(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139508
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】薬剤分配機および支持体
(51)【国際特許分類】
A61J 7/04 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
A61J7/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045074
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芝崎 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山田 将智
(72)【発明者】
【氏名】奥田 真也
(72)【発明者】
【氏名】岡山 和輝
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA24
4C047NN04
4C047NN07
(57)【要約】
【課題】各収容部に薬剤が収容された状態の収容部連接体を安定して支持する。
【解決手段】支持体30と、分配機構130とを備える。支持体30は、行方向(X方向)および列方向(Y方向)にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部11が連接された収容部連接体10における複数の収容部11をそれぞれ挿入可能な複数の開口31が形成されており、複数の開口31に複数の収容部11がそれぞれ挿入されて載置された収容部連接体10を支持する。分配機構130は、支持体30が着脱可能に装着され、支持体30が装着された状態で複数の収容部11に薬剤を分配する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行方向および列方向にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部が連接された収容部連接体における前記複数の収容部をそれぞれ挿入可能な複数の開口が形成されており、該複数の開口に前記複数の収容部がそれぞれ挿入されて載置された前記収容部連接体を支持する支持体と、
前記支持体が着脱可能に装着され、前記支持体が装着された状態で前記複数の収容部に薬剤を分配する分配機構とを備える、薬剤分配機。
【請求項2】
前記収容部連接体に複数の第1孔が形成されており、
前記支持体に、前記複数の第1孔にそれぞれ嵌入される複数のピンが形成されており、
前記複数の第1孔にそれぞれ前記複数のピンが嵌入された状態において、前記収容部連接体が前記支持体に位置決め固定されている、請求項1に記載の薬剤分配機。
【請求項3】
前記複数のピンの各々の先端部は、テーパー状である、請求項2に記載の薬剤分配機。
【請求項4】
前記収容部連接体に吊り下げ用のフックが引っ掛けられる第2孔が形成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の薬剤分配機。
【請求項5】
薬剤分配機に着脱可能に装着され、収容部連接体を支持する支持体であって、
前記収容部連接体においては、行方向および列方向にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部が連接されており、
前記支持体は、前記複数の収容部をそれぞれ挿入可能な複数の開口が形成されており、該複数の開口に前記複数の収容部がそれぞれ挿入されて載置された前記収容部連接体を支持する、支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤分配機および支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤分配機の構成を開示した先行技術文献として、特開2017-184877号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された薬剤分配機は、薬剤保管部と、凹部連続体と、取出手段と、移動手段とを備える。薬剤保管部は、未使用の錠剤シートおよび裸状の錠剤の少なくとも一方を保管する。凹部連続体は、患者の一回服用分の薬剤をそれぞれ収容できる収容部となる複数の凹部が縦および横方向に複数個ずつ並ぶように連接されてなる。各凹部は、患者が服薬するときに当該服薬に対応する凹部だけを凹部連続体から分離できるように構成されている。取出手段は、患者の処方箋データに基づいて、患者の各一回服用分に対応する薬剤を、順次、薬剤保管部から取り出す。移動手段は、取出手段により順次取り出された各一回服用分を、それぞれ、順次、凹部連続体中の各凹部内に移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各収容部に薬剤が収容された状態の収容部連接体を単体で薬剤分配機から取り出す場合、収容部連接体を安定して支持することができない。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、各収容部に薬剤が収容された状態の収容部連接体を安定して支持することができる、薬剤分配機および支持体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面に基づく薬剤分配機は、支持体と、分配機構とを備える。支持体は、行方向および列方向にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部が連接された収容部連接体における複数の収容部をそれぞれ挿入可能な複数の開口が形成されており、複数の開口に複数の収容部がそれぞれ挿入されて載置された収容部連接体を支持する。分配機構は、支持体が着脱可能に装着され、支持体が装着された状態で複数の収容部に薬剤を分配する。
【0007】
本発明の一形態においては、収容部連接体に複数の第1孔が形成されている。支持体に、複数の第1孔にそれぞれ嵌入される複数のピンが形成されている。複数の第1孔にそれぞれ複数のピンが嵌入された状態において、収容部連接体が支持体に位置決め固定されている。
【0008】
本発明の一形態においては、複数のピンの各々の先端部は、テーパー状である。
本発明の一形態においては、収容部連接体に吊り下げ用のフックが引っ掛けられる第2孔が形成されている。
【0009】
本発明の第2局面に基づく支持体は、薬剤分配機に着脱可能に装着され、収容部連接体を支持する。収容部連接体においては、行方向および列方向にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部が連接されている。支持体には、複数の収容部をそれぞれ挿入可能な複数の開口が形成されている。支持体は、複数の開口に複数の収容部がそれぞれ挿入されて載置された収容部連接体を支持する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、各収容部に薬剤が収容された状態の収容部連接体を安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤容器の構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る薬剤容器の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る薬剤容器のシートの表面を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る薬剤容器を構成する収容部連接体およびシートの各々に形成されている断続的切断線を示す図である。
【
図5】
図4の断続的切断線を拡大して示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る薬剤容器から、封止された状態の収容部を分離している状態を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態の変形例に係る薬剤容器の断続的切断線を拡大して示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態の変形例に係る薬剤容器から、封止された状態の収容部を分離している状態を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る薬剤分配機の構成を示す正面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る支持体の構成を示す斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る支持体に収容部連接体が載置された状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る複数の支持体を積み重ねた状態を示す斜視図である。
【
図13】
図12の複数の支持体を矢印XIII方向から見た図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る調剤支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る監査支援シートを示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態の変形例に係る監査支援シートを示す図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る手撒き指示書を示す図である。
【
図18】本発明の一形態に係る薬剤分配機における薬剤の分配から整合確認が完了するまでの動作を示すフローチャートである。
【
図19】表示機構に収容部連接体と帳票との整合確認状態が表示された状態の画面である。
【
図21】本発明の一実施形態の変形例に係るシートの表面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤容器、薬剤分配機、支持体および調剤支援システムについて図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る薬剤容器の構成を示す斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る薬剤容器の構成を示す分解斜視図である。
図1および
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤容器は、収容部連接体10と、シート20とを備える。
【0014】
収容部連接体10においては、複数の収容部11が連接されている。複数の収容部11は、行方向(X方向)および列方向(Y方向)にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する。本実施形態においては、行方向(X方向)に4個の収容部11が並び、列方向(Y方向)に7個の収容部11が並んでいる。ただし、複数の収容部11の配置は、上記に限定されない。収容部連接体10は、たとえば、ブリスターパックのプラスチック成形品である。
【0015】
収容部連接体10の列方向(Y方向)の一方の端部に、複数の第1孔13が形成されている。本実施形態においては、2つの第1孔13が行方向(X方向)に互いに間隔をあけて形成されている。また、収容部連接体10における2つの第1孔13の中間の位置に、吊り下げ用のフックが引っ掛けられる第2孔12が形成されている。
【0016】
シート20は、収容部連接体10に貼り付けられ、複数の収容部11を封止する。シート20の裏面には、粘着層が形成されている。後述する台紙からシート20が剥がされることにより、シート20の裏面が露出する。シート20は、収容部連接体10の複数の収容部11に対応して複数の区画21に区切られている。シート20には、収容部連接体10の第1孔13に対応する位置に、第1孔23が形成されている。また、シート20には、収容部連接体10の第2孔12に対応する位置に、第2孔22が形成されている。
【0017】
図3は、本発明の一実施形態に係る薬剤容器のシートの表面を示す図である。
図3に示すように、シート20の表面には、調剤データに基づいて複数の収容部11に収容されるべき薬剤に関する情報が記載されている。すなわち、シート20は、複数の収容部11に収容されるべき薬剤に関する情報が調剤データに基づいて記載された帳票の一種である。
【0018】
具体的には、シート20の表面の列方向(Y方向)の一方側に配置された記載欄24に、患者の氏名、患者の年齢、服用時期、服用日数、処方日および病室などの諸情報が記載されている。各区画21には、患者の氏名、服薬時期および対応する収容部11に収容されている薬剤の数量などが記載されている。
【0019】
シート20には、収容部連接体10に付された後述する識別情報に対応する識別情報25が記載されている。本実施形態においては、識別情報25は、一次元バーコードであるが、二次元バーコードなどの他の識別情報でもよい。
【0020】
図4は、本発明の一実施形態に係る薬剤容器を構成する収容部連接体およびシートの各々に形成されている断続的切断線を示す図である。
図4に示すように、収容部連接体10およびシート20の各々に、断続的切断線が、行方向(X方向)および列方向(Y方向)に沿って格子状に形成されている。具体的には、行方向(X方向)に延在する断続的切断線CLXと、列方向(Y方向)に延在する断続的切断線CLYとが、格子状に形成されている。
【0021】
断続的切断線においては、切断部と接続部とが交互に位置している。切断部は、収容部連接体およびシートの各々が切断されている箇所であり、断続的切断線において線状に示している部分である。接続部は、収容部連接体およびシートの各々が切断されていない箇所であり、断続的切断線において切断部が不連続になっている部分である。行方向(X方向)に延在する断続的切断線CLXにおいては、切断部と接続部CNXとが交互に位置している。列方向(Y方向)に延在する断続的切断線CLYにおいては、切断部と接続部CNYとが交互に位置している。
【0022】
収容部連接体10およびシート20の各々の縁において、列方向(Y方向)に沿って延在する断続的切断線CLYの末端に位置する列方向末端部EYには、接続部が形成されている。これにより、収容部連接体10およびシート20の各々の列方向(Y方向)の末端が厚み方向(Z方向)に浮き上がることを抑制することができる。
【0023】
また、収容部連接体10およびシート20の各々の縁において、行方向(X方向)に沿って延在する断続的切断線CLXの両端に位置する行方向端部EXには、接続部が形成されている。これにより、収容部連接体10およびシート20の各々の行方向(X方向)の両端が厚み方向(Z方向)に浮き上がることを抑制することができる。
【0024】
収容部連接体10においては、断続的切断線が形成されていることにより、複数の収容部11が、端から順に分離可能に連接されている。断続的切断線は、封止された状態の複数の収容部11の各々を分離可能とする。
【0025】
図5は、
図4の断続的切断線を拡大して示す図である。
図4および
図5に示すように、収容部連接体10およびシート20の各々において、断続的切断線が互いに十字に交差している交差部CRには、切断部が形成されている。交差部CRから行方向(X方向)に沿って延在する行方向切断部CXの長さLXと、交差部CRから列方向(Y方向)に沿って延在する列方向切断部CYの長さLYとが、互いに異なる。本実施形態においては、列方向切断部CYは、行方向切断部CXより長い。すなわち、LY>LXの関係が満たされている。
【0026】
また、列方向(Y方向)において隣り合う交差部CR同士の間に接続部CNYが1つのみ形成されている。ただし、列方向(Y方向)において隣り合う交差部CR同士の間に、複数の接続部CNYが形成されていてもよい。
【0027】
図6は、本発明の一実施形態に係る薬剤容器から、封止された状態の収容部を分離している状態を示す図である。
図6に示すように、封止された状態の1つの収容部11を左回り方向D1に転回させることにより、当該収容部11が隣接する断続的切断線CLXにて収容部連接体10が切断されるとともに、当該収容部11が隣接する接続部CNYを中心に回動する。最終的に、接続部CNYが切断されることにより、当該収容部11が収容部連接体10から切り離される。このように収容部連接体10から収容部11を分離することにより、封止された状態の収容部11を1つずつ容易に取り外すことが可能となる。
【0028】
仮に、LY=LXの関係が満たされている場合、封止された状態の1つの収容部11を左回り方向D1に転回させようとした際に、当該収容部11と行方向(X方向)に並ぶ収容部11も一緒に断続的切断線CLXにて収容部連接体10から切り離されやすくなり、服用に必要な薬剤が収容された収容部11のみを取り外すことが困難になる。
【0029】
なお、LY<LXの関係が満たされていてもよい。ここで、LY<LXの関係が満たされている本発明の一実施形態の変形例に係る薬剤容器について説明する。
【0030】
図7は、本発明の一実施形態の変形例に係る薬剤容器の断続的切断線を拡大して示す図である。
図7に示すように、本変形例においては、LY<LXの関係が満たされている。また、行方向(X方向)において隣り合う交差部CR同士の間に接続部CNXが1つのみ形成されている。ただし、行方向(X方向)において隣り合う交差部CR同士の間に、複数の接続部CNXが形成されていてもよい。
【0031】
図8は、本発明の一実施形態の変形例に係る薬剤容器から、封止された状態の収容部を分離している状態を示す図である。
図8に示すように、封止された状態の1つの収容部11を右回り方向D2に転回させることにより、当該収容部11が隣接する断続的切断線CLYにて収容部連接体10が切断されるとともに、当該収容部11が隣接する接続部CNXを中心に回動する。最終的に、接続部CNXが切断されることにより、当該収容部11が収容部連接体10から切り離される。このように収容部連接体10から収容部11を分離することにより、封止された状態の収容部11を1つずつ容易に取り外すことが可能となる。
【0032】
仮に、LY=LXの関係が満たされている場合、封止された状態の1つの収容部11を右回り方向D2に転回させようとした際に、当該収容部11と列方向(Y方向)に並ぶ収容部11も一緒に断続的切断線CLYにて収容部連接体10から切り離されやすくなり、服用に必要な薬剤が収容された収容部11のみを取り外すことが困難になる。
【0033】
図9は、本発明の一実施形態に係る薬剤分配機の構成を示す正面図である。
図9に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤分配機100は、支持体30と、分配機構130とを備える。薬剤分配機100は、供給機構110、ホッパ120およびベース140をさらに備える。
【0034】
図9に示すように、支持体30は、薬剤分配機100に、着脱可能に装着される。具体的には、支持体30は、ベース140上に載置されることにより、分配機構130に着脱可能に装着される。
【0035】
図10は、本発明の一実施形態に係る支持体の構成を示す斜視図である。
図11は、本発明の一実施形態に係る支持体に収容部連接体が載置された状態を示す斜視図である。
【0036】
図10および
図11に示すように、本発明の一実施形態に係る支持体30には、複数の開口31が形成されている。複数の開口31には、収容部連接体10における複数の収容部11をそれぞれ挿入可能である。支持体30は、複数の開口31に複数の収容部11がそれぞれ挿入されて載置された収容部連接体10を支持する。なお、支持体30に形成されている開口31の数は、収容部連接体10に形成されている収容部11の数以上であればよく、支持体30に形成されている開口31の数と、収容部連接体10に形成されている収容部11の数とが、必ずしも同一でなくてもよい。
【0037】
支持体30に、収容部連接体10の複数の第1孔13にそれぞれ嵌入される複数のピン32が形成されている。本実施形態においては、支持体30に、2本のピン32が形成されている。複数の第1孔13にそれぞれ複数のピン32が嵌入された状態において、収容部連接体10が支持体30に位置決め固定されている。
【0038】
複数のピン32の各々の先端部33は、テーパー状である。これにより、収容部連接体10の複数の第1孔13にそれぞれ複数のピン32を容易に挿入することができるとともに、収容部連接体10を支持体30から取り外しやすくすることができる。
【0039】
図9に示すように、分配機構130は、支持体30が装着された状態で複数の収容部11に薬剤を分配する。具体的には、各収容部11に収容されるべき薬剤が供給機構110からホッパ120を介して分配機構130に順次供給される。分配機構130は、ベース140上に載置された支持体30に支持されている収容部連接体10の複数の収容部11のそれぞれに、調剤データに基づいて薬剤を順次分配する。複数の収容部11に薬剤が分配された収容部連接体10は、支持体30に支持された状態で薬剤分配機100から取り外される。
【0040】
供給機構110は、それぞれ特定の薬剤を供給する複数の供給部を含んでいる。供給機構110は、複数種類の薬剤を供給可能な汎用性を有する供給部をさらに含んでいてもよい。この場合、後述する手撒きされるべき薬剤を、汎用性を有する供給部から供給することが可能となり、手撒きされる薬剤を低減することができる。
【0041】
図12は、本発明の一実施形態に係る複数の支持体を積み重ねた状態を示す斜視図である。
図13は、
図12の複数の支持体を矢印XIII方向から見た図である。
図12においては、最上段に位置する支持体が支持する収容部連接体、および当該収容部連接体に貼り付けられるシートも図示している。
【0042】
図12および
図13に示すように、本発明の一実施形態に係る支持体30は、積み重ねて配置可能に構成されている。具体的には、
図13に示すように、支持体30の底面に、複数のピン32をそれぞれ収容可能な複数の穴部34が形成されている。なお、収容部連接体10を支持した状態の複数の支持体30を積み重ねて配置することも可能である。
【0043】
図12に示すように、本実施形態においては、各支持体30に、互いを識別可能とするための識別情報35が付されている。識別情報35は、一次元バーコードであるが、二次元バーコード、またはRFID(radio frequency identifier)を用いたRFタグなどの他の識別情報でもよい。RFタグが用いられる場合、そのRFタグに識別情報が都度、書き込まれてもよい。支持体30に識別情報35が付されていることにより、支持体30に支持されている収容部連接体10に間接的に識別情報が付されていることになる。
【0044】
なお、
図12に示すように、収容部連接体10に、互いを識別可能とするための識別情報14が直接的に付されていてもよい。識別情報14は、一次元バーコード、二次元バーコードまたはRFタグなどである。
【0045】
複数の収容部11に薬剤が分配された収容部連接体10にシート20を貼り付ける際に、シート20の第1孔23にそれぞれピン32を嵌入させることにより、シート20を収容部連接体10に位置決めした状態で貼り付けることができる。シート20が収容部連接体10に貼り付けられて構成された薬剤容器は、支持体30から取り外される。
【0046】
図14は、本発明の一実施形態に係る調剤支援システムの構成を示すブロック図である。調剤支援システムは、複数の収容部11に薬剤を分配する調剤を支援する。
図14に示すように、本発明の一実施形態に係る調剤支援システムは、分配本体部100mと、分配端末200とを備える。分配本体部100mは、供給機構110、薬剤分配部である分配機構130、および、供給機構110と分配機構130とに電気的に接続されている制御部150を備える。制御部150は、供給機構110および分配機構130の各々の動作を制御する。
【0047】
分配端末200は、制御部210と、操作部220と、識別情報読み取り部230と、印刷部240と、表示部である表示機構250とを備える。制御部210は、データ作成部211およびデータ出力部212を含む。データ作成部211は、操作部220および識別情報読み取り部230の各々と電気的に接続されている。データ出力部212は、印刷部240および表示機構250の各々と電気的に接続されている。分配端末200の制御部210は、分配本体部100mの制御部150と電気的に接続されている。
【0048】
操作部220によって、制御部210に調剤データなどが入力される。操作部220は、キーボードまたはタッチパネルなどで構成されている。
【0049】
識別情報読み取り部230は、識別情報35、識別情報14および識別情報25の各々を読み取り可能である。具体的には、識別情報読み取り部230は、バーコードリーダまたはRFIDリーダなどである。
【0050】
データ作成部211は、操作部220から入力された調剤データ、および、識別情報読み取り部230から入力された識別情報35または識別情報14に基づいて、薬剤分配機100に送信される分配データ、および各帳票に記載されるデータなどを作成する。
【0051】
帳票としては、少なくともシート20が含まれており、さらに、後述する、監査支援シート、手撒き指示書およびシート20の台紙の少なくとも1つが含まれていてもよい。
【0052】
本実施形態においては、データ作成部211は、調剤データに基づいて、複数の収容部11に収容されるべき薬剤に関する情報を含む、シート20に記載されるデータを作成する。データ作成部211は、調剤データに基づいて、監査支援データを作成する。データ作成部211は、調剤データに基づいて、手撒き指示データを作成する。
【0053】
データ出力部212は、データ作成部211によって作成された上記各データを印刷部240および表示機構250の少なくとも一方に出力可能である。
【0054】
印刷部240は、データ出力部212から出力された各データが記載された帳票を印刷する。本実施形態においては、印刷部240によって複数種類の帳票が印刷される。印刷部240は、プリンタなどである。
【0055】
印刷部240によって監査支援データが印刷された帳票が、監査支援シートである。監査支援シートは、収容部連接体10の複数の収容部11に分配された薬剤を薬剤師などが監査する際に使用される帳票である。
【0056】
印刷部240によって手撒き指示データが印刷された帳票が、手撒き指示書である。手撒き指示書は、分配機構130によらず薬剤師などが収容部連接体10の複数の収容部11に薬剤を手撒きする際に使用される帳票である。なお、手撒きされるべき薬剤が存在しない場合および監査支援シートが手撒き指示書を兼ねる場合は、手撒き指示書は印刷されなくてもよい。
【0057】
表示機構250は、データ出力部212から出力された各データを表示する。表示機構250は、モニタまたはタッチパネルなどである。監査支援データおよび手撒き指示データの各々は、必ずしも帳票として印刷されなくてもよく、表示機構250に表示されて使用される態様であってもよい。
【0058】
データ出力部212は、分配データを分配本体部100mの制御部150に出力する。分配本体部100mの制御部150は、データ出力部212から出力された分配データに基づいて供給機構110および分配機構130の各々を動作させる。
【0059】
図15は、本発明の一実施形態に係る監査支援シートを示す図である。
図15に示すように、本発明の一実施形態に係る監査支援シート40に印刷されている監査支援データにおいては、複数の収容部11に収容されるべき薬剤の監査に必要な情報が一覧可能に示されている。
【0060】
監査支援データには、一覧表43と分配
図42とが含まれている。監査支援データには、基本情報を示す記載欄44がさらに含まれている。記載欄44には、患者の氏名、施設名、調剤薬局、処方日および調剤日などの基本情報が示されている。
【0061】
一覧表43には、調剤データに含まれる薬剤の名称が示されている。本実施形態においては、一覧表43の各欄において、順に付された番号43n、薬剤の名称46、薬剤が保管されている棚の番号47、薬剤の分割形態48および薬剤の全数量49が示されている。分割形態48における、0.25は4分割された錠剤、0.5は2分割された錠剤であることを示している。分割形態48において空白は、分割されていない錠剤であることを示している。
【0062】
本実施形態に係る監査支援シートの一覧表43においては、分割形態が異なる同一種類の薬剤は別々に示されている。具体的には、No.3,4,5の薬剤は同一の薬剤Cであるが、分割形態がそれぞれ異なるため、別々の欄に示されている。一覧表43に示される薬剤の欄が多いために1頁に入らない場合は、監査支援シートが複数頁に亘って示される。
【0063】
棚の番号47が複数記載されている薬剤は、複数の棚に分かれて保管されている。薬剤の全数量49は、分割形態によらない全数量を示している。具体的には、薬剤の全数量49は、0.25錠および0.5錠の錠剤もそれぞれ1つとして合計した薬剤の数量である。
【0064】
分配
図42には、対応する収容部11に収容されるべき薬剤に関する情報が複数の収容部11の配置に対応したマトリックス状の複数の区画41の各々に示されている。
【0065】
分配
図42の各区画41には、対応する収容部11に収容されるべき薬剤が一覧表43における番号43nで示されるとともにこの薬剤の数量41aが示されている。薬剤の数量41aにおける、Qは4分割された錠剤(0.25錠)が1つ、Hは2分割された錠剤(0.5錠)が1つであることを示している。
【0066】
たとえば、上から1行目かつ左から1列目に位置する区画41に対応する収容部11には、No.1(薬剤Aの0.25錠)が1つ、No.2(薬剤Bの1錠)が1つ、No.3(薬剤Cの1錠)が1つ、No.4(薬剤Cの0.5錠)が1つ、No.5(薬剤Cの0.25錠)が1つ、および、No.7(薬剤Eの1錠)が3つ、収容されるべきであることが示されている。
【0067】
分配
図42の各区画41においては、対応する収容部11に収容されるべき薬剤が番号43n毎に固定された位置に示されており、収容されるべき薬剤が存在しない番号43nの位置は空白に示されている。たとえば、上から1行目かつ左から1列目に位置する区画41においては、No.6の薬剤の位置が空白に示されており、対応する収容部11にNo.6の薬剤が収容されないことを意味している。このような場合においても、各区画41において、No.7の薬剤が示される位置は固定されており、一定の位置にNo.7の薬剤の数量41aが示される。
【0068】
分配
図42の各区画41には、対応する収容部11に収容されるべき薬剤の全数量41bが示されている。薬剤の全数量41bは、分割形態によらない全数量を示している。具体的には、薬剤の全数量41bは、0.25錠および0.5錠の錠剤もそれぞれ1つとして合計した薬剤の数量である。
【0069】
分配
図42においては、収容されるべき薬剤が同一の組み合わせとなる区画41毎にグループ化されている。具体的には、各区画41にグループ名41cが示されている。グループ名41cは、グループ毎に色分けされてもよい。
図15に示す例では、Aグループ、BグループおよびCグループの3つのグループにグループ化されている。Aグループに属する14個の区画41に対応する収容部11には、同一の組み合わせの薬剤が収容される。Bグループに属する7個の区画41に対応する収容部11には、同一の組み合わせの薬剤が収容される。Cグループに属する7個の区画41に対応する収容部11には、同一の組み合わせの薬剤が収容される。なお、収容されるべき薬剤が同一の組み合わせとならない区画41のグループ名41cは空白に示されている。
【0070】
監査支援シート40には、収容部連接体10に間接的にまたは直接的に付された識別情報35,14に対応する識別情報45が記載されている。本実施形態においては、識別情報45は、一次元バーコードであるが、二次元バーコードなどの他の識別情報でもよい。
【0071】
図16は、本発明の一実施形態の変形例に係る監査支援シートを示す図である。
図16に示すように、本発明の一実施形態の変形例に係る監査支援シート50に印刷されている監査支援データにおいては、複数の収容部11に収容されるべき薬剤の監査に必要な情報が一覧可能に示されている。
【0072】
監査支援データには、一覧表53が含まれている。監査支援データには、基本情報を示す記載欄54がさらに含まれている。記載欄54には、患者の氏名、患者のID、患者の年齢、服用時期、服用日数、処方日および病室などの基本情報が示されている。
【0073】
一覧表53には、調剤データに含まれる薬剤の名称が示されている。本変形例においては、一覧表53の各欄において、順に付された番号53n、薬剤の名称56、手撒きされるべき薬剤の識別表示52、各服用時期の薬剤の数量51、1日に服用する薬剤の量57、服用日数58、および、薬剤の全量59が示されている。一覧表53の最下欄には、服用時期毎の各収容部11内に分配されるべき薬剤の数量51bが示されている。
【0074】
手撒きされるべき薬剤の識別表示52によって、一覧表53において、分配機構130によって分配されるべき薬剤と、分配機構130によっては分配されず、複数の収容部11に手撒きされるべき薬剤とが識別可能に示されている。
図16に示す例では、手撒きされるべき薬剤には識別表示52として「手」が示され、分配機構130によって分配されるべき薬剤には識別表示52は空白に示されている。
【0075】
本変形例に係る監査支援シートの一覧表53においては、分割形態が異なっていても同一種類の薬剤は1つの欄に示されている。たとえば、薬剤Eのように、2分割された錠剤(0.5錠)および分割されていない錠剤(1錠)のように分割形態が異なる同一種類の薬剤は、1つの欄に示される。
【0076】
監査支援シート50には、収容部連接体10に間接的にまたは直接的に付された識別情報35,14に対応する識別情報55が記載されている。本変形例においては、識別情報55は、一次元バーコードであるが、二次元バーコードなどの他の識別情報でもよい。
【0077】
図17は、本発明の一実施形態に係る手撒き指示書を示す図である。
図17に示すように、本発明の一実施形態に係る手撒き指示書60に印刷されている手撒き指示データにおいては、複数の収容部11に薬剤を手撒きするために必要な情報が一覧可能に示されている。
【0078】
手撒き指示データには、基本情報を示す記載欄64が含まれている。記載欄64には、患者の氏名、処方日および調剤日などの基本情報が示されている。
【0079】
手撒き指示データにおいては、手撒きされるべき薬剤の名称66と、1つの収容部11に手撒きされるべき各薬剤の数量68と、薬剤が保管されている棚の番号67、薬剤の全量(シート量)69、および、複数の収容部11のうちの各薬剤が手撒きされるべき収容部11の位置62が示されている。
【0080】
薬剤の全量は、一処方に含まれている手撒きされるべき各薬剤の全量であり、薬剤のシート量は、1枚の収容部連接体10の複数の収容部11に手撒きされるべき各薬剤の全量である。よって、一処方に含まれている手撒きされるべき各薬剤が1枚の収容部連接体10の複数の収容部11に収容される場合は、薬剤の全量と薬剤のシート量とは同一となる。
【0081】
各薬剤の数量68においては、薬剤が錠剤である場合は「錠」と示され、薬剤がカプセルである場合は、「C」と示される。
【0082】
各薬剤が手撒きされるべき収容部11の位置62は、複数の収容部11の配置に対応したマトリックス状の複数の区画61上に示されている。複数の区画61の各々に番号が付されている。本実施形態に係る収容部連接体10においては、28個の収容部11が4列7行に配置されているため、28個の区画61に1~28の番号がそれぞれ付されている。
【0083】
手撒き指示データには、複数の区画61のうち、各薬剤が手撒きされるべき収容部11の位置62に対応する区画61の番号のみ示されている。薬剤が手撒きされない収容部11の位置62に対応する区画61は、番号が示されずに空白に示されている。
【0084】
手撒き指示データは、手撒きされるべき収容部11の位置および数量が同一の組み合わせとなる薬剤毎にまとめて示されている。
図17に示す例では、手撒き指示データは、G1~G5の5つの欄に分かれて示されており、各欄に示されている薬剤は、手撒きされるべき収容部11の位置および数量が同一となっている。
【0085】
なお、
図17に示す例においては、薬剤が錠剤であるかカプセルであるかの剤形の違いによってG2欄とG5欄とが別々に示されているが、剤形の違いによらず手撒きされるべき収容部11の位置および数量が同一である薬剤が同一の欄に示されていてもよい。すなわち、G5欄の薬剤がG2欄に示されていてもよい。
【0086】
手撒き指示書60には、収容部連接体10に間接的にまたは直接的に付された識別情報35,14に対応する識別情報65が記載されている。本実施形態においては、識別情報65は、一次元バーコードであるが、二次元バーコードなどの他の識別情報でもよい。
【0087】
本実施形態に係る薬剤分配機100においては、複数の収容部11に薬剤が分配された収容部連接体10と帳票との整合確認をすることができるように構成されている。以下、本実施形態に係る薬剤分配機100における薬剤の分配から整合確認が完了するまでの動作について説明する。
【0088】
図18は、本発明の一形態に係る薬剤分配機における薬剤の分配から整合確認が完了するまでの動作を示すフローチャートである。
図14および
図18に示すように、操作部220によって調剤データが制御部210に入力されると、データ作成部211は、収容部連接体10の複数の収容部11に薬剤を分配するための分配データを作成する(工程S1)。データ出力部212は、分配データを制御部150に送信する。
【0089】
図11に示すように収容部連接体10を支持体30に載置した状態で、収容部連接体10に間接的にまたは直接的に付された識別情報35,14を
図14に示す識別情報読み取り部230によって読み取り、制御部210に識別情報35,14を入力する(工程S2)。
【0090】
識別情報読み取り部230に識別情報35,14を読み取らせる方法として、作業者が識別情報読み取り部230の前に識別情報35,14をかざして読み取らせてもよいし、分配機構130に支持体30が装着されたときに識別情報読み取り部230が自動的に識別情報35,14を読み取るように構成されていてもよい。また、識別情報読み取り部230を用いずに、作業者が操作部220を用いて識別情報35,14を入力してもよい。RFタグが用いられる場合、RFタグに固定の識別情報を記録しておき、その識別情報を識別情報読み取り部230が読み取ってもよい。あるいは、RFタグには固定の識別情報を記録しておかず、識別情報読み取り部230が固定の識別情報を読み取る代わりに、識別情報読み取り部230がRFタグに適宜の識別情報を書き込んでもよい。
【0091】
制御部210は、入力された識別情報35,14に関して未監査データが存在しないことを確認する(工程S3)。未監査データとは、薬剤がすでに分配されており監査待ちの状態になっているデータである。未監査データが存在する場合は、当該未監査データを削除するか、別の支持体30および収容部連接体10を準備して再度工程S2を行なう。
【0092】
未監査データが存在しない場合は、制御部210は、データ出力部212から分配開始の指示を送信する(工程S4)。
【0093】
データ出力部212から分配開始の指示が送信されると、印刷部240は、調剤データに基づいて帳票を印刷する(工程S5)。本実施形態においては、印刷部240は、
図3に示すシート20、
図15または
図16に示す監査支援シート40,50、および、
図17に示す手撒き指示書60の、3種類の帳票を印刷する。シート20には、識別情報35,14に対応しつつ帳票の種類を識別可能な識別情報25が付されている。監査支援シート40,50には、識別情報35,14に対応しつつ帳票の種類を識別可能な識別情報45,55が付されている。手撒き指示書60には、識別情報35,14に対応しつつ帳票の種類を識別可能な識別情報65が付されている。
【0094】
たとえば、シート20の識別情報25は、シートであることを示す識別子Rと、識別情報35,14に対応する番号とから構成されている。監査支援シート40,50の識別情報45,55は、監査支援シートであることを示す識別子Kと、識別情報35,14に対応する番号とから構成されている。手撒き指示書60の識別情報65は、手撒き指示書であることを示す識別子Tと、識別情報35,14に対応する番号とから構成されている。
【0095】
なお、印刷部240が帳票を印刷する時期は、データ出力部212からの分配開始の指示の受信直後でなくてもよく、監査直前であってもよい。また、印刷部240が帳票を一度印刷した後に、印刷部240が帳票を再度印刷可能であってもよい。
【0096】
データ出力部212から分配開始の指示が送信されると、制御部150は、分配データに基づいて供給機構110および分配機構130の各々を動作させ、収容部連接体10の複数の収容部11に薬剤を分配する(工程S6)。
【0097】
調剤データに手撒きされるべき薬剤が含まれている場合、分配機構130によって薬剤が分配された収容部連接体10が支持体30に載置された状態で分配機構130から取り出され、支持体30に載置された状態の収容部連接体10の複数の収容部11に作業者が手撒き指示書60に従って薬剤を手撒きする。なお、分配機構130による薬剤の分配の前に手撒きが行なわれていてもよい。
【0098】
分配機構130による薬剤の分配が完了すると、監査待ちの状態となり、未監査データが作成される。監査は、薬剤が分配された複数の収容部連接体10に対してバッチ処理的に行なわれる場合がある。この場合、薬剤が分配された収容部連接体10が載置された状態の複数の支持体30が、
図12に示すように積み重ねられた状態で一時的に保管される。そのため、監査する際には、複数の収容部11に薬剤が分配された収容部連接体10と帳票とが互いに対応していることを確認するための整合確認を行なう必要がある。
【0099】
本実施形態に係る薬剤分配機100は、複数の収容部11に薬剤が分配された収容部連接体10と帳票との整合確認する整合確認機構を備えている。本実施形態においては、整合確認機構は、制御部210と識別情報読み取り部230とから構成されている。整合確認機構は、収容部連接体10に間接的にまたは直接的に付された識別情報35,14と帳票の識別情報25,45,55,65との整合確認を行なう。
【0100】
監査する直前に、
図18に示すように、整合確認を開始する(工程S7)。整合確認機構が収容部連接体10の識別情報35,14を読み取る(工程S8)と、この識別情報35,14が付された収容部連接体10と帳票との整合確認状態が表示機構250に表示される。
【0101】
図19は、表示機構に収容部連接体と帳票との整合確認状態が表示された状態の画面である。
図19に示すように、表示機構250は、未監査データおよび監査済データを一覧表示可能である。具体的には、分配処理に対して順に付された番号70、処理日時71、監査結果72、および、入力された収容部連接体10の識別情報73などが一覧表示される。
【0102】
たとえば、識別情報読み取り部230によって読み取られた収容部連接体10の識別情報35,14に基づいて、分配処理No.1の未監査データが選択されると、分配処理No.1の際に印刷された帳票のリストが表示され、当該帳票の整合確認状態が表示機構250に表示される。
【0103】
図19に示す例では、表示機構250に、シート、手撒き指示書および監査支援シートの3種類の帳票のリストが表示され、かつ、3種類の帳票の各々と収容部連接体10との整合確認状態が表示される。具体的には、帳票に順に付された番号80、各帳票の整合確認状態82、および、帳票名81などがリストに一覧表示される。なお、印刷されていない帳票は、整合確認の対象外となるため、リストには表示されない。たとえば、手撒きされるべき薬剤が存在しないため手撒き指示書60が印刷されていない場合は、手撒き指示書はリストに表示されない。
【0104】
図18に示すように、識別情報読み取り部230によって帳票の識別情報25,45,55,65を読み取る(工程S9)と、工程S8によって読み取られた収容部連接体10の識別情報35,14と、工程S9によって読み取られた帳票の識別情報25,45,55,65とが、互いに対応していることが制御部210によって確認される。対応が確認された帳票の整合確認状態82が済と示され、まだ対応が確認されていない帳票の整合確認状態82は未と示される。なお、工程S8によって読み取られた収容部連接体10の識別情報35,14と、工程S9によって読み取られた帳票の識別情報25,45,55,65とが、互いに対応していない場合は、不整合である旨の警告が表示機構250に示されてもよい。
【0105】
整合確認機構が収容部連接体10の識別情報35,14に対応する全ての帳票の識別情報25,45,55,65を読み取ると、整合確認が完了する(工程S10)。帳票の識別情報25,45,55,65の読み取る順番は任意である。整合確認動作の一例として、まず、識別情報読み取り部230によって支持体30の識別情報35を読み取り(工程S8)、シート20の識別情報25、手撒き指示書60の識別情報65、および、監査支援シート40の識別情報45を、順に識別情報読み取り部230によって読み取る(工程S9)ことにより、整合確認を完了する(工程S10)。
【0106】
なお、手撒きされた薬剤のみを先に監査して、その後に分配機構130によって分配された薬剤の監査をするなど、監査時期が分かれることもありえるため、
図19に示すように、監査の途中段階のデータが保存可能である。また、監査をダブルチェックできるように、整合確認状態82に複数の入力枠が設けられていてもよいし、済と示された整合確認状態82を未に戻せるように設定されていてもよい。
【0107】
また、シート20の台紙に帳票が印刷されていてもよい。
図20は、帳票が印刷された台紙を示す図である。
図20に示すように、シート20の台紙90に、シート20、手撒き指示書60および監査支援シート40,50の3種類のうち、シート20を除く少なくとも1種類の帳票が記載されている。台紙90は、シート20の裏面から剥離可能にシート20の裏面を覆っている。台紙90からシート20が剥がされることにより、シート20の裏面の粘着層が露出する。
【0108】
図20に示す例では、台紙90に、監査支援シート91、手撒き指示書92およびお薬の情報93が記載されている。お薬の情報93は、調剤データに含まれる各薬剤の薬効など関する情報である。さらに、台紙90には、お薬手帳貼付シール94が台紙90から剥離可能に付着されている。お薬手帳貼付シール94は、お薬手帳に貼り付け可能なシールであり、調剤データに含まれる各薬剤に関する情報が記載されている。
【0109】
なお、台紙90は、帳票の一種であるが、監査時には、シート20と一体であるため、シート20の整合確認がされることにより、台紙90の整合確認がされたことになる。
【0110】
本実施形態においては、整合確認する際に、分配端末200に設けられた識別情報読み取り部230によって識別情報を読み取ったが、これに限られず、分配端末200とは別に設けられた監査端末に接続された別の識別情報読み取り部によって識別情報を読み取ってもよい。
【0111】
なお、監査および整合確認は、1つの収容部連接体10であるシート毎に行なってもよいし、1処方毎に行なってもよいし、2週間分の薬剤が分配された2つの収容部連接体10である2シートについてまとめて行なってもよい。
【0112】
本実施形態においては、1人の患者に対する調剤データに基づいて薬剤を分配したが、これに限られず、複数人の患者に対する調剤データに基づいて薬剤を分配してもよい。
図21は、本発明の一実施形態の変形例に係るシートの表面を示す図である。
【0113】
図21に示すように、本発明の一実施形態の変形例に係るシート20aの表面には、一施設の28人のグループの患者に対する調剤データに基づいて、複数の収容部11に収容されるべき同一服用時の薬剤に関する情報が記載されている。
図21に示す例では、一施設の28人の患者が朝食後に服用する薬剤が、28個の収容部11にそれぞれ分配されている。このように1つの収容部連接体10に複数人の患者に対する同一服用時期の薬剤が分配されている場合、複数人の患者の同一服用時期の薬剤が分配された収容部連接体10毎に監査および整合確認が行なわれる。
【0114】
本発明の一実施形態に係る薬剤容器は、収容部連接体10と、シート20とを備える。収容部連接体10においては、行方向(X方向)および列方向(Y方向)にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部11が、端から順に分離可能に連接されている。シート20は、収容部連接体10に貼り付けられ、複数の収容部11を封止する。収容部連接体10およびシート20の各々に、断続的切断線CLX,CLYが、行方向(X方向)および列方向(Y方向)に沿って格子状に形成されている。断続的切断線CLX,CLYにおいては、切断部と接続部とが交互に位置している。断続的切断線CLX,CLYは、封止された状態の複数の収容部11の各々を分離可能とする。収容部連接体10およびシート20の各々において、断続的切断線CLX,CLYが互いに十字に交差している交差部CRには、切断部が形成されている。交差部CRから行方向(X方向)に沿って延在する行方向切断部CXの長さLXと、交差部CRから列方向(Y方向)に沿って延在する列方向切断部CYの長さLYとが、互いに異なる。
【0115】
これにより、各収容部11を1つずつ容易に分離することができる。
本実施形態においては、列方向切断部CYは、行方向切断部CXより長い。列方向(Y方向)において隣り合う交差部CR同士の間に接続部CNYが1つのみ形成されている。
【0116】
これにより、切り離し対象の収容部11が隣接する断続的切断線CLXにて収容部連接体10を切断するとともに、当該収容部11が隣接する接続部CNYを中心に回動させて接続部CNYを切断することができ、封止された状態の収容部11を1つずつ容易に取り外すことが可能となる。
【0117】
変形例に係る薬剤容器においては、行方向切断部CXは、列方向切断部CYより長い。行方向(X方向)において隣り合う交差部CR同士の間に接続部CNXが1つのみ形成されている。
【0118】
これにより、切り離し対象の収容部11が隣接する断続的切断線CLYにて収容部連接体10を切断するとともに、当該収容部11が隣接する接続部CNXを中心に回動させて接続部CNXを切断することができ、封止された状態の収容部11を1つずつ容易に取り外すことが可能となる。
【0119】
本実施形態においては、収容部連接体10およびシート20の各々の縁において、列方向(Y方向)に沿って延在する断続的切断線CLYの末端に位置する列方向末端部EYには、接続部が形成されている。
【0120】
これにより、収容部連接体10およびシート20の各々の列方向(Y方向)の末端が厚み方向(Z方向)に浮き上がることを抑制することができる。その結果、支持体30に載置された状態の収容部連接体10を薬剤分配機100に着脱する際に、列方向末端部EYが薬剤分配機100と干渉することを抑制することができる。
【0121】
本発明の一実施形態に係る薬剤分配機100は、支持体30と、分配機構130とを備える。支持体30は、行方向(X方向)および列方向(Y方向)にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部11が連接された収容部連接体10における複数の収容部11をそれぞれ挿入可能な複数の開口31が形成されており、複数の開口31に複数の収容部11がそれぞれ挿入されて載置された収容部連接体10を支持する。分配機構130は、支持体30が着脱可能に装着され、支持体30が装着された状態で複数の収容部11に薬剤を分配する。
【0122】
これにより、各収容部11に薬剤が収容された状態の収容部連接体10を安定して支持することができる。
【0123】
本実施形態においては、収容部連接体10に複数の第1孔13が形成されている。支持体30に、複数の第1孔13にそれぞれ嵌入される複数のピン32が形成されている。複数の第1孔13にそれぞれ複数のピン32が嵌入された状態において、収容部連接体10が支持体30に位置決め固定されている。
【0124】
これにより、収容部連接体10の支持体30に対する位置を一定に維持して、支持体30によって収容部連接体10を安定して保持することができる。
【0125】
本実施形態においては、複数のピン32の各々の先端部は、テーパー状である。これにより、支持体30に対して収容部連接体10を容易に着脱することができる。
【0126】
本実施形態においては、収容部連接体10に吊り下げ用のフックが引っ掛けられる第2孔12が形成されている。これにより、薬剤容器をフックに吊り下げて使用することが可能となる。
【0127】
本発明の一実施形態に係る支持体30は、薬剤分配機100に着脱可能に装着され、収容部連接体10を支持する。収容部連接体10においては、行方向(X方向)および列方向(Y方向)にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部11が連接されている。支持体30には、複数の収容部11をそれぞれ挿入可能な複数の開口31が形成されている。支持体30は、複数の開口31に複数の収容部11がそれぞれ挿入されて載置された収容部連接体10を支持する。
【0128】
これにより、各収容部11に薬剤が収容された状態の収容部連接体10を安定して支持することができる。
【0129】
本発明の一実施形態に係る調剤支援システムは、行方向(X方向)および列方向(Y方向)にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部11が連接された収容部連接体10における複数の収容部11に薬剤を分配する調剤を支援する。調剤支援システムは、データ作成部211と、データ出力部212とを備える。データ作成部211は、調剤データに基づいて監査支援データを作成する。データ出力部212は、監査支援データを出力する。監査支援データにおいては、複数の収容部11に収容されるべき薬剤の監査に必要な情報が一覧可能に示されている。
【0130】
これにより、各収容部11に薬剤が収容された状態の収容部連接体10について、容易に監査することができる。
【0131】
本実施形態においては、監査支援データには、対応する収容部11に収容されるべき薬剤に関する情報を複数の収容部11の配置に対応したマトリックス状の複数の区画41の各々に示す分配
図42と、調剤データに含まれる薬剤の名称を示す一覧表43とが含まれている。
【0132】
これにより、各収容部11に収容された薬剤の種類および数量について容易に把握することができるため、容易に監査することができる。
【0133】
本実施形態においては、分配
図42においては、収容されるべき薬剤が同一の組み合わせとなる区画41毎にグループ化されている。これにより、同一グループの区画41に対応する収容部11には、同一の組み合わせの薬剤が収容されるため、同一グループの区画41に対応する収容部11についてまとめて監査することにより、容易に監査することができる。
【0134】
本実施形態においては、分配
図42の各区画41には、対応する収容部11に収容されるべき薬剤の全数量が示されている。これにより、監査の際に各収容部11に分配されている薬剤の全数量が正しいか否かの確認を容易にすることができる。
【0135】
本実施形態においては、分配
図42の各区画41には、対応する収容部11に収容されるべき薬剤が一覧表43における番号で示されるとともにこの薬剤の数量が示されている。これにより、監査の際に各収容部11に分配されている薬剤の種類および数量が正しいか否かの確認を容易にすることができる。
【0136】
本実施形態においては、分配
図42の各区画41においては、対応する収容部11に収容されるべき薬剤が上記番号毎に固定された位置に示されており、収容されるべき薬剤が存在しない上記番号の位置は空白に示されている。
【0137】
これにより、各区画41において各薬剤の表示位置が一定に維持されるため、監査の際に各収容部11に分配されている薬剤の種類および数量が正しいか否かの確認を容易にすることができる。
【0138】
本実施形態においては、一覧表43において、分割形態が異なる同一種類の薬剤は別々に示されている。これにより、監査の際に分割形態が異なる同一種類の各薬剤の数量について容易に確認することができる。
【0139】
変形例に係る監査支援データには、調剤データに含まれる薬剤の名称を示す一覧表53が含まれている。一覧表53において、薬剤ごとに各服用時期の数量が示されている。これにより、監査の際に、各収容部11に分配されている各服用時期の薬剤の種類および数量が正しいか否かの確認を容易にすることができる。
【0140】
本変形例においては、一覧表53において、薬剤ごとに服用日数が示されている。これにより、監査の際に、各服用時期の薬剤が分配されている行方向(X方向)に並ぶ収容部11の列方向(Y方向)における繰り返し数が正しいか否かの確認を容易にすることができる。
【0141】
本変形例においては、調剤支援システムは、調剤データに基づいて複数の収容部11に薬剤を分配する薬剤分配部である分配機構130をさらに備える。一覧表53において、分配機構130によって分配されるべき薬剤と、分配機構130によっては分配されず、複数の収容部11に手撒きされるべき薬剤とが識別可能に示されている。
【0142】
これにより、監査の際に、各収容部11に分配された薬剤が、分配機構130によって分配された薬剤および手撒きされた薬剤のいずれであるか容易に確認することができる。また、監査支援データが手撒き指示データを兼ねることができ、したがって監査支援データを監査支援シートとして印刷する場合に、その監査支援シートが手撒き指示書を兼ねることができる。
【0143】
本実施形態においては、データ作成部211は、調剤データに基づいて手撒き指示データをさらに作成する。データ出力部212は、手撒き指示データをさらに出力する。手撒き指示データには、手撒きされるべき薬剤の名称と、1つの収容部11に手撒きされるべき各薬剤の数量と、複数の収容部11のうちの各薬剤が手撒きされるべき収容部11の位置が示されている。各薬剤が手撒きされるべき収容部11の上記位置は、複数の収容部11の配置に対応したマトリックス状の複数の区画61上に示されている。
【0144】
これにより、各収容部11に薬剤を手撒きする際に、手撒きされるべき薬剤の種類および数量を容易に把握することができる。
【0145】
本実施形態においては、複数の区画62の各々に番号が付されている。手撒き指示データには、複数の区画62のうち、各薬剤が手撒きされるべき収容部11の上記位置に対応する区画62の上記番号のみ示されている。
【0146】
これにより、薬剤を手撒きする際に、手撒きされるべき収容部11の位置を容易に把握することができる。
【0147】
本実施形態においては、手撒き指示データは、手撒きされるべき収容部11の位置および数量が同一の組み合わせとなる薬剤毎にまとめて示されている。これにより、手撒き指示データにおいてまとめて示されている各薬剤について同様に手撒きすればよいため、効率的に各収容部11に薬剤を手撒きすることができる。
【0148】
本発明の一実施形態に係る薬剤分配機100は、分配機構130と、整合確認機構とを備える。分配機構130は、行方向(X方向)および列方向(Y方向)にマトリックス状に配置されつつ一回服用分の薬剤をそれぞれ収容する複数の収容部11が連接された収容部連接体10における複数の収容部11に、調剤データに基づいて薬剤を分配する。整合確認機構は、複数の収容部11に薬剤が分配された収容部連接体10と、複数の収容部11に収容されるべき薬剤に関する情報が調剤データに基づいて記載された帳票との整合確認を行なう。収容部連接体10に、直接的または間接的に、識別情報14,35が付されている。帳票に、識別情報14,35に対応した識別情報25,45,55,65が記載されている。整合確認機構は、収容部連接体10の識別情報14,35と帳票の識別情報25,45,55,65との整合確認を行なう。
【0149】
これにより、各収容部11に薬剤が収容された状態の収容部連接体10と、調剤データに基づいて記載された帳票との、整合を確保することができる。
【0150】
本実施形態においては、薬剤分配機100は、表示機構250をさらに備える。整合確認機構が収容部連接体10の識別情報14,35を読み取ると、この識別情報14,35が付された収容部連接体10と帳票との整合確認状態が表示機構250に表示される。
【0151】
これにより、監査する際に、複数の収容部11に薬剤が分配された収容部連接体10と帳票とが互いに対応していることを表示機構250の表示によって確認することができる。
【0152】
本実施形態においては、帳票には、複数種類の帳票が含まれている。複数種類の帳票の各々に、当該種類を識別可能な識別情報25,45,55,65が記載されている。表示機構250に、複数種類の帳票のリストが表示され、かつ、複数種類の帳票の各々と収容部連接体10との整合確認状態が表示される。
【0153】
これにより、監査する際に、複数の収容部11に薬剤が分配された収容部連接体10と複数種類の帳票の各々とが互いに対応していることを、表示機構250に示されたリストを一覧することによって確認することができる。
【0154】
本実施形態においては、整合確認機構が収容部連接体10の識別情報14,35に対応する全ての帳票の識別情報25,45,55,65を読み取ると、整合確認が完了する。これにより、複数種類の帳票が存在する場合に、整合確認が行なわれていない帳票が存在する限り整合確認が完了しないため、整合確認の漏れを抑制することができる。
【0155】
本実施形態においては、帳票には、複数種類の帳票が含まれている。複数種類の帳票には、収容部連接体10に貼り付けられて複数の収容部11を封止するシート20が含まれている。シート20の台紙90に、複数種類の帳票のうち、シート20を除く少なくとも1種類の帳票が記載されている。
【0156】
これにより、複数の収容部11を封止する際にシート20が剥がされた台紙90を、シート20によって複数の収容部11が封止された収容部連接体10に添付することにより、複数の収容部11に収容された薬剤について台紙90に記載されている帳票に基づいて確認することが可能である。また、監査支援シート40,50を印刷せずに、台紙90に印刷されている監査支援シート91を用いて監査を行なってもよい。同様に、手撒き指示書60を印刷せずに、台紙90に印刷されている手撒き指示書92を用いて手撒きを行なってもよい。さらに、台紙90にお薬手帳貼付シール94が剥離可能に付着されている場合、シート20によって複数の収容部11が封止された収容部連接体10からなる薬剤容器を患者に渡す際に、お薬手帳貼付シール94をお薬手帳に貼り付けて保存することができるため、薬剤容器に収容されている薬剤について患者および薬剤師などがお薬手帳に貼り付けられたお薬手帳貼付シール94の記載に基づいて確認することができる。
【0157】
なお、シート20以外の帳票である監査支援シート40,50および手撒き指示書92は必ずしも印刷されなくてもよく、表示機構250に表示されて使用される態様であってもよい。この場合、印刷される帳票を少なくすることができる。
【0158】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0159】
10 収容部連接体、11 収容部、12,22 第2孔、13,23 第1孔、14,25,35,45,55,65,73 識別情報、20,20a シート、21,41,61,62 区画、24,44,54,64 記載欄、30 支持体、31 開口、32 ピン、33 先端部、34 穴部、40,50,91 監査支援シート、42 分配図、43,53 一覧表、60,92 手撒き指示書、90 台紙、94 お薬手帳貼付シール、100 薬剤分配機、100m 分配本体部、110 供給機構、120 ホッパ、130 分配機構、140 ベース、150,210 制御部、200 分配端末、211 データ作成部、212 データ出力部、220 操作部、230 識別情報読み取り部、240 印刷部、250 表示機構、CLX,CLY 断続的切断線、CNX,CNY 接続部、CR 交差部、CX 行方向切断部、CY 列方向切断部、EX 行方向端部、EY 列方向末端部。