特開 2023-139614 車両用表示装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023139614

(43)【公開日】2023-10-04

(54)【発明の名称】車両用表示装置

(51)【国際特許分類】

   F21S 43/243 20180101AFI20230927BHJP

   F21S 43/15 20180101ALI20230927BHJP

   F21S 43/241 20180101ALI20230927BHJP

   F21S 43/249 20180101ALI20230927BHJP

   G09F 13/18 20060101ALI20230927BHJP

   F21W 104/00 20180101ALN20230927BHJP

   F21Y 115/10 20160101ALN20230927BHJP

【ＦＩ】

F21S43/243

F21S43/15

F21S43/241

F21S43/249

G09F13/18 Q

F21W104:00

F21Y115:10

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022045226

(22)【出願日】2022-03-22

(71)【出願人】

【識別番号】000002303

【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(74)【代理人】

【識別番号】100179833

【弁理士】

【氏名又は名称】松本 将尚

(74)【代理人】

【識別番号】100175824

【弁理士】

【氏名又は名称】小林 淳一

(72)【発明者】

【氏名】岡部 玲央哉

(72)【発明者】

【氏名】渡辺 将史

(72)【発明者】

【氏名】山本 知幸

(72)【発明者】

【氏名】武智 大輔

【テーマコード（参考）】

5C096

【Ｆターム（参考）】

5C096AA05

5C096BA01

5C096CA06

5C096CA12

5C096CA22

5C096CB02

5C096CC03

5C096CC06

5C096CD12

5C096CD22

5C096CD53

5C096FA02

5C096FA05

5C096FA11

5C096FA20

(57)【要約】

【課題】表示パターンをより均一に発光させることを可能とした車両用表示装置を提供する。
【解決手段】導光体３０は、第１及び第２の光源２ａ，２ｂから出射された光Ｌを導光部３ａの内部へと入射する第１及び第２の入射部３１ａ，３１ｂと、導光部３ｂの互いに向かい合う両側面に配置されて、第１の入射部３１ａから入射した光Ｌと第２の入射部３１ｂから入射した光Ｌとを互いに向かい合う方向に向けて反射する第１及び第２の反射部３４ａ，３４ｂと、導光部３ｂの背面側に配置されて、第１及び第２の反射部３４ａ，３４ｂで反射された光Ｌを導光部３ｂの正面側に向けて反射する複数の反射カットと、導光部３ｂの正面側に配置されて、複数の反射カットで反射された光Ｌを外部へと出射することによって、表示パターンに対応した形状で発光する発光部３６とを有する。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

第１の光源及び第２の光源を含む光源部と、
前記第１の光源及び前記第２の光源から出射された光を導光させる導光部を含む導光体とを備え、
前記導光体は、前記第１の光源及び前記第２の光源の各々と対向して配置されて、前記第１の光源及び前記第２の光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する第１の入射部及び第２の入射部と、
前記導光部の前記第１の入射部及び前記第２の入射部とは直交する方向の互いに向かい合う両側面に配置されて、前記第１の入射部から入射した光と前記第２の入射部から入射した光とを互いに向かい合う方向に向けて反射する第１の反射部及び第２の反射部と、
前記導光部の背面側に配置されて、前記第１の反射部及び前記第２の反射部で反射された光を前記導光部の正面側に向けて反射する複数の反射カットと、
前記導光部の正面側に配置されて、前記複数の反射カットで反射された光を外部へと出射することによって、前記複数の反射カットにより形成される表示パターンに対応した形状で発光する発光部とを有することを特徴とする車両用表示装置。

【請求項2】

前記発光部は、前記表示パターンに対応した形状で前記導光部の正面側の一部が前方に向けて突出された突出部の先端面により構成されていることを特徴とする請求項１に記載の車両用表示装置。

【請求項3】

前記導光体の正面側に配置されて、前記発光部の周囲を覆うベゼルを備えることを特徴とする請求項１に記載の車両用表示装置。

【請求項4】

前記導光体の正面側に配置されて、前記突出部の周囲を覆う第１のベゼル部材を備えることを特徴とする請求項２に記載の車両用表示装置。

【請求項5】

前記導光部は、前記突出部の内側に孔部を有することを特徴とする請求項２又は４に記載の車両用表示装置。

【請求項6】

前記導光体の背面側に配置されて、前記孔部の内側を覆う第２のベゼル部材を備えることを特徴とする請求項５に記載の車両用表示装置。

【請求項7】

前記表示パターンが一の方向に複数並ぶことによって構成される表示エリアを含み、
前記表示エリアは、前記表示パターンの各々に対応した前記光源部及び前記導光体を含む複数の発光ユニットを備え、
前記複数の発光ユニットは、前記一の方向に並んで配置されると共に、前記導光体の隣り合うもの同士が連結された構造を有することを特徴とする請求項１～６の何れか一項に記載の車両用表示装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、車両用表示装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来より、車両に搭載される車両用表示装置として、発光ダイオード（ＬＥＤ）などの光源と、インナーレンズ（導光レンズ）などの導光体とを組み合わせたものが知られている（例えば、下記特許文献１を参照。）。このような車両用表示装置では、デザインの多様化によって、様々な形態のものが開発されている。

【0003】

例えば、下記特許文献１には、四辺に側壁を有するベース及び該ベースの側壁の先端に取付けられてなるカバーレンズより構成されてなるハウジングと、該ハウジングの側壁に配置されてなる光源と、該光源に対向し且つハウジングの内部に収納されてなると共に光源からの光をハウジングの内部に拡散させてカバーレンズを光らせる導光体と、該導光体の裏面に配されてなる光拡散反射部とよりなる車両用照明プレートであって、前記カバーレンズの裏面には、文字・マークなどの特定の表示部を立体的に形成してなり、該特定の表示部に光拡散処理を施してなることを特徴とする車両用照明プレートが開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２００６－２２１０７３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

ところで、上述した特許文献１に記載の車両用照明プレートでは、例えば、Ａ、Ｂ、Ｄ、Ｏ、Ｐ、Ｑ、Ｒ、６、８、９、０などの中抜きの表示パターンを表示する場合、表示パターンの内側に導光体を貫通する孔部が形成されることになる。この場合、孔部の内側は、光を導光させることができないため、このような中抜きの表示パターンを均一に発光させることが困難となる。

【0006】

本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、表示パターンをより均一に発光させることを可能とした車両用表示装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔１〕 第１の光源及び第２の光源を含む光源部と、
前記第１の光源及び前記第２の光源から出射された光を導光させる導光部を含む導光体とを備え、
前記導光体は、前記第１の光源及び前記第２の光源の各々と対向して配置されて、前記第１の光源及び前記第２の光源から出射された光を前記導光部の内部へと入射する第１の入射部及び第２の入射部と、
前記導光部の前記第１の入射部及び前記第２の入射部とは直交する方向の互いに向かい合う両側面に配置されて、前記第１の入射部から入射した光と前記第２の入射部から入射した光とを互いに向かい合う方向に向けて反射する第１の反射部及び第２の反射部と、
前記導光部の背面側に配置されて、前記第１の反射部及び前記第２の反射部で反射された光を前記導光部の正面側に向けて反射する複数の反射カットと、
前記導光部の正面側に配置されて、前記複数の反射カットで反射された光を外部へと出射することによって、前記複数の反射カットにより形成される表示パターンに対応した形状で発光する発光部とを有することを特徴とする車両用表示装置。
〔２〕 前記発光部は、前記表示パターンに対応した形状で前記導光部の正面側の一部が前方に向けて突出された突出部の先端面により構成されていることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用表示装置。
〔３〕 前記導光体の正面側に配置されて、前記発光部の周囲を覆うベゼルを備えることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用表示装置。
〔４〕 前記導光体の正面側に配置されて、前記突出部の周囲を覆う第１のベゼル部材を備えることを特徴とする前記〔２〕に記載の車両用表示装置。
〔５〕 前記導光部は、前記突出部の内側に孔部を有することを特徴とする前記〔２〕又は〔４〕に記載の車両用表示装置。
〔６〕 前記導光体の背面側に配置されて、前記孔部の内側を覆う第２のベゼル部材を備えることを特徴とする前記〔５〕に記載の車両用表示装置。
〔７〕 前記導光体は、前記表示パターンが一の方向に複数並ぶことによって構成される表示エリアを含み、
前記表示エリアは、前記表示パターンの各々に対応した前記光源部及び前記導光体を含む複数の発光ユニットを備え、
前記複数の発光ユニットは、前記一の方向に並んで配置されると共に、前記導光体の隣り合うもの同士が連結された構造を有することを特徴とする前記〔１〕～〔６〕の何れか一項に記載の車両用表示装置。

【発明の効果】

【0008】

以上のように、本発明によれば、表示パターンをより均一に発光させることを可能とした車両用表示装置を提供することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】本発明の一実施形態に係る車両用表示装置の外観を示す斜視図である。

【図2】図１に示す車両用表示装置の構成を示す分解斜視図である。

【図3】図１に示す車両用表示装置により表示される表示エリアＥのうち、「Ｏ」に対応した表示パターンを示す正面図である。

【図4】図３中に示す線分Ａ－Ａによる車両用表示装置の断面図である。

【図5】図３に示す「Ｏ」の表示パターンに対応した発光ユニットを正面側から見た斜視図である。

【図6】図３に示す「Ｏ」の表示パターンに対応した発光ユニットの構成を示す正面図である。

【図7】図６中に示す線分Ｂ－Ｂによる導光体の断面図である。

【図8】図６中に示す線分Ｃ－Ｃによる導光体の断面図である。

【図9】図６に示す導光体を背面側から見た斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0010】

以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。

【0011】

本発明の一実施形態として、例えば図１～図９に示す車両用表示装置１０について説明する。
なお、図１は、車両用表示装置１０の外観を示す斜視図である。図２は、車両用表示装置１０の構成を示す分解斜視図である。図３は、車両用表示装置１０により表示される表示エリアＥのうち、「Ｏ」に対応した表示パターンを示す正面図である。図４は、図３中に示す線分Ａ－Ａによる車両用表示装置１０の断面図である。図５は、「Ｏ」の表示パターンに対応した発光ユニット４０を正面側から見た斜視図である。図６は、「Ｏ」の表示パターンに対応した発光ユニット４０の構成を示す正面図である。図７は、図６中に示す線分Ｂ－Ｂによる導光体３０の断面図である。図８は、図６中に示す線分Ｃ－Ｃによる導光体３０の断面図である。図９は、図６に示す導光体３０を背面側から見た斜視図である。

【0012】

また、以下に示す図面では、ＸＹＺ直交座標系を設定し、Ｘ軸方向を車両用表示装置１０の前後方向（長さ方向）、Ｙ軸方向を車両用表示装置１０の左右方向（幅方向）、Ｚ軸方向を車両用表示装置１０の上下方向（高さ方向）として、それぞれ示すものとする。

【0013】

本実施形態の車両用表示装置１０は、例えば、車両後側のバックゲート又はトランクリッドに搭載され、表示パターンとして車両名やメーカ名などのブランド名を発光表示するものである。なお、本実施形態の車両用表示装置１０では、図１に示すような「ＨＥＬＬＯ」の５文字の表示パターンを表示する場合を例示している。

【0014】

本実施形態の車両用表示装置１０は、複数（本実施形態では５つ）の表示パターン（ＨＥＬＬＯ）が一の方向（本実施形態では左右方向）に並ぶ表示エリアＥを含み、この表示エリアＥにおいて複数の表示パターン（ＨＥＬＬＯ）を発光表示させる。

【0015】

具体的に、この車両用表示装置１０は、図１及び図２に示すように、光源部２０及び導光体３０を含む複数（本実施形態では５つ）の発光ユニット４０を備え、これら複数の発光ユニット４０がベゼル５０の内側に収容された構造を有している。

【0016】

複数の発光ユニット４０は、一の方向に並んで配置されると共に、導光体３０の隣り合うもの同士が連結された構造を有している。すなわち、各発光ユニット４０を構成する導光体３０は、互いに隣り合うもの同士が連結された１つのインナーレンズ（レンズ結合体）３０Ａを構成している。一方、各発光ユニット４０を構成する光源部２０は、導光体３０の各々に対応して設けられている。

【0017】

複数の発光ユニット４０は、複数の表示パターン（ＨＥＬＬＯ）の各々に対応して設けられている。各発光ユニット４０は、各々が表示する表示パターンが異なる以外は基本的に同じ構成を有している。

【0018】

複数の表示パターン（ＨＥＬＬＯ）のうち、「Ｏ」に対応した表示パターンは、その内側に孔部が形成された中抜きの表示パターンである。本発明は、このような中抜きの表示パターンを表示する場合に好適に用いられる。したがって、本実施形態では、「Ｏ」の表示パターンに対応した発光ユニット４０を中心に各発光ユニット４０の構成について具体的に説明するものとする。

【0019】

発光ユニット４０は、図３～図９に示すように、第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂを含む光源部２０と、第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂから出射された光Ｌを導光させる第１の導光部３ａ及び第２の導光部３ｂを含む導光体３０とを備えている。

【0020】

第１の光源２ａと第２の光源２ｂとは、導光体３０の一の方向（本実施形態では左右方向）とは直交する他の方向（本実施形態では上下方向）の中心軸ＡＸを挟んだ両側に対称に配置されている。

【0021】

第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂは、少なくとも１つ以上の発光素子２により構成されている。本実施形態では、第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂの各々に対して２つの発光素子２が互いに隣接した状態で一の方向に並んで配置されている。すなわち、１つの導光体３０に対して４つの発光素子２が配置されている。

【0022】

なお、発光素子２を配置する数については、上述した第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂの各々に対して発光素子２が２つずつ配置された構成に限らず、発光素子２が１つずつ配置された構成であってもよく、表示パターンの大きさ等に合わせて適宜変更することが可能である。

【0023】

発光素子２は、例えば赤色光を発するＬＥＤからなり、このＬＥＤを駆動する駆動回路が設けられた回路基板４の一面（本実施形態では下面）側に実装されている。これにより、発光素子２は、下方に向けて光Ｌを放射状に出射する。すなわち、第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂを構成する各発光素子２は、同じ回路基板４の同一面上に設けられて、互いに同一方向に向けて光Ｌを出射している。

【0024】

なお、本実施形態では、上述した発光素子２を構成するＬＥＤと、ＬＥＤを駆動する駆動回路とが回路基板４に実装された構成となっているが、ＬＥＤが実装された実装基板と、ＬＥＤを駆動する駆動回路が設けられた回路基板とを別々に配置し、これら実装基板と回路基板との間をハーネスと呼ばれる配線コードを介して電気的に接続し、ＬＥＤが発する熱から駆動回路を保護する構成としてもよい。

【0025】

導光体３０（インナーレンズ３０Ａ）は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなどの光透過性部材からなる。導光体３０は、その前後方向に延在する略平板状の第１の導光部３ａと、その上下方向に延在する略平板状の第２の導光部３ｂとの間で屈曲しながら、上述した第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂの中心軸ＡＸを挟んで対称となる形状を有している。また、第１の導光部３ａは、各発光ユニット４０を構成する導光体３０の間を一の方向に連結した部分を構成している。

【0026】

導光体３０は、第１の導光部３ａの後端側の上部に配置された第１の入射部３１ａ及び第２の入射部３１ｂと、第１の導光部３ａの後端に配置された第１の反射面３２と、第１の導光部３ａの前端と第２の導光部３ｂの上端との間に配置された第２の反射面３３と、第２の導光部３ｂの幅方向の両側面に配置された第１の反射部３４ａ及び第２の反射部３４ｂと、第２の導光部３ｂの背面側に配置された複数の反射カット３５と、第２の導光部３ｂの正面側に配置された発光部３６とを有している。

【0027】

第１の入射部３１ａ及び第２の入射部３１ｂは、第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂを構成する複数の発光素子２の各々と対向して、一の方向に複数（本実施形態では４つ）並んで配置されている。

【0028】

第１の入射部３１ａ及び第２の入射部３１ｂは、第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂから放射状に出射された光Ｌを平行化又は集光しながら、第１の導光部３ａの内部へと入射するレンズ形状を有している。これにより、第１の入射部３１ａ及び第２の入射部３１ｂから入射した光Ｌは、第１の導光部３ａの内部を下方の第１の反射面３２に向けて導光されることになる。

【0029】

なお、第１の入射部３１ａ及び第２の入射部３１ｂについては、上述したレンズ形状に必ずしも限定されるものではなく、例えば、平坦（平面）な入射面を設けて、この入射面から第１の導光部３ａの内部へと光Ｌを入射する構成としてもよい。

【0030】

第１の反射面３２は、第１の導光部３ａの幅方向に延在し、第１の導光部３ａの前端側に向けて所定の角度（本実施形態では４５°）で傾斜して設けられている。これにより、第１の反射面３２は、第１の入射部３１ａ及び第２の入射部３１ｂから入射した光Ｌを前方の第２の反射面３３に向けて反射する。すなわち、第１の反射面３２により反射された光Ｌは、第１の導光部３ａの内部を前方の第２の反射面３３に向けて導光されることになる。

【0031】

第２の反射面３３は、第１の導光部３ａの幅方向に延在し、第２の導光部３ｂの下端側に向けて所定の角度（本実施形態では４５°）で傾斜して設けられている。これにより、第２の反射面３３は、第１の導光部３ａの内部で導光される光Ｌを下方の第２の導光部３ｂに向けて反射する。すなわち、第２の反射面３３により反射された光Ｌは、第２の導光部３ｂの内部を下方の第１の反射部３４ａ及び第２の反射部３４ｂに向けて導光されることになる。

【0032】

第１の反射部３４ａ及び第２の反射部３４ｂは、第２の導光部３ｂの下方に向かって第２の導光部３ｂの幅を漸次小さくすることによって、第２の導光部３ｂの互いに向かい合う両側面が傾斜した反射面により構成されている。

【0033】

すなわち、第１の反射部３４ａと第２の反射部３４ｂとは、第１の入射部３１ａ及び第２の入射部３１ｂとは直交する方向の第２の導光部３ｂの両側面において互いに対向して配置されている。したがって、第１の反射部３４ａは、第１の入射部３１ａから入射した光Ｌに対して交差している。一方、第２の反射部３４ｂは、第２の入射部３１ｂから入射した光Ｌに対して交差している。

【0034】

これにより、第１の反射部３４ａ及び第２の反射部３４ｂは、第２の導光部３ｂの下方に向かって導光される光Ｌを第２の導光部３ｂの幅方向に向けて反射する。すなわち、第１の反射部３４ａと第２の反射部３４ｂとは、第１の入射部３１ａから入射した光Ｌと第２の入射部３１ｂから入射した光Ｌとを互いに向かい合う方向に向けて反射する。

【0035】

また、第１の反射部３４ａ及び第２の反射部３４ｂは、第２の導光部３ｂの両側面（反射面）に設けられた複数の反射カット３４ｃにより第２の導光部３ｂの幅方向に向けて反射される光Ｌの反射方向を制御している。

【0036】

複数の反射カット３４ｃは、第２の導光部３ｂの前後方向（厚み方向）に亘って切り欠かれた断面略Ｖ字状の溝部が、第２の導光部３ｂの両側面の上下方向に周期的に並ぶことによって構成されている。

【0037】

なお、複数の反射カット３４ｃについては、第２の導光部３ｂの両側面の一部又は全体に亘って設けることが可能である。また、複数の反射カット３４ｃは、場合によって省略することも可能である。この場合、第２の導光部３ｂの傾斜する両側面の形状により光Ｌの反射方向を制御すればよい。

【0038】

複数の反射カット３５は、第２の導光部３ｂの背面において、「Ｏ」の表示パターンに対応した反射領域Ｐに設けられている。複数の反射カット３５は、この反射領域Ｐの内側において、第２の導光部３ｂの上下方向に亘って切り欠かれた断面略Ｖ字状の溝部が、第２の導光部３ｂの左右方向（幅方向）に周期的に並ぶことによって構成されている。

【0039】

これにより、複数の反射カット３５は、第１の反射部３４ａ及び第２の反射部３４ｂで反射された光Ｌを第２の導光部３ｂの正面側に向けて反射する。すなわち、複数の反射カット３５は、「Ｏ」の表示パターンに対応した反射領域Ｐに入射した光Ｌを第２の導光部３ｂの正面側に向けて反射する。

【0040】

発光部３６は、「Ｏ」の表示パターンに対応した形状で第２の導光部３ｂの正面側の一部が前方に向けて突出された突出部３７の先端面３７ａにより構成されている。また、第２の導光部３ｂは、突出部３７の内側に孔部３７ｂを有している。

【0041】

発光部３６は、突出部３７の先端面３７ａから複数の反射カット３５により反射された光Ｌを第２の導光部３ｂの外部へと出射する。これにより、突出部３７の先端面３７ａを「Ｏ」の表示パターンに対応した形状の発光面として赤色発光させることが可能である。

【0042】

これにより、「Ｏ」に対応した表示パターンのように、その内側に孔部３７ｂが形成された中抜きの表示パターンを表示する場合でも、導光体３０の上下方向の一方側に配置された第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂからの光Ｌを用いて、導光体３０の上下方向の他方側に別の光源等の部品を配置することなく、中抜きの表示パターンに対応した形状の発光面を均一に発光させることが可能である。

【0043】

ベゼル５０は、図１、図２及び図３に示すように、インナーレンズ３０Ａ（導光体３０）の正面側に配置された第１のベゼル部材５Ａと、インナーレンズ３０Ａ（導光体３０）の背面側に配置された第２のベゼル部材５Ｂと、インナーレンズ３０Ａ（導光体３０）の上面側に配置された第３のベゼル部材５Ｃとを有している。

【0044】

第１のベゼル部材５Ａ、第２のベゼル部材５Ｂ及び第３のベゼル部材５Ｃは、有色（例えば黒色）の遮光部材からなり、互いに組み合わせることによって、その内側に複数の発光ユニット４０を収容している。なお、ベゼル５０の形状については、車両のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。

【0045】

第１のベゼル部材５Ａは、複数の表示パターン（ＨＥＬＬＯ）の各々に対応した形状で開口した複数（本実施形態では５つ）の開口部５１を有している。第１のベゼル部材５Ａは、この開口部５１から突出部３７の先端面３７ａが外部に臨むように、開口部５１の内側に突出部３７を配置することによって、この突出部３７の周囲を覆うように配置されている。

【0046】

第２のベゼル部材５Ｂは、孔部３７ｂに対応した形状で前方に向けて突出された突出部５２を有している。第２のベゼル部材５Ｂは、孔部３７ｂから突出部５２の先端を外部に臨ませることによって、孔部３７ｂの内側を覆うように配置されている。

【0047】

第３のベゼル部材５Ｃは、インナーレンズ３０Ａ（導光体３０）の上面及び両側面を覆うと共に、正面側に第１のベゼル部材５Ａに対応した形状で開口した開口部５３を有している。

【0048】

これにより、ベゼル５０は、複数の表示パターン（ＨＥＬＬＯ）の各々に対応した複数の発光ユニット４０のうち、突出部３７の先端面３７ａ以外から出射される光Ｌを遮光している。

【0049】

以上のような構成を有する本実施形態の車両用表示装置１０では、図１に示すように、複数の発光ユニット４０を複数の表示パターン（ＨＥＬＬＯ）の各々に対応した形状で赤色発光させることが可能である。

【0050】

本実施形態の車両用表示装置１０では、上述した「Ｏ」に対応した表示パターンのように、その内側に孔部３７ｂが形成された中抜きの表示パターンを表示する場合でも、この中抜きの表示パターンをより均一に発光させることができ、「Ｏ」以外の表示パターンもより均一に発光させることが可能である。

【0051】

したがって、本実施形態の車両用表示装置１０では、表示エリアＥにおいて複数の表示パターン（ＨＥＬＬＯ）の発光時の見栄えを良くすることが可能である。

【0052】

なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記発光ユニット４０では、上述した回路基板４に実装された第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂ（発光素子２）から下方に向けて出射された光Ｌを第１の導光部３ａの後端側の上部に配置された第１の入射部３１ａ及び第２の入射部３１ｂから第１の導光部３ａの内部へと入射する構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。例えば、回路基板４に実装された第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂ（発光素子２）から前方に向けて出射された光Ｌを第１の導光部３ａの後端側に配置された第１の入射部３１ａ及び第２の入射部３１ｂから第１の導光部３ａの内部へと入射する構成としてもよい。

【0053】

なお、上記表示パターンとしては、例えば、文字や数字、ロゴマーク、キャラクタなどを挙げることができるが、これらに特に限定されるものでない。また、１つの発光ユニット４０が１つの表示パターンを表示する構成に必ずしも限定されるものではなく、１つの発光ユニット４０が複数の表示パターンを表示する構成であってもよい。

【0054】

なお、上記実施形態では、上述した発光部３６の突出部３７の周囲及び孔部３７ｂの内側を覆う第１のベゼル部材５Ａ及び第２のベゼル部材５Ｂ（ベゼル５０）を配置した構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。例えば、発光部３６が平坦で突出していない場合には、表示パターンに対応した形状で発光する発光部３６の発光面の周囲を覆うようにベゼルが配置された構成とすればよい。

【0055】

また、上記実施形態では、上述した車両後側のバックゲート又はトランクリッドに搭載される車両用表示装置１０に本発明を適用した場合を例示したが、フロントグリルなどの車両前側に搭載される車両用表示装置１０に本発明を適用することも可能である。

【0056】

また、上記第１の光源２ａ及び第２の光源２ｂについては、上述したＬＥＤ以外にも、例えばレーザーダイオード（ＬＤ）などの発光素子２を用いることも可能である。また、発光素子２が発する光の色については、上述した赤色光に限らず白色光など、その表示パターンに応じて適宜変更することが可能である。

【符号の説明】

【0057】

１０…車両用表示装置 ２０…光源部 ３０…導光体 ３０Ａ…インナーレンズ（レンズ結合体） ４０…発光ユニット ５０…ベゼル ２ａ…第１の光源 ２ｂ…第２の光源 ２…発光素子 ３ａ…第１の導光部 ３ｂ…第２の導光部 ４…回路基板 ５Ａ…第１のベゼル部材 ５Ｂ…第２のベゼル部材 ５Ｃ…第３のベゼル部材 ３１ａ…第１の入射部 ３１ｂ…第２の入射部 ３２…第１の反射面 ３３…第２の反射面 ３４ａ…第１の反射部 ３４ｂ…第２の反射部 ３４ｃ…複数の反射カット ３５…複数の反射カット ３６…発光部 ３７…突出部 ３７ａ…先端面 ３７ｂ…孔部 ５１…開口部 ５２…突出部 Ｅ…表示エリア Ｐ…反射領域 Ｌ…光

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】