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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139478
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】誘導加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
H05B6/12 313
H05B6/12 303
H05B6/12 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045035
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 清司
(72)【発明者】
【氏名】春原 大輝
(72)【発明者】
【氏名】川村 光輝
(72)【発明者】
【氏名】松尾 良平
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151BA52
3K151BA53
3K151BA55
3K151BA56
3K151CA71
3K151CA81
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって使い勝手のよい誘導加熱調理器を提供する。
【解決手段】本体上部に設けられたトッププレート2と、トッププレート2上の複数個所に夫々設定され、当該箇所に置かれた加熱対象物をそれぞれ加熱する部位となる加熱領域と、トッププレート2下の各加熱領域3R,3Lの位置に対応してそれぞれ設けられた誘導加熱コイルと、本体の各種操作を受付け、トッププレート2の上面側から操作が可能な第1操作部13と、タッチパネル方式によって本体の各種操作を受付け又各種メッセージを表示し、トッププレート2の上面側から操作が可能な第2操作部31と、を備え、第2操作部31は、各加熱領域3R,3Lと第1操作部13との間の領域に設けられていて、各種操作を受付ける受付領域31aと当該各種操作を受付けない非受付領域31bとを備え、非受付領域31bは受付領域31aよりも加熱領域3R,3L側に設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体上部に設けられたトッププレートと、
前記トッププレート上の複数個所に夫々設定され、当該箇所に置かれた加熱対象物をそれぞれ加熱する部位となる加熱領域と、
前記トッププレート下の各前記加熱領域の位置に対応してそれぞれ設けられた誘導加熱コイルと、
前記本体の各種操作を受付け、前記トッププレートの上面側から操作が可能な第1操作部と、
タッチパネル方式によって前記本体の各種操作を受付け又各種メッセージを表示し、前記トッププレートの上面側から操作が可能な第2操作部と、を備え、
前記第2操作部は、前記各種操作を受付ける受付領域と当該各種操作を受付けない非受付領域とを備え、前記非受付領域は前記受付領域よりも前記加熱領域側に設けられている、ことを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
複数の前記加熱領域のうち最も前記第2操作部に近いものの最外周部と前記第2操作部との最短距離は40mm以上80mm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
前記非受付領域は、前記メッセージの表示を行う、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
前記第2操作部は、前記受付領域の少なくとも一部が当該受付領域よりも前記加熱領域側に近い前記非受付領域に挟まれて配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求3の何れかの一項に記載の誘導加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開平2015-194287号公報(特許文献2)がある。この公報には、「上記の課題を解決するためには、調理物を加熱する加熱手段と、この加熱手段の加熱条件を入力する操作手段と、外部の機器と通信を行うための通信手段と、加熱手段を制御して加熱調理を実行する制御手段を有し、通信手段により、他の調理器の加熱調理運転の情報を取得可能であり、制御手段は、取得した他の調理機器の加熱調理運転の情報に基づき、加熱手段を制御して加熱調理を実行するように構成すればよい。これにより、使用者の操作を低減することができる使い勝手のよい調理機器を得ることができる。」と記載されている(要約参照)。
【0003】
別の背景技術として、国際公開2013/121785号公報(特許文献3)がある。この公報には、「本発明のオーブンレンジは、使用者による入力を受け付ける操作ボタンを含む表示画面を表示する液晶タッチパネルと、表示画面に含まれる操作ボタンに対する使用者の近接を、この使用者による近接入力として検知する近接検知部と、操作ボタンへの入力に応じて、この操作ボタンに対応付けられた機能を実行する加熱制御部および表示制御部と、近接検知部に対して近接入力の検知を許可するか否かを示す近接入力可否情報を、少なくとも表示画面の一部に対応づけて記憶する標準ボタン画像記憶部と、近接入力可否情報に基づき、近接入力の検知を、近接検知部に許可するか否かを判定する有効/無効判定部と、を備える。」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-194287号公報
【特許文献2】国際公開2013/121785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1,2には、誘導加熱調理器の操作を受付ける操作部が開示されている。しかし、特許文献1,2は、トッププレートの上に鍋を置いて、その鍋で調理等をする際に操作される操作部(タッチパネル)についての記載はない。なお、特許文献2には、タッチパネルに関して、「オーブンレンジの他、炊飯器やIHクッキングヒータなど、加熱調理器全般に適用できる」とは記載されているものの、トッププレートの上に鍋を置いて調理する加熱調理器(IHクッキングヒータ)に関しては、それ以上の具体的な記載はない。
そこで、本発明は、ユーザにとって使い勝手のよい誘導加熱調理器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一形態は、本体上部に設けられたトッププレートと、前記トッププレート上の複数個所に夫々設定され、当該箇所に置かれた加熱対象物をそれぞれ加熱する部位となる加熱領域と、前記トッププレート下の各前記加熱領域の位置に対応してそれぞれ設けられた誘導加熱コイルと、前記本体の各種操作を受付け、前記トッププレートの上面側から操作が可能な第1操作部と、タッチパネル方式によって前記本体の各種操作を受付け又各種メッセージを表示し、前記トッププレートの上面側から操作が可能な第2操作部と、を備え、前記第2操作部は、前記各加熱領域と前記第1操作部との間の領域に設けられていて、前記各種操作を受付ける受付領域と当該各種操作を受付けない非受付領域とを備え、前記非受付領域は前記受付領域よりも前記加熱領域側に設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザにとって使い勝手のよい誘導加熱調理器を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1に係る誘導加熱装置の概略の構成について説明する断面図である。
図2】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の平面図である。
図3】本発明の実施例1に係る第1操作部の拡大平面図である。
図4】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器のトッププレートの一部における拡大平面図である。
図5図2のA-A切断断面図である。
図6】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の制御系の概要を示すブロック図である。
図7】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の前側の平面図である。
図8】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器の第1操作部を操作する際における表示制御装置の基本制御を説明するフローチャートである。
図9】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器における第2操作部の初期画面の平面図である。
図10】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器におけるメニュー画面の一例を示す平面図である。
図11】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器における詳細設定画面の一例を示す平面図である。
図12】本発明の実施例1に係る誘導加熱調理器における加熱状況表示画面の一例を示す平面図である。
図13】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器における第2操作部に表示される初期画面の平面図である。
図14】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器における火力調整画面の一例を示す平面図である。
図15】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器における火力調整画面の一例を示す平面図である。
図16】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器におけるメニュー画面の一例を示す平面図である。
図17】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器における温度設定画面の一例を示す平面図である。
図18】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器におけるメニュー画面の一例を示す平面図である。
図19】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器における温度設定画面の一例を示す平面図である。
図20】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器における初期画面の一例を示す平面図である。
図21】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器における温度設定等画面の一例を示す平面図である。
図22】本発明の実施例2に係る誘導加熱調理器における温度設定等画面の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例0010】
図1は、本実施例1の誘導加熱調理器の概略の構成について説明する断面図である。なお、以下に説明する各図面においては、適宜、前後左右上下の方向を矢印で示している。誘導加熱調理器1は、いわゆるIH(Induction Heating)クッキングヒータである。図1に示すように、誘導加熱調理器1は、例えば結晶化ガラス等で構成された板状のトッププレート2と、当該トッププレート2の上(上面)に設定され(トッププレート2に設定され)、この設定された位置に置かれた加熱対象物Nを加熱する部位となる加熱領域3とを備えている。なお、以下に説明するように、本実施例1において加熱領域3が複数個、本例で3つ設定されていて、以下では、それぞれを区別するときは、それぞれ加熱領域3R、加熱領域3L、加熱領域3Mと記載する。これら3つの加熱領域を包括して呼ぶときは単に加熱領域3と記載する。各加熱領域3の下には、誘導加熱コイル4が各加熱領域3の位置に対応してそれぞれ設けられている。
【0011】
誘導加熱コイル4に高周波交流電流を通電すると、誘導加熱コイル4から強力な磁力線mが発生し、この磁力線mがトッププレート2を通過して加熱領域3上に載置されている鉄系鍋等の加熱対象物Nに当たる。この磁力線mによって、加熱対象物Nの底の金属表面に渦電流Iの流れが発生し、この渦電流Iに対して加熱対象物Nの底の金属が抵抗となり、加熱対象物Nの底の金属表面が発熱し、加熱対象物Nは加熱される。
【0012】
図2は、誘導加熱調理器1の平面図である。誘導加熱調理器1の本体11の筐体12の上部にはトッププレート2が設けられている。トッププレート2の上面には(トッププレート2には)、3口の加熱領域(ヒータ)3、すなわち、加熱領域3R、加熱領域3L、加熱領域3Mがそれぞれ設定されている。加熱領域3Rと加熱領域3Lはトッププレート2の上面の左右に並んで互いにある程度の間隔を空けて配置されている。加熱領域3Mは、加熱領域3Rと加熱領域3Lとの間の中間位置より後方に、加熱領域3R、加熱領域3Lとある程度の間隔を空けて設けられている。加熱領域3R、加熱領域3L、加熱領域3Mは例えば円形であるが、加熱領域3R、加熱領域3Lは例えばそれぞれ同じ大きさの比較的大きな円形であるのに対して、加熱領域3Mは、これらより小さな円形である。加熱領域3R、加熱領域3L、加熱領域3Mの範囲はそれぞれトッププレート2の上面のどこの位置になるのかは、トッププレート2の上面(上面から視てわかるように)に色別や線図等で表示されている。
【0013】
本体11の側部左前面の内部にはグリル14が設けられ、筐体12の側部左前面部がグリル14の開閉部14aとなっている。グリル14は電熱線48(図6)による加熱で魚等の食材をグリル調理する。
トッププレート2を上から視て前側端縁近傍には、トッププレート2の上面側から操作可能な第1操作部13が配置されている。第1操作部13は、本体11の各種操作を受付ける操作ボタン群である。第1操作部13は、例えば静電誘導方式のガラスタッチのボタン群である。もちろん第1操作部13を機械接点式のスイッチとして構成してもよい。第1操作部13は、例えば複数のボタンが左右方向に一列に並んでいる。第1操作部13のうち、左右方向の右側に一列に並ぶ右ヒータ操作部13Rは、加熱領域3R(に対応している誘導加熱コイル4)の各種操作をユーザから受け付ける。第1操作部13のうち、左右方向の左側に一列に並ぶ左ヒータ操作部13Lは、加熱領域3L(に対応している誘導加熱コイル4)の各種操作をユーザから受け付ける。第1操作部13のうち、左右方向の中央部に一列に並ぶ中ヒータ及びグリル操作部13Mは、加熱領域3M(に対応している誘導加熱コイル4)の各種操作と、グリル14の各種操作とをユーザから受け付ける。
【0014】
図3は、第1操作部13の拡大平面図である。第1操作部13の例えば最も右端に配置された主電源スイッチ21は、本体11の主電源をON、OFFするスイッチである。右ヒータ操作部13Rには、左から、第1電源ボタン22、弱火ボタン23、中火ボタン24,強火ボタン25、火力下げボタン26、火力上げボタン27、メニューボタン28が並んで設けられている。第1電源ボタン22は、対応する加熱領域3(この場合は加熱領域3R)の誘導加熱コイル4の電源をON、OFFする、すなわち、該当の加熱領域3に対応した誘導加熱コイル4により加熱対象物Nを加熱可能な状態にする指示(ON)を受付けるボタンである。弱火ボタン23は、対応する加熱領域3の誘導加熱コイル4を弱火に設定するボタンである。中火ボタン24は、対応する加熱領域3の誘導加熱コイル4を中火に設定するボタンである。強火ボタン25は、対応する加熱領域3の誘導加熱コイル4を強火に設定するボタンである。このように、加熱領域3(この場合は加熱領域3R)は弱火、中火、強火の大きく3段階に火力を調整できる。そして、弱火、中火、強火は、それぞれ例えば3段階、合計で例えば9段階に火力を調整できる。火力下げボタン26は、この9段階の火力調整を下げる方向に調整するボタンであり、火力上げボタン27は、上げる方向に調整するボタンである。メニューボタン28は、対応する加熱領域3のメニュー画面を表示させるボタンである。弱火ボタン23、中火ボタン24,強火ボタン25、火力下げボタン26、火力上げボタン27は、第1火力操作部を構成するボタンである。
【0015】
左ヒータ操作部13Lのボタン配置や各ボタンの機能は、右ヒータ操作部13Rと同様であるため、左ヒータ操作部13Lに右ヒータ操作部13Rと同様の符号を付して説明を省略する。
中ヒータ及びグリル操作部13Mは、加熱領域3Mの操作を受け付ける中ヒータ操作部13MMとグリル14の操作を受け付ける第1グリル操作部13MRとを備えている。中ヒータ操作部13MM、グリル操作部13MRの各ボタンの機能は同一符号を付した右ヒータ操作部13R、左ヒータ操作部13Lの同一符号のボタンと基本的に同様である。しかし、中ヒータ操作部13MMは、弱火ボタン23、中火ボタン24,強火ボタン25を備えていない。また、第1グリル操作部13MRは、火力下げボタン26、火力上げボタン27によって、例えば、弱火、中火、強火の3段階のみの火力調節ができる。
【0016】
戻るボタン29は、後記するように第2操作部31に表示させる画像を、1つ前の画像に遷移させるボタンである。第1操作部13の各ボタンの後側近傍にはLED表示部30がそれぞれ設けられ、対応するボタンが操作されたときに該当のLED表示部30が点灯して対応するボタンが操作されたことを報知する。
ところで、既存の誘導加熱調理器の操作部は、ユーザから受け付けた操作に応じたメッセージを表示する例えばキャラクター液晶パネルで構成された表示部を備えている。
【0017】
しかし、既存の誘導加熱調理器では単一の操作部が設けられているだけであるため、ユーザにとっては使い勝手が悪いという不具合があった。そこで、既存の操作部の他にもタッチパネル方式の操作部を誘導加熱調理器に設けて、ユーザの操作の使い勝手を良くしたいという課題がある。
また、一般家庭のキッチンにおける誘導加熱調理器の設置場所の寸法は、ある程度定まっているのが一般的である。そこで誘導加熱調理器はその寸法サイズの空間に収まるように設計される。そして誘導加熱調理器は複数口の加熱領域を備えていることが一般的である。よって、トップフレート上は複数口の加熱領域のために面積を割かねばならない。
【0018】
しかし、この場合、前記した課題におけるタッチパネル方式の操作部をトッププレート上から操作可能に設けたとすると、加熱領域に大きな鍋等をおいて当該鍋等を加熱した場合、当該タッチパネル方式の操作部は鍋等から比較的近い位置に配置せざるを得ない。そのため、鍋等からタッチパネル方式の操作部までの距離は短くなりやすく、鍋等からタッチパネル方式の操作部(に対応したトッププレートの部分)に熱が伝わりやすく、温度が上昇したトッププレートに触れて操作部を操作するユーザが操作部(の上のトッププレートの部分)の温度上昇が気になってしまうという不具合がある。また、タッチパネルの熱に対する耐久性を考慮すべきである。
【0019】
そこで、タッチパネル方式の操作部を追加で設けても、その操作部をユーザが操作する場合にユーザに違和感を持たせないようにしたいという課題もある。
さらに、前記した既存の操作部は、複数口の加熱領域ごとにそれぞれ用意されたキャラクター液晶パネルで構成された表示部を備えている。
しかし、この場合、複数口の加熱領域の加熱状況を把握するためには、各加熱領域にそれぞれ対応した表示部を逐一確認しなければならず、複数口の加熱領域の加熱状況を容易に把握できることができないという不具合がある。
【0020】
そこで、前記したタッチパネル方式の操作部を追加で設けるのに際しては、複数口の加熱領域の加熱状況を容易に把握できるようにしたいという課題がある。
以下では、これらの課題を解決した誘導加熱調理器1の構成及び作用効果について説明する。
【0021】
図4は、誘導加熱調理器1のトッププレート2の一部における拡大平面図である。トッププレート2における加熱領域3R、加熱領域3Lよりも前側で第1操作部13よりも後ろ側における左右方向の中央部には、トッププレート2の上面側から操作可能に第2操作部31が設けられている。第2操作部31は、タッチパネル方式で、ユーザからの各種操作を受け付け、又、各種のメッセージを表示する。メッセージの表示のために、第2操作部31は、液晶パネルを用いていてもよいし、有機ELパネルを用いていてもよい。なお、熱に対しては、液晶パネルの方が有機ELパネルよりも耐久性の面で良好である。本実施例1では、第2操作部31は液晶パネルによるタッチパネル方式を適用しているものとして説明する。
【0022】
図5は、図2のA-A切断断面図である。誘導加熱調理器1の本体11の筐体12の内部には、筐体12等に固定された支持フレーム42が設けられている。液晶タッチパネル方式の第2操作部31は支持フレーム42の上部に支持され、第2操作部31の上面はトッププレート2の下面に密着していて、トッププレート2が第2操作部31のコンタクトガラスとなる。よって、トッププレート2の上面にユーザが触れることにより第2操作部31を操作することができる。筐体12の前部上部には第1操作部13が支持されている。第1操作部13の上面はトッププレート2の下面に密着していて、トッププレート2が第1操作部13のコンタクトガラスとなる。よって、トッププレート2の上面にユーザが触れることにより第1操作部13を操作することができる。支持フレーム42の下部には表示制御基板43が設けられている。表示制御基板43には、マイクロコンピュータを中心に構成された表示制御装置45(図6参照)が実装されていて、表示制御装置45は、第2操作部31を制御し、また、第1操作部13が受け付けた操作に応じた画面表示を第2操作部31に行う。支持フレーム42の下部には筐体12等に支持された支持フレーム44が設けられている。支持フレーム44には、メイン制御基板46が設けられている。メイン制御基板46には、マイクロコンピュータ又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)を中心に構成されたメイン制御装置47(図6参照)が実装されている。メイン制御装置47は、誘導加熱調理器1の全体を集中的に制御する。
【0023】
図6は、誘導加熱調理器1の制御系の概要を示すブロック図である。表示制御装置45には、第2操作部31及び第1操作部13が所定のインターフィスを介して接続されている。メイン制御装置47には、所定のインターフェイスを介して、3つの誘導加熱コイル4(それぞれ加熱領域3R、加熱領域3L、加熱領域3Mに対応している)と、グリル6の電熱線48とが接続されている。メイン制御装置47は、3つの誘導加熱コイル4と電熱線48とを制御することで、加熱領域3R、加熱領域3L、加熱領域3M、グリル6の火力制御を行う。また、第1操作部13や第2操作部31でユーザから受付けた操作の情報は、表示制御装置45を介してメイン制御装置47に伝達される。
【0024】
図7は、誘導加熱調理器1の前側の平面図である。加熱領域3R、加熱領域3Lそれぞれの外側を囲むように円形の破線49で示したのは加熱領域3R、加熱領域3Lそれぞれの鉄系鍋等の加熱対象物Nを載置し得る領域の外縁である。この円形の破線49の直径は、加熱領域3R、加熱領域3Lの何れも、例えば26cmである。図7に明らかなように、トッププレート2の上面に加熱領域3R、加熱領域3L、加熱領域3Mの面積を大きくとっていることから、破線49に囲まれた領域から第2操作部31までの距離は大変近い。
【0025】
図4に戻る。第2操作部31は、各加熱領域3と第1操作部13との間の領域に設けられている。液晶タッチパネル方式である第2操作部31は、各種操作を受付ける受付領域31aと各種操作を受付けない非受付領域31bとを備えている。つまり、第2操作部31は、タッチパネルの機能を有している領域とその機能を有していない領域とを備えている。タッチパネルの機能を有していない非受付領域31bは、各種メッセージの表示のみを行う。非受付領域31bは受付領域31aよりも加熱領域3R、加熱領域3L、加熱領域3M側に設けられている。すなわち、図4に示すように、非受付領域31bから加熱領域3Lまでの最短距離bは、受付領域31aから加熱領域3Lまでの最短距離cよりも短い(加熱領域3R、加熱領域3Mについても同様)。複数の加熱領域3のうち最も第2操作部31に近いもの(本例では加熱領域3R及び加熱領域3L)の最外周部と第2操作部31との最短距離bは例えば40mm以上80mm以下である。すなわち、熱の影響(タッチパネルの耐久性やユーザがタッチパネルに触れたときの温感等)を考慮して、タッチパネルの機能を有している受付領域31aをその機能有していない非受付領域31bよりも加熱領域3から離れた位置に配置している。
【0026】
非受付領域31bは、右側から加熱領域3R、加熱領域3M(及びグリル14)、加熱領域3Lそれぞれの加熱状況等の情報を表示する表示部31b1、表示部31b2、表示部31b3に区分けされている。なお、受付領域31aの少なくとも一部が当該受付領域31aよりも加熱領域3側に近い非受付領域31bに挟まれて配置されていてもよい。例えば、表示部31b1、表示部31b3の部位を非受付領域31bとして維持し、表示部31b2の部位だけを受付領域31aとしてもよい。
【0027】
図8は、第1操作部13を操作する際の表示制御装置45の基本制御を説明するフローチャートである。第1操作部13でユーザからの操作を受け付けると(ステップS1のYes)、表示制御装置45は、第1操作部13で受け付けた操作に応じたメッセージを表示する(ステップS2)。これが、第1操作部13を操作する際の表示制御装置45の基本制御である。
【0028】
より具体的に説明する。図9は、第2操作部31の初期画面51の平面図である。初期画面51は、主電源スイッチ21(図3)をONにすることにより液晶タッチパネル方式の第2操作部31に表示される。画面構成として、表示部31b1、表示部31b2、表示部31b3のそれぞれに上下で対応して、受付領域31aもボタン部31a1、ボタン部31a2(第2グリル操作部)、ボタン部31a3に区分けされている。ボタン部31a1、ボタン部31a2、ボタン部31a3も、右から左へと、それぞれ加熱領域3R、加熱領域3M(及びグリル14)、加熱領域3Lに対応している。
【0029】
ボタン部31a1には、加熱領域3R(の誘導加熱コイル4)をON、OFFする第2電源ボタン61と、加熱領域3Rの火力を弱火に設定する弱火ボタン62(第2火力操作部)と、同様に中火に設定する中火ボタン63(第2火力操作部)と、同様に強火に設定する強火ボタン64(第2火力操作部)と、第2操作部31をメニュー画面に遷移させるメニューボタン65とが表示される(アイコン表示)。第2電源ボタン61は、加熱領域3Rに対応した誘導加熱コイル4により加熱対象物Nを加熱可能な状態にする指示(ON)を受付けるボタンである。
【0030】
ボタン部31a3の表示もボタン部31a1と同様のため、ボタン部31a1と同一符号を付して説明を省略する。中央のボタン部31a2は、第2電源ボタン66を表示する。第2電源ボタン66は、加熱領域3R(の誘導加熱コイル4)又はグリル14(の電熱線48)を選択し、選択した加熱領域3R又はグリル14をON、OFFするボタンである。つまり、第2電源ボタン66は、加熱領域3Mに対応した誘導加熱コイル4又はグリル14の電熱線48によって加熱対象物N又は魚等の食材を加熱可能な状態にする指示(ON)を受付けるボタンともいえる。
【0031】
表示部31b1、表示部31b2、表示部31b3には、本例で、右IH、中IH/グリル、左IHと表示されているが、それぞれ対応しているのが加熱領域3R、加熱領域3M(及びグリル14)、加熱領域3Lであることを示している。
【0032】
図9に示す何れかのボタンを選択すると(タッチパネル上のボタンをタッチすると)、当該選択されたボタンは色が変わる等して選択されたことを示す。また、第1操作部13(図3)の何れかのボタンが操作されると、図8の基本制御に従って第2操作部31の対応するボタンの色が変わる等して、その色が変わる等したボタンに対応する第1操作部13のボタンが操作されたこと示す。
このようにして、第2操作部31は、第1電源ボタン22で受付けた操作に応じたメッセージを表示する。また、第2操作部31は、第1グリル操作部13MR(図3)で受付けた操作に応じたメッセージを表示する。さらに、第2操作部31は、前記第1火力操作部(弱火ボタン23、中火ボタン24,強火ボタン25)(図3)で受付けた操作に応じたメッセージを表示する。
【0033】
メニューボタン65が操作されると、液晶タッチパネル方式の第2操作部31は、操作されたメニューボタン65に対応する加熱領域3R、加熱領域3M(及びグリル14)、又は加熱領域3Lのメニュー画面に遷移する。第1操作部13(図3)のメニューボタン28が操作された際も、同様にメニュー画面に遷移する。
【0034】
図10は、このようなメニュー画面の一例を示す平面図である。このメニュー画面71は、加熱領域3L(の誘導加熱コイル4)に対応したボタン部31a3のメニューボタン65を操作した例である。そのため、表示部31b3には、「左IH 操作中」と、加熱領域3Lが操作されていることを示すメッセージが表示される。また、受付領域31aには、様々な料理や調理方法等を表示した選択ボタン72が複数個表示される。閉じるボタン73が選択されるとメニュー画面71から元の初期画面51に戻る。また、加熱領域3Lに関して、選択ボタン72で設定する料理や調理方法等を選択することを促すように、「左IH メニューを選んでください。」というメッセージが表示される。このメッセージに促されて所望の選択ボタン72を選択すると、第2操作部31は詳細設定画面に遷移する。ちなみに、1つのタッチパネルを、加熱領域3L、加熱領域3M(及びグリル14)、加熱領域3Rの操作に共用することから、ユーザはどの加熱領域31の操作をしているのか迷うこともあるが(鍋を複数置いているような場合)、このように、「左IH」と表示されることで、ユーザは、どの加熱領域3の操作なのかを迷わずにすむ。なお、本例では、加熱領域3R、加熱領域3M(及びグリル14)に関しては第1操作部13も第2操作部31も操作されていないため、表示部31b1、表示部31b2には、加熱領域3Rや加熱領域3M(及びグリル14)を操作中であることを示すメッセージは表示されない。これらも並行して操作されたときには、例えば「右IH 操作中」等のメッセージも並行して表示される。
【0035】
図11は、詳細設定画面の一例を示す平面図である。ここでは、加熱領域3Lに関して選択ボタン72の「揚げ物」が選択された例を示している。詳細設定画面81では、選択ボタン72で選択した「揚げ物」について、「温度を選択しスタートしてください。」というメッセージが表示される。ここでは、温度選択ボタン82,83によって、その左に表示される温度を上下にスクロールして選択することができる。この例では170℃の温度が選択されている。また、選択された170℃の温度で調理した場合の「おすすめ料理」として「とんかつ、から揚げ」が料理メニュー表示欄84に表示される。温度選択ボタン82,83で温度を選択してスタートボタン85を操作すると、選択ボタン72で選択した「揚げ物」の運転コースと、温度選択ボタン82,83で選択した設定温度170℃とが設定され、その設定に従って加熱領域3L(の誘導加熱コイル4)は制御されて運転が開始する。なお、閉じるボタン86の操作で詳細設定画面81からメニュー画面71に戻る。また、キャンセルボタン87により、スタートボタン85で開始した加熱領域3Lの運転はキャンセルされる。スタートボタン85を操作することで、第2操作部31は加熱状況表示画面に遷移する。
【0036】
図12は、加熱状況表示画面の一例を示す平面図である。ここでは加熱領域3Lに関して選択ボタン72の「揚げ物」と、加熱温度170℃が設定された例を示している。加熱状況表示画面91では、加熱領域3Lに関して、「揚げ物」の運転コースに対応した加熱が行われていること、加熱温度は170℃であること、現在「予熱中」であることが、加熱領域3Lの「加熱状況」として表示されている。このように、「加熱状況」とは、現在の加熱対象物Nへの加熱の具体的な状況を示す様々な情報である。「加熱状況」は、加熱状況表示領域95に表示される。この例では、加熱領域3R、加熱領域3M(及びグリル14)は稼働していないので、これらの「加熱状況」は表示されず、代わりに初期画面51(図9)と同様の画像が表示される。すなわち、加熱領域3R、加熱領域3M(及びグリル14)も稼働していれば、これらの「加熱状況」も第2操作部31に表示される。すなわち、加熱領域3R、加熱領域3M(及びグリル14)、加熱領域3Lの全ての「加熱状況」が第2操作部31の1画面内に集約して表示されることとなる(図4も参照)。
【0037】
第1操作部13の弱火ボタン23、中火ボタン24,強火ボタン25、火力下げボタン26、火力上げボタン27(図3)が操作されたときも、その操作に応じて第2操作部31には加熱状況表示画面91が表示されて、加熱領域3の加熱状況が表示される。
温度変更ボタン92,93は、設定温度を可変するときに操作するボタンである。切スイッチ94は、稼働中の加熱領域3Lの運転をOFFにするときに操作するボタンである。
【0038】
以上説明した誘導加熱調理器1によれば、本体11の各種操作を受け付ける第1操作部13の他に、タッチパネル方式で、本体11の各種操作を受け付け、又、各種メッセージを表示する第2操作部31を設けた(図7等)。そのため、ユーザにとって使い勝手のよい誘導加熱調理器1を提供することができる。
この場合、第1操作部13で受け付けた操作に応じたメッセージを第2操作部31に表示するようにしている。そのため、既存の誘導加熱調理器のように第1操作部13の操作に応じたメッセージを表示するキャラクター液晶表示部等を別途設ける必要がないので、トッププレート2等が大型化するのを抑制することができる。
【0039】
また、第2操作部31は、各加熱領域3と第1操作部13との間の領域に設けられていて、各種操作を受付ける受付領域31aと当該各種操作を受付けない非受付領域31bとを備え、非受付領域31bは受付領域31aよりも加熱領域3側に設けられている(図4)。そのため、ユーザが手指で操作する受付領域31aは加熱対象物Nの熱の影響を受けにくくできるので、受付領域31aを触ったユーザがその温度の高さに違和感を持ってしまう事態を抑制することができる。
【0040】
さらに、各加熱領域3の全ての加熱状況は第2操作部31に集約して表示するので(図9参考)、複数口の加熱領域3の加熱状況を容易に把握できる。
【実施例0041】
実施例2では、ハードウェア構成等は実施例1と共通であるため、これらについては実施例1と同一の符号を用いて詳細な説明は省略する。実施例2が実施例1と異なるのは、第2操作部31の画面表示の具体的な内容に関してであるので、以下ではこれらの内容について説明する。
【0042】
図13は、実施例2における第2操作部に表示される初期画面の平面図である。この初期画面101では、誘導加熱調理器1の外観イメージの絵が表示される(遠近法的な表示)。すなわち、トッププレート2を斜め前方から視た絵の図形102には、そのトッププレート2上での加熱領域3R、加熱領域3M、加熱領域Lを想起させる表示ボタン103~105(アイコン)が配置されている。表示ボタン103,105は、それぞれ加熱領域3R、加熱領域Lを想起させるように図形102の前方側に左右並んで配置されている。また、表示ボタン104は加熱領域3Mを想起させるように図形102の表示ボタン103と表示ボタン105との中間地点の後方に表示されている。表示ボタン103~105は、それぞれ加熱領域3R、加熱領域3M、加熱領域Lに対応し、それぞれ加熱領域3R、加熱領域3M、加熱領域Lの操作を可能にするボタンであり、またそれらの「加熱状況」を表示する表示部ともなる。図形102の前方には誘導加熱調理器1の筐体12(図2)の側部前面部分を想起させる図形106が表示されている。そして、図形106の左側部分には筐体12の側部前面部分左側に配置されたグリル14を想起させるように表示ボタン107が表示されている。表示ボタン107は、グリル14に対応し、グリル14の操作を可能にするボタンであり、またそれらの「加熱状況」を表示する表示部ともなる。このように、第2操作部31には、1画面内に複数の加熱領域3及びグリル14のそれぞれの操作に関する各表示ボタンがトッププレート2上及び筐体12における複数の加熱領域3間及びグリル14の配置関係に対応して配置されている。
【0043】
表示ボタン103~105の何れかを操作することで、操作した表示ボタン(アイコン)に対応した加熱領域3の火力調整画面に遷移する。図14は、火力調整画面の一例を示す平面図である。この火力調整画面111は、加熱領域3Lに関するものの例である。火力調整ボタン112を左右に指を動かして操作することにより、火力を弱火、中火、強火の三段階、さらにはより詳細に9段階に調整することができ、その設定した火力の程度は、火力調整ボタン112のレベルメータで表示される。この例では、加熱領域3Lを中火のレベル6に調整していることが示されている。また、現在表示されているのが加熱領域3Lの火力調整画面であることを、3つの加熱領域3の配置を示す丸図形3つの中で加熱領域3Lに対応したものだけ色を変えて視覚的に示している。また、文字でも「左IH」と加熱領域3Lに対応した画面であることを示している(図形113部分)。
【0044】
火力調整画面111は、第1操作部13(図3)で、弱火ボタン23、中火ボタン24,強火ボタン25、火力下げボタン26、火力上げボタン27を操作したときも、その選択した火力を火力調整ボタン112のレベルメータで示して第2操作部31に表示される。
スタートボタン114を操作したときは、火力調整ボタン112で設定した火力での加熱領域3L(の誘導加熱コイル4)での運転が開始する。メニューボタン115を操作したときは、当該操作されたメニューボタン115に対応したメニュー画面に遷移する。ここでは加熱領域3Lに対応する火力調整画面111なので加熱領域3Lのメニュー画面に遷移する。
【0045】
図15は、火力調整画面の一例を示す平面図である。この火力調整画面121は、加熱領域3Rに関するものである。その内容は図14と同様であるため、図14と同様の符号を付して説明を省略する。加熱領域3Mに対応した火力調整画面も図14図15に準じる。
【0046】
図16は、メニュー画面の一例を示す平面図である。このメニュー画面131は、加熱領域3Rのメニューボタン115を操作した際に表示される例である。メニュー画面131には、具体的な加熱メニューが表示された加熱メニュー選択ボタン132が複数個表示される。その加熱メニュー選択ボタン132の何れかを選択することで、選択した加熱メニューに対応する運転コースを加熱領域3Rに対して設定することができる。選択ボタン133,134は、他の加熱メニュー選択ボタン132を表示させるボタンである。また、画面右上には当該メニュー画面131が加熱領域3Rに対応するものであることを火力調整画面111と同様な手法で表示する画像135が表示されている。また、画面左上には、加熱領域3Lに対応した火力調整画面に遷移させるボタン136が表示されている。
【0047】
また、第1操作部13(図3)でメニューボタン28が操作されたときも、図16に例示するようなメニュー場面が第2操作部31に表示される。
図17は、加熱メニュー選択ボタン132を選択操作したときに遷移する温度設定画面の一例を示す平面図である。この温度設定画面141は、「揚げ物」の加熱メニュー選択ボタン132が選択されたときの例である。温度調節ボタン142,143の調整により設定温度を調節することができる。ここでは温度が140℃に設定されている。また、揚げ物というメニューで必要な情報、例えば、油量や最低限必要な油の深さの情報も表示される。温度調節ボタン142,143で所望の温度に設定し、スタートボタン144を操作することで「揚げ物」というメニューで指定した設定温度での加熱領域3Lの運転が開始する。画像135、ボタン136は前記と同様である。
【0048】
図17に例示するような温度設定画面は、第1操作部13(図3)で右ヒータ操作部13R等の第1電源ボタン22、弱火ボタン23、中火ボタン24,強火ボタン25、火力下げボタン26又は火力上げボタン27が操作されたときも第2操作部31に表示される。
【0049】
図18は、初期画面101(図13)で表示ボタン107を操作したときに遷移するメニュー画面の一例を示す平面図である。表示ボタン107はグリル14に対応したボタンであるので、このときはグリル14に対応したメニュー画面151が表示される。メニュー画面151には複数個の加熱メニュー選択ボタン152が表示される。加熱メニュー選択ボタン152を選択することで選択した加熱メニューに対応する運転コースをグリル14で設定することができる。メニュー表示ボタン153,154は他の加熱メニュー選択ボタン152を表示させるボタンである。画像135、ボタン136は前記と同様である。
【0050】
また、第1操作部13(図3)の第1グリル操作部13MRのメニューボタン28が操作されたときも、図18に例示するようなメニュー画面が第2操作部31に表示される。
図19は、加熱メニュー選択ボタン152を選択するときに遷移する温度設定画面の一例を示す平面図である。温度設定画面161は、加熱メニュー選択ボタン152で「切身 干物」を選択したときに表示されるものある。ここでは、温度設定ボタン162~164の選択により、火力を弱火、中火、強火の3段階から選択することができる。ここでは中火が選択されていて対応する温度設定ボタン163の色が変っている。温度設定ボタン162~164を操作して火力を選び、スタートボタン165を操作することで、「切身 干物」加熱メニューの運転コースで、選択した火力(中火)により、グリル14の加熱運転が開始する。画像135、ボタン136は前記と同様である。なお、火力調整目安、食材の並べ方、使用する付属品の情報も温度設定画面161に表示される。また、上手な使い方ボタン166を操作することで、グリル14の上手な使い方の詳細情報を表示する画面に遷移することができる。
【0051】
また、第1操作部13(図3)の第1グリル操作部13MGの火力下げボタン26、火力上げボタン27が操作されたときも、図19に例示するような温度設定画面が表示される。
以上の操作を完了して何れかの加熱領域3やグリル14が稼働中になると初期画面101に戻る。図20は、この場合の初期画面の一例を示す平面図である。この初期画面101では、各加熱領域3、グリル14のうち稼働中のものの「加熱状況」が表示ボタン103~105,107に表示される。この例では、加熱領域3R、加熱領域3L、グリル14が稼働中である。そのため、本例では、加熱領域3Rに対応する表示ボタン103には設定温度が140℃という表示と、吹き出しにより、現在、「揚げ物」が選択されていること、適温であること、残り時間が1分であることが表示されている。また、加熱領域3Lに対応する表示ボタン105には、本例では、火力レベルが6であることと、吹き出しにより残り時間が2分であることが表示されている。さらに、グリル14に対応する表示ボタン107には、本例で、火力が中火であることと、吹き出しにより「切身 干物」が選択されていることが表示されている。また、各加熱領域3、グリル14のうち稼働中のものの設定火力レベルが視覚的にわかりやすく表示ボタン103~105,107の色で示される。例えば設定火力が低いほど淡いオレンジ色が表示され、高いほど濃い赤色が表示される等する。
【0052】
このように初期画面101では、各加熱領域3、グリル14のうち稼働中のものの「加熱状況」が第2操作部31の1画面に集約して表示される。
図21は、図20の初期画面101で稼働中の加熱領域3Rに対応した表示ボタン103を操作することにより遷移する温度設定等画面の一例を示す平面図である。この温度設定等画面171では、温度調節ボタン172,173を操作することで現在の設定温度を別の温度に設定することができる。また、切ボタン174を操作することで加熱領域3Rの稼働を中止することができる。さらに、戻りボタン175を操作することにより図20の初期画面101に遷移することができる。
【0053】
図22は、図20の初期画面101で稼働中の加熱領域3Lに対応した表示ボタン107を操作することにより遷移する温度設定等画面の一例を示す平面図である。この温度設定等画面181では、火力調整ボタン182のレベルメータで表示を操作によって変えることで、現在設定されている火力のレベルを変更することができる。また、切ボタン183を操作することで加熱領域3Lの稼働を中止することができる。さらに、戻りボタン184を操作することにより図20の初期画面101に遷移することができる。
【0054】
以上説明した本実施例2の誘導加熱調理器1によれば、初期画面101では、各加熱領域3、グリル14のうち稼働中のものの「加熱状況」が第2操作部31の1画面に集約して表示される。よって、複数口の加熱領域3及びグリル14の加熱状況を容易に把握することができる。
また、初期画面101では、1画面内に複数口の加熱領域3及びグリル14のそれぞれの操作に関する各ボタンがトッププレート2上及び本体11の筐体12における複数の当該加熱領域3間及びグリル14の配置関係に対応して配置されている。そのため、表示ボタン103~105,107と、各加熱領域3及びグリル14との対応関係がわかりやすく、操作性が向上する。
【0055】
さらに、表示ボタン103~105,107の操作から当該操作を含めて2回又は1回のボタン操作でメニュー画面131,151(図16図18)に辿り着くので、メニュー画面への遷移が容易で操作性が向上する。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【0056】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれ機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0057】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0058】
1 誘導加熱調理器
2 トッププレート
3,3R,3M,3L 加熱領域
4 誘導加熱コイル
11 本体
13 第1操作部
13MR 第1グリル操作部
14 グリル
22 第1電源ボタン
23 弱火ボタン(第1火力操作部)
24 中火ボタン(第1火力操作部)
25 強火ボタン(第1火力操作部)
26 火力下げボタン(第1火力操作部)
27 火力上げボタン(第1火力操作部)
31 第2操作部
31a 受付領域
31b 非受付領域
31a2 ボタン部(第2グリル操作部)
51 初期画面
61 第2電源ボタン
62 弱火ボタン(第2火力操作部)
63 中火ボタン(第2火力操作部)
64 強火ボタン(第2火力操作部)
51 メニュー画面
131 メニュー画面
151 メニュー画面
N 加熱対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22