(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139584
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】ウェットシート収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20230927BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20230927BHJP
【FI】
B65D83/08 A
A47K7/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045177
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】鬼澤 里奈
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014LA09
(57)【要約】
【課題】薬液の含浸量が少ないウェットシートが取り出されるのを防ぎ、かつ、枚数が減っても一定の取り出しやすさが保たれるウェットシート収納容器を提供する。
【解決手段】ウェットシート収納容器100は、ウェットシート積層体Lが収納される収納空間Sを有する容器本体10と、容器本体10の下面に設けられた取出孔123aを開閉自在とする開閉蓋20と、容器本体10に下面から外方に突出するように設けられ、容器本体10を載置面から離間させる脚部30と、を備える。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェットシート積層体が収納される収納空間を有する容器本体と、
前記容器本体の下面に設けられた取出孔を開閉自在とする開閉蓋と、
前記容器本体に前記下面から外方に突出するように設けられ、前記容器本体を載置面から離間させる脚部と、
を備えることを特徴とするウェットシート収納容器。
【請求項2】
前記容器本体は、前記容器本体の下面を除く面からウェットシート積層体を収納可能であることを特徴とする請求項1記載のウェットシート収納容器。
【請求項3】
前記容器本体は、前記ウェットシート積層体が載置される載置部を備え、
前記載置部は、前記ウェットシート積層体の下端部のウェットシートと前記取出孔とを離間させることを特徴とする請求項1又は2記載のウェットシート収納容器。
【請求項4】
前記脚部は、長手方向の長さを調節可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のウェットシート収納容器。
【請求項5】
前記脚部は、前記容器本体に着脱自在であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のウェットシート収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシート収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、汚れの拭き取り等を目的として、薬液が含浸されたウェットシートが知られている。このようなウェットシートを収納する容器としては、上部に設けた蓋を開くことで取出口が開放状態となり、内部に収納されたウェットシート積層体から1枚のウェットシートを当該取出口から取り出すものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなウェットシート収納容器においては、時間が経つにつれて、ウェットシート積層体のうち上側のウェットシートに含浸された薬液が、重力に従って下側のウェットシートに移動する。また、取出口に近い上側のウェットシートは、空気に触れる機会が多く、乾燥しやすい。そのため、容器の上部に設けられた取出口からウェットシート積層体の上側のウェットシートを取り出した際に、薬液の含浸量が少ないものが取り出されてしまうという課題があった。
【0005】
また、このようなウェットシート収納容器においては、内部のウェットシートを使用して、枚数が少なくなるにつれて、ウェットシート積層体の上端部から取出口までの距離が離間する。そのため、ウェットシートを使用するにつれて、収納空間への落ち込みや連なりが発生しやすくなり、取り出しやすさが低減してしまうという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたことで、その目的は、薬液の含浸量が少ないウェットシートが取り出されるのを防ぎ、かつ、枚数が減っても一定の取り出しやすさが保たれるウェットシート収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ウェットシート収納容器であって、
ウェットシート積層体が収納される収納空間を有する容器本体と、
前記容器本体の下面に設けられた取出孔を開閉自在とする開閉蓋と、
前記容器本体に前記下面から外方に突出するように設けられ、前記容器本体を載置面から離間させる脚部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のウェットシート収納容器であって、
前記容器本体は、前記容器本体の下面を除く面からウェットシート積層体を収納可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載のウェットシート収納容器であって、
前記容器本体は、前記ウェットシート積層体が載置される載置部を備え、
前記載置部は、前記ウェットシート積層体の下端部のウェットシートと前記取出孔とを離間させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のウェットシート収納容器であって、
前記脚部は、長手方向の長さを調節可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のウェットシート収納容器であって、
前記脚部は、前記容器本体に着脱自在であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、薬液の含浸量が少ないウェットシートが取り出されるのを防ぎ、かつ、枚数が減っても一定の取り出しやすさが保たれるウェットシート収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】実施形態に係るウェットシート収納容器を前面側から見た上面斜視図であって、収納空間が閉塞状態である場合を示す。
【
図1B】実施形態に係るウェットシート収納容器を後面側から見た下面斜視図であって、開閉蓋が閉塞状態である場合を示す。
【
図2A】実施形態に係るウェットシート収納容器を前面側から見た上面斜視図であって、収納空間が開放状態である場合を示す
【
図2B】実施形態に係るウェットシート収納容器を前面側から見た下面斜視図であって、開閉蓋が開放状態である場合を示す。
【
図3】
図1AのIII-III線部の断面図である。
【
図4A】長手方向の長さが調整可能な脚部の一例を示す断面模式図である。
【
図4B】長手方向の長さが調整可能な脚部の一例を示す断面模式図である。
【
図5】脚部が取り外された容器本体の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係るウェットシート収納容器の実施形態について詳細に説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0015】
また、以下においては、各図に示すように、ウェットシート収納容器において取出孔が設けられている側を「下」、その反対側を「上」、ウェットシート収納容器と開閉蓋が接続されている側を「後」、その反対側を「前」、前側から見て右側を「右」、左側を「左」とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸として説明する。すなわち、ウェットシート収納容器を上下逆さまにした場合においても、以下においては取出孔が設けられている側を基準として上下方向を定めて説明する。
【0016】
[実施形態の構成]
本実施形態のウェットシート収納容器100は、例えば、
図1Aから
図2Bに示すように、内部の収納空間Sに収納されたウェットシート積層体Lから1枚のウェットシートを取り出す取出孔123aを下面側に備える容器本体10と、取出孔123aを開閉自在とする開閉蓋20と、容器本体10に設けられ、容器本体10を載置面から離間させる脚部30とを備える。
【0017】
(容器本体)
容器本体10は、例えば硬質プラスチックやPP(ポリプロピレン)、POM(ポリアセタール)、ABS樹脂等を材料として、各図に示すように、全体として、上下方向及び前後方向に比して左右方向に長い略直方体状に形成されている。そして、
図1Aに示すように、例えば上下方向中央部よりも上部において上下に二分されて容器本体10の上側を構成する容器本体上部11と、容器本体10の下側を構成する容器本体下部12とで形成されている。そして、
図1Bに示すように、容器本体上部11と容器本体下部12は、容器本体10の後面部において接続部13によって接続されている。
【0018】
容器本体10は、硬質な材料である硬質材料によって形成されている。硬質材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることができる。
また、容器本体10は、
図1A及び
図1Bに示すように、容器本体上部11と容器本体下部12とが組み合わさり、内部の収納空間Sが閉塞された状態で、全体が、X方向に好ましくは60mmから150mm、さらに好ましくは80mmから100mm、Y方向に好ましくは80mmから200mm、さらに好ましくは145mmから165mm、Z方向に好ましくは30mmから100mm、さらに好ましくは50mmから70mmの大きさとなるように形成されている。また、各面の厚みは、好ましくは0.5mmから3mm、さらに好ましくは1mmから2mmである。
このような大きさ及び厚みであれば、成形効率が高く、かつ実使用に問題ない強度を達成することができる。
【0019】
また、容器本体上部11と、容器本体下部12と、接続部13とは、生産性の観点から射出成形(2色成形)等の方法によって一体的に形成されているが、容器本体上部11と、容器本体下部12とを別体として形成の上、これらをヒンジ等によって回動自在に接続することも可能である。
【0020】
なお、容器本体10が容器本体上部11と容器本体下部12と、に二分される位置は、上下方向中央部付近であってもよい。ただし、上下方向中央部よりも上部で上下に二分されていると、所定の包装体に覆われたウェットシート積層体Lを収納する際に、収納空間Sの閉塞時に包装体のエンドシール部等を挟み込んでしまうおそれを低減することができるため、好ましい。
【0021】
{容器本体上部}
容器本体上部11は、
図1A及び
図2Aに示すように、例えば下面が略矩形状の開口部である略直方体状に形成されており、下端部には、環状の外縁部111と、外縁部111よりも内側に設けられ、外縁部111よりも下方に突出した環状の内縁部112が形成されている。また、容器本体上部11の前面の下端部には、容器本体10内の収納空間Sを露出する際に把持する取手部113が形成されている。
【0022】
〔外縁部・内縁部〕
外縁部111及び内縁部112は、
図2Aに示すように、共に環状であり、容器本体上部11の下端部に形成されている。特に、内縁部112は、外縁部111よりも内側において、外縁部111よりも下方に突出しており、収納空間Sの閉塞時には、内縁部112が後述する容器本体下部12の凹溝部121に入り込むように形成されている。
【0023】
〔取手部〕
取手部113は、容器本体上部11の前面の中央部において、容器本体上部11と一体的に、前面からアーチ状に突出して形成されており、容器本体上部11の前面との間に指を引っ掛けることができる隙間が形成されている。ユーザーは取手部113を把持し、接続部13を支点として容器本体上部11を回動させることで、収納空間Sを露出させることができる。
【0024】
なお、取手部113の内面と容器本体上部11の前面とが交わる部分はR形状とされているのが好ましい。
また、取手部113は、アーチ状に突出する形状でなくても、容器本体上部11の前面から突出し、ユーザーが把持可能な形状であればよい。
【0025】
<係止部>
また、
図2Aに示すように、容器本体10の前面と対向する取手部113の内面部には、例えば2つの係止部1131、1131が設けられており、収納空間Sの閉塞時に容器本体下部12の後述する係合突起128と係合することで、閉塞状態を維持するように形成されている。
なお、2つの係止部1131、1131を設ける間隔は任意であるが、一般的なユーザーの指幅よりも広いのが好ましい。
【0026】
{容器本体下部}
容器本体下部12は、上面が略矩形状の開口部となった略直方体状に形成されており、
図2Aに示すように、上端部には、環状の凹溝部121が形成されている。また、
図2Bに示すように、下面部の中央部付近の外面側には、上方に凹状となる凹部122が形成されており、凹部122内には、中央部に収納空間S内の1枚のウェットシートを取り出す取出孔123aを備える取出部123が設けられている。また、凹部122の後端部には付勢部材124が収納される収納凹部125が形成され、前端部には開閉蓋20を開閉するための係止手段126が形成されている。また、
図3に示すように、収納空間S内には、ウェットシート積層体Lを載置するための載置部127が形成されている。
【0027】
〔凹溝部〕
凹溝部121は、
図2Aに示すように環状であり、収納空間Sを閉塞する際に、容器本体上部11の内縁部112が係合するように、容器本体下部12の上端部に形成されており、外周壁部1211と内周壁部1212と、を備える。
【0028】
<外周壁部・内周壁部>
外周壁部1211は、容器本体下部12の外周壁面として形成され、収納空間Sを閉塞する際は、容器本体上部11の外縁部111に当接する。
内周壁部1212は、容器本体下部12の内周壁面として形成され、容器本体下部12の後面において外周壁部1211よりも高い部分を有する。そして、収納空間Sの閉塞時に容器本体上部11の内縁部112が当該高い部分に当たってそのまま凹溝部121に案内されて摺接することで、収納空間Sの密閉性が保たれるようになっている。
【0029】
〔凹部〕
凹部122は、
図2Bに示すように、容器本体下部12の平面視における中央部付近に形成されている。
図2Bにおいては、凹部122が略矩形状である場合について図示しているが、凹部122の具体的な形状はこれに限られない。
凹部122のZ方向の深さは、下面部から見て、5mmから20mmであることが好ましい。また、平面視における大きさは、内部に取出孔123aを形成可能であれば、特に限定されないが、X方向に40mmから80mm、Y方向に40mmから120mmであることが好ましい。
【0030】
〔取出部〕
取出部123は、凹部122の平面視における中央部付近に形成された、厚みが0.5mm~2.0mmの弾性材料で形成された部分であり、取出部123の略中央には、略球面状に盛り上がった膨出部分が形成されており、当該膨出部分に取出孔123aが形成されている。
【0031】
取出部123を形成する弾性材料としては、エラストマー、TPE(Thermo Plastic Elastomer;熱可塑性エラストマー)、ゴム等の弾性を有する材料を用いることができる。硬度としては、成形効率と取り出しやすさの観点から、JIS K 6253(タイプAデュロメータ)に基づく計測で20から90であるのが好ましい。
【0032】
<取出孔>
取出孔123aは、取出部123の平面視における中央部付近に形成された、収納空間Sに繋がる孔部である。
【0033】
例えば
図2Bにおいては、取出孔123aが、三角形の各辺が内側に円弧状に突出した形状を有し、各頂点と重心点を結ぶように3本のスリットが重心点で交わる略逆Y字状となっている場合を例示しているが、これに限られない。すなわち、スリットの本数はこれより少数でも多数でもよいし、形状もこれに限られない。例えば、取出部123に十字型の2本のスリットを入れることにより取出孔123aを形成するようにしてもよい。
【0034】
なお、容器本体下部12に取出部123を設けず、例えば凹部122に取出孔123aが形成される構成としても構わない。ただし、取出孔123aの周囲が、取出部123によって形成されていると、ウェットシートに対して適切な抵抗を掛けることができ、収納空間Sに収納されたウェットシートが引き出された後に、次のウェットシートが引き出されすぎずに保持することができるため、好ましい。また、当該効果は、
図2Bに示すように、取出部123が取出孔123aの中央部に向かって突き出すような形状であると更に高めることができる。
【0035】
〔付勢部材〕
付勢部材124は、弾性材料で形成された帯状の部材であり、幅が好ましくは2mm~30mm、さらに好ましくは8mm~10mm、厚みが好ましくは0.5mm~3mm、さらに好ましくは1mm~2mmとなるように形成されている。
【0036】
付勢部材124の一端は凹部122の後方に固着され、他端は開閉蓋20の挿入部23(後述)に固着され、開閉蓋20を起立させる開放方向へと付勢している。そして、使用者が係止手段126を押圧した際に、開閉蓋20を後方の容器本体下部12との接続部分を回転軸として回転させるようにして開放させる。
【0037】
付勢部材124は、何ら力を加えられていない状態において
図2Bに示すように伸びた状態となるように形成することで、
図1Bに示すように開閉蓋20が閉じられ、付勢部材124が折り曲げられた際に、
図2Bに示す状態に戻ろうとする力が生じるようにする。これによって、開閉蓋20を、容器本体下部12に対して、後方の開閉蓋20と容器本体下部12との接続部を回転軸として後方へと回転するように付勢することが可能となる。
【0038】
〔収納凹部〕
収納凹部125は、
図2Bに示すように、開閉蓋20の閉塞時において、付勢部材124が上方へと押し込められた際、付勢部材124の折り曲げられた部分を収納するための凹部である。収納凹部125は、
図2Bに示すように、凹部122内の取出部123の後方かつ、付勢部材124の前方付近において、凹部122よりも更にZ方向上方に凹状となるように形成される。収納凹部125の形状は特に限定されないが、例えば、X方向に比してY方向に長い略直方体状であり、開閉蓋20を閉塞した際に、開閉蓋20によって押し込められ、折り曲げられた付勢部材124を収納できるだけの空間を有していればよい。
【0039】
〔係止手段〕
係止手段126は、不図示の本体側爪部を備えるボタン状に形成され、当該本体側爪部が開閉蓋20の開閉蓋側爪部21(後述)と係合することで、開閉蓋20を閉塞状態で係止するとともに、使用者が係止手段126を押圧した時は、本体側爪部と開閉蓋側爪部21との係合が外れ、開閉蓋20が開放状態となるように形成されている。
【0040】
〔載置部〕
載置部127は、例えば
図3に示すように、容器本体10の収納空間Sの内面側から上方に突出するように設けられた凸部であり、ウェットシート積層体Lの下端部のウェットシートと取出孔123aを所定の距離だけ離間させる。これにより、ウェットシート積層体Lの包装体が取出孔123aから飛び出してしまったり、ウェットシートが取出孔123aに噛み込んでしまったりするのを防ぐことができる。
【0041】
具体的には、取出孔123aとウェットシート積層体Lの下端部のウェットシートとを5mm~10mmだけ離間させるように載置部127を設けるのが好ましい。取出孔123aと下端部のウェットシートが当該距離だけ離間していると、上記役割と、取出孔123aからのウェットシートの取り出しやすさとを好適に両立させることができる。
【0042】
〔係合突起〕
係合突起128は、
図2Aに示すように、容器本体下部12の前面の上端部略中央部において、容器本体下部12と一体的に、前方向に突出した突起部であり、収納空間Sの閉塞時において係止部1131、1131が係合される。
【0043】
係合突起128は、Y方向の長さが、2つの係止部1131、1131の設けられる間隔と、2つの係止部1131、1131のそれぞれのY方向の長さの和よりも長くなるように形成される。
【0044】
{接続部}
接続部13は、容器本体上部11と容器本体下部12とを接続する。
また、容器本体10は、接続部13を支点として容器本体上部11を前後方向と平行な方向に回動可能に形成されており、当該構成により、
図2Aに示すように収納空間Sを外部に露出させ、ウェットシート積層体Lの詰め替えを行うことができるようになっている。
【0045】
また、接続部13は、
図1Bに示すように、容器本体10の他の部分と比較して薄くなるように形成されている。当該構成により、接続部13が曲がり易くなり、容器本体上部11を、接続部13を支点として回動させやすくなっている。
【0046】
(開閉蓋)
開閉蓋20は、
図2Bに示すように、容器本体下部12の凹部122後方に回動自在に接続された扁平な略矩形状の部材であり、容器本体10と同様の硬質材料からなる。
開閉蓋20は、閉塞状態における前側に開閉蓋側爪部21を備え、上面側に開閉蓋側密閉環部22と、付勢部材124を挿入する挿入部23とを備える。
【0047】
{開閉蓋側爪部}
開閉蓋側爪部21は、
図2Bに示すように、開閉蓋20の前方に突出する爪部である。開閉蓋側爪部21は、係止手段126の本体側爪部と係合することによって、開閉蓋20を閉塞状態で係止するとともに、使用者が係止手段126を押圧した際には、本体側爪部と開閉蓋側爪部21との係合が外れ、付勢部材124によって開閉蓋20が開放状態となるように形成されている。
【0048】
{開閉蓋側密閉環部}
開閉蓋側密閉環部22は、
図2Bに示すように、開閉蓋20の閉塞時において上方へと環状に突出し、その内周側の面が、容器本体下部12の取出部123の外周と接触するように、上面側略中央部に形成されている。
【0049】
{挿入部}
挿入部23は、
図2Bに示すように、開閉蓋20の後端部に付勢部材124を挿入して固着するための筒状部である。
【0050】
(脚部)
脚部30は、各図に示すように、容器本体10の下面部のうち外面側から外方に突出するように複数設けられた棒状部材であり、例えば硬質プラスチック、PP、ステンレスによって形成される。
【0051】
脚部30の長手方向(Z軸方向)の長さとしては、80mm~150mmであるのが好ましい。脚部30の長さが80mm以上であると、容器本体10の下方に手を入れて開閉蓋20を開くにあたって充分な高さとなる。また、脚部30の長さが150mm以下であると、机の上などにウェットシート収納容器100を載置する場合であっても使いやすい高さとなる。
【0052】
また、脚部30は、その長手方向の長さを調節可能としてもよい。具体的な方法としては、
図4Aに示すようなネジ式や、
図4Bに示すようなピンと穴による伸縮式など、適宜公知の方法を適用することができ、特に限定されるものではない。脚部30の長手方向の長さを調節可能とすると、各ユーザーが自分に合った高さに調節したり、容器本体10と載置面との間のスペースを有効活用したりすることができるようになる。なお、脚部30の長手方向の長さを調節可能である場合、その長さの範囲は80mm~150mmとするのが好ましいのは勿論である。
【0053】
また、脚部30は、容器本体10に着脱可能としてもよい。これにより、
図5に示すように、ウェットシート収納容器100の容器本体下部12を上側として、一般的なウェットシート収納容器としても使用することができる。
【0054】
また、各図においては、ウェットシート収納容器100に脚部30が4本設けられている場合を図示したが、ウェットシート収納容器100が安定して自立することができればよく、これに限られない。脚部30が設けられる箇所も、容器本体10の下面部に限られず、側面部などでも構わない。
【0055】
また、各図においては複数の脚部30の長手方向の長さが略等しい場合を図示しているが、これに限られない。例えば、後側の脚部30に対して前側の脚部30の長手方向の長さを短くして、ウェットシート収納容器100の重心を前側にすると、収納空間Sを開放状態とした際に容器本体上部11の分だけウェットシート収納容器100の重心が後側に移っても、倒れ込んでしまうのを防ぐことができる。
【0056】
(ウェットシート積層体)
ウェットシート積層体Lは、所定の薬液が含浸されたウェットシートが複数積層されてなる。
【0057】
{ウェットシート}
ウェットシートは、シート材に薬液が含浸されたものであり、例えば、ウェットティッシュー、キッチンクリーナー、トイレクリーナー、制汗シート等である。
【0058】
ウェットシートのシート材は、所定の繊維を繊維素材として、例えば、スパンレース、エアスルー、エアレイド、ポイントボンド、スパンボンド、ニードルパンチ等の周知の技術により製造される不織布であることが好ましい。
【0059】
所定の繊維としては、例えば、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットン等のセルロース系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0060】
また、ウェットシートに含浸されている薬液としては、ウェットシートの用途に応じて任意のものを用いることができるが、例えば、精製水、防腐剤、pH調整剤、界面活性剤等を含有するものが好ましい。
【0061】
なお、
図2Aや
図3においては、ウェットシート積層体Lが直に収納空間Sに収納されている場合を図示したが、これに限られない。例えば、ウェットシート積層体Lを所定の包装体によって包装することで、より薬液の蒸散を防ぐようにしてもよい。所定の包装体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムの単材若しくは複合材、又はこれら合成樹脂フィルムとアルミホイル若しくは紙等を貼り合わせた複合フィルムを使用したものを用いることができる。
【0062】
[効果の説明]
以上に示すように、本実施形態に係るウェットシート収納容器100は、ウェットシート積層体Lが収納される収納空間Sを有する容器本体10と、容器本体10の下面に設けられた取出孔123aを開閉自在とする開閉蓋20と、容器本体10に下面から外方に突出するように設けられ、容器本体10を載置面から離間させる脚部30と、を備える。
【0063】
当該構成によれば、取出孔123aが容器本体10の下面に設けられているため、容器本体10に収納されたウェットシート積層体Lのうち、下側のウェットシートが空気に触れやすく、薬液が蒸散しやすくなっている一方で、重力に従って上側のウェットシートに含浸されている薬液が下側のウェットシートに移動する。
そのため、ウェットシート積層体Lのうち下側のウェットシートであっても、所定量の薬液が含浸されているため、薬液の含浸量が少ないウェットシートが取り出されるのを防ぐことができる。
【0064】
また、当該構成によれば、取出孔123aが容器本体10の下面に設けられているため、ウェットシート積層体Lのうち、最下端のウェットシートと取出孔123aの距離が常に一定となり、収納されたウェットシートの枚数が減っても一定の取り出しやすさが保たれる。
【0065】
また、容器本体10は、容器本体10の下面を除く面からウェットシート積層体Lを収納可能である。例えば本実施形態においては、接続部13を支点として容器本体上部11を回動させることで収納空間Sを開放状態として、ウェットシート積層体Lを収納することができる。
【0066】
従来のシート収納容器においては、ウェットシート積層体Lを収納する詰替え口が容器の下部に設けられており、シートの詰め替えを行う際は容器をひっくり返して詰替え口を開口させる必要があり、手間であった。しかし、本発明の当該構成によれば、容器本体10をひっくり返さずともよく、容易にウェットシート積層体Lの詰め替えを行うことができる。
【0067】
また、容器本体10は、ウェットシート積層体Lが載置される載置部127を備え、載置部127は、ウェットシート積層体Lの下端部のウェットシートと取出孔123aとを離間させる。
当該構成によれば、取出孔123aとウェットシート積層体Lとが離間するようになるため、ウェットシート積層体Lの包装体が取出孔123aから飛び出してしまったり、ウェットシートが取出孔123aに噛み込んでしまったりするのを防ぐことができる。
【0068】
また、脚部30は、長手方向の長さを調節可能である。
当該構成によれば、各ユーザーが自分に合った高さとなるようにウェットシート収納容器100の高さを調節したり、容器本体10と載置面との間のスペースを有効活用したりすることができるようになる。
【0069】
また、脚部30は、容器本体10に着脱自在である。
当該構成によれば、脚部30を取り外した上で容器本体10の上下を反転させることで、従来のウェットシート収納容器として使用することができる。
【0070】
[変形例]
また、本発明が、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む様々な変更が可能であるのはもちろんである。
【0071】
例えば
図3においては、左右方向に高さが一定である載置部127を例示したが、これに限られない。
具体的には、例えば
図6Aに示すような、容器本体10の中央部に向かうにつれて高さが低くなる載置部127や、
図6Bに示すような、容器本体10の中央部に向かうにつれて高さが高くなる載置部127としても構わない。ただし、ウェットシート積層体Lは柔軟性を有し、変形しうるため、この中でも特に、
図3又は
図6Bに示す載置部127とすると、ウェットシート積層体Lと取出部123が常に充分な距離だけ離間することとなり、より好ましい。
【0072】
また、上記においては、容器本体10が容器本体上部11と、容器本体下部12とに二分され、接続部13によって接続されており、接続部13を支点として容器本体上部11を回動させることで収納空間Sを開放状態とする構成を例示したが、容器本体10の構成及び容器本体10の収納空間Sを開放状態とする構成はこれに限られない。
【0073】
すなわち、例えば容器本体10を一体の1つの容器とした上で、下面を含む面のうちいずれか1つの面に取手部113を設けて、かつ、1つの辺のみで接合させた上で、取手部113を把持した上で当該1つの辺を支点として当該1つの面を回動させることで収納空間Sを開放状態とする戸型の構成など、適宜公知の構成を採用して構わない。
【0074】
また、取出孔123aの近傍部に適宜公知の方法を適用することで、ウェットシート積層体Lの薬液が取出孔123aから漏れ出してしまうのを防ぐようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
100 ウェットシート収納容器
10 容器本体
123 取出部
123a 取出孔
127 載置部
20 開閉蓋
30 脚部
L ウェットシート積層体