算部の併合結果を出力する併合制御部を含む併合部;
併合された上向きパケットを出力するパケット出力部;を含む、フロントホール多重化装置。
【請求項2】
演算部は併合結果を累積して維持するものの、バッファー部に保存されたパケットを圧縮された状態で以前の併合結果と累積して併合し、
併合制御部はバッファー部にパケットが保存されると、合算するパケットであるかどうかを判断して演算部に伝達し、併合完了の有無を判断して演算部の併合結果を出力し、併合結果を初期化する、請求項1に記載のフロントホール多重化装置。
【請求項3】
バッファー部は受信されたパケットの圧縮方法を確認し、確認結果設定された第1圧縮方法ではない場合、第1圧縮方法で変換圧縮して保存する変換保存部を含むものの、
第1圧縮方法は前記装置が支援する圧縮方法のうち圧縮効率が最も高い圧縮方法である、請求項1に記載のフロントホール多重化装置。
【請求項4】
バッファー部は外部メモリをさらに含み、
バッファー部は受信されたパケットを内部メモリと外部メモリに分散して保存するものの、分配比率は装置の全体のスループットと外部メモリのスループットの比率に基づいて決定される、請求項1に記載のフロントホール多重化装置。
【請求項5】
併合制御部は設定された待機時間が経過すると併合を終了し、現在保存された併合結果を出力する、請求項1に記載のフロントホール多重化装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は信号中継装置に関し、より詳細には、信号中継装置がフロントホール区間で圧縮された上向き信号を併合する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
世界各国の移動通信事業者の速度およびサービスに対する品質競争が加速化している。動画サービスなどによるモバイルトラフィックが急激に増加しており各事業者は基地局サイトを増やせざるを得ず、費用および運営の問題を解決するためにC-RAN(Centralized/Cloud RAN)構造を導入した。C-RANはDU(Digital Unit)とRU(Radio Unit)を分離してDUを1ヶ所に集めて運営する構造であり、LTE網ではDUとRU間CPRI(Common Public Radio Interface)の通信インターフェースを使用し、5G網ではeCPRI(enhanced CPRI)の通信インターフェースを使用する。
【0003】
CPRIの場合、2×2MIMO構造で20MHz帯域幅の信号を伝送する時に2.5Gbpsが要求され、システムの増大につれて持続的に伝送量が増加する。これに伴い、CPRIでIQデータ圧縮技術が導入されたし、eCPRIもIQデータを圧縮して伝送している。
【0004】
NR(New Radio)を使う5G無線通信網では、DUとRUの間に下向きフロントホールトラフィックをコピーして多数のRUに伝達したり、多数のRUから受信される上向きフロントホールトラフィックを併合(combine)するフロントホールマルチプレクサが使われる。フロントホールマルチプレクサは通常的にFPGAまたはASICで具現されるためメモリの容量が充分でない場合が多く、容量の拡張が難しい。しかし、高い伝送帯域幅を要求するeCRPIトラックピックを処理するフロントホールマルチプレクサは、遅延時間が異なる多数のRUから受信されるパケットを併合するために一定時間の間パケットを保存しなければならない。遅延時間はRUの距離と関係があるので、メモリの容量も遅延時間と関係がある。同一のメモリ容量を使いながらもサービス可能距離を大きくできる方法が要求される。
【0005】
フロントホールマルチプレクサは多数のリモートユニットから受信された上向き信号を併合して伝送し、CPRIまたはeCPRIのIQデータは圧縮されて使われるのが一般的であるので、フロントホールマルチプレクサは上向き信号併合のために、圧縮された信号を圧縮解除した後に合算し、再び合算された信号を圧縮して上位ノードに伝送する。信号を併合する過程で圧縮解除と圧縮の過程が追加で発生することになるため、信号伝送の遅延が発生することになる問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、フロントホールネットワークでメモリの使用を最適化してサービス可能地域を拡張できる装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明はフロントホールネットワークで上向き信号の圧縮されたIQデータを、圧縮を解除することなく併合する装置を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一様相に係るフロントホール多重化装置は、フロントホールネットワークで二つ以上のラジオユニットから受信された上向きパケットを併合(combine)処理し、パケット受信部と、バッファー部と、併合部と、パケット出力部と、を含む。
【0009】
パケット受信部は二つ以上のラジオユニットから上向きパケットを受信し、バッファー部は内部メモリを含み、受信されたパケットを順次保存する。
【0010】
併合部は演算部と併合制御部を含み、演算部はバッファー部に保存されたパケットを圧縮された状態で併合し、併合制御部は併合するパケットがすべて受信されると演算部に併合を指示し、演算部の併合結果を出力する。
【0011】
パケット出力部は併合された上向きパケットを出力する。
【0012】
本発明のさらに他の様相によると、演算部は併合結果を累積して維持するものの、バッファー部に保存されたパケットを圧縮された状態で以前の併合結果と累積して併合することができ、併合制御部はバッファー部にパケットが保存されると、合算するパケットであるかどうかを判断して演算部に伝達し、併合完了の有無を判断して演算部の併合結果を出力し、併合結果を初期化することができる。
【0013】
本発明のさらに他の様相によると、バッファー部は受信されたパケットの圧縮方法を確認し、確認結果設定された第1圧縮方法ではない場合、第1圧縮方法で変換圧縮して保存する変換保存部を含むことができる。この時、第1圧縮方法は前記装置が支援する圧縮方法のうち圧縮効率が最も高い圧縮方法である。
【0014】
本発明のさらに他の様相によると、バッファー部は外部メモリをさらに含むことができ、バッファー部は受信されたパケットを内部メモリと外部メモリに分散して保存するものの、分配比率は装置の全体のスループットと外部メモリのスループットの比率に基づいて決定され得る。
【0015】
本発明のさらに他の様相によると、併合制御部は設定された待機時間が経過すると併合を終了し、現在保存された併合結果を出力することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、フロントホールネットワークでメモリの使用を最適化することによって、同一のメモリを使ってサービス可能地域を拡張することができる。
【0017】
また、本発明によると、フロントホールネットワークで上向き信号の圧縮されたIQデータを圧縮を解除することなく併合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のフロントホール多重化装置がフロントホールネットワークで適用された例を図示したものである。
図2】本発明のフロントホール多重化装置が信号を処理する概念を図示したものである。
図3】本発明の一様相に係るフロントホール多重化装置のブロック図である。
図4】本発明のさらに他の様相に係るフロントホール多重化装置のブロック図である。
図5】本発明のフロントホール多重化装置が圧縮を解除することなく信号を併合する手続きを図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
前述した、そして追加的な様相は添付された図面を参照して説明する実施例を通じて具体化される。各実施例の構成要素は他の言及や相互間に矛盾がない限り、実施例内で多様な組み合わせが可能なものと理解される。ブロック図の各ブロックは、ある場合においては物理的な部品を表現し得るが、さらに他の場合においては一つの物理的な部品の機能の一部あるいは複数の物理的な部品にわたる機能の論理的な表現であり得る。時にはブロックあるいはその一部の実体はプログラム命令語の集合(set)であり得る。このようなブロックは全部あるいは一部がハードウェア、ソフトウェアあるいはこれらの結合によって具現され得る。
【0020】
図1は本発明のフロントホール多重化装置がフロントホールネットワークで適用された例を図示しており、図2は本発明のフロントホール多重化装置が信号を処理する概念を図示している。
【0021】
図1および図2に図示された通り、本発明のフロントホール多重化装置(Fronthaul Multiplexer、100)は、C-RAN構造のデジタルユニットとラジオユニットの間のフロントホール区間に位置して信号を処理する。図1および図2には別途の装置で具現される例を図示しているが、ラジオユニットがカスケード構造で構成される場合、下位ラジオユニットを有するラジオユニットの機能ブロックに含まれてもよい。フロントホール多重化装置100と連結されるラジオユニットは、図1の(a)に図示されたように一つのセルに属した複数のラジオユニットであり得、図1の(b)に図示されたように複数のセルにそれぞれ属したラジオユニットであり得る。
【0022】
図2の(a)に図示されたように、フロントホール多重化装置100は、デジタルユニットからラジオユニットへ向かう下向き信号はコピー(copy)して複数のラジオユニットに伝達する。また、図2の(b)に図示されたように、フロントホール多重化装置100は、複数のラジオユニットから受信された上向き信号は併合(combine)して一つの上向き信号にしてデジタルユニットに伝達する装置である。この時、併合は同一のセルに属したラジオユニットの上向き信号同士で併合する。
【0023】
説明の便宜のために、フロントホール通信プロトコルはeCPRIを使うものとし、IQデータは圧縮されて伝送されるものとして説明する。
【0024】
図3は、本発明の一様相にフロントホール多重化装置のブロック図である。本発明の一様相に係るフロントホール多重化装置100は、フロントホールネットワークで二つ以上のラジオユニットから受信された上向きパケットを併合(combine)処理し、パケット受信部110と、バッファー部130と、併合部150と、パケット出力部170と、を含む。
【0025】
フロントホール多重化装置100は、図1の(a)の例ではRU~RUから受信される上向き信号すなわち、eCPRIメッセージを一つのeCPRIメッセージに併合し、図1の(b)の例ではRUとRUから受信されるeCPRIメッセージを一つのeCPRIメッセージに併合してデジタルユニットに伝達し、RUN-1とRUから受信されるeCPRIメッセージをさらに他のeCPRIメッセージに併合してデジタルユニットに伝達する。
【0026】
フロントホール多重化装置100は複数のラジオユニットからeCPRIメッセージを受信して併合するため、複数のラジオユニットから受信されるeCPRIメッセージを一定時間の間保存しなければならない。フロントホール多重化装置100とラジオユニットの間の物理的距離と、各ラジオユニットの信号処理時間の差などで、各ラジオユニットが伝送する上向き信号すなわち、eCPRIメッセージがフロントホール多重化装置100に到着する時間が異なる。したがって、フロントホール多重化装置100は併合するすべての上向きeCPRIメッセージが受信されるまで、予め受信した他のeCPRIメッセージを保存していなければならない。フロントホール多重化装置100が処理可能な時間差はメモリの大きさと関連がある。フロントホール多重化装置100が多くのメモリを使用すると、より大きな時間差でメッセージが受信されても併合処理が可能となる。しかし、フロントホール多重化装置100がFPGAまたはASICで具現される場合、内部メモリが充分でない問題があり、外部メモリを追加的に使う場合、外部メモリのスループット(throughput)がフロントホール多重化装置100が要求するスループットを満足し難い問題がある。
【0027】
本発明のフロントホール多重化装置100は、同一のメモリを使ってそれぞれのラジオユニットから受信されるeCPRIメッセージの時間差をより大きくすることができる。
【0028】
パケット受信部110は同一のセルに属する二つ以上のラジオユニットから上向きパケットすなわち、eCPRIメッセージを受信する。フロントホールネットワークは光ネットワークで構成されるので、パケット受信部110は光インターフェースと、イーサネットMAC階層を含み、eCPRIメッセージをパーシングするパケットパーサを含む。
【0029】
バッファー部130は内部メモリを含み、受信されたパケットを順次保存する。バッファー部130に含まれる内部メモリの大きさによってフロントホール多重化装置100のサービス可能距離が変わり得る。バッファー部130に保存されるパケットはリソースグリッド上のシンボル(symbol)単位のデータである。
【0030】
併合部150は演算部151と併合制御部153を含む。
【0031】
演算部151はバッファー部130に保存されたパケットを圧縮された状態で併合する。
【0032】
従来技術のフロントホール多重化装置は上向きパケットを受信するとO-RAN規格に沿ってパケットをパーシングし、パーシング結果を利用して圧縮方法を把握した後、IQデータを圧縮解除して保存する。従来技術のフロントホール多重化装置は、受信バッファーに保存されたパケットから併合する信号データを抽出した後に信号を合算し、合算後に合算された結果のIQデータを受信した本来の圧縮方法または装置に設定された圧縮方法で圧縮してO-RAN規格のパケットに生成した後、デジタルユニットに伝送する。したがって、従来技術のフロントホール多重化装置に連結されたラジオユニットが多いほど、この過程が繰り返して発生することになるので圧縮解除と再圧縮による遅延が発生することになる問題が発生する。
【0033】
本発明の演算部151はバッファー部130に保存されたパケットすなわち、圧縮されたIQデータを圧縮解除していない状態ですぐに併合をする。したがって、本発明は併合過程でIQデータを圧縮解除して合算結果を再圧縮する過程が省略されるので、従来技術に比べて併合に必要とされる遅延が減少することになる。
【0034】
演算部151が併合するパケットの圧縮方法により圧縮を解除することなく併合する方法に対する説明は後述する。
【0035】
併合制御部153は、バッファー部130に保存されたパケットを確認して併合するパケットをすべてのラジオユニットから受信したかどうかを確認する。併合制御部153は確認結果パケットがすべて受信された場合、演算部151を制御して併合演算を遂行し、演算部151の併合結果を出力する。
【0036】
パケット出力部170は併合された上向きパケットを出力する。パケット出力部170は併合結果のIQデータを含むO-RANパケットを生成してイーサネットMAC階層と、光インターフェースを通じて上位ノード(例、デジタルユニット、カスケード構造で上位ラジオユニット)に伝送する。
【0037】
本発明のさらに他の様相によると、フロントホール多重化装置100の演算部151はメモリに併合結果を累積して維持する累積保存変数(Accumulator)を維持することができる。この時、累積保存変数はフロントホール多重化装置100が同時に併合演算を維持しなければならない個数だけ設けられる。すなわち、図1の(a)の例では累積保存変数は1個だけ維持されてもよいが、図1の(b)の例では累積保存変数はM個が維持されなければならない。
【0038】
演算部151はバッファー部130に保存されたパケットを圧縮された状態で以前の併合結果すなわち、累積保存変数と累積して併合する。
【0039】
併合制御部153はバッファー部130にパケットが保存されると、直ちに合算するパケットであるかどうかを判断する。併合制御部153は現在併合が進行されているセルに属したラジオユニットから受信されたパケットであるか、現在併合が進行されているリソースグリッド内のシンボルに対するパケットであるかなどを確認して合算するパケットであるかどうかを判断することができる。併合制御部153は、判断結果合算するパケットと確認されると、演算部151に伝達して演算部151が併合を遂行するようにする。併合制御部153は併合完了の有無を判断して演算部151の併合結果を出力する。
【0040】
また、併合制御部153は設定された待機時間が経過するまですべてのラジオユニットから併合するパケットを受信しなくても設定された待機時間が経過すると演算部151に併合を指示し、演算部151の併合結果を出力する。併合制御部153は設定された待機時間が経過すると併合を終了し、現在保存された併合結果を出力することができる。
【0041】
併合制御部153は併合が完了すると、併合結果すなわち、累積保存変数を初期化することができる。
【0042】
この様相によると、バッファー部130に保存されるパケットの数を最小化することができる。理論的にバッファー部130は、連結されたラジオユニットの個数に1シンボルデータの大きさをかけたメモリのみを使うことができる。この様相では、バッファー部130にパケットが保存される瞬間すぐに併合結果すなわち、累積保存変数と併合を遂行するためである。
【0043】
図4は、本発明のさらに他の様相に係るフロントホール多重化装置のブロック図である。本発明のさらに他の様相によると、バッファー部130は変換保存部131を含むことができる。
【0044】
変換保存部131は受信されたパケットの圧縮方法を確認し、確認結果設定された第1圧縮方法ではない場合、第1圧縮方法で変換圧縮して保存することができる。この時、第1圧縮方法は前記装置が支援する圧縮方法のうち圧縮効率が最も高い圧縮方法である。
【0045】
eCPRIメッセージに含まれたIQデータは一般的に多様な圧縮方法で圧縮されて伝送されるが、圧縮されていない状態で伝送されてもよい。
【0046】
圧縮されていない状態で受信したデータを保存する時、圧縮して保存するとメモリ使用量を大きく減らすことができ、受信したデータが圧縮されたデータであっても圧縮効率がさらに高い圧縮方法で変更して保存すれば、メモリ使用量を一部減らすことができる。
【0047】
変換保存部131は、フロントホール多重化装置100が支援するIQデータ圧縮方法のうち最も圧縮効率が高い圧縮方法を第1圧縮方法に設定してラジオユニットからeCPRIメッセージを受信し、IQデータ圧縮方法を確認して第1圧縮方法を使って圧縮されたのであればそのまま保存し、圧縮していないか他の圧縮方法を使って圧縮した場合、第1圧縮方法で圧縮するか圧縮方法を変更して保存することができる。
【0048】
本発明のさらに他の様相によると、バッファー部130は外部メモリをさらに含むことができる。内部メモリは保存容量が小さい代わりに高いスループットを有し、外部メモリは保存容量を大きくすることができる代わりに低いスループットを有する。フロントホール多重化装置100は遅延時間よりスループットが重要な装置である。したがって、外部メモリによる処理の遅延が装置の性能に大きく影響を与えない。
【0049】
バッファー部130は受信されたパケットを内部メモリと外部メモリに特定の分配比率で分散して保存することができる。
【0050】
この時、バッファー部130が内部メモリと外部メモリに分配する特定の分配比率は、装置の全体のスループットと外部メモリのスループットの比率に基づいて決定され得る。例えば、外部メモリのスループットが全体装置のスループットのN%である場合、バッファー部130はN%の受信データのみ外部メモリに保存するように分配する。ただし、分配方法は制限がない。
【0051】
本発明のさらに他の様相によると、併合制御部153は設定された待機時間が経過すると併合を終了し、現在保存された併合結果を出力することができる。
【0052】
すなわち、併合制御部153は設定された待機時間が経過するまですべてのラジオユニットから併合するパケットを受信しなくても、設定された待機時間が経過すると演算部151に現在バッファー部130に保存されたパケットに対して併合を指示するか、現在演算部151の併合結果を出力するようにすることができる。
【0053】
図5は、本発明のフロントホール多重化装置が圧縮を解除することなく信号を併合する手続きを図示したものである。図5を参照して説明すると、パケット受信部110が二つ以上のラジオユニットから圧縮された上向き信号を受信する(S5000)。パケット受信部110は圧縮された状態でIQデータを併合するので、従来技術とは異なってラジオユニットから受信したパケットをバッファー部130に圧縮された状態そのまま保存する。発明の様相によっては他の圧縮方法で更して保存してもよい。併合制御部153はバッファー部130に保存されたパケットから同一のセルに属したラジオユニットから伝送された併合する上向き信号を選択し、併合する圧縮された上向き信号からそれぞれリソースブロック単位の共通パラメータと、サンプルデータを抽出する(S5010)。共通パラメータはIQデータの圧縮方法により他の意味を有し得る。例えば、IQデータの圧縮方法がブロック浮動小数点圧縮方法である場合、共通パラメータはリソースブロック単位で伝送される指数部(Exponent)であり、この指数部は各サンプル単位のサンプルデータである仮数部(Mantissa)の指数を意味する。パーシングされたU-planeデータのudCompHdrに圧縮方法(Compression Method)情報が含まれている。
【0054】
併合制御部153は各上向き信号から抽出した共通パラメータの中から併合結果に使う共通パラメータを決定し(S5020)、決定された共通パラメータに基づいてサンプルデータを変更(S5030)すなわち、合算するデータのケタ数を揃う(bit align)。共通パラメータの値によりサンプルデータの値のケタ数が異なるため、単純にサンプルデータを合算できない。
【0055】
その後、併合制御部153は演算部151にサンプルデータを伝達し、演算部151は圧縮された状態で合算する(S5040)。この時、演算部151はオーバーフロー発生の有無を確認し、発生したオーバーフローを処理する(S5050)。
【0056】
一例として、IQデータの圧縮方法がブロック浮動小数点圧縮方法である場合、共通パラメータは浮動小数点の指数部データであり、サンプルデータは仮数部データである。
【0057】
併合制御部153は各上向き信号から抽出した共通パラメータすなわち、指数部データの中で最も大きい指数部を併合結果に使う指数部として決定し、指数部データが同一となるように仮数部データを変更する。すなわち、決定された指数部データに基づいて小さい指数部値を有する仮数部を決定された指数部データに符合するようにシフト演算を通じて変更する。
【0058】
演算部151は併合演算後にオーバーフローが発生した場合、指数部の値を1増加させ、合算された仮数部データを1ビット右側にシフト(算術演算で2で割るのと同一)してオーバーフローを処理する。
【0059】
さらに他の例として、IQデータの圧縮方法がブロックスケーリング圧縮方法である場合、共通パラメータはブロックスケーラーであり、サンプルデータはブロックスケーラーによってスケーリングされたデータである。
【0060】
併合制御部153は各上向き信号から抽出した共通パラメータすなわち、ブロックスケーラーの中で最も大きいブロックスケーラーを併合結果に使うブロックスケーラーとして決定し、ブロックスケーラーが同一となるようにサンプルデータを変更する。
【0061】
併合制御部153は小さいブロックスケーラーのサンプルデータを変更するために、大きいブロックスケーラーの逆ブロックスケーラー(Inverse Block Scaler)値を求める。この時、逆ブロックスケーラー値はブロックスケーラー値がQ1.7フォーマットの固定小数点と定義されると、2をブロックスケーラー値で割った値であり、逆ブロックスケーラー値は計算の効率のためにテーブルに保存されていてもよい。併合制御部153は小さいブロックスケーラー値と求めた逆ブロックスケーラー値を積算し、積算の結果に小さいブロックスケーラーのサンプルデータを積算し、ケタ数を揃うために右側にシフト演算を遂行する。
【0062】
その後、併合制御部153は演算部151にサンプルデータを伝達し、演算部151は圧縮された状態で合算する。この時、演算部151はオーバーフロー発生の有無を確認し、発生したオーバーフローを処理する。
【0063】
下記の<数1>は、ブロックスケーリング圧縮方法で圧縮されたIQデータが、圧縮解除して合算するものと圧縮解除せずに合算するものの結果が同一であることを示す数式である。
【0064】
【数1】
【0065】
X1、X2はサンプルデータ、sblockScaler1とsblockScaler2はブロックスケーラー、InverseSblockScaler1はsblockScaler1の逆ブロックスケーラー
【0066】
【数2】
【0067】
が小さいブロックスケーラーのサンプルデータを変更する過程を表す部分式である。
【0068】
演算部151はオーバーフローが発生したかどうかを確認し、オーバーフローが発生した場合に併合結果に使う共通パラメータすなわち、ブロックスケーラーの値を1ビット左側にシフトさせ、合算されたサンプルデータを1ビット右側にシフトする。
【0069】
さらに他の例として、IQデータの圧縮方法がブロックスケーリング圧縮方法である場合、共通パラメータは圧縮シフトであり、サンプルデータは符号と仮数部である。
【0070】
併合制御部153は各上向き信号から抽出した共通パラメータすなわち、圧縮シフトの中で最も小さい圧縮シフトを併合結果に使う圧縮シフトとして決定し、圧縮シフトが同一となるようにサンプルデータを変更する。
【0071】
併合制御部153は圧縮シフトと仮数部の上位2ビットに基づいてサンプルデータをそれぞれ変更する。サンプルデータ変更方法は、仮数部(U-plane IQデータフォーマットのcompBitWidth大きさ)を1ビットさらに大きい値に変更し(compBitWidth+1)、上位2ビットの値が3であれば上位2ビット値を0に変更した後、ビット1に上位2ビットを除いた残りのビットを結合した後に2ビット左側にシフトし、上位2ビットの値が2であれば上位2ビット値を0に変更した後、ビット1に上位2ビットを除いた残りのビットを結合した後に1ビット左側にシフトし、上位2ビットの値が0または1であれば上位2ビット値を0に変更した後、上位2ビット値に該当するビット列に上位2ビットを除いた残りのビットを結合する。
【0072】
その後、併合制御部153は演算部151にサンプルデータを伝達し、演算部151は圧縮された状態で合算する。この時、演算部151はオーバーフロー発生の有無を確認し、発生したオーバーフローを処理する。
【0073】
演算部151はオーバーフローが発生したかどうかを確認し、オーバーフローが発生した場合に併合結果に使う共通パラメータすなわち、圧縮シフトの値を1減少させ、合算された仮数部データを上位2ビットの値を3に設定し、残りのビットは残りの上位ビットの値に設定する(上位compBitWidth-2ビットを仮数部の下位ビットに設定)。演算部151はオーバーフローが発生していない場合、合算された仮数部の左側から最初に1が出るビットの位置により上位2ビットを4-最初に1が出るビットの位置の値に設定し、最初に1が出る位置が4以上である場合、0の値で上位2ビットを設定する。
【0074】
前述において圧縮を解除していない状態で多様な圧縮方法で圧縮された信号を併合する方法の例を説明した。各圧縮方法で圧縮を解除せずに併合する方法は前述した方法に制限されない。
【0075】
以上、本発明を添付された図面を参照する実施例を通じて説明したがこれに限定されるものではなく、これから当業者であれば自明に導出できる多様な変形例を包括するものと解釈されるべきである。特許請求の範囲はこのような変形例を包括するように意図された。
【符号の説明】
【0076】
100:フロントホール多重化装置
110:パケット受信部
130:バッファー部
131:変換保存部
150:併合部
151:演算部
153:併合制御部
170:パケット出力部
図1
図2
図3
図4
図5