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特開2023-139616認証システム及び認証アプリケーションプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139616
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】認証システム及び認証アプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20230927BHJP
【FI】
G06F21/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045229
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】大森 裕介
(72)【発明者】
【氏名】泉 洋樹
(57)【要約】
【課題】車両の生産者側におけるライセンスコードの管理負担やコストを低減可能な認証システムを提供する。
【解決手段】認証システム1は、情報処理装置20と、固有の通信機器識別情報が付与された車載情報通信装置10とを有する。車載情報通信装置10は、車両識別情報及び通信機器識別情報を含む車両側発信情報を情報処理装置20に送信可能な第一通信部11と、通信機器識別情報を含む認証用情報を通信端末装置30に送信する第二通信部12とを有する。情報処理装置20は、通信端末装置30との間で認証用情報に係る情報通信が可能な第三通信部21と、第一通信部11との間で車両側発信情報に係る情報通信が可能な第四通信部22と、通信端末装置30から取得した通信機器識別情報、及び車載情報通信装置10から取得した通信機器識別情報が合致することを条件として、通信端末装置30を正規端末として認証する認証処理部24とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両とは別に設けられた情報処理装置と、
前記車両に搭載され、固有の通信機器識別情報が付与された車載情報通信装置と、
を有し、
前記車載情報通信装置は、
前記車両に付与された車両識別情報、及び前記通信機器識別情報を含む情報を、車両側発信情報として前記情報処理装置に送信可能な第一通信部と、
任意の通信端末装置との情報通信により、前記車両に付与された車両識別情報、及び前記通信機器識別情報のうち少なくとも前記通信機器識別情報を含む情報を、認証用情報として前記通信端末装置に対して送信する第二通信部と、
を有するものであり、
前記情報処理装置は、
前記通信端末装置との間で少なくとも前記認証用情報に係る情報通信を可能とする第三通信部と、
前記車載情報通信装置の第一通信部との間で少なくとも前記車両側発信情報に係る情報通信を可能とする第四通信部と、
前記第三通信部において前記通信端末装置から取得した前記認証用情報に含まれる前記通信機器識別情報、及び前記第四通信部において前記車載情報通信装置から取得した車両側発信情報に含まれる前記通信機器識別情報が合致することを条件として、前記通信端末装置を前記車両と関連づけられた正規端末として認証する認証処理部と、
を有するものであること、を特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記通信機器識別情報及び前記車両識別情報のいずれか一方又は双方が、暗号化処理により暗号化されたものであること、を特徴とする請求項1に記載の認証システム。
【請求項3】
前記第二通信部における情報通信が、近距離通信によって行われること、を特徴とする請求項1又は2に記載の認証システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の認証システムで用いられる認証アプリケーションプログラムであって、
前記通信端末装置において入力される前記車両識別情報を受け付けると共に、前記第三通信部を介して前記情報処理装置に前記車両識別情報を送信する車両識別情報受付処理と、
前記情報処理装置において前記車載情報通信装置における情報通信処理を有効化する有効化処理と、
前記車両側発信情報を、前記第一通信部を介して前記第四通信部に送信する車両側発信情報通信処理と、
前記情報処理装置において前記車両側発信情報に含まれる前記通信機器識別情報を登録通信機器識別情報として登録する情報登録処理と、
前記車載情報通信装置及び前記通信端末装置の情報通信を可能とする通信接続処理と、
前記車載情報通信装置及び前記通信端末装置の情報通信によって前記通信端末装置に前記通信機器識別情報を送信する通信機器識別情報通信処理と、
前記通信機器識別情報通信処理によって取得された通信機器識別情報を認証用情報として、前記第三通信部を介して前記情報処理装置に送信する認証用情報通信処理と、
前記認証用情報通信処理において送信された前記認証用情報に含まれる通信機器識別情報を、前記登録通信機器識別情報と比較する認証判定処理と、を実行可能であり、
前記認証判定処理において、前記通信端末装置から取得した前記認証用情報に含まれる通信機器識別情報、及び前記登録通信機器識別情報が合致する場合は、前記通信端末装置を前記車両と関連づけられた正規端末として認証処理を行うものであり、
前記認証判定処理において、前記通信端末装置から取得した前記認証用情報に含まれる前記通信機器識別情報、及び前記登録通信機器識別情報が合致しない場合は、前記認証処理を行わないものであること、を特徴とする認証アプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のコネクトサービス等で利用可能な認証システム及び認証アプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットに接続可能なコネクティッドカーと称する車両が知られている。コネクティッドカーは、車両の販売者等の各種のサービスに利用されている。コネクティッドカーは、例えば、車両における異常情報をユーザの携帯端末に通知する車両監視システムに利用されている(例えば、特許文献1)。また、コネクティッドカーは、例えば、車両の停車位置をユーザの携帯端末に通知する停車位置通知システムに利用されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
上述した特許文献1に記載の車両監視システムは、車両におけるドアの施錠忘れのような異常情報を取得し、当該異常情報を車載装置によってデータサーバに送信すると共に、当該データサーバ経由でユーザの携帯電話機に車両の異常を通知するものとされている。また、上述した特許文献2に記載の車両の停車位置通知システムは、運転者用端末、車両の自動走行制御装置、及び管理サーバを、ネットワークを介して接続し、車両が停止した際に車両停車位置を、ネットワークを介して運転者用端末に通知するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-253320号公報
【特許文献2】特開2020-144624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1及び特許文献2に記載のシステム(コネクティッドカー)においては、車両とユーザとを関連付けるために、ユーザの端末装置と、車載の通信装置との認証を行う必要がある。前記認証は、例えば次の工程で行われるものとされている。まず、車両固有のライセンスコードを、車両生産者側で車両に付与すると共に、当該ライセンスコードを管理サーバに登録する。次にユーザが、車載情報通信装置に付与されたライセンスコードを、ユーザ端末装置に入力する。入力された前記ライセンスコードは、ユーザ端末装置を介して管理サーバに送信される。管理サーバは、ユーザ端末装置から送信されたライセンスコードと、事前に登録されたライセンスコードとが合致することを条件としてユーザ端末装置を正規端末として認証する。
【0006】
しかしながら、上述したような認証方法は、車両の製造工場で、ライセンスコードを発行し、発行されたライセンスコードを管理する必要がある。そのため、上述したような認証方法は、車両の製造工場において、ライセンスコードを管理するための管理工数を必要とする問題があった。また、管理工数の発生により、コストが高く付く問題があった。
【0007】
また、最近では、車両の自動運転化技術の普及により、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)を採用した車両が増加している。HMIは、人間と機械との仲立ちを行うものとされ、車両における操作装置、表示装置、音声出力装置等の機器が含まれるものとされている。ここで、上述した認証方法とは異なる認証方法として、HMIを利用することが考えられる。HMIを利用した認証では、車載情報通信装置と管理サーバとの情報通信が利用される。具体的には、まず、車載情報通信装置から管理サーバにライセンスコードが送信されることにより、車載情報通信装置と管理サーバとが通信接続される。また、ユーザは、前記ライセンスコード(ペアリングコード)を、車載情報通信装置等のディスプレイや添付のシール等で確認する。次に、ユーザが、確認したライセンスコードを、ユーザ端末装置に入力し、ユーザ端末装置を介して管理サーバに送信する。管理サーバは、ユーザ端末装置から送信されたライセンスコードと、車載情報通信装置から送信されたライセンスコードとが合致することを条件としてユーザ端末装置を正規端末として認証する。
【0008】
しかしながら、HMIを利用した認証では、車両側がライセンスコードを表示させるディスプレイを有しない場合、ライセンスコードを印刷したシール等を車載情報通信装置や車両等に貼り付ける必要がある。そのため、コストが高く付く問題や、HMIを採用しない車両では利用できない問題がある。また、ライセンスコードが人目に付く懸念があり、セキュリティ上も好ましくない。
【0009】
そこで、上述した課題を解決すべく、本発明は、車両等の生産者側におけるライセンスコードの管理負担やコストを低減することが可能な認証システムを提供することを目的とする。また、本発明は、上記認証システムの利用を容易にする認証アプリケーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の認証システムは、車両とは別に設けられた情報処理装置と、前記車両に搭載され、固有の通信機器識別情報が付与された車載情報通信装置と、を有し、前記車載情報通信装置は、前記車両に付与された車両識別情報、及び前記通信機器識別情報を含む情報を、車両側発信情報として前記情報処理装置に送信可能な第一通信部と、任意の通信端末装置との情報通信により、前記車両に付与された車両識別情報、及び前記通信機器識別情報のうち少なくとも前記通信機器識別情報を含む情報を、認証用情報として前記通信端末装置に対して送信する第二通信部と、を有するものであり、前記情報処理装置は、前記通信端末装置との間で少なくとも前記認証用情報に係る情報通信を可能とする第三通信部と、前記車載情報通信装置の第一通信部との間で少なくとも前記車両側発信情報に係る情報通信を可能とする第四通信部と、前記第三通信部において前記通信端末装置から取得した前記認証用情報に含まれる前記通信機器識別情報、及び前記第四通信部において前記車載情報通信装置から取得した車両側発信情報に含まれる前記通信機器識別情報が合致することを条件として、前記通信端末装置を前記車両と関連づけられた正規端末として認証する認証処理部と、を有するものであること、を特徴とするものである。
【0011】
上述した認証システムは、通信端末装置から取得した認証用情報に含まれる通信機器識別情報と、車載情報通信装置から取得した車両側発信情報とが合致することを条件として、情報処理装置における認証処理部が通信端末装置を車両と関連づけられた正規端末として認証することができる。すなわち、車載情報通信装置、情報処理装置、及び通信端末装置の間での通信機器識別情報に係る情報通信により、通信端末装置を車両(車載情報通信装置)関連づけられた正規端末として認証することができる。従って、上述した認証システムは、車両の製造工場等で、車載情報通信装置等にライセンスコードを付与する工程やライセンスコードを管理する工程を排除できる。そのため、上述した認証システムは、車両等の生産者側におけるライセンスコードの管理負担やコストを低減することが可能である。ここで、通信端末装置は、例えば、車両のユーザが保有するスマートフォンなどの携帯端末等が利用できるものとされている。従って、ユーザ側の通信端末装置が、車載情報通信装置との情報通信によって容易に認証用情報を取得できるので、ユーザ側の負担も軽減できる。
【0012】
(2)上述した本発明の認証システムは、前記通信機器識別情報及び前記車両識別情報のいずれか一方又は双方が、暗号化処理により暗号化されたものであるとよい。
【0013】
上述した認証システムは、かかる構成とすることにより、セキュリティを向上させることができる。ここで、暗号化処理は、例えばハッシュ関数を用いて通信機器識別情報や車両識別情報をハッシュ値に変換するものが利用できる。
【0014】
(3)上述した本発明の認証システムは、前記第二通信部における情報通信が、近距離通信によって行われるとよい。
【0015】
上述した認証システムは、かかる構成とすることにより、車載情報通信装置における第二通信部と、ユーザ側の通信端末装置との接続を非接触で行うことができる。また、上述した認証システムは、第二通信部と通信端末装置とが近距離通信によって接続されるので、接続を短時間で行うことができる。ここで、近距離通信には、例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標)などが利用できる。また、第二通信部における通信は、車載情報通信装置側からWiFi等で接続するものだけではなく、通信端末装置側からWiFiテザリング等によって接続するものでもよい。
【0016】
(4)上述した本発明の認証システムは、前記通信端末装置が、前記第二通信部と通信可能な範囲に位置することを条件として、前記通信端末装置と前記第二通信部との通信による接続が自動的に行われるとよい。
【0017】
上述した認証システムは、かかる構成とすることにより、通信端末装置と、車載情報通信装置における第二通信部との通信による接続を簡単に行うことができる。そのため、上述した認証システムは、ユーザ側での通信端末装置の操作負担を軽減できる。
【0018】
(5)上述した本発明の認証システムは、前記車載情報通信装置が、前記車両における車両情報を取得可能であると共に、取得した前記車両情報を、前記第一通信部を介して前記情報処理装置の第四通信部に送信可能であり、前記通信端末装置は、前記第四通信部に送信された前記車両情報を前記第三通信部を介して取得可能であるとよい。
【0019】
上述した認証システムは、かかる構成とすることにより、情報処理装置に送信された車両情報をユーザ側の通信端末装置で取得できるので、ユーザが適時、車両情報を確認できる。ここで、車両情報は、例えば、車両における走行距離などの情報や各種センサの動作状況などの情報を含むものとされている。従って、車両メーカー、ディーラー、サービス工場等(単に車両メーカー等とも称する)が、情報処理装置を介して車両情報を入手可能とすることで、車両情報を活用したコネクトサービスなどの各種のサービス(例えば、メンテナンス情報)の提供が期待できる。
【0020】
(6)上述した本発明の認証システムは、前記情報処理装置がサーバであるとよい。
【0021】
上述した認証システムは、かかる構成とすることにより、サーバで統括して管理できる。そのため、上述した認証システムは、簡素に構成することができる。また、上述した認証システムは、車載情報通信装置やユーザの通信端末装置における負荷を軽減できる。
【0022】
(7)上述した課題を解決すべく提供される本発明の認証アプリケーションプログラムは、上述した認証システムで用いられる認証アプリケーションプログラムであって、前記通信端末装置において入力される前記車両識別情報を受け付けると共に、前記第三通信部を介して前記情報処理装置に前記車両識別情報を送信する車両識別情報受付処理と、前記情報処理装置において前記車載情報通信装置における情報通信処理を有効化する有効化処理と、前記車両側発信情報を、前記第一通信部を介して前記第四通信部に送信する車両側発信情報通信処理と、前記情報処理装置において前記車両側発信情報に含まれる前記通信機器識別情報を登録通信機器識別情報として登録する情報登録処理と、前記車載情報通信装置及び前記通信端末装置の情報通信を可能とする通信接続処理と、前記車載情報通信装置及び前記通信端末装置の情報通信によって前記通信端末装置に前記通信機器識別情報を送信する通信機器識別情報通信処理と、前記通信機器識別情報通信処理によって取得された通信機器識別情報を認証用情報として、前記第三通信部を介して前記情報処理装置に送信する認証用情報通信処理と、前記認証用情報通信処理において送信された前記認証用情報に含まれる通信機器識別情報を、前記登録通信機器識別情報と比較する認証判定処理と、を実行可能であり、前記認証判定処理において、前記通信端末装置から取得した前記認証用情報に含まれる通信機器識別情報、及び前記登録通信機器識別情報が合致する場合は、前記通信端末装置を前記車両と関連づけられた正規端末として認証処理を行うものであり、前記認証判定処理において、前記通信端末装置から取得した前記認証用情報に含まれる前記通信機器識別情報、及び前記登録通信機器識別情報が合致しない場合は、前記認証処理を行わないものであること、を特徴とするものである。
【0023】
上述した認証アプリケーションプログラムは、通信機器識別情報通信処理を実行することにより、通信端末装置に、通信機器識別情報を取り込むことが可能である。従って、上述した認証アプリケーションプログラムは、ユーザ側の通信端末装置と、車載情報通信装置との通信による接続が確立されることにより、通信端末装置が容易に通信機器識別情報を取得することができる。また、上述した認証アプリケーションプログラムは、車両側発信情報通信処理を実行することにより、情報処理装置に、車両側発信情報を取り込むことができる。従って、上述した認証アプリケーションプログラムは、情報処理装置と、車載情報通信装置との通信による接続が確立されることにより、情報処理装置が容易に車両側発信情報を取得できる。また、上述した認証アプリケーションプログラムは、車両識別情報入力受付処理によって受け付けた車両識別情報と、通信機器識別情報通信処理によって取得された通信機器識別情報とを認証用情報として、通信端末装置から情報処理装置に送信することができる。これにより、情報処理装置は、認証用情報に含まれる通信機器識別情報と、登録通信機器識別情報とを比較する認証判定処理をスムーズに実行することができる。
【0024】
すなわち、上述した認証アプリケーションプログラムは、車載情報通信装置、情報処理装置、及び通信端末装置の間での通信機器識別情報に係る情報通信により、通信端末装置を車両(車載情報通信装置)関連づけられた正規端末として認証することができる。従って、上述した認証アプリケーションプログラムは、車両の製造工場等で、車載情報通信装置等にライセンスコードを付与する工程やライセンスコードを管理する工程を排除できる。そのため、上述した認証アプリケーションプログラムは、車両等の生産者側におけるライセンスコードの管理負担やコストを低減することが可能である。従って、ユーザ側の通信端末装置が、車載情報通信装置との情報通信によって容易に認証用情報を取得できるので、ユーザ側の負担も軽減できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、車両等の生産者側におけるライセンスコードの管理負担やコストを低減することが可能な認証システムを提供することができる。また、本発明は、上記認証システムの利用を容易にする認証アプリケーションプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る認証システムの構成図である。
図2】(a)は、本発明の認証システムにおける情報処理装置及び車載情報通信装置間の情報通信の説明図であり、(b)は、本発明の認証システムにおける通信端末装置及び車載情報通信装置間の情報通信の説明図である。
図3】(c)は、本発明の認証システムにおける情報処理装置及び通信端末装置間の情報通信の説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る認証システムの概略説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係る認証システム及び認証アプリケーションプログラムのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態に係る認証システム1について、図1図4を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、情報処理装置20と、車載情報通信装置10と、ユーザが保有する任意の通信端末装置30との間で提供されるコネクトサービスを例として説明する。
【0028】
図1に示すように、認証システム1は、車両2に搭載された車載情報通信装置10と、車両2とは別に設けられた情報処理装置20等を備えている。車載情報通信装置10は、本実施形態では、TCU(テレマティクス・コントロール・ユニット)と称される通信機で構成されており、後述する情報処理装置20との通信が可能である。また、車載情報通信装置10は、ユーザが保有するスマートフォンなどの任意の通信端末装置30との通信が可能である。また、車載情報通信装置10には、固有の通信機器識別情報(図2参照)が付与されている。
【0029】
図4に示すように、通信機器識別情報は、車載情報通信装置10に固有のBSSID(MACアドレス)として付与されている。従って、車載情報通信装置10は、BSSIDによって、他の通信機器から識別することができる。また、車載情報通信装置10は、第一通信部11と、第二通信部12等を備えている(図1参照)。
【0030】
また、車両2には、固有の車両識別情報が付与されている。車両識別情報は、車両2に固有の車両識別番号(VIN)として付与されている。従って、車両2は、VINによって、他の車両から識別することができる。
【0031】
図1及び図2(a)に示すように、第一通信部11は、無線通信が可能な通信機として構成されており、情報処理装置20との通信による接続により、情報処理装置20との情報通信が可能なものとされている。第一通信部11は、後述する情報処理装置20の第四通信部22との接続が可能なものとされている。第一通信部11は、第四通信部22を介して、車両2に付与された車両識別情報、及び通信機器識別情報を含む情報を車両側発信情報として情報処理装置20に送信可能である。通信機器識別情報は、本実施形態では、車載情報通信装置10や情報処理装置20(後述する認証アプリケーションプログラムを含む)などによって、暗号化処理された後、情報処理装置20に送信される。なお、本実施形態では、通信機器識別情報を暗号化処理しているが、暗号化処理は、必要に応じて、車両識別情報及び通信機器識別情報のいずれか一方又は双方に施すことが可能である。ここで、暗号化処理は、例えばハッシュ関数を用いて通信機器識別情報や車両識別情報をハッシュ値に変換するものとされている。このように、本発明の認証システム1は、車両識別情報や通信機器識別情報を暗号化処理する構成を採用することによりセキュリティを向上させることができる。
【0032】
図1及び図2(b)に示すように、第二通信部12は、無線通信が可能な通信機として構成されており、WiFiやBluetooth(登録商標)などの近距離通信が可能なものとされている。第二通信部12は、後述する通信端末装置30との通信による接続により、通信端末装置30との情報通信が可能なものとされている。そのため、第二通信部12と、ユーザ側の通信端末装置30との接続は、非接触で行うことができる。また、本発明の認証システム1は、第二通信部12と通信端末装置30とが近距離通信によって接続されるので、接続を短時間で行うことができる。
【0033】
また、第二通信部12は、通信端末装置30との情報通信により、車両2に付与された車両識別情報、及び通信機器識別情報のうち少なくとも通信機器識別情報を含む情報を、認証用情報として通信端末装置30に対して送信することができる。なお、第二通信部12における通信は、車載情報通信装置10側からWiFi等で接続するものだけではなく、通信端末装置30側からWiFiテザリング等によって接続するものでもよい。
【0034】
図1に示すように、情報処理装置20は、例えば、各種の演算や情報処理を行うことが可能なコンピュータで構成されている。情報処理装置20は、本実施形態ではサーバとして提供されている。情報処理装置20は、第三通信部21と、第四通信部22と、を備えている。また、情報処理装置20は、前記の他、記憶部23と、認証処理部24等を備えている。
【0035】
第三通信部21は、無線通信が可能な通信機として構成されており、通信端末装置30との通信による接続により、通信端末装置30との情報通信が可能なものとされている。第三通信部21は、図3(c)に示すように、通信端末装置30との間で少なくとも認証用情報に係る情報通信が可能である。すなわち、通信端末装置30から認証用情報が、第三通信部21を介して情報処理装置20に送信される。なお、認証用情報は、必要に応じて、後述する認証アプリケーションプログラムや情報処理装置20などによって、上述した暗号化処理を行った後、情報処理装置20に送信するものとされている。このように、上述した認証システム1は、認証用情報(通信機器識別情報及び車両識別情報のいずれか一方又は双方)を暗号化処理する構成を採用することによりセキュリティを向上させることができる。
【0036】
図1及び図2(a)に示すように、第四通信部22は、無線通信が可能な通信機として構成されており、車載情報通信装置10における第一通信部11との通信による接続により、車載情報通信装置10との情報通信が可能なものとされている。第四通信部22は、車載情報通信装置10の第一通信部11との間で少なくとも車両側発信情報に係る情報通信が可能である。
【0037】
図1に示すように、記憶部23は、メモリやハードディスク等の記憶媒体で構成されており、第四通信部22を介して受信した車両側発信情報を記憶することができる。具体的には、記憶部23は、車両側発信情報に含まれる通信機器識別情報を登録通信機器識別情報として登録する情報登録処理を行うことができる。なお、記憶部23は、通信機器識別情報だけではなく、車両識別情報や、車両情報等を記憶できるものとしてもよい。
【0038】
認証処理部24は、第三通信部21において通信端末装置30から取得した認証用情報に含まれる通信機器識別情報(登録通信機器識別情報)、及び第四通信部22において車載情報通信装置10から取得した車両側発信情報に含まれる通信機器識別情報が合致するか否かの認証判定処理を行うものとされている。認証処理部24は、認証判定処理において、通信端末装置30から取得した認証用情報に含まれる通信機器識別情報、及び登録通信機器識別情報が合致する場合は、通信端末装置30を車両2と関連づけられた正規端末として認証処理を行うものとされている。一方、認証処理部24は、認証判定処理において、通信端末装置30から取得した認証用情報に含まれる通信機器識別情報、及び登録通信機器識別情報が合致しない場合は、通信端末装置30が正規端末であることの認証処理を行わないものとされている。
【0039】
通信端末装置30は、ユーザ等が保有する任意の携帯端末(例えば、スマートフォン)等で構成されている。図2(b)に示すように、通信端末装置30は、上述した近距離通信を通じて、車載情報通信装置10における第二通信部12との情報通信が可能である。通信端末装置30は、第二通信部12との情報通信により、車両2に付与された車両識別情報、及び通信機器識別情報のうち少なくとも通信機器識別情報を含む情報を、認証用情報として受信することができる。
【0040】
また、本実施形態では、通信端末装置30が、第二通信部12と通信可能な範囲に位置することを条件として、通信端末装置30と第二通信部12との通信による接続が自動的に行われるものとされている。これにより、上述した認証システム1は、通信端末装置30と、車載情報通信装置10における第二通信部12との通信による接続を簡単に行うことができる。そのため、上述した認証システム1は、ユーザ側での通信端末装置30の操作負担を軽減できる。
【0041】
図3(c)に示すように、通信端末装置30は、インターネット等のネットワークを介して情報処理装置20における第三通信部21に接続することができる。通信端末装置30は、第三通信部21に接続されることにより、情報処理装置20との間で少なくとも認証用情報に係る情報通信が可能である。上述したように、通信端末装置30は、認証用情報を第三通信部21を介して情報処理装置20に送信する。
【0042】
以上が、本発明の一実施形態に係る認証システム1の構成であり、次に、認証システム1における作用効果について説明する。
【0043】
上述した認証システム1は、通信端末装置30から取得した認証用情報に含まれる通信機器識別情報と、車載情報通信装置10から取得した車両側発信情報とが合致することを条件として、情報処理装置20における認証処理部24が通信端末装置30を車両2と関連づけられた正規端末として認証することができる。すなわち、車載情報通信装置10、情報処理装置20、及び通信端末装置30の間での通信機器識別情報に係る情報通信により、通信端末装置30を車両2(車載情報通信装置10)関連づけられた正規端末として認証することができる。従って、上述した認証システム1は、車両2の製造工場等で、車載情報通信装置10等にライセンスコードを付与する工程やライセンスコードを管理する工程を排除できる。そのため、上述した認証システム1は、車両2等の生産者側におけるライセンスコードの管理負担やコストを低減することが可能である。ここで、通信端末装置30は、例えば、車両2のユーザが保有するスマートフォンなどの携帯端末等が利用できるものとされている。従って、ユーザ側の通信端末装置30が、車載情報通信装置10との情報通信によって容易に認証用情報を取得できるので、ユーザ側の負担も軽減できる。
【0044】
また、本実施形態では、情報処理装置20がサーバとして構成されている。そのため、上述した認証システム1は、サーバで統括して管理でき、構成を簡素化できる。また、上述した認証システム1は、車載情報通信装置10やユーザの通信端末装置30における負荷を軽減できる。
【0045】
以上が、本発明の認証システム1の作用効果であり、次に、本発明の認証システム1の変形例について説明する。
【0046】
≪変形例≫
変形例に係る認証システム1は、車両2における車両情報の受け渡しが可能である点を除けば、上述した実施形態と同様の構成であるので、同様部分の説明は省略する。
【0047】
図示を省略するが、変形例に係る認証システム1は、車載情報通信装置10が、車両2における車両情報を取得可能なものとされている。ここで、上述した車両情報は、例えば、車両2における走行距離などの情報や各種センサの動作状況などの情報を含むものとされている。車載情報通信装置10は、取得した車両情報を、第一通信部11を介して情報処理装置20の第四通信部22に送信可能とされている。また、通信端末装置30は、第四通信部22に送信された車両情報を、第三通信部21を介して取得可能とされている。
【0048】
上述したように、変形例に係る認証システム1は、情報処理装置20に送信された車両情報をユーザ側の通信端末装置30で取得できるので、ユーザが適時、車両情報を確認できる。また、車両メーカー、ディーラー、サービス工場等(単に車両メーカー等とも称する)が、情報処理装置20を介して車両情報を入手可能とすることで、車両情報を活用したコネクトサービスなどの各種のサービス(例えば、メンテナンス情報)の提供が期待できる。
【0049】
以上が、本発明の変形例に係る認証システム1の構成及び作用効果であり、次に本発明の認証システム1を用いた認証アプリケーションプログラム(以下、認証アプリとも称する)について以下に説明する。
【0050】
本発明の認証アプリは、車載情報通信装置10、情報処理装置20、及び通信端末装置30に組み込まれており、車載情報通信装置10、情報処理装置20、及び通信端末装置30のそれぞれが連携しながら動作するものとされている(図2及び図3参照)。
【0051】
図5に示すように、通信端末装置30において、認証アプリの実行が開始されると、ユーザによる車両識別情報(VIN)の入力の受け付け処理が開始される。ユーザは、認証アプリを通じて、車両識別情報を入力する。また、入力された車両識別情報は、第三通信部21を介して情報処理装置20に送信される(車両識別情報受付処理:ステップS1)。
【0052】
続いて、情報処理装置20が、車載情報通信装置10における情報通信処理を有効化する(有効化処理:ステップS2)。
【0053】
続いて、車載情報通信装置10が起動(例えば、車両2のイグニッションをオン)し、暗号化処理された通信機器識別情報(BSSIDのハッシュ値:図4参照)が車両側発信情報として、情報処理装置20の第四通信部22に送信される(車両側発信情報通信処理:ステップS3)。このとき、情報処理装置20において車両側発信情報に含まれる通信機器識別情報を登録通信機器識別情報として登録する情報登録処理が併せて実行される。
【0054】
続いて、認証アプリによって、車載情報通信装置10及び通信端末装置30が接続される。これにより、車載情報通信装置10及び通信端末装置30の情報通信が可能とされる(通信接続処理:ステップS4)。また、ステップS4においては、車載情報通信装置10及び通信端末装置30の情報通信によって通信端末装置30に通信機器識別情報を送信する処理が行われる(通信機器識別情報通信処理)。
【0055】
続いて、通信機器識別情報通信処理によって取得された通信機器識別情報を認証用情報として、第三通信部21を介して情報処理装置20に送信する処理が行われる(認証用情報通信処理:ステップS5)。このとき、認証用情報における少なくとも通信機器識別情報が、暗号化処理(ハッシュ関数による処理)によってハッシュ値に変換される。
【0056】
続いて、認証用情報通信処理において送信された認証用情報に含まれる通信機器識別情報を、登録通信機器識別情報と比較する認証判定に係る処理が行われる(認証判定処理:ステップS6)。
【0057】
認証判定処理において、通信端末装置30から取得した認証用情報に含まれる通信機器識別情報、及び登録通信機器識別情報が合致する場合は、通信端末装置30を車両2と関連づけられた正規端末として認証処理を行う(認証成功:ステップS7)。
【0058】
一方、認証判定処理において、通信端末装置30から取得した認証用情報に含まれる通信機器識別情報、及び登録通信機器識別情報が合致しない場合は、通信端末装置30を正規端末として認証処理を行わない(認証失敗:ステップS8)。
【0059】
ステップS7又はステップS8が完了すると認証処理(認証アプリ)を終了する。なお、認証アプリの終了後に、通信端末装置30と車載情報通信装置10との接続が再開された場合は、ステップS1からの処理を実行すればよい。
【0060】
以上が、本発明の認証アプリケーションプログラムの動作フローの一実施形態であり、次に、認証アプリケーションプログラムによる作用効果について以下に説明する。
【0061】
上述した認証アプリは、通信機器識別情報通信処理を実行することにより、通信端末装置30に、通信機器識別情報を取り込むことが可能である。従って、上述した認証アプリは、ユーザ側の通信端末装置30と、車載情報通信装置10との通信による接続が確立されることにより、通信端末装置30が容易に通信機器識別情報を取得することができる。また、上述した認証アプリは、車両側発信情報通信処理を実行することにより、情報処理装置20に、車両側発信情報を取り込むことができる。従って、上述した認証アプリは、情報処理装置20と、車載情報通信装置10との通信による接続が確立されることにより、情報処理装置20が容易に車両側発信情報を取得できる。また、上述した認証アプリは、車両識別情報入力受付処理によって受け付けた車両識別情報と、通信機器識別情報通信処理によって取得された通信機器識別情報とを認証用情報として、通信端末装置30から情報処理装置20に送信することができる。これにより、情報処理装置20は、認証用情報に含まれる通信機器識別情報と、登録通信機器識別情報とを比較する認証判定処理をスムーズに実行することができる。
【0062】
上述したように、本発明の認証アプリは、車載情報通信装置10、情報処理装置20、及び通信端末装置30の間での通信機器識別情報に係る情報通信により、通信端末装置30を車両2(車載情報通信装置10)関連づけられた正規端末として認証することができる。従って、上述した認証アプリは、車両の製造工場等で、車載情報通信装置等にライセンスコードを付与する工程やライセンスコードを管理する工程を排除できる。そのため、上述した認証アプリは、車両等の生産者側におけるライセンスコードの管理負担やコストを低減することが可能である。従って、ユーザ側の通信端末装置30が、車載情報通信装置10との情報通信によって容易に認証用情報を取得できるので、ユーザ側の負担も軽減できる。
【0063】
以上が、本発明の認証システム1及び認証アプリケーションプログラムに係る実施形態あるが、本発明の認証システム1及び認証アプリケーションプログラムは、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
【0064】
本実施形態では、情報処理装置20がサーバである場合を例示したが、情報処理装置20は、サーバに限定されるものではなく、各種の情報処理機器を用いることができる。また、情報処理装置20は、各所に配置することができる。また、車載情報通信装置10は、TCUには限定されず、例えば、ナビゲーション装置等を利用することもできる。かかる場合は、ユーザ側の通信端末装置30による通信回線(WiFiテザリング等)を利用して、情報処理装置20との情報通信を行うようにしてもよい。また、本実施形態では、通信機器識別情報としてBSSID(MACアドレス)を利用しているが、通信機器を特定できるものであれば各種の識別情報を利用することができる。また、本実施形態では、車載情報通信装置10が、第一通信部11及び第二通信部12を有するものとしたが、第一通信部11及び第二通信部12が共通化されていてもよい。同様に、情報処理装置20における第三通信部21及び第四通信部22が共通化されていてもよい。また、本実施形態では、通信機器識別情報及び車両識別情報を車載情報通信装置10から情報処理装置20に送信するようにしているが、いずれか一方で認証を行うことができる場合は、いずれか一方を送信すればよい。かかる場合は、認証用情報や認証処理部24での認証処理においても、通信機器識別情報及び車両識別情報の対応するいずれか一方を用いればよい。
【0065】
本実施形態では、通信機器識別情報及び車両識別情報のいずれか一方又は双方が、ハッシュ関数を用いてハッシュ値に変換される場合について例示したが、暗号化処理は、ハッシュ関数によりハッシュ値に変換されるものだけではなく、各種の暗号化処理によって暗号化することができる。暗号化処理は、例えば、共通鍵暗号方式や公開鍵暗号方式などの暗号化処理を用いてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、第二通信部12における情報通信が、近距離通信によって行われるものを例示したが、第二通信部12における情報通信は、近距離通信には限定されず、各種の方式の通信手段を用いることができる。前記通信手段は、利便性を考慮して無線通信で行われることが望ましい。
【0067】
また、本実施形態では、通信端末装置30が、第二通信部12と通信可能な範囲に位置することを条件として、通信端末装置30と第二通信部12との通信による接続が自動的に行われるものとしたが、これには限定されない。例えば、通信端末装置30と第二通信部12との通信による接続が手動で行われてもよい。
【0068】
また、本変形例では、車載情報通信装置10が、車両2における車両情報を取得可能であると共に、取得した車両情報を、第一通信部11を介して情報処理装置20の第四通信部22に送信可能なものとしたが、車両情報は、必要に応じて情報処理装置20に送信すればよい。
【0069】
本実施形態では、通信端末装置30において車両識別情報を入力するものとしたが、車両識別情報が、通信端末装置30に対して自動的に入力されて情報処理装置20に送信されるものとしてもよい。かかる場合は、車載情報通信装置10から通信端末装置30に車両識別情報が送信されるようにするとよい。また、本実施形態では、情報処理装置20において車載情報通信装置10における情報通信処理を有効化する有効化処理が行われるものとしたが、有効化処理は、必要に応じて実行すればよく、有効化処理を排することもできる。また、本実施形態では、通信機器識別情報を情報処理装置20に登録する情報登録処理が行われるものとしたが、情報登録処理は、必要に応じて行えばよく、情報登録処理を排することもできる。かかる場合は、情報処理装置20に送信された通信機器識別情報と、通信端末装置30から情報処理装置20に送信される通信機器識別情報とを直接比較すればよい。また、本発明の認証アプリでは、通信機器識別情報及び車両識別情報を用いて通信端末装置30を認証するものとしたが、通信機器識別情報及び車両識別情報のいずれか一方で認証が可能である場合は、いずれか一方で認証処理を行うようにすればよい。また、認証アプリは、通信端末装置30にインストールされているものだけではなく、インターネット等のネットワークを介して利用するもの、あるいは、情報処理装置20や車載情報通信装置10にインストールされたものをネットワークを介して利用するものなど、各種の形態のものの利用が可能である。
【0070】
以上が、本発明に係る認証システム1及び認証アプリケーションプログラムの各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の認証システム及び認証アプリケーションプログラムは、車両におけるTCU等の車載情報通信装置と、車両のユーザが保有するスマートフォンなどの通信端末装置との認証に利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 :認証システム
10 :車載情報通信装置
11 :第一通信部
12 :第二通信部
20 :情報処理装置
21 :第三通信部
22 :第四通信部
23 :記憶部
24 :認証処理部
30 :通信端末装置
図1
図2
図3
図4
図5