IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日鐵住金株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-露点腐食試験方法 図1
  • 特開-露点腐食試験方法 図2
  • 特開-露点腐食試験方法 図3
  • 特開-露点腐食試験方法 図4
  • 特開-露点腐食試験方法 図5
  • 特開-露点腐食試験方法 図6
  • 特開-露点腐食試験方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139610
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】露点腐食試験方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 17/00 20060101AFI20230927BHJP
【FI】
G01N17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045222
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001553
【氏名又は名称】アセンド弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 悠
(72)【発明者】
【氏名】西本 工
(72)【発明者】
【氏名】富尾 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】長澤 慎
(72)【発明者】
【氏名】児玉 正行
(72)【発明者】
【氏名】澤田 真也
(72)【発明者】
【氏名】川端 紀正
【テーマコード(参考)】
2G050
【Fターム(参考)】
2G050AA01
2G050BA04
2G050BA06
2G050BA10
2G050CA08
2G050EB02
2G050EC01
(57)【要約】
【課題】腐食性ガスによる露点腐食を十分に模擬できる露点腐食試験方法を提供する。
【解決手段】試験方法は、試験容器の内側に試験片を配置する試験片取付け工程(#20)と、腐食性ガス及び水蒸気を試験容器に供給して高温の状態に維持しつつ、試験片の表面を腐食性ガス及び水蒸気よりも低温に維持する試験工程(#30)と、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐食性ガスによる露点腐食を模擬する露点腐食試験方法であって、
試験容器の内側に試験片を配置する試験片取付け工程と、
高温に加熱した腐食性ガス及び水蒸気を前記試験容器に供給して高温の状態に維持しつつ、前記試験片の表面を前記腐食性ガス及び前記水蒸気よりも低温に維持する試験工程と、を含む、露点腐食試験方法。
【請求項2】
請求項1に記載の露点腐食試験方法であって、
当該露点腐食試験方法は、前記試験容器を含む試験装置を用いて行われ、
前記試験装置は、
複数の前記試験片のそれぞれを取り付けるための複数の試験片取付け部を含む壁を有する試験容器と、
前記試験容器の内部の雰囲気を加熱する容器用ヒーターと、
前記腐食性ガスを前記試験容器に導く第1配管と、
前記第1配管の内部を流通する前記腐食性ガスを加熱する第1ヒーターと、
前記水蒸気を前記試験容器に導く第2配管と、
前記第2配管の内部を流通する前記水蒸気を加熱する第2ヒーターと、
前記試験容器の前記壁のうち前記試験片取付け部の外面に設けられ、前記試験片取付け部を冷却する試験片用クーラーと、
前記試験容器の前記壁のうち前記試験片取付け部の周囲の外面に設けられ、前記試験片取付け部の前記周囲を加熱する試験片用ヒーターと、を備える、露点腐食試験方法。
【請求項3】
請求項2に記載の露点腐食試験方法であって、
当該露点腐食試験方法は、さらに、
前記試験片として、一対の導線が接続された第1試験片、及び前記導線を有しない第2試験片を準備する試験片準備工程を含み、
前記試験片取付け工程では、前記第1試験片及び前記第2試験片をそれぞれ、対応する前記試験片取付け部に取り付け、
前記試験工程では、前記容器用ヒーター、前記第1ヒーター、前記第2ヒーター、前記試験片用クーラー及び前記試験片用ヒーターを作動させ、且つ前記導線を通じて前記第1試験片に一定値の電流を印加した状態で、前記腐食性ガス及び前記水蒸気を前記試験容器に供給し、前記導線を通じて前記第1試験片に作用する電圧の変化を検出する、露点腐食試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、露点腐食試験方法に関する。より詳細には、本開示は、腐食性ガスによる露点腐食を模擬する露点腐食試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電設備又はごみ焼却設備などの燃焼系設備では、排ガス中にSOx(SO、SO)及び水蒸気が含まれる。この場合、排気管、煙道及び煙突などの排ガス経路において、経路壁面の温度が露点を下回れば、硫酸の結露が生じ、経路壁面に激しい腐食が発生する。そこで、排ガス経路に使用される材料(例:鋼材)を開発するとき、露点腐食に対する評価が必要となる。このため、露点腐食を模擬する露点腐食試験の確立が要請される。
【0003】
露点腐食試験に関する従来技術は、例えば特開2021-131340号公報(特許文献1)に提案されている。特許文献1は、試験片に対して硫酸露点腐食試験を行う試験装置、及びその試験装置を用いた試験方法を開示する。特許文献1の硫酸露点腐食試験装置は、O供給源と、SO供給源と、SO生成部と、水蒸気供給源と、試験槽と、を備える。SO生成部は、O供給源から供給されたO、及びSO供給源から供給されたSOを、触媒を介して反応させることでSOを生成する。試験槽は、試験片を収容する。試験槽には、SO生成部で生成されたSOと水蒸気供給源から供給された水蒸気とを含む混合ガスが充填される。特許文献1の硫酸露点腐食試験方法は、このような硫酸露点腐食試験装置を用いて、試験片の耐硫酸露点腐食性を評価する。
【0004】
特許文献1の技術において、硫酸露点腐食は、硫酸浸漬試験又は硫酸全面腐食試験などにより評価される硫酸腐食ではなく、SOを含むガスと水蒸気との混合ガスが試験槽で冷却されて、材料(試験片)の表面で硫酸の結露となることで生じる硫酸露点腐食を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-131340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の硫酸露点腐食試験では、SOを含むガスと水蒸気との混合ガスが、試験槽に充填された後、試験片に到達する前に冷やされる場合がある。この場合、試験片以外の場所で結露が生じる。つまり、SOガスが、試験片に到達する前に消費される。そうすると、試験片の表面で生じる結露が少なくなる。つまり、目的の濃度のSOガスが試験片の表面に到達しない。このため、設計通りの試験を行うことができない可能性があり、SOガスによる露点腐食を十分に模擬できるとは言えない。また、特許文献1では、SOガスによる露点腐食が想定されているが、SOガス以外の腐食性ガス(例:HClガス)による露点腐食についても同様のことが言える。
【0007】
本開示の目的は、腐食性ガスによる露点腐食を十分に模擬できる露点腐食試験方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る露点腐食試験方法は、腐食性ガスによる露点腐食を模擬する試験方法である。この露点腐食試験方法は、試験片取付け工程と、試験工程と、を含む。試験片取付け工程は、試験容器の内側に試験片を配置する。試験工程は、高温に加熱した腐食性ガス及び水蒸気を試験容器に供給して高温の状態に維持しつつ、試験片の表面を腐食性ガス及び水蒸気よりも低温に維持する。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る露点腐食試験方法によれば、腐食性ガスによる露点腐食を十分に模擬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態の露点腐食試験方法で用いる試験装置の一例を示す模式図である。
図2図2は、露点腐食試験装置における試験容器の一例を示す横断面図である。
図3図3は、露点腐食試験装置における試験容器の一例を示す側面図である。
図4図4は、露点腐食試験装置における試験容器の一例を示す縦断面図である。
図5図5は、露点腐食試験装置における試験片取付け部の一例を水平面で切断したときの断面図である。
図6図6は、試験装置を用いた本実施形態の試験方法を示すフロー図である。
図7図7は、本実施形態の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、本開示の実施形態について例を挙げて説明するが、本開示は以下で説明する例に限定されない。以下の説明において特定の数値や特定の材料を例示する場合があるが、本開示はそれらの例示に限定されない。
【0012】
本開示の実施形態に係る露点腐食試験方法は、腐食性ガスによる露点腐食を模擬する試験方法である。この露点腐食試験方法は、試験片取付け工程と、試験工程と、を含む。試験片取付け工程は、試験容器の内側に試験片を配置する。試験工程は、高温に加熱した腐食性ガス及び水蒸気を試験容器に供給して高温の状態に維持しつつ、試験片の表面を腐食性ガス及び水蒸気よりも低温に維持する(第1の構成)。
【0013】
第1の構成の試験方法では、腐食性ガス及び水蒸気は、高温の状態に維持されたまま、試験片に到達する。このとき、試験片が低温の状態になっているため、試験片の表面で腐食性ガスによる結露が生じる。試験片の周辺で結露は生じない。要するに、試験容器内の腐食性ガス及び水蒸気は、試験片に到達する前に冷やされることはなく、試験片以外の場所で結露が生じることはない。つまり、腐食性ガスが、試験片に到達する前に消費されることはない。そうすると、目的の濃度の腐食性ガスが試験片の表面に到達する。このため、設計通りの試験を行うことができる。したがって、第1の構成の試験方法によれば、腐食性ガスによる露点腐食を十分に模擬することができる。
【0014】
上記の試験方法は、好ましくは、上記の試験容器を含む試験装置を用いて行われる。具体的には、試験装置は、試験容器と、容器用ヒーターと、第1配管と、第1ヒーターと、第2配管と、第2ヒーターと、試験片用クーラーと、試験片用ヒーターと、を備える。試験容器は、複数の試験片のそれぞれを取り付けるための複数の試験片取付け部を含む壁を有する。容器用ヒーターは、試験容器の内部の雰囲気を加熱する。第1配管は、腐食性ガスを試験容器に導く。第1ヒーターは、第1配管の内部を流通する腐食性ガスを加熱する。第2配管は、水蒸気を試験容器に導く。第2ヒーターは、第2配管の内部を流通する水蒸気を加熱する。試験片用クーラーは、試験容器の壁のうち試験片取付け部の外面に設けられ、試験片取付け部を冷却する。試験片用ヒーターは、試験容器の壁のうち試験片取付け部の周囲の外面に設けられ、試験片取付け部の周囲を加熱する(第2の構成)。第2の構成の試験方法は、実用性に富む。
【0015】
第2の構成の試験方法は、好ましくは、さらに試験片準備工程を含む。試験片準備工程は、試験片として、一対の導線が接続された第1試験片、及び導線を有しない第2試験片を準備する。試験片取付け工程は、第1試験片及び第2試験片をそれぞれ、対応する試験片取付け部に取り付ける。試験工程は、容器用ヒーター、第1ヒーター、第2ヒーター、試験片用クーラー及び試験片用ヒーターを作動させ、且つ導線を通じて第1試験片に一定値の電流を印加した状態で、腐食性ガス及び水蒸気を試験容器に供給し、導線を通じて第1試験片に作用する電圧の変化を検出する(第3の構成)。
【0016】
上記の試験方法において、典型的な例では、試験片、すなわち第1試験片及び第2試験片はそれぞれ板状を有する。試験片の材質は、鋼、合金などの金属である。第1試験片の材質は、第2試験片の材質と同じである。試験工程のとき、容器用ヒーター、第1ヒーター、第2ヒーター、試験片用クーラー及び試験片用ヒーターを作動させ、且つ導線を通じて第1試験片に一定値の電流を印加した状態で、腐食性ガス及び水蒸気を試験容器に供給する。
【0017】
第1試験片及び第2試験片のそれぞれは、対応する試験片取付け部に接触していて、試験片取付け部と接触する部分に試験片取付け部から熱が直接伝わる。試験片取付け部は、試験片用クーラーによって冷却されて低温の状態であり、試験片取付け部の周囲は、試験片用ヒーターによって加熱されて高温の状態である。このため、第1試験片及び第2試験片は低温の状態になり、第1試験片及び第2試験片それぞれの周辺は高温の状態になる。一方、腐食性ガスは、第1ヒーターによって加熱されて高温の状態になり、水蒸気は、第2ヒーターによって加熱されて高温の状態になる。高温の腐食性ガスが第1配管を通じて試験容器に供給されるとともに、高温の水蒸気が第2配管を通じて試験容器に供給される。試験容器に供給された腐食性ガス及び水蒸気は、容器用ヒーターによって加熱されて、高温の状態に維持される。
【0018】
そして、腐食性ガス及び水蒸気は、高温の状態に維持されたまま、第1試験片及び第2試験片のそれぞれに到達する。このとき、第1試験片が低温の状態になっているため、第1試験片の表面で腐食性ガスによる結露が生じる。第1試験片の周辺は高温の状態になっているため、第1試験片の周辺で結露は生じない。第2試験片でも第1試験片と同様のことが言える。
【0019】
要するに、試験容器内の腐食性ガス及び水蒸気は、第1試験片及び第2試験片に到達する前に冷やされることはなく、第1試験片以外の場所及び第2試験片以外の場所で結露が生じることはない。つまり、腐食性ガスが、第1試験片及び第2試験片に到達する前に消費されることはない。そうすると、目的の濃度の腐食性ガスが第1試験片及び第2試験片それぞれの表面に到達する。このため、設計通りの試験を行うことができる。したがって、第1の構成の試験方法によれば、腐食性ガスによる露点腐食を十分に模擬することができる。
【0020】
露点腐食の進行に伴って、第1試験片及び第2試験片それぞれの厚みは次第に減少する。所定時間の経過後、第1試験片及び第2試験片それぞれの厚みを測定すれば、試験前後の厚み差から各試験片における露点腐食の度合いを把握することができる。この場合、複数の結果が得られるため、信頼性が高まる。また、試験片の重量についても、厚みと同様のことが適用される。
【0021】
また、試験工程では、導線を通じて第1試験片に作用する電圧の変化を検出する。ここで、露点腐食の進行に伴って、第1試験片の厚みは次第に減少する。このため、露点腐食の進行に伴って、第1試験片の電気抵抗は増加し、第1試験片に作用する電圧は増加する。そうすると、検出した電圧の増加量より、第1試験片の厚みの減少量を算出することができる。したがって、試験工程において、第1試験片における露点腐食の度合いを監視することができる。
【0022】
腐食性ガスは、結露して激しい腐食を引き起こす限り、特に限定されない。典型的な例では、腐食性ガスは、SO(三酸化硫黄)ガスである。SOは無水硫酸とも称される。腐食性ガスは、例えば、HCl(塩化水素)ガスであってもよい。腐食性ガスは、例えば、NO(二酸化窒素)ガス、NO(三酸化窒素)ガス、CO(二酸化炭素)ガス、CO(一酸化炭素)ガス、HS(硫化水素)ガスなどであってもよい。
【0023】
上記の試験方法で用いる試験装置は、好ましくは、下記の構成を備える。試験片用クーラーは、冷却箱と、給水管と、排水管と、を含む。冷却箱は、試験片取付け部の外面に接触する。給水管は、冷却箱に冷却水を供給する。排水管は、通水路から冷却水を排出する。この場合、試験片取付け部を冷却水との熱交換によって効果的に冷却することができる。
【0024】
上記の試験方法で用いる試験装置は、好ましくは、下記の構成を備える。試験片用ヒーターは、電熱線を含む。この場合、試験片取付け部の周囲を電熱線によって効果的に加熱することができる。
【0025】
上記の試験方法で用いる試験装置は、下記の構成を備えてもよい。試験片取付け部を含む上記の壁が試験容器の側壁である。
【0026】
上記の試験方法で用いる試験装置において、腐食性ガスがSOガスである場合、第1配管は、SO(二酸化硫黄)ガスを酸化させてSOガスを生成する反応部を含む。SOガスは、亜硫酸ガスとも称される。この試験装置では、SOガスの起源として、SOガスが用いられる。反応部では、触媒によって、SOガスからSOガスへの化学反応が促進する。触媒として、V(五酸化バナジウム)又は白金などが用いられる。
【0027】
以下に、図面を参照しながら、本実施形態の露点腐食試験方法についてその具体例を説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。本実施形態の試験方法は、露点腐食試験装置を用いる。
【0028】
[露点腐食試験装置100の全体構成]
図1は、本実施形態の露点腐食試験方法で用いる試験装置100の一例を示す模式図である。図1を参照して、試験装置100は、試験容器1と、第1配管10と、第2配管20と、を備える。試験容器1は、試験片TPを取り付けるための試験片取付け部40を含む。試験容器1の詳細な構成は後述する。
【0029】
第1配管10は、試験容器1に接続されている。第2配管20は試験容器1に接続されている。第1配管10は腐食性ガスを試験容器1に導く。第2配管20は水蒸気を試験容器1に導く。第1配管10は金属(例:ステンレス鋼、Ni基合金鋼)製である。第1配管10の材質は、フッ素樹脂(例:PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))であってもよい。第1配管10は第1ヒーター11で覆われている。第1ヒーター11として、例えば、リボンヒーターが用いられる。第1配管10の内部を流通する腐食性ガスは、第1ヒーター11によって加熱される。第2配管20は金属(例:ステンレス鋼、Ni基合金鋼)製である。第2配管20の材質は、フッ素樹脂(例:PTFE)であってもよい。第2配管20は第2ヒーター21で覆われている。第2ヒーター21として、例えば、リボンヒーターが用いられる。第2配管20の内部を流通する水蒸気は、第2ヒーター21によって加熱される。
【0030】
本実施形態において、試験容器1に供給される腐食性ガスは、SOガスである。この場合、第1配管10は反応部12を含む。反応部12は第1配管10に接続されている。反応部12は、例えば、管状炉である。この管状炉は、燃焼管、多孔質体及び触媒を備える。触媒が多孔質体に付着していて、この多孔質体が燃焼管に充填されている。触媒として、Vが用いられる。多孔質体として、沸石が用いられる。燃焼管として、セラミックスが用いられる。管状炉において、燃焼管が加熱され、さらに多孔質体及び触媒が加熱される。この状態で、燃焼管内にSOガス及びOガスが導入されれば、SOガスが酸化してSOガスが生成される。このとき、触媒によって、SOガスからSOガスへの化学反応が促進する。要するに、反応部12において、SOガスが生成される。
【0031】
反応部12でSOガスを生成するために、SOガス及びOガスが反応部12に導入される。このため、SOガス源13及びOガス源14がそれぞれ、配管を通じて反応部12に接続されている。SOガス源13は、例えばSOガスボンベである。Oガス源14は、例えばOガスボンベである。Oガス源14は空気ボンベであってもよい。ただし、個別のOガス源14が設けられていなくてもよい。SOガス源13と反応部12とを接続する配管内に微量の酸素が残っていれば、反応部12でSOガスが生成されるためである。
【0032】
反応部12には、N(窒素)ガス源15が接続されていてもよい。Nガス源15は、例えばNガスボンベである。Nガス源15から反応部12に導入されるNガスによって、反応部12で生成されるSOガスの濃度を調整することが可能になる。Nガスは、試験後にパージガスの役割も担う。
【0033】
本実施形態では、第2配管20は加湿部22を含む。加湿部22は第2配管20に接続されている。加湿部22は加湿槽を備える。加湿槽には水が溜められている。Oガスが加湿部22を通過することにより、加湿槽の水が蒸発し、Oガスに水蒸気が混ざる。このため、Oガス源23が、配管を通じて加湿部22に接続されている。Oガス源23は、例えばOガスボンベである。Oガス源23は空気ボンベであってもよい。Oガスは、キャリアガスの役割を担う。加湿部22では、加湿槽の水が加熱されてもよい。この場合、水蒸気が効率よく発生する。
【0034】
加湿部22には、Nガス源24が接続されていてもよい。Nガス源24は、例えばNガスボンベである。Nガス源24から加湿部22に導入されるNガスによって、加湿部22に導入されるOガスの濃度を調整することが可能になる。さらに、加湿部22には、Ar(アルゴン)ガス源25が接続されていてもよい。Arガス源25は、例えばArガスボンベである。Arガスは、試験後にパージガスの役割を担う。
【0035】
図1に示す例では、第1配管10及び第2配管20は、それぞれ個別に、試験容器1に接続されている。この場合、第1ヒーター11によって加熱された高温の腐食性ガス(SOガス)は、第1配管10から試験容器1に供給される。第2ヒーター21によって加熱された高温の水蒸気は、第2配管20から試験容器1に供給される。そして、高温の腐食性ガスと高温の水蒸気は、試験容器1内で混合される。ただし、第1配管10と第2配管20は、試験容器1の手前で合流した後に試験容器1に接続されていてもよい。この場合、高温の腐食性ガスと高温の水蒸気は、試験容器1に供給される前に混合される。そして、高温の混合ガス(腐食性ガス及び水蒸気)が試験容器1に供給される。
【0036】
試験容器1には、排気管3が接続されている。排気管3は吸収タンク4に接続されている。試験容器1内の腐食性ガス(SOガス)がそのまま外部に放出されると、環境が汚染される。このため、試験容器1内の腐食性ガスを排出するとき、腐食性ガスは、排気管3を通じて吸収タンク4に収容され、吸収タンク4で無害化される。
【0037】
さらに、試験容器1には、ドレン5が設けられている。試験後、試験容器1内に腐食性ガスによる廃液が残存する場合がある。この廃液は、ドレン5を通じて回収される。
【0038】
[試験容器1]
図2及び図3は、本実施形態の露点腐食試験方法で用いる試験装置100における試験容器1の一例を示す模式図である。図2には、試験容器1の横断面図が示される。図3には、試験容器1の側面図が示される。本明細書において、横断面は、試験容器1の中心軸1cに垂直な断面を意味する。また、縦断面は、試験容器1の中心軸1cに沿った断面を意味する。試験容器1の中心軸1cは鉛直方向に沿う。
【0039】
図2及び図3を参照して、試験容器1は、本体30と、上部ヒーター31aと、下部ヒーター31bと、を備える。本体30は角筒状であり、本体30の横断面形状は正八角形である。本体30において、平らな各側壁に、試験片TPを取り付けるための試験片取付け部40が設けられる。つまり、図2及び図3に示す試験容器1では、8つの試験片取付け部40が設けられる。試験片取付け部40の詳細な構成は後述する。
【0040】
本体30の横断面形状は、多角形である限り、特に限定されない。例えば、本体30の横断面形状は、正四角形、正六角形、又は正十二角形などであってもよい。本体30の材質は、フッ素樹脂(例:PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))である。本体30の材質は、金属(例:Ni基合金鋼、ステンレス鋼)であってもよい。ただし、本体30の材質は、耐熱性及び耐薬品性に優れる限り、特に限定されない。
【0041】
本体30の上端は、上部ヒーター31aによって開閉可能に閉ざされる。つまり、上部ヒーター31aは、上蓋の役割を担う。本体30の下端は、下部ヒーター31bによって閉ざされる。つまり、下部ヒーター31bは、底壁の役割を担う。上部ヒーター31a及び下部ヒーター31bとして、例えば、シリコンラバーヒーターが用いられる。上部ヒーター31a及び下部ヒーター31bは、容器用ヒーター31を構成する。試験容器1の内部の雰囲気は、容器用ヒーター31によって加熱される。つまり、各々が試験容器1に供給され、各々が高温の腐食性ガス(SOガス)及び水蒸気は、容器用ヒーター31によって加熱されて、高温の状態に維持される。
【0042】
下部ヒーター31bの上には、撹拌子32が載置される。下部ヒーター31bの下にマグネチックスターラー33が取り付けられる。マグネチックスターラー33の作動により、撹拌子32が回転する。撹拌子32の回転により、試験容器1の内部の雰囲気が撹拌される。つまり、各々が試験容器1に供給され、各々が高温の腐食性ガス(SOガス)及び水蒸気は、撹拌子32によって撹拌される。これにより、腐食性ガスと水蒸気は均一に混合され、混合ガスの温度及び濃度が均一に保たれる。なお、撹拌子32は、回転するフィンに置き換えられてもよい。
【0043】
上部ヒーター31aには、排気管3が設けられる。排気管3は、上部ヒーター31aの下面に開口する。排気管3は、本体30の側壁の上部に設けられてもよく、この場合、排気管3は、試験片取付け部40の上方で本体30の側壁を貫通する。排気管3は吸収タンク4に接続されている(図1参照)。排気管3の経路は、必要時に、バルブ(図示省略)によって開閉される。
【0044】
下部ヒーター31bには、ドレン5が設けられる。ドレン5は、下部ヒーター31bの上面に開口する。試験中、ドレン5の経路は、バルブ(図示省略)によって閉ざされる。
【0045】
[試験片取付け部40]
図4及び図5は、本実施形態の露点腐食試験装置100における試験片取付け部40の構成を説明するための模式図である。図4には、試験容器1の縦断面図が示される。図5には、試験片取付け部40を水平面で切断したときの断面図が示される。つまり、図5は、試験片取付け部40の横断面図を示す。
【0046】
図4及び図5を参照して、本体30の側壁のうちの試験片取付け部40の内面に、試験片TPが取り付けられる。本体30の側壁のうちの試験片取付け部40の外面に、試験片用クーラー42が設けられる。本体30の側壁のうちの試験片取付け部40の周囲の外面に、試験片用ヒーター43が設けられる。
【0047】
試験片取付け部40の内面は、試験容器1の中心に向いている。上記の通り、試験片取付け部40の内面に、試験片TPが取り付けられる。試験片TPは板状である。試験片TPの材質は、評価対象の材料の種類によって選定される。試験片TPの材質は、例えば、鋼、合金などの金属である。試験片TPは試験片取付け部40に保持され、試験片TPの背面に試験片取付け部40の内面が接触する。これにより、試験片TPの表面TPaは、試験容器1の中心に向いている。
【0048】
試験片取付け部40への試験片TPの取付け方法は、特に限定されない。図4及び図5に示す例では、2つの爪44によって、試験片TPが試験片取付け部40に取り付けられる。試験片TPが試験片取付け部40に取り付けられると、試験片TPの背面が試験片取付け部40の内面に接触した状態となる。この場合、試験片TPの上側面及び下側面は開放されている。このような取付け方法では、試験片取付け部40から試験片TPを容易に取り外すことができる。
【0049】
試験片用クーラー42は、上記の通り、本体30の側壁のうちの試験片取付け部40の外面に設けられる。試験片用クーラー42は、試験片取付け部40を冷却する。本実施形態では、試験片用クーラー42は、冷却箱42aと、給水管42bと、排水管42cと、を含む。冷却箱42aは、本体30の側壁のうちの試験片取付け部40の外面に接触する。冷却箱42aは、金属製である。冷却箱42aの材質は、例えば、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金などである。
【0050】
冷却箱42aに、給水管42b及び排水管42cが接続される。給水管42bから冷却箱42aに冷却水が供給される。冷却箱42aに供給された冷却水は、排水管42cに排出される。この場合、冷却水が冷却箱42aの内部を流通する過程で、試験片取付け部40と冷却水との間で熱交換が行われる。この熱交換によって、本体30の側壁のうちの試験片取付け部40が効果的に冷却される。
【0051】
試験片用ヒーター43は、上記の通り、本体30の側壁のうちの試験片取付け部40の周囲の外面に設けられる。試験片用ヒーター43は、試験片取付け部40の周囲を加熱する。本実施形態では、試験片用ヒーター43は、電熱線43aを含む。電熱線43aは冷却箱42aを取り囲んでいる。この場合、電熱線43aに通電すれば、電熱線43aが発熱し、本体30の側壁のうちの試験片取付け部40の周囲が効果的に加熱される。
【0052】
試験片用クーラー42の作動により、冷却水が冷却箱42aを流通し、本体30の側壁のうちの試験片取付け部40が冷却される。これにより、試験片取付け部40は低温の状態になる。一方、試験片用ヒーター43の作動により、電熱線43aが発熱し、本体30の側壁のうちの試験片取付け部40の周囲が加熱される。これにより、試験片取付け部40の周囲は高温の状態になる。試験片TPは試験片取付け部40に接触していて、試験片取付け部40と接触する部分に試験片取付け部40から熱が直接伝わる。このため、試験片TPは低温の状態になり、試験片TPの周辺は高温の状態になる。
【0053】
[露点腐食試験方法]
図6は、試験装置100を用いた本実施形態の試験方法を示すフロー図である。図6を参照して、試験方法は、試験片準備工程(#10)と、試験片取付け工程(#20)と、試験工程(#30)と、を含む。さらに、試験方法は、評価工程(#40)を含む。
【0054】
試験片準備工程(#10)では、試験片TPを準備する。複数の結果から評価を行う場合、複数の試験片TPを準備すればよい。試験片TPの材質は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0055】
試験片取付け工程(#20)では、試験片TPを試験片取付け部40に取り付ける。複数の結果から評価を行う場合、複数の試験片TPをそれぞれ試験片取付け部40に取り付ければよい。
【0056】
試験工程(#30)では、容器用ヒーター31、第1ヒーター11、第2ヒーター21、試験片用クーラー42及び試験片用ヒーター43を作動させる。この状態で、第1配管10を通じて腐食性ガス(SOガス)を試験容器1に供給する。第2配管20を通じて水蒸気を試験容器1に供給する。第1ヒーター11によって加熱された腐食性ガスの温度は、例えば、60℃~130℃である。第2ヒーター21によって加熱された水蒸気の温度は、例えば、60℃~130℃である。試験容器1において、容器用ヒーター31(上部ヒーター31a及び下部ヒーター31b)によって加熱された混合ガス(腐食性ガス及び水蒸気)の温度は、例えば、60℃~130℃である。これらの温度が相互に同じになるように、容器用ヒーター31、第1ヒーター11、第2ヒーター21及び試験片用ヒーター43の各出力が設定される。試験片用クーラー42の水冷箱42aには、例えば15~25℃の冷却水を供給する。
【0057】
試験工程(#30)において、試験容器1に供給された腐食性ガス及び水蒸気は、容器用ヒーター31によって加熱されて、高温の状態に維持される。
【0058】
そして、腐食性ガス及び水蒸気は、高温の状態に維持されたまま、試験片TPに到達する。このとき、試験片TPが低温の状態になっているため、試験片TPの表面TPaで腐食性ガスによる結露が生じる。本実施形態では、硫酸の結露が生じる。試験片TPの周辺は高温の状態になっているため、試験片TPの周辺で結露は生じない。要するに、試験容器1内の腐食性ガス及び水蒸気は、試験片TPに到達する前に冷やされることはなく、試験片TP以外の場所で結露が生じることはない。つまり、腐食性ガスが、試験片TPに到達する前に消費されることはない。そうすると、目的の濃度の腐食性ガスが試験片TPの表面TPaに到達する。このため、設計通りの試験を行うことができる。したがって、腐食性ガスによる露点腐食を十分に模擬することができる。
【0059】
評価工程(#40)では、以下の評価を行う。試験中、露点腐食の進行に伴って、試験片TPの厚みは次第に減少する。所定時間の経過後、試験片TPの厚みを測定する。試験に先立ち、試験片準備工程(#10)で試験片TPの厚みを測定しておく。そして、試験前後の厚み差から試験片TPにおける露点腐食の度合いを把握することができる。また、試験片TPの重量についても、厚みと同様のことが適用される。
【0060】
本実施形態では、試験片TPの表面TPaは、試験容器1の中心に向いている。この場合、試験片TPの姿勢は、現実の排ガス経路における側壁の姿勢と一致しているため、現実の排ガス経路における側壁の内面での露点腐食を正確に模擬することができる。
【0061】
[変形例]
図7は、本実施形態の変形例を示す模式図である。図7には、上記の図4に相当する試験容器1の縦断面図が示される。以下、図7及び上記の図6を参照して、本実施形態の変形例である露点腐食試験方法について説明する。
【0062】
試験片準備工程(#10)では、試験片TPとして、第1試験片TP1及び第2試験片TP2を準備する。第1試験片TP1には、一対の導線Lが接続されている。第2試験片TP2は、上記の試験片TPと同様に、導線を有しない。第1試験片TP1の材質は、第2試験片TP2と同じである。
【0063】
試験片取付け工程(#20)では、第1試験片TP1及び第2試験片TP2をそれぞれ、対応する試験片取付け部40に取り付ける。このとき、第1試験片TP1に接続された導線Lを電源(図示略)に接続する。さらに、その導線Lを電圧計(図示略)に接続する。
【0064】
試験工程(#30)では、容器用ヒーター31、第1ヒーター11、第2ヒーター21、試験片用クーラー42及び試験片用ヒーター43を作動させる。さらに、導線Lに接続された電源及び電圧計を作動させ、導線Lを通じて第1試験片TP1に一定値の電流を印加する。この状態で、腐食性ガス(SOガス)及び水蒸気を試験容器1に供給する。
【0065】
試験工程(#30)において、試験容器1に供給された腐食性ガス及び水蒸気は、容器用ヒーター31によって加熱されて、高温の状態に維持される。
【0066】
そして、腐食性ガス及び水蒸気は、高温の状態に維持されたまま、第1試験片TP1及び第2試験片TP2のそれぞれに到達する。このとき、第1試験片TP1が低温の状態になっているため、第1試験片TP1の表面TP1aで腐食性ガスによる結露が生じる。第1試験片TP1の周辺は高温の状態になっているため、第1試験片TP1の周辺で結露は生じない。第2試験片TP2でも第1試験片TP1と同様のことが言える。
【0067】
つまり、第2試験片TP2が低温の状態になっているため、第2試験片TP2の表面TP2aで腐食性ガスによる結露が生じる。第2試験片TP2の周辺は高温の状態になっているため、第2試験片TP2の周辺で結露は生じない。
【0068】
要するに、試験容器1内の腐食性ガス及び水蒸気は、第1試験片TP1及び第2試験片TP2に到達する前に冷やされることはなく、第1試験片TP1以外の場所及び第2試験片TP2以外の場所で結露が生じることはない。つまり、腐食性ガスが、第1試験片TP1及び第2試験片TP2に到達する前に消費されることはない。そうすると、目的の濃度の腐食性ガスが、第1試験片TP1の表面TP1a及び第2試験片TP2の表面TP2aに到達する。このため、設計通りの試験を行うことができる。したがって、腐食性ガスによる露点腐食を十分に模擬することができる。
【0069】
評価工程(#40)では、以下の評価を行う。試験中、露点腐食の進行に伴って、第1試験片TP1及び第2試験片TP2それぞれの厚みは次第に減少する。所定時間の経過後、第1試験片TP1及び第2試験片TP2それぞれの厚みを測定する。試験に先立ち、試験片準備工程(#10)で第1試験片TP1及び第2試験片TP2それぞれの厚みを測定しておく。そして、試験前後の厚み差から各試験片TP1及びTP2における露点腐食の度合いを把握することができる。この場合、複数の結果が得られるため、信頼性が高まる。また、試験片TP1及びTP2の重量についても、厚みと同様のことが適用される。
【0070】
また、試験工程(#30)では、電圧計によって、導線Lを通じて第1試験片TP1に作用する電圧の変化を検出する。ここで、露点腐食の進行に伴って、第1試験片TP1の厚みは次第に減少する。このため、露点腐食の進行に伴って、第1試験片TP1の電気抵抗は増加し、第1試験片TP1に作用する電圧は増加する。そうすると、検出した電圧の増加量より、第1試験片TP1の厚みの減少量を算出することができる。したがって、試験工程(#30)において、第1試験片TP1における露点腐食の度合いを連続的に監視することができる。
【0071】
以上、本開示の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。したがって、本開示は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
【0072】
例えば、試験容器1に供給される腐食性ガスは、SOガスに限定されない。腐食性ガスは、HClガス、NOxガス(例:NOガス、NOガス)、COガス、COガス、又はHSガスなどであってもよい。これらの腐食性ガスの場合、上記の反応部12は不要となる。
【符号の説明】
【0073】
100:露点腐食試験装置
1:試験容器
10:第1配管
11:第1ヒーター
12:反応部
20:第2配管
21:第2ヒーター
22:加湿部
30:本体
31:容器用ヒーター
31a:上部ヒーター
31b:下部ヒーター
40:試験片取付け部
42:試験片用クーラー
42a:冷却箱
42b:給水管
42c:排水管
43:試験片用ヒーター
43a:電熱線
44:爪
TP:試験片
TPa:表面
L:導線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7