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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139591
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】生物ろ過装置及びその洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/06 20230101AFI20230927BHJP
【FI】
C02F3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045188
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】角吉 弘憲
(72)【発明者】
【氏名】飯野 浩成
【テーマコード(参考)】
4D003
【Fターム(参考)】
4D003AA01
4D003BA02
4D003CA02
4D003CA08
4D003DA01
4D003DA07
4D003DA22
4D003DA29
4D003EA22
4D003EA23
4D003EA24
4D003EA25
4D003EA30
4D003FA05
(57)【要約】
【課題】洗浄過多及び洗浄不足を低減する機構を備えた生物ろ過装置及びその洗浄方法を提供すること。
【解決手段】生物ろ過装置は、処理槽と、前記処理槽の内部に配置された生物ろ過層と、前記処理槽の内部における被処理水の水位を取得する水位センサと、前記水位センサの出力を取得する制御部と、を備え、前記水位センサは、予め設定された基準水位から所定距離だけ高い第1水位、及び、前記第1水位から前記所定距離だけ高い第2水位を取得し、前記制御部は、前記水位センサの出力に基づいて、前記被処理水が前記基準水位から前記第1水位に到達するまでの第1時間、及び、前記第1水位から前記第2水位に到達するまでの第2時間を計測すると共に、前記第1時間と前記第2時間とを比較した結果に応じて、前記生物ろ過層の洗浄パターンを変更する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽と、
前記処理槽の内部に配置された生物ろ過層と、
前記処理槽の内部における被処理水の水位を取得する水位センサと、
前記水位センサの出力を取得する制御部と、
を備え、
前記水位センサは、予め設定された基準水位から所定距離だけ高い第1水位、及び、前記第1水位から前記所定距離だけ高い第2水位を取得し、
前記制御部は、前記水位センサの出力に基づいて、前記被処理水が前記基準水位から前記第1水位に到達するまでの第1時間、及び、前記第1水位から前記第2水位に到達するまでの第2時間を計測すると共に、前記第1時間と前記第2時間とを比較した結果に応じて、前記生物ろ過層の洗浄パターンを変更する、生物ろ過装置。
【請求項2】
前記水位センサは、前記第2水位よりも高い第3水位をさらに取得し、
前記制御部は、前記被処理水の前記第3水位への到達を検出すると、前記生物ろ過層を強制的に洗浄する制御を実行する、請求項1に記載の生物ろ過装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1時間が前記第2時間よりも長い場合、前記被処理水の前記第3水位への到達を条件として前記生物ろ過層の洗浄を実行する第1洗浄パターンを選択し、前記第1時間と前記第2時間とが等しい場合、予め設定された洗浄間隔で前記生物ろ過層の洗浄を実行する第2洗浄パターンを選択する、請求項2に記載の生物ろ過装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2洗浄パターンを選択している間に、前記被処理水の前記第3水位への到達が連続して所定回数カウントされた場合、前記洗浄間隔を短くする、請求項3に記載の生物ろ過装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2洗浄パターンを選択している間に、前記被処理水の前記第1水位への到達が検出されなかった場合、前記洗浄間隔を長くする、請求項3又は4に記載の生物ろ過装置。
【請求項6】
前記生物ろ過層の洗浄は、ろ過処理中における前記被処理水の進行方向とは逆向きに、前記生物ろ過層の内部に空気、水、又は、空気及び水を供給することにより実行される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の生物ろ過装置。
【請求項7】
過去複数回の計測により取得した前記第1時間の平均値と、前記第1時間とを比較した結果、前記第1時間が前記平均値以上である場合、前記生物ろ過層の洗浄期間を所定期間短くする、請求項6に記載の生物ろ過装置。
【請求項8】
前記平均値と前記第1時間とを比較した結果、前記第1時間が前記平均値よりも短い場合、前記生物ろ過層の洗浄期間を所定期間長くする、請求項7に記載の生物ろ過装置。
【請求項9】
処理槽の内部に配置された生物ろ過層を含む生物ろ過装置の洗浄方法であって、
被処理水が予め設定された基準水位から所定距離だけ高い第1水位に到達するまでの第1時間を計測し、
前記被処理水が前記第1水位から前記所定距離だけ高い第2水位に到達するまでの第2時間を計測し、
前記第1時間と前記第2時間とを比較した結果に応じて、前記生物ろ過層の洗浄パターンを変更する、生物ろ過装置の洗浄方法。
【請求項10】
前記第1時間と前記第2時間とを比較した結果、前記第1時間が前記第2時間よりも長い場合、前記被処理水が前記第2水位よりも高い第3水位に到達したことを条件として前記生物ろ過層の洗浄を実行する第1洗浄パターンを選択し、前記第1時間と前記第2時間とが等しい場合、予め設定された洗浄間隔で前記生物ろ過層の洗浄を実行する第2洗浄パターンを選択する、請求項9に記載の生物ろ過装置の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、生物ろ過装置及びその洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屎尿、家庭用排水等の浄化処理に使用するろ過装置として、有機物の分解に微生物を利用した生物ろ過装置が知られている。通常、このような生物ろ過装置は、ろ材を処理槽内に充填して形成されたろ過層を有し、このろ過層を汚水が通過することにより汚水の浄化処理が行われる。例えば、特許文献1に記載された生物ろ過装置では、ろ過層に対し、好気性又は嫌気性の微生物を含む汚泥を付着させてある。したがって、上記生物ろ過装置は、汚水をろ過層内に供給することにより、有機性汚濁物質の分解処理と浮遊物質(SSと呼ばれる)の分離処理とを同時に行うことができる。
【0003】
上述の構成のろ過装置は、浄化処理が続くと徐々にろ過層内に汚濁物質の一部及び浮遊物質が付着してろ過層としての処理能力が低下する。したがって、ろ過層の処理能力を維持するためには、ろ材の定期的な洗浄が必要である。そのため、特許文献1に記載された生物ろ過装置では、ろ過層に対して逆洗と呼ばれる洗浄処理が行われ、定期的にろ過層の処理能力を改善する処理が行われている。ここで、逆洗とは、被処理水の流れる方向とは逆の方向に、空気(エア)、水、又は、空気及び水を供給し、ろ材同士を空気や水と混ざり合わせることにより、ろ材に付着した汚濁物質の一部や浮遊物質を除去する洗浄方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-143880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の生物ろ過装置は、ろ過層のサイズがあまり大きくないため、通常は、毎日洗浄を行っている。例えば、タイマーを用いて洗浄間隔を管理し、定期的に所定の洗浄時間で洗浄処理を行うようにしている。このように、従来は、ろ過層の状態を把握することなく、時間管理により定期的に洗浄処理を行うため、洗浄過多や洗浄不足になっても認識できないという問題があった。
【0006】
そこで、通常は、洗浄不足とならないように、洗浄処理の間隔を短めに設定したり、洗浄時間を多めに設定したりして対応していた。しかしながら、洗浄過多に設定してしまうと、ろ材に付着した微生物まで洗い流してしまう虞があり、かえって処理能力を低下させてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、洗浄過多及び洗浄不足を低減する機構を備えた生物ろ過装置及びその洗浄方法を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態における生物ろ過装置は、処理槽と、前記処理槽の内部に配置された生物ろ過層と、前記処理槽の内部における被処理水の水位を取得する水位センサと、前記水位センサの出力を取得する制御部と、を備え、前記水位センサは、予め設定された基準水位から所定距離だけ高い第1水位、及び、前記第1水位から前記所定距離だけ高い第2水位を取得し、前記制御部は、前記水位センサの出力に基づいて、前記被処理水が前記基準水位から前記第1水位に到達するまでの第1時間、及び、前記第1水位から前記第2水位に到達するまでの第2時間を計測すると共に、前記第1時間と前記第2時間とを比較した結果に応じて、前記生物ろ過層の洗浄パターンを変更する。
【0009】
前記水位センサは、前記第2水位よりも高い第3水位をさらに取得してもよい。前記制御部は、前記被処理水の前記第3水位への到達を検出すると、前記生物ろ過層を強制的に洗浄する制御を実行してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記第1時間が前記第2時間よりも長い場合、前記被処理水の前記第3水位への到達を条件として前記生物ろ過層の洗浄を実行する第1洗浄パターンを選択してもよく、前記第1時間と前記第2時間とが等しい場合、予め設定された洗浄間隔で前記生物ろ過層の洗浄を実行する第2洗浄パターンを選択してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記第2洗浄パターンを選択している間に、前記被処理水の前記第3水位への到達が連続して所定回数カウントされた場合、前記洗浄間隔を短くしてもよい。
【0012】
前記制御部は、前記第2洗浄パターンを選択している間に、前記被処理水の前記第1水位への到達が検出されなかった場合、前記洗浄間隔を長くしてもよい。
【0013】
前記生物ろ過層の洗浄は、ろ過処理中における前記被処理水の進行方向とは逆向きに、前記生物ろ過層の内部に空気、水、又は、空気及び水を供給することにより実行されてもよい。
【0014】
過去複数回の計測により取得した前記第1時間の平均値と、前記第1時間とを比較した結果、前記第1時間が前記平均値以上である場合、前記生物ろ過層の洗浄期間を所定期間短くしてもよい。また、前記平均値と前記第1時間とを比較した結果、前記第1時間が前記平均値よりも短い場合、前記生物ろ過層の洗浄期間を所定期間長くしてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態における生物ろ過装置の洗浄方法は、処理槽の内部に配置された生物ろ過層を含む生物ろ過装置の洗浄方法であって、被処理水が予め設定された基準水位から所定距離だけ高い第1水位に到達するまでの第1時間を計測し、前記被処理水が前記第1水位から前記所定距離だけ高い第2水位に到達するまでの第2時間を計測し、前記第1時間と前記第2時間とを比較した結果に応じて、前記生物ろ過層の洗浄パターンを変更する。
【0016】
前記第1時間と前記第2時間とを比較した結果、前記第1時間が前記第2時間よりも長い場合、前記被処理水が前記第2水位よりも高い第3水位に到達したことを条件として前記生物ろ過層の洗浄を実行する第1洗浄パターンを選択してもよく、前記第1時間と前記第2時間とが等しい場合、予め設定された洗浄間隔で前記生物ろ過層の洗浄を実行する第2洗浄パターンを選択してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態における生物ろ過装置の構成を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態における洗浄プロセスの一例を示すフローチャート図である。
図3】本発明の一実施形態における処理サイクルを説明するための図である。
図4】本発明の一実施形態における第1洗浄パターンを説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態における第2洗浄パターンを説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態における生物ろ過装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の大きさ、幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図面において、既出の図面に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0019】
(第1実施形態)
[生物ろ過装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態における生物ろ過装置100の構成を示す模式図である。本実施形態の生物ろ過装置100は、好気性微生物を付着させたろ材を用いて被処理水(原水)からSS(浮遊物質)や有機性汚濁物質を除去する浄化装置である。本実施形態では、生物ろ過層120の上方から被処理水が供給され、下向流により被処理水の浄化が行われる。
【0020】
生物ろ過装置100は、処理槽110、生物ろ過層120、水位センサ130、及び制御部140を含む。ただし、図1に示した生物ろ過装置100の構成は一例であり、他の要素が追加されていてもよい。なお、本実施形態では、生物ろ過装置100に着目して説明するが、浄化システムとしては、生物ろ過装置100以外に様々な浄化装置が設けられていてもよい。例えば、生物ろ過装置100の前段には、一又は複数の嫌気性ろ床装置が設けられていてもよい。
【0021】
処理槽110は、鋼板または合成樹脂により形成された円筒状の筐体である。処理槽110は、本実施形態の生物ろ過装置100の外枠に相当する。処理槽110の内部には、生物ろ過層120が配置される。
【0022】
生物ろ過層120は、ろ材によるSSの除去と好気性微生物による有機性汚濁物質の分解及び除去とを担う。ろ材は、微生物が多く生息できるように、表面積の大きい部材(担体)を用いることが好ましい。ろ材としては、例えば、岩石、溶融スラグ、セラミックス、プラスチック等を用いることができる。本実施形態では、ろ過砂と粉砕した無煙炭(アンスラサイト)を組み合わせたろ材を用いるが、この例に限られるものではない。ろ材に付着させる微生物としては、好気性微生物を用いる。好気性微生物は、有機物を分解したり、アンモニアを硝酸塩まで分解したりする性質がある。どのような微生物を用いるかは、生物ろ過装置100の用途や被処理水の含有物等によって決定すればよい。
【0023】
本実施形態では、生物ろ過層120として、上部ろ過層121及び下部ろ過層122を含む。上部ろ過層121では、主に溶解性有機物やSS等が分解、除去される。下部ろ過層122では、主にアンモニア性窒素等が分解、除去される。上述のとおり、本実施形態では、下向流で浄化処理が行われるため、前段の上部ろ過層121と後段の下部ろ過層122とで浄化処理の役割を分担することにより、効率よく被処理水の浄化処理を行うことができる。ただし、生物ろ過層120の構成は、この例に限られるものではなく、単層構成であってもよいし、3層以上の複層構成であってもよい。
【0024】
処理槽110の内部において、生物ろ過層120の下方には、空気や洗浄水を送り込むための洗浄補助領域125が設けられている。洗浄補助領域125は、後述する生物ろ過層120の洗浄処理を行う際に、処理槽110の外部から空気及び/水を供給するために使用する。なお、本実施形態の生物ろ過装置100は、水よりも比重の大きいろ材を用いているため、ろ材全体が沈殿する。そのため、図示は省略するが、本実施形態では、網状の仕切り部材を処理槽110の内部に設置して処理槽110の内部を区画化することにより洗浄補助領域125を形成している。
【0025】
水位センサ130は、処理槽110の内部における被処理水の水位を取得する機能を有する。本実施形態では、複数の端子を用いた接触型水位センサを用いた例を示している。複数の端子は、処理槽110の内部における水位が上昇すると、被処理水が各端子に接触する。そのため、各端子の先端の位置を把握することにより、被処理水が到達した水位を取得することができる。
【0026】
ただし、水位センサ130は、接触型水位センサに限られるものではなく、超音波センサ(距離センサ)等を用いた非接触型水位センサを用いることも可能である。この場合、被処理水の水面に向かって定期的に超音波を発することにより、水位の変化をほぼリアルタイムには取得することができる。
【0027】
本実施形態において、水位センサ130は、図1に示す第1水位(水位A)、第2水位(水位B)及び第3水位(水位C)を取得する。第1水位は、基準水位から所定距離Hだけ高い水位を示している。ここで、基準水位とは、予め設定された水位であり、図1では、水位Rと示されている。基準水位は、生物ろ過装置100の運転開始時における初期水位を示しており、後述する処理水管12のうち、最も高い位置にある部分の管底と同じ高さになる。
【0028】
第2水位は、第1水位から所定距離Hだけ高い水位を示している。つまり、本実施形態において、基準水位から第1水位までの高さと、第1水位から第2水位までの高さとは等しくなるように設定されている。ただし、所定距離Hは、完全に等しい場合に限定されるものではなく、実質的に等しいとみなせる範囲の誤差を含んでもよい。例えば、所定距離Hは、±5%の誤差を許容するものとしてよい。
【0029】
第3水位は、第2水位よりも高い水位であり、被処理水の上限を決める水位である。具体的には、後述する原水供給管11の管底よりも低い位置に設定される。本実施形態では、被処理水の水位が上昇して第3水位に達したとき、被処理水のオーバーフローを避けるため、強制的に洗浄プロセスに移行する。
【0030】
本実施形態では、所定距離Hを300mmとし、第2水位と第3水位との間の距離を100mmに設定するが、この例に限られるものではない。すなわち、第1水位、第2水位及び第3水位の位置は、処理槽110の高さ、原水供給管11の管底の位置、処理水管12の管底の位置等に応じて、適宜決定すればよい。
【0031】
制御部140は、生物ろ過装置100の各種制御を行う機能を有する。図示は省略するが、制御部140は、演算処理部及び記憶部を有し、生物ろ過装置100の制御に要する各種プログラム及びパラメータを記憶部に記憶する。例えば、制御部140の記憶部には、後述する生物ろ過層120の洗浄パターンを決定するためのプログラムが記憶されている。制御部140の演算処理部は、このプログラムを実行することにより、生物ろ過装置100の洗浄パターンを決定する。なお、本実施形態では、制御部140と他の要素との通信に無線通信を用いる例を示しているが、この例に限られるものではなく、有線通信を用いてもよい。
【0032】
処理槽110の内部で浄化処理が行われた処理水は、処理水槽150に貯留される。処理水槽150は、一時的に処理水を貯留する貯留槽である。処理水槽150に所定量以上の処理水が溜まったら外部施設に搬送する。
【0033】
次に、上述した生物ろ過装置100の周辺要素について説明する。処理槽110の上部には、原水供給管11が連結されている。原水供給管11の途中には自動弁21が配置されている。自動弁21は、制御部140によって制御され、アクチュエータにより作動するコントロールバルブである。例えば、自動弁21は、電磁バルブであってもよい。原水供給管11から処理槽110の内部に供給される被処理水は、自動弁21によって流量調整や供給制限が行われる。
【0034】
処理槽110の下部(具体的には、洗浄補助領域125)には、処理水管12が連結される。処理水管12の途中には自動弁22が配置されている。自動弁22は、自動弁21と同様に、制御部140によって制御されるコントロールバルブである。処理水管12によって処理槽110から移送される被処理水は、自動弁22によって流量調整や供給制限が行われる。
【0035】
水洗浄管13は、一端が処理水槽150の下部に連結され、他端がポンプ31及び逆止弁23を介して処理水管12に連結される。ポンプ31は、処理水槽150から処理水を吸い出し、逆止弁23を介して処理槽110の洗浄補助領域125に洗浄用の水として処理水を送り込む役割を担う。逆止弁23は、処理槽110から処理水槽150への逆流を防ぐために設けられている。
【0036】
空気洗浄管14は、一端が空中に開放され、他端がポンプ32及び逆止弁24を介して処理水管12に連結される。ポンプ32は、逆止弁24を介して処理槽110の洗浄補助領域125に洗浄用の空気を送り込む役割を担う。逆止弁24は、処理槽110からの処理水の逆流を防ぐために設けられている。
【0037】
排水管15は、処理槽110の内部から水を抜くための排水用の配管である。排水管15の上流には自動弁25が配置される。また、処理水管12、水洗浄管13及び空気洗浄管14と排水管15との間にも自動弁26が配置される。自動弁25及び26は、いずれも自動弁21と同様にコントロールバルブであり、制御部140によって制御される。
【0038】
[生物ろ過層の洗浄プロセス]
次に、本実施形態の生物ろ過装置100における生物ろ過層120の洗浄プロセスについて図1及び図2を用いて説明する。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態における洗浄プロセスの一例を示すフローチャート図である。図2に示す洗浄プロセスは、例えば、生物ろ過装置100の運転中、生物ろ過層120に目詰まりが生じ、徐々に処理槽110の内部の水位が上昇し、被処理水の水位が第3水位(水位C)に到達したとき、制御部140の制御によって実行される。
【0040】
まず、処理槽110から水を抜く水抜き処理が実行される(S201)。具体的には、自動弁21及び22が閉じられると共に自動弁25及び26が開けられ、排水管15を介して処理槽110の内部の水が排出される。水抜き処理は、被処理水の水位が第1水位(水位A)に到達するまで継続される。
【0041】
被処理水の水位が第1水位に到達したことが検出されると、次に、空気による一次洗浄処理が実行される(S202)。一次洗浄処理に先立って、自動弁25は開けたままにして自動弁26が閉じられる。その後、ポンプ32を作動させて処理槽110の洗浄補助領域125に空気が供給される。処理槽110の内部に供給された空気は、ろ材をかき混ぜながら生物ろ過層120を通過し、排水管15を介して排出される。本実施形態では、処理槽110が密閉型であるため、排水管15を介して空気を排出するが、処理槽110が開放型(例えば、上方が開放されているタイプ)である場合には、自動弁25を閉じていてもよい。
【0042】
一次洗浄処理によってろ材が攪拌され、ろ材同士が擦れることによってろ材表面に付着したSS等の汚泥を剥離させることができる。また、固化した汚泥を細かく崩すことができ、後のプロセスで外部に汚泥を排出しやすい状態とすることができる。この一次洗浄処理は、予め設定された時間継続される。
【0043】
一次洗浄処理が終了したら、次に、空気及び水による二次洗浄処理が実行される(S203)。二次洗浄処理は、ポンプ32に加えて、さらにポンプ31を作動させることにより実行される。すなわち、ポンプ31によって処理水槽150に貯留された処理水の一部が水洗浄管13を介して処理槽110の洗浄補助領域125に供給される。これにより、洗浄補助領域125には、空気及び処理水の両方が供給され、空気と水とが生物ろ過層120を通過する。
【0044】
生物ろ過層120を通過する際、空気及び水は、ろ材を攪拌させながら剥離した汚泥を水流によって上方に運ぶ。二次洗浄処理は、洗浄水が第3水位を超えるまで継続される。
【0045】
洗浄水の水位が第3水位に到達したことが検出されると、次に、水による三次洗浄処理が実行される(S204)。三次洗浄処理は、ポンプ32を停止させることにより実行される。すなわち、ポンプ32が停止して空気の供給が止まることによって洗浄補助領域125には、処理水のみが供給される。三次洗浄処理は、予め設定された時間継続され、その間、一次洗浄処理及び二次洗浄処理によって生物ろ過層120から剥離した汚泥等が排水管15を介して外部に排出される。
【0046】
三次洗浄処理が終了したら、次に、リンス処理(すすぎ処理)が実行される(S205)。リンス処理に先立って、自動弁25が閉じられると共に自動弁26が開けられ、ポンプ31が停止される。つまり、リンス処理では、処理槽110の内部に残存した洗浄水が、生物ろ過層120をすすぎながら排出される。リンス処理は、洗浄水の水位が第1水位(水位A)に到達するまで継続される。
【0047】
洗浄水の水位が第1水位に到達したことが検出されると、最後に、ろ過準備処理が実行される(S206)。ろ過準備処理では、自動弁21及び22が開けられた状態で、予め設定された時間だけ被処理水を生物ろ過層120に供給し、次の浄化処理(ろ過処理)の準備を行う。
【0048】
以上の各ステップを経て、生物ろ過装置100(具体的には、生物ろ過層120)の洗浄プロセスが実行される。ただし、図2に示した洗浄プロセスは一例に過ぎず、この例に限られるものではない。
【0049】
本実施形態の生物ろ過装置100は、水位センサ130の出力に基づいて、洗浄プロセスを実行するタイミングや各ステップの設定時間等を異ならせ、洗浄処理を最適化する機能を有する。洗浄処理の最適化について、以下に説明する。
【0050】
図3は、本発明の一実施形態における処理サイクルを説明するための図である。具体的には、図3は、生物ろ過装置100の運転開始から2回目までの処理サイクルを示した図である。図3に示すように、1回の処理サイクルは、ろ過工程と洗浄工程とを含む。洗浄工程における具体的な洗浄プロセスについては、図1及び図2を用いて説明したとおりである。
【0051】
処理サイクルの開始時、すなわち、ろ過処理の開始時は、処理槽110の内部における水位は、基準水位(水位R)である。ろ過処理が進行すると、被処理水の水位が徐々に上昇する。具体的には、被処理水の水位は、おおむね第1水位(水位A)まで指数関数的に(曲線状に)上昇する。このとき、被処理水が基準水位から第1水位に到達するまでの時間を第1時間T1とする。
【0052】
その後、さらにろ過処理が進行すると、被処理水の水位は、第2水位(水位B)まで線形関数的に(直線状に)上昇する。このとき、被処理水が第1水位から第2水位に到達するまでの時間を第2時間T2とする。
【0053】
さらにろ過処理が進行すると、被処理水の水位は、そのまま線形関数的に上昇して、第3水位(水位C)に到達する。図3に示す例では、被処理水の水位(水面)が第3水位に到達した時点で、強制的にろ過工程から洗浄工程に移行する。このとき、被処理水が基準水位から第3水位に到達するまでの時間を第3時間T3とする。洗浄工程に移行すると、図2に示したプロセスフローに従って生物ろ過装置100の洗浄処理が実行される。
【0054】
以上の処理サイクルを繰り返すことによって、継続的に生物ろ過処理による原水の浄化処理が行われる。しかしながら、処理サイクルは、生物ろ過処理が進行すると、徐々に生物ろ過層120の劣化(例えば、目詰まり)によって水位上昇に要する時間が変化する。ここで、図4及び図5を用いて、水位上昇に要する時間の変化について説明する。
【0055】
図4は、本発明の一実施形態における第1洗浄パターンを説明するための図である。図5は、本発明の一実施形態における第2洗浄パターンを説明するための図である。図4及び図5に示すグラフは、図3に示した1つの処理サイクルに対応する。例えば、図4は、1回目の処理サイクルに対応し、図5は、10回目の処理サイクルに対応する。
【0056】
図4に示すように、初期の処理サイクルでは、基準水位から第1水位までは被処理水の水位が指数関数的に変化する。初期の処理サイクルでは、生物ろ過層120に十分な量と質の微生物が存在しないため、表層部におけるSSの補足が目詰まりの支配的要因となる。このとき、生物ろ過層120の内層部では、細かいSSの補足が生じており、これが内層部の目詰まりの要因となる。その後、生物ろ過層120における微生物の増殖が進行すると、微生物によって表層部のSSの同化や可溶化が進み、生物ろ過層120の内層部におけるSSの補足も増加する。その結果、時間経過と共に内層部における目詰まりも徐々に増加するため、それが指数関数的な水位上昇として現れている。
【0057】
その後、被処理水の水位は、第1水位を超えると線形関数的に変化する。ここで、上述のとおり、第1水位と第2水位との間の距離(図1の距離H)は、基準水位と第1水位との間の距離に等しい。したがって、図4に示すように、被処理水が基準水位から第1水位に到達するまでの第1時間T1は、被処理水が第1水位から第2水位に到達するまでの第2時間T2よりも長くなる。
【0058】
本実施形態において、生物ろ過装置100の制御部140は、水位センサ130の出力に基づいて、第1時間T1及び第2時間T2を計測し、両者を比較することにより、第1時間T1及び第2時間T2の大小関係を判定する。その結果、図4に示すように、第2時間が第1時間よりも短い場合、制御部140は、被処理水が第3水位(水位C)へ到達したことをトリガとして、生物ろ過層120の洗浄工程に移行する。このように、被処理水の第3水位への到達を条件として生物ろ過層120の洗浄を実行する洗浄パターンを「第1洗浄パターン」とよぶ。
【0059】
図4に示した初期の処理サイクルは、生物ろ過層120において微生物が盛んに増殖している期間にあるため、生物の繁殖を優先して極力洗浄工程を実行しないことが望ましい。そのため、本実施形態では、第1時間が第2時間よりも長いと判定された場合、制御部140は、第3水位まで被処理水の水位が上昇するのを待って洗浄工程に移行する第1洗浄パターンを選択する制御を実行する。
【0060】
他方、処理サイクルが繰り返されて生物ろ過層120における微生物の繁殖が進み、量と質とが安定してくると、生物ろ過層120の内層部においてろ過処理が平衡状態となる。つまり、微生物による内層部の閉塞、微生物によるSSの同化や可溶化、及び、微生物の増殖を繰り返す一連のサイクルが形成され、基準水位から第1水位までの被処理水の水位変化が線形になる。その結果、図5に示すように、基準水位から第2水位に至るまで被処理水の水位が線形関数的に変化するため、第1時間T1と第2時間T2とが等しくなる。つまり、第1時間T1と第2時間T2とが等しくなったことは、微生物の繁殖が安定したことを意味する。
【0061】
そこで、制御部140は、図5に示すように、第1時間と第2時間とが等しい場合、被処理水が第3水位へ到達することを待たずに、予め設定された洗浄間隔で生物ろ過層120の洗浄工程に移行する。すなわち、運転開始から予め設定された時間(例えば、24時間)に到達したことを条件として生物ろ過層120の洗浄工程を実行する。このように、予め設定された洗浄間隔で生物ろ過層120の洗浄を実行する洗浄パターンを「第2洗浄パターン」とよぶ。なお、「第1時間と第2時間とが等しい」とは、完全に等しい場合に限定されるものではなく、実質的に等しいとみなせる範囲の誤差を含んでもよい。例えば、第1時間と第2時間との差分が、±5%の範囲に収まる場合を許容するものとしてよい。
【0062】
以上のように、本実施形態の生物ろ過装置100は、被処理水が基準水位から第1水位に到達するまでの第1時間と、第1水位から第2水位に到達するまでの第2時間をと計測し、両者の比較結果に応じて、生物ろ過層120の洗浄パターンを変更する制御を実行する。これにより、生物ろ過層120の洗浄パターンを最適化し、洗浄過多や洗浄不足を低減して効率のよい浄化処理を実現することができる。このように、本実施形態によれば、洗浄過多及び洗浄不足を低減する機構を備えた生物ろ過装置100及びその洗浄方法を提供することができる。
【0063】
(第2実施形態)
第1実施形態では、被処理水が基準水位から第1水位に到達するまでの第1時間と、第1水位から第2水位に到達するまでの第2時間をと計測し、第1時間と第2時間とが等しい場合、予め設定された洗浄間隔で生物ろ過層120の洗浄工程に移行する(すなわち、第2洗浄パターンを選択する)ことを説明した。このとき、予め設定された洗浄間隔は、所定の条件が成立したときに調整することが可能である。
【0064】
例えば、制御部140が、第2洗浄パターンを選択しているとき(すなわち、第2洗浄パターンで処理サイクルを実行しているとき)、洗浄工程に移行する前に、被処理水の第3水位への到達が連続して3回カウントされた場合、予め設定された洗浄間隔(例えば、24時間)を1時間短くするよう変更してもよい。洗浄工程への移行前に被処理水の水位が第3水位に到達するということは、洗浄間隔が長すぎる蓋然性が高い。そのため、上述のように、被処理水の第3水位への到達が連続して発生したとき、洗浄間隔を短くするようパラメータ変更を行うことが有効となる。
【0065】
上述の制御を行う際、被処理水の第3水位への到達が何回連続したときにパラメータ変更を行うかは、3回に限らず、適宜決定すればよい。また、上記の例では、予め設定された洗浄間隔を1時間短くする例を示したが、この例に限らず、どの程度短くするかは生物ろ過装置100の運転状況等を踏まえて適宜決定すればよい。
【0066】
また、制御部140が、第2洗浄パターンを選択しているとき、洗浄工程に移行するまでに、被処理水の第1水位への到達が検出されなかった場合、予め設定された洗浄間隔(例えば、24時間)を1時間長くするよう変更してもよい。洗浄工程への移行までに被処理水の水位が第1水位に到達しないということは、洗浄間隔が短すぎる蓋然性が高い。そのため、上述のように、被処理水の第1水位への到達が検出されなかったとき、洗浄間隔を長くするようパラメータ変更を行うことが有効となる。この場合も、予め設定された洗浄間隔をどの程度長くするかは生物ろ過装置100の運転状況等を踏まえて適宜決定すればよい。
【0067】
(第3実施形態)
本実施形態では、被処理水の水位が、基準水位から第1水位に変化するのに要する時間(第1時間T1)に基づいて、洗浄プロセスの各パラメータを変更する例について説明する。
【0068】
本実施形態では、まず、上述した第1時間T1について、過去複数回の計測により取得した平均値D1を求める。例えば、制御部140は、過去7回分の第1時間T1について平均値を演算により求めておく。その後、制御部140は、第1時間T1と平均値D1とを比較して、第1時間T1と平均値D1との間の大小関係を判定する。
【0069】
判定の結果、第1時間T1が平均値D1以上である場合(D1≦T1)、過去の平均値よりも第1水位への水位上昇速度が遅いため、洗浄過多になっていると判断することができる。そのため、図2を用いて説明した「一次処理」及び「三次処理」の処理期間を所定期間短くする。例えば、「一次処理」及び「三次処理」の処理期間を1分間短くするようにパラメータ変更を行うことができる。
【0070】
また、判定の結果、第1時間T1が平均値D1より短い場合(D1>T1)、過去の平均値よりも第1水位への水位上昇速度が速いため、洗浄不足になっていると判断することができる。そのため、図2を用いて説明した「一次処理」及び「三次処理」の処理期間を所定期間長くする。例えば、「一次処理」及び「三次処理」の処理期間を1分間長くするようにパラメータ変更を行うことができる。
【0071】
以上のように、基準水位から第1水位に至るまでの水位変化の挙動を監視することにより、洗浄プロセスの各パラメータを最適化し、効率よく洗浄工程を実行することが可能となる。
【0072】
(第4実施形態)
本実施形態では、上向流で浄化処理を行うタイプの生物ろ過装置に適用した例について説明する。
【0073】
図6は、本発明の一実施形態における生物ろ過装置100aの構成を示す模式図である。本実施形態では、生物ろ過層120aの下方から被処理水が供給され、上向流により被処理水の浄化が行われる。
【0074】
生物ろ過装置100aは、処理槽110a、生物ろ過層120a、水位センサ130a、及び制御部(図示せず)を含む。説明の便宜上、生物ろ過装置100aに連結された配管等については図示を省略するが、洗浄プロセスにおいて処理水を利用することや、空気、水、又は、空気及び水を生物ろ過層120aの下方から供給して洗浄する点は、第1実施形態と同様である。また、図示は省略するが、第1実施形態と同様に、生物ろ過装置100aに連結された各配管にはポンプや自動弁が配置されており、それぞれ生物ろ過装置100aの制御部によって制御される。
【0075】
本実施形態の生物ろ過装置100aでは、処理槽110aが、仕切り部材111aによって2つの空間に区分されている。具体的には、処理槽110aは、反応槽111bと原水供給層111cとを含む。反応槽111bには、生物ろ過層120aが配置され、被処理水の浄化処理が行われる。原水供給層111cには、上方から原水(被処理水)が供給される。供給された原水は、原水供給層111cを経由して反応槽111bに供給され、上向流にて生物ろ過層120aを通過する。生物ろ過層120aを通過して浄化処理が行われた処理水は、処理水槽150aに貯留される。
【0076】
本実施形態のように、上向流にて浄化処理を行うタイプの生物ろ過装置100aでは、原水供給層111cにおいて、被処理水の水位の監視を行う。本実施形態では、原水供給層111cの上方に水位センサ130aを配置し、被処理水の水位を取得する構造となっている。本実施形態の水位センサ130aは、超音波センサを用いて被処理水の水面の位置を計測することにより、被処理水の水位を取得することができる。
【0077】
以上のように、上向流にて浄化処理を行うタイプの生物ろ過装置100aでは、生物ろ過層120aよりも上流側に位置する被処理水の水面の位置を計測することにより、被処理水の水位を取得する。これにより、本実施形態の生物ろ過装置100aにおいても、第1実施形態と同様に、水位センサ130aの出力に基づいて、生物ろ過層120aの洗浄パターンを変更する制御を実行する。
【0078】
本発明の実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。上述した各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0079】
また、上述した実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0080】
11…原水供給管、12…処理水管、13…水洗浄管、14…空気洗浄管、15…排水管、21、22…自動弁、23、24…逆止弁、25、26…自動弁、31、32…ポンプ、100、100a…ろ過装置、110、110a…処理槽、111a…仕切り部材、111b…反応槽、111c…原水供給層、120、120a、121、122…ろ過層、125…洗浄補助領域、130、130a…水位センサ、140…制御部、150、150a…処理水槽
図1
図2
図3
図4
図5
図6