(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139579
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】定期券発行システム、券売機、窓口処理機、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 1/00 20060101AFI20230927BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230927BHJP
【FI】
G07B1/00 B
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045168
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 俊介
【テーマコード(参考)】
3E026
5L049
【Fターム(参考)】
3E026BA01
3E026BA06
3E026BA10
5L049CC43
(57)【要約】
【課題】追加設備を導入することなく定期券購入の待ち時間を低減する。
【解決手段】実施形態の定期券発行システムは、交通機関の券売機と、窓口処理機と、を備える。前記券売機は、前記交通機関の定期券の利用者によって入力された前記定期券の発行に関する情報を取得する取得部と、前記情報に基づいて二次元コードを作成する作成部と、前記作成部によって作成した前記二次元コードを含む二次元コード券を印刷して発行する発行部と、を備える。前記窓口処理機は、前記二次元コード券における二次元コードの情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取った前記二次元コードを解析する解析部と、前記解析部による解析結果に基づいて、定期券を発行する発行部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関の券売機と、窓口処理機と、を備える定期券発行システムであって、
前記券売機は、
前記交通機関の定期券の利用者によって入力された前記定期券の発行に関する情報を取得する取得部と、
前記情報に基づいて二次元コードを作成する作成部と、
前記作成部によって作成した前記二次元コードを含む二次元コード券を印刷して発行する発行部と、を備え、
前記窓口処理機は、
前記二次元コード券における二次元コードの情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取った前記二次元コードを解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に基づいて、定期券を発行する発行部と、を備える定期券発行システム。
【請求項2】
前記券売機の前記取得部は、前記定期券の発行に関する情報として、前記利用者によって入力されたパスワードの情報を取得し、
前記窓口処理機の発行部は、前記解析部による解析結果に前記パスワードの情報が含まれている場合、前記パスワードの入力が行われることを条件に、前記定期券を発行する、請求項1に記載の定期券発行システム。
【請求項3】
前記券売機の前記発行部は、
前記二次元コード券を印刷して発行するときに、有効期限を前記二次元コード券に印刷する、請求項1に記載の定期券発行システム。
【請求項4】
交通機関の券売機と、二次元コード券における二次元コードの情報を読み取って解析してその解析結果に基づいて定期券を発行する機能を有する窓口処理機と、を備える定期券発行システムにおける前記券売機であって、
前記交通機関の定期券の利用者によって入力された前記定期券の発行に関する情報を取得する取得部と、
前記情報に基づいて二次元コードを作成する作成部と、
前記二次元コードを含む二次元コード券を印刷して発行する発行部と、を備える券売機。
【請求項5】
交通機関の定期券の利用者によって入力された前記定期券の発行に関する情報に基づいて二次元コードを作成して前記二次元コードを含む二次元コード券を印刷して発行する券売機と、窓口処理機と、を備える定期券発行システムにおける前記窓口処理機であって、
前記二次元コード券における二次元コードの情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取った前記二次元コードを解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に基づいて、定期券を発行する発行部と、を備える窓口処理機。
【請求項6】
交通機関の券売機と、二次元コード券における二次元コードの情報を読み取って解析してその解析結果に基づいて定期券を発行する機能を有する窓口処理機と、を備える定期券発行システムにおける前記券売機を、
前記交通機関の定期券の利用者によって入力された前記定期券の発行に関する情報を取得する取得部と、
前記情報に基づいて二次元コードを作成する作成部と、
前記作成部によって作成した前記二次元コードを含む二次元コード券を印刷して発行する発行部と、して機能させるためのプログラム。
【請求項7】
交通機関の定期券の利用者によって入力された前記定期券の発行に関する情報に基づいて二次元コードを作成して前記二次元コードを含む二次元コード券を印刷して発行する券売機と、窓口処理機と、を備える定期券発行システムにおける前記窓口処理機を、
前記二次元コード券における二次元コードの情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取った前記二次元コードを解析する解析部と、
前記解析部による解析結果に基づいて、定期券を発行する発行部と、して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、定期券発行システム、券売機、窓口処理機、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通機関(電車など)の利用者が例えば通学定期券や障害者用定期券を購入する場合、自動定期券発行機(券売機)では購入できない。その場合、例えば、利用者は、申込用紙に必要な情報を記入し、申込用紙を係員に渡す。係員は、申込用紙の記載に基づいて係員定期券発行機(窓口処理機)に情報を入力する。また、係員は、本人の確認や証明書の確認を行い、係員定期券発行機(窓口処理機)で定期券を発行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-161170号公報
【特許文献2】特開2020-67745号公報
【特許文献3】特開2015-153127号公報
【特許文献4】特開2019-218690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、3月や9月等の定期券購入の繁忙期になると、係員定期券発行機が混雑し、長時間の待ち時間が問題になっている。また、その対策として、例えば、定期券購入の申請者に事前にタブレット端末等で必要な情報を入力してもらう手法が考えられるが、事業者側からするとタブレット端末等の追加設備の導入が必要で、コストアップとなる問題がある。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、追加設備を導入することなく定期券購入の待ち時間を低減可能な定期券発行システム、券売機、窓口処理機、および、プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の定期券発行システムは、交通機関の券売機と、窓口処理機と、を備える。前記券売機は、前記交通機関の定期券の利用者によって入力された前記定期券の発行に関する情報を取得する取得部と、前記情報に基づいて二次元コードを作成する作成部と、前記作成部によって作成した前記二次元コードを含む二次元コード券を印刷して発行する発行部と、を備える。前記窓口処理機は、前記二次元コード券における二次元コードの情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取った前記二次元コードを解析する解析部と、前記解析部による解析結果に基づいて、定期券を発行する発行部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の定期券発行システムの全体構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態の券売機の機能構成図である。
【
図3】
図3は、実施形態の窓口処理機の機能構成図である。
【
図4】
図4は、実施形態の二次元コード券を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態の券売機による処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態の窓口処理機による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を用いて、本発明の定期券発行システム、券売機、窓口処理機、および、プログラムの実施形態について説明する。本実施形態では、交通機関として電車の場合を例にとって説明する。
【0009】
図1は、実施形態の定期券発行システムSの全体構成図である。定期券発行システムSは、A駅に設置された券売機100および窓口処理機200と、サーバ300と、B駅に設置された窓口処理機400と、を備える。それらは通信ネットワークNによって互いに通信可能に接続されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network;構内通信網)、WAN(Wide Area Network)、専用線、VPN(Virtual Private Network;仮想プライベートネットワーク)等である。
【0010】
券売機100は、鉄道の駅構内に設けられ、例えば、利用者による操作に基づいて、情報をIC(Integrated Circuit)カードや磁気券などの媒体に書き込むことにより、乗車券や定期券などを発行する。また、券売機100は、二次元コード券Tを発行する(詳細は後述)。
【0011】
窓口処理機200は、A駅の係員によって操作される駅務装置である。窓口処理機200は、二次元コード券Tにおける二次元コードを読み取り、定期券を発行する(詳細は後述)。
【0012】
サーバ300は、種々の情報を保持する。サーバ300は、例えば、券売機100、窓口処理機200、窓口処理機400から取得した情報を保持し、保持した情報をそれらから参照可能とする。
【0013】
窓口処理機400は、B駅の係員によって操作される駅務装置である。窓口処理機400は、二次元コード券Tにおける二次元コードを読み取り、定期券を発行する。
【0014】
次に、券売機100について説明する。
図2は、実施形態の券売機100の機能構成図である。券売機100は、タッチパネル部110と、カード挿入口120と、紙幣投入口122と、硬貨投入口124と、券排出口126と、釣銭排出口128と、リーダライタ130と、エンコード/デコード部132と、検銭部134と、券発行部136と、釣銭部138と、券売機側通信部140と、券売機側制御部150と、券売機側記憶部170と、を備える。
【0015】
タッチパネル部110は、表示部112と、受付部114と、を備える。表示部112は、券売機側制御部150によって出力される情報に基づいて、利用者に乗車券や定期券を購入させるための画像や、二次元コード券Tを発行するための画像や、ICカードの発行や再発行の登録を行うための画像等の各種画像を表示する。表示部112は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含む。なお、表示部112には、音声を出力するスピーカ等を設けて、表示部112に表示される内容に対応した音声を出力してもよい。
【0016】
受付部114は、利用者からの入力操作を受け付ける。受付部114は、例えば、ボタン、キーボード、マウス、マイク等のユーザインターフェースを含む。なお、表示部112がタッチパネルである場合、受付部114は、表示部112と一体として形成される。この場合、表示部112の画面は、GUI(Graphical User Interface)として機能する。
【0017】
カード挿入口120には、ICカードが挿入される。ICカードは、カード挿入口120に、電子マネーをチャージするために挿入されたり、定期券の利用区間や利用期間(有効期間)を更新するために挿入されたり、障害発生時に、ICチップに記憶されたカード識別情報や個人情報、効力情報等を抽出するために挿入されたりする。
【0018】
紙幣投入口122には、紙幣が投入される。硬貨投入口124には、硬貨が投入される。券排出口126からは、乗車券や二次元コード券Tが排出される。釣銭排出口128からは、釣銭のうち硬貨が排出される。なお、釣銭のうち紙幣は、紙幣投入口122から排出される。
【0019】
リーダライタ130は、カード挿入口120に挿入されたICカードに対して読取処理や書込処理を実行する。リーダライタ130は、例えばアンテナを備え、13.56[MHz]等のISM(Industry-Science-Medical)帯の周波数帯域を利用してICカードと無線通信を行う。
【0020】
エンコード/デコード部132は、リーダライタ130によってICカードから読み取られた情報を復号して券売機側制御部150へ出力すると共に、券売機側制御部150により指示された情報を暗号化してリーダライタ130へ出力する。券売機側制御部150により指示された情報とは、例えば、電子マネーの残高から乗車券の購入金額を減算した情報である。リーダライタ130は、エンコード/デコード部132から入力された情報をICカードに書き込む。これによって、ICカードには、乗車券の購入金額分が減算された電子マネーの残高が書き込まれる。
【0021】
検銭部134は、紙幣投入口122又は硬貨投入口124に投入された金銭を計数し、計数結果を券売機側制御部150へ出力する。
【0022】
券発行部136は、券売機側制御部150による制御によって、予めセットされた印紙に表示オブジェクトを画像として形成(印刷)する。例えば、券発行部136は、熱転写方式やインクジェット方式で印紙に表示オブジェクトを形成する。券発行部136は、表示オブジェクトを形成した印紙、すなわち、乗車券や二次元コード券Tを券排出口126から排出する。
【0023】
釣銭部138は、券売機側制御部150による制御によって、検銭部134により計数された金額と、乗車券の購入金額との差分を算出し、算出した金額を釣銭排出口128から排出させる。
【0024】
券売機側通信部140は、券売機側制御部150による制御によって、通信ネットワークNを介してサーバ300等と通信する。券売機側通信部140は、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0025】
券売機側制御部150は、例えば、券売機側通信制御部152と、表示制御部154と、発行制御部156とを備える。これらの機能部のうち一部又は全部は、例えばCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)やGPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration;大規模集積回路)やASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け集積回路)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め券売機側記憶部170に格納されていてもよいし、DVD(Digital Versatile Disc)やCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、その記憶媒体が券売機側制御部150のドライブ装置に装着されることで券売機側記憶部170にインストールされてもよい。
【0026】
券売機側記憶部170は、例えば、ROM(Read Only Memory;読み出し専用メモリ)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory;読み書き可能なメモリ)、レジスタ等によって実現される。券売機側記憶部170は、プロセッサが実行するプログラムや、その他の処理結果等を格納する。
【0027】
券売機側通信制御部152は、例えば、リーダライタ130がICカードから読み取ったカード識別情報を、券売機側通信部140を介してサーバ300へ出力する。また、券売機側通信制御部152は、券売機側通信部140を介してサーバ300から各種情報を取得してもよい。
【0028】
表示制御部154は、各種画面を表示部112に表示させる。
【0029】
発行制御部156は、券発行部136に乗車券や二次元コード券Tを発行させる。以下、主に二次元コード券Tを発行する場合について説明する。発行制御部156(取得部)は、電車の定期券の利用者によってタッチパネル部110によって入力された定期券の発行に関する情報(定期券種別(通学定期券、障害者用定期券など)、氏名、生年月日、電話番号、性別、年齢、利用区間、利用期間、利用経路など。パスワードの情報を含んでもよい。)を取得する。
【0030】
また、発行制御部156(作成部)は、取得した情報に基づいて二次元コードを作成する。二次元コードは、水平方向、垂直方向、あるいはさらに他の方向に情報を持つ表示方式である。二次元コードは、一次元コードに比べ、より多くの情報をコード化できる。二次元コードには、例えば、小さな正方形のセルがマトリックス状に配列されたマトリックスコードがある。各セルは、例えば白と黒などの二つの状態で作成される。これにより、二次元コードの各セルは、論理値「0」と「1」とを表現することができる。また、二次元コードを作成する際に、必要に応じて、暗号化(例えばAES(Advanced Encryption Standard)による暗号化)やエンコード(例えばBASE64によるエンコード)を行う。
【0031】
また、発行制御部156(発行部)は、券発行部136を制御して、作成した二次元コードを含む二次元コード券Tを印刷して発行する。その場合、有効期限を二次元コード券に印刷するようにしてもよい。また、二次元コード券Tとして使用する媒体は、例えば、磁気券やレシート紙が考えられるが、それらに限定されない。
【0032】
ここで、二次元コード券Tについて説明する。
図4は、実施形態の二次元コード券Tを模式的に示す図である。二次元コード券Tは、二次元コードが印刷される領域51と、各種情報が印刷される領域52と、を有する。領域52には、例えば、個人情報以外の情報(発行日、有効期限など)が印刷される。
【0033】
次に、窓口処理機200について説明する。
図3は、実施形態の窓口処理機200の機能構成図である。
【0034】
窓口処理機200は、例えば、係員による操作に応じて定期券情報を作成し、作成した定期券情報をICカードや磁気券に書き込むことにより、定期券500を発行する。
【0035】
窓口処理機200は、制御部201、記憶部202、表示部203、操作部204、通信部205、定期券発行部206、二次元コード読取部207を備える。
【0036】
制御部201は、窓口処理機200の各部の動作を統合的に制御する。また、制御部201は、表示部203に表示する表示データの作成などを行う。なお、制御部201は、CPUなどの演算素子を備える。
【0037】
記憶部202は、種々の情報を記憶するメモリである。記憶部202は、例えば、ROM、RAM、不揮発性メモリなどを備える。ROMは、制御用のプログラムや制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。RAMは、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAMは、CPUの処理中のデータなどを一時的に格納する。また、RAMは、CPUが実行するプログラムを一時的に展開して格納する。不揮発性メモリは、CPUが実行する処理において用いられるプログラムやデータを記憶する記憶部である。
【0038】
制御部201のCPUは、種々の演算処理を行う。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラム及び制御データに基づいて種々の処理を行う。例えば、CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、定期券の発行処理や表示部203による表示処理などを行う。
【0039】
表示部203は、制御部201の制御に基づいて、種々の情報を表示する。表示部203は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、他の表示装置などのうちのいずれかを備える。例えば、表示部203は、定期券500を発行するための種々のメニュー画面を表示する。
【0040】
操作部204は、窓口処理機200を操作する係員による操作入力を受け取る。操作部204は、例えば、タッチセンサ、キーボード、または他の入力を受け付けるデバイスである。操作部204は、操作入力情報を制御部201に供給する。
【0041】
通信部205は、通信ネットワークNを経由してサーバ300と通信を行うためのモジュールである。また、通信部205は、通信ネットワークNを経由して他の駅務機器(券売機100、窓口処理機400など)と通信を行うことができる。
【0042】
定期券発行部206は、制御部201の制御に応じて定期券500を発行するモジュールである。定期券発行部206は、定期券500の媒体を格納する格納部と、媒体に定期券情報を書き込む書込み部とを備える。格納部は、定期券500の媒体として、例えば、ICカードや磁気券を格納する。書込み部は、制御部201から供給される定期券情報を格納部に格納されている媒体に書込み、定期券500を発行する。
【0043】
二次元コード読取部207(読取部)は、二次元コード(二次元コード券Tにおける二次元コードなど)を読み取るモジュールである。二次元コード読取部207は、画像を読み取る装置(例えばCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補型MOS)等の固体撮像素子を備えたカメラ)と、読み取った画像から二次元コードを解析する解析部と、を備える。
【0044】
二次元コード読取部207は、例えば、利用者が所持していた二次元コード券Tに印刷されている二次元コードを読み取る。二次元コード読取部207は、読み取った二次元コードを解析し、元の情報を復元する。これにより、元の定期券情報を取得することができる。二次元コード読取部207は、取得した定期券情報を制御部201に供給する。制御部201は、二次元コード読取部207により供給された定期券情報に基づいて定期券500を発行するように定期券発行部206(発行部)を制御する。つまり、定期券発行部206は、解析部による解析結果に基づいて、定期券を発行する。また、定期券発行部206は、解析部による解析結果にパスワードの情報が含まれている場合、パスワードの入力が操作部204で行われることを条件に、定期券500を発行する。
【0045】
図5は、実施形態の券売機100による処理を示すフローチャートである。まず、利用者は、券売機100のタッチパネル部110において、定期券の発行に関する情報を入力する。そうすると、ステップS11において、発行制御部156は、入力された情報を取得する。
【0046】
次に、ステップS12において、発行制御部156は、入力された情報に対して暗号化などを行う。
【0047】
次に、ステップS13において、発行制御部156は、二次元コードを作成する。
【0048】
次に、ステップS14において、発行制御部156は、二次元コード券T(
図4)を発行する。利用者は、二次元コード券Tを受け取る。
【0049】
次に、
図6は、実施形態の窓口処理機200による処理を示すフローチャートである。利用者は、二次元コード券Tを係員に渡す。係員は、受け取った二次元コード券Tの二次元コードを窓口処理機200の二次元コード読取部207に翳す。
【0050】
そうすると、ステップS21において、二次元コード読取部207は、二次元コード券Tの二次元コードを読み取る。
【0051】
次に、ステップS22において、二次元コード読取部207は、読み取った二次元コードを解析する。
【0052】
次に、ステップS23において、二次元コード読取部207は、情報(解析結果)を復号化する。
【0053】
次に、ステップS24において、二次元コード読取部207は、パスワードの入力が必要か否かを判定し、Yesの場合はステップS25に進み、Noの場合はステップS26に進む。
【0054】
ステップS24でYesの後、利用者または係員は、窓口処理機200の操作部204によってパスワードを入力する。そうすると、ステップS25において、二次元コード読取部207は、入力されたパスワードを取得する。
【0055】
また、係員は、二次元コード券Tに表示されている有効期限を見て、二次元コード券Tの二次元コードに埋め込まれている情報を使用するか否かを選択し、選択結果を操作部204によって入力する。
【0056】
ステップS26において、定期券発行部206は、係員による選択結果入力情報から、情報を使用するか否かを判定し、Yesの場合はステップS27に進み、Noの場合はステップS28に進む。
【0057】
ステップS27において、定期券発行部206は、二次元コードに埋め込まれている情報を使用して定期券500を発行する。なお、二次元コードに埋め込まれている情報以外に定期券の発行に必要な情報がある場合は、係員が操作部204によって必要な情報(利用者から得た情報)を追加で入力する。
【0058】
ステップS28において、定期券発行部206は、二次元コードに埋め込まれている情報を使用しないで、別の手法で利用者から得た情報を使用して定期券500を発行する。
【0059】
このようにして、本実施形態の定期券発行システムSによれば、券売機100によって定期券の発行に関する情報を埋め込んだ二次元コード券Tを発行し、窓口処理機200でその二次元コード券Tの二次元コードを読み取って定期券500を発行することで、追加設備を導入することなく定期券購入の待ち時間を低減することができる。
【0060】
具体的には、二次元コード券Tを用いることで、窓口処理機200での係員による利用者確認作業の省力化や効率化を実現し、また、窓口処理機200での係員の入力時間を軽減する。これにより、特に繁忙期に、窓口処理機200での利用者の混雑を大幅に緩和させることができる。
【0061】
また、二次元コード券Tにパスワードの情報を含めておくことで、セキュリティを向上させることができる。
【0062】
また、二次元コード券Tに有効期限を印刷しておくようにすれば、発行後に長時間が経過した二次元コード券Tを見た係員は有効期限徒過に容易に気づくことができる。
【0063】
また、既存の券売機100や窓口処理機200に対して、ハードウェアはそのままで、ソフトウェアを更新するだけで実現できるので、低コストかつ短時間に本実施形態の機能を実現できる。
【0064】
また、利用者は、A駅の券売機100で発行された二次元コード券Tを用いて、A駅の窓口処理機200だけでなく、A駅と異なるB駅の窓口処理機400でも定期券500を購入することができる。
【0065】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0066】
また、本実施形態の券売機100や窓口処理機200で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。また、当該プログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0067】
例えば、窓口処理機200で定期券500を発行した場合、その後の定期券の継続発行用に個人情報等を窓口処理機200で二次元コード化して紙媒体で発行しても良い。
【0068】
また、定期券500の購入に使用した二次元コード券Tは、係員によって回収してもよいし、あるいは、有効期限内であれば複数回使用できるようにしてもよい。
【0069】
また、対象の交通機関は電車に限定されず、バス、航空機等の他の交通機関であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
100…券売機、200…窓口処理機、300…サーバ、400…窓口処理機、500…定期券、N…通信ネットワーク、T…二次元コード券、S…定期券発行システム