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特開2023-139483光照射装置、およびそれを用いたフォトマスク描画装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139483
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】光照射装置、およびそれを用いたフォトマスク描画装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20230927BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230927BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230927BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
F21S2/00 330
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045041
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】510138741
【氏名又は名称】フェニックス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】山下 健一
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197BA09
2H197CA03
2H197CA06
2H197CA14
2H197CA15
2H197CA17
2H197HA03
2H197HA08
2H197HA10
(57)【要約】
【課題】インテグレータレンズを使用することなく、照射面における高い照度と均一性とを実現できる光照射装置を提供する。
【解決手段】光照射装置10を、複数のLED12と、各LED12に対応し、各LED12からの光Lを平行化する複数のコリメートレンズ14と、各コリメートレンズ14からの光Lを照射面Aに向けて集光するコンデンサーレンズ16と、LED12に対するコリメートレンズ14の位置を調整する位置調整機構18とで構成する。そして、各LED12に幾何学的形状の外形を有する発光部22を形成し、一部のLED12の配置角度を残部における少なくとも一部のLED12の配置角度に比べて当該幾何学的形状に対応した角度で回転した状態とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDと、
前記各LEDに対応し、前記各LEDからの光を平行化する複数のコリメートレンズと、
前記各コリメートレンズからの光を照射面に向けて集光するコンデンサーレンズと、
前記LEDに対する前記コリメートレンズの位置を調整する位置調整機構とを備えており、
前記各LEDは、幾何学的形状の外形を有する発光部を有しており、
一部の前記LEDの配置角度は、残部における少なくとも一部の配置角度に比べて、前記幾何学的形状に対応した角度で回転した状態となっている
光照射装置。
【請求項2】
前記各LEDは、複数のモジュールに分けて配置されており、
ひとつの前記モジュールに配置された前記LEDは、すべて同じ前記配置角度となっており、
異なる前記モジュールに配置された前記LEDで前記配置角度が回転した状態となっている
請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記各LEDは、複数のモジュールに分けて配置されており、
ひとつの前記モジュールに配置された前記LEDで前記配置角度が回転した状態となっている
請求項1に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記幾何学的形状は、長方形であり、
前記配置角度は、90°である
請求項1から3のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項5】
前記位置調整機構は、前記LEDと前記コリメートレンズとの間の距離を調整する
請求項1から4のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項6】
前記位置調整機構は、前記LEDの光軸に直交する平面における前記コリメートレンズの位置を調整する
請求項1から4のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の光照射装置を備えるフォトマスク描画装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、半導体露光用のフォトマスクの製造(描画)に使用される光照射装置、およびそれを用いたフォトマスク描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、集積密度の高い半導体を製造する際に、回路パターンの原版であるフォトマスクを用いてステッパー露光を行う方法が開発されている。
【0003】
このフォトマスクを製造(描画)する際、従前から電子ビームやレーザー光が使用されてきたが、フォトマスク製造(描画)用の光照射装置のコストダウンを目的として、LED(発光ダイオード)を使用することが検討されている。
【0004】
例えば、半導体露光装置用の光源であれば、LEDを使用するものが多数開発されているが(特許文献1)、このような光源をそのままフォトマスク描画装置に適用することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-86393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なぜならば、フォトマスク描画装置に使用される光照射装置には、照射面における高い照度と均一性とが求められるからである。
【0007】
一般的に、LEDを用いた光照射装置1は、図7に示すように、複数のLED2と、当該LED2から放射された光を平行光にするコリメートレンズ3と、コリメートレンズ3からの光を所定の照射面に向けて集光するコンデンサーレンズ4と、各LED2からの光を照射面に重ね合わせるインテグレータレンズ5とを有している。
【0008】
照射面における照度をできるだけ高めようとすると、コリメートレンズ3およびコンデンサーレンズ4をそれぞれ焦点位置にできるだけ近づけて配置する必要がある。そうすると、LED2の発光部内に配置されている電極やLED2に付着している異物等が照射面にそのまま投影され、照射面に暗部が形成されてしまうので、当該照射面における照度のムラが出てしまうという問題があった。このようなムラを解消するために、インテグレータレンズ5が使用されている。
【0009】
しかしながら、インテグレータレンズ5を使用すると別の問題が生じることがわかってきた。すなわち、インテグレータレンズ5を使用すると、レンズの製作精度の問題や2枚のレンズを組み合わせる場合のレンズ位置ずれによる光のロスが発生する。また、インテグレータレンズ5を構成する各レンズ同士の継目でも光のロスが発生する。さらに、そもそもインテグレータレンズ5の製作には高度な技術が必要であり、高額になってしまう。
【0010】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インテグレータレンズを使用することなく、照射面における高い照度と均一性とを実現できる光照射装置、およびそれを用いたフォトマスク描画装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面によれば、
複数のLEDと、
前記各LEDに対応し、前記各LEDからの光を平行化する複数のコリメートレンズと、
前記各コリメートレンズからの光を照射面に向けて集光するコンデンサーレンズと、
前記LEDに対する前記コリメートレンズの位置を調整する位置調整機構とを備えており、
前記各LEDは、幾何学的形状の外形を有する発光部を有しており、
一部の前記LEDの配置角度は、残部における少なくとも一部の前記LEDの配置角度に比べて、前記幾何学的形状に対応した角度で回転した状態となっている
光照射装置が提供される。
【0012】
好適には、
前記各LEDは、複数のモジュールに分けて配置されており、
ひとつの前記モジュールに配置された前記LEDは、すべて同じ前記配置角度となっており、
異なる前記モジュールに配置された前記LEDで前記配置角度が回転した状態となっている。
【0013】
好適には、
前記各LEDは、複数のモジュールに分けて配置されており、
ひとつの前記モジュールに配置された前記LEDで前記配置角度が回転した状態となっている。
【0014】
好適には、
前記幾何学的形状は、長方形であり、
前記配置角度は、90°である。
【0015】
好適には、
前記位置調整機構は、前記LEDと前記コリメートレンズとの間の距離を調整する。
【0016】
好適には、
前記位置調整機構は、前記LEDの光軸に直交する平面における前記コリメートレンズの位置を調整する。
【0017】
本発明の他の局面によれば、
上述した光照射装置を備えるフォトマスク描画装置が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る光照射装置によれば、各LEDは幾何学的形状の外形を有する発光部を有しており、一部のLEDの配置角度は、残部のLEDの配置角度に比べて、この幾何学的形状に対応した角度で回転した状態となっている。これにより、コリメートレンズおよびコンデンサーレンズをそれぞれ焦点位置にできるだけ近づけて配置したとき、ひとつのLEDの発光部内に配置されている電極や当該LEDに付着している異物等が照射面にそのまま投影され、照射面に暗部が形成されるが、ひとつのLEDとは異なる配置角度で配置された別のLEDにおける上記暗部を含む発光部が少しずれた位置で照射面に投影されるので、結果として、インテグレータレンズを使用することなく、照射面における照度のムラを低減できる。
【0019】
加えて、本発明に係る光照射装置は、LEDに対するコリメートレンズの位置を調整する位置調整機構を備えているので、光照射装置に求められる照度と均一性との関係に応じてLEDに対するコリメートレンズの位置を調整することにより、照度を少し犠牲にしてその分だけ均一性を向上させたり、逆に、均一性を少し犠牲にしてその分だけ照度を向上させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明が適用された実施形態に係る光照射装置10を示す図である。
図2】本発明が適用された実施形態に係るLED12およびモジュール20を示す図である。
図3】LED12における発光部22を示す図である。
図4図2の中央部分(Z部分)を拡大した図である。
図5】ひとつのLED12から照射面Aに投影された発光部22および暗部Xを示す図である。
図6】ひとつのLED12、および、このLED12とは異なる配置角度で配置された別のLED12から照射面Aにそれぞれ投影された発光部22および暗部Xを示す図である。
図7】従来技術に係る光照射装置1を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(光照射装置10の構成)
本発明が適用された実施形態に係る光照射装置10について以下に説明する。一例としてフォトマスク描画装置に使用される光照射装置10は、図1に示すように、大略、LED12と、コリメートレンズ14と、コンデンサーレンズ16と、位置調整機構18とを備えている。
【0022】
LED12は、所定の照度および波長の光(本実施形態では、フォトマスク描画用の光)Lを放射する部材である。図2に示すように、本実施形態では、LED12は、ひとつのモジュール20において22個が配置されている。また、本実施形態では、4つのモジュール20が使用されている。ひとつのモジュール20に配置されているLED12の数、および、光照射装置10に使用されるモジュール20の数については、特に限定されるものではない。
【0023】
なお、本実施形態では、LED12から放射される光Lの主波長を365nm以下にするのが好適である。365nmよりも長い波長の光であれば、レンズ類を石英以外の安価な材料で形成することができ、かつ、インテグレータレンズが製作し易く、インテグレータレンズを用いる方がよいからである。
【0024】
また、各モジュール20の表面には、上述のように複数のLED12が配置されているとともに、これらLED12に給電するための回路等(図示せず)が形成されている。
【0025】
さらに、各モジュール20には、複数のコリメートレンズ14が配置されたコリメートレンズ基板15から突出された位置決めピン24が挿通される位置決めピン挿通孔26が2箇所ずつ形成されている。この位置決めピン24は、各LED12の光軸に対して平行となるように延びるので、位置調整機構18がLED12とコリメートレンズ14との間の距離を調整する際、LED12の光軸に直交する平面におけるコリメートレンズ14の位置がずれるのを防止できる。
【0026】
各LED12は、図3に示すように、幾何学的形状の外形を有する発光部22を有している。この発光部22は、電力の供給を受けて光Lを放射する部分であり、本実施形態に係るLED12では、外形が長方形状(幾何学的形状)に形成されている。
【0027】
また、各LED12は、所定の配置角度で各モジュール20に配置されている。例えば、4つのモジュール20が集まる図2の中央部分(Z部分)に着目すると、図4に示すように、図中右上にあるモジュール20aに配置されたLED12は、それぞれのLED12における発光部22の長方形状の配置形状が図中左右方向に延びるようにして配置されている。次に、図中右下にあるモジュール20bのLED12は、図中右上にあるモジュール20aに配置されたLED12と比べて90°回転した配置角度で配置されている。また、図中左下にあるモジュール20cのLED12は、図中右下にあるモジュール20bに配置されたLED12と比べて90°回転した配置角度で配置されている。つまり、図中右上にあるモジュール20aに配置されたLED12と比べて180°回転した配置角度で配置されている。さらに、図中左上にあるモジュール20dのLED12は、図中左下にあるモジュール20cに配置されたLED12と比べて90°回転した配置角度で配置されている。つまり、図中右上にあるモジュール20aに配置されたLED12と比べて270°、図中右下にあるモジュール20bに配置されたLED12と比べて180°回転した配置角度で配置されている。
【0028】
図1に戻り、コリメートレンズ14は、LED12から放射された光Lを平行化する役割を有するレンズであり、各LED12に一対一で対応するように複数のコリメートレンズ14が配置されている。また、各コリメートレンズ14の焦点が照射面Aにできるだけ近づくようにして、各コリメートレンズ14が配置されている。
【0029】
コンデンサーレンズ16は、各コリメートレンズ14からの光Lを照射面Aに向けて集光するレンズであり、本実施形態では、ひとつの光照射装置10においてひとつのコンデンサーレンズ16が使用されている。なお、これに変えて、各LED12およびコリメートレンズ14に一対一で対応するように複数のコンデンサーレンズ16を配置してもよい。また、コンデンサーレンズ16の焦点が照射面Aにできるだけ近づくようにして、当該コンデンサーレンズ16が配置されている。
【0030】
なお、本実施形態では、コリメートレンズ14およびコンデンサーレンズ16により、LED12における各発光部22の形状が5倍から100倍の拡大率で照射面Aに投影されるのが好適である。5倍未満の投影率を実現するのは技術的に難しく、逆に、100倍よりも大きな拡大率であれば、インテグレータレンズのセル数が少なくてすむので、インテグレータレンズを用いる方がよいからである。
【0031】
位置調整機構18は、LED12に対するコリメートレンズ14の位置を調整する役割を有する機構である。本実施形態に係る位置調整機構18は、各コリメートレンズ14を各LED12の光軸に対して平行に移動させる、つまり、各LED12と各コリメートレンズ14との間の距離を調整することができるようになっている。
【0032】
(光照射装置10の特徴)
本実施形態に係る光照射装置10によれば、各LED12は幾何学的形状の外形を有する発光部22を有しており、一部のLED12の配置角度は、残部のLED12の配置角度に比べて、この幾何学的形状に対応した角度である90°単位で回転した状態となっている。これにより、コリメートレンズ14およびコンデンサーレンズ16をそれぞれ焦点位置にできるだけ近づけて配置したとき、図5に示すように、ひとつのLED12の発光部22内に配置されている電極や当該LED12に付着している異物等が照射面Aにそのまま投影され、照射面Aに暗部Xが形成されるが、ひとつのLED12とは異なる配置角度で配置された別のLED12における上記暗部Xを含む発光部22が少しずれた位置で照射面Aに投影されるので、結果として図6に示すように、インテグレータレンズを使用することなく、照射面における照度のムラを低減できる。
【0033】
加えて、本実施形態に係る光照射装置10は、LED12とコリメートレンズ14との間の距離を調整する位置調整機構18を備えているので、光照射装置10に求められる照度と均一性との関係に応じてLED12とコリメートレンズ14との間の距離を調整することにより、照度を少し犠牲にしてその分だけ均一性を向上させたり、逆に、均一性を少し犠牲にしてその分だけ照度を向上させたりすることができる。
【0034】
また、各LED12は、複数のモジュール20に分けて配置されており、ひとつのモジュール20に配置されたLED12は、すべて同じ配置角度となっており、異なるモジュール20に配置されたLED12で配置角度が回転した状態となっている。これにより、モジュール20単位でLED12の交換を行うことができるので、LED12の交換作業が容易になる。
【0035】
(変形例1)
上述した実施形態に係る光照射装置10において、位置調整機構18はLED12とコリメートレンズ14との間の距離を調整するようになっていたが、これに変えて、LED12の光軸に直交する平面におけるコリメートレンズ14の位置を位置調整機構18で調整してもよい。このように、LED12の光軸に直交する平面におけるコリメートレンズ14の位置を移動調整させた場合も、照度を少し犠牲にしてその分だけ均一性を向上させたり、逆に、均一性を少し犠牲にしてその分だけ照度を向上させたりすることができる。
【0036】
もちろん、位置調整機構18で、LED12とコリメートレンズ14との間の距離、および、LED12の光軸に直交する平面におけるコリメートレンズ14の位置を調整してもよい。
【0037】
(変形例2)
上述した実施形態に係る光照射装置10では、LED12を複数のモジュール20に分けて配置していたが、これに変えて、モジュール20をひとつだけ用意し、そのモジュール20にすべてのLED12を配置してもよい。この場合も、一部のLED12の配置角度は、残部のLED12の配置角度に比べて、幾何学的形状に対応した角度で回転した状態となっていることに代わりはない。
【0038】
(変形例3)
発光部22の配置に係る幾何学的形状は、上述した「長方形状」に限定されるものではなく、例えば「正方形状」であってもよい。「正方形状」である場合、配置角度を90°にすると、ひとつのLED12における発光部22と、ひとつのLED12とは90°異なる配置角度で配置された別のLED12における発光部22とが照射面Aにおいて互いに同じ位置に重なってしまうが、各LED12の発光部22に含まれる暗部Xが互いに同じ位置に重ならないのでれば、配置角度が90°でも問題ない。
【0039】
もし、各LED12の発光部22に含まれる暗部Xが互いに同じ位置に重なるのであれば、90°の倍数以外の配置角度を設定するのが好適である。
【0040】
また、幾何学的形状が「正六角形」である場合は、同様の理由により、60°の倍数でも問題ない場合があるものの、60°の倍数以外の配置角度を設定するのが好適である。さらに、幾何学的形状が「正八角形」である場合は、同様の理由により、45°の倍数でも問題ない場合があるものの、45°の倍数以外の配置角度を設定するのが好適である。
【0041】
つまり、ひとつのLED12における発光部22およびそれに含まれる暗部Xと、ひとつのLED12とは異なる配置角度で配置された別のLED12における発光部22およびそれに含まれる暗部Xとが照射面Aにおいて互いに同じ位置に重なることを避けられる配置角度が、「幾何学的形状に対応した角度」ということになる。
【0042】
本実施例に係るLED12の配置角度は上述の通りであるが、これに限定されることなく、一部のLED12の配置角度が、残部における少なくとも一部のLED12の配置角度に比べて、発光部22の配置形状に係る幾何学的形状に対応した角度で回転した状態となっていればよい。
【0043】
(変形例4)
さらに、照射面Aにおける照度の均一性を高める方法として、各LED12に供給する電流値を調整してもよい。
【0044】
具体的には、個々のLED12に供給する電流値をそれぞれ調整することのできる電流調整手段(図示せず)を設ける。そして、例えば、ひとつのLED12に異物混入等があり、その異物が照射面Aに投影されることが原因で照度の均一性を損ねているような場合、そのLED12への電流値を電流調整手段で低下させる(あるいはゼロする)ことにより、照度の均一性を維持できる。
【0045】
電流値の調整は、個々のLED12単位で行ってもよいし、ひとつのモジュール20に配置されている全LED12単位でもよく、さらには、モジュール20に配置されているLED12のうち、電気的に直列に接続された一組のLED12ごとに調整を行ってもよい。
【0046】
(変形例5)
上述した実施形態に係る光照射装置10は、一例としてフォトマスク描画装置において使用されるが、照射面における高い照度と均一性とが求められる用途であれば、フォトマスク描画装置以外の用途に当該光照射装置10を使用してもよい。
【0047】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0048】
10…光照射装置、12…LED、14…コリメートレンズ、15…コリメートレンズ基板、16…コンデンサーレンズ、18…位置調整機構
20…モジュール、22…発光部、24…位置決めピン、26…位置決めピン挿通孔
L…光、A…照射面、X…暗部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7