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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139618
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】サーバ、監視方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230927BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20230927BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230927BHJP
【FI】
G08G1/00 J
G08G1/04 D
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045233
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】今村 晋輔
(72)【発明者】
【氏名】鴻野 大地
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大和
(72)【発明者】
【氏名】森岡 嵩文
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 利恵
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181DD04
5H181EE15
5H181MC17
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】高速道路で発生した事象の詳細情報を、当該事象に関連する複数の拠点に同時に伝達することができるサーバを提供する。
【解決手段】サーバは、高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を取得する取得部と、前記事象に関連する画像を抽出する画像抽出部と、前記事象の発生地点を推定する場所推定部と、前記事象の属性を推定する属性推定部と、前記発生地点および前記属性の推定情報に基づいて、前記事象に起因して生じる交通状態への影響を予測する影響予測部と、前記テキスト情報と、前記事象に関する画像と、前記発生地点および前記属性の推定情報と、前記影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するインシデント情報生成部と、前記事象に関連する拠点に前記インシデント情報を送信する送信処理部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を取得する取得部と、
前記テキスト情報に基づいて、前記高速道路の監視カメラが撮影した画像のうち、前記事象に関連する画像を抽出する画像抽出部と、
前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の発生地点を推定する場所推定部と、
前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の属性を推定する属性推定部と、
前記発生地点および前記属性の推定情報に基づいて、前記事象に起因して生じる交通状態への影響を予測する影響予測部と、
前記テキスト情報と、前記事象に関連する画像と、前記発生地点および前記属性の推定情報と、前記影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するインシデント情報生成部と、
前記事象に関連する拠点に前記インシデント情報を送信する送信処理部と、
を備えるサーバ。
【請求項2】
前記事象に起因して生じる影響を低減する対策案を提案する提案部をさらに備え、
前記インシデント情報生成部は、前記対策案をさらに含む前記インシデント情報を生成する、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記提案部は、前記対策案を実施した場合における前記影響の低減度合いをさらに予想する、
請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記インシデント情報生成部は、前記拠点から修正情報を受け付けた場合に、前記インシデント情報を修正して更新する、
請求項1から3の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を取得するステップと、
前記テキスト情報に基づいて、前記高速道路の監視カメラが撮影した画像のうち、前記事象に関連する画像を抽出するステップと、
前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の発生地点を推定するステップと、
前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の属性を推定するステップと、
前記発生地点および前記属性の推定情報に基づいて、前記事象に起因して生じる交通状態への影響を予測するステップと、
前記テキスト情報と、前記事象に関連する画像と、前記発生地点および前記属性の推定情報と、前記影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するステップと、
前記事象に関連する拠点に前記インシデント情報を送信するステップと、
を有する監視方法。
【請求項6】
高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を取得するステップと、
前記テキスト情報に基づいて、前記高速道路の監視カメラが撮影した画像のうち、前記事象に関連する画像を抽出するステップと、
前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の発生地点を推定するステップと、
前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の属性を推定するステップと、
前記発生地点および前記属性の推定情報に基づいて、前記事象に起因して生じる交通状態への影響を予測するステップと、
前記テキスト情報と、前記事象に関連する画像と、前記発生地点および前記属性の推定情報と、前記影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するステップと、
前記事象に関連する拠点に前記インシデント情報を送信するステップと、
をサーバに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、監視方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路で生じた事故などの事象(インシデント)の発生を通知する手段として、たとえば特許文献1には、事故などの発生が検出された場合に、街路灯を警戒色で点灯して、付近を走行する車両に通知する技術が記載されている。
【0003】
また、現在、高速道路(有料道路を含む)では、例えば交通管制室の監視員が監視カメラなどを介して事故を発見した場合に、事故の発生地点の管理拠点(例えば、料金所監視室)に対して電話で伝達を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-87883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、事故についての簡易な情報を電話で伝えるのみであるため、情報量や伝達範囲が限られたものとなっていた。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであって、高速道路で発生した事象の詳細情報を、当該事象に関連する複数の拠点に同時に伝達することができるサーバ、監視方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、サーバは、高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を取得する取得部と、前記テキスト情報に基づいて、前記高速道路の監視カメラが撮影した画像のうち、前記事象に関連する画像を抽出する画像抽出部と、前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の発生地点を推定する場所推定部と、前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の属性を推定する属性推定部と、前記発生地点および前記属性の推定情報に基づいて、前記事象に起因して生じる交通状態への影響を予測する影響予測部と、前記テキスト情報と、前記事象に関連する画像と、前記発生地点および前記属性の推定情報と、前記影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するインシデント情報生成部と、前記事象に関連する拠点に前記インシデント情報を送信する送信処理部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様によれば、監視方法は、高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を取得するステップと、前記テキスト情報に基づいて、前記高速道路の監視カメラが撮影した画像のうち、前記事象に関連する画像を抽出するステップと、前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の発生地点を推定するステップと、前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の属性を推定するステップと、前記発生地点および前記属性の推定情報に基づいて、前記事象に起因して生じる交通状態への影響を予測するステップと、前記テキスト情報と、前記事象に関連する画像と、前記発生地点および前記属性の推定情報と、前記影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するステップと、前記事象に関連する拠点に前記インシデント情報を送信するステップと、を有する。
【0009】
本開示の一態様によれば、プログラムは、高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を取得するステップと、前記テキスト情報に基づいて、前記高速道路の監視カメラが撮影した画像のうち、前記事象に関連する画像を抽出するステップと、前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の発生地点を推定するステップと、前記テキスト情報および前記事象に関連する画像に基づいて、前記事象の属性を推定するステップと、前記発生地点および前記属性の推定情報に基づいて、前記事象に起因して生じる交通状態への影響を予測するステップと、前記テキスト情報と、前記事象に関連する画像と、前記発生地点および前記属性の推定情報と、前記影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するステップと、前記事象に関連する拠点に前記インシデント情報を送信するステップと、をサーバに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係るサーバ、監視方法、及びプログラムによれば、高速道路で発生した事象の詳細情報を、当該事象に関連する複数の拠点に同時に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係る監視システムの全体構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態に係る端末装置の機能構成を示す図である。
図3】本開示の一実施形態に係るサーバの機能構成を示す図である。
図4】本開示の一実施形態に係る監視システムの処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図5】本開示の一実施形態に係るサーバの機能を説明するための第1の図である。
図6】本開示の一実施形態に係るサーバの機能を説明するための第2の図である。
図7】本開示の一実施形態に係るサーバの機能を説明するための第3の図である。
図8】本開示の一実施形態に係るシミュレーション結果の一例を示す図である。
図9】本開示の一実施形態に係るインシデント情報の一例を示す図である。
図10】本開示の一実施形態に係る監視システムの処理の一例を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の一実施形態に係る監視システム1について、図1図10を参照しながら説明する。
【0013】
(全体構成)
図1は、本開示の一実施形態に係る監視システムの全体構成を示す図である。
本実施形態に係る監視システム1は、高速道路(有料道路を含む)において発生した事象の情報を収集して、各拠点に伝達するためのシステムである。図1に示すように、監視システム1は、各拠点に設置された端末装置10と、サーバ20とを備えている。
【0014】
端末装置10は、交通管制室、料金所監視室、道路事業者事務所、保守基地などの各拠点に駐在するオペレータにより操作されるコンピュータである。端末装置10は、各拠点のオペレータが発見した事故、渋滞などの事象の概略情報をサーバ20に送信する。また、端末装置10は、サーバ20から受信した事象の詳細情報などをオペレータに提示する。
【0015】
交通管制室は、高速道路の各所(料金所、本線、ランプなど)を撮影する監視カメラ31の映像などを通じて、高速道路全体の事故、渋滞などの監視を行う監視員(オペレータ)が駐在する施設である。
【0016】
料金所監視室は、高速道路の地区ごとに設置され、地区内の料金所に設置された監視カメラ31の映像などを通じて、各料金所の監視およびトラブル対応などを行う係員(オペレータ)が駐在する施設である。
【0017】
道路事業者事務所は、道路事業者の職員(オペレータ)が駐在する施設である。
【0018】
保守基地は、高速道路の地区ごとに設置され、高速道路の工事、保守などを行う保守員(オペレータ)が駐在する施設である。
【0019】
サーバ20は、高速道路の監視用の内部ネットワークを介して、各拠点の端末装置10と通信可能に接続される。サーバ20は、端末装置10から受信した概略情報から、高速道路において発生した事象の分析、詳細情報の生成を行い、当該事象に関連する各拠点の端末装置10に送信する。
【0020】
また、サーバ20は、内部ネットワークを介して内部システム30と接続され、内部システム30が有する各種データベース(DB)を参照可能である。内部システム30が有するDBは、例えば、保守計画DB、道路構造情報DB、過去情報DB、画像DBなどである。保守計画DBには、高速道路の保守(工事、点検、清掃など)に関する計画が記録される。道路構造情報DBには、高速道路の各区間についての特徴情報が記録される。特徴情報は、例えば、各区間の距離、車線数、形状(坂道、カーブなど)、接続される道路(一般道路、他の高速道路)などの情報を含む。過去情報DBには、過去に高速道路において生じた事象に関する実績情報が記録される。画像DBには、監視カメラ31が撮影した画像が蓄積される。
【0021】
さらに、サーバ20は、スイッチSWにより、内部ネットワークへの接続と、外部ネットワーク(インターネット)との接続を切り替え可能であってもよい。この場合、サーバ20は、外部ネットワークを介して、外部システム40と接続され、外部システム40が有する各種DBを参照可能である。外部システム40が有するDBは、例えば、天気情報DB、イベント情報DB、交通情報DBなどである。天気情報DBには、地区ごとの現在の天気、天気予報などが記録される。イベント情報DBには、高速道路の周辺で開催されるイベントについての情報であって、イベントの開催場所、開催日時(期間)、イベントに伴う交通規制などの情報が記録される。交通情報DBには、監視システム1以外の外部システムにおいて収集された高速道路および一般道路の交通情報(事故、渋滞、規制などの情報)が記録される。
【0022】
(端末装置の機能構成)
図2は、本開示の一実施形態に係る端末装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14と、表示部15と、操作受付部16とを備えている。
【0023】
プロセッサ11は、所定のプログラムに従って動作することにより、テキスト情報生成部110、および修正情報生成部111としての機能を発揮する。
【0024】
テキスト情報生成部110は、オペレータが操作受付部16を介して入力した内容に基づいて、高速道路で発生した事象の概略を表すテキスト情報を生成する。テキスト情報は、例えば、事象のおおよその発生日時(例:「9時頃」)、発生場所(例:「5号線のA地区」)、発生内容(例:「大型トラックの横転事故発生」)を含む。テキスト情報生成部110が生成したテキスト情報は、サーバ20に送信される。
【0025】
修正情報生成部111は、オペレータが操作受付部16を介して入力した内容に基づいて、サーバ20から受信した情報に対して追加、修正を行った修正情報を生成する。修正情報生成部111が生成した修正情報は、サーバ20に送信される。
【0026】
メモリ12は、プロセッサ11の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0027】
ストレージ13は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0028】
通信インタフェース14は、外部装置(サーバ20、内部システム30、監視カメラ31など)との間で各種情報(信号)の送受信を行うためのインタフェースである。
【0029】
表示部15は、監視カメラ31が撮影した映像などを表示するための表示装置(液晶ディスプレイなど)である。
【0030】
操作受付部16は、オペレータの操作を受け付ける入力装置(キーボード、マウスなど)である。また、表示部15および操作受付部16はタッチパネルにより一体に構成されていてもよい。
【0031】
(サーバの機能構成)
図3は、本開示の一実施形態に係るサーバの機能構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24とを備えている。
【0032】
プロセッサ11は、所定のプログラムに従って動作することにより、取得部210、画像抽出部211、場所推定部212、属性推定部213、影響予測部214、提案部215、インシデント情報生成部216、および送信処理部217としての機能を発揮する。
【0033】
取得部210は、高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を、端末装置10から取得する。本実施形態では、テキスト情報は、発見者である端末装置10のオペレータが入力したものである。
【0034】
画像抽出部211は、監視カメラ31が撮影した画像(内部システム30の画像DBに蓄積された画像)のうち、テキスト情報が表す事象に関連する画像を抽出する。例えば、画像抽出部211は、テキスト情報に含まれるキーワード(発生日時、発生場所、発生内容)にマッチする画像を抽出する。
【0035】
場所推定部212は、テキスト情報および抽出した事象に関連する画像に基づいて、事象の発生地点を推定する。
【0036】
属性推定部213は、テキスト情報および抽出した事象に関連する画像に基づいて、事象の属性を推定する。属性は、例えば「事故」、「渋滞(事故などの外的要因による)」、「自然渋滞」などの事象の種類を表す情報である。また、属性は、例えば、「Xkm以上の渋滞」、「Xkm未満の渋滞」など、事象の規模をさらに表すものであってもよい。
【0037】
影響予測部214は、発生地点および属性の推定情報に基づいて、事象に起因して生じる交通状態への影響を予測する。影響予測部214は、例えば属性が「自然渋滞」である場合、渋滞が広がる範囲(距離、区間)などを予測する。また、影響予測部214は、例えば属性が「事故」である場合、事故に起因して生じると予測される渋滞の範囲(距離、区間)、通行止めの要否、事故が発生した高速道路に接続される他の高速道路、一般道路における混雑発生の有無などを予測する。
【0038】
提案部215は、事象に起因して生じる影響を低減する対策案を提案する。
【0039】
インシデント情報生成部216、テキスト情報と、事象に関連する画像と、発生地点および属性の推定情報と、影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成する。また、インシデント情報生成部216は、提案部215が提案する対策案を含むインシデント情報を生成してもよい。
【0040】
送信処理部217は、事象に関連する拠点の端末装置10にインシデント情報を送信する。事象に関連する拠点とは、事象の発生地点から所定範囲内に位置する料金所監視室、事象の発生地点を含む地区の保守を担当する保守基地、高速道路の道路事業者事務所、および交通管制室などである。
【0041】
メモリ22は、プロセッサ21の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0042】
ストレージ23は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0043】
通信インタフェース24は、外部装置(端末装置10、内部システム30、外部システム40など)との間で各種情報(信号)の送受信を行うためのインタフェースである。
【0044】
なお、端末装置10のプロセッサ11、およびサーバ20のプロセッサ21が実行する所定のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。さらに、このプログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。また、後述の各サーバおよび装置が有するプロセッサについても同様である。
【0045】
また、図1の例では、サーバ20が1つのコンピュータで構成されている例が示されているが、これに限られることはない。他の実施形態では、サーバ20は、複数のコンピュータ(例えば、Webサーバ、APサーバ、DBサーバ、解析サーバなど)で構成されていてもよい。
【0046】
(監視システムの処理フロー)
図4は、本開示の一実施形態に係る監視システムの処理の一例を示す第1のフローチャートである。
以下、図4を参照しながら、監視システム1がインシデント情報を生成して各端末装置10に配信する処理の流れについて説明する。
【0047】
交通管制室の監視員(オペレータ)が監視カメラ31の映像から、高速道路上のある地点において事故が発生したことを発見したとする。そうすると、監視員は、端末装置10の操作受付部16を介して、発見した事象(事故)に関する情報入力する。端末装置10のテキスト情報生成部110は、監視員の入力操作にしたがい、テキスト情報を生成する(ステップS100)。テキスト情報は、例えば、「9時頃、5号線のA地区で大型トラックの横転事故発生」のように、おおよその発生日時、発生場所、および発生内容を含む。また、テキスト情報生成部110は、生成したテキスト情報をサーバ20に送信する。なお、テキスト情報の生成および送信は、他の拠点(料金所監視室、道路事業者事務所、保守基地)の端末装置10によって行われてもよい。
【0048】
サーバ20の取得部210は、交通管制室の端末装置10からテキスト情報を取得する(ステップS101)。
【0049】
次に、サーバ20の画像抽出部211は、テキスト情報で報告された事故に関する画像を抽出する処理を行う(ステップS102)。
【0050】
図5は、本開示の一実施形態に係るサーバの機能を説明するための第1の図である。
図5に示すように、画像抽出部211は、画像を抽出する処理S102において、まず、テキスト情報に含まれるキーワードを抽出する処理を実行する(ステップS102A)。例えば、画像抽出部211は、内部システム30のキーワード抽出用の辞書DB30Aを参照して、テキスト情報に含まれるキーワードを抽出する。図5の例では、「9時」、「5号線」、「A地区」、「大型トラック」、「横転」などがキーワードとして抽出される。なお、キーワード抽出用の辞書DB30Aは、内部システム30ではなく、サーバ20が有していてもよい。
【0051】
次に、画像抽出部211は、抽出したキーワードに基づいて、事故に関連する画像を抽出する処理を行う(ステップS102B)。例えば、画像抽出部211は、機械学習済みの画像抽出モデルを使用して、内部システム30の画像DB30Bに蓄積されている各監視カメラ31の画像のうち、抽出したキーワードにマッチする画像を抽出する。
【0052】
また、サーバ20の場所推定部212は、抽出した画像に基づいて、事故のより詳細な発生地点を推定する(ステップS103)。このとき、場所推定部212は、内部システム30の監視カメラ情報DB30Cから、抽出した画像を撮影した監視カメラ31の情報(設置場所、撮影方向など)を取得するとともに、抽出した画像に含まれる対象物(図5の例では「横転」した「大型トラック」)の位置を検出して、物理的な座標(緯度、経度)を推定する。また、場所推定部212は、内部システム30の地図DB30Dから読み出したカメラの設置場所付近の地図データと、推定した座標とに基づいて、高速道路マップデータ上の具体的な地点(住所、緯度、経度)を決定する。
【0053】
サーバ20の属性推定部213は、画像抽出部211が抽出した画像に基づいて、テキスト情報で報告された事象(事故)の属性を推定する(ステップS104)。例えば、属性推定部213は、機械学習済みの事象属性判定モデルを使用して、抽出した画像に含まれる特徴から、事象の属性(「事故」、「渋滞」などの種類を表す情報、「大規模渋滞」、「混雑」などの規模を表す情報など)を推定する。また、属性推定部213は、抽出した画像の特徴から、車両の火災などの詳細な情報をさらに検出可能である場合は、「炎上疑い」などの属性をさらに付加してもよい。
【0054】
次に、サーバ20の影響予測部214は、テキスト情報で報告された事象(事故)に起因して生じる交通状態の影響を予測する(ステップS105)。
【0055】
図6は、本開示の一実施形態に係るサーバの機能を説明するための第2の図である。
図6に示すように、影響予測部214は、機械学習済みの影響予測モデルに対し、内部システム30の各DBから読み出した事故に関連する各種情報を入力する。影響予測モデルは、入力された情報に基づいて、事故による影響内容(例えば、事故に起因する渋滞、通行止めの発生など)や、影響範囲(例えば、渋滞が広がる範囲)の予測結果を出力する。
【0056】
例えば、影響予測部214は、地図DB30Dおよび道路構造情報DB30Eから事故の発生地点周辺の地図情報および道路の特徴情報(車線数、道路形状、接続される道路などの情報)を読み出して、影響予測モデルに入力する。また、影響予測部214は、保守計画DB30Fから、事故の発生地点周辺で計画されている工事、点検、清掃などの計画情報を読み出して、影響予測モデルに入力する。さらに、影響予測部214は、過去情報DB30Gから、過去に発生した事象の記録であって、今回の事故の属性(「事故」、「大型トラック横転事故」、「炎上疑い」など)に類似する事象の記録や、今回の事故の発生地点周辺で発生した事象の記録を読み出して、影響予測モデルに入力する。これにより、影響予測部214は、事故の発生地点の道路形状、保守計画、過去の事例から、事故により生じる影響を精度よく予測することができる。
【0057】
なお、影響予測部214は、外部システム40の各DBから読み出した、事故発生地点の周辺に関する情報を影響予測モデルにさらに入力してもよい。例えば、影響予測部214は、天気情報DB40Aから読み出した現在および将来の天気情報や、イベント情報DB40Bから読み出したイベント情報(開催場所、日時など)や、交通情報DB40Cから読み出した交通情報(事故が発生した高速道路に接続する他の高速道路、一般道路などの交通情報)を、影響予測モデルに入力する。これにより、影響予測部214は、事故により生じる影響が、天気、イベント、他の道路の交通状態などの外的要因によってさらに変化するか否かを精度よく予測することができる。
【0058】
次に、提案部215は、影響予測部214が予測した影響を低減する対策案を作成する(ステップS106)。
【0059】
図7は、本開示の一実施形態に係るサーバの機能を説明するための第3の図である。
例えば、提案部215は、図7に示すように、影響予測部214による影響の予測結果と、地図DB30Dおよび道路構造情報DB30Eから読み出した事故の発生地点周辺の地図情報および道路構造情報と、今回の事故に類似する過去の事象情報とに基づいて、対策案を1つ、または、複数個(N個)作成する。
【0060】
例えば、提案部215は、例えば、渋滞が発生している、または渋滞の発生が予測される場合、予測した影響範囲を考慮しながら、渋滞が緩和されるような車両の高速道路への流入出制御を行うための方法を提案する。例えば、提案部215は、既知の最適化アルゴリズムなどを利用して、高速道路の影響範囲を走行する車両のX%の車両が迂回ルート(別の高速道路を通るルート)を通れば、渋滞解除の時間がM分早まると予測した場合、この迂回ルートの通行料金をY%割り引くなどの対策案を作成する。また、提案部215は、類似する過去の事象情報に、過去の対策の実績データが含まれている場合、この過去に実施した対策に基づく対策案を作成してもよい。
【0061】
また、提案部215は、作成した対策案を実施した場合に、予測された影響がどの程度低減されるかシミュレーションを行い予想してもよい(ステップS107)。
【0062】
図8は、本開示の一実施形態に係るシミュレーション結果の一例を示す図である。
図8に示すように、提案部215は、事故により予測される影響(渋滞)を解消するため、迂回ルートの通行料金を割引して、事故が発生した高速道路の通行量を低減する対策案1を作成したとする。提案部215は、この対策案1を実施した場合に、事故による渋滞が所定時間後(例えば、30分後、60分後、90分後)に、どの程度低減するか予想留守。また、提案部215は、図8の例のように、予想結果を、地図情報上に重畳表示した予想図D1を作成してもよい。提案部215は、作成した対策案1~Nそれぞれについて、影響の低減度合いの予想を行う。
【0063】
次に、インシデント情報生成部216は、テキスト情報で報告された事象(事故)の詳細情報を付加したインシデント情報を生成する(ステップS108)。
【0064】
図9は、本開示の一実施形態に係るインシデント情報の一例を示す図である。
図9に示すように、インシデント情報D2には、テキスト情報と、推定した属性および発生地点と、影響の予測結果とが含まれる。インシデント情報D2には、対策案およびシミュレーション結果(影響の低減度合いの予想結果)がさらに含まれていてもよい。このシミュレーション結果には、図8に示す予想図D1が含まれていてもよい。
【0065】
また、影響予測部214が事故による影響の予測を行う際に、過去情報DB30Gの過去の事象情報、保守計画DB30Fの保守計画情報、天気情報DB40Aの天気情報、イベント情報DB40Bのイベント情報、交通情報DB40Cの交通情報などを用いた場合、インシデント情報生成部216は、これら情報を参考情報としてインシデント情報D2に追加してもよい。
【0066】
なお、インシデント情報生成部216は、事故の発見者(例えば交通管制室の監視員)が入力したテキスト情報と、サーバ20が自動的に付加した情報(推定情報、予測情報)とを区別可能なように、インシデント情報D2に含まれる各情報に識別フラグなどの情報を付加する。
【0067】
次に、送信処理部217は、インシデント情報D2を事故に関連する各拠点に送信する(ステップS109)。例えば、送信処理部217は、事故の発生地点から所定範囲内に位置する料金所監視室(例えば、料金所監視室B)、事故の発生地点を含む地区の保守を担当する保守基地、高速道路の道路事業者事務所、および交通管制室などである。関連する各拠点は、あらかじめ登録されたものであってもよく、あらかじめ登録された条件をもとに送信時に決定されるものでもよい。送信処理部217は、これら拠点の端末装置10に対し、インシデント情報D2を送信する。
【0068】
また、各拠点の端末装置10は、サーバ20からインシデント情報D2を受信する(ステップS110)。受信したインシデント情報は、表示部15に表示され、各拠点のオペレータに通知される。例えば、表示部15は、図9に示すような表形式で、インシデント情報D2を表示する。また、表示部15は、インシデント情報の各情報に付された識別フラグに基づいて、事故の発見者が入力したテキスト情報と、サーバ20が付加した情報との表示態様を異ならせてもよい。例えば、図9の例では、表示部15は、サーバ20が付加した情報には下線を付けて、事故の発見者が入力したテキスト情報と区別できるようにする。
【0069】
図10は、本開示の一実施形態に係る監視システムの処理の一例を示す第2のフローチャートである。
また、サーバ20が生成したインシデント情報D2は、各拠点のオペレータにより確認および修正されてもよい。ここでは、図10を参照しながら、インシデント情報D2を修正して再送信する処理の流れについて説明する。
【0070】
例えば、道路事業者事務所の職員(オペレータ)が、サーバ20が生成したインシデント情報D2を確認し、情報の追加または修正を行うとする。職員は、端末装置10の操作受付部16を介して、インシデント情報D2にたいし追加または修正する情報を入力する。例えば、サーバ20は、事故の影響範囲について、料金所B(料金所監視室Bの監視対象となる料金所)のみを予測していたとする。しかしながら、職員は、インシデント情報D2を参照して、当該事故は料金所C(料金所監視室Cの監視対象となる料金所)にも影響が生じる可能性があると判断したとする。この場合、職員は、端末装置10の操作受付部16を介して、影響の予測結果に「料金所C」を追加する修正を行う。また、職員は、インシデント情報D2の送信先に料金所監視室Cを追加する修正をさらに行ってもよい。端末装置10の修正情報生成部111は、職員による追加、修正操作を受け付けると(ステップS200)、インシデント情報D2の修正情報を生成する(ステップS201)。また、修正情報生成部111は、修正情報をサーバ20に送信する。
【0071】
次に、サーバ20の取得部210は、道路事業者事務所の端末装置10から修正情報を取得する(ステップS202)。そうすると、サーバ20のインシデント情報生成部216は、取得した修正情報に基づいて、インシデント情報D2を修正して更新する(ステップS203)。
【0072】
また、サーバ20の送信処理部217は、前回の送信先(料金所監視室B、道路事業者事務所、保守基地、および交通管制室の端末装置10)と、新たに追加された送信先(料金所監視室Cの端末装置10)に対し、更新後のインシデント情報D2を再送信する(ステップS204)。
【0073】
各拠点の端末装置10は、サーバ20から更新後のインシデント情報D2を受信する(ステップS205)と、これを表示部15に表示して、オペレータに通知する。
【0074】
なお、各拠点のオペレータは、インシデント情報D2を確認し、外部へ公開してもよいと判断した場合に、外部公開の要求をサーバ20に送信する操作をさらに行ってもよい。サーバ20の送信処理部217は、少なくとも1つの端末装置10から外部公開の要求を受信した場合、外部システム40にインシデント情報D2を送信する。外部システム40は、例えば道路事業者の交通情報提供サイトや交通情報提供アプリケーションを介して、交通道路の利用者にインシデント情報D2を公開する。
【0075】
(作用、効果)
以上のように、本実施形態に係る監視システム1のサーバ20は、高速道路において発生した事象について発見者が入力したテキスト情報を取得する取得部210と、テキスト情報に基づいて、高速道路の監視カメラ31が撮影した画像のうち、事象に関連する画像を抽出する画像抽出部211と、テキスト情報および抽出した画像に基づいて、事象の発生地点を推定する場所推定部212と、テキスト情報および抽出した画像に基づいて、事象の属性(種別、規模など)を推定する属性推定部213と、事象の発生地点および属性の推定情報に基づいて、事象に起因して生じる交通状態への影響を予測する影響予測部214と、テキスト情報と、画像と、発生地点および属性の推定情報と、影響の予測結果とを含むインシデント情報D2を生成するインシデント情報生成部216と、事象に関連する拠点の端末装置10にインシデント情報D2を送信する送信処理部217と、を備える。
【0076】
このようにすることで、サーバ20は、事象(事故、渋滞など)の発見者が入力した簡易的なテキスト情報から、この事象を撮影した監視カメラ31の画像を自動的に検索するとともに、詳細情報を含むインシデント情報D2を自動的に生成して、各拠点に同時に伝達することができる。これにより、サーバ20は、発見者が各監視カメラ31の映像を確認する作業、各拠点に電話で伝達する作業のような、時間と手間のかかる作業を大幅に低減することができる。
【0077】
また、サーバ20は、事象に起因して生じる影響を低減する対策案を提案する提案部215をさらに備える。
【0078】
このようにすることで、サーバ20は、各拠点のオペレータに対して、事象の発生を通知するとともに、この事象に対して取り得る対策案を伝達することができる。これにより、オペレータは、サーバ20の対策案を参照することにより、事象による影響を低減するための対策を迅速に行うことができる。
【0079】
また、提案部215は、対策案を実施した場合における影響の低減度合いをさらに予想する。
【0080】
これにより、サーバ20は、対策案を実施した場合に、事象による影響(渋滞など)をどの程度低減可能であるかを、各拠点のオペレータに知らせることができる。これにより、オペレータは、例えば複数の対策案がある場合に、より影響を低減可能な対策を選択して実施することが容易となる。
【0081】
また、インシデント情報生成部216は、少なくとも1つの拠点から修正情報を受け付けた場合に、インシデント情報D2を修正して更新する。
【0082】
このようにすることで、サーバ20は、各拠点のオペレータによって確認および修正された、正確なインシデント情報を提供することが可能となる。
【0083】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0084】
<付記>
上述の実施形態に記載のサーバ、監視方法、及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0085】
(1)本開示の第1の態様によれば、サーバ(20)は、高速道路において発生した事象関するテキスト情報を取得する取得部(210)と、テキスト情報に基づいて、高速道路の監視カメラ(31)が撮影した画像のうち、事象に関連する画像を抽出する画像抽出部(211)と、テキスト情報および事象に関連する画像に基づいて、事象の発生地点を推定する場所推定部(212)と、テキスト情報および事象に関連する画像に基づいて、事象の属性を推定する属性推定部(213)と、発生地点および属性の推定情報に基づいて、事象に起因して生じる交通状態への影響を予測する影響予測部(214)と、テキスト情報と、事象に関連する画像と、発生地点および属性の推定情報と、影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するインシデント情報生成部(216)と、事象に関連する拠点にインシデント情報を送信する送信処理部(217)と、を備える。
【0086】
このようにすることで、サーバは、事象(事故、渋滞など)の発見者が入力した簡易的なテキスト情報から、この事象を撮影した監視カメラの画像を自動的に検索するとともに、詳細情報を含むインシデント情報を自動的に生成して、各拠点に同時に伝達することができる。これにより、サーバは、発見者が各監視カメラ31の映像を確認する作業、各拠点に電話で伝達する作業のような、時間と手間のかかる作業を大幅に低減することができる。
【0087】
(2)本開示の第2の態様によれば、第1の態様に係るサーバ(20)は、事象に起因して生じる影響を低減する対策案を提案する提案部(215)をさらに備え、インシデント情報生成部(216)は、対策案をさらに含むインシデント情報を生成する。
【0088】
このようにすることで、サーバは、各拠点のオペレータに対して、事象の発生を通知するとともに、この事象に対して取り得る対策案を伝達することができる。これにより、オペレータは、サーバの対策案を参照することにより、事象による影響を低減するための対策を迅速に行うことができる。
【0089】
(3)本開示の第3の態様によれば、第2の態様に係るサーバ(20)において、提案部(215)は、対策案を実施した場合における影響の低減度合いをさらに予想する。
【0090】
これにより、サーバは、対策案を実施した場合に、事象による影響(渋滞など)をどの程度低減可能であるかを、各拠点のオペレータに知らせることができる。これにより、オペレータは、例えば複数の対策案がある場合に、より影響を低減可能な対策を選択して実施することが容易となる。
【0091】
(4)本開示の第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係るサーバ(20)において、インシデント情報生成部(216)は、拠点から修正情報を受け付けた場合に、インシデント情報を修正して更新する。
【0092】
このようにすることで、サーバは、各拠点のオペレータによって確認および修正された、正確なインシデント情報を提供することが可能となる。
【0093】
(5)本開示の第5の態様によれば、監視方法は、高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を取得するステップと、テキスト情報に基づいて、高速道路の監視カメラが撮影した画像のうち、事象に関連する画像を抽出するステップと、テキスト情報および事象に関連する画像に基づいて、事象の発生地点を推定するステップと、テキスト情報および事象に関連する画像に基づいて、事象の属性を推定するステップと、発生地点および属性の推定情報に基づいて、事象に起因して生じる交通状態への影響を予測するステップと、テキスト情報と、事象に関連する画像と、発生地点および属性の推定情報と、影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するステップと、事象に関連する拠点にインシデント情報を送信するステップと、を有する。
【0094】
(6)本開示の第6の態様によれば、プログラムは、高速道路において発生した事象に関するテキスト情報を取得するステップと、テキスト情報に基づいて、高速道路の監視カメラが撮影した画像のうち、事象に関連する画像を抽出するステップと、テキスト情報および事象に関連する画像に基づいて、事象の発生地点を推定するステップと、テキスト情報および事象に関連する画像に基づいて、事象の属性を推定するステップと、発生地点および属性の推定情報に基づいて、事象に起因して生じる交通状態への影響を予測するステップと、テキスト情報と、事象に関連する画像と、発生地点および属性の推定情報と、影響の予測結果とを含むインシデント情報を生成するステップと、事象に関連する拠点にインシデント情報を送信するステップと、をサーバに実行させる。
【符号の説明】
【0095】
1 監視システム
10 端末装置
11 プロセッサ
110 テキスト情報生成部
111 修正情報生成部
12 メモリ
13 ストレージ
14 通信インタフェース
15 表示部
16 操作受付部
20 サーバ
21 プロセッサ
210 取得部
211 画像抽出部
212 場所推定部
213 属性推定部
214 影響予測部
215 提案部
216 インシデント情報生成部
217 送信処理部
22 メモリ
23 ストレージ
24 通信インタフェース
30 内部システム
31 監視カメラ
40 外部システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10