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特開2023-139619表示システム、表示システムの制御方法、及び表示システムに搭載されるドライバ回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023139619
(43)【公開日】2023-10-04
(54)【発明の名称】表示システム、表示システムの制御方法、及び表示システムに搭載されるドライバ回路
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20230927BHJP
   G06F 3/046 20060101ALI20230927BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230927BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20230927BHJP
   G06F 3/041 20060101ALN20230927BHJP
【FI】
G09G3/36
G06F3/046 B
G09G3/20 622K
G09G3/20 622D
G09G3/20 622C
G09G3/20 612K
G09G3/20 680G
G09G3/20 691D
G09G3/20 611C
G09G3/20 670E
G09G3/20 691B
G02F1/133 550
G06F3/041 522
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045236
(22)【出願日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】水橋 比呂志
(72)【発明者】
【氏名】小谷 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】土橋 慧
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZA04
2H193ZA07
2H193ZB02
2H193ZC26
2H193ZF23
2H193ZF51
2H193ZJ01
2H193ZJ02
2H193ZJ11
2H193ZJ20
5C006AC11
5C006AC22
5C006AF42
5C006AF72
5C006BB16
5C006BC02
5C006BC03
5C006BC22
5C006BF03
5C006BF06
5C006BF38
5C006EC05
5C006FA15
5C006FA32
5C080AA10
5C080BB06
5C080DD08
5C080DD09
5C080DD12
5C080FF11
5C080FF13
5C080GG06
5C080JJ02
5C080JJ04
5C080JJ07
5C080KK02
5C080KK04
5C080KK43
(57)【要約】
【課題】ノイズを低減できる表示システムを提供する。
【解決手段】表示システムは、水平方向に配列された複数の列信号線、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線、第一行信号線及び列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子、並びに第二行信号線及び列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子を有する表示装置と、第一行信号線毎に設けられ、対応する第一行信号線を介して、第一期間に第一画像素子に電荷を供給し、第一期間と異なる第二期間に第一画像素子から電荷を引き抜く複数の第一駆動回路、及び第二行信号線毎に設けられ、対応する第二行信号線を介して、第二期間と少なくとも一部が重複する第三期間に第二画像素子に電荷を供給し、第一期間と少なくとも一部が重複する第四期間に第二画像素子から電荷を引き抜く複数の第二駆動回路を有するドライバ回路と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子と、を有する表示装置と、
前記第一行信号線毎に設けられ、対応する前記第一行信号線を介して前記第一画像素子を駆動する複数の第一駆動回路と、前記第二行信号線毎に設けられ、対応する前記第二行信号線を介して前記第二画像素子を駆動する複数の第二駆動回路と、を有するドライバ回路と、
を備え、
前記第一駆動回路は、第一期間に前記第一画像素子に電荷を供給し、前記第一期間と異なる第二期間に前記第一画像素子から電荷を引き抜き、
前記第二駆動回路は、前記第二期間と少なくとも一部が重複する第三期間に前記第二画像素子に電荷を供給し、又は前記第一期間と少なくとも一部が重複する第四期間に前記第二画像素子から電荷を引き抜く、
表示システム。
【請求項2】
第一クロックを前記第一駆動回路に供給する第一クロック線と、
第二クロックを前記第二駆動回路に供給する第二クロック線と、
をさらに備え、
前記第一駆動回路は、前記第一クロックの交番に従って前記第一画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、
前記第二駆動回路は、前記第二クロックの交番に従って前記第二画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、
前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、互いに平行かつ隣接して配置されている、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
第一クロックを前記第一駆動回路に供給する第一クロック線と、
第二クロックを前記第二駆動回路に供給する第二クロック線と、
をさらに備え、
前記第一駆動回路は、前記第一クロックの交番に従って前記第一画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、
前記第二駆動回路は、前記第二クロックの交番に従って前記第二画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、
前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、一定の距離毎に互いに交差するように、配置されている、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記第一駆動回路及び前記第二駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、
前記第一駆動回路は、前段に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第一期間に保持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第二駆動回路に出力し、
前記第二駆動回路は、前段に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第三期間に保持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第一駆動回路に出力し、
前記第一駆動回路は、次々段以降に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号、又は次々段以降に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号に従って保持している前記情報を初期化し、
前記第二駆動回路は、次々段以降に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号、又は次々段以降に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号に従って保持している前記情報を初期化する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
複数の前記第一駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、
前記第一駆動回路は、前段に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第一期間に保持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第一駆動回路に出力し、
複数の前記第二駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、
前記第二駆動回路は、前段に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第三期間に持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第二駆動回路に出力する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
共振回路を有する位置指示器と、
前記位置指示器への給電を行うための駆動コイルと、
前記位置指示器が指示する位置を検出するための電磁誘導型の検出コイルを有する位置検出器と、
をさらに備える請求項2又は3に記載の表示システム。
【請求項7】
前記ドライバ回路は、前記位置検出器及び前記駆動コイルの間、かつ前記表示装置の側面側に配置されており、
前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、前記位置検出器及び前記駆動コイルの間、かつ前記ドライバ回路の前記表示装置とは反対方向の側面側に配置されており、
前記位置検出器は、前記表示装置、前記ドライバ回路、前記第一クロック線及び前記第二クロック線に対して、前記表示装置の表示面側に配置されており、
前記駆動コイルは、前記表示装置、前記ドライバ回路、前記第一クロック線及び前記第二クロック線に対して、前記表示装置の背面側に配置されている、
請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記表示装置は、複数の検出電極が面状に配置されてなるタッチセンサを有する、
請求項2又は3に記載の表示システム。
【請求項9】
前記ドライバ回路は、前記表示装置の側面側、かつ前記タッチセンサの背面側に配置されており、
前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、前記タッチセンサの背面側、かつ前記ドライバ回路の前記表示装置とは反対方向の側面側に配置されており、
前記タッチセンサは、前記表示装置、前記ドライバ回路、前記第一クロック線及び前記第二クロック線に対して、前記表示装置の表示面側に配置されている、
請求項8に記載の表示システム。
【請求項10】
水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子とを有する表示装置における前記第一画像素子及び前記第二画像素子を駆動するためのドライバ回路であって、
前記第一行信号線毎に設けられ、対応する前記第一行信号線を介して前記第一画像素子を駆動する複数の第一駆動回路と、
前記第二行信号線毎に設けられ、対応する前記第二行信号線を介して前記第二画像素子を駆動する複数の第二駆動回路と、
を備え、
前記第一駆動回路は、第一期間に前記第一画像素子に電荷を供給し、前記第一期間と異なる第二期間に前記第一画像素子から電荷を引き抜き、
前記第二駆動回路は、前記第二期間と少なくとも一部が重複する第三期間に前記第二画像素子に電荷を供給し、又は前記第一期間と少なくとも一部が重複する第四期間に前記第二画像素子から電荷を引き抜く、
ドライバ回路。
【請求項11】
水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子とを備える表示システムの制御方法であって、
第一期間に前記第一行信号線を介して前記第一画像素子に電荷を供給することと、
前記第一期間と少なくとも一部が重複する第三期間に前記第二行信号線を介して前記第二画像素子から電荷を引き抜くことと、
前記第一期間とは異なる第二期間に前記第一行信号線を介して前記第一画像素子から電荷を引き抜くことと、
前記第二期間と少なくとも一部が重複する第四期間に前記第二行信号線を介して前記第二画像素子に電荷を供給することと、
を含む表示システムの制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示システムに関し、特に、表示システム、表示システムの制御方法、及び表示システムに搭載されるドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶ディスプレイのような表示面が平面である表示システムが知られている。このような表示システムでは、平面上に水平方向に配列された複数の列信号線、及び垂直方向に配列された複数の行信号線の交点に画像素子が配置されており、さらに画像素子に対して充放電を行うためのドライバ回路が設けられている。表示システムは、ドライバ回路によって各行信号線を順に駆動し、列信号線に加えられている電荷を対応する画像素子に印加することによって、画像を表示する。
【0003】
これに関し、特許文献1には、互いに直交配置された複数のゲートラインと複数のソースラインとの交点に画素素子が配置された液晶表示パネルと、複数のゲートラインを駆動するゲートドライバとを備える液晶表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2014/007199号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今では、表示システムの大型化及び高精細化に伴い、行信号線の負荷容量が増加したことによって、行信号線から発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズが増大傾向にある。また、行信号線の駆動周波数も増加しており、磁界ノイズ及び電界ノイズの発生周期も短くなっている。このような磁界ノイズ及び電界ノイズは、表示システムに搭載されているセンサーなどの各種電子部品の誤動作や精度の低下の原因となる。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノイズを低減できる表示システム、表示システムの制御方法、及び表示システムに搭載されるドライバ回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第一の本発明に係る表示システムは、水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子と、を有する表示装置と、前記第一行信号線毎に設けられ、対応する前記第一行信号線を介して前記第一画像素子を駆動する複数の第一駆動回路と、前記第二行信号線毎に設けられ、対応する前記第二行信号線を介して前記第二画像素子を駆動する複数の第二駆動回路と、を有するドライバ回路と、を備え、前記第一駆動回路は、第一期間に前記第一画像素子に電荷を供給し、前記第一期間と異なる第二期間に前記第一画像素子から電荷を引き抜き、前記第二駆動回路は、前記第二期間と少なくとも一部が重複する第三期間に前記第二画像素子に電荷を供給し、又は前記第一期間と少なくとも一部が重複する第四期間に前記第二画像素子から電荷を引き抜く。
【0008】
また、第二の本発明に係る表示システムは、第一クロックを前記第一駆動回路に供給する第一クロック線と、第二クロックを前記第二駆動回路に供給する第二クロック線と、をさらに備え、前記第一駆動回路は、前記第一クロックの交番に従って前記第一画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、前記第二駆動回路は、前記第二クロックの交番に従って前記第二画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、互いに平行かつ隣接して配置されている。
【0009】
また、第三の本発明に係る表示システムは、第一クロックを前記第一駆動回路に供給する第一クロック線と、第二クロックを前記第二駆動回路に供給する第二クロック線と、をさらに備え、前記第一駆動回路は、前記第一クロックの交番に従って前記第一画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、前記第二駆動回路は、前記第二クロックの交番に従って前記第二画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、一定の距離毎に互いに交差するように、配置されている。
【0010】
また、第四の本発明に係る表示システムでは、前記第一駆動回路及び前記第二駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、前記第一駆動回路は、前段に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第一期間に保持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第二駆動回路に出力し、前記第二駆動回路は、前段に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第三期間に保持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第一駆動回路に出力し、前記第一駆動回路は、次々段以降に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号、又は次々段以降に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号に従って保持している前記情報を初期化し、前記第二駆動回路は、次々段以降に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号、又は次々段以降に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号に従って保持している前記情報を初期化する。
【0011】
また、第五の本発明に係る表示システムでは、複数の前記第一駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、前記第一駆動回路は、前段に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第一期間に保持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第一駆動回路に出力し、複数の前記第二駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、前記第二駆動回路は、前段に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第三期間に持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第二駆動回路に出力する。
【0012】
また、第六の本発明に係る表示システムは、共振回路を有する位置指示器と、前記位置指示器への給電を行うための駆動コイルと、前記位置指示器が指示する位置を検出するための電磁誘導型の検出コイルを有する位置検出器と、をさらに備える。
【0013】
また、第七の本発明に係る表示システムでは、前記ドライバ回路は、前記位置検出器及び前記駆動コイルの間、かつ前記表示装置の側面側に配置されており、前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、前記位置検出器及び前記駆動コイルの間、かつ前記ドライバ回路の前記表示装置とは反対方向の側面側に配置されており、前記位置検出器は、前記表示装置、前記ドライバ回路、前記第一クロック線及び前記第二クロック線に対して、前記表示装置の表示面側に配置されており、前記駆動コイルは、前記表示装置、前記ドライバ回路、前記第一クロック線及び前記第二クロック線に対して、前記表示装置の背面側に配置されている。
【0014】
また、第八の本発明に係る表示システムでは、前記表示装置は、複数の検出電極が面状に配置されてなるタッチセンサを有する。
【0015】
また、第九の本発明に係る表示システムでは、前記ドライバ回路は、前記表示装置の側面側、かつ前記タッチセンサの背面側に配置されており、前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、前記タッチセンサの背面側、かつ前記ドライバ回路の前記表示装置とは反対方向の側面側に配置されており、前記タッチセンサは、前記表示装置、前記ドライバ回路、前記第一クロック線及び前記第二クロック線に対して、前記表示装置の表示面側に配置されている。
【0016】
また、第十の本発明に係るドライバ回路は、水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子とを有する表示装置における前記第一画像素子及び前記第二画像素子を駆動するためのドライバ回路であって、前記第一行信号線毎に設けられ、対応する前記第一行信号線を介して前記第一画像素子を駆動する複数の第一駆動回路と、前記第二行信号線毎に設けられ、対応する前記第二行信号線を介して前記第二画像素子を駆動する複数の第二駆動回路と、を備え、前記第一駆動回路は、第一期間に前記第一画像素子に電荷を供給し、前記第一期間と異なる第二期間に前記第一画像素子から電荷を引き抜き、前記第二駆動回路は、前記第二期間と少なくとも一部が重複する第三期間に前記第二画像素子に電荷を供給し、又は前記第一期間と少なくとも一部が重複する第四期間に前記第二画像素子から電荷を引き抜く。
【0017】
また、第十一の本発明に係る表示システムの制御方法は、水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子とを備える表示システムの制御方法であって、第一期間に前記第一行信号線を介して前記第一画像素子に電荷を供給することと、前記第一期間と少なくとも一部が重複する第三期間に前記第二行信号線を介して前記第二画像素子から電荷を引き抜くことと、前記第一期間とは異なる第二期間に前記第一行信号線を介して前記第一画像素子から電荷を引き抜くことと、前記第二期間と少なくとも一部が重複する第四期間に前記第二行信号線を介して前記第二画像素子に電荷を供給することと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、表示システムは、ノイズを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】表示システムの一例を示す図である。
図2】画像素子の一例を示す図である。
図3A】クロック線及びゲートドライバ回路の回路構成の一例を示す図である。
図3B】1つ目のシフトレジスタの回路構成の一例を示す図である。
図3C】ブロックの回路構成の一例を示す図である。
図4】駆動回路の回路構成の一例を示す図である。
図5A】クロック線の配置の第二例を示す図である。
図5B】クロック線の配置の第三例を示す図である。
図5C】クロック線の配置の第四例を示す図である。
図6】表示システムにおける各クロックの電位の遷移の第一例を示すタイミングチャートである。
図7】駆動回路における各信号の電位の遷移の一例を示すタイミングチャートである。
図8】表示システムにおける各クロックの電位の遷移の第二例を示すタイミングチャートである。
図9A】表示システムの第四例を示す断面図である。
図9B】表示システムの第五例を示す断面図である。
図10】クロックの交番と位置検出器に発生する起電力の関係を示すグラフである。
図11】表示システムの一連の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0021】
―――第一実施形態―――
まず、第一実施形態について説明する。
【0022】
<構成>
図1は、第一実施形態に係る表示システム1Aの一例を示す図である。表示システム1Aは、ユーザが保持するコンピュータやモニター、テレビであり、例えば、タブレト、スマートフォン、パーソナルコンピュータのモニター、テレビ受信機などである。なお、本例では、表示システム1Aに含まれる表示装置10が液晶ディスプレイである場合について説明する。表示システム1Aは、例えば、表示装置10と、ゲートドライバ回路20と、ソースドライバ回路30と、制御回路40と、クロック線WCL1~WCL8(図3参照)とを含んで構成される。
【0023】
表示装置10は、例えば、液晶ディスプレイである。表示装置10は、例えば、ディスプレイモジュール11と、バックライトモジュール12と、を含んで構成される。
【0024】
ディスプレイモジュール11は、垂直方向に配列された行信号線GL1~GLnと、水平方向に配列された列信号線SL1~SLmと、行信号線GL1~GLn及び列信号線SL1~SLmの各交点に配置された画像素子110と、を含んで構成される。ディスプレイモジュール11は、ゲートドライバ回路20から送信されるゲート信号VG1~VGnに従って行信号線GL1~GLnのうち対応するいずれか1つを駆動するとともに、ソースドライバ回路30から送信されるソース信号VS1~VSmが示す輝度でソース信号VS1~VSmに対応する各画像素子110を駆動する。
【0025】
行信号線GL1~GLnは、例えば、ゲートラインであり、表示装置10において垂直方向にn本配列されている。行信号線GL1~GLnは、ゲートドライバ回路20から送信される対応するゲート信号VG1~VGnによって駆動され、列信号線SL1~SLmとの交点にあたる画像素子110のゲート電極とゲートドライバ回路20との間の電荷のやりとりを中継する。
【0026】
列信号線SL1~SLmは、例えば、ソースラインであり、表示装置10において水平方向にm本配列されている。列信号線SL1~SLmは、ソースドライバ回路30から送信される対応するソース信号VS1~VSmによって駆動され、行信号線GL1~GLnとの交点にあたる画像素子110のソース電極とソースドライバ回路30との間の電荷のやりとりを中継する。
【0027】
画像素子110は、例えば、液晶画像素子であり、表示装置10において、行信号線GL1~GLnと列信号線SL1~SLmとの交点に合計n×m個配置されている。画像素子110は、行信号線GL1~GLnのうち一本がゲート電極に接続されており、列信号線SL1~SLmのうち一本がソース電極に接続されている。画像素子110は、ゲート電極に接続されている行信号線GL1~GLnを介してゲート電極に電荷が供給された場合に、ソース電極に接続されている列信号線SL1~SLmが有する電位に従う輝度で対応する画像を表示する。
【0028】
バックライトモジュール12は、ディスプレイモジュール11の背面側に配置される光源であり、ディスプレイモジュール11に対して背面側から光を照射する。
【0029】
ゲートドライバ回路20は、行信号線GL1~GLnを駆動する回路であり、表示システム1Aを表示面側から見た場合に、表示装置10の左側に配置される。ゲートドライバ回路20は、制御回路40から出力されるクロックCLK1~CLK8に従うタイミングで、ゲート信号VG1~VGnを対応する行信号線GL1~GLnに出力することによって、行信号線GL1~GLnを順番に駆動する。またゲートドライバ回路20は、駆動した行信号線GL1~GLnを介して、対応する画像素子110のゲート電極に対して電荷の供給及び引き抜きを行う。
【0030】
ソースドライバ回路30は、列信号線SL1~SLmを駆動する回路であり、表示システム1Aを表示面側から見た場合に、表示装置10の下側に配置される。ソースドライバ回路30は、制御回路40に従うタイミングで、制御回路40によって列信号線SL1~SLm毎に対して都度設定される電位を有するソース信号VS1~VSmを対応する列信号線SL1~SLnに出力する。ソースドライバ回路30は、ゲートドライバ回路20によって駆動された行信号線GL1~GLnと列信号線SL1~SLmとの交点に対応する画像素子110のソース電極に対して、当該画像素子110に対応するソース信号VS1~VSmが有する電位を供給する。
【0031】
制御回路40は、表示装置10を制御するための回路である。制御回路40は、ゲートドライバ回路20による行信号線GL1~GLmの駆動を開始する際に、駆動の開始を示す信号であるスタート信号ST1~ST4を生成し、スタート信号ST1~ST4をゲートドライバ回路20に出力する。また、制御回路40は、ゲートドライバ回路20を動作させるためのクロックCLK1~CLK8を生成し、クロック線WCL1~WCL8を介して、クロックCLK1~CLK8をゲートドライバ回路20に出力する。
【0032】
さらに、制御回路40は、ソースドライバ回路30を動作させるためのクロックを生成し、当該クロックをソースドライバ回路30に出力する。また、制御回路40は、列信号線SL1~SLmを介して対応する画像素子110のソース電極に供給する電位を設定し、設定した電位の情報を有する信号をソースドライバ回路30に出力する。
【0033】
図2は、第一実施形態に係る画像素子110の一例を示す図である。図2に示すように、画像素子110は、例えば、薄膜トランジスタTFTと、液晶電極Clcと、容量素子Cpxとを含んで構成される。
【0034】
薄膜トランジスタTFTは、画像素子110においてスイッチング素子として機能する。薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極が行信号線GLに接続され、ソース電極が列信号線SLに接続され、ドレイン電極が液晶電極Clc及び容量素子Cpxの一端に接続される。薄膜トランジスタTFTは、行信号線GLを介してゲート電極に電荷が供給される場合、ソース電極及びドレイン電極間の状態を導通状態にする。また、薄膜トランジスタTFTは、行信号線GLを介してゲート電極から電荷が引き抜かれる場合、ソース電極及びドレイン電極間の状態を非導通状態にする。さらに、薄膜トランジスタTFTは、ゲート電極に印加される電位に変化がない場合、ソース電極及びドレイン電極間の状態を維持する。
【0035】
液晶電極Clcは、液晶に対して電位を供給するための電極である。液晶電極Clcは、一端が薄膜トランジスタTFTのドレイン電極、及び容量素子Cpxの一端に接続され、他端が液晶を介して共通電極COMに接続される。液晶電極Clcは、容量素子Cpxから供給される電位を液晶に供給する。
【0036】
容量素子Cpxは、例えば、コンデンサであり、液晶電極Clcに供給するための電位を保持する。容量素子Cpxは、一端が薄膜トランジスタTFTのドレイン電極、及び液晶電極Clcの一端に接続され、他端が共通電極COMに接続される。容量素子Cpxは、薄膜トランジスタTFTの状態が導通状態である場合、列信号線SLから供給される電位を保持する。容量素子Cpxは、薄膜トランジスタTFTの状態が非導通状態である場合、保持している電位を液晶電極Clcに供給する。
【0037】
以上のように構成される画像素子110は、行信号線GLを介して薄膜トランジスタTFTのゲート電極に電荷が供給された場合、薄膜トランジスタTFTの状態を導通状態にして、列信号線SLの電位を容量素子Cpxに供給し、列信号線SLを介して供給された電位を容量素子Cpxによって保持する。さらに、画像素子110は、行信号線GLを介して薄膜トランジスタTFTのゲート電極から電荷が引き抜かれた場合、薄膜トランジスタTFTの状態を非導通状態にして、容量素子Cpxによって保持している電位を液晶電極Clcに供給し、供給した電位に従う状態に液晶の状態を制御する。
【0038】
図3Aは、第一実施形態に係るクロック線WCL1~WCL8及びゲートドライバ回路20の回路構成の一例を示す図である。図3Aに示すように、ゲートドライバ回路20は、例えば、n個の駆動回路DRVを含んで構成される。
【0039】
駆動回路DRVは、ゲートドライバ回路20において、n個の行信号線GL1~GLn毎にn個設けられており、制御回路40からクロック線WCL1~WCL8に供給されるクロックCLK1~CLK8のうち対応する1つに従うタイミングで、行信号線GL1~GLnのうち対応する1つにゲート信号VGを出力する。
【0040】
また、駆動回路DRVは、他の駆動回路DRVと合わせてシフトレジスタ201を構成する(図3Bを参照)。なお、本実施形態では、ゲートドライバ回路20は、それぞれ異なる駆動回路DRVの群からなる4つのシフトレジスタ201を含んで構成される。さらに、駆動回路DRVは、シフトレジスタにおける段目が同じである駆動回路DRV同士でブロック202を形成し、当該ブロック202内において、1つ目のシフトレジスタ201の駆動回路DRVから4つ目のシフトレジスタ201の駆動回路DRVまでの順に垂直方向に配列される(図3Cを参照)。当該ブロック202は、ゲートドライバ回路20において、シフトレジスタ201の最前段から最後段に至る順で垂直方向に配列される。
【0041】
また、駆動回路DRVは、クロック端子CKがクロック線WCL1~WCL8のうち対応する1本に接続され、入力端子Iが前段の駆動回路DRVの出力端子Oに接続され、出力端子Oが行信号線GL1~GLnのうち対応する1本と、次段の駆動回路DRVの入力端子Iと、前々段のリセット端子Rとに接続され、リセット端子Rが次々段の駆動回路DRVの出力端子Oに接続される。なお、各シフトレジスタ201における最前段の駆動回路DRVの入力端子Iには、前段の駆動回路DRVの出力端子Oでなく制御回路40が接続され、制御回路40から出力されるスタート信号ST1~ST4のうち対応する1つが入力される。また、各シフトレジスタ201において、次々段が存在しない駆動回路DRVのリセット端子Rには、制御回路40が接続され、制御回路40から出力されるリセット信号RSTが入力される。
【0042】
ここで、シフトレジスタ201について、図3Bを参照しつつ説明する。図3Bは、第一実施形態に係る1つ目のシフトレジスタ201の回路構成の一例を示す図である。図3Bに示すように、シフトレジスタ201は、例えば、駆動回路DRV1、DRV5、DRV9…DRVnを含んで構成される。
【0043】
図3Bに示すように、駆動回路DRV1は、クロックCLK1に従うタイミングで、入力端子Iに入力されるスタート信号ST1が示す情報を含むゲート信号VG1を出力端子Oから駆動回路DRV5に出力する。同様に、駆動回路DRV5、DRV9…DRVnは、入力端子に入力される信号が示す情報を含むゲート信号VG5、VG9…VGnを出力端子Oから後段の駆動回路DRVに出力する。
【0044】
続いて、ブロック202について、図3Cを参照しつつ説明する。図3Cは、第一実施形態に係るブロック202の回路構成の一例を示す図である。図3Cに示すように、ブロック202は、例えば、駆動回路DRV1~DRV4を含んで構成される。
【0045】
図3Cに示すように、駆動回路DRV1~DRV4は、それぞれクロックCLK1~CLK4に従うタイミングで、入力端子Iに入力されるスタート信号ST1が示す情報を含むゲート信号VG1~VG4を出力端子Oから出力する。
【0046】
図3Aに戻って、クロック線WCL1~WCL8は、制御回路40から出力されるクロックCLK1~8をゲートドライバ回路20に供給するための信号線である。クロック線WCL1~WCL8は、表示システム1Aを表示面側から見た場合に、ゲートドライバ回路20より左側の位置に、左側からクロック線WCL1、WCL5、WCL2、WCL6、WCL3、WCL7、WCL4、WCL8の順に水平方向に8本配列される。
【0047】
クロック線WCL1は、4つのシフトレジスタ201のうち1つ目のシフトレジスタ201における奇数段目の駆動回路DRV1、DRV9…DRVn-7のクロック端子CKに対して、制御回路40から入力されるクロックCLK1を供給する。
【0048】
クロック線WCL5は、4つのシフトレジスタ201のうち1つ目のシフトレジスタ201における偶数段目の駆動回路DRV5、DRV13…DRVn-3のクロック端子CKに対して、制御回路40から入力されるクロックCLK5を供給する。なお、クロックCLK5は、クロックCLK1に対して位相が逆相となるように制御回路40によって生成される。
【0049】
クロック線WCL2は、4つのシフトレジスタ201のうち2つ目のシフトレジスタ201における奇数段目の駆動回路DRV2、DRV10…DRVn-6のクロック端子CKに対して、制御回路40から入力されるクロックCLK2を供給する。
【0050】
クロック線WCL6は、4つのシフトレジスタ201のうち2つ目のシフトレジスタ201における偶数段目の駆動回路DRV6、DRV14…DRVn-2のクロック端子CKに対して、制御回路40から入力されるクロックCLK6を供給する。なお、クロックCLK6は、クロックCLK2に対して位相が逆相となるように制御回路40によって生成される。
【0051】
クロック線WCL3は、4つのシフトレジスタ201のうち3つ目のシフトレジスタ201における奇数段目の駆動回路DRV3、DRV11…DRVn-5のクロック端子CKに対して、制御回路40から入力されるクロックCLK3を供給する。
【0052】
クロック線WCL7は、4つのシフトレジスタ201のうち3つ目のシフトレジスタ201における偶数段目の駆動回路DRV7、DRV15…DRVn-1のクロック端子CKに対して、制御回路40から入力されるクロックCLK7を供給する。なお、クロックCLK7は、クロックCLK3に対して位相が逆相となるように制御回路40によって生成される。
【0053】
クロック線WCL4は、4つのシフトレジスタ201のうち4つ目のシフトレジスタ201における奇数段目の駆動回路DRV4、DRV12…DRVn-4のクロック端子CKに対して、制御回路40から入力されるクロックCLK4を供給する。
【0054】
クロック線WCL8は、4つのシフトレジスタ201のうち4つ目のシフトレジスタ201における偶数段目の駆動回路DRV8、DRV16…DRVnのクロック端子CKに対して、制御回路40から入力されるクロックCLK8を供給する。なお、クロックCLK8は、クロックCLK4に対して位相が逆相となるように制御回路40によって生成される。
【0055】
図4は、第一実施形態に係る駆動回路DRVの回路構成の一例を示す図である。図4に示すように、駆動回路DRVは、トランジスタTR1~TR8と、容量素子Cdとを含んで構成される。
【0056】
トランジスタTR1~TR8は、例えば、NMOSトランジスタである。一方、トランジスタTR1~TR8は、ゲート端子及びソース端子の間の電位差が所定の値以上である場合、ドレイン端子及びソース端子の間の状態を導通状態にする。他方、トランジスタTR1~TR8は、ゲート端子及びソース端子の間の電位差が所定の値未満である場合、ドレイン端子及びソース端子の間の状態を非導通状態にする。なお、本実施形態では、トランジスタTR1~TR8がNMOSトランジスタである場合について説明したが、これに限られるものではなく、トランジスタTR1~TR8は、PMOSトランジスタであっても良い。
【0057】
トランジスタTR1は、駆動回路DRVの入力端子Iにドレイン端子及びゲート端子がダイオード接続によって接続され、ソース端子の電位よりもゲート端子及びドレイン端子の電位が高い間、入力端子Iから供給される電荷をソース端子からノードBTを介して容量素子Cdに供給する。トランジスタTR1は、ゲート端子及びドレイン端子が駆動回路DRVの入力端子Iに接続され、ソース端子がノードBTに接続される。
【0058】
トランジスタTR2は、電源線W_VGHにドレイン端子及びゲート端子がダイオード接続によって接続され、ソース端子の電位よりもゲート端子及びドレイン端子の電位が高い間、電源線W_VGHから供給される電位をソース端子からトランジスタTR4及びTR5のゲート端子に供給する。トランジスタTR2は、ゲート端子及びドレイン端子が電源線W_VGHに接続され、ソース端子がトランジスタTR3のドレイン端子と、トランジスタTR4及びTR5のゲート端子とに接続される。
【0059】
トランジスタTR3は、ゲート端子に入力されるノードBTの電位に従って、ソース端子に接続される基準線W_VGLの電位をドレイン端子からトランジスタTR4及びTR5のゲート端子に供給する。トランジスタTR2は、ゲート端子がノードBTに接続され、ドレイン端子がトランジスタTR2のソース端子とトランジスタTR4及びTR5のゲート端子とに接続され、ソース端子が基準線W_VGLに接続される。
【0060】
トランジスタTR4は、ゲート端子に入力される電位に従って、ソース端子に接続される基準線W_VGLの電位をドレイン端子からノードBTに供給する。トランジスタTR4は、ゲート端子がトランジスタTR2のソース端子とトランジスタTR3のドレイン端子とトランジスタTR5のゲート端子とに接続され、ドレイン端子がノードBTに接続され、ソース端子が基準線W_VGLに接続される。
【0061】
トランジスタTR5は、ゲート端子に入力される電位に従って、ソース端子に接続される基準線W_VGLの電位をドレイン端子から駆動回路DRVの出力端子Oに供給する。トランジスタTR5は、ゲート端子がトランジスタTR2のソース端子とトランジスタTR3のドレイン端子とトランジスタTR4のゲート端子とに接続され、ドレイン端子が駆動回路DRVの出力端子Oに接続され、ソース端子が基準線W_VGLに接続される。
【0062】
トランジスタTR6は、ゲート端子に入力される電位に従って、ソース端子に接続される基準線W_VGLの電位をドレイン端子からノードBTに供給する。トランジスタTR6は、ゲート端子が駆動回路DRVのリセット端子Rに接続され、ドレイン端子がノードBTに接続され、ソース端子が基準線W_VGLに接続される。
【0063】
トランジスタTR7は、ゲート端子に入力される電位に従って、ソース端子に接続される基準線W_VGLの電位をドレイン端子から駆動回路DRVの出力端子Oに供給する。トランジスタTR7は、ゲート端子が駆動回路DRVのリセット端子Rに接続され、ドレイン端子が駆動回路DRVの出力端子Oに接続され、ソース端子が基準線W_VGLに接続される。
【0064】
トランジスタTR8は、ゲート端子に入力される電位に従って、ドレイン端子に接続される駆動回路DRVのクロック端子CKから供給されるクロックCLKの電位をドレイン端子から駆動回路DRVの出力端子Oに供給する。トランジスタTR8は、ゲート端子がノードBTに接続され、ドレイン端子が駆動回路DRVのクロック端子CKに接続され、ソース端子が駆動回路DRVの出力端子Oに接続される。
【0065】
容量素子Cdは、例えば、コンデンサであり、トランジスタTR1のソース端子からノードBTを介して供給される電荷を充電することによって、ノードBTの電位を保持する。容量素子Cdは、一端がノードBTに接続され、他端が駆動回路DRVの出力端子Oに接続される。
【0066】
以上のように構成される駆動回路DRVにおいて、リセット端子Rの及びノードBTの電位が基準線W_VGLの電位VGL(ロウレベル)である場合、トランジスタTR3、TR6、TR7及びTR8の状態は、それぞれ非導通状態になる。これに伴って、電源線W_VGHにダイオード接続されているトランジスタTR2のソース端子の電位が電源線W_VGHの電位VGH(ハイレベル)となり、トランジスタTR4及びTR5の状態は、導通状態になる。トランジスタTR4及びTR5が導通状態となることによって、ノードBT及び出力端子OがそれぞれトランジスタTR4及びTR5を介して基準線W_VGLと短絡されるため、ノードBT及び出力端子Oの電位はロウレベルになる。したがって、駆動回路DRVは、出力端子Oから電位をロウレベルとしてゲート信号VGを出力する。
【0067】
続いて、ノードBTの電位がロウレベルである場合に入力端子Iにハイレベルの電位が供給された場合、トランジスタTR1は、ノードBTを介して容量素子Cdの一端に電荷を供給し、容量素子Cdを充電する。容量素子Cdが充電されノードBTの電位がハイレベルに到達すると、トランジスタTR1、TR3及びTR8の状態は、それぞれ“非導通状態”“導通状態”“導通状態”になる。これに伴って、トランジスタTR4及びTR5の状態は、非導通状態となる。したがって、駆動回路DRVは、クロック端子CKから入力されるクロックCLKをゲート信号VGとして、出力端子Oからゲート信号VGを出力する。
【0068】
続いて、ノードBTの電位がハイレベルである場合にリセット端子Rにハイレベルの電位が供給された場合、トランジスタTR6及びTR7の状態は、それぞれ導通状態となる。これに伴って、ノードBT及び出力端子OがそれぞれトランジスタTR6及びTR7を介して基準線W_VGLと短絡されるため、ノードBT及び出力端子Oの電位はロウレベルになる。さらに、トランジスタTR3及びTR8の状態が非導通状態となるため、これに応じてトランジスタTR4及びTR5の状態は、導通状態となる。したがって、駆動回路DRVは、出力端子Oから電位をロウレベルとしてゲート信号VGを出力する。
【0069】
さらに、ノードBTの電位がロウレベルである場合にリセット端子Rにロウレベルの電位が供給された場合、トランジスタTR6及びTR7の状態は、それぞれ非導通状態となる。トランジスタTR4及びTR5の状態が非導通状態のままであるため、駆動回路DRVは、電位がロウレベルであるゲート信号VGを出力端子Oから出力し続ける。
【0070】
<表示システム1Aに係る一連の動作の流れ>
以上、表示システム1の構成について説明した。次に、表示システム1AにおけるクロックCLK1~CLK8の電位の遷移について詳しく説明する。図6は、第一実施形態に係る表示システム1AにおけるクロックCLK1~CLK8の電位の遷移の第一例を示すタイミングチャートである。
【0071】
時刻t61で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させる。
【0072】
時刻t62で、制御回路40は、クロックCLK2の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK6の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させる。
【0073】
時刻t63で、制御回路40は、クロックCLK3の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK7の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させる。
【0074】
時刻t64で、制御回路40は、クロックCLK4の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK8の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させる。
【0075】
時刻t65で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させる。
【0076】
時刻t66で、制御回路40は、クロックCLK2の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK6の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させる。
【0077】
時刻t67で、制御回路40は、クロックCLK3の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK7の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させる。
【0078】
時刻t68で、制御回路40は、クロックCLK4の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK8の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させる。
【0079】
時刻t69以降において、制御回路40は、時刻t61~時刻t68と同様にクロックCLK1~CLK8の電位を遷移させる。
【0080】
なお、本例では、制御回路40は、ゲートドライバ回路20におけるシフトレジスタ201の奇数段目の駆動回路DRVに入力されるクロックCLK1~CLK4の位相と、ゲートドライバ回路20におけるシフトレジスタ201の偶数段目の駆動回路DRVに入力され、クロックCLK1~CLK4にそれぞれ対応するクロックCLK5~CLK8の位相とが逆相となるように、クロックCLK1~CLK8を生成するがこれに限られるものではない。制御回路40は、クロックCLK1~CLK4が供給される駆動回路DRVが行信号線GLを介して駆動する画像素子110が充電又は放電を完了するまでの期間内であれば、クロックCLK1~CLK4の位相に対してクロックCLK5~CLK8の位相を逆相からずれた位相としても良い。
【0081】
以上、表示システム1AにおけるクロックCLK1~CLK8の電位の遷移について説明した。次に、表示システム1Aの駆動回路DRVにおける各信号の電位の遷移について詳しく説明する。図7は、第一実施形態に係る駆動回路DRVにおける各信号の電位の遷移の一例を示すタイミングチャートである。なお、図7において、ノードBT(1)、BT(5)及びBT(9)は、それぞれシフトレジスタ201の1~3段目の駆動回路DRV1、DRV5及びDRV9のノードBTである。
【0082】
時刻t70で、制御回路40は、スタート信号ST1の電位をハイレベルとして、スタート信号ST1を1段目の駆動回路DRV1の入力端子Iに出力する。時刻t70で、入力端子Iへのハイレベルの電位の供給に伴って、1段目の駆動回路DRV1における容量素子Cdが充電され、ノードBT(1)の電位は、ハイレベルに遷移する。
【0083】
時刻t71で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK1を1段目及び3段目の駆動回路DRV1及びDRV9のクロック端子CKに出力する。時刻t71で、クロック端子CKへのハイレベルの電位の供給に伴って、1段目の駆動回路DRV1における容量素子Cdの一端の電位が引き上げられ、ノードBT(1)の電位は、ハイレベルからハイレベルの2倍の電位に遷移を開始する。また、時刻t71で、1段目の駆動回路DRV1から行信号線GL1と2段目の駆動回路DRV5の入力端子Iとに出力されるゲート信号VG1の電位は、ロウレベルからハイレベルに遷移を開始する。
【0084】
また、時刻t71で、制御回路40は、クロックCLK5の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5を2段目の駆動回路DRV5のクロック端子CKに出力する。時刻t71で、1段目の駆動回路DRV1から2段目の駆動回路DRV5の入力端子Iへのゲート信号VG1の入力に伴って、ノードBT(5)の電位は、ロウレベルからハイレベルに遷移を開始する。
【0085】
時刻t72で、ゲート信号VG1の電位は、ハイレベルに到達する。これに伴って、時刻t72で、ノードBT(1)の電位は、ハイレベルの2倍の電位に到達する。さらに、時刻t72で、ノードBT(5)の電位は、ハイレベルに到達する。
【0086】
時刻t73で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK1を1段目及び3段目の駆動回路DRV1及びDRV9のクロック端子CKに出力する。また、時刻t73で、制御回路40は、スタート信号ST1の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させる。時刻t73で、クロック端子CKへのロウレベルの電位の供給に伴って、1段目の駆動回路DRV1における容量素子Cdの一端の電位が引き下げられ、ノードBT(1)の電位は、ハイレベルの2倍の電位からハイレベルに遷移を開始する。また、時刻t73で、1段目の駆動回路DRV1から行信号線GL1と2段目の駆動回路DRV5の入力端子Iとに出力されるゲート信号VG1の電位は、ハイレベルからロウレベルに遷移を開始する。
【0087】
また、時刻t73で、制御回路40は、クロックCLK5の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5を2段目の駆動回路DRV5のクロック端子CKに出力する。時刻t73で、クロック端子CKへのハイレベルの電位の供給に伴って、2段目の駆動回路DRV5における容量素子Cdの一端の電位が引き上げられ、ノードBT(5)の電位は、ハイレベルからハイレベルの2倍の電位に遷移を開始する。また、時刻t73で、2段目の駆動回路DRV5から行信号線GL5と3段目の駆動回路DRV9の入力端子Iとに出力されるゲート信号VG5の電位は、ロウレベルからハイレベルに遷移を開始する。
【0088】
さらに、時刻t73で、2段目の駆動回路DRV5から3段目の駆動回路DRV9の入力端子Iへのゲート信号VG5の入力に伴って、ノードBT(9)の電位は、ロウレベルからハイレベルに遷移を開始する。
【0089】
時刻t74で、ゲート信号VG1の電位は、ロウレベルに到達する。これに伴って、時刻t74で、ノードBT(1)の電位は、ハイレベルに到達する。また、時刻t74で、ゲート信号VG5の電位は、ハイレベルに到達する。これに伴って、時刻t74で、ノードBT(5)の電位は、ハイレベルの2倍の電位に到達する。さらに、時刻t74で、ノードBT(9)の電位は、ハイレベルに到達する。
【0090】
時刻t75で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK1を1段目及び3段目の駆動回路DRVのクロック端子CKに出力する。時刻t75で、リセット端子Rへのゲート信号VG9の入力に伴って、ノードBT(1)の電位は、ハイレベルからロウレベルに遷移を開始する。
【0091】
また、時刻t75で、制御回路40は、クロックCLK5の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5を2段目の駆動回路DRV5のクロック端子CKに出力する。時刻t75で、クロック端子CKへのロウレベルの供給に伴って、2段目の駆動回路DRV5における容量素子Cdの一端の電位が引き下げられ、ノードBT(5)の電位は、ハイレベルの2倍の電位からハイレベルに遷移を開始する。
【0092】
さらに、時刻t75で、入力端子Iへのゲート信号VG5の入力に伴って、3段目の駆動回路DRV9における容量素子Cdの一端の電位が引き上げられ、ノードBT(9)の電位は、ハイレベルからハイレベルの2倍の電位に遷移を開始する。また、時刻t75で、3段目の駆動回路DRV9から行信号線GL9と4段目の駆動回路DRV14の入力端子Iと1段目の駆動回路DRV1のリセット端子Rとに出力されるゲート信号VG9の電位は、ロウレベルからハイレベルに遷移を開始する。
【0093】
時刻t76で、ゲート信号VG1の電位は、ロウレベルのままである。時刻t76で、ゲート信号VG5の電位は、ロウレベルに到達する。これに伴って、時刻t76で、ノードBT(5)の電位は、ハイレベルに到達する。また、時刻t76で、ゲート信号VG9の電位は、ハイレベルに到達する。これに伴って、時刻t76で、ノードBT(1)の電位は、ロウレベルに到達する。さらに、時刻t76で、ノードBT(9)の電位は、ハイレベルの2倍の電位に到達する。
【0094】
時刻t77で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK1を1段目及び3段目の駆動回路DRV1及びDRV9のクロック端子CKに出力する。
【0095】
また、時刻t77で、制御回路40は、クロックCLK5の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5を2段目の駆動回路DRV5のクロック端子CKに出力する。時刻t77で、リセット端子Rへのゲート信号VG13の入力に伴って、ノードBT(5)の電位は、ハイレベルからロウレベルに遷移を開始する。
【0096】
さらに、時刻t77で、クロック端子CKへのロウレベルの供給に伴って、3段目の駆動回路DRV9における容量素子Cdの一端の電位が下げられ、ノードBT(9)の電位は、ハイレベルの2倍の電位からハイレベルに遷移を開始する。また、時刻t75で、ゲート信号VG9の電位は、ハイレベルからロウレベルに遷移を開始する。
【0097】
時刻t78で、ゲート信号VG1及びVG5の電位は、ロウレベルのままである。また、時刻t78で、ゲート信号VG9の電位は、ロウレベルに到達する。さらに、時刻t78で、ゲート信号VG13の電位がロウレベルに到達することに伴って、ノードBT(5)の電位は、ロウレベルに到達する。
【0098】
時刻t79で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK1を1段目及び3段目の駆動回路DRV1及びDRV9のクロック端子CKに出力する。また、時刻t79で、制御回路40は、クロックCLK5の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5を2段目の駆動回路DRV5のクロック端子CKに出力する。さらに、時刻t79で、リセット端子Rへのゲート信号VG17の入力に伴って、ノードBT(9)の電位は、ハイレベルからロウレベルに遷移を開始する。
【0099】
時刻t80で、ゲート信号VG1、VG5及びVG9の電位は、ロウレベルのままである。また、時刻t80で、ゲート信号VG17の電位がロウレベルに到達することに伴って、ノードBT(9)の電位は、ロウレベルに到達する。
【0100】
なお、本例では、制御回路40は、ゲートドライバ回路20におけるシフトレジスタ201の奇数段目の駆動回路DRVに入力されるクロックCLK1の位相と、ゲートドライバ回路20におけるシフトレジスタ201の偶数段目の駆動回路DRVに入力され、クロックCLK1に対応するクロックCLK5の位相とが逆相となるように、クロックCLK1及びCLK5を生成するがこれに限られるものではない。制御回路40は、クロックCLK1が供給される駆動回路DRV1及びDRV9が行信号線GL1及びGL9を介して駆動する画像素子110が充電又は放電を完了するまでの期間内であれば、クロックCLK5の位相をクロックCLK1の位相に対して逆相からずれた位相としても良い。
【0101】
以上、表示システム1Aの駆動回路DRVにおける各信号の電位の遷移について説明した。次に、表示システム1Aの一連の処理の流れについて詳しく説明する。図11は、第一実施形態に係る表示システム1Aの一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0102】
(ステップSP10)
制御回路40は、時刻がゲートドライバ回路20のいずれかのシフトレジスタ201における奇数段目の駆動回路DRVに供給するクロック(図7におけるクロックCLK1)を立ち上げるタイミングであるか、又は当該シフトレジスタ201における偶数段目の駆動回路DRVに供給するクロック(図7におけるクロックCLK5)を立ち下げるタイミングである第一タイミング(図7における時刻t71、t75及びt79)であるか否かを判定する。一方、当該判定が肯定である場合、処理は、ステップSP12の処理に移行する。他方、当該判定が否定である場合、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0103】
(ステップSP12)
制御回路40は、奇数段目の駆動回路DRVに対応する画像素子110(第一画像素子)へ電荷を供給する第一期間(図7における時刻t75~t76の期間)と、偶数段目の駆動回路DRVに対応する画像素子110(第二画像素子)から電荷を引き抜く第三期間(図7における時刻t75~t76の期間)とが重なるように、駆動回路DRVによって対応する行信号線GLを駆動する。これにより、制御回路40は、画像素子110(第一画像素子)を充電するととともに、画像素子110(第二画像素子)を放電させる。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0104】
(ステップSP14)
制御回路40は、時刻がゲートドライバ回路20のいずれかのシフトレジスタ201における奇数段目の駆動回路DRVに供給するクロック(図7におけるクロックCLK1)を立ち下げるタイミングであるか、又は当該シフトレジスタ201における偶数段目の駆動回路DRVに供給するクロック(図7におけるクロックCLK5)を立ち上げるタイミングである第二タイミング(図7における時刻t73及びt77)であるか否かを判定する。一方、当該判定が肯定である場合、処理は、ステップSP16の処理に移行する。他方、当該判定が否定である場合、図11に示す一連の処理は、終了する。
【0105】
(ステップSP16)
制御回路40は、奇数段目の駆動回路DRVに対応する画像素子110(第一画像素子)から電荷を引き抜く第二期間(図7における時刻t73~t74の期間)と、偶数段目の駆動回路DRVに対応する画像素子110(第二画像素子)に電荷を供給する第四期間(図7における時刻t73~t74の期間)とが重なるように、駆動回路DRVによって対応する行信号線GLを駆動する。これにより、制御回路40は、画像素子110(第一画像素子)を放電させるととともに、画像素子110(第二画像素子)を充電する。
【0106】
<効果>
以上、第一実施形態では、表示システム1Aは、水平方向に配列された複数の列信号線SL1~SLmと、垂直方向に配列された複数の行信号線GL(第一行信号線:GL1~GL4、GL9~GL13、…GLn-7~GLn―4)及び複数の行信号線GL(第二行信号線:GL5~GL8、GL13~GL16、…GLn-3~GLn)と、第一行信号線及び列信号線SL1~SLmの交点に配置されている複数の画像素子110(第一画像素子)と、第二行信号線及び列信号線SL1~SLmの交点に配置されている複数の画像素子110(第二画像素子)とを有する表示装置10を備える。また、表示システム1Aは、第一行信号線毎に設けられ、対応する第一行信号線を介して第一画像素子を駆動する複数の駆動回路DRV(第一駆動回路)と、第二行信号線毎に設けられ、対応する第二行信号線を介して第二画像素子を駆動する駆動回路DRV(第二駆動回路)と、を有するゲートドライバ回路20(ドライバ回路)をさらに備える。さらに、表示システム1Aにおいて、第一駆動回路は、第一期間(図7における時刻t75~t76)に第一画像素子に電荷を供給し、第一期間と異なる第二期間(図7における時刻t73~t74)に第一画像素子から電荷を引き抜く。また、表示システム1Aにおいて、第二駆動回路は、第二期間と少なくとも一部が重複する第三期間(図7における時刻t73~t74)に第二画像素子に電荷を供給し、第一期間と少なくとも一部が重複する第四期間(図7における時刻t75~t76)に第二画像素子から電荷を引き抜く。
【0107】
この構成によれば、表示システム1Aは、第一画像素子に電荷を供給する第一期間に表示システム1Aから発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子から電荷を引き抜く第三期間に表示システム1Aから発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズによって相殺され、さらに、第一画像素子から電荷を引き抜く第二期間に表示システム1Aから発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子に電荷を供給する第四期間に表示システム1Aから発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズによって相殺される場合がある。したがって、表示システム1Aは、表示システム1Aから発せられるノイズを低減できる。
【0108】
また、本実施形態では、表示システム1Aは、第一クロックCLK1~CLK4を第一駆動回路に供給する第一クロック線WCL1~WCL4と、第二クロックCLK5~CLK8を第二駆動回路に供給する第二クロック線WCL5~WCL8と、をさらに備える。また、表示システム1Aでは、第一駆動回路は、第一クロックCLK1~CLK4の交番に従って第一画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行う。さらに、表示システム1Aでは、第二駆動回路は、第二クロックCLK5~CLK8の交番に従って第二画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行う。また、表示システム1Aにおいて、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8は、互いに平行かつ隣接して配置されている。
【0109】
この構成によれば、表示システム1Aは、第一クロック線WCL1~4から発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズの少なくとも一部が、第一クロック線WCL1~WCL4に平行かつ隣接して配置されている第二クロック線WCL5~8から発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズによって相殺される。また、第二クロック線WCL5~8から発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズの少なくとも一部もまた、第一クロック線WCL1~4から発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズによって相殺される。したがって、表示システム1Aは、表示システム1Aから発せられるノイズを低減できる。
【0110】
また、本実施形態では、第一駆動回路及び第二駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、第一駆動回路は、前段に接続されている第二駆動回路から出力されるゲート信号(VG5~VG8、VG13~VG16、…VGn-11~VGn-8)が示す情報を保持し、第一期間に保持している情報を含むゲート信号(VG9~VG12、VG17~VG20、…GLn-7~GLn-4)を次段に接続されている第二駆動回路に出力する。また、第二駆動回路は、前段に接続されている第一駆動回路から出力されるゲート信号(VG1~VG4、VG9~VG12、…VGn-7~VGn-4)が示す情報を保持し、第三期間に保持している情報を含むゲート信号(VG5~VG8、VG13~VG16、…VGn-11~VGn-8)を次段に接続されている第一駆動回路に出力する。さらに、第一駆動回路は、次々段以降に接続されている第一駆動回路から出力されるゲート信号(VG9~VG12、…VGn-7~VGn-4)、又は次々段以降に接続されている第二駆動回路から出力されるゲート信号(VG13~VG16、…VGn-3~VGn)に従って保持している情報を初期化する。また、第二駆動回路は、次々段以降に接続されている第二駆動回路から出力されるゲート信号(VG13~VG16、…VGn-3~VGn)、又は次々段以降に接続されている第一駆動回路から出力されるゲート信号(VG17~VG20、…VGn-7~VGn-4)に従って保持している情報を初期化する。
【0111】
この構成によれば、表示システム1Aは、第一駆動回路及び第二駆動回路がそれぞれ次々段以降に接続されている第一駆動回路又は第二駆動回路から出力されるゲート信号VGに従って初期化を行う。これにより、表示システム1Aは、第一駆動回路及び第二駆動回路が第一行信号線及び第二行信号線を駆動してから初期化するまでの間に十分なマージン期間を確保できる。
【0112】
―――第二実施形態―――
次に、第二実施形態について説明する。
【0113】
<構成>
図5Aは、クロック線WCL1及びCLK5の配置の第二例を示す図である。また、図5Bは、クロック線WCL1及びCLK5の配置の第三例を示す図である。また、図5Cは、クロック線WCL1及びCLK5の配置の第四例を示す図である。なお、図示されていないが、図5A図5B及び図5Cにおいて、クロック線WCL2~WCL8も、クロック線WCL1及びCLK5と同様に配置されているものとする。また、表示システム1Bは、クロック線WCL1~WCL8の配置が異なる点を除いて第一実施形態における表示システム1Aと同様であるため、同様である部分についてはその説明を省略する。
【0114】
図5A図5B及び図5Cに示すように、表示システム1Bにおいて、クロック線WCL1及びWCL5は、互いに隣接して平行になるように、かつ、一定の距離毎に互いに交差して配置される。
【0115】
図5Aでは、表示システム1Bにおいて、クロック線WCL5は、クロック線WCL1が配置されている層の上層に配置される。また、クロック線WCL1及びWCL5は、一定の距離毎に右側レーン及び左側レーンを行き来する矩形波状に、表示システム1Bに配置される。さらに、クロック線WCL1及びWCL5は、対向レーンに移る際の水平方向のラインの垂直方向の位置が重なるように配置される。なお、本例では、クロック線WCL1が配置されている層の上層にクロック線WCL5が配置される場合を説明したが、これに限られるものではなく、クロック線WCL5が配置されている層の上層にクロック線WCL1が配置されても良い。
【0116】
図5Bでは、表示システム1Bにおいて、クロック線WCL5は、クロック線WCL1が配置されている層の上層に配置される。また、クロック線WCL1及びWCL5は、一定の距離毎に右側レーン及び左側レーンを行き来する台形波状に、表示システム1Bに配置される。さらに、クロック線WCL1及びWCL5は、対向レーンに移る位置の垂直方向の位置が同じになるように配置される。なお、本例では、クロック線WCL1が配置されている層の上層にクロック線WCL5が配置される場合を説明したが、これに限られるものではなく、クロック線WCL5が配置されている層の上層にクロック線WCL1が配置されても良い。
【0117】
図5Cでは、表示システム1Bにおいて、クロック線WCL1及びWCL5は、下層に配置された下層ラインと、上層に配置された上層ラインと、下層ライン及び上層ラインを電気的に接続するビアViaとによって形成される。
【0118】
下層ラインは、上端から右側レーンを下側方向に伸び、さらに左側レーンに至るまで左下側方向に伸び、さらに左側レーンを下側方向に伸びて下端に至る形状をしている。また、下層ラインの下端及び上端は、それぞれビアViaを介して上層ラインの上端及び下端と接続される。
【0119】
上層ラインは、上端から左側レーンを下側方向に伸び、さらに右側レーンに至るまで右下側方向に伸び、さらに右側レーンを下側方向に伸びて下端に至る形状をしている。また、上層ラインの下端及び上端は、それぞれビアViaを介して下層ラインの上端及び下端と接続される。
【0120】
さらに、表示システム1Bでは、クロック線WCL1の下層ラインとクロック線WCL5の上層ラインとが交差し、クロック線WCL1の上層ラインとクロック線WCL5の下層ラインとが交差するように、クロック線WCL1及びWCL5が配置される。
【0121】
<効果>
以上、第二実施形態では、表示システム1Bは、第一クロックCLK1~CLK4を第一駆動回路に供給する第一クロック線WCL1~WCL4と、第二クロックCLK5~CLK8を第二駆動回路に供給する第二クロック線WCL5~WCL8と、をさらに備える。また、表示システム1Bでは、第一駆動回路は、第一クロックCLK1~CLK4の交番に従って第一画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行う。さらに、表示システム1Bでは、第二駆動回路は、第二クロックCLK5~CLK8の交番に従って第二画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行う。さらに、表示システム1Bでは、第一クロック線WCL1~WCLL4及び第二クロック線WCL5~WCL8は、一定の距離毎に互いに交差するように、配置されている。
【0122】
図5Aが示す構成によれば、表示システム1Bは、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8が一定に距離毎に互いに交差することによって、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8が交差していない場合と比較して、さらに表示システム1Bから発せられるノイズを低減できる。
【0123】
また、図5Bが示す構成によれば、表示システム1Bは、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8が上層及び下層の間で重なる面積が少なくなっているため、図5Aに示す構成と比較して、さらに表示システム1Bから発せられるノイズを低減できる。
【0124】
また、図5Cが示す構成によれば、表示システム1Bは、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8が互いに交差する部分の一部にのみ上層を用いているため、図5A及び図5Bに示す構成と比較して、上層及び下層の差による電気的特性(配線抵抗)のばらつきを低減できる。
【0125】
―――第三実施形態―――
次に、第三実施形態について説明する。
【0126】
<表示システム1Cに係る一連の動作の流れ>
図8は、第三実施形態に係る表示システム1CにおけるクロックCLK1~CLK8の電位の遷移の一例を示すタイミングチャートである。なお、表示システム1Cでは、ゲートドライバ回路20における駆動回路DRVのリセット端子Rには、シフトレジスタ201において次段以降に接続される駆動回路DRVから出力されるゲート信号VGが入力される(図示せず)。なお、表示システム1Cは、第一実施形態と比較して、クロックCLK1~CLK8の位相差が異なる点と、駆動回路DRVのリセット端子Rに入力されるゲート信号VGを出力する駆動回路DRVが異なる点とを除いて第一実施形態における表示システム1Aと同様であるため、同様である部分についてはその説明を省略する。
【0127】
時刻t81で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK4の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させ、さらにクロックCLK7の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させる。
【0128】
時刻t82で、制御回路40は、クロックCLK2の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させ、さらにクロックCLK8の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させる。
【0129】
時刻t83で、制御回路40は、クロックCLK3の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させるとともに、クロックCLK6の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させる。
【0130】
時刻t84で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK4の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させ、さらにクロックCLK7の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させる。
【0131】
時刻t85で、制御回路40は、クロックCLK2の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させ、さらにクロックCLK8の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させる。
【0132】
時刻t86で、制御回路40は、クロックCLK3の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK7の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させる。
【0133】
時刻t87以降において、制御回路40は、時刻t81~時刻t86と同様にクロックCLK1~CLK8の電位を遷移させる。
【0134】
<効果>
以上、第三実施形態では、表示システム1Cでは、複数の駆動回路DRV(第一駆動回路)は、それぞれ交互に直列に接続されており、前段に接続されている第一駆動回路から出力されるゲート信号(VG1、VG5、…VGn-7)が示す情報を保持し、第一期間に保持している情報を含むゲート信号(VG5、VG9、…VGn-3)を次段に接続されている第一駆動回路に出力する。また、表示システム1Cでは、複数の駆動回路DRV(第二駆動回路)は、それぞれ交互に直列に接続されており、第二駆動回路は、前段に接続されている第二駆動回路から出力されるゲート信号(VG4、VG8、…VGn-4)が示す情報を保持し、第三期間に持している情報を含むゲート信号(VG8、VG12、…VGn)を次段に接続されている第二駆動回路に出力する。
【0135】
この構成によれば、表示システム1Cでは、第一駆動回路同士が直列に接続されており、第二駆動回路同士が直列に接続されており、さらに第一駆動回路による第一画像素子への電荷の供給及び引き抜きを行う期間と、第二駆動回路による第二画像素子への電荷の引き抜き及び供給を行う期間とが重複している。表示システム1Cは、第一駆動回路による接続系統と第二駆動回路による接続系統が異なっているため、第一駆動回路が保持する情報、及び第二駆動回路が保持する情報の初期化を行うタイミングに、より多くの時間マージンを有することができる。
【0136】
―――第四実施形態―――
次に、第四実施形態について説明する。
【0137】
<構成>
図9Aは、第四実施形態に係る表示システム1Dを示す断面図である。図9Aに示すように、表示システム1Dは、駆動コイル13と、位置検出器14と、位置指示器50とをさらに含んで構成される。
【0138】
駆動コイル13は、位置指示器50の位置を検出するための所定の周波数を有する信号を位置指示器50に対して送信する。駆動コイル13は、表示システム1Dを表示面側から見た場合に、少なくともディスプレイモジュール11の表示面の範囲を含むように、表示装置10の背面側に面状に設けられている。
【0139】
位置指示器50は、ディスプレイモジュール11における所定の位置を指示するポインティングデバイスである。位置指示器50は、コイルなどの誘導素子及びコンデンサなどの容量素子からなる共振回路51を含んで構成される。位置指示器50は、駆動コイル13から送信される信号によって共振回路51が共振し、当該共振によって発生する共振信号を位置検出器14に送信することによって、位置指示器50が指示したディスプレイモジュール11における所定の位置を位置検出器14に伝達する。
【0140】
位置検出器14は、例えば、電磁誘導方式(EMR:Electro Magnetic Resonance)のセンサーであり、位置指示器50から送信される共振信号を受信することによって、位置指示器50が指示したディスプレイモジュール11における所定の位置を検出する。位置検出器14は、表示システム1Dを表示面側から見た場合に、少なくともディスプレイモジュール11の表示面の範囲を含むように、表示装置10の表示面側に面状に設けられている複数の電磁誘導型の検出コイルを含んで構成される。位置検出器14は、受信した信号のレベルが最も大きな検出コイルの位置を位置指示器50が指示しているディスプレイモジュール11における所定の位置として検出する。
【0141】
図10は、表示システム1DにおけるクロックCLK1及びCLK5の交番と位置検出器14に発生する起電力との関係を示すグラフである。
【0142】
時刻t101で、制御回路40は、クロックCLK1の電位をロウレベルからハイレベルに遷移させる。これに伴って、クロック線WCL1に流れる電流ICLK1は、急激に上昇した後に緩やかに下降し0に戻る。また、クロック線WCL1に流れる電流の値の変化に伴って位置検出器14の検出コイルに発生する起電力dI/dt(CLK1)は、下降、上昇、下降の順に変化した後に0に戻る。
【0143】
時刻t102で、制御回路40は、クロックCLK5の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させる。これに伴って、クロック線WCL5に流れる電流ICLK5は、急激に下降した後に緩やかに上昇し0に戻る。また、グラフg1に示すように、クロック線WCL5に流れる電流の値の変化に伴って位置検出器14の検出コイルに発生する起電力dI/dt(CLK5)は、上昇、下降、上昇の順に変化し0に戻る。
【0144】
グラフg2は、グラフg1と比較して、クロックCLK1の立ち上がりタイミング(時刻t101)と、クロックCLK5の立下がりタイミング(時刻t102)とがより近づいた場合における位置検出器14の検出コイルに発生する起電力を示すグラフである。さらに、グラフg3は、グラフg2と比較して、クロックCLK1の立ち上がりタイミング(時刻t101)と、クロックCLK5の立下がりタイミング(時刻t102)とがより近づいた場合における位置検出器14の検出コイルに発生する起電力を示すグラフである。
【0145】
また、図10の右側には、クロックCLK1の立ち上がりによって検出コイルに発生する起電力と、クロックCLK1の立下りによって検出コイルに発生する起電力とを合計した起電力が示されている。
【0146】
図10に示すように、クロックCLK1の立ち上がりタイミング(時刻t101)と、クロックCLK5の立下がりタイミング(時刻t102)が近づくにつれて、クロックCLK1及びCLK5の交番によって検出コイルに発生する起電力が減少していることが分かる。
【0147】
<効果>
以上、第四実施形態では、表示システム1Dは、共振回路51を有する位置指示器50と、位置指示器50への給電を行うための駆動コイル13と、位置指示器50が指示する位置を検出するための電磁誘導型の検出コイルを有する位置検出器14と、をさらに備える。
【0148】
この構成によれば、表示システム1Dは、第一画像素子に電荷を供給する第一期間に表示システム1Dから発せられる磁界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子から電荷を引き抜く第三期間に表示システム1Dから発せられる磁界ノイズによって相殺され、さらに、第一画像素子から電荷を引き抜く第二期間に表示システム1Dから発せられる磁界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子に電荷を供給する第四期間に表示システム1Dから発せられる磁界ノイズによって相殺される。したがって、表示システム1Dは、磁界ノイズを低減することによって、位置検出器14による位置指示器50の位置検出の精度を高めることができる。
【0149】
また、第四実施形態では、ゲートドライバ回路20は、位置検出器14及び駆動コイル13の間、かつ表示装置10の側面側に配置されている。また、表示システム1Dでは、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8は、位置検出器14及び駆動コイル13の間、かつゲートドライバ回路20の表示装置10とは反対方向の側面側に配置されている。また、表示システム1Dでは、位置検出器14は、表示装置10、ゲートドライバ回路20、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8に対して、表示装置10の表示面側に配置されている。さらに、表示システム1Dでは、 駆動コイル13は、表示装置10、ゲートドライバ回路20、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8に対して、表示装置10の背面側に配置されている。
【0150】
この構成によれば、表示システム1Dは、ゲートドライバ回路20の側面側付近で発生する第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8による磁界ノイズを停電することによって、位置検出器14におけるゲートドライバ回路20の側面側付近での位置指示器50の位置検出の精度を高めることができる。
【0151】
―――第五実施形態―――
次に、第五実施形態について説明する。
【0152】
<構成>
図9Bは、表示システム1Eがタッチセンサ15を備える場合の表示システム1Eの配置関係を示す断面図である。図9Bに示すように、表示システム1Eは、タッチセンサ15と、スタイラス60とをさらに含んで構成される。
【0153】
タッチセンサ15は、スタイラス60や指61などがタッチセンサ15に触れた又は接近した際に、スタイラス60や指61の位置を検出する。タッチセンサ15は、表示システム1Eを表示面側から見た場合に、少なくともディスプレイモジュール11の表示面の範囲を含むように、表示装置10の表示面側に面状に設けられている複数の検出電極を含んで構成される。タッチセンサ15は、受信した信号のレベルが最も大きな検出電極の位置をスタイラス60又は指61が指示しているディスプレイモジュール11における所定の位置として検出する。
【0154】
スタイラス60は、タッチセンサ15における所定の位置を指示するためのポインティングデバイスである。スタイラス60は、タッチセンサ15の検出電極から送信される信号を受けた場合に動作し、スタイラス60の先端から位置を指示するための信号を検出電極に対して送信することによって、タッチセンサ15に対して位置情報を伝達する。
【0155】
<効果>
以上、第五実施形態では、表示装置10は、複数の検出電極が面状に配置されてなるタッチセンサ15を有する。さらに、表示システム1Eでは、ゲートドライバ回路20は、表示装置10の側面側、かつタッチセンサ15の背面側に配置されている。また、表示システム1Eでは、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8は、タッチセンサ15の背面側、かつゲートドライバ回路20の表示装置10とは反対方向の側面側に配置されている。さらに、表示システム1Eでは、タッチセンサ15は、表示装置10、ゲートドライバ回路20、第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8に対して、表示装置10の表示面側に配置されている。
【0156】
この構成によれば、表示システム1Eは、第一画像素子に電荷を供給する第一期間に表示システム1Eから発せられる電界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子から電荷を引き抜く第三期間に表示システム1Eから発せられる電界ノイズによって相殺され、さらに、第一画像素子から電荷を引き抜く第二期間に表示システム1Eから発せられる電界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子に電荷を供給する第四期間に表示システム1Eから発せられる電界ノイズによって相殺される。したがって、表示システム1Eは、電解ノイズを低減することによって、タッチセンサ15によるスタイラス60や指61の位置検出の精度を高めることができる。
【0157】
―――変形例―――
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0158】
例えば、上記実施形態では、ゲートドライバ回路20は、表示装置10の片方の側面側に設けられているたがこれに限られるものではない。例えば、ゲートドライバ回路20は、表示装置10の両方の側面側に設けられていても良い。
【0159】
この構成によれば、表示システム1は、ゲートドライバ回路20が表示装置10の両方の側面側にある場合において、ノイズを低減できる。
【0160】
また、上記実施形態では、クロック線WCLは8本設けられているが、クロック線WCLは、8本に限らず任意の本数が設けられていても良い。
【0161】
この構成によれば、表示システム1は、クロック線WCLの本数によらずに、ノイズを低減できる。
【符号の説明】
【0162】
1A…表示システム、10…表示装置、20…ドライバ回路、DRV…駆動回路、110…画像素子、GL…行信号線、SL…列信号線

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-12-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子と、を有する表示装置と、
前記第一行信号線毎に設けられ、対応する前記第一行信号線を介して前記第一画像素子を駆動する複数の第一駆動回路と、前記第二行信号線毎に設けられ、対応する前記第二行信号線を介して前記第二画像素子を駆動する複数の第二駆動回路と、を有するドライバ回路と、
を備え、
前記第一駆動回路は、第一期間に前記第一画像素子に電荷を供給し、前記第一期間と異なる第二期間に前記第一画像素子から電荷を引き抜き、
前記第二駆動回路は、前記第二期間と少なくとも一部が重複する第三期間に前記第二画像素子に電荷を供給し、又は前記第一期間と少なくとも一部が重複する第四期間に前記第二画像素子から電荷を引き抜く、
表示システム。
【請求項2】
第一クロックを前記第一駆動回路に供給する第一クロック線と、
第二クロックを前記第二駆動回路に供給する第二クロック線と、
をさらに備え、
前記第一駆動回路は、前記第一クロックの交番に従って前記第一画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、
前記第二駆動回路は、前記第二クロックの交番に従って前記第二画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、
前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、互いに平行かつ隣接して配置されている、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
第一クロックを前記第一駆動回路に供給する第一クロック線と、
第二クロックを前記第二駆動回路に供給する第二クロック線と、
をさらに備え、
前記第一駆動回路は、前記第一クロックの交番に従って前記第一画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、
前記第二駆動回路は、前記第二クロックの交番に従って前記第二画像素子に対して電荷の供給及び引き抜きのうちいずれかを行い、
前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、一定の距離毎に互いに交差するように、配置されている、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記第一駆動回路及び前記第二駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、
前記第一駆動回路は、前段に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第一期間に保持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第二駆動回路に出力し、
前記第二駆動回路は、前段に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第三期間に保持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第一駆動回路に出力し、
前記第一駆動回路は、次々段以降に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号、又は次々段以降に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号に従って保持している前記情報を初期化し、
前記第二駆動回路は、次々段以降に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号、又は次々段以降に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号に従って保持している前記情報を初期化する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
複数の前記第一駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、
前記第一駆動回路は、前段に接続されている前記第一駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第一期間に保持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第一駆動回路に出力し、
複数の前記第二駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、
前記第二駆動回路は、前段に接続されている前記第二駆動回路から出力される信号が示す情報を保持し、前記第三期間に持している前記情報を含む信号を次段に接続されている前記第二駆動回路に出力する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
共振回路を有する位置指示器と、
前記位置指示器への給電を行うための駆動コイルと、
前記位置指示器が指示する位置を検出するための電磁誘導型の検出コイルを有する位置検出器と、
をさらに備える請求項2又は3に記載の表示システム。
【請求項7】
前記ドライバ回路は、前記位置検出器及び前記駆動コイルの間、かつ前記表示装置の側面側に配置されており、
前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、前記位置検出器及び前記駆動コイルの間、かつ前記ドライバ回路の前記表示装置とは反対方向の側面側に配置されており、
前記位置検出器は、前記表示装置、前記ドライバ回路、前記第一クロック線及び前記第二クロック線に対して、前記表示装置の表示面側に配置されており、
前記駆動コイルは、前記表示装置、前記ドライバ回路、前記第一クロック線及び前記第二クロック線に対して、前記表示装置の背面側に配置されている、
請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記表示装置は、複数の検出電極が面状に配置されてなるタッチセンサを有する、
請求項2又は3に記載の表示システム。
【請求項9】
前記ドライバ回路は、前記表示装置の側面側、かつ前記タッチセンサの背面側に配置されており、
前記第一クロック線及び前記第二クロック線は、前記タッチセンサの背面側、かつ前記ドライバ回路の前記表示装置とは反対方向の側面側に配置されており、
前記タッチセンサは、前記表示装置、前記ドライバ回路、前記第一クロック線及び前記第二クロック線に対して、前記表示装置の表示面側に配置されている、
請求項8に記載の表示システム。
【請求項10】
水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子とを有する表示装置における前記第一画像素子及び前記第二画像素子を駆動するためのドライバ回路であって、
前記第一行信号線毎に設けられ、対応する前記第一行信号線を介して前記第一画像素子を駆動する複数の第一駆動回路と、
前記第二行信号線毎に設けられ、対応する前記第二行信号線を介して前記第二画像素子を駆動する複数の第二駆動回路と、
を備え、
前記第一駆動回路は、第一期間に前記第一画像素子に電荷を供給し、前記第一期間と異なる第二期間に前記第一画像素子から電荷を引き抜き、
前記第二駆動回路は、前記第二期間と少なくとも一部が重複する第三期間に前記第二画像素子に電荷を供給し、又は前記第一期間と少なくとも一部が重複する第四期間に前記第二画像素子から電荷を引き抜く、
ドライバ回路。
【請求項11】
水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子とを備える表示システムの制御方法であって、
第一期間に前記第一行信号線を介して前記第一画像素子に電荷を供給することと、
前記第一期間と少なくとも一部が重複する第期間に前記第二行信号線を介して前記第二画像素子から電荷を引き抜くことと、
前記第一期間とは異なる第二期間に前記第一行信号線を介して前記第一画像素子から電荷を引き抜くことと、
前記第二期間と少なくとも一部が重複する第期間に前記第二行信号線を介して前記第二画像素子に電荷を供給することと、
を含む表示システムの制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
また、第十一の本発明に係る表示システムの制御方法は、水平方向に配列された複数の列信号線と、垂直方向に配列された複数の第一行信号線及び複数の第二行信号線と、前記第一行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第一画像素子と、前記第二行信号線及び前記列信号線の交点に配置されている複数の第二画像素子とを備える表示システムの制御方法であって、第一期間に前記第一行信号線を介して前記第一画像素子に電荷を供給することと、前記第一期間と少なくとも一部が重複する第期間に前記第二行信号線を介して前記第二画像素子から電荷を引き抜くことと、前記第一期間とは異なる第二期間に前記第一行信号線を介して前記第一画像素子から電荷を引き抜くことと、前記第二期間と少なくとも一部が重複する第期間に前記第二行信号線を介して前記第二画像素子に電荷を供給することと、を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
<構成>
図1は、第一実施形態に係る表示システム1Aの一例を示す図である。表示システム1Aは、ユーザが保持するコンピュータやモニター、テレビであり、例えば、タブレト、スマートフォン、パーソナルコンピュータのモニター、テレビ受信機などである。なお、本例では、表示システム1Aに含まれる表示装置10が液晶ディスプレイである場合について説明する。表示システム1Aは、例えば、表示装置10と、ゲートドライバ回路20と、ソースドライバ回路30と、制御回路40と、クロック線WCL1~WCL8(図3参照)とを含んで構成される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
ソースドライバ回路30は、列信号線SL1~SLmを駆動する回路であり、表示システム1Aを表示面側から見た場合に、表示装置10の下側に配置される。ソースドライバ回路30は、制御回路40に従うタイミングで、制御回路40によって列信号線SL1~SLm毎に対して都度設定される電位を有するソース信号VS1~VSmを対応する列信号線SL1~SLに出力する。ソースドライバ回路30は、ゲートドライバ回路20によって駆動された行信号線GL1~GLnと列信号線SL1~SLmとの交点に対応する画像素子110のソース電極に対して、当該画像素子110に対応するソース信号VS1~VSmが有する電位を供給する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
制御回路40は、表示装置10を制御するための回路である。制御回路40は、ゲートドライバ回路20による行信号線GL1~GLの駆動を開始する際に、駆動の開始を示す信号であるスタート信号ST1~ST4を生成し、スタート信号ST1~ST4をゲートドライバ回路20に出力する。また、制御回路40は、ゲートドライバ回路20を動作させるためのクロックCLK1~CLK8を生成し、クロック線WCL1~WCL8を介して、クロックCLK1~CLK8をゲートドライバ回路20に出力する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
また、駆動回路DRVは、他の駆動回路DRVと合わせてシフトレジスタ201を構成する(図3Bを参照)。なお、本実施形態では、ゲートドライバ回路20は、それぞれ異なる駆動回路DRVの群からなる4つのシフトレジスタ201を含んで構成される。さらに、駆動回路DRVは、シフトレジスタ201における段目が同じである駆動回路DRV同士でブロック202を形成し、当該ブロック202内において、1つ目のシフトレジスタ201の駆動回路DRVから4つ目のシフトレジスタ201の駆動回路DRVまでの順に垂直方向に配列される(図3Cを参照)。当該ブロック202は、ゲートドライバ回路20において、シフトレジスタ201の最前段から最後段に至る順で垂直方向に配列される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
ここで、シフトレジスタ201について、図3Bを参照しつつ説明する。図3Bは、第一実施形態に係る1つ目のシフトレジスタ201の回路構成の一例を示す図である。図3Bに示すように、シフトレジスタ201は、例えば、駆動回路DRV1、DRV5、DRV9…DRVn-3を含んで構成される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
図3Bに示すように、駆動回路DRV1は、クロックCLK1に従うタイミングで、入力端子Iに入力されるスタート信号ST1が示す情報を含むゲート信号VG1を出力端子Oから駆動回路DRV5に出力する。同様に、駆動回路DRV5、DRV9…DRVn-3は、入力端子Iに入力される信号が示す情報を含むゲート信号VG5、VG9…VGn-3を出力端子Oから後段の駆動回路DRVに出力する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
トランジスタTR3は、ゲート端子に入力されるノードBTの電位に従って、ソース端子に接続される基準線W_VGLの電位をドレイン端子からトランジスタTR4及びTR5のゲート端子に供給する。トランジスタTRは、ゲート端子がノードBTに接続され、ドレイン端子がトランジスタTR2のソース端子とトランジスタTR4及びTR5のゲート端子とに接続され、ソース端子が基準線W_VGLに接続される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
トランジスタTR8は、ゲート端子に入力される電位に従って、ドレイン端子に接続される駆動回路DRVのクロック端子CKから供給されるクロックCLKの電位をソース端子から駆動回路DRVの出力端子Oに供給する。トランジスタTR8は、ゲート端子がノードBTに接続され、ドレイン端子が駆動回路DRVのクロック端子CKに接続され、ソース端子が駆動回路DRVの出力端子Oに接続される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
また、時刻t75で、制御回路40は、クロックCLK5の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLK5を2段目の駆動回路DRV5のクロック端子CKに出力する。時刻t75で、クロック端子CKへのロウレベルの電位の供給に伴って、2段目の駆動回路DRV5における容量素子Cdの一端の電位が引き下げられ、ノードBT(5)の電位は、ハイレベルの2倍の電位からハイレベルに遷移を開始する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
さらに、時刻t75で、入力端子Iへのゲート信号VG5の入力に伴って、3段目の駆動回路DRV9における容量素子Cdの一端の電位が引き上げられ、ノードBT(9)の電位は、ハイレベルからハイレベルの2倍の電位に遷移を開始する。また、時刻t75で、3段目の駆動回路DRV9から行信号線GL9と4段目の駆動回路DRV1の入力端子Iと1段目の駆動回路DRV1のリセット端子Rとに出力されるゲート信号VG9の電位は、ロウレベルからハイレベルに遷移を開始する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
さらに、時刻t77で、クロック端子CKへのロウレベルの電位の供給に伴って、3段目の駆動回路DRV9における容量素子Cdの一端の電位が下げられ、ノードBT(9)の電位は、ハイレベルの2倍の電位からハイレベルに遷移を開始する。また、時刻t7で、ゲート信号VG9の電位は、ハイレベルからロウレベルに遷移を開始する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0103】
(ステップSP12)
制御回路40は、奇数段目の駆動回路DRVに対応する画像素子110(第一画像素子)へ電荷を供給する第一期間(図7における時刻t75~t76の期間)と、偶数段目の駆動回路DRVに対応する画像素子110(第二画像素子)から電荷を引き抜く第期間(図7における時刻t75~t76の期間)とが重なるように、駆動回路DRVによって対応する行信号線GLを駆動する。これにより、制御回路40は、画像素子110(第一画像素子)を充電するととともに、画像素子110(第二画像素子)を放電させる。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0105】
(ステップSP16)
制御回路40は、奇数段目の駆動回路DRVに対応する画像素子110(第一画像素子)から電荷を引き抜く第二期間(図7における時刻t73~t74の期間)と、偶数段目の駆動回路DRVに対応する画像素子110(第二画像素子)に電荷を供給する第期間(図7における時刻t73~t74の期間)とが重なるように、駆動回路DRVによって対応する行信号線GLを駆動する。これにより、制御回路40は、画像素子110(第一画像素子)を放電させるととともに、画像素子110(第二画像素子)を充電する。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
<効果>
以上、第一実施形態では、表示システム1Aは、水平方向に配列された複数の列信号線SL1~SLmと、垂直方向に配列された複数の行信号線GL(第一行信号線:GL1~GL4、GL9~GL1、…GLn-7~GLn―4)及び複数の行信号線GL(第二行信号線:GL5~GL8、GL13~GL16、…GLn-3~GLn)と、第一行信号線及び列信号線SL1~SLmの交点に配置されている複数の画像素子110(第一画像素子)と、第二行信号線及び列信号線SL1~SLmの交点に配置されている複数の画像素子110(第二画像素子)とを有する表示装置10を備える。また、表示システム1Aは、第一行信号線毎に設けられ、対応する第一行信号線を介して第一画像素子を駆動する複数の駆動回路DRV(第一駆動回路)と、第二行信号線毎に設けられ、対応する第二行信号線を介して第二画像素子を駆動する駆動回路DRV(第二駆動回路)と、を有するゲートドライバ回路20(ドライバ回路)をさらに備える。さらに、表示システム1Aにおいて、第一駆動回路は、第一期間(図7における時刻t75~t76)に第一画像素子に電荷を供給し、第一期間と異なる第二期間(図7における時刻t73~t74)に第一画像素子から電荷を引き抜く。また、表示システム1Aにおいて、第二駆動回路は、第二期間と少なくとも一部が重複する第三期間(図7における時刻t73~t74)に第二画像素子に電荷を供給し、第一期間と少なくとも一部が重複する第四期間(図7における時刻t75~t76)に第二画像素子から電荷を引き抜く。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
この構成によれば、表示システム1Aは、第一クロック線WCL1~WCL4から発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズの少なくとも一部が、第一クロック線WCL1~WCL4に平行かつ隣接して配置されている第二クロック線WCL5~WCL8から発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズによって相殺される。また、第二クロック線WCL5~WCL8から発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズの少なくとも一部もまた、第一クロック線WCL1~WCL4から発せられる磁界ノイズ及び電界ノイズによって相殺される。したがって、表示システム1Aは、表示システム1Aから発せられるノイズを低減できる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0110】
また、本実施形態では、第一駆動回路及び第二駆動回路は、それぞれ交互に直列に接続されており、第一駆動回路は、前段に接続されている第二駆動回路から出力されるゲート信号(VG5~VG8、VG13~VG16、…VGn-11~VGn-8)が示す情報を保持し、第一期間に保持している情報を含むゲート信号(VG9~VG12、VG17~VG20、…Gn-7~Gn-4)を次段に接続されている第二駆動回路に出力する。また、第二駆動回路は、前段に接続されている第一駆動回路から出力されるゲート信号(VG1~VG4、VG9~VG12、…VGn-15~VGn-12)が示す情報を保持し、第三期間に保持している情報を含むゲート信号(VG5~VG8、VG13~VG16、…VGn-11~VGn-8)を次段に接続されている第一駆動回路に出力する。さらに、第一駆動回路は、次々段以降に接続されている第一駆動回路から出力されるゲート信号(VG9~VG12、…VGn-7~VGn-4)、又は次々段以降に接続されている第二駆動回路から出力されるゲート信号(VG13~VG16、…VGn-3~VGn)に従って保持している情報を初期化する。また、第二駆動回路は、次々段以降に接続されている第二駆動回路から出力されるゲート信号(VG13~VG16、…VGn-3~VGn)、又は次々段以降に接続されている第一駆動回路から出力されるゲート信号(VG17~VG20、…VGn-7~VGn-4)に従って保持している情報を初期化する。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0113
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0113】
<構成>
図5Aは、クロック線WCL1及びCL5の配置の第二例を示す図である。また、図5Bは、クロック線WCL1及びCL5の配置の第三例を示す図である。また、図5Cは、クロック線WCL1及びCL5の配置の第四例を示す図である。なお、図示されていないが、図5A図5B及び図5Cにおいて、クロック線WCL2~WCL8も、クロック線WCL1及びCL5と同様に配置されているものとする。また、表示システム1Bは、クロック線WCL1~WCL8の配置が異なる点を除いて第一実施形態における表示システム1Aと同様であるため、同様である部分についてはその説明を省略する。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0132
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0132】
時刻t86で、制御回路40は、クロックCLK3の電位をハイレベルからロウレベルに遷移させるとともに、クロックCLKの電位をロウレベルからハイレベルに遷移させる。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
この構成によれば、表示システム1Dは、第一画像素子に電荷を供給する第一期間に表示システム1Dから発せられる磁界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子から電荷を引き抜く第期間に表示システム1Dから発せられる磁界ノイズによって相殺され、さらに、第一画像素子から電荷を引き抜く第二期間に表示システム1Dから発せられる磁界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子に電荷を供給する第期間に表示システム1Dから発せられる磁界ノイズによって相殺される。したがって、表示システム1Dは、磁界ノイズを低減することによって、位置検出器14による位置指示器50の位置検出の精度を高めることができる。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0150
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0150】
この構成によれば、表示システム1Dは、ゲートドライバ回路20の側面側付近で発生する第一クロック線WCL1~WCL4及び第二クロック線WCL5~WCL8による磁界ノイズを低減することによって、位置検出器14におけるゲートドライバ回路20の側面側付近での位置指示器50の位置検出の精度を高めることができる。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0156
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0156】
この構成によれば、表示システム1Eは、第一画像素子に電荷を供給する第一期間に表示システム1Eから発せられる電界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子から電荷を引き抜く第期間に表示システム1Eから発せられる電界ノイズによって相殺され、さらに、第一画像素子から電荷を引き抜く第二期間に表示システム1Eから発せられる電界ノイズの少なくとも一部が、第二画像素子に電荷を供給する第期間に表示システム1Eから発せられる電界ノイズによって相殺される。したがって、表示システム1Eは、電解ノイズを低減することによって、タッチセンサ15によるスタイラス60や指61の位置検出の精度を高めることができる。